説明

共用電極パターン電界効果センサおよび該センサを使用するジョイ・スティック

分割電極パターンの電界効果タッチ・センサ装置は、離間した第1の電極パターンと第2の電極パターンを備え、各パターンは、内側電極と外側電極とを有する。内側電極は、一次検出領域を構成する一次部分と、少なくとも1つの二次部分とを含む。少なくとも2つの電極パターンのうちの二次部分は、隣接して配置され、二次検出領域を構成する。各電極パターンは、パルス発生回路と検出回路が電気的に結合される。一次検出領域の近くに物体が存在すると、1つの検出回路が附勢され、二次検出領域の近くに物体が存在すると、2つの検出回路が附勢される。検出回路と通信するコントローラは、検出回路の附勢を検出する。好ましい実施例では、本装置は、ナビゲーション制御デバイスであり、タッチ・センサ電界効果信号を処理する方法も開示される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願)
本願は、2004年12月23日に出願された米国仮特許出願第60/638,200号に基づく優先権を主張するものであり、この特許出願の開示内容を参照として援用する。本願は、更に、2004年12月23日に出願された米国仮特許出願第60/638,197号および2005年12月22日に出願された米国特許出願第 号(双方の出願の発明の名称は「トラック位置センサおよび方法」である)に基づく優先権を主張するものであり、この特許出願の開示内容を参照として援用する。
(発明の分野)
本発明は、共用電極パターンを使用する電界効果タッチ・センサ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
(発明の背景)
当技術分野では、コンピュータ・ソフトウェアと共に使用するジョイ・スティックのようなナビゲーション制御デバイスが知られている。従来のジョイ・スティックは、ユーザが位置決めするアクチュエータ・ハンドルを備えたハウジングを含むことができ、このハンドルは、固定されたポイントを中心として枢動しX軸データおよびY軸データを発生する電気機械式スイッチを作動させる。一部のジョイ・スティックでは、アクチュエータ・ハンドルを中心位置に戻すのにスプリングを使用している。かかる従来のジョイ・スティックは、ハウジングにあるタイプの開口部を一般に必要とし、この開口部を通過するようにアクチュエータ・ハンドルが延びる。この開口部だけでなく、スイッチの開口部もハウジングにゴミ、水分および他の汚染物が入ることを可能にし、侵入したこれら汚染物は、スイッチに捕捉される。大量の汚染物を含むような環境もある。この場合、汚染物は、開口部を通過し、部品の電気ショートまたは破損を生じさせ得る。更に機械デバイスが可動部品を有する場合、電気機械スイッチは、その性質によって摩耗や機械的な故障が生じたり反応時間が遅かったりする。
【0003】
当技術分野では、種々の機械スイッチとは別の種々の手段が知られている。例えば、光学的エンコーダ、スイッチ・アレイ、ピエゾ電気トランスジューサ、誘導結合デバイスおよび磁気デバイスが知られている。しかしながら、かかる部品をジョイ・スティックに組み込んでも、民生用データ入力用途ではコスト的に効果的となることは証明されていない。更に、これら部品は、過度にアクチュエータの運動を制限し、ユーザの感覚を悪化させる。
【0004】
電界効果タッチ・センサは、多くの用途で特に有利であることが分かっている。コードウェルに付与された米国特許第5,594,222号およびコードウェルに付与された米国特許第6,310,611号およびコードウェルに付与された米国特許第6,320,282号は、かかる電界効果タッチ・センサが開示され、本明細書では、これら米国特許の開示内容を参照として援用する。しかしながら、公知のタッチ・センサは、検出ポイントごとに1つの電極パターンを使用している。更に米国特許第6,320,282号に開示されている電界効果センサは、電極パターンごとに1つの集積制御回路が必要となり、よって検出ポイントごとに1つの集積制御回路が必要となる。このように、これら設計は、多数の検出ポイントが必要となる一部のデバイス、例えば、ナビゲーション・デバイスまたはスライド・デバイスと共に使用するにはコスト的に効果的、すなわち、実用的ではないことがある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従って、電界効果センサの用途において、電極パターンおよび集積制御回路の数を少なくし、部品のコストおよび製造コストを少なくし、信頼性を改善した装置が求められている。
【実施例】
【0006】
(図示された実施例の詳細な説明)
図1は、本発明に係る分割電極パターンの電界効果センサ装置10の好ましい第1の実施例を示す。この装置10は、誘電基板12に配置された第1の導電性電極パターン14と、第2の導電性電極パターン16を備える。各電極パターンは、対応するパルス発生回路および対応する検出回路に電気的に結合されている。パルス発生回路および検出回路は、対応する電極パターン14、16の近くに、基板12に配置された集積制御回路18、20として具現化することが好ましい。各検出回路からの出力信号をコントローラCが受信し、このコントローラCは、基板12に配置できるが、配置しなくてもよい。
【0007】
基板12は、ガラス、プラスチック、グラスファイバ補強エポキシ樹脂または他の誘電物質から形成できる。この基板12は、特定の用途に応じて剛性でもよいし、または可撓性でもよく、実質的に均一な厚みまたは凹凸を含む変化する厚みを有することができる。例えば、ガラス基板12は、約1.1mm〜約5mmの厚みを有することができ、ポリマー基板12は、1mm未満の厚みを有することができる。基板12の厚みは、更に大きい強度を必要とする場合に、より厚い基板を使用できるように、特定の用途に応じて変わることができる。更に基板12は、センサ装置10が平面状でない形状に形状が一致しなければならない場合のような用途で使用できるように可撓性材料から製造できる。基板12の一方の側に存在する汚染物が容易に基板12の他の表面に移動しないように基板12は、下記のように電極パターン14、16および対応する検出領域の近くに汚染物が侵入しないことが好ましい。
【0008】
各電極パターン14、16は、内側電極22と、この内側電極22を部分的に囲む外側電極24とを有することが好ましい。各内側電極22は、点線26で示すように、第1の検出領域を構成する。電極パターン16の内側電極22の一部に、電極パターン14の内側電極22の一部が隣接している。電極パターン14、16の内側電極22の隣接部分は、点線28で示すように、第2の検出領域を構成する。外側電極24は、隣接する電極パターン14、16の内側電極22の領域内まで延びないことが好ましい。電極パターン14、16の内側電極22は、第2の検出領域28が隣接する電極パターン14、16の各第1の検出領域26の一部に部分的にオーバーラップするよう配置され、離間している。
【0009】
内側電極22は、図1では、実質的に四角形として示されており、外側電極24は、直線状の線分を含むように示されているが、内側電極22および外側電極24に対し、他の幾何学的形状でもよい。内側電極22の導電性材料の表面積は、外側電極24の導電性材料の表面積と異なっていてもよいし、異なっていなくてもよい。電極22、24は、適当な任意の導電性材料、例えば、銅、酸化インジウム錫および当業者が認識できるような他の材料から製造できる。
【0010】
集積制御回路18、20は、米国イリノイ州ウィートンのタッチ・センサ・テクノロジ、LLCから入手できる集積回路であるTS−100ASICであることが好ましい。コードウェルに付与された米国特許第6,320,282号には、このTS−100ASICの作動原理が記載され、本明細書は、この米国特許の開示内容を参照として援用する。図面に示されるような集積回路18、20のピン出力は、TS−100ASICのピン出力に対応しており、ここでピン1に入力電力(+5ボルト)接続部があり、ピン2にアース接続部があり、ピン3に信号出力接続部があり、ピン4に外側電極24の接続部があり、ピン5に附勢信号接続部があり、ピン6に内側電極22の接続部がある。
【0011】
図1および2を参照する。集積制御回路18は、抵抗器R1、R2を介し、電極パターン14の内側電極22および外側電極24にそれぞれ接続されていることが好ましい。同じように、集積制御回路20は、抵抗器R3、R4を介し、電極パターン16の内側電極22および外側電極24にそれぞれ接続されている。図示された実施例では、抵抗器R1〜R4は、集積制御回路18、20の外側にあり、これら回路に接続されている。他の実施例では、集積制御回路18、20内に抵抗器R1〜R4を設けることができる。
【0012】
作動時に、対応する集積制御回路18、20のピン5から、各電極パターン14、16の内側電極22および外側電極24へ附勢信号が送られる。ピン5にて、内側電極22および外側電極24の双方に発振器の出力パルス列または矩形波信号を送ることが好ましい。この発振信号は、約32kHzの周波数で0ボルト〜+5ボルトの間で振動する矩形波信号でよい。これとは異なり、この発振、すなわち、ストローブ信号は、使用する検出回路に応じ、200kHzまでの周波数または200kHzよりも高い周波数を有することができる。更に、このストローブ信号は、0.5ボルト〜+3ボルトの間、0ボルト〜+12ボルトの間、0ボルト〜+24ボルトの間−5ボルト〜+5ボルトの間または他の任意の電圧レンジで振動できる。
【0013】
各電極パターン14、16の内側電極22および外側電極24に印加される附勢信号は、内側電極22および外側電極24に電界を発生させる。図3における点線が示すように、内側電極22および外側電極24から基板12を通して電束線が発生し、第1の検出領域26および第2の検出領域24から各内側電極22および外側電極24に対応する電界が発生する。図には示されていないが、これら電束線は、基板12から離間する(基板を通過する)反対方向に内側電極18および外側電極20からの電束線が生じる。しかしながら、当業者であれば理解できるように、電束密度が誘電基板によって大きくなることを仮定すれば、基板12の電極パターンと反対側で検出領域26、28の近くで電束密度がより大きくなる。基板12から生じる電界をシールドし、消散させるために、基板12の電極パターン側にポッティング材料のような絶縁体を塗布することが好ましい。別の実施例では、空気ギャップまたは発泡ゴム、もしくは発泡プラスチックのバッキングを設けることができる。これら絶縁構造体は、基板12の検出領域26、28と反対側に刺激が与えられる可能性を低減し、意図しないセンサの作動を低減できる。これら絶縁構造体は、基板の両側から検出することを望むような実施例では省略されることになる。
【0014】
内側電極22および外側電極24は、これから生じる電界のすべてが同じ極性となるように充電される。電界は、内側電極22および外側電極24から外側に延びる。電界強度は、電極22、24(基板12)の近くで最大となり、電極22、24からの距離が大きくなると共に減少する。電界強度は、対応する検出領域26、28の近くの基板12の外側表面から約25mmの距離で実質的にゼロとなることが好ましい。
【0015】
集積制御回路18、20およびこれに関連する抵抗器R1〜R4は、各電極22、24に所定の強度の電界を発生するように構成されている。集積制御回路18、20内に具現化された検出回路は、内側電極22および外側電極24に発生された電界強度を検出し、これらを比較する。物体または刺激、例えば、ユーザの指先または導電性質量体が検出領域26に接近すると、対応する内側電極22および外側電極24に関連する電界が乱れる。(この刺激は、25mmよりも長い距離にて、電界強度が実質的に消散することが望ましいと仮定した場合、電界を乱すためには検出領域26に対して25mmまたはそれよりも近くにあることが好ましい。)各集積制御回路18、20は、対応する内側電極22の電界に対する乱れが、対応する外側電極24の電界に対する乱れから所定の度合いだけ超えたことを検出した場合にしか、タッチを表示する出力信号を発生しないことが好ましい。この出力信号は、更に後述するように、更に処理するために、コントローラCに送られる。
【0016】
一般に、汚染物およびゴミは、内側電極22および外側電極24の双方の電界に同じ影響を与える。集積制御回路18、20が意図しないタッチを表示する信号を出力するには、少なくとも電界の乱れの上記スレッショルドの差が生じなければならないので、汚染物によって生じる意図しない応答が最小となる。同じように、内側電極22の電界よりも大きく、外側電極24の電界を乱し、検出領域26の周辺の近くの刺激から生じる意図しない応答が最小とされる。
【0017】
第1の検出領域26のうちの1つの近くに刺激が存在すると、対応する電極パターン14、16に関連する電界に影響を与え、対応する集積制御回路18、20が意図しないタッチを示す信号(タッチ信号)を出力するように、電極パターン14、16が配置されている。第2の検出領域28の近くに物体が存在すると、対応する外側電極24に関連する電界よりも大きい程、電極パターン14、16の双方の内側電極22に関連する電界に影響があり、集積制御回路18、20の双方は、実質的に同時にタッチ信号を発生する。集積制御回路18、20から受信するタッチ信号に基づき、コントローラCは、所定の時間に検出領域26、28のどれが(存在する場合)タッチされたか、または他の方法で刺激を受けたかを判断できる。これに応答し、コントローラCは、対応する制御信号を発生できる。例えば、コントローラCは、集積制御回路18だけから受信されたタッチ信号に応答し、第1の制御信号を発生でき、集積制御回路20のみから受信されたタッチ信号に応答し、第2の制御信号を発生でき、集積制御回路18、20の双方から実質的に同時に受信されたタッチ信号に応答し、第3の制御信号を発生できる。こうして、本発明によりコントローラは、2つの検出電極パターン14、16およびそれに対応する集積制御回路18、20だけから受信された入力信号に基づき、3つの別個の固有の制御信号を発生することが可能となる。
【0018】
好ましい実施例では、電極パターン14、16は、第1の検出領域26が人の指の先端を受けるのに十分なサイズとなるように構成されている。例えば、第1の検出領域26は、約8mm〜約10mmの直径を有することができる。同様に、指先を受けるように第2の検出領域28も十分大きいサイズになっている。第1のパターン14および第2のパターン16の内側電極22は、指先が第2の検出領域28内にあるとき、パターン14、16の双方に関連する内側電極22にユーザの指先がオーバ・ラップするように配置されている。別の実施例では、検出領域14、16のサイズを特定の用途が必要とするような大きさにすることができる。
【0019】
特定の用途によっては、電極パターン14、16を種々の構造および配置とすることができる。更に、2つ以上の電極パターンによって構成される対応する第2の検出領域の近くで、刺激が同時に生じるとき、少なくとも2つの対応する検出回路をトリガできるよう、3つ以上の電極パターンを構成できる。次に、共用電極パターンの種々の実施例について説明する。
【0020】
図4には、本発明の第2の実施例に係る分割検出電極パターンのタッチ・センサ装置40が最良に示されている。タッチ・センサ装置40は、基板12に配置された3つの直線状に離間する電極パターン42、44、46を含む。各パターン42、44、46は、上記のように集積制御回路(図示せず)上に具現化されることが好ましく、関連するパルス発生検出回路に電気的に結合されている。各パターン42、44、46は、内側電極48と外側電極50を含む。これら内側電極48および外側電極50は、各々、附勢信号が印加され、上記のように内側電極48および外側電極50の各々に電界を発生する。
【0021】
各内側電極48は、点線26aで示されるように、基本的には第1の検出領域を構成する一次部分48Aを含む。パターン42、46の内側電極48も、二次部分48Bを含み、この二次部分は、基本的には二次検出領域の一部を構成する。パターン44の内側電極48は、2つの二次部分48Bを含み、これら二次部分のうちの一方は、電極パターン42の二次部分48Bに隣接し、他方は、電極パターン46の二次部分48Bに隣接する。隣接する二次部分48Bは、点線28aが示すように、第1および第2の二次検出領域を構成する。
【0022】
電極パターン42〜46および一次および二次検出領域26a、28aは、図に示されるように直線状に配置できる。別の実施例では、これら電極パターンおよび検出領域を、例えば、当業者であれば理解できるように、内側電極および外側電極の形状を変えることにより、直線状でないように構成できる。一次検出領域26aおよび二次検出領域28aは、刺激、例えば、人の指先を受けるよう十分大きいサイズとすべきである。一次検出領域26aのうちの1つの近くに刺激が加えられると、対応する電極パターン42、44、46の内側電極48の一次部分48aの電界が乱れ、対応する検出回路は、上記のようにタッチ信号を出力する。二次検出領域28aのうちの1つの近くに刺激が導入されると、対応する電極パターン42、44、46の内側電極48の二次部分48Bの電界が乱れ、対応する検出回路の双方が上記のようにタッチ信号を出力する。
【0023】
上記第1の実施例の場合のように、各電極パターンに関連する検出回路は、コントローラ(図示せず)に電気的に結合され、このコントローラは、基板12または他の場所に配置できる。コントローラは、上記のように電極パターン42、44、46に対応する検出回路から受信したタッチ信号に基づき、制御信号を発生する。従って、タッチ・センサ装置40は、3つの電極パターンおよび3つの関連する集積制御回路だけを使って5つの入力ポイントまたは検出領域(3つの一次検出領域および2つの二次検出領域)を構成している。好ましい実施例では、このタッチ・センサ装置40は、5つのコマンド・ポイントまたはグラデーションのレベルを有するデジタル・スライダ制御デバイスとして使用される。
【0024】
図5には、第3の実施例に係る分割検出電極パターンのタッチ・センサ装置60が最良に示されている。この装置60は、基板12に直線状の配置に配置された5つの電極パターン62、64、66、68、70を含む。別の実施例では、電極パターン62〜70を上記のように直線状でないパターンに配置できる。各電極パターン62〜70は、関連するパルス発生検出回路に電気的に結合され、この回路は、上記のように集積制御回路(図示せず)として具現化することが好ましい。電極パターン62と70とは、このような直線状の構造の両端に配置されている。各端部パターン62、70は、内側電極72と外側電極74とを含む。端部パターン62と70の中間にパターン64、66、68が配置され、各中間パターン64、66、68は、内側電極72Aと第1の外側電極74Aおよび第2の外側電極74Bを含む。上記別の実施例の場合のように、すべての内側電極および外側電極72、72A、74、74A、74Bに附勢信号が印加され、これによって、この電極から発生する電界が形成される。この電界は、外側無限点に向かって延び、互いに反発し合うように同一の曲線を有することが好ましい。
【0025】
各内側電極72、72Aは、点線26bで示すように一次検出領域を構成する。内側電極72、72Aの隣接して配置された部分は、点線28bが示すように、二次検出領域を構成する。例えば、端部パターン62の中間電極と中間パターン64の内側電極72Aの隣接する部分は、第1の二次検出領域28bを構成し、中間パターン64、66の内側電極72aの隣接する部分は、第2の二次検出領域28bを構成する。このように、5つの一次検出領域26bおよび4つの二次検出領域28bが設けられる。
【0026】
一次検出領域26bおよび二次検出領域28bの大きさは、検出領域26b、28bの電界を乱すのに使用される特定の刺激、例えば、人の指先を受けるのに十分な大きさとなっていなければならない。一次検出領域26bのうちの1つの近くに刺激が与えられると、対応する内側電極72、72Aから生じる電界が乱され、対応する検出回路をトリガするようになっている。刺激が二次検出領域28bのうちの1つの近くに与えられると、2つの対応する電極パターン62〜70の内側電極72、72Aから生じる電界が乱され、対応する2つの検出回路をトリガする。
【0027】
上記実施例の場合のように、各電極パターンに関連する検出回路は、コントローラ(図示せず)に電気的に結合され、このコントローラは、基板12または他の場所に配置できる。このコントローラは、上記のように検出回路から受信したタッチ信号に基づき、制御信号を発生する。従って、タッチ・センサ装置60は、5つの電極パターンおよび5つの関連する集積制御回路だけを使って9つの入力ポイントまたは検出領域を構成している。好ましい実施例では、このタッチ・センサ装置60は、9つのコマンド・ポイントまたはグラデーションのレベルを有するデジタル・スライダ制御デバイスとして使用される。
【0028】
図6には、第4の実施例に係る分割検出電極パターンのタッチ・センサ装置80が最良に示されている。このタッチ・センサ装置80は、基板12に配置された4つの周辺方向に離間した電極パターン82、84、86、88と、1つの中心電極パターン90とを備える。周辺パターン82〜88は、円形構造に配置されており、この円形構造の中心に中心電極90が設けられている。
【0029】
各周辺パターン82〜88は、内側電極92と外側電極94を含む。各内側電極92は、基本的には一次検出領域26cを構成する一次部分と、基本的には二次検出領域の一部を構成する二次部分とを備える。外側電極94は、円形構造の周辺方向に離間し、対応する一次検出領域26cに径方向に整合することが好ましい。
【0030】
中心パターン90は、内側電極92Aを備え、この内側電極は、一次検出領域26c’を構成する一次部分および4つの二次検出領域28cを構成するように、内側電極82〜88の各々の二次部分に隣接する4つの二次部分とを有する。
【0031】
上記別の実施例の場合のように、各電極パターンは、パルス発生回路のように検出回路に結合され、これら双方の回路は、TS−100ASICまたは他の集積制御回路上に具現化されていることが好ましい。すべての内側電極および外側電極92、92A、94、94Aに附勢信号が印加され、これら電極から生じる電界を形成する。これら電極は、互いに反撥し、無限点に向かって外側に延びるように、同一極性を有することが好ましい。
【0032】
一次検出領域26c、26c’の大きさは、例えば、人の指先を受けるのに十分な大きさとなっていなければならない。一次検出領域26cまたは26c’のうちの1つの近くに刺激が与えられると、対応するパターン82〜90のうちの内側電極92、92Aから生じる電界が乱され、対応する検出回路をトリガするようになっている。刺激が二次検出領域28cのうちの1つの近くに与えられると、周辺パターン82〜88および中心パターン90のうちの対応するパターンの1つのうちの隣接する内側電極94、94Aから生じる電界が乱され、対応する2つの検出回路にタッチ信号を出力させる。
【0033】
上記実施例と同じように、各電極パターンに関連する検出回路は、コントローラc’に電気的に結合され、このコントローラは、基板12または他の場所に配置できる。このコントローラは、上記のように検出回路から受信したタッチ信号に基づき、制御信号を発生する。
【0034】
タッチ・センサ装置80は、図7で略図で示されるように、基板12に配置された発光ダイオードL1〜L5または他の光源も含むことができる。これら発光ダイオードL1〜L5は、対応する検出回路がタッチ信号を出力したときに発行することが好ましい。
【0035】
好ましい実施例では、タッチ・センサ装置80は、関連するディスプレイを有するマイクロ・プロセッサC’と共に使用するナビゲーション制御デバイスとなっている。このタッチ・センサ装置80は、この装置80の電気部品および電極を収納するベースを含むことが好ましい。透明基板12の裏面12Aに電極パターン82〜80および関連する部品95を設け、反対の正面12Bがユーザのタッチ表面として働くようにすることができる。このタッチ表面は、一次および二次検出領域26c、26c’、28cと整合したグラフ表示を含むことができる。例えば、タッチ表面に方向矢印および中心ボタンを設けることができる。これとは異なり、タッチ表面12Bに、かかるグラフ表示を含むフィルムのような薄膜を付着することができる。
【0036】
タッチ・センサ装置80は、例えば、ディスプレイに対するX−座標、Y−座標で移動する方向制御コマンドを発生するのにディスプレイ内の物体を使用できる。図6および7を参照すると、電極パターン82に対応する一次検出領域26cの近くにタッチがあること(または他の刺激)により(対応する集積制御回路95内に具現化された)対応する検出回路は、コントローラC’にタッチ信号を出力する。これに応答し、コントローラC’は、矢印Uが示すように、アップ方向コマンドを発生する。同様に、電極パターン84、86、88に対応する一次検出領域26cの近くへのタッチにより、対応する検出回路は、タッチ信号をコントローラC’に出力する。これに応答し、コントローラC’は、矢印R、D、Lによってそれぞれ示されるように、右方向、下方向、左方向の方向コマンドを発生する。
【0037】
電極パターン82、90に対応する二次検出領域28Cの近くにタッチがあると、対応する検出回路の双方は、タッチ信号をコントローラC’に出力する。これに応答し、コントローラC’は、矢印U−Rが示すように、上かつ右斜め方向に移動させる方向コマンドを発生する。同様に、電極パターン84、90、電極パターン86、90および電極パターン88、90に対応する二次検出領域28cの近くにタッチがあると、コントローラC’は、矢印D−Rが示すように、下かつ右斜め方向に移動させる方向コマンド、矢印D−Lが示すように、下かつ左斜め方向に移動させる方向コマンド、および矢印U−Lが示すように、上かつ左斜め方向に移動させる方向コマンドをそれぞれ発生する。検出領域26c’の近くにタッチがあると、中心電極パターン90に対応する検出回路だけがタッチ信号を出力し、コントローラC’は、この信号を、例えば、移動をスタートまたはストップするコマンドとして解釈できる。図8には、第5の実施例に係る分割検出電極パターンのタッチ・センサ装置100が最良に示されている。タッチ・センサ装置100は、基板12に配置され、かつ、円形構造になっている4つの周辺方向に離間する電極パターン102、104、106、108を含む。各パターン102〜108は、パルス発生回路および検出回路に電気的に結合されており、これら回路は、上記のように、図9に最良に示されるように、TS−100ASICまたは他の集積制御回路として具現化することが好ましい。
【0038】
各パターン102〜108は、内側電極110と、外側電極112とを含む。図10に最良に示されるように、各内側電極110は、一次部分114と、第1の側部分116および第2の側部分118と、中心部分120とを含む。各外側電極112は、円形構造の周方向に離間しており、図8に最良に示されるように、対応する一次部分114と径方向に整合している。
【0039】
内側電極110は、パターン102〜108のうちの1つの第1の側部分116は、パターン102〜108の別のパターンの第2の側部分118に隣接するように配置されている。パターン102〜108の各々からの中心部分120は、円形構造の中心部分に配置され、一次部分114は、点線の円26dが示すように、一次検出領域を構成している。隣接する側部分116、118の各ペアは、点線の円28dが示すように、二次検出領域を構成している。中心部分は、点線の円122が示すように、三次検出領域を構成する。各検出領域26d、28d、122は、刺激、例えば、人の指先を受けるような十分な大きさとなっている。
【0040】
各検出回路の出力は、図9に最良に示されるように、コントローラC”に結合されていることが好ましい。コントローラC”は、このコントローラが種々の検出回路から受信したタッチ信号の関数として出力信号を発生する。タッチ・センサ装置100は、例えば、第4の実施例で設けられているような発光ダイオードも含むことができる。
【0041】
好ましい実施例では、タッチ・センサ装置100は、関連するディスプレイを有するマイクロ・プロセッサC”と共に使用するナビゲーション制御デバイスとなっている。タッチ・センサ装置100は、電気部品を収納するベースと、上記のようにタッチ表面に方向矢印および中心ボタンを有する基板12とを含むことが好ましい。
【0042】
図8および9に最良に示されるように、4つの電極パターンおよび4つの部品を使用した9つのコマンド・ポイントが設けられている。方向の情報を提供する制御コマンドは、ディスプレイに対するX−座標、Y−座標内で物体を移動するか、またはディスプレイの画像の配向を変えることができる。各内側電極110は、中心部分120を含むので、第4の実施例で設けられているような、中心に配置された別個の電極パターンは、不要である。
【0043】
次に、図8を参照する。二次検出領域28dのうちの1つの近くに、ユーザの指または他の刺激があると、対応する検出回路の双方は、コントローラC”にタッチ信号を出力する。これに応答し、コントローラC”は、矢印U、R、D、Lがそれぞれ示す上、右、下または左移動に対応する方向コマンドを発生する。一次検出領域26dのうちの1つの近くにユーザの指があると、検出回路に対応する1つの回路だけがコントローラC”にタッチ信号を出力する。これに応答し、コントローラC”は、矢印U−R、D−R、D−L、U−Lがそれぞれ示す上かつ右斜め方向、下かつ右斜め方向、下かつ左斜め方向および上かつ左斜め方向に対応する方向コマンドを発生する。三次検出領域122の近くにユーザの指があると、4つのすべての電極パターンに対応する検出回路がコントローラC”にタッチ信号を出力する。これに応答し、コントローラC’は、例えば、運動スタートまたは運動ストップ・コマンドを発生する。
【0044】
本明細書に開示した実施例は、単なる例に過ぎず、よって本発明は、これら実施例だけに限定されるものではないと理解すべきである。本発明は、他の種々の用途にも使用できる。更に関連するコントローラにより、種々の制御信号を発生できる。更に、実施例のうちの1つの特徴を別の実施例に組み込むことができる。本発明の分割電極パターンにより、多数の検出ポイントに必要な部品数を低減し、よって製造コストを下げることが可能となる。更に本発明は、スペースが限られた用途に対する機能を高めることができる。
【0045】
従って、本発明の要旨から逸脱することなく、本発明の種々の変形および変更が可能である。例えば、分割電極パターンは、4つ以上の二次部分を有する内側電極を含むことができる。従って、本発明は、特許請求の範囲およびその均等物に入ることを条件に、かかるすべての変形例および変更例を含むものである。

【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】本発明の第1の実施例に係る分割電極パターンの電界効果センサ装置の平面図である。
【図2】図1の装置のセンサ基板の上に設けられた部品の間の電気接続部を示す略図である。
【図3】破線が電束線を示し矢印の方向から見た3−3線に沿った図1の装置の横断面図である。
【図4】第2の実施例に係る分割電極パターン電界効果センサ装置の平面図である。
【図5】第3の実施例に係る分割電極パターン電界効果センサ装置の平面図である。
【図6】第4の実施例に係る分割電極パターン電界効果センサ装置の平面図である。
【図7】図6の装置のセンサ基板に設けられた部品間の電気接続部を示す略図である。
【図8】第5の実施例に係る分割電極パターン電界効果センサ装置の平面図である。
【図9】図8の装置のセンサ基板に設けられた部品間の電気接続部を示す略図である。
【図10】第5の実施例に係る内側電極の平面図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
誘電基板と、この基板に配置された離間する少なくとも第1および第2の電極パターンとを備え、これら電極パターンの各々は、内側電極と外側電極とを有し、内側電極は、一次検出領域を構成する一次部分と、少なくとも1つの二次部分とを備え、第1および第2の電極パターンの二次部分は隣接して配置され、二次検出領域を構成し、更に前記基板に配置された少なくとも第1および第2の集積制御回路(ICC)とを備え、これらICCは、各々、電極パターンのうちの対応する1つに電気的に結合され、一次検出領域のうちの1つの近くに物体が存在すると、ICCのうちの1つが附勢され、二次検出領域の近くに物体が存在すると、ICCのうちの双方が附勢されるように内側電極と外側電極とが配置され、第1および第2のICCと通信し、前記部品の附勢を検出するようになっているコントローラを更に備える分割電極パターンの電界効果タッチ・センサ装置。
【請求項2】
請求項1記載の装置であって、前記ICCは、各々、発振信号ラインを介し対応する電極に電気的に結合されている前記装置。
【請求項3】
請求項2記載の装置であって、前記電極を附勢するストローブ信号が前記発振ラインに印加され前記内側電極および外側電極の各々から電界が発生する、前記装置。
【請求項4】
請求項3記載の装置であって、前記ICCは、各々、電界の乱れを検出し、前記内側電極および前記外側電極に関連する電界の間の強度のスレッショルド差が検出された場合に前記部品が附勢される前記装置。
【請求項5】
請求項1記載の装置であって、さらに前記基板上に配置され、前記第1のパターンおよび前記第2のパターンから離間する第3の電極パターンを含む前記装置。
【請求項6】
請求項5記載の装置であって、前記第3のパターンは、一次検出領域を構成する一次部分および第1の二次部分と第2の二次部分を備え、前記第3のパターンの二次部分は、各々前記第1のパターンおよび第2のパターンの二次部分のうちの1つに隣接し、第1および第2の二次検出領域を構成する前記装置。
【請求項7】
請求項5記載の装置であって、さらに、前記基板に配置され、前記第1、第2および第3のパターンから離間する第4の検出電極パターンを含む前記装置。
【請求項8】
請求項7記載の装置であって、前記パターンの各々の内側電極は、第1、第2および第3の二次部分を含む前記装置。
【請求項9】
請求項8記載の装置であって、前記パターンのうちの1つの各二次部分は、前記パターンのうちの別のパターンの対応する二次部分に隣接する前記装置。
【請求項10】
請求項9記載の装置であって、前記パターンは、前記基板に円形構造に配置されている前記装置。
【請求項11】
請求項10記載の装置であって、前記パターンのうちの1つの第1の二次部分は、前記パターンのうちの別のパターンの前記第3の二次部分に隣接し、隣接する二次部分は、各々、二次検出領域を構成する前記装置。
【請求項12】
請求項11記載の装置であって、前記二次検出領域のうちの1つに物体が接近すると、対応する部品のうちの2つが附勢される前記装置。
【請求項13】
請求項12記載の装置であって、前記第2の二次部分は、各々前記円形構造の中心部分内に配置されている前記装置。
【請求項14】
請求項13記載の装置であって、前記二次検出領域のうちの1つに物体が接近すると、対応する部品のすべてが附勢される前記装置。
【請求項15】
請求項14記載の装置であって、前記装置は、マイクロ・プロセッサおよび作動的に関連するディスプレイと共に使用するナビゲーション制御デバイスである前記装置。
【請求項16】
請求項15記載の装置であって、前記部品のうちの1つの附勢に応答し、前記コントローラは、上方向、右方向、下方向、左方向のうちの1つに、ディスプレイにディスプレイされている画像の移動を生じさせる制御信号を発生する前記装置。
【請求項17】
請求項16記載の装置であって、前記部品のうちの1つの附勢に応答し、前記コントローラは、上かつ右斜め方向、下かつ右斜め方向、下かつ左斜め方向および上かつ左斜め方向のうちの1つに、ディスプレイにディスプレイされている画像の移動を生じさせる制御信号を発生する前記装置。
【請求項18】
請求項17記載の装置であって、前記部品のうちのすべてに応答し、前記コントローラは、ディスプレイにディスプレイされている画像の運動をスタートまたは停止する制御信号を発生する前記装置。
【請求項19】
請求項7記載の装置であって、さらに前記基板上に配置され、前記第1のパターン、第2のパターン、第3のパターンおよび第4のパターンから離間する少なくとも1つの第5の検出電極パターンを含む前記装置。
【請求項20】
請求項19記載の装置であって、前記パターンのうちの少なくとも3つは、第1および第2の二次部分を含み、前記パターンのうちの1つの二次部分は、各々前記パターンのうちの別のパターンの対応する二次部分に隣接し、隣接する二次部分の各ペアは、二次検出領域を構成する前記装置。
【請求項21】
請求項20記載の装置であって、対応する二次検出領域のうちの1つに物体が接近すると、2つの部品が附勢される前記装置。
【請求項22】
請求項21記載の装置であって、前記部品のうちの1つ以上の附勢に応答し、前記コントローラは、特定の制御信号を発生する前記装置。
【請求項23】
請求項23記載の装置であって、前記第1のパターン、第2のパターン、第3のパターンおよび第4パターンは、円形構造に配置されている前記装置。
【請求項24】
請求項20記載の装置であって、前記第5のパターンは、4つの二次部分を含み、前記第5パターンの二次部分は、各々、前記パターンの別のパターンの対応する二次部分に隣接し、隣接する二次部分の各ペアは、二次検出領域を構成する装置。
【請求項25】
請求項25記載の装置であって、前記第5のパターンの一次部分は、前記円形構造の中心部分内に配置されている前記装置。
【請求項26】
請求項26記載の装置であって、前記装置は、マイクロプロセッサおよび作動的に関連するディスプレイと共に使用するナビゲーション制御デバイスである前記装置。
【請求項27】
請求項26記載の装置であって、前記第1のパターン、第2のパターン、第3のパターンおよび第4のパターンに関連する前記部品のうちの1つの附勢に応答し、前記コントローラは、上方向、右方向、下方向、左方向のうちの1つに、ディスプレイにディスプレイされている画像の移動を生じさせる制御信号を発生する前記装置。
【請求項28】
請求項27記載の装置であって、前記部品のうちの1つの附勢に応答し、前記コントローラは、上かつ右斜め方向、下かつ右斜め方向、下かつ左斜め方向および上かつ左斜め方向のうちの1つに、ディスプレイにディスプレイされている画像の移動を生じさせる制御信号を発生する前記装置。
【請求項29】
請求項28記載の装置であって、前記第5の部品の附勢に応答し、前記コントローラは、ディスプレイに表示されている画像の運動をスタートまたは停止する制御信号を発生する前記装置。
【請求項30】
ディスプレイに作動的に関連するマイクロ・プロセッサに方向情報を送信するナビゲーション制御装置であって、
誘電材料から形成されたベースと、
ベースに配置され、円形構造に配置され、離間する複数の内側電極とを備え、内側電極の各々は、一次部分および少なくとも1つの側部分を有し、内側電極のうちの少なくとも2つの側部分は、隣接して配置され、更にベースに配置された離間する複数の外側電極を備え、外側電極は、各々内側電極の1つに関連し、外側電極は、一次部分に接近し、
内側電極および外側電極の各々に電気信号を与える信号ラインを備え、電極に与えられる信号に応答し、内側電極および外側電極の各々から電界が発生され、内側電極および外側電極は、一次部分の近くに物体が存在すると、対応する1つの内側電極の電界に影響し、隣接する側部分に接近する物体は、少なくとも2つの対応する内側電極の電界に影響するように配置され、ベースに配置された複数の検出回路を備え、検出回路は、各々、対応する関連する内側電極および外側電極に電気的に結合され、一次部分からの電界が影響を受けると、検出回路のうちの1つが附勢され、隣接する側部分からの電界が影響を受けると、検出回路のうちの少なくとも2つが附勢され、検出回路と通信するコントローラを更に備え、このコントローラは、検出回路の附勢を検出すると共に、検出された附勢に応答し、制御信号を発生し、コントローラは、関連するマイクロ・プロセッサに制御信号を送信する出力を有するナビゲーション制御装置。
【請求項31】
請求項30記載の装置であって、さらに、円周方向に離間した4つの内側電極を含み、内側電極は、各々少なくとも2つの側部部分を有し、一次部分は、側部分の中間にある前記装置。
【請求項32】
請求項31記載の装置であって、前記内側電極のうちの1つの側部分は、前記内側電極のうちの別の内側電極の対応する側部分に隣接している前記装置。
【請求項33】
請求項32記載の装置であって、前記内側電極は、各々、前記円形構造の中間部分に配置された中心部分を更に備え、中心部分に物体が接近すると、内側電極のすべての電界が影響を受け、対応する検出回路の附勢される前記装置。
【請求項34】
請求項30記載の装置であって、さらに円周方向に離間する4つの内側電極と、前記円形構造の中心部分に配置された第5の内側電極とを含む前記装置。
【請求項35】
請求項34記載の装置であって、円周方向に離間する前記内側電極は、各々1つの側部分を含む前記装置。
【請求項36】
請求項35記載の装置であって、前記第5の内側電極は、4つの側部分を含み、第5の内側電極の側部分は、各々、円周方向に離間する前記内側電極のうちの1つの前記側部分に隣接している前記装置。
【請求項37】
誘電基板を設けるステップと、
この回路基板上に配置された離間する少なくとも第1および第2の電極パターンを設けるステップとを備え、これら電極パターンは、各々内側電極と外側電極とを有し、内側電極は、一次検出領域を構成する一次部分と、少なくとも1つの二次部分とを備え、第1および第2の電極パターンの二次部分は、隣接して配置され、二次検出領域を構成し、
内側電極および外側電極の各々に信号を印加し前記電極の各々から電界を発生するステップと、
二次検出領域の近くに刺激を与え、第1のパターンおよび第2のパターンに関連する電界を同時に変えるステップとを含むタッチ・センサの電界信号を処理する方法。
【請求項38】
請求項43記載の方法であって、さらに、前記基板に配置された少なくとも第1および第2の検出回路を設けるステップを含み、前記パターンは、各々前記検出回路のうちの1つに対応する各々に電気的に結合され、さらに、
前記刺激を与えるステップの間に前記電界が変化すると、前記検出回路の双方を同時に附勢するステップを含む前記方法。
【請求項39】
請求項44記載の方法であって、さらに、前記附勢された検出回路からリモート・デバイスにコマンド信号を送信するステップと、
コマンド信号に応答し制御信号を発生するステップを含む前記方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公表番号】特表2008−537611(P2008−537611A)
【公表日】平成20年9月18日(2008.9.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−548550(P2007−548550)
【出願日】平成17年12月22日(2005.12.22)
【国際出願番号】PCT/US2005/046870
【国際公開番号】WO2006/071799
【国際公開日】平成18年7月6日(2006.7.6)
【出願人】(505287047)タッチセンサー テクノロジーズ,エルエルシー (17)
【Fターム(参考)】