説明

共振器

【課題】高周波信号を結合線路を介して伝播する構成の共振器において、ハンダ付け処理を行うことなく結合線路を配設することができる共振器を提供しようとするものである。
【解決手段】高周波信号を伝播し、共振棒のみが配設された共振器と組み合わされてフィルタ装置を構成する共振器において、高周波信号を入力または出力する端子と接続され、共振棒と平行に配設された結合棒と、上記結合棒に、導体よりなるネジにより固定的に配設された導体よりなる結合線路とを有するようにしたものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、共振器に関し、さらに詳細には、高周波信号を伝播し、共振棒のみを備えた複数の共振器と組み合わされてフィルタ装置を構成する共振器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、共振棒のみを備えた共振器を複数用いてフィルタ装置を構成する場合には、高周波信号を入力する側と高周波信号を出力する側において、高周波信号を伝播する構成の共振器が利用される。
【0003】
こうした共振器を用いたフィルタ装置においては、結合棒を利用して、結合棒と共振棒とを電磁界結合させる結合棒方式の入出力機構を構成したり、あるいは、共振棒に直接結合線路を接続して高周波信号を給電するタップ結合方式の入出力機構を構成する。
【0004】

ここで、フィルタ装置として帯域通過フィルタを例とし、当該帯域通過フィルタにおいて用いられる結合棒方式およびタップ結合方式による入出力機構について説明することとする。
【0005】
図1(a)には、結合棒方式による入出力機構を備えた帯域通過フィルタの筐体側面の一部を破断した概略構成説明図が示されており、また、図1(b)には、図1(a)のI−I線による断面図が示されており、また、図2(a)には、図1(a)に示す帯域通過フィルタの入力部または出力部を拡大した拡大説明図が示されており、また、図2(b)には、図2(a)のA−A線による断面図が示されており、また、図3(a)には、タップ結合方式による入出力機構を備えた帯域通過フィルタの筐体側面の一部を破断した概略構成説明図が示されており、また、図3(b)には、図3(a)のII−II線による断面図が示されており、また、図4(a)には、図3(a)に示す帯域通過フィルタの入力部または出力部を拡大した拡大説明図が示されており、また、図4(b)は、図4(a)のB−B線による断面図が示されている。
【0006】

この図1に示す帯域通過フィルタ500においては、両端面が閉塞した四角筒形状の筐体502内において、4つの共振棒506a、506b、506c、506dが、互いに隣り合う共振棒とそれぞれ所定の間隔L2を開けて軸方向に並び、筐体502と短絡した状態で配設されている。
【0007】
筐体502の一方の端面502aには、入力部520が設けられている。こうした入力部520は、高周波信号を筐体502内に入力するための入力端子504と、共振棒506aと所定の間隔L1を開けて筐体502に短絡状態で配設された結合棒508と、入力端子504と結合棒508とを接続する導体よりなる結合線路510とを有して構成されている。
【0008】
結合線路510は、筐体502の壁面を貫通するようにして、一方の端部510bが入力端子504に接続され、他方の端部510aがハンダ付け処理により結合棒508に接続されている。これにより、結合線路510によって、入力端子504と結合棒508とが電気的に接続されることとなる。
【0009】
さらに、筐体502の他方の端面502bには、出力部530が設けられている。こうした出力部530は、帯域通過フィルタ500により処理された高周波信号を筐体502の外部に出力するための出力端子522と、共振棒506dと所定の間隔L1を開けて筐体502に短絡状態で配設された結合棒524と、出力端子522と結合棒とを接続する導体よりなる結合線路526とを有して構成されている。
【0010】
結合線路526は、筐体502の壁面を貫通するように、一方の端部526bが出力端子522に接続され、他方の端部526aがハンダ付け処理により結合棒524に接続されている。これにより、結合線路526によって、出力端子522と結合棒524とが電気的に接続されることとなる。
【0011】
なお、所定の間隔L1は、結合棒508、524から共振棒506a、506dに電磁界結合する最適な間隔となっており、所定の間隔L2は、隣り合う共振棒が電磁界結合する最適な間隔となっている。
【0012】
このように、帯域通過フィルタ500は、4つの共振器により構成されており、詳細には、入力部520が設けられた共振器、共振棒のみを備えた共振器2つ、出力部530が設けられた共振器により構成されていることとなる。
【0013】

こうした構成において、帯域通過フィルタ500に高周波信号を入力すると、入力端子504から入力された高周波信号は、結合線路510を介して結合棒508へ伝播する。
【0014】
結合棒508へ伝播した高周波信号は、共振棒506aに電磁界結合し、所望の共振周波数で励振する。
【0015】
共振棒506aに励振された高周波信号は、隣り合う共振棒に電磁界結合して共振棒506dまで伝播し、共振棒506dに励振された高周波信号は、結合棒524と電磁界結合する。
【0016】
その後、結合棒524に到達した高周波信号は、結合線路526を介して出力端子522から出力されることとなる。
【0017】

次に、図3に示す帯域通過フィルタ550においては、両端面が閉塞した四角筒形状の筐体552内において、4つの共振棒556a、556b、556c、556dが、互いに隣り合う共振棒とそれぞれ所定の間隔L2を開けて軸方向に並び、筐体552と短絡した状態で配設されている。
【0018】
筐体552の一方の端面552aには、入力部560が設けられている。こうした入力部560は、高周波信号を筐体552内に入力するための入力端子554と、入力端子554と共振棒556aとを接続する導体よりなる結合線路558とを有して構成されている。
【0019】
結合線路558は、筐体552の壁面を貫通するようにして、一方の端部558bが入力端子554に接続され、他方の端部558aがハンダ付け処理により共振棒556aと接続されている。これにより、結合線路558によって、入力端子554と共振棒556aとが電気的に接続されることとなる。
【0020】
さらに、筐体552の他方の端面552bには、出力部570が設けられている。こうした出力部570は、帯域通過フィルタ550により処理された高周波信号を筐体552の外部に出力するための出力端子562と、出力端子562と共振棒556dとを接続する導体よりなる結合線路564とを有して構成されている。
【0021】
結合線路564は、筐体552の壁面を貫通するようにして、一方の端部564bが入力端子562に接続され、他方の端部564aがハンダ付け処理により共振棒556dと接続されている。これにより、結合線路564によって、出力端子562と共振棒556dとが電気的に接続されることとなる。
【0022】
なお、所定間隔L2は、隣り合う共振棒が電磁界結合する最適な間隔となっている。
【0023】
このように、帯域通過フィルタ550は、4つの共振器により構成されており、詳細には、入力部560が設けられた共振器、共振棒のみを備えた共振器2つ、出力部570が設けられた共振器により構成されていることとなる。
【0024】

こうした構成において、帯域通過フィルタ550に高周波信号を入力すると、入力端子554から入力された高周波信号は、結合線路558を介して共振棒556aに給電される。
【0025】
共振棒556aに給電された高周波信号は、共振棒556aにおいて所望の共振周波数で励振する。
【0026】
共振棒556aに励振された高周波信号は、隣り合う共振棒に電磁界結合して共振棒556dまで伝播し、共振棒556dに励振された高周波信号は、結合線路564を介して出力端子から出力されることとなる。
【0027】

こうした帯域通過フィルタ500、550を構成する共振器においては、生産コストを抑制するためにダイキャストなどの工法により、筐体および共振棒あるいは筐体および結合棒を一体成型する場合がある。
【0028】
この場合、ハンダ付け処理によって結合線路を接続する際に、ハンダごての熱が筐体などから放熱されてしまい、ハンダ付け処理の作業性が悪化してしまうという問題点が指摘されていた。
【0029】
さらに、帯域通過フィルタ550を構成する共振器においては、ダイキャストの工法上、共振棒556a、556dの側面にそれぞれ結合線路558、564を接続するための穴を設けることが困難な場合もあり、容易に筐体および共振棒を一体成型することができないという問題点が指摘されていた。
【0030】

なお、本願出願人が特許出願のときに知っている先行技術は、文献公知発明に係る発明ではないため、本願明細書に記載すべき先行技術文献情報はない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0031】
本発明は、上記したような従来の技術の有する種々の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、高周波信号を結合線路を介して伝播する構成の共振器において、ハンダ付け処理を行うことなく結合線路を配設することができる共振器を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0032】
上記目的を達成するために、本発明は、高周波信号を伝播し、共振棒のみが配設された共振器と組み合わされてフィルタ装置を構成する共振器において、高周波信号を入力または出力する端子と接続され、共振棒と平行に配設された結合棒と、上記結合棒に、導体よりなるネジにより固定的に配設された導体よりなる結合線路とを有するようにしたものである。
【0033】
また、本発明は、高周波信号を伝播し、共振棒のみが配設された共振器と組み合わされてフィルタ装置を構成する共振器において、高周波信号を入力または出力する端子と接続され、共振棒と一体的に配設された結合棒と、上記結合棒に、導体よりなるネジにより固定的に配設された導体よりなる結合線路とを有するようにしたものである。
【0034】
また、本発明は、上記した発明において、上記結合線路は、板状の金属導体で構成されるようにしたものである。
【0035】
また、本発明は、上記した発明において、上記結合線路は、前記絶縁基板上に形成された導体パターンで構成されるようにしたものである。
【0036】
また、本発明は、上記した発明において、上記結合線路は、金属線で構成されるようにしたものである。
【発明の効果】
【0037】
本発明は、以上説明したように構成されているので、高周波信号を結合線路を介して伝播する構成の共振器において、ハンダ付け処理を行うことなく結合線路を配設することができるという優れた効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】図1(a)は、従来の技術による結合棒方式の入出力機構を備えた帯域通過フィルタの筐体側面の一部を破断した概略構成説明図であり、また、図1(b)は、図1(a)のI−I線断面図である。
【図2】図2(a)は、図1(a)に示す帯域通過フィルタの入力部または出力部を拡大した拡大説明図であり、また、図2(b)は、図2(a)のA−A線断面図である。
【図3】図3(a)は、従来の技術によるタップ結合方式の入出力機構を備えた帯域通過フィルタの筐体側面の一部を破断した概略構成説明図であり、また、図3(b)は、図3(a)のII−II線断面図である。
【図4】図4(a)は、図3(a)に示す帯域通過フィルタの入力部または出力部を拡大した拡大説明図であり、また、図4(b)は、図4(a)のB−B線断面図である。
【図5】図5(a)は、本発明の第1の実施の形態による共振器を備えた帯域通過フィルタの筐体側面の一部を破断した概略構成説明図であり、また、図5(b)は、図5(a)のIII−III線断面図である。
【図6】図6(a)は、図5(a)に示す帯域通過フィルタの入力部または出力部を拡大した拡大説明図が示されており、また、図6(b)は、図6(a)のC−C線断面図であり、また、図6(c)は、入力部または出力部において結合棒と結合線路との接続前の状態を示す説明図である。
【図7】図7(a)は、本発明の第2の実施の形態による共振器を備えた帯域通過フィルタの筐体側面の一部を破断した概略構成説明図であり、また、図7(b)は、図7(a)のIV−IV線断面図である。
【図8】図8(a)は、図7(a)に示す帯域通過フィルタの入力部または出力部を拡大した拡大説明図であり、また、図8(b)は、図8(a)のD−D線断面図であり、また、図8(c)は、入力部または出力部において結合棒と絶縁基板との接続前の状態を示す説明図である。
【図9】図9(a)は、本発明の第3の実施の形態による共振器を備えた帯域通過フィルタの筐体側面の一部を破断した概略構成説明図であり、また、図9(b)は、図9(a)のV−V線断面図である。
【図10】図10(a)は、図9(a)に示す帯域通過フィルタの入力部または出力部を拡大した拡大説明図が示されており、また、図10(b)は、図10(a)のE−E線断面図であり、また、図10(c)は、入力部または出力部において結合棒と金属線との接続前の状態を示す説明図である。
【図11】図11(a)は、本発明の第4の実施の形態による共振器を備えた帯域通過フィルタの筐体側面の一部を破断した概略構成説明図であり、また、図11(b)は、図11(a)のVI−VI線断面図である。
【図12】図12(a)は、図11(a)に示す帯域通過フィルタの入力部または出力部を拡大した拡大説明図であり、また、図12(b)は、図12(a)のF−F線断面図であり、また、図12(c)は、入力部または出力部において結合棒と結合線路との接続前の状態を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0039】
以下、添付の図面を参照しながら、本発明による共振器の実施の形態の一例を詳細に説明するものとする。
【0040】
なお、以下の説明においては、図1乃至図4を参照しながら説明した従来の共振器と同一または相当する構成については、上記において用いた符号と同一の符号を用いて示すことにより、その詳細な構成ならびに作用効果の説明は適宜に省略することとする。
【0041】

まず、図5を参照しながら、本発明による共振器の第1の実施の形態について説明する。
【0042】
図5(a)には、本発明の第1の実施の形態による共振器を備えた帯域通過フィルタの筐体側面の一部を破断した概略構成説明図が示されており、また、図5(b)には、図5(a)のIII−III線による断面図が示されており、また、図6(a)には、図5(a)に示す帯域通過フィルタの入力部または出力部を拡大した拡大説明図が示されており、また、図6(b)には、図6(a)のC−C線による断面図が示されており、また、図6(c)には、入力部または出力部において結合棒と結合線路との接続前の状態を示す説明図が示されている。
【0043】

この図5に示す帯域通過フィルタ10においては、両端面が閉塞した四角筒形状の筐体12内において、4つの共振棒16a、16b、16c、16dが、互いに隣り合う共振棒とそれぞれ所定の間隔L2を開けて軸方向に並び、筐体12と一体的に形成されている。
【0044】
なお、共振棒16a、16b、16c、16dおよび筐体12は、所望の通過帯域と減衰帯域を備えるように寸法設定されている。
【0045】
筐体12の一方の端面12aには、入力部26が設けられている。こうした入力部26は、高周波信号を筐体12内に入力するための入力端子14と、共振棒16aと平行であり、かつ、共振棒16aと所定の間隔L1を開けて筐体12と一体的に形成された結合棒20と、入力端子14と結合棒20とを接続する板状の金属よりなる結合線路18とを有して構成されている。
【0046】
結合線路18は、一方の端部18bにおいて、筐体12の壁面を貫通するようにして入力端子14と接続されている。
【0047】
また、結合線路18は、他方の端部18aにおいて結合棒20とネジ22により接続されている。なお、このネジ22は、導体により作製されており、例えば、筐体12あるいは結合線路18と同じ素材により作製されている。
【0048】
結合棒20の上端部20aには、ネジ22とネジ結合可能なネジ穴20bが設けられており、また、結合線路18の他方の端部18aには、ネジ22を挿入可能な孔18aaが設けられている。
【0049】
そして、結合棒20の上端面20aにおいて、ネジ穴20b上に孔18aaが位置するように結合線路18を配置し、ネジ22の軸22aを孔18aaに通してネジ穴20bにはめ込む。
【0050】
その後、ネジ22を所定の方向に回転させることにより、ネジ22を結合棒20にねじ込んでネジ結合させ、結合棒20に結合線路18を固定する。
【0051】
これにより、入力部26においては、ネジ22および結合線路18により入力端子14と結合棒20とが電気的に接続されることとなる。
【0052】
さらに、筐体12の他方の端面12bには、出力部36が設けられている。こうした出力部36は、帯域通過フィルタ10により処理された高周波信号を筐体12の外部に出力するための出力端子24と、共振棒16dと平行であり、かつ、共振棒16dと所定の間隔L1を開けて筐体12と一体的に形成された結合棒30と、出力端子24と結合棒30とを接続する板状の金属よりなる結合線路28とを有して構成されている。
【0053】
結合線路28は、一方の端部28bにおいて、筐体12の壁面を貫通するようにして出力端子24と接続されている。
【0054】
また、結合線路28は、他方の端部28aにおいて結合棒30とネジ32により接続されている。なお、このネジ32は、導体により作製されており、例えば、ネジ22と同様にして、筐体12あるいは結合線路28と同じ素材により作製されている。
【0055】
結合棒30の上端部30aには、ネジ32とネジ結合可能なネジ穴30bが設けられており、また、結合線路28の他方の端部28aには、ネジ32を挿入可能な孔28aaが設けられている。
【0056】
そして、結合棒30の上端面30aにおいて、ネジ穴30b上に孔28aaが位置するように結合線路28を配置し、ネジ32の軸32aを孔28aaに通してネジ穴30bにはめ込む。
【0057】
その後、ネジ32を所定の方向に回転させることにより、ネジ32を結合棒30にねじ込んでネジ結合させ、結合棒30に結合線路28を固定する。
【0058】
これにより、出力部36においては、ネジ32および結合線路28により出力端子24と結合棒30とが電気的に接続されることとなる。
【0059】
なお、所定の間隔L1は、結合棒20に伝播した高周波信号を共振棒16aに電磁界結合するのに最適な間隔であるとともに、共振棒16dにおいて励振された高周波信号を結合棒30に電磁界結合するのに最適な間隔である。
【0060】
このように、帯域通過フィルタ10は、4つの共振器により構成されており、詳細には、入力部26が設けられた共振器、筐体12と一体的に形成された共振棒のみを備えた共振器2つ、出力部36が設けられた共振器により構成されていることとなる。
【0061】

こうした構成において、帯域通過フィルタ10に高周波信号を入力すると、入力端子14から入力された高周波信号は、結合線路18を介して結合棒20へ伝播する。
【0062】
結合棒20へ伝播した高周波信号は、共振棒16aへ電磁界結合し、所望の共振周波数で励振する。
【0063】
共振棒16aに励振された高周波信号は、隣り合う共振棒へ電磁界結合して共振棒16dまで伝播し、共振棒16dに励振された高周波信号は、結合棒30と電磁界結合する。
【0064】
その後、結合棒30に到達した高周波信号は、結合線路28を介して出力端子24から帯域通過フィルタ10の外部に出力されることとなる。
【0065】
即ち、第1の実施の形態において入力部26および出力部36を備えた共振器は、結合棒方式の入出力機構となっている。
【0066】

次に、図7を参照しながら、本発明による共振器の第2の実施の形態について説明する。
【0067】
図7(a)には、本発明の第2の実施の形態による共振器を備えた帯域通過フィルタの筐体側面の一部を破断した概略構成説明図が示されており、また、図7(b)には、図7(a)のIV−IV線による断面図が示されており、また、図8(a)には、図7(a)に示す帯域通過フィルタの入力部または出力部を拡大した拡大説明図が示されており、また、図8(b)には、図8(a)のD−D線による断面図が示されており、また、図8(c)には、入力部または出力部において結合棒と結合線路絶縁基板との接続前の状態を示す説明図が示されている。
【0068】

この図7に示す帯域通過フィルタ40においては、両端面が閉塞した四角筒形状の筐体42内において、4つの共振棒46a、46b、46c、46dが、互いに隣り合う共振棒とそれぞれ所定の間隔L2を開けて軸方向に並び、筐体42と一体的に形成されている。
【0069】
なお、共振棒46a、46b、46c、46dおよび筐体42は、所望の通過帯域と減衰帯域を備えるように寸法設定されている。
【0070】
筐体42の一方の端面42aには、入力部56が設けられている。こうした入力部56は、高周波信号を筐体42内に入力するための入力端子44と、共振棒46aと平行であり、かつ、共振棒46aと所定の間隔L1を開けて筐体42と一体的に形成された結合棒50と、入力端子44と結合棒50とを接続する導体パターン48−1が形成された絶縁基板48とを有して構成されている。
【0071】
また、筐体42の一方の端面42aの筐体内部においては、絶縁基板48が入力端子44および結合棒50と接続する際に、絶縁基板48を安定して配設するための凸部64が設けられている。
【0072】
絶縁基板48に形成された導体パターン48−1は、一方の端部48−1aにおいて絶縁基板とともに筐体42の壁面を貫通するようにして入力端子44と接続されている。
【0073】
また、絶縁基板48に形成された導体パターン48−1は、他方の端部48−1bにおいて結合棒50とネジ52により接続されている。なお、このネジ52は、導体により作製されており、例えば、筐体42あるいは導体パターン48−1と同じ素材により作製されている。
【0074】
結合棒50の上端部50aには、ネジ52とネジ結合可能なネジ穴50bが設けられており、また、絶縁基板48に形成された導体パターン48−1の他方の端部48−1bには、絶縁基板48を貫通してネジ52を挿入可能な孔48aが設けられている。
【0075】
そして、結合棒50の上端面50aにおいて、ネジ穴50b上に孔48aが位置するように絶縁基板48を配置し、ネジ52の軸52aを孔48aに通してネジ穴50bにはめ込む。
【0076】
その後、ネジ52を所定の方向に回転させることにより、ネジ52を結合棒50にねじ込んでネジ結合させ、結合棒50に絶縁基板48を固定する。
【0077】
これにより、入力部56においては、ネジ52および絶縁基板48に形成された導体パターン48−1により入力端子44と結合棒50とが電気的に接続されることとなる。
【0078】
さらに、筐体42の他方の端面42bには、出力部66が設けられている。こうした出力部66は、帯域通過フィルタ40により処理された高周波信号を筐体42の外部に出力するための出力端子54と、共振棒46dと平行であり、かつ、共振棒46dと所定の間隔L1を開けて筐体42と一体的に形成された結合棒60と、出力端子54と結合棒60とを接続する導体パターン58−1が形成された絶縁基板58とを有して構成されている。
【0079】
また、筐体42の一方の端面42bの筐体内部においては、絶縁基板58が出力端子54および結合棒600と接続する際に、絶縁基板58を安定して配設するための凸部68が設けられている。
【0080】
絶縁基板58に形成された導体パターン58−1は、一方の端部58−1aにおいて絶縁基板とともに筐体42の壁面を貫通するようにして出力端子54と接続されている。
【0081】
また、絶縁基板58に形成された導体パターン58−1は、他方の端部58−1bにおいて結合棒60とネジ62により接続されている。なお、このネジ62は、導体により作製されており、例えば、ネジ52と同様にして、筐体42あるいは導体パターン58−1と同じ素材により作製されている。
【0082】
結合棒60の上端部60aには、ネジ62とネジ結合可能なネジ穴60bが設けられており、また、絶縁基板58に形成された導体パターン58−1の他方の端部58−1bには、絶縁基板58を貫通してネジ62を挿入可能な孔58aが設けられている。
【0083】
そして、結合棒60の上端面60aにおいて、ネジ穴60b上に孔58aが位置するように絶縁基板58を配置し、ネジ62の軸62aを孔58aに通してネジ穴60bにはめ込む。
【0084】
その後、ネジ62を所定の方向に回転させることにより、ネジ62を結合棒60にねじ込んでネジ結合させ、結合棒60に絶縁基板58を固定する。
【0085】
これにより、出力部66においては、ネジ62および絶縁基板58に形成された導体パターン58−1により出力端子54と結合棒60とが電気的に接続されることとなる。
【0086】
なお、所定の間隔L1は、結合棒50に伝播した高周波信号を共振棒46aに電磁界結合するのに最適な間隔であるとともに、共振棒46dにおいて励振された高周波信号を結合棒60に電磁界結合するのに最適な間隔である。
【0087】
このように、帯域通過フィルタ40は、4つの共振器により構成されており、詳細には、入力部56が設けられた共振器、筐体42と一体的に形成された共振棒のみを備えた共振器2つ、出力部66が設けられた共振器により構成されていることとなる。
【0088】

こうした構成において、帯域通過フィルタ40に高周波信号を入力すると、入力端子44から入力された高周波信号は、導体パターン48−1を介して結合棒50へ伝播する。
【0089】
結合棒50へ伝播した高周波信号は、共振棒46aへ電磁界結合し、所望の共振周波数で励振する。
【0090】
共振棒46aに励振された高周波信号は、隣り合う共振棒へ電磁界結合して共振棒46dまで伝播し、共振棒46dに励振された高周波信号は、結合棒60と電磁界結合する。
【0091】
その後、結合棒60に到達した高周波信号は、導体パターン58−1を介して出力端子54から帯域通過フィルタ40の外部に出力されることとなる。
【0092】
即ち、第2の実施の形態において入力部56および出力部66を備えた共振器は、結合棒方式の入出力機構となっている。
【0093】

次に、図9を参照しながら、本発明による共振器の第3の実施の形態について説明する。
【0094】
図9(a)には、本発明の第3の実施の形態による共振器を備えた帯域通過フィルタの筐体側面の一部を破断した概略構成説明図が示されており、また、図9(b)には、図9(a)のV−V線による断面図が示されており、また、図10(a)には、図9(a)に示す帯域通過フィルタの入力部または出力部を拡大した拡大説明図が示されており、また、図10(b)には、図10(a)のE−E線による断面図が示されており、また、図10(c)には、入力部または出力部において結合棒と金属線との接続前の状態を示す説明図が示されている。
【0095】

この図9に示す帯域通過フィルタ70においては、両端面が閉塞した四角筒形状の筐体72内において、4つの共振棒76a、76b、76c、76dが、互いに隣り合う共振棒とそれぞれ所定の間隔L2を開けて軸方向に並び、筐体72と一体的に形成されている。
【0096】
なお、共振棒76a、76b、76c、76dおよび筐体72は、所望の通過帯域と減衰帯域を備えるように寸法設定されている。
【0097】
筐体72の一方の端面72aには、入力部86が設けられている。こうした入力部86は、高周波信号を筐体72内に入力するための入力端子74と、共振棒76aと平行であり、かつ、共振棒76aと所定の間隔L1を開けて筐体72と一体的に形成された結合棒80と、入力端子74と結合棒80とを接続する金属線78とを有して構成されている。
【0098】
金属線78は、一方の端部78bにおいて、筐体72の壁面を貫通するようにして入力端子74と接続されている。
【0099】
また、金属線78は、他方の端部78cにおいて結合棒80とネジ82により接続されている。なお、このネジ82は、導体により作製されており、例えば、筐体72あるいは金属線78と同じ素材により作製されている。
【0100】
結合棒80の上端部80aには、ネジ82とネジ結合可能なネジ穴80bが設けられており、また、金属線78の他方の端部78cには、ネジ22を挿入可能なリング78aが設けられている。
【0101】
そして、結合棒80の上端面80aにおいて、ネジ穴80b上にリング78aが位置するように金属線78を配置し、ネジ82の軸82aをリング78aに通してネジ穴80bにはめ込む。
【0102】
その後、ネジ82を所定の方向に回転させることにより、ネジ82を結合棒80にねじ込んでネジ結合させ、結合棒80に金属線78を固定する。
【0103】
これにより、入力部86においては、ネジ82および金属線78により入力端子74と結合棒80とが電気的に接続されることとなる。
【0104】
さらに、筐体72の他方の端面72bには、出力部96が設けられている。こうした出力部96は、帯域通過フィルタ70により処理された高周波信号を筐体72の外部に出力するための出力端子84と、共振棒76dと平行であり、かつ、共振棒76dと所定の間隔L1を開けて筐体72と一体的に形成された結合棒90と、出力端子84と結合棒90とを接続する金属線88とを有して構成されている。
【0105】
金属線88は、一方の端部88bにおいて、筐体72の壁面を貫通するようにして出力端子84と接続されている。
【0106】
また、金属線88は、他方の端部88cにおいて結合棒90とネジ92により接続されている。なお、このネジ92は、導体により作製されており、例えば、ネジ82と同様にして、筐体72あるいは金属線88と同じ素材により作製されている。
【0107】
結合棒90の上端部90aには、ネジ92とネジ結合可能なネジ穴90bが設けられており、また、金属線88の他方の端部88cには、ネジ92を挿入可能なリング88aが設けられている。
【0108】
そして、結合棒90の上端面90aにおいて、ネジ穴90b上にリング88aが位置するように金属線88を配置し、ネジ92の軸92aをリング88aに通してネジ穴90bにはめ込む。
【0109】
その後、ネジ92を所定の方向に回転させることにより、ネジ92を結合棒90にねじ込んでネジ結合させ、結合棒90に金属線88を固定する。
【0110】
これにより、出力部96においては、ネジ92および金属線88により出力端子84と結合棒90とが電気的に接続されることとなる。
【0111】
なお、所定の間隔L1は、結合棒80に伝播した高周波信号を共振棒76aに電磁界結合するのに最適な間隔であるとともに、共振棒76dにおいて励振された高周波信号を結合棒90に電磁界結合するのに最適な間隔である。
【0112】
このように、帯域通過フィルタ70は、4つの共振器により構成されており、詳細には、入力部86が設けられた共振器、筐体72と一体的に形成された共振棒のみを備えた共振器2つ、出力部96が設けられた共振器により構成されていることとなる。
【0113】

こうした構成において、帯域通過フィルタ70に高周波信号を入力すると、入力端子74から入力された高周波信号は、金属線78を介して結合棒80へ伝播する。
【0114】
結合棒80へ伝播した高周波信号は、共振棒76aへ電磁界結合し、所望の共振周波数で励振する。
【0115】
共振棒76aに励振された高周波信号は、隣り合う共振棒へ電磁界結合して共振棒76dまで伝播し、共振棒76dに励振された高周波信号は、結合棒90と電磁界結合する。
【0116】
その後、結合棒90に到達した高周波信号は、金属線88を介して出力端子84から帯域通過フィルタ70の外部に出力されることとなる。
【0117】
即ち、第3の実施の形態において示した入力部86および出力部96を備えた共振器は、結合棒方式の入出力機構となっている。
【0118】

次に、図11を参照しながら、本発明による共振器の第4の実施の形態について説明する。
【0119】
図11(a)には、本発明の第4の実施の形態による共振器を備えた帯域通過フィルタの筐体側面の一部を破断した概略構成説明図が示されており、また、図11(b)には、図11(a)のVI−VI線による断面図が示されており、また、図12(a)には、図11(a)に示す帯域通過フィルタの入力部または出力部を拡大した拡大説明図が示されており、また、図12(b)には、図12(a)のF−F線による断面図が示されており、また、図12(c)には、入力部または出力部において結合棒と結合線路との接続前の状態を示す説明図が示されている。
【0120】

この図11に示す帯域通過フィルタ100においては、両端面が閉塞した四角筒形状の筐体102内において、4つの共振棒106a、106b、106c、106dが、互いに隣り合う共振棒とそれぞれ所定の間隔L2を開けて軸方向に並び、筐体102と一体的に形成されている。
【0121】
なお、共振棒106a、106b、106c、106dおよび筐体102は、所望の通過帯域と減衰帯域を備えるように寸法設定されている。
【0122】
筐体102の一方の端面102aには、入力部116が設けられている。こうした入力部116は、高周波信号を筐体102内に入力するための入力端子104と、共振棒106aと平行であり、かつ、共振棒106aおよび筐体102と一体的に形成された結合棒110と、入力端子104と結合棒110とを接続する板状の金属よりなる結合線路108とを有して構成されている。
【0123】
結合線路108は、一方の端部108bにおいて、筐体102の壁面を貫通するようにして入力端子104と接続されている。
【0124】
また、結合線路108は、他方の端部108aにおいて結合棒110とネジ112により接続されている。なお、このネジ112は、導体により作製されており、例えば、筐体102あるいは結合線路108と同じ素材により作製されている。
【0125】
結合棒110の上端部110aには、ネジ112とネジ結合可能なネジ穴110bが設けられており、また、結合線路108の他方の端部108aには、ネジ112を挿入可能な孔108aaが設けられている。
【0126】
そして、結合棒110の上端面110aにおいて、ネジ穴110b上に孔108aaが位置するように結合線路108を配置し、ネジ112の軸112aを孔108aaに通してネジ穴110bにはめ込む。
【0127】
その後、ネジ112を所定の方向に回転させることにより、ネジ112を結合棒110にねじ込んでネジ結合させ、結合棒110に結合線路108を固定する。
【0128】
これにより、入力部116においては、ネジ112および結合線路108により入力端子104と結合棒110とが電気的に接続されることとなる。
【0129】
さらに、筐体102の他方の端面102bには、出力部126が設けられている。こうした出力部126は、帯域通過フィルタ100により処理された高周波信号を筐体102の外部に出力するための出力端子114と、共振棒106dと平行であり、かつ、共振棒106dおよび筐体102と一体的に形成された結合棒120と、出力端子114と結合棒120とを接続する板状の金属よりなる結合線路118とを有して構成されている。
【0130】
結合線路118は、一方の端部118bにおいて、筐体102の壁面を貫通するようにして出力端子114と接続されている。
【0131】
また、結合線路118は、他方の端部118aにおいて結合棒120とネジ122により接続されている。なお、このネジ122は、導体により作製されており、例えば、ネジ112と同様にして、筐体102あるいは結合線路118と同じ素材により作製されている。
【0132】
結合棒120の上端部120aには、ネジ122とネジ結合可能なネジ穴120bが設けられており、また、結合線路118の他方の端部118aには、ネジ122を挿入可能な孔118aaが設けられている。
【0133】
そして、結合棒120の上端面120aにおいて、ネジ穴120b上に孔118aaが位置するように結合線路118を配置し、ネジ122の軸122aを孔118aaに通してネジ穴120bにはめ込む。
【0134】
その後、ネジ122を所定の方向に回転させることにより、ネジ122を結合棒120にねじ込んでネジ結合させ、結合棒120に結合線路118を固定する。
【0135】
これにより、出力部126においては、ネジ122および結合線路118により出力端子114と結合棒120とが電気的に接続されることとなる。
【0136】

こうした構成において、帯域通過フィルタ100に高周波信号を入力すると、入力端子104から入力された高周波信号は、結合線路108を介して結合棒110へ伝播する。
【0137】
結合棒110へ伝播した高周波信号は、共振棒106aへ給電され、所望の共振周波数で励振する。
【0138】
共振棒106aに励振された高周波信号は、隣り合う共振棒へ電磁界結合して共振棒106dまで伝播し、共振棒106dに励振された高周波信号は、結合棒120に給電される。
【0139】
その後、結合棒120に到達した高周波信号は、結合線路118を介して出力端子114から帯域通過フィルタ100の外部へ出力されることとなる。
【0140】
このように、入力部116においては共振棒106aと結合線路108とが結合棒110を介して電気的に接続され、出力部126においては共振棒106dと結合線路118とが結合棒120を介して電気的に接続されているため、タップ結合方式として作用するものであって、第4の実施の形態において示した入力部116および出力部126を備えた共振器は、タップ結合方式の入出力機構となっている。
【0141】

以上において説明したように、帯域通過フィルタ10においては、入力部26において結合棒20と結合線路18とをネジ22により固定し、入力端子14と結合棒20とを結合線路18およびネジ22により電気的に接続した状態とした。また、出力部36において結合棒30と結合線路28とをネジ32により固定し、出力端子24と結合棒30とを結合線路28およびネジ32により電気的に接続した状態とした。
【0142】
また、帯域通過フィルタ40においては、入力部56において結合棒50と導体パターン48−1が形成された絶縁基板48とをネジ52により固定し、入力端子44と結合棒50とを絶縁基板48に形成された導体パターン48−1とネジ52とにより電気的に接続した状態とした。また、出力部66において結合棒60と導体パターン58−1が形成された絶縁基板58とをネジ62により固定し、出力端子54と結合棒60とを絶縁基板58に形成された導体パターン58−1とネジ62とにより電気的に接続した状態とした。
【0143】
さらに、帯域通過フィルタ70においては、入力部86において結合棒80と金属線78とをネジ82により固定し、入力端子74と結合棒80とを金属線78とネジ82とにより電気的に接続した状態とした。また、出力部96において結合棒90と金属線88とをネジ92により固定し、出力端子84と結合棒90とを金属線88とネジ92とにより電気的に接続した状態とした。
【0144】
さらにまた、帯域通過フィルタ100においては、入力部116において結合棒110と結合線路108とをネジ112により固定し、入力端子104と結合棒110とを結合線路108とネジ112とにより電気的に接続した状態とした。また、出力部126において結合棒120と結合線路118とをネジ122により固定し、出力端子114と結合棒120とを結合線路118とネジ122とにより電気的に接続した状態とした。
【0145】
このため、帯域通過フィルタ10、40、70、100において入力部および出力部を構成する共振器について、ハンダ付け処理を行うことなく、高周波信号を伝播するための結合線路を配設することができる。
【0146】

なお、上記した実施の形態は、以下の(1)乃至(6)に示すように変形することができるものである。
【0147】
(1)上記した実施の形態においては、帯域通過フィルタ70において、入力部86においては金属線78の他方の端部78cにリング78aを形成し、ネジ82の軸82aをリング78aに通して結合棒80に固定するようにした。さらに、出力部96においては金属線88の他方の端部88cにリング88aを形成し、ネジ92の軸92aをリング88aに通して結合棒90に固定するようにした。
【0148】
結合棒80、90にそれぞれネジ82、92を介して金属線78、88を固定する手法としては、これに限られるものではないことは勿論である。
【0149】
例えば、結合棒80、90にそれぞれネジ82、92を固定しておき、その後、各ネジ82、92の各軸82a、92aにそれぞれ金属線78、88を所定量だけ巻き付けて、金属線78、88をそれぞれ結合棒80、90に接続するようにしてもよい。
【0150】
(2)上記した実施の形態においては、帯域通過フィルタ70において、入力端子74、金属線78および結合棒80により入力部86を構成し、出力部84、金属線88および結合棒90により出力部96を構成するようにしたが、これに限られるものではないことは勿論であり、入力部86における入力端子74および金属線78、出力部96における出力端子84および金属線88に代えて、同軸ケーブルを使用するようにしてもよい。
【0151】
この場合には、ネジ82、92を用いてケーブルの中心導体を結合棒80、90に接続することとなる。
【0152】
(3)上記した実施の形態においては、帯域通過フィルタ100において、入力部116および出力部126における伝播手段としてそれぞれ板状の金属よりなる結合線路108、118を用いるようにしたが、これに限られるものではないことは勿論である。
【0153】
即ち、結合線路108、118に代えて、帯域通過フィルタ40における入力部56および出力部66で用いられている導体パターンが形成された絶縁基板を用いるようにしてもよいし、または、帯域通過フィルタ70における入力部86および出力部96で用いられている金属線を用いるようにしてもよい。
【0154】
(4)上記した実施の形態においては、帯域通過フィルタ10、40、70、100において、共振棒および結合棒を筐体に一体形成するようにしたが、共振棒および結合棒を筐体に短絡状態で接続すれば、共振棒および結合棒を筐体と一体形成しなくてもよいことは勿論である。
【0155】
(5)上記した実施の形態においては、帯域通過フィルタ100において、共振棒106aと結合棒110とを一体形成し、共振棒106dと結合棒120とを一体形成するようにしたが、共振棒106a、106dをそれぞれ結合棒110、120と短絡状態で配置するようにすれば互いに一体形成しなくてもよいことは勿論である。
【0156】
(6)上記した実施の形態ならびに上記した(1)乃至(5)に示す変形例は、適宜に組み合わせるようにしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0157】
本発明は、マイクロ波通信装置などに用いられるフィルタ装置を構成する共振器として利用することができる。
【符号の説明】
【0158】
10、40、70、100、500、550 帯域通過フィルタ
12、42、72、102、502、552 筐体
14、44、74、104、504、554 入力端子
16a、16b、16c、16d、46a、46b、46c、46d、76a、76b、76c、76d、106a、106b、106c、106d、506a、506b、506c、506d、556a、556b、556c、556d 共振棒
18、28、108、118、510、526、558、564 結合線路
20、30、50、60、80、90、110、120、508、524 結合棒
22、32、52、62、82、92、112、122 ネジ
24、54、84、114、522、562 出力端子
26、56、86、116 入力部
36、66、96、126 出力部
48、58 絶縁基板
48−1、58−1 導体パターン
78、88 金属線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
高周波信号を伝播し、共振棒のみが配設された共振器と組み合わされてフィルタ装置を構成する共振器において、
高周波信号を入力または出力する端子と接続され、共振棒と平行に配設された結合棒と、
前記結合棒に、導体よりなるネジにより固定的に配設された導体よりなる結合線路と
を有することを特徴とする共振器。
【請求項2】
高周波信号を伝播し、共振棒のみが配設された共振器と組み合わされてフィルタ装置を構成する共振器において、
高周波信号を入力または出力する端子と接続され、共振棒と一体的に配設された結合棒と、
前記結合棒に、導体よりなるネジにより固定的に配設された導体よりなる結合線路と
を有することを特徴とする共振器。
【請求項3】
請求項1または2のいずれか1項に記載の共振器において、
前記結合線路は、板状の金属導体で構成される
ことを特徴とする共振器。
【請求項4】
請求項1または2のいずれか1項に記載の共振器において、
前記結合線路は、前記絶縁基板上に形成された導体パターンで構成される
ことを特徴とする共振器。
【請求項5】
請求項1または2のいずれか1項に記載の共振器において、
前記結合線路は、金属線で構成される
ことを特徴とする共振器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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