説明

入力システム及びタイミング指示方法

【課題】 操作方法及び操作タイミングが直感的な入力システム及びタイミング指示方法を提供する。
【解決手段】 運動支援システムは、フットスイッチSW1に対応した応答オブジェクト106及びそれに向かって移動するボールオブジェクト120、並びにステップ台11に対応した応答オブジェクト102及びそれに向かって移動するボールオブジェクト128を含む仮想空間をテレビジョンモニタ100に表示し、ボールオブジェクト120が応答オブジェクト106に到達するタイミングとフットスイッチSW1が踏まれたタイミングとが合致したか否か、及びボールオブジェクト128が応答オブジェクト102に到達するタイミングとステップ台11が踏まれたタイミングとが合致したか否かを判定する。応答オブジェクト102及びボールオブジェクト128は、応答オブジェクト106及びボールオブジェクト120と比較して、仮想空間中奥に表示される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タイミングを合わせる入力システム、タイミング指示方法及びその関連技術に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には応答オブジェクト及び応答オブジェクトに向かって移動する移動オブジェクトが重なるタイミングに、応答オブジェクトに対応する操作子を操作するタイミングを合わせる入力システムが開示されている。この入力システムは、応答オブジェクト及び応答オブジェクトに向かって移動する移動オブジェクトを表示することによって、プレイヤに入力タイミングを指示しているといえる。特許文献1では操作子はプレイヤから見て前後左右に配置されている一方、表示装置に表示される各操作子に対応した応答オブジェクト及び移動オブジェクトは、左右一列に並んで表示される。つまり、各操作子の配置と操作子の入力タイミングを指示するための応答オブジェクト及び移動オブジェクトの表示上の配置は対応していない。
【0003】
【特許文献1】特開2003−38696
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、操作子の配置と、操作子に対応した応答オブジェクト及び移動オブジェクトの表示上の配置も対応していれば、操作子と応答オブジェクト及び移動オブジェクトとの対応関係がより分かりやすい。結果、プレイヤに対して、応答オブジェクト及び応答オブジェクトに向かって移動する移動オブジェクトの表示によって、どの操作子を操作すればいいのか、どのタイミングで操作すればいいのかを、より分かりやすく指示することができる。
【0005】
そこで、本発明の目的は、操作方法及び操作タイミングがプレイヤに直感的に分かりやすい入力システム、タイミング指示方法及びその関連技術を提供することである。
【0006】
本発明の別の目的は、プレイヤが、物理的に距離が第1操作子に比べて遠い第2操作子への操作を、特別に急いで行わなくても、指示されたタイミングに入力を行うことができる入力システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の観点によれば、入力装置は、プレイヤが昇降運動を行うためのステップ台と、前記ステップ台と床面との間に配置され、前記ステップ台に加えられる荷重を検出して、検出信号を出力する第1の荷重検出手段と、前記検出信号の変化に基づいて、プレイヤによる入力を判定する入力判定手段と、を備える。
【0008】
この構成によれば、プレイヤの荷重を直接検知するのではなく、プレイヤがのったことによってステップ台と床面との間に分散してかかる荷重を検知するので、プレイヤがステップ台のどこにのっても荷重が検出され、検出信号の変化が入力として扱われる。このため、プレイヤはステップ台の踏み場所を気にすることなく、また、極力足下を見ることなしに昇降運動による入力/非入力の切り替えを行うことができる。さらに、ステップ台の表面にはペダルやスイッチ等を設けないため、ステップ台の表面を略水平にすることができ、安全である。
【0009】
この入力装置において、前記第1の荷重検出手段は、各々加えられる荷重を検出する複数の検知部を含み、前記入力判定手段は、前記複数の検知部が出力した複数の前記検出信号の組み合わせに応じて、プレイヤによる入力を判定する。
【0010】
プレイヤがステップ台にのった際に、ステップ台と床面との間にかかる荷重は、プレイヤがのった位置に近いほど大きく、プレイヤがのった位置から遠いほど小さい。例えば、プレイヤがステップ台の左側にのれば、ステップ台の左側には大きな荷重がかかり、ステップ台の右側には小さな荷重がかかる。
そこで、この構成によれば、プレイヤがステップ台にのる位置を変えると、プレイヤがのった位置の近くに配置された検知手段は大きな荷重に応じた検出信号を出力し、プレイヤがのった位置から遠くに配置された検知手段は、小さな荷重に応じた検出信号を出力する。つまり、プレイヤがステップ台にのる位置によって、各検知手段が出力する検出信号の組み合わせが変わる。このため、入力判定手段は、検出信号の組み合わせを基に、プレイヤのステップ台上の位置に応じた入力を判定することができる。言い換えると、プレイヤは、ステップ台にのる位置を変えることで種々の入力を使い分けることができる。
【0011】
上記の入力装置において、前記各検知部は、割り当てられた閾値を超える荷重を検出した場合に、前記検出信号を出力する。
【0012】
この構成によれば、プレイヤがステップ台にのった際に、ステップ台と床面との間にかかる荷重のうち、閾値を超える大きな荷重だけを検出し、閾値を超えない小さな荷重は検出しないので、入力判定手段は、閾値に関係なく大きな荷重に応じた検出信号と小さな荷重に応じた検出信号の組み合わせに基づいた入力判定処理を行う場合と比べて、入力判定手段が実行する入力判定処理が簡便である。
【0013】
また、前記検知部は、割り当てられた前記閾値を超える荷重に感応し、前記検出信号を出力するスイッチである。
【0014】
この構成によれば、荷重の有無だけでなく、荷重の大きさまで検出することが可能なロードセル等の高価なセンサを使用する場合と比較して、製造コストが低い。また、検出信号がオン/オフ信号の組み合わせなので、ロードセル等からの荷重の大きさを示す信号を処理する場合と比較して、入力判定手段が実行する入力判定処理が簡便である。
【0015】
さらに、前記検知部は、荷重を受けると圧縮変形する弾性部材と、前記弾性部材によって空間的に隔てられた、非接触の状態で配置された第1電極と、第2電極と、導電体とを含み、前記弾性部材は、前記閾値を超える荷重がかかった場合に、前記第1電極と前記第2電極とが、前記導電体を解して導通するように、前記第1電極及び前記第2電極が前記導電体と接触するまで圧縮変形することを特徴とする。
【0016】
この構成によれば、ステップ台の構造、プレイヤの体重等を考慮して、上記の弾性部材の素材、弾性、厚み、高さ、並びに上記第1電極と、上記第2電極と、上記導電体とを隔てた距離を調整することにより、検知部にどの程度の荷重を検知させるかを調整することができる。
【0017】
上記の入力装置において、前記閾値は、第1の閾値と、前記第1の閾値より大きい第2の閾値と、を含み、前記複数の検知部の一部には、前記第1の閾値が割り当てられ、他の一部には、前記第2の閾値が割り当てられていることを特徴とする。
【0018】
この構成によれば、プレイヤがステップ台にのった位置に近い部分にかかる大きな荷重と、遠い部分にかかる小さな荷重とが両方、低い閾値である第1の閾値を超えてしまった場合でも、小さな荷重が第2の閾値を超えず、大きな荷重が第2の閾値を超える範囲ならば、少なくとも第2の閾値が割り当てられた検知部のうち、プレイヤがのった近傍の検知部だけが検出信号を出力するので、入力判定手段は、プレイヤのステップ台上の位置が、第2の検知部が割り当てられた検知部のうち、検出信号を出力している検知部の近傍である、ということは判定可能となる。
また、大きな荷重と小さな荷重とが両方、高い閾値である第2の閾値を超えなかった場合でも、小さな荷重が第1の閾値を超えず、大きな荷重が第1の閾値を超える範囲ならば、第1の閾値が割り当てられた検知部のうち、プレイヤがのった近傍の検知部だけが検出信号を出力するので、入力判定手段は、プレイヤのステップ台上の位置が、第1の検知部のうち、検出信号を出力している検知部側よりである、ということは判定可能となる。
つまり、この構成によれば、単一の閾値を各検知部に割り当てた場合と比較して、入力判定手段が、プレイヤのステップ台の位置を、どの検知部の近傍かということを判定できる範囲が広くなる。
【0019】
また、前記第1の閾値が割り当てられた前記検知部は、前記第2の閾値が割り当てられた前記検知部よりも、プレイヤから見て奥に配置されていることを特徴とする。
【0020】
プレイヤは、ステップ台を使った昇降運動を行う際に、ステップ台に昇る動作を最小限にするために、プレイヤから見てステップ台の手前側を踏むことが多く、ステップ台の手前に大きな荷重がかかり、ステップ台の奥に小さな荷重がかかることが多い。このため、検出信号を出しやすい第1の閾値が割り当てられた検知部を手前に、検出信号を出しにくい第2の閾値が割り当てられた検知部を奥に配置すると、第1の閾値が割り当てられた検知部は、プレイヤから近いものも遠いものも、検出信号を出しやすくなり、第2の閾値が割り当てられた検知部は、プレイヤから近いものも遠いものも、検出信号を出しにくくなる。つまり、入力判定手段が、どの検知部が検出信号を出しているかに基づいて、プレイヤのステップ台上の位置がどの検知部の近傍かを判定するのが困難になる。
【0021】
このため、上記の構成のように、第1の閾値が割り当てられた検知部は、プレイヤから見てステップ台の奥に配置し、第2の閾値が割り当てられた検知部は、プレイヤから見てステップ台の手前に配置したほうが好適である。
【0022】
上記の入力装置において、前記複数の検知部は、対称に配置された2つの検知部を一組とする複数の組を含み、同一の前記組に属する前記検知部には、それぞれ同一の閾値が割り当てられていることを特徴とする。
【0023】
この構成によれば、同一の閾値が割り当てられた検知部が対称に並ぶので、プレイヤのステップ台上の位置が、一方の検知部側か、それとも対称な位置に配置された他方の検知部側かということを判定するのに向いている。例えば、組を成す2つの検知部を、左右対称に配置し、左右どちらの検知部が検出信号を出したかによって、プレイヤがステップ台の右にいるか左にいるかを判定させたい場合等に好適である。
【0024】
上記の入力装置において、前記ステップ台は脚部を有し、前記第1の荷重検出手段は、前記脚部の下に配置されていることを特徴とする。
【0025】
ステップ台に脚が有る場合、ステップ台にかかる荷重は、各脚に分散してかかる。このため、この構成によれば、プレイヤがステップ台にのることによってステップ台と床面との間にかかる荷重を検出しやすい。結果、入力判定手段がより正確に入力/非入力を判定することができる。
【0026】
上記の入力装置において、前記入力判定手段はさらに、前記検出信号の変化が所定の条件を満たした場合に、入力判定結果を予め定められた別の入力判定結果に補正する補正処理を行うことを特徴とする。
【0027】
この構成によれば、検出信号の変化が所定の条件を満たすような場合を予め想定しておくことで、入力判定結果が想定されたものに補正されるので、プレイヤの昇降運動に応じた所望の入力判定結果を得やすくなる。
【0028】
また、前記所定の条件は、前記検出信号の状態が所定の順番で変化することであってもよい。
【0029】
この構成によれば、検出信号の状態だけではプレイヤの動作またはステップ台上の位置を判別することが難しい場合でも、検出信号の状態の変化の順番によって、プレイヤの動作またはステップ台上の位置を特定することができる。結果、より正確にプレイヤの昇降運動に応じた入力判定結果を得ることができる。
【0030】
また、前記所定の条件は、前記検出信号の状態が所定の順番で変化し、かつ、その変化が第1所定時間経過後に発生することであってもよい。
【0031】
この構成によれば、第1所定時間内ならば補正処理は行われないため、必要以上に補正処理が行われることを防止することができる。
【0032】
また、前記所定の条件は、同一の入力判定結果が第2所定時間内に連続してなされることであってもよい。
【0033】
この構成によれば、第2所定時間を調整することで、プレイヤが入力のための所定の動作を行うには短すぎる間隔で同一の入力判定結果が連続して起こった場合に、後の入力判定結果はプレイヤの意図的な動作に応じたものではないと推定し、入力判定結果を補正することができる。すなわち、プレイヤが意図しない動作によって入力/非入力が切り替わることを防止することができる。
【0034】
上記の入力装置は、前記ステップ台の近傍に配置され、加えられた荷重を検出する第2の荷重検出手段をさらに備えてもよい。
【0035】
この構成によれば、プレイヤがステップ台に昇る運動を入力に利用するだけでなく、第2の荷重検出手段によって、プレイヤがステップ台からおりた場所での運動も検知し、入力に利用することができるので、より総合的にプレイヤのステップ台を用いた昇降運動を評価することが可能になる。
【0036】
また、前記第2の荷重検出手段は、前記第1の加重検出手段と一体的に形成されていることを特徴とする。
【0037】
この構成によれば、プレイヤが昇降運動を繰り返すうちに、ステップ台と床面との間に配置された第1の加重検出手段と、ステップ台の近傍に配置された第2の荷重検出手段とがずれてしまったり、離れてしまったりすることが無いので、安全である。
【0038】
さらに、前記第2の荷重検出手段は、プレイヤが踏むと入力/非入力が切り替わるマットスイッチであってもよい。
【0039】
本発明の第2の観点によれば、入力システムは、本発明の第1の観点による入力装置と、前記入力装置からの入力に応じて、表示装置に表示する映像を制御する情報処理手段と、を備える。
【0040】
この構成によれば、プレイヤがステップ台で昇降運動を行うことにより発生する入力に応じて表示装置に表示される映像が変化するので、プレイヤは映像を楽しみながら昇降運動を行える。また、本発明の第1の観点による入力装置は上述の通り、足下を見なくても入力が行いやすいので、プレイヤは表示装置を見ながら運動しやすいという特徴がある。
【0041】
本発明の第3の観点によれば、入力システムは、本発明の第1の観点による入力装置と、前記入力装置からの入力に応じて、プレイヤの運動量を演算する運動量演算手段と、を備える。
【0042】
この構成によれば、プレイヤは、運動量演算手段の演算結果によって、自分が行ったステップ台を利用した昇降運動の運動量を客観的に知ることができる。
【0043】
本発明の第4の観点によれば、入力システムは、第1操作子と、前記第1操作子と比較してプレイヤから見て奥に配置された第2操作子とを含む入力手段と、前記第1操作子に対応した第1応答オブジェクト及び前記第1応答オブジェクトに向かって移動する第1移動オブジェクト、並びに、前記第2操作子に対応した第2応答オブジェクト及び前記第2応答オブジェクトに向かって移動する第2移動オブジェクト、を含む仮想空間を表示装置に表示する表示制御手段と、前記第1移動オブジェクトが前記第1応答オブジェクトに到達するタイミングと、前記第1操作子が操作されたタイミングとが合致したか否か、及び、前記第2移動オブジェクトが前記第2応答オブジェクトに到達するタイミングと、前記第2操作子が操作されたタイミングとが合致したか否か、を判定するタイミング判定手段と、を備え、前記表示制御手段は、第2応答オブジェクト及び前記第2移動オブジェクトを、前記第1応答オブジェクト及び前記第1移動オブジェクトと比較して、前記仮想空間中奥に表示することを特徴とする。
【0044】
この構成によれば、第1操作子と第2操作子との手前と奥という配置関係に対応して、第1応答オブジェクト及び第1移動オブジェクトと第2応答オブジェクトと第2移動オブジェクトも手前と奥という配置関係で表示されるため、対応関係がわかりやすく、プレイヤは、第1移動オブジェクトが前記第1応答オブジェクトに到達するタイミングには第1操作子を操作し、第2移動オブジェクトが前記第2応答オブジェクトに到達するタイミングには第2操作子を操作すればいいということを、より直感的に理解することができる。
【0045】
この入力システムにおいて、前記表示制御手段は、前記第2移動オブジェクトを、前記第1移動オブジェクトと比較して小さく表示することを特徴とする。
【0046】
この構成によれば、近く(手前)のものは大きく見え、遠く(奥)のものは小さく見えるという遠近法の一手法にのっとっているため、第2移動オブジェクトが、第1移動オブジェクトより奥にあることがより際立つ。プレイヤはより直感的に操作すべき操作子を理解することができる。
【0047】
また、前記表示制御手段は、前記第2移動オブジェクトを、前記第1移動オブジェクトと比較して遅く移動するように表示することを特徴とする。
【0048】
この構成によれば、近く(手前)のものは速く動いているように見え、遠く(奥)のものは遅く動いているように見えるという遠近法の一手法にのっとっているため、第2移動オブジェクトが、第1移動オブジェクトより奥にあることがより際立つ。プレイヤはより直感的に操作すべき操作子を理解することができる。
【0049】
さらに、前記表示制御手段は、前記第2移動オブジェクトの色彩の明度を、前記第1移動オブジェクトの色彩の明度と比較して低く表示することを特徴とする。
【0050】
この構成によれば、近く(手前)のものは明るく見え、遠く(奥)のものは暗く見えるという遠近法の一手法にのっとっているため、第2移動オブジェクトが、第1移動オブジェクトより奥にあることがより際立つ。プレイヤはより直感的に操作すべき操作子を理解することができる。
【0051】
さらに、前記表示制御手段は、前記第2移動オブジェクトの色彩を寒色で表示し、かつ、前記第1移動オブジェクトの色彩を暖色で表示することを特徴とする。
【0052】
この構成によれば、暖色は近く(手前)に見え、寒色は遠く(奥)に見えるという遠近法の一手法にのっとっているため、第2移動オブジェクトが、第1移動オブジェクトより奥にあることがより際立つ。また、第2移動オブジェクトの小型化や、色彩の明度を低下は、視認性を損ねる恐れがあるため限度があるが、寒色化の場合は、視認性には影響が少ないという利点もある。この結果上記の効果がより高まる。
【0053】
本発明の第5の観点によれば、入力システムは、第1操作子と、前記第1操作子と比較してプレイヤから見て奥に配置された第2操作子とを含む入力手段と、前記第1操作子に対応した第1応答オブジェクト及び前記第1応答オブジェクトに向かって移動する第1移動オブジェクト、並びに、前記第2操作子に対応した第2応答オブジェクト及び前記第2応答オブジェクトに向かって移動する第2移動オブジェクト、を含む仮想空間を表示装置に表示する表示制御手段と、前記第1移動オブジェクトが前記第1応答オブジェクトに到達するタイミングと、前記第1操作子が操作されたタイミングとが合致したか否かを判定する第1判定、及び、前記第2移動オブジェクトが前記第2応答オブジェクトに到達するタイミングと、前記第2操作子が操作されたタイミングとが合致したか否かを判定する第2判定、を実行するタイミング判定手段と、を備え、前記タイミング判定手段は、前記第2判定の判定基準を、前記第1判定の判定基準と比較して緩く設定していることを特徴とする。
【0054】
この構成によれば、第1操作子よりも奥に配置された第2操作子を操作する際に、物理的な距離の差のために、操作を行おうと思った時点から実際に操作を行うまでの時間が、第1操作子に比べて多く必要な分を、第2判定の判定基準を緩めることにより、バランスをとることができる。結果、プレイヤは、第2操作子への操作を特別に急いで行わなくても、指示されたタイミングに入力を行うことができる。
【0055】
この入力システムにおいて、前記表示制御手段は、前記第2応答オブジェクト及び前記第2移動オブジェクトを、前記第1応答オブジェクト及び前記第1移動オブジェクトと比較して、前記仮想空間中奥に表示することを特徴とする。
【0056】
また、前記表示制御手段は、前記第2移動オブジェクトを、前記第1移動オブジェクトと比較して小さく表示することを特徴とする。
【0057】
さらに、前記表示制御手段は、前記第2移動オブジェクトを、前記第1移動オブジェクトと比較して遅く移動するように表示することを特徴とする。
【0058】
さらに、前記表示制御手段は、前記第2移動オブジェクトの色彩の明度を、前記第1移動オブジェクトの色彩の明度と比較して低く表示することを特徴とする。
【0059】
さらに、前記表示制御手段は、前記第2移動オブジェクトの色彩を寒色で表示し、かつ、前記第1移動オブジェクトの色彩を暖色で表示することを特徴とする。
【0060】
以上の構成によれば、本発明の第5の観点による入力システムにおいても、本発明の第4の観点による入力システムと、同様の効果を奏する。
【0061】
本発明の第4の観点及び第5の観点による入力システムにおいて、前記入力手段は、前記操作子をプレイヤが足で踏んで操作することを特徴とする。
【0062】
本発明の第4の観点及び第5の観点による入力システムにおいて、前記入力手段は、段差を有しており、前記第2操作子は、前記第1操作子と比較して、高い段に配置されていることを特徴とする。
【0063】
本発明の第6の観点によれば、タイミング指示方法は、第1操作子と、前記第1操作子と比較してプレイヤから見て奥に配置された第2操作子とを含む入力装置を操作するプレイヤに対して、操作タイミングを指示するためのタイミング指示方法であって、仮想空間を表示装置に表示するステップと、前記仮想空間内に、前記第1操作子に対応した第1応答オブジェクト及び第1移動オブジェクトを表示するステップと、前記第2操作子に対応した第2応答オブジェクト及び第2移動オブジェクトを、前記第1応答オブジェクト及び前記第1移動オブジェクトに対して、前記仮想空間中奥に位置するように表示するステップと、前記第1移動オブジェクトを前記第1応答オブジェクトに向かって移動させるステップと、前記第2移動オブジェクトを前記第2応答オブジェクトに向かって移動させるステップと、前記第1移動オブジェクトが前記第1応答オブジェクトに到達するタイミングと、前記第1操作子が操作されたタイミングとが合致したか否かを判定するステップと、前記第2移動オブジェクトが前記第2応答オブジェクトに到達するタイミングと、前記第2操作子が操作されたタイミングとが合致したか否かを判定するステップと、を含む。
【0064】
この構成によれば、本発明の第4の観点による入力システムと、同様の効果を奏する。
【0065】
本発明の第7の観点によれば、タイミング指示方法は、第1操作子と、前記第1操作子と比較してプレイヤから見て奥に配置された第2操作子とを含む入力装置を操作するプレイヤに対して、操作タイミングを指示するためのタイミング指示方法であって、仮想空間を表示装置に表示するステップと、前記仮想空間内に、前記第1操作子に対応した第1応答オブジェクト及び第1移動オブジェクトを表示するステップと、前記仮想空間内に、前記第2操作子に対応した第2応答オブジェクト及び第2移動オブジェクトを表示するステップと、前記第1移動オブジェクトを前記第1応答オブジェクトに向かって移動させるステップと、前記第2移動オブジェクトを前記第2応答オブジェクトに向かって移動させるステップと、前記第1移動オブジェクトが前記第1応答オブジェクトに到達するタイミングと、前記第1操作子が操作されたタイミングとが合致したか否かを判定する第1判定ステップと、前記第2移動オブジェクトが前記第2応答オブジェクトに到達するタイミングと、前記第2操作子が操作されたタイミングとが合致したか否かを判定する第2判定ステップと、を含み、前記第2判定ステップにおける判定基準は、前記第1判定ステップにおける判定基準と比較して、緩い判定基準であることを特徴とする。
【0066】
この構成によれば、本発明の第5の観点による入力システムと、同様の効果を奏する。
【0067】
本発明の第8の観点によれば、記憶媒体は、第1操作子と、前記第1操作子と比較してプレイヤから見て奥に配置された第2操作子とを含む入力装置を操作するプレイヤに対して、操作タイミングを指示するためのタイミング指示方法をコンピュータに実行させるためのプログラムを記憶した記憶媒体であって、前記タイミング指示方法は、仮想空間を表示装置に表示するステップと、前記仮想空間内に、前記第1操作子に対応した第1応答オブジェクト及び第1移動オブジェクトを表示するステップと、前記第2操作子に対応した第2応答オブジェクト及び第2移動オブジェクトを、前記第1応答オブジェクト及び前記第1移動オブジェクトに対して、前記仮想空間中奥に位置するように表示するステップと、前記第1移動オブジェクトを前記第1応答オブジェクトに向かって移動させるステップと、前記第2移動オブジェクトを前記第2応答オブジェクトに向かって移動させるステップと、前記第1移動オブジェクトが前記第1応答オブジェクトに到達するタイミングと、前記第1操作子が操作されたタイミングとが合致したか否かを判定するステップと、前記第2移動オブジェクトが前記第2応答オブジェクトに到達するタイミングと、前記第2操作子が操作されたタイミングとが合致したか否かを判定するステップと、を含む。
【0068】
この構成によれば、本発明の第4の観点による入力システムと、同様の効果を奏する。なお、記録媒体とは、例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、磁気テープ、光磁気ディスク、CD(CD−ROM、Video−CDを含む)、DVD(DVD−Video、DVD−ROM、DVD−RAMを含む)、ROMカートリッジ、バッテリバックアップ付きのRAMメモリカートリッジ、フラッシュメモリカートリッジ、不揮発性RAMカートリッジ等を含む。
【0069】
本発明の第9の観点によれば、記憶媒体は、第1操作子と、前記第1操作子と比較してプレイヤから見て奥に配置された第2操作子とを含む入力装置を操作するプレイヤに対して、操作タイミングを指示するためのタイミング指示方法をコンピュータに実行させるためのプログラムを記憶した記憶媒体であって、前記タイミング指示方法は、仮想空間を表示装置に表示するステップと、前記仮想空間内に、前記第1操作子に対応した第1応答オブジェクト及び第1移動オブジェクトを表示するステップと、前記仮想空間内に、前記第2操作子に対応した第2応答オブジェクト及び第2移動オブジェクトを表示するステップと、前記第1移動オブジェクトを前記第1応答オブジェクトに向かって移動させるステップと、前記第2移動オブジェクトを前記第2応答オブジェクトに向かって移動させるステップと、前記第1移動オブジェクトが前記第1応答オブジェクトに到達するタイミングと、前記第1操作子が操作されたタイミングとが合致したか否かを判定するステップと、前記第2移動オブジェクトが前記第2応答オブジェクトに到達するタイミングと、前記第2操作子が操作されたタイミングとが合致したか否かを判定するステップと、を含む。
【0070】
この構成によれば、本発明の第5の観点による入力システムと、同様の効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0071】
以下、図面を用いながら、本発明の実施の形態について説明する。なお、図中、同一または相当部分については同一の参照符号を付してその説明を援用する。
【0072】
図1は、本発明の実施の形態による入力システムを応用した運動支援システムの全体構成を示す図である。図1に示すように、この運動支援システムは、入力装置1、カートリッジ3、アダプタ5、及びテレビジョンモニタ100を備える。アダプタ5には、カートリッジ3が装着される。また、アダプタ5は、AVケーブル7により、テレビジョンモニタ100に接続される。なお、図示していないが、アダプタ5にはACアダプタが接続され、電源電圧が供給される。入力装置1は、ステップ台11及びマットユニット13により構成される。また、入力装置1は、ケーブル12及びアダプタ5を介してカートリッジ3に接続される。
【0073】
この実施の形態では、入力装置1でプレイヤの昇降運動を検知し、検知した結果に応じて入力の判定を行い、テレビジョンモニタ100に映し出す映像を変化させ、プレイヤが昇降運動を続けることを支援する。まず、ステップ台11及びマットユニット13について図2及び図3を用いて説明する。
【0074】
図2(a)は、図1のステップ台11を説明する図である。図2(b)は図1のステップ台11を図2(a)の状態から裏返した状態を示す図である。図2(a)を参照して、ステップ台11は、平らな場所に置いて踏み台昇降運動を行うためのステップ台であり、踏み台昇降運動を行うだけであれば単独でも利用可能なステップ台である。ステップ台11には電気的な構成要素は含まれていない。ステップ台11の表面には、左右の踏み位置の目安として左マーク41及び右マーク43が描かれている。
【0075】
図2(b)を参照して、ステップ台11は、その内側上壁から垂直に延びる円柱上の脚LL1、LL2、LR1、LR2を、その四隅近傍に有する。また、ステップ台の左、右、奥、手前などと説明する場合は、プレイヤから見てステップ台11の左、右、奥、手前を意味するものとする。
【0076】
床に置かれたステップ台11の上にプレイヤがのると、その荷重は、脚LL1、LL2、LR1、LR2に分散されてかかる。脚LL1、LL2、LR1、LR2に分散されてかかる荷重は、プレイヤがステップ台11にのった位置から近いほど大きく、プレイヤがステップ台11にのった位置から遠いほど小さくなる。また、いずれの脚LL1、LL2、LR1、LR2にかかる荷重も0にはならない。プレイヤが左マーク41上に左足一本でのっている場合、脚LL1及びLL2には、それぞれ、プレイヤがステップ台11にかけた荷重の約8分の3、脚LR1及びLR2には、それぞれ、約8分の1の荷重がかかる。
【0077】
逆にプレイヤが右マーク43上に右足一本でのっている場合、脚LR1及びLR2には、それぞれ、プレイヤがステップ台11にかけた荷重の約8分の3、脚LL1及びLL2には、それぞれ、約8分の1の荷重がかかる。
【0078】
なお、プレイヤが左マーク41及び右マーク43を踏んだ状態つまり、両足でステップ台11の上にのっている場合、各脚LL1、LL2、LR1、LR2には、それぞれ、プレイヤがステップ台11にかけた荷重の約8分の2の荷重がかかる。
【0079】
この特性を利用し、4本の脚LL1、LL2、LR1、LR2の何れか一つの下に、荷重がかかると検出信号を出力する圧力スイッチを設ければ、プレイヤがステップ台11にのると、各脚LL1、LL2、LR1、LR2に荷重がかかり検出信号が出力されるため、検出信号の有無に応じて入力/非入力を判断できる。つまり、プレイヤはステップ台11に昇るか降りるかによって、入力/非入力を切り替えることができる。この実施の形態ではこれをさらに改良して、ステップ台11の下に敷かれるマットユニット13に、圧力スイッチを内蔵しておくことで、脚LL1、LL2、LR1、LR2のそれぞれにかかる荷重を検出し、それらからの検出信号の組み合わせによってプレイヤがステップ台11の左側にのったのか右側にのったのか判別する。従って、プレイヤは、ステップ台11の左右を踏み分けることで異なる入力を与えることができる。詳しくは後で述べる。
【0080】
図3は、マットユニット13を説明する図である。図3の状態は、図1の入力装置1からステップ台11を取り除いた状態である。図3を参照して、マットユニット13は、各々ほぼ平坦な矩形状の第1マット36及び第2マット38を含み、これらは同一平面上に一体的に形成さる。また、第1マット36の上縁には基板ケース17が取り付けられる。さらに、第1マット36の左右端には、他の部分より盛り上がり、上部は平坦な凸部19が形成され、それらの間に、所定間隔で2つのフットスイッチSW5及びSW6が配置される。第2マット38は、横一列に配置された4つのフットスイッチSW1〜SW4を含む。
【0081】
フットスイッチSW1〜SW6は、プレイヤが上にのるとオンになるメンブレンスイッチである。例えば、2枚の電極シートで、複数の小孔を設けた絶縁性のスペーサをはさみ、荷重がかかっていない時はスペーサによって2枚の電極シートは接触しないので通電しないが、上から荷重がかかるとスペーサが収縮し、スペーサの小孔を介して2枚の電極シートが接触するため、通電してオンになるスイッチである。
【0082】
図2(b)を参照して、ステップ台11は中空となっており、その左右端近傍には内壁が形成され、これにより大きく三つの凹所13,15,13が形成される。凹所13の縁の形状は、第1マット36の凸部19の縁の形状と大体一致している。従って、図1で示したように、ステップ台11を第1マット36の上に置くと、ステップ台11の凹所13は、第1マット36の凸部19に緩く嵌合する。
【0083】
第1マット36の凸部19には、ステップ台11の脚LL1、LL2、LR1及びLR2に対応して、円筒状の嵌合凹部HL1、HL2、HR1及びHR2が形成されている。従って、ステップ台11を第1マット36の上に置くと、凸部19が凹所13に嵌り、ステップ台11の脚LL1、LL2、LR1、LR2はそれぞれ、嵌合凹部HL1、HL2、HR1、HR2に嵌合する。
嵌合凹部HL1、HL2、HR1、HR2の下には、後述する各々に割り当てられた閾値を超える荷重に感応してオンになる圧力スイッチPSWが配置されている。つまり、図1のようにマットユニット13にステップ台11をのせた状態で、プレイヤがステップ台11にのると、圧力スイッチPSWの一部又は全部がオンになる仕組みである。なお、第1マット36の上にステップ台11が置かれている場合、フットスイッチSW5及びSW6はステップ台11の下に隠れているため、プレイヤはフットスイッチSW5及びSW6を直接踏むことはない。
【0084】
図4は、図1の運動支援システムの電気的構成を示す図である。図4を参照して、マットユニット13は、フットスイッチSW1〜SW6、圧力スイッチPL1,PL2,PR1,PR2、及びシフトレジスタ18を含む。圧力スイッチPL1、PL2、PR1、PR2及びフットスイッチSW1〜SW6は、それぞれ基板ケース17に内蔵されたシフトレジスタ18に接続される。以下、圧力スイッチPL1、PL2、PR1、PR2を包括して圧力スイッチPSW、フットスイッチSW1〜SW6を包括してフットスイッチFSWと称する場合がある。
【0085】
圧力スイッチPL1は図3の嵌合凹部HL1の下に配置され、図2(b)の脚LL1にかかる荷重に応じてオン/オフが切り替わる。同様に、圧力スイッチPL2は嵌合凹部HL2の下に配置され、脚LL2にかかる荷重に対応してオン/オフが切り替わる。同様に、圧力スイッチPR1は嵌合凹部HR1の下に配置され、脚LR1にかかる荷重に対応してオン/オフが切り替わる。同様に、圧力スイッチPR2は嵌合凹部HR2の下に配置され、脚LR2にかかる荷重に対応してオン/オフが切り替わる。
【0086】
カートリッジ3は、プロセッサ31及び外部メモリ35を含む。外部メモリ35は、例えば、RAM、ROM、及び/又はフラッシュメモリ等、商品仕様に応じて必要なものからなる。
シフトレジスタ18はケーブル12及びアダプタ5を介して、カートリッジ3に内蔵されたプロセッサ31に接続されている。シフトレジスタ18は、プロセッサ31からの制御信号に応じて、毎フレーム(1フレームは60分の1秒)フットスイッチFSW及び圧力スイッチPSWのオン/オフ情報をパラレル/シリアル変換してからプロセッサ31に与える。このオン/オフ信号は、例えば10桁の「0」と「1」を組み合わせた数字列として送られる。10桁の数字列の内、1桁目は、圧力スイッチPL1、2桁目は圧力スイッチPL2、3桁目は圧力スイッチPR1、4桁目は圧力スイッチPR2、5桁目から10桁目は、フットスイッチSW1〜SW6に順番に対応しており、それぞれの桁の数字は、対応するスイッチがオフならば「0」、オンならば「1」となる。
【0087】
プロセッサ31には、外部メモリ35が接続される。外部メモリ35は、プログラム領域、画像データ領域、および音声データ領域を含む。プログラム領域には、制御プログラムが格納される。画像データ領域には、テレビジョンモニタ100に表示されるプレイ画面を構成するすべての画像データや、他の必要な画像データが格納されている。音声データ領域には、音楽や効果音のための音声データが格納されている。プロセッサ31は、プログラム領域の制御プログラムを実行して、画像データ領域の画像データ及び音声データ領域の音声データを読み出し、必要な処理を施して、ビデオ信号VD及びオーディオ信号AUを生成する。プロセッサ31は、シフトレジスタ18から受け取ったフットスイッチFSW及び圧力スイッチPSWのオン/オフ情報を処理に反映する。ビデオ信号VD及びオーディオ信号AUは、AVケーブル7を通して、テレビジョンモニタ100に与えられる。
【0088】
プロセッサ31は、図示しないが、CPU(Central Processing Unit)、グラフィックスプロセサ、サウンドプロセサおよびDMAコントローラ等の各種機能ブロックを含むとともに、アナログ信号を取り込むときに用いられるA/Dコンバータ、IR信号やキー操作信号(例えば、フットスイッチFSW及び圧力スイッチPSWのオン/オフ情報)のような入力デジタル信号を受けかつ出力デジタル信号を外部機器に与える入出力制御回路、及び内部メモリ等を含む。
【0089】
CPUは、外部メモリ35に格納された制御プログラムを実行する。A/Dコンバータからのデジタル信号および入出力制御回路からのデジタル信号はCPUに与えられ、CPUは、制御プログラムに従って、それらの信号に応じて必要な演算を実行する。この入出力制御回路に、フットスイッチFSW及び圧力スイッチPSWのオン/オフ情報が入力される。グラフィックスプロセサは、外部メモリ35に格納された画像データに対して、CPUの演算結果によって必要になったグラフィック処理を実行して、テレビジョンモニタ100に表示する画像を表すビデオ信号VDを生成する。サウンドプロセサは、外部メモリ35に格納された音声データに対して、CPUの演算結果によって必要になったサウンド処理を実行して、音楽や効果音を表すオーディオ信号AUを生成する。内部メモリは、例えば、RAMにより構成され、ワーキング領域、カウンタ領域、レジスタ領域、テンポラリデータ領域、及び/又はフラグ領域等として利用される。
【0090】
次に、図面を参照して圧力スイッチPSWの構造について説明する。
【0091】
図5(a)は圧力スイッチPL1の外観斜視図である。図5(a)を参照して、圧力スイッチPL1の上部には、図3の嵌合凹部HL1に沿って円筒状の凹部が設けられている。図5(b)は圧力スイッチPL1の分解図である。図5(b)を参照して、圧力スイッチPL1は、その最下部に枡状の下部ケース27を有する。この下部ケース27に弾性部材25(例えばその素材はゴム等の弾性素材である)が収納される。弾性部材25の上には天板23が置かれる。そして、天板23が置かれた弾性部材25を収納する下部ケース27に上部ケース21を被せる。天板23からは、配線29が伸びており、図4のシフトレジスタ18に繋がっている。
圧力スイッチPL1は、図3の嵌合凹部HL1の下に配置され、上部ケース21に形成された凹部に、嵌合凹部HL1(嵌合凹部HL1が形成する凸部)が嵌め込まれる。
【0092】
図6は、図5(b)の弾性部材25の断面図である。図5(b)及び図6を参照して、弾性部材25は、外壁253によって形成される凹部の中央に円柱状の小凸部251を有する。小凸部251は、外壁253よりも矢印で示した高さt1分低いため、荷重がかかっていない場合、図5(b)の天板23は、小凸部251とは接触しない状態で外壁253の上に載っている。
一方、嵌合凹部HL1及び天板23を介して弾性部材25に荷重がかかると、外壁253は変形収縮し、天板23と小凸部251とが接触する。斜線によって示された小凸部251の先端は、導電体、例えば導電ゴムになっている。なお、外壁253は弾性部材25の一部であるため、荷重がなくなると、再び元の状態に復帰する。
【0093】
図7は、天板23を図5(b)で図示した状態の裏側から見た図である。図7を参照して、天板23の裏側、つまり、弾性部材25の小凸部251と接触する側には、配線29と接続された導電パターン231及び導電パターン232が形成される。導電パターン231及び232は、櫛状のパターンであり、櫛の歯に相当する部分が、それぞれ交互に形成される。導電パターン231と、導電パターン232とは、近接しているが、接触はしていない。
ここで圧力スイッチPL1に上部から荷重がかかり、前述の要領で天板23と小凸部251とが接触すると、小凸部251の先端に形成された導電体により導電パターン231と導電パターン232とが電気的に接続され電流が流れる。その結果、圧力スイッチPL1がオンになる。なお、外壁253の厚さ、外壁253と小凸部251との高さの差t1及び/又は弾性部材25の材質等を調整することによって、天板23と小凸部251とが接触して圧力スイッチPL1がオンになるときの荷重の値、つまり圧力スイッチPL1に割り当てる閾値を調整することができる。
【0094】
他の3つの圧力スイッチPL2、PR1及びPR2も、圧力スイッチPL1と同様の構造をしているため、ここまでの構造の説明を援用する。
【0095】
さて、圧力スイッチPL2及びPR2はステップ台11の手前の脚LL2及びLR2の下に配置されており、圧力スイッチPL1及びPR1はステップ台11の奥の脚LL1及びLR1の下に配置されている。手前に配置される圧力スイッチPL2及びPR2に割り当てられた閾値は、奥に配置される圧力スイッチPL1及びPR1に割り当てられた閾値よりも大きい。例えば、この実施の形態では、圧力スイッチPL1及び圧力スイッチPR1は、垂直上方向から7キログラム以上の荷重がかかるとオンになり、圧力スイッチPL2及び圧力スイッチPR2は、垂直上方向から19キログラム以上の荷重がかかるとオンになるように調整されている。
【0096】
例えば、ステップ台11の左マーク41(図2参照)上に40キログラムの荷重がかかった場合、脚LL1及びLL2にそれぞれ約15キログラム(3/8*40)の荷重がかかり、脚LR1及びLR2にそれぞれ約5キログラム(1/8*40)の荷重がかかる。この場合、圧力スイッチPL1だけがオンになり、圧力スイッチPL2、PR1及びPR2はオフのままである。次に、ステップ台11の右マーク43(図2参照)上に40キログラムの荷重がかかった場合、脚LR1及びLR2にそれぞれ約15キログラム(3/8*40)の荷重がかかり、脚Ll1及びLL2にそれぞれ約5キログラム(1/8*40)の荷重がかかる。この場合、圧力スイッチPR1だけがオンになり、圧力スイッチPR2、PL1及びPL2はオフのままである。
【0097】
このように、ステップ台11にかかる荷重が40キログラム程度である場合、圧力スイッチPL2及びPR2は、荷重が加わっているのがステップ台11の左側表面でも右側表面でもオフになるため、圧力スイッチPL2及びPR2だけでは、ステップ台11の左側表面又は右側表面のどちらに荷重が加わっているのかを判別することは不可能である。しかし、この場合でも、上記のように、圧力スイッチPL1及びPR1は、ステップ台11の左側に荷重が加われば、圧力スイッチPL1がオン、圧力スイッチPR1がオフになる。また、ステップ台11の右側に荷重が加われば、圧力スイッチPL1がオフ、圧力スイッチPR1がオンになる。すなわち、圧力スイッチPL1及びPR1のオン/オフの組み合わせによって、ステップ台11の左側又は右側のどちらに荷重が加わっているのかを判別することが可能である。
【0098】
また、ステップ台11の左マーク41上に80キログラム程度の荷重が加わる場合、脚LL1及びLL2にそれぞれ約30キログラム(3/8*40)の荷重がかかり、脚LR1及びLR2にそれぞれ約10キログラム(1/8*40)の荷重がかかる。この場合、圧力スイッチPL1、PL2及びPR1がオンになり、圧力スイッチPR2はオフのままである。次に、ステップ台11の右マーク43上に80キログラムの荷重が加わる場合、脚LR1及びLR2にそれぞれ約30キログラム(3/8*40)の荷重がかかり、脚Ll1及びLL2にそれぞれ約10キログラム(1/8*40)の荷重がかかる。この場合、圧力スイッチPR1、PR2及びPL1がオンになり、圧力スイッチPL2はオフのままである。
【0099】
このように、ステップ台11にかかる荷重が80キログラム程度である場合、圧力スイッチPL1及びPR1は、荷重が加わっているのがステップ台11の左側でも右側でもオンになるため、圧力スイッチPL1及びPR1だけでは、ステップ台11の左側又は右側のどちらに荷重が加わっているのかを判別することは不可能である。しかし、この場合でも、上記のように、圧力スイッチPL2及びPR2は、ステップ台11の左側に荷重が加われば、圧力スイッチPL2がオン、圧力スイッチPR2がオフになる。また、ステップ台11の右側に荷重が加われば、圧力スイッチPL2がオフ、圧力スイッチPR2がオンになる。すなわち、圧力スイッチPL2及びPR2のオン/オフの組み合わせによって、ステップ台11の左側又は右側のどちらに荷重が加わっているのかを判別することが可能である。
【0100】
つまり、低い閾値が割り当てられた圧力スイッチPL1及びPR1と、高い閾値が割り当てられた圧力スイッチPL2及びPR2を併用し、ステップ台11にかかる荷重が比較的小さい場合は圧力スイッチPL1及びPR1のオン/オフの組み合わせを参照し、ステップ台11の表面にかかる荷重が比較的大きい場合は圧力スイッチPL2及びPR2のオン/オフの組み合わせを参照することで、プレイヤがステップ台11の左側又は右側のどちらを踏んでいるのかを判別することが可能な荷重の範囲が広がっている。なお、上記の各数値及び荷重比率は、説明のための例示である。
【0101】
圧力スイッチPL1,PL2,PR1,PR2にそれぞれ割り当てる閾値によって、ステップ台11の左側又は右側のどちらを踏んでいるのかを判別することが可能な荷重の範囲を調整することが可能である。前述の通り、閾値の調整は、マットユニット13の製造時に、図5(c)で説明した弾性部材253の素材、弾性、厚み、高さ、並びに導電パターン231、232、及び導電体251とを隔てた距離を調整することなどによって行える。
【0102】
ここで、一般に、プレイヤは、ステップ台を使った昇降運動を行う際に、ステップ台に昇る動作を最小限にするために、プレイヤから見てステップ台の手前側を踏むことが多く、ステップ台の手前に比較的大きい荷重がかかり、ステップ台の奥に比較的小さい荷重がかかることが多い。この傾向は、ステップ台11にも当てはまる。このため、低い閾値が割り当てられた圧力スイッチPL1及びPR1を手前に、高い閾値が割り当てられた圧力スイッチPL2及びPR2を奥に配置すると、プレイヤがステップ台11の左右どちらにのっても、圧力スイッチPL1及びPR1が左右同時にオンになりやすくなり、圧力スイッチPL2及びPR2が左右同時にオフになることが多くなる。つまり、プレイヤがステップ台11の左右どちら側にのっているのかを、プロセッサ31が判定することが困難になる。このため、この実施の形態では、低い閾値が割り当てられた圧力スイッチPL1及びPR1を奥に、高い閾値が割り当てられた圧力スイッチPL2及びPR2を手前に配置している。
【0103】
図8は、圧力スイッチPL1、PL2、PR1及びPR2のオン/オフの組み合わせと、左右入力判定結果と、を関連付けたテーブルを示す図である。プロセッサ31は、このテーブルを参照して、毎フレーム左右入力判定処理を行う。
【0104】
プロセッサ31は、パターン1のように、全ての圧力スイッチPL1、PL2、PR1及びPR2がオフの場合、入力なしと判断する。プロセッサ31は、パターン9、10、11、13、14、15、16のように、少なくとも圧力スイッチPL1がオンの場合、原則として左入力有りと判断する。ただし、プロセッサ31は、パターン12のように、圧力スイッチPL1がオン、圧力スイッチPL2がオフで、圧力スイッチPR1及びPR2がオンの場合は、大きい荷重がステップ台11の右側にかかった可能性が高いため、左入力は無く、右入力のみが有ったと判断する。同様に、プロセッサ31は、パターン3、4、7、8、11、12、16のように、圧力スイッチPR1がオンの場合、原則としてプロセッサ31は右入力有りと判断する。ただし、プロセッサ31は、パターン15のように、圧力スイッチPR1がオン、圧力スイッチPR2がオフ、圧力スイッチPL1及びPL2がオンの場合は、大きい荷重がステップ台11の左側にかかった可能性が高いため、右入力は無く、左入力のみが有ったと判断する。
【0105】
この実施の形態では、圧力スイッチPL1は7キログラムの荷重でオンになるのに対し、圧力スイッチPL2は19キログラムの荷重がかからないとオンにならない。プレイヤがステップ台11の左を踏んでいるのであれば、圧力スイッチPL2より先に圧力スイッチPL1がオンになる可能性が高いため、パターン5、6、7、8のように、圧力スイッチPL1がオフで、圧力スイッチPL2がオンの場合、プロセッサ31は左入力が無いと判断する。同様の理由で、パターン2、6、10、14のように、圧力スイッチPR1がオフで、圧力スイッチPR2がオンの場合、プロセッサ31は右入力が無いと判断する。
ここで、左入力有りとの判断は、プレイヤがステップ台11の左マーク41付近を踏んでいると推測でき、右入力有りとの判断は、プレイヤがステップ台11の右マーク43付近を踏んでいると推測できる。左右入力有りとの判断は、プレイヤがステップ台11の左右のマーク41及び43付近に両足でのっていると推測できる。
【0106】
なお、前述のフットスイッチSW5及びSW6は、ステップ台11を所持していないプレイヤでも上記のような左右入力判定処理をプロセッサ31に行わせるためのフットスイッチである。つまり、プロセッサ31は、フットスイッチSW5がオンの場合、左入力がなされたと判断し、上記テーブルの左入力有りと判断された場合と同様の処理を実行し、フットスイッチSW6がオンの場合、右入力がなされたと判断し、上記テーブルの右入力有りと判断された場合と同様の処理を実行する。
【0107】
次にプロセッサ31がテレビジョンモニタ100に表示するプレイ画面の例を用いて、入力装置1を用いた情報処理の一例を説明する。
【0108】
図9は、図1のテレビジョンモニタ100に表示されるプレイ画面の例示図である。図9(b)のプレイ画面は、図9(a)のプレイ画面の2秒経過後の画面を表している。図9(a)及び図9(b)を参照して、このプレイ画面は、入力装置1を模した台オブジェクト46、得点表示部114、運動量表示部116、時間表示部118を含む画面が表示される。
台オブジェクト46は、ステップ台11の左半分(左マーク41)及びフットスイッチSW5に対応した応答オブジェクト102、ステップ台11の右半分(右マーク43)及びフットスイッチSW6に対応した応答オブジェクト104、フットスイッチSW1に対応した応答オブジェクト106、フットスイッチSW2に対応した応答オブジェクト108、フットスイッチSW3に対応した応答オブジェクト110、フットスイッチSW4に対応した応答オブジェクト112からなる。
【0109】
プロセッサ31は、図8のテーブルに従って、左入力及び右入力の有無を判定し、さらに、左入力無しから左入力有りへの遷移が発生すると、それをトリガとして一定時間(瞬間的に)、ステップ台11の左半分及びフットスイッチSW5に対応した応答オブジェクト102を変位させ、かつ、その色を変化させる。また、プロセッサ31は、図8のテーブルに従って、左入力及び右入力の有無を判定し、さらに、右入力無しから右入力有りへの遷移が発生すると、それをトリガとして一定時間(瞬間的に)、ステップ台11の右半分及びフットスイッチSW6に対応した応答オブジェクト104を変位させ、かつ、その色を変化させる。これにより、プレイヤは、ステップ台11の左右いずれにのったのかを足元を見ることなく認識できる。
【0110】
なお、ステップ台11がマットユニット13に装着されていない場合、つまり、マットユニット13のみを入力に用いる場合は、プロセッサ31は、フットスイッチSW5のオフからオンへの遷移の発生をトリガとして、対応する応答オブジェクト102を変位・変色させ、フットスイッチSW6のオフからオンへの遷移の発生をトリガとして、対応する応答オブジェクト104を変位・変色させる。
【0111】
また、プロセッサ31は、フットスイッチSW1のオフからオンへの遷移が発生すると、これをトリガとして、一定時間(瞬間的に)、応答オブジェクト106を変位・変色させる。同様に、プロセッサ31は、フットスイッチSW2,SW3,SW4のオフからオンへの遷移が発生すると、これをトリガとして、一定時間(瞬間的に)、対応する応答オブジェクト108,110,112を変位・変色させる。これにより、プレイヤは、第2マット38のどのフットスイッチSW1,SW2,SW3,SW4を踏んでいるかを足元を見ることなく認識できる。
【0112】
なお、図9(b)の例では、プレイヤが、フットスイッチSW4を踏み込んで、オフからオンへの遷移を発生させた場合を示しており、フットスイッチSW4に対応する応答オブジェクト112を変位・変色(斜線部)させている。
【0113】
さて、プロセッサ31は、外部メモリ35に格納されたプログラムを実行し、外部メモリ35に格納された出現パターンデータに従って、順次ボールオブジェクトを画面上端に出現させ、画面下方向に垂直に移動させる。この場合、ボールオブジェクト120は応答オブジェクト106に、ボールオブジェクト122は応答オブジェクト112に、ボールオブジェクト124は応答オブジェクト108に、ボールオブジェクト126は応答オブジェクト110に、ボールオブジェクト128は応答オブジェクト102に、ボールオブジェクト130は応答オブジェクト104に向けて、画面上端から下端に移動する。ボールオブジェクトとそれに対応する応答オブジェクトには、同じ模様(図形)が描かれている。
【0114】
出現パターンデータは、ボールオブジェクトの出現タイミングを定めたデータである。本実施の形態では、ボールオブジェクトが対応する応答オブジェクトに到達するタイミングが、プロセッサ31が再生する音楽のリズムないしはビートに合うように、出現パターンデータを設計している。
【0115】
従って、プレイヤはボールオブジェクトの位置を見て、タイミングを見計らって、応答オブジェクトに対応するフットスイッチFSW又はステップ台11の右部分(右マーク43)若しくは左部分(左マーク41)を踏み、入力を行うことで、音楽に合わせて、対応するボールオブジェクトを応答オブジェクトで打ち返すことができる。
例えば、図9(a)のボールオブジェクト122は、画面上端から応答オブジェクト122に向かって落下している。そして、プレイヤがタイミング良くフットスイッチSW4を踏み込んだため、図9(b)のボールオブジェクト122は、応答オブジェクト112に打ち返されて画面上方向へ移動している。
【0116】
次に、ボールオブジェクトの制御の詳細を説明する。プロセッサ31は、画面上端にボールオブジェクトがある場合を最大値、対応する応答オブジェクトの表示位置を最小値とするボールオブジェクトの高さデータHtを、ボールオブジェクト毎に管理しており、毎フレーム高さデータHtを更新し、高さデータHtに応じた位置にボールオブジェクトを表示する。以後説明の便宜のため、ボールオブジェクト120〜130の高さデータHtの最大値を100、これらの最小値を0として説明する。
【0117】
図9(b)のボールオブジェクト120の様に、ボールオブジェクトが対応する応答オブジェクトに到達あるいは近傍まで来ているときに、応答オブジェクトに対応する入力が行われると、プロセッサ31は、ボールオブジェクトが応答オブジェクトに打ち返され、画面上方向に跳ね返るように表示する。
【0118】
具体的には、プロセッサ31は、ボールオブジェクトの高さデータHtを毎フレーム100から次第に減少させていく。また、前述の通り、プロセッサ31は、毎フレームフットスイッチFSW及び圧力スイッチPSWのオン/オフ情報、つまりプレイヤからの入力をチェックしている。そして、プロセッサ31は、例えばボールオブジェクトの高さデータHtが0≦Ht≦20となっているときに、対応する入力があると、そのボールオブジェクトが応答オブジェクトに打ち返されたように表示する。
【0119】
ボールオブジェクト128及び130に関しては、プレイヤがステップ台11に昇って左入力又は右入力を行うため、フットスイッチSW1〜SW4を踏む場合に比べて入力のための動作に時間がかかることを考慮し、他のボールオブジェクト120〜126よりも、打ち返される場合の高さデータHtの範囲が比較的大きく設定されている。つまり、ボールオブジェクトの打ち返し成功の条件は、ボールオブジェクト128及び130のほうが、ボールオブジェクト120〜126よりも緩く設定されている。
プロセッサ31は、例えばボールオブジェクト128(又は130)の高さデータHtが0≦Ht≦25の範囲にあるときに、左入力(又は右入力)があれば、ボールオブジェクト128(又は130)を打ち返す。
【0120】
なお、プロセッサ31は、打ち返されたボールオブジェクト120〜130の高さデータHtを一定の割合で増加させ100以上になった時点でそのボールオブジェクトの表示を消滅させる。また、プロセッサ31は、ボールオブジェクト120〜130の高さデータHtが0より小さくなると、つまり、ボールオブジェクトが対応する応答オブジェクトより下まで来てしまうと、そのボールオブジェクトの表示を消滅させる。
【0121】
さて、ボールオブジェクト128及び130は、ボールオブジェクト124及び126よりも、奥に位置するように表示される。つまり、プロセッサ31が生成する仮想空間において、ボールオブジェクト128及び130は、ボールオブジェクト124及び126よりも、奥に配置される。ここで、仮想空間は、プロセッサ31が生成する三次元イメージで表される三次元空間であってもよいし、プロセッサ31が生成する二次元イメージにより表される擬似的な三次元空間であってもよい。例えば、擬似的な三次元空間は、遠近法を使用することにより、二次元イメージで表すことができる。
【0122】
本実施の形態では、遠近法を利用して、奥に配置されるボールオブジェクト128及び130を、手前に配置されるボールオブジェクト124及び126より小さく表している。このように、ボールオブジェクトの大きさに差を設けることによって、プレイヤは自分がステップ台11の左部(左マーク41)又は右部(右マーク43)を踏むべきなのか、フットスイッチSW2又はSW3を踏むべきなのかを視覚的に判断できる。
【0123】
ボールオブジェクトの出現パターンデータは、音楽を再生するための楽譜データと同期して設定されており、プレイヤが入力すべきタイミング(例えば高さデータHt=0〜20になるタイミング)と、音楽のリズムとが合うようになっている。プロセッサ31は、プレイヤがボールオブジェクトを跳ね返すことに成功した場合、得点表示部114の得点を増加させる。
【0124】
プロセッサ31は、フットスイッチSW1〜SW6のオフからオンへの遷移に応じたトリガの数、及び、ステップ台11の左右に対応した左入力及び右入力の入力無しから入力有りへの遷移に応じたトリガの数に応じて、所定の係数を乗じて消費カロリーを計算し、結果を運動量表示部116に表示する。この場合、左入力及び右入力の入力無しから入力有りへの遷移に応じたトリガの数に乗算される係数は、ステップ台11に昇る分を考慮して、フットスイッチSW1〜SW6のオフオン遷移数に乗算される係数と比較して大きく設定されている。なお、消費カロリーの計算の仕方はこの方法に限られず、他の周知の方法を利用できる。また、特定の計算をせずにステップ数(踏み込み数)を表示するような構成でもよい。
【0125】
プロセッサ31は、時間表示部118に表示される残り時間が0になりしばらくすると、このプレイ画面を終了し、結果表示画面へと表示を変更する。なお、プレイ画面表示中流れる音楽の楽譜データ及びボールオブジェクトの出現パターンデータは、残り時間が0前に終了する程度の長さに設定されている。
【0126】
次に、フローチャートを用いて、図9で説明したプレイ画面を表示するためにプロセッサ31が行う処理の流れについて説明する。
【0127】
図10は、図9で説明したプレイ画面を表示するためにプロセッサ31が行う処理の全体の流れを示すフローチャートである。図10を参照して、ステップS1で、プロセッサ31は、シフトレジスタ18に制御信号を送信し、圧力スイッチPSW及びフットスイッチFSWのオン/オフ情報を取得する。ステップS3に進んで、プロセッサ31は、プレイヤがステップ台の左右又は何れかのフットスイッチを踏んだか否かを判定するための入力判定処理を行う。
【0128】
図11は、図10のステップS3の入力判定処理の流れを示すフローチャートである。ステップS21で、プロセッサ31は、入力フラグF1〜F6をオフにする。入力フラグF1〜F6は、あるフレームにおいて、フットスイッチFSWがオフからオンに遷移したか否か、左入力又は右入力が入力無しから入力有りに遷移したかを示すためのフラグである。入力フラグF1〜F4は、それぞれフットスイッチSW1〜SW4に対応している。また、入力フラグF5はステップ台有りの場合は左入力に対応し、ステップ台無しの場合はフットスイッチSW5に対応している。また、入力フラグF6はステップ台有りの場合は右入力に対応し、ステップ台無しの場合はフットスイッチSW6に対応している。
後述の処理で、各入力フラグがオンになっていると、プロセッサ31は、プレイヤが対応するステップ台11又はフットスイッチSW1〜SW6を踏んだと判断して、対応する応答オブジェクトを変位・変色させ、ボールオブジェクトとの当たり判定を行う。
【0129】
ステップS23に進んで、プロセッサ31は、ステップ台11の有無を確認する。なお、プロセッサ31は、プレイ画面とは別の設定画面(図示せず)において、ステップ台11を使用するか否か、予め設定させている。フットスイッチSW1〜SW4及びステップ台11を用いた入力を行う場合ステップS25へ進み、ステップ台11を用いず、フットスイッチSW1〜SW6を用いた入力を行う場合は、ステップS53に進む。
【0130】
ステップS25からステップS35の処理は、フットスイッチSW1〜SW4について、オフからオンへの遷移があったか否かを判定するための処理である。
ステップS25に進んで、プロセッサ31は、図10のステップS1で取得したフットスイッチSW1〜SW4の何れかのオン/オフ情報をチェックし、ステップS27に進んで、チェック中のフットスイッチの現フレームにおけるオン/オフ情報と、直前フレームにおける当該フットスイッチのオン/オフ情報との比較を行う。ステップS29に進んで、プロセッサ31は、ステップS27の比較の結果、オフからオンへの遷移があればステップS31に進んで、対応する入力フラグをオンにし、ステップS32に進んで、運動量表示部116に表示するための消費カロリーに消費カロリーC1を加算してからステップS33に進み、ステップS29で遷移が無ければ直接ステップS33に進む。ステップS33で、プロセッサ31は、チェック中のフットスイッチの直前フレームにおけるオン/オフ情報を消去し、現フレームにおけるオン/オフ情報を記憶する。ステップS35でプロセッサ31は、フットスイッチSW1〜SW4について全てチェックが終了すればステップS37に進み、まだチェックが済んでいないフットスイッチがあればステップS25に戻り、チェックを続ける。
【0131】
ステップS37からステップS49の処理は、圧力スイッチPSWのオン/オフ情報に基づいて、左入力及び右入力が、入力無しから入力有りに遷移したか否かを判定するための処理である。ステップS37に進んで、プロセッサ31は、図10のステップS1で取得した圧力スイッチPSWのオン/オフ情報をチェックし、ステップS39に進んで、図8で説明したテーブルに基づいて、左入力及び右入力の有無を判定する。
ステップS41に進んで、プロセッサ31は、直前フレームにおいて、左入力(又は右入力)が入力有りだったか入力無しだったかをチェックし、ステップS43で、入力無しから入力有りへの遷移があった場合は、ステップS45で入力フラグF5(又は入力フラグF6)をオンにして、ステップS46に進んで、運動量表示部116に表示するための消費カロリーに消費カロリーC2を加算してからステップS47に進み、ステップS43で遷移が無ければ直接ステップS47に進む。
ここで消費カロリーC2は、ステップ台11の右側又は左側を踏むことに対応した消費カロリーであるため、平らなフットスイッチSW1〜SW6を踏むことに対応した消費カロリーC1よりも大きな消費カロリーとなっている。
ステップS47に進んで、プロセッサ31は、直前フレームにおいて、左入力(又は右入力)が入力有りだったか入力無しだったかを示す情報を消去し、現フレームにおいて、左入力(又は右入力)が入力有りだったか入力無しだったかを示す情報を記憶して、ステップS49に進む。ステップS49で、左入力及び右入力両方についてステップS39からステップS47の処理が済んだか否かをチェックし、YesならばステップS51の入力フラグ補正処理に進み、NoならばステップS39に戻る。
【0132】
ステップS23でステップ台11は使わないと判断し、ステップS53へ進む場合、プロセッサ31は、図10のステップS1で取得したフットスイッチSW1〜SW6の何れかのオン/オフ情報をチェックし、ステップS55に進んで、チェック中のフットスイッチの現フレームにおけるオン/オフ情報と、直前フレームにおける当該フットスイッチのオン/オフ情報との比較を行う。ステップS57に進んで、プロセッサ31は、ステップS55の比較の結果、オフからオンへの遷移があればステップS59に進んで、対応する入力フラグをオンにし、ステップS60に進んで、運動量表示部116に表示するための消費カロリーに、消費カロリーC1を加算してからステップS61に進み、ステップS57で遷移が無ければ直接ステップS61に進む。ステップS61で、プロセッサ31は、チェック中のフットスイッチの直前フレームにおけるオン/オフ情報を消去し、現フレームにおけるオン/オフ情報を記憶する。ステップS63でプロセッサ31は、フットスイッチSW1〜SW6について全てチェックが終了すればリターンし、まだチェックが済んでいないフットスイッチがあればステップS53に戻り、チェックを続ける。
【0133】
図12は図11のステップS51の入力フラグ補正処理の流れを示すフローチャートである。図12を参照して、ステップS71に進んで、プロセッサ31は、直前フレームにおける圧力スイッチPSWのオン/オフ情報と、現フレームにおける圧力スイッチPSWのオン/オフ情報とを比較し、ステップS73に進んで、ステップS71での比較の結果、直前フレームにおける圧力スイッチPSWのオン/オフ情報が、圧力スイッチPL1がオン、PL2がオフ、PR1がオン、PR2がオン(図8のパターン12に相当)で、かつ、現フレームにおける圧力スイッチPSWのオン/オフ情報が、圧力スイッチPL1がオン、PL2がオフ、PR1がオン、PR2がオフ(図8のパターン11に相当)である場合、ステップS77に進み、それ以外の場合はステップS75に進む。
ステップS75に進んで、ステップS71での比較の結果、直前フレームにおける圧力スイッチPSWのオン/オフ情報が、圧力スイッチPL1がオン、PL2がオン、PR1がオン、PR2がオフ(図8のパターン15に相当)で、かつ、現フレームにおける圧力スイッチPSWのオン/オフ情報が、圧力スイッチPL1がオン、PL2がオフ、PR1がオン、PR2がオフ(図8のパターン11に相当)である場合、ステップS79に進み、それ以外の場合はステップS81に進む。
【0134】
ステップS73でYesと判定し、ステップS77に進んだ場合、プロセッサ31は、入力フラグF5をオンからオフに戻して、ステップS81に進む。また、ステップS75でYesと判定し、ステップS79に進んだ場合、プロセッサ31は、入力フラグF6をオンからオフに戻して、ステップS81に進む。ステップS81で、プロセッサ31は、直前のフレームにおける圧力スイッチPSWのオン/オフ情報を消去し、現在のフレームにおける圧力スイッチPSWのオン/オフ情報を記憶して、リターンする。以下、ステップS71からステップS81で行った入力フラグ補正処理の意味について、図13を用いながら説明する。
【0135】
図13は、体重が重いプレイヤがステップ台11の右側を踏んでから、ステップ台11から降りるために足を離すときに起こりうる、圧力スイッチPSWのオン/オフ遷移を示した模式図である。時間的には図13(a)から図13(c)の順番に経過していく。図13(a)は、プレイヤがステップ台11の右側を踏んでいる状態を、図13(b)は、プレイヤがステップ台11から右足を離して降りる途中の状態を、図13(c)は、プレイヤがステップ台11から完全に足を離して降りた状態を、それぞれ示している。
【0136】
図13(a)の状態の場合、圧力スイッチPSWのオン/オフ情報の組み合わせは、図8のパターン12に相当する。前述の通り、パターン12は体重が重いプレイヤがステップ台11の右側にのったと推定して、左入力無し、右入力有りとプロセッサ31が判断する状態である。次に、図13(b)の状態の場合、圧力スイッチPSWのオン/オフ情報の組み合わせは、図8のパターン11に相当する。プレイヤがステップ台11の右側から足を離す際に、ステップ台11にかかる荷重が減少し、高い閾値が割り当てられた圧力スイッチPL2及びPR2がオフになり、低い閾値が割り当てられた圧力スイッチPL1及びPR1はオンになっている。ここでパターン11は、体重が軽いプレイヤが両足でステップ台11にのった状態を本来想定しているため、プロセッサ31は、左入力有り、右入力有りと判断する。そして、プレイヤの足が離れた一番右の状態では、全ての圧力スイッチPSWがオフのパターン1の状態となって、プロセッサ31は、左入力無し、右入力無しとなる。
【0137】
さて、図13(a)の状態から、図13(b)の状態に遷移する際に、プロセッサ31の判断上は、左入力が入力無しから入力有りに遷移し、フラグF5がオンになる。このため、プレイヤがステップ台左側を全く踏んでいないにもかかわらず、プロセッサ31は、ステップ台左側に対応した応答オブジェクト102を変異・変色させ、ボールオブジェクト128が応答オブジェクト102の傍に来ていれば、それを打ち返してしまう。結果、プレイヤは自分の昇降運動と、プレイ画面とが連動していないことに違和感を覚えてしまう。
【0138】
つまり、図12のステップS77で、入力フラグF5をオンからオフに戻す処理は、体重が重いプレイヤがステップ台11の左側を踏んでいないのに、ステップ台11左側に対応した応答オブジェクト102が変異・変色してしまう誤作動が起こらないようにするための補正処理である。同様に、図12のステップS79で、入力フラグF6をオンからオフに戻す処理は、図示での説明は省略するが、体重が重いプレイヤが、ステップ台11の左側を踏んだ状態から足を離す際に、ステップ台11の右側を踏んでいないのに、ステップ台11右側に対応した応答オブジェクト104が変異・変色してしまう誤作動が起こらないようにするための補正処理である。
【0139】
図11のステップS51の入力フラグ補正処理が終了すると、プロセッサ31は、図10のフローにリターンし、ステップS3からステップS5のボール出現制御に進む。ステップS5で、プロセッサ31は、出現パターンデータを参照して、ボールオブジェクトの出現タイミングか否かを判断し、出現タイミングであれば画面上端にボールオブジェクトを出現させるための設定を行う。ステップS7に進んで、プロセッサ31は、画面に表示中のボールオブジェクトの位置を制御するボール移動制御処理を行う。
【0140】
図14は、図10のステップS7のボール移動制御の流れを示すフローチャートである。このボール移動制御は、プロセッサ31が、表示中の各ボールオブジェクトについて、画面中落下または上昇するように制御するものである。図14を参照して、ステップS91でプロセッサ31は、表示中のボールオブジェクトの内の一つのボールオブジェクトをチェックする。ステップS93に進んで、ボールオブジェクトの状態が下降中であればステップS95に進み、上昇中であればステップS113に進む。
【0141】
ステップS95で、プロセッサ31は、ステップS91でチェックしたボールオブジェクトが、画面奥側に表示されるボールオブジェクト128又は130であればステップS97に進む。
ステップS97で、プロセッサ31は、ステップS91でチェックしたボールオブジェクトの高さデータHtが、所定の高さY1以下か否かをチェックし、YesならばステップS99に進み、変数αを所定量インクリメントしてからステップS101に進み、Noならば直接ステップS101に進む。ステップS101で、プロセッサ31は、ステップS91でチェックしたボールオブジェクトの高さデータHtを、移動量a1及び変数α分デクリメントして、ステップS103に進む。
なお、変数αは初期状態では「0」になっている。
【0142】
ステップS97からステップS101までの処理は、ボールオブジェクト128又は130の画面中での移動量(移動速度)を調整するための処理である。プロセッサ31は、ボールオブジェクト128又は130の高さデータHtが所定の高さY1より大きい、つまり画面上側にある場合は、毎フレーム所定の移動量a1で高さデータHtをデクリメントし、ボールオブジェクト128又は130が一定の移動量(移動速度)で下降しているように表示を行う。そして、ボールオブジェクト128又は130の高さデータHtが所定の高さY1より低く、つまり画面下側にくると、移動量a1に、毎フレーム所定量増加していく変数αを加えて高さデータHtをデクリメントする。つまり、プロセッサ31は、ボールオブジェクト128又は130が画面中所定の位置より下側に来ると、ボールオブジェクト128又は130が、毎フレームより大きく移動する(速く移動する)ように制御している。
【0143】
ステップS95で、プロセッサ31は、ステップS91でチェックしたボールオブジェクトが、画面手前側に表示されるボールオブジェクト120から126の何れかであればステップS107に進む。
ステップS107で、プロセッサ31は、ステップS91でチェックしたボールオブジェクトの高さデータHtが、所定の高さY2以下か否かをチェックし、YesならばステップS109に進み、変数βを所定量インクリメントしてからステップS111に進み、Noならば直接ステップS111に進む。ステップS111で、プロセッサ31は、ステップS91でチェックしたボールオブジェクトの高さデータHtを、移動量a2及び変数β分デクリメントして、ステップS103に進む。
なお、変数βは初期状態では「0」になっている。
【0144】
ステップS107からステップS111までの処理は、ボールオブジェクト120〜126の画面中での移動量(移動速度)を調整するための処理であり、処理の内容としてはステップS97からステップS101までの処理と同様である。但し、変数βは変数αより大きく、移動量a2は移動量a1より大きい。つまり、プロセッサ31は、ボールオブジェクト120〜126に比べて、ボールオブジェクト128又は130が画面中で小さく移動する(遅く移動する)ように制御している。画面空間中、遠くにあるボールオブジェクトは遅く、近くにあるボールオブジェクトは速く動くことによって、プレイヤに遠近感を与えることができる。
また、このように移動速度に差を設けることで、画面上端から応答オブジェクトまでの距離が短いボールオブジェクト128及び130と、画面上端から応答オブジェクトまでの距離が長いボールオブジェクト120〜126とで、ボールオブジェクトが表示されている時間がほぼ同一になるように設定されている。このため、プレイヤは、画面奥に表示されるボールオブジェクト128及び130についても、画面手前に表示される
【0145】
ステップS103で、プロセッサ31は、高さデータHtが0以下になった場合、すなわち、ボールオブジェクトが画面下側まで下降したと判断した場合、ステップS105に進んで、ボールオブジェクトの表示を消滅させるための設定を行ってからステップS119に進み、ステップS103で、高さデータHtが0より大きかった場合は、直接ステップS119に進む。
【0146】
ステップS93で、ステップS91でチェックしたボールオブジェクトが上昇中であると判断した場合、プロセッサ31は、ステップS113に進み、移動量a3で高さデータHtをインクリメントする。ステップS115で、ボールオブジェクトが画面上端に達したと判断すれば、ステップS117に進んで、ボールオブジェクトの表示を消滅させるための設定を行ってからステップS119に進み、そうでなければ、直接ステップS119に進む。
【0147】
ステップS119で、プロセッサ31は、表示中の全てのボールオブジェクトについてボール移動制御処理が終了したか否かを判断し、全て終了していればリターンし、まだボール移動制御処理が済んでいない表示中のボールオブジェクトがあればステップS91に戻り、当該ボールオブジェクトに対して、ボール移動制御処理を行う。
【0148】
図10に戻って、ステップS7からステップS9に進み、プロセッサ31は、ステップS3の入力判定で対応する入力があった応答オブジェクトを変異・変色させるための設定を行い、ステップS11の当たり判定に進む。
【0149】
図15は、図10のステップS11の当たり判定の処理の流れを示すフローチャートである。図15を参照して、ステップS121で、プロセッサ31は、表示中のボールオブジェクトの中から一つを選択する。ステップS123からステップS145までの処理は、ステップS121で選択されたボールオブジェクトに対して行われる。
【0150】
ステップS123で、プロセッサ31は、選択されたボールオブジェクトが下降中ならばステップS125へ進み、上昇中であればステップS147へ進む。ステップS125で、プロセッサ31は、選択されたボールオブジェクトが画面奥側に表示されるボールオブジェクト128又は130であれば、ステップS127へ進み、選択されたボールオブジェクトが画面手前側に表示されるボールオブジェクト120〜126の何れかであれば、ステップS137に進む。
【0151】
ステップS127で、選択されたボールオブジェクトの高さデータHtが、ボールオブジェクト128又は130に設定された当たり判定エリア(0≦Ht≦25)内であれば、ステップS129に進み、それ以外は、ステップS147に進む。ステップS129で、選択されたボールオブジェクトに対応した入力フラグがオンになっていた場合、ステップS131に進み、オフならばステップS147に進む。ステップS129からステップS131に進むということは、プレイヤがボールオブジェクトを対応するステップ台11の右側又は左側を、適切なタイミングで踏んだということを意味する。
ステップS131でプロセッサ31は、ボールオブジェクトの状態を下降中から上昇中に変更する。これによって、このボールオブジェクトは次のフレームからは画面下側から画面上側に向かって移動するように制御される。
ステップS133に進んで、プロセッサ31は、得点表示部114に表示するための得点を加算するように設定し、ステップS135で、プレイヤの入力タイミングが適切であることをプレイヤに示すための効果音や映像などのエフェクトを発生させるための設定を行い、ステップS147に進む。
【0152】
ステップS137で、選択されたボールオブジェクトの高さデータHtが、ボールオブジェクト120〜126に設定された当たり判定エリア(0≦Ht≦20)内であれば、ステップS139に進み、それ以外は、ステップS147に進む。ステップS139で、選択されたボールオブジェクトに対応した入力フラグがオンになっていた場合、ステップS141に進み、オフならばステップS147に進む。ステップS139からステップS141に進むということは、プレイヤがボールオブジェクトを対応するフットスイッチFSWを、適切なタイミングで踏んだということを意味する。
ステップS141でプロセッサ31は、ボールオブジェクトの状態を下降中から上昇中に変更する。これによって、このボールオブジェクトは次のフレームからは画面下側から画面上側に向かって移動するように制御される。
ステップS133に進んで、プロセッサ31は、得点表示部114に表示するための得点を加算するように設定し、ステップS135で、プレイヤの入力タイミングが適切であることをプレイヤに示すための効果音や映像などのエフェクトを発生させるための設定を行い、ステップS147に進む。
【0153】
ステップS147で、プロセッサ31は、表示中の全てのボールオブジェクトについて、ステップS121からステップS146の処理を行ったか否かをチェックし、Yesならばリターンし、NoならばステップS121に戻り、残りのボールオブジェクトについても処理を行う。
【0154】
図10に戻って、ステップS11からステップS13に進み、プロセッサ31は、所定時間が終了したか否かをチェックし、YesならばステップS19に進み、NoならばステップS15に進む。ステップS15で、プロセッサ31は、ステップS5〜S11で設定した情報に基づいて画面を更新し、ステップS17に進んで、効果音や音楽などの音声処理を実行して、ステップS1に戻り、処理を続ける。例えば、画面の更新及び音声処理はビデオ同期信号による割り込みに基づいて1/60秒ごとに実行される。
ステップS13からステップS19に進んだ場合、プロセッサ31は、消費カロリーの合計やステップ数などを表示する結果表示画面を表示して、終了する。
【0155】
さて、以上のように、本実施の形態によれば、以下のような効果を奏する。
【0156】
プレイヤはステップ台11の何処かを踏めば、圧力スイッチPSWの内のいずれかがオンになり、荷重が検知されるので、ステップ台11を踏んだことに応じた入力を行える。このため、プレイヤは極力足下を見ることなしに昇降運動することができる。また、ステップ台11のプレイヤが直接踏む部分にはペダルやスイッチ等を設けないため、ステップ台11のプレイヤが踏む面を略水平にすることができ、安全である。
【0157】
また、プレイヤがステップ台11にのる位置を変えると、各圧力スイッチPSWのオン/オフ信号の組み合わせも変わるので、プレイヤはステップ台11の左側にのるか、右側にのるかによって、左入力と右入力とを使い分けることができる。
【0158】
プレイヤがステップ台11にのった際に、ステップ台11と床面との間にかかる荷重は、プレイヤがのった位置に近いほど大きく、プレイヤがのった位置から遠いほど小さい。そこで本実施の形態によれば、各圧力スイッチPSWに割り当てられる閾値を調整することで、プレイヤがステップ台11にのった際に、プレイヤがのっている位置から近い点にかかる大きい荷重だけをオン信号として検出し、プレイヤがのっている位置から遠い点にかかる小さい荷重を無視することができるので、プロセッサ31は、左側に配置された圧力スイッチがオンになっていればプレイヤはステップ台11の左側にのっていると判定し、右側に配置された圧力スイッチがオンになっていればプレイヤはステップ台11の右側にのっていると判定することができる。
【0159】
さらに、圧力スイッチPSWを組み合わせたシンプルな構成なので、荷重の有無だけでなく、荷重の大きさまで検出することが可能なロードセル等の高価なセンサを使用する場合と比較して、製造コストが低い。また、検出信号がオン/オフ信号の組み合わせなので、ロードセル等からの荷重の大きさを示す信号を処理する場合と比較して、プロセッサ31が実行する入力判定処理が簡便である。
【0160】
弾性部材251の素材、厚み、高さ等を調整することで、ステップ台11の構造、想定されるプレイヤの体重等を考慮して、閾値を調整し、圧力スイッチPSWにどの程度の荷重を検知させるかを調整することができる。
【0161】
低い閾値が割り当てられた圧力スイッチPL1及びPR1と、高い閾値が割り当てられた圧力スイッチPL2及びPR2を併用し、ステップ台11にかかる荷重が小さい場合は圧力スイッチPL1及びPR1のオン/オフ信号の組み合わせを参照し、ステップ台11にかかる荷重が大きい場合は圧力スイッチPL2及びPR2のオン/オフ信号の組み合わせを参照することで、プレイヤがステップ台11の表面左側又は右側のどちらを踏んでいるかを判別することが可能な荷重の範囲が広がっている。
【0162】
小さい閾値が割り当てられた圧力スイッチPR1及びPL1はステップ台11の奥に配置し、大きい閾値が割り当てられた圧力スイッチPR2及びPL2はステップ台11の手前に配置することで、逆の配置にした場合と比べて、ステップ台11の左側又は右側のどちらに大きい荷重がかかっているのかを判定しやすくなっている。
【0163】
あるフレームにおける圧力スイッチPSWのオン/オフ情報の組み合わせだけでは、プレイヤの動作またはステップ台11上の位置を判別することが難しい場合でも、オン/オフ情報の変化の順番した場合に補正処理を行うことによって、プレイヤの動作またはステップ台11上の位置を特定することができる。結果、より正確にプレイヤの昇降運動に応じた入力判定結果を得ることができる。
【0164】
プレイヤがステップ台11からおりた場所での運動もフットスイッチFSWによって検知できるので、より総合的にプレイヤのステップ台11を用いた昇降運動を評価することが可能になる。
【0165】
第1マット36と第2マット38とが、マットユニット13として一体的に形成されているので、プレイヤが昇降運動を繰り返すうちに、ステップ台11と第2マット38とが離れて行くことが無いので、安全である。
【0166】
フットスイッチFSWとステップ台11の手前と奥という配置関係に対応して、応答オブジェクト106〜112及びボールオブジェクト120〜126と応答オブジェクト102及び104とボールオブジェクト128及び130も手前と奥という配置関係で表示されるため、対応関係がわかりやすく、プレイヤは、ボールオブジェクト120〜126それぞれ応答オブジェクト106〜112に到達するタイミングにはフットスイッチFSWを踏み、ボールオブジェクト128及び130が応答オブジェクト102及び104に到達するタイミングにはステップ台11の左又は右を踏めばいいということを、より直感的に理解することができる。
【0167】
ボールオブジェクト120〜130を表示が、近く(手前)のものは大きく見え、遠く(奥)のものは小さく見え、かつ、近く(手前)のものは速く動いているように見え、遠く(奥)のものは遅く動いているように見える遠近法の手法にのっとっているため、ボールオブジェクト128及び130が、ボールオブジェクト120〜126より奥にあることがより際立つ。このため、プレイヤはより直感的に踏むべき場所を理解することができる。
【0168】
フットスイッチFSWよりも奥に配置されたステップ台11を踏む際に、物理的な距離の差のために、プレイヤが踏もうと思った時点から実際に踏むまでの時間が、フットスイッチFSWを踏もうとした場合に比べて多く必要な分を、ボールオブジェクト128及び130と、応答オブジェクト102及び104との当たり判定の判定基準を緩めることにより、バランスをとることができる。結果、プレイヤは、ステップ台11を踏もうとする動作を、特別に急いで行わなくても、ボールオブジェクトを跳ね返すことができる。
【0169】
プレイヤは、ステップ台11を利用した昇降運動に応じて変化する映像を楽しみながら運動を行える。また、足下を見なくても入力(足踏みと昇降)を行うことができるので、プレイヤは正面にあるテレビジョンモニタ100を見ながら運動できる。
【0170】
なお、本発明は、上記の実施の形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種種の態様において実施することが可能であり、例えば、以下のような変形も可能である。
【0171】
(1)上記の実施の形態では圧力センサとして、所定の閾値以上の荷重がかかるとオンになるスイッチPSWを用いたが、圧力センサはこれに限らず、例えば荷重の大きさを検出することが可能なロードセル等を使用してもよい。この場合、ロードセル等が所定の閾値以上の荷重を検出した時点で所定の検出信号を出すような構成にしてもよいし、プロセッサ31又はその他の情報処理手段に荷重の大きさを表す信号を送り、大きい荷重がかかっている側にプレイヤがのっていると判断するような構成でもよい。
【0172】
(2)上記の実施の形態での圧力スイッチの数、圧力スイッチがオンになる荷重の値及び/又は圧力スイッチの配置等は、あくまでステップ台11を利用した入力装置を設計した場合の例であり、ステップ台11以外のステップ台を利用した入力装置を設計する場合は、想定されるプレイヤの体重や、ステップ台の構造、プレイヤが当該ステップ台の上にのった場合に、当該ステップ台と床との間にどのような荷重がかかるか、等を考慮して、適宜変更する必要がある。
【0173】
(3)図8のテーブルを用いて説明した、圧力スイッチPSWからのオン/オフ情報の組み合わせと、その組み合わせの場合にプロセッサ31が行う入力判定方法はあくまで例示であり、プロセッサ31は、圧力スイッチPSWからの組み合わせに対して、上記の説明とは異なる入力判定方法を行ってもよい。例えば図16のようなテーブルであってもよい。
【0174】
図16は、圧力スイッチPL1、PL2、PR1及びPR2のオン/オフの組み合わせと、左右入力判定結果と、を関連付けたテーブルの他の例を示す図である。図16を参照して、「左入力」と「右入力」の列において、二重に四角で囲まれた枠が図8とは異なる部分である。具体的には、パターン2、5、6、7、8、10、14における、左右入力の有無が異なっている。
【0175】
図8のテーブルでは、プレイヤが左入力を行ったのであれば、圧力スイッチPL2より先に圧力スイッチPL1がオンになる可能性が高いため、パターン5、6、7、8のように、圧力スイッチPL1がオフで、圧力スイッチPL2がオンの場合、プロセッサ31は左入力が無いと判断し、同様の理由で、パターン2、6、10、14のように、圧力スイッチPR1がオフで、圧力スイッチPR2がオンの場合、プロセッサ31は右入力が無いと判断する。
これに対して、図16のテーブルでは、プレイヤが昇降運動を行う場合、ステップ台11の手前側をよく踏む傾向があることを重視し、ステップ台11の手前側に配置された圧力スイッチPL2がオンであれば左入力有りと判断し、圧力スイッチPR2がオンであれば右入力有りと判断している。
【0176】
(4)また、図12で説明した入力フラグ補正処理はあくまで一例であり、他にも様々な入力フラグ補正処理がありうる。
【0177】
図17は、プロセッサ31が行う入力フラグ補正処理の他の例を示すフローチャートである。この処理は、例えば図12のステップS81の直前に行われる。まず図17で説明する補正処理の意図について説明する。
【0178】
プレイヤが左足をステップ台11の左側に置いた状態で軸足にして、ステップ台11の右側を右足で軽く踏み、再び右足をステップ台から離すという動きを行う場合に、圧力スイッチPSWのオン/オフ情報の組み合わせが、図8のパターン13からパターン14に遷移することがある。図8のテーブルでは、パターン13及びパターン14は、両方右入力は無しと判定されるパターンであるため、入力フラグF6はオフのままであり、右足でステップ台11を軽く踏んだことは検知されない。パターン13からパターン14に遷移した場合には、入力フラグF6をオンにするように補正することで、プレイヤのこのような動きを検知することができる。
【0179】
一方で、体重が重いプレイヤがステップ台11の左側にのった瞬間に、プレイヤの左判新聞の体重がステップ台11に全てかかりきっていない状態があり、圧力スイッチPSWのオン/オフ信号の組み合わせが図8のパターン13の状態を示した後に、プレイヤの左半身分の体重が全てステップ台11にかかった段階でパターン14の状態になることがある。この場合入力フラグF6をオンにしてしまうと、プレイヤはステップ台11の右側を踏んでいないのに、プロセッサ31はプレイヤがステップ台11の右側が踏まれた時と同じ処理を行ってしまう。
【0180】
そこで、パターン13に遷移したときに第1所定カウント分カウントを行うとストップするタイマT1を動作させ、タイマT1がストップしてからパターン13からパターン14に遷移する場合は、プレイヤが左足をステップ台11の左側に置いた状態で軸足にして、ステップ台11の右側を右足で軽く踏み、再び右足をステップ台11から離すという動きを行った場合とみなし、入力フラグF6をオンにし、タイマが動作中にパターン14に遷移する場合は、体重が重いプレイヤがステップ台11の左側にのる途中とみなし、入力フラグF6はオフのままにされる。
【0181】
同様に、パターン4に遷移したときに第1所定カウント分カウントを行うとストップするタイマT2を動作させ、タイマT2がストップしてからパターン4からパターン12に遷移する場合は、プレイヤが右足をステップ台11の右側に置いた状態で軸足にして、ステップ台11の左側を左足で軽く踏み、再び左足をステップ台11から離すという動きを行った場合とみなし、入力フラグF5をオンにし、タイマT2が動作中にパターン12に遷移する場合は、体重が重いプレイヤがステップ台11の右側にのる途中とみなし、入力フラグF5はオフのままにされる。
【0182】
以下、図17のフローについて説明する。図17を参照して、ステップS151で、プロセッサ31は、図12のステップS71での比較の結果、現フレームにおいて、圧力スイッチPSWのオン/オフ情報が、圧力スイッチPL1がオン、PL2がオン、PR1がオフ、PR2がオフ(図8のパターン13に相当)に遷移しているか否かを判定し、YesならばステップS153に進み、タイマT1をスタートさせて、図12のフローにリターンする。
【0183】
ステップS151で、Noと判定した場合、ステップS155に進んで、プロセッサ31は、現フレームにおいて、圧力スイッチPSWのオン/オフ情報が、圧力スイッチPL1がオフ、PL2がオフ、PR1がオン、PR2がオン(図8のパターン4に相当)に遷移しているか否かを判定し、YesならばステップS157に進み、タイマT2をスタートさせて、図12のフローにリターンする。
【0184】
ステップS155で、Noと判定した場合、ステップS159に進んで、直前フレームにおける圧力スイッチPSWのオン/オフ情報が、圧力スイッチPL1がオン、PL2がオン、PR1がオフ、PR2がオフ(図8のパターン13に相当)で、かつ、現フレームにおける圧力スイッチPSWのオン/オフ情報が、圧力スイッチPL1がオン、PL2がオン、PR1がオン、PR2がオフ(図8のパターン14に相当)である場合、ステップS161に進み、それ以外の場合はステップS165に進む。
ステップS161でプロセッサ31は、タイマT1が動作中の場合は、直接図12のフローにリターンし、タイマT1が動作中でなければ、ステップS163で入力フラグF6をオンにしてから図12のフローにリターンする。
【0185】
ステップS159からステップS165に進んだ場合、プロセッサ31は、直前フレームにおける圧力スイッチPSWのオン/オフ情報が、圧力スイッチPL1がオフ、PL2がオフ、PR1がオン、PR2がオン(図8のパターン13に相当)で、かつ、現フレームにおける圧力スイッチPSWのオン/オフ情報が、圧力スイッチPL1がオン、PL2がオフ、PR1がオン、PR2がオン(図8のパターン12に相当)である場合、ステップS167に進み、それ以外の場合は直接図12のフローにリターンする。
ステップS167でプロセッサ31は、タイマT2が動作中の場合は、直接図12のフローにリターンし、タイマT2が動作中でなければ、ステップS167で入力フラグF5をオンにしてから図12のフローにリターンする。
【0186】
以上のように、この補正処理によれば、タイマT1が動作中ならばフラグF6をオンにする補正処理は行われず、タイマT2が動作中ならばフラグF5をオンにする補正処理は行われないため、必要以上に補正処理が行われることを防止することができる。
【0187】
次に、入力フラグ補正処理について、さらに他の例を、図18を用いて説明する。
【0188】
図18は、プロセッサ31が行う入力フラグ補正処理のさらに他の例を示すフローチャートである。この処理は、例えば図12のステップS81の直前に行われ、図17で説明した処理が行われる場合は、その処理とステップS81の処理の間に行われる。この処理は、プレイヤのステップ台11上で重心を崩したことによる荷重の変化から、圧力スイッチPSWのオン/オフ情報の組み合わせが変化し、プレイヤがステップ台11上の左側又は右側を意図的に踏んでいないのに、入力フラグF5又はF6がオンになってしまうことを防止するために、入力フラグF5又はF6が一旦オンになった後、一定時間内は入力フラグF5又はF6がオンにならないようにする補正処理である。
具体的には、入力フラグF5又はF6がオンになった場合、第2所定カウント分カウントするとストップするタイマT3をスタートさせ、タイマT3が動作中は、入力フラグF5又はF6をオフに保つ補正処理である。なお、第2所定カウントは、第1所定カウントと同数でも構わない。
【0189】
図18を参照して、プロセッサ31は、ステップS171で、入力フラグF5又はF6がオンになっていた場合、ステップS173に進み、タイマT3が動作中か否かを判定し、動作中であればステップS175に進んでタイマT3をスタートさせてから図12のフローにリターンし、タイマT3が動作中であれば、ステップS177に進んで、入力フラグF5又はF6をオフに戻してから、図12のフローにリターンする。また、プロセッサ31は、ステップS171で入力フラグF5及びF6が両方オフだった場合も図12のフローに直接リターンする。
【0190】
以上のように、この補正処理によれば、タイマT3のカウント数を調整することで、プレイヤがステップ台11を踏む動作を行うには短すぎる間隔で、左入力又は右入力がそれぞれ連続して無しから有りに遷移した場合は、後に起こった左入力又は右入力の遷移は、プレイヤの意図的なステップ台11を踏む動作に応じたものではないと推定し、入力フラグF5又はF6をオンからオフに補正することができる。すなわち、プレイヤが意図しない動作によって、入力フラグF5又はF6が切り替わることを防止することができる。
【0191】
図19は、図17及び図18の補正処理を行う場合にプロセッサ31が行うタイマ処理ルーチンの流れを示すフローチャートである。図19を参照して、プロセッサ31は、ステップS181で動作中のタイマがあった場合、ステップS183に進み、無かった場合はステップS191に進む。ステップS183で、プロセッサ31は、動作中のタイマを一つインクリメントしステップS185に進む。ステップS185で、プロセッサ31は、所定カウント(タイマT1、T2ならば第1所定カウント、タイマT3ならば第2所定カウント)に達している場合、ステップS187に進んで、タイマを「0」に戻し、ストップさせてからステップS189に進み、まだ所定のカウントに達していない場合は、直接ステップS189に進む。ステップS189で、プロセッサ31は、動作中の全てのタイマに対して、ステップS183からステップS189の処理を行ったか否かをチェックし、まだの場合はステップS183に戻って、未処理のタイマに対して、同様の処理を行う。ステップS189で、全てのタイマについて、ステップS183からステップS189の処理を行ったと判断した場合、プロセッサ31はステップS191に進む。
このタイマ処理ルーチンのステップS181からステップS189の処理は、図10のステップS15の画像更新処理に同期して行われる。ステップS191でプロセッサ31は、ビデオ同期割込信号が有るまで待機し、ビデオ同期信号があると、ステップS181に進み、処理を繰り返す。
【0192】
変形例(3)や(4)で示したように、圧力スイッチPSWからのオン/オフ信号の組み合わせを、どのように解釈し、入力として利用するかは自由であり、ステップ台11の構造や、プロセッサ31が実行するアプリケーションプログラムや、ステップ台11にのることが想定されるプレイヤの体重などを考慮して、上記の変形例以外にも様々なパターンがありえる。
【0193】
(5)上記実施の形態では、プレイヤがステップ台11の右にのったのか、左にのったのかを判別し、入力に利用していたが、プレイヤがステップ台の奥にのったのか、手前にのったのかを判別し、それに応じた入力が得られるような構成でもよい。
【0194】
(6)上記の実施の形態では、運動支援システムは、入力装置1からの入力に応じてテレビジョンモニタ100に表示される映像を制御したが、シンプルにプレイヤの運動量の演算だけを行うような構成であってもよい。
【0195】
(7)上記の実施の形態では、第2マット38は、第1マット36及びステップ台11の手前側に設けられていたが、奥側、右側又は手前側に配置されていてもよい。また、第1マット36及びステップステップ台11の周辺をフットスイッチで取り囲むような構成であってもよい。
【0196】
この構成によれば、プレイヤは、ステップ台11を前後に昇り降りする運動だけでなく、ステップ台11を踏み越えて前後左右に動くような運動も検出し、入力に利用することができる。
【0197】
(8)上記の実施の形態では、ボールオブジェクト128及び130の大きさ及び速度を利用した遠近法によって、ボールオブジェクト128及び130が仮想空間中奥にあることをプレイヤに対して表現していたが、ボールオブジェクト128及び130の色を、他のボールオブジェクトより暗い色にすることや、ボールオブジェクト128及び130の色を寒色で表示し、他のボールオブジェクトを暖色で表示することによっても、ボールオブジェクト128及び130が仮想空間中奥にあることを、プレイヤに対して表現することができる。
【0198】
(9)上記の実施の形態では、入力装置1を入力手段に用いていたが、入力手段はこれに限られず、さまざまな形態がありうる。例えば、上記の実施の形態では、圧力スイッチPSWのオン/オフ情報の組み合わせで、プレイヤ11がステップ台11の右にのったか、左にのったかを判定していたが、ステップ台の表面全体がフットスイッチFSWのようなメンブレンスイッチになっており、プレイヤがのることで入力/非入力が切り替わるような入力手段も考えられる。また、プレイヤが足以外、例えば手などを用いて操作する入力手段もありえる。
【図面の簡単な説明】
【0199】
【図1】本発明の実施の形態による入力システムを応用した運動支援システムの全体構成を示す図である。
【図2】(a)図1のステップ台11を説明する図である。(b)図1のステップ台11を(a)の状態から裏返した状態を示す図である。
【図3】マットユニット13を説明する図である。
【図4】図1の運動支援システムの電気的構成を示す図である。
【図5】(a)圧力スイッチPL1の外観斜視図である。(b)圧力スイッチPL1の分解図である。
【図6】図5(b)の弾性部材25の断面図である。
【図7】天板23を図5(b)で図示した状態の裏側から見た図である。
【図8】圧力スイッチPL1、PL2、PR1及びPR2のオン/オフの組み合わせと、左右入力判定結果と、を関連付けたテーブルを示す図である。
【図9】図1のテレビジョンモニタ100に表示されるプレイ画面の例示図である。
【図10】図9で説明したプレイ画面を表示するためにプロセッサ31が行う処理の全体の流れを示すフローチャートである。
【図11】図10のステップS3の入力判定処理の流れを示すフローチャートである。
【図12】図11のステップS51の入力フラグ補正処理の流れを示すフローチャートである。
【図13】プレイヤがステップ台11の右側を踏んでから、ステップ台11から降りるために足を離すときに起こりうる、圧力スイッチPSWのオン/オフ遷移を示した模式図である。
【図14】図10のステップS7のボール移動制御の流れを示すフローチャートである。
【図15】図10のステップS11の当たり判定の処理の流れを示すフローチャートである。
【図16】変形例(3)における、圧力スイッチPL1、PL2、PR1及びPR2のオン/オフの組み合わせと、左右入力判定結果と、を関連付けたテーブルの他の例を示す図である。
【図17】変形例(4)において、プロセッサ31が行う入力フラグ補正処理の他の例を示すフローチャートである。
【図18】変形例(4)において、プロセッサ31が行う入力フラグ補正処理のさらに他の例を示すフローチャートである。
【図19】図17及び図18の補正処理を行う場合にプロセッサ31が行うタイマ処理ルーチンの流れを示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0200】
1…入力装置、3…カートリッジ、5…アダプタ、7…AVケーブル11…ステップ台、12…ケーブル、13…マットユニット、36…第1マット、38…第2マット、100…テレビジョンモニタ、PL1・PL2・PR1・PR2…圧力スイッチ、SW1・SW2・SW3・SW4・SW5・SW6…フットスイッチ、102〜112…応答オブジェクト、120〜130…ボールオブジェクト

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1操作子と、前記第1操作子と比較してプレイヤから見て奥に配置された第2操作子とを含む入力手段と、
前記第1操作子に対応した第1応答オブジェクト及び前記第1応答オブジェクトに向かって移動する第1移動オブジェクト、並びに、前記第2操作子に対応した第2応答オブジェクト及び前記第2応答オブジェクトに向かって移動する第2移動オブジェクト、を含む仮想空間を表示装置に表示する表示制御手段と、
前記第1移動オブジェクトが前記第1応答オブジェクトに到達するタイミングと、前記第1操作子が操作されたタイミングとが合致したか否か、及び、前記第2移動オブジェクトが前記第2応答オブジェクトに到達するタイミングと、前記第2操作子が操作されたタイミングとが合致したか否か、を判定するタイミング判定手段と、を備え、
前記表示制御手段は、第2応答オブジェクト及び前記第2移動オブジェクトを、前記第1応答オブジェクト及び前記第1移動オブジェクトと比較して、前記仮想空間中奥に表示することを特徴とする、入力システム。
【請求項2】
前記表示制御手段は、前記第2移動オブジェクトを、前記第1移動オブジェクトと比較して小さく表示することを特徴とする、請求項1に記載の入力システム。
【請求項3】
前記表示制御手段は、前記第2移動オブジェクトを、前記第1移動オブジェクトと比較して遅く移動するように表示することを特徴とする、請求項1又は2に記載の入力システム。
【請求項4】
前記表示制御手段は、前記第2移動オブジェクトの色彩の明度を、前記第1移動オブジェクトの色彩の明度と比較して低く表示することを特徴とする、請求項1から3のいずれか1に記載の入力システム。
【請求項5】
前記表示制御手段は、前記第2移動オブジェクトの色彩を寒色で表示し、かつ、前記第1移動オブジェクトの色彩を暖色で表示することを特徴とする、請求項1から4のいずれか1に記載の入力システム。
【請求項6】
第1操作子と、前記第1操作子と比較してプレイヤから見て奥に配置された第2操作子とを含む入力手段と、
前記第1操作子に対応した第1応答オブジェクト及び前記第1応答オブジェクトに向かって移動する第1移動オブジェクト、並びに、前記第2操作子に対応した第2応答オブジェクト及び前記第2応答オブジェクトに向かって移動する第2移動オブジェクト、を含む仮想空間を表示装置に表示する表示制御手段と、
前記第1移動オブジェクトが前記第1応答オブジェクトに到達するタイミングと、前記第1操作子が操作されたタイミングとが合致したか否かを判定する第1判定、及び、前記第2移動オブジェクトが前記第2応答オブジェクトに到達するタイミングと、前記第2操作子が操作されたタイミングとが合致したか否かを判定する第2判定、を実行するタイミング判定手段と、を備え、
前記タイミング判定手段は、前記第2判定の判定基準を、前記第1判定の判定基準と比較して緩く設定していることを特徴とする入力システム。
【請求項7】
前記表示制御手段は、前記第2応答オブジェクト及び前記第2移動オブジェクトを、前記第1応答オブジェクト及び前記第1移動オブジェクトと比較して、前記仮想空間中奥に表示することを特徴とする、請求項6記載の入力システム。
【請求項8】
前記表示制御手段は、前記第2移動オブジェクトを、前記第1移動オブジェクトと比較して小さく表示することを特徴とする、請求項6又は7に記載の入力システム。
【請求項9】
前記表示制御手段は、前記第2移動オブジェクトを、前記第1移動オブジェクトと比較して遅く移動するように表示することを特徴とする、請求項請求項6から8のいずれか1に記載の入力システム。
【請求項10】
前記表示制御手段は、前記第2移動オブジェクトの色彩の明度を、前記第1移動オブジェクトの色彩の明度と比較して低く表示することを特徴とする、請求項6から9のいずれか1に記載の入力システム。
【請求項11】
前記表示制御手段は、前記第2移動オブジェクトの色彩を寒色で表示し、かつ、前記第1移動オブジェクトの色彩を暖色で表示することを特徴とする、請求項6から10のいずれか1に記載の入力システム。
【請求項12】
前記入力手段は、前記操作子をプレイヤが足で踏んで操作することを特徴とする、請求項1から11のいずれか1に記載の入力システム。
【請求項13】
前記入力手段は、段差を有しており、前記第2操作子は、前記第1操作子と比較して、高い段に配置されていることを特徴とする、請求項1から12のいずれか1に記載の入力システム。
【請求項14】
第1操作子と、前記第1操作子と比較してプレイヤから見て奥に配置された第2操作子とを含む入力装置を操作するプレイヤに対して、操作タイミングを指示するためのタイミング指示方法であって、
仮想空間を表示装置に表示するステップと、
前記仮想空間内に、前記第1操作子に対応した第1応答オブジェクト及び第1移動オブジェクトを表示するステップと、
前記第2操作子に対応した第2応答オブジェクト及び第2移動オブジェクトを、前記第1応答オブジェクト及び前記第1移動オブジェクトに対して、前記仮想空間中奥に位置するように表示するステップと、
前記第1移動オブジェクトを前記第1応答オブジェクトに向かって移動させるステップと、
前記第2移動オブジェクトを前記第2応答オブジェクトに向かって移動させるステップと、
前記第1移動オブジェクトが前記第1応答オブジェクトに到達するタイミングと、前記第1操作子が操作されたタイミングとが合致したか否かを判定するステップと、
前記第2移動オブジェクトが前記第2応答オブジェクトに到達するタイミングと、前記第2操作子が操作されたタイミングとが合致したか否かを判定するステップと、を含むタイミング指示方法。
【請求項15】
第1操作子と、前記第1操作子と比較してプレイヤから見て奥に配置された第2操作子とを含む入力装置を操作するプレイヤに対して、操作タイミングを指示するためのタイミング指示方法であって、
仮想空間を表示装置に表示するステップと、
前記仮想空間内に、前記第1操作子に対応した第1応答オブジェクト及び第1移動オブジェクトを表示するステップと、
前記仮想空間内に、前記第2操作子に対応した第2応答オブジェクト及び第2移動オブジェクトを表示するステップと、
前記第1移動オブジェクトを前記第1応答オブジェクトに向かって移動させるステップと、
前記第2移動オブジェクトを前記第2応答オブジェクトに向かって移動させるステップと、
前記第1移動オブジェクトが前記第1応答オブジェクトに到達するタイミングと、前記第1操作子が操作されたタイミングとが合致したか否かを判定する第1判定ステップと、
前記第2移動オブジェクトが前記第2応答オブジェクトに到達するタイミングと、前記第2操作子が操作されたタイミングとが合致したか否かを判定する第2判定ステップと、を含み、
前記第2判定ステップにおける判定基準は、前記第1判定ステップにおける判定基準と比較して、緩い判定基準であることを特徴とする、タイミング指示方法。

【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2009−142299(P2009−142299A)
【公開日】平成21年7月2日(2009.7.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−303983(P2007−303983)
【出願日】平成19年11月26日(2007.11.26)
【出願人】(396025861)新世代株式会社 (138)
【Fターム(参考)】