説明

入力装置を有する遊技機

【課題】限られた場所に設置できて、しかも故障や破損が生じにくいものとすることがで
きて、しかも遊技者の興趣を高めることのできる入力装置を備えた遊技機を提供すること

【解決手段】遊技機に取り付けられる取付部材と、この取付部材内に収納されて、前記遊
技者が操作する操作部を備えた操作部材と、前記取付部材に取り付けられて、前記操作部
の表面近傍にて開閉される扉部と、前記制御手段の制御により前記扉部を開閉させる開閉
機構とを備えたものであること。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パチンコ機やスロットマシン等の遊技機に関し、特に、遊技者が情報を入力
することのできる入力装置を有する遊技機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、パチンコ機やスロットマシン等の遊技機においては、その遊技内容を種々な表
示手段によって表示することにより、遊技の興趣を高めるようになっており、この種の表
示手段は、その遊技機特有の遊技内容とするために、制御手段によって制御されるように
なっている。換言すれば、遊技者が当該遊技機に関わることができるのは、コイン投入ボ
タンやリール回転レバーを押したり、ハンドルを操作してパチンコ球を打ち込むこと位し
かなかったのである。
【0003】
そこで、近年の遊技機においては、上述した以外にも遊技者が積極的に関わることがで
きるようにして、遊技の興趣をより高める工夫がなされるようになってきている。
【0004】
例えば、遊技機として、大当たり判定の結果を複数の図柄を変動、停止させることによ
り報知しているパチンコ機を例に採ってみた場合、最後の図柄のみが変動していて、他の
図柄が全て同じ図柄で停止している状態(所謂、リーチ状態)では、遊技者は大当たりと
なることへの期待が特に高まるのであり、積極的にこの遊技機に関わりたくなるものであ
る。
【0005】
このような状態の時に、例えば特許文献1に提案されているような、遊技者が操作可能
で制御装置に情報を入力できるスイッチが設けてあれば、大当たり判定の結果を報知する
ための特別図柄の変動を遊技者自身が停止させたり、大当たりとなる確率についての2種
の遊技モードを遊技者自身が選択したりと、遊技者がパチンコ遊技に積極的に関与するこ
とができて、より興趣を高めることができると考えられる。
【0006】
出願人も、特許文献2で、変動後の表示結果が大当たりとなる場合、パチンコ機に設け
られた上皿ボタン(入力装置)を遊技者が操作すると、「魚群」等の示唆演出が高確率で
行われるパチンコ機を提案している。
【0007】
【特許文献1】特開平7−100255号公報
【特許文献2】特開2008−55204号公報、要約
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上記のような「スイッチ」や「上皿ボタン」等の入力装置は、興趣を高
めることができる反面、興奮した遊技者が強く叩いたり、悪戯をしたりすることが十分考
えられ、故障や破損が発生し易くなり得るものと考えられる。
【0009】
また、遊技機の前面は、遊技内容を遊技者に良く見えるようにするため、表示手段がで
きるだけ大きくなるようになされているとともに、特にパチンコ機にあっては、パチンコ
球が流下する遊技領域も必要であることから、上記のような「スイッチ」や「上皿ボタン
」等の入力装置を設ける場所が、遊技機の前面、つまり遊技者が操作し易い面では限られ
たものになっている。
【0010】
そこで、本発明者等は、遊技者の興趣を呼ぶ入力装置を、上記のような遊技機の限られ
た場所に設置できて、しかも故障や破損が生じにくいものとするにはどうしたらよいか、
について種々検討を重ねてきた結果、本発明を完成したのである。
【0011】
すなわち、本発明の目的とするところは、遊技者の興趣を高めることができて、取り付
け作業の簡単な入力装置を備えた遊技機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
以上の課題を解決するために、まず、請求項1に係る発明の採った手段は、
「遊技内容を表示する表示手段と、この表示手段を制御する制御手段と、この制御手段
に遊技者が情報を入力する入力装置とを備えた遊技機であって、
前記入力装置は、前記遊技機に取り付けられる取付部材と、この取付部材内に収納され
て、前記遊技者が操作する操作部を備えた操作部材と、前記取付部材に取り付けられて、
前記操作部の表面近傍にて開閉される扉部と、前記制御手段の制御により前記扉部を開閉
させる開閉機構とを備えたものであることを特徴とする遊技機」
である。
【0013】
すなわち、この請求項1に係る遊技機は、回転リールや液晶表示手段のような、遊技内
容を表示する表示手段と、少なくともこの表示手段を制御する制御手段と、この制御手段
に遊技者が情報を入力する入力装置とを備えたものである。この入力装置は、上記の各特
許文献で述べられている「スイッチ」や「上皿ボタン」等と同様に、遊技者自身によって
操作される操作部材を有するものであり、その「スイッチ」や「上皿ボタン」等の操作部
が遊技者が操作し得るように、遊技機の前面側に設けられるものである。
【0014】
このため、当該遊技機の前面側には開口部が形成されていて、この開口部内に入力装置
が収納されている。この遊技機の開口部は、遊技機がパチンコ機である場合、上皿形成部
分の上皿には干渉しない位置に形成してあり、この上皿形成部分の開口部内に、取付部材
を採用して一体化した入力装置が収納されることになる。つまり、本発明に係る遊技機に
は取付部材が取り付けられるのであり、この取付部材内に、前記遊技者が操作する操作部
を備えた操作部材が収納されているのである。
【0015】
ここで、遊技者が入力する情報としては、一般的なスイッチのような1回の「ON・O
FF」信号であることは勿論、「ONまたはOFF」信号のそれぞれが1回または複数で
ある場合も含むものである。また、この情報は、所謂シリアル信号またはパラレル信号と
して発信される場合をも含むものである。
【0016】
操作部材は、操作部を進退可能に収納しているものであり、所謂「スイッチ」として構
成してある。そして、この操作部材は、これ自体が一つの独立した電機部品となっている
ものであり、その操作部が、操作部材に対して沈み込んで電気的な「オン」状態を形成し
、あるいは操作部材内のスプリング機構などによって沈み込んだ位置から元に戻って「オ
フ」状態を形成するものである。なお、操作部内に発光ダイオード等の発光体を収納して
、この発光体からの光を先端部から照射できるようにも構成されるものである。
【0017】
勿論、この操作部材は、上記制御手段に電気的に接続されて制御されるとともに、操作
部の押圧によって発生した情報である電気的信号を制御手段に向けて送信するものでもあ
る。この電気的信号としては、所謂「パラレル信号」の場合であっても、また「シリアル
信号」の場合であってもよく、そのような信号を発生するものとして当該操作部材は適宜
形成される。例えば、操作部材そのものの動きを検知したり、この操作部材に対する操作
部の動きを検知したり、その両方の検知を行ったりするようにするのである。
【0018】
以上の操作部材が接続された制御手段では、操作部材からの情報を受けるタイミングを
決定したり、操作部内の発光体の発光を行う制御を行ったり、種々な制御を行うものであ
る。
【0019】
取付部材は、内部に上記操作部材を収納してから、遊技機に形成した開口部から当該遊
技機内に取り付けるものであるし、この取付部材には扉部が取り付けてあるのであるから
、結果的に、操作部材の遊技機に対する取付を簡単に行えるようにしているものである。
また、操作部材を収納した取付部材を当該遊技機に取り付ければ、この操作部材の操作部
は、遊技機に形成した開口部に対して規格化された位置に配置されることになるのである

【0020】
そして、当該遊技機の開口部には、開閉機構によって前記操作部の表面近傍にて開閉さ
れる扉部が設けられているのであり、この扉部は、当該遊技機の前記制御手段の制御によ
り制御される開閉機構によって開閉操作がなされるものである。
【0021】
この扉部としては、シャッターのような可撓性を有する板状材を用いたり、所定形状の
固体物からなるものを用いたりすることができ、開口部の開閉を行うものであれば、その
他種々な態様のものが採用できる。扉部としてシャッターを採用した場合には、開閉機構
はこのシャッターの巻き取りあるいは巻き戻しが行えるようなものであればよく、また、
この扉部が所定形状の固体物からなる扉であれば、モータなどによって回動(揺動)させ
るようなものであればよい。
【0022】
以上のように構成した本発明に係る遊技機では、操作部を有する操作部材を取付部材内
に収納するとともに、この取付部材に扉部が取り付けてあるから、この取付部材を当該遊
技機に形成してある開口部内に収納して取り付ければ、上述したように、取付部材によっ
て操作部材の操作部が前記開口部に対する規格化された位置、換言すれば遊技者が操作し
易い位置に簡単に取り付けられることになる。
【0023】
また、この遊技機では、前記制御手段によって制御されている開閉機構によって前記扉
部を開閉させるようにしているから、この扉部によって開口部が閉じられたときには、こ
の扉部によって操作部材が覆われることになる。以上の結果、扉部が「閉」状態にある通
常時には、遊技者の押圧操作によって制御手段に信号を送る操作部材は、取付部材と扉部
とによって完全に覆われた状態になるから、これに対して異物を差し込んだり液体を流し
込んだりする悪戯は勿論、所謂不正行為も行えないようになっている。
【0024】
さて、開閉機構が前記扉部を開放すべく前記制御手段のよる制御がなされると、前記扉
部が開放されて操作部材の操作部が遊技者から見えることになって、遊技者に「何かが起
きる」という期待感を持たせるから、遊技者の興趣を高めることになる。このとき、扉部
の開放を、「全開」または「半開」、あるいはこれらの組合せで行うようにする、例えば
扉部を「半開」した後暫くしてから「全開」したり、扉部を「半開」した後暫くしてから
閉じて再び「全開」したり、扉部を「全開」した後暫くしてから閉じたりと、種々なバリ
エーションで扉部の開閉を行えば、遊技者の興趣はより一層高まることになる。
【0025】
特に、制御手段からの制御によって、扉部の開放をほんの僅かだけ行ったり、扉部をゆ
っくり開けていきなり閉じたり、扉部の上記「半開」状態と「閉じ」状態とを繰り返した
りすると、興趣はいよいよ高まることになる。さらには、このときに、操作部材の操作部
が点灯したり点滅したりするようにすると、遊技の興趣は一層高まることになることは言
うまでもない。
【0026】
また、扉部としては、突き合わせ状態で閉じる形態のものが本発明の対象となる他、閉
じる側の端部が互いに上下に重なって閉じる形態のものも含まれるのであり、当該扉部表
面には、種々な意匠が施されるものでもある。勿論、取付部材内であって扉部の奥側に光
源を設置しておいて、前記制御装置の制御によってこの光源を光らせて、その光を当該扉
部を介して外部、つまり遊技者に向けて照射するようにも実施できるものである。
【0027】
従って、この請求項1の遊技機は、操作部材を扉部によって覆うことによって遊技者の
興趣を非常に高めることができて、遊技機に対する取り付けが容易な入力装置を備えたも
のとなっているのである。
【0028】
上記課題を解決するために、請求項2に係る発明の採った手段は、上記請求項1に記載
の遊技機について、
「前記扉部を、前記取付部材に回動可能に連結した少なくとも1つの揺動部材によって
構成するとともに、前記開閉機構を、前記揺動部材に一体化したギアと、このギアを揺動
駆動するモータとにより構成したこと」
である。
【0029】
すなわち、この請求項2の遊技機は、前記扉部を、前記取付部材に回動可能に連結した
少なくとも1つの揺動部材によって構成したものであり、この少なくとも1つの揺動部材
によって上記開口部の開閉を行うようにしたものである。
【0030】
換言すれば、この請求項2の遊技機では、開口部の開閉を行うものを、揺動部材という
「固体物」にしたものであり、特に開口部の閉じ状態をしっかりと行えるようにしたもの
である。勿論、開口部の開閉を行う揺動部材としては、1個であってもよいし、互いに突
き合わせ状態で閉じる2個のものであってもよく、さらには、3方向以上の方向から互い
に突き合わせ状態となる3個以上のものであってもよい。
【0031】
また、この請求項2の遊技機では、上記揺動部材を駆動するための開閉機構を、当該揺
動部材に一体化したギアと、このギアを揺動駆動するモータとにより構成したものであり
、モータの駆動により少なくとも1個の揺動部材の揺動操作が行えるようにし、これによ
って開口部の開閉を行えるようにしたものである。
【0032】
この場合、モータへの電力供給を制御手段からの信号によって行うようにすることによ
って簡単に開閉機構を構成することができて、かつ、モータの制御を変えるだけで、扉部
の開閉形態を複雑にすることができるのである。
【0033】
従って、この請求項2の遊技機は、上記請求項1のそれと同様な機能を発揮する他、扉
部の開閉操作をモータにより行うようにしたから、開閉形態を複雑にすることができるも
のとなっているのである。
【0034】
上記課題を解決するために、請求項3に係る発明の採った手段は、上記請求項1または
請求項2に記載の遊技機について、
「前記操作部材を、前記制御手段の制御により前記取付部材に対して進退するものとし
たこと」
である。
【0035】
すなわち、この請求項3の遊技機では、その操作部材が前記取付部材に対して進退する
ようにしたものであり、この操作部材の進退は、上記扉部とは独立していてもよく、扉部
と連動するようにしてもよい。
【0036】
操作部材の進退が扉部とは独立してなされる場合であって、扉部が閉じた状態にも行え
るようにするには、その進退量を後退位置にある操作部材の操作部から閉じた状態にある
扉部との間の寸法範囲にする必要がある。この場合、例えば扉部を透明または半透明なも
のとして、操作部材またはその操作部が光を発するものにしておき、閉じた扉部の内側で
当該操作部材が点灯または点滅しながらゴソゴソ動くようにすれば、遊技者に「何かが起
きる」という期待感を持たせることができて、非常に興趣を高めることができる。
【0037】
また、扉部が開放されたときを見計らって、当該操作部材が進退するようにした場合も
、「扉部が開いてから少し経って操作部材が進行した」、「開いた扉部が一定量動作して
から操作部材が進行した」、「扉部は開いたが操作部材を進行させることなく閉じた」、
「扉部が開いて操作部材が少し進行したが直ぐ引っ込んだ」、「操作部材が上下動を繰り
返し始めた」等、複雑な動きを見せることができ、遊技者に「何かが起きる」という期待
感を持たせることができて、非常に興趣を高めることができる。
【0038】
一方、この操作部材の進退を、扉部の動きに連動させる場合には、扉部のための開閉機
構の駆動力を操作部材の進退駆動に利用できて、当該入力装置全体の構造を簡略化できる
。勿論、扉部が全開すれば操作部材が最大限進行し、半開であれば半分だけ進行し、扉部
が閉じれば、操作部材は取付部材内に完全に後退するのであり、遊技者に「何かが起きる
」という期待感を持たせることができて、非常に興趣を高めることができる。
【0039】
従って、この請求項3の遊技機は、上記請求項1または2のそれと同様な機能を発揮す
る他、操作部材が進退できることによって、興趣が非常に高まったものとなっている。
【0040】
また、上記課題を解決するために、請求項4に係る発明の採った手段は、上記請求項3
に記載の遊技機について、
「前記操作部材の進退を、前記取付部材に枢軸にて取り付けられて、内端が前記操作部
材の底面に当接されたレバーと、前記揺動部材の一先端に設けた押圧部とにより行うよう
にして、この押圧部が前記レバーの外端を押圧したとき、前記レバーが前記操作部材を進
行させるようにしたこと」
である。
【0041】
すなわち、この請求項4に係る遊技機の基本思想は、操作部材の進退を揺動部材の開閉
に連動させたものであり、まず、前記操作部材の進退方向に揺動するレバーを枢軸を介し
て前記取付部材に取り付けたものである。そして、この遊技機では、レバーの内端を前記
操作部材の底面に当接させるとともに、このレバーの外端を前記揺動部材の一先端に設け
た押圧部に当接し得るようにしたものである。
【0042】
つまり、この請求項4の遊技機にあっては、レバーが取付部材の一部に枢支してあって
、その内端が操作部材の下方に向けて延在し、その外端が揺動部材の下方に位置している
ものである。このため、揺動部材が大きく開放されると、この揺動部材の一先端に設けた
押圧部がレバーの外端に当接してこれを押し下げることになり、レバーの内端が前記操作
部材の底面に当接してこれを押し上げるのである。
【0043】
換言すれば、扉部が開放されると、その押圧部がレバーの外端を押し下げるから、反対
に、レバーの内端は操作部材を押し上げてその操作部を開口部から突出させるのである。
逆に、扉部が閉じられれば、レバーの外端の押圧は解除されるから、操作部材は自重や後
述する引張りスプリングによって原位置に後退することになるのである。
【0044】
また、レバーは、全体的に長いものとなっていて、支軸にて揺動するものであるから、
ある程度撓み得るものとなっている。このため、遊技者が強い力で操作部材の操作部を押
圧したとき、この操作部材側から逆に力を受けて撓むことになるものである。このため、
前記操作部材の進行時であって、前記遊技者が前記操作部を大きい力で押圧した際に、レ
バーの撓み分だけ前記操作部材が前記開口部内に退行することになり、操作部材を強い押
圧力から保護するのである。
【0045】
従って、この請求項4の遊技機は、上記請求項3のそれと同様な機能を発揮する他、揺
動部材の開閉と操作部材の進退とをレバーによって連動するようにしたから、入力装置の
構成を簡略化したものとなっているだけでなく、操作部材を強い押圧力から保護するので
ある。
【0046】
さらに、上記課題を解決するために、請求項5に係る発明の採った手段は、上記請求項
3または請求項4に記載の遊技機について、
「前記開閉機構は、前記操作部材及び取付部材の両底部間に介装した引張りスプリング
をさらに有すること」
である。
【0047】
すなわち、この請求項5の遊技機は、その揺動部材を開閉駆動する開閉機構が、前記操
作部材及び取付部材の両底部間に介装した引張りスプリングをさらに有したものであり、
この引張りスプリングの存在によって、操作部材の戻りを積極的に行えるようにしたもの
である。
【0048】
この引張りスプリングによって進行した操作部材の原位置への復帰を積極的に行えるよ
うにしたことによって、当該操作部材の進退方向が上下でなくて例えば水平方向や斜め上
下方向であっても、操作部材の原位置への復帰が確実かつ時間差なく行えるのである。
【0049】
従って、この請求項5の遊技機は、上記請求項3または4のそれと同様な機能を発揮す
る他、操作部材の原位置への復帰がより確実なものとなっているのである。
【0050】
そして、上記課題を解決するために、請求項6に係る発明の採った手段は、上記請求項
1〜請求項5のいずれかに記載の遊技機について、
「前記扉部の前記開閉機構による開閉状態を、当該扉部の全開状態または部分開放状態
、あるいはこれらの組合せ状態となるように、前記制御装置によって制御するようにした
こと」
である。
【0051】
すなわち、この請求項6の遊技機では、前記制御装置によって前記開閉機構を制御する
ことにより、前記扉部の開閉機構による開閉状態を、当該扉部の全開状態または部分開放
状態、あるいはこれらの組合せ状態となるようにしたものであり、扉部の開閉が複雑なも
のとなるようにしたものである。
【0052】
換言すれば、前記扉部が、全開または部分開放、あるいはこれらの組合せとなるような
状態になれば、操作部材の操作部が遊技者から完全に見えたり、部分的にしか見えなかっ
たり、さらには、思わせ振りにチラチラとしか見えなかったり、押そうとした瞬間扉部が
閉じたりすれば、遊技者に「何かが起きる」と期待感を持たせることができて、当該遊技
機の遊技を興趣の高いものとすることができるのである。
【0053】
このようなことは、制御手段での開閉機構に対する制御を行うのみで非常に簡単に行え
るものであり、遊技機全体として構成部品を増加させるものではない。これは、制御手段
によって制御される開閉機構と、この開閉機構によって開閉駆動される扉部とを設けたか
ら実現できたことである。
【0054】
さらに、このような扉部の開閉状体の変化に対して、上述したように操作部材の進退に
も変化を加えれば、当該遊技機の遊技の興趣はさらに倍加すること請け合いである。
【0055】
従って、この請求項6に係る遊技機は、上記請求項1〜5のそれと同様な機能を発揮す
る他、簡単な手段を講ずるだけで、より興趣の高いものとなっているのである。
【発明の効果】
【0056】
以上、説明した通り、本発明においては、
「遊技内容を表示する表示手段と、この表示手段を制御する制御手段と、この制御手段
に遊技者が情報を入力する入力装置とを備えた遊技機であって、
前記入力装置は、前記遊技機に取り付けられる取付部材と、この取付部材内に収納され
て、前記遊技者が操作する操作部を備えた操作部材と、前記取付部材に取り付けられて、
前記操作部の表面近傍にて開閉される扉部と、前記制御手段の制御により前記扉部を開閉
させる開閉機構とを備えたものであること」
に構成上の特徴があり、これにより、遊技者の興趣を高めることができて、取り付け作業
の簡単な入力装置を備えた遊技機を提供することができるのである。
【0057】
また、請求項2に係る発明においては、
「前記扉部を、前記取付部材に回動可能に連結した少なくとも1つの揺動部材によって
構成するとともに、前記開閉機構を、前記揺動部材に一体化したギアと、このギアを揺動
駆動するモータとにより構成したこと」
にその構成上の特徴があり、これにより、上記請求項1のそれと同様な効果を発揮するこ
とができる他、扉部の開閉操作をモータにより行うようにしたから、開閉形態を複雑にす
ることができる入力装置を備えた遊技機を提供することができるのである。
【0058】
さらに、請求項3に係る発明においては、上記請求項1または2の遊技機について、
「前記操作部材を、前記制御手段の制御により前記取付部材に対して進退するものとし
たこと」
にその構成上の特徴があり、これにより、上記請求項1または2のそれと同様な効果を発
揮することができる他、操作部材が進退できることによって、興趣を非常に高めることが
できる遊技機を提供することができるのである。
【0059】
また、請求項4に係る発明においては、上記請求項3に記載の遊技機について、
「前記操作部材の進退を、前記取付部材に枢軸にて取り付けられて、内端が前記操作部
材の底面に当接されたレバーと、前記揺動部材の一先端に設けた押圧部とにより行うよう
にして、この押圧部が前記レバーの外端を押圧したとき、前記レバーが前記操作部材を進
行させるようにしたこと」
にその構成上の特徴があり、これにより、上記請求項3のそれと同様な効果を発揮するこ
とができる他、揺動部材の開閉と操作部材の進退とをレバーによって連動させることがで
きて、入力装置の構成を簡略化することのできる遊技機とすることができるのである。
【0060】
次に、請求項5に係る発明においては、上記請求項3または請求項4に記載の遊技機に
ついて、
「前記開閉機構は、前記操作部材及び取付部材の両底部間に介装した引張りスプリング
をさらに有すること」
にその構成上の特徴があり、これにより、上記請求項3または4のそれと同様な効果を発
揮することができる他、操作部材の原位置への復帰をより確実に行える遊技機を提供する
ことができるのである。
【0061】
そして、請求項6に係る発明においては、上記請求項1〜請求項5のいずれかに記載の
遊技機について、
「前記扉部の前記開閉機構による開閉状態を、当該扉部の全開状態または部分開放状態
、あるいはこれらの組合せ状態となるように、前記制御装置によって制御するようにした
こと」
にその構成上の特徴があり、これにより、上記請求項1〜5のそれと同様な効果を発揮す
ることができる他、簡単な手段を講ずるだけで、より興趣の高いものとなった遊技機を提
供することができるのである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0062】
次に、上記のように構成した各請求項に係る発明を、図面に示した最良の形態である入
力装置100について説明するが、この最良形態に係る入力装置100は、実施例1〜実
施例3に分かれているので、それぞれの実施例毎に説明して行くこととする。
【0063】
また、各図面には、本発明に係る入力装置100を遊技機の一種であるパチンコ機に適
用した例が示してあるが、この入力装置100は、スロットマシンのような他の遊技機に
も適用できることは言うまでもない。
【0064】
図1には、本発明を適用した遊技機であるパチンコ機の正面図が示してあって、この遊
技機の上部中央には表示手段200が設けてあり、この表示手段200や前面枠の飾りラ
ンプ等の各種部分は、当該遊技機内の制御手段300によって制御されているものである
。また、この遊技機の下部前面には、上皿形成部分50が形成してあり、この上皿形成部
分50に入力装置100が設けてある。この入力装置100は、これを平面的に見ると図
2に示した通りであり、上皿52内のパチンコ球が当たらない部分に設けてある。
【0065】
ここで、操作部材10は、操作部11を進退可能に収納した所謂スイッチであり、制御
手段100に電気的に接続されてこの制御手段100の制御を受けるとともに、遊技者が
操作部11の先端部11aを押圧することによって発生した電気的信号を制御手段100
に送るものでもある。なお、この操作部材10内に発光体を収納しておき、制御手段10
0の制御によってこの発光体を発光させて、この光を操作部11の先端部11aから外部
に照射するようにもなされる。
【0066】
勿論、この操作部材10の操作部11は、図示しないスプリング機構によって元位置に
復帰するものであり、操作部材10に対する沈み量は多くて数ミリである。換言すれば、
遊技者が操作部11を押圧したときの力は、操作部11が数ミリ程度沈むまでは上記スプ
リング機構によって吸収される。
【0067】
(実施例1)
さて、図3及び図4には、本発明の実施例1に係る入力装置100の拡大断面図が示し
てあり、図3では扉部30がその閉止位置にあることが、また、図4では、扉部30が開
放位置にあることが示してある。この入力装置100は、上皿形成部分50の上面側に開
口部51を形成しておき、この開口部51内に操作部材10を収納した取付部材40を収
納して、開口部51の直上を扉部30によって開閉自在に覆うように構成したものである
。つまり、この入力装置100は、操作部材10を収納した取付部材40を開口部51内
に取り付けて、この取付部材40の上部を、扉部30またはこれと同等な揺動部材30a
によって覆うようにしたものである。
【0068】
また、この実施例1の操作部材10を収納している取付部材40の下側には、緩衝材4
1が敷設してあり、この緩衝材41は上皿形成部分50の開口部51内にある底部上に配
置してある。この緩衝材41は、特に断らない限り、以下の各実施例においても採用され
るものである。
【0069】
さて、本実施例の操作部材10は、その上部に操作部11を有していて、この操作部1
1のさらに上面が先端部11aとなっている。この操作部材10の操作部11は、遊技者
が押圧するものであり、押圧されたときには、図示しない内部のスイッチが作動して、電
気的情報を制御手段300に向けて発するものである。
【0070】
この実施例1においては、扉部30は、所謂「シャッター」であり、互いに対向状態で
配置されて各開閉機構20によって開閉されるものにしてある。このシャッターである扉
部30は、図4にも示したガイドレール32によって案内されるものであり、制御手段3
00から送られてくる信号によって作動する各開閉機構20によって展開されあるいは巻
き戻しされるものである。
【0071】
また、この実施例1の入力装置100においては、その操作部材10は図示上下方向に
進退はしないものであるが、この操作部材10の操作部11は開口部51から図3中の退
行寸法L1だけ後退した位置に配置してある。この退行寸法L1は、各扉部30の開閉操
作をし易くするとともに、当該扉部30の上面を遊技者が無理矢理叩いたとしても、この
扉部30によって操作部材10が損傷を受けないようにすることのできる緩衝空間となる
ものである。
【0072】
勿論、遊技者の押圧によって信号を制御手段300側に発する操作部材10は、上記取
付部材40内に収納されているし、通常時にはその図示上面が各扉部30によって閉止さ
れていることから、当該操作部材10の操作ができないことは当然として、遊技者等がこ
の操作部材10に対して悪戯や不正行為を行いにくくしていて、結果的に、この操作部材
10は取付部材40や各扉部30によって保護されているのである。
【0073】
また、この実施例1の操作部材10では、各扉部30が開放されたときには、図4にも
示したように、その操作部11が退行寸法L1分後退した位置にあるから、当該操作部1
1を押圧することはできるが、壊れるような大きな力を加えることができない状態になっ
ている。
【0074】
(実施例2)
図5及び図6には、本発明の実施例2に係る入力装置100の拡大断面図が示してあり
、図5では扉部30がその閉止位置にあることが、また、図6では、扉部30が開放位置
にあることが示してある。この入力装置100でも、上記実施例1の場合と同様に、上皿
形成部分50の上面側に開口部51を形成しておき、この開口部51内に操作部材10を
収納した取付部材40を収納して、開口部51の直上を扉部30によって開閉自在に覆う
ように構成したものである。つまり、この入力装置100は、操作部材10を収納した取
付部材40を開口部51内に取り付けて、この取付部材40の上部を、扉部30またはこ
れと同等な揺動部材30aによって覆うようにしたものである。
【0075】
また、この実施例2の操作部材10では、実施例1の場合もそうであるが、操作部材1
0が取付部材40に対して進退することによって情報(信号)を発するとともに、この操
作部材10に対して操作部11が、図6中の仮想線の位置(OFFの位置)から実線の位
置まで下がったときに情報を発するようにもなっている。また、操作部11が、図6中の
仮想線の位置から実線の位置まで下がる間に、この操作部11に掛けられる力に応じた信
号を発することができるようにもなされる。以上のことによって、当該操作部材10によ
り遊技者が入力できる情報の種類を多くすることができるのである。
【0076】
勿論、操作部11は、上記実施例のように、所謂「ボタンタイプ」のものであってもよ
いし、この操作部11が所謂「レバー」によって操作されるものであってもよいことは、
言うまでもない。
【0077】
この実施例2の入力装置100では、扉部30として左右一対の揺動部材30aを採用
したものであり、この揺動部材30aは、上記実施例1における「シャッター」のような
可撓性板材とは異なって、所定形状の固体物としたものである。そして、これら一対の揺
動部材30aの一方は、開閉機構20によって開閉駆動されるものである。
【0078】
この実施例2に係る開閉機構20では、図5及び図6の図示右側に位置する一方の揺動
部材30aを駆動するモータを採用している。つまり、このモータの駆動力は、駆動ギア
24を介して、図示右側に位置する揺動部材30aに一体的に設けた第1従動ギア25a
、及び図示左側に位置する揺動部材30aに一体的に設けた第2従動ギア25bに伝達さ
れ、結果的に両揺動部材30aに伝達される。そして、各揺動部材30aは、各第1従動
ギア25a及び第2従動ギア25bの中心軸を中心にして揺動するものである。なお、こ
の実施例2では、2個の揺動部材30aを採用して、それぞれに一体化した第1従動ギア
25a及び第2従動ギア25bを互いに歯合させているが、揺動部材30aは1個でもよ
く、その場合には、第2従動ギア25bは不要となる。
【0079】
この実施例2の入力装置100において、実施例1において使用したのと同様な部材が
ある場合には、図5〜図6中に、図3及び図4において使用したのと同じ符号を付して、
その説明を省略する。
【0080】
(実施例3)
図7〜図10には、実施例3に係る入力装置100が示してあるが、この実施例3の入
力装置100では、操作部材10が進退駆動されるものとしてある。また、この実施例2
の入力装置100を構成している開閉機構20では、レバー21と、上記実施例2で述べ
たのと同様なモータとを採用している。なお、その他の部材または部品で実施例1または
2で使用したのと同様なものがある場合、各図7〜図10中に実施例1または2で使用し
たのと同じ符号を付してその説明を省略する。
【0081】
本実施例3に係る遊技機では、その入力装置100を構成している操作部材10は、そ
の底面と取付部材40の底部との間に掛装した引張りスプリング23によって、図7に示
した元位置に復帰するように付勢されていて、開閉機構20による戻りを補助するように
なっている。また、この操作部材10は、元位置に復帰したとき、取付部材40内に設け
てある部材受43上に載置されるようになっており、それ以上の降下をしないようにして
ある。さらに、この操作部材10の側壁は、取付部材40の内面に突出形成してある複数
のガイド42によって案内されるようにしてあり、その進退時に摩擦力を低減しながら横
揺れしないようになっている。
【0082】
また、この操作部材10が、図7に示した退行位置にある場合には、その操作部11の
先端部11aは、上皿形成部分50に形成してある開口部51から退行寸法L1だけ降下
した状態にあり、一方、図9に示した進行位置にある場合には、その操作部11の先端部
11aは、上皿形成部分50に形成してある開口部51から進行寸法L2だけ突出した状
態にある。従って、進行位置にある操作部11の先端部11aは、遊技者によって押圧し
易い状態にあるだけでなく、進行寸法L2だけ開口部51から突出しているのであるから
、非常に目立つものとなって遊技者の興趣を高めるものとなっているのである。
【0083】
なお、この実施例3に係る開閉機構20では、モータの駆動力は、駆動ギア24を介し
て、図示右側に位置する揺動部材30aに一体的に設けた第1従動ギア25a、及び図示
左側に位置する揺動部材30aに一体的に設けた第2従動ギア25bに伝達され、結果的
に両揺動部材30aに伝達されることは、上記実施例2の場合と同じである。
【0084】
さて、レバー21であるが、このレバー21は、比較的長く形成したもので、それ自身
ある程度の可撓性を有するものである。また、このレバー21は、上記取付部材40の側
面に形成した揺動開口46を通して、その自由端部21aが操作部材10の底面下方に向
けて挿入されて、その中間部にて取付部材40の側面に形成した支軸21cに軸支したも
のである。そして、このレバー21の、支軸21cに対する自由端部21aの反対側部分
は他先端部21bとなっており、この他先端部21bは、外側部材44に設けたソレノイ
ドである開閉機構20に連結されている。
【0085】
従って、このレバー21は、支軸21cを中心にした揺動が可能になっており、その取
付部材40内に位置している自由端部21aは、操作部材10の退行位置で、取付部材4
0内に設けた揺動部材受45上に支持されるものとなっている。
【0086】
このようなレバー21を有する入力装置100において、開閉機構20が作動してレバ
ー21の他先端部21bを押圧すると、この他先端部21bと支軸21cに対して反対側
になる自由端部21aは、操作部材10の底面に当接して、この操作部材10を図6に示
したように、取付部材40内にて押し上げるのである。そうすると、この操作部材10の
操作部11は、上皿形成部分50に形成してある開口部51から突出し、その先端部11
aを遊技者が押圧し得る状態となるのである。
【0087】
この実施例3における各扉部30も、所定形状の固体物からなる揺動部材30aであり
、操作部材10が退行位置にある場合には、図7に示したように、上皿形成部分50側に
形成してあった開口部51を閉じているのであるが、操作部材10が進行位置にあれば、
図9に示したように、開口部51を完全に解放することになるものである。
【0088】
各扉部30(本実施例では揺動部材30a)が図7に示したような閉じ状態にある場合
には、操作部材10の操作部11は、これらの扉部30によって見えない状態に維持され
ているだけでなく、当然のことながら、操作部11を押圧することができないように保護
している。また、両扉部30によって開口部51が閉じられていれば、開口部51内に種
々なものが入り込むことを防止しているのであり、当然のことながら、当該操作部材10
に対して不正行為をもできなくしている。
【0089】
また、この扉部30が存在することによって、当該入力装置100自体による演出効果
を高めることができる。例えば、図7に示した状態にあった扉部30が、図9に示したよ
うに開いて、操作部材10の進行はしないが、その操作部11の先端部11aを遊技者に
見えるようにする。ここで、操作部材10が進行してくるか否かの期待を遊技者に与える
のである。そして、これらの扉部30が図7に示した閉じ状態に戻るか、あるいは、図9
に示した操作部材10の進行状態にするかを、制御手段300にて制御するようにすれば
、遊技者に対する興趣をより一層高めることのできる演出を、当該入力装置100によっ
ても行えることになるのである。
【0090】
以上のような当該入力装置100による複雑な演出をより効果的にしているのが、各揺
動部材30aによる扉部30の開閉と、一方の揺動部材30aの押圧部31によるレバー
21の押圧とが時間差を置いてなされことと、進行した操作部材10を引張りスプリング
23を採用して短時間で退行させるようにしたことである。特に、図8は、扉部30によ
る開口部51の開放が完全になされると同時に、操作部材10の進行がレバー21を介し
てされ始める将にその瞬間を示しているのである。
【0091】
また、この実施例3の入力装置100では、その開閉機構20が、1個のモータと、互
いに噛合される第1従動ギア25a及び第2従動ギア25bをそれぞれ一体化した揺動部
材30aと、この揺動部材30aの押圧部31によって他先端部21bが押圧されるレバ
ー21とによって構成したから、上記のような非常に複雑な演出を行うにも拘わらず単純
な構成とすることができて、上皿形成部分50の開口部51内という限られたスペースに
も設置し得るのである。
【0092】
勿論、両扉部30が完全に開いて、操作部材10が図9に示したような進行状態になれ
ば、前述してきた各実施例のそれと同様に、遊技者が操作部材10の操作部11を押圧す
ることによって、制御手段300に対する情報の入力が行えるのである。
【0093】
ところで、図1及び図2に示した遊技機は、表示手段200にて図柄を変動表示させる
演出を行うようにしたパチンコ機であるが、この表示手段200にての図柄変動表示は、
制御手段300によって制御されており、この変動表示時において、上述してきた入力装
置100からの情報が遊技者の操作によって入力されるものである。
【0094】
以上の表示用処理と入力装置100からの信号との処理関係の概略を、パチンコ機を例
に採って説明すると、次の通りである。変動後の表示結果が大当たりとなる場合、入力装
置100の操作部材10が遊技者に操作されて操作部11のスイッチがオンすると、「魚
群」等の示唆演出が高確率で行われるように制御手段300による演出の設定が行われる
。一方、操作部11がオンしなければ、示唆演出の実行確率が低い演出の設定が行われる
。これによって、遊技者の入力装置100の操作に基づいて示唆演出を表示手段200に
て行うものであり、遊技者の遊技への参加意識を高めることができる。
【0095】
以上の、制御手段300で実行される変動表示演出処理の一例について、以下のステッ
プ01〜ステップ23を想定して説明すると、次の通りである。変動表示演出処理は、操
作部材10への入力有無に基づいて参照するテーブルを変更し、大当たりが発生する変動
表示の途中で「魚群」や「大魚群」の示唆演出を行うか否かを設定するための処理である

【0096】
この変動表示演出処理では、まず、変動開始の制御用コマンドを制御手段300から受
信したか否かを確認する(ステップ01)。変動開始の制御用コマンドを受信していれば
(ステップ01:Yes)、表示手段200で図柄の変動表示を開始するタイミングであ
るので、図柄の変動表示を開始する(ステップ02)。また、入力表示フラグをオンし(
ステップ03)、タイマカウンタの値を「0」クリアして(ステップ04)、制御用コマ
ンドに大当たり情報が付加されているか否かを確認する(ステップ05)。
【0097】
大当たり情報が付加されていれば(ステップ05:Yes)、変動後の表示結果が大当
たりとなるので、大当たりフラグをオンし(ステップ06)、大当たり演出メモリを「0
」クリアして(ステップ07)、処理をステップ08へ移行する。一方、ステップ01の
処理で変動開始の制御用コマンドを受信していない場合(ステップ01:No)、又は、
ステップ05の処理で制御用コマンドに大当たり情報が付加されていない場合(ステップ
05:No)には、処理をステップ08へ移行する。
【0098】
ステップ08の処理では、演出決定カウンタの値を更新する(ステップ08)。演出決
定カウンタの値は「0〜9」の範囲で更新されるものである。具体的には、演出決定カウ
ンタの値が「8」以下であればその値に「1」が加算され、「9」であればその値が「0
」クリアされる。
【0099】
ステップ09の処理では、入力表示フラグがオンであるか否かを確認する。入力表示フ
ラグがオンであれば(ステップ09:Yes)、変動表示にリーチ表示が現出したか否か
を確認する(ステップ10)。変動表示にリーチ表示が現出していれば(ステップ10:
Yes)、タイマカウンタの値を「+1」し(ステップ11)、タイマカウンタの値が第
1設定値以上か否かを確認する(ステップ12)。
【0100】
タイマカウンタの値が第1設定値以上であれば(ステップ12:Yes)、変動表示に
リーチ表示が現出してから4秒以上経過しているので、変動表示に「たたけ!」の表示を
し(ステップ13)、入力装置100がオンしたか否かを確認する(ステップ14)。
【0101】
ステップ14の処理で入力装置100がオンしていなければ(ステップ14:No)、
タイマカウンタの値が第2設定値以上か否かを確認する(ステップ17)。タイマカウン
タの値が第2設定値以上であれば(ステップ17:Yes)、変動表示にリーチ表示が現
出してから6秒が経過しているので、入力装置100への入力待ち状態を解除する時期で
ある。このため、大当たりフラグがオンであるか否かを確認し(ステップ18)、大当た
りフラグがオンであれば(ステップ18:Yes)、変動後の表示結果が大当たりとなる
ので、演出決定カウンタの値番目のデータを第2テーブルから読み出して大当たり演出メ
モリへ書き込み(ステップ19)、大当たりフラグをオフして(ステップ20)、処理を
ステップ21へ移行する。
【0102】
一方、ステップ18の処理で、大当たりフラグがオンでなければ(ステップ18:No
)、変動後の表示結果がハズレであるので、大当たりが発生する場合の示唆演出を設定す
るステップ19の処理をスキップして、処理をステップ21へ移行する。
【0103】
ステップ21の処理からは、表示手段200に表示された「たたけ!」の表示を消去し
(ステップ21)、入力表示フラグをオフする(ステップ22)。その後、大当たり演出
メモリへ書き込まれた値に従った演出や、制御手段300から送信される変動表示に関す
るコマンドに従った演出を実行する等の他の処理を行って(ステップ23)、この変動表
示演出処理を終了する。
【0104】
ここで、ステップ23の処理では、大当たり演出メモリの値が変更されると、その値に
応じた「魚群」や「大魚群」の示唆演出が即座に表示手段200で実行されるものである
。また、変動後の表示結果がハズレである場合には、主制御基板制御手段300から送信
される制御用コマンドに基づいて「魚群」や他の演出がステップ23の処理で設定されて
、表示手段200で実行されるようになっている。
【0105】
一方、ステップ14の処理で入力装置100がオンであれば(ステップ14:Yes)
、大当たりフラグがオンであるか否かを確認し(ステップ15)、大当たりフラグがオン
であれば(ステップ15:Yes)、変動後の表示結果が大当たりとなるので、演出決定
カウンタの値番目のデータを第1テーブルから読み出して大当たり演出メモリへ書き込み
(ステップ16)、処理をステップ20へ移行する。
【0106】
ステップ15の処理で、大当たりフラグがオンでなければ(ステップ15:No)、変
動後の表示結果がハズレであるので、大当たり時の演出を設定するステップ16の処理を
スキップして、処理をステップ21へ移行する。
【0107】
また、ステップ09の処理で入力表示フラグがオンでない場合(ステップ09:No)
、ステップ10の処理でリーチ表示の現出前であることが確認された場合(ステップ10
:No)、ステップ12の処理でタイマカウンタの値が第1設定値未満であることが確認
された場合(ステップ12:No)、又は、ステップ17の処理でタイマカウンタの値が
第2設定値未満であることが確認された場合(ステップ17:No)には、大当たりの演
出を設定する処理をスキップして、処理をステップ23へ移行する。
【0108】
以上説明したように、図14に示す変動表示演出処理では、ステップ14の処理で入力
装置100がオンされた場合に限って示唆演出が高確率で実行される第1テーブルが参照
されるので、入力装置100の状態に基づいた示唆演出の設定を制御手段300に行わせ
ることができる。つまり、遊技者による入力装置100の入力操作に応じた示唆演出を設
定し、その設定した示唆演出を表示手段200に実行させることができるので、遊技者の
遊技への参加意識を高めることができる。
【0109】
また、ステップ14の処理で入力装置100がオンされると、ステップ16の処理で大
当たり演出メモリの値が変更され、ステップ23の処理でその値に応じた示唆演出を表示
手段200で即座に実行させるので、遊技者が入力装置100による入力操作を行ったタ
イミングで「魚群」や「大魚群」の示唆演出を表示手段200に実行させることができる

【図面の簡単な説明】
【0110】
【図1】本発明を実施した遊技機の正面図である。
【図2】図1に示した遊技機の上皿形成部分の拡大平面図である。
【図3】本発明に係る遊技機において採用した入力装置の実施例1を示し、扉部が閉じ状態の場合を示す部分拡大縦断面図である。
【図4】同入力装置の実施例1を示し、扉部が開放状態の場合を示す部分拡大縦断面図である。
【図5】同入力装置の実施例2を示し、扉部である揺動部材が退行した状態の部分拡大縦断面図である。
【図6】同入力装置の実施例2を示し、扉部である揺動部材が開放状態の場合を示す部分拡大縦断面図である。
【図7】同入力装置の実施例3を示し、操作部材が退行して扉部が開口部を閉じた状態の部分拡大縦断面図である。
【図8】同入力装置の実施例3を示し、扉部が開いてその押圧部がレバーの先端に当接した状態の部分拡大縦断面図である。
【図9】同入力装置の実施例3を示し、操作部材がレバーによって完全に進行した状態の部分拡大縦断面図である。
【図10】同入力装置の実施例4を示し、開口部が扉部によって閉じられたときの平面図である。
【符号の説明】
【0111】
100 入力装置
200 表示手段
300 制御手段
10 操作部材
11 操作部
11a 先端部
20 開閉機構
21 レバー
21a 自由端部
21b 他先端部
21c 支軸
31 押圧部
23 引張りスプリング
24 駆動ギア
25a 第1従動ギア
25b 第2従動ギア
30 扉部
30a 揺動部材
31 押圧部
32 ガイドレール
40 取付部材
41 緩衝材
42 ガイド
43 部材受
44 外側部材
45 揺動部材受
46 揺動開口
50 上皿形成部分
51 開口部
52 上皿
L1 退行寸法
L2 進行寸法

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技内容を表示する表示手段と、この表示手段を制御する制御手段と、この制御手段に
遊技者が情報を入力する入力装置とを備えた遊技機であって、
前記入力装置は、前記遊技機に取り付けられる取付部材と、この取付部材内に収納され
て、前記遊技者が操作する操作部を備えた操作部材と、前記取付部材に取り付けられて、
前記操作部の表面近傍にて開閉される扉部と、前記制御手段の制御により前記扉部を開閉
させる開閉機構とを備えたものであることを特徴とする遊技機。
【請求項2】
前記扉部を、前記取付部材に回動可能に連結した少なくとも1つの揺動部材によって構
成するとともに、前記開閉機構を、前記揺動部材に一体化したギアと、このギアを揺動駆
動するモータとにより構成したことを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
【請求項3】
前記操作部材を、前記制御手段の制御により前記取付部材に対して進退するものとした
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の遊技機。
【請求項4】
前記操作部材の進退を、前記取付部材に枢軸にて取り付けられて、内端が前記操作部材
の底面に当接されたレバーと、前記揺動部材の一先端に設けた押圧部とにより行うように
して、この押圧部が前記レバーの外端を押圧したとき、前記レバーが前記操作部材を進行
させるようにしたことを特徴とする請求項3に記載の遊技機。
【請求項5】
前記開閉機構は、前記操作部材及び取付部材の両底部間に介装した引張りスプリングを
さらに有することを特徴とする請求項3または請求項4に記載の遊技機。
【請求項6】
前記扉部の前記開閉機構による開閉状態を、当該扉部の全開状態または部分開放状態、
あるいはこれらの組合せ状態となるように、前記制御装置によって制御するようにしたこ
とを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれかに記載の遊技機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2013−99657(P2013−99657A)
【公開日】平成25年5月23日(2013.5.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2013−41943(P2013−41943)
【出願日】平成25年3月4日(2013.3.4)
【分割の表示】特願2008−210502(P2008−210502)の分割
【原出願日】平成20年8月19日(2008.8.19)
【出願人】(000144522)株式会社三洋物産 (4,662)
【Fターム(参考)】