説明

共押出しフッ素ポリマー層を有するカテーテル

第1ポリマー層及び第1ポリマー層に結合された第2ポリマー層を有する長尺状の管状部材を備えるカテーテルシャフト。第1ポリマー層は、通常の場合はフッ素ポリマーに結合され得ないポリマーからなる。第2ポリマー層は、第1ポリマー層のポリマーに結合されたフッ素ポリマーからなる。第2ポリマー層のフッ素ポリマーは、第1ポリマー層のポリマーに対する結合親和性を有する官能化ポリフッ化ビニリデンである。この官能基化ポリフッ化ビニリデンは、ポリフッ化ビニリデンのポリマー鎖に化学的に結合された反応性官能基を含み、第1ポリマー層のポリマーのポリマー鎖に容易に結合される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、長尺状の医療器具に関し、具体的には、別のポリマー層に直接に結合された共押出しフッ素ポリマー層を有するカテーテルシャフトに関する。
【背景技術】
【0002】
血管内カテーテル等のカテーテルは、通常の場合、ポリマー材料からなる複数の層を有する多層管状部材から構成される。多層管状部材のある層は、ある所望の特性を備えるようそのポリマー材料が選択され、その多層管状部材の別の層は、別の所望の特性を備えるようそのポリマー材料が選択される。いくつかの例においては、第1の層のポリマー材料が第2の層のポリマー材料に対して融和性を有しない場合がある。例えば、第1の層のポリマー材料が、第2の層のポリマー材料に結合又は接着されにくい場合がある。このような場合、中間層すなわち連結層が第1の層と第2の層の間に配置される。この中間層すなわち連結層は、第1の層及び第2の層に対して容易に結合または接着されるため、第1の層と第2の層とを結び付けることができる。
【0003】
通常の場合、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)等のフッ素ポリマーは、ポリアミド、ポリエーテルブロックアミド、ポリウレタン、ポリエチレン、ポリエステル等の他のポリマー材料に結合され得ない。従って、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)等のフッ素ポリマーを多層カテーテルチューブの1つの層として用い、その多層カテーテルチューブの別の層にポリアミド、ポリエーテルブロックアミド、ポリウレタン、ポリエステル等のフッ素ポリマーに対する融和性を有しないポリマーを用いる場合には、フッ素ポリマー層がこの非適合ポリマーから剥離するのを防ぐために連結層を配置しなければならない。
【0004】
カテーテルチューブに中間層すなわち連結層を追加すると、チューブの厚さが増し、又、カテーテルチューブの製造コストも増える。例えば、連結層の材料のコストに加え、連結層を管状部材の内層及び外層と共押出しするための押出し機もさらに必要となる。
【0005】
そのため、別のポリマー層に直接に結合可能である、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)等のフッ素ポリマー層を有するカテーテルチューブを製造することは有益である。このようなカテーテルチューブにおいては、フッ素ポリマー層と他のポリマー層との間に介在層を配置する必要がない。その結果、カテーテルチューブの他のポリマー層からフッ素ポリマー層が剥離する虞がなくフッ素ポリマー層をカテーテルチューブに配することができるという効果をもたらし得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、別のポリマー層に直接に結合され得るフッ素ポリマー層を有するカテーテルを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、医療器具構造及びアセンブリの様々な構成、材料、及び製造方法に関する。
本発明の一実施形態は、第1端、第2端、ならびに第1端及び第2端の間に延びる管状壁を有する長尺状をなす管状部材を備えるカテーテルシャフトに関する。この長尺状をなす管状部材は、通常の場合はフッ素ポリマーに結合され得ないポリマーから形成されるポリマー外層と、ポリマー外層に直接に結合されたフッ素ポリマー内層とを有する。フッ素ポリマー内層は、ポリマー外層に対する結合親和性を有する官能基化ポリフッ化ビニリデンを含み、この官能基化ポリフッ化ビニリデンは、ポリフッ化ビニリデンのポリマー鎖に化学的に結合された反応性官能基を含む。
【0008】
本発明の別の実施形態は、第1端、第2端、ならびに第1端及び第2端の間に延びる管状壁を有する長尺状をなす管状部材を備えるカテーテルシャフトに関する。この長尺状管状部材は、通常の場合はフッ素ポリマーに結合され得ないポリマーから形成されるポリマー内層と、ポリマー内層に直接に結合されたフッ素ポリマー外層とを有する。フッ素ポリマー外層は、内ポリマー層に対する結合親和性を有する官能基化ポリフッ化ビニリデンを含み、この官能基化ポリフッ化ビニリデンは、ポリフッ化ビニリデンのポリマー鎖に化学的に結合された反応性官能基を含む。
【0009】
本発明の別の実施形態は、カテーテルシャフトを形成する方法に関する。この方法は、溶解状態にある第1ポリマーをマンドレルの上に押出して第1ポリマーの第1の溶解した層を形成する工程を含む。第1ポリマーの第1の溶解した層の上に溶解状態にある第2ポリマーを押出して第1ポリマーの第1の溶解した層の上に第2ポリマーの第2の溶解した層が形成される。第1の溶解した層及び第2の溶解した層が溶解状態にある間に、第1ポリマーの第1の溶解した層及び第2ポリマーの第2の溶解した層が押出し型に通される。その後、第1ポリマーの第1の溶解した層及び第2ポリマーの第2の溶解した層が冷却される。ここにおいて、第2ポリマーからなる内層に結合する第1のポリマーからなる外層を有する二層ポリマーチューブが形成される。この二層ポリマーチューブの外層と内層との間には介在層が存在しない。第1ポリマー及び第2ポリマーのいずれか一方は官能基化ポリフッ化ビニリデンであり、他方が通常の場合はポリフッ化ビニリデンに対する融和性を有しないポリマーである。上記の実施形態は、本発明のすべての実施形態を説明するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】カテーテルを例示的に示す平面図。
【図2】図1のカテーテルを長手方向に切断した断面図。
【図3】図1のカテーテルのシャフトの3−3線における横断面図。
【図4】別の医療器具の管状部材を示す断面図。
【図5】多層管状部材を共押出しする押出し機を示す断面図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明は種々の別例で実施可能であるが、特定の実施形態を例として図面に示し、以下で詳細に説明する。ただし、本発明を特定の実施形態に限定することを意図するものではなく、むしろ、添付の特許請求の範囲によって定義される本発明の範囲に含まれるすべての変更例を包含するものである。
【0012】
以下に定義される用語については、特許請求の範囲又は本明細書中において別に定義されない限り、以下の定義が適用されることとする。
本明細書のすべての数値は、記載の有無に関わらず、「約」という単語により修飾されていると理解されたい。「約」という用語は、記載の数値と同等である(機能や結果が同じである)と当業者が判断する数値範囲を表す。多くの場合、「約」は、四捨五入された数値を含むことを表す。
【0013】
始まりと終わりの数値により示された数値範囲は、その範囲内に包括されるすべての数値を含むものとする(例えば、「1〜5」には、1、1.5、2、2.75、3、3.80、4及び5が含まれる)。
【0014】
本明細書においては、様々な部品、特徴、仕様に関する適宜な寸法、範囲、数値等が開示されるが、好適な寸法、範囲、数値が明示的に開示されたものとは異なる場合もあることは当業者に理解されるであろう。
【0015】
本明細書及び添付の特許請求の範囲においては、単数形で表された要素は、特に断らない限り、すべて複数である場合も含むものとする。また、「又は」という表現は、特に断らない限り「及び/又は」という意味を含むものとする。
【0016】
以下の記載のおいては図面を参照するが、この図面のいくつかの図においては、同一の符号が同一の構成要素を表している。図面は、必ずしも縮尺どおりではなく、また、本発明の範囲を限定するものではない。実施形態は例示的に記載するものである。特に記載の無い限り、全ての実施形態の特徴を別の実施形態に用いることが可能である。
【0017】
図1に、血管形成カテーテルであるカテーテル10を示す。ここで示すカテーテル10は血管形成カテーテルであるが、以下の説明は、ガイドカテーテル、ステント搬送カテーテル、胆管カテーテル、尿道カテーテル、アテローム切除カテーテル、及び他の医療カテーテル等のカテーテル、ならびにガイドワイヤ等にも当てはまる。
【0018】
カテーテル10は、基端14から先端16に延びる長尺状シャフト12を有する。長尺状シャフト12の基端14にはハブアセンブリ18が装着される。さらに、カテーテル10は、長尺状シャフト12の先端領域に配置される膨張可能バルーン20を有する。非外傷性チップ等の先端チップ22が、長尺状シャフト12の先端16においてバルーン20より先端側に延びる。
【0019】
図2は、図1のカテーテル10を示す断面図である。図2に示すように、シャフト12は内側管状部材24及び外側管状部材26を有する。内側管状部材24は、内側管状部材24内を延びガイドワイヤを受容するガイドワイヤ管腔28を有する。外側管状部材26の基端はハブアセンブリ18内に配置され、ハブアセンブリ18に固着される。
【0020】
内側管状部材24は、内側管状部材24の外面30が外側管状部材26の内面32から離間して配置され、これにより内側管状部材24と外側管状部材26との間に膨張管腔34が形成されるように外側管状部材26内に配置することができる。膨張管腔34はバルーン20の内部に連通し、医療処置においてバルーン20を膨張させるために膨張管腔34を介してバルーン20の内部に膨張流体を供給できるようになっている。
【0021】
図2に示すように、バルーン20は、基端側ウェスト部36及び先端側ウェスト部38を有する。バルーン20の先端側ウェスト部38は内側管状部材24の先端に固定され、バルーン20の基端側ウェスト部36は外側管状部材26の先端に固定される。バルーン20は、接着やレーザー溶着等により内側管状部材24及び外側管状部材26に固着される。
【0022】
図3は、カテーテルシャフト12の長手方向軸に交差するようシャフト12を切断した断面図である。図3に示すように、内側管状部材24は多層管状部材であり、例えば、外層42及び内層44を有する二層管状部材である。内層44は内側管状部材24の外層42に直接に結合され、内層44と外層42との間には介在層が存在しない。
【0023】
外層42は、ポリアミド、ポリエーテルブロックアミド、ポリウレタン、ポリエーテル等のポリマー材料から形成される。内側管状部材24の内層44はポリフッ化ビニリデン(PVDF)等のフッ素ポリマーであり、そのため、内層44に潤滑性がもたらされている。内層44は、外層42に直接に結合される官能基化ポリフッ化ビニリデンにより形成される。直接に結合又は接着されるということは、介在される連結層が存在しないということである。内層44と外層42との間に連結層を介在させることなく層42,44が結合又は接着可能であるのは、官能基化ポリフッ化ビニリデン内層44の親和性によるものである。他のポリマー材料に結合されにくい他のポリフッ化ビニリデンポリマーと異なり、官能基化ポリフッ化ビニリデン内層44は、共有結合等によりポリマー外層42に直接に結合される。
【0024】
官能基化ポリフッ化ビニリデンは、ポリフッ化ビニリデンのポリマー鎖に化学的に結合された反応性官能基を含む。官能基化ポリフッ化ビニリデンの例としては、米国ペンシルバニア州フィラデルフィアのアルケマ・インコーポレイテッド(Arkema, Inc.)が販売するKYNAR(登録商標)ADXが挙げられる。官能基化ポリフッ化ビニリデン層の反応性官能基は外層42のポリマー鎖と化学結合している。
【0025】
いくつかの実施形態においては、反応性官能基は、マレイン酸、フマル酸、桂皮酸、クロトン酸、リノール酸等の不飽和カルボン酸を含む。いくつかの実施形態においては、反応性官能基は、無水マレイン酸を含む。
【0026】
いくつかの実施形態においては、官能基化ポリフッ化ビニリデンは放射線グラフト重合された反応性官能基を含む。放射線グラフト重合される官能基の例としては、カルボン酸を含んだ化合物やカルボン酸誘導体が挙げられる。
【0027】
図4は、カテーテル等の医療器具において使用可能な別の管状部材60を示す断面図である。管状部材60は、外層62及び内層64を有する二層管状部材である。内層64は管状部材60の外層62に直接に結合され、内層64と外層62の間には介在層が存在しない。
【0028】
内層64は、ポリアミド、ポリエーテルブロックアミド、ポリウレタン、ポリエチレン、ポリエーテル等のポリマー材料から形成される。管状部材60の外層62はポリフッ化ビニリデン(PVDF)等のフッ素ポリマーであり、そのため、外層62に潤滑性がもたらされている。外層62は、内層64に直接に結合される官能基化ポリフッ化ビニリデンにより形成される。直接に結合又は接着されるということは、介在される連結層が存在しないということである。外層62と内層64との間に連結層を介在させることなく層62,64が結合又は接着可能であるのは、官能基化ポリフッ化ビニリデン外層62の親和性によるものである。他のポリマー材料に結合されにくい他のポリフッ化ビニリデンポリマーと異なり、官能基化ポリフッ化ビニリデン外層62は、共有結合等により、ポリマー内層64に直接に結合される。
【0029】
官能基化ポリフッ化ビニリデンは、ポリフッ化ビニリデンのポリマー鎖に化学的に結合された反応性官能基を含む。官能基化ポリフッ化ビニリデンの例としては、米国ペンシルバニア州フィラデルフィアのアルケマ・インコーポレイテッド(Arkema, Inc.)が販売するKYNAR(登録商標)ADXが挙げられる。官能基化ポリフッ化ビニリデン層の反応性官能基は内層64のポリマー鎖と化学結合している。
【0030】
いくつかの実施形態においては、反応性官能基は、マレイン酸、フマル酸、桂皮酸、クロトン酸、リノール酸等の不飽和カルボン酸を含む。いくつかの実施形態においては、反応性官能基は、無水マレイン酸を含む。
【0031】
いくつかの実施形態においては、官能基化ポリフッ化ビニリデンは放射線グラフト重合される反応性官能基を含む。放射線グラフト重合される官能基の例としては、カルボン酸を含んだ化合物やカルボン酸誘導体が挙げられる。
【0032】
図3の管状部材24及び図4の管状部材60のどちらも共押出し法により形成可能である。この方法において、外層42,62は内層44,64と同時に共押出しされる。外層42,62が内層44,64と同時に共押出しされるということは、外層42,62は内層44,64と同一の押出し処理において共押出しされ、この押出し処理において、外層42,62及び内層44,64の両方が共に溶解状態のポリマーであるということである。外層42,62を内層44,64上に共押出しすることにより、層44,64が直接に結合される。例えば、官能基化ポリフッ化ビニリデンのポリフッ化ビニリデンのポリマー鎖に化学的に結合された反応性官能基を含めることにより、管状部材24,60の外層42,62と内層44,64との間に共有結合等の化学結合が形成される。
【0033】
図5に示すように、共押出し処理に使用可能な押出しシステムは、第1の押出し機110、第2の押出し機120、マンドレル130、及び押出し型140を備える。
第1の溶解したポリマー112が第1の押出し機110によりマンドレル130の上に押出される。例えば、第1の押出し機110のスクリュー114が、第1の押出し機110の頭部から第1の溶解したポリマー112をマンドレル130上に送り出す。第1の溶解したポリマー112が付着したマンドレル130は第2の押出し機120に進入する。第2の溶解したポリマー122が第2の押出し機120により第1の溶解したポリマー112の上に押出される。例えば、第2の押出し機120のスクリュー124が、第2の押出し機120の頭部から第2の溶解したポリマーを第1の溶解したポリマーの上に送り出す。その結果、第1の溶解したポリマー112の層及び第2の溶解したポリマー122の層がマンドレル130上に共通の軸を有するよう配置される。
【0034】
次いで、溶解したポリマー112の第1の層及び溶解したポリマー122の第2の層が溶解状態にある間に、第1の溶解したポリマー112の層、第2の溶解したポリマー122の層、及びマンドレル130が押出し型140を通される。溶解したポリマーの層が押出し型140を通ることにより二層ポリマーチューブ150が形成される。この二層ポリマーチューブ150においては、外層142が内層144に直接に結合され、内層144と外層142との間には介在層が存在しない。
【0035】
内層144及び外層142のいずれか一方は官能基化ポリフッ化ビニリデンポリマーであってよく、他方はポリフッ化ビニリデン重合体等の、通常の場合はフッ素ポリマーに対する融和性を有しないポリマーであってよく、例えば、ポリアミド、ポリエーテルブロックアミド、ポリウレタン、ポリエチレン、ポリエーテル等であってよい。
【0036】
本明細書に記載の官能基化ポリフッ化ビニリデンポリマーを内層144及び外層142のいずれか一方として用いると、この官能基化ポリフッ化ビニリデンのポリマー鎖に化学的に結合された反応性官能基が含有されていることにより、内層144が外層142に化学的に結合される。
【0037】
二層ポリマーチューブ150は、カテーテルシャフトの内側管状部材又は外側管状部材等の、医療器具の管状部材として使用可能である。内層144と外層142との間の化学結合により、使用時におけるポリマーチューブ150の剥離が防止される。前述の構成により、管状部材に潤滑性を供するフッ素ポリマー層を有するカテーテルの管状部材の製造において、この潤滑フッ素化ポリマー層を、通常の場合はフッ素ポリマーに結合され得ない他のポリマー層に直接に結合させることができる。
【0038】
本発明の種々の別例が、本発明の範囲及び趣旨から逸脱することなく、当業者に明らかになるであろう。本発明は、前述の例示的実施形態に限定されるものでないことを留意されたい。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1端、第2端、ならびに同第1端及び第2端の間に延びる管状壁を有する長尺状をなす管状部材を備えるカテーテルシャフトにおいて、
前記長尺状をなす管状部材が、
通常の場合はフッ素ポリマーに結合され得ないポリマーから形成されるポリマー外層と、
前記ポリマー外層に結合されたフッ素ポリマー内層と、を有し、
前記フッ素ポリマー内層が、前記ポリマー外層に対する結合親和性を有する官能基化ポリフッ化ビニリデンを含み、
前記官能基化ポリフッ化ビニリデンが、ポリフッ化ビニリデンのポリマー鎖に化学的に結合された反応性官能基を含むことを特徴とするカテーテルシャフト。
【請求項2】
前記反応性官能基が無水マレイン酸を含む請求項1に記載のカテーテルシャフト。
【請求項3】
前記官能基化ポリフッ化ビニリデンが放射線グラフト重合された反応性官能基を含む請求項1に記載のカテーテルシャフト。
【請求項4】
前記放射線グラフト重合された反応性官能基がカルボン酸を含む化合物又はカルボン酸誘導体を含む請求項3に記載のカテーテルシャフト。
【請求項5】
前記放射線グラフト重合された反応性官能基が無水マレイン酸を含む請求項3に記載のカテーテルシャフト。
【請求項6】
前記官能基化ポリフッ化ビニリデンが前記ポリマー外層のポリマーに共有結合された請求項1に記載のカテーテルシャフト。
【請求項7】
前記ポリマー外層がポリエーテルブロックアミド層である請求項1に記載のカテーテルシャフト。
【請求項8】
前記ポリマー外層がポリエステル層である請求項1に記載のカテーテルシャフト。
【請求項9】
前記ポリマー外層がポリウレタン層である請求項1に記載のカテーテルシャフト。
【請求項10】
前記ポリマー外層がポリエチレン層である請求項1に記載のカテーテルシャフト。
【請求項11】
第1端、第2端、ならびに同第1端及び第2端の間に延びる管状壁を有する長尺状をなす管状部材を備えるカテーテルシャフトにおいて、
前記長尺状をなす管状部材が、
通常の場合はフッ素ポリマーに結合され得ないポリマーから形成されるポリマー内層と、
前記ポリマー内層に結合されたフッ素ポリマー外層と、を有し、
前記フッ素ポリマー外層が、前記ポリマー内層に対する結合親和性を有する官能基化ポリフッ化ビニリデンを含み、
前記官能基化ポリフッ化ビニリデンが、ポリフッ化ビニリデンのポリマー鎖に化学的に結合された反応性官能基を含むことを特徴とするカテーテルシャフト。
【請求項12】
前記反応性官能基が無水マレイン酸を含む請求項11に記載のカテーテルシャフト。
【請求項13】
前記官能基化ポリフッ化ビニリデンが放射線グラフト重合された反応性官能基を含む請求項11に記載のカテーテルシャフト。
【請求項14】
前記放射線グラフト重合された反応性官能基がカルボン酸を含む化合物又はカルボン酸誘導体を含む請求項13に記載のカテーテルシャフト。
【請求項15】
前記放射線グラフト重合された反応性官能基が無水マレイン酸を含む請求項13に記載のカテーテルシャフト。
【請求項16】
前記官能基化ポリフッ化ビニリデンが前記ポリマー外層のポリマーに共有結合された請求項11に記載のカテーテルシャフト。
【請求項17】
前記ポリマー内層がポリエーテルブロックアミド層である請求項11に記載のカテーテルシャフト。
【請求項18】
前記ポリマー内層がポリエステル層である請求項11に記載のカテーテルシャフト。
【請求項19】
前記ポリマー内層がポリウレタン層である請求項11に記載のカテーテルシャフト。
【請求項20】
前記ポリマー内層がポリエチレン層である請求項11に記載のカテーテルシャフト。
【請求項21】
溶解状態にある第1ポリマーをマンドレルの上に押出して同第1ポリマーの第1の溶解した層を形成する工程と、
前記第1ポリマーの第1の溶解した層の上に溶解状態にある第2ポリマーを押出して第1ポリマーの第1の溶解した層の上に同第2ポリマーの第2の溶解した層を形成する工程と、
前記第1の溶解した層及び第2の溶解した層が溶解状態にある間に、前記第1ポリマーの第1の溶解した層及び前記第2ポリマーの第2の溶解した層を押出し型に通す工程と、
前記第1ポリマーの第1の溶解した層及び第2ポリマーの第2の溶解した層を冷却させる冷却工程と、からなるカテーテルシャフトを形成する方法において、
前記第2ポリマーからなる内層に結合された第1のポリマーからなる外層を有する二層ポリマーチューブが形成され、同二層ポリマーチューブの外層と内層との間には介在層が存在せず、
前記第1ポリマー及び第2ポリマーのいずれか一方が官能基化ポリフッ化ビニリデンであり、他方が通常の場合はポリフッ化ビニリデンに対して融和性を有しないポリマーであることを特徴とする方法。
【請求項22】
前記官能基化ポリフッ化ビニリデンがポリフッ化ビニリデンのポリマー鎖に化学的に結合された反応性官能基を有する請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記第1ポリマーが官能基化ポリフッ化ビニリデンであり、同官能基化ポリフッ化ビニリデンが前記第2ポリマーに共有結合されている請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記第2ポリマーがポリアミド、ポリエーテルブロックアミド、ポリウレタン、ポリエチレン、及びポリエーテルのいずれかである請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記第2ポリマーが官能基化ポリフッ化ビニリデンであり、同官能基化ポリフッ化ビニリデンが前記第1ポリマーに共有結合されている請求項22に記載の方法。
【請求項26】
前記第1ポリマーがポリアミド、ポリエーテルブロックアミド、ポリウレタン、ポリエチレン、及びポリエーテルのいずれかである請求項25に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2012−501794(P2012−501794A)
【公表日】平成24年1月26日(2012.1.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−526908(P2011−526908)
【出願日】平成21年8月31日(2009.8.31)
【国際出願番号】PCT/US2009/055529
【国際公開番号】WO2010/030525
【国際公開日】平成22年3月18日(2010.3.18)
【出願人】(506192652)ボストン サイエンティフィック サイムド,インコーポレイテッド (172)
【氏名又は名称原語表記】BOSTON SCIENTIFIC SCIMED,INC.
【Fターム(参考)】