説明

入力システム

クロスキャパシタンス物体検出システム(30)(電界物体検出システムとしても知られている)の出力がタッチスクリーン装置(15)の出力と合成されるようにしたユーザ入力システム(40)を提供する。このユーザ入力システム(40)の出力は、クロスキャパシタンス物体検出システム(30)から取り出された位置情報と、タッチスクリーン装置(15)から取り出された接触事象の指示情報とを有しうる。他の可能性としては、クロスキャパシタンス物体検出システム(30)から取り出された検出信号(s1 、s2 、s3 、s4 )を、タッチスクリーン装置(15)から取り出された位置情報と組み合わせて処理し、クロスキャパシタンス物体検出システム(30)から取り出される他の検出信号(s1 、s2 、s3 、s4 )から位置情報を決定するのに用いられるアルゴリズムに対し、更新されたパラメータ(p1 、p2 、p3 、p4 )を与えるようにする方法がある。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、クロスキャパシタンス検出を用いる物体検出に関するものである。このクロスキャパシタンス検出は電界検出としても知られている。本発明は特に、ユーザインターフェース入力を生ぜしめるのに物体検出を用いるのに適している。
【0002】
物体検出に用いられる1つの検出技術は容量検出である。物体検出に用いられる他の検出技術はクロスキャパシタンス検出であり、電界検出又は擬似静電気検出とも称されている。
【0003】
その極めて簡単な形態では、容量検出が1つのみの電極を用いており、この電極の負荷容量が測定される。この負荷容量は、電極とこの電極を囲む全ての接地物体との間の全てのキャパシタンスの合計により決定される。これが近接検出で行われているものである。
【0004】
電界検出と称しうるクロスキャパシタンス検出は複数の電極を用いており、2つの電極間の特定のキャパシタンスを有効に測定する。電界発生装置が接続されている電極を電界検出送信電極(又は送信機電極)とみなすことができ、測定装置が接続されている電極を電界検出受信電極(又は受信機電極)とみなすことができる。送信機電極は交流電圧が印加されることにより励起される。これによる電極間の容量結合(すなわち、電気力線の効果)により、受信機電極に変位電流が誘起される。物体(例えば、指又は手)が電極の付近(すなわち、電気力線内)に配置されると、何本かの電気力線が物体により遮断され、容量性電流が減少する。
【0005】
物体の存在は、容量性変位電流を又はその変化をモニタリングすることにより検出される。例えば、米国特許第 6,025,726号明細書には、特に、コンピュータやその他の分野のユーザ入力装置として、電界検出装置を使用することが開示されている。クロスキャパシタンス検出装置は、意図する分野に応じて、ユーザの指か、又は手か、又は体全体の位置を検出する。国際公開公報WO02/103621には、クロスキャパシタンス検出を用いる物体検出システムにおける容量性電流をモニタリングする2相電荷蓄積検出回路が開示されている。この検出回路はディスプレイ内に一体化することができる。
【0006】
一般に、クロスキャパシタンス検出装置には、表示スクリーンを囲んで配置された送信及び受信電極を設けることができ、従って、例えば、容量性タッチスクリーン入力/表示装置に類似する組み合わせ入力/表示装置が得られるが、ユーザは実際にスクリーンに接触する必要はなく、自分の指をスクリーンの付近に配置する必要があるだけである。種々の送信及び受信電極が信号を生ぜしめ、例えば、2つの送信機及び2つの受信機の場合、全部で4つの信号がある。物体、例えば、ユーザの手の指先の計算位置を導出するための4つの信号に関する位置決定アルゴリズムはプロセッサにより実行される。このアルゴリズムには、ユーザの指先は実際にユーザの手に付いているという事実の補償手段を含め、これにより、ユーザが自分の手に対して自分の指を保持する仕方(これは“ジェスチャー”又は“ハンドプロフィール”と称することができる)や、異なるユーザの手同士の相違のような多くの変化を導出することができるようにするのが効果的である。位置決定アルゴリズムでは、指を保持しうるスクリーンからの距離(すなわち、スクリーンがx軸及びy軸で規定されるものとすると、z軸上の距離)を種々のものとすることができる。このような構成の更なる詳細は、2002年5月19〜24日に開催された国際会議の論文集SID Proc Int Symp, Vol 33, No. 2の1410〜1413頁に記載されたC van Berkel氏による論文“3D Touchless Display Interaction”に開示されている(この論文集は参考の為に記載したものである)。
【0007】
本発明者は、位置決定アルゴリズムの精度に関する重要な課題は、検出システムの物理的な点が完全に安定であっても、上述したような変化(例えば、ユーザのジェスチャーに対する変化)を大きく且つ急速に達成しうるようにすることであることを確かめた。従って、この状況では、ジェスチャー等を変化させることにより生ぜしめられる進行中の変化を少なくともある程度導入するための適応処理を提供するのが特に望ましいことを本発明者は確かめた。このような処理は、適応又は実時間校正調整の形態のものであるとみなしうるが、例えば通常のタッチスクリーン上で実行され、例えば、このタッチスクリーンの物理的な点の変化を補償するのに用いられる通常の固定の校正処理とは異なる概念のものであることに注意すべきである。
【0008】
更に、クロスキャパシタンス物体検出入力装置においては、これらの装置が通常、例えば、マウスボタンの“クリック”に相当する接触事象の入力を行わないという欠点があり、従って、入力/表示(スクリーン)の組み合わせ装置のようなクロスキャパシタンス物体検出入力装置に接触事象の入力能力を与えるのが望ましいということを、本発明者は確かめた。
【0009】
第1の観点では、本発明により、
クロスキャパシタンス物体検出システムと、
タッチスクリーン装置と
を具えるユーザ入力システムであって、
前記クロスキャパシタンス物体検出システムと前記タッチスクリーン装置とは、前記クロスキャパシタンス物体検出システムの入力領域が前記タッチスクリーン装置の表示兼入力領域にほぼ対応するように構成されており、前記ユーザ入力システムは更に、
前記クロスキャパシタンス物体検出システムから取り出される出力を、前記タッチスクリーン装置から取り出される出力と組み合わせる処理手段
を具えているユーザ入力システム
を提供する。
【0010】
他の観点では、前記処理手段を、前記クロスキャパシタンス物体検出システムから取り出される検出信号から位置情報を決定するアルゴリズムを用いるように構成することができ、この処理手段は更に、前記クロスキャパシタンス物体検出システムから取り出される検出信号を前記タッチスクリーン装置から取り出される位置情報と組み合わせて、このクロスキャパシタンス物体検出システムから取り出される更なる検出信号から位置情報を決定する際に用いられるアルゴリズムに対し、更新された位置情報を与えるように構成することができる。
【0011】
更に他の観点では、前記処理手段を、前記クロスキャパシタンス物体検出システムの入力領域の副領域について入力を処理するように構成することができ、前記タッチスクリーン装置から取り出される位置情報を取り出す前記副領域に依存して、更新したパラメータをアルゴリズムに与えるようにする。
【0012】
更に他の観点では、前記処理手段を、前記クロスキャパシタンス物体検出システムから取り出される位置情報と、前記タッチスクリーン装置から取り出される接触事象の指示情報とを有する出力を、ユーザ入力システムから生ぜしめるように構成することができる。
【0013】
更に他の観点では、前記処理手段を、前記クロスキャパシタンス物体検出システム及び前記タッチスクリーン装置から取り出される位置情報と、前記タッチスクリーン装置から取り出される接触事象の指示情報とを有する出力を、ユーザ入力システムから生ぜしめるように構成することができる。
【0014】
更に他の観点では、本発明により、
クロスキャパシタンス物体検出システムから出力を取り出す過程と、
タッチスクリーン装置から出力を取り出す過程と
を有するユーザ入力処理方法であって、
前記クロスキャパシタンス物体検出システムと前記タッチスクリーン装置とは、前記クロスキャパシタンス物体検出システムの入力領域が前記タッチスクリーン装置の表示兼入力領域にほぼ対応するように構成し、前記ユーザ入力処理方法は更に、
前記クロスキャパシタンス物体検出システムから取り出される出力を、前記タッチスクリーン装置から取り出される出力と組み合わせる過程
を有するユーザ入力処理方法
を提供する。
【0015】
更に他の観点では、前記クロスキャパシタンス物体検出システムから取り出される出力が検出信号を有し、前記タッチスクリーン装置から取り出される出力が位置情報を有するようにし、前記ユーザ入力処理方法が更に、前記検出信号を前記タッチスクリーン装置から出力される位置情報と組み合わせて処理し、位置決定アルゴリズムに用いるための更新されたパラメータ値を生ぜしめる過程と、これらの更新された位置決定パラメータ値を有する位置決定アルゴリズムを用いて、前記クロスキャパシタンス物体検出システムにより得られた他の検出信号から位置情報を生ぜしめるようにする過程とを有するようにする。
【0016】
更に他の観点では、ユーザ入力を前記クロスキャパシタンス物体検出システムの入力領域の副領域について処理しうるようにし、前記タッチスクリーン装置から取り出される位置情報を取り出す前記副領域に依存して、更新したパラメータをアルゴリズムに与えるようにする。
【0017】
更に他の観点では、前記ユーザ入力処理方法が更に、前記クロスキャパシタンス物体検出システムから取り出される位置情報と、前記タッチスクリーン装置から取り出される接触事象の指示情報とを有する出力をユーザ入力システムから生ぜしめる過程を有するようにする。
【0018】
更に他の観点では、前記ユーザ入力処理方法が更に、前記クロスキャパシタンス物体検出システム及び前記タッチスクリーン装置から取り出される位置情報と、前記タッチスクリーン装置から取り出される接触事象の指示情報とを有する出力を、ユーザ入力システムから生ぜしめる過程を有するようにする。
【0019】
更に他の観点では、本発明により、クロスキャパシタンス物体検出システムから取り出される検出信号と、タッチスクリーン装置から取り出される位置情報とを処理して、クロスキャパシタンス物体検出システムから取り出される他の検出信号から位置情報を決定するアルゴリズムに用いる、更新されたパラメータを生ぜしめるようにしたプロセッサを提供する。
【0020】
更に他の観点では、本発明により、クロスキャパシタンス物体検出システム(電界物体検出システムとしても知られている)の出力を、タッチスクリーン装置、例えば、静電気タッチスクリーン装置の出力と組み合わせるようにしたユーザ入力システムを提供する。ユーザ入力システムの出力は、クロスキャパシタンス物体検出システムから取り出された位置情報と、タッチスクリーン装置から取り出された接触事象の指示情報とを有しうる。他の可能性としては、クロスキャパシタンス物体検出システムから取り出された検出信号を、タッチスクリーン装置から取り出された位置情報と組み合わせて処理し、クロスキャパシタンス物体検出システムから取り出される他の、すなわち、後の検出信号から位置情報を決定するのに用いられるアルゴリズムに対し、更新されたパラメータを与えるようにする方法がある。
【0021】
従って、クロスキャパシタンス物体検出システムに対し更新された進行中の校正処理が与えられ、この処理はタッチスクリーン装置及びクロスキャパシタンス物体検出システムからほぼ同時又は対応する位置情報を用いる。
【0022】
図1は、第1実施例で採用するクロスキャパシタンス(電界としても知られている)物体検出装置(システム)の一部を示す線図である(実際のものに正比例して描いていない)。この装置は、送信機電極1と、交流電圧源5と、受信機電極2と、プロセッサ6(以後クロスキャパシタンスプロセッサ6と称する)とを有する。クロスキャパシタンスプロセッサ6は電流検出回路を有する。
【0023】
交流電圧源5は、送信機電極1に接続されている。クロスキャパシタンスプロセッサ6は受信機電極2に接続されている。
【0024】
動作に際し、送信機電極1に交流電圧が印加されると、電気力線が発生され、これらの電気力線のうち代表的な電気力線10、11、12が受信機電極2を通過する(便宜上、電気力線は図面の紙面のみにあるものとして示してあるが、実際には紙面以外にも存在する3次元領域を形成していることに注意すべきである)。電気力線10、11、12は受信機電極2に小さい交流電流を誘起する。
【0025】
物体7、例えば、指が2つの電極1及び2間の付近に配置されると、この物体7が事実上、これらの電気力線(図1に示す状態では、電気力線10及び11)を遮断し(物体7が存在しない場合には、この物体が占めていた空間を電気力線が通過する)、従って、2つの電極1及び2間のクロスキャパシタンス効果を低減させ、例えば、受信機電極2から流れる電流を減少させる。より厳密に言えば、手がこれら電極を互いに遮蔽するものであり、これが手を囲む電気力線の歪み(終了)により表される。交流電流の減少は、クロスキャパシタンスプロセッサ6の電流検出回路を用いて測定される。この電流検出回路は、交流電圧からのタップオフ信号を用いて電界誘起電流の位相と関連させる。従って、電流検出回路により測定された電流レベルは、物体7の存在、形状及び2つの電極1及び2の位置に対する配置位置の目安となる。この電流レベルが処理されて、送信機電極1及び受信機電極2によって得られる送信機/受信機電極対から取り出される検出信号s1 を生じる。
【0026】
図2は、第1実施例で用いたクロスキャパシタンス物体検出装置30の更なる詳細を示す線図(実際のものに正比例して描いていない)である。この実施例では、クロスキャパシタンス物体検出装置30は、2つの送信機電極、すなわち、図1に示す送信機電極1及び他の電極3と、2つの受信機電極、すなわち、図1に示す受信機電極2及び他の受信機電極4とを有する。これら4つの電極は表示兼入力領域14の4つの隅部に位置する。2つの送信機電極は互いに対向する隅部に存在し、2つの受信機電極も互いに対向する隅部に存在する。送信機電極1及び3と受信機電極2及び4との各電極がクロスキャパシタンスプロセッサ6に接続され、このクロスキャパシタンスプロセッサ6の出力端が位置決定アルゴリズムプロセッサ10に接続されている。
【0027】
この装置には、4つの異なる送信機/受信機電極対、すなわち、送信機電極1及び受信機電極2の対(図1に示す対)と、送信機電極1及び受信機電極4の対と、送信機電極3及び受信機電極2の対と、送信機電極3及び受信機電極4の対とが存在する。これらの各対がそれぞれの検出信号を生じ、この実施例では、クロスキャパシタンスプロセッサ6の出力信号として4つの検出信号s1 、s2 、s3 、s4 が生じる。
【0028】
これら4つの検出信号s1 、s2 、s3 、s4 のレベル又は値は、表示兼入力領域14の付近で指し示す又は移動させるのに用いるユーザの指7の位置に依存する。これらの値がクロスキャパシタンスプロセッサ6から位置決定アルゴリズムプロセッサ10に出力される。これら4つの検出信号s1 、s2 、s3 、s4 が相俟って、ベクトル

で表すことのできる検出信号の組を構成する。
【0029】
位置決定アルゴリズムプロセッサ10は、検出信号s1 、s2 、s3 、s4 の値から、指7(より正確には指7の先端)に対する位置を直角座標x、y、zの形態で決定するアルゴリズムを用いている。直角座標x、y、zの形態の位置はベクトル

で表すことができる。位置決定アルゴリズムの特徴は一組のパラメータで表され、これらのパラメータを以後アルゴリズムパラメータと称する。これらのアルゴリズムパラメータを一緒にしてベクトル

で表すことができる。この実施例では、これらのアルゴリズムパラメータの組に、4つのアルゴリズムパラメータp1 、p2 、p3 、p4 が含まれる。
【0030】
更に、位置決定アルゴリズム自体は、決定すべき位置が、

として与えられる演算子

により表される。
【0031】
図2に示すクロスキャパシタンス物体検出装置30には更に、タッチスクリーン及び他の処理素子が設けられ、意図するユーザの指の先端位置に関連するユーザの手のプロフィール又はそぶりの変化による影響を軽減させるようになっている。このことを図3及び4につき説明する。
【0032】
図3は、クロスキャパシタンス物体検出装置30と、タッチスクリーン及びこれに関連する処理素子を含む他の素子とを有する第1実施例のユーザ入力システムを示す線図(実際のものに正比例して描いていない)である。
【0033】
ユーザ入力システム40は、図2につき上述したクロスキャパシタンス物体検出装置30の素子及び装置(図2と同じ符号で示す)、すなわち、送信機電極1、3と、受信機電極2、4と、クロスキャパシタンスプロセッサ6と、位置決定アルゴリズムプロセッサ10とを有する。
【0034】
更に、ユーザ入力システム40はタッチスクリーンディスプレイ15と、タッチスクリーンプロセッサ16と、校正(キャリブレーション)プロセッサ18と、出力プロセッサ20とを有する。
【0035】
タッチスクリーンディスプレイ15はタッチスクリーンプロセッサ16に結合されている。タッチスクリーンプロセッサ16は更に、校正プロセッサ18及び出力プロセッサ20に結合されている。更に、校正プロセッサ18及び出力プロセッサ20の各々は位置決定アルゴリズムプロセッサ10に結合されている。
【0036】
タッチスクリーンディスプレイ15は、入力と表示との組み合わせ装置であり、本例では通常の容量検出式のタッチスクリーンである。タッチスクリーンディスプレイ15の領域は図2に付き上述した表示兼入力領域14とほぼ一致する。図3は、5つの副領域、すなわち、中央領域14aと、その残りの領域を4つの象限に分割した4つの他の象限形式の副領域14b、14c、14d、14eとを示しており、これら象限形式の副領域の各々は表示兼入力領域14の各隅部に位置している。これらの副領域は物理的には相違はなく、後に詳細に説明するように、タッチスクリーンプロセッサ16により実行される処理演算がこれらの副領域に依存する。
【0037】
ユーザ入力システム40の動作を説明する。ユーザの指7がタッチスクリーンディスプレイ15の表面に接触すると、その結果としてこのタッチスクリーンディスプレイ15から出力される信号がタッチスクリーンプロセッサ16に入力される。通常の方法では、タッチスクリーンプロセッサは、ユーザの指7が表面を接触したスクリーン上の位置をx及びyの直角座標の形態で決定する。位置、すなわち、x及びyの値が、タッチスクリーンプロセッサ16から校正プロセッサ18に且つ出力プロセッサ20にも出力される。
【0038】
クロスキャパシタンスプロセッサ6から出力された前述した検出信号s1 、s2 、s3 、s4 は校正プロセッサ18に入力される。(この入力は、位置決定アルゴリズムプロセッサ10への検出信号s1 、s2 、s3 、s4 の前述した入力に加えて行われる。)従って、校正プロセッサ18はクロスキャパシタンスプロセッサ6からの検出信号s1 、s2 、s3 、s4 と、タッチスクリーンプロセッサ16からのx,y位置情報との双方を受信する。すなわち、校正プロセッサ18は、所定の指及び手の位置に対し、タッチスクリーンディスプレイ15及びクロスキャパシタンス物体検出装置30の双方からほぼ同時に取り出されるそれぞれの信号を受信する。
【0039】
校正プロセッサ18は、タッチスクリーンプロセッサ16からのx,y位置情報を最新の“校正点”として処理する(このことは後に詳細に説明する)。
【0040】
次に、校正プロセッサ18がこの最新の校正点を、指7がタッチスクリーンディスプレイ15に接触した際にクロスキャパシタンスプロセッサ6により得られた検出信号s1 、s2 、s3 、s4 と組み合わせて用いて、後に詳細に説明するようにアルゴリズムパラメータp1 、p2 、p3 、p4 に対する更新値を決定する。次に、校正プロセッサ18がアルゴリズムパラメータp1 、p2 、p3 、p4 に対するこれらの更新値を位置決定アルゴリズムプロセッサ10へ出力する。
【0041】
その後、例えば、ユーザの指がタッチスクリーンディスプレイ15の表面に接触する結果として、アルゴリズムパラメータp1 、p2 、p3 、p4 に対する値が更に更新されるまで、指7(より正確には、指7の先端)に対する位置を直角座標x,y,zの形態で決定する際に、アルゴリズムパラメータp1 、p2 、p3 、p4 に対する前記更新値が位置決定アルゴリズムプロセッサにより用いられる。
【0042】
位置決定アルゴリズムプロセッサ10により決定された位置x,y,zは出力プロセッサ20に出力される。ユーザの指7がタッチスクリーンディスプレイ15の表面に接触する間の時間で、出力プロセッサ20が位置決定アルゴリズムプロセッサ10から受信されたこの位置x,y,zを、ユーザ入力システム40から出力される位置の値として、出力する。しかし、ユーザの指7がタッチスクリーンディスプレイ15に接触した時に、タッチスクリーンプロセッサ16により決定されたx,y位置がこのタッチスクリーンプロセッサ16から出力プロセッサ20に出力され、この出力プロセッサ20により、ユーザ入力システム40から出力される位置の値の出力として出力される。すなわち、本例では、z=0の値の際に、出力プロセッサ20が、x,yに対するクロスキャパシタンス物体検出値ではなく、x,yに対するタッチスクリーン値を出力する。しかし、他の実施例では、出力プロセッサ20が位置決定アルゴリズムプロセッサ10から受信された位置x,y,zを、x,yに対する別の値がタッチスクリーンプロセッサ16から得られるか否かにかかわらず、ユーザ入力システム40から出力される位置の値として出力する。
【0043】
次に、校正点及び演算パラメータの更なる詳細を説明する。上述したように、各校正点はタッチスクリーンプロセッサ16によって得られるx,y位置に対応し、これに対しクロスキャパシタンスプロセッサ6からの検出信号s1 、s2 、s3 、s4 がほぼ同時に与えられる。これらの校正点が校正プロセッサ18により用いられてアルゴリズムパラメータp1 、p2 、p3 、p4 を生ぜしめる。この例では、5つの校正点が用いられ、4つのアルゴリズムパラメータが存在する。他の例では、アルゴリズムパラメータと校正点との双方又は何れか一方の個数を異ならせることができる。
【0044】
上述したように、校正点(従って、演算パラメータ)は、ユーザがユーザ入力システム40を用いる際に更新される。演算パラメータに対する初期値は適切ないかなる方法でも与えることができる。本例では、予め決定した公称校正点x,yであって、その各々に検出信号s1 、s2 、s3 、s4 に対するそれぞれの対応する予め決定した値の組を有するものが、校正プロセッサと関連する記憶手段に記憶される。予め決定された校正点のうちの幾つかが遠く離れた指の位置に対応する。すなわち、信号がそれらの最大値にあると、x及びyに公称値x=0及びy=0が与えられ、zには公称の大きな値(例えば、スクリーン上のスクリーン幅の2倍)が与えられる。これらの点が、z方向でパラメータ化した演算子範囲を与える必要があり、装置の近くにだれもいないことが検出された場合にシステムがこれらの点を交換できるが、ユーザのやりとり中は、代表的にはこれらの点は決して交換されない。より一般には、代表的に公称値は決して交換されないことを多数のx,y,z位置に対して用いることができる。これらの予め記憶された値が校正プロセッサにより用いられて、演算パラメータp1 、p2 、p3 、p4 が生ぜしめられ、これらのパラメータは、ユーザがスクリーンに接触することにより更新した校正点/検出信号の組が形成される結果として演算パラメータ値p1 、p2 、p3 、p4 の新たな組が決定されるまでユーザ入力システム40により用いられる。他の例では、演算パラメータの初期値自体を記憶させ、用いることができる。
【0045】
本例では、5つの校正点が設けられ、表示兼入力領域14の5つの副領域14a〜14eの各々からそれぞれ校正点が得られるようになっている。本例では、更新された校正点が決定される度に、校正プロセッサ18が更に、更新された校正点が副領域14a〜14eのうちのどの副領域に与えられるかを決定し、次に、当該副領域に対する現存の校正点をこの更新された校正点に置き換える。しかし、存在する場合の現在の校正点の何れを、更新された校正点と置き換えるかを決定するのに多くの他の方法又は基準を用いることができ、この点を後に説明する。
【0046】
校正点、演算パラメータ及び位置決定アルゴリズムの更なる詳細を以下に説明する。
【0047】
校正は、既知の位置

と、既知の信号

との対により与えられる。例えば、

となる。太字

はベクトルであり、前述したsi はベクトルにおける要素である。前述した演算子

と既知の校正位置とにより予測される位置における誤差を最小にするパラメータベクトル

(すなわち、演算パラメータp1 、p2 、p3 、p4 の組)を見いだす処理、すなわち、(式に僅かな誤りがあり、訂正版に入れ、相違を見つけうるか)
【数1】

を行う。この処理は分析手法により実行される(或いはまた、数値手法か、又は分析手法と数値手法との組み合わせを用いることができる)。その結果のパラメータベクトル

(すなわち、演算パラメータp1 、p2 、p3 、p4 の組)が記憶され、

からの

の計算に用いられる。
【0048】
本例では、信号ベクトル

を構成する4つの検出信号s1 、s2 、s3 、s4 が存在する。これから位置を導き出すアルゴリズムは、
【数2】

により与えられる。この式において、信号ベクトル

は最大信号に対して正規化される。すなわち、その要素は0と1との間の値をとる。スカラーcとオフセットベクトル

の要素x0 ,y0 ,z0 とが本例の校正を特徴づける4つの演算パラメータである。p1 =c、p2 =x0 、p3 =y0 、p4 =z0 を用いることにより、上記の式を、
【数3】

として書き表すことができる。
【0049】
このことは、この式がベクトル

に対して解きうる式であることを表している。校正点が複数(本例では5個)である場合、式
【数4】

が得られる。このシステムの式は、(例えば)、本例では
【数5】

により与えられるムーア‐ペンローズ一般逆行列のような数学手法により解くことができる。この処理は通常のように自動化される。
【0050】
次に、他の実施例につき説明する。上述した実施例では、出力プロセッサ20がx,y,z位置を有する出力を生ぜしめるが、他の実施例では、ユーザの指7がタッチスクリーンディスプレイ15に接触し、これにより上述したようにタッチスクリーンプロセッサ16から新たな出力を生ぜしめると、出力プロセッサ20はその出力信号に、接触事象が特定のx,y位置で行われたという指示を含む。この接触事象の出力は、通常のマウスをユーザ入力システムの一部として用いた場合のクリックによる出力と同じ又は等価である。
【0051】
次に、主たる第2実施例を図4につき説明する。図4は、主たる第2実施例のユーザ入力システム50を示す線図である(実際のものに正比例して描いていない)。ユーザ入力システム50は、前述したユーザ入力システム40の校正プロセッサ18を有していないことを除いて、前述したユーザ入力システム40の全ての素子を有し、同じ部分に図4と同じ符号を付してある。
【0052】
クロスキャパシタンスプロセッサ6及び位置決定アルゴリズムプロセッサ10は、前述したように、x,y,z位置データを出力プロセッサ20に供給するように動作する。この場合、演算パラメータp1 、p2 、p3 、p4 の更新が存在せず、その代わり1回のみの初期設定が用いられる。この第2実施例では、ユーザの指7がタッチスクリーンディスプレイ15に接触し、これにより上述したようにタッチスクリーンプロセッサ16から新たな出力を生ぜしめると、出力プロセッサ20はその出力信号に、接触事象が特定のx,y位置で行われたという指示を含む。この接触事象の出力は、通常のマウスをユーザ入力システムの一部として用いた場合のクリックによる出力と同じ又は等価である。換言すると、この実施例では、タッチスクリーンディスプレイ15及びタッチスクリーンプロセッサ16が接触事象検出を行うが、クロスキャパシタンス物体検出装置30の校正点の更新を行わない。本例では、タッチスクリーンプロセッサ16がx,y位置情報を出力プロセッサ20に供給する。この出力プロセッサ20は、出力で接触事象を表すことに加えて、タッチスクリーンプロセッサ16により得られるx,y位置をユーザ入力システム50から出力される位置の値として用いる。すなわち、z=0の値の場合、出力プロセッサ20はx,yに対するクロスキャパシタンス物体検出値ではなくx,yに対するタッチスクリーン値を出力する。しかし、単に接触事象を指示する目的のみでタッチスクリーンプロセッサの出力を用いる他の可能性があり、この指示は出力プロセッサ20の出力に含めるが、出力プロセッサの位置出力をクロスキャパシタンス物体検出装置30の位置決定アルゴリズムプロセッサ10から受ける位置情報に完全に基づかせる。
【0053】
上述した実施例では、存在する場合の現在の校正点の何れを、更新された校正点と置き換えるかを決定する方法又は基準は、単に、更新された各校正点が適切な副領域の現在の校正点に取って代わるということである。しかし、他の実施例では、存在する場合の現在の校正点の何れを、更新された校正点と置き換えるかを決定する他の方法又は基準を用いることができる。
【0054】
校正点を副領域に基づいて交換することに加えて、タイミングに基づく基準を採用しうる1つの可能性がある。例えば、1つの追加の基準は、現在の校正点自体が特定の副領域に対する現在の校正点となってから、予め決定した時間量よりも多くの時間が経過した場合のみ、現在の校正点を置き換えるということである。他の可能性は、更新しうる唯一の校正点を、現在の校正点が最長となった副領域に対するものとすることである。
【0055】
より一般的には、副領域を上述した実施例とは異なるように配置することができる。例えば、表示兼入力領域14を4象限に分割するか、又は例えば、9個の副領域を3×3のマトリックスに配置したものとすることができる。
【0056】
他の可能性は、更新するいずれかの校正点が存在する場合に、どれを選択するかは、表示兼入力領域を副領域に分割するのに関連しない基準に基づかせることができるということである。例えば、現在の校正点を時間のみに基づいて更新させる、例えば、現在の校正点のうちの最も古いものに代えて新たに更新される校正点を用いる方式を採用することができる。このような方式には更に、絶対的な時間の観点を含めることもでき、例えば、最も古い校正点が少なくとも予め決定した時間量に対し用いられている場合のみ、この最も古い校正点を置き換えるようにすることができる。
【0057】
他の可能性は、検出信号s1 、s2 、s3 、s4 における雑音量を、スクリーンに接触するユーザの指の個所又は時間の関数として測定又は決定することにある。これに基づく基準、例えば、新たな校正点は、ユーザの接触位置x,yが、雑音信号となる傾向にあるとして決定されたスクリーンの領域に相当する場合に、採用しうる。他の可能性は、検出信号がこれらのそれぞれのx,y位置にあり、ここから取り出される検出信号の雑音が如何なる程度であるかに応じて現在の校正点を評価することであり、最も雑音が大きい位置に相当する校正点が新たに更新される校正点に置き換えられるものである。
【0058】
更に、上述した基準又は方法を組み合わせて用いることができる。例えば、副領域を用い、各副領域に複数の校正点があるようにすることができる。この場合、適切な副領域のみの校正点が新たな校正点に置き換えられるが、置き換えられる副領域における現在の校正点に対する基準を表示兼入力領域全体に対する上述した、時間に基づく又はその他の基準の1つに基づかせることができる。
【0059】
上述した実施例では、タッチスクリーンディスプレイ15の出力を用いて、同時に動作するクロスキャパシタンス物体検出装置30の校正を更新する。このことは、例えば、タッチスクリーンディスプレイ15自体の校正ルーチンと相違する。この点は、実際に、上述した実施例では、タッチスクリーンディスプレイ15を適切ないかなる方法でも通常のようにして校正しうるという観点で強調される。例えば、タッチスクリーンディスプレイが製造中に校正されるか、又はユーザが特定の画像点に接触するように指示されるようにするユーザ校正機能を有するようにすることができる。このような処理の条件及び形態は、上述した実施例におけるクロスキャパシタンス物体検出装置30の校正処理を進行するタッチスクリーンディスプレイ15の使用に依存しないことに注意すべきである。
【0060】
上述した実施例では、表示兼入力領域の4つの隅部に配置された2つの送信機電極及び2つの受信機電極を有する特定のクロスキャパシタンス電極配置を採用している。しかし、他の実施例では、電極数を異なるようにしうることを含む他の電極配置又はレイアウトを用いることができる。この場合、上述した実施例の4つの検出信号s1 、s2 、s3 、s4 に比べて異なる数の検出信号を生ぜしめることもできる。
【0061】
上述した実施例では、特定例の位置決定アルゴリズムを用いている。しかし、他の実施例では、他の位置決定アルゴリズムを用いることができる。従って、このような実施例では、演算パラメータ及び検出信号の双方又は何れか一方の形態又は相互関係を上述した実施例に比べて変えることもできる。
【0062】
上述した実施例では、タッチスクリーンディスプレイが容量性の検出用タッチスクリーンである。しかし、他の実施例では、他の種類のタッチスクリーン装置を採用することができる。
【0063】
上述した実施例では、上述した種々のプロセッサを用いて、これらを上述したように配置した。しかし、他の実施例では、これらプロセッサにより行う処理を、上述したのとは異なる1つ以上の他のプロセッサ、又はプロセッサ装置又はシステムにより行うことができる。例えば、上述したプロセッサの幾つか又は全てを1つの中央プロセッサ内に導入することができる。
【0064】
上述した実施例では、ユーザ入力システム40が使用中であっても、校正点の更新が連続的に実行される。しかし、他の実施例では、校正点の更新を断続的にのみ行われるようにしうる。例えば、校正点の更新は、規則的な間隔で、又は装置のターンオンから所定の設定時間後に、又はタッチスクリーンの所定回数の接触事象後、例えば、10回の接触毎に行うことができる。又は、校正点の更新をユーザが選択しうる、又はユーザが非選択状態にしうる機能とすることができる。
【0065】
上述したある実施例では、タッチスクリーンディスプレイ15及びタッチスクリーンプロセッサ16を用いて、クロスキャパシタンス物体検出装置30の位置決定アルゴリズムプロセッサ10により用いられる校正点を更新するのに用いられる接触事象及び位置情報を指示する。しかし、他の実施例では、タッチスクリーンディスプレイ15及びタッチスクリーンプロセッサ16を用いて接触事象を指示するが、位置情報はクロスキャパシタンス物体検出装置30の位置決定アルゴリズムプロセッサ10により用いられる校正点を更新するのに用いないようにする。このような1つの実施例を以下に図4を参照して説明する。
【0066】
図4は、ユーザ入力システム50を示す線図である(実際のものに正比例して描いていない)。このユーザ入力システム50は前述したユーザ入力システム40の校正プロセッサ18を有していないということを除いて、このユーザ入力システム50は前述したユーザ入力システム40の全ての素子を有しており、ユーザ入力システム40と同じ部分には同じ符号を付してある。クロスキャパシタンスプロセッサ6及び位置決定アルゴリズムプロセッサ10は前述したように動作して、x,y,z位置データを出力プロセッサ20に供給する。この場合、演算パラメータp1 、p2 、p3 、p4 の更新が存在せず、その代わり1回のみの初期設定が用いられる。本例では、ユーザの指7がタッチスクリーンディスプレイ15に接触し、これにより上述したようにタッチスクリーンプロセッサ16から新たな出力を生ぜしめると、出力プロセッサ20はその出力信号に、接触事象が特定のx,y位置で行われたという指示を含める。この接触事象の出力は、通常のマウスをユーザ入力システムの一部として用いた場合のクリックによる出力と同じ又は等価である。換言すると、この実施例では、タッチスクリーンディスプレイ15及びタッチスクリーンプロセッサ16が接触事象検出を行うが、クロスキャパシタンス物体検出装置30の校正点の更新を行わない。本例では、タッチスクリーンプロセッサ16がx,y位置情報を出力プロセッサ20に供給する。この出力プロセッサ20は、出力で接触事象を表すことに加えて、タッチスクリーンプロセッサ16により得られるx,y位置をユーザ入力システム50から出力される位置の値として用いる。すなわち、z=0の値の場合、出力プロセッサ20はx,yに対するクロスキャパシタンス物体検出値ではなくx,yに対するタッチスクリーン値を出力する。しかし、単に接触事象を指示する目的のみでタッチスクリーンプロセッサの出力を用いる他の可能性がある。この接触事象の指示は出力プロセッサ20の出力に含められるが、出力プロセッサ20からの出力はクロスキャパシタンス物体検出装置30の位置決定アルゴリズムプロセッサ10から受ける位置情報に完全に基づいている。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】図1は、クロスキャパシタンス(電界としても知られている)物体検出装置の一部を示す線図(実際のものに正比例して描いていない)である。
【図2】図2は、図1のクロスキャパシタンス物体検出装置の更なる細部を示す線図(実際のものに正比例して描いていない)である。
【図3】図3は、図1のクロスキャパシタンス物体検出装置を有するユーザ入力システムを示す線図(実際のものに正比例して描いていない)である。
【図4】図4は、ユーザ入力システムを示す線図(実際のものに正比例して描いていない)である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
クロスキャパシタンス物体検出システムと、
タッチスクリーン装置と
を具えるユーザ入力システムであって、
前記クロスキャパシタンス物体検出システムと前記タッチスクリーン装置とは、前記クロスキャパシタンス物体検出システムの入力領域が前記タッチスクリーン装置の表示兼入力領域にほぼ対応するように構成されており、前記ユーザ入力システムは更に、
前記クロスキャパシタンス物体検出システムから取り出される出力を、前記タッチスクリーン装置から取り出される出力と組み合わせる処理手段
を具えているユーザ入力システム。
【請求項2】
請求項1に記載のユーザ入力システムにおいて、前記処理手段は、前記クロスキャパシタンス物体検出システムから取り出される検出信号から位置情報を決定するアルゴリズムを用いるように構成され、
この処理手段は更に、前記クロスキャパシタンス物体検出システムから取り出される検出信号を前記タッチスクリーン装置から取り出される位置情報と組み合わせて、このクロスキャパシタンス物体検出システムから取り出される更なる検出信号から位置情報を決定する際に用いられるアルゴリズムに対し、更新された位置情報を与えるように構成されているユーザ入力システム。
【請求項3】
請求項2に記載のユーザ入力システムにおいて、前記処理手段は、前記クロスキャパシタンス物体検出システムの入力領域の副領域について入力を処理するように構成されており、前記タッチスクリーン装置から取り出される位置情報を取り出す前記副領域に依存して、更新したパラメータをアルゴリズムに与えるようになっているユーザ入力システム。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか一項に記載のユーザ入力システムにおいて、前記処理手段は、前記クロスキャパシタンス物体検出システムから取り出される位置情報と、前記タッチスクリーン装置から取り出される接触事象の指示情報とを有する出力を、ユーザ入力システムから生ぜしめるように構成されているユーザ入力システム。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか一項に記載のユーザ入力システムにおいて、前記処理手段は、前記クロスキャパシタンス物体検出システム及び前記タッチスクリーン装置から取り出される位置情報と、前記タッチスクリーン装置から取り出される接触事象の指示情報とを有する出力を、ユーザ入力システムから生ぜしめるように構成されているユーザ入力システム。
【請求項6】
クロスキャパシタンス物体検出システムから出力を取り出す過程と、
タッチスクリーン装置から出力を取り出す過程と
を有するユーザ入力処理方法であって、
前記クロスキャパシタンス物体検出システムと前記タッチスクリーン装置とは、前記クロスキャパシタンス物体検出システムの入力領域が前記タッチスクリーン装置の表示兼入力領域にほぼ対応するように構成し、前記ユーザ入力処理方法は更に、
前記クロスキャパシタンス物体検出システムから取り出される出力を、前記タッチスクリーン装置から取り出される出力と組み合わせる過程
を有するユーザ入力処理方法。
【請求項7】
請求項6に記載のユーザ入力処理方法において、
前記クロスキャパシタンス物体検出システムから取り出される出力が検出信号を有し、
前記タッチスクリーン装置から取り出される出力が位置情報を有するようにし、
このユーザ入力処理方法が更に、
前記検出信号を前記タッチスクリーン装置から出力される位置情報と組み合わせて処理し、位置決定アルゴリズムに用いるための更新されたパラメータ値を生ぜしめる過程と、
これらの更新された位置決定パラメータ値を有する位置決定アルゴリズムを用いて、前記クロスキャパシタンス物体検出システムにより得られた他の検出信号から位置情報を生ぜしめるようにする過程と
を有するユーザ入力処理方法。
【請求項8】
請求項7に記載のユーザ入力処理方法において、ユーザ入力を前記クロスキャパシタンス物体検出システムの入力領域の副領域について処理し、前記タッチスクリーン装置から取り出される位置情報を取り出す前記副領域に依存して、更新したパラメータをアルゴリズムに与えるようにするユーザ入力処理方法。
【請求項9】
請求項6〜8のいずれか一項に記載のユーザ入力処理方法において、この方法が更に、前記クロスキャパシタンス物体検出システムから取り出される位置情報と、前記タッチスクリーン装置から取り出される接触事象の指示情報とを有する出力をユーザ入力システムから生ぜしめる過程を有するユーザ入力処理方法。
【請求項10】
請求項6〜9のいずれか一項に記載のユーザ入力処理方法において、この方法が更に、前記クロスキャパシタンス物体検出システム及び前記タッチスクリーン装置から取り出される位置情報と、前記タッチスクリーン装置から取り出される接触事象の指示情報とを有する出力を、ユーザ入力システムから生ぜしめる過程を有するユーザ入力処理方法。
【請求項11】
クロスキャパシタンス物体検出システムから取り出される検出信号と、タッチスクリーン装置から取り出される位置情報とを処理して、クロスキャパシタンス物体検出システムから取り出される他の検出信号から位置情報を決定するアルゴリズムに用いる、更新されたパラメータを生ぜしめるようにしたプロセッサ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2008−502072(P2008−502072A)
【公表日】平成20年1月24日(2008.1.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−526642(P2007−526642)
【出願日】平成17年6月6日(2005.6.6)
【国際出願番号】PCT/IB2005/051828
【国際公開番号】WO2005/121938
【国際公開日】平成17年12月22日(2005.12.22)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【Fターム(参考)】