説明

全面ホットスタンプチューブの位置合せ方法及びその装置並びに全面ホットスタンプ付チューブ

【課題】位置合せ用のマークを極めて容易に形成することができ、しかも、転写したホットスタンプ箔や該ホットスタンプ箔上の印刷を確実に定着させることが可能な全面ホットスタンプチューブの位置合せ方法及びその装置並びに全面ホットスタンプ付チューブを提供する。
【解決手段】合成樹脂製容器Pの胴体部P1を形成するチューブ1の全面にホットスタンプ箔2を転写した後、該チューブ1を合成樹脂製容器Pに形成する。チューブ1端部とラバーロール200との間に介されホットスタンプ箔2の転写を妨げるカバー片101をマンドレル100に装着する。該カバー片101を介してホットスタンプ箔2をチューブ1全面に転写する。その後、該カバー片101でホットスタンプ箔が転写されずにチューブ1端部の地肌が表出した部分を位置合せ用のマークMとして使用する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、合成樹脂製容器の胴体部を構成するチューブの全面にホットスタンプが施された全面ホットスタンプチューブに係り、該チューブの印刷位置合せに使用される光電管用のマークを形成するのに好適な全面ホットスタンプチューブの位置合せ方法及びその装置並びに全面ホットスタンプ付チューブに関する。
【背景技術】
【0002】
合成樹脂製チューブの表面にホットスタンプを施す装置が特許文献1に記載されている。この装置では、チューブ表面に予め光電管用のマークを印刷しておき、光電管で検知したマークの位置を印刷時や成形時の中央位置として設定した後、これを基準としてチューブ表面にホットスタンプや印刷等を施す装置である。
【0003】
一方、チューブの全面にホットスタンプ箔を転写し、この上に印刷する場合には、予めチューブにマークを印刷したとしても、このマークがホットスタンプ箔によって覆われてしまい、ホットスタンプの表面に印刷する際の位置合わせができなくなる。そこで、チューブの全面にホットスタンプ箔を転写する場合には、チューブではなく、ホットスタンプ箔自体にマークを印刷する必要がある。すなわち、予めマークを印刷したホットスタンプをチューブに転写し、このマークを印刷時や成形時の中央位置としてホットスタンプ上に印刷を施すことになる。
【0004】
また、チューブ表面に転写するホットスタンプ箔は、通常、チューブ表面に熱硬化性のオーバーコートを塗布しておき、このオーバーコートの表面に熱転写するホットスタンプ箔が使用されている。
【特許文献1】特公昭61−11793号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
チューブの全面にホットスタンプを転写し、この表面に印刷をするには、前述のごとく、ホットスタンプ箔自体に位置合わせ用のマークを印刷等で施す必要がある。ところが、予めマークを施したホットスタンプ箔は、チューブの胴体サイズに合わせた特注品の箔となるので、製造費用が極めて高価になり、しかも、設計変更等により、チューブの胴体サイズが僅かに変化してもマーク付の箔が使用できなくなる不都合もある。
【0006】
また、発明者の実験によると、従来のホットスタンプ箔を合成樹脂製チューブの全面に転写したところ、このホットスタンプ箔の定着力が弱くなり、テープテストでホットスタンプ箔が剥離することが分かった。すなわち、チューブ表面に熱硬化性のオーバーコートを塗布し、このオーバーコートの表面に熱転写するタイプの従来のホットスタンプ箔は、チューブの全面に転写するホットスタンプ箔として使用するには不適当であった。
【0007】
しかも、このホットスタンプ箔の上にオフセット印刷したところ、この印刷がホットスタンプ箔に定着せず、印刷が簡単に落ちてしまうことも判明した。このように、全面にホットスタンプ箔を転写し、その上に印刷を施すチューブを提供するには、多くの課題が残されていた。
【0008】
そこで、本発明は上述の課題を解消すべく創出されたもので、印刷時や成形時に用いる位置合せ用のマークを極めて容易に形成することができ、しかも、転写したホットスタンプ箔や該ホットスタンプ箔上の印刷を確実に定着させることが可能な全面ホットスタンプチューブの位置合せ方法及びその装置並びに全面ホットスタンプ付チューブの提供を目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の第1の手段は、合成樹脂製容器Pの胴体部P1を形成するチューブ1をマンドレル100に外装し、該チューブ1の表面に、ホットスタンプ箔2を介してラバーロール200を押し当て、チューブ1の全面にホットスタンプ箔2を転写した後、該チューブ1を合成樹脂製容器Pに形成する全面ホットスタンプチューブの位置合せ方法において、チューブ1端部とラバーロール200との間に介されホットスタンプ箔2の転写を妨げるカバー片101をマンドレル100に装着し、該カバー片101を介してホットスタンプ箔2をチューブ1全面に転写した後、該カバー片101でホットスタンプ箔が転写されずにチューブ1端部の地肌が表出した部分を位置合せ用のマークMとして使用する印刷位置合せ方法にある。
【0010】
第2の手段は、合成樹脂製容器Pの胴体部P1を形成するチューブ1を外装せしめるマンドレル100と、該チューブ1の表面に押圧してホットスタンプ箔2を転写せしめるラバーロール200とを有し、チューブ1の全面にホットスタンプ箔2を転写した後、該チューブ1を合成樹脂製容器Pに形成する全面ホットスタンプチューブの位置合せ装置において、マンドレル100は、チューブ1を外装する円柱状の支持体110と、該支持体110を回転機構に連結せしめる連結体120とからなり、該連結体120から支持体110方向に突出し、チューブ1の端部表面とホットスタンプ箔2との間に介されてホットスタンプ箔2の転写を妨げるカバー片101を連結体120に装着し、ホットスタンプ箔の転写が妨げられるカバー片101の跡形を位置合せ用のマークMとして表示するように設けた印刷位置合せ装置である。
【0011】
第3の手段の前記印刷位置合せ装置において、前記カバー片101を弾性材にて形成すると共に、前記支持体110端部の該カバー片101に重なる部分にカバー用凹部102を形成し、前記ラバーロール200がホットスタンプ箔2とカバー片101とを介してマンドレル100上のチューブ1を押圧したときに、該カバー片101によりチューブ1の一部がカバー用凹部102の中に押し込まれるように設けたものである。
【0012】
第4の手段は、合成樹脂製容器Pの胴体部P1を形成するチューブ1全面にホットスタンプ箔2が転写され、該チューブ1にて合成樹脂製容器Pが形成される全面ホットスタンプ付チューブであって、該ホットスタンプ箔2の一部が転写されずにチューブ1端部の地肌が表出した部分が位置合せ用のマークMとして表示され、該マークMが胴体部P1の中心位置となって合成樹脂製容器Pが形成されている全面ホットスタンプ付チューブにある。
【0013】
第5の手段の前記全面ホットスタンプ付チューブにおいて、前記胴体部P1に転写される前記ホットスタンプ箔2は、接着層11と蒸着層12と保護着色層13との三層構造のホットスタンプ箔層10から成り、該ホットスタンプ箔層10の表面にシルクスクリーン印刷による印刷20が施されたことを課題解決のための手段とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明の請求項1の位置合わせ方法のように、カバー片101でホットスタンプ箔2が転写されずにチューブ1端部の地肌が表出した部分を位置合せ用のマークMとして使用することで、ホットスタンプ箔2をチューブ1の胴体サイズに合せて切断する必要がなくなり、通常の転写と同じ作業でチューブ1全面に転写することができる。したがって従来のように、チューブの胴体サイズに合わせた特注品の箔を形勢する必要がなくなり、チューブの胴体サイズが極端に変化しても対応することができる。
【0015】
請求項2の位置合わせ装置のごとく、チューブ1を外装する円柱状の支持体110と、該支持体110を回転機構に連結せしめる連結体120とからなるマンドレル100を使用し、該連結体120から支持体110方向に突出し、チューブ1の端部表面とホットスタンプ箔2との間に介されてホットスタンプ箔2の転写を妨げるカバー片101を連結体120に装着したことで、通常の転写装置を利用して位置合わせ装置を提供することができる。しかも、本発明装置は、連結体120から支持体110方向に突出するカバー片101を基本構造とするものであるから、構造が極めてシンプルで、安価な提供が可能である。
【0016】
請求項3のように、本発明装置として、カバー片101を弾性材にて形成すると共に、前記支持体110端部の該カバー片101に重なる部分にカバー用凹部102を形成し、前記ラバーロール200がホットスタンプ箔2とカバー片101とを介してマンドレル100上のチューブ1を押圧したときに、該カバー片101によりチューブ1の一部がカバー用凹部102の中に押し込まれるように設けることにより、カバー片101で形成される跡形が極めて鮮明になり、あたかも印刷されたマークMのようにホットスタンプ箔2を抜くことができる。
【0017】
請求項4のごとく、ホットスタンプ箔2の一部が転写されずにチューブ1端部の地肌が表出した部分が位置合せ用のマークMとして表示され、該マークMが胴体部P1の中心位置となって合成樹脂製容器Pが形成される全面ホットスタンプ付チューブによると、これまで提供が困難とされていた胴体部P1の全面にホットスタンプ箔2が転写された合成樹脂製容器Pを提供することが可能になった。この合成樹脂製容器Pでは、全面に転写されたホットスタンプ箔2により、あたかも金属製容器のような装飾を施すことができるなど、極め興趣に富んだ合成樹脂製容器Pを提供することができる。しかも、チューブ1は、合成樹脂製容器Pの胴体部P1として使用する以外にも利用可能であり、本発明チューブの装飾効果をあらゆる製品に用いることができる。
【0018】
請求項5のように、全面ホットスタンプ付チューブのホットスタンプ箔2として、接着層11と蒸着層12と保護着色層13との三層構造を成すホットスタンプ箔層10を使用することで、合成樹脂製のチューブ1の全面に転写しても、従来のホットスタンプ箔のように剥がれることがなく、安定した定着力を得ることに成功した。
【0019】
また、このホットスタンプ箔2とシルクスクリーン印刷との相性が良好であることを発見したことで、ホットスタンプ箔2上の印刷がホットスタンプ箔に定着せず、印刷が簡単に落ちてしまうといった不都合がなくなった。この結果、製品として十分に実用的な定着力を得ることができる。
【0020】
このように本発明によると、全面にホットスタンプ箔を転写したチューブを使用する場合に、印刷時や成形時に用いる位置合せ用のマークを極めて容易に形成することができ、しかも、転写したホットスタンプ箔や該ホットスタンプ箔上の印刷を確実に定着させることが可能であるなどといった優れた効果を奏するものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
本発明の最良の形態は、合成樹脂製容器Pの胴体部P1を形成するチューブ1の全面にホットスタンプ箔2を転写した後、該チューブ1を合成樹脂製容器Pに形成する。チューブ1端部とラバーロール200との間に介されホットスタンプ箔2の転写を妨げるカバー片101をマンドレル100に装着する。該カバー片101を介してホットスタンプ箔2をチューブ1全面に転写する。その後、該カバー片101でホットスタンプ箔が転写されずにチューブ1端部の地肌が表出した部分を位置合せ用のマークMとして使用することで、当初の目的を達成するものである。
【実施例】
【0022】
本発明位置合せ方法は、マンドレル100に外装した合成樹脂製のチューブ1に、ラバーロール200を押圧してホットスタンプ箔2を転写する際の工程を利用する(図1参照)。
【0023】
すなわちチューブ1端部とラバーロール200との間に介されホットスタンプ箔2の転写を妨げるカバー片101をマンドレル100に装着する。そして、該カバー片101を介してホットスタンプ箔2をチューブ1全面に転写した後、該カバー片101でホットスタンプ箔が転写されずにチューブ1端部の地肌が表出した部分を位置合せ用のマークMとして使用する。
【0024】
このチューブ1は合成樹脂製容器Pを形成するもので、チューブ1のマークMを中心にして印刷20を施したり、合成樹脂製容器Pの肩部P2や抽出口P3を成形したりするものである(図8参照)。
【0025】
この際、ホットスタンプ箔2を転写したときのつなぎ目XがマークMから略90゜変位した位置に設定すると(図3参照)、合成樹脂製容器Pを形成したときに、このつなぎ目Xが胴体部P1の側面に位置することになり目立たなくなる(図8参照)。また、このつなぎ目Xは、設計変更により、任意の位置に設定することも可能である。
【0026】
また、マークMは、チューブ1の端部に形成されるので、チューブ1端部を超音波や高周波等でシールしたときに、このシール部P4で、マークMの一部又は全体を隠すことも可能である(図8参照)。
【0027】
本発明位置合せ装置は、マンドレル100とラバーロール200とを利用し、マンドレル100に装着するカバー片101と、ラバーロール200に凹設するカバー用凹部102とからなる(図4参照)。
【0028】
マンドレル100は、合成樹脂製容器Pの胴体部P1を形成するチューブ1を外装せしめるもので、ラバーロール200は、該チューブ1の表面に押圧してホットスタンプ箔2を転写せしめるものである。これらの基本構造は、従来からホットスタンプ箔2の転写に利用されているものと同じである。
【0029】
すなわち、マンドレル100は、チューブ1を外装する円柱状の支持体110と、該支持体110を回転機構に連結せしめる連結体120とからなる(図2参照)。一方、ラバーロール200は、回転しながら上下移動することで、マンドレル100とラバーロール200との間に介したホットスタンプ箔2をチューブ1の表面に転写する(図1参照)。
【0030】
本発明の装置の特徴は、マンドレル100に設けたカバー片101にある(図4参照)。このカバー片101は、マンドレル100の連結体120から支持体110方向に突出し、チューブ1の端部表面とホットスタンプ箔2との間に介するように設けている。図示例では、支持体110に、カバー片101固定用の固定凹部111を形成し、カバー片101の基端部をねじ止めしている。そして、この固定凹部111から支持体110方向に略水平に突出したカバー片101の先端部分がホットスタンプ箔2の転写を妨げるものである(図5参照)。
【0031】
更に、カバー片101を弾性材にて形成することで、ラバーロール200の押圧力を適度に逃がすことができるので、カバー片101の耐久性を高めることができる。また、ホットスタンプ箔2を転写する際に加わる熱によりカバー片101が高温になると、次のホットスタンプ箔2の転写に影響が生じるおそれがあるので、カバー片101の材質は、放熱効果の高いもの、あるいは蓄熱し難い材質などが適当である。
【0032】
カバー用凹部102は、マークMをより鮮明にするための構造である(図4参照)。このカバー用凹部102は、支持体110の連結体120がわ端部に凹設しており、カバー片101に重なるように設けている。そして、ラバーロール200がホットスタンプ箔2とカバー片101とを介してマンドレル100上のチューブ1を押圧したときに、該カバー片101によりチューブ1の一部がカバー用凹部102の中に押し込まれるものである。この結果、チューブ1に転写するホットスタンプ箔2は、カバー片101によって遮られると共に、チューブ1の一部がカバー片101と共にカバー用凹部102に押し込まれることで、カバー片101の周囲形状の跡形がくっきりと現れるようになる。
【0033】
図6及び図7はカバー片101の他の実施例を示している。このカバー片101は、支持体110からの距離が連結体120の表面位置より離れている。このように、カバー片101の設置位置はカバー片101の弾性力により任意に調整できるものである。
【0034】
本発明チューブは、合成樹脂製容器Pの胴体部P1を形成するチューブ1として使用するものである(図8参照)。そして、チューブ1の全面にホットスタンプ箔層10が形成され、該ホットスタンプ箔層10の表面に印刷20が施された全面ホットスタンプ付チューブとして使用される(図9参照)。
【0035】
本発明チューブの特徴の1つは、位置合せ用のマークMは印刷されたものではなく、ホットスタンプ箔層10の一部が転写されずにチューブ1端部の地肌が表出した部分がマークMとして表示されていることにある。したがって、このマークMの色はチューブ1の材質の色と同じ色になる。そして、このマークMが胴体部P1の中心位置となって胴体部P1の印刷20や、肩部P2や抽出口P3などの成形が施されている(図8参照)。
【0036】
本発明チューブの特徴の二つ目は、ホットスタンプ箔2の層構造にある。すなわち、本発明で使用するホットスタンプ箔層10は、接着層11と蒸着層12と保護着色層13との三層構造を成すものである。
【0037】
実験で使用したホットスタンプ箔2は、塩化ビニル系又は酢酸ビニル系の接着層11と、アルミ材の蒸着層12と、アクリルエポキシ系の保護着色層13とからなるホットスタンプ箔層10を有するもので、これらのホットスタンプ箔層10は、PETフィルム製のベースフィルム15に、ワックス系、アクリル系の離型層14を介して接着されている(図10参照)。
【0038】
このようなホットスタンプ箔2の表面に印刷20を施すには、シルクスクリーン印刷による印刷20が最適である。このシルクスクリーン印刷は前記ホットスタンプ箔2の保護着色層13との相性が良く、極めて安定した定着力が得られる(図9参照)。また、ホットスタンプ箔2の変更に伴い、印刷20の手段の変更も可能である。
【0039】
尚、本発明における図示例の各構成は、本発明の一実施例に過ぎず、カバー片101の形状や装着位置、あるいはホットスタンプ箔2の種類やホットスタンプ箔層10の変更など、本発明の要旨を変更しない範囲において自由に変更することができるものである。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】本発明装置の一実施例を示す要部斜視図である。
【図2】本発明のマンドレルの一実施例を示す斜視図である。
【図3】本発明のカバー片とチューブのつなぎ目を示す斜視図である。
【図4】本発明のカバー片の一実施例を示す斜視図である。
【図5】本発明のカバー片とチューブ1との関係を示す要部斜視図である。
【図6】本発明のカバー片の他の実施例を示す平面図である。
【図7】本発明のカバー片の他の実施例を示す側面図である。
【図8】本発明のチューブで形成した合成樹脂製容器の斜視図である。
【図9】図8に示す胴体部の要部断面である。
【図10】本発明のホットスタンプ箔層の一実施例を示す要部断面図である。
【符号の説明】
【0041】
P 合成樹脂製容器
P1 胴体部
P2 肩部
P3 抽出口
P4 シール部
M マーク
X つなぎ目
1 チューブ
2 ホットスタンプ箔
10 ホットスタンプ箔層
11 接着層
12 蒸着層
13 保護着色層
20 印刷
100 マンドレル
101 カバー片
102 カバー用凹部
110 支持体
111 固定凹部
120 連結体
200 ラバーロール

【特許請求の範囲】
【請求項1】
合成樹脂製容器の胴体部を形成するチューブをマンドレルに外装し、該チューブの表面に、ホットスタンプ箔を介してラバーロールを押し当て、チューブの全面にホットスタンプ箔を転写した後、該チューブを合成樹脂製容器に形成する全面ホットスタンプチューブの位置合せ方法において、チューブ端部とラバーロールとの間に介されホットスタンプ箔の転写を妨げるカバー片をマンドレルに装着し、該カバー片を介してホットスタンプ箔をチューブ全面に転写した後、該カバー片でホットスタンプ箔が転写されずにチューブ端部の地肌が表出した部分を位置合せ用のマークとして使用することを特徴とする全面ホットスタンプチューブの印刷位置合せ方法。
【請求項2】
合成樹脂製容器の胴体部を形成するチューブを外装せしめるマンドレルと、該チューブの表面に押圧してホットスタンプ箔を転写せしめるラバーロールとを有し、チューブの全面にホットスタンプ箔を転写した後、該チューブを合成樹脂製容器に形成する全面ホットスタンプチューブの位置合せ装置において、マンドレルは、チューブを外装する円柱状の支持体と、該支持体を回転機構に連結せしめる連結体とからなり、該連結体から支持体方向に突出し、チューブの端部表面とホットスタンプ箔との間に介されてホットスタンプ箔の転写を妨げるカバー片を連結体に装着し、ホットスタンプ箔の転写が妨げられるカバー片の跡形を位置合せ用のマークとして表示するように設けたことを特徴とする全面ホットスタンプチューブの印刷位置合せ装置。
【請求項3】
前記カバー片を弾性材にて形成すると共に、前記支持体端部の該カバー片に重なる部分にカバー用凹部を形成し、前記ラバーロールがホットスタンプ箔とカバー片とを介してマンドレル上のチューブを押圧したときに、該カバー片によりチューブの一部がカバー用凹部の中に押し込まれるように設けた請求項2記載の全面ホットスタンプチューブの印刷位置合せ装置。
【請求項4】
合成樹脂製容器の胴体部を形成するチューブ全面にホットスタンプ箔が転写され、該チューブにて合成樹脂製容器が形成される全面ホットスタンプ付チューブであって、該ホットスタンプ箔の一部が転写されずにチューブ端部の地肌が表出した部分が位置合せ用のマークとして表示され、該マークが胴体部の中心位置となって合成樹脂製容器が形成されていることを特徴とする全面ホットスタンプ付チューブ。
【請求項5】
前記胴体部に転写される前記ホットスタンプ箔は、接着層と蒸着層と保護着色層との三層構造のホットスタンプ箔層から成り、該ホットスタンプ箔層の表面にシルクスクリーン印刷による印刷が施された請求項4記載の全面ホットスタンプ付チューブ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2010−143121(P2010−143121A)
【公開日】平成22年7月1日(2010.7.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−323799(P2008−323799)
【出願日】平成20年12月19日(2008.12.19)
【出願人】(000134372)株式会社トーヨー工芸工業 (9)
【Fターム(参考)】