説明

入力装置、キーのレイアウトを制御するためのプログラム

【課題】ユーザは、タッチパネルに表示するキーのレイアウト変更を余計な手間をかけること無く行うことができる入力装置を提供する。
【解決手段】表示部21がユーザからの入力操作を受け付けるためのキーを画面上に表示し、検出部22が表示部21に表示したキーによる押下および開放を検出し、表示形態変更部23が検出部22によりキーによる開放を検出した時点から検出部22によりキーによる押下を検出した時点までの期間に応じて、キーの表示形態を変更する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タッチパネルに表示されるキーのレイアウトを変更することができる入力装置、制御方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ディスプレイモニタとマトリクス スイッチを組み合わせたタッチパネルは、画面上の表示を指や専用なペンで押さえることによって機器を操作することができるため、ディスプレイに表示された操作対象を直接的に入力することができる。このようなタッチパネルは、例えば、銀行のATMや駅の券売機、さらにノードパソコンやPDAなどでも利用されている。
【0003】
タッチパネルを搭載した装置は、ディスプレイの画面上にタッチパネルを設けて各種操作キーのキー画像を表示し、特定のキー画像の表示領域に対応する入力指示領域がユーザにより指示されたことをタッチパネルにより検知して、当該キー画像に割り当てられたデータを入力するようにしたものである。
【0004】
従来、操作パネルの画面に表示されるキーは、メーカサイドで一般的な使われ方を考えて決めた固定サイズであり、複数のキーを表示する場合に、各キーの機能により表示サイズを変えている場合もあるが、同じキーは同じサイズのままでキーのサイズを拡大または縮小することができず、ユーザの癖や好みなどの個人差に対応した操作性を実現することは困難であった。
【0005】
この問題を解決するため、特開2001−75691号公報には、キー設定情報を予め記憶しておいて、入力情報に基づいてキーの表示位置やサイズなどのレイアウトを変更するデータ処理装置及び記憶媒体が開示されている。
【特許文献1】特開2001−75691号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載のレイアウト変更方法は、例えば、レイアウト編集用のアプリケーションを起動し、そのアプリケーションがキーのレイアウトを編集するために必要とする各種データをユーザが予め入力することにより、キーのレイアウトを変更している。つまり、ユーザは、キーのレイアウトを変更するために、各種サービスを利用するためにタッチパネルを押下する入力操作以外に、さらにレイアウト変更用の入力操作を別途行う必要がある。
【0007】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、ユーザは、タッチパネルに表示するキーのレイアウト変更を余計な手間をかけること無く行うことができる入力装置、キーのレイアウトを制御するためのプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の入力装置は、ユーザからの入力操作を受け付けるためのキーを画面に表示する入力装置であって、前記キーを表示する表示部と、前記表示部に表示したキーによる押下および開放を検出する検出部と、前記検出部により前記キーによる開放を検出した時点から前記検出部により前記キーによる押下を検出した時点までの期間に応じて、少なくとも当該キーによって特定される表示領域および当該キーの配置位置を含む、当該キーの表示形態を変更する表示形態変更部と、を備えた構成を有している。
【0009】
この構成により、あるキーの開放からあるキーの押下までの時間に応じてキーの表示形態を変更することによって、ユーザにとって押下し易いようキーの表示形態を変更することができ、誤操作の軽減、操作速度の向上を実現することができる。
【0010】
また、本発明の入力装置は、ユーザからの入力操作を受け付けるためのキーを画面に表示する入力装置であって、前記キーを表示する表示部と、前記表示部に表示したキーによって特定される表示領域近辺において、当該キーを押下するためにユーザが接触した位置を特定する位置特定部と、前記表示領域内の所定の1点と前記位置特定部により特定した位置との位置関係に応じて、少なくとも当該キーによって特定される表示領域および当該キーの配置位置を含む、当該キーの表示形態を変更する表示形態変更部と、を備えた構成を有している。
【0011】
この構成により、キーを表示する画面の特定の表示領域内の所定の1点と位置特定部により特定した位置との位置関係に応じてキーの表示形態を変更することによって、キーの表示領域の範囲外を押下して誤操作することが軽減し、操作性の向上に繋がる。また、ユーザが操作する領域をコンパクトに抑えて操作速度の向上に繋がる。
【0012】
さらに、本発明の入力装置は、ユーザからの入力操作を受け付けるためのキーを画面に表示する入力装置であって、前記キーを表示する表示部と、前記表示部に表示したキーによる押下および開放を検出する検出部と、前記表示部に表示したキーによって特定される表示領域近辺において、当該キーを押下するためにユーザが接触した位置を特定する位置特定部と、前記検出部により前記キーによる開放を検出した時点から前記検出部により前記キーによる押下を検出した時点までの期間と、前記表示領域内の所定の1点と前記位置特定部により特定した位置との位置関係と、に基づいて、少なくとも当該キーによって特定される表示領域および当該キーの配置位置を含む、当該キーの表示形態を変更する表示形態変更部と、を備えた構成を有している。
【0013】
この構成により、あるキーの開放からあるキーの押下までの時間及びキーを表示する画面の特定の表示領域内の所定の1点と位置特定部により特定した位置との位置関係に応じてキーの表示形態を変更することによって、ユーザにとって押下し易いようキーの表示形態を変更することができると同時にキーの表示領域の範囲外を押下して誤操作することが軽減し、操作性の向上に繋がる。また、ユーザが操作する領域をコンパクトに抑えて操作速度の向上に繋がる。
【0014】
さらに、本発明の入力装置は、上記キーが複数ある場合、前記表示部は、複数のキーを表示し、前記検出部は、前記表示部に表示した各キー毎の押下および開放を検出し、前記表示形態変更部は、前記検出部により前記複数のキーのうちのいずれか1つの開放を検出した時点から前記検出部により前記複数のキーのうちのいずれか1つの押下を検出した時点までの期間に応じて、少なくとも当該キーによって特定される表示領域および当該キーの配置位置を含む、当該キーの表示形態を変更する。
【0015】
この構成により、キーが複数ある場合であっても、複数のキーのうちのいずれか1つの開放を検出した時点から検出部により複数のキーのうちのいずれか1つの押下を検出した時点までの期間に応じて、キーの表示形態を変更することによって、ユーザにとって押下し易いようキーの表示形態を変更することができる。
【0016】
さらに、本発明の入力装置は、上記キーが複数ある場合、前記表示部は、複数のキーを表示し、前記位置特定部は、前記表示部に表示した複数のキーそれぞれによって特定される表示領域近辺において、当該キーを押下するためにユーザが接触した位置を特定し、前記表示形態変更部は、前記複数のキーそれぞれにおける、前記表示領域内の所定の1点と前記位置特定部により特定した位置との位置関係に応じて、少なくとも当該キーによって特定される表示領域および当該キーの配置位置を含む、当該キーの表示形態を変更する。
【0017】
この構成により、キーが複数ある場合であっても、複数のキーそれぞれにおける、表示領域内の所定の1点と前記位置特定部により特定した位置との位置関係に応じて、キーの表示形態を変更することによって、キーの表示領域の範囲外を押下して誤操作することが軽減し、操作性の向上に繋がる。また、ユーザが操作する領域をコンパクトに抑えて操作速度の向上に繋がる。
【0018】
さらに、本発明の入力装置は、上記キーが複数ある場合、前記表示部は、複数のキーを表示し、前記検出部は、前記表示部に表示した各キー毎の押下および開放を検出し、前記位置特定部は、前記表示部に表示した複数のキーそれぞれによって特定される表示領域近辺において、当該キーを押下するためにユーザが接触した位置を特定し、前記表示形態変更部は、前記検出部により前記複数のキーのうちのいずれか1つの開放を検出した時点から前記検出部により前記複数のキーのうちのいずれか1つの押下を検出した時点までの期間と、前記複数のキーそれぞれにおける、前記表示領域内の所定の1点と前記位置特定部により特定した位置との位置関係と、に基づいて、少なくとも当該キーによって特定される表示領域および当該キーの配置位置を含む、当該キーの表示形態を変更する。
【0019】
この構成により、キーが複数ある場合であっても、あるキーの開放からあるキーの押下までの時間及びキーを表示する画面の特定の表示領域内の所定の1点と位置特定部により特定した位置との位置関係に応じてキーの表示形態を変更することによって、ユーザにとって押下し易いようキーの表示形態を変更することができると同時にキーの表示領域の範囲外を押下して誤操作することが軽減し、操作性の向上に繋がる。また、ユーザが操作する領域をコンパクトに抑えて操作速度の向上に繋がる。
【0020】
本発明のキーのレイアウトを制御するためのプログラムは、ユーザからの入力操作を受け付けるために画面に表示するキーのレイアウトをコンピュータに制御させるためのプログラムであって、画面に表示したキーによる開放を検出する開放検出ステップと、画面に表示したキーによる押下を検出する押下検出ステップと、前記開放検出ステップにより前記キーによる開放を検出した時点から前記押下検出ステップにより前記キーによる押下を検出した時点までの期間に応じて、少なくとも当該キーによって特定される表示領域および当該キーの配置位置を含む、当該キーの表示形態を変更する表示形態変更ステップと、を有する。
【0021】
また、本発明のキーのレイアウトを制御するためのプログラムは、ユーザからの入力操作を受け付けるために画面に表示するキーのレイアウトをコンピュータに制御させるためのプログラムであって、画面に表示したキーによって特定される表示領域近辺において、当該キーを押下するためにユーザが接触した位置を特定する位置特定ステップと、前記表示領域内の所定の1点と前記位置特定部により特定した位置との位置関係に応じて、少なくとも当該キーによって特定される表示領域および当該キーの配置位置を含む、当該キーの表示形態を変更する表示形態変更ステップと、を有する。
【発明の効果】
【0022】
本発明の入力装置およびプログラムによれば、ユーザは、各種サービスを利用するためにタッチパネルを押下する入力操作がタッチパネルに表示されているキーのレイアウト変更用の入力操作を兼ねているため、キーのレイアウト変更用の入力操作を別途行う必要がない。このため、ユーザは、タッチパネルに表示するキーのレイアウト変更を余計な手間をかけること無く行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、本発明の実施形態の入力装置について、図面を用いて説明する。
【0024】
まず、タッチパネルの構造を説明する。図1はタッチパネルの構造を示す図である。
図1において、セグメント化されたタッチパネル1上のセクションに対して、タッチセクション検出回路2は、指の接触の有無を検出し、接触のあるタッチセクション位置の座標Pti=P(xi,yi)を順次出力する。ここで、指の接触面にはある面積があるので、一般に、指が接触したセクションは複数であり、この場合、タッチセクション検出回路2は順次タッチセクション位置座標を出力する。入力位置情報決定回路3は、前記タッチセクション検出回路2から出力される複数のタッチセクション位置座標を基礎データとし、統計データに基づく位置係数との演算により、入力位置情報となる一点の座標を決定する。これによって、例えば、ノードパソコンのキーボードとしてタッチパネルを利用する場合、ユーザが「A」のキーを指で押したら、タッチセクション検出回路2は、その接触のある複数のタッチセクション位置の座標、即ち「A」のキーに対応する複数のタッチセクション位置の座標を順次出力し、入力位置情報決定回路3は、タッチセクション検出回路2からの「A」のキーに対応する複数のタッチセクション位置の座標を基礎データとして、統計データに基づく位置係数との演算により、「A」のキーに対応する一点の座標を決定する。この検出された位置情報が処理され、パソコンへと伝達され、パソコン制御によって、ユーザが指定の動作、ここでは、Aの入力動作が行われる。
【0025】
上述したように、1つのキーは複数のセクションで構成されているため、同じ1つのキーを押下したときでもユーザが接触したセクションが異なる可能性がある。このため、タッチパネルは、ユーザがある1つのキーを複数回押下した場合に、各押下毎の接触位置となる座標があるキー近辺に分布していることを認識することができる。仮に、1つのキーに1つのセクションを割り当てる構成にしてしまうと、ユーザがある1つのキーを複数回押下した場合に、各押下毎の接触位置となる座標は全て同じになり、あるキー近辺に分布していることを認識できない。
【0026】
以下、あるキーの開放からあるキーの押下までの時間に基づいてキーのレイアウトを自動的に変更する第1の実施形態と、表示されているキーに対して、接触された各位置に基づいてキーのレイアウトを自動的に変更する第2の実施形態とを説明する。
【0027】
(第1の実施形態)
本実施の形態は、あるキーの開放からあるキーの押下までの時間に基づいてキーのピッチ及びキーのサイズを自動的に変更する例である。ここで、キーのピッチは、隣りあう2つのキーにおいて、最も接近している一方のキーの端と他方のキーの端との距離を指している。また、キーのサイズは、1つのキーの面積(あるいは縦または横の長さ)を指している。
【0028】
図2は、本実施形態の入力装置の構成を示すブロック図である。図2において、入力装置20は、ユーザからの入力操作を受け付けるためのキーを画面上に表示する表示部21と、表示部21に表示したキーによる押下および開放を検出する検出部22と、検出部22によりキーによる開放を検出した時点から検出部22によりキーによる押下を検出した時点までの期間に応じて、キーの表示形態を変更する表示形態変更部23を有して構成される。
【0029】
図3は、キーが複数ある場合、本実施形態の入力装置20を用いて入力操作を行う時、キーのピッチ及びキーのサイズを自動的に変更する動作を示すフローチャート図である。まず、検出部22は任意のキーが押下されたかを検出し(ステップS301)、任意のキーが押下されたことが検出できなかった場合、ステップS301を繰り返し実行し、任意のキーの押下を待つ。
【0030】
一方、ステップS301において、任意のキーが押下されたと検出した場合、検出部22が押下されたキーが開放されたかを検出し(ステップS302)、押下されたキーが開放されたことが検出できなかった場合、ステップS302を繰り返し実行し、押下されたキーの開放を待つ。
【0031】
一方、ステップS302において、押下されたキーが開放されたと検出した場合、検出部22が押下されたキーが開放されたことを表示形態変更部23に通知し、表示形態変更部23がその通知を受け取ると押下されたキーが開放された時点の時刻を記憶する(ステップS303)。
【0032】
検出部22が押下されたキーが開放されたことを検出した後、再び任意のキーが押下されたかを検出し(ステップS304)、任意のキーが押下されたことが検出できなかった場合、ステップS302においてキーが開放されてからの時間が規定の時間を超えたかを判断し(ステップS305)、規定の時間を超えたと判定した場合、今回の操作はただ一回の押下、開放で終わったとみなして、ステップS301に戻って、次回の操作を待つ。
【0033】
一方、ステップS305において、規定の時間を超えていないと判定した場合、ステップS304に戻って、任意のキーの押下を待つ。
【0034】
また、ステップS304において、検出部22が任意のキーが押下されたと検出した場合、任意のキーが押下されたことを表示形態変更部23に通知し、表示形態変更部23がその通知を受け取ると記憶した前回開放された時刻と今回押下された時刻からその前回開放されてから今回押下されたまでの時間間隔を算出し(ステップS306)、さらにその時間間隔の平均値を算出する(ステップS307)。
【0035】
検出部22が任意のキーが押下されたと検出した後、その押下されたキーが開放されたかを検出し(ステップS308)、押下されたキーが開放されたことが検出できなかった場合、ステップS308を繰り返し実行し、押下されたキーの開放を待つ。
【0036】
一方、ステップS308において、押下されたキーが開放されたと検出した場合、検出部22が押下されたキーが開放されたことを表示形態変更部23に通知し、表示形態変更部23がその通知を受け取ると押下されたキーが開放された時点の時刻を記憶する(ステップS309)。
【0037】
検出部22が押下されたキーが開放されたことを検出した後、再び任意のキーが押下されたかを検出し(ステップS310)、任意のキーが押下されたことが検出できなかった場合、ステップS308においてキーが開放されてからの時間が規定の時間を超えたかを判断し(ステップS311)、規定の時間を超えていないと判定した場合、ステップS310に戻って、任意のキーの押下を待つ。
【0038】
一方、ステップS310において、任意のキーが押下されたと検出した場合、ステップS306に戻って、前回開放された時刻と今回押下された時刻からその前回開放されてから今回押下されたまでの時間間隔を算出する。
【0039】
一方、ステップS311において、規定の時間を超えたと判定した場合(つまりこれ以後には、最新のキー押下、開放を含む一連の操作が終了したとみなす場合)、表示形態変更部23はステップS307において算出された時間間隔の平均値が下の閾値未満かを判断し(ステップS312)、算出された時間間隔の平均値が下の閾値未満と判定した場合、キーのピッチおよびキーのサイズを小さく設定し(ステップS313)、キーのピッチおよびキーのサイズを画面上に実際に反映させる(ステップS316)。
【0040】
ステップS312において、算出された時間間隔の平均値が下の閾値以上と判定した場合、算出された時間間隔の平均値が上の閾値以上かを判断し(ステップS314)、算出された時間間隔の平均値が上の閾値以上と判定した場合、キーのピッチおよびキーのサイズを大きく設定する(ステップS315)。そして、キーのピッチおよびキーのサイズを画面上に実際に反映させる(ステップS316)。
【0041】
一方、ステップS314において、算出された時間間隔の平均値が上の閾値未満と判定した場合、キーのピッチおよびキーのサイズを変更せず、ステップS301に戻り、任意のキーの押下を待つ。
【0042】
このような本発明の第1の実施形態の入力装置によれば、あるキーの開放からあるキーの押下までの時間が長いということは(つまり、時間間隔の平均値が上の閾値以上である場合)、ユーザがこのキーを押下するために手間取っていることであるから、押下し易いようにキーのピッチ、およびキーのサイズを大きくし、逆に短いときは(つまり、時間間隔の平均値が下の閾値未満である場合)、ユーザが操作する領域をコンパクトに抑えて操作速度の向上を図るために、キーのピッチ、およびキーのサイズを小さくする。これにより、ユーザにとって押下し易いようキーの表示形態を変更することができ、操作速度の向上を実現することができる。
【0043】
なお、本発明の第1の実施形態の入力装置において、あるキーの入力操作後にそのキーの入力操作を含む一連の操作が終了しているか否かを、ステップS305、S311の処理のようにある規定の時間を越えたか否かによって判定するようにしたが、これに限らず、例えば、近年利用されることの多い折り畳み可能な2筐体型携帯端末が折り畳まれたことを検知したときに、上記の一連の操作が終了したものとして判定するようにしても良い。
【0044】
(第2の実施形態)
本実施の形態は、表示されているキーに対して、接触された各位置に基づいてキーのレイアウトを自動的に変更する例である。
【0045】
図4は、本発明の第2の実施形態の入力装置の構成を示すブロック図である。
図4において、入力装置40は、ユーザからの入力操作を受け付けるためのキーを画面上に表示する表示部41と、表示部41に表示したキーによって特定される表示領域近辺において、キーを押下するためにユーザが接触した位置を特定する位置特定部42と、表示領域内の所定の1点と位置特定部42により特定した位置との位置関係に応じて、キーの表示形態を変更する表示形態変更部43を有して構成される。
【0046】
図5は、本実施形態の入力装置40を用いて入力操作を行う時、キーのピッチ及びキーのサイズを自動的に変更する動作を示すフローチャート図である。まず、位置特定部42は任意のキーが押下されたかを検査し(ステップS501)、任意のキーが押下されたことが検出できなかった場合、ステップS501を繰り返し実行し、任意のキーの押下を待つ。
【0047】
一方、ステップS501において、任意のキーが押下されたと検出した場合、位置特定部42が押下されたキーの位置座標を特定して取得し、取得した位置座標を表示形態変更部43に送出する(ステップS502)。
【0048】
表示形態変更部43が位置特定部42からの位置座標情報を受け取ると取得した座標とキーの中心座標のずれの偏差を算出し(ステップS503)、そして押下した座標の中央値を算出し(ステップS504)、偏差の平均値を算出する(ステップS505)。
【0049】
図6は、キーが複数ある場合の中央座標と、キーの中心座標と、押下されたキーの位置座標と、押下した座標の中央値の例を示す図である。
図6において、aはキーが複数ある場合全てのキーの中央位置を示す中央座標であり、bは複数のキーの中の一つのキーの中心位置を示す中心座標であり、cはキーが押下された位置を示す座標であり、dは1つのキーが複数回押下されて場合、その複数回押下した位置の座標の中央値である。図6に示すように、位置特定部42がキーの表示領域にユーザが接触したことを検出することに加えて、キーの表示領域のさらに外側の領域にユーザが接触したことも検出することができ、ステップS504において、座標の中央値を算出した時、これらの外側の領域に押下した場合の座標も含めて算出する。
【0050】
続いて、位置特定部42は任意のキーが押下されたかを検査し(ステップS506)、任意のキーが押下されたと検出した場合、ステップS502に戻り、押下されたキーの位置座標を特定して取得する。
【0051】
一方、ステップS506において、任意のキーが押下されたことが検出できなかった場合、規定の時間を超えたかを判断し(ステップS507)、規定の時間を超えていないと判定した場合、ステップS506に戻って、任意のキーの押下を待つ。
【0052】
一方、ステップS507において、規定の時間を超えたと判定した場合(つまりこれ以後には、最新のキー押下・開放を含む一連の操作が行われないとみなす場合)、表示形態変更部43がステップS505で算出された偏差の平均値は閾値より大きいかを判断し(ステップS508)、偏差の平均値は閾値より大きくないと判定した場合、キーのピッチとサイズを変更せず、ステップS501に戻る。
【0053】
一方、偏差の平均値は閾値より大きいと判定した場合、表示形態変更部43がステップS504で算出された中央値が中央座標に寄っているかを判断し(ステップS509)、中央値が中央座標に寄っていると判断した場合、キーのピッチおよびキーのサイズを小さく設定する(ステップS510)。
【0054】
図7は、キーのピッチを小さくし、キーのサイズを小さくする例を示す図である。
図7において、中央値が中央座標に寄っているので、表示形態変更部43がキーのピッチを小さくし、キーのサイズを小さく変更する。そして、ステップS512に進む。
【0055】
一方、中央値が中央座標に寄っていないと判定した場合、キーのピッチおよびキーのサイズを大きく設定する(ステップS511)。
【0056】
図8は、キーのピッチを大きくし、キーのサイズを大きくする例を示す図である。
図8において、中央値が中央座標に寄っていないので、表示形態変更部43がキーのピッチを大きくし、キーのサイズを大きく変更する。
【0057】
ステップS510、またはS511の処理の後、キーのピッチおよびキーのサイズを画面上に実際に反映させ(ステップS512)、ステップS501に戻り、任意のキーの押下を待つ。
【0058】
このような本発明の第2の実施形態の入力装置によれば、あるキーの表示領域を逸脱するほど広く分布していた接触位置がキーのピッチ、サイズを大きくしたレイアウト変更後にはキーの表示領域内に収まるようになっているため、キーの表示領域の範囲外を押下して誤操作することが軽減し、操作性の向上に繋がる。一方、あるキーの表示領域を一箇所に集中して分布していた接触位置が、キーのピッチ、サイズを小さくしたレイアウト変更後は、キーの表示領域の広い範囲に収まるようになっているため、ユーザが操作する領域をコンパクトに抑えて操作速度の向上に繋がる。
【0059】
なお、以上の説明では、あるキーの開放からあるキーの押下までの時間、及びキーを表示する画面における表示領域内の所定の1点と位置特定部により特定した位置との位置関係、に応じてキーの表示形態を変更する例について別々に説明したが、組み合わせても構わない。
【0060】
なお、本発明の第2の実施形態の入力装置において、あるキーの入力操作後にそのキーの入力操作を含む一連の操作が終了しているか否かを、ステップS507の処理のようにある規定の時間を越えたか否かによって判定するようにしたが、これに限らず、例えば、近年利用されることの多い折り畳み可能な2筐体型携帯端末が折り畳まれたことを検知したときに、上記の一連の操作が終了したものとして判定するようにしても良い。
【産業上の利用可能性】
【0061】
以上のように、本発明にかかる入力装置、キーのレイアウトを制御するためのプログラムは、ユーザは、タッチパネルに表示するキーのレイアウト変更を余計な手間をかけること無く行うことができるという効果を有し、タッチパネルに表示されるキーのレイアウトを変更することができる入力装置、制御方法およびプログラム等として有用である。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【図1】タッチパネルの構造を示す図
【図2】本発明の第1の実施形態の入力装置の構成を示すブロック図
【図3】キーが複数ある場合、本発明の第1の実施形態の入力装置を用いて入力操作を行う時、キーのピッチ及びキーのサイズを自動的に変更する動作を示すフローチャート図
【図4】本発明の第2の実施形態の入力装置の構成を示すブロック図
【図5】キーが複数ある場合、本発明の第2の実施形態の入力装置を用いて入力操作を行う時、キーのピッチ及びキーのサイズを自動的に変更する動作を示すフローチャート図
【図6】キーが複数ある場合の中央座標と、キーの中心座標と、押下されたキーの位置座標と、押下した座標の中央値の例を示す図
【図7】キーのピッチを小さくし、キーのサイズを小さくする例を示す図
【図8】キーのピッチを大きくし、キーのサイズを大きくする例を示す図
【符号の説明】
【0063】
1 タッチパネル
2 タッチセクション検出回路
3 入力位置情報決定回路3
20,40 入力装置
21,41 表示部
22 検出部
23,43 表示形態変更部
42 位置特定部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザからの入力操作を受け付けるためのキーを画面に表示する入力装置であって、
前記キーを表示する表示部と、
前記表示部に表示したキーによる押下および開放を検出する検出部と、
前記検出部により前記キーによる開放を検出した時点から前記検出部により前記キーによる押下を検出した時点までの期間に応じて、少なくとも当該キーによって特定される表示領域および当該キーの配置位置を含む、当該キーの表示形態を変更する表示形態変更部と、
を備える入力装置。
【請求項2】
ユーザからの入力操作を受け付けるためのキーを画面に表示する入力装置であって、
前記キーを表示する表示部と、
前記表示部に表示したキーによって特定される表示領域近辺において、当該キーを押下するためにユーザが接触した位置を特定する位置特定部と、
前記表示領域内の所定の1点と前記位置特定部により特定した位置との位置関係に応じて、少なくとも当該キーによって特定される表示領域および当該キーの配置位置を含む、当該キーの表示形態を変更する表示形態変更部と、
を備える入力装置。
【請求項3】
ユーザからの入力操作を受け付けるためのキーを画面に表示する入力装置であって、
前記キーを表示する表示部と、
前記表示部に表示したキーによる押下および開放を検出する検出部と、
前記表示部に表示したキーによって特定される表示領域近辺において、当該キーを押下するためにユーザが接触した位置を特定する位置特定部と、
前記検出部により前記キーによる開放を検出した時点から前記検出部により前記キーによる押下を検出した時点までの期間と、前記表示領域内の所定の1点と前記位置特定部により特定した位置との位置関係と、に基づいて、少なくとも当該キーによって特定される表示領域および当該キーの配置位置を含む、当該キーの表示形態を変更する表示形態変更部と、
を備える入力装置。
【請求項4】
請求項1または3記載の入力装置であって、
前記表示部は、複数のキーを表示し、
前記検出部は、前記表示部に表示した各キー毎の押下および開放を検出し、
前記表示形態変更部は、前記検出部により前記複数のキーのうちのいずれか1つの開放を検出した時点から前記検出部により前記複数のキーのうちのいずれか1つの押下を検出した時点までの期間に応じて、少なくとも当該キーによって特定される表示領域および当該キーの配置位置を含む、当該キーの表示形態を変更する、
入力装置。
【請求項5】
請求項2または3記載の入力装置であって、
前記表示部は、複数のキーを表示し、
前記位置特定部は、前記表示部に表示した複数のキーそれぞれによって特定される表示領域近辺において、当該キーを押下するためにユーザが接触した位置を特定し、
前記表示形態変更部は、前記複数のキーそれぞれにおける、前記表示領域内の所定の1点と前記位置特定部により特定した位置との位置関係に応じて、少なくとも当該キーによって特定される表示領域および当該キーの配置位置を含む、当該キーの表示形態を変更する、
入力装置。
【請求項6】
請求項1から3のいずれか1項に記載の入力装置であって、
前記表示部は、複数のキーを表示し、
前記検出部は、前記表示部に表示した各キー毎の押下および開放を検出し、
前記位置特定部は、前記表示部に表示した複数のキーそれぞれによって特定される表示領域近辺において、当該キーを押下するためにユーザが接触した位置を特定し、
前記表示形態変更部は、前記検出部により前記複数のキーのうちのいずれか1つの開放を検出した時点から前記検出部により前記複数のキーのうちのいずれか1つの押下を検出した時点までの期間と、前記複数のキーそれぞれにおける、前記表示領域内の所定の1点と前記位置特定部により特定した位置との位置関係と、に基づいて、少なくとも当該キーによって特定される表示領域および当該キーの配置位置を含む、当該キーの表示形態を変更する、
入力装置。
【請求項7】
ユーザからの入力操作を受け付けるために画面に表示するキーのレイアウトをコンピュータに制御させるためのプログラムであって、
画面に表示したキーによる開放を検出する開放検出ステップと、
画面に表示したキーによる押下を検出する押下検出ステップと、
前記開放検出ステップにより前記キーによる開放を検出した時点から前記押下検出ステップにより前記キーによる押下を検出した時点までの期間に応じて、少なくとも当該キーによって特定される表示領域および当該キーの配置位置を含む、当該キーの表示形態を変更する表示形態変更ステップと、
を有するプログラム。
【請求項8】
ユーザからの入力操作を受け付けるために画面に表示するキーのレイアウトをコンピュータに制御させるためのプログラムであって、
画面に表示したキーによって特定される表示領域近辺において、当該キーを押下するためにユーザが接触した位置を特定する位置特定ステップと、
前記表示領域内の所定の1点と前記位置特定部により特定した位置との位置関係に応じて、少なくとも当該キーによって特定される表示領域および当該キーの配置位置を含む、当該キーの表示形態を変更する表示形態変更ステップと、
を有するプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2007−286964(P2007−286964A)
【公開日】平成19年11月1日(2007.11.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−114625(P2006−114625)
【出願日】平成18年4月18日(2006.4.18)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】