説明

入力装置及びゲーム機

【課題】装置自体の小型化に有利であるとともに緻密な操作に適し、かつ従来よりも故障し難い入力装置を提供する。
【解決手段】抜き孔11aを有するテーブル11と、抜き孔11aを介してテーブル11の上面側へ抜き出し不能なようにテーブル11の下面側に配置され、テーブル11の下面に沿って動いたときの移動方向及び移動量に対応する信号を出力する位置センサユニット14と、テーブル11の上面側に配置された操作ユニット13と、位置センサユニット14と操作ユニット13をテーブル11に沿って一体的に移動可能なように抜き孔11aを介して連結する連結軸15とを備え、操作ユニット13は連結軸15に対して上下動可能に取り付けられ、操作ユニット13が持ち上げられた場合に信号を出力するリフトセンサ23をさらに備え、位置センサユニット14の出力信号はリフトセンサ23の出力信号に基づいてゲームに反映されるか否か切り替えられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲーム機や端末装置等に設けられる入力装置、及びその入力装置を備えたゲーム機に関する。
【背景技術】
【0002】
ゲーム機や端末装置等に設けられる種々の入力装置が知られている。例えば、ゲーム機に設けられる入力装置として、2次元方向の任意の位置へ移動可能なように銃模型が筐体に取り付けられ、その銃模型の移動や回転を複数のポテンショメータで検出する入力装置が知られている(特許文献1参照)。また、装置の基部内に検出ボールを回転可能な状態で配置し、その検出ボールをプレイヤーが操作する部分の移動テーブルで回転させることにより入力部材の移動を検出する入力装置が知られている(特許文献2参照)。この他、XYテーブルに手動操作部が設けられるとともにスティックコントローラが取り付けられ、手動操作部の移動をスティックコントローラの傾斜にて検出する車載用入力装置が知られている(特許文献3、4参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000−075950号公報
【特許文献2】特開2000−148384号公報
【特許文献3】特開平11−339601号公報
【特許文献4】特開平11−339600号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ゲーム機や端末装置等においては、例えば画面に表示されているカーソルを所定の位置に合わせる操作など緻密な操作を要求するものがある。特許文献3、4の入力装置やジョイスティックなどスティックやレバーの傾いている方向に応じた信号を出力する入力装置では、所定の2次元の操作方向を指示することしかできない。そのため、このような入力装置を緻密な操作が要求されるゲーム機に適用した場合、プレイヤーが緻密な操作を実行可能になるまでに時間がかかり、プレイヤーがゲームに飽きてしまうおそれがある。
【0005】
また、ゲーム機においてはゲーム画面の一部を表示装置に表示するとともにその表示されている部分以外の部分でもゲームを進行させ、プレイヤーからの入力に応じて表示する部分をスクロールさせて表示装置に表示する部分を切り替えるものがある。特許文献1の入力装置では銃模型の移動をポテンショメータで検出しているが、このようにポテンショメータで移動を検出する場合は銃模型などの操作部材の移動範囲とプレイヤーに表示すべきゲーム画面の全体とを対応させる必要がある。具体的には、表示をスクロールさせるゲームでは、スクロールした後に表示される部分も含んだゲーム画面と操作部材の移動範囲とを一対一に対応させる必要がある。そのため、広大なゲーム画面でゲームが進行されるゲーム機に特許文献1の入力装置を適用すると、操作部材を操作するためのスペースを十分に設ける必要がある。
【0006】
プレイヤーの表示すべきゲーム画面と操作部材の移動範囲とを一対一に対応させる必要がなく、また緻密な操作に適した入力装置として、マウス等のポインティングデバイスが知られている。このようなポインティングデバイスは検出センサが設けられた操作部材を持ち上げることが可能に構成され、操作部材が配線コードでゲームの筐体等と接続される。そのため、ゲーム機に適用した場合にプレイヤーが操作部材を激しく上下に動かした際に配線コードが断線するなどの故障が発生するおそれがある。特許文献3の入力装置では、このように操作部材を上下方向に動かされたときの対策が講じられていない。
【0007】
そこで、本発明は、装置自体の小型化に有利であるとともに緻密な操作に適し、かつ従来よりも故障し難い入力装置及びゲーム機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、以下の手段により上述した課題を解決する。なお、本発明の理解を容易にするために添付図面の参照符号を括弧書きにて付記するが、それにより本発明が図示の形態に限定されるものではない。
【0009】
本発明の入力装置は、抜き孔(11a)を有するテーブル(11)と、前記抜き孔を介して前記テーブルの上面側へ抜き出し不能なように前記テーブルの下面側に配置され、前記テーブルの下面に沿って動いたときの移動方向及び移動量に対応する信号を出力する位置センサユニット(14)と、前記テーブルの上面側に配置された操作ユニット(13)と、前記位置センサユニットと前記操作ユニットとが前記テーブルの上下面に沿って一体的に移動可能なように前記抜き孔を介して前記位置センサユニットと前記操作ユニットとを互いに連結する連結手段(15)と、を備え、前記操作ユニットは、前記連結手段に対して上下動可能なように取り付けられ、前記操作ユニットが前記テーブルの上面から離間する方向に動かされた場合に信号を出力する離間検出手段(23)と、前記離間検出手段の出力信号に基づいて前記位置センサユニットの出力信号をその出力信号を使用する所定の制御に反映させるか否か切り替える信号制御手段(6)と、をさらに備えていることにより、上述した課題を解決する。
【0010】
本発明の入力装置では、プレイヤーが手で操作ユニットをテーブルに沿って動かすと位置センサユニットも操作ユニットとともに移動する。そして、位置センサユニットからはマウス等のポインティングデバイスと同様にテーブルの下面に沿って動いたときの移動方向及び移動量に対応する信号が出力される。そのため、例えば本発明の入力装置をゲーム機に適用し、位置センサユニットが検出する移動方向及び移動量を画面のキャラクタの移動等に反映させることにより、そのキャラクタの操作精度を高めることができる。このように本発明の入力装置は、移動方向しか検出しない入力装置と比較して緻密な操作が要求されるゲーム機等に適している。また、この位置センサユニットはテーブルの上面側へ抜き出し不能なように設けられているため、例えばプレイヤーが操作ユニットを激しく上下動させても位置センサユニットがテーブルの上面側へ抜けない。そのため、位置センサユニットに配線コードが接続される場合にその配線コードが断線することを抑制できる。従って、本発明の入力装置は従来のものよりも故障し難い。さらに、本発明の入力装置では、信号制御手段によって離間検出手段の出力信号に基づいて位置センサユニットの出力信号を所定の制御に反映させるか否か切り替えることができるので、その所定の制御に影響を与えることなく位置センサユニットを任意の位置に動かすことができる。本発明の入力装置をゲーム機に適用した場合、例えば操作ユニットを移動させることが可能な操作可能範囲の端までゲーム中にプレイヤーが操作ユニットを動かすことがある。本発明の入力装置では、このような場合にプレイヤーが操作ユニットをテーブルから離す方向に動かすことにより、離間検出手段から信号を出力させて位置センサユニットの出力信号がゲームに反映されることを禁止できる。そのため、プレイヤーは、操作ユニットをテーブルから離す動作をしたまま操作ユニットをテーブルに沿って動かすことによりゲームの進行に影響を与えることなく操作ユニットを操作可能範囲の中央付近に動かすことができる。そして、プレイヤーは操作ユニットを移動させた後の位置からゲームのプレイを再開することができる。このように本発明の入力装置では、例えばゲーム画面と位置センサユニットの移動範囲とを一対一に対応させる必要がないので、位置センサユニットを移動させるためのスペースを広く設ける必要がない。そのため、入力装置を小型化できる。
【0011】
前記操作ユニットは、前記連結手段に設けられた複数の支持軸(22)に上下動可能に支持されていてもよい。この場合、操作ユニットが複数の支持軸で上下動可能に支持されるので、各支持軸を適切に配置することにより操作ユニットが傾いた状態で上下方向に移動することを防止できる。
【0012】
前記連結手段は、筒状であり、操作部材を有するとともに前記操作部材の操作状態に応じた信号を出力する入力手段(19、20、21)及び前記離間検出手段が前記操作ユニットに設けられ、前記入力手段に接続される配線コード(19a、20a、21a)及び前記離間検出手段に接続される配線コード(23a)は、前記操作ユニットの内部及び前記連結手段の内部を介して前記テーブルの下面側へ引き込まれていてもよい。この場合、配線コードがテーブルの上面に露出することを防止できるので、入力装置の外観を良くすることができる。また、このように配線コードを操作ユニット及び連結手段の内部に配線することにより、配線コードを操作ユニットや連結手段で守ることができる。この場合、配線コードが抜き孔の縁と連結手段との間に挟まれることを防止できるので、この配線コードが断線することを防止できる。
【0013】
前記位置センサユニットは、センサ部(24)と、前記センサ部の上面に設けられるプレート部(25)と、を備え、前記プレート部の上面の面積は、前記抜き孔の開口面積より大きくてもよい。この場合、位置センサユニットに対してテーブルの上面側に動かす力が働いてもプレート部が抜き孔に引っ掛かる。そのため、位置センサユニットをテーブルの上面側へ抜き出し不能なように設けることができる。また、この場合、プレート部によって位置センサユニットがテーブルの上面側に抜けることを防止できるので、センサ部の上面の面積は抜き孔の開口面積より小さくてもよい。そのため、抜き孔の開口面積に拘わりなくセンサ部の上面の大きさを設定することができる。従って、センサ部の設計の自由度を高めることができる。
【0014】
前記テーブルの下面側には、前記位置センサユニットが移動可能な範囲を制限する規制部材(27)が設けられていてもよい。この場合、規制部材で位置センサユニットの動きを制限できる。そのため、この規制部材によって位置センサユニットの移動可能な範囲を適宜に設定できる。例えば、連結手段が抜き孔の縁に接触する前に位置センサユニットが規制部材に接するように規制部材を設けることにより、連結手段が抜き孔の縁に当たって破損したり変形したりすることを防止できる。
【0015】
前記テーブルの下面側には、前記位置センサユニットを下側から支持するとともに前記テーブルの下面に沿って動かされたときに前記位置センサユニットが移動方向及び移動量を検出するための検出対象となる支持プレート部材(26)が設けられていてもよい。本発明の入力装置では操作ユニットが連結手段に対して上下動可能に取り付けられるので、操作ユニットが上下動されても位置センサユニットは上下動しない。そのため、操作ユニットが上下動されても位置センサユニットと支持プレート部材との間に隙間が生じない。従って、位置センサユニットと支持プレート部材との間に異物が入り込むことを抑制できる。また、これにより位置センサユニットによる移動方向及び移動量の誤検出を抑制できる。
【0016】
本発明のゲーム機は、上述した入力装置と、前記位置センサユニットの出力信号が使用される前記所定の制御としてのゲームを実行するゲーム制御部(6)と、を備え、前記信号制御手段は、前記離間検出手段の出力信号を検知しない場合は前記位置センサユニットの出力信号を前記ゲームに反映させ、前記離間検出手段の出力信号を検知した場合は前記ゲームに前記位置センサユニットの出力信号が反映されないようにその出力信号を無効にする。
【0017】
本発明のゲーム機によれば、上述した入力装置を備えているので、例えば位置センサユニットが検出する移動方向及び移動量をゲーム内でのキャラクタの移動等に反映させることにより、そのキャラクタの操作精度を高めることができる。このように、本発明のゲーム機は、緻密な操作が要求されるゲームに適している。また、プレイヤーが操作ユニットを激しく上下動させても操作ユニットしか上下動しないので、位置センサユニットの配線コードの断線を抑制できる。そのため、従来よりも故障し難い。さらに、信号制御手段によって離間検出手段の信号に応じて位置センサユニットの出力信号をゲームに反映させるか否か切り替えることができる。そのため、プレイヤーが離間検出手段から信号が出力されるように操作ユニットを操作したまま位置センサユニットをテーブルに沿って動かすことにより、ゲームの進行に拘わりなく位置センサユニットをプレイヤーの所望の位置に動かすことができる。この場合、位置センサユニットを移動させることが可能な範囲を広く設ける必要がないため、ゲーム機を小型化できる。
【発明の効果】
【0018】
以上に説明したように、本発明の入力装置によれば、操作ユニットがテーブルに沿って動かされたときの移動方向及び移動量を位置センサユニットにて検出することができる。そのため、例えば本発明の入力装置をゲーム機に適用し、位置センサユニットにて検出される移動方向及び移動量をゲーム内でのキャラクタの移動等に反映させることにより、キャラクタの操作精度を高めることができる。従って、本発明の入力装置は、緻密な操作が要求されるゲーム等に適している。また、この位置センサユニットはテーブルの上面側へ抜き出し不能なように設けられているため、位置センサユニットに接続される配線コードの断線を抑制できる。従って、本発明の入力装置は従来のものよりも故障し難い。さらに、本発明の入力装置では、信号制御手段によって離間検出手段の出力信号に基づいて位置センサユニットの出力信号を所定の制御に反映させるか否か切り替えることができるので、その所定の制御に影響を与えることなく位置センサユニットを任意の位置に動かすことができる。そのため、例えばゲーム画面と位置センサユニットの移動範囲とを一対一に対応させる必要がない。従って、入力装置を小型化できる。本発明のゲーム機は、本発明の入力装置を備えているため、同様の作用効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の一形態に係る入力装置が組み込まれたゲーム機を示す図。
【図2】右側入力操作部を上側から見た斜視図。
【図3】図2のIII−III線における右側入力操作部の断面を示す図。
【図4】右側入力操作部を下側から見た斜視図。
【図5】一部の図示を省略した右側入力操作部を上側から見た斜視図。
【図6】操作部の内部を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0020】
図1は、本発明の一形態に係る入力装置が組み込まれたゲーム機を示している。このゲーム機1は、プレイヤーが座る椅子2と、椅子2の前方に設けられてゲーム画面が表示されるディスプレイ3とを備えている。この図に示したように椅子2には、肘掛け4L、4Rが設けられている。左側の肘掛け4Lには、コントロールスティック及び複数のボタンが設けられた左側入力操作部5が設けられている。右側の肘掛け4Rにも、右側入力操作部10が設けられている。これら入力操作部5、10は、プレイヤーが椅子2に座った際にプレイヤーの手が届き易い位置に配置されている。椅子2の内部には、ゲームを実行するゲーム制御部としての制御装置6が設けられている。各入力操作部5、10及びディスプレイ3は、それぞれこの制御装置6と接続されている。
【0021】
図2〜図6を参照して右側入力操作部10について詳しく説明する。図2は右側入力操作部10を上側から見た斜視図を示している。この右側入力操作部10は、肘掛け4Rに移動不能に固定されるテーブル11(図1も参照)と、プレイヤーによって操作される操作部12とを備えている。図3は図2のIII−III線における右側入力操作部10の断面図を示している。この図に示したように操作部12は、テーブル11の上面側に配置される操作ユニット13と、テーブル11の下面側に配置される位置センサユニット14とを備えている。操作ユニット13と位置センサユニット14とは、連結手段としての連結軸15によってテーブル11に沿って一体に移動可能なように連結されている。連結軸15は、テーブル11の抜き孔11aを介してこれらユニット13、14を連結している。また、連結軸15は内部が中空の筒状である。そのため、操作ユニット13の内部と位置センサユニット14の内部とは連結軸15を介して繋がっている。図4は右側入力操作部10を下側から見た斜視図を示している。また、図5は図2と同じ方向から見た右側入力操作部10の斜視図だが、この図では操作部12の一部の図示を省略している。図3及び図5に示すようにテーブル11のほぼ中央には、抜き孔11aが設けられている。
【0022】
連結軸15には支持部16が設けられ、操作ユニット13はその支持部16に上下動可能に支持されている。操作ユニット13は、抜き孔11aを覆うカバー部17と、そのカバー部17の上部に取り付けられるハンドル部18とを備えている。なお、図5ではこのカバー部17の図示を省略している。ハンドル部18は、プレイヤーが手で握って操作することが可能な形状に構成されている。図6は、操作ユニット13の内部を示している。この図に示したように操作ユニット13には、入力手段としてのボタンスイッチ19、20が設けられている。また、操作ユニット13には、プレイヤーが指で前方及び後方に傾けたり内部に押し込んだりすることが可能なダイアル式操作部材21も入力手段として設けられている。支持部16には上方に延びる4本の支持軸22が設けられている。これら4本の支持軸22は、連結軸15の周囲に約90°毎に配置されている。操作ユニット13の底部にはこれら4本の支持軸22が通される貫通孔13aが設けられており、操作ユニット13はこれら4本の支持軸22によって上下動可能なように支持されている。そして、このように操作ユニット13を4本の支持軸22で支持することにより、操作ユニット13が傾いた状態で持ち上げられることを防止できる。なお、各支持軸22には、操作ユニット13が支持軸22から外れないように不図示の外れ止め部材が設けられている。
【0023】
また、この図に示したように操作ユニット13の内部には、離間検出手段としてのリフトセンサ23が設けられている。リフトセンサ23は、操作ユニット13が持ち上げられていない場合には信号を出力せず、操作ユニット13が所定の距離、例えば1mm以上持ち上げられた場合に信号を出力するように構成されている。リフトセンサ23としては、例えば互いに対向する発光部及び受光部を有し、発光部から受光部への光の通過及び遮断によって物体の有無を検出する周知のフォトインタラプタを使用すればよい。具体的には、例えば操作ユニット13が持ち上げられていない場合は発光部から受光部への光が遮断され、操作ユニット13が持ち上げられると発光部から受光部に光が通過するように操作ユニット13にフォトインタラプタを設ければよい。ボタンスイッチ19、20、ダイアル式操作部材21、及びリフトセンサ23には、それぞれ配線コード19a、20a、21a、23aが接続されている。これら配線コード19a、20a、21a、23aは、操作ユニット13及び連結軸15の内部を経由して位置センサユニット14内に引き込まれている。そして、これら配線コード19a、20a、21a、23aは、位置センサユニット14を介してゲーム機1の制御装置6に接続されている。
【0024】
次に図3及び図4を参照して位置センサユニット14について説明する。なお、位置センサユニット14は、連結軸15と一体に上下動するように連結軸15に取り付けられている。図4に示したように位置センサユニット14は、センサ部24と、センサ部24の上面に設けられるプレート部25とを備えている。センサ部24とプレート部25とは一体に移動するように接続されている。プレート部25は、その上面の面積が抜き孔11aの開口面積より大きくなるように構成されている。これにより、位置センサユニット14を、抜き孔11aを介してテーブル11の上面側へ抜き出し不能に設けることができる。なお、この図に示したようにセンサ部24は、その上面の面積がプレート部25の上面の面積よりも小さい。プレート部25の下面には、プレート部25の反りを防止するために複数のリブ25aが設けられている。図3に示したようにテーブル11の下面側には、位置センサユニット14が移動可能に載置される支持プレート部材としての支持プレート26が設けられている。この支持プレート26は、椅子2の肘掛け4R内にテーブル11とほぼ平行になるように設けられ、位置センサユニット14を下側から支持する。
【0025】
センサ部24は、操作部12がテーブル11に沿って動かされたときの移動方向及び移動量に対応する信号を出力する。センサ部24による移動方向及び移動量の変化の検出は、コンピュータ等の入力デバイスであるマウスのセンサと同様の公知の方法によって行えばよい。すなわち、ボール、赤外線、又はレーザ等を利用して移動方向及び移動量を検出すればよい。この場合、センサ部24は支持プレート26上における位置の変化を検出するので、支持プレート26がセンサ部24の検出対象となる。センサ部24も不図示の配線コードにてゲーム機1の制御装置6と接続されている。
【0026】
図4に示したようにテーブル11の下面には、規制部材としてのストッパ27が設けられている。ストッパ27は、位置センサユニット14が移動可能な範囲を制限するために設けられている。この図に示したようにストッパ27はテーブル11の下面から下方に突出している。そのため、操作部12が操作されて位置センサユニット14がストッパ27に接近するとプレート部25がストッパ27に当たり、これにより位置センサユニット14の移動可能な範囲が制限される。すなわち、ストッパ27はプレート部25の動きを制限することにより、位置センサユニット14の移動可能な範囲を制限している。ストッパ27は、操作部12がテーブル11に沿って動かされたときにプレート部25がストッパ27に当たって連結軸15が抜き孔11aの縁に接しないように設けられている。このようにストッパ27を設けることにより、連結軸15が抜き孔11aの縁に当たって破損したり変形したりすることを防止できる。なお、ストッパ27を設ける位置はこの位置に限定されず、位置センサユニット14の移動を許可する範囲に応じて適宜に設定すればよい。
【0027】
次にゲーム機1及び右側入力操作部10の動作について説明する。ゲーム機1では、プレイヤーは椅子2に座った状態でゲームをプレイする。このゲーム機1では、プレイヤーがゲーム機1に設けられている不図示のスタートボタンを押すと、制御装置6がその内部に記憶されているゲームプログラムを実行する。そして、制御装置6は、ゲームプログラムに従ってディスプレイ3にゲーム画面を表示する。プレイヤーは、そのゲーム画面に応じて各入力操作部5、10を操作する。
【0028】
このゲーム機1では、ディスプレイ3にプレイヤーが操作するキャラクタが表示される。ゲームがスタートした直後は、ディスプレイ3にはキャラクタを背後からカメラで映した画像が表示される。左側入力操作部5はこのキャラクタの移動に使用され、右側入力操作部10はキャラクタを映しているカメラの位置を動かしてゲーム画面を切り替えるために使用される。プレイヤーが左側入力操作部5を操作すると、制御装置6はその左側入力操作部5からの出力信号に応じてキャラクタを移動させる。そして、プレイヤーが右側入力操作部10の操作部12をテーブル11に沿って動かすと、制御装置6は位置センサユニット14からの出力信号に基づいてディスプレイ3に表示されるゲーム画面をスクロールさせる。具体的には、操作部12が右側に動かされるとキャラクタを映しているカメラがキャラクタを中心として右側に回り込むように、操作部12が左側に動かされるとそのカメラがキャラクタを中心として左側に回り込むようにゲーム画面をスクロールさせる。また、操作部12がディスプレイ3側に動かされるとキャラクタを映しているカメラがキャラクタを中心として上側に回り込むように、操作部12がディスプレイ3側とは反対の側に動かされるとそのカメラがキャラクタを中心として下側に回り込むようにゲーム画面をスクロールさせる。
【0029】
上述したように位置センサユニット14の移動可能な範囲は、ストッパ27にて制限されている。そのため、プレイヤーは位置センサユニット14のプレート部25がストッパ27に当たる位置までしか操作部12を移動させることができない。ゲーム機1では、操作部12がこのような位置まで動かされた場合は、プレイヤーに操作ユニット13を上方に持ち上げてもらう。プレイヤーが操作ユニット13を持ち上げるとリフトセンサ23から信号が出力される。制御装置6は、このリフトセンサ23の出力信号を検知すると、位置センサユニット14の出力信号がゲームに反映されないようにその出力信号を無効にする。この位置センサユニット14の出力信号の無効処理は、位置センサユニット14からの出力信号は受け取るがその出力信号に応じた処理を実行しないことによって実現してもよいし、位置センサユニット14からの出力信号の受け取りを拒否することによって実現してもよい。そのため、プレイヤーは、操作ユニット13を持ち上げたまま操作部12を動かすことにより、ゲームの進行に影響を与えることなく操作部12を動かし易い所望の位置に動かすことができる。そして、その後プレイヤーが操作ユニット13の持ち上げを解除することにより、操作ユニット13を持ち上げる前の状態からゲームを続けることができる。なお、このようにリフトセンサ23の出力信号に応じて位置センサユニット14の出力信号をゲームに反映させたりその反映を禁止したりすることにより、制御装置6が本発明の信号制御手段として機能する。そして、右側入力操作部10及び制御装置6によって本発明の入力装置が構成される。
【0030】
以上に説明したように、本発明の入力装置によれば、操作ユニット13がテーブル11に沿って動かされると位置センサユニット14から移動方向及び移動量に対応する信号が出力されるので、移動方向のみが検出される入力装置と比較して本発明の入力装置は緻密な操作に適している。また、この入力装置では、位置センサユニット14がテーブル11の上面側へ抜き出し不能なように設けられるとともに操作ユニット13が連結軸15に対して上下動可能に設けられている。そのため、操作部12がプレイヤーに激しく上下方向に動かされても操作ユニット13しか上下動せず、また位置センサユニット14はテーブル11の上面側に抜けない。従って、位置センサユニット14に接続される配線コードの断線を抑制できる。そして、このようにプレイヤーが操作部12を上下方向に動かしても操作ユニット13しか上下動しないようにすることにより、操作部12が上下方向に動かされたときに位置センサユニット14が上下動することを抑制できる。これにより位置センサユニット14と支持プレート26との間に隙間が生じ難くできるので、センサ部24と支持プレート26との間に異物が入り込むことを十分に抑制できる。そのため、センサ部24が移動方向や移動量を誤検出することを抑制できる。
【0031】
さらに入力装置では、制御装置6はリフトセンサ23の出力信号を検知すると位置センサユニット14の出力信号がゲームに反映されないようにその出力信号を無効にする。そのため、プレイヤーは、操作ユニット13を持ち上げたまま操作部12をテーブル11に沿って動かすことにより、ゲームの進行に影響を与えることなく操作部12を所望の位置に動かすことができる。これにより位置センサユニット14の移動可能な範囲とゲーム画面とを一対一で対応させる必要がなくなるので、入力装置を小型化できる。
【0032】
入力装置においては、配線コード19a、20a、21a、23aが操作ユニット13及び連結軸15の内部を経由して位置センサユニット14に引き込まれているので、外観をよくすることができる。また、これら配線コード19a、20a、21a、23aの断線を抑制できる。
【0033】
この入力装置では、プレート部25によって位置センサユニット14がテーブル11の上面側に抜けることを防止できるので、センサ部24の上面の面積は抜き孔11aの開口面積より小さくてもよい。この場合、抜き孔11aの開口面積に拘わりなくセンサ部24の上面の大きさを設定できるので、センサ部24の設計の自由度を高めることができる。
【0034】
本発明は上述の形態に限らず種々の形態にて実施されてよい。例えば、本発明の入力装置は、ゲーム機に限定されず、情報検索を行うための端末装置等に適用してもよい。操作部には、ボタンスイッチやダイアル式操作部材などが設けられていなくてよいし、上述した形態よりも多くのボタンスイッチが設けられていてもよい。
【0035】
上述した形態では、ストッパをテーブルの下面に設け、プレート部の動きを制限することによって位置センサユニットの移動可能な範囲を制限したが、ストッパを支持プレートに設け、センサ部の動きを制限することによって位置センサユニットの移動可能な範囲を制限してもよい。
【0036】
上述した形態では、制御装置がリフトセンサの出力信号に基づいて位置センサユニットの出力信号をゲームに反映させるか否か制御したが、この制御を行う信号制御装置を制御装置とは別に設けてもよい。例えば、信号制御装置を位置センサユニットとゲーム機の制御装置との間に設ける。そして、信号制御装置は、リフトセンサの出力信号を検知すると位置センサユニットの信号が制御装置に出力されないように位置センサユニットの出力信号を制御する。この場合でも上述した形態と同様に、操作ユニットを持ち上げたまま操作部を動かすことによってゲームの進行に拘わりなく操作部を任意の位置に動かすことができる。なお、この信号制御装置は、操作ユニット内又は位置センサユニット内などに配置したり位置センサユニットの外側に取り付けるなど右側入力操作部と一体に設けてもよい。この場合、信号制御装置が本発明の信号制御手段に相当する。また、この場合は右側操作部及び信号制御装置によって本発明の入力装置が構成される。
【符号の説明】
【0037】
1 ゲーム機
6 制御装置(ゲーム制御部、信号制御手段)
10 右側入力操作部
11 テーブル
11a 抜き孔
13 操作ユニット
14 位置センサユニット
15 連結軸(連結手段)
19 ボタンスイッチ(入力手段)
19a 配線コード
20 ボタンスイッチ(入力手段)
20a 配線コード
21 ダイアル式操作部材(入力手段)
21a 配線コード
22 支持軸
23 リフトセンサ(離間検出手段)
24 センサ部
25 プレート部
26 支持プレート(支持プレート部材)
27 ストッパ(規制部材)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
抜き孔を有するテーブルと、前記抜き孔を介して前記テーブルの上面側へ抜き出し不能なように前記テーブルの下面側に配置され、前記テーブルの下面に沿って動いたときの移動方向及び移動量に対応する信号を出力する位置センサユニットと、前記テーブルの上面側に配置された操作ユニットと、前記位置センサユニットと前記操作ユニットとが前記テーブルの上下面に沿って一体的に移動可能なように前記抜き孔を介して前記位置センサユニットと前記操作ユニットとを互いに連結する連結手段と、を備え、
前記操作ユニットは、前記連結手段に対して上下動可能なように取り付けられ、
前記操作ユニットが前記テーブルの上面から離間する方向に動かされた場合に信号を出力する離間検出手段と、前記離間検出手段の出力信号に基づいて前記位置センサユニットの出力信号をその出力信号を使用する所定の制御に反映させるか否か切り替える信号制御手段と、をさらに備えていることを特徴とする入力装置。
【請求項2】
前記操作ユニットは、前記連結手段に設けられた複数の支持軸に上下動可能に支持されていることを特徴とする請求項1に記載の入力装置。
【請求項3】
前記連結手段は、筒状であり、
操作部材を有するとともに前記操作部材の操作状態に応じた信号を出力する入力手段及び前記離間検出手段が前記操作ユニットに設けられ、
前記入力手段に接続される配線コード及び前記離間検出手段に接続される配線コードは、前記操作ユニットの内部及び前記連結手段の内部を介して前記テーブルの下面側へ引き込まれていることを特徴とする請求項1又は2に記載の入力装置。
【請求項4】
前記位置センサユニットは、センサ部と、前記センサ部の上面に設けられるプレート部と、を備え、
前記プレート部の上面の面積は、前記抜き孔の開口面積より大きいことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の入力装置。
【請求項5】
前記テーブルの下面側には、前記位置センサユニットが移動可能な範囲を制限する規制部材が設けられていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の入力装置。
【請求項6】
前記テーブルの下面側には、前記位置センサユニットを下側から支持するとともに前記テーブルの下面に沿って動かされたときに前記位置センサユニットが移動方向及び移動量を検出するための検出対象となる支持プレート部材が設けられていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の入力装置。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか一項に記載の入力装置と、前記位置センサユニットの出力信号が使用される前記所定の制御としてのゲームを実行するゲーム制御部と、を備え、
前記信号制御手段は、前記離間検出手段の出力信号を検知しない場合は前記位置センサユニットの出力信号を前記ゲームに反映させ、前記離間検出手段の出力信号を検知した場合は前記ゲームに前記位置センサユニットの出力信号が反映されないようにその出力信号を無効にすることを特徴とするゲーム機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−8539(P2011−8539A)
【公開日】平成23年1月13日(2011.1.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−151468(P2009−151468)
【出願日】平成21年6月25日(2009.6.25)
【出願人】(506113602)株式会社コナミデジタルエンタテインメント (1,441)
【Fターム(参考)】