説明

共有サーバ装置及び共有サーバ装置における情報アクセス制御方法

【課題】共有サーバ装置のユーザ毎に個別にユーザパスワードやユーザIDを設定しない場合などであっても、必要な情報にアクセスするための時間と手間を極力減らすことができるサーバ装置を提供することを目的とする。
【解決手段】複数のユーザからアクセスが可能で、前記ユーザ毎に対応した情報が格納される共有サーバ装置において、1つ又は複数の使用対象物の使用状況を検知する検知手段と、各使用対象物と当該使用対象物を使用するユーザの対応を示す使用ユーザ対応情報を記憶する使用ユーザ対応情報記憶手段と、前記検知手段による検知状態に応じて、前記使用ユーザ対応情報記憶手段に基づいていずれかの使用対象物を使用しているユーザを特定するユーザ特定手段と、ユーザが共有サーバ装置に格納された情報にアクセスする場合、前記ユーザ特定手段によって特定されたユーザに対応した情報へのアクセスを制限するアクセス制限手段とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パーソナルコンピュータ(以下、PCという。)などの端末装置からネットワークを介して複数のユーザにアクセスされる共有サーバ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、PCなどの端末装置からネットワークを介して複数のユーザにアクセスされる情報を格納した共有サーバ装置があった。このような共有サーバ装置においては、共有サーバ装置の各ユーザに個別に設定されたユーザパスワードやユーザIDを共有サーバ装置にネットワークを介して接続された端末装置に入力することにより、共有サーバ装置に格納された情報のうちユーザ毎に必要な情報に限定してアクセスすることや、共有サーバ装置のユーザ以外の者による共有サーバ装置へのアクセス及びユーザ毎にアクセス権限のある情報への他のユーザによるアクセスを制限することができた。
しかしながら、このようにユーザ毎に個別のユーザパスワードやユーザIDを設定するのは面倒であった。また、各ユーザは共有サーバ装置に格納された情報にアクセスする毎にユーザパスワードやユーザIDを端末装置に入力しなければならず面倒であった。また、ユーザが自己のユーザパスワードやユーザIDを忘れてしまった場合には、もはや共有サーバ装置に格納された情報にアクセスすることが不可能になることがあった。さらに、ユーザパスワードやユーザIDの端末装置への入力をキーボードにより行う場合、キーボードによる文字入力に不慣れな小さな子供や指が不自由な年配者などにとってはユーザパスワードやユーザIDの入力が困難な場合があった。このような理由から、敢えて共有サーバ装置のユーザ毎に個別にユーザパスワードやユーザIDを設定しないことや、設定されたユーザパスワードやユーザIDを端末装置に入力しないことが考えられる。
【特許文献1】特開2002−171503号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、共有サーバ装置のユーザ毎に個別にユーザパスワードやユーザIDを設定しない場合や、設定されたユーザパスワードやユーザIDを端末装置に入力しない場合には、共有サーバ装置に格納された情報のうちユーザ毎に必要な個人別情報に限定してアクセスすることができず、自己が必要とする情報にアクセスするために時間と手間がかかってしまうといった問題があった。 本発明はこのような問題に鑑みてなされたもので、共有サーバ装置のユーザ毎に個別にユーザパスワードやユーザIDを設定しない場合や、設定されたユーザパスワードやユーザIDを端末装置に入力しない場合であっても、各ユーザにとって不必要な情報へのアクセスを極力減らし、ひいては必要な情報にアクセスするための時間と手間を極力減らすことができる共有サーバ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
請求項1に記載の共有サーバ装置は、複数のユーザからアクセスが可能で、前記ユーザ毎に対応した情報が格納される共有サーバ装置において、
1つ又は複数の使用対象物の使用状況を検知する検知手段と、各使用対象物と当該使用対象物を使用するユーザの対応を示す使用ユーザ対応情報を記憶する使用ユーザ対応情報記憶手段と、前記検知手段による検知状態に応じて、前記使用ユーザ対応情報記憶手段に基づいていずれかの使用対象物を使用しているユーザを特定するユーザ特定手段と、ユーザが共有サーバ装置に格納された情報にアクセスする場合、前記ユーザ特定手段によって特定されたユーザに対応した情報へのアクセスを制限するアクセス制限手段とを有することを特徴とする。
【0005】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の共有サーバ装置において、前記ユーザ毎に対応した情報は各ユーザと個別に対応した個人別情報又は当該個人別情報と複数のユーザが共有する共有情報であって、ユーザが共有サーバ装置に格納された情報にアクセスする場合、前記アクセス制限手段は前記ユーザ特定手段によって特定されたユーザに個別に対応した個人別情報へのアクセスを制限することを特徴とする。
【0006】
請求項3に記載の共有サーバ装置における情報アクセス制御手段は、複数のユーザからアクセスが可能で、前記ユーザ毎に対応した情報が格納される共有サーバ装置における情報アクセス制御方法において、
1つ又は複数の使用対象物の使用状況を検知する検知手段と、各使用対象物と当該使用対象物を使用するユーザの対応を示す使用ユーザ対応情報を記憶する使用ユーザ対応情報記憶手段とを備え、
ユーザが共有サーバ装置に格納された情報にアクセスする場合、前記検知手段により使用している使用対象物を検知し、前記検知手段による検知状態に応じて、前記使用ユーザ対応情報記憶手段に基づいていずれかの使用対象物を使用しているユーザを特定し、特定されたユーザに対応する情報へのアクセスを制限することを特徴とする。
【0007】
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の共有サーバ装置における情報アクセス制御方法において、前記ユーザ毎に対応した情報は各ユーザと個別に対応した個人別情報又は当該個人別情報と複数のユーザが共有する共有情報であって、ユーザが共有サーバ装置に格納された情報にアクセスする場合、前記アクセス制限手段は特定されたいずれかの使用対象物を使用しているユーザに個別に対応した個人別情報へのアクセスを制限することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、ユーザが前記共有サーバ装置に格納された情報にアクセスするとき、前記ユーザ特定手段によって特定されたいずれかの使用対象物を使用しているユーザを前記共有サーバ装置に格納された情報にアクセスしていないユーザであるとみなし(いずれかの使用対象物を使用しているユーザが同時に前記共有サーバ装置に格納された情報にアクセスしている可能性は低いと考えられるため)、前記アクセス制限手段によっていずれかの使用対象物を使用しているユーザに対応する情報へのアクセスを制限することができる。
【0009】
これにより、前記共有サーバ装置にアクセスしていないとみなされたユーザ(いずれかの使用対象物を使用しているユーザ)に対応する情報(前記共有サーバ装置に格納された情報にアクセスするユーザにとって不必要な情報)へアクセスしてしまう状態を極力減らすことができ、ひいては、前記共有サーバ装置に格納された情報にアクセスするユーザにとって必要な情報にアクセスするための時間と手間を極力減らすことができる。
【0010】
また、本発明によれば、前記ユーザ毎に対応した情報が各ユーザに個別に対応した個人別情報、又は当該個人別情報と複数のユーザが共有する共有情報である場合には、ユーザが共有サーバ装置に格納された情報にアクセスするとき、前記ユーザ特定手段によって特定されたいずれかの使用対象物を使用しているユーザを前記共有サーバ装置に格納された情報にアクセスしていないユーザであるとみなし、いずれかの使用対象物を使用しているユーザ(前記共有サーバ装置に格納された情報にアクセスしていないとみなされたユーザ)と共有サーバ装置に格納された情報にアクセスしているユーザとが共有する共有情報へのアクセスは可能にしつつ、いずれかの使用対象物を使用しているユーザに個別に対応した個人別情報へのアクセスのみを制限することができる。
【0011】
これにより、いずれかの使用対象物を使用しているユーザ(共有サーバ装置にアクセスしていないとみなされたユーザ)と共有サーバ装置に格納された情報にアクセスするユーザとが共有する共有情報(共有サーバ装置に格納された情報にアクセスするユーザにとって必要な情報)へのアクセスは可能にしつつ、共有サーバ装置にアクセスしていないとみなされたユーザ(いずれかの使用対象物を使用しているユーザ)に個別に対応する個人別情報(共有サーバ装置に格納された情報にアクセスするユーザにとって不必要な情報)へアクセスしてしまう状態を極力減らすことができ、ひいては、共有サーバ装置に格納された情報にアクセスするユーザにとって必要な情報にアクセスするための時間と手間を極力減らすことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明の一実施例として、父、母、長男、次男の4人がユーザとしてアクセスするファイルを情報の種類毎にフォルダによって区分して格納した共有サーバ1を例にして説明する。
【0013】
図1は、共有サーバ1と、共有サーバ1にホームネットワークを介して接続されるPC9a乃至9d及び使用対象物7a乃至7kの関係を示す図である。
【0014】
父、母、長男、次男の各々は、共有サーバ1のユーザとして、ホームネットワークに接続されたPC9a乃至9dのいずれかを用いて共有サーバ1にフォルダによって区分して格納されたファイルにアクセスすることができる。さらに、このホームネットワークには複数の使用対象物7a乃至7kが接続されている。
【0015】
本実施例における使用対象物7a乃至7kは、例えば、図4に示す父用テレビ7a、キッチンの電灯7f、ゲーム機7kのように、父、母、長男、次男のうち1人又は複数のユーザに使用されるものである。各使用対象物7a乃至7kには当該使用対象物7a乃至7kが使用されている時にこの使用を示すフラグがセットされた状態にする使用状況判別回路8が設けられており、この使用状況判別回路8とホームネットワークにて接続された共有サーバ1に設けられた後述する検知回路2により当該使用対象物7a乃至7kの使用状況が検知される。
【0016】
ここで、使用状況判別回路において図1に示す各使用対象物7a乃至7kが使用されていることを示すフラグがセットされた状態となるのは、父用テレビ7a、母用テレビ7eの場合にはこれらテレビの電源(遠隔操作のための待機電源を除く)がオンの状態の時、父用ソファ7bの場合には父用ソファ7bに内蔵された着座センサの電源がユーザの着座によってオンになっている状態の時、父の部屋の電灯7c、キッチンの電灯7f、長男の部屋の電灯7i及び次男の部屋の電灯7jの場合にはこれら電灯のオン/オフスイッチがオンになっている状態の時、父の部屋のエアコン7dの場合にはエアコンの電源(タイマー設定等のための待機電源を除く)がオンの状態の時、クッキングヒータ7gの場合にはクッキングヒータ7gの電源がオンの状態の時、ゲーム機の場合にはゲーム機7gの電源がオンの状態の時である。
【0017】
また、反対に、使用状況判別回路において図1に示す各使用対象物7a乃至7kが使用されていることを示すフラグがリセットされた状態となるのは、父用テレビ7a、母用テレビ7eの場合にはこれらテレビの電源(遠隔操作のための待機電源を除く)がオフの状態の時、父用ソファ7bの場合には父用ソファ7bに内蔵された着座センサの電源がオフになっている状態の時、父の部屋の電灯7c、キッチンの電灯7f、長男の部屋の電灯7i及び次男の部屋の電灯7jの場合にはこれら電灯のオン/オフスイッチがオフになっている状態の時、父の部屋のエアコン7dの場合にはエアコンの電源(タイマー設定等のための待機電源を除く)がオフの状態の時、クッキングヒータ7gの場合にはクッキングヒータ7gの電源がオフの状態の時、ゲーム機の場合にはゲーム機7gの電源がオフの状態の時である。
【0018】
尚、本実施例においては、いずれかの使用対象物7a乃至7kを使用しているユーザを共有サーバ1に格納された各ユーザに個別に対応した個人別情報に関するファイルにアクセスしていないユーザであるとみなすため、図4に示すように、共有サーバ1と接続されたPC9と同時に使用される可能性が低い物が使用対象物7a乃至7kとして設定されている。
【0019】
図2は、共有サーバ1の概略構成を示すブロック図である。
【0020】
検知回路2は、検知手段として機能し、各使用対象物7a乃至7kの使用状況を検知し、この検知結果(使用中又は未使用)を検知信号として後述するユーザ特定回路4に出力する。
【0021】
ここで、検知回路2による各使用対象物7a乃至7kの使用状況の具体的検知方法を図3のフローチャートを用いて説明する。
【0022】
初めに、共有サーバ1がPC9から送信されるアクセス要求を受信すると(S1)、共有サーバ1に設けられた検知回路2は、ホームネットワークを介して接続された各使用対象物7a乃至7kに設けられた使用状態判別回路8にアクセスし、使用対象物7a乃至7k毎の使用状況を示すフラグの状態(セットされているか否か)を検知する(S2)。この検知の結果、フラグがセットされている使用対象物7a乃至7kについては当該使用対象物7a乃至7kが使用されていることを示す検知信号を後述するユーザ特定回路4に出力する一方(S3)、フラグがセットされていない使用対象物7a乃至7kについては当該使用対象物7が使用されていないことを示す検知信号をユーザ特定回路4に出力する(S4)。
【0023】
使用ユーザ対応情報記憶回路3は、使用ユーザ対応情報記憶手段として機能し、図4に示すように、各使用対象物7a乃至7kと当該使用対象物7a乃至7kを使用するユーザの対応を示す使用ユーザ対応情報を記憶するものである。
【0024】
ここで、図4に示す使用ユーザ対応情報は、1つ又は複数の使用対象物7a乃至7kを使用しているユーザが父、母、長男、次男のうち1人又は複数のユーザである可能性を数値で表したものであり、1つ又は複数の使用対象物7a乃至7kに対応する数値を父、母、長男、次男毎に合計し、これらの合計値が1.0以上であるユーザが後述するユーザ特定回路4によっていずれかの使用対象物7a乃至7kを使用しているユーザとして判断される。尚、このような数値は父、母、長男、次男による過去の各使用対象物7a乃至7kの使用状況に基づいて予め設定されているものであり、その後の各使用対象物7a乃至7kの使用状況に応じて適宜設定が変更されるものである。
【0025】
つまり、例えば、使用対象物として父用テレビ7aのみ使用されている場合、この父用テレビ7aに対応する数値は、図4に示す使用ユーザ対応情報を参照すると、父については1.0、母については0.2、長男については0.0、次男については0.0である。従って、これらの合計値が1.0以上のユーザである父がいずれかの使用対象物7a乃至7kを使用しているユーザとして判断される。
【0026】
また、例えば、使用対象物としてクッキングヒータ7gと電子レンジ7hが同時に使用されている場合、このクッキングヒータ7gに対応する数値と電子レンジ7hに対応する数値の合計値は、図4に示す使用ユーザ対応情報を参照すると、父については0.8、母については1.4、長男については0.4、次男については0.4である。従って、これらの合計値が1.0以上のユーザである母がいずれかの使用対象物各使用対象物7a乃至7kを使用しているユーザとして判断される。
【0027】
さらに、例えば、使用対象物として長男の部屋の電灯7iと次男の部屋の電灯7i及びゲーム機7kが同時に使用されている場合、この長男の部屋の電灯7iに対応する数値と次男の部屋の電灯7jに対応する数値及びゲーム機7kに対応する数値の合計値は、図4に示す使用ユーザ対応情報を参照すると、父については0.3、母については0.7、長男については1.5、次男については1.5である。従って、これらの合計値が1.0以上のユーザである長男と次男がいずれかの使用対象物7a乃至7kを使用しているユーザとして判断される。
【0028】
ユーザ特定回路4は、ユーザ特定手段として機能し、検知回路2から出力される各使用対象物7a乃至7kの使用状況についての検知信号を入力し、この検知信号により得られる検知結果(使用中又は未使用)に応じて、使用ユーザ対応情報を参照することにより、いずれかの使用対象物7a乃至7kを使用しているユーザを特定する。
【0029】
アクセス制限回路5は、アクセス制限手段として機能し、共有サーバ1にフォルダによって区分して格納されたファイルにアクセスしているユーザが、ユーザ特定回路4によって特定されたいずれかの使用対象物7a乃至7kを使用しているユーザと個別に対応する個人別情報に関するファイルへアクセスできないように制限する。
【0030】
情報保存部6は、各ユーザと個別に対応した個人別情報に関するファイルや複数のユーザが共有する共有情報に関するファイルを、フォルダにより情報の種類毎に区分して格納している。つまり、このフォルダには、図5に示すように、「仕事関係」、「家計簿」、「学習教材」、「学習教材2」など父、母、長男、次男の各々に個別に対応した個人別情報毎に区分されたフォルダもあれば、「伝言板」、「テレビ2」など父、母、長男、次男のうち複数のユーザが共有する共有情報毎に区分されたフォルダもある。
【0031】
図6は、本実施例に係る共有サーバ1の処理の流れの概要を示すフローチャートである。
【0032】
初めに、図5に示す父、母、長男、次男に個別に対応した個人別情報に関するファイルと父、母、長男、次男のうち複数のユーザが共有する共有情報に関するファイルが格納された共有サーバ1がPCから送信されるアクセス要求を受信すると(S1)、検知回路2によって各使用対象物7a乃至7kの使用状況が検知され(S2)、その検知結果(使用中又は未使用)が検知信号としてユーザ特定回路4に出力される。次に、ユーザ特定回路4は検知回路2による検知結果(使用中又は未使用)に応じて、図4に示す使用ユーザ対応情報記憶情報を参照して(S3)、いずれかの使用対象物7a乃至7kを使用している1人又は複数人のユーザを父、母、長男、次男の中から特定する(S4)。そして、アクセス制限回路5が、共有サーバ1に格納されたこれらの情報に関するファイルのうち、ユーザ特定回路4によって特定されたユーザに個別に対応する個人別情報に関するファイルへアクセスできないように制限する(S5)。
【0033】
本実施例においては、父、母、長男、次男のうち1人又は複数のユーザが共有サーバ1に格納されたファイルにアクセスする場合、父、母、長男、次男の中からユーザ特定回路4によって特定されたいずれかの使用対象物7a乃至7kを使用している一人又は複数人のユーザを共有サーバ1に格納されたファイルにアクセスしていないユーザであるとみなし、いずれかの使用対象物7a乃至7kを使用しているユーザ(前記共有サーバ1に格納されたファイルにアクセスしていないとみなされたユーザ)と共有サーバ1に格納されたファイルにアクセスするユーザとが共有する共有情報に関するファイルへのアクセスは可能にしつつ、いずれかの使用対象物を使用しているユーザに個別に対応した個人別情報に関するファイルのみへのアクセスを制限することができる。
【0034】
これにより、いずれかの使用対象物7a乃至7kを使用しているユーザと共有サーバ1に格納されたファイルにアクセスしているユーザとが共有する共有情報に関するファイル(共有サーバ1に格納された情報にアクセスするユーザにとって必要な情報)へのアクセスは可能にしつつ、共有サーバ1にアクセスしていないとみなされたユーザ(いずれかの使用対象物7a乃至7kを使用しているユーザ)に個別に対応する個人別情報に関するファイル(共有サーバ1に格納されたファイルにアクセスするユーザにとって不必要なファイル)へアクセスしてしまう状態を極力減らすことができ、ひいては、共有サーバ1に格納されたファイルにアクセスするユーザにとって必要なファイルにアクセスするための時間と手間を極力減らすことができる。
【0035】
次に、本実施例に係る共有サーバ1の処理の具体例について、図4、図5を用いて説明する。
【0036】
検知回路2による検知の結果、例えば父用テレビ7aのみ使用されている場合、ユーザ特定回路4は、図4に示す使用ユーザ対応情報記憶情報を参照して、この父用テレビ7aに対応する数値が1.0以上である父を、いずれかの使用対象物7a乃至7kを使用しているユーザとして特定する。
【0037】
ここで、父以外のユーザ(母、長男、次男のうちいずれかのユーザ)が共有サーバ1に格納されたファイルにアクセスしている場合に、アクセス制限回路5は、ユーザ特定回路4によって特定されたユーザである父に個別に対応する個人別情報である「仕事関係」のフォルダ内にあるファイルへアクセスできないように制限する。これにより、例えば、父以外のユーザにとって不必要と考えられる「仕事関係」のフォルダ内のファイル(例えば、図7に示すファイル)へのアクセスを制限することができる。
【0038】
また、検知回路2による検知の結果、例えば父用テレビ7aと母用テレビ7eが同時に使用されている場合、ユーザ特定回路4は図4に示すユーザ対応情報を参照して、この父用テレビ7aに対応する数値が1.0以上である父、及びこの母用テレビ7eに対応する数値が1.0以上である母を、いずれかの使用対象物7a乃至7kを使用しているユーザとして特定する。そして、父と母以外のユーザ(長男及び次男のうちいずれかのユーザ)が共有サーバ1に格納されたファイルにアクセスしている場合に、アクセス制限回路5は、ユーザ特定回路4によって特定されたユーザである父及び母に個別に対応する個人別情報である「仕事関係」、「家計簿」のフォルダ内のファイルへのアクセスを制限する。これにより、父及び母以外のユーザにとって不必要であると考えられる「仕事関係」、「家計簿」のフォルダ内のファイルへのアクセスを制限することができる。
【0039】
尚、本発明の実施例においては、ユーザ特定回路4によって特定されたいずれかの使用対象物7a乃至7kを使用しているユーザを共有サーバ1に格納されたファイルにアクセスしていないユーザであるとみなすことを前提としているが、この例外として、このようにみなすことが適当ではない以下のような場合が想定される。
【0040】
例えば、父用テレビ7aのみ使用されている場合、父がいずれかの使用対象物7a乃至7kを使用しているユーザとして特定され、父は共有サーバ1に格納されたファイルにアクセスしていないとみなされることが前提であるが、この例外として、例えば、前述のように例えば父用テレビ7aのみ使用されている場合には父がいずれかの使用対象物7a乃至7kを使用しているユーザとして特定されるが、実際はこの父用テレビ7aを父以外のユーザである母、長男、次男が使用していたというような場合、このように父をいずれかの使用対象物7a乃至7kを使用しているユーザと特定すること(父が共有サーバ1に格納されたファイルにアクセスしていないとみなすこと)が不都合な場合も想定される。つまり、共有サーバ1に格納されたファイルに父がアクセスしているにも関わらず、父以外ユーザが父用テレビ7aを使用することによりアクセス制限回路5が父に対応する個人別情報に関するファイルへのアクセスを制限してしまい、父は自己に対応する個人別情報に関するファイルにアクセスできなくなってしまうといった事態が生じてしまう。
【0041】
そこで、このような場合には臨時の手段として、PC9によって共有サーバ1に格納されているファイルにアクセスしている父が管理用パスワードや管理用IDをこのPC9に入力し、共有サーバ1に格納されたファイルへアクセス可能なユーザであることを確認するためのユーザ認証を行う。そして、共有サーバ1に格納されたファイルへのアクセスが可能なユーザであることが確認できた場合には、アクセス制限回路5がユーザ特定回路4によって特定された父に対応する個人別情報に関するファイルへのアクセスの制限を解除することにより、父が共有サーバ1に格納された全てのファイルにアクセスできるようにする。
【0042】
尚、本実施例においては、アクセス制限回路5は、共有サーバ1にアクセスしていないとみなされたユーザ(いずれかの使用対象物7a乃至7kを使用しているユーザ)に個別に対応する個人別情報に関するファイルについてのみアクセスを制限しているが、本発明はこれに限らず、共有サーバ1にアクセスしていないとみなされたユーザに個別に対応する個人別情報のみならず、アクセスしていないとみなされたユーザと共有サーバに格納されたファイルにアクセスしているユーザが共有する共有情報に関するファイルについても制限してよい。
【0043】
また、本発明の実施例においては、検知回路2と使用ユーザ対応情報記憶回路3とユーザ特定回路4及びアクセス制限回路5は全て共有サーバ1に設けられているが、本発明はこれに限らず、これらの回路のうち少なくとも1つが共有サーバ1に外付けされた装置などに設けられてもよい。
【0044】
また、本発明の実施例においては、ホームネットワークを介して端末装置としてのPCと接続される共有サーバ1を例にして説明したが、本発明はこれに限られず、例えばインターネットなどおよそ全てのネットワークを介して端末装置と接続される共有サーバにも適応可能である。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】共有サーバと、この共有サーバにホームネットワークを介して接続されるPC及び使用対象物の関係を示す図である。
【図2】共有サーバの概略構成を示すブロック図である。
【図3】各使用対象物の使用状況の具体的検知方法を示すフローチャートである。
【図4】各使用対象物とこの使用対象物を使用するユーザの対応を示す表である。
【図5】共有サーバの各ユーザとこの各ユーザに対応した情報の関係を示す表である。
【図6】本実施例に係る共有サーバの処理の流れの概要を示すフローチャートである。
【図7】「仕事関係」の個人別情報に関するファイルの表示例を示す図である。
【符号の説明】
【0046】
1 共有サーバ
2 検知回路
3 ユーザ対応情報記憶回路
4 ユーザ特定回路
5 アクセス制限回路
6 情報保存部


【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のユーザからアクセスが可能で、前記ユーザ毎に対応した情報が格納される共有サーバ装置において、
1つ又は複数の使用対象物の使用状況を検知する検知手段と、各使用対象物と当該使用対象物を使用するユーザの対応を示す使用ユーザ対応情報を記憶する使用ユーザ対応情報記憶手段と、前記検知手段による検知状態に応じて、前記使用ユーザ対応情報記憶手段に基づいていずれかの使用対象物を使用しているユーザを特定するユーザ特定手段と、ユーザが共有サーバ装置に格納された情報にアクセスする場合、前記ユーザ特定手段によって特定されたユーザに対応した情報へのアクセスを制限するアクセス制限手段とを有することを特徴とする共有サーバ装置。
【請求項2】
前記ユーザ毎に対応した情報は各ユーザと個別に対応した個人別情報又は当該個人別情報と複数のユーザが共有する共有情報であって、ユーザが共有サーバ装置に格納された情報にアクセスする場合、前記アクセス制限手段は前記ユーザ特定手段によって特定されたユーザに個別に対応した個人別情報へのアクセスを制限することを特徴とする請求項1に記載の共有サーバ装置。
【請求項3】
複数のユーザからアクセスが可能で、前記ユーザ毎に対応した情報が格納される共有サーバ装置における情報アクセス制御方法において、
1つ又は複数の使用対象物の使用状況を検知する検知手段と、各使用対象物と当該使用対象物を使用するユーザの対応を示す使用ユーザ対応情報を記憶する使用ユーザ対応情報記憶手段とを備え、
ユーザが共有サーバ装置に格納された情報にアクセスする場合、前記検知手段により使用している使用対象物を検知し、前記検知手段による検知状態に応じて、前記使用ユーザ対応情報記憶手段に基づいていずれかの使用対象物を使用しているユーザを特定し、特定されたユーザに対応する情報へのアクセスを制限することを特徴とする共有サーバ装置における情報アクセス制御方法。
【請求項4】
前記ユーザ毎に対応した情報は各ユーザに個別に対応した個人別情報又は当該個人別情報と複数のユーザが共有する共有情報であって、ユーザが共有サーバ装置に格納された情報にアクセスする場合、前記アクセス制限手段は特定されたいずれかの使用対象物を使用しているユーザに個別に対応した個人別情報へのアクセスを制限することを特徴とする請求項3に記載の共有サーバ装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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