入力装置
【課題】タッチパネルを用いて押圧操作により情報を入力する際の操作性を向上できる入力装置を提供する。
【解決手段】入力装置は、ユーザの入力の受付範囲を示す有効エリアを表示する表示手段と、表示手段の前面に表示手段と関連付けて配設されるタッチパネルと、有効エリアに対応するタッチパネルへの入力に応じて、ユーザが感知できる感知情報を発生する感知情報発生手段と、有効エリア内における、タッチパネルへの入力の位置に応じて感知情報を発生する態様を変更するように、感知情報発生手段を制御する制御手段と、を備えている。
【解決手段】入力装置は、ユーザの入力の受付範囲を示す有効エリアを表示する表示手段と、表示手段の前面に表示手段と関連付けて配設されるタッチパネルと、有効エリアに対応するタッチパネルへの入力に応じて、ユーザが感知できる感知情報を発生する感知情報発生手段と、有効エリア内における、タッチパネルへの入力の位置に応じて感知情報を発生する態様を変更するように、感知情報発生手段を制御する制御手段と、を備えている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、入力装置に関し、特に、タッチパネルを有する入力装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば携帯電話のような携帯端末においては、ユーザが端末の操作を行う際に使用する入力装置は、各端末の機能および/または用途に応じて様々なものが開発されている。多くの場合は、携帯端末本体の表面に配置された機械的なキーまたはボタンなどを、ユーザが指などで直接押下することによって、入力操作を行う構成になっている。
【0003】
このような端末における入力装置のキーは、当該端末の主要な用途に応じて配置されていることが普通であり、一般的に、最初に規定されたキーの物理的配置を、後から変更できるようにはなっていない。
【0004】
ところで、最近では、携帯電話にデジタルカメラや音楽再生の機能を搭載したものがあるように、小型の携帯端末に多種多様な機能が組み込まれている。各端末の主要な用途以外にも、補助的な機能が数多く搭載されているものや、PDA(Personal Digital Assistance:携帯情報端末)等のように、1つの端末でスケジュール管理や住所録など、主要な用途を複数有するものもある。このような端末においては、キーの配列が固定されていると、使用する機能によっては、入力操作時に不便さを感じることがある。
【0005】
このような操作の不便さを解消するために、液晶表示画面の前面にタッチパネルを重ねて配置することにより、表示画面上に画像で表示された操作キーやボタンなどを押下すると、その位置に対応するタッチパネルが入力を受け付けるような構成の入力装置を有する端末が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0006】
この特許文献1に記載の情報通信端末装置では、表示画面上に任意にキーの配列を表示することが可能であるため、自由なキー配列を構成することが可能であり、端末の各機能を切り替える毎に、その機能に応じてキー配列を自在に変更することができ、極めて良好な操作性を得ることができる。このような端末を用いれば、端末が搭載する各機能に応じてキーの配列が任意に変更できるため、ユーザは、1つの端末の入力装置を、複数の機能にそれぞれ最適化させて入力操作を行うことができる。
【0007】
しかしながら、入力装置としてタッチパネルを用いる端末は、自在なキー配列を実現するため、当該タッチパネルの表面全体が平坦になっており、予め配置された機械的なキーやボタンを用いて操作する入力装置と比べると、表面の物理的な凹凸感を指先の感触で感知することによりキーの形状やキー同士の境界を判別することが困難であり、そのためキーの表示を見ずに行うタッチタイピング(ブラインドタッチ)が行いにくく、さらにキーの操作ミスが発生し易いという欠点があった。
【0008】
このような問題に対処するために、圧電素子等によって構成される振動発生装置をタッチパネルの裏面側に配設して、端末の操作をする際にタッチパネルをなぞる指が本来なぞるべき進路を辿っている場合は、正しい進路である旨を伝える第1の振動を発生させ、またタッチパネルをなぞる指が本来なぞるべき進路から外れた場合には、第1の振動とは異なる第2の振動を発生させることで、操作する指が進路から外れたことをユーザに知らせる入力装置が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【0009】
この特許文献2に開示の入力装置によれば、ユーザは、入力を行う指のトレース(なぞる動作)が正しく行われているか否かを指先の感触により判別することが可能であるため、誤入力を減少させ、さらに入力する際に操作する画面をあまり見ずに操作することも可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開平11−69214号公報
【特許文献2】特開2003−316519号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかしながら、この特許文献2に開示されている入力装置は、図15に示すように、タッチパネル140に多数のタッチスイッチ160をマトリクス状に配置して、正しい方向である例えばX方向またはY方向に指を移動させた場合には、第1の駆動信号による振動を振動発生装置200に発生させ、また誤りの方向である例えば斜め方向に指を移動させた場合には、第1の駆動信号と異なる第2の駆動信号による振動を振動発生装置200に発生させるように、コントローラ180が制御する構成になっている。すなわち、ある1つのタッチスイッチ160から、これに隣接する次のタッチスイッチに指が移動してはじめて当該移動が正しいものか否かを判別している。
【0012】
そのため、このような入力装置は、携帯電話などの携帯端末のように、指をスライド移動させることなく1点ずつ押下するような操作の場合には、当該操作が正しいものかどうかをユーザに知らせることはできない。
【0013】
また、携帯端末においては、入力した文字などの情報が表示される表示画面を注視しながら入力を行うことが多いため、あまり注視していない操作キーが表示されるタッチパネル上で入力操作を行うと、例えばキーを連打する場合には、入力する指の位置がタッチパネルの有効入力範囲から徐々にずれることも考えられ、ユーザが意図する通りの適切な入力操作にならない恐れがある。
【0014】
意図しない入力操作をしてしまうと、入力ミスを修正した後に再度入力操作をやり直す必要があるが、このような操作を行っている間は、ユーザが本来所望する入力操作についての思考は中断することになり、このような中断が頻発すると、ユーザにとっては著しいストレスの原因となる。
【0015】
したがって、かかる点に鑑みてなされた本発明の目的は、タッチパネルを用いて押圧操作により情報を入力する際の操作性を向上できる入力装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上記目的を達成する請求項1に係る入力装置の発明は、
ユーザの入力の受付範囲を示す有効エリアを表示する表示手段と、
前記表示手段の前面に該表示手段と関連付けて配設されるタッチパネルと、
前記有効エリアに対応する前記タッチパネルへの入力に応じて、前記ユーザが感知できる感知情報を発生する感知情報発生手段と、
前記有効エリア内における、前記タッチパネルへの入力の位置に応じて前記感知情報を発生する態様を変更するように、前記感知情報発生手段を制御する制御手段と、
を備えることを特徴とするものである。
【0017】
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の入力装置において、
前記制御手段は、前記有効エリア内の中心領域への入力に対しては第1の感知情報を発生し、前記有効エリア内で前記中心領域を除く領域への入力に対しては、前記第1の感知情報とは異なる第2の感知情報を発生するように、前記感知情報発生手段を制御することを特徴とするものである。
【0018】
請求項3に係る発明は、請求項1または2に記載の入力装置において、
前記感知情報発生手段は、第1および第2の感知情報として、前記タッチパネルにそれぞれ異なる振動を発生させることを特徴とするものである。
【0019】
請求項4に係る発明は、請求項1〜3のいずれか一項に記載の入力装置において、
前記感知情報発生手段は、第1および第2の感知情報として、それぞれ異なる音を発生させることを特徴とするものである。
【0020】
請求項5に係る発明は、請求項1〜4のいずれか一項に記載の入力装置において、
前記感知情報発生手段は、第1および第2の感知情報として、表示手段の表示をそれぞれ異なる態様に変化させることを特徴とするものである。
【0021】
さらに、請求項6に係る発明は、請求項5に記載の入力装置において、
前記感知情報発生手段は、前記表示手段に表示するカーソルの表示態様を変化させることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、タッチパネルを用いて押圧操作により入力する際の押圧位置に基づく情報をユーザに提供するようにしたので、ユーザは、押下した箇所が各キーなどの中心部または境界付近なのか否かを知ることができる。したがって、タッチパネルに表示されたキーなどの配列の概観を把握してさえいれば、キーを押下するたびに毎回タッチパネルを注視することなく、キーなどの入力操作を正確に行うことができ、操作性が著しく向上する。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の第1実施の形態に係る入力装置を有する携帯電話の構成を示す概略斜視図である。
【図2】図1に示す携帯電話の開状態の概略正面図である。
【図3】図1に示す携帯電話の機能ブロック図である。
【図4】図1に示す携帯電話のキー表示部およびタッチパネルについて説明する図である。
【図5】図1に示す携帯電話の入力装置の動作を説明するフローチャートである。
【図6】図1に示す携帯電話の入力装置の動作を説明する概念図である。
【図7】同じく、図1に示す携帯電話の入力装置の動作を説明する概念図である。
【図8】同じく、図1に示す携帯電話の入力装置の動作を説明する概念図である。
【図9】同じく、図1に示す携帯電話の入力装置の動作を説明する概念図である。
【図10】本発明の第2実施の形態による押圧部分の位置判定の一例を説明する図である。
【図11】本発明の第3実施の形態に係る入力装置を有する携帯電話の機能ブロック図である。
【図12】本発明の第4実施の形態に係る入力装置を有する携帯電話の機能ブロック図である。
【図13】図12に示す携帯電話のメール作成時の情報表示部の表示例を示す図である。
【図14】同じく、図12に示す携帯電話のメール作成時の情報表示部の表示例を示す図である。
【図15】従来の入力装置の構成を示す概略ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の実施の形態について、図を参照して説明する。なお、以下の各実施の形態においては、入力装置を備えた端末の一例として折り畳み式の携帯電話を挙げて説明しているが、本発明の入力装置の適用は折り畳み式の端末または携帯電話機に限定されるものではなく、タッチパネルを備える入力部を有する端末であれば適用可能である。
【0025】
(第1実施の形態)
図1は、本発明の第1実施の形態に係る入力装置を有する携帯電話1の構成を示す概略斜視図である。この携帯電話1は、本体中央のヒンジ部により開閉可能な折り畳み式とし、図1には開状態を示してある。携帯電話1を開状態にすると現れる2つの面の一方には、種々の情報を表示する液晶画面などによって構成される情報表示部2と、通話の音声や音楽再生音などを出力する音声出力部5とを配置し、他方の面には、一部切り欠いて示すように、液晶画面などにキーやボタンなどの形状を描画してこれらの配列を表示するキー表示部3と、このキー表示部3の前面に配置してユーザの指などによる入力を直接受け付ける透明スイッチで構成したタッチパネル4とを配置してある。他にも、携帯電話1には、マイクなどの音声入力部や、機能に応じてデジタルカメラおよびワンセグチューナのアンテナ、ならびに各種インタフェース等を備える場合もあるが、これらの詳細については説明を省略する。
【0026】
本実施の形態に係る携帯電話1は、各種のキーやボタンなどを機械的なスイッチとして携帯電話1の本体に配置する代わりに、キー表示部3にキーの形状および配置などを画像で表示させて、ユーザが当該キーの表示された画像部分を押圧すると、その位置に対応するタッチパネル4を押圧することになり、タッチパネル4の押圧された位置の透明スイッチから、入力に応じた信号が出力されるようにする。
【0027】
図2に、携帯電話1の開状態の概略正面図を示す。ここでは、一例として、電子メール作成時の各表示部の表示を図示してある。情報表示部2には電子メールの文章作成/編集画面を表示し、キー表示部3には電子メールの文章作成/編集に必要な操作キー群の配列をアプリケーションに合わせてテンプレートから選択して表示してある。ユーザは、このキー表示部3に表示された操作キー群のキーを押下して(実際にはタッチパネル4を押下して)、電子メールを構成する文字を入力する。図2の情報表示部2では、画面上部にユーザが入力した電子メールの文字の確定部分が表示され、現在の入力地点が四角いカーソルによって示されている。図示した時点では、ユーザは、キー表示部3の中から「1/あ行」のキーを5回連続で押下して、あ行5番目の文字である「お」を入力したところを示している。「お」の文字の入力に応じて、情報表示部2の下部には、「お」で始まる言葉の種々の選択候補が表示され、ユーザは、この中から候補を選択し決定する。
【0028】
図2においては、一例としてメール作成機能について説明したが、情報表示部2およびキー表示部3は、携帯電話1の各機能に応じて、種々のテンプレートに従って、それぞれ当該機能を使用するのに適した画面表示および使い易いキー配列を表示するようにする。例えば、図示しないが、通話機能を使用する時には、情報表示部2には入力された通話相手の電話番号および名前などを表示したり、音楽再生機能を使用する時は、情報表示部2に楽曲名や音量などを表示して、キー表示部3には再生や停止の各機能ボタンおよび音量の調節キーなどを表示したり、さらに、デジタルカメラ機能を使用する際には、情報表示部2には現在キャプチャしている画像を表示して、キー表示部3にはシャッターやエフェクトなどの各種機能ボタンを表示するなど、種々の構成に対応できるようにする。
【0029】
図3は、第1実施の形態に係る携帯電話1の機能ブロック図である。携帯電話1は、前述の情報表示部2、キー表示部3、タッチパネル4、音声出力部5を備えている他に、各アプリケーションに応じて入力用のキーやボタンの形状および配置などをキー表示部3に表示するための複数のテンプレートなどを記憶する記憶部6と、タッチパネル4の押圧位置とキー表示部3に表示される画像との位置関係を演算処理する演算部7と、演算部7の計算結果に基づいて入力位置の判定を行う判定部8と、タッチパネル4が押圧されて所定の入力があったことをユーザに知らせる感知情報発生手段である振動発生部9と、これら各ブロックを制御および管理する制御部10と、をさらに備えている。
【0030】
なお、本実施の形態では、この振動発生部9は、タッチパネル4の裏面側などに配設してタッチパネル4を振動させる例えば圧電素子などで構成し、タッチパネル4が押圧されて所定の入力があった際には、この振動発生部9が動作して、タッチパネル1を押圧しているユーザの指先に振動を与えて、入力を受け付けたことをユーザに知らせるようにする。この振動の発生期間を短時間(例えば一瞬)とすることで、ユーザがタッチパネル4のキーを押圧した際に、機械的なスイッチで構成したキーやボタンを押した時に得られるクリック感に似た感触をユーザに与えることができる。
【0031】
次に、図4を参照して、本実施の形態にかかる携帯電話1のキー表示部3およびタッチパネル4について説明する。図4は、携帯端末1のキー表示部3に表示されたキーに、ユーザの指先11が触れようとしている状態を模式的に図示している。本実施の形態では、一例として、電子メールを作成する際のキーの配置に基づいて説明するが、利用する各機能のアプリケーションにそれぞれ対応した入力や操作に適したキーやボタンなどをキー表示部3に表示するようにする。また、携帯電話1の電子メール作成機能として広く利用されている、あ行〜わ行の各行をそれぞれのキーに対応させて、各行のキーを連打することで対応する行のひらがなを順送りにして一文字ずつ入力する方式を用いるものとして説明する。なお、キー表示部3に表示されたキー全体のうち一部のみを図示し、他の部分は省略してある。また、ユーザが指先11の皮膚でタッチパネル4を押圧する際には、押圧する箇所は一点ではなく、ある程度の面積を持つようになるため、その部分を押圧部分12として破線で示す。
【0032】
キー表示部3上に表示されている各キーにおいて、表示されたキーの画像により境界される内部を、有効エリアであるキー表示範囲20とする。また、このキー表示部3に対応するタッチパネル4においては、キー表示範囲20上またはそれより若干内側に、実際にキーとして応答する有効範囲を規定し、これを弱応答範囲21とする。さらに、この弱応答範囲21より内側で、かつキーの中心に近い位置に中心領域を規定し、これを強応答範囲22とする。タッチパネル4上の、これら弱応答範囲21および強応答範囲22の境界は、キー表示部3上で線や色などで区切る表示をすることで視覚的に認識し易くすることもできるし、またその境界を視認できないものとすることもできる。
【0033】
キー表示部3上に表示された各キーに相関させた、それぞれの弱応答範囲21および強応答範囲22の各範囲に、タッチパネル4上の多数のタッチスイッチの接点部(XY座標)を対応させることで、タッチパネル4は、ユーザが押圧して入力した位置に対応する信号を出力する。タッチパネル4上が押圧されて発生した信号は、制御部10の制御のもとで演算部7に送信され、演算部7はタッチパネル4上で押圧されたXY座標を計算し、この計算結果に基づいて判定部8は押圧された位置を判定し、その判定結果を制御部10に送信する。制御部10は、当該位置の入力があった場合に実行すべき処理を、記憶部6を参照することにより読み出し、必要に応じて感知情報として振動を発生させるように振動発生部9を制御する。
【0034】
本実施の形態では、上述の弱応答範囲21または強応答範囲22が適切に押圧されると、制御部10は、感知情報発生手段である振動発生部9が感知情報である振動を発生するように制御する。このようにして発生した振動はタッチパネル4を経てユーザの指先に伝わる。これにより、ユーザは、キーが適切に押圧されて入力処理が適切に行われたことを認識することができる。
【0035】
次に、本実施の形態による携帯電話1の入力装置の動作について、図5に示すフローチャートおよび図6〜9の概念図を参照しながら説明する。
【0036】
先ず、制御部10は、アプリケーションに応じたキー配置のテンプレートを記憶部6から読み出し、このテンプレートをキー表示部3に表示して入力待ち状態になる(ステップS1)。タッチパネル4が押圧による入力を検知したら、演算部7は入力が検知された位置を演算し(ステップS2)、判定部8は、この演算結果と記憶部6に記憶されている現在のキー配置のテンプレートとを比較することにより、押圧された位置を判定する(ステップS3)。
【0037】
次に、押圧があったと判定された位置が複数のキー表示範囲20にまたがるか否かを判定し(ステップS4)、複数のキー表示範囲20にまたがる場合はそれらのキーの入力は無効と見なして、何も処理を行わずに入力待ち状態に戻る。すなわち、複数のキーを同時に押圧した場合には、この入力による処理は行わない。例えば、図6に示すように、ちょうどキー同士の間が押圧されて、ユーザの指先11の押圧部分12が、2つのキー(「1/あ行」のキーおよび「2/か行」のキー)のそれぞれの弱応答範囲21を押圧している場合であっても、どちらのキーを押圧しているのか特定できないため、これらのキーは入力されたものとは見なさない。したがって、この場合は、振動発生部9による振動の発生も行わないため、ユーザは、入力が適切に受け付けられていないことが認識できる。
【0038】
ステップS4にて、押圧があったと判定された位置が1つのキー表示範囲20のみを含む場合には、次に、その押圧の位置が、キー表示範囲20内で強応答範囲22内であるか否を判定する(ステップS5)。検知された押圧の位置が強応答範囲22内であった場合には、制御部10は、強応答範囲への入力に応答して、振動発生部9が感知情報として例えば強い振動を発生させ(ステップS6)、そのキーに対応する入力処理を行う(ステップS7)ように制御する。これにより、例えば図7に示すように、ユーザの指先11の押圧部分12が強応答範囲22を押圧した場合には、それに応答して、キーの中心部を押圧したことを示す例えば強い振動をユーザの指先11に与える。そのため、ユーザは、キー表示部3を常に注視していなくとも、押圧した位置が正しい位置であることを把握することができる。
【0039】
ステップS4にて、押圧の位置が1つのキー表示範囲20のみを含み、かつその位置が強応答範囲22内ではなかった場合は、次に、その押圧の位置が、キー表示範囲20内で弱応答範囲21内であるか否かを判定する(ステップS8)。検知された押圧の位置が弱応答範囲21内であった場合には、制御部10は、弱応答範囲への入力に応答して、振動発生部9が感知情報として例えば弱い振動を発生させ(ステップS9)、そのキーに対応する入力処理を行う(ステップS10)ように制御する。これにより、例えば図8に示すように、ユーザの指先11の押圧部分12が、強応答範囲22を押圧せずに弱応答範囲21を押圧した場合には、それに応答して、例えばキーの中心部を押圧した際よりは弱い振動をユーザの指先11に与える。そのため、ユーザは、キー表示部3を常に注視していなくとも、押圧した位置がキー表示範囲20内ではあるもののキーの中心部からは若干ずれた位置であることを把握することができる。
【0040】
ステップS4にて、押圧の位置が1つのキー表示範囲20のみを含み、かつその位置が強応答範囲22内ではなく、さらに弱応答範囲21内でもなかった場合には、キーの有効入力範囲内が押圧されなかったものと判断する。したがって、例えば図9に示すように、ユーザの指先11の押圧部分12が押圧した箇所が、例えばちょうどキー同士の間(図9では「1/あ行」のキーと「2/か行」のキーとの間)など、強応答範囲22でも弱応答範囲21でもなかった場合には、振動発生部9は振動を発生せず、入力処理も行わない。そのため、ユーザは、押圧した位置が有効な入力範囲ではなかったと認識することができる。
【0041】
(第2実施の形態)
上述した第1実施の形態による入力操作においては、ユーザの指先11の押圧部分12の領域全てをタッチパネル4上に対する入力としたが、本実施の形態では、押圧部分内のある1点を押圧位置として扱うようにする。
【0042】
図10は、本実施の形態による押圧部分12の位置判定の一例を説明する図である。ユーザの指先11の押圧部分12が、ある所定の面積を有している場合には、タッチパネル4上の仮想のX−Y平面において、その押圧部分12を囲む長方形を規定する。その長方形の対向する各辺の中点を結ぶことで、長方形の重心を求め、この重心を中心点13とする。このようにすれば、押圧部分12が面積を持つ場合でも、その入力を1点の入力として処理することができる。
【0043】
特に、携帯電話1のような携帯端末は、片手で端末本体を把持しつつもう一方の手でキーをタッチパネルに対して真上から押圧するような場合だけでなく、片手で把持したままその手の親指を用いてキー操作を行うことが多い。この場合には、親指がかなり寝た状態でキーを押圧することになったり、押圧部分12の形状が極端な楕円形状になったりすることが想定され、また爪の角部などで押圧した場合などは押圧部分12の面積が極端に小さくなったりすることもあり得る。このような場合であっても、上述した中心点13を求める処理を演算部7にて行うことにより、押圧部分12の入力を簡単に1点の入力として処理することができる。
【0044】
また、例えばキー表示部3上に多数のキーを表示させて配列する場合などには、各キーの面積が小さくなるため、キー表示範囲20の面積よりも押圧部分12の面積の方が大きくなるような場合も考えられる。このような場合にも、本実施の形態による位置判定を行うことにより、キー表示部3を有効利用するとともに、良好な操作性を提供することができる。
【0045】
(第3実施の形態)
次に、本発明の第3実施の形態に係る入力装置を有する携帯電話50を説明する。
【0046】
図11は、第3実施の形態に係る携帯電話50の機能ブロック図である。この携帯電話50は、上述した第1または第2実施の形態において、感知情報発生手段を、感知情報としてタッチパネル4を振動させる振動発生部9ではなく、感知情報として音を発生させるように音声出力部5を制御する音声制御部30としたもので、その他の構成は同様であるため、同じ説明は省略する。
【0047】
本実施の形態では、強応答範囲22が押圧されると、音声制御部30は、感知情報として例えば大きめのビープ音を発生するように音声出力部5を制御し、また弱応答範囲21が押圧されると、例えば小さめのビープ音を発生するように制御する。
【0048】
このようにすることで、ユーザは、キー表示部3を常に注視していなくとも、タッチパネル4上で押圧した位置が、各キー表示範囲20の中心に近い位置(強応答範囲22)なのか、中心からは少し外れるがキー入力として認識される範囲(弱応答範囲21)内の位置なのか、またはキー入力として認識されない位置なのかを、音により識別することができる。
【0049】
なお、上述した例では、タッチパネル4において、強応答範囲22内の入力と、弱応答範囲21内の入力とを、ビープ音の強弱で区別したが、その他にも、ビープ音の高低、ビープ音の鳴る回数などで区別したり、あるいは、ビープ音ではなく異なる効果音などを使用することで区別したりすることもできる。
【0050】
さらに、本実施の形態においては、タッチパネル4において、押圧による入力があったものの、当該押圧入力の位置が強応答範囲22内ではなく、弱応答範囲21内でもなかった場合には、ユーザに有効入力範囲外を押圧した旨を伝える効果音を発生するようにもできる。このようにすれば、ユーザにとっては、押圧入力した位置の識別が一層容易になる。
【0051】
(第4実施の形態)
次に、本発明の第4実施の形態に係る入力装置を有する携帯電話100を説明する。
【0052】
図12は、第4実施の形態に係る携帯電話100の機能ブロック図である。この携帯電話100は、上述した第1または第2実施の形態において、感知情報発生手段を、感知情報としてタッチパネル4を振動させる振動発生部9ではなく、感知情報として所定の画像表示を変化させるように情報表示部2を制御する表示制御部40としたもので、その他の構成は同様であるため、同じ説明は省略する。
【0053】
本実施の形態では、例えば図13(a)に示すように、携帯電話100の電子メール作成機能を利用して文字の入力操作を行っている際に、キー入力として強応答範囲22が押圧されると、表示制御部40は、感知情報として例えば図13(b)のように一瞬カーソルの色を濃くしたり、またはカーソルの輝度を一瞬高くしたりするように情報表示部2の表示を制御し、また弱応答範囲21が押圧されると、例えば図13(c)のように一瞬カーソルの色を薄くしたり、またはカーソルの輝度を一瞬低くしたりするように制御する。
【0054】
このようにすることで、ユーザは、キー表示部3を常に注視せずに情報表示部2を見ながら入力操作をしていても、タッチパネル4上で押圧した位置が、各キー表示範囲20の中心に近い位置(強応答範囲22)なのか、中心からは少し外れるがキー入力として認識される範囲(弱応答範囲21)内の位置なのか、またはキー入力として認識されない位置なのかを、現在入力している文字のカーソルの変化を見ることにより識別することができる。
【0055】
なお、上述した例では、タッチパネル4において、強応答範囲22内の入力と、弱応答範囲21内の入力とを、情報表示部2のカーソルの色または輝度を一瞬変化させることで区別したが、その他にも、カーソルの大きさや形状などを一瞬変化させることで区別したりすることもできる。
【0056】
また、本実施の形態においては、タッチパネル4において、押圧による入力があったものの、当該押圧入力の位置が強応答範囲22内ではなく、弱応答範囲21内でもなかった場合には、有効入力範囲外を押圧した旨をユーザに伝えるようにカーソルを変化させるようにすることもできる。例えば、強応答範囲22内を入力した場合にはカーソルを一瞬「緑色」に変化させ、弱応答範囲21内を入力した場合にはカーソルを一瞬「黄色」に変化させ、強応答範囲22でも弱応答範囲21でもない部分に入力があった場合にはカーソルを一瞬「赤色」に変化させる。このようにすれば、ユーザにとっては、押圧入力した位置の識別が一層容易になる。
【0057】
さらに、有効入力範囲外を押圧した際に、上述のようにカーソルの色を変化させるのではなく、カーソルの形状を変化させるようにすることもできる。例えば図13(a)に示すように、携帯電話100の電子メール作成機能を利用して文字の入力操作を行っている際に、キー入力として強応答範囲22が押圧されると例えば図14(a)のように一瞬カーソルの形状を丸型に変化させ、また弱応答範囲21が押圧されると例えば図14(b)のように一瞬カーソルの形状を三角型に変化させ、さらに強応答範囲22でも弱応答範囲21でもない部分が押圧されると例えば図14(c)のように一瞬カーソルの形状をバツ型に変化させるようにしても、押圧入力した位置の識別は極めて容易になる。
【0058】
なお、本発明は、上記実施の形態にのみ限定されるものではなく、幾多の変形または変更が可能である。例えば、上述した各実施の形態は、必ずしも別個独立に実施する必要はなく、各実施の形態のいくつかを適宜組み合わせて実施することも当然可能である。
【0059】
また、上記第2実施の形態を他の実施の形態と組み合わせて実施する際には、例えば、入力装置の初期設定の際に、各ユーザに応じた端末本体の把持の仕方およびキー押圧の態様などに応じた押圧部分12の位置の算出方法の設定を、各アプリケーションごとに予め登録しておき、アプリケーションが切り替えられるごとに押圧部分12の位置の算出方法も切り替わるようにすれば、操作性は一層向上する。このようにすることで、キーの操作方法がユーザによって個人差があり、したがって押圧方法がユーザによってアプリケーションごとに異なっていても、極めて良好な操作性を得ることができる。
【0060】
さらに、上記各実施の形態に係る携帯電話は、情報表示部2とキー表示部3とが分離した構成として説明したが、2つの表示部が分離していることは必須ではなく、1つの表示部の前面全体にタッチパネルを備えて、1画面上にキー入力領域と情報表示領域とを設けて入力操作を行うようにすることもできる。また、2つ以上の表示部を有する端末において2つ以上のタッチパネルを表示部の前面に設けるような構成において本発明を適用することも当然可能である。
【0061】
また、表示部の各画素にセンサを設ける等により、表示部そのものが入力を検知するような構成にも、本発明は適用可能である。
【符号の説明】
【0062】
1,50,100 携帯電話
2 情報表示部
3 キー表示部
4 タッチパネル
5 音声出力部
6 記憶部
7 演算部
8 判定部
9 振動発生部
10 制御部
11 ユーザの指先
12 押圧部分
13 中心点
20 キー表示範囲
21 弱応答範囲
22 強応答範囲
30 音声制御部
40 表示制御部
【技術分野】
【0001】
本発明は、入力装置に関し、特に、タッチパネルを有する入力装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば携帯電話のような携帯端末においては、ユーザが端末の操作を行う際に使用する入力装置は、各端末の機能および/または用途に応じて様々なものが開発されている。多くの場合は、携帯端末本体の表面に配置された機械的なキーまたはボタンなどを、ユーザが指などで直接押下することによって、入力操作を行う構成になっている。
【0003】
このような端末における入力装置のキーは、当該端末の主要な用途に応じて配置されていることが普通であり、一般的に、最初に規定されたキーの物理的配置を、後から変更できるようにはなっていない。
【0004】
ところで、最近では、携帯電話にデジタルカメラや音楽再生の機能を搭載したものがあるように、小型の携帯端末に多種多様な機能が組み込まれている。各端末の主要な用途以外にも、補助的な機能が数多く搭載されているものや、PDA(Personal Digital Assistance:携帯情報端末)等のように、1つの端末でスケジュール管理や住所録など、主要な用途を複数有するものもある。このような端末においては、キーの配列が固定されていると、使用する機能によっては、入力操作時に不便さを感じることがある。
【0005】
このような操作の不便さを解消するために、液晶表示画面の前面にタッチパネルを重ねて配置することにより、表示画面上に画像で表示された操作キーやボタンなどを押下すると、その位置に対応するタッチパネルが入力を受け付けるような構成の入力装置を有する端末が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0006】
この特許文献1に記載の情報通信端末装置では、表示画面上に任意にキーの配列を表示することが可能であるため、自由なキー配列を構成することが可能であり、端末の各機能を切り替える毎に、その機能に応じてキー配列を自在に変更することができ、極めて良好な操作性を得ることができる。このような端末を用いれば、端末が搭載する各機能に応じてキーの配列が任意に変更できるため、ユーザは、1つの端末の入力装置を、複数の機能にそれぞれ最適化させて入力操作を行うことができる。
【0007】
しかしながら、入力装置としてタッチパネルを用いる端末は、自在なキー配列を実現するため、当該タッチパネルの表面全体が平坦になっており、予め配置された機械的なキーやボタンを用いて操作する入力装置と比べると、表面の物理的な凹凸感を指先の感触で感知することによりキーの形状やキー同士の境界を判別することが困難であり、そのためキーの表示を見ずに行うタッチタイピング(ブラインドタッチ)が行いにくく、さらにキーの操作ミスが発生し易いという欠点があった。
【0008】
このような問題に対処するために、圧電素子等によって構成される振動発生装置をタッチパネルの裏面側に配設して、端末の操作をする際にタッチパネルをなぞる指が本来なぞるべき進路を辿っている場合は、正しい進路である旨を伝える第1の振動を発生させ、またタッチパネルをなぞる指が本来なぞるべき進路から外れた場合には、第1の振動とは異なる第2の振動を発生させることで、操作する指が進路から外れたことをユーザに知らせる入力装置が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【0009】
この特許文献2に開示の入力装置によれば、ユーザは、入力を行う指のトレース(なぞる動作)が正しく行われているか否かを指先の感触により判別することが可能であるため、誤入力を減少させ、さらに入力する際に操作する画面をあまり見ずに操作することも可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開平11−69214号公報
【特許文献2】特開2003−316519号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかしながら、この特許文献2に開示されている入力装置は、図15に示すように、タッチパネル140に多数のタッチスイッチ160をマトリクス状に配置して、正しい方向である例えばX方向またはY方向に指を移動させた場合には、第1の駆動信号による振動を振動発生装置200に発生させ、また誤りの方向である例えば斜め方向に指を移動させた場合には、第1の駆動信号と異なる第2の駆動信号による振動を振動発生装置200に発生させるように、コントローラ180が制御する構成になっている。すなわち、ある1つのタッチスイッチ160から、これに隣接する次のタッチスイッチに指が移動してはじめて当該移動が正しいものか否かを判別している。
【0012】
そのため、このような入力装置は、携帯電話などの携帯端末のように、指をスライド移動させることなく1点ずつ押下するような操作の場合には、当該操作が正しいものかどうかをユーザに知らせることはできない。
【0013】
また、携帯端末においては、入力した文字などの情報が表示される表示画面を注視しながら入力を行うことが多いため、あまり注視していない操作キーが表示されるタッチパネル上で入力操作を行うと、例えばキーを連打する場合には、入力する指の位置がタッチパネルの有効入力範囲から徐々にずれることも考えられ、ユーザが意図する通りの適切な入力操作にならない恐れがある。
【0014】
意図しない入力操作をしてしまうと、入力ミスを修正した後に再度入力操作をやり直す必要があるが、このような操作を行っている間は、ユーザが本来所望する入力操作についての思考は中断することになり、このような中断が頻発すると、ユーザにとっては著しいストレスの原因となる。
【0015】
したがって、かかる点に鑑みてなされた本発明の目的は、タッチパネルを用いて押圧操作により情報を入力する際の操作性を向上できる入力装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上記目的を達成する請求項1に係る入力装置の発明は、
ユーザの入力の受付範囲を示す有効エリアを表示する表示手段と、
前記表示手段の前面に該表示手段と関連付けて配設されるタッチパネルと、
前記有効エリアに対応する前記タッチパネルへの入力に応じて、前記ユーザが感知できる感知情報を発生する感知情報発生手段と、
前記有効エリア内における、前記タッチパネルへの入力の位置に応じて前記感知情報を発生する態様を変更するように、前記感知情報発生手段を制御する制御手段と、
を備えることを特徴とするものである。
【0017】
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の入力装置において、
前記制御手段は、前記有効エリア内の中心領域への入力に対しては第1の感知情報を発生し、前記有効エリア内で前記中心領域を除く領域への入力に対しては、前記第1の感知情報とは異なる第2の感知情報を発生するように、前記感知情報発生手段を制御することを特徴とするものである。
【0018】
請求項3に係る発明は、請求項1または2に記載の入力装置において、
前記感知情報発生手段は、第1および第2の感知情報として、前記タッチパネルにそれぞれ異なる振動を発生させることを特徴とするものである。
【0019】
請求項4に係る発明は、請求項1〜3のいずれか一項に記載の入力装置において、
前記感知情報発生手段は、第1および第2の感知情報として、それぞれ異なる音を発生させることを特徴とするものである。
【0020】
請求項5に係る発明は、請求項1〜4のいずれか一項に記載の入力装置において、
前記感知情報発生手段は、第1および第2の感知情報として、表示手段の表示をそれぞれ異なる態様に変化させることを特徴とするものである。
【0021】
さらに、請求項6に係る発明は、請求項5に記載の入力装置において、
前記感知情報発生手段は、前記表示手段に表示するカーソルの表示態様を変化させることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、タッチパネルを用いて押圧操作により入力する際の押圧位置に基づく情報をユーザに提供するようにしたので、ユーザは、押下した箇所が各キーなどの中心部または境界付近なのか否かを知ることができる。したがって、タッチパネルに表示されたキーなどの配列の概観を把握してさえいれば、キーを押下するたびに毎回タッチパネルを注視することなく、キーなどの入力操作を正確に行うことができ、操作性が著しく向上する。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の第1実施の形態に係る入力装置を有する携帯電話の構成を示す概略斜視図である。
【図2】図1に示す携帯電話の開状態の概略正面図である。
【図3】図1に示す携帯電話の機能ブロック図である。
【図4】図1に示す携帯電話のキー表示部およびタッチパネルについて説明する図である。
【図5】図1に示す携帯電話の入力装置の動作を説明するフローチャートである。
【図6】図1に示す携帯電話の入力装置の動作を説明する概念図である。
【図7】同じく、図1に示す携帯電話の入力装置の動作を説明する概念図である。
【図8】同じく、図1に示す携帯電話の入力装置の動作を説明する概念図である。
【図9】同じく、図1に示す携帯電話の入力装置の動作を説明する概念図である。
【図10】本発明の第2実施の形態による押圧部分の位置判定の一例を説明する図である。
【図11】本発明の第3実施の形態に係る入力装置を有する携帯電話の機能ブロック図である。
【図12】本発明の第4実施の形態に係る入力装置を有する携帯電話の機能ブロック図である。
【図13】図12に示す携帯電話のメール作成時の情報表示部の表示例を示す図である。
【図14】同じく、図12に示す携帯電話のメール作成時の情報表示部の表示例を示す図である。
【図15】従来の入力装置の構成を示す概略ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の実施の形態について、図を参照して説明する。なお、以下の各実施の形態においては、入力装置を備えた端末の一例として折り畳み式の携帯電話を挙げて説明しているが、本発明の入力装置の適用は折り畳み式の端末または携帯電話機に限定されるものではなく、タッチパネルを備える入力部を有する端末であれば適用可能である。
【0025】
(第1実施の形態)
図1は、本発明の第1実施の形態に係る入力装置を有する携帯電話1の構成を示す概略斜視図である。この携帯電話1は、本体中央のヒンジ部により開閉可能な折り畳み式とし、図1には開状態を示してある。携帯電話1を開状態にすると現れる2つの面の一方には、種々の情報を表示する液晶画面などによって構成される情報表示部2と、通話の音声や音楽再生音などを出力する音声出力部5とを配置し、他方の面には、一部切り欠いて示すように、液晶画面などにキーやボタンなどの形状を描画してこれらの配列を表示するキー表示部3と、このキー表示部3の前面に配置してユーザの指などによる入力を直接受け付ける透明スイッチで構成したタッチパネル4とを配置してある。他にも、携帯電話1には、マイクなどの音声入力部や、機能に応じてデジタルカメラおよびワンセグチューナのアンテナ、ならびに各種インタフェース等を備える場合もあるが、これらの詳細については説明を省略する。
【0026】
本実施の形態に係る携帯電話1は、各種のキーやボタンなどを機械的なスイッチとして携帯電話1の本体に配置する代わりに、キー表示部3にキーの形状および配置などを画像で表示させて、ユーザが当該キーの表示された画像部分を押圧すると、その位置に対応するタッチパネル4を押圧することになり、タッチパネル4の押圧された位置の透明スイッチから、入力に応じた信号が出力されるようにする。
【0027】
図2に、携帯電話1の開状態の概略正面図を示す。ここでは、一例として、電子メール作成時の各表示部の表示を図示してある。情報表示部2には電子メールの文章作成/編集画面を表示し、キー表示部3には電子メールの文章作成/編集に必要な操作キー群の配列をアプリケーションに合わせてテンプレートから選択して表示してある。ユーザは、このキー表示部3に表示された操作キー群のキーを押下して(実際にはタッチパネル4を押下して)、電子メールを構成する文字を入力する。図2の情報表示部2では、画面上部にユーザが入力した電子メールの文字の確定部分が表示され、現在の入力地点が四角いカーソルによって示されている。図示した時点では、ユーザは、キー表示部3の中から「1/あ行」のキーを5回連続で押下して、あ行5番目の文字である「お」を入力したところを示している。「お」の文字の入力に応じて、情報表示部2の下部には、「お」で始まる言葉の種々の選択候補が表示され、ユーザは、この中から候補を選択し決定する。
【0028】
図2においては、一例としてメール作成機能について説明したが、情報表示部2およびキー表示部3は、携帯電話1の各機能に応じて、種々のテンプレートに従って、それぞれ当該機能を使用するのに適した画面表示および使い易いキー配列を表示するようにする。例えば、図示しないが、通話機能を使用する時には、情報表示部2には入力された通話相手の電話番号および名前などを表示したり、音楽再生機能を使用する時は、情報表示部2に楽曲名や音量などを表示して、キー表示部3には再生や停止の各機能ボタンおよび音量の調節キーなどを表示したり、さらに、デジタルカメラ機能を使用する際には、情報表示部2には現在キャプチャしている画像を表示して、キー表示部3にはシャッターやエフェクトなどの各種機能ボタンを表示するなど、種々の構成に対応できるようにする。
【0029】
図3は、第1実施の形態に係る携帯電話1の機能ブロック図である。携帯電話1は、前述の情報表示部2、キー表示部3、タッチパネル4、音声出力部5を備えている他に、各アプリケーションに応じて入力用のキーやボタンの形状および配置などをキー表示部3に表示するための複数のテンプレートなどを記憶する記憶部6と、タッチパネル4の押圧位置とキー表示部3に表示される画像との位置関係を演算処理する演算部7と、演算部7の計算結果に基づいて入力位置の判定を行う判定部8と、タッチパネル4が押圧されて所定の入力があったことをユーザに知らせる感知情報発生手段である振動発生部9と、これら各ブロックを制御および管理する制御部10と、をさらに備えている。
【0030】
なお、本実施の形態では、この振動発生部9は、タッチパネル4の裏面側などに配設してタッチパネル4を振動させる例えば圧電素子などで構成し、タッチパネル4が押圧されて所定の入力があった際には、この振動発生部9が動作して、タッチパネル1を押圧しているユーザの指先に振動を与えて、入力を受け付けたことをユーザに知らせるようにする。この振動の発生期間を短時間(例えば一瞬)とすることで、ユーザがタッチパネル4のキーを押圧した際に、機械的なスイッチで構成したキーやボタンを押した時に得られるクリック感に似た感触をユーザに与えることができる。
【0031】
次に、図4を参照して、本実施の形態にかかる携帯電話1のキー表示部3およびタッチパネル4について説明する。図4は、携帯端末1のキー表示部3に表示されたキーに、ユーザの指先11が触れようとしている状態を模式的に図示している。本実施の形態では、一例として、電子メールを作成する際のキーの配置に基づいて説明するが、利用する各機能のアプリケーションにそれぞれ対応した入力や操作に適したキーやボタンなどをキー表示部3に表示するようにする。また、携帯電話1の電子メール作成機能として広く利用されている、あ行〜わ行の各行をそれぞれのキーに対応させて、各行のキーを連打することで対応する行のひらがなを順送りにして一文字ずつ入力する方式を用いるものとして説明する。なお、キー表示部3に表示されたキー全体のうち一部のみを図示し、他の部分は省略してある。また、ユーザが指先11の皮膚でタッチパネル4を押圧する際には、押圧する箇所は一点ではなく、ある程度の面積を持つようになるため、その部分を押圧部分12として破線で示す。
【0032】
キー表示部3上に表示されている各キーにおいて、表示されたキーの画像により境界される内部を、有効エリアであるキー表示範囲20とする。また、このキー表示部3に対応するタッチパネル4においては、キー表示範囲20上またはそれより若干内側に、実際にキーとして応答する有効範囲を規定し、これを弱応答範囲21とする。さらに、この弱応答範囲21より内側で、かつキーの中心に近い位置に中心領域を規定し、これを強応答範囲22とする。タッチパネル4上の、これら弱応答範囲21および強応答範囲22の境界は、キー表示部3上で線や色などで区切る表示をすることで視覚的に認識し易くすることもできるし、またその境界を視認できないものとすることもできる。
【0033】
キー表示部3上に表示された各キーに相関させた、それぞれの弱応答範囲21および強応答範囲22の各範囲に、タッチパネル4上の多数のタッチスイッチの接点部(XY座標)を対応させることで、タッチパネル4は、ユーザが押圧して入力した位置に対応する信号を出力する。タッチパネル4上が押圧されて発生した信号は、制御部10の制御のもとで演算部7に送信され、演算部7はタッチパネル4上で押圧されたXY座標を計算し、この計算結果に基づいて判定部8は押圧された位置を判定し、その判定結果を制御部10に送信する。制御部10は、当該位置の入力があった場合に実行すべき処理を、記憶部6を参照することにより読み出し、必要に応じて感知情報として振動を発生させるように振動発生部9を制御する。
【0034】
本実施の形態では、上述の弱応答範囲21または強応答範囲22が適切に押圧されると、制御部10は、感知情報発生手段である振動発生部9が感知情報である振動を発生するように制御する。このようにして発生した振動はタッチパネル4を経てユーザの指先に伝わる。これにより、ユーザは、キーが適切に押圧されて入力処理が適切に行われたことを認識することができる。
【0035】
次に、本実施の形態による携帯電話1の入力装置の動作について、図5に示すフローチャートおよび図6〜9の概念図を参照しながら説明する。
【0036】
先ず、制御部10は、アプリケーションに応じたキー配置のテンプレートを記憶部6から読み出し、このテンプレートをキー表示部3に表示して入力待ち状態になる(ステップS1)。タッチパネル4が押圧による入力を検知したら、演算部7は入力が検知された位置を演算し(ステップS2)、判定部8は、この演算結果と記憶部6に記憶されている現在のキー配置のテンプレートとを比較することにより、押圧された位置を判定する(ステップS3)。
【0037】
次に、押圧があったと判定された位置が複数のキー表示範囲20にまたがるか否かを判定し(ステップS4)、複数のキー表示範囲20にまたがる場合はそれらのキーの入力は無効と見なして、何も処理を行わずに入力待ち状態に戻る。すなわち、複数のキーを同時に押圧した場合には、この入力による処理は行わない。例えば、図6に示すように、ちょうどキー同士の間が押圧されて、ユーザの指先11の押圧部分12が、2つのキー(「1/あ行」のキーおよび「2/か行」のキー)のそれぞれの弱応答範囲21を押圧している場合であっても、どちらのキーを押圧しているのか特定できないため、これらのキーは入力されたものとは見なさない。したがって、この場合は、振動発生部9による振動の発生も行わないため、ユーザは、入力が適切に受け付けられていないことが認識できる。
【0038】
ステップS4にて、押圧があったと判定された位置が1つのキー表示範囲20のみを含む場合には、次に、その押圧の位置が、キー表示範囲20内で強応答範囲22内であるか否を判定する(ステップS5)。検知された押圧の位置が強応答範囲22内であった場合には、制御部10は、強応答範囲への入力に応答して、振動発生部9が感知情報として例えば強い振動を発生させ(ステップS6)、そのキーに対応する入力処理を行う(ステップS7)ように制御する。これにより、例えば図7に示すように、ユーザの指先11の押圧部分12が強応答範囲22を押圧した場合には、それに応答して、キーの中心部を押圧したことを示す例えば強い振動をユーザの指先11に与える。そのため、ユーザは、キー表示部3を常に注視していなくとも、押圧した位置が正しい位置であることを把握することができる。
【0039】
ステップS4にて、押圧の位置が1つのキー表示範囲20のみを含み、かつその位置が強応答範囲22内ではなかった場合は、次に、その押圧の位置が、キー表示範囲20内で弱応答範囲21内であるか否かを判定する(ステップS8)。検知された押圧の位置が弱応答範囲21内であった場合には、制御部10は、弱応答範囲への入力に応答して、振動発生部9が感知情報として例えば弱い振動を発生させ(ステップS9)、そのキーに対応する入力処理を行う(ステップS10)ように制御する。これにより、例えば図8に示すように、ユーザの指先11の押圧部分12が、強応答範囲22を押圧せずに弱応答範囲21を押圧した場合には、それに応答して、例えばキーの中心部を押圧した際よりは弱い振動をユーザの指先11に与える。そのため、ユーザは、キー表示部3を常に注視していなくとも、押圧した位置がキー表示範囲20内ではあるもののキーの中心部からは若干ずれた位置であることを把握することができる。
【0040】
ステップS4にて、押圧の位置が1つのキー表示範囲20のみを含み、かつその位置が強応答範囲22内ではなく、さらに弱応答範囲21内でもなかった場合には、キーの有効入力範囲内が押圧されなかったものと判断する。したがって、例えば図9に示すように、ユーザの指先11の押圧部分12が押圧した箇所が、例えばちょうどキー同士の間(図9では「1/あ行」のキーと「2/か行」のキーとの間)など、強応答範囲22でも弱応答範囲21でもなかった場合には、振動発生部9は振動を発生せず、入力処理も行わない。そのため、ユーザは、押圧した位置が有効な入力範囲ではなかったと認識することができる。
【0041】
(第2実施の形態)
上述した第1実施の形態による入力操作においては、ユーザの指先11の押圧部分12の領域全てをタッチパネル4上に対する入力としたが、本実施の形態では、押圧部分内のある1点を押圧位置として扱うようにする。
【0042】
図10は、本実施の形態による押圧部分12の位置判定の一例を説明する図である。ユーザの指先11の押圧部分12が、ある所定の面積を有している場合には、タッチパネル4上の仮想のX−Y平面において、その押圧部分12を囲む長方形を規定する。その長方形の対向する各辺の中点を結ぶことで、長方形の重心を求め、この重心を中心点13とする。このようにすれば、押圧部分12が面積を持つ場合でも、その入力を1点の入力として処理することができる。
【0043】
特に、携帯電話1のような携帯端末は、片手で端末本体を把持しつつもう一方の手でキーをタッチパネルに対して真上から押圧するような場合だけでなく、片手で把持したままその手の親指を用いてキー操作を行うことが多い。この場合には、親指がかなり寝た状態でキーを押圧することになったり、押圧部分12の形状が極端な楕円形状になったりすることが想定され、また爪の角部などで押圧した場合などは押圧部分12の面積が極端に小さくなったりすることもあり得る。このような場合であっても、上述した中心点13を求める処理を演算部7にて行うことにより、押圧部分12の入力を簡単に1点の入力として処理することができる。
【0044】
また、例えばキー表示部3上に多数のキーを表示させて配列する場合などには、各キーの面積が小さくなるため、キー表示範囲20の面積よりも押圧部分12の面積の方が大きくなるような場合も考えられる。このような場合にも、本実施の形態による位置判定を行うことにより、キー表示部3を有効利用するとともに、良好な操作性を提供することができる。
【0045】
(第3実施の形態)
次に、本発明の第3実施の形態に係る入力装置を有する携帯電話50を説明する。
【0046】
図11は、第3実施の形態に係る携帯電話50の機能ブロック図である。この携帯電話50は、上述した第1または第2実施の形態において、感知情報発生手段を、感知情報としてタッチパネル4を振動させる振動発生部9ではなく、感知情報として音を発生させるように音声出力部5を制御する音声制御部30としたもので、その他の構成は同様であるため、同じ説明は省略する。
【0047】
本実施の形態では、強応答範囲22が押圧されると、音声制御部30は、感知情報として例えば大きめのビープ音を発生するように音声出力部5を制御し、また弱応答範囲21が押圧されると、例えば小さめのビープ音を発生するように制御する。
【0048】
このようにすることで、ユーザは、キー表示部3を常に注視していなくとも、タッチパネル4上で押圧した位置が、各キー表示範囲20の中心に近い位置(強応答範囲22)なのか、中心からは少し外れるがキー入力として認識される範囲(弱応答範囲21)内の位置なのか、またはキー入力として認識されない位置なのかを、音により識別することができる。
【0049】
なお、上述した例では、タッチパネル4において、強応答範囲22内の入力と、弱応答範囲21内の入力とを、ビープ音の強弱で区別したが、その他にも、ビープ音の高低、ビープ音の鳴る回数などで区別したり、あるいは、ビープ音ではなく異なる効果音などを使用することで区別したりすることもできる。
【0050】
さらに、本実施の形態においては、タッチパネル4において、押圧による入力があったものの、当該押圧入力の位置が強応答範囲22内ではなく、弱応答範囲21内でもなかった場合には、ユーザに有効入力範囲外を押圧した旨を伝える効果音を発生するようにもできる。このようにすれば、ユーザにとっては、押圧入力した位置の識別が一層容易になる。
【0051】
(第4実施の形態)
次に、本発明の第4実施の形態に係る入力装置を有する携帯電話100を説明する。
【0052】
図12は、第4実施の形態に係る携帯電話100の機能ブロック図である。この携帯電話100は、上述した第1または第2実施の形態において、感知情報発生手段を、感知情報としてタッチパネル4を振動させる振動発生部9ではなく、感知情報として所定の画像表示を変化させるように情報表示部2を制御する表示制御部40としたもので、その他の構成は同様であるため、同じ説明は省略する。
【0053】
本実施の形態では、例えば図13(a)に示すように、携帯電話100の電子メール作成機能を利用して文字の入力操作を行っている際に、キー入力として強応答範囲22が押圧されると、表示制御部40は、感知情報として例えば図13(b)のように一瞬カーソルの色を濃くしたり、またはカーソルの輝度を一瞬高くしたりするように情報表示部2の表示を制御し、また弱応答範囲21が押圧されると、例えば図13(c)のように一瞬カーソルの色を薄くしたり、またはカーソルの輝度を一瞬低くしたりするように制御する。
【0054】
このようにすることで、ユーザは、キー表示部3を常に注視せずに情報表示部2を見ながら入力操作をしていても、タッチパネル4上で押圧した位置が、各キー表示範囲20の中心に近い位置(強応答範囲22)なのか、中心からは少し外れるがキー入力として認識される範囲(弱応答範囲21)内の位置なのか、またはキー入力として認識されない位置なのかを、現在入力している文字のカーソルの変化を見ることにより識別することができる。
【0055】
なお、上述した例では、タッチパネル4において、強応答範囲22内の入力と、弱応答範囲21内の入力とを、情報表示部2のカーソルの色または輝度を一瞬変化させることで区別したが、その他にも、カーソルの大きさや形状などを一瞬変化させることで区別したりすることもできる。
【0056】
また、本実施の形態においては、タッチパネル4において、押圧による入力があったものの、当該押圧入力の位置が強応答範囲22内ではなく、弱応答範囲21内でもなかった場合には、有効入力範囲外を押圧した旨をユーザに伝えるようにカーソルを変化させるようにすることもできる。例えば、強応答範囲22内を入力した場合にはカーソルを一瞬「緑色」に変化させ、弱応答範囲21内を入力した場合にはカーソルを一瞬「黄色」に変化させ、強応答範囲22でも弱応答範囲21でもない部分に入力があった場合にはカーソルを一瞬「赤色」に変化させる。このようにすれば、ユーザにとっては、押圧入力した位置の識別が一層容易になる。
【0057】
さらに、有効入力範囲外を押圧した際に、上述のようにカーソルの色を変化させるのではなく、カーソルの形状を変化させるようにすることもできる。例えば図13(a)に示すように、携帯電話100の電子メール作成機能を利用して文字の入力操作を行っている際に、キー入力として強応答範囲22が押圧されると例えば図14(a)のように一瞬カーソルの形状を丸型に変化させ、また弱応答範囲21が押圧されると例えば図14(b)のように一瞬カーソルの形状を三角型に変化させ、さらに強応答範囲22でも弱応答範囲21でもない部分が押圧されると例えば図14(c)のように一瞬カーソルの形状をバツ型に変化させるようにしても、押圧入力した位置の識別は極めて容易になる。
【0058】
なお、本発明は、上記実施の形態にのみ限定されるものではなく、幾多の変形または変更が可能である。例えば、上述した各実施の形態は、必ずしも別個独立に実施する必要はなく、各実施の形態のいくつかを適宜組み合わせて実施することも当然可能である。
【0059】
また、上記第2実施の形態を他の実施の形態と組み合わせて実施する際には、例えば、入力装置の初期設定の際に、各ユーザに応じた端末本体の把持の仕方およびキー押圧の態様などに応じた押圧部分12の位置の算出方法の設定を、各アプリケーションごとに予め登録しておき、アプリケーションが切り替えられるごとに押圧部分12の位置の算出方法も切り替わるようにすれば、操作性は一層向上する。このようにすることで、キーの操作方法がユーザによって個人差があり、したがって押圧方法がユーザによってアプリケーションごとに異なっていても、極めて良好な操作性を得ることができる。
【0060】
さらに、上記各実施の形態に係る携帯電話は、情報表示部2とキー表示部3とが分離した構成として説明したが、2つの表示部が分離していることは必須ではなく、1つの表示部の前面全体にタッチパネルを備えて、1画面上にキー入力領域と情報表示領域とを設けて入力操作を行うようにすることもできる。また、2つ以上の表示部を有する端末において2つ以上のタッチパネルを表示部の前面に設けるような構成において本発明を適用することも当然可能である。
【0061】
また、表示部の各画素にセンサを設ける等により、表示部そのものが入力を検知するような構成にも、本発明は適用可能である。
【符号の説明】
【0062】
1,50,100 携帯電話
2 情報表示部
3 キー表示部
4 タッチパネル
5 音声出力部
6 記憶部
7 演算部
8 判定部
9 振動発生部
10 制御部
11 ユーザの指先
12 押圧部分
13 中心点
20 キー表示範囲
21 弱応答範囲
22 強応答範囲
30 音声制御部
40 表示制御部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザの入力の受付範囲を示す有効エリアを表示する表示手段と、
前記表示手段の前面に該表示手段と関連付けて配設されるタッチパネルと、
前記有効エリアに対応する前記タッチパネルへの入力に応じて、前記ユーザが感知できる感知情報を発生する感知情報発生手段と、
前記有効エリア内における、前記タッチパネルへの入力の位置に応じて前記感知情報を発生する態様を変更するように、前記感知情報発生手段を制御する制御手段と、
を備えている入力装置。
【請求項2】
前記制御手段は、前記有効エリア内の中心領域への入力に対しては第1の感知情報を発生し、前記有効エリア内で前記中心領域を除く領域への入力に対しては、前記第1の感知情報とは異なる第2の感知情報を発生するように、前記感知情報発生手段を制御することを特徴とする、請求項1に記載の入力装置。
【請求項3】
前記感知情報発生手段は、第1および第2の感知情報として、前記タッチパネルにそれぞれ異なる振動を発生させることを特徴とする、請求項1または2に記載の入力装置。
【請求項4】
前記感知情報発生手段は、第1および第2の感知情報として、それぞれ異なる音を発生させることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の入力装置。
【請求項5】
前記感知情報発生手段は、第1および第2の感知情報として、表示手段の表示をそれぞれ異なる態様に変化させることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の入力装置。
【請求項6】
前記感知情報発生手段は、前記表示手段に表示するカーソルの表示態様を変化させることを特徴とする、請求項5に記載の入力装置。
【請求項1】
ユーザの入力の受付範囲を示す有効エリアを表示する表示手段と、
前記表示手段の前面に該表示手段と関連付けて配設されるタッチパネルと、
前記有効エリアに対応する前記タッチパネルへの入力に応じて、前記ユーザが感知できる感知情報を発生する感知情報発生手段と、
前記有効エリア内における、前記タッチパネルへの入力の位置に応じて前記感知情報を発生する態様を変更するように、前記感知情報発生手段を制御する制御手段と、
を備えている入力装置。
【請求項2】
前記制御手段は、前記有効エリア内の中心領域への入力に対しては第1の感知情報を発生し、前記有効エリア内で前記中心領域を除く領域への入力に対しては、前記第1の感知情報とは異なる第2の感知情報を発生するように、前記感知情報発生手段を制御することを特徴とする、請求項1に記載の入力装置。
【請求項3】
前記感知情報発生手段は、第1および第2の感知情報として、前記タッチパネルにそれぞれ異なる振動を発生させることを特徴とする、請求項1または2に記載の入力装置。
【請求項4】
前記感知情報発生手段は、第1および第2の感知情報として、それぞれ異なる音を発生させることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の入力装置。
【請求項5】
前記感知情報発生手段は、第1および第2の感知情報として、表示手段の表示をそれぞれ異なる態様に変化させることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の入力装置。
【請求項6】
前記感知情報発生手段は、前記表示手段に表示するカーソルの表示態様を変化させることを特徴とする、請求項5に記載の入力装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2012−178170(P2012−178170A)
【公開日】平成24年9月13日(2012.9.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−102962(P2012−102962)
【出願日】平成24年4月27日(2012.4.27)
【分割の表示】特願2007−164234(P2007−164234)の分割
【原出願日】平成19年6月21日(2007.6.21)
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年9月13日(2012.9.13)
【国際特許分類】
【出願日】平成24年4月27日(2012.4.27)
【分割の表示】特願2007−164234(P2007−164234)の分割
【原出願日】平成19年6月21日(2007.6.21)
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)
【Fターム(参考)】
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