説明

入力装置

【課題】 検出電極に導電体が接触あるいは近接したことを検出する検出手段を備えた入力装置において、入力部に触れただけで誤入力してしまうことを防止する。
【解決手段】 検出電極(13〜16)に導電体が接触あるいは近接したことを検出するタッチセンサ(9A)と、衝撃あるいは振動を検出する加速度センサ(10)と、タッチセンサ(9A)による検出と加速度センサ(10)による検出とが行われた際に操作入力ありと判定する入力判定手段(8)とを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、検出電極に導電体が接触あるいは近接したことを検出する検出手段を備えた入力装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、検出電極に人体などの導電体が接触あるいは近接したことを検出するタッチセンサを備えた入力装置がある(特許文献1,2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−170994号公報
【特許文献2】特開2007−170995号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来のタッチセンサを備えた入力装置では、操作入力の意思が無いのに手や指がセンサ位置に触れてしまった場合に、タッチセンサが反応してユーザの意思に反した誤入力が行われてしまうという課題があった。
【0005】
この発明の目的は、検出電極に導電体が接触あるいは近接したことを検出する検出手段を備えた入力装置において、入力部に触れただけで誤入力してしまうことを防止できるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、請求項1記載の発明は、
検出電極に導電体が接触あるいは近接したことを検出する第1の検出手段と、
衝撃あるいは振動を検出する第2の検出手段と、
前記第1の検出手段による検出と、前記第2の検出手段による検出とが行われた際に、操作入力ありと判定する入力判定手段と、
を備えたことを特徴とする入力装置。
【0007】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の入力装置において、
前記入力判定手段は、
前記第1の検出手段により前記検出電極に導電体が接触あるいは近接したことが検出されてから、所定時間内に前記第2の検出手段により衝撃あるいは振動が検出された際に、操作入力ありと判定することを特徴としている。
【0008】
請求項3記載の発明は、請求項1記載の入力装置において、
前記入力判定手段は、
前記第2の検出手段により衝撃あるいは振動が検出されてから、所定時間内に前記第1の検出手段により前記検出電極に導電体が接触あるいは近接したことが検出された際に、操作入力ありと判定することを特徴とする請求項1記載の入力装置。
【発明の効果】
【0009】
本発明に従うと、第1の検出手段による検出電極への導電体の接触あるいは近接の検出に加えて、第2の検出手段による衝撃あるいは振動の検出がなされた際に操作入力と判定される。従って、第1の検出手段の検出電極に単に導電体が接触あるいは近接しただけでは操作入力と判定されずに誤入力の防止が図られる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の実施形態の入力装置が備わる電子時計を示す正面図である。
【図2】図1の電子時計の矢印A−A線断面図である。
【図3】本発明の実施形態の入力装置の全体を示す構成図である。
【図4】加速度センサにおけるタッチ入力の判別条件を説明する波形図である。
【図5】マイクロコンピュータのCPUにより実行されるタッチ入力処理の制御手順を示したフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0012】
図1は、本発明の実施形態の入力装置が備わる電子時計を示す正面図、図2は、図1の矢印A−A線断面図である。
【0013】
この電子時計1は、図1および図2に示すように、腕時計ケースの上部中央に時計ガラス2がパッキン2aを介して取り付けられ、この腕時計ケースの内部に時計モジュール40が収納され、その下部に裏蓋4が防水リング4aを介して取り付けられた構成になっている。時計ガラス2の下側には、検出電極として透明な電極部13〜16が設けられ、これら電極部13〜16の上部位置を指で軽く叩いてタッチ入力を行うことで、内部の時計モジュール40に対して操作信号を入力することが可能になっている。
【0014】
図2に示すように、時計モジュール40は、上部ハウジング5と下部ハウジング6とを備えている。上部ハウジング5と下部ハウジング6との間には、回路基板7が配置されており、この回路基板7には、LSI(大規模集積回路)により構成されたマイクロコンピュータ8と、上記電極部13〜16の静電容量の変化を検出するタッチ検出部9と、タッチ入力時の加速度変化を検出する加速度センサ10等が搭載されている。また、下部ハウジング6には、電池11が回路基板7に電気的に接続された状態で設けられている。
【0015】
上部ハウジング5には、液晶表示素子、EL(エレクトロ・ルミネッセンス)素子、電子ペーパーなどの表示パネル42が配置され、この表示パネル42がインターコネクタ43によって回路基板7と電気的に接続されている。この表示パネル42に時刻などの情報が表示される。
【0016】
時計モジュール40と時計ガラス2との間には、透明部材41が設けられている。この透明部材41は、透明なフィルムからなり、時計ガラス2の下面に対向して腕時計ケースの内周面に設けられた鍔部1a上に配置されている。この透明部材41の下面には、上述した複数の電極部13〜16が設けられている。電極部13〜16は、ITO(酸化インジウム・スズ)などの透明な導電性材料からなり、透明部材41に設けられた各接続配線13a〜16aとインターコネクタ44(図2)とを介して回路基板7のタッチ検出部9に電気的に接続されている。
【0017】
上記構成のうち、複数の電極部13〜16を有する透明部材41とタッチ検出部9により第1の検出手段としてのタッチセンサ9A(図3参照)が構成される。また、加速度センサ10により第2の検出手段が構成され、マイクロコンピュータ8により入力判定手段が構成される。さらに、これらのタッチセンサ9A、加速度センサ10、マイクロコンピュータ8により、本発明の実施形態である入力装置が構成される。
【0018】
図3には、本発明の実施形態の入力装置の全体を示す構成図を示す。
【0019】
タッチ検出部9は、時計ガラス2を挟んで複数の電極部13〜16の上方位置に指などの導電体が置かれた場合に、この導電体と電極部13〜16により形成される静電容量Ctを検出することで、上記導電体が電極部13〜16上に載置されたことを検知するものである。タッチ検出部9は、上記静電容量Ctの変化に基づき上記導電体の有無を判別する判別部9aと、判別部9aの判別結果をマイクロコンピュータ8とやり取りするための入出力部9b等を備えている。この入出力部9bにより第1通知手段および情報出力手段が構成される。
【0020】
判別部9aは、例えば、上記の静電容量Ctと結合して発振するCR発振回路と、このCR発振回路の発振信号を計数するカウンタと、一定周期で上記カウンタの計数値を確認して一定量以上の静電容量Ctの有無を判別する論理部等を備えている。上記のCR発振回路は、複数の電極部13〜16にそれぞれ対応して複数個設けられている。そして、電極部13〜16上に導電体の載置がない場合には、内部の容量素子Ci1〜Ci4により決定される所定周波数の発振信号を計数する。一方、導電体の載置があって電極部13〜16の何れかに一定量以上の静電容量Ctが発生した場合には、この静電容量Ctや導電体と結合された静電容量Ceによる上記CR発振回路の発振周波数のズレをカウンタの計数値により論理部が識別して、導電体の載置有りと判定するようになっている。
【0021】
なお、タッチ検出部9における導電体の有無を判定する方式は、上記のカウンタによる発振信号の計数方式に制限されるものでなく、種々の周知技術を適用することができる。
【0022】
入出力部9bは、キー情報を一定時間保持するデータ保持部と、出力端子INT1やデータ入出力端子I2Cを介してマイクロコンピュータ8と信号の入出力を行う制御部とを有している。上記のキー情報とは、判別部9aにより導電体の載置有りと判別された場合に、何れの電極部13〜16に導電体の載置が有ったのかを表わすデータである。
【0023】
そして、判別部9aによりタッチ入力有りと判別された場合に、上記入出力部9bの制御部によって出力端子INT1からマイクロコンピュータ8へ検出信号が出力されるようになっている。この検出信号は、割込信号としてマイクロコンピュータ8に入力されるものであり、以下、この信号を端子記号と同一符号を付して検出信号INT1と表わす。さらに、上記入出力部9bの制御部へマイクロコンピュータ8からキー情報の問合せコマンドが入力された場合に、データ保持部に保持されているキー情報がデータ入出力端子I2Cを介してマイクロコンピュータ8へ出力されるようになっている。
【0024】
上記タッチ検出部9においては、指などの導電体が何れかの電極部13〜16の上部に置かれてから、上記判別部9aが静電容量Ctの変化を判別して入出力部9bから検出信号INT1を出力するまでに、所定の応答時間を必要とする。タッチ検出部9の応答時間は一定ではなく、応答時間の最大値の間で変動するものである。例えば、カウンタによる発振信号の計数処理および一定周期ごとの計数値の確認処理を、複数の電極部13〜16について時分割で行う構成である場合、ある電極部について時分割処理が割り当てられた期間に、この電極部の上部に導電体が載置された場合には応答時間は短くなる。一方、ある電極部について時分割処理の割り当てが終了した直後に、この電極部の上部に導電体が載置された場合には、次に時分割処理が割り当てられる当該電極部に関する計数処理や確認処理が行われないので応答時間は長くなる。
【0025】
加速度センサ10は、加速度に応じて変化する信号を出力する検出部としてのセンサ部10aと、センサ部10aの出力信号を監視してタッチ入力時の加速度変化を判別する第2判別手段としての判別部10bとを備えている。この判別部10bは第2通知手段としても機能するものである。
【0026】
図4には、加速度センサ10におけるタッチ入力の判別条件を説明する波形図を示す。
【0027】
判別部10bは、図4に示すように、信号レベルが所定の閾値Gthを超え、且つ、この閾値Gthを超えた部分のパルス幅が所定の時間幅Tthより短くなる信号を識別した場合に、タッチ入力時の加速度変化であると判別し、マイクロコンピュータ8に対して出力端子INT2から検出信号を出力するものである。この検出信号は、割込信号としてマイクロコンピュータ8に入力されるものであり、以下、この信号を端子記号と同一符号を付して検出信号INT2と表わす。
【0028】
上記の閾値Gthは、指を使用して時計ガラス2を規定の力で叩いた場合にセンサ部10aから出力される信号のピーク値よりも低い値で、且つ、指や手のひらを時計ガラス2に軽く置いた場合にセンサ部10aから出力される信号のピーク値よりも高い値に設定される。
【0029】
また、上記の時間幅Tthは、指を使用して時計ガラス2を規定の力で叩いた場合にセンサ部10aから出力される信号のうち上記閾値Gthを超える部分のパルス幅よりも長く、且つ、電子時計1を嵌めている腕を大きく振り回したり、電子時計1を嵌めながら走りまわったりしたときに、センサ部10aから出力される信号のうち上記閾値Gthを超える部分のパルス幅よりも短くなるように設定される。
【0030】
このような閾値Gthと時間幅Tthとを用いた判別方式により、指を用いて標準的な力でタッチ入力を行った場合に、加速度センサ10からマイクロコンピュータ8へ検出信号INT2が出力される一方、タッチ入力とかけ離れた動作によって電子時計1に加速度が加えられた場合には、検出信号INT2が出力されないようになっている。
【0031】
上記加速度センサ10においては、タッチ入力を行ってから判別部10bがこれを判別して検出信号INT2を出力するまでに、所定の応答時間を要する。例えば、センサ部10aの出力信号の識別をデジタル処理により行っている場合には、信号を一定期間サンプリングして、信号波形が上記の条件を満たしているか判別するのにかかる時間がこの応答時間となる。
【0032】
次に、上記構成の電子時計1におけるタッチ入力に係る処理動作について、図5のフローチャートを参照しながら説明する。
【0033】
図5は、マイクロコンピュータ8のCPUにより実行されるタッチ入力処理の処理手順を示したフローチャートである。
【0034】
このタッチ入力処理は、タッチ検出部9の検出信号INT1、あるいは、加速度センサ10の検出信号INT2が割込信号としてマイクロコンピュータ8に入力した場合に、マイクロコンピュータ8のCPUによって割込み処理として開始されるものである。
【0035】
検出信号INT1,INT2の何れかが入力されてこの処理が開始すると、先ず、CPUは検出信号INT1,INT2のうちどちらが入力されたのかを判別する(ステップS1)。そして、タッチ検出部9の検出信号INT1であればステップS2に移行し、加速度センサ10の検出信号INT2であればステップS3に移行する。
【0036】
そして、ステップS2に移行した場合には、該ステップで、予め定められた待機時間Tmaxの間に、他方の検出信号INT2の入力が行われるか否か判別する。一方、ステップS3に移行した場合には、該ステップで、予め定められた待機時間Tmaxの間に他方の検出信号INT1の入力が行われるか否かを判別する。これらステップS2,S3の処理により第1判別手段が構成される。
【0037】
ここで、待機時間Tmaxとは、上述したタッチ検出部9の応答時間の最大値と、加速度センサ10の応答時間の最大値とのうち、何れか長い方の時間長に設定されている。なお、加速度センサ10の応答時間の最大値とタッチ検出部9の応答時間の最大値とが、大きく異なる場合には、ステップS2における待機時間TmaxとステップS3における待機時間Tmaxとを異なる時間長に設定するようにしても良い。例えば、ステップS2の待機時間Tmaxを、加速度センサ10の応答時間の最大値に設定する一方、ステップS3の待機時間Tmaxを、タッチ検出部9の応答時間の最大値に設定するようにしても良い。
【0038】
また、加速度センサ10の応答時間とタッチ検出部9の応答時間が、CPUの動作クロックの周期と比較できる程度に短い時間であるならば、待機時間Tmaxを設けないようにすることもできる。また、タッチ入力の動作時間に対して応答時間が十分に短い時間であるならば、待機時間Tmaxを応答時間の2倍〜10倍程度の値としても正確なタッチ入力の判定を行うことができる。
【0039】
ステップS2の判別処理の結果、他方の検出信号INT2の入力がなければ、タッチ入力は無いものとして、このままタッチ入力処理を終了する。同様に、ステップS3の判別処理の結果、他方の検出信号INT1の入力がなければ、タッチ入力は無いものとして、このままタッチ入力処理を終了する。
【0040】
すなわち、手のひらや指が時計ガラス2に触れただけの場合や、時計ガラス2が金属などの導電体に近接しただけの場合には、タッチ検出部9の検出信号INT1がマイクロコンピュータ8に入力されることがあっても、加速度センサ10の検出信号INT2がマイクロコンピュータ8に入力されないので、タッチ入力は無しと判定される。また、微小な衝撃が電子時計1に加わっただけの場合には、加速度センサ10の検出信号INT2がマイクロコンピュータ8に入力されることがあっても、タッチ検出部9の検出信号INT1がマイクロコンピュータ8に入力されないので、タッチ入力は無しと判定される。
【0041】
逆に、ステップS2の判別処理の結果、他方の検出信号INT2の入力があれば、タッチ入力が有りと判断できることから、タッチ入力に対応するためにステップS4に移行する。同様に、ステップS3の判別処理の結果、他方の検出信号INT1の入力があれば、タッチ入力有りと判断できることから、タッチ入力に対応するためにステップS4に移行する。
【0042】
すなわち、指で電極部13〜16の何れかの上を軽く叩いてタッチ入力が行われた場合には、タッチ検出部9の検出信号INT1と加速度センサ10の検出信号INT2とが続けてマイクロコンピュータ8に入力されるので、タッチ入力が有る場合の処理へと移行される。
【0043】
ステップS4に移行すると、先ず、CPUはタッチ検出部9へ何れの電極部(図4では「タッチキー」と記す)13〜16にオン入力があったのか問合せを行い(ステップS4)、タッチ検出部9から何れの電極部13〜16にオン入力があったのかを示すキー情報を入力する(ステップS5:情報入力手段)。そして、このキー情報に基づきオン入力のあった電極部13〜16に対応する操作処理を実行する(ステップS6)。そして、このタッチ入力処理を終了する。
【0044】
以上のように、この実施形態の入力装置および電子時計1によれば、タッチ検出部9による導電体の近接の検出と、加速度センサ10によるタッチ入力で生じる程度の振動の検出との両方があった場合に、タッチ入力が有りと判定されるので、タッチ検出部9だけでタッチ入力の検出を行う場合と比較してタッチ入力の誤判定を顕著に少なくすることができる。
【0045】
また、上記のタッチ検出処理によれば、タッチ検出部9の検出信号INT1が入力してから待機時間Tmax以内に加速度センサ10の検出信号INT2が入力された場合に、タッチ入力が有りと判定されるので、加速度センサ10の応答時間が無視できない場合でも、タッチ入力がなされた際に確実にタッチ入力が有りと判定することができる。
【0046】
また、上記のタッチ検出処理によれば、加速度センサ10の検出信号INT2が入力してから待機時間Tmax以内にタッチ検出部9の検出信号INT1が入力された場合に、タッチ入力が有りと判定されるので、タッチ検出部9の応答時間が無視できない場合でも、タッチ入力がなされた際に確実にタッチ入力が有りと判定することができる。
【0047】
また、上記のタッチ検出処理によれば、先ず、タッチ検出部9の検出信号INT1と加速度センサ10の検出信号INT2によりタッチ入力の有無を判定した後、タッチ入力有りと判定したときのみタッチ検出部9へ何れの電極部13〜16にタッチ入力があったのかを問い合わせてキー情報を取得するので、タッチ検出部9のみから検出信号INT1が出力された場合に、無駄なキー情報のやり取りが省略されて、マイクロコンピュータ8の負荷低減を図れる。
【0048】
また、加速度センサ10は、加速度に応じて変化する信号に対して、信号レベルの閾値Gthとパルス幅を規定する時間幅Tthとを用いた判別方式により、タッチ入力時の衝撃や振動を判別する構成なので、タッチ入力で生じる程度の振動の検出のみ行い、タッチ入力とかけ離れた動作によって加速度が加えられた場合の不必要な検出を省くことができる。
【0049】
また、加速度センサ10やタッチ検出部9の検出信号INT1,INT2はマイクロコンピュータ8に割込信号として入力されるので、割込処理としてタッチ検出処理を開始することができ、マイクロコンピュータ8の負荷低減を図ることができる。
【0050】
また、タッチ検出処理において、もう一方の検出信号INT1(またはINT2)が入力されるのを待機する時間TMAXが、加速度センサ10やタッチ検出部9の応答時間に対応させて設定されているので、無駄に長い時間を待機させることもなく、且つ、タッチ入力がなされた場合に確実にそれを検出することが可能になっている。
【0051】
なお、本発明は、上記実施の形態に限られるものではなく、様々な変更が可能である。例えば、衝撃または振動を検出する第2の検出手段として加速度センサ10を用いた例を示したが、加速度を表す信号を用いずに一定以上の衝撃や振動を検出する振動センサを適用してもよい。また、加速度センサ10を用いる場合でも、一定以上の加速度が生じた場合に衝撃あるいは振動が有りと判定するように構成してもよい。また、第1の検出手段についても静電容量方式のタッチセンサ9Aに限られず、電極に導電体が接触したときに生じる電流や電圧変化を検出する方式など、種々の方式のタッチセンサを適用してもよい。
【0052】
また、上記実施形態では、タッチ検出部9の判別部9aと、加速度センサ10の判別部10bとをマイクロコンピュータ8と別構成にしているが、マイクロコンピュータ8にこれらの構成を含めるようにしても良い。また、上記実施形態では、本発明に係る入力装置を電子時計に搭載した実施形態について説明したが、本発明の入力装置は、携帯電話やPDA(パーソナルデジタルアシスタント)などの携帯型の電子機器に加え、据置型の電子機器にも搭載可能である。据置型の電子機器に搭載する場合には、タッチ面に衝撃および振動を検出する第2の検出手段を配置するように構成すれば良い。その他、実施の形態で示した細部は発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
【符号の説明】
【0053】
1 電子時計
2 時計ガラス
8 マイクロコンピュータ
9A タッチセンサ
9 タッチ検出部
9a 判別部
9b 入出力部
10 加速度センサ
10a センサ部
10b 判別部
13〜16 電極部
41 透明部材
Ct 静電容量
INT1,INT2 検出信号
Gth 閾値
Tth 時間幅

【特許請求の範囲】
【請求項1】
検出電極に導電体が接触あるいは近接したことを検出する第1の検出手段と、
衝撃あるいは振動を検出する第2の検出手段と、
前記第1の検出手段による検出と、前記第2の検出手段による検出とが行われた際に、操作入力ありと判定する入力判定手段と、
を備えたことを特徴とする入力装置。
【請求項2】
前記入力判定手段は、
前記第1の検出手段により前記検出電極に導電体が接触あるいは近接したことが検出されてから、所定時間内に前記第2の検出手段により衝撃あるいは振動が検出された際に、操作入力ありと判定することを特徴とする請求項1記載の入力装置。
【請求項3】
前記入力判定手段は、
前記第2の検出手段により衝撃あるいは振動が検出されてから、所定時間内に前記第1の検出手段により前記検出電極に導電体が接触あるいは近接したことが検出された際に、操作入力ありと判定することを特徴とする請求項1記載の入力装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−14384(P2011−14384A)
【公開日】平成23年1月20日(2011.1.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−157801(P2009−157801)
【出願日】平成21年7月2日(2009.7.2)
【出願人】(000001443)カシオ計算機株式会社 (8,748)
【Fターム(参考)】