説明

入力制御装置、入力制御方法及び入力制御プログラム

【課題】手書き入力する際にタッチペンの接触点状態を判別して手書き情報を識別できる入力制御装置を提供することを目的とする。
【解決手段】
CPU21は、手書き入力が有ったかどうかを判断し(S101)、検出したと判断した場合は(S101:YES)、次に接触点状態判別処理を実行する(S102)。次に、CPU21は、接触点状態に対応するペンIDに、ユーザIDが対応付けて登録されているかどうかを判断する(S103)。登録済と判断した場合(S103:YES)、次に座標情報取得処理を実行する(S106)。手書き情報の座標情報に、タッチペン識別情報データベース2421の入力IDと同じ識別情報で関連付けして、入力情報データベース2411に記憶する(S107)。次に接触点状態に対応した基準座標を算出決定して記憶し(S108)、手書き情報表示処理を実行する(S109)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、手書き入力する際にタッチペンの接触点状態を判別して手書き情報を識別できる入力制御装置、入力制御方法、および入力制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ペン等を用いて画面上に文字や図形を手書き入力する機能を有する情報処理装置が考案されている。前記情報処理装置では、情報を表示するための表示部とタッチパネルなどの入力部を組み合わせることで、使用者により入力された手書き情報の筆跡を表示しながら入力することができるようになっている。
【0003】
さらに、両端が異なる太さのペン先形状を備えたタッチペンを設け、タッチパネル画面への手書き入力時に、ペン先の太さを判定し、書込みモードか消去モードかを判断して、モード切り替え操作に掛かる時間的負担を少なくした入力装置も考案されている。(特許文献1)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平10−214147号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記入力装置では、1つのタッチペンに対して、書込みモードか消去モードかの判定はできるが、1つのタッチパネル画面に対して複数のタッチペンで手書き入力された場合、入力された手書き情報とタッチペンを対応付けして判別することはできないという課題がある。
【0006】
そこで、本発明の目的は、手書き入力する際にタッチペンの接触点状態を判別して手書き情報を識別できる入力制御装置、入力制御方法、および入力制御プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を解決する為に、請求項1に記載の入力制御装置は、異なる複数のタッチペンによる手書き情報の入力を受け付け、前記手書き情報を表示手段へ表示する入力制御装置に於いて、使用者により手書き入力される手書き情報を取得する手書き情報取得手段と、前記手書き情報取得手段により取得した前記手書き情報に基づいて、前記タッチペンによる入力時の接触点の状態である接触点状態を判別する接触点状態判別手段と、前記接触点状態判別手段により判別された前記接触点状態に対応付けて記憶されている前記タッチペンの識別情報であるペン識別情報を特定する特定手段と、前記手書き情報取得手段により取得した前記手書き情報と、前記特定手段により特定された前記ペン識別情報とを対応付けして識別手書き情報として記憶する識別手書き情報記憶手段とを備えることを特徴とする。
【0008】
請求項2に記載の入力制御装置では、請求項1に記載の構成に加え、前記接触点状態判別手段は、入力時の接触点の数、接触点の形状,または接触点の位置関係に基づいて前記接触点状態を判別することを特徴とする。
【0009】
請求項3に記載の入力制御装置では、請求項2に記載の構成に加え、前記識別手書き情報記憶手段は、前記手書き情報取得手段で取得した前記手書き情報に基づいて、前記接触点状態判別手段で判別した接触点の位置から決定される基準位置を前記手書き情報として記憶することを特徴とする。
【0010】
請求項4に記載の入力制御装置では、請求項2乃至3の何れか1項に記載の構成に加え、前記入力制御装置は、予め前記ペン識別情報に対応付けして登録された複数のタッチペンを備え、複数の前記タッチペンは、手書き入力時の接触点の数、接触点の形状,または接触点の位置関係が前記タッチペン毎に異なる様な先端形状で構成されており、前記ペン識別情報と、前記タッチペンの先端形状である前記接触点の数、接触点の形状,または前記接触点の位置関係の情報を対応付けして記憶されているペン識別情報記憶手段を備えることを特徴とする。
【0011】
請求項5に記載の入力制御装置では、請求項4に記載の構成に加え、前記入力制御装置は、前記タッチペンを使用する使用者の識別情報である使用者識別情報を取得する使用者識別情報取得手段をさらに備え、前記ペン識別情報記憶手段は、前記使用者識別情報取得手段で取得した前記使用者識別情報と、前記ペン識別情報を対応付けして記憶することを特徴とする。
【0012】
請求項6に記載の入力制御装置では、請求項4乃至5の何れか1項に記載の構成に加え、前記タッチペンは、先端形状を構成する部分に、手書き入力時に伸縮可能な先端部材が備えられていることを特徴とする。
【0013】
請求項7に記載の入力制御装置では、請求項1乃至6の何れか1項に記載の構成に加え、前記入力制御装置は、識別手書き情報記憶手段にて記憶された前記識別手書き情報の選択を受け付ける選択手段と、前記選択手段で選択された前記識別手書き情報を編集する編集手段をさらに備え、前記編集手段は、前記選択手段で選択された前記識別手書き情報と同じ前記ペン識別情報が対応付けられている前記手書き情報の全てを編集することを特徴とする。
【0014】
請求項8に記載の入力制御方法は、異なる複数のタッチペンによる手書き情報の入力を受け付け、前記手書き情報を表示手段へ表示する入力制御装置にて実行する入力制御方法について、使用者により手書き入力される手書き情報を取得する手書き情報取得ステップと、前記手書き情報取得ステップにより取得した前記手書き情報に基づいて、前記タッチペンによる入力時の接触点の状態である接触点状態を判別する接触点状態判別ステップと、前記接触点状態判別ステップにより判別された前記接触点状態に対応付けて記憶されている前記タッチペンの識別情報であるペン識別情報を特定する特定ステップと、前記手書き情報取得ステップにより取得した前記手書き情報と、前記特定ステップにより特定された前記ペン識別情報とを対応付けして識別手書き情報として記憶する識別手書き情報記憶ステップとを実行することを特徴とする。
【0015】
請求項9に記載の入力制御プログラムは、異なる複数のタッチペンによる手書き情報の入力を受け付け、前記手書き情報を表示手段へ表示する入力制御装置にて実行する入力制御プログラムについて、使用者により手書き入力される手書き情報を取得する手書き情報取得ステップと、前記手書き情報取得ステップにより取得した前記手書き情報に基づいて、前記タッチペンによる入力時の接触点の状態である接触点状態を判別する接触点状態判別ステップと、前記接触点状態判別ステップにより判別された前記接触点状態に対応付けて記憶されている前記タッチペンの識別情報であるペン識別情報を特定する特定ステップと、前記手書き情報取得ステップにより取得した前記手書き情報と、前記特定ステップにより特定された前記ペン識別情報とを対応付けして識別手書き情報として記憶する識別手書き情報記憶ステップとを実行することを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
請求項1に記載の発明の入力制御装置では、異なる複数のタッチペンによる手書き情報の入力を受け付け、手書き情報を表示手段へ表示する入力制御装置であって、使用者により手書き入力される手書き情報を取得する。そして、取得した手書き情報に基づいて、タッチペンによる入力時の接触点の状態である接触点状態を判別する。次に、判別された接触点状態に対応付けて記憶されているタッチペンの識別情報であるペン識別情報を特定する。そして、取得した手書き情報と、特定されたペン識別情報とを対応付けして識別手書き情報として記憶する。したがって、複数の使用者によって、各々が利用する異なるタッチペンで手書き入力する場合でも、タッチペンの接触点の状態を判別することで、入力した手書き情報とタッチペンを対応付けして記憶することができる。
【0017】
請求項2に記載の入力制御装置では、請求項1に記載の効果に加え、入力時の接触点の数、接触点の形状,または接触点の位置関係に基づいて接触点状態を判別する。よって、タッチペンの接触点の状態を的確に判別できるので、使用者は、入力した手書き情報とタッチペンを正確に対応付けて記憶することができるようになる。
【0018】
請求項3に記載の入力制御装置では、請求項2に記載の効果に加え、取得した手書き情報に基づいて、判別した接触点の位置から決定される基準位置を手書き情報として記憶する。よって、使用者は、接触点の異なるタッチペンで入力しても、意図する手書き情報を入力して記憶することができる。
【0019】
請求項4に記載の入力制御装置では、請求項2乃至3の何れか1項に記載の効果に加え、入力制御装置は、予めペン識別情報に対応付けして登録された複数のタッチペンを備える。そして複数のタッチペンは、手書き入力時の接触点の数、接触点の形状,または接触点の位置関係がタッチペン毎に異なる様な先端形状で構成されており、ペン識別情報と、タッチペンの先端形状である接触点の数、接触点の形状,または接触点の位置関係の情報を対応付けして記憶されている。よって、使用者は、予め登録されている先端形状の異なるタッチペンを利用することにより、手書き入力時の接触点の状態を判別でき、入力した手書き情報とタッチペンを正確に対応付けして記憶することができる。
【0020】
請求項5に記載の入力制御装置では、請求項4に記載の効果に加え、入力制御装置は、タッチペンを使用する使用者の識別情報である使用者識別情報を取得する。そして、取得した使用者識別情報と、ペン識別情報を対応付けして記憶する。よって、使用者は、入力制御装置に使用者情報を記憶させて、タッチペンのペン識別情報と対応付けさせることができるので、複数の使用者により手書き情報が入力された場合でも、手書き情報と使用者を各々対応付けして記憶することができる。
【0021】
請求項6に記載の入力制御装置では、請求項4乃至5の何れか1項に記載の効果に加え、タッチペンは、先端形状を構成する部分に、手書き入力時に伸縮可能な先端部材が備えられている。よって、使用者は、先端形状の異なるタッチペンで手書き入力する場合でも、先端部分に備えられた伸縮可能な先端部材によって、ペンの傾きに追従しながら異なる接触点の状態を維持できるので、自由な使用状態でも正確に手書き情報とタッチペンを対応付けして記憶することができる。
【0022】
請求項7に記載の入力制御装置では、請求項1乃至6の何れか1項に記載の効果に加え、入力制御装置は、記憶された識別手書き情報の選択を受け付け、選択された識別手書き情報を編集する。そして選択された識別手書き情報と同じペン識別情報が対応付けられている手書き情報の全てを編集する。よって、使用者は、自身が入力した手書き情報を選択する操作を行うことで、自身が入力した手書き情報のみを容易に編集することができるようになる。
【0023】
請求項8に記載の発明の入力制御方法では、異なる複数のタッチペンによる手書き情報の入力を受け付け、手書き情報を表示手段へ表示する入力制御方法であって、使用者により手書き入力される手書き情報を取得する。そして、取得した手書き情報に基づいて、タッチペンによる入力時の接触点の状態である接触点状態を判別する。次に、判別された接触点状態に対応付けて記憶されているタッチペンの識別情報であるペン識別情報を特定する。そして、取得した手書き情報と、特定されたペン識別情報とを対応付けして識別手書き情報として記憶する。したがって、複数の使用者によって、各々が利用する異なるタッチペンで手書き入力する場合でも、タッチペンの接触点の状態を判別することで、入力した手書き情報とタッチペンを対応付けして記憶することができる。
【0024】
請求項9に記載の発明の入力制御プログラムでは、異なる複数のタッチペンによる手書き情報の入力を受け付け、手書き情報を表示手段へ表示する入力制御プログラムであって、使用者により手書き入力される手書き情報を取得する。そして、取得した手書き情報に基づいて、タッチペンによる入力時の接触点の状態である接触点状態を判別する。次に、判別された接触点状態に対応付けて記憶されているタッチペンの識別情報であるペン識別情報を特定する。そして、取得した手書き情報と、特定されたペン識別情報とを対応付けして識別手書き情報として記憶する。したがって、複数の使用者によって、各々が利用する異なるタッチペンで手書き入力する場合でも、タッチペンの接触点の状態を判別することで、入力した手書き情報とタッチペンを対応付けして記憶することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】入力制御装置10の概略構成図である。
【図2】入力制御装置10の電気的構成図である。
【図3】フラッシュROM24の説明図である。
【図4】入力制御装置10の表示画面説明図である。
【図5】タッチペン11の構成説明図である。
【図6】タッチペン11Cの先端部説明図である。
【図7】タッチペン識別情報データベース2421の説明図である。
【図8】ユーザID登録画面の説明図である。
【図9】入力情報データベース2411Aの説明図である。
【図10】入力情報データベース2411Bの説明図である。
【図11】入力情報データベース2411Cの説明図である。
【図12】入力制御装置10で実行されるメイン処理のフローチャート説明図である。
【図13】入力制御装置10で実行されるユーザ登録処理のフローチャート説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明を具体化した入力制御装置の実施の形態について、図面を参照して説明する。なお、これらの図面は、本発明が採用しうる技術的特徴を説明するために用いられるものであり、記載されている装置の構成、各種処理のフローチャートなどは、それのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例である。
【0027】
まず、図1〜図2を参照して、本実施形態の入力制御装置10の概略構成、電気的構成について、順に説明する。
【0028】
図1(a)、(b)を参照して、本実施形態の入力制御装置10の概略構成について説明をする。図1(a)に示す様に、入力制御装置10は、一般的な材質である樹脂やアルミ等の材質で形成された矩形状の筐体13に、画像や手書きで入力した情報を表示する為の表示手段12が備えられている。さらに、表示手段12には、使用者の指や備え付けのタッチペン11により入力された位置情報を取得するタッチパネルが層状に重ねて配置されている。また、図1(b)は、図1(a)に示した入力制御装置10を図中のL方向から視た側面図を示したものである。図1(b)に示す様に、筐体13に対して、表示手段12が配置されている面と反対側である背面側には、支持部材14が備えられており、水平な載置面に対して筐体13が所定の角度で安定して設置できるようになっている。
【0029】
次に図2を参照して、入力制御装置10の電気的構成について説明する。本実施形態の入力制御装置10は、図2に示す様に、CPU21、ROM22、RAM23、フラッシュROM24と、表示手段12を構成する表示モニタ26、タッチパネル27と、さらに計時手段28を備えており、これらはすべてバスで相互に接続されている。
【0030】
CPU21は、入力制御装置10全体の制御を司る。ROM22は、入力制御装置10の基本的な動作に必要なプログラムやそのための設定値等を記憶している。CPU21は、ROM22に記憶されたプログラムに従って、入力制御装置10の動作を制御する。RAM23は、各種データを一時的に記憶するための記憶装置である。また、フラッシュROM24は、不揮発性の半導体メモリであり、後述する各種記憶エリアを備えている。
【0031】
表示手段12は、例えば液晶表示装置や有機ELディスプレイなどの表示モニタ26と、汎用的なタッチパネル27が層状に重ねて配置されている。表示モニタ26は、入力信号に従って画像や文字等を表示画面に表示する機器であり、使用者が入力制御装置10の各種操作を行うためのアイコン等を表示する操作画面や、画像データ等を表示する。また、タッチパネル27は、汎用的に用いられている抵抗膜方式、静電容量方式、超音波表面弾性波方式、赤外線遮光方式などの何れかの方式で、タッチペン11の接触を検出する機器である。よって、使用者が表示手段12を参照しながらタッチ入力すると、タッチパネル27はタッチ入力された位置の座標情報を取得することができる。また、計時手段28は、現在時刻を提示する時計機能や、また、後述する各種処理で、時間間隔を計測する為のタイマー機能も備えている機器である。
【0032】
次に図3を参照して、フラッシュROM24の構成について説明する。フラッシュROM24は、入力情報記憶エリア241、タッチペン識別情報記憶エリア242、表示画面情報記憶エリア243等を含む複数の各種記憶エリアで構成されている。入力情報記憶エリア241には、詳細な説明は後述するが、先端形状の異なる複数のタッチペン11に各々対応して、使用者によりタッチパネル27を介して入力された手書き情報等が、入力情報データベース2411として記憶されている。また、タッチペン識別情報記憶エリア242には、使用者とタッチペンとを対応付けして記憶するタッチペン識別情報データベース2421が記憶されている。また、表示画面情報記憶エリア243には、本実施形態での入力制御装置10の各種機能を使用者による選択操作で受け付ける為の操作画面情報や、アイコン等の表示画面情報が記憶されている。
【0033】
次に図4、5を参照しながら、手書き情報について説明する。図4は、本実施形態の入力制御装置10の表示手段12に、例えば複数の使用者が、手書き情報A01、B01、C01を入力した状態の表示画面を示す。また、図5には、図4の手書き情報A01、B01、C01が入力される際に使用された3種類のタッチペン11(11A、11B、11C)の形状的な特徴を示している。本実施形態では、手書き情報A01はタッチペン11Aにより入力された情報とし、同様に手書き情報B01はタッチペン11B、手書き情報C01はタッチペン11Cにより入力されたものとする。
【0034】
ここで、図5、6を参照しながら、本実施形態で記載するタッチペン11(11A、11B、11C)について、詳細に説明をする。図5には、タッチペン11の正面図と、その正面図に対応する上部に、タッチペン11の先端部方向から視た図が記載されている。タッチペン11Aは、先端部材Pa1を1つの備えたタッチペンである。また、タッチペン11Bは、入力する際に接触点が2箇所になる様に、先端部材Pb1、Pb2を備えたタッチペンである。さらに、タッチペン11Cは、入力する際に接触点が3箇所になる様に、先端部材Pc1、Pc2、Pc3を備えたタッチペンである。よって、上記3種類のタッチペン11を使用して入力制御装置10へ手書き入力操作を行うと、各々異なる接触点の状態でタッチパネル27によって手書き情報が検出されるようになる。
【0035】
次に、図6を参照しながら、本実施形態でのタッチペン11Cの先端部構成について、詳細に説明をする。図6は、入力制御装置10の表示手段12に対して、タッチペン11Cを所定の角度で使用者により保持されながら手書き入力されている状態を示す図である。また、図6は、上記状態での入力制御装置10の任意の箇所での略断面図である。タッチペン11Cの先端部には、3つの先端部材である先端部材Pc1、Pc2、Pc3が備えられている。本実施形態での先端部は、図示する様な略円筒形状で構成され、使用者による手書き入力操作をされる際の筆圧に耐えうる剛性を備えた材質で形成されれば良く、例えば、汎用的なステンレス、アルミ等の金属部材や、ゴム部材、樹脂部材等を用いれば良いが、これに限るものではない。また、本実施形態でのタッチパネル27に静電容量型を用いる場合は、上記先端部材に導電性の材質、例えば、誘電性繊維(金属細線、炭素繊維、カーボンブラック粒子を練りこんだ繊維、金属メッキ繊維、ナイロン繊維に硫化銅を化学結合させた有機電導性の繊維、誘電性ポリマーコート繊維など)を用いるのが望ましい。さらに、先端部材Pc1、Pc2、Pc3に対して、表示手段12と接触する端の反対側の端には、各先端部材が筆圧に応じて軸線方向に移動可能になるような伸縮部材51、52、53が当接して備えられている。具体的には、先端部材Pc1には伸縮部材51が当接する様に構成され、先端部材Pc2には伸縮部材52、先端部材Pc3には伸縮部材53が、同様に当接するように構成されている。ここで言う伸縮部材は、汎用的な弾性材料を用いれば良く、例えば、バネ部材や、ゴム部材、発砲部材等で構成するのが適しているが、これに限る物ではなく、伸縮、または変形できる材料で構成されれば良い。またさらに、図示は省略するが、タッチペン11Cには、上記3つの先端部材が各々接触しない様にガイド部材等を備えているものとする。上記構成を備えることで、使用者がタッチペン11Cを傾けながら表示手段12に対して手書き情報の入力操作を行う際にも、3つの先端部材が表示手段12に対する角度に合わせて伸縮移動するので、3つの先端部材が表示手段12に対する相対的な接触点の位置関係を維持しながら、表示手段12に接触することができる。
【0036】
また、図示は省略するが、図5に示すタッチペン11Bについても、タッチペン11Cと同様の先端部材と伸縮部材の構成を、先端部材Pb1、Pb2に対して適用すれば、同様に2つの接触点の相対的な位置関係を維持しながら、表示手段12に接触することができる。また、タッチペン11Aについては、先端部材が1つなので、タッチペン11B、11Cのような、伸縮部材を備えても良いし、備えなくても良い。
【0037】
次に、図7を参照しながら、タッチペン識別情報データベース2421について説明をする。タッチペン識別情報データベース2421は、タッチペン識別情報記憶エリア242に記憶されているデータベースであり、入力IDの項目と、ペンIDの項目と、接触点状態の項目と、書式情報の項目と、ユーザIDの項目が対応付けられて記憶されている。入力IDの項目には、使用者により入力制御装置10に対して入力された手書き情報を識別する識別情報が記憶されている。また、ペンIDの項目には、予め登録されている複数のタッチペン11を識別する為の識別情報が記憶されている。また、接触点状態の項目には、タッチペンの先端部材による接触点の状態に関する情報がペンIDに対応付けて記憶されている。書式情報の項目には、手書き情報を表示手段12へ表示する線の書式情報が記憶されている。本実施形態では、書式情報の項目には線の色情報が記憶されているようにしたが、これに限るものではなく、例えば、線の種類、線幅等の情報が対応つけて記憶されるようにしても良い。また、ユーザIDの項目には、後述する図8のユーザID登録画面に対して入力された情報が、使用者を識別する為の識別情報として記憶されている。
【0038】
そこで、図8を参照しながらユーザID登録画面について説明をする。図8に示すユーザID登録画面は、後述する図12のメイン処理のステップ104の処理にて、または図13のユーザ登録処理のステップS202の処理が実行されると、表示画面情報記憶エリア243から呼び出され、表示手段12に表示される画面情報である。図8に示すユーザID登録画面には、使用者の名前等の識別情報を入力する入力領域と、前記識別情報を入力後、確定するOKアイコンが表示されている。よって、使用者は、ユーザ登録画面に対して、入力領域に名前等をタッチペン11、または、図示はしないが、本実施形態に接続されているキーボード等で入力操作する。そして入力操作後に、OKアイコンをタッチ操作することで、入力領域に入力された情報が、図7のユーザIDの項目に記憶される。
【0039】
次に、図9〜図11を参照しながら、入力情報記憶エリア241に記憶されている入力情報データベース2411(A、B、C)について説明をする。また、本実施形態の入力情報データベース2411(A、B、C)は、フラッシュROM24の入力情報記憶エリア241に記憶されている状態で説明をするが、これに限るものではなく、手書き情報が取得されている最中は、RAM23に一時記憶し、タッチペンアップ等により手書き情報が一旦中断した時点で、フラッシュROMに転送して記憶するようにしても良い。図9は、図4に示す手書き情報A01に対応した入力情報データベース2411Aであり、入力IDの項目と、Pa1のX座標、Pa1のY座標、基準X座標、基準Y座標、取得時間の項目が対応付けて記憶されている。入力IDの項目には、手書き情報を識別するための識別情報が記憶されている。また、前記入力IDは、図7の入力IDと対応している情報である。また、Pa1のX座標、Pa1のY座標の項目には、図5で説明したタッチペン11Aの先端部材Pa1による接触点の位置を、タッチパネル27を介して検出し、座標情報に変換して記憶されている。また、本実施形態での前記座標情報は、計時手段28にて計測しながら所定間隔で(例えば50ms)サンプリングして記憶されるようになっている。
【0040】
基準X座標、基準Y座標の項目には、上記のPa1のX座標、Pa1のY座標に基づいて、手書き情報A01を表示手段12へ表示する為の基準座標が決定されて記憶されている。ただ、手書き情報A01は、タッチペン11Aを用いて入力された情報であり、入力時の接触点が一つの先端部材Pa1のみなので、Pa1のX座標、Pa1のY座標の情報を、そのまま基準X座標、基準Y座標として使用するように決定される。
【0041】
また、取得時間の項目には、前述した座標情報が入力され始めた時間を0として、所定間隔毎(本実施形態では50ms)の経過時間が、座標情報と対応して記憶されている。
【0042】
次に、図10を参照しながら、入力情報データベース2411Bについて説明をする。入力情報データベース2411Bは、図4に示す手書き情報B01に対応し、入力IDの項目と、Pb1のX座標、Pb1のY座標、Pb2のX座標、Pb2のY座標、基準X座標、基準Y座標、取得時間の項目が対応付けて記憶されている。入力IDの項目には、手書き情報を識別するための識別情報が記憶されている。また、前記入力IDは、図7の入力IDと対応している情報である。また、Pb1のX座標、Pb1のY座標の項目には、図5で説明したタッチペン11Bの先端部材Pb1による接触点の位置を、タッチパネル27を介して検出し、座標情報に変換して記憶されている。同様に、Pb2のX座標、Pb2のY座標の項目には、図5で説明したタッチペン11Bの先端部材Pb2による接触点の位置を、タッチパネル27を介して検出し、座標情報に変換して記憶されている。また、本実施形態での前記座標情報は、計時手段28にて計測しながら所定間隔で(例えば50ms)サンプリングして記憶されるようになっている。
【0043】
図10の基準X座標、基準Y座標の項目には、上記のPb1のX座標、Pb1のY座標と、Pb2のX座標、Pb2のY座標に基づいて、手書き情報B01を表示手段12へ表示する為の基準座標が決定されて記憶されている。手書き情報B01を入力する際に使用されたタッチペン11Bは、2つの先端部材Pb1、Pb2による2つの接触点にて入力されているので、手書き情報として表示手段12へ表示する為の基準座標は、前記2つの接触点の中心位置になるように決定されている。具体的には、図10に示す基準X座標XB1は、Pb1のX座標Xb1001とPb2のX座標Xb2001の中心座標とし、同様に基準Y座標YB1は、Pb1のY座標Yb1001とPb2のY座標Yb2001の中心座標となるように算出して決定している。
【0044】
また、取得時間の項目には、前述した座標情報が入力され始めた時間を0として、所定間隔毎(本実施形態では50ms)の経過時間が、座標情報と対応して記憶されている。
【0045】
次に、図11を参照しながら、入力情報データベース2411Cについて説明をする。入力情報データベース2411Cは、図4に示す手書き情報C01に対応し、入力IDの項目と、Pc1のX座標、Pc1のY座標、Pc2のX座標、Pc2のY座標、Pc3のX座標、Pc3のY座標、基準X座標、基準Y座標、取得時間の項目が対応付けて記憶されている。入力IDの項目には、手書き情報を識別するための識別情報が記憶されている。また、前記入力IDは、図7の入力IDと対応している情報である。また、Pc1のX座標、Pc1のY座標の項目には、図5で説明したタッチペン11Cの先端部材Pc1による接触点の位置を、タッチパネル27を介して検出し、座標情報に変換して記憶されている。同様に、Pc2のX座標、Pc2のY座標の項目には、図5で説明したタッチペン11Cの先端部材Pc2による接触点の位置に対応し、Pc3のX座標、Pc3のY座標の項目には、先端部材Pc3による接触点の位置を、タッチパネル27を介して検出し、座標情報に変換して記憶されている。
【0046】
図11の基準X座標、基準Y座標の項目には、上記のPb1のX座標、Pb1のY座標と、Pb2のX座標、Pb2のY座標、Pc3のX座標、Pc3のY座標に基づいて、手書き情報C01を表示手段12へ表示する為の基準座標が決定されて記憶されている。手書き情報C01を入力する際に使用されたタッチペン11Cは、3つの先端部材Pc1、Pc2、Pc3による3つの接触点にて入力されているので、手書き情報として表示手段12へ表示する為の基準座標は、前記3つの接触点の中心位置になるように決定されている。具体的には、図11に示す基準X座標XC1は、Pc1のX座標Xc1001とPc2のX座標Xc2001と、Pc3のX座標Xc3001の中心座標とし、同様に基準Y座標YC1は、Pc1のY座標Yc1001とPc2のY座標Yc2001と、Pc3のY座標Yc3001の中心座標となるように算出して決定している。本実施形態でのタッチペン11Cは、3つの先端部材により表示手段12への接触点が三角形を構成するようになっているので、図11の基準X座標、基準Y座標は、三角形の中心位置の座標として算出されることになる。
【0047】
次に、図12を参照しながら、入力制御装置10において実行されるメイン処理について説明する。図12に示すメイン処理は、ROM22に記憶されたプログラムに従って、CPU21が実行する処理である。
【0048】
図12に示すメイン処理は、入力制御装置10の電源がONにされると開始される。まず初めに、CPU21は、手書き入力モードの開始操作があったかどうかを判断する(S100)。ステップS100の処理では、例えば表示手段12に手書き入力モードを開始する旨のアイコン等を表示させて、使用者により手書き入力モードを開始するアイコンがタッチ操作されたかどうかをタッチパネル27を介して判断するようにすれば良い。そして、ステップS100の処理で、CPU21は、開始操作が無いと判断した場合(S100:NO)、開始操作があるまでステップS100の処理を繰り返し実行する。また、ステップS100の処理で、CPU21は、開始操作が有ったと判断した場合(S100:YES)、次に手書き入力が有ったかどうかを判断する(S101)。ステップS101の処理では、具体的には、使用者がタッチペンを用いて表示手段12に対し手書き入力を開始したかどうかを、タッチパネル27による接触検出の結果に基づいて判断する。そしてステップS101の処理で、CPU21は、手書き入力の検出が無いと判断した場合には(S101:NO)、繰り返しステップS101の処理を継続するが、手書き入力を検出したと判断した場合は(S101:YES)、次に接触点状態判別処理を実行する(S102)。
【0049】
ステップS102の処理では、ステップS101の処理で検出された手書き情報に基づいて、接触点の状態を判別する。例えば、ステップS101の処理で検出された手書き情報の接触点が1点であると判断した場合、タッチペン識別情報データベース2421を参照して接触点状態が1点と記憶されているペンIDの11Aに対応していることを判別する処理が実行される。また、ステップS101の処理で検出された手書き情報の接触点が2点であると判断した場合は、接触点状態が2点と記憶されているペンIDの11Bに対応していることを判別する。同様に、ステップS101の処理で検出された手書き情報の接触点が3点であると判断した場合、タッチペン識別情報データベース2421を参照して接触点状態が3点と記憶されているペンIDの11Cに対応していることを判別する処理が実行される。
【0050】
次に、CPU21は、ステップS102で判別した接触点状態に対応するペンIDに、ユーザIDが対応付けて登録されているかどうかを判断する(S103)。ステップS103の処理では、タッチペン識別情報データベース2421を参照し、ステップS102で判別処理した接触点状態に対応してユーザIDが記憶されているかどうかで判断する。そしてCPU21は、ステップS103の処理で登録済と判断した場合(S103:YES)、次に座標情報取得処理を実行する(S106)。また、ステップS103の処理で、CPU21は、登録済でないと判断した場合(S103:NO)、ユーザ登録画面を表示する処理を実行する(S104)。
【0051】
ステップS104の処理では、具体的には、前述した図8に示す様なユーザID登録画面を表示手段12へ表示する。そして次に、CPU21は、ステップS104の処理にてユーザID登録画面に入力されたユーザ情報をユーザIDとして、ステップS102の処理で判別された接触点状態に対応するペンIDに対応付けして、タッチペン識別情報データベース2421に記憶し(S105)、ステップS106へ移行する。
【0052】
ステップS106の処理では、CPU21は、入力される手書き情報に対応する座標情報を取得する。具体的には、所定時間間隔(本実施形態では50ms)毎に、タッチペンの先端部材がタッチパネル27に接触している位置情報をサンプリングして記憶する(S106)。そして、CPU21は、ステップS106の処理で取得した手書き情報の座標情報に、タッチペン識別情報データベース2421の入力IDと同じ識別情報を付与する事で関連付けして、入力情報データベース2411に記憶する(S107)。
【0053】
次に、CPU21は、ステップS106の処理で取得した座標情報から、接触点状態に対応した基準座標を算出決定して記憶する処理を実行する(S108)。ステップS108の処理は、前述に図9〜11を参照しながら具体的に説明したので、ここでの詳細な説明は省略する。そして、CPU21は、手書き情報表示処理を実行する(S109)。ステップS109の処理では、ステップS108の処理で算出して記憶した基準座標に基づく画像情報を、手書き情報として表示手段12へ表示する。よって、先端部材が複数設けられて接触点状態が複数検出されるタッチペン(11B、11C)を使用して、使用者が手書き情報を入力しても、表示手段12には1本の線状態で表示させることになる。
【0054】
ステップS109の処理後、CPU21は、手書き情報に対する編集指示が有ったかどうかを判断する(S110)。ステップS110の処理では、図示は省略するが、例えば手書き情報に対して、図7のタッチペン識別情報データベース2421の書式情報の項目である線の色、線種、線幅の変更や、削除等の編集処理をする為の編集アイコンが表示手段12に表示されているとし、使用者がその編集アイコンをタッチ操作したかどうかで判断すれば良い。ステップS110の処理で、CPU21は、編集指示が有ったと判断した場合(S110:YES)、手書き編集処理を実行する(S111)。ステップS111の処理では、ステップS110の処理にて使用者が編集内容を指示した後、まず編集する対象の手書き情報をタッチペン11でタッチ操作する等の選択指示を受け付ける。そして、選択された手書き情報に対応して記憶されているペンIDをタッチペン識別情報データベース2421から特定し、特定されたペンIDに対応付けられている手書き情報全てを、ステップS110で指示した編集内容の編集対象と特定し、指示された編集内容の編集処理を実行する。そして、ステップS111の処理の後、CPU21は、手書き入力モード終了指示があったかどうかを判断する(S112)。
【0055】
また、ステップS110の処理にて、CPU21は、編集指示が無いと判断した場合は(S110:NO)、手書き入力モード終了指示があったかどうかを判断する(S112)。ステップS112の処理では、具体的には、例えば、表示手段12に手書き入力モードの終了指示を受け付ける為のアイコン等を表示し、使用者が前記アイコン等にタッチ操作するようになっているものとする。そしてステップS112の処理で、CPU21は、終了指示が無いと判断した場合(S112:NO)、ステップS101の処理へ戻り繰り返し処理を実行する。また、ステップS112の処理で、CPU21は、終了指示が有ったと判断した場合(S112:YES)、手書き入力モードを終了し、本処理を終了する。
【0056】
よって、上述で説明した本実施形態のメイン処理を実行することにより、複数の使用者によって、各々が利用する異なるタッチペンで手書き入力する場合でも、タッチペンの接触点の状態を判別することで、入力した手書き情報とタッチペンを対応付けして記憶することができる。
【0057】
なお、上述で説明した本実施形態に示される構成や処理は例示であり、各種の変形が可能なことはいうまでもない。例えば、図12のメイン処理のステップS102〜S105の処理では、最初にタッチペン11のタッチによる接触状態を検出してから、ユーザIDを登録処理するように記載したが、これに限るものではない。変形実施例の一つとして、図13のユーザ登録処理のフローチャートを参照しながら説明をする。
【0058】
図13のユーザ登録処理は、ROM22に記憶されたプログラムに従って、CPU21が実行する処理である。登録処理は、入力制御装置10の電源がONにされると開始される。まず初めに、CPU21は、複数のタッチペン11のいずれか1つが取り出されたかどうかを判断する(S200)。ステップS200の処理では、図示はしないが、入力制御装置10にタッチペン11を収納する収納部を備え、さらに収納部に収納されているタッチペン11が使用者により取り出されたことを検知する取出しセンサを備えているとし、取出しセンサによりタッチペンの取出しの有無を検出できるようにすれば良い。そして、ステップS200の処理で、CPU21は、タッチペン11の取出し検出が無いと判断した場合(S200:NO)、繰り返しステップS200の処理を継続する。
【0059】
また、ステップS200の処理で、CPU21は、タッチペンの取出し検出が有ったと判断した場合(S200:YES)、タッチペン判定処理を実行する(S201)。ここでのステップS201の処理では、ステップS200で取出し検出されたタッチペン11のペンID情報を判定する処理を実行する。具体的には、例えば前記の取出しセンサと、ペンIDとを対応付けして記憶しておけば、タッチペンが取出された際に検出された取出しセンサに対応するペンIDの情報を取得するようにすれば良い。
【0060】
次に、CPU21は、ユーザ登録画面を表示する処理を実行する(S202)。ここでのステップS202の処理では、図12のステップS104の処理と同様の処理であり、図4に示したようなユーザID登録画面が表示手段12に表示される。そして、CPU21は、タッチペン11とユーザIDを対応付け記憶する処理を実行する(S203)。ここでのステップS203の処理では、図12のステップS105の処理と同様の処理が実行され、ユーザID登録画面に入力されたユーザ情報をユーザIDとして、ステップS201の処理で判定されたペンIDに対応付けして、タッチペン識別情報データベース2421に記憶する。そして、本処理を終了する。上記ユーザ登録処理を実行することで、使用者はタッチペン11を取出した後、ユーザIDの登録ができるので、容易にタッチペンと使用者を対応付けして記憶することができるようになる。
【0061】
また、本実施形態では、タッチペンの先端部の種類を図5に示したように3種類にて説明したが、これに限るものではなく、タッチペンの先端部材の本数を、タッチパネル27で検出できる範囲内で増加させることで、それに対応するタッチペン11の種類数を備えるようにしても良い。
【0062】
また、図12に示すステップS102の接触点状態判別処理では、タッチペン11の接触点の数にて判別するよう記載をしたが、これに限るものではない。例えば、タッチペン11の先端部材を複数備え、タッチパネル27へタッチ入力させる際の接触点の数と、その隣接する接触点同士の相対距離の情報も対応付けて、タッチペン識別情報データベース2421の接触点状態の項目に記憶する。そして、同じ接触点の数でも、その相対距離が異なるよう先端部材の配置を構成するタッチペンを備えることができるので、タッチペンの先端部材の本数を過剰に増加させることなく、より多種類のタッチペン11の判別ができるようになる。また、さらに、タッチペン11で入力する際に検出された接触点で形成される形状、例えば、三角形、四角形、菱形、五角形等の情報をタッチペン識別情報データベース2421の接触点状態の項目に記憶することで、同じ接触点の数でも、その接触点により形成される形状になるよう先端部材の配置を構成するタッチペンを備えることができるので、タッチペン11の先端部材の本数を過剰に増加させることなく、より多種類のタッチペン11の判別ができるようになる。また、さらに、タッチペン11の先端部材の材質を帯電性の異なる材質で構成するようにし、その各々のタッチペン11で入力する際に検出された帯電圧、または帯電圧の変化パターンの情報を、予めタッチペン識別情報データベース2421の接触点状態の項目に対応付けして記憶することで、タッチペン11の先端部材の本数を過剰に増加させることなく、より多種類のタッチペン11の判別ができるようにもなる。
【0063】
また、図12のステップS108の処理では、タッチペンの先端部材の接触点から検出された座標情報に基づいて、その中心座標を算出して基準座標としたが、これに限るものではない。例えば。複数の接触点に対応した座標情報の中から、どれか1つの座標情報をそのまま基準座標とするように決定しても良い。複数の座標情報の中から、一つを選択する方法としては、最初にタッチパネルに検出された接触点に対応する座標情報を、基準座標とするようにすれば良い。
【符号の説明】
【0064】
10 入力制御装置
11 タッチペン
11A 先端部材が1つのタッチペン
11B 先端部材が2つのタッチペン
11C 先端部材が3つのタッチペン
12 表示手段
13 筐体
14 支持部材
2411A タッチペン11Aに対応した入力情報データベース
2411B タッチペン11Bに対応した入力情報データベース
2411C タッチペン11Cに対応した入力情報データベース
2421 タッチペン識別情報データベース
51、52、53 伸縮部材
A01 タッチペン11Aにより入力された手書き情報
B01 タッチペン11Bにより入力された手書き情報
C01 タッチペン11Cにより入力された手書き情報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
異なる複数のタッチペンによる手書き情報の入力を受け付け、前記手書き情報を表示手段へ表示する入力制御装置に於いて、
使用者により手書き入力される手書き情報を取得する手書き情報取得手段と、
前記手書き情報取得手段により取得した前記手書き情報に基づいて、前記タッチペンによる入力時の接触点の状態である接触点状態を判別する接触点状態判別手段と、
前記接触点状態判別手段により判別された前記接触点状態に対応付けて記憶されている前記タッチペンの識別情報であるペン識別情報を特定する特定手段と、
前記手書き情報取得手段により取得した前記手書き情報と、前記特定手段により特定された前記ペン識別情報とを対応付けして識別手書き情報として記憶する識別手書き情報記憶手段と、
を備えることを特徴とする入力制御装置。
【請求項2】
前記接触点状態判別手段は、入力時の接触点の数、接触点の形状,または接触点の位置関係に基づいて前記接触点状態を判別することを特徴とする請求項1に記載の入力制御装置。
【請求項3】
前記識別手書き情報記憶手段は、前記手書き情報取得手段で取得した前記手書き情報に基づいて、前記接触点状態判別手段で判別した接触点の位置から決定される基準位置を前記手書き情報として記憶することを特徴とする請求項2に記載の入力制御装置。
【請求項4】
前記入力制御装置は、予め前記ペン識別情報に対応付けして登録された複数のタッチペンを備え、
複数の前記タッチペンは、手書き入力時の接触点の数、接触点の形状,または接触点の位置関係が前記タッチペン毎に異なる様な先端形状で構成されており、
前記ペン識別情報と、前記タッチペンの先端形状である前記接触点の数、接触点の形状,または前記接触点の位置関係の情報を対応付けして記憶されているペン識別情報記憶手段を備えることを特徴とする請求項2乃至3の何れか1項に記載の入力制御装置。
【請求項5】
前記入力制御装置は、前記タッチペンを使用する使用者の識別情報である使用者識別情報を取得する使用者識別情報取得手段をさらに備え、
前記ペン識別情報記憶手段は、前記使用者識別情報取得手段で取得した前記使用者識別情報と、前記ペン識別情報を対応付けして記憶することを特徴とする請求項4に記載の入力制御装置。
【請求項6】
前記タッチペンは、先端形状を構成する部分に、手書き入力時に伸縮可能な先端部材が備えられていることを特徴とする請求項4乃至5の何れかに記載の入力制御装置。
【請求項7】
前記入力制御装置は、識別手書き情報記憶手段にて記憶された前記識別手書き情報の選択を受け付ける選択手段と、
前記選択手段で選択された前記識別手書き情報を編集する編集手段をさらに備え、
前記編集手段は、前記選択手段で選択された前記識別手書き情報と同じ前記ペン識別情報が対応付けられている前記手書き情報の全てを編集することを特徴とする請求項1乃至6の何れか1項に記載の入力制御装置。
【請求項8】
異なる複数のタッチペンによる手書き情報の入力を受け付け、前記手書き情報を表示手段へ表示する入力制御装置にて実行する入力制御方法について、
使用者により手書き入力される手書き情報を取得する手書き情報取得ステップと、
前記手書き情報取得ステップにより取得した前記手書き情報に基づいて、前記タッチペンによる入力時の接触点の状態である接触点状態を判別する接触点状態判別ステップと、
前記接触点状態判別ステップにより判別された前記接触点状態に対応付けて記憶されている前記タッチペンの識別情報であるペン識別情報を特定する特定ステップと、
前記手書き情報取得ステップにより取得した前記手書き情報と、前記特定ステップにより特定された前記ペン識別情報とを対応付けして識別手書き情報として記憶する識別手書き情報記憶ステップと、
を実行することを特徴とする入力制御方法。
【請求項9】
異なる複数のタッチペンによる手書き情報の入力を受け付け、前記手書き情報を表示手段へ表示する入力制御装置にて実行する入力制御プログラムについて、
使用者により手書き入力される手書き情報を取得する手書き情報取得ステップと、
前記手書き情報取得ステップにより取得した前記手書き情報に基づいて、前記タッチペンによる入力時の接触点の状態である接触点状態を判別する接触点状態判別ステップと、
前記接触点状態判別ステップにより判別された前記接触点状態に対応付けて記憶されている前記タッチペンの識別情報であるペン識別情報を特定する特定ステップと、
前記手書き情報取得ステップにより取得した前記手書き情報と、前記特定ステップにより特定された前記ペン識別情報とを対応付けして識別手書き情報として記憶する識別手書き情報記憶ステップと、
を実行することを特徴とする入力制御プログラム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate


【公開番号】特開2012−53526(P2012−53526A)
【公開日】平成24年3月15日(2012.3.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−193510(P2010−193510)
【出願日】平成22年8月31日(2010.8.31)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】