入力装置および方法、並びにプログラム
【課題】立体的に表現され、奥行方向の入力が必要なGUIにおける操作性を飛躍的に向上させることができるようにする。
【解決手段】入力受付部101は、例えば、十字キー、アナログスティックなどにより構成され、ボタンやスティックなどの操作に対応する方向の信号を生成して信号生成部103に供給する。角度センサ102は、入力装置100の水平面に対する角度を算出する。信号生成部103は、入力受付部101、角度センサ102から供給される信号に基づいて、操作信号を生成する。GUIのカーソルやフォーカス位置などを移動させるための信号を生成する場合、その移動方向を特定して操作信号を生成する。信号送信部104は、生成された操作信号を、操作される機器などに送信する。
【解決手段】入力受付部101は、例えば、十字キー、アナログスティックなどにより構成され、ボタンやスティックなどの操作に対応する方向の信号を生成して信号生成部103に供給する。角度センサ102は、入力装置100の水平面に対する角度を算出する。信号生成部103は、入力受付部101、角度センサ102から供給される信号に基づいて、操作信号を生成する。GUIのカーソルやフォーカス位置などを移動させるための信号を生成する場合、その移動方向を特定して操作信号を生成する。信号送信部104は、生成された操作信号を、操作される機器などに送信する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、入力装置および方法、並びにプログラムに関し、特に、立体的に表現され、奥行方向の入力が必要なGUIにおける操作性を飛躍的に向上させることができるようにする入力装置および方法、並びにプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば、リモコンの十字キーを押下することにより、テレビに表示される操作画面のフォーカスを十字キーに対応する4つの方向に移動させることができるようになされていた。また、アナログスティックを搭載したコントローラを用いて、4つ以上の方向に入力可能な技術も存在する。
【0003】
さらに、リモコンなどの入力装置のヨー角速度値及びロール角速度値に基づいて、ポインタの移動を制御することにより、入力装置を回転させることでユーザインタフェースを制御できるようにする技術も提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特表2008−541268号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、近年では、ユーザインタフェースの高性能化が進んでおり、例えば、二次元の画面上に立体的に表現されたGUI(Graphical User Interface)なども存在する。
【0006】
従来技術では、立体的に表現されたGUIにおける三次元空間内のある一平面に平行な方向しか入力できなかった。例えば、従来の十字キーの4つのキーはXY平面上の4つの方向(上下左右方向)に対応しており、Z軸方向(奥行方向)の入力をすることができない。
【0007】
あるいはまた、従来技術では、三次元空間内の奥行方向の入力を行う場合、奥行方向専用のキーを操作する必要があったり、入力方向切り替えのための操作を別途行う必要があった。
【0008】
従来の技術では、この制約により、立体的に表現され、奥行方向の入力が必要なGUIにおいては、GUIの操作が面倒に感じられるという問題があった。
【0009】
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、立体的に表現され、奥行方向の入力が必要なGUIにおける操作性を飛躍的に向上させることができるようにするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一側面は、二次元の画面上に立体的に表現されたGUIにおける部品を選択するためのポインタの移動を、ユーザの操作に基づいて制御するポインタ移動制御手段と、前記ポインタの移動方向を、入力装置の向きに応じて、前記GUIにおける第1の方向、または前記第1の方向に垂直な第2の方向に設定する移動方向設定手段とを備える入力装置である。
【0011】
前記入力装置の内部に設定された軸を基準とし、その軸と地面とがなす角度を算出する角度算出手段をさらに備え、移動方向設定手段は、前記算出された角度を予め設定された閾値と比較することにより前記入力装置の向きを特定するようにすることができる。
【0012】
前記移動方向設定手段により特定された向きを、前記GUIの画面を有する機器に送信する特定結果送信手段をさらに備えるようにすることができる。
【0013】
前記ポインタ移動制御手段は、十字キーとして構成され、前記十字キーに含まれる上ボタンおよび下ボタンによる前記ポインタの移動方向が、前記第1の方向、または前記第2の方向に設定されるようにすることができる。
【0014】
本発明の一側面は、二次元の画面上に立体的に表現されたGUIにおける部品を選択するためのポインタの移動を、ユーザの操作に基づいて制御するポインタ移動制御手段により移動が制御される前記ポインタの移動方向を、入力装置の向きに応じて、前記GUIにおける第1の方向、または前記第1の方向に垂直な第2の方向に設定するステップを含む入力方法である。
【0015】
本発明の一側面は、コンピュータを、二次元の画面上に立体的に表現されたGUIにおける部品を選択するためのポインタの移動を、ユーザの操作に基づいて制御するポインタ移動制御手段と、前記ポインタの移動方向を、入力装置の向きに応じて、前記GUIにおける第1の方向、または前記第1の方向に垂直な第2の方向に設定する移動方向設定手段とを備える入力装置として機能させるプログラムである。
【0016】
本発明の一側面においては、二次元の画面上に立体的に表現されたGUIにおける部品を選択するためのポインタの移動が、ユーザの操作に基づいて制御され、前記ポインタの移動方向が、入力装置の向きに応じて、前記GUIにおける第1の方向、または前記第1の方向に垂直な第2の方向に設定される。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、立体的に表現され、奥行方向の入力が必要なGUIにおける操作性を飛躍的に向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】従来のリモコンの例を示す図である。
【図2】従来のゲームコントローラの例を示す図である。
【図3】図1の十字キーを簡略化して示した図である。
【図4】図3の十字キーの各ボタンの操作に対応するGUI画面上での移動方向を説明する図である。
【図5】本発明の一実施の形態に係る入力装置の構成例を示すブロック図である。
【図6】本発明の入力装置により操作されるGUIを説明する図である。
【図7】図6のテレビジョン受像機の画面に表示されたGUIを示す図である。
【図8】角度センサにより算出される角度を説明する図である。
【図9】操作入力処理を説明するフローチャートである。
【図10】図6のテレビジョン受像機の画面に表示されたGUIの別の表示の態様を示す図である。
【図11】図6のテレビジョン受像機の画面に表示されたGUIのさらに別の表示の態様を示す図である。
【図12】パーソナルコンピュータの構成例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。
【0020】
最初に従来のリモコン、ゲームコントローラなどの入力装置について説明する。
【0021】
図1は従来のリモコンの例を示す図である。リモコン10は、例えば、ユーザの操作入力を受け付け、その操作入力に対応する信号を赤外線信号などにより送信するようになされている。これにより、ユーザは、リモコン10を操作して、例えば、テレビジョン受像機などに表示されるGUI(Graphical User Interface)を操作することができる。
【0022】
図1に示されるように、リモコン10には、十字キー11が設けられており、十字キー11のボタン(キー)を押下することにより、例えば、GUIのカーソルやフォーカス位置などを移動させることができるようになされている。すなわち、十字キー11の各ボタンに対応する方向(例えば、上下左右方向)にGUIのカーソルやフォーカス位置などが移動される。
【0023】
図2は、従来のゲームコントローラの例を示す図である。ゲームコントローラ20も、リモコン10と同様に、ユーザの操作入力を受け付け、その操作入力に対応する信号を送信するようになされている。
【0024】
図2に示されるように、ゲームコントローラ20には、アナログスティック21−1とアナログスティック21−2が設けられている。なお、ここでは、2つをまとめてアナログスティック21と称することにする。
【0025】
アナログスティック21は、十字キー11と異なり、同一平面内の任意の方向への操作入力を受け付けることができる。アナログスティック21によれば、例えば、GUIのカーソルやフォーカス位置などを、右上方向、左下方向に1回の操作で移動させることも可能となる。
【0026】
図3は、図1の十字キー11を簡略化して示した図である。この例では、十字キー11に、上ボタン12−1、下ボタン12−2、左ボタン12−3、および右ボタン12−4が設けられている。
【0027】
図4は、図3の十字キーの各ボタンの操作に対応するGUI画面上での移動方向を説明する図である。図4に示されるように、上ボタン12−1乃至右ボタン12−4の操作に対応して、GUI画面のXY平面上において、カーソルなどが上下左右方向に移動させられることになる。
【0028】
しかしながら、近年では、ユーザインタフェースの高性能化が進んでおり、例えば、二次元の画面上に立体的に表現されたGUIなども存在する。このようなGUIの場合、XY平面上における上下左右方向の操作のみならず、図4のZ軸方向(画面の奥行方向)の操作も必要となる。
【0029】
そこで、本発明では、XY平面上における上下左右方向の操作のみならず、図4のZ軸方向(画面の奥行方向)の操作も可能となるリモコン、ゲームコントローラなどの入力装置を提供できるようにする。
【0030】
図5は、本発明の一実施の形態に係る入力装置の構成例を示すブロック図である。同図に示される入力装置100は、例えば、リモコン、ゲームコンロローラなどとして構成され、例えば、ユーザの操作入力を受け付け、その操作入力に対応する信号を赤外線信号などにより送信するようになされている。これにより、ユーザは、リモコン10を操作して、例えば、テレビジョン受像機などに表示されるGUIなどを操作することができる。
【0031】
図5に示されるように、入力装置100には、入力受付部101、角度センサ102、信号生成部103、および信号送信部104が設けられている。なお、入力装置100の外観は、例えば、図1に示されるリモコン10と同様に構成される。
【0032】
入力受付部101は、例えば、十字キー、アナログスティックなどにより構成され、ボタンやスティックなどの操作に対応する方向の信号を生成して信号生成部103に供給するようになされている。入力受付部101により、1つの二次元空間(例えば、図4のXY平面)の任意の方向、または予め設定された所定の方向の入力を受け付けることができる。
【0033】
なお、入力受付部101には、必要に応じてその他のボタンやキーなどが設けられるようにしてもよい。
【0034】
角度センサ102は、例えば、内部にジャイロセンサなどを有する構成とされ、入力装置100の水平面に対する角度を算出することができるようになされている。角度センサ102は、例えば、入力装置100の内部に設定された軸を基準とし、その軸と地面とがなす角度を算出して、算出された角度を表す信号を信号生成部103に出力するようになされている。
【0035】
信号生成部103は、内部にプロセッサ、メモリなどを有する構成とされ、入力受付部101、および角度センサ102から供給される信号に基づいて、操作信号を生成する。ここで生成される操作信号には、例えば、テレビジョン受像機などに表示されるGUIのカーソルやフォーカス位置などを移動させるための信号なども含まれる。
【0036】
信号生成部103は、例えば、GUIのカーソルやフォーカス位置などを移動させるための信号を生成する場合、その移動方向を特定して操作信号を生成するようになされている。
【0037】
信号送信部104は、信号生成部103により生成された操作信号を、入力装置100を用いて操作される機器(例えば、GUIを表示する機器)などに送信するようになされている。信号送信部104は、例えば、信号生成部103により生成された操作信号を赤外線信号などとして、GUIを表示するテレビジョン受像機の受光部に送信するようになされている。
【0038】
入力装置100を操作することにより、例えば、図6に示されるように、テレビジョン受像機130の画面に表示されたGUIを操作することができる。図6の例では、テレビジョン受像機130の二次元の画面上に立体的に表現されたGUIが表示されている。すなわち、図6の例では、入力装置100による操作の方向として、図中のX軸方向、Y軸方向、Z軸方向のそれぞれの方向の操作が受け付けられるようになされている。
【0039】
図7は、図6のテレビジョン受像機130の画面に表示されたGUIを示す図である。このGUIは、画面に示された複数のボックス(立方体)のうち、いずれかを選択するものとされる。いまの場合、ボックス151がフォーカスされており、ボックス151が選択されていることを表している。
【0040】
入力装置100は、図7に示されるGUIの中のフォーカス位置を移動させるための信号を生成して、テレビジョン受像機130に送信する。この際、上述したように、GUIのフォーカス位置の移動方向を特定して信号が生成されるようになされている。
【0041】
例えば、入力装置100の入力受付部101が十字キーにより構成されており、十字キーには、上ボタン、下ボタン、左ボタン、および右ボタンが設けられているものとする。
【0042】
ユーザが左ボタンを押下した場合、入力装置100から送信された操作信号により、図7のGUIにおけるフォーカス位置は、ボックス152に移動する。また、ユーザが右ボタンを押下した場合、入力装置100から送信された操作信号により、図7のGUIにおけるフォーカス位置は、ボックス153に移動する。
【0043】
一方、上ボタンまたは下ボタンが押下された場合、フォーカス位置の移動方向は、入力装置100の向きに応じて設定されるようになされている。ここで、入力装置100の向きは、上述した角度センサ102により算出される角度に対応している。
【0044】
すなわち、図8に示されるように、角度センサ102により、入力装置100の軸である点線201と、水平線202とがなす角の角度θが算出される。例えば、角度θが予め設定された閾値以上である場合、上ボタンまたは下ボタンが押下されたときのフォーカス位置の移動方向は、図6のY軸方向に設定される。一方、角度θが予め設定された閾値未満である場合、上ボタンまたは下ボタンが押下されたときのフォーカス位置の移動方向は、図6のZ軸方向に設定される。
【0045】
角度θが予め設定された閾値以上である場合、入力装置100の向きは、垂直に近いものであると考えることができる。従って、入力装置100の十字キーを操作するユーザにとっての上下方向は、図6のY軸方向をイメージしていると考えられる。そこで、角度θが予め設定された閾値以上である場合、例えば、十字キーの上ボタンが押下されると、図7のフォーカス位置は、ボックス154に移動し、十字キーの下ボタンが押下されると、図7のフォーカス位置は、ボックス155に移動する。
【0046】
一方、角度θが予め設定された閾値未満である場合、入力装置100の向きは、水平に近いものであると考えることができる。従って、入力装置100の十字キーを操作するユーザにとっての上下方向は、図6のZ軸方向をイメージしていると考えられる。そこで、角度θが予め設定された閾値未満である場合、例えば、十字キーの上ボタンが押下されると、図7のフォーカス位置は、ボックス156に移動する。
【0047】
つまり、ユーザは、入力装置100の向きを水平に近付けるようにしたり、入力装置100の向きを垂直に近付けるようにしたりすることで、上下方向の操作に対応するフォーカスの移動方向を変更することができる。
【0048】
このようにすることで、ユーザは、GUIにおけるフォーカス位置、カーソルなどを、自分のイメージした方向に簡単に移動させることが可能となる。
【0049】
従来技術では、三次元空間内のある一平面に平行な方向しか入力できない。例えば、従来の十字キーの4つのキーはXY平面上の4つの方向(上下左右方向)に対応しており、Z軸方向(奥行方向)の入力をすることができなかった。
【0050】
あるいはまた、従来技術では、三次元空間内の奥行方向の入力を行う場合、奥行方向専用のキーを操作する必要があったり、入力方向切り替えのための操作を別途行う必要があった。
【0051】
従来の技術では、この制約により、立体的に表現され、奥行方向の入力が必要なGUIにおいては、GUIの操作が面倒に感じられるという問題があった。
【0052】
これに対して、本発明によれば、入力装置100の向きを変えるだけで、ユーザは、GUIにおけるフォーカス位置、カーソルなどを、自分のイメージした方向に簡単に移動させることができる。従って、本発明によれば、立体的に表現され、奥行方向の入力が必要なGUIにおける操作性を飛躍的に向上させることができる。
【0053】
なお、この例では、フォーカスを移動させて所定のボックスを選択するGUIを例として説明したが、GUIの部品はボックスに限られるものではなく、必ずしもフォーカスにより選択される必要はない。要は、所定のポインタを移動させてGUIの部品を選択させるものであれば、本発明を適用することができる。
【0054】
次に、図9のフローチャートを参照して、入力装置100による操作入力処理の例を説明する。
【0055】
ステップS21において、角度センサ102は、入力装置100の水平面に対する角度を算出して取得する。このとき、例えば、図8を参照して上述したように、角度センサ102により、入力装置100の軸である点線201と、水平線202とがなす角の角度θが算出される。
【0056】
ステップS22において、信号生成部103は、ステップS21の処理により取得された角度が閾値以上か否かを判定する。
【0057】
ステップS22において、ステップS21の処理により取得された角度が閾値以上であると判定された場合、処理はステップS23に進み、信号生成部103は、入力受付部101の上下操作に対応する移動方向をGUIのY軸に設定する。
【0058】
例えば、図8の角度θが予め設定された閾値以上である場合、上ボタンまたは下ボタンが押下されたとき、GUIにおけるフォーカス位置の移動方向は、図6のY軸方向に設定されるのである。
【0059】
一方、ステップS22において、ステップS21の処理により取得された角度が閾値以上ではない(閾値未満)と判定された場合、処理はステップS24に進み、信号生成部103は、入力受付部101の上下操作に対応する移動方向をGUIのZ軸に設定する。
【0060】
例えば、図8の角度θが予め設定された閾値未満である場合、上ボタンまたは下ボタンが押下されたとき、GUIにおけるフォーカス位置の移動方向は、図6のZ軸方向に設定されるのである。
【0061】
ステップS25において、信号生成部103は、入力受付部101から供給される信号に基づいて、フォーカスを移動させる操作入力を受け付けたか否かを判定し、フォーカスを移動させる操作入力を受け付けたと判定されるまで待機する。
【0062】
ステップS25において、フォーカスを移動させる操作入力を受け付けたと判定された場合、処理は、ステップS26に進む。
【0063】
ステップS26において、信号生成部103は、移動方向を含む操作信号を生成する。このとき、入力受付部101の上下操作に対応する移動方向は、ステップS23またはステップS24の処理で設定された移動方向とされて操作信号が生成される。
【0064】
ステップS27において、信号送信部104は、ステップS26の処理で生成された操作信号を送信する。
【0065】
これにより、例えば、ユーザが左ボタンを押下した場合、入力装置100から送信された操作信号により、図7のGUIにおけるフォーカス位置は、ボックス152に移動する。また、ユーザが右ボタンを押下した場合、入力装置100から送信された操作信号により、図7のGUIにおけるフォーカス位置は、ボックス153に移動する。
【0066】
また、入力装置の向きを垂直に近付けた状態で十字キーの上ボタンが押下されると、図7のフォーカス位置は、ボックス154に移動し、十字キーの下ボタンが押下されると、図7のフォーカス位置は、ボックス155に移動する。一方、入力装置の向きを水平に近付けた状態で十字キーの上ボタンが押下されると、図7のフォーカス位置は、ボックス156に移動する。
【0067】
なお、上述したステップS23またはステップS24の処理で移動方向が設定された場合、その時点でテレビジョン受像機130に設定された移動方向を表す信号が送信されるようにしてもよい。
【0068】
例えば、ステップS23の処理で移動方向がY軸に設定され、その移動方向を表す信号が送信された場合、テレビジョン受像機130においてGUIが図10に示されるように表示されるようにしてもよい。図10は、図6のテレビジョン受像機130の画面に表示されたGUIの別の表示の態様を示す図である。
【0069】
図10の例では、テレビジョン受像機130においてGUIのボックスのうち、X軸方向またはY軸方向に並べられたボックスは比較的明るく表示され、Z軸方向に並べて表示されたボックスは比較的暗く表示されている。
【0070】
このようにすることで、ユーザは、現時点で上下方向の移動の操作を行うと、図10のGUIにおいてフォーカス位置がY軸(上下)方向に移動することを認識することができる。
【0071】
また、例えば、ステップS24の処理で移動方向がZ軸に設定され、その移動方向を表す信号が送信された場合、テレビジョン受像機130においてGUIが図11に示されるように表示されるようにしてもよい。図11は、図6のテレビジョン受像機130の画面に表示されたGUIのさらに別の表示の態様を示す図である。
【0072】
図11の例では、テレビジョン受像機130においてGUIのボックスのうち、X軸方向またはZ軸方向に並べられたボックスは比較的明るく表示され、Y軸方向に並べて表示されたボックスは比較的暗く表示されている。
【0073】
このようにすることで、ユーザは、現時点で上下方向の移動の操作を行うと、図11のGUIにおいてフォーカス位置がZ軸(奥行)方向に移動することを認識することができる。
【0074】
このようにして、操作入力処理が実行される。
【0075】
なお、以上においては、入力装置100の向きに応じて、入力受付部101により受け付けられた上下方向の操作がGUIのY軸(上下)方向のフォーカスの移動、またはZ軸(奥行)方向のフォーカスの移動に対応づけられる例について説明した。
【0076】
しかし、例えば、入力装置100の向きに応じて、入力受付部101により受け付けられた左右方向の操作がGUIのX軸(左右)方向のフォーカスの移動、またはZ軸(奥行)方向のフォーカスの移動に対応づけられるようにしても構わない。
【0077】
なお、上述した一連の処理は、ハードウェアにより実行させることもできるし、ソフトウェアにより実行させることもできる。上述した一連の処理をソフトウェアにより実行させる場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが、専用のハードウェアに組み込まれているコンピュータにネットワークや記録媒体からインストールされる。また、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能な、例えば図12に示されるような汎用のパーソナルコンピュータ700などに、ネットワークや記録媒体からインストールされる。
【0078】
図12において、CPU(Central Processing Unit)701は、ROM(Read Only Memory)702に記憶されているプログラム、または記憶部708からRAM(Random Access Memory)703にロードされたプログラムに従って各種の処理を実行する。RAM703にはまた、CPU701が各種の処理を実行する上において必要なデータなども適宜記憶される。
【0079】
CPU701、ROM702、およびRAM703は、バス704を介して相互に接続されている。このバス704にはまた、入出力インタフェース705も接続されている。
【0080】
入出力インタフェース705には、キーボード、マウスなどよりなる入力部706、LCD(Liquid Crystal display)などよりなるディスプレイ、並びにスピーカなどよりなる出力部707が接続されている。また、入出力インタフェース705には、ハードディスクなどより構成される記憶部708、モデム、LANカードなどのネットワークインタフェースカードなどより構成される通信部709が接続されている。通信部709は、インターネットを含むネットワークを介しての通信処理を行う。
【0081】
入出力インタフェース705にはまた、必要に応じてドライブ710が接続され、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、或いは半導体メモリなどのリムーバブルメディア711が適宜装着されている。そして、それらのリムーバブルメディアから読み出されたコンピュータプログラムが、必要に応じて記憶部708にインストールされる。
【0082】
上述した一連の処理をソフトウェアにより実行させる場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが、インターネットなどのネットワークや、リムーバブルメディア711などからなる記録媒体からインストールされる。
【0083】
なお、この記録媒体は、図12に示される、装置本体とは別に、ユーザにプログラムを配信するために配布される、プログラムが記録されている磁気ディスク(フロッピディスク(登録商標)を含む)、光ディスク(CD-ROM(Compact Disk-Read Only Memory),DVD(Digital Versatile Disk)を含む)、光磁気ディスク(MD(Mini-Disk)(登録商標)を含む)、もしくは半導体メモリなどよりなるリムーバブルメディア711により構成されるものだけでなく、装置本体に予め組み込まれた状態でユーザに配信される、プログラムが記録されているROM702や、記憶部708に含まれるハードディスクなどで構成されるものも含む。
【0084】
なお、本明細書において上述した一連の処理は、記載された順序に沿って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的あるいは個別に実行される処理をも含むものである。
【0085】
また、本発明の実施の形態は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。
【符号の説明】
【0086】
100 入力装置, 101 入力受付部, 102 角度センサ, 103 信号生成部, 104 信号送信部
【技術分野】
【0001】
本発明は、入力装置および方法、並びにプログラムに関し、特に、立体的に表現され、奥行方向の入力が必要なGUIにおける操作性を飛躍的に向上させることができるようにする入力装置および方法、並びにプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば、リモコンの十字キーを押下することにより、テレビに表示される操作画面のフォーカスを十字キーに対応する4つの方向に移動させることができるようになされていた。また、アナログスティックを搭載したコントローラを用いて、4つ以上の方向に入力可能な技術も存在する。
【0003】
さらに、リモコンなどの入力装置のヨー角速度値及びロール角速度値に基づいて、ポインタの移動を制御することにより、入力装置を回転させることでユーザインタフェースを制御できるようにする技術も提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特表2008−541268号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、近年では、ユーザインタフェースの高性能化が進んでおり、例えば、二次元の画面上に立体的に表現されたGUI(Graphical User Interface)なども存在する。
【0006】
従来技術では、立体的に表現されたGUIにおける三次元空間内のある一平面に平行な方向しか入力できなかった。例えば、従来の十字キーの4つのキーはXY平面上の4つの方向(上下左右方向)に対応しており、Z軸方向(奥行方向)の入力をすることができない。
【0007】
あるいはまた、従来技術では、三次元空間内の奥行方向の入力を行う場合、奥行方向専用のキーを操作する必要があったり、入力方向切り替えのための操作を別途行う必要があった。
【0008】
従来の技術では、この制約により、立体的に表現され、奥行方向の入力が必要なGUIにおいては、GUIの操作が面倒に感じられるという問題があった。
【0009】
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、立体的に表現され、奥行方向の入力が必要なGUIにおける操作性を飛躍的に向上させることができるようにするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一側面は、二次元の画面上に立体的に表現されたGUIにおける部品を選択するためのポインタの移動を、ユーザの操作に基づいて制御するポインタ移動制御手段と、前記ポインタの移動方向を、入力装置の向きに応じて、前記GUIにおける第1の方向、または前記第1の方向に垂直な第2の方向に設定する移動方向設定手段とを備える入力装置である。
【0011】
前記入力装置の内部に設定された軸を基準とし、その軸と地面とがなす角度を算出する角度算出手段をさらに備え、移動方向設定手段は、前記算出された角度を予め設定された閾値と比較することにより前記入力装置の向きを特定するようにすることができる。
【0012】
前記移動方向設定手段により特定された向きを、前記GUIの画面を有する機器に送信する特定結果送信手段をさらに備えるようにすることができる。
【0013】
前記ポインタ移動制御手段は、十字キーとして構成され、前記十字キーに含まれる上ボタンおよび下ボタンによる前記ポインタの移動方向が、前記第1の方向、または前記第2の方向に設定されるようにすることができる。
【0014】
本発明の一側面は、二次元の画面上に立体的に表現されたGUIにおける部品を選択するためのポインタの移動を、ユーザの操作に基づいて制御するポインタ移動制御手段により移動が制御される前記ポインタの移動方向を、入力装置の向きに応じて、前記GUIにおける第1の方向、または前記第1の方向に垂直な第2の方向に設定するステップを含む入力方法である。
【0015】
本発明の一側面は、コンピュータを、二次元の画面上に立体的に表現されたGUIにおける部品を選択するためのポインタの移動を、ユーザの操作に基づいて制御するポインタ移動制御手段と、前記ポインタの移動方向を、入力装置の向きに応じて、前記GUIにおける第1の方向、または前記第1の方向に垂直な第2の方向に設定する移動方向設定手段とを備える入力装置として機能させるプログラムである。
【0016】
本発明の一側面においては、二次元の画面上に立体的に表現されたGUIにおける部品を選択するためのポインタの移動が、ユーザの操作に基づいて制御され、前記ポインタの移動方向が、入力装置の向きに応じて、前記GUIにおける第1の方向、または前記第1の方向に垂直な第2の方向に設定される。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、立体的に表現され、奥行方向の入力が必要なGUIにおける操作性を飛躍的に向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】従来のリモコンの例を示す図である。
【図2】従来のゲームコントローラの例を示す図である。
【図3】図1の十字キーを簡略化して示した図である。
【図4】図3の十字キーの各ボタンの操作に対応するGUI画面上での移動方向を説明する図である。
【図5】本発明の一実施の形態に係る入力装置の構成例を示すブロック図である。
【図6】本発明の入力装置により操作されるGUIを説明する図である。
【図7】図6のテレビジョン受像機の画面に表示されたGUIを示す図である。
【図8】角度センサにより算出される角度を説明する図である。
【図9】操作入力処理を説明するフローチャートである。
【図10】図6のテレビジョン受像機の画面に表示されたGUIの別の表示の態様を示す図である。
【図11】図6のテレビジョン受像機の画面に表示されたGUIのさらに別の表示の態様を示す図である。
【図12】パーソナルコンピュータの構成例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。
【0020】
最初に従来のリモコン、ゲームコントローラなどの入力装置について説明する。
【0021】
図1は従来のリモコンの例を示す図である。リモコン10は、例えば、ユーザの操作入力を受け付け、その操作入力に対応する信号を赤外線信号などにより送信するようになされている。これにより、ユーザは、リモコン10を操作して、例えば、テレビジョン受像機などに表示されるGUI(Graphical User Interface)を操作することができる。
【0022】
図1に示されるように、リモコン10には、十字キー11が設けられており、十字キー11のボタン(キー)を押下することにより、例えば、GUIのカーソルやフォーカス位置などを移動させることができるようになされている。すなわち、十字キー11の各ボタンに対応する方向(例えば、上下左右方向)にGUIのカーソルやフォーカス位置などが移動される。
【0023】
図2は、従来のゲームコントローラの例を示す図である。ゲームコントローラ20も、リモコン10と同様に、ユーザの操作入力を受け付け、その操作入力に対応する信号を送信するようになされている。
【0024】
図2に示されるように、ゲームコントローラ20には、アナログスティック21−1とアナログスティック21−2が設けられている。なお、ここでは、2つをまとめてアナログスティック21と称することにする。
【0025】
アナログスティック21は、十字キー11と異なり、同一平面内の任意の方向への操作入力を受け付けることができる。アナログスティック21によれば、例えば、GUIのカーソルやフォーカス位置などを、右上方向、左下方向に1回の操作で移動させることも可能となる。
【0026】
図3は、図1の十字キー11を簡略化して示した図である。この例では、十字キー11に、上ボタン12−1、下ボタン12−2、左ボタン12−3、および右ボタン12−4が設けられている。
【0027】
図4は、図3の十字キーの各ボタンの操作に対応するGUI画面上での移動方向を説明する図である。図4に示されるように、上ボタン12−1乃至右ボタン12−4の操作に対応して、GUI画面のXY平面上において、カーソルなどが上下左右方向に移動させられることになる。
【0028】
しかしながら、近年では、ユーザインタフェースの高性能化が進んでおり、例えば、二次元の画面上に立体的に表現されたGUIなども存在する。このようなGUIの場合、XY平面上における上下左右方向の操作のみならず、図4のZ軸方向(画面の奥行方向)の操作も必要となる。
【0029】
そこで、本発明では、XY平面上における上下左右方向の操作のみならず、図4のZ軸方向(画面の奥行方向)の操作も可能となるリモコン、ゲームコントローラなどの入力装置を提供できるようにする。
【0030】
図5は、本発明の一実施の形態に係る入力装置の構成例を示すブロック図である。同図に示される入力装置100は、例えば、リモコン、ゲームコンロローラなどとして構成され、例えば、ユーザの操作入力を受け付け、その操作入力に対応する信号を赤外線信号などにより送信するようになされている。これにより、ユーザは、リモコン10を操作して、例えば、テレビジョン受像機などに表示されるGUIなどを操作することができる。
【0031】
図5に示されるように、入力装置100には、入力受付部101、角度センサ102、信号生成部103、および信号送信部104が設けられている。なお、入力装置100の外観は、例えば、図1に示されるリモコン10と同様に構成される。
【0032】
入力受付部101は、例えば、十字キー、アナログスティックなどにより構成され、ボタンやスティックなどの操作に対応する方向の信号を生成して信号生成部103に供給するようになされている。入力受付部101により、1つの二次元空間(例えば、図4のXY平面)の任意の方向、または予め設定された所定の方向の入力を受け付けることができる。
【0033】
なお、入力受付部101には、必要に応じてその他のボタンやキーなどが設けられるようにしてもよい。
【0034】
角度センサ102は、例えば、内部にジャイロセンサなどを有する構成とされ、入力装置100の水平面に対する角度を算出することができるようになされている。角度センサ102は、例えば、入力装置100の内部に設定された軸を基準とし、その軸と地面とがなす角度を算出して、算出された角度を表す信号を信号生成部103に出力するようになされている。
【0035】
信号生成部103は、内部にプロセッサ、メモリなどを有する構成とされ、入力受付部101、および角度センサ102から供給される信号に基づいて、操作信号を生成する。ここで生成される操作信号には、例えば、テレビジョン受像機などに表示されるGUIのカーソルやフォーカス位置などを移動させるための信号なども含まれる。
【0036】
信号生成部103は、例えば、GUIのカーソルやフォーカス位置などを移動させるための信号を生成する場合、その移動方向を特定して操作信号を生成するようになされている。
【0037】
信号送信部104は、信号生成部103により生成された操作信号を、入力装置100を用いて操作される機器(例えば、GUIを表示する機器)などに送信するようになされている。信号送信部104は、例えば、信号生成部103により生成された操作信号を赤外線信号などとして、GUIを表示するテレビジョン受像機の受光部に送信するようになされている。
【0038】
入力装置100を操作することにより、例えば、図6に示されるように、テレビジョン受像機130の画面に表示されたGUIを操作することができる。図6の例では、テレビジョン受像機130の二次元の画面上に立体的に表現されたGUIが表示されている。すなわち、図6の例では、入力装置100による操作の方向として、図中のX軸方向、Y軸方向、Z軸方向のそれぞれの方向の操作が受け付けられるようになされている。
【0039】
図7は、図6のテレビジョン受像機130の画面に表示されたGUIを示す図である。このGUIは、画面に示された複数のボックス(立方体)のうち、いずれかを選択するものとされる。いまの場合、ボックス151がフォーカスされており、ボックス151が選択されていることを表している。
【0040】
入力装置100は、図7に示されるGUIの中のフォーカス位置を移動させるための信号を生成して、テレビジョン受像機130に送信する。この際、上述したように、GUIのフォーカス位置の移動方向を特定して信号が生成されるようになされている。
【0041】
例えば、入力装置100の入力受付部101が十字キーにより構成されており、十字キーには、上ボタン、下ボタン、左ボタン、および右ボタンが設けられているものとする。
【0042】
ユーザが左ボタンを押下した場合、入力装置100から送信された操作信号により、図7のGUIにおけるフォーカス位置は、ボックス152に移動する。また、ユーザが右ボタンを押下した場合、入力装置100から送信された操作信号により、図7のGUIにおけるフォーカス位置は、ボックス153に移動する。
【0043】
一方、上ボタンまたは下ボタンが押下された場合、フォーカス位置の移動方向は、入力装置100の向きに応じて設定されるようになされている。ここで、入力装置100の向きは、上述した角度センサ102により算出される角度に対応している。
【0044】
すなわち、図8に示されるように、角度センサ102により、入力装置100の軸である点線201と、水平線202とがなす角の角度θが算出される。例えば、角度θが予め設定された閾値以上である場合、上ボタンまたは下ボタンが押下されたときのフォーカス位置の移動方向は、図6のY軸方向に設定される。一方、角度θが予め設定された閾値未満である場合、上ボタンまたは下ボタンが押下されたときのフォーカス位置の移動方向は、図6のZ軸方向に設定される。
【0045】
角度θが予め設定された閾値以上である場合、入力装置100の向きは、垂直に近いものであると考えることができる。従って、入力装置100の十字キーを操作するユーザにとっての上下方向は、図6のY軸方向をイメージしていると考えられる。そこで、角度θが予め設定された閾値以上である場合、例えば、十字キーの上ボタンが押下されると、図7のフォーカス位置は、ボックス154に移動し、十字キーの下ボタンが押下されると、図7のフォーカス位置は、ボックス155に移動する。
【0046】
一方、角度θが予め設定された閾値未満である場合、入力装置100の向きは、水平に近いものであると考えることができる。従って、入力装置100の十字キーを操作するユーザにとっての上下方向は、図6のZ軸方向をイメージしていると考えられる。そこで、角度θが予め設定された閾値未満である場合、例えば、十字キーの上ボタンが押下されると、図7のフォーカス位置は、ボックス156に移動する。
【0047】
つまり、ユーザは、入力装置100の向きを水平に近付けるようにしたり、入力装置100の向きを垂直に近付けるようにしたりすることで、上下方向の操作に対応するフォーカスの移動方向を変更することができる。
【0048】
このようにすることで、ユーザは、GUIにおけるフォーカス位置、カーソルなどを、自分のイメージした方向に簡単に移動させることが可能となる。
【0049】
従来技術では、三次元空間内のある一平面に平行な方向しか入力できない。例えば、従来の十字キーの4つのキーはXY平面上の4つの方向(上下左右方向)に対応しており、Z軸方向(奥行方向)の入力をすることができなかった。
【0050】
あるいはまた、従来技術では、三次元空間内の奥行方向の入力を行う場合、奥行方向専用のキーを操作する必要があったり、入力方向切り替えのための操作を別途行う必要があった。
【0051】
従来の技術では、この制約により、立体的に表現され、奥行方向の入力が必要なGUIにおいては、GUIの操作が面倒に感じられるという問題があった。
【0052】
これに対して、本発明によれば、入力装置100の向きを変えるだけで、ユーザは、GUIにおけるフォーカス位置、カーソルなどを、自分のイメージした方向に簡単に移動させることができる。従って、本発明によれば、立体的に表現され、奥行方向の入力が必要なGUIにおける操作性を飛躍的に向上させることができる。
【0053】
なお、この例では、フォーカスを移動させて所定のボックスを選択するGUIを例として説明したが、GUIの部品はボックスに限られるものではなく、必ずしもフォーカスにより選択される必要はない。要は、所定のポインタを移動させてGUIの部品を選択させるものであれば、本発明を適用することができる。
【0054】
次に、図9のフローチャートを参照して、入力装置100による操作入力処理の例を説明する。
【0055】
ステップS21において、角度センサ102は、入力装置100の水平面に対する角度を算出して取得する。このとき、例えば、図8を参照して上述したように、角度センサ102により、入力装置100の軸である点線201と、水平線202とがなす角の角度θが算出される。
【0056】
ステップS22において、信号生成部103は、ステップS21の処理により取得された角度が閾値以上か否かを判定する。
【0057】
ステップS22において、ステップS21の処理により取得された角度が閾値以上であると判定された場合、処理はステップS23に進み、信号生成部103は、入力受付部101の上下操作に対応する移動方向をGUIのY軸に設定する。
【0058】
例えば、図8の角度θが予め設定された閾値以上である場合、上ボタンまたは下ボタンが押下されたとき、GUIにおけるフォーカス位置の移動方向は、図6のY軸方向に設定されるのである。
【0059】
一方、ステップS22において、ステップS21の処理により取得された角度が閾値以上ではない(閾値未満)と判定された場合、処理はステップS24に進み、信号生成部103は、入力受付部101の上下操作に対応する移動方向をGUIのZ軸に設定する。
【0060】
例えば、図8の角度θが予め設定された閾値未満である場合、上ボタンまたは下ボタンが押下されたとき、GUIにおけるフォーカス位置の移動方向は、図6のZ軸方向に設定されるのである。
【0061】
ステップS25において、信号生成部103は、入力受付部101から供給される信号に基づいて、フォーカスを移動させる操作入力を受け付けたか否かを判定し、フォーカスを移動させる操作入力を受け付けたと判定されるまで待機する。
【0062】
ステップS25において、フォーカスを移動させる操作入力を受け付けたと判定された場合、処理は、ステップS26に進む。
【0063】
ステップS26において、信号生成部103は、移動方向を含む操作信号を生成する。このとき、入力受付部101の上下操作に対応する移動方向は、ステップS23またはステップS24の処理で設定された移動方向とされて操作信号が生成される。
【0064】
ステップS27において、信号送信部104は、ステップS26の処理で生成された操作信号を送信する。
【0065】
これにより、例えば、ユーザが左ボタンを押下した場合、入力装置100から送信された操作信号により、図7のGUIにおけるフォーカス位置は、ボックス152に移動する。また、ユーザが右ボタンを押下した場合、入力装置100から送信された操作信号により、図7のGUIにおけるフォーカス位置は、ボックス153に移動する。
【0066】
また、入力装置の向きを垂直に近付けた状態で十字キーの上ボタンが押下されると、図7のフォーカス位置は、ボックス154に移動し、十字キーの下ボタンが押下されると、図7のフォーカス位置は、ボックス155に移動する。一方、入力装置の向きを水平に近付けた状態で十字キーの上ボタンが押下されると、図7のフォーカス位置は、ボックス156に移動する。
【0067】
なお、上述したステップS23またはステップS24の処理で移動方向が設定された場合、その時点でテレビジョン受像機130に設定された移動方向を表す信号が送信されるようにしてもよい。
【0068】
例えば、ステップS23の処理で移動方向がY軸に設定され、その移動方向を表す信号が送信された場合、テレビジョン受像機130においてGUIが図10に示されるように表示されるようにしてもよい。図10は、図6のテレビジョン受像機130の画面に表示されたGUIの別の表示の態様を示す図である。
【0069】
図10の例では、テレビジョン受像機130においてGUIのボックスのうち、X軸方向またはY軸方向に並べられたボックスは比較的明るく表示され、Z軸方向に並べて表示されたボックスは比較的暗く表示されている。
【0070】
このようにすることで、ユーザは、現時点で上下方向の移動の操作を行うと、図10のGUIにおいてフォーカス位置がY軸(上下)方向に移動することを認識することができる。
【0071】
また、例えば、ステップS24の処理で移動方向がZ軸に設定され、その移動方向を表す信号が送信された場合、テレビジョン受像機130においてGUIが図11に示されるように表示されるようにしてもよい。図11は、図6のテレビジョン受像機130の画面に表示されたGUIのさらに別の表示の態様を示す図である。
【0072】
図11の例では、テレビジョン受像機130においてGUIのボックスのうち、X軸方向またはZ軸方向に並べられたボックスは比較的明るく表示され、Y軸方向に並べて表示されたボックスは比較的暗く表示されている。
【0073】
このようにすることで、ユーザは、現時点で上下方向の移動の操作を行うと、図11のGUIにおいてフォーカス位置がZ軸(奥行)方向に移動することを認識することができる。
【0074】
このようにして、操作入力処理が実行される。
【0075】
なお、以上においては、入力装置100の向きに応じて、入力受付部101により受け付けられた上下方向の操作がGUIのY軸(上下)方向のフォーカスの移動、またはZ軸(奥行)方向のフォーカスの移動に対応づけられる例について説明した。
【0076】
しかし、例えば、入力装置100の向きに応じて、入力受付部101により受け付けられた左右方向の操作がGUIのX軸(左右)方向のフォーカスの移動、またはZ軸(奥行)方向のフォーカスの移動に対応づけられるようにしても構わない。
【0077】
なお、上述した一連の処理は、ハードウェアにより実行させることもできるし、ソフトウェアにより実行させることもできる。上述した一連の処理をソフトウェアにより実行させる場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが、専用のハードウェアに組み込まれているコンピュータにネットワークや記録媒体からインストールされる。また、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能な、例えば図12に示されるような汎用のパーソナルコンピュータ700などに、ネットワークや記録媒体からインストールされる。
【0078】
図12において、CPU(Central Processing Unit)701は、ROM(Read Only Memory)702に記憶されているプログラム、または記憶部708からRAM(Random Access Memory)703にロードされたプログラムに従って各種の処理を実行する。RAM703にはまた、CPU701が各種の処理を実行する上において必要なデータなども適宜記憶される。
【0079】
CPU701、ROM702、およびRAM703は、バス704を介して相互に接続されている。このバス704にはまた、入出力インタフェース705も接続されている。
【0080】
入出力インタフェース705には、キーボード、マウスなどよりなる入力部706、LCD(Liquid Crystal display)などよりなるディスプレイ、並びにスピーカなどよりなる出力部707が接続されている。また、入出力インタフェース705には、ハードディスクなどより構成される記憶部708、モデム、LANカードなどのネットワークインタフェースカードなどより構成される通信部709が接続されている。通信部709は、インターネットを含むネットワークを介しての通信処理を行う。
【0081】
入出力インタフェース705にはまた、必要に応じてドライブ710が接続され、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、或いは半導体メモリなどのリムーバブルメディア711が適宜装着されている。そして、それらのリムーバブルメディアから読み出されたコンピュータプログラムが、必要に応じて記憶部708にインストールされる。
【0082】
上述した一連の処理をソフトウェアにより実行させる場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが、インターネットなどのネットワークや、リムーバブルメディア711などからなる記録媒体からインストールされる。
【0083】
なお、この記録媒体は、図12に示される、装置本体とは別に、ユーザにプログラムを配信するために配布される、プログラムが記録されている磁気ディスク(フロッピディスク(登録商標)を含む)、光ディスク(CD-ROM(Compact Disk-Read Only Memory),DVD(Digital Versatile Disk)を含む)、光磁気ディスク(MD(Mini-Disk)(登録商標)を含む)、もしくは半導体メモリなどよりなるリムーバブルメディア711により構成されるものだけでなく、装置本体に予め組み込まれた状態でユーザに配信される、プログラムが記録されているROM702や、記憶部708に含まれるハードディスクなどで構成されるものも含む。
【0084】
なお、本明細書において上述した一連の処理は、記載された順序に沿って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的あるいは個別に実行される処理をも含むものである。
【0085】
また、本発明の実施の形態は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。
【符号の説明】
【0086】
100 入力装置, 101 入力受付部, 102 角度センサ, 103 信号生成部, 104 信号送信部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
二次元の画面上に立体的に表現されたGUIにおける部品を選択するためのポインタの移動を、ユーザの操作に基づいて制御するポインタ移動制御手段と、
前記ポインタの移動方向を、入力装置の向きに応じて、前記GUIにおける第1の方向、または前記第1の方向に垂直な第2の方向に設定する移動方向設定手段と
を備える入力装置。
【請求項2】
前記入力装置の内部に設定された軸を基準とし、その軸と地面とがなす角度を算出する角度算出手段をさらに備え、
移動方向設定手段は、前記算出された角度を予め設定された閾値と比較することにより前記入力装置の向きを特定する
請求項1に記載の入力装置。
【請求項3】
前記移動方向設定手段により特定された向きを、前記GUIの画面を有する機器に送信する特定結果送信手段をさらに備える
請求項1に記載の入力装置。
【請求項4】
前記ポインタ移動制御手段は、十字キーとして構成され、
前記十字キーに含まれる上ボタンおよび下ボタンによる前記ポインタの移動方向が、前記第1の方向、または前記第2の方向に設定される
請求項1に記載の入力装置。
【請求項5】
二次元の画面上に立体的に表現されたGUIにおける部品を選択するためのポインタの移動を、ユーザの操作に基づいて制御するポインタ移動制御手段により移動が制御される前記ポインタの移動方向を、入力装置の向きに応じて、前記GUIにおける第1の方向、または前記第1の方向に垂直な第2の方向に設定するステップ
を含む入力方法。
【請求項6】
コンピュータを、
二次元の画面上に立体的に表現されたGUIにおける部品を選択するためのポインタの移動を、ユーザの操作に基づいて制御するポインタ移動制御手段と、
前記ポインタの移動方向を、入力装置の向きに応じて、前記GUIにおける第1の方向、または前記第1の方向に垂直な第2の方向に設定する移動方向設定手段とを備える入力装置として機能させる
プログラム。
【請求項1】
二次元の画面上に立体的に表現されたGUIにおける部品を選択するためのポインタの移動を、ユーザの操作に基づいて制御するポインタ移動制御手段と、
前記ポインタの移動方向を、入力装置の向きに応じて、前記GUIにおける第1の方向、または前記第1の方向に垂直な第2の方向に設定する移動方向設定手段と
を備える入力装置。
【請求項2】
前記入力装置の内部に設定された軸を基準とし、その軸と地面とがなす角度を算出する角度算出手段をさらに備え、
移動方向設定手段は、前記算出された角度を予め設定された閾値と比較することにより前記入力装置の向きを特定する
請求項1に記載の入力装置。
【請求項3】
前記移動方向設定手段により特定された向きを、前記GUIの画面を有する機器に送信する特定結果送信手段をさらに備える
請求項1に記載の入力装置。
【請求項4】
前記ポインタ移動制御手段は、十字キーとして構成され、
前記十字キーに含まれる上ボタンおよび下ボタンによる前記ポインタの移動方向が、前記第1の方向、または前記第2の方向に設定される
請求項1に記載の入力装置。
【請求項5】
二次元の画面上に立体的に表現されたGUIにおける部品を選択するためのポインタの移動を、ユーザの操作に基づいて制御するポインタ移動制御手段により移動が制御される前記ポインタの移動方向を、入力装置の向きに応じて、前記GUIにおける第1の方向、または前記第1の方向に垂直な第2の方向に設定するステップ
を含む入力方法。
【請求項6】
コンピュータを、
二次元の画面上に立体的に表現されたGUIにおける部品を選択するためのポインタの移動を、ユーザの操作に基づいて制御するポインタ移動制御手段と、
前記ポインタの移動方向を、入力装置の向きに応じて、前記GUIにおける第1の方向、または前記第1の方向に垂直な第2の方向に設定する移動方向設定手段とを備える入力装置として機能させる
プログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2011−170781(P2011−170781A)
【公開日】平成23年9月1日(2011.9.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−36371(P2010−36371)
【出願日】平成22年2月22日(2010.2.22)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年9月1日(2011.9.1)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年2月22日(2010.2.22)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】
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