説明

光電変換素子、フラーレン化合物の製造方法、及びフラーレン化合物

【課題】光電変換効率に優れた光電変換素子の材料として用いられうるジヒドロメタノ基付加フラーレン化合物を効率良く製造する方法、当該ジヒドロメタノ基付加フラーレン化合物、及び当該ジヒドロメタノ基付加フラーレン化合物を含有する光電変換素子を提供する。
【解決手段】
少なくとも一対の電極と活性層とを含む光電変換素子であって、該活性層は1つ以上のジヒドロメタノ基と1つ以上の有機基とで置換されたフラーレン化合物を含有し、該有機基は、式(n1)乃至(n7)で表される有機基のうちの1つ以上であることを特徴とする光電変換素子。


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【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも一対の電極と活性層とを含む光電変換素子であって、該活性層は1つ以上のジヒドロメタノ基と1つ以上の有機基とで置換されたフラーレン化合物を含有し、該有機基は、下式(n1)乃至(n7)で表される有機基のうちの1つ以上であることを特徴とする光電変換素子。
【化1】

上式(n1)乃至(n7)において、FLNはフラーレンを表す。前記有機基が結合するフラーレン上の炭素原子は、フラーレン骨格中の同一の五員環若しくは六員環に位置する。r,s,t,u,v,w,xは独立した0以上の整数であり、r,s,t,u,v,w,及びxの合計は1以上5以下である。
式(n1)中、Lは1以上8以下の整数であり、Rは置換基を有していても良い炭素数1〜14のアルキル基、置換基を有していても良い炭素数1〜14のアルコキシ基、又は置換基を有していても良い芳香族基であり、R〜Rは各々独立して、水素原子、炭素数1〜14のアルキル基、炭素数1〜14のフッ化アルキル基、又は置換基を有していても良い芳香族基である。
式(n2)中、R乃至Rは各々独立に、水素原子、置換基を有していても良い炭素数1〜14のアルキル基、又は置換基を有していても良い芳香族基である。
式(n3)中、Arは、置換基を有していても良い炭素数6〜20の芳香族炭化水素基または炭素数2〜20の芳香族複素環基であり、R10乃至R13は各々独立して、水素原子、置換基を有していても良いアルキル基、置換基を有していても良いアミノ基、置換基を有していても良いアルコキシ基、または置換基を有していても良いアルキルチオ基である。R10若しくはR11は、R12若しくはR13と環を形成しても良い。
式(n4)中、R14とR15との一方は水素原子、アルコキシカルボニル基、置換基を有していても良い炭素数1〜14のアルキル基、又は置換基を有していても良い芳香族基であり、他方はアルコキシカルボニル基、置換基を有していても良い炭素数1〜14のアルキル基、又は置換基を有していても良い芳香族基である。
式(n5)中、Ar及びArは各々独立して、置換基を有していても良い炭素数6〜20の芳香族炭化水素基あるいは置換基を有していても良い炭素数2〜20の芳香族複素環基である。
式(n6)中、Ar及びArは各々独立して、置換基を有していても良い炭素数6〜20の芳香族炭化水素基あるいは置換基を有していても良い炭素数2〜20の芳香族複素環基である。
式(n7)中、R16及びR17は各々独立して、置換基を有していても良い炭素数1〜14のアルキル基、あるいは置換基を有していても良い芳香族基である。
【請求項2】
前記活性層が、前記式(n3)で表される有機基で置換されたフラーレン化合物を含有していることを特徴とする請求項1に記載の光電変換素子。
【請求項3】
前記活性層が、前記式(n4)で表される有機基で置換されたフラーレン化合物を含有していることを特徴とする請求項1に記載の光電変換素子。
【請求項4】
前記活性層が、前記式(n7)で表される有機基で置換されたフラーレン化合物を含有していることを特徴とする請求項1に記載の光電変換素子。
【請求項5】
前記フラーレン化合物が、1つのジヒドロメタノ基を有することを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の光電変換素子。
【請求項6】
下記式(B−II)で表されるフラーレン化合物に対して、酸化剤を作用させる反応工程を含むことを特徴とする、下記式(A−II)で表されるフラーレン化合物の製造方法。
【化2】

【化3】

上式において、flnは有機基が付加されていてもよいフラーレンを表す。m’’’は1又は2であり、m’は0又は1であり、m’’は1又は2であり、m’’’はm’とm’’との和である。
上式において、ジヒドロメタノ基はフラーレン骨格中の同一の五員環若しくは六員環に結合する。水素原子とシリルメチル基との組もまた、フラーレン環上の同一の五員環若しくは六員環上に結合している。
式(B−II)において、R21乃至R23は各々独立して、水素原子、置換基を有していても良い炭素数1〜30の炭化水素基、置換基を有していても良い炭素数1〜30のアルコキシ基、置換基を有していても良い炭素数6〜30のアリールオキシ基、置換基を有していても良いアミノ基、置換基を有していても良いシリル基、置換基を有していても良いアルキルチオ基、置換基を有していても良いアリールチオ基、置換基を有していても良いアルキルスルホニル基、又は置換基を有していても良いアリールスルホニル基である。
【請求項7】
前記反応工程で塩基性化合物を併用することを特徴とする請求項6記載のフラーレン化合物の製造方法。
【請求項8】
フラーレン二量体のフラーレン間の結合を開裂する工程を含むことを特徴とする下式(A−II)で表されるフラーレン化合物の製造方法。
【化4】

上式において、flnは有機基が付加されていてもよいフラーレンを表し、m’’’は1又は2である。
【請求項9】
前記フラーレン二量体が下式(C−II)で表されることを特徴とする請求項8に記載のフラーレン化合物の製造方法。
【化5】

上式において、flnは有機基が付加されていてもよいフラーレンを表す。m’は0又は1であり、m’’’=m’+1である。
上式において、ジヒドロメタノ基はフラーレン骨格中の同一の五員環若しくは六員環に結合する。一方のフラーレンとシリルメチル基との組もまた、他方のフラーレン環上の同一の五員環若しくは六員環上に結合している。
24乃至R26は各々独立して、水素原子、置換基を有していても良い炭素数1〜30の炭化水素基、置換基を有していても良い炭素数1〜30のアルコキシ基、置換基を有していても良い炭素数6〜30のアリールオキシ基、置換基を有していても良いアミノ基、置換基を有していても良いシリル基、置換基を有していても良いアルキルチオ基、置換基を有していても良いアリールチオ基、置換基を有していても良いアルキルスルホニル基、置換基を有していても良いアリールスルホニル基である。一方のフラーレンが有するシリル基に置換しているR24乃至R26のそれぞれと、他方のフラーレンが有するシリル基に置換しているR24乃至R26のそれぞれとは、同一であるか又は異なっている。
【請求項10】
前記開裂する工程では、前記フラーレン二量体に酸化剤を作用させることを特徴とする請求項8又は9に記載のフラーレン化合物の製造方法。
【請求項11】
前記酸化剤は金属塩であることを特徴とする請求項6又は10に記載のフラーレン化合物の製造方法。
【請求項12】
前記酸化剤が2価の銅塩であることを特徴とする請求項11に記載のフラーレン化合物の製造方法。
【請求項13】
下式(n11)で表されるフラーレン化合物。
【化6】

上式において、FLNはフラーレンを表す。ジヒドロメタノ基はフラーレン骨格中の同一の五員環若しくは六員環に結合している。t’は1以上5以下の整数である。
上式において、Ar1’は、置換基を有していても良い炭素数3〜10の芳香族炭化水素基若しくは芳香族複素環基であり、R10’乃至R13’は各々独立して、水素原子、酸素原子、硫黄原子、置換基を有していても良いアルキル基、置換基を有していても良いアミノ基、又は置換基を有していても良いアルコキシ基である。R10’若しくはR11’は、R12’若しくはR13’と環を形成しても良い。
【請求項14】
下式(n12)で表されるフラーレン化合物。
【化7】

上式において、FLNはフラーレンを表す。ジヒドロメタノ基はフラーレン骨格中の同一の五員環若しくは六員環に結合している。u’は1以上5以下の整数である。
上式において、R14’とR15’との一方は水素原子、アルコキシカルボニル基、置換基を有していても良い炭素数1〜14のアルキル基、又は置換基を有していても良い芳香族基であり、他方はアルコキシカルボニル基、置換基を有していても良い炭素数1〜14のアルキル基、又は置換基を有していても良い芳香族基である。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2012−94829(P2012−94829A)
【公開日】平成24年5月17日(2012.5.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−192064(P2011−192064)
【出願日】平成23年9月2日(2011.9.2)
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成22年度、独立行政法人科学技術振興機構、産学イノベーション加速事業[戦略的イノベーション創出推進]、「塗布型長寿命有機太陽電池の創出と実用化に向けた基盤技術開発」に係る委託研究、産業技術力強化法第19条の適用を受ける特許出願
【出願人】(000005968)三菱化学株式会社 (4,356)
【Fターム(参考)】