説明

公差解析装置、設計装置、組立順序変換方法及び組立順序変換プログラム

【課題】公差解析結果を部品の組立指示の作成に容易に反映できる公差解析装置、設計装置、組立順序変換方法及び組立順序変換プログラムを提供することを課題とする。
【解決手段】設計データを用いて公差解析を行う公差解析装置11であって、部品の組立定義及び自由度をユーザに定義させる組立定義手段51と、組み立てる部品の組立定義及び自由度に基づき、部品の組立箇所の同一方向法線の数、法線方向の平行移動拘束自由度の数、法線と直交する軸回転拘束自由度数をカウントし、該カウント値に対応するデータム種類をデータム判断基準テーブル54に基づき判定する判定手段52と、データム種類を出力する出力手段とを有することにより上記課題を解決する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、公差解析装置、設計装置、組立順序変換方法及び組立順序変換プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、設計等の上流工程においては、設計製品組立時の各構成部品の寸法公差の積み上げによる寸法バラツキ(設計仕様値)を、3次元CADデータを活用した公差解析装置にて検証することが行われている。上流工程においては、最適な寸法公差の設定や寸法公差の累積の少ない組立順序の設定を行うことで、設計製品の品質向上が図られている。
【0003】
3D−CADの組立モデルから、一定の組立作業性を満たす全ての組立シーケンスを自動生成する技術は従来から知られている(例えば特許文献1参照)。
【0004】
一方、設計者が製造・組立等の下流工程に組立指示を行う際は、3次元形状ビューワ装置を活用した組立指示の動画を作成し、ビジュアル的に誤解の少ない、分かり易い組立指示の方法も活用されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−46924号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来の公差解析装置と3次元形状ビューワ装置とは十分な連携ができておらず、組立指示への公差解析結果の反映が十分とは言えないという問題があった。例えば公差解析装置は検証した公差解析結果に基づく寸法公差の累積の少ない組立順序、組み付け箇所及び組み付け方向等の情報を3次元形状ビューワ装置にアウトプットする仕組みを有していない。
【0007】
したがって、設計者は組立指示の動画を作成する場合、公差解析装置で検証した公差解析結果を手動的に読み取り、3次元形状ビューワ装置により作成する組立指示の動画に公差解析結果を手動的に反映させる必要があった。組立指示の動画に公差解析結果を手動的に反映させる必要があるため、設計者は指示ミスの恐れがあり、且つ、余分な工数が必要であった。
【0008】
本発明の一実施形態は、公差解析結果を部品の組立指示の作成に容易に反映できる公差解析装置、設計装置、組立順序変換方法及び組立順序変換プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一実施形態は、設計データを用いて公差解析を行う公差解析装置であって、構成部品の組立定義及び自由度をユーザに定義させる組立定義手段と、組み立てる前記構成部品の組立定義及び自由度に基づき、前記構成部品の組立箇所の同一方向法線の数、法線方向の平行移動拘束自由度の数、法線と直交する軸回転拘束自由度数をカウントし、該カウント値に対応するデータム種類をデータム判断基準テーブルに基づき判定する判定手段と、判定した前記データム種類を出力する出力手段とを有する。
【0010】
なお、本発明の一実施形態の構成要素、表現又は構成要素の任意の組合せを、方法、装置、システム、コンピュータプログラム、記録媒体、データ構造などに適用したものも本発明の態様として有効である。
【発明の効果】
【0011】
本発明の一実施形態によれば、公差解析結果を部品の組立指示の作成に容易に反映できる公差解析装置、設計装置、組立順序変換方法及び組立順序変換プログラムを提供可能である。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本実施例の組立指示作成システムの一例の構成図である。
【図2】コンピュータの一例のハードウェア構成図である。
【図3】本実施例のCAD装置の一例のブロック構成図である。
【図4】本実施例の公差解析装置の一例のブロック構成図である。
【図5】本実施例のビューワ装置の一例のブロック構成図である。
【図6】各部品が持っている6方向の動作を表した説明図である。
【図7】第一データムを表した説明図である。
【図8】第二データムを表した説明図である。
【図9】第三データムを表した説明図である。
【図10】第一データムの具体例を表したイメージ図である。
【図11】第二データムの具体例を表したイメージ図である。
【図12】第三データムの具体例を表したイメージ図である。
【図13】公差解析を行う部品の一例のイメージ図である。
【図14】部品Aと部品Bの組立定義情報の一例の構成図である。
【図15】自由度情報の一例の構成図である。
【図16】データム判断基準テーブルの一例の構成図である。
【図17】第一〜第三データムとなる形状に色指定を行う色座標情報の一例の構成図である。
【図18】判定されたデータム種類に応じてジオメトリ色が指定された部品A及び部品Bの一例のイメージ図である。
【図19】組立順序通りに整理された構成部品ツリー情報の一例の説明図である。
【図20】CAD装置の構成部品ツリー情報の構成部品に対して組順属性を付与する処理の一例の説明図である。
【図21】組順属性が付与されたCAD装置の構成部品ツリー情報からビューワ装置の構成部品ツリー情報を再構築する処理の一例の説明図である。
【図22】組立順序のリストの一例の構成図である。
【図23】第一〜第三データムを判定する処理の一例のフローチャートである。
【図24】部品の組立順序を変換して出力する処理の一例のフローチャートである。
【図25】組立順序のリストを作成する処理の一例のフローチャートである。
【図26】CAD装置の構成部品ツリー情報の一例のイメージ図である。
【図27】最上位のアセンブリモデルの一例のイメージ図である。
【図28】第二階層のアセンブリモデル及び部品モデルの一例のイメージ図である。
【図29】構成部品ツリー情報に含まれる属性情報の一例のイメージ図である。
【図30】CAD装置の構成部品ツリー情報に従って構成部品の組立を行う組立順序の一例のイメージ図である。
【図31】公差解析装置の構成部品ツリー情報に従って構成部品の組立を行う組立順序の一例のイメージ図である。
【図32】CAD装置及びビューワ装置の構成部品ツリー情報及び属性情報の一例を表したイメージ図である。
【図33】本実施例の組立指示作成システムの他の例の構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
次に、本発明を実施するための形態を、以下の実施例に基づき図面を参照しつつ説明していく。
【実施例1】
【0014】
(システム構成)
図1は本実施例の組立指示作成システムの一例の構成図である。図1の組立指示作成システム1はCAD(Computer Aided Design)装置10、公差解析装置11、ビューワ装置12が、インターネットやLANなどのネットワーク13を介してデータ通信可能に接続されている。
【0015】
CAD装置10はコンピュータによる設計支援ツールである。設計者はCAD装置10を用いて製品等の設計を行う。CAD装置10は設計者により設計された結果である3次元CADデータを出力する。
【0016】
公差解析装置11は3次元CADデータを用いて公差解析を行う。公差解析とはアセンブリする複数の部品に寸法公差を設定し、部品を組み立てた際の寸法のバラツキを計算することを言う。公差解析装置11は3次元CADデータを用いて公差解析を行う際、組立定義及び自由度から部品の位置・方向を規制する為に必要な幾何学的基準となる第一〜第三データムを判定する。
【0017】
組立定義及び自由度は、各部品寸法の公差によるバラツキの伝わり方を定義する情報である。組立定義は部品のどの形状で組み合わすかの情報である。自由度は組み合わせ部分での拘束/非拘束方向[6方向]の情報である。公差解析装置11は判定した第一〜第三データムとなる形状を色分けする。また、公差解析装置11は最適化された組立順序を示す組順属性情報を、構成部品ツリー情報に対して設定する。
【0018】
ビューワ装置12は、3次元CADデータ、組順属性情報及び色分けされた第一〜第三データムとなる形状の色情報を用いて、製品等の寸法公差の累積の少ない組立順序の組立指示の動画を作成する。
【0019】
(ハードウェア構成)
CADプログラムがインストールされているコンピュータは、CAD装置10の一例である。組立順序変換プログラムがインストールされているコンピュータは、公差解析装置11の一例である。また、ビューワプログラムがインストールされているコンピュータはビューワ装置12の一例である。
【0020】
ここではCADプログラム、組立順序変換プログラム又はビューワプログラムがインストールされているコンピュータのハードウェア構成を説明する。コンピュータは本実施例のCAD装置10、公差解析装置11又はビューワ装置12と同様の機能を有するCADプログラム、組立順序変換プログラム又はビューワプログラムを実行する。
【0021】
図2はコンピュータの一例のハードウェア構成図である。図2のコンピュータ20は入力装置21、表示装置22、コンピュータ本体23を有する。コンピュータ本体23はバス37で相互に接続されている主記憶装置31、演算処理装置32、インターフェース装置33、記録媒体読取装置34及び補助記憶装置35を有する。また、バス37には入力装置21及び表示装置22が接続されている。
【0022】
バス37で相互に接続されている入力装置21、表示装置22、主記憶装置31、演算処理装置32、インターフェース装置33、記録媒体読取装置34及び補助記憶装置35は、演算処理装置32による管理下で相互にデータの送受を行うことができる。演算処理装置32は、コンピュータ20全体の動作制御を司る中央処理装置である。
【0023】
インターフェース装置33は他のパーソナルコンピュータ又はサーバなどからのデータを受信し、そのデータの内容を演算処理装置32に渡す。さらにインターフェース装置33は演算処理装置32からの指示に応じて他のパーソナルコンピュータ又はサーバなどにデータを送信する。
【0024】
補助記憶装置35には、CAD装置10、公差解析装置11又はビューワ装置12と同様の機能をコンピュータ20に発揮させるプログラムの一部として、少なくともCADプログラム、組立順序変換プログラム又はビューワプログラムが記録されている。
【0025】
そして、演算処理装置32がCADプログラム、組立順序変換プログラム又はビューワプログラムを補助記憶装置35から読み出して実行することで、CAD装置10、公差解析装置11又はビューワ装置12として機能するようになる。CADプログラム、組立順序変換プログラム又はビューワプログラムは演算処理装置32とアクセス可能な主記憶装置31に格納されていても良い。入力装置21は演算処理装置32の管理下でデータの入力を受付ける。CADプログラム、組立順序変換プログラム又はビューワプログラムはコンピュータ20が読み取り可能な記録媒体36に記録しておくことができる。
【0026】
コンピュータ20で読み取り可能な記録媒体36には、磁気記録媒体、光ディスク、光磁気記録媒体、半導体メモリなどがある。磁気記録媒体には、HDD、フレキシブルディスク(FD)、磁気テープ(MT)などがある。光ディスクには、DVD(Digital Versatile Disc)、DVD−RAM、CD−ROM(Compact Disc − Read Only Memory)、CD−R(Recordable)/RW(ReWritable)などがある。また、光磁気記録媒体には、MO(Magneto − Optical disk)などがある。
【0027】
CADプログラム、組立順序変換プログラム又はビューワプログラムを流通させる場合には、例えばCADプログラム、組立順序変換プログラム又はビューワプログラムが記録されたDVD、CD−ROM等の可搬型の記録媒体36を販売することが考えられる。
【0028】
そして、CADプログラム、組立順序変換プログラム又はビューワプログラムを実行するコンピュータ20は、例えば記録媒体読取装置34がCADプログラム、組立順序変換プログラム又はビューワプログラムを記録した記録媒体36から、CADプログラム、組立順序変換プログラム又はビューワプログラムを読み出す。演算処理装置32は、読み出されたCADプログラム、組立順序変換プログラム又はビューワプログラムを主記憶装置31若しくは補助記憶装置35に格納する。コンピュータ20は、自己の記憶装置である主記憶装置31若しくは補助記憶装置35からCADプログラム、組立順序変換プログラム又はビューワプログラムを読み取り、CADプログラム、組立順序変換プログラム又はビューワプログラムに従った処理を実行する。
【0029】
(ブロック構成)
図3は本実施例のCAD装置の一例のブロック構成図である。CAD装置10は、モデル形状作成部41、形状・組立順序保存部42を有する。モデル形状作成部41は設計者に製品等の設計を行わせる。モデル形状作成部41は設計者により設計された結果である3次元CADデータを作成し、出力する。また、形状・組立順序保存部42は3次元CADデータ及び組順属性情報を保存する。
【0030】
図4は本実施例の公差解析装置の一例のブロック構成図である。公差解析装置11は組立定義部51、組立部品選択可能モデル情報部(以下、モデル情報部という)52、組立順序変換部53、データム判断基準テーブル54を有する。また、組立定義部51は配置情報チェック部55を有する。
【0031】
組立定義部51は設計者に組立定義及び自由度を定義させる。配置情報チェック部55はCAD装置10のモデル形状作成部41と連携状態となる。配置情報チェック部55は必要に応じてモデル形状作成部41の作成した3次元CADデータをチェックする。
【0032】
モデル情報部52は組立定義及び自由度から部品の第一〜第三データムを判定する。モデル情報部52は判定した第一〜第三データムとなる形状を色分けする。組立順序変換部53は組立順序通りに整理された構成部品ツリー情報に含まれる属性情報に基づき、部品の組立順序を変換し、出力する。データム判断基準テーブル54は部品のデータムを判定する為に利用される。
【0033】
図5は本実施例のビューワ装置の一例のブロック構成図である。ビューワ装置12はモデル表示部61、コメントライブラリ62を有する。モデル表示部61は入力された構成部品ツリー情報、組順属性情報から製品等の寸法公差の累積の少ない組立順序のリストを作成する。モデル表示部61は作成した組立順序のリストに基づいて、部品の組立指示の動画を作成する。このとき、モデル表示部61は第一〜第三データムとなる形状の色に対応したコメント「例えば第一データム」をコメントライブラリ62から取得して、部品の組立指示の動画に挿入する。
【0034】
(用語の説明)
ここでは、以下の説明の理解を容易とする為、組立定義、自由度、データムについて説明する。組立定義は、各部品を部品のどの形状を使用して組み付けるかを定義するものである。自由度は、部品の組立状態を表現する際に、各部品が持っている6方向の動作を表すものである。
【0035】
図6は、各部品が持っている6方向の動作を表した説明図である。図6に示すように各部品は、X軸/Y軸/Z軸それぞれの平行移動(TX、TY、TZ)と、回転(RX、RY、RZ)との計6個の自由度を持っている。
【0036】
データムは、組立を行う際の基準となる面、穴、突起、溝等の要素である。実際の組立では、3次元方向を固定する為、優先度順に第一〜第三データムが必要となる。図7は第一データムを表した説明図である。第一データムは3高点接触となる。3高点接触は実際の形状同士が安定して接地する為に必要な一番目の幾何学的な接触条件である。
【0037】
図7に示すように、実際の形状では平面であっても表面に凹凸があり、接触時に凹凸上の最も高い3点の接触によって安定した接地条件を得ている。3高点接触の状態は平面の法線方向の平行移動と、法線方向に直交する軸回りの回転とが拘束された状態である。
【0038】
図8は第二データムを表した説明図である。第二データムは2高点接触となる。2高点接触は3高点接触の次に必要な、実際の形状同士が安定して接地する為に必要な二番目の幾何学的な接触条件である。図8に示すように、実際の形状では平面であっても表面に凹凸があり、3高点接触によって拘束された方向を除く、平面の法線方向の平行移動と法線方向に直交する軸回りの回転とが、凹凸上の最も高い2点の接触によって拘束されて安定した接地条件を得ている。
【0039】
図9は第三データムを表した説明図である。第三データムは1高点接触となる。1高点接触は3高点/2高点接触の次に必要な、実際の形状同士が安定して接地する為に必要な三番目の幾何学的な接触条件である。図9に示すように、実際の形状では平面であっても表面に凹凸があり、3高点/2高点接触によって拘束された方向を除く、平面の法線方向の平行移動が、凹凸上の最も高い1点の接触によって拘束されて安定した接地条件を得ている。
【0040】
図10は第一データムの具体例を表したイメージ図である。図10(A)は同一方向法線数が1の第一データムを表している。同一方向法線数が1の第一データムは組み付け面が1箇所、法線方向の平行移動拘束数が1、法線と直交する軸回転拘束数が2である。図10(B)は同一方向法線数が2の第一データムを表している。同一方向法線数が2の第一データムは組み付け面が2箇所、法線方向の平行移動拘束数が2、法線と直交する軸回転拘束数が1である。
【0041】
図10(C)は同一方向法線数が3の第一データムを表している。同一方向法線数が3の第一データムは組み付け面が3箇所、法線方向の平行移動拘束数が3、法線と直交する軸回転拘束数が0である。
【0042】
図11は第二データムの具体例を表したイメージ図である。図11(A)は同一方向法線数が1の第二データムを表している。同一方向法線数が1の第二データムは組み付け面が1箇所、法線方向の平行移動拘束数が1、法線と直交する軸回転拘束数が1である。図11(B)は同一方向法線数が2の第二データムを表している。同一方向法線数が2の第二データムは組み付け面が2箇所、法線方向の平行移動拘束数が2、法線と直交する軸回転拘束数が0である。
【0043】
図12は第三データムの具体例を表したイメージ図である。図12は同一方向法線数が1の第三データムを表している。同一方向法線数が1の第三データムは組み付け面が1箇所、法線方向の平行移動拘束数が1、法線と直交する軸回転拘束数が0である。
【0044】
(処理内容)
ここでは、公差解析装置11の処理について説明する。図13は公差解析を行う部品の一例のイメージ図である。図13は部品Aと部品Bとを組み立てる例を表している。部品Aには形状A〜Cが定義されている。部品Bには形状a〜cが定義されている。図13中のTXはX軸方向並進自由度を表す。TYはY軸方向並進自由度を表す。TZはZ軸方向並進自由度を表す。RXはX軸回りの回転自由度を表す。RYはY軸回りの回転自由度を表す。RZはZ軸回りの回転自由度を表す。
【0045】
設計者は部品Aと部品Bとの間に組立定義及び自由度を定義する。図14は部品Aと部品Bの組立定義情報の一例の構成図である。図14では組立箇所毎に項番(以下、組立箇所項番という)と、部品Aの組み付け形状を表す「ジオメトリ1」と、部品Bの組み付け形状を表す「ジオメトリ2」と、法線方向数と、拘束自由度数とが関連付けられた組立定義情報を表している。
【0046】
各組立箇所には詳細属性情報として図15に示すような自由度情報が定義される。図15は自由度情報の一例の構成図である。図15(A)は、組立箇所項番「1」の組立箇所の自由度情報である。図15(B)は、組立箇所項番「2」の組立箇所の自由度情報である。図15(C)は、組立箇所項番「3」の組立箇所の自由度情報である。
【0047】
図15(A)に示すように、組立箇所項番「1」の組立箇所の自由度はZ方向に垂直方向であり、TZ、RX及びRYが拘束状態であることが分かる。図15(B)に示すように、組立箇所項番「2」の組立箇所の自由度はX方向に垂直方向であり、TX及びRZが拘束状態であることが分かる。図15(C)に示すように、組立箇所項番「3」の組立箇所の自由度はY方向に垂直方向であり、TYが拘束状態であることが分かる。
【0048】
公差解析装置11は組立定義情報を参照し、各組立箇所の3法線方向(直交3方向)の数を同一方向法線の数として、それぞれカウントする。また、公差解析装置11はカウントした各組立箇所の3法線方向それぞれに対し、それぞれの法線方向の平行移動拘束自由度の数と、法線と直交する軸回転拘束自由度の数(形状の接線成分方向の軸回りの回転拘束自由度の数)とをカウントする。
【0049】
公差解析装置11は図16に示すデータム判断基準テーブルを参照し、カウントした同一方向法線の数、法線方向の平行移動拘束自由度の数及び法線と直交する軸回転拘束自由度の数に対応したデータム種類を判定する。図16はデータム判断基準テーブルの一例の構成図である。データム判断基準テーブルは、同一方向法線の数、法線方向の平行移動拘束自由度の数及び法線と直交する軸回転拘束自由度の数の組に対し、データム種類を一意に対応付けている。
【0050】
例えば図15の自由度情報、図16のデータム判断基準テーブルの場合、公差解析装置11は組立箇所項番「1」の組立箇所を第一データム、組立箇所項番「2」の組立箇所を第二データム、組立箇所項番「3」の組立箇所を第三データムと判定する。公差解析装置11は判定した第一〜第三データムとなる形状の色指定を行う。
【0051】
図17は、第一〜第三データムとなる形状に色指定を行う色座標情報の一例の構成図である。色座標情報は、組立箇所ごとに「ジオメトリ1」と「ジオメトリ2」とデータム種類とジオメトリ色とが設定されている。図17の例では第一データムの形状に黄色が指定されている。第二データムの形状に赤色が指定されている。第三データムの形状に緑色が指定されている。図17の色座標情報はCAD装置10及びビューワ装置12上の部品の形状に対して色指定の指示を与える為のものである。
【0052】
図18は判定されたデータム種類に応じてジオメトリ色が指定された部品A及び部品Bの一例のイメージ図である。図18は第一データムの形状に黄色が指定され、第二データムの形状に赤色が指定され、第三データムの形状に緑色が指定されている。
【0053】
全ての部品に対し、組立定義及び自由度が定義されると、公差解析装置11は組立順序通りに整理された構成部品ツリー情報に含まれる属性情報に基づき、部品の組立順序を変換して確定する。属性情報は構成部品間相互の関係性を示すものである。
【0054】
図19は組立順序通りに整理された構成部品ツリー情報の一例の説明図である。図19において「↓」は部品の親子関係を示す。図19(A)は部品Cが部品Aの子、部品Bが部品Cの子の例を表している。図19(B)は部品Cが部品Aの子、部品Bが部品Aと部品Cの子の例を表している。図19(C)は部品Cが部品Aの子、部品Bが部品Aの子の例を表している。図19(C)の部品B及び部品Cのように、相互関係に優位差が無い場合は例えば部品名の昇順で決定する。
【0055】
公差解析装置11は確定した組立順序に基づく構成部品ツリー情報の部品名称と、CAD装置10の構成部品ツリー情報の部品名称とを照合し、部品名称が一致するCAD装置10の構成部品ツリー情報の構成部品に対して組順属性を付与する。
【0056】
図20はCAD装置の構成部品ツリー情報の構成部品に対して組順属性を付与する処理の一例の説明図である。構成部品ツリー情報100は公差解析装置11が確定した組立順序に基づく構成部品ツリー情報を表している。構成部品ツリー情報101はCAD装置10上の構成部品ツリー情報を表している。なお、図20の構成部品ツリー情報100は公差解析対象外の部品を含んでいる。
【0057】
公差解析装置11は確定した組立順序に基づく構成部品ツリー情報100の部品名称とCAD装置10の構成部品ツリー情報101の部品名称とを照合し、部品名称が一致するCAD装置10の構成部品ツリー情報101の構成部品に対して、確定した組立順序に基づく組順属性102を付与する。
【0058】
組順属性102は、アセンブリ階層と階層内順位とを含む。例えば組順属性102に含まれる「1st−02」は、アセンブリ階層「1st」と階層内順位「02」とを表している。また、CAD装置10の構成部品ツリー情報101では、公差解析対象外の部品について、CAD装置10の構成部品ツリー情報101を維持する組順属性102が付与される。
【0059】
なお、複数の組立箇所に対して公差解析を実施して、複数の異なる組立順序及び組立定義を有する場合は、公差解析結果及び設計上の優先度から付与する組立定義情報を設計者に選択させればよい。構成部品全体に対して公差解析を実施していない場合は、公差解析を実施していない構成部品に対して、CAD装置10の構成部品ツリー情報101を維持する組順属性「original」が付与される。
【0060】
ビューワ装置12は、CAD装置10から3次元CADデータ、組順属性情報及び色分けされた第一〜第三データムとなる形状の色情報を受信し、製品等の寸法公差の累積の少ない組立順序の組立指示の動画を作成する。
【0061】
このとき、ビューワ装置12は組順属性102が付与されたCAD装置10の構成部品ツリー情報101を、組順属性102をキーワードとしてソートし、構成部品ツリー情報102の第一階層(1st)、第二階層(2nd)、…、第N階層のそれぞれの配下の部品の順番を整理する。
【0062】
図21は組順属性が付与されたCAD装置の構成部品ツリー情報からビューワ装置の構成部品ツリー情報を再構築する処理の一例の説明図である。ビューワ装置12は図21に示すように、組順属性102が付与されているCAD装置10の構成部品ツリー情報101を、組順属性102をキーワードとして階層毎にソートし、ビューワ装置12の構成部品ツリー情報103を再構築する。なお、CAD装置10の構成部品ツリー情報101を維持する組順属性「original」が付与された構成部品については、ビューワ装置12においてもCAD装置10の構成部品ツリー情報101を維持する。
【0063】
ビューワ装置12は部品の組立指示の動画を作成する前処理として、再構築した構成部品ツリー情報103の組順属性から製品等の寸法公差の累積の少ない組立順序のリストを作成する。
【0064】
図22は組立順序のリストの一例の構成図である。図22の組立順序のリストは第一階層構成部品、第一階層組順、第二階層構成部品、第二階層組順、進捗をデータ項目として有している。
【0065】
ビューワ装置12は部品の組立指示の動画を作成する際、組立順序のリストと、設計者によって選択された構成部品の名称とを照合し、正しく組立指示が完了した構成部品について、組立順序のリストから除外する。また、ビューワ装置12は部品の組立指示の動画を作成する際、組立順序のリストと違う構成部品が設計者によって選択されると、例えば警告メッセージを表示し、誤った組立指示の作成を防止する。
【0066】
ビューワ装置12は部品の組立指示の動画を作成する際、構成部品間の詳細な組み付け箇所を指示する場合、第一〜第三データムとなる形状を色分けし、第一〜第三データムとなる形状の色に対応したコメント「例えば第一データム」をコメントライブラリ62から取得して、部品の組立指示の動画に挿入する。
【0067】
図23は第一〜第三データムを判定する処理の一例のフローチャートである。ステップS1に進み、CAD装置10は設計者により設計された結果である三次元CADデータを公差解析装置11と同期させる。ステップS2に進み、公差解析装置11の組立定義部51はオペレータ(設計者)に組立定義及び自由度を定義させる。
【0068】
ステップS3に進み、モデル情報部52は組立定義情報を参照し、各組立箇所の3法線方向の数を同一方向法線の数として、それぞれカウントする。ステップS4に進み、モデル情報部52はカウントした各組立箇所の3法線方向それぞれに対し、それぞれの法線方向の平行移動拘束自由度の数と、法線と直交する軸回転拘束自由度の数(形状の接線成分方向の軸回りの回転拘束自由度の数)とをカウントする。
【0069】
ステップS5に進み、モデル情報部52はデータム判断基準テーブルを参照し、カウントした同一方向法線の数、法線方向の平行移動拘束自由度の数及び法線と直交する軸回転拘束自由度の数に対応したデータム種類(第一〜第三データム)を判定する。
【0070】
ステップS6に進み、モデル情報部52は判定した第一〜第三データムに応じて、構成部品のジオメトリ色を決定し、CAD装置10に指示する。ステップS7に進み、CAD装置10は構成部品にジオメトリ色を反映させる。そして、ステップS8に進み、CAD装置10の形状・組立順序保存部42は構成部品に反映させたジオメトリ色を3次元CADデータと対応付けて保存する。
【0071】
図24は、部品の組立順序を変換して出力する処理の一例のフローチャートである。ステップS11に進み、CAD装置10は設計者により設計された結果である三次元CADデータを公差解析装置11と同期させる。ステップS12に進み、公差解析装置11の組立定義部51はオペレータ(設計者)に組立定義及び自由度を定義させる。
【0072】
ステップS13に進み、組立順序変換部53は組立定義が定義されると、確定した組立順序に基づく構成部品ツリー情報の構成部品に対して、確定した組立順序に基づく組順属性情報を設定する。ステップS14に進み、組立順序変換部53は確定した組立順序に基づく構成部品ツリー情報の部品名称とCAD装置10の構成部品ツリー情報の部品名称とを照合する。そして、組立順序変換部53は部品名称が一致するCAD装置10の構成部品ツリー情報の構成部品に対して、確定した組立順序に基づく組順属性を付与する。
【0073】
ステップS15に進み、CAD装置10の形状・組立順序保存部42は、3次元CADデータ及び組順属性情報を保存する。ステップS16に進み、モデル形状作成部41は3次元CADデータ、組順属性情報及び色分けされた第一〜第三データムとなる形状の色情報をビューワ装置12に出力する。
【0074】
図25は組立順序のリストを作成する処理の一例のフローチャートである。ステップS21に進み、ビューワ装置12のモデル表示部61は組順属性が付与されたCAD装置10の構成部品ツリー情報を、組順属性をキーワードとして階層毎にソートし、ビューワ装置12の構成部品ツリー情報を再構築する。モデル表示部61は部品の組立指示の動画を作成する前処理として、再構築した構成部品ツリー情報の組順属性から製品等の寸法公差の累積の少ない組立順序のリストを作成する。
【0075】
ステップS22に進み、モデル表示部61は設計者に構成部品を選択させる。ステップS23に進み、モデル表示部61は組立順序のリストと、設計者によって選択された構成部品の名称とを照合する。ステップS24に進み、組立順序のリストと違う順番で構成部品が設計者によって選択されると、モデル表示部61は例えば警告メッセージを表示したあと、ステップS22に戻る。
【0076】
組立順序のリストと同じ順番で構成部品が設計者によって選択されると、モデル表示部61はステップS25に進み、第一〜第三データムとなる形状の色に対応したコメントをコメントライブラリ62から取得して、部品の組立指示の動画に挿入する。
【0077】
(処理イメージ)
図26はCAD装置の構成部品ツリー情報の一例のイメージ図である。図27は最上位のアセンブリモデルの一例のイメージ図である。図28は第二階層のアセンブリモデル及び部品モデルの一例のイメージ図である。
【0078】
図27は名称「TOP」の最上位のアセンブリモデルを表している。最上位のアセンブリモデルは構成部品が組み立てられた後のイメージ図を表している。図28は名称「base」の第二階層の部品モデルと、名称「A」〜「C」の第二階層のサブアセンブリモデルとを表している。
【0079】
図29は構成部品ツリー情報に含まれる属性情報の一例のイメージ図である。図29は名称「A」の第二階層のサブアセンブリモデル配下の部品「a1」の属性情報の一例を表している。図29の属性情報は部品「a1」が第二階層の名称「A」のサブアセンブリモデル配下にあり、第二階層の名称「A」のサブアセンブリモデルでの組順が第一番目であるという属性が付与されている。
【0080】
図30はCAD装置の構成部品ツリー情報に従って構成部品の組立を行う組立順序の一例のイメージ図である。図31は公差解析装置の構成部品ツリー情報に従って構成部品の組立を行う組立順序の一例のイメージ図である。図31の組立順序は製品等の寸法公差の累積の少ない組立順序となっている。
【0081】
図32はCAD装置及びビューワ装置の構成部品ツリー情報及び属性情報の一例を表したイメージ図である。図32(A)はCAD装置10の構成部品ツリー情報及び属性情報の一例を表している。図32(A)は図30の組立順序に対応している。
【0082】
図32(B)は、ビューワ装置12の構成部品ツリー情報及び属性情報の一例を表している。図32(B)は図31の組立順序に対応している。図32(B)に示した構成部品ツリー情報は製品等の寸法公差の累積の少ない組立順序に再構築されている。
【実施例2】
【0083】
(システム構成)
図33は本実施例の組立指示作成システムの他の例の構成図である。図33の組立指示作成システム2はCAD装置10、ビューワ装置12が、インターネットやLANなどのネットワーク13を介してデータ通信可能に接続されている。図33のCAD装置10は組立指示作成システム1の公差解析装置11に相当する公差解析部14を有している。
【0084】
図33の組立指示作成システム2は公差解析装置11が無く、公差解析装置11に相当する公差解析部14がCAD装置10に含まれる点で図1の組立指示作成システム1と異なっているが、その他について同様であるため、説明を省略する。
【0085】
(まとめ)
上述したように、設計等の上流工程から製造・組立等の下流工程での品質向上における大きな課題の一つは、いかに効率よく公差解析結果を部品の組立指示の作成に反映できるかであった。本実施例の組立指示作成システム1、2によれば、公差解析装置11又は公差解析部14で最適化された寸法公差の累積の少ない組立順序を、容易にビューワ装置12等の外部装置に流用可能であり、最適な寸法公差の設定や寸法公差の累積の少ない組立順序の提示による設計製品の品質向上と組立指示の作成に必要な工数の大幅な削減とを実現できる。
【0086】
本実施例による組立順序変換方法はWEBサービス等によっても実現可能である。さらに、本実施例による組立順序変換プログラムはパッケージソフト,ダウンロード等による提供可能である。組立順序変換プログラムはバッチファイル等によって実現されるものであってもよい。
【0087】
本発明は、以下に記載する付記のような構成が考えられる。
(付記1)
設計データを用いて公差解析を行う公差解析装置であって、
構成部品の組立定義及び自由度をユーザに定義させる組立定義手段と、
組み立てる前記構成部品の組立定義及び自由度に基づき、前記構成部品の組立箇所の同一方向法線の数、法線方向の平行移動拘束自由度の数、法線と直交する軸回転拘束自由度数をカウントし、該カウント値に対応するデータム種類をデータム判断基準テーブルに基づき判定する判定手段と、
判定した前記データム種類を出力する出力手段と
を有する公差解析装置。
(付記2)
前記構成部品の組立定義に基づき確定した組立順序に基づく構成部品ツリー情報の構成部品に対して、確定した組立順序に基づく組順属性情報を設定し、名称が一致する設計装置の構成部品ツリー情報の構成部品に対して、確定した組立順序に基づく組順属性を付与する組立順序変換手段
を更に有する付記1記載の公差解析装置。
(付記3)
前記データム判断基準テーブルは、前記構成部品の組立箇所の同一方向法線の数、法線方向の平行移動拘束自由度の数、法線と直交する軸回転拘束自由度数の組に対し、データム種類として第一〜第三データムを一意に対応付けていること
を特徴とする付記1又は2記載の公差解析装置。
(付記4)
前記出力手段は、判定した第一〜第三データムに応じて、前記構成部品の組立箇所の色を決定して出力する
付記1乃至3何れか一項記載の公差解析装置。
(付記5)
コンピュータによる設計支援を行う設計装置であって、
ユーザに設計を行わせ、設計データを作成する設計データ作成手段と、
前記設計データを用いて公差解析を行う公差解析手段と
を有し、
前記公差解析手段は、
構成部品の組立定義及び自由度をユーザに定義させる組立定義手段と、
組み立てる前記構成部品の組立定義及び自由度に基づき、前記構成部品の組立箇所の同一方向法線の数、法線方向の平行移動拘束自由度の数、法線と直交する軸回転拘束自由度数をカウントし、該カウント値に対応するデータム種類をデータム判断基準テーブルに基づき判定する判定手段と、
判定した前記データム種類を出力する出力手段と
を有する設計装置。
(付記6)
構成部品の組立順序の組立指示を作成する閲覧装置であって、
組立順序に基づく組順属性が付与された構成部品ツリー情報の構成部品を前記組順属性に基づきソートし、前記構成部品ツリー情報を再構築する再構築手段と、
再構築した前記構成部品ツリー情報に基づいて前記構成部品の組立順序のリストを作成するリスト作成手段と、
前記構成部品の組立順序の組立指示を作成する際、前記組立順序のリストと異なる順番で前記構成部品がユーザによって選択されると、警告メッセージを表示する警告手段と
を有する閲覧装置。
(付記7)
前記構成部品の組立順序の組立指示を作成する際、前記構成部品の組立箇所の色に対応したデータム種類を示すコメントを該構成部品の組立箇所に挿入するコメント挿入手段を更に有する付記6記載の閲覧装置。
(付記8)
設計データを用いて公差解析を行う公差解析装置によって実行される組立順序変換方法であって、
前記公差解析装置が、
構成部品の組立定義及び自由度をユーザに定義させる組立定義手段と、
組み立てる前記構成部品の組立定義及び自由度に基づき、前記構成部品の組立箇所の同一方向法線の数、法線方向の平行移動拘束自由度の数、法線と直交する軸回転拘束自由度数をカウントし、該カウント値に対応するデータム種類をデータム判断基準テーブルに基づき判定する判定手段と、
判定した前記データム種類を出力する出力手段と、
前記構成部品の組立定義に基づき確定した組立順序に基づく構成部品ツリー情報の構成部品に対して、確定した組立順序に基づく組順属性情報を設定し、名称が一致する設計装置の構成部品ツリー情報の構成部品に対して、確定した組立順序に基づく組順属性を付与する組立順序変換手段と
を実行する組立順序変換方法。
(付記9)
設計データを用いて公差解析を行う公差解析装置を、
構成部品の組立定義及び自由度をユーザに定義させる組立定義手段と、
組み立てる前記構成部品の組立定義及び自由度に基づき、前記構成部品の組立箇所の同一方向法線の数、法線方向の平行移動拘束自由度の数、法線と直交する軸回転拘束自由度数をカウントし、該カウント値に対応するデータム種類をデータム判断基準テーブルに基づき判定する判定手段と、
判定した前記データム種類を出力する出力手段と、
前記構成部品の組立定義に基づき確定した組立順序に基づく構成部品ツリー情報の構成部品に対して、確定した組立順序に基づく組順属性情報を設定し、名称が一致する設計装置の構成部品ツリー情報の構成部品に対して、確定した組立順序に基づく組順属性を付与する組立順序変換手段と
して機能させるための組立順序変換プログラム。
【0088】
本発明は、具体的に開示された実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲から逸脱することなく、種々の変形や変更が可能である。なお、組立定義手段が組立定義部51に相当し、判定手段及び出力手段が組立部品選択可能モデル情報部52に相当し、組立順序変換手段が組立順序変換部53に相当し、設計データ作成手段がモデル形状作成部41に相当し、公差解析手段が公差解析部14に相当する。
【0089】
再構築手段、リスト作成手段、警告手段及びコメント挿入手段はモデル表示部61に相当する。また、設計装置はCAD装置10に相当する。閲覧装置はビューワ装置12に相当する。
【符号の説明】
【0090】
1、2 組立指示作成システム
10 CAD(Computer Aided Design)装置
11 公差解析装置
12 ビューワ装置
13 ネットワーク
14 公差解析部
20 コンピュータ
21 入力装置
22 表示装置
23 コンピュータ本体
31 主記憶装置
32 演算処理装置
33 インターフェース装置
34 記録媒体読取装置
35 補助記憶装置
36 記録媒体
37 バス
41 モデル形状作成部
42 形状・組立順序保存部
51 組立定義部
52 組立部品選択可能モデル情報部
53 組立順序変換部
54 データム判断基準テーブル
55 配置情報チェック部
61 モデル表示部
62 コメントライブラリ
100、101、103 構成部品ツリー情報
102 組順属性

【特許請求の範囲】
【請求項1】
設計データを用いて公差解析を行う公差解析装置であって、
構成部品の組立定義及び自由度をユーザに定義させる組立定義手段と、
組み立てる前記構成部品の組立定義及び自由度に基づき、前記構成部品の組立箇所の同一方向法線の数、法線方向の平行移動拘束自由度の数、法線と直交する軸回転拘束自由度数をカウントし、該カウント値に対応するデータム種類をデータム判断基準テーブルに基づき判定する判定手段と、
判定した前記データム種類を出力する出力手段と
を有する公差解析装置。
【請求項2】
前記構成部品の組立定義に基づき確定した組立順序に基づく構成部品ツリー情報の構成部品に対して、確定した組立順序に基づく組順属性情報を設定し、名称が一致する設計装置の構成部品ツリー情報の構成部品に対して、確定した組立順序に基づく組順属性を付与する組立順序変換手段
を更に有する請求項1記載の公差解析装置。
【請求項3】
前記データム判断基準テーブルは、前記構成部品の組立箇所の同一方向法線の数、法線方向の平行移動拘束自由度の数、法線と直交する軸回転拘束自由度数の組に対し、データム種類として第一〜第三データムを一意に対応付けていること
を特徴とする請求項1又は2記載の公差解析装置。
【請求項4】
前記出力手段は、判定した第一〜第三データムに応じて、前記構成部品の組立箇所の色を決定して出力する
請求項1乃至3何れか一項記載の公差解析装置。
【請求項5】
コンピュータによる設計支援を行う設計装置であって、
ユーザに設計を行わせ、設計データを作成する設計データ作成手段と、
前記設計データを用いて公差解析を行う公差解析手段と
を有し、
前記公差解析手段は、
構成部品の組立定義及び自由度をユーザに定義させる組立定義手段と、
組み立てる前記構成部品の組立定義及び自由度に基づき、前記構成部品の組立箇所の同一方向法線の数、法線方向の平行移動拘束自由度の数、法線と直交する軸回転拘束自由度数をカウントし、該カウント値に対応するデータム種類をデータム判断基準テーブルに基づき判定する判定手段と、
判定した前記データム種類を出力する出力手段と
を有する設計装置。
【請求項6】
設計データを用いて公差解析を行う公差解析装置によって実行される組立順序変換方法であって、
前記公差解析装置が、
構成部品の組立定義及び自由度をユーザに定義させる組立定義手段と、
組み立てる前記構成部品の組立定義及び自由度に基づき、前記構成部品の組立箇所の同一方向法線の数、法線方向の平行移動拘束自由度の数、法線と直交する軸回転拘束自由度数をカウントし、該カウント値に対応するデータム種類をデータム判断基準テーブルに基づき判定する判定手段と、
判定した前記データム種類を出力する出力手段と、
前記構成部品の組立定義に基づき確定した組立順序に基づく構成部品ツリー情報の構成部品に対して、確定した組立順序に基づく組順属性情報を設定し、名称が一致する設計装置の構成部品ツリー情報の構成部品に対して、確定した組立順序に基づく組順属性を付与する組立順序変換手段と
を実行する組立順序変換方法。
【請求項7】
設計データを用いて公差解析を行う公差解析装置を、
構成部品の組立定義及び自由度をユーザに定義させる組立定義手段と、
組み立てる前記構成部品の組立定義及び自由度に基づき、前記構成部品の組立箇所の同一方向法線の数、法線方向の平行移動拘束自由度の数、法線と直交する軸回転拘束自由度数をカウントし、該カウント値に対応するデータム種類をデータム判断基準テーブルに基づき判定する判定手段と、
判定した前記データム種類を出力する出力手段と、
前記構成部品の組立定義に基づき確定した組立順序に基づく構成部品ツリー情報の構成部品に対して、確定した組立順序に基づく組順属性情報を設定し、名称が一致する設計装置の構成部品ツリー情報の構成部品に対して、確定した組立順序に基づく組順属性を付与する組立順序変換手段と
して機能させるための組立順序変換プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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