説明

光電変換素子の製造方法及び光電変換素子の洗浄装置

【課題】透明導電膜のスクライブの絶縁特性を確保し、且つ光電変換素子としての品質を確保できる光電変換素子の製造方法及び光電変換素子の洗浄装置を提供することである。
【解決手段】ガラス基板11上に酸化亜鉛系の透明導電膜12を成膜する成膜工程と、透明導電膜12にスクライブ40を形成するスクライブ工程とを有する光電変換素子10の製造方法において、スクライブ工程の後に、透明導電膜12上を溶解性を有する洗浄液8で覆い、一定時間の間、透明導電膜12上に洗浄液8を滞留させた後に、洗浄液8を排出する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、太陽電池等の光電変換素子に関するものであり、より詳細には、光電変換素子の製造方法及び光電変換素子の洗浄装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
太陽光発電に代表されるクリーンエネルギー市場は世界的規模で拡大し、特に太陽電池市場は年々拡大している。それに伴い、より発電効率の高い太陽電池が求められている。太陽電池は、光エネルギーを直接電力に変換できる電力機器であり、光電変換素子が用いられる。光電変換素子は、光エネルギーを半導体のPN接合部で吸収することで電子が発生する「光起電力効果」を利用した半導体素子であり、電圧を加えると光を放出する発光ダイオード(LED)とは逆の仕組みである。
光電変換素子は「太陽電池パネル」と呼ばれるように薄板状であり、薄い透明のガラス基板と、薄い層状の半導体素子とが一体化されたものである。一般的な太陽電池パネルの構造を簡単に説明すると、ガラス基板上に、透明電極層(透明導電膜)、P型半導体層、I型半導体層、N型半導体層、裏面電極層の順で積層されており、ガラス基板から入射した太陽光は、透明導電膜を通過して、I型半導体層で吸収され、電子が発生する。
ここで、太陽光の波長について説明する。太陽光は紫外線から赤外線まで波長の異なる光の集合体であり、波長の異なる光を太陽電池で効率よく吸収するためには、それぞれの波長の吸収に適した半導体素子が必要であり、半導体素子にシリコン系の素材を用いたものや、化合物系の素材を用いたもの、1つの太陽電池の中に構造や形態の異なる複数の半導体素子を積層した「積層型」と呼ばれる発電効率の高い太陽電池など、様々な太陽電池が市場には存在する。
【0003】
また、太陽電池の光吸収効率は、透明導電膜の表面形状に大きく左右される。詳しく説明すると、透明導電膜の裏面には「テクスチャ」と呼ばれる微細な凹凸が形成されており、透明導電膜での光の反射を低減させ内部発電を増加させる、いわゆる「光閉じ込め効果」を高めることができる。テクスチャはピラミッド状であり、入射する太陽光がピラミッド状のテクスチャで多重反射し、光路長(光学的距離)が増すことにより、発生する電子が増加する。ちなみに、「光路長」とは物質中における光の速さに影響を及ぼすものであり、距離と屈折率との積で求めることができる。
特許文献1には、透明導電膜に「微細な凹凸」を有した太陽電池が開示されている。特許文献1に開示された太陽電池の光電変換素子では、透明導電膜の素材として、酸化錫や酸化亜鉛等の金属酸化物を用いることが示唆されている。
酸化亜鉛(ZnO)は酸化錫に比べ、太陽光の長波長領域の透過率が良好であるため、酸化亜鉛系(実質的に酸化亜鉛を主とし、他のドーパント元素を含んでいてもよい)の透明導電膜への期待が高まり、積極的に開発が進められている。
ところで、光電変換素子の製造工程において、「スクライブ」と呼ばれる溝を透明導電膜に形成するスクライブ工程がある。スクライブは電気的に絶縁したい箇所同士の間の透明導電膜を、レーザー装置で除去して溝を形成するものであり、スクライブ残渣があると絶縁したい箇所同士が短絡し、絶縁できない場合がある。このため、スクライブ工程後に、スクライブ残渣を除去する洗浄工程を行う。
特許文献2には、太陽電池の電極層のスクライブ工程後に、導電ブラシ機構と噴射ノズル機構を備えた洗浄装置による洗浄工程を行うことが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−332162号公報
【特許文献2】特開2001−44467号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献2に開示された洗浄工程では、導電ブラシでスクライブ残渣を掃き出し、水を噴射ノズルから噴きつけてスクライブ残渣を洗い流す。
ここで本発明者らは、酸化亜鉛系の透明導電膜のスクライブ残渣の除去に、特許文献2に開示された洗浄装置と同様の装置を用いることを試みた。ところが、特許文献2と同様の水による洗浄では、酸化亜鉛系の透明導電膜のスクライブ残渣は除去しきれなかった。
そこで、スクライブ残渣を確実に除去するため、洗浄液に酸性洗剤又はアルカリ性洗剤を用いたところ、スクライブ残渣は除去できた。しかしながら、酸化亜鉛は化学的安定性が悪く、酸性洗剤又はアルカリ性洗剤のどちらの洗浄液でも、スクライブ残渣だけでなく、透明導電膜に形成されたテクスチャも溶解してしまい、テクスチャの光吸収効率の低下を招き、光電変換素子としての品質を確保できないという問題が新たに発生した。
【0006】
そこで、本発明は、透明導電膜のスクライブの絶縁特性を確保し、且つ光電変換素子としての品質を確保できる光電変換素子の製造方法及び光電変換素子の洗浄装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するための請求項1に記載の発明は、基板上に酸化亜鉛系の透明導電膜を成膜する成膜工程と、前記透明導電膜に溝を形成するスクライブ工程とを有する光電変換素子の製造方法において、前記スクライブ工程の後に、透明導電膜上を溶解性を有する洗浄液で覆い、一定時間の間、透明導電膜上に洗浄液を滞留させた後に、前記洗浄液を排出する工程を有することを特徴とする光電変換素子の製造方法である。
【0008】
本発明の光電変換素子の製造方法は、透明導電膜のスクライブの絶縁特性を確保し、且つ光電変換素子としての品質を確保できるものである。
「溶解性を有する洗浄液で覆い、一定時間の間、透明導電膜上に洗浄液を滞留させる」とは、従来の導電ブラシでのスクライブ残渣の掃き出し、及び洗浄液の噴射ノズルからの噴きつけは行わないということを意味している。つまり、溶解性を有する洗浄液で覆い、洗浄液の滞留時間を調整することで、スクライブ残渣は除去するが、テクスチャの形状の溶解は防止することができる。例えば、コンベアを用い基板を移動させながら溶解性を有する洗浄液で覆い連続処理する方法や、ディッピング装置などの浸漬法を用い溶解性を有する洗浄液で覆う方法などがあげられるが、生産上の効率を考慮するとコンベアによる連続処理方法が好ましい。
【0009】
洗浄液は酸性でもアルカリ性でもよい。
洗浄液はphが11以上である場合には、洗浄液が透明導電膜の表面を覆う時間は、10〜30秒であることが望ましい(請求項2)。
洗浄液はphが9〜13である場合には、洗浄液が透明導電膜の表面を覆う時間は、30〜120秒であることが望ましい(請求項3)。
洗浄液としてはphが1〜5の酸性洗剤を用いることもできる(請求項4)。
【0010】
請求項5に記載の発明は、酸化亜鉛系の透明導電膜上にアモルファスシリコン層を形成する工程と、更に前記アモルファスシリコン層の上層に結晶質シリコン層を形成する工程を有することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の光電変換素子の製造方法である。
【0011】
本発明の光電変換素子の製造方法は、「積層型」の光電変換素子の洗浄に好適である。
酸化亜鉛(ZnO)系の透明導電膜は、長波長の透過率が高く「結晶質シリコン」にまで長波長を届けることに有利である。また、長波長側に吸収を持つ「結晶質シリコン」は、その吸収効率が低いため、酸化亜鉛(ZnO)系の透明導電膜に形成される「テクスチャ」で太陽光を多重反射させて光路長を長くすることにより、「結晶質シリコン」での発電効率があがる。よって、「積層型」の光電変換素子の洗浄に好適である。
なお、「酸化亜鉛系透明導電膜の上層にアモルファスシリコン層を形成し、更に前記アモルファスシリコン層の上層に結晶質シリコン層を形成する」とは、「積層型」の光電変換素子を指している。
【0012】
請求項6に記載の発明は、基板上に成膜した酸化亜鉛系の透明導電膜をスクライブした後に実施される洗浄に使用される光電変換素子の洗浄装置において、基板を略水平に載置する基板載置部と、基板上に溶解性を有する洗浄液を供給する洗浄液供給装置と、洗浄液を一定時間滞留させる洗浄液滞留領域と、前記洗浄液を排出する排出装置を備えることを特徴とする光電変換素子の洗浄装置である。
【0013】
本発明の光電変換素子の洗浄装置は、請求項1に記載の発明を実現できるものであり、請求項1に記載の発明と同様の効果を有する。
【発明の効果】
【0014】
本発明を実施すると、透明導電膜のスクライブの絶縁特性を確保し、且つ光電変換素子としての品質を確保できる光電変換素子の製造方法及び光電変換素子の洗浄装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の実施形態に係る光電変換素子の洗浄装置の斜視図である。
【図2】図1の光電変換素子の洗浄装置を用いた光電変換素子の製造方法の洗浄工程を示す断面図であり、(a)は光電変換素子の洗浄装置から光電変換素子に洗浄液を供給した状態を示し、(b)は光電変換素子の洗浄装置から純水を排出した状態を示し、(c)は光電変換素子の洗浄装置から空気を排出した状態を示す。
【図3】光電変換素子の製造方法を示す断面図であり、(a)はガラス基板を示し、(b)は成膜工程を示し、(c)はスクライブ工程を示す。
【図4】積層型の光電変換素子の構造を示す断面模式図である。
【図5】本発明の実施例に係る光電変換素子のテクスチャの顕微鏡写真である(写真1)。
【図6】比較例1の光電変換素子のテクスチャの顕微鏡写真である(写真2)。
【図7】比較例2の光電変換素子のテクスチャの顕微鏡写真である(写真3)。
【図8】本発明の実施形態の変形例に係る光電変換素子の洗浄装置の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下では、本発明の実施形態に係る光電変換素子の製造方法及び光電変換素子の洗浄装置の構成について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、説明は、実施形態の理解を容易にするためのものであり、これによって、本願発明が制限して理解されるべきではない。
【0017】
まず、光電変換素子10の製造方法の一部について説明する。図3(a)は光電変換素子10のガラス基板11の断面図である。成膜工程では、図3(b)に示すようにガラス基板11の上に、CVD(Chemical Vapor Deposition)装置等により、酸化亜鉛系の透明導電膜12を成膜する。そして、スクライブ工程では、図3(c)に示すように、絶縁したい箇所の透明導電膜12にYAGレーザー等のレーザー装置(図示せず)によりスクライブ40(溝)を形成する。なお、図3(c)の拡大図面に示すように、スクライブ工程後は、スクライブ残渣45が残る。スクライブ残渣45同士が接触することもあり、絶縁したい箇所の透明導電膜12同士が短絡してしまう可能性がある。そこで、本発明の実施形態に係る光電変換素子10の洗浄装置1を用いて、スクライブ残渣45を除去する。
【0018】
ここで、本発明の実施形態に係る光電変換素子10の洗浄装置1の構成について説明する。洗浄装置1は、図1に示すようにコンベア2(基板載置部)と、洗浄液供給ノズル3(洗浄液供給装置)と、純水噴射ノズル4(排出装置)と、空気噴射ノズル5(排出装置)を備えている。また、洗浄装置1は、洗浄液供給領域Aと、純水噴射領域Bと、空気噴射領域Cとに区分されており、洗浄液供給ノズル3と純水噴射ノズル4の間を洗浄液滞留領域Pとする。
コンベア2は、光電変換素子10を搬送するための装置であり、具体的にはベルトコンベアである。コンベア2は、公知のベルトコンベアの通り、駆動プーリ6と従動プーリ7を有し、両者の間にベルトコンベアが懸架して交差されている。駆動プーリ6は図示しないモータによって回転し、当該モータを駆動して速度を調整することにより、コンベア2上の光電変換素子10の搬送速度を調整することができる。
洗浄液供給ノズル3は、溶解性を有する洗浄液8を光電変換素子10に供給するものであり、洗浄液供給領域Aに配置されている。
純水噴射ノズル4は、光電変換素子10上に滞留する洗浄液8に、純水17を吹き付けて、洗浄液8を排出することができるものであり、純水噴射領域Bに配置されている。
空気噴射ノズル5は、光電変換素子10上に残留する純水17に、空気18を吹き付けて排出するものであり、空気噴射領域Cに配置されている。
【0019】
つづいて、本発明の実施形態に係る光電変換素子10の洗浄方法について説明する。図1に示すように洗浄装置1のコンベア2に光電変換素子10を載置し、コンベア2を一定速度で連続駆動すると、光電変換素子10は、洗浄液供給領域A〜空気噴射領域Cの順に流れて行く。
詳細に説明すると、図2(a)に示すように、洗浄液供給領域Aでは、洗浄液供給ノズル3(洗浄液供給装置)から溶解性を有する洗浄液8を光電変換素子10に供給して、透明導電膜12の上を洗浄液8で覆う。洗浄液8は、図1に示すように洗浄液滞留領域P(光電変換素子10が洗浄液供給ノズル3から純水噴射ノズル4に移動する区間)に滞留する間(一定時間の間)、スクライブ残渣45を溶解し、除去し易くする。
そして、図2(b)に示すように、純水噴射領域Bでは、純水噴射ノズル4から光電変換素子10に純水17を吹き付けて、透明導電膜12上に滞留する洗浄液8を排出する。この時、洗浄液8と共に、スクライブ残渣45も排出される。
さらに、図2(c)に示すように、空気噴射領域Cでは、空気噴射ノズル5から光電変換素子10に空気18を吹き付けて、透明導電膜12上に残留する純水17を排出し、光電変換素子10を乾燥させる。
なお、洗浄液滞留領域Pは、洗浄液8が光電変換素子10上に滞留する時間を示しており、コンベア2の搬送速度を調整することで、光電変換素子10の洗浄時間を調整可能である。
【0020】
洗浄液8は溶解性を有するものである、酸性洗剤又はアルカリ性洗剤のどちらを使用してもかまわない。
洗浄液8はphが11以上である場合には、洗浄液8が透明導電膜12の表面を覆う時間は、10〜30秒であることが望ましい。
洗浄液8はphが9〜13である場合には、洗浄液8が透明導電膜12の表面を覆う時間は、30〜120秒であることが望ましい。
洗浄液8としてはphが1〜5の酸性洗剤を用いることもできる。
【実施例】
【0021】
以下、発明の効果を確認するため、本発明の実施例について説明する。
本発明の実施例として、ガラス基板11上に酸化亜鉛系の透明導電膜12を成膜し、スクライブ工程を行った後、phが11のアルカリ性の洗浄液8を透明導電膜12の上に滞留させ、20秒後に純水17を噴射して洗浄液8を排出し、さらにその後に空気18を噴射して、透明導電膜12を乾燥させた。
比較例1として、透明導電膜12をブラシ(図示せず)でこすった後、純水17を5秒間噴射して洗浄した。
比較例2として、透明導電膜12をブラシ(図示せず)でこすった後、phが11のアルカリ性の洗浄液8を5秒間噴射して洗浄した。
それぞれの顕微鏡写真は写真1、写真2、写真3の通りである。なお、倍率はいずれも30000倍である。
本実施例については、写真1の通り、透明導電膜12のテクスチャ35の形状が明確に残った。その結果、本実施例の発電効率は12.5%であった。
比較例1については、写真2の通り、外見上はテクスチャ35の形状が残ったが、スクライブ残渣45が除去しきれず、スクライブ40の絶縁性は悪かった。その結果、比較例1の発電効率は6.3%であった。
比較例2については、写真3の通り、テクスチャ35の形状が崩れた。その結果、比較例2の発電効率は8.2%であった。
【0022】
被洗浄物である光電変換素子10の完成形態の構成について説明する。図4に示すように、光電変換素子10は、製造工程において、ガラス基板11の裏面上に透明導電膜12、アモルファスシリコン層13、結晶質シリコン層14、裏面電極層15の順で積層されて完成となる。ここで、図4は光電変換素子10を天地逆に描いており、下側が光電変換素子10の表面、上側が光電変換素子10の裏面である。
透明導電膜12は、酸化亜鉛系の透明導電膜であって、光の反射を低減させ内部発電を増加させるための層であり、透明導電膜12の裏面側には、テクスチャ35が形成されている。テクスチャ35は、微細な凹凸であり、ピラミッド状を成す。
アモルファスシリコン層13は、「トップセル」と呼ばれ、波長の短い太陽光を吸収するための層であり、p層20(P型半導体)、i層21(活性層)、n層22(N型半導体)の順で積層される。
結晶質シリコン層14は、「ボトムセル」と呼ばれ、波長の長い太陽光を吸収するための層であり、p層25(P型半導体)、i層26(活性層)、n層27(N型半導体)の順で積層される。
裏面電極層15は、太陽光を反射させるための層であり、代表的にはZnO層(酸化亜鉛層)、Ag層(銀層)の順で積層される。
【0023】
本実施形態では、コンベア2を一定速度で連続駆動することを例に示したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、図8の変形例に示す通り、洗浄装置100は、洗浄液供給ノズル3と純水噴射ノズル4の間に、十分な距離を設けなくてもかまわない。但し、この場合には、コンベア2を一定速度で連続駆動するのではなく、光電変換素子10が洗浄液滞留領域Pにおいて、透明導電膜12の上を洗浄液8で覆った状態でコンベア2の駆動を停止させ、透明導電膜12を洗浄液8で十分洗浄(溶解)させた後にコンベア2の駆動を再開する「タクト送り」運転を行う。
【符号の説明】
【0024】
1 洗浄装置
2 コンベア(基板載置部)
3 洗浄液滴下ノズル(洗浄液供給装置)
4 水噴射ノズル(排出装置)
5 空気噴射ノズル(排出装置)
8 洗浄液
10 光電変換素子
11 ガラス基板(基板)
12 透明導電膜
13 アモルファスシリコン層
14 結晶質シリコン層
15 裏面電極層
35 テクスチャ
40 スクライブ(溝)
45 スクライブ残渣
A 洗浄液供給領域
B 水噴射領域
C 空気噴射領域
P 洗浄液滞留領域

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板上に酸化亜鉛系の透明導電膜を成膜する成膜工程と、前記透明導電膜に溝を形成するスクライブ工程とを有する光電変換素子の製造方法において、
前記スクライブ工程の後に、透明導電膜上を溶解性を有する洗浄液で覆い、一定時間の間、透明導電膜上に洗浄液を滞留させた後に、前記洗浄液を排出する工程を有することを特徴とする光電変換素子の製造方法。
【請求項2】
前記洗浄液はphが11以上であり、前記透明導電膜の表面を覆う時間が、10〜30秒であることを特徴とする請求項1に記載の光電変換素子の製造方法。
【請求項3】
前記洗浄液はphが9〜13であり、前記透明導電膜の表面を覆う時間が、30〜120秒であることを特徴とする請求項1に記載の光電変換素子の製造方法。
【請求項4】
前記洗浄液はphが1〜5の酸性洗剤であることを特徴とする請求項1に記載の光電変換素子の製造方法。
【請求項5】
酸化亜鉛系の透明導電膜上にアモルファスシリコン層を形成する工程と、更に前記アモルファスシリコン層の上層に結晶質シリコン層を形成する工程を有することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の光電変換素子の製造方法。
【請求項6】
基板上に成膜した酸化亜鉛系の透明導電膜をスクライブした後に実施される洗浄に使用される光電変換素子の洗浄装置において、
基板を略水平に載置する基板載置部と、基板上に溶解性を有する洗浄液を供給する洗浄液供給装置と、洗浄液を一定時間滞留させる洗浄液滞留領域と、前記洗浄液を排出する排出装置を備えることを特徴とする光電変換素子の洗浄装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図8】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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