入力装置
【課題】入力モード切替用のキーワードの設定が不要であり、且つ入力モードを切り替えるための操作負担が少ない入力装置を提供する。
【解決手段】本発明に係る入力装置101は、複数の文字種毎に1又は複数の文字が割り当てられたキーを表示する表示部103と、前記表示部103に表示された前記キーに対する入力を検出する入力検出部104と、前記入力検出部104への押下荷重を検出する荷重検出部106と、前記入力検出部104が前記キーに対する入力を検出すると、前記荷重検出部106により検出される押下荷重に基づいて、前記複数の文字種毎に対応付けられた文字の入力モードを切り替え、前記検出された入力の位置が変化すると前記切り替えられた入力モードを確定する制御部108とを備える。
【解決手段】本発明に係る入力装置101は、複数の文字種毎に1又は複数の文字が割り当てられたキーを表示する表示部103と、前記表示部103に表示された前記キーに対する入力を検出する入力検出部104と、前記入力検出部104への押下荷重を検出する荷重検出部106と、前記入力検出部104が前記キーに対する入力を検出すると、前記荷重検出部106により検出される押下荷重に基づいて、前記複数の文字種毎に対応付けられた文字の入力モードを切り替え、前記検出された入力の位置が変化すると前記切り替えられた入力モードを確定する制御部108とを備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、文字入力用の入力装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
文字を入力するための入力装置には、例えば、機械式のキーボード若しくはテンキーを有するもの又はキーボードやテンキー等が表示されたタッチパネルを有するものがある。タッチパネルは、キーレイアウトの自由度の高さや、直感的な操作が可能であることなど多くの利点を有している。このため、近年、タッチパネルを搭載した携帯端末が急激に増加している。携帯端末としては、例えば、携帯電話端末、携帯音楽プレイヤー、携帯テレビ、携帯ゲーム機などが挙げられる。
【0003】
このような携帯端末には、平仮名、片仮名、英字、数字等を入力するための複数の入力モードが存在する。通常、これらの入力モードは、指定されたキー(以下、「入力モード切替キー」とする)を押下することにより順次切り替わるようになっている。つまり、複数の入力モードに対応する携帯端末には、文字を入力するためのキー(文字入力キー)だけでなく、入力モード切替キーが必要となる。入力モード切替キーをタッチパネル上に配置すると、その分文字表示スペースが狭められることになる。また、ユーザは、モードを切り替える度に入力モード切替キーに指を移動させなければならないため、操作負荷を感じることになる。
【0004】
そのため、従来、入力モード切替キーを押下することなく、入力モードの切替えが可能な入力装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。図10及び図11を用いて、特許文献1の発明を説明する。まず、ユーザは、図10のように、入力モードを切り替えることを指示するキーワードを入力モード毎に予め設定しておく。そして、図11のように、ひらがな入力モードにおいて、「きりかえ」と入力されると、入力装置は、予測変換候補リスト531を表示する。予測変換候補リスト531には、「きりかえ」の変換候補である「切り替え」、「切り換え」のみならず、モード切替先の入力モードを表す文字列である「<半角>」、「<カタカナ>」、「<英文字>」などが含まれている。ユーザは、切替先の入力モードを表す文字列を選択することにより、入力モードを切り替えることができる。例えば、<英文字>が選択されると、ユーザは、アルファベットの入力が可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006−350777号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、従来の入力装置では、入力モードを切り替えるために、入力モード切替用のキーワードを設定しなければならない。また、当該キーワードは、入力モード毎に異なるものであるため、ユーザは、入力モードの数だけキーワードを記憶しておく必要があり、ユーザへの負担は大きい。また、キーワード設定者以外のユーザは、キーワードを知らないため、入力モードを切り替えるために設定されているキーワードを確認しなければならない。
【0007】
更に、従来の入力装置では、入力モード切替キーを押下する必要はないが、キーワードの入力及び予測変換候補リスト内の入力モードを表す文字列の選択が必要になる。キーワードを入力するためには、ユーザは指を移動させて文字入力キーを押下することになる。また、入力モードを表す文字列を選択するためには、カーソル等の移動操作や文字列の直接押下などが必要となり、この場合にも、ユーザはカーソルキーや文字列へ指を移動させることになる。よって、従来の入力装置では、ユーザの指の移動に伴う操作負担は必ずしも軽減されるわけではない。
【0008】
従って、上記のような従来技術の問題点に鑑みてなされた本発明の目的は、入力モード切替用のキーワードの設定が不要であり、且つ入力モードを切り替えるための操作負担が少ない入力装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述した諸課題を解決すべく、第1の発明による入力装置は、
複数の文字種毎に1又は複数の文字が割り当てられたキーを表示する表示部と、前記表示部に表示された前記キーに対する入力を検出する入力検出部と、前記入力検出部への押下荷重を検出する荷重検出部と、前記入力検出部が前記キーに対する入力を検出すると、前記荷重検出部により検出される押下荷重に基づいて、前記文字種毎に対応付けられた文字の入力モードを切り替え、前記検出された入力の位置が変化すると前記切り替えられた入力モードを確定する制御部と、
を備えるものである。
【0010】
また、前記制御部は、前記入力モードが切り替わる毎に、前記入力検出部により入力が検出された前記キーに割り当てられた文字であって、前記入力モードに対応する文字種の文字をサブキーとして前記表示部に切り替えて表示し、前記検出された入力の位置が変化し、前記表示部に表示された前記サブキーに対する入力が検出されると、前記サブキーに対応する文字を前記表示部に表示することが望ましい。
【0011】
また、前記制御部は、前記入力モードの種類より多い複数の荷重範囲を設定し、隣り合う荷重範囲に対応する入力モードが同一にならないように、前記複数の荷重範囲それぞれに入力モードを割り当て、且つ前記荷重検出部により検出される押下荷重が前記複数の荷重範囲のうちある荷重範囲内であると、当該ある荷重範囲に対応する入力モードに切り替えることが望ましい。
【発明の効果】
【0012】
上記のように構成された本発明にかかる入力装置によれば、文字が割り当てられたキー(入力領域)への押下荷重に基づいて文字の入力モードが切り替わり、入力の位置が変化すると入力モードが確定される。よって、文字が割り当てられたキーへの押下荷重の調整のみで、入力モードの切替えが可能であるため、入力モード切替用のキーワードの設定は不要であり、少ない操作負担で入力モードを切替えることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】図1は、本発明の一実施形態に係る入力装置の概略構成を示す機能ブロック図である。
【図2】図2は、押下荷重に関する3つの荷重範囲を示す図である。
【図3】図3は、図1の入力装置が行う処理を示すフローチャートである。
【図4】図4は、図1の表示部の表示画面例である。
【図5】図5は、図1の表示部の表示画面例である。
【図6】図6は、図1の表示部の表示画面例である。
【図7】図7は、図1の表示部の表示画面例である。
【図8】図8は、図1の表示部の表示画面例である。
【図9】図9は、押下荷重に関する6つの荷重範囲を示す図である。
【図10】図10は、従来の入力モード切替キーワード設定画面例である。
【図11】図11は、従来のタッチパネルの表示画面例である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。
【0015】
図1は、本発明の一実施形態に係る入力装置の概略構成を示す機能ブロック図である。本発明の入力装置101の一例としては、PDA(Personal Digital Assistant)、携帯電話端末、携帯音楽プレイヤー、携帯テレビ、携帯ゲーム機、銀行のATM(Automated Teller Machine)、駅の券売機が挙げられる。この入力装置101は、表示部103及び入力検出部104を備えるタッチパネル102と、記憶部105と、荷重検出部106と、触感呈示部107と、制御部108とを有する。
【0016】
表示部103は、文字を入力するためのキー又はボタン、及び入力された文字を表示するもので、例えば、液晶表示パネルや有機EL表示パネル等を用いて構成される。各キー又はボタン(以下、キーと略する)は、複数の文字種の入力に対応するものであり、各キーには、文字種毎に1つ又は複数の文字が割り当てられている。文字種とは、平仮名、片仮名、英字、数字などである。以下、本実施形態では、各キーには、平仮名、英字及び数字の3つの文字種が割り当てられているとする。なお、平仮名には、「あ」〜「ん」までの46文字のみならず、句読点(「。」及び「、」)、濁点(「゛」)、半濁点(「゜」)、感嘆符(「!」)及び疑問符(「?」)などの記号も含むものとする。英字には、「A」〜「Z」までの26文字のみならず、ピリオド(「.」)、カンマ(「,」)、感嘆符及び疑問符などの記号も含むものとする。数字には、「0」〜「9」まで10個の数字のみならず、アスタリスク(「*」)及びシャープ(「#」)なども含むものとする。1つのキーに割り当てられる文字種毎の文字数は、表示部103に表示されるキーの個数などに基づいて任意に設定できる事項であり、例えば、あるキーに、平仮名「か」、「き」、「く」、「け」、「こ」と、英字「A」、「B」、「C」と、数字「2」とを割り当てることができる。キーに対して入力が行われると、当該キーに対応する文字が表示部103に表示される。つまり、キーは、文字に対応する入力領域を示すものである。本実施形態では、キーの形状と入力領域とが一致するものとするが、入力領域をキーよりも広く(又は狭く)設定することもできることに留意されたい。ある入力領域(キー)に入力が行われると、当該入力領域に割り当てられている文字が表示部103に表示される。割り当てられている文字のうち、いずれの文字種の文字が表示されるかは、入力時の文字の入力モードにより決定される。入力モードの種類は、文字種に対応するものであり、本実施形態では、平仮名に対応する「平仮名」モード、英字に対応する「英字」モード、数字に対応する「数字」モードの3種類の入力モードが存在するとする。
【0017】
入力検出部104は、ユーザの指やスタイラスペン等(押下物)による入力を検出するもので、抵抗膜方式、静電容量方式、光学式等の公知の方式のもので構成される。入力検出部104は、特に、文字に対応する入力領域(キー)への入力を検出する。入力検出部104は、入力を検出すると、当該入力の位置に関する入力位置情報を制御部108に送る。なお、入力検出部104が入力を検出する上で、押下物が入力検出部104を物理的に押下することは必須ではない。例えば、入力検出部104が光学式である場合は、入力検出部104は入力検出部104上の赤外線が指やスタイラスペン等で遮られた位置を検出するため、押下物が入力検出部104を押下することは不要である。
【0018】
記憶部105は、入力に関する各種情報(例えば、入力位置情報)や各入力モードに対応する荷重範囲などを記憶するとともに、ワークメモリ等としても機能する。荷重範囲は、制御部108がキー毎に任意に設定できる事項である。
【0019】
荷重検出部106は、入力検出部104に対する押下荷重を検出するもので、例えば、歪みゲージセンサや圧電素子などの荷重に対して線形に反応する素子を用いて構成される。
【0020】
触感呈示部107は、入力検出部104を振動させ、入力検出部104を押下しているユーザの指やスタイラスペンなど(押下物)に触感を呈示するもので、例えば、圧電素子などの振動素子を用いて構成される。呈示する触感は、何らかの振動であればよく、周波数、周期(波長)、振幅、波形を、呈示する触感に応じて適宜設定することができる。また、触感呈示部107は、単なる振動ではなく、機械的なキーを押した際に感じられるカチッとした硬質的な触感(リアルなクリック感)を押下物に対して呈示することもできる。触感を呈示する条件(例えば、押下荷重が1N[ニュートン]を超えること)を設定することにより、この条件を満たすまでは、ユーザの圧覚を刺激し、条件を満たすと、触感呈示部107が入力検出部104を振動させてユーザの触覚を刺激することが可能になる。このように、ユーザの圧覚と触覚を刺激することにより、カチッとした硬質的な触感をユーザに呈示できる。入力検出部104自体は、押下されても機械的なキーのように物理的に変位しないが、上記のような触感をタッチ対象に呈示することにより、ユーザは、機械的なキーを操作した場合と同様のリアルなクリック感を得ることができる。これにより、ユーザは、押下によるフィードバックが本来ない入力検出部104への入力操作を違和感なく行うことが可能となる。カチッとした硬質的な触感は、例えば140Hz〜500Hzのサイン波を1周期又は矩形波を1周期呈示することにより実現できる。なお、荷重検出部106及び触感呈示部107が圧電素子を用いて構成される場合には、圧電素子を共用して、荷重検出部106及び触感呈示部107を構成することができる。圧電素子は、圧力が加わると電力を発生し、電力が加えられると変形するためである。なお、触感呈示部107は、振動モータ(偏心モータ)などに基づいて入力装置101を振動させることにより、入力検出部104を間接的に振動させるように構成してもよいし、入力検出部104に圧電素子を配設することにより、入力検出部104を直接的に振動させるように構成してもよい。
【0021】
制御部108は、入力装置101の各機能ブロックをはじめとして入力装置101の全体を制御及び管理する。ここで、制御部108は、CPU(中央処理装置)等の任意の好適なプロセッサ上で実行されるソフトウェアとして構成したり、処理毎に特化した専用のプロセッサ(例えばDSP(デジタルシグナルプロセッサ))によって構成したりすることができる。
【0022】
制御部108についてより詳細に説明する。制御部108は、キーへの押下荷重に基づいて入力モードを切り替える。入力モードが「平仮名」モード、「英字」モード及び「数字」モードの3つであるとき、制御部108は、例えば、図2のように、押下荷重に関する3つの荷重範囲を設定する。第1荷重範囲A1は閾値1以上閾値2未満、第2荷重範囲A2は閾値2以上閾値3未満、第3荷重範囲A3は閾値3以上閾値4未満である。制御部108は、各荷重範囲の上限値及び下限値について記憶部105に記憶させる。なお、この荷重範囲設定では、閾値1は第1荷重範囲A1に、閾値2は第2荷重範囲A2に、閾値3は第3荷重範囲A3にそれぞれ属することになっているが、本発明は、この態様に限定されるものではない。閾値がいずれの荷重範囲に属するかは、任意に設定できる事項であり、例えば、第1荷重範囲A1を閾値1よりも大きく閾値2以下の範囲と設定することもできる。
【0023】
そして、制御部108は、各荷重範囲に入力モードを割り当てる。例えば、制御部108は、第1荷重範囲A1に「平仮名」モードを、第2荷重範囲A2に「英字」モードを、第3荷重範囲A3に「数字」モードを割り当てることができる。この場合、平仮名「か」、「き」、「く」、「け」、「こ」と、英字「A」、「B」、「C」と、数字「2」が割り当てられたキーが、第1荷重範囲A1内の押下荷重で押下されると、制御部108は平仮名「か」、「き」、「く」、「け」、「こ」のいずれかを表示部103に表示させることになる。
【0024】
以下、ユーザが文字入力画面を起動させて、「携帯電話KC」と入力しようとする場合について説明する。
【0025】
図3は、図1の入力装置が行う処理を示すフローチャートである。図4は、文字入力画面起動時の表示部の表示画面例である。表示部103は、例えば図4のようにメイン表示部111及びキー表示部112で構成されている。キー表示部112は、ユーザが入力を行うためのものであり、メイン表示部111は、キー表示部112への入力の結果を表示させるためのものである。キー表示部112のキーk1には、平仮名「あ」、「い」、「う」、「え」、「お」と、英字(記号)「@」、「/」、「&」と、数字「1」とが割り当てられているとする。キーk2には、平仮名「か」、「き」、「く」、「け」、「こ」と、英字「A」、「B」、「C」、「a」、「b」、「c」と、数字「2」とが割り当てられているとする。キーk3には、平仮名「さ」、「し」、「す」、「せ」、「そ」と、英字「D」、「E」、「F」、「d」、「e」、「f」と、数字「3」とが割り当てられているとする。キーk4には、平仮名「た」、「ち」、「つ」、「て」、「と」と、英字「G」、「H」、「I」、「g」、「h」、「i」と、数字「4」とが割り当てられているとする。キーk5には、平仮名「な」、「に」、「ぬ」、「ね」、「の」と、英字「J」、「K」、「L」、「j」、「k」、「l」と、数字「5」とが割り当てられているとする。キーk6には、平仮名「は」、「ひ」、「ふ」、「へ」、「ほ」と、英字「M」、「N」、「O」、「m」、「n」、「o」と、数字「6」とが割り当てられているとする。キーk7には、平仮名「ま」、「み」、「む」、「め」、「も」と、英字「P」、「Q」、「R」、「S」、「p」、「q」、「r」、「s」と、数字「7」とが割り当てられているとする。キーk8には、平仮名「や」、「ゆ」、「よ」と、英字「T」、「U」、「V」、「t」、「u」、「v」と、数字「8」とが割り当てられているとする。キーk9には、平仮名「ら」、「り」、「る」、「れ」、「ろ」と、英字「W」、「X」、「Y」、「Z」、「w」、「x」、「y」、「z」と、数字「9」とが割り当てられているとする。キーk10には、平仮名(記号)「。」、「、」、「!」、「?」、「゛」、「゜」と、英字(記号)「.」、「,」、「!」、「?」と、数字(記号)「*」とが割り当てられているとする。キーk11には、平仮名「わ」、「を」、「ん」と、英字の半角表示機能(図4のキーk11の「半」との表示に対応)と、数字「0」とが割り当てられているとする。キーk12には、顔文字「(^_^)」、「(>_<)」(図4のキーk12の顔文字マークの表示に対応)と、英字の全角表示機能(図4のキーk12の「全」との表示に対応)と、数字(記号)「#」とが割り当てられているとする。文字入力画面起動時は、入力モードとして、「平仮名」モード、「英字」モード及び「数字」モードのいずれのモードも設定されていない。以下、文字入力画面起動時の入力モードを初期入力モードとする。制御部108は、入力モードが初期入力モードであることを示すために、各キーに平仮名、英字及び数字の全てが表示されるようにキー表示部112を制御することができる。また、文字入力画面起動時において、図2の押下荷重の第1荷重範囲A1には「平仮名」モードが、第2荷重範囲A2には「英字」モードが、第3荷重範囲A3には「数字」モードが割り当てられているとする。
【0026】
まず、メイン表示部111に文字「け」を表示させるために、キー表示部112に表示されたキーk2への入力が、ユーザの指やスタイラスペン等の押下物によって行われると、入力検出部104は、この入力を検出する(ステップS101)。そして、入力検出部104は、当該入力に関する入力位置情報を制御部108に送り、制御部108は、どのキーに対する入力であるのかを特定する。
【0027】
荷重検出部106は、入力検出部104にユーザの指やスタイラスペンなどの押下物が接触した時点から、入力検出部104に対する押下荷重を検出し始める(ステップS102)。
【0028】
続いて、制御部108は、現在の入力モードが初期入力モードか否か判断する(ステップS103)。文字入力画面起動時は、入力モードは初期入力モードであるので(ステップS103のYes)、制御部108は、押下荷重に基づいて入力モードを切り替える(ステップS104)。ユーザが記憶部105に記憶されている第1荷重範囲A1内の押下荷重でキーk2を押下した場合、制御部108は、入力モードを初期入力モードから「平仮名」モードに切り替える。そして、制御部108は、触感呈示部107を制御して入力検出部104を振動させることにより、押下物に触感を呈示することができる(ステップS105)。更に、制御部108は、入力モードが「平仮名」モードであることを示すために、各キーの表示を変更し、各キーに平仮名のみが表示されるようにキー表示部112を制御することができる(ステップS106)。
【0029】
制御部108は、図5のように、押下されたキーの周囲に、当該キーに割り当てられた現在の入力モード(「平仮名」モード)の文字(「か」、「き」、「く」、「け」、「こ」)がそれぞれ割り当てられたサブキーを表示する(ステップS107)。「け」を入力する場合、ユーザは押下物を入力検出部104から離さずに(入力を継続させた状態で)サブキー「け」まで移動させることになる。
【0030】
制御部108は、サブキーの表示後、押下物による入力の位置(入力位置)が変化したか否かを判断する(ステップS108)。押下物の移動により入力位置が変化すると(ステップS108のYes)、制御部108は、入力モードを現在のモード、つまり「平仮名」モードに確定する。なお、制御部108は、入力位置の変化量(移動量)について閾値を設け、閾値以上変化(移動)した場合にのみ、入力位置は変化したと判断することができる。
【0031】
なお、押下物による入力位置が変化しない間は(ステップS108のNo)、押下荷重に応じて入力モードが更に切り替わる可能性はある。例えば、ユーザが指を移動させずにキーを更に強く押下し、押下荷重が記憶部105に記憶されている第2荷重範囲A2内になると、入力モードは、「平仮名」モードから「英字」モードに切り替わる。
【0032】
ユーザが押下物をサブキー「け」まで移動させると、入力検出部104はサブキー「け」への入力を検出する(ステップS109)。そして、制御部108は、サブキー「け」に対応する文字「け」をメイン表示部111に表示させる(ステップS110)。そして、ユーザは、文字「け」の表示後、押下物をタッチパネル102から離すことになる。なお、制御部108は、入力検出部104がサブキー「け」に対する入力を検出した後、サブキー「け」を押下していた押下物がタッチパネル102から離れたことを検出すると、サブキー「け」に対応する文字「け」をメイン表示部111に表示させてもよい。
【0033】
ユーザは、文字「け」の入力に続き、「い」、「た」、「い」、「で」、「ん」、「わ」の文字を入力する。文字「け」の入力後は、入力モードは「平仮名」モードであるので(ステップS103のNo)、ユーザは、第1荷重範囲A1内の押下荷重でキーk1、k4、k1、k4及びk10、k11、k11を順々に押下していく。制御部108が、押下荷重は「平仮名」モードに対応する第1荷重範囲A1内であると判断する限り(ステップS111のYes)、制御部108は、入力モードの切替えを行わず、各キーに対応するサブキーをキー表示部112に表示させる(ステップS107)。ユーザは、所望のサブキーにまで押下物を移動させることにより、文字「い」、「た」、「い」、「で」、「ん」、「わ」は、文字「け」と同様に、メイン表示部111に表示される(ステップS110)。
【0034】
そして、入力検出部104がユーザによる変換キー(図示せず)への入力を検出すると、制御部108は、図6のように、メイン表示部111上の「けいたいでんわ」の文字列を「携帯電話」に変換する。メイン表示部111上の文字(列)の変換後、制御部108は、入力モードを現在のモード(「平仮名」モード)に設定し続けることができる。また、制御部108は、文字(列)の変換後、入力モードを初期入力モードに戻すこともできる。以下、本実施形態では、現在のモードが維持されるとする。
【0035】
続いて、ユーザは、「英字」モードで文字「K」及び「C」を入力することになる。
【0036】
まず、メイン表示部111に文字「K」を表示させるために、キー表示部112に表示されたキーk5への入力が、ユーザの指やスタイラスペン等の押下物によって行われると、入力検出部104は、この入力を検出する(ステップS101)。
【0037】
そして、荷重検出部106は、入力検出部104にユーザの指やスタイラスペンなどの押下物が接触した時点から、入力検出部104に対する押下荷重を検出し始める(ステップS102)。
【0038】
制御部108は、現在のモード(「平仮名」モード)は初期入力モードではないと判断し(ステップS103のNo)、荷重検出部106により検出された押下荷重が現在のモードに対応する押下荷重か否か判断する(ステップS111)。ユーザが、「英字」モードに対応する第2荷重範囲A2内の押下荷重でキーk5を押下する場合(ステップS111のNo)、制御部108は、入力モードを「平仮名」モードから「英字」モードに切り替える(ステップS104)。そして、制御部108は、触感呈示部107を制御して入力検出部104を振動させることにより、押下物に触感を呈示することができる(ステップS105)。なお、制御部108は、切り替え後の入力モードに応じて、押下物に異なる触感を呈示するように触感呈示部107を制御することができる。これにより、ユーザは、呈示される触感から現在設定されている入力モードを判断することができる。
【0039】
入力モードの切り替え後、制御部108は、図7のように、押下されたキーの周囲に、当該キーに割り当てられた現在の入力モード(「英字」モード)の文字(「J」、「K」、「L」、「j」、「k」、「l」)がそれぞれ割り当てられたサブキーを表示する(ステップS107)。ユーザは、押下物を入力検出部104から離さずにサブキー「K」まで移動させると(ステップS108のYes)、入力検出部104はサブキー「K」への入力を検出する(ステップS109)。そして、制御部108は、サブキー「K」に対応する文字「K」をメイン表示部111に表示させる(ステップS110)。なお、制御部108は、入力検出部104がサブキー「K」に対する入力を検出した後、サブキー「K」を押下していた押下物がタッチパネル102から離れたことを検出すると、サブキー「K」に対応する文字「K」をメイン表示部111に表示させてもよい。
【0040】
続いて、ユーザは、メイン表示部111に文字「C」を表示させるために、キー表示部112に表示されたキーk2を現在の入力モード(「英字」モード)に対応する押下荷重で押下することになる。入力モードと押下荷重との関係が図2に示されるものに固定されている場合は、「英字」モードに対応する押下荷重とは第2荷重範囲A2内の押下荷重である。しかし、「英字」モードが第2荷重範囲A2に固定されていると、「英字」モードの文字を入力する度に、「平仮名」モードから「英字」モードへの切替えが必要になる。このような状況を避けるために、制御部108は、入力モードと押下荷重との関係を固定せずに、現在の入力モードに応じて入力モードと押下荷重との関係を変えることもできる。例えば、制御部108は、現在の入力モードを第1荷重範囲A1に割り当てることができる。つまり、「英字」モードに対応する押下荷重とは第1荷重範囲A1内の押下荷重である。このように、最も低い荷重範囲(第1荷重範囲A1)に現在の入力モードを割り当てることは、ユーザが連続して同じモードの文字を入力する場合にモード切替えの回数を最小限に抑えられるので有利である。なお、制御部108は、第2荷重範囲A2及び第3荷重範囲A3に、「平仮名」モード及び「数字」モードをそれぞれ割り当てることも、又は「数字」モード及び「平仮名」モードをそれぞれ割り当てることもできる。
【0041】
制御部108が「英字」モードに対応する押下荷重でキーk2が押下されていると判断すると(ステップS111のYes)、制御部108は、図8のように押下されたキーの周囲に、当該キーに割り当てられた現在の入力モード(「英字」モード)の文字(「A」、「B」、「C」、「a」、「b」、「c」)がそれぞれ割り当てられたサブキーを表示する(ステップS107)。ユーザは、押下物を入力検出部104から離さずにサブキー「C」まで移動させると(ステップS108のYes)、入力検出部104はサブキー「C」への入力を検出する(ステップS109)。そして、制御部108は、サブキー「C」に対応する文字「C」をメイン表示部111に表示させる(ステップS110)。これにより、「携帯電話KC」の入力が完了したことになる。なお、制御部108は、入力検出部104がサブキー「C」に対する入力を検出した後、サブキー「C」を押下していた押下物がタッチパネル102から離れたことを検出すると、サブキー「C」に対応する文字「C」をメイン表示部111に表示させてもよい。
【0042】
以下、ユーザが押下荷重の調整を誤り、入力モードが所望の入力モード以外のモードに切り替わった場合について説明する。「携帯電話KC」の入力において、「K」の入力時に、押下荷重が第2荷重範囲A2を超え、入力モードが所望の「英字」モードではなく、「数字」モードになったとする。
【0043】
ここで、制御部108は、入力モードの種類より多い複数の荷重範囲を設定するとする。例えば、制御部108は、3種類の入力モード(「平仮名」モード、「英字」モード、「数字」モード)に対して、図9のように、6つの荷重範囲A4〜A6を設定する。そして、制御部108は、隣り合う荷重範囲(例えば、A1とA2、A2とA3)に対応する入力モードが同一にならないように、荷重範囲それぞれに入力モードを割り当てる。例えば、第1荷重範囲A1及び第4荷重範囲A4に「平仮名」モードを第2荷重範囲A2及び第5荷重範囲A5に「英字」モードを、第3荷重範囲A3及び第6荷重範囲A6に「数字」モードをそれぞれ割り当てる。第1荷重範囲A1〜第3荷重範囲A3は、図2に示されているA1〜A3と同一であり、第4荷重範囲A4は閾値4以上閾値5未満、第5荷重範囲A5は閾値5以上閾値6未満、第6荷重範囲A6は閾値6以上閾値7未満である。つまり、入力モードの種類よりも荷重範囲の数が多いため、ある入力モードに対して複数の荷重範囲が設定されることになる。なお、隣り合う荷重範囲とは、図9のように閾値を境に荷重範囲が隣り合う範囲同士を意味することに限定されるものではない。例えば、2つの荷重範囲の間に入力モードが割り当てられている荷重範囲が存在しなければ、2つの荷重範囲は、離れている場合でも隣り合う荷重範囲を意味する。なお、この荷重範囲設定では、閾値4は第4荷重範囲A4に、閾値5は第5荷重範囲A5に、閾値6は第6荷重範囲A6にそれぞれ属することになっているが、本発明は、この態様に限定されるものではない。閾値がいずれの荷重範囲に属するかは、任意に設定できる事項であり、例えば、第4荷重範囲A4を閾値4よりも大きく閾値5以下の範囲と設定することもできる。また、ある荷重範囲と当該荷重範囲とは異なる荷重範囲とに同一の入力モードが割り当てられれば、荷重範囲の各々に任意に入力モードを割り当てることができる。更に、第6荷重範囲よりも押下荷重の大きい範囲を設定することもできる。
【0044】
このように入力モードと荷重範囲を対応付けることにより、押下荷重が所望の「英字」モードに対応する第2荷重範囲を超えてしまっても、押下荷重が第5荷重範囲A5内になれば、制御部108は、入力モードを第5荷重範囲A5に対応する「英字」モードに切り替えることができる。これにより、入力モードが所望の入力モード以外のモードに切り替わった場合にも、ユーザは、押下物を入力検出部104から離し、入力をやり直すことなく、押下荷重の調整によって所望の入力モードを選択することができる。なお、全ての入力モードが一周して切り替わり、これらの入力モードのうちの1つが再度設定される場合、つまり、図9の押下荷重が第4荷重範囲A4内に入った場合、ステップS105で呈示される触感とは異なる触感を押下物に呈示するように触感呈示部107を制御することができる。当該触感により、ユーザは、入力モードが一周して、2周目に入ったことを認識することができる。
【0045】
また、押下荷重が第2荷重範囲A2を超えた場合にも、ユーザにより押下物の移動なく押下荷重が弱められ、押下荷重が第2荷重範囲A2内に戻ると、制御部108は、入力モードを「英字」モード以外のモードから「英字」モードに切り替えることができる。これにより、ユーザは、押下荷重を強めるだけでなく、弱めることによっても入力モードを切り替えることが可能になる。
【0046】
このように本実施形態では、入力装置101の制御部108は、文字に対応するキー(入力領域)への押下荷重に基づいて文字の入力モードを切り替え、入力の位置が変化すると入力モードを確定する。よって、入力モードを切り替えるために必要なことは、押下荷重の調整のみで、入力モード切替用のキーワードの設定等は不要である。また、押下荷重を調整するために指などの押下物の移動は不要であるため、操作負担は少ない。更に、押下物が移動すると、入力モードは確定されるため、押下物の停止時に比べ押下荷重を調整しにくいサブキーまでの押下物の移動中に押下荷重が変化してしまうということを避けることができる。これにより、ユーザが押下物の移動中に入力モードが切り替わったことに気付かずに、誤った入力モードで文字が入力されることがなくなる。
【0047】
また、本実施形態では、制御部108は、入力モードの種類(3種類)より多い複数の荷重範囲(6つ)を設定し、隣り合う荷重範囲に対応する入力モードが同一にならないように、荷重範囲それぞれに入力モードを割り当てる。つまり、「英字」モードには2つの荷重範囲(第2荷重範囲A2及び第5荷重範囲A5)が割り当てられている。ユーザは、「英字」モードへの切替えを望んだにも係らず、押下荷重が第2荷重範囲A2を超えてしまった場合(第5荷重範囲A5は超えてないとする)、押下荷重が第5荷重範囲A5内になるまでキーを強く押下する。これにより、ユーザは、押下物を入力検出部104から離し、入力をやり直すことなく、「英字」モードを使用することができる。
【0048】
本発明を諸図面や実施例に基づき説明してきたが、当業者であれば本開示に基づき種々の変形や修正を行うことが容易であることに注意されたい。従って、これらの変形や修正は本発明の範囲に含まれることに留意されたい。例えば、各部材、各手段、各ステップ等に含まれる機能等は論理的に矛盾しないように再配置可能であり、複数の手段やステップ等を1つに組み合わせたり、或いは分割したりすることが可能である。
【0049】
上述した本発明の実施形態の説明では、文字入力画面起動時には、第1荷重範囲A1に「平仮名」モードが、第2荷重範囲A2に「英字」モードが、第3荷重範囲A3に「数字」モードが割り当てられている場合について想定されている。しかし、ユーザの各モードの使用頻度に基づいて、第1荷重範囲〜第3荷重範囲に入力モードを割り当てることができる。例えば、制御部108は、過去のユーザの各入力モードの使用回数を記憶部105に記憶させ、使用回数の多い順に入力モードを第1荷重範囲から割り当てることができる。これにより、ユーザは、キーを押下すると、初期入力モードから一回の切替えで使用回数の最も多い入力モードを使用できるので、入力モードの切替え回数を減らすことができ、文字入力作業の効率が上がる。
【0050】
また、上述した本発明の実施形態の説明では、A1〜A3の3つの荷重範囲又はA1〜A6の6つの荷重範囲に入力モードが割り当てられている場合について想定されている。しかし、荷重範囲の範囲数は3つ又は6つに限定されるわけではない。例えば、押下荷重が大きくなるにつれて、入力モードが半永久的に循環して切り替わるように(例えば、「平仮名」モード、「英字」モード、「数字」モードの順での切替り)、複数の荷重範囲を設定することもできる。これにより、現在の入力モードが所望の入力モードではない場合、ユーザは、強い力でキー(入力領域)を押下することにより、必ず所望の入力モードを選択することが可能になる。
【0051】
上述の本発明の実施形態の説明において、例えば、閾値「以上」または閾値「未満」のような表現の技術的思想が意味する内容は必ずしも厳密な意味ではなく、入力装置の仕様に応じて、基準となる値を含む場合又は含まない場合の意味を包含するものとする。例えば、閾値「以上」とは、押下荷重が閾値に達した場合のみならず、閾値を超えた場合も含意し得るものとする。また、例えば閾値「未満」とは、押下荷重が閾値を下回った場合のみならず、閾値に達した場合、つまり閾値以下になった場合も含意し得るものとする。
【0052】
また、上述した本発明の実施形態の説明では、制御部が、サブキーの表示後、押下物による入力の位置(入力位置)が変化したか否かを判断し、設けられた閾値以上変化(移動)した場合、入力モードを確定する場合について想定されている。しかし、入力モードの確定は、設けられた閾値以上押下物が変化した場合に限定されるわけではない。例えば、制御部は、ユーザが押下物をサブキーの位置まで移動し、押下物をタッチパネルから離した際に、サブキーに割り当てられている文字を表示部に表示するとともに、入力モードを確定することができる。
【0053】
また、上述した本発明の本実施形態の説明における「表示部」及び「入力検出部」は、表示部と入力検出部との両機能を共通の基板に持たせる等により、一体化した装置によって構成されてもよい。このような表示部と入力検出部との両機能を一体化した装置の構成の一例としては、液晶パネルが有するマトリクス状配列の画素電極群に、フォトダイオード等の複数の光電変換素子を規則的に混在させたものがある。この装置は、液晶パネル構造によって画像を表示する一方で、パネル表面の所望位置をタッチ入力するペンの先端で液晶表示用のバックライトの光を反射し、この反射光を周辺の光電変換素子が受光することにより、タッチ位置を検出することができる。
【符号の説明】
【0054】
101 入力装置
102 タッチパネル
103 表示部
104 入力検出部
105 記憶部
106 荷重検出部
107 触感呈示部
108 制御部
111 メイン表示部
112 キー表示部
k1〜k12 キー
【技術分野】
【0001】
本発明は、文字入力用の入力装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
文字を入力するための入力装置には、例えば、機械式のキーボード若しくはテンキーを有するもの又はキーボードやテンキー等が表示されたタッチパネルを有するものがある。タッチパネルは、キーレイアウトの自由度の高さや、直感的な操作が可能であることなど多くの利点を有している。このため、近年、タッチパネルを搭載した携帯端末が急激に増加している。携帯端末としては、例えば、携帯電話端末、携帯音楽プレイヤー、携帯テレビ、携帯ゲーム機などが挙げられる。
【0003】
このような携帯端末には、平仮名、片仮名、英字、数字等を入力するための複数の入力モードが存在する。通常、これらの入力モードは、指定されたキー(以下、「入力モード切替キー」とする)を押下することにより順次切り替わるようになっている。つまり、複数の入力モードに対応する携帯端末には、文字を入力するためのキー(文字入力キー)だけでなく、入力モード切替キーが必要となる。入力モード切替キーをタッチパネル上に配置すると、その分文字表示スペースが狭められることになる。また、ユーザは、モードを切り替える度に入力モード切替キーに指を移動させなければならないため、操作負荷を感じることになる。
【0004】
そのため、従来、入力モード切替キーを押下することなく、入力モードの切替えが可能な入力装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。図10及び図11を用いて、特許文献1の発明を説明する。まず、ユーザは、図10のように、入力モードを切り替えることを指示するキーワードを入力モード毎に予め設定しておく。そして、図11のように、ひらがな入力モードにおいて、「きりかえ」と入力されると、入力装置は、予測変換候補リスト531を表示する。予測変換候補リスト531には、「きりかえ」の変換候補である「切り替え」、「切り換え」のみならず、モード切替先の入力モードを表す文字列である「<半角>」、「<カタカナ>」、「<英文字>」などが含まれている。ユーザは、切替先の入力モードを表す文字列を選択することにより、入力モードを切り替えることができる。例えば、<英文字>が選択されると、ユーザは、アルファベットの入力が可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006−350777号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、従来の入力装置では、入力モードを切り替えるために、入力モード切替用のキーワードを設定しなければならない。また、当該キーワードは、入力モード毎に異なるものであるため、ユーザは、入力モードの数だけキーワードを記憶しておく必要があり、ユーザへの負担は大きい。また、キーワード設定者以外のユーザは、キーワードを知らないため、入力モードを切り替えるために設定されているキーワードを確認しなければならない。
【0007】
更に、従来の入力装置では、入力モード切替キーを押下する必要はないが、キーワードの入力及び予測変換候補リスト内の入力モードを表す文字列の選択が必要になる。キーワードを入力するためには、ユーザは指を移動させて文字入力キーを押下することになる。また、入力モードを表す文字列を選択するためには、カーソル等の移動操作や文字列の直接押下などが必要となり、この場合にも、ユーザはカーソルキーや文字列へ指を移動させることになる。よって、従来の入力装置では、ユーザの指の移動に伴う操作負担は必ずしも軽減されるわけではない。
【0008】
従って、上記のような従来技術の問題点に鑑みてなされた本発明の目的は、入力モード切替用のキーワードの設定が不要であり、且つ入力モードを切り替えるための操作負担が少ない入力装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述した諸課題を解決すべく、第1の発明による入力装置は、
複数の文字種毎に1又は複数の文字が割り当てられたキーを表示する表示部と、前記表示部に表示された前記キーに対する入力を検出する入力検出部と、前記入力検出部への押下荷重を検出する荷重検出部と、前記入力検出部が前記キーに対する入力を検出すると、前記荷重検出部により検出される押下荷重に基づいて、前記文字種毎に対応付けられた文字の入力モードを切り替え、前記検出された入力の位置が変化すると前記切り替えられた入力モードを確定する制御部と、
を備えるものである。
【0010】
また、前記制御部は、前記入力モードが切り替わる毎に、前記入力検出部により入力が検出された前記キーに割り当てられた文字であって、前記入力モードに対応する文字種の文字をサブキーとして前記表示部に切り替えて表示し、前記検出された入力の位置が変化し、前記表示部に表示された前記サブキーに対する入力が検出されると、前記サブキーに対応する文字を前記表示部に表示することが望ましい。
【0011】
また、前記制御部は、前記入力モードの種類より多い複数の荷重範囲を設定し、隣り合う荷重範囲に対応する入力モードが同一にならないように、前記複数の荷重範囲それぞれに入力モードを割り当て、且つ前記荷重検出部により検出される押下荷重が前記複数の荷重範囲のうちある荷重範囲内であると、当該ある荷重範囲に対応する入力モードに切り替えることが望ましい。
【発明の効果】
【0012】
上記のように構成された本発明にかかる入力装置によれば、文字が割り当てられたキー(入力領域)への押下荷重に基づいて文字の入力モードが切り替わり、入力の位置が変化すると入力モードが確定される。よって、文字が割り当てられたキーへの押下荷重の調整のみで、入力モードの切替えが可能であるため、入力モード切替用のキーワードの設定は不要であり、少ない操作負担で入力モードを切替えることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】図1は、本発明の一実施形態に係る入力装置の概略構成を示す機能ブロック図である。
【図2】図2は、押下荷重に関する3つの荷重範囲を示す図である。
【図3】図3は、図1の入力装置が行う処理を示すフローチャートである。
【図4】図4は、図1の表示部の表示画面例である。
【図5】図5は、図1の表示部の表示画面例である。
【図6】図6は、図1の表示部の表示画面例である。
【図7】図7は、図1の表示部の表示画面例である。
【図8】図8は、図1の表示部の表示画面例である。
【図9】図9は、押下荷重に関する6つの荷重範囲を示す図である。
【図10】図10は、従来の入力モード切替キーワード設定画面例である。
【図11】図11は、従来のタッチパネルの表示画面例である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。
【0015】
図1は、本発明の一実施形態に係る入力装置の概略構成を示す機能ブロック図である。本発明の入力装置101の一例としては、PDA(Personal Digital Assistant)、携帯電話端末、携帯音楽プレイヤー、携帯テレビ、携帯ゲーム機、銀行のATM(Automated Teller Machine)、駅の券売機が挙げられる。この入力装置101は、表示部103及び入力検出部104を備えるタッチパネル102と、記憶部105と、荷重検出部106と、触感呈示部107と、制御部108とを有する。
【0016】
表示部103は、文字を入力するためのキー又はボタン、及び入力された文字を表示するもので、例えば、液晶表示パネルや有機EL表示パネル等を用いて構成される。各キー又はボタン(以下、キーと略する)は、複数の文字種の入力に対応するものであり、各キーには、文字種毎に1つ又は複数の文字が割り当てられている。文字種とは、平仮名、片仮名、英字、数字などである。以下、本実施形態では、各キーには、平仮名、英字及び数字の3つの文字種が割り当てられているとする。なお、平仮名には、「あ」〜「ん」までの46文字のみならず、句読点(「。」及び「、」)、濁点(「゛」)、半濁点(「゜」)、感嘆符(「!」)及び疑問符(「?」)などの記号も含むものとする。英字には、「A」〜「Z」までの26文字のみならず、ピリオド(「.」)、カンマ(「,」)、感嘆符及び疑問符などの記号も含むものとする。数字には、「0」〜「9」まで10個の数字のみならず、アスタリスク(「*」)及びシャープ(「#」)なども含むものとする。1つのキーに割り当てられる文字種毎の文字数は、表示部103に表示されるキーの個数などに基づいて任意に設定できる事項であり、例えば、あるキーに、平仮名「か」、「き」、「く」、「け」、「こ」と、英字「A」、「B」、「C」と、数字「2」とを割り当てることができる。キーに対して入力が行われると、当該キーに対応する文字が表示部103に表示される。つまり、キーは、文字に対応する入力領域を示すものである。本実施形態では、キーの形状と入力領域とが一致するものとするが、入力領域をキーよりも広く(又は狭く)設定することもできることに留意されたい。ある入力領域(キー)に入力が行われると、当該入力領域に割り当てられている文字が表示部103に表示される。割り当てられている文字のうち、いずれの文字種の文字が表示されるかは、入力時の文字の入力モードにより決定される。入力モードの種類は、文字種に対応するものであり、本実施形態では、平仮名に対応する「平仮名」モード、英字に対応する「英字」モード、数字に対応する「数字」モードの3種類の入力モードが存在するとする。
【0017】
入力検出部104は、ユーザの指やスタイラスペン等(押下物)による入力を検出するもので、抵抗膜方式、静電容量方式、光学式等の公知の方式のもので構成される。入力検出部104は、特に、文字に対応する入力領域(キー)への入力を検出する。入力検出部104は、入力を検出すると、当該入力の位置に関する入力位置情報を制御部108に送る。なお、入力検出部104が入力を検出する上で、押下物が入力検出部104を物理的に押下することは必須ではない。例えば、入力検出部104が光学式である場合は、入力検出部104は入力検出部104上の赤外線が指やスタイラスペン等で遮られた位置を検出するため、押下物が入力検出部104を押下することは不要である。
【0018】
記憶部105は、入力に関する各種情報(例えば、入力位置情報)や各入力モードに対応する荷重範囲などを記憶するとともに、ワークメモリ等としても機能する。荷重範囲は、制御部108がキー毎に任意に設定できる事項である。
【0019】
荷重検出部106は、入力検出部104に対する押下荷重を検出するもので、例えば、歪みゲージセンサや圧電素子などの荷重に対して線形に反応する素子を用いて構成される。
【0020】
触感呈示部107は、入力検出部104を振動させ、入力検出部104を押下しているユーザの指やスタイラスペンなど(押下物)に触感を呈示するもので、例えば、圧電素子などの振動素子を用いて構成される。呈示する触感は、何らかの振動であればよく、周波数、周期(波長)、振幅、波形を、呈示する触感に応じて適宜設定することができる。また、触感呈示部107は、単なる振動ではなく、機械的なキーを押した際に感じられるカチッとした硬質的な触感(リアルなクリック感)を押下物に対して呈示することもできる。触感を呈示する条件(例えば、押下荷重が1N[ニュートン]を超えること)を設定することにより、この条件を満たすまでは、ユーザの圧覚を刺激し、条件を満たすと、触感呈示部107が入力検出部104を振動させてユーザの触覚を刺激することが可能になる。このように、ユーザの圧覚と触覚を刺激することにより、カチッとした硬質的な触感をユーザに呈示できる。入力検出部104自体は、押下されても機械的なキーのように物理的に変位しないが、上記のような触感をタッチ対象に呈示することにより、ユーザは、機械的なキーを操作した場合と同様のリアルなクリック感を得ることができる。これにより、ユーザは、押下によるフィードバックが本来ない入力検出部104への入力操作を違和感なく行うことが可能となる。カチッとした硬質的な触感は、例えば140Hz〜500Hzのサイン波を1周期又は矩形波を1周期呈示することにより実現できる。なお、荷重検出部106及び触感呈示部107が圧電素子を用いて構成される場合には、圧電素子を共用して、荷重検出部106及び触感呈示部107を構成することができる。圧電素子は、圧力が加わると電力を発生し、電力が加えられると変形するためである。なお、触感呈示部107は、振動モータ(偏心モータ)などに基づいて入力装置101を振動させることにより、入力検出部104を間接的に振動させるように構成してもよいし、入力検出部104に圧電素子を配設することにより、入力検出部104を直接的に振動させるように構成してもよい。
【0021】
制御部108は、入力装置101の各機能ブロックをはじめとして入力装置101の全体を制御及び管理する。ここで、制御部108は、CPU(中央処理装置)等の任意の好適なプロセッサ上で実行されるソフトウェアとして構成したり、処理毎に特化した専用のプロセッサ(例えばDSP(デジタルシグナルプロセッサ))によって構成したりすることができる。
【0022】
制御部108についてより詳細に説明する。制御部108は、キーへの押下荷重に基づいて入力モードを切り替える。入力モードが「平仮名」モード、「英字」モード及び「数字」モードの3つであるとき、制御部108は、例えば、図2のように、押下荷重に関する3つの荷重範囲を設定する。第1荷重範囲A1は閾値1以上閾値2未満、第2荷重範囲A2は閾値2以上閾値3未満、第3荷重範囲A3は閾値3以上閾値4未満である。制御部108は、各荷重範囲の上限値及び下限値について記憶部105に記憶させる。なお、この荷重範囲設定では、閾値1は第1荷重範囲A1に、閾値2は第2荷重範囲A2に、閾値3は第3荷重範囲A3にそれぞれ属することになっているが、本発明は、この態様に限定されるものではない。閾値がいずれの荷重範囲に属するかは、任意に設定できる事項であり、例えば、第1荷重範囲A1を閾値1よりも大きく閾値2以下の範囲と設定することもできる。
【0023】
そして、制御部108は、各荷重範囲に入力モードを割り当てる。例えば、制御部108は、第1荷重範囲A1に「平仮名」モードを、第2荷重範囲A2に「英字」モードを、第3荷重範囲A3に「数字」モードを割り当てることができる。この場合、平仮名「か」、「き」、「く」、「け」、「こ」と、英字「A」、「B」、「C」と、数字「2」が割り当てられたキーが、第1荷重範囲A1内の押下荷重で押下されると、制御部108は平仮名「か」、「き」、「く」、「け」、「こ」のいずれかを表示部103に表示させることになる。
【0024】
以下、ユーザが文字入力画面を起動させて、「携帯電話KC」と入力しようとする場合について説明する。
【0025】
図3は、図1の入力装置が行う処理を示すフローチャートである。図4は、文字入力画面起動時の表示部の表示画面例である。表示部103は、例えば図4のようにメイン表示部111及びキー表示部112で構成されている。キー表示部112は、ユーザが入力を行うためのものであり、メイン表示部111は、キー表示部112への入力の結果を表示させるためのものである。キー表示部112のキーk1には、平仮名「あ」、「い」、「う」、「え」、「お」と、英字(記号)「@」、「/」、「&」と、数字「1」とが割り当てられているとする。キーk2には、平仮名「か」、「き」、「く」、「け」、「こ」と、英字「A」、「B」、「C」、「a」、「b」、「c」と、数字「2」とが割り当てられているとする。キーk3には、平仮名「さ」、「し」、「す」、「せ」、「そ」と、英字「D」、「E」、「F」、「d」、「e」、「f」と、数字「3」とが割り当てられているとする。キーk4には、平仮名「た」、「ち」、「つ」、「て」、「と」と、英字「G」、「H」、「I」、「g」、「h」、「i」と、数字「4」とが割り当てられているとする。キーk5には、平仮名「な」、「に」、「ぬ」、「ね」、「の」と、英字「J」、「K」、「L」、「j」、「k」、「l」と、数字「5」とが割り当てられているとする。キーk6には、平仮名「は」、「ひ」、「ふ」、「へ」、「ほ」と、英字「M」、「N」、「O」、「m」、「n」、「o」と、数字「6」とが割り当てられているとする。キーk7には、平仮名「ま」、「み」、「む」、「め」、「も」と、英字「P」、「Q」、「R」、「S」、「p」、「q」、「r」、「s」と、数字「7」とが割り当てられているとする。キーk8には、平仮名「や」、「ゆ」、「よ」と、英字「T」、「U」、「V」、「t」、「u」、「v」と、数字「8」とが割り当てられているとする。キーk9には、平仮名「ら」、「り」、「る」、「れ」、「ろ」と、英字「W」、「X」、「Y」、「Z」、「w」、「x」、「y」、「z」と、数字「9」とが割り当てられているとする。キーk10には、平仮名(記号)「。」、「、」、「!」、「?」、「゛」、「゜」と、英字(記号)「.」、「,」、「!」、「?」と、数字(記号)「*」とが割り当てられているとする。キーk11には、平仮名「わ」、「を」、「ん」と、英字の半角表示機能(図4のキーk11の「半」との表示に対応)と、数字「0」とが割り当てられているとする。キーk12には、顔文字「(^_^)」、「(>_<)」(図4のキーk12の顔文字マークの表示に対応)と、英字の全角表示機能(図4のキーk12の「全」との表示に対応)と、数字(記号)「#」とが割り当てられているとする。文字入力画面起動時は、入力モードとして、「平仮名」モード、「英字」モード及び「数字」モードのいずれのモードも設定されていない。以下、文字入力画面起動時の入力モードを初期入力モードとする。制御部108は、入力モードが初期入力モードであることを示すために、各キーに平仮名、英字及び数字の全てが表示されるようにキー表示部112を制御することができる。また、文字入力画面起動時において、図2の押下荷重の第1荷重範囲A1には「平仮名」モードが、第2荷重範囲A2には「英字」モードが、第3荷重範囲A3には「数字」モードが割り当てられているとする。
【0026】
まず、メイン表示部111に文字「け」を表示させるために、キー表示部112に表示されたキーk2への入力が、ユーザの指やスタイラスペン等の押下物によって行われると、入力検出部104は、この入力を検出する(ステップS101)。そして、入力検出部104は、当該入力に関する入力位置情報を制御部108に送り、制御部108は、どのキーに対する入力であるのかを特定する。
【0027】
荷重検出部106は、入力検出部104にユーザの指やスタイラスペンなどの押下物が接触した時点から、入力検出部104に対する押下荷重を検出し始める(ステップS102)。
【0028】
続いて、制御部108は、現在の入力モードが初期入力モードか否か判断する(ステップS103)。文字入力画面起動時は、入力モードは初期入力モードであるので(ステップS103のYes)、制御部108は、押下荷重に基づいて入力モードを切り替える(ステップS104)。ユーザが記憶部105に記憶されている第1荷重範囲A1内の押下荷重でキーk2を押下した場合、制御部108は、入力モードを初期入力モードから「平仮名」モードに切り替える。そして、制御部108は、触感呈示部107を制御して入力検出部104を振動させることにより、押下物に触感を呈示することができる(ステップS105)。更に、制御部108は、入力モードが「平仮名」モードであることを示すために、各キーの表示を変更し、各キーに平仮名のみが表示されるようにキー表示部112を制御することができる(ステップS106)。
【0029】
制御部108は、図5のように、押下されたキーの周囲に、当該キーに割り当てられた現在の入力モード(「平仮名」モード)の文字(「か」、「き」、「く」、「け」、「こ」)がそれぞれ割り当てられたサブキーを表示する(ステップS107)。「け」を入力する場合、ユーザは押下物を入力検出部104から離さずに(入力を継続させた状態で)サブキー「け」まで移動させることになる。
【0030】
制御部108は、サブキーの表示後、押下物による入力の位置(入力位置)が変化したか否かを判断する(ステップS108)。押下物の移動により入力位置が変化すると(ステップS108のYes)、制御部108は、入力モードを現在のモード、つまり「平仮名」モードに確定する。なお、制御部108は、入力位置の変化量(移動量)について閾値を設け、閾値以上変化(移動)した場合にのみ、入力位置は変化したと判断することができる。
【0031】
なお、押下物による入力位置が変化しない間は(ステップS108のNo)、押下荷重に応じて入力モードが更に切り替わる可能性はある。例えば、ユーザが指を移動させずにキーを更に強く押下し、押下荷重が記憶部105に記憶されている第2荷重範囲A2内になると、入力モードは、「平仮名」モードから「英字」モードに切り替わる。
【0032】
ユーザが押下物をサブキー「け」まで移動させると、入力検出部104はサブキー「け」への入力を検出する(ステップS109)。そして、制御部108は、サブキー「け」に対応する文字「け」をメイン表示部111に表示させる(ステップS110)。そして、ユーザは、文字「け」の表示後、押下物をタッチパネル102から離すことになる。なお、制御部108は、入力検出部104がサブキー「け」に対する入力を検出した後、サブキー「け」を押下していた押下物がタッチパネル102から離れたことを検出すると、サブキー「け」に対応する文字「け」をメイン表示部111に表示させてもよい。
【0033】
ユーザは、文字「け」の入力に続き、「い」、「た」、「い」、「で」、「ん」、「わ」の文字を入力する。文字「け」の入力後は、入力モードは「平仮名」モードであるので(ステップS103のNo)、ユーザは、第1荷重範囲A1内の押下荷重でキーk1、k4、k1、k4及びk10、k11、k11を順々に押下していく。制御部108が、押下荷重は「平仮名」モードに対応する第1荷重範囲A1内であると判断する限り(ステップS111のYes)、制御部108は、入力モードの切替えを行わず、各キーに対応するサブキーをキー表示部112に表示させる(ステップS107)。ユーザは、所望のサブキーにまで押下物を移動させることにより、文字「い」、「た」、「い」、「で」、「ん」、「わ」は、文字「け」と同様に、メイン表示部111に表示される(ステップS110)。
【0034】
そして、入力検出部104がユーザによる変換キー(図示せず)への入力を検出すると、制御部108は、図6のように、メイン表示部111上の「けいたいでんわ」の文字列を「携帯電話」に変換する。メイン表示部111上の文字(列)の変換後、制御部108は、入力モードを現在のモード(「平仮名」モード)に設定し続けることができる。また、制御部108は、文字(列)の変換後、入力モードを初期入力モードに戻すこともできる。以下、本実施形態では、現在のモードが維持されるとする。
【0035】
続いて、ユーザは、「英字」モードで文字「K」及び「C」を入力することになる。
【0036】
まず、メイン表示部111に文字「K」を表示させるために、キー表示部112に表示されたキーk5への入力が、ユーザの指やスタイラスペン等の押下物によって行われると、入力検出部104は、この入力を検出する(ステップS101)。
【0037】
そして、荷重検出部106は、入力検出部104にユーザの指やスタイラスペンなどの押下物が接触した時点から、入力検出部104に対する押下荷重を検出し始める(ステップS102)。
【0038】
制御部108は、現在のモード(「平仮名」モード)は初期入力モードではないと判断し(ステップS103のNo)、荷重検出部106により検出された押下荷重が現在のモードに対応する押下荷重か否か判断する(ステップS111)。ユーザが、「英字」モードに対応する第2荷重範囲A2内の押下荷重でキーk5を押下する場合(ステップS111のNo)、制御部108は、入力モードを「平仮名」モードから「英字」モードに切り替える(ステップS104)。そして、制御部108は、触感呈示部107を制御して入力検出部104を振動させることにより、押下物に触感を呈示することができる(ステップS105)。なお、制御部108は、切り替え後の入力モードに応じて、押下物に異なる触感を呈示するように触感呈示部107を制御することができる。これにより、ユーザは、呈示される触感から現在設定されている入力モードを判断することができる。
【0039】
入力モードの切り替え後、制御部108は、図7のように、押下されたキーの周囲に、当該キーに割り当てられた現在の入力モード(「英字」モード)の文字(「J」、「K」、「L」、「j」、「k」、「l」)がそれぞれ割り当てられたサブキーを表示する(ステップS107)。ユーザは、押下物を入力検出部104から離さずにサブキー「K」まで移動させると(ステップS108のYes)、入力検出部104はサブキー「K」への入力を検出する(ステップS109)。そして、制御部108は、サブキー「K」に対応する文字「K」をメイン表示部111に表示させる(ステップS110)。なお、制御部108は、入力検出部104がサブキー「K」に対する入力を検出した後、サブキー「K」を押下していた押下物がタッチパネル102から離れたことを検出すると、サブキー「K」に対応する文字「K」をメイン表示部111に表示させてもよい。
【0040】
続いて、ユーザは、メイン表示部111に文字「C」を表示させるために、キー表示部112に表示されたキーk2を現在の入力モード(「英字」モード)に対応する押下荷重で押下することになる。入力モードと押下荷重との関係が図2に示されるものに固定されている場合は、「英字」モードに対応する押下荷重とは第2荷重範囲A2内の押下荷重である。しかし、「英字」モードが第2荷重範囲A2に固定されていると、「英字」モードの文字を入力する度に、「平仮名」モードから「英字」モードへの切替えが必要になる。このような状況を避けるために、制御部108は、入力モードと押下荷重との関係を固定せずに、現在の入力モードに応じて入力モードと押下荷重との関係を変えることもできる。例えば、制御部108は、現在の入力モードを第1荷重範囲A1に割り当てることができる。つまり、「英字」モードに対応する押下荷重とは第1荷重範囲A1内の押下荷重である。このように、最も低い荷重範囲(第1荷重範囲A1)に現在の入力モードを割り当てることは、ユーザが連続して同じモードの文字を入力する場合にモード切替えの回数を最小限に抑えられるので有利である。なお、制御部108は、第2荷重範囲A2及び第3荷重範囲A3に、「平仮名」モード及び「数字」モードをそれぞれ割り当てることも、又は「数字」モード及び「平仮名」モードをそれぞれ割り当てることもできる。
【0041】
制御部108が「英字」モードに対応する押下荷重でキーk2が押下されていると判断すると(ステップS111のYes)、制御部108は、図8のように押下されたキーの周囲に、当該キーに割り当てられた現在の入力モード(「英字」モード)の文字(「A」、「B」、「C」、「a」、「b」、「c」)がそれぞれ割り当てられたサブキーを表示する(ステップS107)。ユーザは、押下物を入力検出部104から離さずにサブキー「C」まで移動させると(ステップS108のYes)、入力検出部104はサブキー「C」への入力を検出する(ステップS109)。そして、制御部108は、サブキー「C」に対応する文字「C」をメイン表示部111に表示させる(ステップS110)。これにより、「携帯電話KC」の入力が完了したことになる。なお、制御部108は、入力検出部104がサブキー「C」に対する入力を検出した後、サブキー「C」を押下していた押下物がタッチパネル102から離れたことを検出すると、サブキー「C」に対応する文字「C」をメイン表示部111に表示させてもよい。
【0042】
以下、ユーザが押下荷重の調整を誤り、入力モードが所望の入力モード以外のモードに切り替わった場合について説明する。「携帯電話KC」の入力において、「K」の入力時に、押下荷重が第2荷重範囲A2を超え、入力モードが所望の「英字」モードではなく、「数字」モードになったとする。
【0043】
ここで、制御部108は、入力モードの種類より多い複数の荷重範囲を設定するとする。例えば、制御部108は、3種類の入力モード(「平仮名」モード、「英字」モード、「数字」モード)に対して、図9のように、6つの荷重範囲A4〜A6を設定する。そして、制御部108は、隣り合う荷重範囲(例えば、A1とA2、A2とA3)に対応する入力モードが同一にならないように、荷重範囲それぞれに入力モードを割り当てる。例えば、第1荷重範囲A1及び第4荷重範囲A4に「平仮名」モードを第2荷重範囲A2及び第5荷重範囲A5に「英字」モードを、第3荷重範囲A3及び第6荷重範囲A6に「数字」モードをそれぞれ割り当てる。第1荷重範囲A1〜第3荷重範囲A3は、図2に示されているA1〜A3と同一であり、第4荷重範囲A4は閾値4以上閾値5未満、第5荷重範囲A5は閾値5以上閾値6未満、第6荷重範囲A6は閾値6以上閾値7未満である。つまり、入力モードの種類よりも荷重範囲の数が多いため、ある入力モードに対して複数の荷重範囲が設定されることになる。なお、隣り合う荷重範囲とは、図9のように閾値を境に荷重範囲が隣り合う範囲同士を意味することに限定されるものではない。例えば、2つの荷重範囲の間に入力モードが割り当てられている荷重範囲が存在しなければ、2つの荷重範囲は、離れている場合でも隣り合う荷重範囲を意味する。なお、この荷重範囲設定では、閾値4は第4荷重範囲A4に、閾値5は第5荷重範囲A5に、閾値6は第6荷重範囲A6にそれぞれ属することになっているが、本発明は、この態様に限定されるものではない。閾値がいずれの荷重範囲に属するかは、任意に設定できる事項であり、例えば、第4荷重範囲A4を閾値4よりも大きく閾値5以下の範囲と設定することもできる。また、ある荷重範囲と当該荷重範囲とは異なる荷重範囲とに同一の入力モードが割り当てられれば、荷重範囲の各々に任意に入力モードを割り当てることができる。更に、第6荷重範囲よりも押下荷重の大きい範囲を設定することもできる。
【0044】
このように入力モードと荷重範囲を対応付けることにより、押下荷重が所望の「英字」モードに対応する第2荷重範囲を超えてしまっても、押下荷重が第5荷重範囲A5内になれば、制御部108は、入力モードを第5荷重範囲A5に対応する「英字」モードに切り替えることができる。これにより、入力モードが所望の入力モード以外のモードに切り替わった場合にも、ユーザは、押下物を入力検出部104から離し、入力をやり直すことなく、押下荷重の調整によって所望の入力モードを選択することができる。なお、全ての入力モードが一周して切り替わり、これらの入力モードのうちの1つが再度設定される場合、つまり、図9の押下荷重が第4荷重範囲A4内に入った場合、ステップS105で呈示される触感とは異なる触感を押下物に呈示するように触感呈示部107を制御することができる。当該触感により、ユーザは、入力モードが一周して、2周目に入ったことを認識することができる。
【0045】
また、押下荷重が第2荷重範囲A2を超えた場合にも、ユーザにより押下物の移動なく押下荷重が弱められ、押下荷重が第2荷重範囲A2内に戻ると、制御部108は、入力モードを「英字」モード以外のモードから「英字」モードに切り替えることができる。これにより、ユーザは、押下荷重を強めるだけでなく、弱めることによっても入力モードを切り替えることが可能になる。
【0046】
このように本実施形態では、入力装置101の制御部108は、文字に対応するキー(入力領域)への押下荷重に基づいて文字の入力モードを切り替え、入力の位置が変化すると入力モードを確定する。よって、入力モードを切り替えるために必要なことは、押下荷重の調整のみで、入力モード切替用のキーワードの設定等は不要である。また、押下荷重を調整するために指などの押下物の移動は不要であるため、操作負担は少ない。更に、押下物が移動すると、入力モードは確定されるため、押下物の停止時に比べ押下荷重を調整しにくいサブキーまでの押下物の移動中に押下荷重が変化してしまうということを避けることができる。これにより、ユーザが押下物の移動中に入力モードが切り替わったことに気付かずに、誤った入力モードで文字が入力されることがなくなる。
【0047】
また、本実施形態では、制御部108は、入力モードの種類(3種類)より多い複数の荷重範囲(6つ)を設定し、隣り合う荷重範囲に対応する入力モードが同一にならないように、荷重範囲それぞれに入力モードを割り当てる。つまり、「英字」モードには2つの荷重範囲(第2荷重範囲A2及び第5荷重範囲A5)が割り当てられている。ユーザは、「英字」モードへの切替えを望んだにも係らず、押下荷重が第2荷重範囲A2を超えてしまった場合(第5荷重範囲A5は超えてないとする)、押下荷重が第5荷重範囲A5内になるまでキーを強く押下する。これにより、ユーザは、押下物を入力検出部104から離し、入力をやり直すことなく、「英字」モードを使用することができる。
【0048】
本発明を諸図面や実施例に基づき説明してきたが、当業者であれば本開示に基づき種々の変形や修正を行うことが容易であることに注意されたい。従って、これらの変形や修正は本発明の範囲に含まれることに留意されたい。例えば、各部材、各手段、各ステップ等に含まれる機能等は論理的に矛盾しないように再配置可能であり、複数の手段やステップ等を1つに組み合わせたり、或いは分割したりすることが可能である。
【0049】
上述した本発明の実施形態の説明では、文字入力画面起動時には、第1荷重範囲A1に「平仮名」モードが、第2荷重範囲A2に「英字」モードが、第3荷重範囲A3に「数字」モードが割り当てられている場合について想定されている。しかし、ユーザの各モードの使用頻度に基づいて、第1荷重範囲〜第3荷重範囲に入力モードを割り当てることができる。例えば、制御部108は、過去のユーザの各入力モードの使用回数を記憶部105に記憶させ、使用回数の多い順に入力モードを第1荷重範囲から割り当てることができる。これにより、ユーザは、キーを押下すると、初期入力モードから一回の切替えで使用回数の最も多い入力モードを使用できるので、入力モードの切替え回数を減らすことができ、文字入力作業の効率が上がる。
【0050】
また、上述した本発明の実施形態の説明では、A1〜A3の3つの荷重範囲又はA1〜A6の6つの荷重範囲に入力モードが割り当てられている場合について想定されている。しかし、荷重範囲の範囲数は3つ又は6つに限定されるわけではない。例えば、押下荷重が大きくなるにつれて、入力モードが半永久的に循環して切り替わるように(例えば、「平仮名」モード、「英字」モード、「数字」モードの順での切替り)、複数の荷重範囲を設定することもできる。これにより、現在の入力モードが所望の入力モードではない場合、ユーザは、強い力でキー(入力領域)を押下することにより、必ず所望の入力モードを選択することが可能になる。
【0051】
上述の本発明の実施形態の説明において、例えば、閾値「以上」または閾値「未満」のような表現の技術的思想が意味する内容は必ずしも厳密な意味ではなく、入力装置の仕様に応じて、基準となる値を含む場合又は含まない場合の意味を包含するものとする。例えば、閾値「以上」とは、押下荷重が閾値に達した場合のみならず、閾値を超えた場合も含意し得るものとする。また、例えば閾値「未満」とは、押下荷重が閾値を下回った場合のみならず、閾値に達した場合、つまり閾値以下になった場合も含意し得るものとする。
【0052】
また、上述した本発明の実施形態の説明では、制御部が、サブキーの表示後、押下物による入力の位置(入力位置)が変化したか否かを判断し、設けられた閾値以上変化(移動)した場合、入力モードを確定する場合について想定されている。しかし、入力モードの確定は、設けられた閾値以上押下物が変化した場合に限定されるわけではない。例えば、制御部は、ユーザが押下物をサブキーの位置まで移動し、押下物をタッチパネルから離した際に、サブキーに割り当てられている文字を表示部に表示するとともに、入力モードを確定することができる。
【0053】
また、上述した本発明の本実施形態の説明における「表示部」及び「入力検出部」は、表示部と入力検出部との両機能を共通の基板に持たせる等により、一体化した装置によって構成されてもよい。このような表示部と入力検出部との両機能を一体化した装置の構成の一例としては、液晶パネルが有するマトリクス状配列の画素電極群に、フォトダイオード等の複数の光電変換素子を規則的に混在させたものがある。この装置は、液晶パネル構造によって画像を表示する一方で、パネル表面の所望位置をタッチ入力するペンの先端で液晶表示用のバックライトの光を反射し、この反射光を周辺の光電変換素子が受光することにより、タッチ位置を検出することができる。
【符号の説明】
【0054】
101 入力装置
102 タッチパネル
103 表示部
104 入力検出部
105 記憶部
106 荷重検出部
107 触感呈示部
108 制御部
111 メイン表示部
112 キー表示部
k1〜k12 キー
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の文字種毎に1又は複数の文字が割り当てられたキーを表示する表示部と、
前記表示部に表示された前記キーに対する入力を検出する入力検出部と、
前記入力検出部への押下荷重を検出する荷重検出部と、
前記入力検出部が前記キーに対する入力を検出すると、前記荷重検出部により検出される押下荷重に基づいて、前記複数の文字種毎に対応付けられた文字の入力モードを文字の入力モードを切り替え、前記検出された入力の位置が変化すると前記切り替えられた入力モードを確定する制御部と
を備える入力装置。
【請求項2】
請求項1に記載の入力装置において、前記制御部は、
前記入力モードが切り替わる毎に、前記入力検出部により入力が検出された前記キーに割り当てられた文字であって、前記入力モードに対応する文字種の文字が割り当てられたサブキーを前記表示部に切り替えて表示し、
前記検出された入力の位置が変化し、前記表示部に表示された前記サブキーに対する入力が検出されると、前記サブキーに割り当てられた文字を前記表示部に表示することを特徴とする入力装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の入力装置において、前記制御部は、
前記入力モードの種類より多い複数の荷重範囲を設定し、
隣り合う荷重範囲に対応する入力モードが同一にならないように、前記複数の荷重範囲それぞれに入力モードを割り当て、且つ
前記荷重検出部により検出される押下荷重が前記複数の荷重範囲のうちある荷重範囲内であると、当該ある荷重範囲に対応する入力モードに切り替える
ことを特徴とする入力装置。
【請求項1】
複数の文字種毎に1又は複数の文字が割り当てられたキーを表示する表示部と、
前記表示部に表示された前記キーに対する入力を検出する入力検出部と、
前記入力検出部への押下荷重を検出する荷重検出部と、
前記入力検出部が前記キーに対する入力を検出すると、前記荷重検出部により検出される押下荷重に基づいて、前記複数の文字種毎に対応付けられた文字の入力モードを文字の入力モードを切り替え、前記検出された入力の位置が変化すると前記切り替えられた入力モードを確定する制御部と
を備える入力装置。
【請求項2】
請求項1に記載の入力装置において、前記制御部は、
前記入力モードが切り替わる毎に、前記入力検出部により入力が検出された前記キーに割り当てられた文字であって、前記入力モードに対応する文字種の文字が割り当てられたサブキーを前記表示部に切り替えて表示し、
前記検出された入力の位置が変化し、前記表示部に表示された前記サブキーに対する入力が検出されると、前記サブキーに割り当てられた文字を前記表示部に表示することを特徴とする入力装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の入力装置において、前記制御部は、
前記入力モードの種類より多い複数の荷重範囲を設定し、
隣り合う荷重範囲に対応する入力モードが同一にならないように、前記複数の荷重範囲それぞれに入力モードを割り当て、且つ
前記荷重検出部により検出される押下荷重が前記複数の荷重範囲のうちある荷重範囲内であると、当該ある荷重範囲に対応する入力モードに切り替える
ことを特徴とする入力装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2012−93986(P2012−93986A)
【公開日】平成24年5月17日(2012.5.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−241165(P2010−241165)
【出願日】平成22年10月27日(2010.10.27)
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年5月17日(2012.5.17)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年10月27日(2010.10.27)
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)
【Fターム(参考)】
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