入退室監視方法および監視システム
【課題】共連れによる管理区域への不正入室を検知・警告する入退室監視方法及び入退室監視システムを提供する。
【解決手段】一般区域と管理区域とを一枚の扉で隔てる環境下で、前記扉付近に設置された個人認証装置の照合結果をもとに扉の開閉を制御するとともに、前記扉周辺を上方から撮影したカメラ映像を画像処理することによって共連れを検出し、管理区域への入退室を監視する入退室監視方法であって、扉開錠直前までの間は、前記カメラ映像をもとに扉周辺に存在する人物を検知し(扉の開錠判定処理)、扉開錠後は、前記カメラ映像をもとに戸口を通過する人物の数を計測し(通過人数計測処理)、前記カメラ映像の画像処理による判定結果に基づいて、扉の開閉を制御するとともに、アラーム警告の発報を制御して管理区域への入退室を監視する。そして入室許可者の共連れによる不正入室や、入室許可者退室時のすれ違いによる不正入室を検知・警告する。
【解決手段】一般区域と管理区域とを一枚の扉で隔てる環境下で、前記扉付近に設置された個人認証装置の照合結果をもとに扉の開閉を制御するとともに、前記扉周辺を上方から撮影したカメラ映像を画像処理することによって共連れを検出し、管理区域への入退室を監視する入退室監視方法であって、扉開錠直前までの間は、前記カメラ映像をもとに扉周辺に存在する人物を検知し(扉の開錠判定処理)、扉開錠後は、前記カメラ映像をもとに戸口を通過する人物の数を計測し(通過人数計測処理)、前記カメラ映像の画像処理による判定結果に基づいて、扉の開閉を制御するとともに、アラーム警告の発報を制御して管理区域への入退室を監視する。そして入室許可者の共連れによる不正入室や、入室許可者退室時のすれ違いによる不正入室を検知・警告する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、管理区域への入退室を監視するセキュリティシステムにおいて、特に、入室許可者に同伴する非許可者の不正入室(共連れ)を検知・警告する入退室監視方法および監視システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
機密事項を扱う研究施設や情報管理室、高価な財産(高額貨幣、貴金属品など)、および取扱いを制限されたもの(危険物、薬物なと)を保管する部屋(以下、管理区域という)への入退室は厳重に管理する必要があり、様々なセキュリティシステムが導入されている。
例えば管理区域へ入室する際、IDカードや暗証番号による照合や、指紋照合や虹彩照合によって入室許可者本人であるか否かを判定し、その照合結果をもとに管理区域への入退室を管理するセキュリティシステムが知られている。
指紋照合や虹彩照合などによる高度な個人認証装置を使用したセキュリティシステムでは、入室許可者本人であるか否かを厳密に照合することができるため、非許可者による管理区域への不正入室を防止することができる。しかしながら、個人認証装置で照合を行った入室許可者に同伴して非許可者が管理区域へ不正入室すること(以下、「共連れ」という)を検知・警告できなかった。
【0003】
そこで一般区域と管理区域とを隔てる扉付近に設置した個人認証装置の照合結果をもとに管理区域への入退室を管理するとともに、扉付近に赤外線センサを複数設置し、当該赤外線センサの検知結果をもとに管理区域へ入室しようとする人物が複数検知されたときはアラーム警告するなどして共連れを検知・警告するセキュリティシステムが提案されている。
また管理区域の手前に人間一人のみが存在可能であるスペースの認証室を設け、その認証室に個人認証装置を設置し、当該認証装置で照合された入室許可者のみが管理区域へ入室できるように構成することによって、共連れを不可能とするセキュリティシステムが提案されている(例えば特許文献1を参照)。
【特許文献1】特開2000−315290号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、個人認証装置と赤外線センサを併用したセキュリティシステムでは、赤外線センサによる検知領域に存在する人物(例えば、入室許可者と非許可者)が前後または左右に互いに密接している場合、赤外線センサによる検知能力では密接した人物同士を複数と認識することができず、共連れを検知することができなかった。
また、人間一人のみが存在可能なスペースの認証室を通って管理区域に入室するよう構成した場合、例えば、管理区域に大きな荷物を搬入しなければならない場合や、管理区域に大勢の見学者を案内する場合などの例外に対する措置が困難であった。さらに体重センサなどを設置して認証室に人間一人しか存在できないようにするシステムも提案されているが、設備および調整が大掛かりで、高価だった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
そこで本発明による入退室監視方法は、一般区域と管理区域とを一枚の扉で隔てる環境下で、前記扉付近に設置された個人認証装置の照合結果をもとに扉の開閉を制御するとともに、前記扉周辺を上方から撮影したカメラ映像を画像処理することによって共連れを検出し、管理区域への入退室を監視する入退室監視方法であって、個人認証装置による照合手続時から扉開錠直前までの間は、前記カメラ映像をもとに扉周辺に存在する人物を検知し(扉の開錠判定処理)、扉開錠後は、前記カメラ映像をもとに戸口を通過する人物の数を計測し(通過人数計測処理)、前記個人認証装置の照合結果と、前記カメラ映像の画像処理による判定結果とに基づき、扉の開閉とアラーム警報の出力を制御し、管理区域への入退室を監視するものである。
【0006】
また本発明による入退室監視システムは、一般区域と管理区域とを一枚の扉で隔てる環境下で、前記扉付近に設置された個人認証装置の照合結果をもとに扉の開閉を制御し、管理区域への入退室を管理するとともに、前記扉周辺を上方から撮影したカメラ映像をもとに共連れを検知し、管理区域への入退室を監視するための入退室監視システムであって、入室許可者であるか否かを照合する個人認証装置と、扉周辺を上方から撮影する共連れ検出用カメラと、共連れ検出用カメラのカメラ映像を画像処理し、個人認証装置による照合手続時から扉開錠直前まで間は扉周辺に存在する人物を検知し、扉開錠後は戸口を通過する人物の数を計測して共連れを検出する共連れ検出装置と、前記個人認証装置の照合結果と共連れ検出装置の判定結果とに基づき、扉の開閉とアラーム警報の出力を制御する制御装置とを備えるものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明による入退室監視方法及び監視システムは、一般区域と管理区域とを一枚の扉で隔てる環境下で、前記扉周辺を上方から撮影したカメラ映像をもとに共連れを検出したときは扉の開錠を否認するよう構成するとともに、前記カメラ映像をもとに扉開錠後に管理区域戸口を通過する人物の数を計測して共連れを検出し、共連れを検出したときはアラーム警報を発報するよう構成することによって、管理区域の手前に非常に小さなスペースの認証室を設けたりすることなく、共連れを検知・警告して管理区域への不正入室を監視するセキュリティシステムを提供することができる。
これによって、例えば、大きな荷物を搬入する場合や、大勢の見学者を案内する場合などの例外措置に対応することが容易である。また前記認証領域及び通過判定領域を撮影したカメラ映像をもとに共連れが検出できるため、設備費が安価である。
また本発明による入退室監視方法及び監視システムでは、入室許可者の管理区域への入室の際の共連れ(同伴や駆け込み)による、非許可者の管理区域への不正入室や、入室許可者の管理区域からの退室の際のすれ違いによる、非許可者の管理区域への不正入室を検知・警告することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本発明による入退室監視方法および監視システムの好適な実施例について、図面を参照して説明する。
【0009】
この発明の第1実施例による入退室監視方法について図1及び図2を参照して説明するとともに、この発明の第2実施例による入退室監視方法について図3及び図4を参照して説明する。
図1及び図3は、一般区域と管理区域とを一枚の扉で隔てた環境下で管理区域への入退室を監視する方法を説明する図である。
図1(a)及び図3(a)は扉を閉めた状態であり、図1(b)及び図3(b)は扉を開けた状態である。
これらの実施例では、図1(b)及び図3(b)に示すように、扉開閉時に通路側の戸口を扉が横切るようにして扉が開閉する。このとき管理区域側の戸口では扉開閉による影響がない。
【0010】
図1に示す第1実施例と、図3に示す第2実施例では、一般区域(通路など)と管理区域とを一枚の扉で隔てる環境下で、扉付近の通路天井に第1共連れ検出用カメラC1を鉛直下向きに設置するとともに、扉付近の管理区域天井に第2共連れ検出用カメラC2も同様に鉛直下向きに設置し、前記第1及び第2共連れ検出用カメラC1,C2によって扉周辺を上方から撮影し、当該カメラ映像を画像処理することによって共連れを検出するように構築した。
なお第1実施例と第2実施例は、第1及び第2共連れ検出用カメラC1,C2の配置位置のみが異なり、他の条件は同じように設定した。
【0011】
図1及び図3に示す実施例では、通路側の扉付近に、入室許可者か否かを判定(照合)する第1個人認証装置SCN1を設置し、当該照合結果に基づき管理区域への入室を管理するとともに扉の開閉を制御し、さらに管理区域側の扉付近に第2個人認証装置SCN2を設置し、当該照合結果に基づき管理区域からの退室を管理するとともに扉の開閉を制御し、非許可者による管理区域への入退室を防止する。
個人認証装置としては、例えばIDカードや暗証番号の照合によって入室許可者であるか否か(「適正」「不適正」)を判定するカードリーダからなる個人認証装置や、例えば指紋照合や虹彩照合などによって入室許可者であるか否か(「適正」「不適正」)を判定する高度な個人認証装置を用いる。そして第1及び第2個人認証装置SCN1,SCN2による照合結果に基づいて扉の開閉を制御するよう構築し、入室許可者のみが扉を開けて管理区域へ入退室できるようにした。
なおこれらの実施例では、第1及び第2個人認証装置SCN1,SCN2の近傍にスピーカS1,S2とモニタM1,M2をそれぞれ設置し、個人認証装置による照合手続を経て、管理区域へ入退室しようとする人物に対し、前記スピーカとモニタによって指示・案内(音声/信号表示)を出力するように構成した。
【0012】
さらに、この発明の実施例による入退室監視方法では、第1及び第2共連れ検出用カメラC1,C2のカメラ映像を共連れ検出装置に入力して画像処理し、個人認証装置による照合手続時から扉開錠直前までの間に扉付近に存在する人物が複数検知された場合は、扉の開錠を「否認」するとともに、扉開錠後に戸口を通過する人物が複数計測された場合は、共連れであると判定し(共連れを検出し)、管理区域への入退室を監視する。
【0013】
図2は、図1に示す第1及び第2共連れ検出用カメラC1,C2で撮影したカメラ映像を共連れ検出装置に入力し、当該カメラ映像もとに設定した画像処理領域(認証領域と通過判定領域)を示す図である。
また図4は、図3に示す第1及び第2共連れ検出用カメラC1,C2で撮影したカメラ映像を共連れ検出装置に入力し、当該カメラ映像もとに設定した画像処理領域(認証領域と通過判定領域)を示す図である。
なお共連れ検出装置には、第1及び第2共連れ検出用カメラC1,C2から入力されたカメラ映像をもとに画像処理領域(認証領域と通過判定領域)を設定できる手段が設けられており、オペレータは前記カメラ映像をもとに画像処理領域(認証領域と通過判定領域)を任意に設定する。
【0014】
これらの実施例では、第1共連れ検出用カメラC1のカメラ映像をもとに、通路側扉周辺の所定の範囲に第1認証領域(以下、エリア1という)を任意形状に設定するとともに、第2共連れ検出用カメラC2のカメラ映像をもとに管理区域側扉周辺の所定の範囲に第2認証領域(以下、エリア2という)を任意形状に設定した。そして前記エリア1とエリア2内を画像処理することによって、個人認証装置(第1若しくは第2個人認証装置)による照合手続時から扉開錠直前までの間は、扉周辺に存在する人物(エリア1及びエリア2内にいる人物)を検知する。
またこれらの実施例では、扉の開閉によって影響のでない戸口側(つまり管理区域側)に設置した第2共連れ検出用カメラC2のカメラ映像をもとに、戸口に通過判定領域(以下、エリア3という)を設定し、扉を開錠してから施錠するまでの間、エリア3を経時的に画像処理することによって、戸口を通過する人物の数を計測し、共連れを検出する。
【0015】
図1及び図2に示す第1実施例では、通路側に設置した第1共連れ検出用カメラC1のカメラレンズの中心と、管理区域側に設置した第2共連れ検出用カメラC2のカメラレンズの中心とを、戸口(閉状態の扉)の幅の中心に合わせるようにして、前記戸口幅の中心に交わる垂線上に前記第1及び第2共連れ検出用カメラC1,C2をそれぞれ鉛直下向きに設置した。つまり鉛直下向きに設置した第1及び第2共連れ検出用カメラC1,C2のカメラレンズの中心を、戸口の幅の中心にそれぞれ合わせ、かつ前記第1及び第2共連れ検出用カメラC1,C2を戸口に対して平行になるように設置した。
そして前記第1及び第2共連れ検出用カメラC1,C2によって扉周辺を上方から撮影し、第1共連れ検出用カメラC1のカメラ映像をもとにエリア1(認証領域)を設定するとともに、第2共連れ検出用カメラC2のカメラ映像をもとにエリア2(認証領域)を設定し、前記エリア1及び2内に存在する人物を検知する。また、扉開閉の影響がない戸口側(つまり管理区域側)に設置した第2共連れ検出用カメラC2で撮影したカメラ映像をもとに、エリア3(通過判定領域)を設定し、前記エリア3を通過する人数を計測する。
なお戸口の幅の中心にカメラレンズの中心を合わせるようにして第2共連れ検出用カメラC2を鉛直下向きに設置したことによって、前記エリア3を通過する非許可者の分離計測精度を向上させることができ、例えば、入室許可者に同伴して管理区域へ入室しようとする非許可者や、入室許可者が管理区域へ入室するタイミングに合わせるようにして駆け込みで管理区域へ入室しようとする非許可者や、入室許可者が管理区域から退室するタイミングに合わせるようにして入室許可者とすれ違うようにして管理区域へ入室しようとする非許可者を高精度に検知することができる。
【0016】
一方、図3及び図4に示す第2実施例では、通路側に設置した第1共連れ検出用カメラC1を、第1個人認証装置SCN1で照合手続中の人物の後方の上方から鉛直下向きに設置し、当該第1共連れ検出用カメラC1によって扉周辺(通路側)を上方から撮影し、第1共連れ検出用カメラC1のカメラ映像をもとにエリア1(認証領域)を設定し、前記エリア1内に存在する人物を検知する。鉛直下向きに設置される第1共連れ検出用カメラC1を、第1個人認証装置SCN1で照合手続中の人物の後方の上方に設置することによって、第1個人認証装置SCN1の近傍に存在する人物の検出精度を向上させることができ、入室許可者に同伴して管理区域へ入室しようとする非許可者の分離検知精度を向上させることができる。
また管理区域側に設置した第2共連れ検出用カメラC2を、扉開閉の影響がない戸口に設定されるエリア3の上方扉開閉の影響がない戸口側ら鉛直下向きに設置し、当該第2共連れ検出用カメラC2の扉周辺(管理区域側)を上方から撮影し、第2共連れ検出用カメラC2のカメラ映像をもとにエリア2(認証領域)を設定し、前記エリア2内に存在する人物を検知するとともに、前記カメラ映像をもとに管理区域側の戸口にエリア3を(通過判定領域)を設定し、前記エリア3を通過する人数を計測する。
なお管理区域側の戸口に設定されるエリア3の中心の上方から鉛直下向きに第2共連れ検出用カメラC2を設置したことによって、前記エリア3を通過する非許可者の分離能が向上し、例えば、入室許可者に同伴して管理区域へ入室しようとする非許可者や、入室許可者が管理区域へ入室するタイミングに合わせるようにして駆け込みで管理区域へ入室しようとする非許可者や、入室許可者が管理区域から退室するタイミングに合わせるようにして入室許可者とすれ違うようにして管理区域へ入室しようとする非許可者を高精度に検知することができる。
【0017】
なお入室許可者による個人認証装置の照合手続時から扉開錠直前までの間に、他の人物がエリア1またはエリア2に誤って進入しないようにするため、図2及び図4に示すように、エリア1の設定範囲に相当する区画の境界床面に第1停止線を表示し、通路にいる人物が前記エリア1の設定範囲を認識できるようにするとともに、エリア2の設定範囲に相当する区画の境界床面に第2停止線を表示し、管理区域にいる人物が前記エリア2の設定範囲を認識できるようにした。
【0018】
またこれらの実施例では、第1個人認証装置SCN1の近傍に設置したスピーカS1とモニタM1とが前記第1停止線の近傍に配置されるようにエリア1を設定し、前記スピーカS1やモニタM1から、エリア1内の人物に対する指示・案内(音声/信号表示)を出力できるように構築した。また同様にして、第2個人認証装置2の近傍に設置したスピーカS2とモニタM2とが前記第2停止線の近傍に配置されるようにエリア2を設定し、前記スピーカS2やモニタM2から、エリア2内の人物に対する指示・案内(音声/信号表示)を出力できるように構築した。
【0019】
そして、例えば入室許可者が個人認証装置で照合手続を経て扉を開錠するまでの間、エリア1とエリア2内に他の人物が進入しないよう、当該期間は他の人物は第1停止線または第2停止線の外側で待機するよう、スピーカS1,S2やモニタM1,M2から指示・指示案内をするとともに、例えば第1個人認証装置SCN1による照合結果が「不適正」の場合は、第1停止線の外側(エリア1の外側)に退出するようスピーカS1やモニタM1から指示・案内を出力したり、例えば第1個人認証装置SCN1による照合結果が「適正」であっても、エリア1とエリア2の設定範囲内に複数の人物が検知された場合は、第1停止線または第2停止線の外側(エリア1またはエリア2の外側)に退出するようスピーカS1,S2やモニタM1,M2から指示・案内を出力するようにした。
【0020】
図5は、この発明の実施例による入退室監視システムの構成を示す図である。
図5に示す入退室監視システムは、一般区域と管理区域とを一枚の扉で隔てる環境下で、前記扉付近に設置された個人認証装置の照合結果をもとに扉の開閉を制御し、管理区域への入退室を管理するとともに、前記扉周辺を上方から撮影したカメラ映像をもとに共連れを検知し、管理区域への入退室を監視するための入退室監視システムであって、入室許可者であるか否かを照合して管理区域への入退室を管理する第1個人認証装置SCN1(通路側に設置された入室者用個人認証装置)と第2個人認証装置SCN2(管理区域側に設置された退室者個人認証装置)と、一般区域側の扉周辺を上方から撮影する第1共連れ検出用カメラC1と、管理区域側の扉周辺を上方から撮影する第2共連れ検出用カメラC2とを備える。
また前記第1及び第2共連れ検出用カメラのカメラ映像を画像処理し、個人認証装置による照合手続時から扉開錠直前までの間は扉周辺に存在する人物を検知するとともに、扉開錠後は戸口を通過する人物の数を計測する共連れ検出装置1と、前記個人認証装置SCN1,SCN2の照合結果と共連れ検出装置1による画像処理の判定結果とに基づき、扉の開閉とアラーム警報の出力を制御する制御装置2とを備える。
【0021】
なお共連れ検出装置1では、第1共連れ検出用カメラC1で通路側の扉周辺を上方から撮影したカメラ映像と、第2共連れ検出用カメラC2で管理区域側の扉周辺を上方から撮影したカメラ映像とをもとに画像処理範囲(認証領域と通過判定領域)を設定し、個人認証装置による照合手続時から扉開錠直前までの間は、認証領域(扉周辺に任意設定されたエリア1,エリア2)を画像処理して、扉周辺に存在する人物を検知するとともに、扉開錠後は、通過判定領域(管理区域戸口に設定されたエリア3)を画像処理して、戸口を通過する人物の数を計測して共連れを検出する。
【0022】
そして、前記共連れ検出装置1によって第1及び第2共連れ検出用カメラC1,C2のカメラ映像を画像処理した判定結果と、第1及び第2前記個人認証装置SCN1,SCN2の照合結果とが制御装置2に入力され、一般区域(通路)と管理区域とを隔てる一枚の扉の開閉(電気錠の開錠/施錠)を、前記制御装置2に付設されたゲートコントローラによって制御し、個人認証装置の照合結果が「適正」であり、かつ共連れ検出装置1による画像処理によって扉周辺(エリア1,エリア2)で検知された人物が「1人」である場合のみに、前記電気錠3の開錠を「認可」し、扉を開けることができるようにした。
【0023】
なお個人認証装置の照合結果が「不適正」、または共連れ検出装置1による画像処理によって扉周辺(エリア1,エリア2)で検知された人物が「1人」ではない場合、前記制御装置2は電気錠の開錠を否認するとともに、エリア1内にいる人物に対して、通路側の扉付近に設置したモニタM1やスピーカS1から指示・案内(信号表示/音声出力)を出力したり、エリア2内にいる人物に対して、管理区域側の扉付近に設置したモニタM2やスピーカS2から指示・案内(信号表示/音声出力)を出力するように構成した。
【0024】
また扉開錠後、前記共連れ検出装置1による画像処理によって共連れを検出したときは、前記制御装置2の制御によって、扉をあけて管理区域戸口を通過する人物(複数)を第1または第2監視カメラCM1,CM2で撮影し、当該人物のクローズアップ映像を画像蓄積装置4に蓄積(録画)するとともに、警備室と管理区域とに設置してある監視用モニタ5a,6aに当該映像を表示し、さらに警備室と管理区域に設置してある警告用スピーカ5b,6bからアラーム警報を発報するよう構成した。
【0025】
図6は、この発明の実施例による入退室監視方法によって管理区域への入退室を監視する警備室と管理区域とを示す図である。
【0026】
図6(a)に示すように、管理区域への入退室を監視して警備を行う警備室には、第1及び第2共連れ検出用カメラC1,C2のカメラ映像をもとに共連れを検出する共連れ検出装置1と、前記共連れ検出装置1の画像処理による判定結果(エリア1とエリア2で検知された人物の数)と、第1及び第2個人認証装置SCN1,SCN2の照合結果とに基づいて電気錠3を制御し、一般区域(通路)と管理区域とを隔てる扉の開閉を制御するゲートコントローラを付設した制御装置(コンピュータ)2とが設置されている。
また扉開錠後に共連れが検出された場合、前記制御装置(コンピュータ)2の制御によって、監視カメラCM1,CM2で撮影した戸口を通過して管理区域を入退室する人物(複数)の映像を蓄積(録画)する画像蓄積装置4と、当該監視カメラの映像を表示する監視用モニタ5aと、当該共連れ検出時にアラーム警告(警告音)を発報するスピーカ5bとが設置されている。
なお前記制御装置(コンピュータ)2は、第1及び第2個人認証装置SCN1,SCN2の照合結果に基づいて、入室許可者による管理区域への入退室を管理する。
【0027】
また図6(b)に示すように、管理区域内にも、扉開錠後の共連れ検出時に監視カメラCM1で撮影した戸口を通過して管理区域に入室してくる人物(複数)の映像を表示する監視用モニタ6aと、当該共連れ検出時にアラーム警告(警告音)を発報するスピーカ6bとを設置し、扉開錠後に共連れが検出されたときには、管理区域内に対して警戒を促すようにした。
【0028】
図7は、第1及び第2共連れ検出用カメラC1,C2のカメラ映像を画像処理する共連れ検出装置1の構成を示すブロック図である。
【0029】
図7に示す共連れ検出装置1は、第1及び第2共連れ検出用カメラC1,C2のカメラ映像を画像処理する画像処理判定部11と、第1及び第2共連れ検出用カメラC1,C2のカメラ映像をもとに認証領域(エリア1,エリア2)と通過判定領域(エリア3)を設定するエリア設定部12と、共連れ検出用カメラから入力されたカメラ映像を表示するモニタに、前記エリア設定部12で設定した各エリア(エリア1〜3)の設定範囲や、画像処理判定部11の判定結果を合成表示する映像合成表示部13と、画像処理判定部11による判定結果を制御装置2に出力する外部インターフェース部14とを備え、画像処理判定部11の画像センサ機能によって、認証領域(エリア1,2)内に存在する人物の数を検知したり(扉の開錠判定処理)、通過判定領域(エリア3)を通過する人物の数を計測する(通過人数計測処理)。
【0030】
図7に示す共連れ検出装置は、画像処理判定部11として、エリア設定部12で設定された各エリア(エリア1〜3)の反応の有無を検知するため、撮影範囲内が無人であるときの映像を背景画像として予め保存する背景メモリと、当該背景メモリに保存されている背景画像と、第1及び第2共連れ検出用カメラC1,C2から入力された映像とを比較し、背景画像と異なる映像のみを抽出し差分画像を生成する差分画像生成部と、差分画像生成部で生成された差分画像について、オペレータが予め設定した閾値に基づいて2値化処理するしきい値処理部と、2値化処理された画像データ(差分画像を2値化処理した画像データ)から、オペレータが予め設定したエリア1〜3の設定範囲に基づき、画像処理領域(エリア1〜3)の画像データのみを取得する判定領域限定部と、エリア該当部分の画像データについて縦方向の射影を計算する縦射影計算部および横方向の射影を計算する横射影計算部と、前記各射影計算部から入力された射影データをそれぞれ平滑化する縦射影平滑部および横射影平滑部と、前記各射影平滑部から入力された平滑データをもとに、認証領域(エリア1,エリア2)における射影の2次元分布や、通過判定領域(エリア3)における射影の時系列分布を判定する判定処理部とを備える。
【0031】
例えば認証領域(エリア1またはエリア2)内に存在する人物の数を検知するにあたって(扉の開錠判定処理)、図8に示すように、縦射影計算部および縦射影平滑部では、エリア1(またはエリア2)の画像データ(差分画像を2値化処理した2値画像のエリア該当部分)を縦方向に走査して、輝度分布によるピーク(以下、縦方向の射影の山という)を取得するとともに(縦方向の走査による輝度分布のグラフを参照)、エリア1(またはエリア2)の画像データ(差分画像を2値化処理した2値画像のエリア該当部分)を横方向に走査して、当該走査方向による輝度分布のピーク(以下、横方向の射影の山という)を取得する(横方向の走査による輝度分布のグラフを参照)。
【0032】
図8において、縦方向の走査による輝度分布を示すグラフは、縦方向に走査した画像データの座標位置(X座標系)をx軸にとり、その輝度分布をz軸にとってグラフ化し、縦方向の射影の山を検出したものである。横方向の走査による輝度分布を示すグラフは、横方向に走査した画像データの座標位置(Y座標系)をy軸にとり、輝度分布をz軸にとってグラフ化し、横方向の射影の山を検出したものである。
そして前記縦方向及び横方向の射影の山の数と、縦方向及び横方向の射影の山の大きさとに基づいて、エリア1(若しくはエリア2)内に存在する人物を検知し、当該エリア内について「無人」「1人のみ検知」「複数人検知」の何れかを判定する。
例えば、エリア1を画像処理して縦方向の射影の山の数と横方向の射影の山の数とを検出し、射影の山の数が多く検出された方(縦方向若しくは横方向)の射影の数に基づいてエリア1内の人数を判定し、複数の射影の山が検出された場合(つまり縦方向または横方向の何れかの射影の山の数が複数の場合)、エリア1内に複数の人物が存在すると判定する。また例えば、エリア1を画像処理して検出した縦方向及び横方向の射影の山の大きさに基づき、何れかの射影の山の大きさが予め設定してある閾値よりも大きい場合、エリア1内に複数の人物が密着して存在すると判定する。
前記縦方向または縦方向の何れか射影の山の数が複数であるか、または前記縦方向または縦方向の何れかの射影の山の大きさが予め設定してある閾値よりも大きく、エリア内で複数の人物が検知されたと判定した場合は、「同伴者がいる」と判断し、扉の開錠を認可しない(図10のフローチャートを参照)。
【0033】
なお図7に示す共連れ検出装置1は、画像処理判定部11において判定処理を行う画像処理領域(エリア1〜3)を設定するため、グラフィックメモリを備えたエリア設定部12を有する。また、第1及び第2共連れ検出用カメラC1,C2から入力されたカメラ映像と、オペレータが設定した画像処理領域(エリア1〜3)の表示を合成する映像合成部を備える映像合成表示部13を有する。
またこの実施例では、画像処理領域(エリア1〜3)を設定するにあたって、第1及び第2共連れ検出用カメラC1,C2のカメラ映像を表示する映像表示手段(モニタ)と、オペレータの操作によって前記モニタに表示された映像上に任意の座標を指定する座標指定手段(カーソル表示部)と、前記座標指定手段によって指定した座標に基づき任意の矩形、若しくは任意の多角形(例えば、L形状)、若しくは任意の曲線図形を合成表示する手段(映像合成部)とを設けたことによって、モニタに表示された扉周辺の映像をもとに、オペレータは目視しながら当該モニタ映像上に画像処理領域(エリア1〜3)を設定することができる。
さらに、装置フロントパネルに、認証領域内に設定したエリア1〜3の座標値や、当該各エリアの反応の有無を検知する感度の閾値など各種設定を行うための操作部が設けられ、オペレータは当該操作部を操作して各種設定値の設定を行う。
【0034】
続いて図9〜図11に示すフローチャートを参照し、共連れ検出装置1による画像処理方法について説明する。
この実施例では、扉開錠前、共連れ検出装置によって認証領域内(エリア1,エリア2)を画像処理し、エリア1とエリア2に存在する人物を検知して扉の開閉の「許可」「否認」信号を制御装置に入力する工程(扉の開錠判定処理)と、扉開錠後、共連れ検出装置によって通過判定領域(エリア3)を画像処理することによって、エリア3を通過する人物の数を計測する工程(通過人数計測処理)とによって、共連れによる不正入室を監視するものである。
【0035】
図9のフローチャートに示すように、共連れ検出装置1は外部インターフェース部から扉の開閉信号(電気錠の開錠/施錠の信号)を受け取り(ステップS1)、扉の状態を判定する(ステップS2)。
そして、扉の状態が「開(開錠)」の場合は「扉の開錠判定処理」をし(ステップS3)、扉の状態が「閉(施錠)」の場合は「通過人数計測処理」をする(ステップS4)。
なお、「扉の開錠判定処理」と「通過人数計測処理」とについて、図10及び図11のフローチャートを参照して説明する。
【0036】
共連れ検出装置1は、扉開錠前(扉の状態が閉(施錠)の場合)、第1及び第2共連れ検出用カメラC1,C2のカメラ映像をもとにエリア1とエリア2を画像処理し、エリア1またはエリア2内に存在する人物を検知する(図10を参照)。
【0037】
図10に示すように、例えば入室許可者が第1個人認証装置SCN1で照合手続をして管理区域へ入室しようとする場合、第1個人認証装置による照合手続時から扉開錠直前までの間、共連れ検出装置1は第1共連れ検出用カメラC1のカメラ映像をもとにエリア1を画像処理し、当該エリア1における、縦方向の射影の山と、横方向の射影の山とを各射影平滑部から受け取る(ステップS11)。
【0038】
そして、縦方向及び横方向の射影の山の数が「0」より多いか否かを判定し(ステップS12)、「0」の場合(NO)は、エリア1内が不在であると判定し、扉の開錠を「否認」して(ステップS15)、当該判定結果をメモリに保存する(ステップS18)。
また「0」より多い場合(YES)は、続けて縦方向及び横方向の射影の山の数が「1」か否かを判定し(ステップS13)、「1」でない場合(NO)は、同伴者がいると判定し、扉の開錠を「否認」して(ステップS16)、当該判定結果をメモリに保存する(ステップS18)。
一方、縦方向及び横方向の射影の山の数が「1」の場合(YES)の場合は、さらに縦方向及び横方向の射影の山の大きさが「閾値以下」か否かを判定し(ステップS14)、「閾値以下」でない場合(NO)は、同伴者がいると判定し、扉の開錠を「否認」して(ステップS16)、当該判定結果をメモリに保存するとともに(ステップS18)、「閾値以下」の場合(YES)は、同伴者がいないと判定し、扉の開錠を「許可」して(ステップS17)、当該判定結果をメモリに保存する(ステップS18)。
【0039】
同様にして、入室許可者が第2個人認証装置SCN2で照合手続をして管理区域から退室しようとする場合、第2個人認証装置による照合手続時から扉開錠直前までの間、共連れ検出装置1は第2共連れ検出用カメラC2のカメラ映像をもとにエリア2を画像処理し、当該エリア2における、縦方向の射影の山と、横方向の射影の山とを各射影平滑部から受け取り(ステップS11)、当該射影の山の分布(射影の山の数と大きさ)に基づいて、エリア2内に存在する人物を検知する。
【0040】
なお第1個人認証装置による照合手続時から扉開錠直前までの間は、第2共連れ検出用カメラC2のカメラ映像をもとにエリア2を画像処理し、当該エリア2における縦方向の射影の山と、横方向の射影の山とを各射影平滑部から受け取り、縦方向及び横方向の射影の山の数が「0」の場合のみに、扉の開錠を「認可」するとともに、第2個人認証装置による照合手続時から扉開錠直前までの間は、第1共連れ検出用カメラC1のカメラ映像をもとにエリア1を画像処理し、当該エリア1における縦方向の射影の山と、横方向の射影の山とを各射影平滑部から受け取り、縦方向及び横方向の射影の山の数が「0」の場合のみに、扉の開錠を「認可」するように構築することが望ましい。
【0041】
一方、扉開錠後(扉の状態が開(開錠)の場合)は、第2共連れ検出用カメラC2(扉開閉による影響がない戸口側に設置された共連れ検出用カメラ)のカメラ映像をもとにエリア3を画像処理し、エリア3を通過する人物の数を計測する(図11を参照)。
【0042】
通過判定領域(エリア3)を画像処理するにあたって、共連れ検出装置1は外部インターフェース部から扉の開閉信号(電気錠の開錠/施錠の信号)を受け取り(ステップS21)、扉の状態が閉(施錠)から開(開錠)に変化した状態である否かを判定し、扉開錠直後か否を判定する(ステップS22)。
扉が閉から開に変化した扉開錠直後の場合(YES)、通過人数のカウンタを0とするとともにフラグをOFFにした後(ステップS23)、予め設定したしきい値(大・小)によってエリア3の反応を判定することによって(ステップS24,ステップS25)、射影の時系列パターンを取得し、扉開錠後にエリア3を通過する人物の数を計測する(ステップ26〜30)。
【0043】
エリア3における反応(射影)がしきい値(小)より小さい場合、エリア3を人物が通過していないと判別し、フラグをOFFにする(ステップS29)。
エリア3における反応(射影)がしきい値(大)より大きい場合、フラグの状態を確認し、フラグがOFFの場合はフラグをONにしてから通過人数のカウンタに「1」を加算する(ステップS28)。
扉開錠後に上記画像処理を繰返すことによってエリア3の射影の時系列パターンを得、エリア3を通過する人物の数を計測することができる。
【0044】
そして共連れ検出装置1では、図9のフローチャートに示すように、「通過人数計測処理」の後、通過人数が「1人」以下か否かを判定し(ステップS5)、1人以下(YES)の場合は共連れ判定結果を「適正」とし(ステップS6)、複数(NO)の場合は共連れ判定結果を「共連れ」とし(ステップS7)、当該判定結果をメモリに保存する(ステップS8)。
【0045】
図9〜図11に示すように、この発明の入退室監視方法では、扉開錠前は共連れ検出装置による画像処理(扉の開錠判定処理)によって、扉周辺に設定した認証領域(エリア1,エリア2)の射影の二次元パターンに基づいて扉周辺に存在する人物を検知し、入室許可者に密着するようにして同伴する非許可者を検知し、共連れによる不正入室を防止できる。
また扉開錠後は共連れ検出装置による画像処理(通過人数計測処理)によって、戸口に設定した通過判定領域(エリア3)の射影の時系列パターンに基づいて戸口を通過する人物の数を検知し、扉開錠前は入室許可者から離れていたが(扉の開錠判定処理時に検知されなかったが)、扉開錠後、入室許可者に続くようにして同伴する非許可者を検知し、共連れによる不正入室を検知して、警告することができる。
【0046】
つまり扉周辺に設定した認証領域(エリア1,エリア2)の射影の二次元パターンに基づいて扉周辺に存在する人物を検知するとともに、戸口に設定した通過判定領域(エリア3)の射影の時系列パターンに基づいて戸口を通過する人物の数を検知することによって、例えば、入室許可者に同伴して管理区域へ入室しようとする非許可者や、入室許可者が管理区域へ入室するタイミングに合わせるようにして駆け込みで管理区域へ入室しようとする非許可者や、入室許可者が管理区域から退室するタイミングに合わせるようにして入室許可者とすれ違うようにして管理区域へ入室しようとする非許可者を高精度に検知することができ、これらの管理区域への不正入室を検知・警告することができる。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】この発明の第1実施例による入退室監視方法の説明図。
【図2】第1実施例によるカメラ映像をもとに設定した画像処理領域。
【図3】この発明の第2実施例による入退室監視方法の説明図。
【図4】第2実施例によるカメラ映像をもとに設定した画像処理領域。
【図5】この発明の実施例による入退室監視システムの構成図。
【図6】警備室と管理区域を示す図。
【図7】共連れ検出装置のブロック図。
【図8】認証領域における画像処理を説明する図。
【図9】共連れ検出装置による画像処理を示すフローチャート。
【図10】扉の開錠判定処理を示すフローチャート。
【図11】通過人数計測処理を示すフローチャート。
【符号の説明】
【0048】
1 共連れ検出装置
2 制御装置
3 電気錠
4 画像蓄積装置
5a,6a 監視用モニタ
5b,6b 警告用スピーカ
C1,C2 共連れ検出用カメラ
SCN1,SCN2 個人認証装置
M1,M2 モニタ(指示・案内用)
S1,S2 スピーカ(指示・案内用)
CM1,CM2 監視カメラ
【技術分野】
【0001】
本発明は、管理区域への入退室を監視するセキュリティシステムにおいて、特に、入室許可者に同伴する非許可者の不正入室(共連れ)を検知・警告する入退室監視方法および監視システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
機密事項を扱う研究施設や情報管理室、高価な財産(高額貨幣、貴金属品など)、および取扱いを制限されたもの(危険物、薬物なと)を保管する部屋(以下、管理区域という)への入退室は厳重に管理する必要があり、様々なセキュリティシステムが導入されている。
例えば管理区域へ入室する際、IDカードや暗証番号による照合や、指紋照合や虹彩照合によって入室許可者本人であるか否かを判定し、その照合結果をもとに管理区域への入退室を管理するセキュリティシステムが知られている。
指紋照合や虹彩照合などによる高度な個人認証装置を使用したセキュリティシステムでは、入室許可者本人であるか否かを厳密に照合することができるため、非許可者による管理区域への不正入室を防止することができる。しかしながら、個人認証装置で照合を行った入室許可者に同伴して非許可者が管理区域へ不正入室すること(以下、「共連れ」という)を検知・警告できなかった。
【0003】
そこで一般区域と管理区域とを隔てる扉付近に設置した個人認証装置の照合結果をもとに管理区域への入退室を管理するとともに、扉付近に赤外線センサを複数設置し、当該赤外線センサの検知結果をもとに管理区域へ入室しようとする人物が複数検知されたときはアラーム警告するなどして共連れを検知・警告するセキュリティシステムが提案されている。
また管理区域の手前に人間一人のみが存在可能であるスペースの認証室を設け、その認証室に個人認証装置を設置し、当該認証装置で照合された入室許可者のみが管理区域へ入室できるように構成することによって、共連れを不可能とするセキュリティシステムが提案されている(例えば特許文献1を参照)。
【特許文献1】特開2000−315290号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、個人認証装置と赤外線センサを併用したセキュリティシステムでは、赤外線センサによる検知領域に存在する人物(例えば、入室許可者と非許可者)が前後または左右に互いに密接している場合、赤外線センサによる検知能力では密接した人物同士を複数と認識することができず、共連れを検知することができなかった。
また、人間一人のみが存在可能なスペースの認証室を通って管理区域に入室するよう構成した場合、例えば、管理区域に大きな荷物を搬入しなければならない場合や、管理区域に大勢の見学者を案内する場合などの例外に対する措置が困難であった。さらに体重センサなどを設置して認証室に人間一人しか存在できないようにするシステムも提案されているが、設備および調整が大掛かりで、高価だった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
そこで本発明による入退室監視方法は、一般区域と管理区域とを一枚の扉で隔てる環境下で、前記扉付近に設置された個人認証装置の照合結果をもとに扉の開閉を制御するとともに、前記扉周辺を上方から撮影したカメラ映像を画像処理することによって共連れを検出し、管理区域への入退室を監視する入退室監視方法であって、個人認証装置による照合手続時から扉開錠直前までの間は、前記カメラ映像をもとに扉周辺に存在する人物を検知し(扉の開錠判定処理)、扉開錠後は、前記カメラ映像をもとに戸口を通過する人物の数を計測し(通過人数計測処理)、前記個人認証装置の照合結果と、前記カメラ映像の画像処理による判定結果とに基づき、扉の開閉とアラーム警報の出力を制御し、管理区域への入退室を監視するものである。
【0006】
また本発明による入退室監視システムは、一般区域と管理区域とを一枚の扉で隔てる環境下で、前記扉付近に設置された個人認証装置の照合結果をもとに扉の開閉を制御し、管理区域への入退室を管理するとともに、前記扉周辺を上方から撮影したカメラ映像をもとに共連れを検知し、管理区域への入退室を監視するための入退室監視システムであって、入室許可者であるか否かを照合する個人認証装置と、扉周辺を上方から撮影する共連れ検出用カメラと、共連れ検出用カメラのカメラ映像を画像処理し、個人認証装置による照合手続時から扉開錠直前まで間は扉周辺に存在する人物を検知し、扉開錠後は戸口を通過する人物の数を計測して共連れを検出する共連れ検出装置と、前記個人認証装置の照合結果と共連れ検出装置の判定結果とに基づき、扉の開閉とアラーム警報の出力を制御する制御装置とを備えるものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明による入退室監視方法及び監視システムは、一般区域と管理区域とを一枚の扉で隔てる環境下で、前記扉周辺を上方から撮影したカメラ映像をもとに共連れを検出したときは扉の開錠を否認するよう構成するとともに、前記カメラ映像をもとに扉開錠後に管理区域戸口を通過する人物の数を計測して共連れを検出し、共連れを検出したときはアラーム警報を発報するよう構成することによって、管理区域の手前に非常に小さなスペースの認証室を設けたりすることなく、共連れを検知・警告して管理区域への不正入室を監視するセキュリティシステムを提供することができる。
これによって、例えば、大きな荷物を搬入する場合や、大勢の見学者を案内する場合などの例外措置に対応することが容易である。また前記認証領域及び通過判定領域を撮影したカメラ映像をもとに共連れが検出できるため、設備費が安価である。
また本発明による入退室監視方法及び監視システムでは、入室許可者の管理区域への入室の際の共連れ(同伴や駆け込み)による、非許可者の管理区域への不正入室や、入室許可者の管理区域からの退室の際のすれ違いによる、非許可者の管理区域への不正入室を検知・警告することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本発明による入退室監視方法および監視システムの好適な実施例について、図面を参照して説明する。
【0009】
この発明の第1実施例による入退室監視方法について図1及び図2を参照して説明するとともに、この発明の第2実施例による入退室監視方法について図3及び図4を参照して説明する。
図1及び図3は、一般区域と管理区域とを一枚の扉で隔てた環境下で管理区域への入退室を監視する方法を説明する図である。
図1(a)及び図3(a)は扉を閉めた状態であり、図1(b)及び図3(b)は扉を開けた状態である。
これらの実施例では、図1(b)及び図3(b)に示すように、扉開閉時に通路側の戸口を扉が横切るようにして扉が開閉する。このとき管理区域側の戸口では扉開閉による影響がない。
【0010】
図1に示す第1実施例と、図3に示す第2実施例では、一般区域(通路など)と管理区域とを一枚の扉で隔てる環境下で、扉付近の通路天井に第1共連れ検出用カメラC1を鉛直下向きに設置するとともに、扉付近の管理区域天井に第2共連れ検出用カメラC2も同様に鉛直下向きに設置し、前記第1及び第2共連れ検出用カメラC1,C2によって扉周辺を上方から撮影し、当該カメラ映像を画像処理することによって共連れを検出するように構築した。
なお第1実施例と第2実施例は、第1及び第2共連れ検出用カメラC1,C2の配置位置のみが異なり、他の条件は同じように設定した。
【0011】
図1及び図3に示す実施例では、通路側の扉付近に、入室許可者か否かを判定(照合)する第1個人認証装置SCN1を設置し、当該照合結果に基づき管理区域への入室を管理するとともに扉の開閉を制御し、さらに管理区域側の扉付近に第2個人認証装置SCN2を設置し、当該照合結果に基づき管理区域からの退室を管理するとともに扉の開閉を制御し、非許可者による管理区域への入退室を防止する。
個人認証装置としては、例えばIDカードや暗証番号の照合によって入室許可者であるか否か(「適正」「不適正」)を判定するカードリーダからなる個人認証装置や、例えば指紋照合や虹彩照合などによって入室許可者であるか否か(「適正」「不適正」)を判定する高度な個人認証装置を用いる。そして第1及び第2個人認証装置SCN1,SCN2による照合結果に基づいて扉の開閉を制御するよう構築し、入室許可者のみが扉を開けて管理区域へ入退室できるようにした。
なおこれらの実施例では、第1及び第2個人認証装置SCN1,SCN2の近傍にスピーカS1,S2とモニタM1,M2をそれぞれ設置し、個人認証装置による照合手続を経て、管理区域へ入退室しようとする人物に対し、前記スピーカとモニタによって指示・案内(音声/信号表示)を出力するように構成した。
【0012】
さらに、この発明の実施例による入退室監視方法では、第1及び第2共連れ検出用カメラC1,C2のカメラ映像を共連れ検出装置に入力して画像処理し、個人認証装置による照合手続時から扉開錠直前までの間に扉付近に存在する人物が複数検知された場合は、扉の開錠を「否認」するとともに、扉開錠後に戸口を通過する人物が複数計測された場合は、共連れであると判定し(共連れを検出し)、管理区域への入退室を監視する。
【0013】
図2は、図1に示す第1及び第2共連れ検出用カメラC1,C2で撮影したカメラ映像を共連れ検出装置に入力し、当該カメラ映像もとに設定した画像処理領域(認証領域と通過判定領域)を示す図である。
また図4は、図3に示す第1及び第2共連れ検出用カメラC1,C2で撮影したカメラ映像を共連れ検出装置に入力し、当該カメラ映像もとに設定した画像処理領域(認証領域と通過判定領域)を示す図である。
なお共連れ検出装置には、第1及び第2共連れ検出用カメラC1,C2から入力されたカメラ映像をもとに画像処理領域(認証領域と通過判定領域)を設定できる手段が設けられており、オペレータは前記カメラ映像をもとに画像処理領域(認証領域と通過判定領域)を任意に設定する。
【0014】
これらの実施例では、第1共連れ検出用カメラC1のカメラ映像をもとに、通路側扉周辺の所定の範囲に第1認証領域(以下、エリア1という)を任意形状に設定するとともに、第2共連れ検出用カメラC2のカメラ映像をもとに管理区域側扉周辺の所定の範囲に第2認証領域(以下、エリア2という)を任意形状に設定した。そして前記エリア1とエリア2内を画像処理することによって、個人認証装置(第1若しくは第2個人認証装置)による照合手続時から扉開錠直前までの間は、扉周辺に存在する人物(エリア1及びエリア2内にいる人物)を検知する。
またこれらの実施例では、扉の開閉によって影響のでない戸口側(つまり管理区域側)に設置した第2共連れ検出用カメラC2のカメラ映像をもとに、戸口に通過判定領域(以下、エリア3という)を設定し、扉を開錠してから施錠するまでの間、エリア3を経時的に画像処理することによって、戸口を通過する人物の数を計測し、共連れを検出する。
【0015】
図1及び図2に示す第1実施例では、通路側に設置した第1共連れ検出用カメラC1のカメラレンズの中心と、管理区域側に設置した第2共連れ検出用カメラC2のカメラレンズの中心とを、戸口(閉状態の扉)の幅の中心に合わせるようにして、前記戸口幅の中心に交わる垂線上に前記第1及び第2共連れ検出用カメラC1,C2をそれぞれ鉛直下向きに設置した。つまり鉛直下向きに設置した第1及び第2共連れ検出用カメラC1,C2のカメラレンズの中心を、戸口の幅の中心にそれぞれ合わせ、かつ前記第1及び第2共連れ検出用カメラC1,C2を戸口に対して平行になるように設置した。
そして前記第1及び第2共連れ検出用カメラC1,C2によって扉周辺を上方から撮影し、第1共連れ検出用カメラC1のカメラ映像をもとにエリア1(認証領域)を設定するとともに、第2共連れ検出用カメラC2のカメラ映像をもとにエリア2(認証領域)を設定し、前記エリア1及び2内に存在する人物を検知する。また、扉開閉の影響がない戸口側(つまり管理区域側)に設置した第2共連れ検出用カメラC2で撮影したカメラ映像をもとに、エリア3(通過判定領域)を設定し、前記エリア3を通過する人数を計測する。
なお戸口の幅の中心にカメラレンズの中心を合わせるようにして第2共連れ検出用カメラC2を鉛直下向きに設置したことによって、前記エリア3を通過する非許可者の分離計測精度を向上させることができ、例えば、入室許可者に同伴して管理区域へ入室しようとする非許可者や、入室許可者が管理区域へ入室するタイミングに合わせるようにして駆け込みで管理区域へ入室しようとする非許可者や、入室許可者が管理区域から退室するタイミングに合わせるようにして入室許可者とすれ違うようにして管理区域へ入室しようとする非許可者を高精度に検知することができる。
【0016】
一方、図3及び図4に示す第2実施例では、通路側に設置した第1共連れ検出用カメラC1を、第1個人認証装置SCN1で照合手続中の人物の後方の上方から鉛直下向きに設置し、当該第1共連れ検出用カメラC1によって扉周辺(通路側)を上方から撮影し、第1共連れ検出用カメラC1のカメラ映像をもとにエリア1(認証領域)を設定し、前記エリア1内に存在する人物を検知する。鉛直下向きに設置される第1共連れ検出用カメラC1を、第1個人認証装置SCN1で照合手続中の人物の後方の上方に設置することによって、第1個人認証装置SCN1の近傍に存在する人物の検出精度を向上させることができ、入室許可者に同伴して管理区域へ入室しようとする非許可者の分離検知精度を向上させることができる。
また管理区域側に設置した第2共連れ検出用カメラC2を、扉開閉の影響がない戸口に設定されるエリア3の上方扉開閉の影響がない戸口側ら鉛直下向きに設置し、当該第2共連れ検出用カメラC2の扉周辺(管理区域側)を上方から撮影し、第2共連れ検出用カメラC2のカメラ映像をもとにエリア2(認証領域)を設定し、前記エリア2内に存在する人物を検知するとともに、前記カメラ映像をもとに管理区域側の戸口にエリア3を(通過判定領域)を設定し、前記エリア3を通過する人数を計測する。
なお管理区域側の戸口に設定されるエリア3の中心の上方から鉛直下向きに第2共連れ検出用カメラC2を設置したことによって、前記エリア3を通過する非許可者の分離能が向上し、例えば、入室許可者に同伴して管理区域へ入室しようとする非許可者や、入室許可者が管理区域へ入室するタイミングに合わせるようにして駆け込みで管理区域へ入室しようとする非許可者や、入室許可者が管理区域から退室するタイミングに合わせるようにして入室許可者とすれ違うようにして管理区域へ入室しようとする非許可者を高精度に検知することができる。
【0017】
なお入室許可者による個人認証装置の照合手続時から扉開錠直前までの間に、他の人物がエリア1またはエリア2に誤って進入しないようにするため、図2及び図4に示すように、エリア1の設定範囲に相当する区画の境界床面に第1停止線を表示し、通路にいる人物が前記エリア1の設定範囲を認識できるようにするとともに、エリア2の設定範囲に相当する区画の境界床面に第2停止線を表示し、管理区域にいる人物が前記エリア2の設定範囲を認識できるようにした。
【0018】
またこれらの実施例では、第1個人認証装置SCN1の近傍に設置したスピーカS1とモニタM1とが前記第1停止線の近傍に配置されるようにエリア1を設定し、前記スピーカS1やモニタM1から、エリア1内の人物に対する指示・案内(音声/信号表示)を出力できるように構築した。また同様にして、第2個人認証装置2の近傍に設置したスピーカS2とモニタM2とが前記第2停止線の近傍に配置されるようにエリア2を設定し、前記スピーカS2やモニタM2から、エリア2内の人物に対する指示・案内(音声/信号表示)を出力できるように構築した。
【0019】
そして、例えば入室許可者が個人認証装置で照合手続を経て扉を開錠するまでの間、エリア1とエリア2内に他の人物が進入しないよう、当該期間は他の人物は第1停止線または第2停止線の外側で待機するよう、スピーカS1,S2やモニタM1,M2から指示・指示案内をするとともに、例えば第1個人認証装置SCN1による照合結果が「不適正」の場合は、第1停止線の外側(エリア1の外側)に退出するようスピーカS1やモニタM1から指示・案内を出力したり、例えば第1個人認証装置SCN1による照合結果が「適正」であっても、エリア1とエリア2の設定範囲内に複数の人物が検知された場合は、第1停止線または第2停止線の外側(エリア1またはエリア2の外側)に退出するようスピーカS1,S2やモニタM1,M2から指示・案内を出力するようにした。
【0020】
図5は、この発明の実施例による入退室監視システムの構成を示す図である。
図5に示す入退室監視システムは、一般区域と管理区域とを一枚の扉で隔てる環境下で、前記扉付近に設置された個人認証装置の照合結果をもとに扉の開閉を制御し、管理区域への入退室を管理するとともに、前記扉周辺を上方から撮影したカメラ映像をもとに共連れを検知し、管理区域への入退室を監視するための入退室監視システムであって、入室許可者であるか否かを照合して管理区域への入退室を管理する第1個人認証装置SCN1(通路側に設置された入室者用個人認証装置)と第2個人認証装置SCN2(管理区域側に設置された退室者個人認証装置)と、一般区域側の扉周辺を上方から撮影する第1共連れ検出用カメラC1と、管理区域側の扉周辺を上方から撮影する第2共連れ検出用カメラC2とを備える。
また前記第1及び第2共連れ検出用カメラのカメラ映像を画像処理し、個人認証装置による照合手続時から扉開錠直前までの間は扉周辺に存在する人物を検知するとともに、扉開錠後は戸口を通過する人物の数を計測する共連れ検出装置1と、前記個人認証装置SCN1,SCN2の照合結果と共連れ検出装置1による画像処理の判定結果とに基づき、扉の開閉とアラーム警報の出力を制御する制御装置2とを備える。
【0021】
なお共連れ検出装置1では、第1共連れ検出用カメラC1で通路側の扉周辺を上方から撮影したカメラ映像と、第2共連れ検出用カメラC2で管理区域側の扉周辺を上方から撮影したカメラ映像とをもとに画像処理範囲(認証領域と通過判定領域)を設定し、個人認証装置による照合手続時から扉開錠直前までの間は、認証領域(扉周辺に任意設定されたエリア1,エリア2)を画像処理して、扉周辺に存在する人物を検知するとともに、扉開錠後は、通過判定領域(管理区域戸口に設定されたエリア3)を画像処理して、戸口を通過する人物の数を計測して共連れを検出する。
【0022】
そして、前記共連れ検出装置1によって第1及び第2共連れ検出用カメラC1,C2のカメラ映像を画像処理した判定結果と、第1及び第2前記個人認証装置SCN1,SCN2の照合結果とが制御装置2に入力され、一般区域(通路)と管理区域とを隔てる一枚の扉の開閉(電気錠の開錠/施錠)を、前記制御装置2に付設されたゲートコントローラによって制御し、個人認証装置の照合結果が「適正」であり、かつ共連れ検出装置1による画像処理によって扉周辺(エリア1,エリア2)で検知された人物が「1人」である場合のみに、前記電気錠3の開錠を「認可」し、扉を開けることができるようにした。
【0023】
なお個人認証装置の照合結果が「不適正」、または共連れ検出装置1による画像処理によって扉周辺(エリア1,エリア2)で検知された人物が「1人」ではない場合、前記制御装置2は電気錠の開錠を否認するとともに、エリア1内にいる人物に対して、通路側の扉付近に設置したモニタM1やスピーカS1から指示・案内(信号表示/音声出力)を出力したり、エリア2内にいる人物に対して、管理区域側の扉付近に設置したモニタM2やスピーカS2から指示・案内(信号表示/音声出力)を出力するように構成した。
【0024】
また扉開錠後、前記共連れ検出装置1による画像処理によって共連れを検出したときは、前記制御装置2の制御によって、扉をあけて管理区域戸口を通過する人物(複数)を第1または第2監視カメラCM1,CM2で撮影し、当該人物のクローズアップ映像を画像蓄積装置4に蓄積(録画)するとともに、警備室と管理区域とに設置してある監視用モニタ5a,6aに当該映像を表示し、さらに警備室と管理区域に設置してある警告用スピーカ5b,6bからアラーム警報を発報するよう構成した。
【0025】
図6は、この発明の実施例による入退室監視方法によって管理区域への入退室を監視する警備室と管理区域とを示す図である。
【0026】
図6(a)に示すように、管理区域への入退室を監視して警備を行う警備室には、第1及び第2共連れ検出用カメラC1,C2のカメラ映像をもとに共連れを検出する共連れ検出装置1と、前記共連れ検出装置1の画像処理による判定結果(エリア1とエリア2で検知された人物の数)と、第1及び第2個人認証装置SCN1,SCN2の照合結果とに基づいて電気錠3を制御し、一般区域(通路)と管理区域とを隔てる扉の開閉を制御するゲートコントローラを付設した制御装置(コンピュータ)2とが設置されている。
また扉開錠後に共連れが検出された場合、前記制御装置(コンピュータ)2の制御によって、監視カメラCM1,CM2で撮影した戸口を通過して管理区域を入退室する人物(複数)の映像を蓄積(録画)する画像蓄積装置4と、当該監視カメラの映像を表示する監視用モニタ5aと、当該共連れ検出時にアラーム警告(警告音)を発報するスピーカ5bとが設置されている。
なお前記制御装置(コンピュータ)2は、第1及び第2個人認証装置SCN1,SCN2の照合結果に基づいて、入室許可者による管理区域への入退室を管理する。
【0027】
また図6(b)に示すように、管理区域内にも、扉開錠後の共連れ検出時に監視カメラCM1で撮影した戸口を通過して管理区域に入室してくる人物(複数)の映像を表示する監視用モニタ6aと、当該共連れ検出時にアラーム警告(警告音)を発報するスピーカ6bとを設置し、扉開錠後に共連れが検出されたときには、管理区域内に対して警戒を促すようにした。
【0028】
図7は、第1及び第2共連れ検出用カメラC1,C2のカメラ映像を画像処理する共連れ検出装置1の構成を示すブロック図である。
【0029】
図7に示す共連れ検出装置1は、第1及び第2共連れ検出用カメラC1,C2のカメラ映像を画像処理する画像処理判定部11と、第1及び第2共連れ検出用カメラC1,C2のカメラ映像をもとに認証領域(エリア1,エリア2)と通過判定領域(エリア3)を設定するエリア設定部12と、共連れ検出用カメラから入力されたカメラ映像を表示するモニタに、前記エリア設定部12で設定した各エリア(エリア1〜3)の設定範囲や、画像処理判定部11の判定結果を合成表示する映像合成表示部13と、画像処理判定部11による判定結果を制御装置2に出力する外部インターフェース部14とを備え、画像処理判定部11の画像センサ機能によって、認証領域(エリア1,2)内に存在する人物の数を検知したり(扉の開錠判定処理)、通過判定領域(エリア3)を通過する人物の数を計測する(通過人数計測処理)。
【0030】
図7に示す共連れ検出装置は、画像処理判定部11として、エリア設定部12で設定された各エリア(エリア1〜3)の反応の有無を検知するため、撮影範囲内が無人であるときの映像を背景画像として予め保存する背景メモリと、当該背景メモリに保存されている背景画像と、第1及び第2共連れ検出用カメラC1,C2から入力された映像とを比較し、背景画像と異なる映像のみを抽出し差分画像を生成する差分画像生成部と、差分画像生成部で生成された差分画像について、オペレータが予め設定した閾値に基づいて2値化処理するしきい値処理部と、2値化処理された画像データ(差分画像を2値化処理した画像データ)から、オペレータが予め設定したエリア1〜3の設定範囲に基づき、画像処理領域(エリア1〜3)の画像データのみを取得する判定領域限定部と、エリア該当部分の画像データについて縦方向の射影を計算する縦射影計算部および横方向の射影を計算する横射影計算部と、前記各射影計算部から入力された射影データをそれぞれ平滑化する縦射影平滑部および横射影平滑部と、前記各射影平滑部から入力された平滑データをもとに、認証領域(エリア1,エリア2)における射影の2次元分布や、通過判定領域(エリア3)における射影の時系列分布を判定する判定処理部とを備える。
【0031】
例えば認証領域(エリア1またはエリア2)内に存在する人物の数を検知するにあたって(扉の開錠判定処理)、図8に示すように、縦射影計算部および縦射影平滑部では、エリア1(またはエリア2)の画像データ(差分画像を2値化処理した2値画像のエリア該当部分)を縦方向に走査して、輝度分布によるピーク(以下、縦方向の射影の山という)を取得するとともに(縦方向の走査による輝度分布のグラフを参照)、エリア1(またはエリア2)の画像データ(差分画像を2値化処理した2値画像のエリア該当部分)を横方向に走査して、当該走査方向による輝度分布のピーク(以下、横方向の射影の山という)を取得する(横方向の走査による輝度分布のグラフを参照)。
【0032】
図8において、縦方向の走査による輝度分布を示すグラフは、縦方向に走査した画像データの座標位置(X座標系)をx軸にとり、その輝度分布をz軸にとってグラフ化し、縦方向の射影の山を検出したものである。横方向の走査による輝度分布を示すグラフは、横方向に走査した画像データの座標位置(Y座標系)をy軸にとり、輝度分布をz軸にとってグラフ化し、横方向の射影の山を検出したものである。
そして前記縦方向及び横方向の射影の山の数と、縦方向及び横方向の射影の山の大きさとに基づいて、エリア1(若しくはエリア2)内に存在する人物を検知し、当該エリア内について「無人」「1人のみ検知」「複数人検知」の何れかを判定する。
例えば、エリア1を画像処理して縦方向の射影の山の数と横方向の射影の山の数とを検出し、射影の山の数が多く検出された方(縦方向若しくは横方向)の射影の数に基づいてエリア1内の人数を判定し、複数の射影の山が検出された場合(つまり縦方向または横方向の何れかの射影の山の数が複数の場合)、エリア1内に複数の人物が存在すると判定する。また例えば、エリア1を画像処理して検出した縦方向及び横方向の射影の山の大きさに基づき、何れかの射影の山の大きさが予め設定してある閾値よりも大きい場合、エリア1内に複数の人物が密着して存在すると判定する。
前記縦方向または縦方向の何れか射影の山の数が複数であるか、または前記縦方向または縦方向の何れかの射影の山の大きさが予め設定してある閾値よりも大きく、エリア内で複数の人物が検知されたと判定した場合は、「同伴者がいる」と判断し、扉の開錠を認可しない(図10のフローチャートを参照)。
【0033】
なお図7に示す共連れ検出装置1は、画像処理判定部11において判定処理を行う画像処理領域(エリア1〜3)を設定するため、グラフィックメモリを備えたエリア設定部12を有する。また、第1及び第2共連れ検出用カメラC1,C2から入力されたカメラ映像と、オペレータが設定した画像処理領域(エリア1〜3)の表示を合成する映像合成部を備える映像合成表示部13を有する。
またこの実施例では、画像処理領域(エリア1〜3)を設定するにあたって、第1及び第2共連れ検出用カメラC1,C2のカメラ映像を表示する映像表示手段(モニタ)と、オペレータの操作によって前記モニタに表示された映像上に任意の座標を指定する座標指定手段(カーソル表示部)と、前記座標指定手段によって指定した座標に基づき任意の矩形、若しくは任意の多角形(例えば、L形状)、若しくは任意の曲線図形を合成表示する手段(映像合成部)とを設けたことによって、モニタに表示された扉周辺の映像をもとに、オペレータは目視しながら当該モニタ映像上に画像処理領域(エリア1〜3)を設定することができる。
さらに、装置フロントパネルに、認証領域内に設定したエリア1〜3の座標値や、当該各エリアの反応の有無を検知する感度の閾値など各種設定を行うための操作部が設けられ、オペレータは当該操作部を操作して各種設定値の設定を行う。
【0034】
続いて図9〜図11に示すフローチャートを参照し、共連れ検出装置1による画像処理方法について説明する。
この実施例では、扉開錠前、共連れ検出装置によって認証領域内(エリア1,エリア2)を画像処理し、エリア1とエリア2に存在する人物を検知して扉の開閉の「許可」「否認」信号を制御装置に入力する工程(扉の開錠判定処理)と、扉開錠後、共連れ検出装置によって通過判定領域(エリア3)を画像処理することによって、エリア3を通過する人物の数を計測する工程(通過人数計測処理)とによって、共連れによる不正入室を監視するものである。
【0035】
図9のフローチャートに示すように、共連れ検出装置1は外部インターフェース部から扉の開閉信号(電気錠の開錠/施錠の信号)を受け取り(ステップS1)、扉の状態を判定する(ステップS2)。
そして、扉の状態が「開(開錠)」の場合は「扉の開錠判定処理」をし(ステップS3)、扉の状態が「閉(施錠)」の場合は「通過人数計測処理」をする(ステップS4)。
なお、「扉の開錠判定処理」と「通過人数計測処理」とについて、図10及び図11のフローチャートを参照して説明する。
【0036】
共連れ検出装置1は、扉開錠前(扉の状態が閉(施錠)の場合)、第1及び第2共連れ検出用カメラC1,C2のカメラ映像をもとにエリア1とエリア2を画像処理し、エリア1またはエリア2内に存在する人物を検知する(図10を参照)。
【0037】
図10に示すように、例えば入室許可者が第1個人認証装置SCN1で照合手続をして管理区域へ入室しようとする場合、第1個人認証装置による照合手続時から扉開錠直前までの間、共連れ検出装置1は第1共連れ検出用カメラC1のカメラ映像をもとにエリア1を画像処理し、当該エリア1における、縦方向の射影の山と、横方向の射影の山とを各射影平滑部から受け取る(ステップS11)。
【0038】
そして、縦方向及び横方向の射影の山の数が「0」より多いか否かを判定し(ステップS12)、「0」の場合(NO)は、エリア1内が不在であると判定し、扉の開錠を「否認」して(ステップS15)、当該判定結果をメモリに保存する(ステップS18)。
また「0」より多い場合(YES)は、続けて縦方向及び横方向の射影の山の数が「1」か否かを判定し(ステップS13)、「1」でない場合(NO)は、同伴者がいると判定し、扉の開錠を「否認」して(ステップS16)、当該判定結果をメモリに保存する(ステップS18)。
一方、縦方向及び横方向の射影の山の数が「1」の場合(YES)の場合は、さらに縦方向及び横方向の射影の山の大きさが「閾値以下」か否かを判定し(ステップS14)、「閾値以下」でない場合(NO)は、同伴者がいると判定し、扉の開錠を「否認」して(ステップS16)、当該判定結果をメモリに保存するとともに(ステップS18)、「閾値以下」の場合(YES)は、同伴者がいないと判定し、扉の開錠を「許可」して(ステップS17)、当該判定結果をメモリに保存する(ステップS18)。
【0039】
同様にして、入室許可者が第2個人認証装置SCN2で照合手続をして管理区域から退室しようとする場合、第2個人認証装置による照合手続時から扉開錠直前までの間、共連れ検出装置1は第2共連れ検出用カメラC2のカメラ映像をもとにエリア2を画像処理し、当該エリア2における、縦方向の射影の山と、横方向の射影の山とを各射影平滑部から受け取り(ステップS11)、当該射影の山の分布(射影の山の数と大きさ)に基づいて、エリア2内に存在する人物を検知する。
【0040】
なお第1個人認証装置による照合手続時から扉開錠直前までの間は、第2共連れ検出用カメラC2のカメラ映像をもとにエリア2を画像処理し、当該エリア2における縦方向の射影の山と、横方向の射影の山とを各射影平滑部から受け取り、縦方向及び横方向の射影の山の数が「0」の場合のみに、扉の開錠を「認可」するとともに、第2個人認証装置による照合手続時から扉開錠直前までの間は、第1共連れ検出用カメラC1のカメラ映像をもとにエリア1を画像処理し、当該エリア1における縦方向の射影の山と、横方向の射影の山とを各射影平滑部から受け取り、縦方向及び横方向の射影の山の数が「0」の場合のみに、扉の開錠を「認可」するように構築することが望ましい。
【0041】
一方、扉開錠後(扉の状態が開(開錠)の場合)は、第2共連れ検出用カメラC2(扉開閉による影響がない戸口側に設置された共連れ検出用カメラ)のカメラ映像をもとにエリア3を画像処理し、エリア3を通過する人物の数を計測する(図11を参照)。
【0042】
通過判定領域(エリア3)を画像処理するにあたって、共連れ検出装置1は外部インターフェース部から扉の開閉信号(電気錠の開錠/施錠の信号)を受け取り(ステップS21)、扉の状態が閉(施錠)から開(開錠)に変化した状態である否かを判定し、扉開錠直後か否を判定する(ステップS22)。
扉が閉から開に変化した扉開錠直後の場合(YES)、通過人数のカウンタを0とするとともにフラグをOFFにした後(ステップS23)、予め設定したしきい値(大・小)によってエリア3の反応を判定することによって(ステップS24,ステップS25)、射影の時系列パターンを取得し、扉開錠後にエリア3を通過する人物の数を計測する(ステップ26〜30)。
【0043】
エリア3における反応(射影)がしきい値(小)より小さい場合、エリア3を人物が通過していないと判別し、フラグをOFFにする(ステップS29)。
エリア3における反応(射影)がしきい値(大)より大きい場合、フラグの状態を確認し、フラグがOFFの場合はフラグをONにしてから通過人数のカウンタに「1」を加算する(ステップS28)。
扉開錠後に上記画像処理を繰返すことによってエリア3の射影の時系列パターンを得、エリア3を通過する人物の数を計測することができる。
【0044】
そして共連れ検出装置1では、図9のフローチャートに示すように、「通過人数計測処理」の後、通過人数が「1人」以下か否かを判定し(ステップS5)、1人以下(YES)の場合は共連れ判定結果を「適正」とし(ステップS6)、複数(NO)の場合は共連れ判定結果を「共連れ」とし(ステップS7)、当該判定結果をメモリに保存する(ステップS8)。
【0045】
図9〜図11に示すように、この発明の入退室監視方法では、扉開錠前は共連れ検出装置による画像処理(扉の開錠判定処理)によって、扉周辺に設定した認証領域(エリア1,エリア2)の射影の二次元パターンに基づいて扉周辺に存在する人物を検知し、入室許可者に密着するようにして同伴する非許可者を検知し、共連れによる不正入室を防止できる。
また扉開錠後は共連れ検出装置による画像処理(通過人数計測処理)によって、戸口に設定した通過判定領域(エリア3)の射影の時系列パターンに基づいて戸口を通過する人物の数を検知し、扉開錠前は入室許可者から離れていたが(扉の開錠判定処理時に検知されなかったが)、扉開錠後、入室許可者に続くようにして同伴する非許可者を検知し、共連れによる不正入室を検知して、警告することができる。
【0046】
つまり扉周辺に設定した認証領域(エリア1,エリア2)の射影の二次元パターンに基づいて扉周辺に存在する人物を検知するとともに、戸口に設定した通過判定領域(エリア3)の射影の時系列パターンに基づいて戸口を通過する人物の数を検知することによって、例えば、入室許可者に同伴して管理区域へ入室しようとする非許可者や、入室許可者が管理区域へ入室するタイミングに合わせるようにして駆け込みで管理区域へ入室しようとする非許可者や、入室許可者が管理区域から退室するタイミングに合わせるようにして入室許可者とすれ違うようにして管理区域へ入室しようとする非許可者を高精度に検知することができ、これらの管理区域への不正入室を検知・警告することができる。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】この発明の第1実施例による入退室監視方法の説明図。
【図2】第1実施例によるカメラ映像をもとに設定した画像処理領域。
【図3】この発明の第2実施例による入退室監視方法の説明図。
【図4】第2実施例によるカメラ映像をもとに設定した画像処理領域。
【図5】この発明の実施例による入退室監視システムの構成図。
【図6】警備室と管理区域を示す図。
【図7】共連れ検出装置のブロック図。
【図8】認証領域における画像処理を説明する図。
【図9】共連れ検出装置による画像処理を示すフローチャート。
【図10】扉の開錠判定処理を示すフローチャート。
【図11】通過人数計測処理を示すフローチャート。
【符号の説明】
【0048】
1 共連れ検出装置
2 制御装置
3 電気錠
4 画像蓄積装置
5a,6a 監視用モニタ
5b,6b 警告用スピーカ
C1,C2 共連れ検出用カメラ
SCN1,SCN2 個人認証装置
M1,M2 モニタ(指示・案内用)
S1,S2 スピーカ(指示・案内用)
CM1,CM2 監視カメラ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般区域と管理区域とを一枚の扉で隔てる環境下で、前記扉付近に設置された個人認証装置の照合結果をもとに扉の開閉を制御するとともに、前記扉周辺を上方から撮影したカメラ映像を画像処理することによって共連れを検出し、管理区域への入退室を監視する入退室監視方法であって、
個人認証装置による照合手続時から扉開錠直前までの間は、前記カメラ映像をもとに扉周辺に存在する人物を検知し(扉の開錠判定処理)、
扉開錠後は、前記カメラ映像をもとに戸口を通過する人物の数を計測し(通過人数計測処理)、
前記個人認証装置の照合結果と、前記カメラ映像の画像処理による判定結果とに基づき、扉の開閉とアラーム警報の出力を制御し、管理区域への入退室を監視することを特徴とする入退室監視方法。
【請求項2】
扉周辺を上方から撮影したカメラ映像に認証領域を任意設定し、当該認証領域を画像処理して扉周辺に存在する人物を検知するとともに、
扉周辺を上方から撮影したカメラ映像に通過判定領域を設定し、当該通過判定領域を画像処理して戸口を通過する人物の数を計測することを特徴とする入退室監視方法。
【請求項3】
扉開閉によって影響のでない側の戸口に、通過判定領域を設定することを特徴とする請求項2に記載の入退室監視方法。
【請求項4】
一般区域と管理区域とを一枚の扉で隔てる環境下で、前記扉付近に設置された個人認証装置の照合結果をもとに扉の開閉を制御し、管理区域への入退室を管理するとともに、前記扉周辺を上方から撮影したカメラ映像をもとに共連れを検知し、管理区域への入退室を監視するための入退室監視システムであって、
入室許可者であるか否かを照合する個人認証装置(SCN1,SCN2)と、
扉周辺を上方から撮影する共連れ検出用カメラ(C1,C2)と、
共連れ検出用カメラのカメラ映像を画像処理し、個人認証装置による照合手続時から扉開錠直前まで間は扉周辺に存在する人物を検知し、扉開錠後は戸口を通過する人物の数を計測して共連れを検出する共連れ検出装置(1)と、
前記個人認証装置の照合結果と共連れ検出装置の判定結果とに基づき、扉の開閉とアラーム警報の出力を制御する制御装置(2)とを備えることを特徴とする入退室監視システム。
【請求項5】
一般区域側と管理区域側とにそれぞれ共連れ検出用カメラを設置し、
前記共連れ検出用カメラのカメラ映像をもとに、一般区域側と管理区域側の扉周辺にそれぞれ認証領域を任意設定し、扉開錠前は、前記認証領域を画像処理することによって認証領域内に存在する人物の数を検知し、個人認証装置の照合結果が「適正」であり、かつ画像処理によって検知された人物が「1人」の場合のみ、扉の開錠を認可し、
前記共連れ検出用カメラのカメラ映像をもとに、扉開閉によって影響のでない側の戸口に通過判定領域を設定し、扉開錠後は、前記通過判定領域を画像処理することによって通過判定領域を通過する人物の数を計測し、共連れを検出することを特徴とする請求項4に記載の入退室監視システム。
【請求項6】
一般区域側と管理区域側とにそれぞれ設置した共連れ検出用カメラで撮影したカメラ映像をもとに認証領域と通過判定領域とを設定し、前記認証領域内に存在する人物を検知するとともに、前記通過判定領域を通過する人数を計測するにあたって、
一般区域側に設置した共連れ検出用カメラのカメラレンズの中心と、管理区域側に設置した共連れ検出用カメラのカメラレンズの中心とを、戸口(閉状態の扉)の幅の中心にあわせるように各共連れ検出用カメラを鉛直下向きに設置したことを特徴とする請求項5に記載の入退室監視システム。
【請求項7】
一般区域側と管理区域側とにそれぞれ設置した共連れ検出用カメラで撮影したカメラ映像をもとに認証領域と通過判定領域とを設定し、前記認証領域内に存在する人物を検知するとともに、前記通過判定領域を通過する人数を計測するにあたって、
一般区域側に設置する共連れ検出用カメラを、個人認証装置で照合手続中の人物の後方の上方から鉛直下向きに設置したことを特徴とする請求項5に記載の入退室監視システム。
【請求項8】
一般区域側と管理区域側とにそれぞれ設置した共連れ検出用カメラで撮影したカメラ映像をもとに認証領域と通過判定領域とを設定し、前記認証領域内に存在する人物を検知するとともに、前記通過判定領域を通過する人数を計測するにあたって、
管理区域側に設置する共連れ検出用カメラを、管理区域側の戸口に設定される通過判定領域の上方から鉛直下向きに設置したことを特徴とする請求項5または7に記載の入退室監視システム。
【請求項1】
一般区域と管理区域とを一枚の扉で隔てる環境下で、前記扉付近に設置された個人認証装置の照合結果をもとに扉の開閉を制御するとともに、前記扉周辺を上方から撮影したカメラ映像を画像処理することによって共連れを検出し、管理区域への入退室を監視する入退室監視方法であって、
個人認証装置による照合手続時から扉開錠直前までの間は、前記カメラ映像をもとに扉周辺に存在する人物を検知し(扉の開錠判定処理)、
扉開錠後は、前記カメラ映像をもとに戸口を通過する人物の数を計測し(通過人数計測処理)、
前記個人認証装置の照合結果と、前記カメラ映像の画像処理による判定結果とに基づき、扉の開閉とアラーム警報の出力を制御し、管理区域への入退室を監視することを特徴とする入退室監視方法。
【請求項2】
扉周辺を上方から撮影したカメラ映像に認証領域を任意設定し、当該認証領域を画像処理して扉周辺に存在する人物を検知するとともに、
扉周辺を上方から撮影したカメラ映像に通過判定領域を設定し、当該通過判定領域を画像処理して戸口を通過する人物の数を計測することを特徴とする入退室監視方法。
【請求項3】
扉開閉によって影響のでない側の戸口に、通過判定領域を設定することを特徴とする請求項2に記載の入退室監視方法。
【請求項4】
一般区域と管理区域とを一枚の扉で隔てる環境下で、前記扉付近に設置された個人認証装置の照合結果をもとに扉の開閉を制御し、管理区域への入退室を管理するとともに、前記扉周辺を上方から撮影したカメラ映像をもとに共連れを検知し、管理区域への入退室を監視するための入退室監視システムであって、
入室許可者であるか否かを照合する個人認証装置(SCN1,SCN2)と、
扉周辺を上方から撮影する共連れ検出用カメラ(C1,C2)と、
共連れ検出用カメラのカメラ映像を画像処理し、個人認証装置による照合手続時から扉開錠直前まで間は扉周辺に存在する人物を検知し、扉開錠後は戸口を通過する人物の数を計測して共連れを検出する共連れ検出装置(1)と、
前記個人認証装置の照合結果と共連れ検出装置の判定結果とに基づき、扉の開閉とアラーム警報の出力を制御する制御装置(2)とを備えることを特徴とする入退室監視システム。
【請求項5】
一般区域側と管理区域側とにそれぞれ共連れ検出用カメラを設置し、
前記共連れ検出用カメラのカメラ映像をもとに、一般区域側と管理区域側の扉周辺にそれぞれ認証領域を任意設定し、扉開錠前は、前記認証領域を画像処理することによって認証領域内に存在する人物の数を検知し、個人認証装置の照合結果が「適正」であり、かつ画像処理によって検知された人物が「1人」の場合のみ、扉の開錠を認可し、
前記共連れ検出用カメラのカメラ映像をもとに、扉開閉によって影響のでない側の戸口に通過判定領域を設定し、扉開錠後は、前記通過判定領域を画像処理することによって通過判定領域を通過する人物の数を計測し、共連れを検出することを特徴とする請求項4に記載の入退室監視システム。
【請求項6】
一般区域側と管理区域側とにそれぞれ設置した共連れ検出用カメラで撮影したカメラ映像をもとに認証領域と通過判定領域とを設定し、前記認証領域内に存在する人物を検知するとともに、前記通過判定領域を通過する人数を計測するにあたって、
一般区域側に設置した共連れ検出用カメラのカメラレンズの中心と、管理区域側に設置した共連れ検出用カメラのカメラレンズの中心とを、戸口(閉状態の扉)の幅の中心にあわせるように各共連れ検出用カメラを鉛直下向きに設置したことを特徴とする請求項5に記載の入退室監視システム。
【請求項7】
一般区域側と管理区域側とにそれぞれ設置した共連れ検出用カメラで撮影したカメラ映像をもとに認証領域と通過判定領域とを設定し、前記認証領域内に存在する人物を検知するとともに、前記通過判定領域を通過する人数を計測するにあたって、
一般区域側に設置する共連れ検出用カメラを、個人認証装置で照合手続中の人物の後方の上方から鉛直下向きに設置したことを特徴とする請求項5に記載の入退室監視システム。
【請求項8】
一般区域側と管理区域側とにそれぞれ設置した共連れ検出用カメラで撮影したカメラ映像をもとに認証領域と通過判定領域とを設定し、前記認証領域内に存在する人物を検知するとともに、前記通過判定領域を通過する人数を計測するにあたって、
管理区域側に設置する共連れ検出用カメラを、管理区域側の戸口に設定される通過判定領域の上方から鉛直下向きに設置したことを特徴とする請求項5または7に記載の入退室監視システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2007−122481(P2007−122481A)
【公開日】平成19年5月17日(2007.5.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−314815(P2005−314815)
【出願日】平成17年10月28日(2005.10.28)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第3項適用申請有り 平成17年10月26日から28日 株式会社日経BP社開催の「Security Solution 2005」に出品
【出願人】(000210964)中央電子株式会社 (81)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年5月17日(2007.5.17)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年10月28日(2005.10.28)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第3項適用申請有り 平成17年10月26日から28日 株式会社日経BP社開催の「Security Solution 2005」に出品
【出願人】(000210964)中央電子株式会社 (81)
【Fターム(参考)】
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