説明

光電変換装置

【課題】光電変換素子に対する封止性能及び安定した電気的接続を確保できる光電変換装置であって、複数隣接配置させた際に当該装置間の継ぎ目を目立たなくさせること。
【解決手段】基板2と第一電極31,第二電極32,及び有機化合物層33を備える光電変換素子3と封止部材4とがこの順に配置される光電変換装置1であって、光電変換装置1の厚み方向断面を封止部材4を上にして見て、接着部材7は有機化合物層33の外側でこれを封止し、封止部材4上の取出し電極51,52は突出部51a,52aを有し、側面導電部6は突出部51a,52aと上下方向で電気的に接続され、第一電極31及び第二電極32と電気的に接続される基板導電部91,92は接着部材7の外側まで延在し、電気接続部材81,82は接着部材7より外側で側面導電部61,62及び基板導電部91,92を電気的に接続する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光電変換装置に関する。
【背景技術】
【0002】
基板上に形成された一対の電極間に有機化合物層を有する光電変換素子を備えた光電変換装置が提案されており、光電変換素子として例えば、有機エレクトロルミネッセンス素子(以下、有機EL素子という)や有機薄膜太陽電池素子等を挙げることができる。有機EL素子は、電気を光に変換し、有機薄膜太陽電池素子は、光を電気に変換する素子である。
このような光電変換素子においては、水や空気が素子寿命などの性能に大きく影響を及ぼすため、光電変換素子を水や空気から守るための封止構造が検討されている。
【0003】
例えば、特許文献1に記載された有機エレクトロルミネッセンス発光装置(以下、有機EL発光装置という)は、表示パネル向けのものであり、有機エレクトロルミネッセンス発光積層体(以下、有機EL発光積層体という)が形成された透明基板の周縁に金属枠体が取り付けられ、有機EL発光積層体を覆うようにして、金属枠体に対して金属製保護蓋が接合されている。そして、特許文献1に記載された有機EL発光装置は、透明基板に形成した孔を介して外部との電気的接続を行う。
しかしながら、特許文献1に記載された有機EL発光装置は、透明基板及び金属枠体の接合と金属枠体及び金属製保護蓋の接合といったように、接合すべき箇所が多いため、接合不足が生じる可能性が高く、有機EL発光積層体を十分に封止できないおそれがあった。
さらに、透明基板に形成した貫通孔を介して電気的接続端子と有機EL発光積層体の電極とを接続しているため、発光面積を大きくすることができないという問題があった。
ここで、特許文献1には、別の有機EL発光装置の実施の形態として、透明基板に貫通孔を形成しない形態も開示されている。この実施の形態では、透明基板表面に対して水平な方向へ電気接続端子を取り出している。しかし、このような形態だと複数の有機EL発光装置を互いに隣接させて配置させようとすると、隣り合う有機EL発光装置の電気接続端子が干渉し合う。そのため、有機EL発光装置間の間隔を狭くして隣接配置させることができない。
【0004】
このような問題に対して、例えば、特許文献2には、取出し電極と有機EL素子とを接続スペーサーを介在させて電気的に接続する構造が開示されている。特許文献2では、封止板の有機EL素子と対向する面とは反対面(表示パネルの背面)側から封止板の側面に取出し電極を延在させ、さらに取出し電極の一端(透明基板側)を内側に折り曲げて、封止板と接続スペーサーとの間まで延在されている。接続スペーサーとして、導電性微小球を電気絶縁性樹脂で被覆したもの等が用いられている。
このような構造とすることで、複数の表示パネルを隣接させて配置させた場合でも、表示パネル同士の継ぎ目部分が目立たなくなるとされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2003−317938号公報
【特許文献2】特開平08−241790号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献2に記載の技術は、単純マトリックスタイプやアクティブマトリックスタイプの有機EL表示パネルにおける有機EL素子の配線と外部取出し電極との接続に関する技術であり、照明用途等の面状に発光させるタイプの有機EL照明パネルや受光面の大きい有機薄膜太陽電池パネルにおける電気的な接続に直ちに適用し難い。
すなわち、有機EL素子等を駆動させる際に必要とされる電流量は、面状発光タイプの有機EL素子等の方が表示パネル用途に比べて多くなる。そのため、特許文献2に記載された接続スペーサーを用いた表示パネル用の接続技術では、信号電極等と接続されるITOパッドと接続スペーサー中の導電性微小球とが接触する面積、または取出し電極と当該導電性微小球とが接触する面積が小さく、さらに当該接触が不均一になることから多くの電流量を必要とする有機EL照明パネル等において安定した電気的接続を確保し難い。さらに、特許文献2に記載の技術は、接続スペーサーとして、導電性微小球を電気絶縁性樹脂で被覆したもの等を用いているため、導電性微小球と電気絶縁性樹脂の相互作用により封止機能の低下を招いていた。
また、特許文献1に記載の技術では、前述の通り、封止性能が十分に確保できないおそれがあり、さらに発光面積を大きくすることができないという問題がある。さらに、金属製枠体と非透湿透明板とを接合する絶縁性材料を貫通する孔を介して、電気接続端子を水平方向に取り出しているため、当該接合部位の幅を狭くすることができず、素子面積のうち発光面積等の占める部分が大きい、いわゆる狭額縁構造とするのが困難である。
【0007】
本発明の目的は、光電変換素子に対する封止性能及び安定した電気的接続を確保できる光電変換装置であって、当該光電変換装置を複数隣接配置させた際に、当該装置間の継ぎ目が目立たない狭額縁構造の光電変換装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の光電変換装置は、基板と、この基板上に設けられる光電変換素子と、封止部材とが、この順に配置される光電変換装置であって、前記光電変換装置の厚み方向断面を前記基板に対して前記封止部材を上にして見た場合に、前記光電変換素子は、第一電極と、有機化合物層と、第二電極とを、この順に上部方向へ積層されて構成され、前記有機化合物層の外側には、前記有機化合物層を封止する接着部材が設けられ、前記封止部材の前記光電変換素子とは反対側には、一以上の取出し電極が設けられ、この一以上の取出し電極のうち少なくとも一つは、前記封止部材の端部から外側に突出する突出部を有し、前記光電変換装置の側面には、前記突出部と上下方向で電気的導通を確保する側面導電部が設けられ、前記基板上には、前記第一電極及び前記第二電極の少なくともいずれか一方と電気的に接続され、前記接着部材の下を通り、前記接着部材の外側まで延在する基板導電部が設けられ、前記接着部材よりも外側には、前記側面導電部と前記基板導電部とを電気的に接続する電気接続部材が設けられていることを特徴とする。
【0009】
この発明によれば、有機化合物層の外側に設けられる接着部材で、基板及び封止部材を接着するとともに有機化合物層を封止するので、基板端部側を接合部とする狭額縁構造としても封止性能と接合強度を確保できる。
そして、接着部材よりもさらに外側に電気接続部材を設け、この電気接続部材によって側面導電部及び基板導電部を電気的に接続するので、安定した電気的接続を確保できる。
また、側面導電部が取出し電極の突出部に対して上下方向で電気的導通を確保されるので、側面導電部を取出し電極の上部側まで延在させてから接続させる等の必要がなく、簡易的な接続構造によって安定した電気的接続を確保できる。
さらに、光電変換素子から、基板導電部、電気接続部材及び側面導電部を介して取出し電極へと電気的に接続されることになり、取出し電極が基板厚み方向に位置する構造となるので、装置間隔を狭めて配置でき、装置間の継ぎ目が目立たなくなる。
なお、本発明において光電変換装置とは、電気エネルギーから光エネルギーに変換する装置、及び光エネルギーから電気エネルギーに変換する装置を言うものとする。
また、外側という場合は、基板の面に沿った方向での外側を表すものとする。
【0010】
本発明の光電変換装置において、前記側面導電部は、前記封止部材の端部の外側に設けられ、前記電気接続部材は、前記側面導電部の内側、かつ、前記接着部材の外側に設けられるとともに、前記基板導電部に対して上下方向で電気的に接続し、かつ、前記側面導電部の内側に対して前記基板の面に沿う方向で電気的に接続することが好ましい。
【0011】
この発明によれば、側面導電部の内側、かつ、接着部材の外側に電気接続部材が設けられるので、光電変換装置内での電気接続部材の収まりが良く、側面導電部の外側に電気接続部材がはみ出さない。そのため、光電変換装置を複数隣接配置させた場合でも、基板の端部側からはみ出した電気接続部材同士が干渉し合うことなく、この点からも、光電変換装置同士の間隔を狭めて配置でき、光電変換装置間の継ぎ目が目立たなくなる。
また、電気接続部材は、基板導電部に対して上下方向で電気的に接続し、かつ、側面導電部の内側に対して基板の面に沿う方向で電気的に接続するので、より安定した電気的接続を確保できる。
【0012】
本発明の光電変換装置において、前記一以上の取出し電極のうち少なくとも一つは、前記側面導電部と一体に形成されていることが好ましい。
【0013】
この発明によれば、側面導電部及び取出し電極を一の部材で構成することができる。光電変換素子からの電気取出しに必要な部材数を少なくすることができるので、光電変換装置の構造や製造工程の簡略化を図ることができる。
例えば、取出し電極を構成する部材の形状を略L字型にすることで、取出し電極及び側面導電部を一体化することができる。
【0014】
本発明の光電変換装置において、前記側面導電部は、前記一以上の取出し電極のうち少なくとも一つと別体に形成されていることが好ましい。
【0015】
この発明によれば、取出し電極を構成する部材を封止部材の端部側で折り曲げて側面導電部を形成したり、予め折り曲げた部材を用いたりする必要がないため、折り曲げ困難な部材で取出し電極を構成する場合でも電気的接続を確実に確保することができる。
また、封止部材の厚みが薄い場合には、第一取出し電極及び第二取出し電極を構成する部材を封止部材の端部側で折り曲げて側面導電部を形成する加工が困難である。そのため、このような別部材構成とすることで、封止部材の厚みが薄い光電変換装置の製造が容易になる。
【0016】
本発明の光電変換装置において、前記側面導電部は、前記封止部材の端部の外側に設けられ、前記電気接続部材は、前記基板導電部及び前記側面導電部の間に設けられるとともに、前記基板導電部に対して上下方向で電気的に接続し、かつ、前記側面導電部に対して上下方向で電気的に接続することが好ましい。
【0017】
この発明によれば、側面導電部は、封止部材の端部の外側に設けられ、電気接続部材は基板導電部に対して上下方向で電気的に接続し、かつ、側面導電部に対して上下方向で電気的に接続するので、電気接続部材を基板端部側に設けることができる。
そうすると、基板の面に沿った方向に電気的に接続する場合と比べて、接着部材も基板端部側であって電気接続部材よりも内側に設けることができる。そのため、光電変換素子を配置するための基板上のスペースをさらに広く確保することができる。例えば、光電変換素子が、有機EL素子であれば発光面積を増大させることができ、太陽電池素子であれば受光面積を増大させることができる。
【0018】
また、本発明の光電変換装置は、基板と、この基板上に設けられる光電変換素子と、封止部材とが、この順に配置される光電変換装置であって、前記光電変換装置の厚み方向断面を前記基板に対して前記封止部材を上にして見た場合に、前記光電変換素子は、第一電極と、有機化合物層と、第二電極とを、この順に上部方向へ積層されて構成され、前記有機化合物層の外側には、前記有機化合物層を封止する接着部材が設けられ、前記封止部材の前記光電変換素子とは反対側には、一以上の取出し電極が設けられ、この一以上の取出し電極のうち少なくとも一つは、前記封止部材の端部から外側に突出する突出部を有し、前記光電変換装置の側面には、前記突出部と上下方向で電気的導通を確保する側面導電部が設けられ、前記基板上には、前記第一電極及び前記第二電極の少なくともいずれか一方と電気的に接続され、前記接着部材の下を通り、前記接着部材の外側まで延在する基板導電部が設けられ、前記側面導電部は、前記接着部材よりも外側で、前記基板導電部に対して上下方向で電気的に接続することを特徴とする。
【0019】
この発明によれば、有機化合物層の外側に設けられる接着部材で、基板及び封止部材を接着するとともに有機化合物層を封止するので、基板端部側を接合部とする狭額縁構造としても封止性能と接合強度を確保できる。
そして、接着部材よりもさらに外側で、側面導電部によって取出し電極と基板導電部とを電気的に接続するので、安定した電気的接続を確保できる。
また、取出し電極の突出部に対して側面導電部が上下方向で電気的導通を確保されるので、側面導電部を取出し電極の上部側まで延在させてから接続させる等の必要がなく、簡易的な接続構造によって安定した電気的接続を確保できる。
さらに、光電変換素子から、基板導電部、電気接続部材及び側面導電部を介して取出し電極へと電気的に接続されることになり、取出し電極が基板厚み方向に位置する構造となるので、装置間隔を狭めて配置でき、装置間の継ぎ目が目立たなくなる。
また、側面導電部は、基板導電部に対して上下方向で電気的に接続し、かつ、取出し電極の突出部に対して上下方向で電気的に接続するので、基板の面に沿った方向に電気的に接続する場合と比べて、接着部材を基板端部側であって側面導電部よりも内側に設けることができる。そのため、光電変換素子を配置するための基板上のスペースをさらに広く確保することができる。
【0020】
本発明の光電変換装置において、前記第一電極及び前記第二電極の少なくともいずれか一方が、前記基板導電部と一体に形成されていることが好ましい。
【0021】
この発明によれば、基板導電部と第一電極及び第二電極の少なくともいずれか一方とが一体に形成されているので、第一電極及び第二電極の少なくともいずれか一方の形成と同時に基板導電部を形成でき、光電変換装置の構造や製造工程の簡略化を図ることができる。
【0022】
本発明の光電変換装置において、前記封止部材は、導電性の部材から構成され、この封止部材と前記一以上の取出し電極のうち少なくとも一つとの間には、絶縁部が設けられていることが好ましい。
【0023】
この発明によれば、絶縁部が設けられていない方の取出し電極を導電性の部材から構成される封止部材に対して電気的に接続できるので、当該封止部材も取出し電極として利用することができる。その結果、外部電源等と電気的に接続するための配線を取り付ける位置の融通性が生じる。
【0024】
本発明の光電変換装置において、前記基板導電部上には、絶縁膜が形成されていることが好ましい。
【0025】
この発明によれば、第一電極及び第二電極の基板導電部を介した短絡を防止できる。例えば、第一電極と電気的に接続された基板導電部上に第二電極が乗り上げて形成されるような場合でも、基板導電部上には絶縁膜が形成されているので、第二電極と基板導電部との電気的接続を防止でき、結果として、第一電極及び第二電極の基板導電部を介した短絡を防止できる。
【0026】
本発明の光電変換装置において、前記基板上の前記基板導電部及び前記光電変換素子が設けられた位置とは異なる位置には、光反射部が設けられていることが好ましい。
【0027】
この発明によれば、光反射部が基板上の基板導電部及び光電変換素子が設けられた位置とは異なる位置に形成されているため、光電変換素子が有機EL素子等の発光素子から出射された光のうち、基板導電部及び光電変換素子の形成されていない基板の端部側にある接合部まで伝播する光は、光反射部で反射されて光取出し方向に出射する。そして、当該接合部は光で隠されるので、光電変換装置を複数隣接配置させた場合に、当該装置間の継ぎ目や当該接合部が目立たなくなる。
なお、光反射部は、光を反射させる材料で構成され、例えば、有機EL素子の有機化合物層で発生した光を、光電変換装置の光取り出し方向に反射させることができる。
【0028】
本発明の光電変換装置において、前記光反射部が、前記基板導電部と一体に形成されていることが好ましい。
【0029】
この発明によれば、光反射部の面積を可能な限り基板上で大きくすることができるので、光電変換装置の光取出し方向への光の反射をより効率的に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明の第一実施形態に係る光電変換装置を示す斜視図。
【図2】図1のII−II線方向に沿った縦断面図。
【図3】図2のIII−III線方向に沿った平面断面図。
【図4】前記光電変換装置における基板導電部の平面図。
【図5】基板導電部上に絶縁膜を形成した光電変換装置の例を示す縦断面図。
【図6】前記第一実施形態に係る光電変換装置の封止部材側の製造工程を説明する概略図。
【図7】前記第一実施形態に係る光電変換装置の基板側の製造工程を説明する概略図。
【図8】前記第一実施形態に係る光電変換装置の貼り合わせ工程を説明する概略図。
【図9】本発明の第二実施形態に係る光電変換装置の基板厚み方向に沿った断面図。
【図10】本発明の第三実施形態に係る光電変換装置の基板厚み方向に沿った断面図。
【図11】本発明の第四実施形態に係る光電変換装置の基板厚み方向に沿った断面図。
【図12】本発明の第五実施形態に係る光電変換装置の基板厚み方向に沿った断面図。
【図13】本発明の第六実施形態に係る光電変換装置の基板厚み方向に沿った断面図。
【図14】本発明の第七実施形態に係る光電変換装置の基板厚み方向に沿った断面図。
【図15】本発明の第八実施形態に係る光電変換装置を示す斜視図。
【図16】本発明の第九実施形態に係る光電変換装置の一例を示す平面断面図。
【図17】本発明の第九実施形態に係る光電変換装置の別例を示す平面断面図。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
〔光電変換装置〕
図1は、本実施形態に係る光電変換装置の全体を示す斜視図である。
図2は、図1のII−II線方向沿った縦断面図である。
図3は、図2のIII−III線方向沿った平面断面図である。
光電変換装置1は、基板2と、この基板2上に設けられる光電変換素子3と、基板2の上方であって基板2と対向して配置される封止部材4と、この封止部材4の光電変換素子3と対向する面とは反対側の面に設けられる取出し電極5と、この取出し電極5に対して電気的に接続される側面導電部6と、光電変換素子3の外側に設けられ基板2及び封止部材4を接着する接着部材7と、光電変換素子3と電気的に接続され接着部材7の外側まで延在する基板導電部9と、接着部材7よりも基板2の端部側で側面導電部6及び基板導電部9を電気的に接続する電気接続部材8と、を備えて構成される。以下、本実施形態では、光電変換素子3を有機EL素子3とした場合について説明する。
なお、図2は、光電変換装置1の厚み方向断面を基板2に対して封止部材4を上にして見た場合の断面図でもあり、図3は、基板2の面に沿った方向の光電変換装置1の断面を基板2に向かって見た場合の平面断面図でもある。そして、図2及び図3は後述する光電変換素子(有機EL素子)3と取出し電極5とを電気的に接続する構造を説明するための図でもある。
【0032】
<基板>
基板2は、有機EL素子3(光電変換素子3)を支持するための平滑な板状の部材である。光の取り出し方向が基板2側である場合は、透光性の基板2が用いられ、400〜700nmの可視領域の光の透過率が50%以上であることが好ましい。具体的には、ガラス板、ポリマー板等が挙げられる。ガラス板としては、特にソーダ石灰ガラス、バリウム・ストロンチウム含有ガラス、鉛ガラス、アルミノケイ酸ガラス、ホウケイ酸ガラス、バリウムホウケイ酸ガラス、石英等が挙げられる。またポリマー板としては、ポリカーボネート系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエチレンテレフタレート系樹脂、ポリエーテルサルファイド系樹脂、ポリサルフォン系樹脂等を原料として用いてなるものを挙げることができる。本実施形態では、基板2を透光性の基板とし、基板2側を有機EL素子3の光の取出し方向とする。
一方、光の取り出し方向が基板2と反対側である場合は、上記の透光性の基板2に加えて、シリコン基板、金属基板等の不透明基板を用いることができる。
ここで、基板2の端部であって、有機EL素子3の陽極31からの電気的取出しを行う部分を接続部21とし、有機EL素子3の陰極32からの電気的取出しを行う部分を接続部22とする。
また、基板2の寸法としては、複数の光電変換装置1を隣接配置させる場合には、例えば、縦の長さ約100mm、横の長さ約100mm、厚さ約0.7mm程度の板材を用いることができる。なお、基板2は、大きな寸法の板材を所定寸法に切り出して用いてもよい。
【0033】
<有機EL素子>

有機EL素子3は、図2に示すように、基板2上に形成された第一電極31としての陽極31と、陽極31に対向する位置に形成された第二電極32としての陰極32と、陽極31と陰極32との間に配置された有機化合物層33とを有する。すなわち、有機EL素子3は、基板2側から、陽極31と、有機化合物層33と、陰極32とが、この順に上部方向へ積層されて構成されている。第一電極31を陰極とし、第二電極32を陽極として、有機EL素子3を構成してもよい。
有機化合物層33は、例えば、一層の発光層で構成してもよいし、陽極31及び陰極32と発光層との間に種々の中間層を介在させて構成してもよい。この中間層としては、例えば正孔注入層,正孔輸送層,電子注入層,電子輸送層などが挙げられる。これらは、有機,無機の種々の化合物が知られているが、本実施形態でいう有機化合物層33とは、有機化合物で構成される層を少なくとも一層含んだものをいう。
【0034】
発光層にはAlq等の公知の発光材料が用いられ、赤色、緑色、青色、黄色等の単色光を示す構成のものや、それらの組み合わせによる発光色、例えば、白色発光を示す構成のもの等が用いられる。また、発光層を形成するにあたっては、ホストに、ドーパントとして発光材料をドーピングするドーピング法が知られている。ドーピング法で形成した発光層では、ホストに注入された電荷から効率よく励起子を生成することができる。そして、生成された励起子の励起子エネルギーをドーパントに移動させ、ドーパントから高効率の発光を得ることができる。
【0035】
陽極31には、公知の電極材料が用いられ、光の取り出し方向が基板2側である場合は、例えば、ITO(インジウム錫酸化物)や、IZO(登録商標)(酸化インジウム亜鉛)、ZnO(酸化亜鉛)等の透明電極材料が用いられる。
陰極32には、公知の電極材料が用いられ、光の取り出し方向が基板2側である場合は、金属や合金を用いることができ、例えば、AgやAl等が用いられる。
なお、光の取り出し方向が基板2と反対側である場合は、陽極31には金属や合金等が用いられ、陰極32には透明電極材料が用いられる。
【0036】
なお、基板2上には、図2に示すように、複数の補助電極34(34a,34b,34c)が形成されている。補助電極34は、陽極31に用いる透明電極材料の電気抵抗による電圧低下を防ぎ、陽極31全体に電圧を均等に供給し、有機EL素子3が均一に発光するように設けられる。
補助電極34は、基板2及び陽極31の間に挟まれるようにして線状に形成される。本実施形態では、補助電極34は、図2の紙面に対して鉛直方向に延在して形成され、補助電極34同士は、図示しない位置で互いに電気的に接続されている。
補助電極34には、公知の電極材料が用いられ、金属や合金を用いることができ、例えば、Cu,Ag,Al等が用いられる。
【0037】
<基板導電部>
基板導電部9は、図2に示すように、有機EL素子3の陽極31と電気的に接続される第一基板導電部91、並びに陰極32と電気的に接続される第二基板導電部92として、基板2の上に設けられている。
第一基板導電部91は、陽極31の端部と接続され、この接続位置から基板2の接続部21側の端部(図2の左側)まで延在して設けられ、その途中で接着部材7及び電気接続部材8(後述する電気接続部材81)の下を通る。より具体的には、接着部材7及び電気接続部材8と基板2の間を通る。
第二基板導電部92は、陰極32の端部と接続され、この接続位置から基板2の接続部22側の端部(図2の右側)まで延在して設けられ、その途中で接着部材7及び電気接続部材8(後述する電気接続部材82)の下を通る。より具体的には、接着部材7及び電気接続部材8と基板2の間を通る。
基板導電部9には、公知の電極材料が用いられ、金属や合金を用いることができ、例えば、Cu,Ag,Al等が用いられる。なお、陽極31や陰極32と同じ材料を用いることもできる。
【0038】
また、基板導電部9は、図3に示すように、基板2を平面視した場合の一辺の長さの約4分の1から3分の1程度の幅(陽極31,陰極32との接続方向に対して略直交方向)で形成されている。当該基板導電部の幅は、素子に要求される電流量によって設計される。そして、基板導電部9は、補助電極34に対して接続されている(図示せず)。そのため、マトリックス状に電極を配置するディスプレイ用途に限られず、面状に電極を配置する例えば照明用途の有機EL素子3を駆動させるために多くの電流量を必要とする場合でも、安定した電気的接続を確保できる。
【0039】
図4は、基板導電部9を平面視したときの図であり、図3における基板導電部91だけを取り出して図示したものである。そのため、平面視略矩形状に形成される基板導電部91の左側の長辺が、実際には基板2の端部に沿っていることになる。そして、図4に示すように、基板導電部9の当該左側の長辺に沿って複数の孔9Aが並んで形成されている。また、これら複数の孔9Aが形成されている位置は、図4では二点差線で示す後述の接着部材7及び電気接続部材8が設けられる位置に対応し、当該接着部材7及び電気接続部材8を跨ぐように形成されている。ここでは、基板導電部91について図示説明し、基板導電部92について図示していないが、基板導電部92にも同様に孔が形成されている。
孔9Aの形成方法としては、マスクスパッタリング法等が挙げられる。
孔9Aは、光電変換装置1の製造過程で、当該接着部材7及び電気接続部材8をレーザー照射で加熱溶融させて接合及び電気的接続を図る場合に必要となる。基板導電部9に孔9Aが形成されていないと、基板2側からレーザーを照射しても、当該基板導電部9でレーザー照射による熱が吸収され、当該接着部材7及び電気接続部材8の加熱が不足し溶融しないおそれがある。しかし、孔9Aが形成されていれば、レーザーは、孔9Aを通過し、当該接着部材7及び電気接続部材8まで到達するので、当該接着部材7及び電気接続部材8は、レーザーによって円滑に加熱されて溶融し、接合及び電気的接続を行うことができる。特に当該接着部材7が溶融し、基板2と接合することで、密封性能が向上する。
なお、この孔9Aについては、他の図の基板導電部9において図示を省略する。
【0040】
基板導電部9の上には、絶縁膜としての内部絶縁膜を形成してもよい。内部絶縁膜は、基板導電部91に乗り上げて陰極32が形成された場合でも、陰極32と基板導電部91との短絡を防止できる。
また、補助電極34の上にも、内部絶縁膜を形成してもよい。この場合、内部絶縁膜を形成するのは、陽極31の端部と隣接する補助電極34であり、図2で示す補助電極34cに形成するのが望ましい。内部絶縁膜が形成されていれば陰極32と補助電極34cとの短絡を防止できる。
内部絶縁膜を形成する範囲は、基板導電部9や補助電極34の上全体を覆うように形成せずとも、短絡を防止できる範囲に形成されていればよく、基板導電部9や補助電極34上の一部に形成されていてもよい。
内部絶縁膜は、電気絶縁性の材料で構成されればよい。酸化ケイ素(SiO)や酸化アルミニウム等をマスク蒸着法やマスクスパッタリング法等によって内部絶縁膜を形成することができる。内部絶縁膜の形成は、陽極31の形成後に行うのが好ましい。内部絶縁膜の形成位置としては、陽極31や陰極32と基板導電部9や補助電極34との短絡を防止できる位置であるとともに、電気接続部材8を接続するための部位を覆わない位置であればよい。
【0041】
ここで、光電変換装置1において内部絶縁膜35を形成させた場合の一例として、図5に示す。
図5は、内部絶縁膜35を基板導電部91及び補助電極34cの上に形成した光電変換装置11の厚み方向断面を基板2に対して封止部材4を上にして見た場合の断面図である。
光電変換装置11の構成は、光電変換装置1と略同一の構成を有するが、内部絶縁膜35が形成されている点、及び陽極31、陰極32、及び有機化合物層33の端部の形状が光電変換装置1と異なる。
陰極32は、光電変換装置1の場合よりもさらに基板2の接続部21側(図5の左側)まで延在し、基板導電部91の上まで乗り上げている。しかしながら、基板導電部91上には内部絶縁膜35が形成されているので、基板導電部91と陰極32との間には内部絶縁膜35が介在し、陰極31と基板導電部91との電気的接続は防止されている。
また、陰極32は、基板2の接続部22側(図5の右側)まで延在し、補助電極34cを乗り越え、基板導電部92の上まで乗り上げている。そして、有機化合物層33は、補助電極34cを乗り越えて形成され、補助電極34cと陰極32との間には有機化合物層33が介在している。ここで仮に有機化合物層33が補助電極34cを乗り越える位置まで延在していなかった場合、陰極32と補助電極34cとが電気的に接続され、陰極32と陽極31とが短絡してしまうおそれがある。しかしながら、補助電極34cの上には内部絶縁膜35が形成されているので、補助電極34cと陰極32との間には内部絶縁膜35が介在し、陰極31と基板導電部92との電気的接続は防止されている。
なお、陽極31が基板導電部92まで延在して電気的に接続する場合には、基板導電部92の上に内部絶縁膜35を形成しておけば、前述と同様に、陽極31と陰極32との短絡を防止できる。
【0042】
<封止部材>
封止部材4は、有機EL素子3を封止するための部材の一つであり、図2に示すように、有機EL素子3の上側に基板2と対向して配置される部材である。
有機EL素子3の封止は次のようにして成されている。まず、基板2が有機EL素子3の下側に配置され、封止部材4が有機EL素子3の上側に配置されている。そして、図2に示すように光電変換装置1を基板厚み方向で断面視した場合には有機EL素子3の有機化合物層33の外側であるともに、図3に示すように光電変換装置1を基板2の面に沿った方向で断面視した場合には有機化合物層33の周囲を枠状に囲むように、接着部材7が設けられている。そして、接着部材7で基板2及び封止部材4を接合することで有機EL素子3は封止される。
封止部材4は、板状、フィルム状、又は箔状の部材であることが好ましい。具体的には、ガラス板、ポリマー板、フィルム、金属板、金属箔等が挙げられる。なお、封止部材4は、本実施形態では板状の部材を用いているが、例えば、有機EL素子3の外寸よりも大きい内寸の凹部を有するキャップ状物、板状物(例えば座グリ基板)、シート状物あるいはフィルム状物であってもよい。
封止部材4は、基板2と同じか、基板2よりも小さく形成されていることが好ましい。さらに、封止部材4の端面に側面導電部6を形成するためのスペースを確保する観点から、封止部材4は、光電変換装置1を平面視したときに、基板2と接合した状態で基板2の端部よりも側面導電部6の厚み寸法と同じか、それよりも若干内側に位置するようにオフセットさせた寸法で形成されているのが好ましい。なお、当該オフセットされた寸法とするのは、封止部材4の全体でなくてもよく、基板2と封止部材4とを接合した際の基板2の接続部21及び接続部22に対応する部分だけでもよい。
封止部材4の厚み寸法は、0.1mm以上5mm以下であることが好ましい。厚み寸法が0.1mm以下であると、空気の透過率が上昇し密封性能が低下する。
【0043】
<取出し電極>
取出し電極5は、光電変換装置1の内部に封止された光電変換素子3の電極31,32を、光電変換装置1の外面側に電気的に取り出すための電極である。本実施形態では、封止部材4の有機EL素子3に対向する面とは反対側の面に設けられている。
本実施形態では、光電変換素子3が有機EL素子3なので、取出し電極5は、陽極31及び陰極32へ電圧印加するための外部電源からの配線を接続する部分となる。
また、光電変換素子3が太陽電池素子の場合、取出し電極5は、太陽電池素子によって生成された電荷を外部に取出すために外部装置への配線を接続する部分となる。
取出し電極5は、図1及び図2に示すように、封止部材4の有機EL素子3と対向する面とは反対側の面に第一取出し電極51及び第二取出し電極52の一対の電極として設けられている。そして、第一取出し電極51及び第二取出し電極52は、それぞれ封止部材4の端部から外側に突出する突出部51a,52aを有する。本実施形態では、第一取出し電極51及び第二取出し電極52は、陽極31及び陰極32に対して、それぞれ側面導電部6、電気接続部材8及び基板導電部9を介して電気的に接続されている。
第一取出し電極51及び第二取出し電極52の位置や形状は、図1〜図2に示すように、基板2の接続部21,22に対応させて形成されている。また、このような位置や形状に限られずに、外部電源との接続仕様に合わせて、電極同士が短絡しないような位置や形状に形成させてもよい。
取出し電極5を構成する部材としては、導電性の箔やフィルム等を用いることができる。好ましくは、金属や合金等の箔を用いることができ、例えば、Cu、AgやAl等の箔が用いられる。
また、本実施形態では、封止部材4は、基板2よりも所定寸法小さく形成されており、突出部51a,52aは、図2に示すように、基板2の側面と略同一面になるように設けられている。このようにすることで、複数の光電変換装置1を隣接配置させる場合に、隣り合う光電変換装置1の突出部51a,52a同士が干渉し合うのを防止できる。
【0044】
<側面導電部>
側面導電部6は、光電変換装置の側面に配置され、取出し電極5及び有機EL素子3の電気的接続を確保する部位である。側面導電部6は、封止部材4の端部の外側に設けられ、取出し電極5に対して電気的に接続する。また、側面導電部6は、突出部51a,52aそれぞれに上下方向で電気的に接続する側面導電部61,62を有する。
本実施形態では、側面導電部6は、取出し電極5と一体に形成され、側面導電部6が封止部材4の端面を覆うように形成されている。そして、当該側面導電部6の先端(図2の下端)は、基板導電部9まで延在している。なお、第一取出し電極51及び第二取出し電極52にそれぞれ対応して、側面導電部61,62が形成されている。
なお、側面導電部6と封止部材4の端面とは接着剤や融着により接合されてもよいし、されなくてもよい。
また、本実施形態では、封止部材4は、基板2よりも所定寸法小さく形成されており、側面導電部61,62は、図2に示すように、基板2の側面と略同一面になるように設けられている。このようにすることで、複数の光電変換装置1を隣接配置させる場合に、隣り合う光電変換装置1の側面導電部6同士が干渉し合うのを防止できる。
【0045】
<接着部材>
接着部材7は、有機EL素子3を封止するための部材の一つであり、基板2及び封止部材4を接合する。そして、接着部材7は、図3に示すように、有機化合物層33の周囲に枠状に形成されることによって、有機化合物層を密封することができる。なお、図2に示すように、基板導電部9が形成されている部分では、接着部材7は、基板導電部9を跨いで基板2及び封止部材4を接合する。
接着部材7が設けられる位置(接合位置)は、基板2の大きさや電気接続部材8を設けるスペースにもよるが、有機EL素子3を設置可能な領域を広くするために、基板2の端部側であることが好ましい。例えば、基板2が、縦の長さ100mm、横の長さ100mm、厚さ0.7mmの板状ガラス部材である場合、基板2の端部から接着部材7までの距離が0.1mm以上0.3mm以下であることが特に好ましい。
また、接着部材7が設けられる幅(接合幅)は、光電変換装置1を狭額縁構造とする観点から、基板2と封止部材4との接合強度を確保できる範囲で狭くするのが好ましい。例えば、縦の長さ100mm、横の長さ100mm、厚さ0.7mmの板状ガラス部材の場合は、0.5mm以上2mm以下であることが特に好ましい。
接着部材7は、封止性、耐湿性、接合強度の観点から、無機化合物で構成されたものが好ましい。レーザー照射により形成することを可能にするため、低融点ガラスが好ましい。本発明における低融点とは、融点が650℃以下のものをいう。好ましい融点としては、300℃以上600℃以下である。また、当該低融点ガラスは、ガラスと金属などを接合できる遷移金属酸化物、希土類酸化物等を成分組成に含むものが好ましく、粉末ガラス(フリットガラス)がより好ましい。粉末ガラスの組成としては、SiO,B、Alを含むものが好ましい。
【0046】
<放熱部材>
前述した通り、光電変換装置1において、基板2及び封止部材4とで有機EL素子3の上下を覆い、接着部材7で有機EL素子3の周囲を囲むとともに基板2及び封止部材4を接合することで有機EL素子3が封止されている。
このとき、基板2と封止部材4と接着部材7とで囲まれた空間は、封止空間Sとされる。封止空間Sの内部に、有機EL素子3が設けられている他、放熱部材43が充填されている。
放熱部材43は、有機EL素子3で発生した熱を封止部材4側へ効率的に伝達させる役割を担う。
放熱部材43としては、熱伝導性が良く不活性な部材が好ましく、例えば、フッ素系オイル等を用いることができる。
【0047】
<電気接続部材>
電気接続部材8は、側面導電部6及び基板導電部9を電気的に接続し、取出し電極5から有機EL素子3までの間の電気的接続を確保するための部材の一つである。
電気接続部材8は、図2や図3に示すように、接着部材7よりも外側(基板2の端部側)に設けられる。側面導電部61及び基板導電部91に対しては、電気接続部材81が接続され、側面導電部62及び基板導電部92に対しては、電気接続部材82が接続される。
電気接続部材81,82は、それぞれ、図2に示すように、接着部材7と側面導電部61,62との間にあるスペースに電気接続部材8が収まっている。また、電気接続部材81,82は、図2に示すように、それぞれ、基板導電部91,92に対して上下方向で電気的に接続するとともに、側面導電部61,62の内側に対して基板2の面に沿う方向で電気的に接続する。
また、電気接続部材81,82は、図3に示すように、基板導電部91,92の幅と略同一の幅で設けられている。そのため、電気的導通を幅広く取れるので、安定的な電気的接続を確保できる。
電気接続部材8としては、導電性接着剤やはんだ材料を用いることができる。好ましくは、融点が300℃以下の低融点はんだ材料が好ましい。
【0048】
〔光電変換装置の製造方法〕
次に、光電変換装置の製造方法を図に基づいて説明する。
<封止部材側の製造工程>
図6は、封止部材4側の製造工程を示す概略図である。なお、図6は、封止部材4の厚み方向断面を見る図であって、封止部材4の上に接着部材7等を塗布する場合を示すものである。
まず、図6(A)に示すように、接着部材7を封止部材4の一方の面上に塗布する。ここでは、接着部材7としてフリットガラスを用いる。
接着部材7の塗布位置は、封止部材4の端部側であり、基板2に対して貼り合わせた際に、図3に示すように接合位置が有機化合物層33を枠状に囲む位置であるとともに、電気接続部材8を設けるスペースを残した位置となるように塗布する。また、接着部材7の塗布幅は、接合強度を確保しうる接合幅となるように塗布する。
塗布する方法としては、例えば、ディスペンサ法等が挙げられる。
【0049】
次に、電気接続部材8を接着部材7よりも封止部材4の端部側に塗布する。ここでは、電気接続部材8として低融点はんだ材料を用いる。電気接続部材8の塗布位置は、基板導電部9との電気的接続を行う部位に対応させた位置である。塗布する方法としては、例えば、ディスペンサ法等が挙げられる。
なお、ここで用いた接着部材7及び電気接続部材8は、塗布する時点ではペースト状であり、それぞれアルコール成分を含んでいる。
【0050】
その後、図6(B)に示すように、接着部材7及び電気接続部材8を塗布した封止部材4の面とは反対側の面に対してホットプレート等の加熱手段Hを配置し、当該反対側の面から封止部材4を加熱して焼成を行う。この焼成によって、接着部材7及び電気接続部材8に含まれていた前述のアルコール成分を除去する。なお、加熱方法としては、加熱炉内に、当該封止部材4を入れる方法としてもよい。
そして、図6(C)に示すように、接着部材7及び電気接続部材8を塗布した封止部材4の面上に放熱部材43を塗布する。塗布する方法としては、例えば、ディスペンサ法等が挙げられる。
【0051】
<基板側の製造工程>
図7は、光電変換装置1における基板2側の製造工程を説明する概略図である。なお、図7は、基板2の厚み方向断面を見る図であって、基板2の上に有機EL素子3を形成する場合を示すものである。
図7において、各工程をアルファベットの(A)〜(D)で示し、基板2の部位に応じてアルファベットに対してさらに数字を付した。数字は、1が図2の左側の接続部21周辺を表すことを示し、2が図2の右側の接続部22周辺を表すことを示し、3が接続部21,22以外の基板2の周辺部を表すことを示すものとする。
まず、図7(A)に示すように、補助電極34a,34b,34c(図中では補助電極34cのみ図示)及び基板導電部91,92を基板2上に形成する。このとき、前述の孔9A(図4参照)が形成されるようにマスクスパッタリング法等で基板導電部91,92を形成する。
その後、図7(B)に示すように、陽極31を基板2上に形成する。補助電極34、基板導電部9及び陽極31の形成方法としては、真空蒸着やスパッタリング等の公知の方法を採用することができる。この際、形成位置が所定の位置となるようにマスクスパッタリング等を行うのが好ましい。
ここまでで、基板2上に形成された複数の補助電極34の内、34a,34b(図2参照)は、陽極31に覆われている。補助電極34cは、その側面に陽極31が接している。また、陽極31の外縁は、図7(B−1)に示すように、基板導電部91まで延在して形成されるとともに、図7(B−2),(B−3)に示すように補助電極34cよりも基板2の内側の領域に形成されている。
【0052】
続いて、図7(C)に示すように、有機化合物層33を陽極31上に形成する。形成方法としては、真空蒸着、スパッタリング、プラズマ、イオンプレーティング等の乾式成膜法やスピンコーティング、ディッピング、フローコーティング、インクジェット等の湿式成膜法等の公知の方法を採用することができる。この際、有機化合物層33が所定の位置に形成されるようにマスキング手段を施して層形成を行うのが好ましい。
図7(C−2)に示すように、有機化合物層33の基板導電部92側の端部は、補助電極34c上を乗り越えて、当該補助電極34c及び基板導電部92の間の基板2表面が露出する部分まで延在して形成されている。一方、図7(C−1)に示すように、有機化合物層33の基板導電部91側の端部は、陽極31の基板導電部91側の端部よりも内側の領域にオフセットされて形成されている。
【0053】
次に、図7(D)に示すように、陰極32を有機化合物層33上に形成する。陰極32の形成方法としても、真空蒸着やスパッタリング等の公知の方法を採用することができる。この際、陰極32が所定の位置に形成されるようにマスクスパッタリング等を行うのが好ましい。
図7(D−2)に示すように、陰極32の基板導電部92側の端部は、補助電極34c上を乗り越えて、さらに基板導電部92上まで延在して形成されている。一方、図7(D−1)に示すように、陰極32の基板導電部91側の端部は、陽極31と短絡しないように有機化合物層33の基板導電部91側の端部よりも内側にオフセットされて形成されている。
【0054】
<貼り合わせ工程>
図8は、上記工程で製造された封止部材4側及び基板2側を貼り合わせる工程を説明する概略図である。図8は、基板2及び封止部材4の厚み方向断面を見る図であって、基板2及び封止部材4を上下方向で貼り合せる場合を示すものである。
図8(A)に示すように、封止部材4の接着部材7や電気接続部材8が塗布された面を上に向けて、基板2の有機EL素子3が形成された面を下に向けて、所定の接合部位に合わせて貼り合わせる。貼り合わせに際しては、正確な部位で接合するために位置決め治具等を用いてもよい。
その後、図8(B)に示すように、矢印方向に封止部材4を押圧して、封止部材4上に塗布されていた放熱部材43を伸ばして、封止空間S内に充填させる。
【0055】
続いて、図8(C)に示すように、封止部材4を上に向けた状態で、封止部材4上に第一取出し電極51及び第二取出し電極52を形成する。本実施形態では、封止部材4上に貼り付けた際に、封止部材4の端部側で突出する突出部51a,52aが形成され、さらに突出部51a,52aから基板2方向に延在して側面導電部61,62が形成されるように、金属箔を予めプレス成形で加工成形しておき、当該金属箔をエポキシ樹脂にて封止部材4に固定する。側面導電部61,62は、電気接続部材8に当接させる。
【0056】
さらに、図8(C)に示すように、当該当接した状態を維持したまま矢印方向のレーザー照射等で接合部位を局所的に加熱して、接着部材7や電気接続部材8を溶融させ、加熱された接着部材7や電気接続部材8は、これらと接する部材に対して接合させる。放射温度計を使用し、接着部材7の温度が600℃になるよう、レーザー出力、及びレーザー移動速度を調整する。
このようにして封止部材4及び基板2が貼り合わされ、有機EL素子3が封止された狭額縁構造の光電変換装置1が製造される。
【0057】
以上のような本実施形態によれば、次のような作用効果を奏する。
(1)フリットガラスで構成される接着部材7で有機EL素子3の有機化合物層33の外側を枠状に囲むとともに、基板2と封止部材4とを接合するので、接合幅を狭めても、接合強度が高く、封止性能に優れた狭額縁構造の光電変換装置1を得ることができる。
【0058】
(2)接着部材7よりもさらに外側の位置に電気接続部材8を設け、電気接続部材8は、側面導電部6の内側に対して電気的に接続するとともに、基板導電部9に対して上下方向で電気的に接続するので安定した電気的接続を確保できる。
また、側面導電部6の内側に電気接続部材8を設けることにより、レーザー加工前の電気接続部材8のぶれが抑制され、光電変換装置1の製造歩留まりが向上する。
【0059】
(3)有機EL素子3から、基板導電部9、電気接続部材8及び側面導電部6を介して取出し電極5へと電気的に接続されることになり、取出し電極5が基板2の厚み方向に位置する構造となるので、光電変換装置1同士の間隔を狭めて配置でき、装置間の継ぎ目が目立たなくなる。
【0060】
(4)接着部材7と側面導電部6との間のスペースに電気接続部材8が設けられているので、基板2の端部側の電気接続部材8の光電変換装置1内での収まりが良く、側面導電部6の外側に電気接続部材8がはみ出さない。そのため、光電変換装置1を複数隣接配置させた場合でも、基板2の端部側からはみ出した電気接続部材8同士が干渉し合うことなく、この点からも、光電変換装置1間隔を狭めて配置でき、光電変換装置1間の継ぎ目が目立たなくなる。
【0061】
(5)第一取出し電極51及び側面導電部61が一つの部材で構成され、第二取出し電極52及び側面導電部62が一つの部材で構成されているので、有機EL素子3からの電気取出しに必要な部材数を少なくすることができ、光電変換装置1の構造や製造工程の簡略化を図ることができる。
【0062】
(6)基板2上に、補助電極34及び基板導電部9が設けられているので、陽極31に用いる透明電極材料の電気抵抗による電圧低下を防ぎ、陽極31及び陰極32と取出し電極5との安定した電気的接続を確保できる。
【0063】
(7)取出し電極51,52の突出部51a,52aに対して側面導電部61,62が上下方向で電気的に接続されるので、側面導電部61,62を取出し電極51,52の上部側まで延在させてから接続させる等の必要がなく、簡易的な接続構造によって安定した電気的接続を確保できる。
【0064】
次に本発明に係る第二実施形態について、図面に基づいて説明する。
ここで、第二実施形態の説明において第一実施形態と同一の構成要素は同一符号を付して説明を省略もしくは簡略にする。
図9は、第二実施形態に係る光電変換装置12の厚み方向断面を見る断面図である。
第二実施形態に係る光電変換装置12は、側面導電部6及び電気接続部材8の接合方法において、第一実施形態に係る光電変換装置1と異なる。すなわち、側面導電部61,62がそれぞれ基板2の端部側の基板導電部91,92と対向する位置まで突出し、当該側面導電部61,62の先端(図9における下端)と基板導電部91,92との間に電気接続部材81,82が設けられている。すなわち、第一実施形態のように、電気接続部材8が接着部材7の外側と側面導電部6の内側とで形成されるスペースに設けられておらず、図9に示すように、接着部材7及び側面導電部6に対して上下方向に電気的接続がなされている。そのため、接着部材7による接合位置は、第一実施形態の場合と比べて、さらに基板2の端部側に設けられている。
【0065】
以上のような第二実施形態によれば、第一実施形態における(1)から(3)まで、(5)から(7)までと同じ効果を奏するとともに、以下の効果を奏する。
(8)接着部材7の外側と側面導電部6の内側とで形成される電気接続部材8を設けるためのスペースを小さくし、接着部材7をさらに外側(基板2の端部側)に設けることが出来る。そのため、側面導電部6と基板導電部9の導通の信頼性を確保しながら、有機EL素子3を配置するための基板2上のスペースをさらに広くすることが出来、結果として発光面積をより大きくすることが出来る。
【0066】
次に本発明に係る第三実施形態について、図面に基づいて説明する。
ここで、第三実施形態の説明において前記実施形態と同一の構成要素は同一符号を付して説明を省略もしくは簡略にする。
図10は、第三実施形態に係る光電変換装置13の厚み方向断面を見る断面図である。
第三実施形態に係る光電変換装置13は、取出し電極5及び側面導電部6の構造において、第一実施形態に係る光電変換装置1と異なる。すなわち、取出し電極5及び側面導電部6が別体で構成されている。
第一取出し電極51及び第二取出し電極52の端部は封止部材4の端部から外側に突出し、それぞれの突出部分に対して側面導電部61,62は別部材として設けられ、封止部材4の端部の外側に設けられ、封止部材4の端面を覆う。
第三実施形態では、取出し電極5及び側面導電部6に用いることのできる材料は第一実施形態において説明したものと同じ材料を用いることができる。そして、取出し電極5及び側面導電部6を同じ部材で構成してもよいし、異なる部材で構成してもよい。
取出し電極5及び側面導電部6の接続方法としては、はんだ接続、融着、溶着等の方法が挙げられる。
【0067】
以上のような第三実施形態によれば、第一実施形態における(1)から(4)まで、(6)及び(7)と同じ効果を奏するとともに、以下の効果を奏する。
(9)取出し電極5を構成する部材を封止部材4の端部側で折り曲げて側面導電部6を形成する必要が無いため、折り曲げ困難な部材で取出し電極5を構成する場合でも電気的接続を確実に確保することができる。
【0068】
(10)封止部材4の厚みが薄い場合には、第一取出し電極51及び第二取出し電極52を構成する部材を封止部材4の端部側で折り曲げて側面導電部61,62を形成する加工が困難であることから、側面導電部61,62を別部材で構成することで、封止部材の厚みが薄い光電変換装置の製造が容易になる。
【0069】
次に本発明に係る第四実施形態について、図面に基づいて説明する。
ここで、第四実施形態の説明において前記実施形態と同一の構成要素は同一符号を付して説明を省略もしくは簡略にする。
図11は、第四実施形態に係る光電変換装置14の厚み方向断面を見る断面図である。
第四実施形態に係る光電変換装置14は、第三実施形態に係る光電変換装置13において電気接続部材8による電気的接続構造が、当該光電変換装置13と異なる。
側面導電部61,62は、取出し電極51,52の突出部51a,52aに対してそれぞれ上下方向で電気的に接続し、基板導電部91,92に対してそれぞれ上下方向で電気的に接続する。このとき、側面導電部61,62は、前述の電気接続部材8と同様の部材で構成されてもよい。
【0070】
以上のような第四実施形態によれば、第一実施形態及び第三実施形態における(1)から(7)まで、(9)及び(10)と同じ効果を奏するとともに、以下の効果を奏する。
(11)側面導電部61,62で取出し電極51,52及び基板導電部91,92を上下方向で電気的に接続するので、電気接続部材として別部材を設けたり、第一取出し電極51及び第二取出し電極52を構成する部材を折り曲げたりする必要がなく、光電変換装置1の構造や製造工程の簡略化を図ることができる。
【0071】
(12)側面導電部61,62が基板2の端部側及び封止部材4の側面の外側に設けられることになるので、第一実施形態や第三実施形態と比べて接着部材7をさらに外側(基板2の端部側)に設けることができる。そのため、有機EL素子3を配置するための基板2上のスペースをさらに広くすることができ、結果として発光面積等をより大きくできる。
なお、封止部材4の厚みが薄い場合には、第一取出し電極51及び第二取出し電極52を構成する部材を封止部材4の端部側で折り曲げて側面導電部61,62を形成する加工が困難であるため、第一取出し電極51及び第二取出し電極52とは別体の側面導電部61,62で直接、取り出し電極に対して接続する本接続構造が必然的に有効になる。
本発明において側面導電部61,62に低融点の金属を用いる場合には、例えば封止部材4の厚みが1mm程度であれば容易に低融点の金属を側面導電部61,62に配置することができ、電気的な導通を確保することができる。
【0072】
次に本発明に係る第五実施形態について、図面に基づいて説明する。
ここで、第五実施形態の説明において前記実施形態と同一の構成要素は同一符号を付して説明を省略もしくは簡略にする。
図12は、第五実施形態に係る光電変換装置15の厚み方向断面を見る断面図である。
第五実施形態に係る光電変換装置15は、第三実施形態に係る光電変換装置13において有機EL素子3の陽極31及び陰極32を基板2の端部側まで延在させた点で、当該光電変換装置13と異なる。
【0073】
以上のような第五実施形態によれば、第一実施形態及び第三実施形態における(1)から(7)まで、(9)及び(10)と同じ効果を奏するとともに、以下の効果を奏する。
(13)陽極31及び陰極32を基板2の端部側まで延在させるので、基板2上に別途基板導電部9を設ける必要が無く、光電変換装置1の構造や製造工程の簡略化を図ることができる。
【0074】
次に本発明に係る第六実施形態について、図面に基づいて説明する。
ここで、第六実施形態の説明において前記実施形態と同一の構成要素は同一符号を付して説明を省略もしくは簡略にする。
図13は、第六実施形態に係る光電変換装置16の厚み方向断面を見る断面図である。
第六実施形態に係る光電変換装置16は、第四実施形態に係る光電変換装置14において、有機EL素子3の陽極31及び陰極32を基板2の端部側まで延在させた点で、当該光電変換装置14と異なる。
【0075】
以上のような第六実施形態によれば、第一実施形態、第三実施形態及び第四実施形態における(1)から(7)まで、及び(9)から(13)までと同じ効果を奏する。
【0076】
次に本発明に係る第七実施形態について、図面に基づいて説明する。
ここで、第七実施形態の説明において前記実施形態と同一の構成要素は同一符号を付して説明を省略もしくは簡略にする。
図14は、第七実施形態に係る光電変換装置17の厚み方向断面を見る断面図である。
第七実施形態に係る光電変換装置17は、第一実施形態に係る光電変換装置1において、封止部材4を導電性封止部材41としたものである。そして、第二取出し電極52、側面導電部62及び電気接続部材82と導電性封止部材41とが接する部分には、互いに接触して短絡しないように、それらの間に絶縁部としての外部絶縁層42が設けられている。図14に示すように、外部絶縁層42は導電性封止部材41の上面から側面を通って下面まで延在して設けてある。このとき、有機EL素子3の陽極31は、基板導電部91、電気接続部材81、側面導電部61を介して第一取出し電極51に電気的に接続され、第一取出し電極51は、導電性封止部材41に対して接続されている。第一取出し電極51と導電性封止部材41との接続は、導通が確保された状態で接続されていればよい。
導電性封止部材41としては、導電性を有する部材であればよく、例えば、金属製の板や箔を用いることができる。また、封止部材4の表面が導電性材料で被覆されたものであれば、封止部材4自体に導電性がなくてもよい。
外部絶縁層42としては、電気絶縁性の材料で形成したものであればよい。酸化ケイ素(SiO)や酸化アルミニウム等をマスク蒸着法やマスクスパッタリング法等によって外部絶縁層42を形成することができる。または、絶縁性のフィルムや箔などを導電性封止部材41に貼り付けて形成することもできる。
【0077】
以上のような第七実施形態によれば、第一実施形態における(1)から(7)までと同じ効果を奏するとともに、以下の効果を奏する。
(14)光電変換装置17における封止部材4が導電性封止部材41であり、有機EL素子3の陽極31は、電気接続部材8等を介して第一取出し電極51に電気的に接続され、さらに導電性封止部材41にまで電気的に接続されている。そのため、陽極31側の外部電源からの配線を第一取出し電極51だけでなく、導電性封止部材41にも接続でき、電気的接続位置の融通性が生じる。
【0078】
次に本発明に係る第八実施形態について、図面に基づいて説明する。
ここで、第八実施形態の説明において前記実施形態と同一の構成要素は同一符号を付して説明を省略もしくは簡略にする。
図15は、複数の第一取出し電極51及び第二取出し電極52が設けられた光電変換装置18を示す斜視図である。
第八実施形態に係る光電変換装置18は、第一実施形態に係る光電変換装置1において、第一取出し電極51を2つ、第二取出し電極52を2つ設けている点で、光電変換装置1と異なる。
第八実施形態が示すように、本発明においては、前記実施形態のように、一対の第一取出し電極51及び第二取出し電極52を設けるだけでなく、第一取出し電極51及び第二取出し電極52の少なくともいずれか一方を複数設けてもよい。
取出し電極5は、第一電極又は第二電極のシート抵抗を下げるので、複数の取出し電極5を設けた場合、当該シート抵抗をさらに下げることができるので好ましい。第一電極又は第二電極のうち、シート抵抗の高いITOなどの透明電極を用いる方に電気的に接続される取出し電極を他方より多く、又は電極面積を大きくして設けることが好ましい。
光電変換装置18において、第一電極としての陽極は、ITOで構成される透明電極であり、第二電極としての陰極は、アルミニウムで構成される電極である。ここで、ITOはアルミニウムよりも高抵抗であるため、陽極のシート抵抗を下げるために、陽極に接続される第一取出し電極51の面積を第二取出し電極52よりも大きくしている(図15参照)。また、発光ムラ防止の観点から、シート抵抗の高いITOによる電圧降下を抑制するために第一取出し電極51の数を第二取出し電極52の数に比べて多くすることが有効である。
【0079】
次に本発明に係る第九実施形態について、図面に基づいて説明する。
ここで、第九実施形態の説明において前記実施形態と同一の構成要素は同一符号を付して説明を省略もしくは簡略にする。
図16は、基板2の面に沿った方向の光電変換装置19Aの断面を基板2に向かって見た場合の平面断面図である。図17は、基板2の面に沿った方向の光電変換装置19Bの断面を基板2に向かって見た場合の平面断面図である。
第九実施形態に係る光電変換装置19A,19Bは、第一実施形態に係る光電変換装置1において、基板2上に光反射部36が設けられている点で、光電変換装置1と異なる。なお、図16及び図17の断面を切り取った位置は第一実施形態に係る図3の位置と略同一である。そして、図16及び図17においては、説明の都合上、側面導電部61,62、接着部材7、及び電気接続部材81,82を二点鎖線で示す。
光反射部36は、光を反射させる材料で構成され、有機化合物層33で発生した光を、光取り出し方向に反射する層である。そして、光反射部36は、例えば、蒸着等で金属膜を形成したり、金属箔や金属板等を貼り付けたりして、形成される。また、基板導電部9をAl、Cu、Ag等の金属で構成する場合、当該基板導電部9と部材と同じ部材で光反射部36を形成するのが好ましい。同じ部材で形成することで、基板導電部9及び光反射部36の形成を同時に行うことができる。
【0080】
光反射部36は、基板2上の基板導電部9、補助電極34、及び有機EL素子3が形成された位置とは異なる位置に設けられる。さらに、基板導電部9、補助電極34、及び有機EL素子3が形成された位置とは異なる位置全体にわたって設けられるのが好ましい。よって、光反射部36の面積が出来る限り大きくなるよう、基板導電部91、基板導電部92、及び補助電極のいずれか一つが光反射部36と一体的に形成されていても良い。
光反射部36が導電性の部材で構成されるとき、光反射部36が基板2上の導電性の基板導電部91及び基板導電部92の両方と接触すると、有機EL素子3の陽極31及び陰極32が短絡するおそれがあるので、光反射部36と基板導電部91及び基板導電部92のどちらか一方との間に所定寸法隙間を設けるか、絶縁性の物質を介在させて、短絡を防止するのが好ましい。
例えば、図16,図17のような形状で光反射部36を基板2上に形成するのが好ましい。基板2を平面視すると、光反射部36は、基板2上の基板導電部9、補助電極34、及び有機EL素子3と接触しないように、これらから所定寸法離れて、基板2上の全体にわたって設けられている。
【0081】
光電変換装置19Aの基板導電部9及び光反射部36には、図16に示すように、基板2の端部に沿って、複数の孔9Aが形成されている。すなわち、第一実施形態において説明した基板導電部9の孔9Aが光反射部36にも形成されている。
光電変換装置19Aでは、基板導電部9及び光反射部36が同時に形成される。例えば、基板導電部9及び光反射部36を同じ金属材料(Al等)を用いてスパッタリング法等で形成し、その後、パターンエッチングを施して孔9Aを形成する。孔9Aは、ここでは略楕円状に形成される。
【0082】
光電変換装置19Bでは、図17に示すように、前述の孔9Aとは形状が異なる複数の孔9Bが、基板2の端部に沿って基板導電部9及び光反射部36に形成されている。
光電変換装置19Bでも、基板導電部9及び光反射部36が、光電変換装置19Aと同じように同時に形成される。但し、光電変換装置19Bでは、マスクスパッタリング法等で、予め孔9Bを有する状態で基板導電部9及び光反射部36が形成される。孔9Bは、ここでは略矩形状に形成され、基板2の端部から内側に向かって伸びている。
孔9Bも、孔9Aと同様に、レーザー照射による接合を円滑に行うために設けられる。
【0083】
以上のような第九実施形態によれば、第一実施形態における(1)から(7)までと同じ効果を奏するとともに、以下の効果を奏する。
(15)有機EL素子3の発光層33から出射した光は、基板2内を伝播せずにそのまま基板2から光取出し方向へ出射するか、基板2内での伝播を経て基板2から光取出し方向若しくは反対方向に出射する。光電変換装置19A,19Bでは、光反射部36が前述のように基板2上であって、基板導電部9等が設けられた位置とは異なる位置に設けられているので、光反射部36が設けられた位置まで基板2内を伝播した当該出射光は、光取出し方向とは反対方向に出射せずに、光取出し方向に反射される。このように反射された光は、光取出し方向に出射するか、さらに反射されながら基板2の端部方向へ向かって伝播した後に光取出し方向に出射する。
このように、光反射部36が基板2上に形成されているため、有機EL素子3から出射された光は、有機EL素子3の形成されていない基板2の端部側にある接合部まで伝播するとともに、光取出し方向に出射する。そして、当該接合部は光で隠されるので、光電変換装置19A,19Bを複数隣接配置させた場合に、光電変換装置19A,19B間の継ぎ目や接合部がより目立たなくなる。
【0084】
(16)さらに、当該接合部を光で隠すことができるので、当該接合部の接合幅を広めにとって接合強度を向上させる構造も可能となり、光電変換装置の設計の自由度が増す。
【0085】
<光電変換素子としての太陽電池素子>
次に本発明に係る第十実施形態について、説明する。
光電変換装置1に用いられる光電変換素子3として、前記実施形態では有機EL素子3を例示して説明したが、これに限られず、有機薄膜太陽電池素子や色素増感太陽電池素子等の気密を保持する必要のある素子に適用される。
有機薄膜太陽電池素子の場合、基板2側を光の入射面とした場合に、基板2側から順に、透明導電膜、P型有機半導体、N型有機半導体、導電膜を積層させた構造とすることができる。透明導電膜は、基板2側からの光が太陽電池層(P型有機半導体及びN型有機半導体)に到達できるよう、透明の電極部材を用いることができ、例えばITO(酸化インジウム錫)、ZnO(酸化亜鉛)、SnO(酸化錫)などの透明電極とすることができる。
導電膜は、反射膜として、光の吸収が少なく反射の高いアルミ、金、銀、チタンなどの金属電極を用いることができる。また、それらの金属同士の多層構造電極、あるいはそれらの金属と別の金属や上記透明電極材のような導電性酸化物や導電性の有機物との多層構造の電極を反射膜として用いても良い。その他の構成は、前記実施形態と同じものを採用することができる。
【0086】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲で以下に示される変形をも含むものである。
前記実施形態では、封止空間Sに放熱部材43を充填させた構成で説明したが、これに限られず、放熱部材43を充填しなくてもよい。例えば、封止空間S内を真空状態にしたり、乾燥ガス等を充填させたりした状態にしてもよい。
【0087】
また、上記第七実施形態において、第一取出し電極51及び側面導電部61と導電性封止部材41とが接する部分にも外部絶縁層42を設けてもよい。
【0088】
さらに、第一電極及び第二電極のうち少なくともいずれか一方が本発明に係る上述の電気的接続構造で接続されていればよい。そしてさらに、上記第8実施形態で説明したような、複数の取出し電極5が形成される場合には、当該複数の電極のうち少なくともいずれか1つが本発明に係る上述の電気的接続構造で接続されていればよい。
【0089】
加えて、取出し電極5の数、位置、及び面積等は、上記実施形態で説明した位置に限られない。例えば、封止部材4の対向する二つの辺に沿って第一取出し電極51及び第二取出し電極52を設けるだけでなく、封止部材4の隣り合う二つの辺のそれぞれに第一取出し電極51及び第二取出し電極52を設けてもよい。さらに、封止部材4の角部に第一取出し電極51及び第二取出し電極52を設けたり、封止部材4の角部に第一取出し電極51を設け、中央部に第二取出し電極52を設けたりしてもよい。複数の取出し電極5を設けた場合には、いずれも同じ面積でなくともよく、電気的に接続される第一電極及び第二電極の構成部材等の観点から適宜、設定することができる。
【0090】
さらに、前記実施形態において、光電変換装置の外側に向いている基板2の面全体、又は部分的に光拡散層を設けてもよい。有機EL素子3の有機化合物層33から出射した光を光取出し方向の外部へ効率的に取り出すことができる。光拡散層は、光拡散フィルムの貼り付けや、蒸着法等によって設けられる。
【0091】
その他、前記第五実施形態において、陽極31及び陰極32を基板2の端部側まで延在させたが(図12参照)、当該延在させたうえで、当該基板端部側において陽極31及び陰極32と基板2との間に上述の基板導電部をさらに形成させてもよい。
【実施例】
【0092】
次に、実施例を挙げて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例の記載内容に何ら制限されるものではない。
本実施例では、前記第一実施形態の構成に基づいて、光電変換装置1を作成し、駆動試験を行い、その評価を行った。評価項目は以下の通りである。
(i)電流−輝度特性:照明パネル用途としての基本的特性を評価する。
(ii)電流−電圧特性(J−V特性):電気接続部の駆動安定性を評価する。
(iii)発光面積:光電変換装置を平面視した場合の装置面積の中で占める発光面積の割合を評価する。この割合は、発光時の狭額縁性を表す。
(iv)素子寿命:初期輝度に対して半減するまでの時間を評価する。この半減時間は、光電変換装置における封止性能を表す。
【0093】
駆動試験は、以下の条件で行った。
電流値が1mA/cmとなるように有機EL素子3に電圧を印加し、そのときの電圧値を測定した。また、そのときのEL発光スペクトルを分光放射輝度計(CS−1000:コミカミノルタ社製)にて計測した。得られた分光放射輝度スペクトルから、輝度、色度、電流効率(cd/A)、外部量子効率(%)、主ピーク波長(nm)を算出した。さらに、初期輝度5000cd/m(nit)で直流の連続通電試験を行い、素子の半減寿命を測定した。
【0094】
また、駆動試験に用いた光電変換装置の構成や部材は以下の通りである。
・基板:青板ガラス(100mm×100mm、厚さ:0.7mm)
・封止部材:ソーダガラス(99.95mm×100mm、厚さ:0.7mm)
・取出し電極:銅箔(厚さ0.08mm)
・接着部材:フリットガラス(AGC製、AP5346B。融点485℃)
・電気接続部材:はんだ材料(石川金属製、J3−3230−LU。融点300℃)
・放熱部材:フッ素系オイル(ダイキン工業製、デムナムグリースS−200)
・補助電極,基板導電部:APC
・有機EL素子構成:陽極(ITO。厚さ:100nm)/NPD(厚さ:50nm)/Alq(厚さ60nm)/LiF(厚さ:1nm)/陰極(Al。厚さ:100nm)
NPDは、正孔輸送層として形成し、Alqは、発光層として形成し、LiFは、電子注入性電極(陰極)として形成した。
・接着部材の幅:0.7mm
・基板の端部から接着部材までの距離:0.2mm
・基板導電部の幅:20mm
【0095】
前記第一実施形態の構成に基づいて作成した光電変換装置の性能としては、以下の通りとなった。
光電変換装置内に設けられた有機EL素子の性能は次の通りであった。
・輝度:305cd/m
・電流効率(cd/A):3.0cd/A
・主ピーク波長(nm):535nm
また、電流−輝度特性、電流−電圧特性、発光面積、及び素子寿命において、照明パネル用途の光電変換装置に求められる特性を十分に満たしていることが分かった。
特に、発光面積の割合としては、約96%がムラ無く発光した。したがって、狭額縁構造の光電変換装置を得ることができたといえる。
【符号の説明】
【0096】
1,12,13,14,15,16,17,18,19A,19B 光電変換装置
2 基板
3 光電変換素子(有機EL素子)
31 第一電極(陽極)
32 第二電極(陰極)
33 有機化合物層
35 絶縁膜(内部絶縁膜)
36 光反射部
4 封止部材
42 絶縁部(外部絶縁層)
5 取出し電極
51 第一取出し電極
52 第二取出し電極
51a,52a 突出部
6,61,62 側面導電部
7 接着部材
8,81,82 電気接続部材
9,91,92 基板導電部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、この基板上に設けられる光電変換素子と、封止部材とが、この順に配置される光電変換装置であって、
前記光電変換装置の厚み方向断面を前記基板に対して前記封止部材を上にして見た場合に、
前記光電変換素子は、第一電極と、有機化合物層と、第二電極とを、この順に上部方向へ積層されて構成され、
前記有機化合物層の外側には、前記有機化合物層を封止する接着部材が設けられ、
前記封止部材の前記光電変換素子とは反対側には、一以上の取出し電極が設けられ、
この一以上の取出し電極のうち少なくとも一つは、前記封止部材の端部から外側に突出する突出部を有し、
前記光電変換装置の側面には、前記突出部と上下方向で電気的導通を確保する側面導電部が設けられ、
前記基板上には、前記第一電極及び前記第二電極の少なくともいずれか一方と電気的に接続され、前記接着部材の下を通り、前記接着部材の外側まで延在する基板導電部が設けられ、
前記接着部材よりも外側には、前記側面導電部と前記基板導電部とを電気的に接続する電気接続部材が設けられている
ことを特徴とする光電変換装置。
【請求項2】
請求項1に記載の光電変換装置において、
前記側面導電部は、前記封止部材の端部の外側に設けられ、
前記電気接続部材は、前記側面導電部の内側、かつ、前記接着部材の外側に設けられるとともに、前記基板導電部に対して上下方向で電気的に接続し、かつ、前記側面導電部の内側に対して前記基板の面に沿う方向で電気的に接続する
ことを特徴とする光電変換装置。
【請求項3】
請求項2に記載の光電変換装置において、
前記一以上の取出し電極のうち少なくとも一つは、前記側面導電部と一体に形成されている
ことを特徴とする光電変換装置。
【請求項4】
請求項2に記載の光電変換装置において、
前記側面導電部は、前記一以上の取出し電極のうち少なくとも一つと別体に形成されている
ことを特徴とする光電変換装置。
【請求項5】
請求項1に記載の光電変換装置において、
前記側面導電部は、前記封止部材の端部の外側に設けられ、
前記電気接続部材は、前記基板導電部及び前記側面導電部の間に設けられるとともに、前記基板導電部に対して上下方向で電気的に接続し、かつ、前記側面導電部に対して上下方向で電気的に接続する
ことを特徴とする光電変換装置。
【請求項6】
請求項5に記載の光電変換装置において、
前記一以上の取出し電極のうち少なくとも一つは、前記側面導電部と一体に形成されている
ことを特徴とする光電変換装置。
【請求項7】
請求項5に記載の光電変換装置において、
前記側面導電部は、前記一以上の取出し電極のうち少なくとも一つと別体に形成されている
ことを特徴とする光電変換装置。
【請求項8】
基板と、この基板上に設けられる光電変換素子と、封止部材とが、この順に配置される光電変換装置であって、
前記光電変換装置の厚み方向断面を前記基板に対して前記封止部材を上にして見た場合に、
前記光電変換素子は、第一電極と、有機化合物層と、第二電極とを、この順に上部方向へ積層されて構成され、
前記有機化合物層の外側には、前記有機化合物層を封止する接着部材が設けられ、
前記封止部材の前記光電変換素子とは反対側には、一以上の取出し電極が設けられ、
この一以上の取出し電極のうち少なくとも一つは、前記封止部材の端部から外側に突出する突出部を有し、
前記光電変換装置の側面には、前記突出部と上下方向で電気的導通を確保する側面導電部が設けられ、
前記基板上には、前記第一電極及び前記第二電極の少なくともいずれか一方と電気的に接続され、前記接着部材の下を通り、前記接着部材の外側まで延在する基板導電部が設けられ、
前記側面導電部は、前記接着部材よりも外側で、前記基板導電部に対して上下方向で電気的に接続する
ことを特徴とする光電変換装置。
【請求項9】
請求項1から請求項8までのいずれか一項に記載の光電変換装置において、
前記第一電極及び前記第二電極の少なくともいずれか一方が、前記基板導電部と一体に形成されている
ことを特徴とする光電変換装置。
【請求項10】
請求項1から請求項9までのいずれか一項に記載の光電変換装置において、
前記封止部材は、導電性の部材から構成され、
この封止部材と前記一以上の取出し電極のうち少なくとも一つとの間には、絶縁部が設けられている
ことを特徴とする光電変換装置。
【請求項11】
請求項1から請求項10までのいずれか一項に記載の光電変換装置において、
前記基板導電部上には、絶縁膜が形成されている
ことを特徴とする光電変換装置。
【請求項12】
請求項1から請求項11までのいずれか一項に記載の光電変換装置において、
前記基板上の前記基板導電部及び前記光電変換素子が設けられた位置とは異なる位置には、光反射部が設けられている
ことを特徴とする光電変換装置。
【請求項13】
請求項12に記載の光電変換装置において、
前記光反射部が、前記基板導電部と一体に形成されている
ことを特徴とする光電変換装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2011−192544(P2011−192544A)
【公開日】平成23年9月29日(2011.9.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−58150(P2010−58150)
【出願日】平成22年3月15日(2010.3.15)
【出願人】(000183646)出光興産株式会社 (2,069)
【Fターム(参考)】