入出力デバイス及び奥行き感知システム
【課題】 奥行きを感知させる。
【解決手段】
コンピュータ10のソフトウエア14が、奥行き情報付き画像データ12の画像をモニタ16の画面上に表示する。コンピュータ10のソフトウエア14のオペレーティングシステムは、上下動可能マウス30の移動方向及び移動量を示す情報と、1又は複数のマウスボタンのオン/オフを示す情報を上下動可能マウス30から取得し、上下動可能マウス30の移動に応じて、モニタ16の画面上に表示されるマウスカーソル18を移動する。コンピュータ10の高さ制御装置22は、マウスカーソル18の示す位置の画素に割当てられた奥行き値に応じて、上下動可能マウス30の上面の高さを制御する。
【解決手段】
コンピュータ10のソフトウエア14が、奥行き情報付き画像データ12の画像をモニタ16の画面上に表示する。コンピュータ10のソフトウエア14のオペレーティングシステムは、上下動可能マウス30の移動方向及び移動量を示す情報と、1又は複数のマウスボタンのオン/オフを示す情報を上下動可能マウス30から取得し、上下動可能マウス30の移動に応じて、モニタ16の画面上に表示されるマウスカーソル18を移動する。コンピュータ10の高さ制御装置22は、マウスカーソル18の示す位置の画素に割当てられた奥行き値に応じて、上下動可能マウス30の上面の高さを制御する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、移動情報をコンピュータ等に入力可能であると共に高さを上下動可能な入出力デバイス、及び表示画像の奥行きを認識させ得る奥行き感知システムに関する。
【背景技術】
【0002】
利用者の触覚に作用して表示画像の各部の奥行きを認識させる触覚デバイスが、特許文献1,2に記載されている。特許文献1,2に記載のデバイスは、表示画面に対応して複数のピン又は突起を面状に配置し、表示される画像の奥行きに応じて各ピンを上下させる構成からなる。特許文献1,2の前提として、表示される静止画像及び動画像には、予め、奥行き情報を持たせてある。コンピュータは、表示画像とその奥行き情報に応じて、触覚デバイスを面的に駆動する。
【0003】
特許文献3の明細書の段落0009には、コンピュータの入力デバイスであるマウスの上面に可動カバーを被せ、表示装置上でマウスカーソルが示す位置の色に応じて可動カバーの高さを変更するようにしたポインティングデバイスが記載されている。また、段落0011には、色の変化に応じて可動カバーを振動させることが記載されている。
【特許文献1】特開平2003−316299号公報
【特許文献2】特開平10−69539号公報
【特許文献3】特開平6−102997号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1,2に記載の構成は、触覚デバイスの全ピン又は突起の高さを表示画像に応じて制御する必要がある。ピンの数だけのアクチュエータが必要になり、触覚デバイスが大規模化してしまう。
【0005】
また、全てのピンを上下動させるには、大量の電力を必要とする。動画であれば、高速で動作する多数の直動アクチュエータが必要になる。しかし、実際上、人間が触覚で感じるのは、触覚デバイスの実際に触れている部分のみであり、触れていない部分は無駄になる。
【0006】
表示画像の個々のピクセルを認知できるように触覚デバイスを構成しようとすると、触覚デバイスが膨大な大きさになってしまう。実用的なサイズの触覚デバイスでは、触覚で認識できる最小サイズは、所詮、表示画像の1ピクセルよりも大きく、従って、触覚デバイスで表示画像をピクセル単位で認識することは、不可能である。高さについても、微細な相違から大きな相違までの広い範囲で触覚により認識することは困難である。
【0007】
特許文献3に記載の触覚デバイスを表示画像の高さの触覚で認識するデバイスに適用しようとすると、次のような問題点がある。即ち、可動カバーがマウスの上面を覆うように可動カバーが配置されるので、そもそも、マウスを持った状態で可動カバーが手のひらの下に位置することになる。マウスを持った状態では、手のひらは少し浮き上がった状態にあるので、可動カバーの上下動を認識しにくい。可動カバーがどの位置でも稼動カバーが手のひらに当たるように可動カバーの初期位置を設定すると、可動カバーがある程度以上に持ち上がったときには、マウスボタンから指が離れてしまい、マウスボタンの操作が困難になる。
【0008】
本発明は、このような要望を満たす入出力デバイス及び奥行き感知システムを提示することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る入出力デバイスは、ユーザの手により把持される把持部と、外部制御信号に従い当該把持部を上下に移動させる上下動機構と、当該上下動機構に装備され、当該上下動機構の横移動を検出する移動検出手段と、当該移動検出手段で検出された移動の情報を外部に送信する送信手段とを具備することを特徴とする。
【0010】
本発明に係る入出力デバイスは、ユーザにより操作されるポインティングデバイスと、外部制御信号に従い当該ポインティングデバイス(52)を上下に移動させる上下動機構とを具備することを特徴とする。
【0011】
本発明に係る奥行き感知システムは、ユーザにより操作されるポインティングデバイスと、上下動機構と、奥行き情報付き画像データを画像表示する画像表示手段と、当該画像表示手段の画面上で当該ポインティングデバイスにより指定される位置の、当該奥行き情報付き画像データの奥行き情報に従い、当該上下動機構を上又は下に駆動する高さ制御手段とを具備することを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、画面上でポインティングデバイス等により指示される位置の奥行きに応じて、把持部又はポインティングデバイスを上又は下に物理的に移動させることができる。これにより、表示画像の奥行きをユーザに触覚で感知させることができる。即ち、ユーザに立体感を感知させることが可能になる。
【0013】
また、表示画像の奥行き情報に応じた傾斜角に把持部を傾斜させることで、表示されるオブジェクトの傾斜をも、ユーザに触覚で感知させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、図面を参照して、本発明の実施例を詳細に説明する。
【実施例1】
【0015】
図1は、本発明の一実施例の概略構成図を示す。本実施例で「奥行き情報」とは、画像平面に対して垂直方向の位置を数値で表現する情報である。
【0016】
コンピュータ10のハードディスクに奥行き情報付き画像データ12が格納されており、コンピュータ10のオペレーティングシステム及びアプリケーションソフトウエアからなるソフトウエア14が、奥行き情報付き画像データ12の画像をモニタ16の画面上に表示する。奥行き情報付き画像は、x方向、y方向又はその両方で奥行きが異なる画像である。
【0017】
このような奥行き情報付き画像データ12は、次のような方法で取得できる。例えば、カメラ2台を使用して実物を撮影して得る方法、フリンジパターンを実物に投影し、そのフリンジパターンのゆがみから奥行き分布を得る方法、及び、実物にレーザをスキャンし、その反射量の変化から奥行き分布を得る方法などがある。さらに、既に2次元画像となっているものから奥行き情報を抽出する方法もある。任意に描かれた画像において任意の画素に任意の高さ情報を与えることで、奥行き情報付画像データを得ることができる。
【0018】
コンピュータ10にはまた、上面、即ち、ユーザの手のひらで覆われる面を上下動可能なマウス30が接続する。コンピュータ10のソフトウエア14のオペレーティングシステムは、周知の通り、上下動可能マウス30の移動方向及び移動量を示す情報と、1又は複数のマウスボタンのオン/オフを示す情報を上下動可能マウス30から取得し、上下動可能マウス30の移動に応じて、モニタ16の画面上に表示されるマウスカーソル18を移動する。マウスカーソル18の近辺に表示される画像の奥行き情報の一例を表20として図示してある。奥行き情報は、例えば、画像12のn×n画素単位で付与されている。nは1以上の整数である。
【0019】
コンピュータ10は更に、上下動可能マウス30の上面の高さを制御する高さ制御装置22を具備する。高さ制御装置22は、マウスカーソル18の示す位置の画素に割当てられた奥行き値に応じて、上下動可能マウス30の上面の高さを制御する。
【0020】
上下動可能マウス30の構成を説明する。上下動可能マウス30は、マウス機能と上下動機構が一体化されている。上下動可能マウス30は、机面等に載るベース32と、ベース32から上下動可能であり、ユーザの手のひらに包まれるようにしてユーザに把持される把持部34とからなる。ベース32の下面には、上下動可能マウス30を置かれる机面に当接し、マウス32の移動に応じて回転するボール36が配置されている。2つのロータリエンコーダ38が、ボール36の2方向の回転を検知し、その検知結果を信号送信装置40に供給する。把持部34には1又は複数のマウスボタン42が配置され、これらのマウスボタン42は、伸縮ケーブル44を介して送信装置40に接続する。送信装置40は、ロータリエンコーダ38の出力による上下動可能マウス30の移動情報と、マウスボタン42のオン/オフ情報をコンピュータ10のソフトウエア14のオペレーティングシステムに送信する。
【0021】
把持部34の下面には、支持材46の一端が固定されている。ベース32のアクチュエータ48が、支持材46の他端を上下動自在に保持する。即ち、アクチュエータ48により支持材46を上下に移動させることにより、把持部34を上下に移動させることができる。コンピュータ10の高さ制御装置22が、アクチュエータ48を制御して、把持部34を上下動させる。
【0022】
本実施例によりユーザに奥行き情報を感知させる方法を説明する。コンピュータ10は、周知の通り、マウス30の移動に応じて、モニタ16の画面上でマウスカーソル16を移動させる。ソフトウエア14は、マウスカーソル16の位置する画素の奥行き情報を奥行き情報付き画像データ12から読み出し、高さ制御装置22に印加する。高さ制御装置22は、ソフトウエア14からの奥行き情報に応じてアクチュエータ48を駆動して、把持部34を上又は下に移動させる。このようにして、上下動可能マウス30の把持部34は、マウスカーソル18の示す位置の画像の奥行きに応じて、高さが変化することになる。従って、例えば、モニタ16の画面上でマウスカーソル18が横に移動するようにユーザが上下動可能マウス30を移動させた場合、上下動可能マウス30の把持部34の高さが、モニタ16の画面上に表示される画像の横方向の奥行き変化に応じて上下動する。これより、ユーザは、モニタ画面に表示される画像の奥行きの変化を触覚により感知できる。
【0023】
図2,図3及び図4は、奥行き値に対する上下動可能マウス30の高さの変化の対応例を示す。それぞれ、横軸は奥行きを示し、縦軸は、上下動可能マウス30の高さを示す。図2は、奥行きに対して線形に上下動可能マウス30の高さを変化させる例を示す。図3は、奥行きが大きくなるほど、高さの変化が小さくなる非線形関係の例を示す。図4は、奥行きに対して周期的に上下動可能マウス30の高さを下限にリセットする周期的変化の例を示す。
【0024】
図3に示す非線形例は、図2に示す線形例よりも、奥行き出力のダイナミックレンジを広くすることができる。また、図4に示す周期的制御例は、図3に示す非線形例よりもダイナミックレンジを更に拡張できる。
【0025】
図3に示す非線形特性及び図4に示す周期的制御では、リアルタイム画像など、奥行きの上限が不明な場合に、高さの上限に制限されることなく、奥行き情報を与えることができるという利点がある。
【実施例2】
【0026】
図5は、本発明の第2実施例の概略構成図を示す。コンピュータ10、奥行き情報付き画像データ12,及びモニタ16からなる部分の構成と作用は、図1に示す実施例と同じである。
【0027】
本実施例の上下動可能マウス50では、既存の光学式マウス52を利用する。そして、光学式マウス52と机面との間に、光学式マウス52を上下動させる上下動機構60を配置した。光学式マウス52は、レーザ光を下方向に照射し、その反射光により光学式マウス52の横方向の移動方向と移動量を検知する光学式移動検出装置54と、1又は複数のマウスボタン56と、光学式移動検出装置54の出力及びマウスボタン56のオン/オフ状態をコンピュータ10に送信する送信装置58を具備する。
【0028】
上下動機構60は、光学式移動検出装置54の出力レーザ光が机面に到達でき、机面による反射光が光学式移動検出装置54に入射できるように、中空の円盤状又は円筒状の部材62〜72からなる。即ち、上から下に、滑り止めシート62、天板64、中空の支持円柱66、支持円柱66を上下動するアクチュエータ68、底板70及び摩擦低下用パッド72が積層されている。
【0029】
滑り止めシート62は天板64の上面に接着されている。支持円柱66の上端は、天板64の下面に固着されている。アクチュエータ68は、コンピュータ10の高さ制御装置22からの制御信号又は駆動信号に従い、支持円柱66を上又は下に移動させる。アクチュエータ自体68は、底板70の上面に固定されている。底板70の下面には、机面との摩擦を低減する摩擦低下用パッド72が接着されている。
【0030】
滑り止めシート72により、ユーザにが光学式マウス52を把持して横方向に移動したとき、上下動機構60も光学式マウス52に追随する。また、机面に接する面に摩擦低下用パッド72を配置しているので、光学式マウス52と机面との間に上下動機構60が挿入されていても、本実施例の上下動可能マウス50は、全体としてスムーズに横移動する。
【0031】
本実施例では、上下動機構60の高さが、高さ制御装置22からの制御信号に従い、即ち、モニタ16の画面上でマウスカーソル18が示す位置の奥行き情報に応じて、制御される。上下動機構60の高さが奥行きに応じて変化することにより、光学式マウス52自体の高さも変化する。この結果、実施例1と同様に、ユーザは、手に持った光学マウス52の高さ変化で奥行きを認識できる。
【0032】
この実施例でも、高さ制御装置22は、上下動機構60の高さを、図2,図3又は図4に示す関係で奥行きに対して制御する。
【実施例3】
【0033】
図6は、本発明の第3実施例である上下動可能マウス50aの概略構成図を示す。図5に示す実施例と同じ構成要素には同じ符号を付してある。
【0034】
図示した上下動可能マウス50aの上下動機構60aでは、送信装置58からソフトウエア14への信号伝送と、高さ制御装置22からアクチュエータ68への信号伝送を仲介する中継装置74を底板70上に配置した。これにより、コンピュータ10とマウス50aとの間の配線数を低減できる。勿論、送信装置58からソフトウエア14への信号伝送と、高さ制御装置22からアクチュエータ68への信号伝送を無線で行なう場合には、有線の中継装置74は不要である。
【0035】
この実施例でも、高さ制御装置22は、上下動機構60aの高さを、図2,図3又は図4に示す関係で奥行きに対して制御する。
【実施例4】
【0036】
いわゆるマウスパッド自体に上下動機構を組み込んでも良い。換言すると、マウスパッドに相当する上面を有する上下動機構上でユーザがマウスを横に移動させ、マウスカーソルの位置に対する奥行き情報に応じて上下動機構の高さを制御するようにしてもよい。図7は、そのような機能を有する第4実施例の概略構成図を示す。コンピュータ10、奥行き情報付き画像データ12,及びモニタ16からなる部分の構成と作用は、図1に示す実施例と同じである。
【0037】
本実施例の上下動可能マウス80でも、既存のマウス82を利用する。マウス82自体は、光学式に移動を検出するものでも、ローラ等により機械的に移動を検出するものでも、どちらでもよい。ここでは、光学式マウス82を例示した。マウス82と机面との間に、マウス82を上下動させる上下動機構90を配置した。本実施例では、上下動機構90は、マウス82に対するマウスパッドとしても機能する。マウス82は、レーザ光を下方向に照射し、その反射光により光学式マウス82の横方向の移動方向と移動量を検知する光学式移動検出装置84と、1又は複数のマウスボタン86と、光学式移動検出装置84の出力及びマウスボタン86のオン/オフ状態をコンピュータ10に送信する送信装置88を具備する。
【0038】
上下動機構90は、コンピュータ10からの制御信号に従ってマウス82を上又は下に移動させるのみならず、マウス82に対するマウスパッドとしても機能する。光学式移動検出装置84の出力レーザ光が机面に到達できなくてもよいので、図5,6に示す実施例とは異なり、上下動機構90は、中空でなくても良い。
【0039】
上下動機構90は、上から下に積層された、マウスパッドシート92、天板94、中空の支持円柱96、支持円柱96を上下動するアクチュエータ98、底板100及び机面に対して摩擦接触する滑り止めシート102からなる。滑り止めシート102を底板100の底面に接着する代わりに、底板100の底面自体を滑り止め加工しても良い。
【0040】
マウスパッドシート92は天板94の上面に接着されている。支持材96の上端は、天板94の下面に固着されている。アクチュエータ98は、コンピュータ10の高さ制御装置22からの制御信号又は駆動信号に従い、支持材96を上又は下に移動させる。アクチュエータ自体98は、底板100の上面に固定されている。底板100の下面には滑り止めシート102を接着してある。
【0041】
上下動機構60と同様に、上下動機構90の高さが、高さ制御装置22からの制御信号に従い、即ち、モニタ16の画面上でマウスカーソル18が示す位置の奥行き情報に応じて、制御される。上下動機構90の高さが奥行きに応じて変化することにより、マウス82自体の高さも変化する。この結果、実施例1,2,3と同様に、ユーザは、手に持ったマウス82の高さ変化で奥行きを認識できる。
【0042】
この実施例でも、高さ制御装置22は、上下動機構90の高さを、図2,図3又は図4に示す関係で奥行きに対して制御する。
【0043】
この実施例は、マウス以外のポインティングデバイス、例えば、トラックボール式のポインティングデバイスのような、ボールを回動させるのみで全体の横移動を伴わないポインティングデバイスにも適用可能である。
【0044】
また、マウス82を一方の手で持ち、他方の手を上下動機構90の上に置いても良い。ユーザは、他方の手で奥行きを感知できる。勿論、上述のように、ポインティングデバイスと上下動機構を一体化した方が、管理及び操作が容易である。
【実施例5】
【0045】
以上の実施例では、奥行きに応じてマウスの高さを制御したが、マウスカーソルの大きさを奥行きに応じて拡大・縮小しても良い。即ち、遠くの物に対してマウスカーソルを小さく表示し、近くのものに対してマウスカーソルを大きく表示する。これにより、視覚的にも奥行きを感知できる。
【実施例6】
【0046】
実施例1乃至5では、奥行き情報付きの画像データを使って、画像の奥行きに従いマウスの高さを制御したが、奥行き以外にも、例えば、反力係数情報付きの画像データを使って、所望の位置の反力をユーザに触覚で認識させることができる。即ち、マウスカーソルが示す画像位置に割り当てられた反力係数に応じて、上下動マウスの高さを制御する。これにより、マウスカーソルが示す画像位置に応じた反力をユーザに返すことができる。即ち、画像で示されている物体の硬さを伝達できる。同時に位置も変化するため、単調和振動も発生可能である。
【0047】
反力係数情報付き画像データは、例えば、実物の写真画像に対し、実物を実際に押すことで得られた反力係数を各画素に対しマッピングしたものであり、これにより、実物を触れている感覚が得られる。
【0048】
この実施例は、マウス以外のポインティングデバイス、例えば、トラックボール式のポインティングデバイスのように横に移動させないポインティングデバイスにも適用可能である。
【実施例7】
【0049】
奥行き及び反力情報以外にも、振動をユーザに伝達できる。各画素に振動の振幅、周波数及び位相等の振動情報をマッピングしておき、その振動情報に応じて、マウスカーソルの位置する画素に割当てられた振幅、周波数及び位相等で上下動可能マウスを上下動させる。各画素に温度をマッピングすることで、温度分布を高さ分布に変換してユーザに伝達できる。
【実施例8】
【0050】
上述の実施例は、マウスの移動により画像表示物の立体感をユーザに伝達したが、次に、図8を参照して、マウスの移動無しで立体の立体感をユーザに伝達可能な実施例8を説明する。図8は、実施例8の概略構成図を示す。
【0051】
コンピュータ110のハードディスクに奥行き情報付き画像データ112が格納されており、コンピュータ110のオペレーティングシステム及びアプリケーションソフトウエアからなるソフトウエア114が、奥行き情報付き画像データ112の画像をモニタ116の画面上に表示する。奥行き情報付き画像112は、奥行き情報付き画像データ12と同様に、x方向、y方向又はその両方で奥行きが異なる画像であり、奥行き情報付き画像データ12と同様の方法で取得できる。
【0052】
コンピュータ110にはまた、入出力デバイスとして、上面、即ち、ユーザの手のひらで覆われる面を上下動可能並びに前後左右に傾斜動可能なマウス130が接続する。コンピュータ110のソフトウエア114のオペレーティングシステムは、周知の通り、マウス130の移動方向及び移動量を示す情報と、1又は複数のマウスボタンのオン/オフを示す情報をマウス130から取得し、マウス130の移動に応じて、モニタ116の画面上に表示されるマウスカーソル118を移動する。オペレーティングシステムはまた、マウスボタンの操作に応じて、それぞれに割り当てられた動作を実行する。マウスカーソル118の近辺に表示される画像の奥行き情報の一例を表120として図8に図示してある。奥行き情報は、例えば、画像112のn×n画素単位で付与されている。nは1以上の整数である。
【0053】
本実施例では、コンピュータ110は、更に、表示される物体のマウスカーソル118の位置の傾斜度情報をマウス130に伝達する傾斜制御装置124を具備する。
【0054】
上下傾斜動可能マウス130の構成を説明する。上下傾斜動可能マウス130は、マウス機能と上下動駆動機構と傾斜動駆動機構が一体化されている。上下傾斜動可能マウス130は、机面等に載るベース132と、ベース132に対して上下動可能及び傾斜可能であり、ユーザの手のひらに包まれるようにしてユーザに把持される把持部134と、把持部134を上下動させる上下動機構(支持材146とアクチュエータ148)と、把持部134を傾斜させる傾斜動機構(Y軸回転機構150及びX軸回転機構152)とからなる。
【0055】
ベース132の下面には、マウス130を置かれる机面に当接し、ベース132の移動に応じて回転するボール136が配置されている。2つのロータリエンコーダ138が、ボール136の2方向の回転を検知し、その検知結果を通信装置140に供給する。把持部134には1又は複数のマウスボタン142が配置され、これらのマウスボタン142は、伸縮ケーブル144を介して通信装置140に接続する。通信装置140は、ロータリエンコーダ138の出力によるマウス130の移動情報と、マウスボタン142のオン/オフ情報をコンピュータ110のソフトウエア114のオペレーティングシステムに送信する。
【0056】
把持部134は、Y軸回転機構150、X軸回転機構152、及び上下動可能な支持材146を介して上下動アクチュエータ148に結合される。上下動アクチュエータ148はベース132に固定されている。
【0057】
上下動アクチュエータ148は、ベース132に対して支持材146を上下動する。上下動アクチュエータ148と支持材146が、上下動機構として機能する。この構成と動作は、図1に示す実施例のアクチュエータ48及び支持材46からなる部分と同じである。即ち、ベース132に内蔵されるアクチュエータ148が、支持材146を上下動自在に保持する。アクチュエータ148により支持材146を上下に移動させることにより、把持部134が上下に移動する。コンピュータ110の高さ制御装置122が、アクチュエータ148を制御して、把持部134を上下動させる。
【0058】
支持材146の頂面にX軸回転機構152が取り付けられ、X軸回転機構152は、Y軸回転機構150をX軸を中心に回転可能に支持する。Y軸回転機構150及びX軸回転機構152が、傾斜動機構として機能する。傾斜制御装置124が、Y軸回転機構150及びX軸回転機構152を制御する。
【0059】
Y軸回転機構150は、X軸回転機構152の頂面に対してY軸を中心に回転可能に把持部134を支持する。実施例1に対して、Y軸回転機構150とX軸回転機構152が追加されている。なお、この明細書では、X軸は、図8の紙面に平行であって、マウス130の前後に延びる軸をいう。Y軸は、図8の紙面及びX軸に垂直な軸をいう。X軸回転機構152の回転中心軸となるX軸とY軸回転機構150の回転中心軸となるY軸は、把持部134の上面の中央に位置するように設定される。
【0060】
図9,図10及び図11を参照して、把持部134の傾斜動作を説明する。図9は、把持部134が水平になっている基準位置の構成図を示し、図10は、最大前傾姿勢でのマウス130の構成図を示し、図11は、最大後傾姿勢でのマウス130の構成図を示す。図9には、Y軸回転機構150の主要部品及びX軸回転機構152の寸法例を図示してある。Y軸回転機構150とX軸回転機構152は、回転軸の相違を除き、基本的に同じ構成からなる。
【0061】
Y軸回転機構150は、X軸回転機構152上に固定され、上面に湾曲した凹みを具備するベース150aと、上部を把持部134の内面に固定され、下部をベース150aの上面の凹みに接して移動可能に保持される可動部150bと、図示しない歯車機構又はベルト機構を介して可動部150bを把持部134の表面上のY軸を中心に回転駆動するY軸モータ150cからなる。可動部150bの下端面は、ベース150aの凹みに沿うように突出して湾曲している。
【0062】
図9に示す各部寸法を採用した場合、可動部150bを回転駆動することで、図10に示すように、最大35度程度に前傾可能であり、図11に示すように、最大20度程度に後傾可能である。
【0063】
図12は、図9のA−A線から見たマウス装置130の構成図を示す。図12では、主として、X軸回転機構152の構成を図示してある。X軸回転機構152の構成は、基本的にY軸回転機構150と同じである。具体的には、X軸回転機構152は、支持材146上に固定され、上面に湾曲した凹みを具備するベース152aと、上部をY軸回転機構150のベース150aの下面に固定され、下部をベース152aの上面の凹みに接して移動可能に保持される可動部152bと、図示しない歯車機構又はベルト機構により可動部152bをY軸回転機構150の回転中心軸に直交するX軸を中心に回転駆動するX軸モータ152cからなる。
【0064】
図13は左に傾けた状態のマウス装置130の構成図を示し、図14は、右に傾けた状態のマウス装置130の構成図を示す。図示した寸法例では、左右に最大15度まで傾けることができる。
【0065】
次に、本実施例によりユーザに奥行きと傾斜を感知させる方法を説明する。コンピュータ110は、周知の通り、マウス130の移動に応じて、モニタ116の画面上でマウスカーソル118を移動させる。
【0066】
まず上下動について説明する。ソフトウエア114は、マウスカーソル118の位置する画素の奥行き情報120を奥行き情報付き画像データ112から読み出し、高さ制御装置122に印加する。高さ制御装置122は、ソフトウエア114からの奥行き情報120に応じてアクチュエータ148を駆動して、把持部134を上又は下に移動させる。このようにして、上下傾斜動可能マウス130の把持部134は、マウスカーソル118の示す位置の画像の奥行きに応じて、高さが変化することになる。
【0067】
マウスカーソル118が、現在の位置で、図8の奥行き情報120で黒枠が囲った奥行き値7であり、右側の奥行きが5,左側の奥行きが7,上の奥行きが6、下の奥行きが7であるとする。このとき、左右の傾きは、左の奥行き値から右の奥行き値を減算した2(=7−5)であり、前後の傾きは、上の奥行き値から下の奥行き値を減算した−1(=6−7)である。
【0068】
ソフトウエア114は、マウスカーソル118の位置と、その上下左右の画素、即ち4方向の画素の奥行き値を奥行き情報120から読み出し、上述のように、カーソル118の位置での左右の傾斜値(上の計算例では、2)と前後の傾斜値(上の計算例では、−1)を算出し、両傾斜値を傾斜制御装置124に供給する。傾斜制御装置124はマウス130の通信装置140を介して、左右の傾斜値(この例では、2)でマウス130のX軸回転機構152のX軸モータ152cを駆動し、前後の傾斜値(この例では、−1)でマウス130のY軸回転機構150のY軸モータ150cを駆動する。これにより、マウス130の把持部134は、マウスカーソル118の現在地の左右傾斜値に応じた角度で左右に傾斜し、且つ、マウスカーソル118の現在地の前後傾斜値に応じた角度で前後に傾斜する。把持部134のこの傾斜により、ユーザは、マウスカーソル118の位置する場所の傾斜を実感できる。
【0069】
好ましくは、把持部134の上下動と傾斜変更は、ユーザに同時と感じられる程度のタイミングで実行される。
【0070】
本実施例では、モニタ116の画面上でマウスカーソル118を移動させると、これに連動して、表示されている画像の奥行き情報に従いマウス130の把持部134が上下に移動し、その傾斜が変化する。このような作用により、ユーザは、表示される対象物の奥行きと傾きを触覚により感知できるようになる。
【0071】
図8に示す実施例では、Y軸回転機構150及びY軸回転機構152を上下動のアクチュエータ148の上に配置したが、アクチュエータ148の下に配置しても良い。この変更の場合、厳密には、上下左右の傾斜に応じて、例えば高さ制御装置122が上下動作量を調節する必要があるが、人間の識別能力上、そのような調節をしなくても支障は無い。
【0072】
図8に示す実施例では、把持部134の傾斜の中心を把持部134の上面に配置したが、その上空でも内部でも良い。
【0073】
モニタ116に表示される画像の端では、上下又は左右の画素が無いが、その場合、差分をとる方法として、上下方向は選択した画素と上又は下の画素の奥行き値の差分を算出し、左右方向は、選択した画素と左又は右の画素の奥行き値の差分を算出すれば良い。表示される画像の全体で、このように、2画素の奥行き値の差分という簡略な方法で傾斜値を算出しても良い。
【実施例9】
【0074】
図15は、本発明の実施例9の概略構成図を示す。この実施例では、上下と傾斜を調節可能な台上に通常のマウスを配置する構成のポインティングデバイスを、入出力デバイスとして使用する。この実施例では、使い慣れた又は既存のマウスをそのまま使用し続けることができるという利点がある。
【0075】
コンピュータ110,表示装置116、マウスカーソル118及び奥行き情報120の構成と機能は、図8に示す実施例8のそれと同じである。
【0076】
本実施例の上下動及び傾斜動可能な入出力デバイス160の構成と機能を説明する。奥行き感知のための上下動及び傾斜動可能な入出力デバイス160は、入力デバイスである既存のマウス162と、マウス162を上下に移動させ、かつまた所望の角度に傾斜させることができる上下動・傾斜動台164からなる。既存マウス162は、ボールの転動により又は光学的に横移動を検出する移動検出装置162aと、マウスボタン162bと、移動検出装置162aの検出値とマウスボタン162bの操作を外部に送信する送信装置162cを具備する。
【0077】
この実施例では、横移動に関しては、マウス162と上下動・傾斜動台164が一体に移動するので、マウス162の移動検出装置162aは使用されない。
【0078】
上下動・傾斜動台164は、底板170上に固定される上下動アクチュエータ172と、アクチュエータ172により上下に移動する円柱174と、円柱174上に固定されるX軸回転機構176と、X軸回転機構176の可動部に固定されるY軸回転機構178と、Y軸回転機構178の可動部に固定される天板180とからなる。天板180上に既存のマウス164が横移動しないように置かれる。上下動アクチュエータ172と、アクチュエータ172により上下に移動する円柱174が、上下動機構を構成する。
【0079】
底板170の下面には、摩擦低下用のパッド182が接着されている。底板170には更に、底板170が載置される床面に対する底板170の横移動を検出する移動検出装置184を固定してある。底板170の隅に置かれた中継装置186は、移動検出装置184の検出値、及びマウス162の送信装置162cの出力信号をコンピュータ110に送信すると供に、コンピュータ110の高さ制御装置122及び傾斜制御装置124からの制御信号を、それぞれアクチュエータ172及び傾斜動機構(X軸回転機構176とY軸回転機構178)に伝達する。
【0080】
この実施例では、ユーザはマウス162を台164上に置き、マウスカーソル118を動かす際には、台164と一体にマウス162を床面上で移動させる。アクチュエータ172が、高さ制御装置122からの高さ制御信号に従い、支持円柱174を上下に移動させる。これにより、ユーザが把持するマウス162の高さが変化する。また、傾斜制御装置124は、マウスカーソル118の指し示す画素の周囲4画素による傾斜値に従い、X軸回転機構176及びY軸回転機構178の回転を制御する。これにより、ユーザが把持するマウス162の頂面が、マウスカーソル118の指し示す画素の傾斜値に応じた角度で傾斜する。
【0081】
この実施例では、マウス162の移動検出装置162aによる移動検出機能を移動検出装置184で代替する。
【0082】
図15には既存のマウス162を使う構成を図示したが、勿論、天板180をマウス162の把持部と同様の形状とし、その表面にマウスボタンを配置しても良い。送信装置162cからソフトウエア114への信号伝送と、高さ制御装置122及び傾斜制御装置124からアクチュエータ172、X軸回転機構及びY軸回転機構への信号伝送を無線で行なう場合には、有線の中継装置174は不要である。
【0083】
図16は、入出力デバイス160の主要部分の寸法を示す概略構成図を示し、図17は、図16のB−B線から見た入出力デバイス160の構成図を示す。図18は、10度の前傾状態を示し、図19は、10度の後傾状態を示す。図20は、10度の左傾斜状態を示し、図21は10度の右傾状態を示す。
【実施例10】
【0084】
上記実施例8,9では、奥行きに応じてマウスの高さを制御し、傾斜に応じてマウスの把持部の傾きを制御したが、高さについては、マウスカーソルの大きさを奥行きに応じて拡大・縮小し、傾斜については、図22に例示するようにマウスの形状を傾斜に応じて変化させても良い。これにより、ユーザは、視覚的に傾斜と高さを感知できる。
【0085】
特定の説明用の実施例を参照して本発明を説明したが、特許請求の範囲に規定される本発明の技術的範囲を逸脱しないで、上述の実施例に種々の変更・修整を施しうることは、本発明の属する分野の技術者にとって自明であり、このような変更・修整も本発明の技術的範囲に含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0086】
【図1】本発明の第1実施例の概略構成図である。
【図2】奥行きと上下動機構の高さzの線形関係例を示す特性図である。
【図3】奥行きと上下動機構の高さzの非線形関係例を示す特性図である。
【図4】奥行きと上下動機構の高さzの周期的関係例を示す特性図である。
【図5】本発明の第2実施例の概略構成図である。
【図6】本発明の第3実施例の概略構成図である。
【図7】本発明の第4実施例の概略構成図である。
【図8】実施例8の概略構成図を示す。
【図9】把持部134が水平になっている基準位置の構成図を示す。
【図10】最大前傾姿勢の断面図を示す。
【図11】最大後傾姿勢の断面図を示す。
【図12】図9のA−A線から見た断面図を示す。
【図13】左傾状態の断面図を示す。
【図14】右傾状態の断面図を示す。
【図15】本発明の実施例9の概略構成図である。
【図16】入出力デバイス160の主要部分の寸法を示す概略構成図である。
【図17】図16のB−B線から見た構成図である。
【図18】10度の前傾状態の入出力デバイス160の構成図である。
【図19】10度の後傾状態の入出力デバイス160の構成図である。
【図20】10度の左傾斜状態の入出力デバイス160の構成図である。
【図21】10度の右傾斜状態の入出力デバイス160の構成図である。
【図22】高さと傾斜をマウスカーソルとの形状で表示する例である。
【符号の説明】
【0087】
10:コンピュータ
12:奥行き情報付き画像データ
14:ソフトウエア
16:モニタ
18:マウスカーソル
22:高さ制御装置
30:上下動可能マウス
32:ベース
34:把持部
36:ボール
38:ロータリエンコーダ
40:信号送信装置
42:マウスボタン
44:伸縮ケーブル
46:支持材
48:アクチュエータ
50,50a:上下動可能マウス
52:光学式マウス
54:光学式移動検出装置
56:マウスボタン
58:送信装置
60,60a:上下動機構
62:滑り止めシート
64:天板
66:支持円柱
68:アクチュエータ
70:底板
72:摩擦低下用パッド
74:中継装置
80:上下動可能マウス
82:光学式マウス
84:光学式移動検出装置
86:マウスボタン
88:送信装置
90:上下動機構
92:マウスパッドシート
94:天板
96:支持円柱
98:アクチュエータ
100:底板
102:滑り止めシート
110:コンピュータ
112:奥行き情報付き画像データ
114:ソフトウエア
116:モニタ
118:マウスカーソル
120:奥行き情報
122:高さ制御装置
124:傾斜制御装置
130:上下動・傾斜動可能マウス
132:ベース
134:把持部
136:ボール
138:ロータリエンコーダ
140:通信装置
142:マウスボタン
144:伸縮ケーブル
146:支持材
148:上下動アクチュエータ
150:Y軸回転機構
150a:ベース
150b:可動部
150c:Y軸モータ
152:X軸回転機構
152a:ベース
152b:可動部
152c:X軸モータ
160:入出力デバイス
162:マウス(入力デバイス)
162a:移動検出装置
162b:マウスボタン
162c:送信装置
164:上下動・傾斜動台
170:底板
172:上下動アクチュエータ
174:円柱
176:X軸回転機構
178:Y軸回転機構
180:天板
182:摩擦低下パッド
184:移動検出装置
186:中継装置
【技術分野】
【0001】
本発明は、移動情報をコンピュータ等に入力可能であると共に高さを上下動可能な入出力デバイス、及び表示画像の奥行きを認識させ得る奥行き感知システムに関する。
【背景技術】
【0002】
利用者の触覚に作用して表示画像の各部の奥行きを認識させる触覚デバイスが、特許文献1,2に記載されている。特許文献1,2に記載のデバイスは、表示画面に対応して複数のピン又は突起を面状に配置し、表示される画像の奥行きに応じて各ピンを上下させる構成からなる。特許文献1,2の前提として、表示される静止画像及び動画像には、予め、奥行き情報を持たせてある。コンピュータは、表示画像とその奥行き情報に応じて、触覚デバイスを面的に駆動する。
【0003】
特許文献3の明細書の段落0009には、コンピュータの入力デバイスであるマウスの上面に可動カバーを被せ、表示装置上でマウスカーソルが示す位置の色に応じて可動カバーの高さを変更するようにしたポインティングデバイスが記載されている。また、段落0011には、色の変化に応じて可動カバーを振動させることが記載されている。
【特許文献1】特開平2003−316299号公報
【特許文献2】特開平10−69539号公報
【特許文献3】特開平6−102997号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1,2に記載の構成は、触覚デバイスの全ピン又は突起の高さを表示画像に応じて制御する必要がある。ピンの数だけのアクチュエータが必要になり、触覚デバイスが大規模化してしまう。
【0005】
また、全てのピンを上下動させるには、大量の電力を必要とする。動画であれば、高速で動作する多数の直動アクチュエータが必要になる。しかし、実際上、人間が触覚で感じるのは、触覚デバイスの実際に触れている部分のみであり、触れていない部分は無駄になる。
【0006】
表示画像の個々のピクセルを認知できるように触覚デバイスを構成しようとすると、触覚デバイスが膨大な大きさになってしまう。実用的なサイズの触覚デバイスでは、触覚で認識できる最小サイズは、所詮、表示画像の1ピクセルよりも大きく、従って、触覚デバイスで表示画像をピクセル単位で認識することは、不可能である。高さについても、微細な相違から大きな相違までの広い範囲で触覚により認識することは困難である。
【0007】
特許文献3に記載の触覚デバイスを表示画像の高さの触覚で認識するデバイスに適用しようとすると、次のような問題点がある。即ち、可動カバーがマウスの上面を覆うように可動カバーが配置されるので、そもそも、マウスを持った状態で可動カバーが手のひらの下に位置することになる。マウスを持った状態では、手のひらは少し浮き上がった状態にあるので、可動カバーの上下動を認識しにくい。可動カバーがどの位置でも稼動カバーが手のひらに当たるように可動カバーの初期位置を設定すると、可動カバーがある程度以上に持ち上がったときには、マウスボタンから指が離れてしまい、マウスボタンの操作が困難になる。
【0008】
本発明は、このような要望を満たす入出力デバイス及び奥行き感知システムを提示することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る入出力デバイスは、ユーザの手により把持される把持部と、外部制御信号に従い当該把持部を上下に移動させる上下動機構と、当該上下動機構に装備され、当該上下動機構の横移動を検出する移動検出手段と、当該移動検出手段で検出された移動の情報を外部に送信する送信手段とを具備することを特徴とする。
【0010】
本発明に係る入出力デバイスは、ユーザにより操作されるポインティングデバイスと、外部制御信号に従い当該ポインティングデバイス(52)を上下に移動させる上下動機構とを具備することを特徴とする。
【0011】
本発明に係る奥行き感知システムは、ユーザにより操作されるポインティングデバイスと、上下動機構と、奥行き情報付き画像データを画像表示する画像表示手段と、当該画像表示手段の画面上で当該ポインティングデバイスにより指定される位置の、当該奥行き情報付き画像データの奥行き情報に従い、当該上下動機構を上又は下に駆動する高さ制御手段とを具備することを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、画面上でポインティングデバイス等により指示される位置の奥行きに応じて、把持部又はポインティングデバイスを上又は下に物理的に移動させることができる。これにより、表示画像の奥行きをユーザに触覚で感知させることができる。即ち、ユーザに立体感を感知させることが可能になる。
【0013】
また、表示画像の奥行き情報に応じた傾斜角に把持部を傾斜させることで、表示されるオブジェクトの傾斜をも、ユーザに触覚で感知させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、図面を参照して、本発明の実施例を詳細に説明する。
【実施例1】
【0015】
図1は、本発明の一実施例の概略構成図を示す。本実施例で「奥行き情報」とは、画像平面に対して垂直方向の位置を数値で表現する情報である。
【0016】
コンピュータ10のハードディスクに奥行き情報付き画像データ12が格納されており、コンピュータ10のオペレーティングシステム及びアプリケーションソフトウエアからなるソフトウエア14が、奥行き情報付き画像データ12の画像をモニタ16の画面上に表示する。奥行き情報付き画像は、x方向、y方向又はその両方で奥行きが異なる画像である。
【0017】
このような奥行き情報付き画像データ12は、次のような方法で取得できる。例えば、カメラ2台を使用して実物を撮影して得る方法、フリンジパターンを実物に投影し、そのフリンジパターンのゆがみから奥行き分布を得る方法、及び、実物にレーザをスキャンし、その反射量の変化から奥行き分布を得る方法などがある。さらに、既に2次元画像となっているものから奥行き情報を抽出する方法もある。任意に描かれた画像において任意の画素に任意の高さ情報を与えることで、奥行き情報付画像データを得ることができる。
【0018】
コンピュータ10にはまた、上面、即ち、ユーザの手のひらで覆われる面を上下動可能なマウス30が接続する。コンピュータ10のソフトウエア14のオペレーティングシステムは、周知の通り、上下動可能マウス30の移動方向及び移動量を示す情報と、1又は複数のマウスボタンのオン/オフを示す情報を上下動可能マウス30から取得し、上下動可能マウス30の移動に応じて、モニタ16の画面上に表示されるマウスカーソル18を移動する。マウスカーソル18の近辺に表示される画像の奥行き情報の一例を表20として図示してある。奥行き情報は、例えば、画像12のn×n画素単位で付与されている。nは1以上の整数である。
【0019】
コンピュータ10は更に、上下動可能マウス30の上面の高さを制御する高さ制御装置22を具備する。高さ制御装置22は、マウスカーソル18の示す位置の画素に割当てられた奥行き値に応じて、上下動可能マウス30の上面の高さを制御する。
【0020】
上下動可能マウス30の構成を説明する。上下動可能マウス30は、マウス機能と上下動機構が一体化されている。上下動可能マウス30は、机面等に載るベース32と、ベース32から上下動可能であり、ユーザの手のひらに包まれるようにしてユーザに把持される把持部34とからなる。ベース32の下面には、上下動可能マウス30を置かれる机面に当接し、マウス32の移動に応じて回転するボール36が配置されている。2つのロータリエンコーダ38が、ボール36の2方向の回転を検知し、その検知結果を信号送信装置40に供給する。把持部34には1又は複数のマウスボタン42が配置され、これらのマウスボタン42は、伸縮ケーブル44を介して送信装置40に接続する。送信装置40は、ロータリエンコーダ38の出力による上下動可能マウス30の移動情報と、マウスボタン42のオン/オフ情報をコンピュータ10のソフトウエア14のオペレーティングシステムに送信する。
【0021】
把持部34の下面には、支持材46の一端が固定されている。ベース32のアクチュエータ48が、支持材46の他端を上下動自在に保持する。即ち、アクチュエータ48により支持材46を上下に移動させることにより、把持部34を上下に移動させることができる。コンピュータ10の高さ制御装置22が、アクチュエータ48を制御して、把持部34を上下動させる。
【0022】
本実施例によりユーザに奥行き情報を感知させる方法を説明する。コンピュータ10は、周知の通り、マウス30の移動に応じて、モニタ16の画面上でマウスカーソル16を移動させる。ソフトウエア14は、マウスカーソル16の位置する画素の奥行き情報を奥行き情報付き画像データ12から読み出し、高さ制御装置22に印加する。高さ制御装置22は、ソフトウエア14からの奥行き情報に応じてアクチュエータ48を駆動して、把持部34を上又は下に移動させる。このようにして、上下動可能マウス30の把持部34は、マウスカーソル18の示す位置の画像の奥行きに応じて、高さが変化することになる。従って、例えば、モニタ16の画面上でマウスカーソル18が横に移動するようにユーザが上下動可能マウス30を移動させた場合、上下動可能マウス30の把持部34の高さが、モニタ16の画面上に表示される画像の横方向の奥行き変化に応じて上下動する。これより、ユーザは、モニタ画面に表示される画像の奥行きの変化を触覚により感知できる。
【0023】
図2,図3及び図4は、奥行き値に対する上下動可能マウス30の高さの変化の対応例を示す。それぞれ、横軸は奥行きを示し、縦軸は、上下動可能マウス30の高さを示す。図2は、奥行きに対して線形に上下動可能マウス30の高さを変化させる例を示す。図3は、奥行きが大きくなるほど、高さの変化が小さくなる非線形関係の例を示す。図4は、奥行きに対して周期的に上下動可能マウス30の高さを下限にリセットする周期的変化の例を示す。
【0024】
図3に示す非線形例は、図2に示す線形例よりも、奥行き出力のダイナミックレンジを広くすることができる。また、図4に示す周期的制御例は、図3に示す非線形例よりもダイナミックレンジを更に拡張できる。
【0025】
図3に示す非線形特性及び図4に示す周期的制御では、リアルタイム画像など、奥行きの上限が不明な場合に、高さの上限に制限されることなく、奥行き情報を与えることができるという利点がある。
【実施例2】
【0026】
図5は、本発明の第2実施例の概略構成図を示す。コンピュータ10、奥行き情報付き画像データ12,及びモニタ16からなる部分の構成と作用は、図1に示す実施例と同じである。
【0027】
本実施例の上下動可能マウス50では、既存の光学式マウス52を利用する。そして、光学式マウス52と机面との間に、光学式マウス52を上下動させる上下動機構60を配置した。光学式マウス52は、レーザ光を下方向に照射し、その反射光により光学式マウス52の横方向の移動方向と移動量を検知する光学式移動検出装置54と、1又は複数のマウスボタン56と、光学式移動検出装置54の出力及びマウスボタン56のオン/オフ状態をコンピュータ10に送信する送信装置58を具備する。
【0028】
上下動機構60は、光学式移動検出装置54の出力レーザ光が机面に到達でき、机面による反射光が光学式移動検出装置54に入射できるように、中空の円盤状又は円筒状の部材62〜72からなる。即ち、上から下に、滑り止めシート62、天板64、中空の支持円柱66、支持円柱66を上下動するアクチュエータ68、底板70及び摩擦低下用パッド72が積層されている。
【0029】
滑り止めシート62は天板64の上面に接着されている。支持円柱66の上端は、天板64の下面に固着されている。アクチュエータ68は、コンピュータ10の高さ制御装置22からの制御信号又は駆動信号に従い、支持円柱66を上又は下に移動させる。アクチュエータ自体68は、底板70の上面に固定されている。底板70の下面には、机面との摩擦を低減する摩擦低下用パッド72が接着されている。
【0030】
滑り止めシート72により、ユーザにが光学式マウス52を把持して横方向に移動したとき、上下動機構60も光学式マウス52に追随する。また、机面に接する面に摩擦低下用パッド72を配置しているので、光学式マウス52と机面との間に上下動機構60が挿入されていても、本実施例の上下動可能マウス50は、全体としてスムーズに横移動する。
【0031】
本実施例では、上下動機構60の高さが、高さ制御装置22からの制御信号に従い、即ち、モニタ16の画面上でマウスカーソル18が示す位置の奥行き情報に応じて、制御される。上下動機構60の高さが奥行きに応じて変化することにより、光学式マウス52自体の高さも変化する。この結果、実施例1と同様に、ユーザは、手に持った光学マウス52の高さ変化で奥行きを認識できる。
【0032】
この実施例でも、高さ制御装置22は、上下動機構60の高さを、図2,図3又は図4に示す関係で奥行きに対して制御する。
【実施例3】
【0033】
図6は、本発明の第3実施例である上下動可能マウス50aの概略構成図を示す。図5に示す実施例と同じ構成要素には同じ符号を付してある。
【0034】
図示した上下動可能マウス50aの上下動機構60aでは、送信装置58からソフトウエア14への信号伝送と、高さ制御装置22からアクチュエータ68への信号伝送を仲介する中継装置74を底板70上に配置した。これにより、コンピュータ10とマウス50aとの間の配線数を低減できる。勿論、送信装置58からソフトウエア14への信号伝送と、高さ制御装置22からアクチュエータ68への信号伝送を無線で行なう場合には、有線の中継装置74は不要である。
【0035】
この実施例でも、高さ制御装置22は、上下動機構60aの高さを、図2,図3又は図4に示す関係で奥行きに対して制御する。
【実施例4】
【0036】
いわゆるマウスパッド自体に上下動機構を組み込んでも良い。換言すると、マウスパッドに相当する上面を有する上下動機構上でユーザがマウスを横に移動させ、マウスカーソルの位置に対する奥行き情報に応じて上下動機構の高さを制御するようにしてもよい。図7は、そのような機能を有する第4実施例の概略構成図を示す。コンピュータ10、奥行き情報付き画像データ12,及びモニタ16からなる部分の構成と作用は、図1に示す実施例と同じである。
【0037】
本実施例の上下動可能マウス80でも、既存のマウス82を利用する。マウス82自体は、光学式に移動を検出するものでも、ローラ等により機械的に移動を検出するものでも、どちらでもよい。ここでは、光学式マウス82を例示した。マウス82と机面との間に、マウス82を上下動させる上下動機構90を配置した。本実施例では、上下動機構90は、マウス82に対するマウスパッドとしても機能する。マウス82は、レーザ光を下方向に照射し、その反射光により光学式マウス82の横方向の移動方向と移動量を検知する光学式移動検出装置84と、1又は複数のマウスボタン86と、光学式移動検出装置84の出力及びマウスボタン86のオン/オフ状態をコンピュータ10に送信する送信装置88を具備する。
【0038】
上下動機構90は、コンピュータ10からの制御信号に従ってマウス82を上又は下に移動させるのみならず、マウス82に対するマウスパッドとしても機能する。光学式移動検出装置84の出力レーザ光が机面に到達できなくてもよいので、図5,6に示す実施例とは異なり、上下動機構90は、中空でなくても良い。
【0039】
上下動機構90は、上から下に積層された、マウスパッドシート92、天板94、中空の支持円柱96、支持円柱96を上下動するアクチュエータ98、底板100及び机面に対して摩擦接触する滑り止めシート102からなる。滑り止めシート102を底板100の底面に接着する代わりに、底板100の底面自体を滑り止め加工しても良い。
【0040】
マウスパッドシート92は天板94の上面に接着されている。支持材96の上端は、天板94の下面に固着されている。アクチュエータ98は、コンピュータ10の高さ制御装置22からの制御信号又は駆動信号に従い、支持材96を上又は下に移動させる。アクチュエータ自体98は、底板100の上面に固定されている。底板100の下面には滑り止めシート102を接着してある。
【0041】
上下動機構60と同様に、上下動機構90の高さが、高さ制御装置22からの制御信号に従い、即ち、モニタ16の画面上でマウスカーソル18が示す位置の奥行き情報に応じて、制御される。上下動機構90の高さが奥行きに応じて変化することにより、マウス82自体の高さも変化する。この結果、実施例1,2,3と同様に、ユーザは、手に持ったマウス82の高さ変化で奥行きを認識できる。
【0042】
この実施例でも、高さ制御装置22は、上下動機構90の高さを、図2,図3又は図4に示す関係で奥行きに対して制御する。
【0043】
この実施例は、マウス以外のポインティングデバイス、例えば、トラックボール式のポインティングデバイスのような、ボールを回動させるのみで全体の横移動を伴わないポインティングデバイスにも適用可能である。
【0044】
また、マウス82を一方の手で持ち、他方の手を上下動機構90の上に置いても良い。ユーザは、他方の手で奥行きを感知できる。勿論、上述のように、ポインティングデバイスと上下動機構を一体化した方が、管理及び操作が容易である。
【実施例5】
【0045】
以上の実施例では、奥行きに応じてマウスの高さを制御したが、マウスカーソルの大きさを奥行きに応じて拡大・縮小しても良い。即ち、遠くの物に対してマウスカーソルを小さく表示し、近くのものに対してマウスカーソルを大きく表示する。これにより、視覚的にも奥行きを感知できる。
【実施例6】
【0046】
実施例1乃至5では、奥行き情報付きの画像データを使って、画像の奥行きに従いマウスの高さを制御したが、奥行き以外にも、例えば、反力係数情報付きの画像データを使って、所望の位置の反力をユーザに触覚で認識させることができる。即ち、マウスカーソルが示す画像位置に割り当てられた反力係数に応じて、上下動マウスの高さを制御する。これにより、マウスカーソルが示す画像位置に応じた反力をユーザに返すことができる。即ち、画像で示されている物体の硬さを伝達できる。同時に位置も変化するため、単調和振動も発生可能である。
【0047】
反力係数情報付き画像データは、例えば、実物の写真画像に対し、実物を実際に押すことで得られた反力係数を各画素に対しマッピングしたものであり、これにより、実物を触れている感覚が得られる。
【0048】
この実施例は、マウス以外のポインティングデバイス、例えば、トラックボール式のポインティングデバイスのように横に移動させないポインティングデバイスにも適用可能である。
【実施例7】
【0049】
奥行き及び反力情報以外にも、振動をユーザに伝達できる。各画素に振動の振幅、周波数及び位相等の振動情報をマッピングしておき、その振動情報に応じて、マウスカーソルの位置する画素に割当てられた振幅、周波数及び位相等で上下動可能マウスを上下動させる。各画素に温度をマッピングすることで、温度分布を高さ分布に変換してユーザに伝達できる。
【実施例8】
【0050】
上述の実施例は、マウスの移動により画像表示物の立体感をユーザに伝達したが、次に、図8を参照して、マウスの移動無しで立体の立体感をユーザに伝達可能な実施例8を説明する。図8は、実施例8の概略構成図を示す。
【0051】
コンピュータ110のハードディスクに奥行き情報付き画像データ112が格納されており、コンピュータ110のオペレーティングシステム及びアプリケーションソフトウエアからなるソフトウエア114が、奥行き情報付き画像データ112の画像をモニタ116の画面上に表示する。奥行き情報付き画像112は、奥行き情報付き画像データ12と同様に、x方向、y方向又はその両方で奥行きが異なる画像であり、奥行き情報付き画像データ12と同様の方法で取得できる。
【0052】
コンピュータ110にはまた、入出力デバイスとして、上面、即ち、ユーザの手のひらで覆われる面を上下動可能並びに前後左右に傾斜動可能なマウス130が接続する。コンピュータ110のソフトウエア114のオペレーティングシステムは、周知の通り、マウス130の移動方向及び移動量を示す情報と、1又は複数のマウスボタンのオン/オフを示す情報をマウス130から取得し、マウス130の移動に応じて、モニタ116の画面上に表示されるマウスカーソル118を移動する。オペレーティングシステムはまた、マウスボタンの操作に応じて、それぞれに割り当てられた動作を実行する。マウスカーソル118の近辺に表示される画像の奥行き情報の一例を表120として図8に図示してある。奥行き情報は、例えば、画像112のn×n画素単位で付与されている。nは1以上の整数である。
【0053】
本実施例では、コンピュータ110は、更に、表示される物体のマウスカーソル118の位置の傾斜度情報をマウス130に伝達する傾斜制御装置124を具備する。
【0054】
上下傾斜動可能マウス130の構成を説明する。上下傾斜動可能マウス130は、マウス機能と上下動駆動機構と傾斜動駆動機構が一体化されている。上下傾斜動可能マウス130は、机面等に載るベース132と、ベース132に対して上下動可能及び傾斜可能であり、ユーザの手のひらに包まれるようにしてユーザに把持される把持部134と、把持部134を上下動させる上下動機構(支持材146とアクチュエータ148)と、把持部134を傾斜させる傾斜動機構(Y軸回転機構150及びX軸回転機構152)とからなる。
【0055】
ベース132の下面には、マウス130を置かれる机面に当接し、ベース132の移動に応じて回転するボール136が配置されている。2つのロータリエンコーダ138が、ボール136の2方向の回転を検知し、その検知結果を通信装置140に供給する。把持部134には1又は複数のマウスボタン142が配置され、これらのマウスボタン142は、伸縮ケーブル144を介して通信装置140に接続する。通信装置140は、ロータリエンコーダ138の出力によるマウス130の移動情報と、マウスボタン142のオン/オフ情報をコンピュータ110のソフトウエア114のオペレーティングシステムに送信する。
【0056】
把持部134は、Y軸回転機構150、X軸回転機構152、及び上下動可能な支持材146を介して上下動アクチュエータ148に結合される。上下動アクチュエータ148はベース132に固定されている。
【0057】
上下動アクチュエータ148は、ベース132に対して支持材146を上下動する。上下動アクチュエータ148と支持材146が、上下動機構として機能する。この構成と動作は、図1に示す実施例のアクチュエータ48及び支持材46からなる部分と同じである。即ち、ベース132に内蔵されるアクチュエータ148が、支持材146を上下動自在に保持する。アクチュエータ148により支持材146を上下に移動させることにより、把持部134が上下に移動する。コンピュータ110の高さ制御装置122が、アクチュエータ148を制御して、把持部134を上下動させる。
【0058】
支持材146の頂面にX軸回転機構152が取り付けられ、X軸回転機構152は、Y軸回転機構150をX軸を中心に回転可能に支持する。Y軸回転機構150及びX軸回転機構152が、傾斜動機構として機能する。傾斜制御装置124が、Y軸回転機構150及びX軸回転機構152を制御する。
【0059】
Y軸回転機構150は、X軸回転機構152の頂面に対してY軸を中心に回転可能に把持部134を支持する。実施例1に対して、Y軸回転機構150とX軸回転機構152が追加されている。なお、この明細書では、X軸は、図8の紙面に平行であって、マウス130の前後に延びる軸をいう。Y軸は、図8の紙面及びX軸に垂直な軸をいう。X軸回転機構152の回転中心軸となるX軸とY軸回転機構150の回転中心軸となるY軸は、把持部134の上面の中央に位置するように設定される。
【0060】
図9,図10及び図11を参照して、把持部134の傾斜動作を説明する。図9は、把持部134が水平になっている基準位置の構成図を示し、図10は、最大前傾姿勢でのマウス130の構成図を示し、図11は、最大後傾姿勢でのマウス130の構成図を示す。図9には、Y軸回転機構150の主要部品及びX軸回転機構152の寸法例を図示してある。Y軸回転機構150とX軸回転機構152は、回転軸の相違を除き、基本的に同じ構成からなる。
【0061】
Y軸回転機構150は、X軸回転機構152上に固定され、上面に湾曲した凹みを具備するベース150aと、上部を把持部134の内面に固定され、下部をベース150aの上面の凹みに接して移動可能に保持される可動部150bと、図示しない歯車機構又はベルト機構を介して可動部150bを把持部134の表面上のY軸を中心に回転駆動するY軸モータ150cからなる。可動部150bの下端面は、ベース150aの凹みに沿うように突出して湾曲している。
【0062】
図9に示す各部寸法を採用した場合、可動部150bを回転駆動することで、図10に示すように、最大35度程度に前傾可能であり、図11に示すように、最大20度程度に後傾可能である。
【0063】
図12は、図9のA−A線から見たマウス装置130の構成図を示す。図12では、主として、X軸回転機構152の構成を図示してある。X軸回転機構152の構成は、基本的にY軸回転機構150と同じである。具体的には、X軸回転機構152は、支持材146上に固定され、上面に湾曲した凹みを具備するベース152aと、上部をY軸回転機構150のベース150aの下面に固定され、下部をベース152aの上面の凹みに接して移動可能に保持される可動部152bと、図示しない歯車機構又はベルト機構により可動部152bをY軸回転機構150の回転中心軸に直交するX軸を中心に回転駆動するX軸モータ152cからなる。
【0064】
図13は左に傾けた状態のマウス装置130の構成図を示し、図14は、右に傾けた状態のマウス装置130の構成図を示す。図示した寸法例では、左右に最大15度まで傾けることができる。
【0065】
次に、本実施例によりユーザに奥行きと傾斜を感知させる方法を説明する。コンピュータ110は、周知の通り、マウス130の移動に応じて、モニタ116の画面上でマウスカーソル118を移動させる。
【0066】
まず上下動について説明する。ソフトウエア114は、マウスカーソル118の位置する画素の奥行き情報120を奥行き情報付き画像データ112から読み出し、高さ制御装置122に印加する。高さ制御装置122は、ソフトウエア114からの奥行き情報120に応じてアクチュエータ148を駆動して、把持部134を上又は下に移動させる。このようにして、上下傾斜動可能マウス130の把持部134は、マウスカーソル118の示す位置の画像の奥行きに応じて、高さが変化することになる。
【0067】
マウスカーソル118が、現在の位置で、図8の奥行き情報120で黒枠が囲った奥行き値7であり、右側の奥行きが5,左側の奥行きが7,上の奥行きが6、下の奥行きが7であるとする。このとき、左右の傾きは、左の奥行き値から右の奥行き値を減算した2(=7−5)であり、前後の傾きは、上の奥行き値から下の奥行き値を減算した−1(=6−7)である。
【0068】
ソフトウエア114は、マウスカーソル118の位置と、その上下左右の画素、即ち4方向の画素の奥行き値を奥行き情報120から読み出し、上述のように、カーソル118の位置での左右の傾斜値(上の計算例では、2)と前後の傾斜値(上の計算例では、−1)を算出し、両傾斜値を傾斜制御装置124に供給する。傾斜制御装置124はマウス130の通信装置140を介して、左右の傾斜値(この例では、2)でマウス130のX軸回転機構152のX軸モータ152cを駆動し、前後の傾斜値(この例では、−1)でマウス130のY軸回転機構150のY軸モータ150cを駆動する。これにより、マウス130の把持部134は、マウスカーソル118の現在地の左右傾斜値に応じた角度で左右に傾斜し、且つ、マウスカーソル118の現在地の前後傾斜値に応じた角度で前後に傾斜する。把持部134のこの傾斜により、ユーザは、マウスカーソル118の位置する場所の傾斜を実感できる。
【0069】
好ましくは、把持部134の上下動と傾斜変更は、ユーザに同時と感じられる程度のタイミングで実行される。
【0070】
本実施例では、モニタ116の画面上でマウスカーソル118を移動させると、これに連動して、表示されている画像の奥行き情報に従いマウス130の把持部134が上下に移動し、その傾斜が変化する。このような作用により、ユーザは、表示される対象物の奥行きと傾きを触覚により感知できるようになる。
【0071】
図8に示す実施例では、Y軸回転機構150及びY軸回転機構152を上下動のアクチュエータ148の上に配置したが、アクチュエータ148の下に配置しても良い。この変更の場合、厳密には、上下左右の傾斜に応じて、例えば高さ制御装置122が上下動作量を調節する必要があるが、人間の識別能力上、そのような調節をしなくても支障は無い。
【0072】
図8に示す実施例では、把持部134の傾斜の中心を把持部134の上面に配置したが、その上空でも内部でも良い。
【0073】
モニタ116に表示される画像の端では、上下又は左右の画素が無いが、その場合、差分をとる方法として、上下方向は選択した画素と上又は下の画素の奥行き値の差分を算出し、左右方向は、選択した画素と左又は右の画素の奥行き値の差分を算出すれば良い。表示される画像の全体で、このように、2画素の奥行き値の差分という簡略な方法で傾斜値を算出しても良い。
【実施例9】
【0074】
図15は、本発明の実施例9の概略構成図を示す。この実施例では、上下と傾斜を調節可能な台上に通常のマウスを配置する構成のポインティングデバイスを、入出力デバイスとして使用する。この実施例では、使い慣れた又は既存のマウスをそのまま使用し続けることができるという利点がある。
【0075】
コンピュータ110,表示装置116、マウスカーソル118及び奥行き情報120の構成と機能は、図8に示す実施例8のそれと同じである。
【0076】
本実施例の上下動及び傾斜動可能な入出力デバイス160の構成と機能を説明する。奥行き感知のための上下動及び傾斜動可能な入出力デバイス160は、入力デバイスである既存のマウス162と、マウス162を上下に移動させ、かつまた所望の角度に傾斜させることができる上下動・傾斜動台164からなる。既存マウス162は、ボールの転動により又は光学的に横移動を検出する移動検出装置162aと、マウスボタン162bと、移動検出装置162aの検出値とマウスボタン162bの操作を外部に送信する送信装置162cを具備する。
【0077】
この実施例では、横移動に関しては、マウス162と上下動・傾斜動台164が一体に移動するので、マウス162の移動検出装置162aは使用されない。
【0078】
上下動・傾斜動台164は、底板170上に固定される上下動アクチュエータ172と、アクチュエータ172により上下に移動する円柱174と、円柱174上に固定されるX軸回転機構176と、X軸回転機構176の可動部に固定されるY軸回転機構178と、Y軸回転機構178の可動部に固定される天板180とからなる。天板180上に既存のマウス164が横移動しないように置かれる。上下動アクチュエータ172と、アクチュエータ172により上下に移動する円柱174が、上下動機構を構成する。
【0079】
底板170の下面には、摩擦低下用のパッド182が接着されている。底板170には更に、底板170が載置される床面に対する底板170の横移動を検出する移動検出装置184を固定してある。底板170の隅に置かれた中継装置186は、移動検出装置184の検出値、及びマウス162の送信装置162cの出力信号をコンピュータ110に送信すると供に、コンピュータ110の高さ制御装置122及び傾斜制御装置124からの制御信号を、それぞれアクチュエータ172及び傾斜動機構(X軸回転機構176とY軸回転機構178)に伝達する。
【0080】
この実施例では、ユーザはマウス162を台164上に置き、マウスカーソル118を動かす際には、台164と一体にマウス162を床面上で移動させる。アクチュエータ172が、高さ制御装置122からの高さ制御信号に従い、支持円柱174を上下に移動させる。これにより、ユーザが把持するマウス162の高さが変化する。また、傾斜制御装置124は、マウスカーソル118の指し示す画素の周囲4画素による傾斜値に従い、X軸回転機構176及びY軸回転機構178の回転を制御する。これにより、ユーザが把持するマウス162の頂面が、マウスカーソル118の指し示す画素の傾斜値に応じた角度で傾斜する。
【0081】
この実施例では、マウス162の移動検出装置162aによる移動検出機能を移動検出装置184で代替する。
【0082】
図15には既存のマウス162を使う構成を図示したが、勿論、天板180をマウス162の把持部と同様の形状とし、その表面にマウスボタンを配置しても良い。送信装置162cからソフトウエア114への信号伝送と、高さ制御装置122及び傾斜制御装置124からアクチュエータ172、X軸回転機構及びY軸回転機構への信号伝送を無線で行なう場合には、有線の中継装置174は不要である。
【0083】
図16は、入出力デバイス160の主要部分の寸法を示す概略構成図を示し、図17は、図16のB−B線から見た入出力デバイス160の構成図を示す。図18は、10度の前傾状態を示し、図19は、10度の後傾状態を示す。図20は、10度の左傾斜状態を示し、図21は10度の右傾状態を示す。
【実施例10】
【0084】
上記実施例8,9では、奥行きに応じてマウスの高さを制御し、傾斜に応じてマウスの把持部の傾きを制御したが、高さについては、マウスカーソルの大きさを奥行きに応じて拡大・縮小し、傾斜については、図22に例示するようにマウスの形状を傾斜に応じて変化させても良い。これにより、ユーザは、視覚的に傾斜と高さを感知できる。
【0085】
特定の説明用の実施例を参照して本発明を説明したが、特許請求の範囲に規定される本発明の技術的範囲を逸脱しないで、上述の実施例に種々の変更・修整を施しうることは、本発明の属する分野の技術者にとって自明であり、このような変更・修整も本発明の技術的範囲に含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0086】
【図1】本発明の第1実施例の概略構成図である。
【図2】奥行きと上下動機構の高さzの線形関係例を示す特性図である。
【図3】奥行きと上下動機構の高さzの非線形関係例を示す特性図である。
【図4】奥行きと上下動機構の高さzの周期的関係例を示す特性図である。
【図5】本発明の第2実施例の概略構成図である。
【図6】本発明の第3実施例の概略構成図である。
【図7】本発明の第4実施例の概略構成図である。
【図8】実施例8の概略構成図を示す。
【図9】把持部134が水平になっている基準位置の構成図を示す。
【図10】最大前傾姿勢の断面図を示す。
【図11】最大後傾姿勢の断面図を示す。
【図12】図9のA−A線から見た断面図を示す。
【図13】左傾状態の断面図を示す。
【図14】右傾状態の断面図を示す。
【図15】本発明の実施例9の概略構成図である。
【図16】入出力デバイス160の主要部分の寸法を示す概略構成図である。
【図17】図16のB−B線から見た構成図である。
【図18】10度の前傾状態の入出力デバイス160の構成図である。
【図19】10度の後傾状態の入出力デバイス160の構成図である。
【図20】10度の左傾斜状態の入出力デバイス160の構成図である。
【図21】10度の右傾斜状態の入出力デバイス160の構成図である。
【図22】高さと傾斜をマウスカーソルとの形状で表示する例である。
【符号の説明】
【0087】
10:コンピュータ
12:奥行き情報付き画像データ
14:ソフトウエア
16:モニタ
18:マウスカーソル
22:高さ制御装置
30:上下動可能マウス
32:ベース
34:把持部
36:ボール
38:ロータリエンコーダ
40:信号送信装置
42:マウスボタン
44:伸縮ケーブル
46:支持材
48:アクチュエータ
50,50a:上下動可能マウス
52:光学式マウス
54:光学式移動検出装置
56:マウスボタン
58:送信装置
60,60a:上下動機構
62:滑り止めシート
64:天板
66:支持円柱
68:アクチュエータ
70:底板
72:摩擦低下用パッド
74:中継装置
80:上下動可能マウス
82:光学式マウス
84:光学式移動検出装置
86:マウスボタン
88:送信装置
90:上下動機構
92:マウスパッドシート
94:天板
96:支持円柱
98:アクチュエータ
100:底板
102:滑り止めシート
110:コンピュータ
112:奥行き情報付き画像データ
114:ソフトウエア
116:モニタ
118:マウスカーソル
120:奥行き情報
122:高さ制御装置
124:傾斜制御装置
130:上下動・傾斜動可能マウス
132:ベース
134:把持部
136:ボール
138:ロータリエンコーダ
140:通信装置
142:マウスボタン
144:伸縮ケーブル
146:支持材
148:上下動アクチュエータ
150:Y軸回転機構
150a:ベース
150b:可動部
150c:Y軸モータ
152:X軸回転機構
152a:ベース
152b:可動部
152c:X軸モータ
160:入出力デバイス
162:マウス(入力デバイス)
162a:移動検出装置
162b:マウスボタン
162c:送信装置
164:上下動・傾斜動台
170:底板
172:上下動アクチュエータ
174:円柱
176:X軸回転機構
178:Y軸回転機構
180:天板
182:摩擦低下パッド
184:移動検出装置
186:中継装置
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザの手により把持される把持部(34)と、
上下動制御信号に従い当該把持部(34)を上下に移動させる上下動機構(32,46,48)と、
当該上下動機構に装備され、当該上下動機構の横移動を検出する移動検出手段(36,38)と、
当該移動検出手段で検出された移動の情報を外部に送信する送信手段(40)
とを具備することを特徴とする入出力デバイス。
【請求項2】
当該把持部(34)に1以上のボタン(42)が装備されており、当該送信手段(40)は、当該1以上のボタンの操作状態を外部に送信することを特徴とする請求項1に記載の入出力デバイス。
【請求項3】
更に、傾斜制御信号に従い、当該把持部(34)を傾斜させる傾斜動機構(150,152)を具備することを特徴とする請求項1に記載の入出力デバイス。
【請求項4】
ユーザにより操作されるポインティングデバイス(52,82)と、
上下動制御信号に従い当該ポインティングデバイス(52)を上下に移動させる上下動機構(60,60a,90)
とを具備することを特徴とする入出力デバイス。
【請求項5】
当該ポインティングデバイス(52,82)が当該上下動機構(60,60a,90)上に載置されている請求項4に記載の入出力デバイス。
【請求項6】
当該ポインティングデバイス(52,82)が光学式マウスであり、当該上下動機構(60,60a)が、当該光学式マウスからのレーザ光及び当該光学式マウスに向かう反射光を透過可能なように中空であることを特徴とする請求項5に記載の入出力デバイス。
【請求項7】
当該上下動機構(60)の、当該当該ポインティングデバイス(52)に接する面が滑り止め面(62)であることを特徴とする請求項4乃至6の何れか1項に記載の入出力デバイス。
【請求項8】
当該ポインティングデバイス(82)がマウスであり、当該上下動機構(90)の上面がマウスパッド面であることを特徴とする請求項4乃至7の何れか1項に記載の入出力デバイス。
【請求項9】
更に、傾斜制御信号に従い当該ポインティングデバイスの把持面を傾斜させる傾斜動機構(176,178)を具備することを特徴とする請求項4に記載の入出力デバイス。
【請求項10】
当該傾斜動機構が、当該上下動機構と当該ポインティングデバイスの間に配置されることを特徴とする請求項8に記載の入出力デバイス。
【請求項11】
ユーザにより操作されるポインティングデバイス(52,82)と、
上下動制御信号に従い、当該ポインティングデバイスを上下に移動する上下動機構(60,60a,90)と、
奥行き情報付き画像データを画像表示する画像表示手段(16)と、
当該画像表示手段の画面上で当該ポインティングデバイスにより指定される位置の、当該奥行き情報付き画像データの奥行き情報に従い、当該上下動機構を駆動する高さ制御手段(22)
とを具備することを特徴とする奥行き感知システム。
【請求項12】
当該ポインティングデバイス(52,82)が当該上下動機構(60,60a,90)上に載置されている請求項10に記載の奥行き感知システム。
【請求項13】
当該ポインティングデバイス(52,82)が光学式マウスであり、当該上下動機構(60,60a)が、当該光学式マウスからのレーザ光及び当該光学式マウスに向かう反射光を透過可能なように中空であることからなる請求項11に記載の奥行き感知システム。
【請求項14】
当該上下動機構(60)が、当該当該ポインティングデバイス(52)に接する面に滑り止めシートを具備することを特徴とする請求項10乃至12の何れか1項に記載の奥行き感知システム。
【請求項15】
当該ポインティングデバイス(82)がマウスであり、当該上下動機構(90)の上面がマウスパッド面であることを特徴とする請求項10乃至13の何れか一項に記載の奥行き感知システム。
【請求項16】
更に、
傾斜制御信号に従い、当該ポインティングデバイスを傾斜させる傾斜動機構(176,178)と、
当該画像表示手段の画面上で当該ポインティングデバイスにより指定される位置の傾斜に従い、当該傾斜動機構の傾斜を制御する傾斜制御手段(124)
とを具備することを特徴とする請求項10に記載の奥行き感知システム。
【請求項17】
当該傾斜動機構が、当該ポインティングデバイスと当該上下動機構の間に配置されることを特徴とする請求項15に記載の奥行き感知システム。
【請求項1】
ユーザの手により把持される把持部(34)と、
上下動制御信号に従い当該把持部(34)を上下に移動させる上下動機構(32,46,48)と、
当該上下動機構に装備され、当該上下動機構の横移動を検出する移動検出手段(36,38)と、
当該移動検出手段で検出された移動の情報を外部に送信する送信手段(40)
とを具備することを特徴とする入出力デバイス。
【請求項2】
当該把持部(34)に1以上のボタン(42)が装備されており、当該送信手段(40)は、当該1以上のボタンの操作状態を外部に送信することを特徴とする請求項1に記載の入出力デバイス。
【請求項3】
更に、傾斜制御信号に従い、当該把持部(34)を傾斜させる傾斜動機構(150,152)を具備することを特徴とする請求項1に記載の入出力デバイス。
【請求項4】
ユーザにより操作されるポインティングデバイス(52,82)と、
上下動制御信号に従い当該ポインティングデバイス(52)を上下に移動させる上下動機構(60,60a,90)
とを具備することを特徴とする入出力デバイス。
【請求項5】
当該ポインティングデバイス(52,82)が当該上下動機構(60,60a,90)上に載置されている請求項4に記載の入出力デバイス。
【請求項6】
当該ポインティングデバイス(52,82)が光学式マウスであり、当該上下動機構(60,60a)が、当該光学式マウスからのレーザ光及び当該光学式マウスに向かう反射光を透過可能なように中空であることを特徴とする請求項5に記載の入出力デバイス。
【請求項7】
当該上下動機構(60)の、当該当該ポインティングデバイス(52)に接する面が滑り止め面(62)であることを特徴とする請求項4乃至6の何れか1項に記載の入出力デバイス。
【請求項8】
当該ポインティングデバイス(82)がマウスであり、当該上下動機構(90)の上面がマウスパッド面であることを特徴とする請求項4乃至7の何れか1項に記載の入出力デバイス。
【請求項9】
更に、傾斜制御信号に従い当該ポインティングデバイスの把持面を傾斜させる傾斜動機構(176,178)を具備することを特徴とする請求項4に記載の入出力デバイス。
【請求項10】
当該傾斜動機構が、当該上下動機構と当該ポインティングデバイスの間に配置されることを特徴とする請求項8に記載の入出力デバイス。
【請求項11】
ユーザにより操作されるポインティングデバイス(52,82)と、
上下動制御信号に従い、当該ポインティングデバイスを上下に移動する上下動機構(60,60a,90)と、
奥行き情報付き画像データを画像表示する画像表示手段(16)と、
当該画像表示手段の画面上で当該ポインティングデバイスにより指定される位置の、当該奥行き情報付き画像データの奥行き情報に従い、当該上下動機構を駆動する高さ制御手段(22)
とを具備することを特徴とする奥行き感知システム。
【請求項12】
当該ポインティングデバイス(52,82)が当該上下動機構(60,60a,90)上に載置されている請求項10に記載の奥行き感知システム。
【請求項13】
当該ポインティングデバイス(52,82)が光学式マウスであり、当該上下動機構(60,60a)が、当該光学式マウスからのレーザ光及び当該光学式マウスに向かう反射光を透過可能なように中空であることからなる請求項11に記載の奥行き感知システム。
【請求項14】
当該上下動機構(60)が、当該当該ポインティングデバイス(52)に接する面に滑り止めシートを具備することを特徴とする請求項10乃至12の何れか1項に記載の奥行き感知システム。
【請求項15】
当該ポインティングデバイス(82)がマウスであり、当該上下動機構(90)の上面がマウスパッド面であることを特徴とする請求項10乃至13の何れか一項に記載の奥行き感知システム。
【請求項16】
更に、
傾斜制御信号に従い、当該ポインティングデバイスを傾斜させる傾斜動機構(176,178)と、
当該画像表示手段の画面上で当該ポインティングデバイスにより指定される位置の傾斜に従い、当該傾斜動機構の傾斜を制御する傾斜制御手段(124)
とを具備することを特徴とする請求項10に記載の奥行き感知システム。
【請求項17】
当該傾斜動機構が、当該ポインティングデバイスと当該上下動機構の間に配置されることを特徴とする請求項15に記載の奥行き感知システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
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【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【公開番号】特開2006−114001(P2006−114001A)
【公開日】平成18年4月27日(2006.4.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−30317(P2005−30317)
【出願日】平成17年2月7日(2005.2.7)
【出願人】(000208891)KDDI株式会社 (2,700)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年4月27日(2006.4.27)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年2月7日(2005.2.7)
【出願人】(000208891)KDDI株式会社 (2,700)
【Fターム(参考)】
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