説明

光電場増強デバイスおよび光検出装置

【課題】ラマン散乱光をより高い感度で検出し得る光電場増強デバイスを提供する。
【解決手段】金属膜が形成された微細凹凸構造に光が照射されることにより、金属膜の表面に局在プラズモンが誘起される光電場増強デバイスを、一部に細路部13を備えた光導波路部材20と、細路部13の表面に備えられた微細凹凸構造18と、微細凹凸構造18の表面に形成された金属膜19とから構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、局在プラズモンを誘起しうる微細凹凸構造上に金属を備えた光電場増強デバイスおよびその光電場増強デバイスを備えた光検出装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
金属表面における局在プラズモン共鳴現象による電場増強効果を利用したセンサデバイスやラマン分光用デバイス等の電場増強デバイスが知られている。ラマン分光法は、物質に単波長光を照射して得られる散乱光を分光してスペクトル(ラマンスペクトル)を得、照射光と異なる波長の光(ラマン散乱光)を検出する方法であり、物質の同定等に利用されている。
【0003】
ラマン散乱光は非常に弱い光であるため一般には検出が難しいが、金属表面に物質を吸着させて光を照射すると、ラマン散乱光の強度が約10〜10倍になることが報告されている。特に、物質を吸着させる面にナノオーダーの金属微粒子が分布配置された構造では、ラマン散乱光が大幅に増強されることが知られている(例えば、非特許文献1参照)。ラマン散乱光の増強は、局在プラズモン共鳴に起因すると言われている。すなわち、金属微粒子内の自由電子が光の電場に共鳴して振動することにより金属微粒子周辺に強い電場が生じ、この電場の影響によりラマン散乱光が増強すると考えられている。
【0004】
ラマン散乱光の増強を実現するデバイスの作製法として、特許文献1には、基体の一表面に分布形成された複数の微細孔内に、局在プラズモン共鳴を誘起し得る大きさの金属微粒子が分布配置された微細構造およびメッキ処理を利用して該微細構造を作製する方法が開示されている。
【0005】
特許文献1の方法で作製した微細構造体は、高密度に配列された微細孔の中に局在プラズモン共鳴を誘起し得る大きさの複数の金属微粒子が配置され、その金属微粒子の頭部の径が微細孔の孔径よりも大きい構造をしている。この構造によれば、微細構造体表面に物質を吸着させて光を照射した際に、高い増強率でラマン散乱光が増強されるので、精度良くラマン散乱光を検出することができる。
【0006】
特許文献2には、光ファイバ探針の先端部に金属層を備えた増強ラマン信号測定装置および光ファイバ探針の探測端部の表面に金属層を形成する方法が開示されている。
【0007】
一方、特許文献3には、プラズモンを利用した光増幅現象を利用する光学素子として、光ファイバの一部に周期的粗面金属部を備えてなる光増幅素子が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2008−304370号公報
【特許文献2】特開2008−32716号公報
【特許文献3】特開2005−309295号公報
【非特許文献】
【0009】
【非特許文献1】“A complementary study of surface-enhanced Raman scattering and metal nanorod arrays”, J.L.Yao et al, Pure Appl. Chem, Vol.72, No.1, pp 221-228, 2000”
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、特許文献1の方法では陽極酸化およびメッキ処理を利用するため、微細構造体の基材は導電性の金属に限られる。このような励起光波長を透過しない基材で作製したデバイスにより増強されたラマン散乱光を観測するためには、デバイスの微細構造形成面から励起光を入射する必要がある。従って、ラマン散乱光が増強される微細構造部に励起光が到達するまでに、測定試料や媒質の吸収により励起光強度やラマン散乱光強度が減少し、測定信号のS/N比の低下を招く。
【0011】
また、ラマン散乱光を検出するためには、光電場増強デバイスに励起光を入射し、散乱光を検出する光学系が別途必要となり、測定装置の大型化を招くデメリットがある。
【0012】
特許文献2に記載の光ファイバを備えた増強ラマン信号測定装置においては、光ファイバの先端に設けられている金属膜は凹凸構造を伴わないため、ラマン信号の増幅度が十分とは言えない。
【0013】
さらに特許文献3に記載のデバイスは、デバイス内部を伝播する光を増幅するものであるため、デバイス外部での電場増強については検討されていない。
【0014】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、ラマン散乱光を効果的に増強するとともに、その増強されたラマン散乱光をより高い感度で検出することを可能とする、光電場増強デバイスを提供することを目的とする。また、その光電場増強デバイスを備えた増強光を検出するための測定装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明の光電場増強デバイスは、光導波路の一部に細路部を備えた光導波路部材と、
前記細路部の表面に備えられた微細凹凸構造と、
該微細凹凸構造の表面に形成された金属膜とを備え、
該金属膜が形成された前記微細凹凸構造に光の照射を受け、プラズモンによる電場増強効果を生じるものであることを特徴とする。
【0016】
ここで、前記金属膜は微細凹凸構造表面に形成されており、この金属膜表面は透明な微細凹凸構造に応じた微細凹凸構造を有する。金属膜表面の微細凹凸構造が、光の照射を受けて局在プラズモンを誘起しうるものであればよい。なお、ここで述べる微細凹凸構造とは、局在プラズモンを生じうる凹凸構造をなす凸部および凹部の平均的な大きさと平均的なピッチが照射される光の波長よりも小さい凹凸構造である。
【0017】
特には、凹凸の平均的なピッチおよび凸部の頂点と凹部の底部間の距離(深さ)が光の波長の半分以下であることが好ましい。例えば1000nm以下の可視領域の光を照射する場合には、凹凸の平均的なピッチおよび凸部の頂点と凹部の底部間の距離が500nm以下であることが望ましい。さらに、高い電場増強度を得るためには凹凸の平均的なピッチおよび凸部の頂点と凹部の底部間の距離(深さ)が200nm以下であることが好ましい。
【0018】
凹凸の平均的なピッチは、SEM(走査型電子顕微鏡)で微細凹凸構造の表面画像を撮影し、画像処理をして2値化し、統計的処理によって求めるものとする。
【0019】
凹凸の平均的な深さは、AFM(原子間力顕微鏡)により表面形状を測定して統計的処理によって求めるものとする。
【0020】
前記細路部の最小サイズは、励起光波長の50倍以下であることが望ましい。
【0021】
前記細路部は、前記光導波路が徐々に細くなるテーパ状とすることができる。
【0022】
前記光導波路部材は、前記細路部を該光導波路部材の中間部に備えてなるくびれ構造を有するように構成することができる。
【0023】
また、前記光導波路部材は、前記細路部を該光導波路部材の一端に備えてなる先細構造を有するように構成してもよい。
【0024】
本発明の光電場増強デバイスは、前記光導波路部材が先細構造である場合、前記光導波路部材の前記細路部の一端に結合された反射光学素子を備えていてもよい。
【0025】
本発明の光電場増強デバイスは、前記光導波路部材が先細構造である場合、前記光導波路部材の前記細路部の一端に結合された、前記照射される光の反射率または吸収率にくらべ、該光と異なる波長域の光に対する反射率または吸収率が高い光学素子を備えていてもよい。
【0026】
上記において「結合」とは光学的な結合を意味するものであり、前記反射光学素子あるいは前記光学素子は、前記細路部の一端に直接、あるいはさらなる光導波路部材を介して形成されていてもよいし、細路部の一端とは離間して配置されるものであってもよい。
【0027】
前記光導波路部材としては、光ファイバが好適である。
【0028】
前記微細凹凸構造は、アルミニウム酸化物またはアルミニウム水酸化物またはそれらの水和物からなるベーマイト層からなるものとすることができる。
【0029】
前記金属膜は、前記光の照射を受けて局在プラズモンを生じる金属からなるものであればよいが、Au、Ag、Cu、Al、Pt、およびこれらを主成分とする合金からなる群より選択される少なくとも1種の金属からなるものであることが好ましい。特には、Au、AgあるいはPtが好ましい。
【0030】
本発明の測定装置は、本発明の光電場増強デバイスと、
該光電場増強デバイスの前記光導波路部材に導光される励起光を出力する励起光源と、
前記光電場増強デバイスに結合された光検出部とを備えたことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0031】
本発明の光電場増強デバイスは、光導波路の一部に細路部を備えた光導波路部材と、細路部の表面に備えられた微細凹凸構造と、微細凹凸構造の表面に形成された金属膜とを備え、金属膜が微細凹凸構造に形成されてなる金属微細凹凸構造部を有しているので、この金属微細凹凸構造部に光が照射されることにより、金属微細凹凸構造部表面に局在プラズモンを効果的に誘起させることができ、この局在プラズモンによる光電場増強効果を生じさせることができる。
【0032】
また、本発明の光電場増強デバイスは、光導波路部材の光導波路の一部に設けられた細路部での光電場漏れを利用して、微細凹凸構造表面に金属膜が形成されてなる金属微細凹凸構造部に、光導波路を伝搬してきた光を照射させることができ、励起光を金属微細凹凸構造部の外部から照射する必要がない。したがって、本発明の光電場増強デバイスを用いた検出光の測定装置においては、測定試料や媒質の吸収や散乱に起因する励起光強度やラマン散乱光強度の減少を抑制することができるので、S/Nよく検出光を検出することが可能となる。また、本発明のデバイスを用いれば、光導波路部材中を励起光や検出光を伝搬させることができるので、励起、検出の光学系を非常に簡単な構成とすることが可能となる。
【0033】
また、微細凹凸構造を、ベーマイト層により構成する場合には、非常に簡単なプロセスで本発明の光電場増強デバイスを作製することができ、短時間、低コスト化が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】第1の実施形態に係る光電場増強デバイスの一部を示す断面図
【図2】テーパ部最小サイズとビーム広がり角との関係を示すグラフ
【図3A】第1の実施形態に係る光電場増強デバイスの作製工程におけるテーパ形成部を示す断面図
【図3B】第1の実施形態に係る光電場増強デバイスの作製工程におけるAl膜形成部を示す断面図
【図3C】第1の実施形態に係る光電場増強デバイスの作製工程におけるベーマイト層形成部を示す断面図
【図4】テーパ形成工程の他の例を示す断面図
【図5】第2の実施形態に係る光電場増強デバイスの一部を示す断面図
【図6】第2の実施形態に係る光電場増強デバイスの設計変更例2Aを示す断面図
【図7】第2の実施形態に係る光電場増強デバイスの設計変更例2Bを示す断面図
【図8】第2の実施形態に係る光電場増強デバイスの設計変更例2Cを示す断面図
【図9】第3の実施形態に係る光電場増強デバイスの斜視図
【図10】第4の実施形態に係る表面増強ラマン検出器の概略構成を表す模式図
【図11】第5の実施形態に係る表面増強ラマン検出器の概略構成を表す模式図
【図12】第6の実施形態に係る表面増強ラマン検出器の概略構成を表す模式図
【図13】第7の実施形態に係る表面増強ラマン検出器の概略構成を表す模式図
【図14】実施例で作製した光電場増強デバイスの微細凹凸構造(ベーマイト層)の表面のSEM画像
【図15】テーパ状光ファイバのテーパ部の径方向における電場強度を示すグラフ
【図16】ストレート光ファイバの径方向における電場強度を示すグラフ
【発明を実施するための形態】
【0035】
以下、図面を参照して本発明の光電場増強デバイスの実施形態について説明する。なお、視認しやすくするため、図面中の各構成要素の縮尺等は実際のものとは適宜異ならせてある。
【0036】
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態に係る光電場増強デバイス1の一部を示す断面図である。
【0037】
図1に示すように、本実施形態の光電場増強デバイス1は、コア部(光導波路)11およびクラッド部12からなる光導波部材である光ファイバ20の一部に徐々にコア径が細くなるテーパ部13を光導波路の細路部として備え、このテーパ部13の表面にベーマイト層からなる微細凹凸構造18を備え、さら微細凹凸構造18の表面に金属膜19を備えている。
【0038】
本デバイス1は、金属膜19が微細凹凸構造18に沿って形成されて構成される金属の微細凹凸構造部10に光(以下において、「励起光」という。)が照射されることにより、局在プラズモン共鳴を誘起するものであり、この局在プラズモン共鳴により金属膜19の表面に増強された光電場を生じさせるものである。本デバイス1は、光ファイバ20の中間部にテーパ部13が形成されてなるくびれ構造を有する。
【0039】
微細凹凸構造18は、テーパ部13の周方向全域に備えられていてもよいし、周方向の一部にのみ備えられていてもよい。
【0040】
微細凹凸構造18は、この微細凹凸構造18の表面に金属膜19が形成されて構成される金属微細凹凸構造部10の表面における凹凸の凸部の平均的な大きさおよび平均ピッチが励起光の波長より短いものとなる程度の微細な凹凸構造であるが、金属微細凹凸構造部10の表面に局在プラズモンを生じさせうるものであればよい。特には、微細凹凸構造18は、凸部頂点から隣接する凹部の底部までの平均深さが200nm以下、凹部を隔てた最隣接凸部の頂点同士の平均ピッチが200nm以下であることが望ましい。
【0041】
本実施形態において、微細凹凸構造18は、ベーマイト層により構成されるものであるが、微細凹凸構造は光ファイバのテーパ部表面を研磨して設けられたものであってもよい。
【0042】
なお、好ましいピッチおよび深さの凹凸を容易に形成可能であることから微細凹凸構造18はベーマイトにより構成することが好ましい。
【0043】
金属膜19は、励起光の照射を受けて局在プラズモンを生じうる金属からなるものであればよいが、例えば、Au、Ag、Cu、Al、Pt、およびこれらを主成分とする合金からなる群より選択される少なくとも1種の金属からなるものである。特には、Au、AgあるいはPtが好ましい。
【0044】
金属膜19の膜厚は、微細凹凸構造層18の表面に形成されたときに、金属微細凹凸構造部10として励起光の照射を受けて局在プラズモンを生じうる凹凸形状を維持することができる程度の厚みであれば特に制限はないが、10〜1000nmであることが好ましい。特に、50〜500nm程度が好ましい。
【0045】
テーパ部13の最小サイズ(最小径)Dminは、励起光波長の50倍以下であることが好ましい。
【0046】
本実施形態においては、光ファイバにその径が徐々に小さくなるテーパ部13を備えるものとしたが、光導波路に細路部が形成されていればよく、必ずしもテーパ状でなくてもよい。
【0047】
細路部の好適な最小サイズは以下のようにして求めた。波長785nmのレーザ光をNA0.22、コア径/クラッド径が230nm/250nmの光ファイバに、異なる最小径を有するテーパ部を形成してなるテーパファイバを作製し、各テーパファイバに導光させたときのビーム広がり全角とテーパ部最小径におけるコア径との関係について測定した。図2はその測定結果を示すものである。
【0048】
図2に示す結果から、コア径が37μm程度(励起光波長の約50倍)から導波光が光ファイバから漏れ出し、エタンデュ保存則(NA×コア径が一定)を満たさなくなることがわかる。すなわち、本発明の光電場増強デバイスにおいて、細路部の最小径を励起光波長の50倍以下とすれば、細路部において励起光が金属微細凹凸構造部側に漏れ出し、金属微細凹凸構造部に励起光を効果的に照射させることができると考えられる。
【0049】
次に、本実施形態の光電場増強デバイス1の製造方法について図3A〜図3Cを参照して説明する。図3A〜図3Cは光電場増強デバイス1の製造工程を示す断面図である。
コア部11およびクラッド部12からなる光ファイバ20として、例えば、コア直径105μm、クラッド直径125μmのマルチモード石英ファイバを用意し、その被覆(図示せず)を剥がしたクラッド露出部分を加熱、延伸し、図3Aに示すようなテーパ部13を形成する。このとき、加熱、延伸により、テーパ部13の最少径部分Dminのクラッド直径が30μmとなるようにする。
【0050】
なお、コア径とクラッド径はおよび延伸後のクラッド直径は、本実施形態と異なる値の組み合わせとしても良い。また、石英ファイバではなくガラスファイバやプラスチックファイバを使用してもよい。
【0051】
次に、非テーパ部16をマスクしてAl蒸着を行う。これにより、図3Bに示すように、テーパ部13にのみ20nmのAl膜17を形成する。Al膜17はテーパ部13の全周にわたって形成してもよいし、周方向の一部のみに形成してもよい。
なお、Al膜17は金属蒸着のみならず、PVD法あるいはCVD法等で形成してもよい。
【0052】
次に、Al膜17が形成されたテーパ部13を80℃の熱水に浸漬させて水熱処理(ベーマイト処理)を施す。これにより、図3Cに示すようにAl膜17は微細凹凸構造18を形成するベーマイト層となる。微細凹凸構造の他の作製法として、ゾルゲル法により形成したアルミニウム酸化物膜を水熱処理することでベーマイト層を形成してもよい。
【0053】
その後、ベーマイト層18上に、蒸着により、金属膜19として例えば50nm厚みのAu膜を形成することにより、図1に示す本実施形態の光電場増強デバイス1を作製することができる。
【0054】
なお、テーパ部13の形成方法は、加熱、延伸に限るものではない。図4に示すように、光ファイバ20の一部を、ピンセット先端14間にその表面張力により保持させたHF溶液15中に位置させ、HF溶液15による化学エッチングによりテーパ部13を形成してもよい。
また、光ファイバ作製における線引工程時の線引き速度調整により、光ファイバの一部にテーパ部13を予め作り込むようにしてもよい。
【0055】
(第2の実施形態)
本発明の第2の実施形態に係る光電場増強デバイス2について説明する。
図5は、本実施形態の光電場増強デバイス2の一部を示す断面図である。なお、光電場増強デバイス1と同一構成要素には同一符号を付し、その詳細な説明を省略する(以下の実施形態において同様とする。)。
【0056】
光電場増強デバイス2は、光ファイバ20の一端部にテーパ部13を備えた先細り構造を有するものである点で第1の実施形態の光電場増強デバイス1と異なる。
【0057】
本実施形態の光電場増強デバイス2は、光電場増強デバイス1と同様の作製方法で作製し、光電場増強デバイス1の金属微細凹凸構造部10の最細部(最小径の部分)で切断することにより作製することができる。なお、切断するのはデバイス1における最細部に限らず、任意の部分で切断してもよい。ただし、デバイス2における最細部が励起光波長の50倍以下であることが好ましい。
【0058】
(第2の実施形態の設計変更例)
図6〜8は、第2の実施形態の光電場増強デバイス2の設計変更例のデバイス2A〜2Cの一部を示す断面図である。
光電場増強デバイス2A〜2Cは、光電場増強デバイス2のテーパ部先端2aが、少なくともラマン散乱光Lrを反射する光学素子に接続されてなる。
【0059】
図6に示す光電場増強デバイス2Aは、先端2aに、金属膜あるは多層膜からなる反射光学素子22が形成されており、先端2aから射出される光を光ファイバ20側に反射するよう構成されている。
【0060】
図7に示す光電場増強デバイス2Bは、光電場増強デバイス2のテーパ部先端2aに、光ファイバ20とは異なる光導波路基板23の一端が接続され、光導波路基板23の他端に反射光学素子24を備えてなる。
【0061】
図8に示す光電場増強デバイス2Cは、光電場増強デバイス2のテーパ部先端2aと所定距離の位置に備えられたレンズ25とその後方に備えられた反射光学素子26とを備えている。レンズ25は、テーパ部先端2aから射出される光をコリメートするとともに、反射光学素子26で反射した光をテーパ部先端2aに集光させるよう配置構成されている。
【0062】
デバイス2A〜2Cのように、テーパ部先端2aと光学的に接続された反射光学素子を備えてなることにより、光ファイバ側から光を検出する場合の光量を増加させることができる。
デバイス2A〜2Cに備えられる反射光学素子は、単なるミラーであってもよいが、これらのデバイス2A〜2Cを備えた測定装置において検出対象とする光(例えば、ラマン分光装置におけるラマン散乱光、蛍光検出装置における蛍光)の波長を効率よく反射する一方、励起光を吸収あるいは透過するものであれば、測定装置において検出光をより高い精度で検出することができるため、好ましい。
【0063】
(第3の実施形態)
本発明の第3の実施形態に係る光電場増強デバイス3について説明する。
図9は、本実施形態の光電場増強デバイス3を示す斜視図である。
【0064】
光電場増強デバイス3は、中央部にテーパ部35を備えた光導波路部33が、200μm幅の光導波路(コア部)31を備えたLN(LiNbO)基板30の一部に設けられ、テーパ部35の側面に微細凹凸構造を構成するベーマイト層18およびその上に設けられた金属膜19が形成されてなるものである。
【0065】
光電場増強デバイス3の製造方法を簡単に説明する。
LN基板30の一部を機械掘削して、厚み2mm長さ5mm、200μm幅のコア部31を含み幅400μmクラッド部32からなる光導波路部33を形成し、さらに、その長さ方向中央部を機械掘削して最細部(最も幅の薄い部分)のコア幅が30μmとなるようにテーパ部35を形成する。
そして、テーパ部35の側面に厚み20nmのAl膜を形成し、水熱処理を行うことにより、ベーマイト層18を形成する。さらに、このベーマイト層18の表面にAu薄膜19を形成することによりテーパ部35の側面に金属微細凹凸構造部10を形成する。
【0066】
本実施形態のように、光導波路部材は光ファイバに限らず、基板状のものであってもよい。基板状の場合、細路部の最小サイズは、厚みの最も薄い箇所の厚みをいうものとし、この厚みが励起光波長の50倍以上であることが望ましい。
【0067】
なお、基板としては、LN(LiNbO)の他、LiTaO、KN(KNbO)、KTP(KTiOPO)、または、LiNb(1−x)Ta(ただし、0≦x≦1)などに光導波路(コア部)が形成されてなる基板を用いることができる。
【0068】
(第4実施形態)
次に、本発明の第4実施形態に係る、光電場増強デバイスを備えた測定装置について説明する。本実施形態の測定装置は、上述の光電場増強デバイス1を備えた表面増強ラマン検出器4である。
【0069】
図10は、本実施形態の表面増強ラマン検出器4の概略構成を示す模式図である。
表面増強ラマン検出器4は、光ファイバ20の一部にテーパ部13を備え、該テーパ部に金属微細凹凸構造部10が形成されてなる光電場増強デバイス1を備え、半導体レーザ光源41が光コネクタ42を介して光電場増強デバイス1の一端(光ファイバ20の一端)に接続されており、光検出器44が光電場増強デバイス1の他端(光ファイバ20の他端)に接続されている。光コネクタ42は半導体レーザ光源41と光ファイバ20を光学的に、および機械的に結合する構造を有する。また、光コネクタ43は光コネクタ42と同様に、光検出器44と光ファイバ20を光学的に、および機械的に結合する構造を有する。
【0070】
本表面増強ラマン検出器4の作用を説明する。
図示しない試料溶液中に光電場増強デバイス1の金属微細凹凸構造部10を挿入した状態で、半導体レーザ光源41から励起光を射出させる。励起光(レーザ光)Lは、光コネクタ42を介して光ファイバ20中を伝播し、テーパ部13の金属微細凹凸構造部10において局在プラズモンが誘起され、構造部10の表面において増強された光電場が生じる。この光電場による励起を受けて試料溶液中の物質から生じるラマン散乱光Lrは、光ファイバ20中を導波して光コネクタ43を介して光検出器44により検出される。
【0071】
なお、励起光Lも光検出器44へと伝播するため、光検出器44は内部に励起光を吸収または反射する光学素子または/およびラマン散乱光を分光する光学素子を備えていることが好ましい。
【0072】
(第5実施形態)
次に、本発明の第5実施形態に係る、光電場増強デバイスを備えた測定装置について説明する。本実施形態の測定装置は、上述の光電場増強デバイス1を備えた表面増強ラマン検出器5である。
【0073】
図11は、本実施形態の表面増強ラマン検出器5の概略構成を示す模式図である。
表面増強ラマン検出器5は、半導体レーザ光源41が光コネクタ42と光ファイバカプラ(光方向性結合器)51を介して光電場増強デバイス1の一端に接続されており、光検出器44が、光コネクタ43と光ファイバカプラ52を介して光電場増強デバイスの両端に接続されてなる。
【0074】
本表面増強ラマン検出器5の作用を説明する。
図示しない試料溶液中に光電場増強デバイス1の金属微細凹凸構造部10を挿入した状態で、半導体レーザ光源41から励起光を射出させる。励起光Lは、光コネクタ42および光ファイバカプラ51を介し光電場増強デバイス1中に伝播し、テーパ部13の金属微細凹凸構造部10において局在プラズモンを誘起する。これにより、金属微細凹凸構造部10の表面において増強された光電場が生じる。この光電場による励起を受けて試料溶液中の物質から生じるラマン散乱光Lrは、光電場増強デバイス1中を導波して一部は光ファイバカプラ52に直接到達し、別の一部は光ファイバカプラ51を経由して光ファイバカプラ52に到達し、それぞれが合波され、光コネクタ43を介して光検出器44で検出される。
【0075】
表面増強ラマン検出器4では、金属微細凹凸構造部10近傍で生じたラマン散乱光Lrのうち、光検出器44側に導波したものしか検出できないが、本実施形態の表面増強ラマン検出器5では、レーザ光源41側に導波したものの一部も光ファイバカプラ51を介して検出することができるため、より高い精度の検出が可能となる。
【0076】
なお、本実施形態においても、励起光Lが光検出器44へと伝播するため、光検出器44は内部に励起光を吸収または反射する光学素子または/およびラマン散乱光を分光する光学素子を備えていることが好ましい。
【0077】
(第6実施形態)
次に、本発明の第6実施形態に係る、光電場増強デバイスを備えた測定装置について説明する。本実施形態の測定装置は、上述の光電場増強デバイス1を備えた表面増強ラマン検出器6である。
【0078】
図12は、本実施形態の表面増強ラマン検出器6の概略構成を示す模式図である。
表面増強ラマン検出器6は、半導体レーザ光源41が光コネクタ42とWDM(波長分割多重)光カプラ61を介して光電場増強デバイス1の一端に接続されており、光検出器44が、光コネクタ43、光ファイバカプラ64およびWDM光カプラ61,62を介して光電場増強デバイス1の両端に接続されてなる。
WDM光カプラ61は励起光波長とラマン散乱光波長を分波するものであり、励起光波長を分波するポートが半導体レーザ光源41に接続され、ラマン散乱光を分波するポートが光ファイバカプラ63に接続されている。WDM光カプラ61の別の一端は光電場増強デバイス1に接続される。WDM光カプラ62もWDM光カプラ61と同様に励起光波長とラマン散乱光波長を分波するものであり、励起光波長を分波するポートはビームディフューザ64に接続され、ラマン散乱光波長を分波するポートは光ファイバカプラ63に接続されている。
【0079】
本表面増強ラマン検出器6の作用を説明する。
図示しない試料溶液中に光電場増強デバイス1の金属微細凹凸構造部10を挿入した状態で、半導体レーザ光源41から励起光を射出させる。励起光Lは、光コネクタ42およびWDM光カプラ61を介して光電場増強デバイス1中に伝播し、テーパ部13の金属微細凹凸構造部10において局在プラズモンを誘起する。これにより、金属微細凹凸構造部10の表面において増強された光電場が生じる。この光電場による励起を受けて試料溶液中の物質から生じるラマン散乱光Lrは、光電場増強デバイス1中を導波して一部はWDM光カプラ61を介して光ファイバカプラ63に到達する。別の一部はWDM光カプラ62を介して光ファイバカプラ63に到達する。WDM光カプラ62に到達した励起光はビームディフューザ64に入射され、終端される。WDM光カプラ61とWDM光カプラ62から光ファイバカプラ63に入射したラマン散乱光は合波され、光コネクタ43を介して光検出器44で検出される。
【0080】
光検出器44は内部に励起光を吸収または反射する光学素子または/およびラマン散乱光を分光する光学素子を備えていても良い。
【0081】
本実施形態の表面増強ラマン検出器6は、WDM光カプラ61、62を使用することで、第5実施形態に係る表面増強ラマン検出器5よりも、さらにラマン散乱光を高効率に検出することができる。
【0082】
(第7実施形態)
次に、本発明の第7実施形態に係る、光電場増強デバイスを備えた測定装置について説明する。本実施形態の測定装置は、上述の光電場増強デバイス2を備えた表面増強ラマン検出器7である。
【0083】
図13は、本実施形態の表面増強ラマン検出器7の概略構成を示す模式図である。
表面増強ラマン検出器7は、半導体レーザ光源41が光コネクタ42と光ファイバカプラ71を介して光電場増強デバイス2に接続されており、光検出器44が光コネクタ43と光ファイバカプラ71を介して光電場増強デバイス2に接続されてなる。
【0084】
本表面増強ラマン検出器7の作用を説明する。
図示しない試料溶液中に光電場増強デバイス1の金属微細凹凸構造部10を挿入した状態で、半導体レーザ光源41から励起光Lを射出させる。励起光Lは、光コネクタ42および光ファイバカプラ71を介し光電場増強デバイス1中に伝播し、テーパ部13の金属微細凹凸構造部10において局在プラズモンを誘起する。これにより、金属微細凹凸構造部10の表面において増強された光電場が生じる。この光電場による励起を受けて試料溶液中の物質から生じるラマン散乱光Lrは、光電場増強デバイス1中を導波して光ファイバカプラ71を介して光コネクタ43に到達し、光検出器44で検出される。
【0085】
光検出器44は内部に励起光を吸収または反射する光学素子または/およびラマン散乱光を分光する光学素子を備えていても良い。
【0086】
光ファイバカプラ71が、ラマン散乱光波長を光検出器44側の光コネクタ43に向けて分波するWDM光カプラであれば、より効率的にラマン散乱光を検出することができ好ましい。
【0087】
また、光電場増強デバイス2の代わりに、第2の光電場増強デバイス2の設計変更例のデバイス2A〜2Cを備えた構成としてもよい。
光電場増強デバイス2A〜2Cのように、端面にラマン散乱光を反射するミラーを備えていれば、光検出器44に入射するラマン散乱光量を増加させることができる。また、ラマン散乱光を反射させると共に、励起光を透過するフィルタとして作用する多層膜を備えていれば、光検出器44に入射するラマン散乱光量を増加させると共に、光検出器44に入射する励起光量を低減することができ、よりS/Nの高い検出が可能となる。
【0088】
本発明の測定装置の実施形態として、上記においては表面増強ラマン検出器について説明したが、本発明の測定装置は、プラズモン増強蛍光検出置に適用することもできる。蛍光検出装置において、上述の光電場増強デバイス1、2を用いることにより、金属微細凹凸構造部10近傍において、増強された蛍光を検出することができる。
【0089】
さらには、ラマン散乱光、蛍光の測定のみならず、励起光の照射を受けた被検体から生じるレーリー散乱光、ミー散乱光、あるいは第2高調波などの測定装置においても、上述の光電場増強デバイス1、2を用いることにより、金属微細凹凸構造部10近傍において、局在プラズモン共鳴に伴う増強された光電場を生じさせることができ、増強された光を検出することができる。
【実施例】
【0090】
(実施例1)
Corning社のマルチモード石英ファイバHI1060(クラッド直径125μm)の一部の被覆を除去し、クラッド露出部分を1200℃で加熱、延伸し、クラッド直径60μmの細径部を有するテーパ部を形成した。光ファイバの被覆部分をマスクして蒸着を行い、20nmのAl膜をテーパ部の片面に形成した。Al薄膜形成部を80℃の熱水で5分間水熱処理を行い、ベーマイト層を形成した。形成したベーマイト層の表面SEM写真を図9に示す。図14において、白く観察される箇所が微細凹凸構造の凸部表面である。全域に亘って一様に凹凸構造が形成されている様子が観察された。このベーマイト層からなる微細凹凸構造表面に蒸着によりAu膜を50nmの厚さで形成し、光電場増強デバイス1を作製することができた。
【0091】
(電場強度シミュレーション)
水中(屈折率1.33)に位置するコア径230μm/クラッド径250μmの光ファイバ(コア屈折率1.45、クラッド屈折率1.43)について、一部に最細部40μmとなるテーパ部を設けた場合の最細部(コア径36.8μm、クラッド径40μm)と、クラッド径250μmのストレート部のクラッド境界における電場強度についてビーム伝播法によるシミュレーションを行った。ここで、入射レーザ光の波長は785nm、シミュレーション開始点で1/e幅0.6μmのガウス分布に集光されて光ファイバと結合されている。シミュレーション開始点から40mmにわたりストレート部を導波させ、テーパ長10mm、最細部直径40μmのテーパ部くびれ点の電場強度と、シミュレーション開始点から50mmにわたりストレート部を導波させたときの電場強度についてそれぞれ計算した。この結果を図15、図16に示す。
【0092】
図15(A)は、40μmのテーパ最細部における電場強度(実線)および屈折率(破線)を示したものである。図15(B)は同図(A)のクラッド境界部の拡大図である。
図16(A)は、250μmストレート光ファイバにおける電場強度(実線)および屈折率(破線)を示したものであり、図16(B)は同図(A)のクラッド境界部の拡大図である。
【0093】
図16(B)に示すように、250μmストレート光ファイバにおいては、クラッド境界で大きく電場強度が減衰するのに対し、図15(B)に示すように、40μmのテーパ最細部では、クラッド境界での電場強度の減衰が小さく、ストレート光ファイバのクラッド外側の電場強度よりも2桁程度強い電場が得られるという結果が得られた。
このように、光ファイバのテーパ部の外部では、大きな電場強度が得られ、従って微細金属構造において局在プラズモンを誘起する光電場強度も増加し、テーパ部を形成しない場合と比較して非常に高い光電場増強効果を得ることができることが明らかである。
【0094】
(実施例2)
Thorlabs社の半導体レーザL850P010をLD光源41とし、Thorlabs社のファイバ結合レンズペアC230260P-Bを使用してLD光源41と光電場増強デバイス1を結合させる光コネクタ42および光検出器44と光電場増強デバイス1を結合する光コネクタ43を構成した。Semrock社のロングウェーブパスフィルタLP02-830RS-25と浜松ホトニクス社分光器C10027-02を組み合わせて光検出器44とし、光コネクタ43の出力と結合させた。光電場増強デバイス1として実施例1に例示したデバイスを使用し、表面増強ラマン検出器4を構成することができた。
【0095】
なお、本発明は上記実施例に限定されず、特許請求の範囲に記載された技術的思想を逸脱しない範囲で各種の変更や修正が可能である。例えば、本発明に係る励起光源として、本実施形態では、半導体レーザ光源41を例示したが、適宜固体レーザ光源や色素レーザ光源などを用いても構わない。
【符号の説明】
【0096】
1、2,3 光電場増強デバイス
4,5,6,7 表面増強ラマン検出器(測定装置)
10 金属微細凹凸構造部
11 コア部
12 クラッド部
13 テーパ部(細路部)
16 非テーパ部
17 Al膜
18 微細凹凸構造(ベーマイト層)
19 金属膜
20 光ファイバ
22 ミラー
41 励起光源
42、43 光コネクタ
44 光検出部
51、52、63、71 光ファイバカプラ
61、62 WDM光ファイバカプラ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光導波路の一部に細路部を備えた光導波路部材と、
前記細路部の表面に備えられた微細凹凸構造と、
該微細凹凸構造の表面に形成された金属膜とを備え、
該金属膜が形成された前記微細凹凸構造に光の照射を受け、プラズモンによる電場増強効果を生じるものであることを特徴とする光電場増強デバイス。
【請求項2】
前記細路部の最小サイズが励起光波長の50倍以下であることを特徴とする請求項1記載の光電場増強デバイス。
【請求項3】
前記細路部が、前記光導波路が徐々に細くなるテーパ状であることを特徴とする請求項1または2記載の光電場増強デバイス。
【請求項4】
前記光導波路部材が、前記細路部を該光導波路部材の中間部に備えてなるくびれ構造を有していることを特徴とする請求項1から3いずれか1項記載の光電場増強デバイス。
【請求項5】
前記光導波路部材が、前記細路部を該光導波路部材の一端に備えてなる先細構造を有していることを特徴とする請求項1から3いずれか1項記載の光電場増強デバイス。
【請求項6】
前記光導波路部材の前記細路部の一端に結合された反射光学素子を備えていることを特徴とする請求項5記載の光電場増強デバイス。
【請求項7】
前記光導波路部材の前記細路部の一端に結合された、前記照射される光の反射率または吸収率にくらべ、該光と異なる波長域の光に対する反射率または吸収率が高い光学素子を備えていることを特徴とする請求項5載の光電場増強デバイス。
【請求項8】
前記光導波路部材が光ファイバであることを特徴とする請求項1から7いずれか1項記載の光電場増強デバイス。
【請求項9】
前記微細凹凸構造が、アルミニウム酸化物を含む化合物を主成分とすることを特徴とする請求項1から8いずれか1項記載の光電場増強デバイス。
【請求項10】
請求項1から9いずれか1項記載の光電場増強デバイスと、
該光電場増強デバイスの前記光導波路部材に導光される励起光を出力する励起光源と、
前記光電場増強デバイスに結合された光検出部とを備えたことを特徴とする測定装置。

【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図3C】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図15】
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【図16】
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【図14】
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【公開番号】特開2012−132743(P2012−132743A)
【公開日】平成24年7月12日(2012.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−284106(P2010−284106)
【出願日】平成22年12月21日(2010.12.21)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】