説明

内服固形製剤及びその製造方法

【課題】酸型のカルボキシ基を有する解熱鎮痛成分と、2価及び/又は3価の金属塩からなる制酸剤との配合変化が抑制され、前記解熱鎮痛成分の溶出性に優れた内服固形製剤及びその製造方法の提供。
【解決手段】酸型のカルボキシ基を有する解熱鎮痛成分(a)と、2価及び/又は3価の金属塩からなる制酸剤(b)並びにpKa=5以下の酸及び/又はその塩(c)を含む造粒粒子と、を含有することを特徴とする内服固形製剤。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内服固形製剤及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
医薬品には一般的に複数の有効成分が配合される。たとえば主剤としてイブプロフェン等の解熱鎮痛成分を配合した内服固形製剤の場合、解熱鎮痛成分による胃荒れ等の副作用の低減を目的として制酸剤が配合されている。
一方、イブプロフェン等の酸性成分と、制酸剤等の塩基性成分とを配合した場合、配合変化により変色等の問題が生じることが知られている。
かかる問題に対し、それらの成分が接触しないように配合する方法が提案されている。たとえば特許文献1では、イブプロフェンを主体とする層と制酸剤を主体とする層との間にそれら両者を含まない層を設けた積層製剤が提案され、特許文献2では、酸性薬物、制酸剤等の2種類以上の粒状薬効成分のうち、少なくとも1種類以上を特定の被覆剤で被覆して混合した粒状医薬品が提案されている。
しかし、これらの方法は製造に手間がかかる。また、解熱鎮痛剤は服用後、短時間で薬物の効果が発揮されること(速効性)が求められるが、被覆等を施した場合、薬物の溶出が遅くなり、速効性を損なうおそれがある。
イブプロフェンと制酸剤との配合変化を抑制するための第3成分を配合する方法も提案されている。たとえば特許文献3では、イブプロフェン、制酸剤及び膨潤剤を含有する組成物を湿式造粒した経口投与用製剤が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平05−294829号公報
【特許文献2】特開2006−016329号公報
【特許文献3】特開2006−328000号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献3に記載されるような第3成分を配合する方法は、配合変化を抑制する効果が充分とはいえない。
特に、イブプロフェンを代表とする、酸型のカルボキシ基を有する解熱鎮痛成分と、2価及び/又は3価の金属塩からなる制酸剤とを配合した場合、該解熱鎮痛成分の溶出時間の遅延の問題が生じやすく、かかる問題の解決が求められる。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、酸型のカルボキシ基を有する解熱鎮痛成分と、2価及び/又は3価の金属塩からなる制酸剤との配合変化が抑制され、前記解熱鎮痛成分の溶出性に優れた内服固形製剤及びその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者らは、鋭意検討を重ねた結果、2価及び/又は3価の金属塩からなる制酸剤を、pKa=5以下の酸又はその塩を用いて造粒した後、酸型のカルボキシ基を有する解熱鎮痛成分と配合することにより上記課題が解決されることを見出し、本発明を完成した。
上記課題を解決する本発明は、以下の態様を有する。
[1]酸型のカルボキシ基を有する解熱鎮痛成分(a)と、2価及び/又は3価の金属塩からなる制酸剤(b)並びにpKa=5以下の酸及び/又はその塩(c)を含む造粒粒子と、を含有することを特徴とする内服固形製剤。
[2]前記造粒粒子中の前記(b)成分の配合量と前記(c)成分の配合量との比(質量比)が(b)/(c)=1〜20である、[1]に記載の内服固形製剤。
[3]さらに崩壊剤を含有する、[1]又は[2]に記載の内服固形製剤。
[4]前記崩壊剤の一部または全部が前記造粒粒子の表面に存在している、[3]に記載の内服固形製剤。
[5]粒剤、錠剤又はカプセル剤である、[1]〜[4]のいずれか一項に記載の内服固形製剤。
[6]前記(a)成分と前記造粒粒子とを同一層に含む錠剤である[1]〜[5]のいずれか一項に記載の内服固形製剤。
[7]前記(a)成分がイブプロフェンである[1]〜[6]のいずれか一項に記載の内服固形製剤。
[8][1]〜[7]のいずれか一項に記載の内服固形製剤の製造方法であって、
前記(b)成分及び前記(c)成分を含む造粒粒子を調製し、該造粒粒子と前記(a)成分とを配合して前記内服固形製剤を得ることを特徴とする製造方法。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、酸型のカルボキシ基を有する解熱鎮痛成分と、2価及び/又は3価の金属塩からなる制酸剤との配合変化が抑制され、前記解熱鎮痛成分の溶出性に優れた内服固形製剤及びその製造方法を提供できる。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本発明の内服固形製剤は、酸型のカルボキシ基を有する解熱鎮痛成分(a)((a)成分)と、2価及び/又は3価の金属塩からなる制酸剤(b)((b)成分)並びにpKa=5以下の酸及び/又はその塩(c)((c)成分)を含む造粒粒子(以下、造粒粒子(B)という。)と、を含有する。該造粒粒子(B)には前記(a)成分は配合されない。(b)成分と(c)成分とが予め同一造粒粒子(B)内に配合されていることにより、(a)成分と造粒粒子(B)とを配合した後の、(b)成分による(a)成分の配合変化と、それに伴う(a)成分の溶出性の低下を防止できる。
【0008】
[(a)成分]
(a)成分としては、酸型のカルボキシ基(−COOH)を有するものであればよく、公知の解熱鎮痛成分、たとえば日本医薬品集 医療薬 2008年版収載の解熱鎮痛消炎剤の内、酸型のカルボキシル基を有するものをいずれか1種、又は2種以上を適宜選択して配合できる。
(a)成分として、具体的には、イブプロフェン、ナプロキセン、ケトプロフェン、フルルビプロフェン、ザルトプロフェン、ロキソプロフェン等のプロピオン酸系化合物、ジクロフェナク、インドメタシン、スリンダク等の酢酸系化合物、アスピリン等のサリチル酸系化合物、その他メフェナム酸、エトドラグ、モフェゾラク等が挙げられる。これらの中でも、副作用、耐容性の点から、プロピオン酸系化合物が好ましく、イブプロフェン、ナプロキセンがより好ましく、イブプロフェンが特に好ましい。
【0009】
内服固形製剤中、(a)成分の配合量は、内服固形製剤の総質量に対し、1〜90質量%が好ましく、5〜80質量%がより好ましく、10〜70質量%がさらに好ましく、20〜60質量%が特に好ましい。該配合量が上記範囲の下限未満では、解熱鎮痛効果を得るために多量の製剤を必要とするため、利便性の上で好ましくない。上限を超えると、相対的にその他の成分、たとえば(b)成分や賦形剤の配合量が少なくなるため、製剤の機能としてのバランスが悪くなり、好ましくない。
【0010】
(a)成分は、原末をそのまま配合してもよく、造粒粒子(以下、造粒粒子(A)という。)として配合してもよい。流動性、混合均一性、発塵性等を考慮すると、造粒粒子(A)として配合することが好ましい。該造粒粒子(A)には前記(b)成分は配合されない。また、(c)成分については全量が造粒粒子(B)に配合されることが好ましい。
造粒粒子(A)中、(a)成分の配合量は、造粒粒子(A)の総質量に対し、10〜90質量%が好ましく、20〜80質量%がより好ましい。
造粒粒子(A)は、通常、(a)成分に加えて、さらに、製剤担体を含有する。製剤担体としては、通常、造粒粒子の製造に製剤担体として用いられている成分が挙げられ、具体的には、結合剤、賦形剤、崩壊剤等が挙げられる。これらはいずれか1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
結合剤、賦形剤、崩壊剤としては、それぞれ、後述する造粒粒子(B)の説明で挙げるものと同様のものが挙げられる。
造粒粒子(A)は、公知の造粒方法により製造でき、たとえば後述する造粒粒子(B)と同様の方法により製造できる。
造粒粒子(A)の平均粒子径は、剤形、用途、目的等に応じて適宜決定できる。流動性、混合均一性、発塵性を考慮すると、50〜800μmであることが好ましく、100〜600μmであることがより好ましい。
【0011】
造粒粒子(A)としては、上記の中でも、崩壊剤を含有するものが好ましい。崩壊剤を含有することにより、当該造粒粒子(A)を配合した内服固形製剤が錠剤である場合に、該錠剤を内服した際の崩壊時間が短くなり、(a)成分の溶出速度がさらに向上する。
前記造粒粒子(A)に配合される崩壊剤(以下、崩壊剤Aということがある。)は、造粒粒子(A)内に分散されていてもよく、造粒粒子(A)表面に存在してもよいが、崩壊剤Aの一部又は全部が造粒粒子(A)の表面に存在していることが好ましい。これにより、崩壊剤Aが造粒粒子内に分散している場合と比較して、錠剤としたときの崩壊性がより向上する。
崩壊剤Aの一部又は全部が表面に存在している造粒粒子(A)として、(a)成分を含有するコア粒子の表面に、崩壊剤Aを含有する被覆層が設けられた被覆造粒物(以下、崩壊剤被覆粒子Aということがある。)が挙げられる。
コア粒子としては、たとえば前記成分(a)の原末またはその造粒物が用いられる。
コア粒子の表面に被覆層を形成する方法としては、撹拌造粒法、流動層造粒法等の公知の被覆方法を採用することができる。それらの中でも、撹拌造粒法が好ましい。これにより、得られる錠剤の崩壊性が向上する。
【0012】
撹拌造粒法の場合、被覆層は、例えば以下の手順で被覆工程、乾燥工程を順次行うことにより形成できる。
被覆工程:撹拌造粒機(例えば、深江工業社製,ハイスピードミキサーFS.GS.10J型)にコア粒子を投入し、撹拌しながら所定の温度に加温した後、水を添加する。さらに撹拌した後、崩壊剤を添加して撹拌する。その後、必要に応じて、結合剤の水溶液を添加して、更に撹拌する。所定の時間撹拌を行い、撹拌を停止した後、得られた被覆造粒物を造粒機から排出する。
乾燥工程:被覆工程で得られた被覆造粒物を、予め予熱した流動層乾燥機に投入して乾燥操作を開始する。所定の時間乾燥操作を行って粒状乾燥物を得る。
被覆工程を行う際の温度条件(撹拌時の温度条件)としては、造粒物の硬度を高める観点から、50〜90℃が好ましく、60〜80℃がより好ましい。同様の観点から、撹拌時間(崩壊剤の添加を開始してから撹拌を停止するまでの時間)としては、1〜30分間が好ましく、3〜20分間がより好ましい。
上記方法によって得られた粒状乾燥物に対し、さらに、粒度分布を整えるために、整粒操作を行ってもよい。
整粒操作としては、粉砕処理、篩過処理が挙げられ、これらを組合せて行うことが好ましい。粉砕処理は、市販の粉砕装置を用いて実施でき、該粉砕装置としては、分級スクリーンと回転ブレードを持った機種が好ましく、具体的にはフィッツミル(製品名、ホソカワミクロン(株)製)、ニュースピードミル(製品名、岡田精工(株)製)、コミニューター(製品名、(株)ダルトン製)、フェザーミル(製品名、ホソカワミクロン(株)製)等が挙げられる。篩過処理は、市販の篩過装置を用いて実施でき、該篩過装置として具体的にはジャイロシフター(製品名、(株)徳寿工作所製)、ローテックススクリーナー(製品名、(株)セイシン企業製)、ダルトン振動ふるい(製品名、(株)ダルトン製)等が挙げられる。
【0013】
崩壊剤被覆粒子Aの被覆層中に含まれる崩壊剤Aの量は、崩壊剤被覆粒子Aの総質量(被覆層を設けた後の質量)に対し、5〜50質量%が好ましい。該配合量が5質量%以上であると充分な崩壊性向上効果が得られ、50質量%以下であると、保存時に膨潤による変形等が生じにくい。
崩壊剤被覆粒子Aの被覆層には、さらに、結合剤を配合することが好ましい。これにより、崩壊剤被覆粒子Aのコア粒子の表面がより密に被覆される。
崩壊剤被覆粒子Aの被覆層に含まれる結合剤の量は、崩壊剤被覆粒子Aの総質量(被覆層を設けた後の質量)に対し、1〜15質量%が好ましい。
【0014】
[(b)成分]
(b)成分は、2価及び/又は3価の金属塩からなる制酸剤である。
(b)成分としては、公知の制酸剤、たとえば第十五改正日本薬局方又は医薬品添加物事典2007に収載の制酸剤の内、2価及び/又は3価の金属塩からなるものをいずれか1種、又は2種以上を適宜選択して配合できる。
好ましい(b)成分として、乾燥水酸化アルミニウムゲル、酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、アルミニウムグリシネート、水酸化アルミニウム・炭酸マグネシウム混合乾燥ゲル、水酸化アルミニウム・炭酸カルシウム・炭酸マグネシウムの共沈生成物等が挙げられる。これらの中でも、少量で配合効果を発揮する点から、乾燥水酸化アルミニウムゲル、酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、メタケイ酸アルミン酸マグネシウムが好ましく、乾燥水酸化アルミニウムゲルが特に好ましい。
【0015】
内服固形製剤中、(b)成分の配合量は、内服固形製剤の総質量に対し、1〜80質量%が好ましく、3〜70質量%がより好ましく、5〜60質量%がさらに好ましく、10〜50質量%が特に好ましい。該配合量が上記範囲の下限未満では、制酸効果を得るために多量の製剤を必要とするため、利便性の上で好ましくない。上限を超えると、相対的にその他の成分、たとえば(a)成分や賦形剤の配合量が少なくなるため、製剤の機能としてのバランスが悪くなり、好ましくない。
【0016】
内服固形製剤中、前記(a)成分の配合量と前記(b)成分の配合量との比(質量比)は、(a)/(b)=0.1〜20であることが好ましく、0.4〜10であることがより好ましい。(a)/(b)の比が上記範囲内であると、本発明の効果が高く、当該内服固形製剤の機能としてのバランスにも優れる。一方、(b)成分の比率が高すぎると、(b)成分による(a)成分の配合変化を充分に抑制できず、(a)成分の溶出性が低下するおそれがある。(b)成分の比率が低くなると、配合変化が生じ難くなるため、本発明の必要性も低下する。
【0017】
[(c)成分]
(c)成分は、pKa5以下の酸及び/又はその塩である。ただし本発明において、酸型のカルボキシ基を有し且つpKaが5以下である解熱鎮痛成分は、(a)成分に該当し、(c)成分には該当しない。
ここで本明細書および特許請求の範囲において、pKaは、25℃におけるpKaである。また、水素イオンを複数放出し、複数のpKa値を有する酸においては最も低い値のpKaである。
(c)成分は、前記(b)成分による前記(a)成分の配合変化とそれに伴う溶出性の低下を防止するため、(b)成分とともに造粒粒子とされた後、(a)成分と配合される。pKaが5超の酸又はその塩を用いた場合、配合変化を充分に抑制できない。
前記酸のpKaは、4.8以下が好ましく、4.0以下がより好ましい。該pKaの下限は特に限定されないが、通常、1以上が好ましく、2以上がより好ましい。
前記酸の塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩などのアルカリ金属塩、カルシウム塩などのアルカリ土類金属塩やアルミニウム塩が挙げられる。
(c)成分としては、所定のpKaを有するものであればよく、公知のもの、たとえば医薬品添加物事典2007に収載の酸及びその塩の内、pKa5以下の酸及びその塩のいずれか1種、又は2種以上を適宜選択して配合できる。
好ましい(c)成分として、乳酸(pKa=3.64)、乳酸カルシウム、乳酸アルミニウム、リン酸(pKa=1.83)、リン酸二水素ナトリウム、リン酸二水素カリウム、酒石酸(pKa=2.87)、氷酢酸(pKa=4.76)、クエン酸(pKa=2.90)等が挙げられる。これらの中でも、乳酸、乳酸カルシウム、乳酸アルミニウム、リン酸、酒石酸が好ましい。
【0018】
内服固形製剤中、(c)成分の配合量は、内服固形製剤の総質量に対し、0.1〜30質量%が好ましく、0.5〜25質量%がより好ましく、1〜20質量%がさらに好ましく、2〜15質量%が特に好ましい。該配合量が上記範囲の下限未満では、(b)成分による(a)成分の配合変化を充分に抑制できず、(a)成分の溶出性が低下するおそれがある。上限を超えると、相対的にその他の成分、たとえば(a)成分や賦形剤の配合量が少なくなるため、製剤の機能としてのバランスが悪くなり、好ましくない。
(c)成分は、その全量を前記造粒粒子(B)中に配合してもよく、一部を前記造粒粒子(B)中に配合してもよい。ただし本発明の効果のためには、後述するように、造粒粒子(B)中の前記(b)成分の配合量と前記(c)成分の配合量との比(質量比)が(b)/(c)=1.0〜20であることが必要である。
【0019】
[造粒粒子(B)]
造粒粒子(B)中の前記(b)成分の配合量と前記(c)成分の配合量との比(質量比)は(b)/(c)=1〜20であることが好ましく、1.2〜18がより好ましく、2〜10がさらに好ましく、2〜9が特に好ましく、3〜8が最も好ましい。(b)/(c)の比が上記範囲の下限未満では、造粒粒子(B)の造粒のし易さが低下する場合があり、また、当該内服固形製剤を錠剤とした場合に、該錠剤の崩壊性が劣化するおそれがある。錠剤の崩壊性が劣化すると、それに伴って(a)成分の溶出性も低下する。(b)/(c)の比が上記範囲の上限を超えると、(a)成分の配合変化を充分に防止できず、(a)成分の溶出性が低下する。
また、造粒粒子(B)中、(b)成分及び(c)成分の合計量が占める割合は、造粒のし易さ、造粒物の硬度を考慮すると、造粒粒子(B)の総質量に対し、10〜95質量%が好ましく、20〜90質量%がより好ましく、30〜85質量%がさらに好ましい。
【0020】
造粒粒子(B)は、(b)成分及び(c)成分のみから構成されてもよく、必要に応じて、本発明の効果を損なわない範囲で、(b)成分及び(c)成分以外の他の成分を含有してもよい。
該他の成分としては、たとえば、通常、造粒粒子の製造に製剤担体として用いられている成分が挙げられ、具体的には、結合剤、賦形剤、崩壊剤、滑沢剤等が挙げられる。これらの成分は、それぞれ、いずれか1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
結合剤としては、たとえばヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、メチルセルロース、エチルセルロース、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、部分α化デンプン、ポリアクリル酸、ポリビニルアルコール等が挙げられ、特にHPCが好ましい。
造粒粒子(B)中、結合剤の配合量は、造粒粒子(B)の総質量に対し、0.5〜20質量%が好ましく、1〜10質量%がより好ましい。
賦形剤としては、たとえばコーンスターチ、結晶セルロース、マンニトール、マクロゴール、バレイショデンプン、コムギデンプン、乳糖、白糖、果糖、軽質無水ケイ酸等が挙げられる。
造粒粒子(B)中、賦形剤の配合量は、造粒粒子(B)の総質量に対し、1〜80質量%が好ましく、5〜60質量%がより好ましい。
崩壊剤としては、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース(L−HPC)、カルメロースカルシウム、カルメロースナトリウム、カルボキシメチルセルロースカルシウム、カルボキシメチルスターチナトリウム、クロスカルメロースナトリウム、クロスポビドン等が挙げられる。
滑沢剤としては、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ショ糖脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール、タルク、ステアリン酸等が挙げられる。
【0021】
造粒粒子(B)の製造方法は、特に限定されず、公知の造粒方法により製造できる。該造粒方法としては、乾式造粒法、湿式造粒法のいずれでも利用できる。
乾式造粒法による造粒は、たとえば乾式圧縮法により実施でき、具体的には、(b)成分、(c)成分及び結合剤、その他の任意成分を混合した後、該混合物を圧縮して造粒する方法が挙げられる。
湿式造粒法による造粒は、たとえば、粒状の(b)成分に、(c)成分及び結合剤を含む水性液を添加して造粒する方法により実施できる。このとき、必要に応じて、任意の生理活性成分、賦形剤等を添加してもよい。湿式造粒法として具体的には、攪拌造粒法、流動層造粒法、押し出し造粒法、転動造粒法、捏和・破砕造粒等が挙げられる。
これらの中でも、配合変化の抑制効果に優れる点から、湿式造粒法が好ましく、攪拌造粒法、流動層造粒法、押出し造粒法がより好ましく、攪拌造粒法が特に好ましい。
前記造粒は、公知の造粒装置、例えば、流動層造粒装置、攪拌造粒装置、容器回転型造粒装置等を用いて実施できる。流動層造粒装置として具体的には、マルチプレックス(製品名、(株)パウレック製)、スパイラフロー(製品名、フロイント産業(株)製)等が挙げられる。また、攪拌造粒装置として具体的には、ハイスピードミキサー(製品名、深江パウテック(株)製)、高速撹拌造粒機((株)ダルトン製)等が挙げられる。押出し造粒装置として具体的には、エクストルード・オー・ミックス(製品名、ホソカワミクロン(株)製)、2軸混練押出機(製品名、(株)栗本鐵工所製)、ツインドームグラン(製品名、(株)ダルトン製)、ペレッターダブル(製品名、(株)ダルトン製)、ファインリューザー(製品名、(株)ダルトン製)等が挙げられる。
【0022】
造粒物の硬度を高める観点から、造粒を行う際の温度条件として、50〜90℃が好ましく、60〜80℃がより好ましい。同様の観点から造粒時間としては10〜120分が好ましく、15〜90分がより好ましい。
上記方法によって造粒された粒子は粒度分布を整えるために整粒することが好ましい。
整粒操作は粉砕工程と篩過工程を組合せて行うことが好ましい。粉砕装置としては分級スクリーンと回転ブレードを持った機種が好ましく、具体的にはフィッツミル(製品名、ホソカワミクロン(株)製)、ニュースピードミル(製品名、岡田精工(株)製)、コミニューター(製品名、(株)ダルトン製)、フェザーミル(製品名、ホソカワミクロン(株)製)等が挙げられる。篩過装置として具体的にはジャイロシフター(製品名、(株)徳寿工作所製)、ローテックススクリーナー(製品名、(株)セイシン企業製)、ダルトン振動ふるい(製品名、(株)ダルトン製)等が挙げられる。
【0023】
造粒粒子(B)の平均粒子径は、剤形、用途、目的等に応じて適宜決定できる。たとえば流動性、混合均一性、発塵性を考慮すると、50〜800μmであることが好ましく、100〜600μmであることがより好ましい。ここで、本明細書における「平均粒子径」は、第十五改正日本薬局方に収載されるレーザー回折法による粉体粒度測定により求められる値である。
【0024】
造粒粒子(B)としては、特に、崩壊剤を含有するものが好ましい。崩壊剤を含有することにより、当該造粒粒子(B)を配合した内服固形製剤が錠剤である場合に、該錠剤を内服した際の崩壊時間が短くなり、(a)成分の溶出速度がさらに向上する。
前記造粒粒子(B)に配合される崩壊剤(以下、崩壊剤Bということがある。)は、造粒粒子(B)内に分散されていてもよく、造粒粒子(B)表面に存在してもよいが、崩壊剤Bの一部又は全部が造粒粒子(B)の表面に存在していることが好ましい。これにより、崩壊剤Bが造粒粒子内に分散している場合と比較して、錠剤としたときの崩壊性がより向上する。
崩壊剤Bの一部又は全部が表面に存在している造粒粒子(B)として、(b)成分および(c)成分を含有するコア粒子の表面に、崩壊剤Bを含有する被覆層が設けられた被覆造粒物(以下、崩壊剤被覆粒子Bということがある。)が挙げられる。
コア粒子は、前記造粒粒子(B)と同様の手順で製造できる。
コア粒子の表面に被覆層を形成する方法としては、撹拌造粒法、流動層造粒法等の公知の被覆方法を採用することができる。それらの中でも、撹拌造粒法が好ましい。これにより、得られる錠剤の崩壊性が向上する。
撹拌造粒法による被覆層の形成は、コア粒子を変更する以外は、前記崩壊剤被覆粒子Aの説明で挙げた方法と同様にして実施できる。
崩壊剤被覆粒子Bの被覆層中に含まれる崩壊剤Bの量は、崩壊剤被覆粒子Bの総質量(被覆層を設けた後の質量)に対し、5〜50質量%が好ましい。該配合量が5質量%以上であると充分な崩壊性向上効果が得られ、50質量%以下であると、保存時に膨潤による変形等が生じにくい。
崩壊剤被覆粒子Bの被覆層には、さらに、結合剤を配合することが好ましい。これにより、崩壊剤被覆粒子Bのコア粒子の表面がより密に被覆される。
崩壊剤被覆粒子Bの被覆層に含まれる結合剤の量は、崩壊剤被覆粒子Bの総質量(被覆層を設けた後の質量)に対し、1〜15質量%が好ましい。
【0025】
[その他の成分]
本発明の内服固形製剤は、必要に応じて、本発明の効果を損なわない範囲で、(a)〜(c)成分以外の他の成分を含有してもよい。
該他の成分としては、たとえば、前記造粒粒子(B)の説明で挙げた製剤担体(賦形剤、崩壊剤、滑沢剤等)、(a)成分及び(b)成分以外の生理活性成分等が挙げられる。
前記生理活性成分としては、たとえば、(a)成分以外の解熱鎮痛成分(たとえばピロキシカム、メロキシカム、アンピロキシカム、セロコキシブ、ロフェコキシブ、チアラミド、アセトアミノフェン、エテンザミド、スルピリン等)、鎮静催眠成分(例えば、アリルイソプロピルアセチル尿素、ブロムワレリル尿素等)、抗ヒスタミン成分(例えば、塩酸イソチペンジル、塩酸ジフェニルピラリン、塩酸ジフェンヒドラミン、塩酸ジフェテロール、塩酸トリプロリジン、塩酸トリペレナミン、塩酸トンジルアミン、塩酸フェネタジン、塩酸メトジラジン、サリチル酸ジフェンヒドラミン、ジフェニルジスルホン酸カルビノキサミン、酒石酸アリメマジン、タンニン酸ジフェンヒドラミン、テオクル酸ジフェニルピラリン、ナパジシル酸メブヒドロリン、プロメタジンメチレン二サリチル酸塩、マレイン酸カルビノキサミン、dl−マレイン酸クロルフェニラミン、d−マレイン酸クロルフェニラミン、リン酸ジフェテロール等)、中枢興奮成分(例えば、安息香酸ナトリウムカフェイン、カフェイン、無水カフェイン等)、ビタミン成分(例えば、ビタミンB1及びその誘導体並びにそれらの塩類、ビタミンB2及びその誘導体並びにそれらの塩類、ビタミンC及びその誘導体並びにそれらの塩類、ヘスペリジン及びその誘導体並びにそれらの塩類等)等が挙げられる。
【0026】
上記のなかでも、崩壊剤を含有することが好ましい。崩壊剤を含有することにより、本発明の内服固形製剤が錠剤である場合に、該錠剤を内服した際の崩壊時間が短くなり、(a)成分の溶出速度がさらに向上する。
この場合、崩壊剤は、原末をそのまま配合してもよく、他の成分とともに造粒粒子(以下、造粒粒子(D)という。)として配合してもよい。
崩壊剤を含有する造粒粒子(D)を配合する場合、該造粒粒子(D)における崩壊剤(以下、崩壊剤Dということがある。)は、造粒粒子(D)内に分散されていてもよく、造粒粒子(D)表面に存在してもよいが、崩壊剤Dの一部又は全部が造粒粒子(D)の表面に存在していることが好ましい。これにより、崩壊剤Dが造粒粒子内に分散している場合と比較して、錠剤としたときの崩壊性がより向上する。
崩壊剤Dの一部又は全部が表面に存在している造粒粒子(D)として、前記(a)〜(c)成分を含有しないコア粒子の表面に、崩壊剤Dを含有する被覆層が設けられた被覆造粒物(以下、崩壊剤被覆粒子Dということがある。)が挙げられる。
該コア粒子としては、特に限定されないが、たとえば、上述した、(a)成分及び(b)成分以外の生理活性成分の原末もしくはその造粒物、または賦形剤の粒子が用いられる。
コア粒子の表面に被覆層を形成する方法としては、撹拌造粒法、流動層造粒法等の公知の被覆方法を採用することができる。それらの中でも、撹拌造粒法が好ましい。これにより、得られる錠剤の崩壊性が向上する。
撹拌造粒法による被覆層の形成は、コア粒子を変更する以外は、前記崩壊剤被覆粒子Aの説明で挙げた方法と同様にして実施できる。
崩壊剤被覆粒子Dの被覆層中に含まれる崩壊剤Dの量は、崩壊剤被覆粒子Dの総質量(被覆層を設けた後の質量)に対し、5〜50質量%が好ましい。該配合量が5質量%以上であると充分な崩壊性向上効果が得られ、50質量%以下であると、保存時に膨潤による変形等が生じにくい。
崩壊剤被覆粒子Dの被覆層には、さらに、結合剤を配合することが好ましい。これにより、崩壊剤被覆粒子Dのコア粒子の表面がより密に被覆される。
崩壊剤被覆粒子Dの被覆層に含まれる結合剤の量は、崩壊剤被覆粒子Dの総質量(被覆層を設けた後の質量)に対し、1〜15質量%が好ましい。
【0027】
本発明の内服固形製剤の剤型は特に限定されないが、粒剤、錠剤又はカプセル剤であることが好ましく、粒剤又は錠剤であることがより好ましい。
粒剤としては、顆粒剤、散剤、細粒剤が挙げられ、特に顆粒剤が好ましい。
ここで、顆粒剤、散剤及び細粒剤は、それぞれ、第十五改正日本薬局方解説書に定義されたものである。粒度として、顆粒剤は、目開き1700μmの篩を全量通過し、1400μmの篩に残留するものは全量の5質量%以下であり、また目開き355μmの篩を通過するものは全量の15質量%以下である。散剤は、目開き850μmの篩を全量通過し、目開き500μmの篩に残留するものは全量の5質量%以下である。散剤の内、目開き75μmの篩を通過するものが全量の10質量%以下のものが、細粒剤と称することが出来る。
【0028】
錠剤としては、単一の層からなる単層錠であってもよく、複数の層が積層された多層錠であってもよい。
多層錠とする場合、(a)成分と造粒粒子(B)とは同一層に配合してもよく、異なる層に配合してもよい。(a)成分と(b)成分とが異なる層に配合された多層錠であっても、(a)成分を含む層と(b)成分を含む層とが直接接している場合は、(b)成分による(a)成分の配合変化が生じるため、(b)成分を造粒粒子(B)として配合する本発明の有用性は高い。
本発明においては、特に、(a)成分と造粒粒子(B)とを同一層に含む錠剤であることが好ましい。(a)成分と前記造粒粒子(B)とを同一層に含むことは、本発明の有効性が高く、また、服用時の(a)成分及び(b)成分の溶出性の観点からも好ましい。該錠剤は、(a)成分と造粒粒子(B)とを含む層のみからなる単層錠であってもよく、該層に他の層を積層した多層錠であってもよい。
本発明の内服固形製剤が錠剤である場合、本発明の有効性、製造の容易さ等から、該錠剤は単層錠であることが好ましい。
【0029】
また、本発明の内服固形製剤が錠剤である場合、上述したように、さらに崩壊剤を含有することが好ましい。
崩壊剤は、内服用固形製剤にそのまま配合してもよく、造粒粒子の形態で配合されてもよい。該造粒粒子は、前記造粒粒子(A)であってもよく、前記造粒粒子(B)であってもよく、また、それらの両方に含まれてもよい。また、別途、前記造粒粒子(D)を配合してもよい。造粒粒子(A)、(B)、(D)は、いずれか1種を単独で用いても2種以上を併用してもよい。
造粒粒子(A)、(B)、(D)において、崩壊剤は、上述したように、造粒粒子内に分散されていてもよく、造粒粒子表面に存在してもよいが、崩壊剤の一部又は全部が造粒粒子の表面に存在していることが好ましい。これにより、崩壊剤が造粒粒子内に分散している場合と比較して、錠剤としたときの崩壊性がより向上する。これは、該錠剤を服用した際に、粒子の表面を覆う形で局在している崩壊剤が膨潤するため、造粒粒子内に均一に分散している場合よりも、崩壊の力が局所的に強く働くためと考えられる。このように錠剤の崩壊性が向上することで、成分である薬剤の溶出速度がより向上し、薬効の速効性がより向上する。
造粒粒子(A)、(B)、(D)としては、それぞれ、前記崩壊剤被覆粒子A、前記崩壊剤被覆粒子B、前記崩壊剤被覆粒子Dが好ましい。これら、崩壊剤を含有する被覆層を表面に有する粒子を配合することで、上述したように、錠剤の崩壊性がより向上する。これは、該錠剤を服用した際に、粒子の表面を覆う形で局在している崩壊剤が膨潤するため、造粒粒子内に均一に分散している場合よりも、崩壊の力が局所的に強く働くためと考えられる。このように錠剤の崩壊性が向上することで、成分である薬剤の溶出速度がより向上し、薬効の速効性がより向上する。
また、崩壊剤被覆粒子A、B、Dにおける被覆層は、それぞれ、上述したように、撹拌造粒法により設けられたものであることが好ましい。これにより、得られる錠剤の崩壊性が向上する。これは、同じ組成の被覆層を流動層造粒法等の他の造粒法により設ける場合に比べて、得られる崩壊剤被覆粒子Aが硬いものとなり、これによって、打錠成形時に崩壊剤被覆粒子Aが潰れにくく、その表面に膨潤能の高い被覆層を有したまま錠剤中に存在するためと考えられる。
崩壊剤被覆粒子A、B、Dから選ばれる少なくとも1種を配合する場合、崩壊剤被覆粒子の被覆層に含まれる崩壊剤の量は、錠剤の総質量に対し、1〜20質量%が好ましく、3〜15質量%がより好ましい。また、崩壊剤被覆粒子の含有量は、錠剤の総質量に対して、10〜90質量%であることが好ましい。なお、該崩壊剤の量、崩壊剤被覆粒子の含有量は、崩壊剤被覆粒子として前記崩壊剤被覆粒子A、B、Dのうちの2種以上を併用する場合は、それぞれ、それらの合計量である。
なお、崩壊剤被覆粒子A、B、Dにおいて、被覆層は、必ずしもコア粒子全面を被覆している必要はない。
【0030】
本発明の内服固形製剤は、前記造粒粒子(B)を調製し、該造粒粒子(B)と前記(a)成分または前記造粒粒子(A)とその他の任意成分とを配合して所定の剤型とすることにより製造できる。
たとえば内服固形製剤が粒剤である場合、前記造粒粒子(B)と、粒状の(a)成分または造粒粒子(A)とその他の任意成分とを混合することにより該内服固形製剤を調製できる。
造粒粒子(B)と(a)成分または造粒粒子(A)とその他の任意成分との混合は、ボーレミキサー、ダブルコーンミキサー、V型ミキサー、コンテナーブレンダー等の公知の混合機を用いて行うことができる。
【0031】
本発明の内服固形製剤が単層錠の錠剤である場合、上述のようにして造粒粒子(B)と、粒状の(a)成分または造粒粒子(A)と、その他の任意成分とを混合し、得られた混合物を打錠することにより該内服固形製剤を調製できる。
打錠は公知の打錠成型機、例えばLIBRA(製品名、(株)菊水製作所製)、HP−AP−MS型(製品名、(株)畑鐵工所製)等のロータリー式の打錠成型機等、を用いて実施できる。
また、多層錠の錠剤であって、(a)成分と造粒粒子(B)とを同一層に含む場合、たとえば、上述のようにして造粒粒子(B)と、粒状の(a)成分または造粒粒子(A)と、その他の任意成分とを混合し、得られた混合物を多層式ロータリー打錠機の製錠臼に供給して第1層とし、その上に第2層を積層した後、上杵と下杵の間で圧縮成形することにより製造できる。(a)成分と造粒粒子(B)とを同一層に含まない場合は、(a)成分及び造粒粒子(B)のいずれか一方を第1層に配合し、他方を第2層に配合する以外は同様にして製造できる。
錠剤の寸法は特に限定されず、(a)成分の配合量及び用量等を考慮して適宜決定することができるが、錠剤の径として5〜14mmφが好ましく、7〜12mmφがより好ましい。
【0032】
本発明の内服固形製剤がカプセル剤である場合、混合工程の後、さらに、得られた混合粒子を、所定のカプセル内に充填する工程を行う。これによりカプセル剤を得ることができる。
カプセルおよび充填方法としてはそれぞれ公知のカプセルおよび充填方法が利用できる。
【0033】
本発明の内服固形製剤は、(b)成分を予め(c)成分とともに造粒し、造粒粒子(B)として(a)成分と配合することにより、(b)成分による(a)成分の配合変化と、それに伴う(a)成分の溶出性の低下を防止できる。
この配合変化による(a)成分の溶出性の低下は、(a)成分のカルボキシ基が(b)成分と反応して溶解性が劣化した形態に変化するためではないかと推測される。
また、予め造粒粒子(B)とすることにより配合変化が抑制される理由としては、明らかではないが、造粒粒子(B)を製造する際、(c)成分の作用によって、(b)成分粒子の表面に被覆層が形成され、(b)成分と(a)成分との直接接触が抑制されるためではないかと推測される。
【実施例】
【0034】
本発明について、実施例を示してさらに具体的に説明する。ただし本発明はこれらに限定されるものではない。
以下の各例で使用した原料はそれぞれ以下のとおりである。
<使用原料>
イブプロフェン:BASF社製、日本薬局方適合品。
ナプロキセン:TEVA PARMACEUTICAL社製、日本薬局方適合品。
アセトアミノフェン:岩城製薬(株)製、日本薬局方適合品。
無水カフェイン:白鳥製薬(株)製、日本薬局方適合品。
乾燥水酸化アルミニウムゲル:協和化学工業(株)製、S−100、日本薬局方適合品。
酸化マグネシウム:協和化学工業(株)製、日本薬局方適合品。
炭酸マグネシウム:協和化学工業(株)製、日本薬局方適合品。
メタケイ酸アルミン酸マグネシウム:富士化学工業(株)製、日本薬局方適合品。
乳酸:昭和化工(株)製、日本薬局方適合品。
リン酸:太平化学産業(株)製、医薬品添加物規格適合品。
酒石酸:昭和化工(株)製、日本薬局方適合品。
乳酸カルシウム水和物:太平化学産業(株)製、日本薬局方適合品。
乳酸アルミニウム:昭和化工(株)製
氷酢酸:日本合成化学工業(株)製、日本薬局方適合品。
L−HPC(1):低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、信越化学工業(株)製、商品名「LH−21」、日本薬局方適合品。
L−HPC(2):低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、信越化学工業(株)製、商品名「LH−31」、日本薬局方適合品。
HPC−SSL:ヒドロキシプロピルセルロース、日本曹達(株)製、日本薬局方適合品。
D−マンニトール:ロケット・ジャパン(株)製、日本薬局方適合品。
ステアリン酸マグネシウム:太平化学産業(株)製、植物性、日本薬局方適合品。
【0035】
<実施例1>
[造粒粒子(A)の製造]
イブプロフェン2145g及びL−HPC(2)858gを、ポリエチレン製の袋内で混合した後、微粉砕機コロプレックス((株)パウレック製,160Z型)に投入し、回転数14000rpmの条件で粉砕した。得られた粉砕物1365g及びアセトアミノフェン975gを、予熱しておいたスパイラフローSFC−5型(フロイント産業(株)製)に投入し、吸気温度55℃、排気風量2.7m/分、ローター回転数200rpmの条件で流動を開始した。排気温度が43℃以上であることを確認後、結合液(HPC−SSL:D−マンニトール:精製水=390:312:6110(質量比)の水溶液)を、2流体ノズルATF型(穴径φ1.8mm)を用いて100mL/分の液速度で噴霧した。噴霧開始から15分後に液速度を60mL/分に変更し、合計2620g噴霧した。噴霧終了後、吸気温度を65℃に変更し、前記と同じ排気風量で乾燥操作を開始した。排気温度が43℃に達した時点で乾燥操作を終了し、造粒物(温度52℃)を得た。得られた造粒物を、目開き850μmの篩を用いて全量篩過し(篩上品もへらで潰しながら篩過)、(a)成分を含む造粒粒子(A)を得た。
【0036】
[造粒粒子(B)の製造]
乾燥水酸化アルミニウムゲル1225g及びL−HPC(1)350gを、予め80℃の温水を通水(通水は内容物排出まで継続)した撹拌造粒機(深江工業(株)製,ハイスピードミキサーFS.GS.10J型)に投入した。投入後、アジテーター300rpm、チョッパー1500rpmの条件で攪拌を開始し、3分間混合後、結合液(HPC−SSL:乳酸:水=80:400:1520(質量比)の水溶液)を500g/分の流速で1750g添加した。その後、結合液添加時間も含め合計8分間攪拌操作を継続し、攪拌を停止した。その後、20分間造粒機内で静置し、15秒間アジテーター300rpm、チョッパー1500rpmの攪拌を行い、再度20分間造粒機内で静置した。静置後、撹拌造粒物(温度73℃)を造粒機から排出した。得られた攪拌造粒物を、予め吸気温度80℃で予熱し、排気温度が60℃となったスパイラフローSFC−5型(フロイント産業(株)製)に投入し、吸気温度80℃、排気風量2.6m/分、ローター回転数200rpmの条件で乾燥操作を開始した。90分間乾燥操作を継続し、粒状乾燥物(温度71℃)を得た。該粒状乾燥物を、目開き850μmの篩を用いて篩分けし、篩を通過しなかった粒子を粉砕機((株)徳寿工作所製、フィオーレF−0型(スクリーンφ1.2mm、周波数20Hz))に投入し、粉砕した。得られた粉砕物と、目開き850μmの篩を通過した粒子とを混合して、(b)成分及び(c)成分を含む造粒粒子(B)を得た。
【0037】
[混合工程]
表1に示した組成になるように、合計量3500gとして各成分を測りとった。これらのうち、ステアリン酸マグネシウムを除く成分を混合機(寿工業(株)製、ボーレコンテナミキサー20L LM−20型)に投入した。20rpmの条件で40分間混合した後、ステアリン酸マグネシウムを投入し、20rpmの条件で3分間混合した。
【0038】
[打錠工程]
前記混合工程で得られた混合物を、直径8.5mm(2段R)の杵・臼を装着したロータリー式打錠機((株)菊水製作所製、LIBRA2)を用いて、ターンテーブル回転数20rpm、攪拌フィードシュー回転数60rpm、予圧1.5kN、本圧3kNの条件で打錠し、錠剤を得た。
【0039】
<実施例2>
前記[造粒粒子(B)の製造]にて乳酸の代わりにリン酸を用いた以外は実施例1と同様にして錠剤を得た。
【0040】
<実施例3>
前記[造粒粒子(B)の製造]にて乳酸の代わりに酒石酸を用いた以外は実施例1と同様にして錠剤を得た。
【0041】
<実施例4>
前記[造粒粒子(B)の製造]にて乳酸の代わりに乳酸カルシウム水和物を用いた以外は実施例1と同様にして錠剤を得た。
【0042】
<実施例5>
前記[造粒粒子(B)の製造]にて乳酸の代わりに乳酸アルミニウムを用いた以外は実施例1と同様にして錠剤を得た。
【0043】
<実施例6>
前記[造粒粒子(B)の製造]にて乳酸の代わりに氷酢酸を用いた以外は実施例1と同様にして錠剤を得た。
【0044】
<実施例7>
前記[造粒粒子(B)の製造]にて乾燥水酸化アルミニウムゲルの代わりに酸化マグネシウムを用いた以外は実施例1と同様にして錠剤を得た。
【0045】
<実施例8>
前記[造粒粒子(B)の製造]にて乾燥水酸化アルミニウムゲルの代わりに炭酸マグネシウムを用いた以外は実施例1と同様にして錠剤を得た。
【0046】
<実施例9>
前記[造粒粒子(B)の製造]にて乾燥水酸化アルミニウムゲルの代わりにメタケイ酸アルミン酸マグネシウムを用いた以外は実施例1と同様にして錠剤を得た。
【0047】
<実施例10>
前記[造粒粒子(B)の製造]にて用いた結合液の組成をHPC−SSL:乳酸:水=80:1600:320(質量比)とした以外は実施例1と同様にして錠剤を得た。
【0048】
<実施例11>
前記[造粒粒子(B)の製造]にて用いた結合液の組成をHPC−SSL:乳酸:水=80:1400:520(質量比)とした以外は実施例1と同様にして錠剤を得た。
【0049】
<実施例12>
前記[造粒粒子(B)の製造]にて用いた結合液の組成をHPC−SSL:乳酸:水=80:920:1000(質量比)とした以外は実施例1と同様にして錠剤を得た。
【0050】
<実施例13>
前記[造粒粒子(B)の製造]にて用いた結合液の組成をHPC−SSL:乳酸:水=80:560:1360(質量比)とした以外は実施例1と同様にして錠剤を得た。
【0051】
<実施例14>
前記[造粒子(B)の製造]にて用いた結合液の組成をHPC−SSL:乳酸:水=80:160:1760(質量比)とした以外は実施例1と同様にして錠剤を得た。
【0052】
<実施例15>
前記[造粒粒子(B)の製造]にて用いた結合液の組成をHPC−SSL:乳酸:水=80:120:1800(質量比)とした以外は実施例1と同様にして錠剤を得た。
【0053】
<実施例16>
前記[造粒粒子(B)の製造]にて用いた結合液の組成をHPC−SSL:乳酸:水=80:80:1840(質量比)とした以外は実施例1と同様にして錠剤を得た。
【0054】
<実施例17>
前記[造粒粒子(B)の製造]にて用いた結合液の組成をHPC−SSL:乳酸:水=80:60:1860(質量比)とした以外は実施例1と同様にして錠剤を得た。
【0055】
<実施例18>
前記[造粒粒子(A)の製造]にてイブプロフェンの代わりにナプロキセンを用いた以外は実施例1と同様にして錠剤を得た。
【0056】
<実施例19、20、21>
前記[造粒粒子(B)の製造]にて、乾燥水酸化アルミニウムゲルおよび結合液の使用量を、造粒粒子(B)の組成が表3に示す組成となるように変更した以外は実施例1と同様にして錠剤を得た。
【0057】
<実施例22>
前記[造粒粒子(A)の製造]を以下の手順で行ったこと以外は実施例1と同様にして錠剤を得た。
イブプロフェン3300g及びL−HPC(2)1320gを、ポリエチレン製の袋内で混合した後、微粉砕機コロプレックス((株)パウレック製,160Z型)に投入し回転数12000rpmの条件で粉砕した。得られた粉砕物2100gを、予熱しておいたスパイラフローSFC−5型(フロイント産業(株)製)に投入し、吸気温度55℃、排気風量2.7m/分、ローター回転数200rpmの条件で流動を開始した。排気温度が43℃以上であることを確認後、結合液(HPC−SSL:D−マンニトール:精製水=390:312:6110(質量比)の水溶液)を、2流体ノズルATF型(穴径φ1.8mm)を用いて100mL/分の液速度で噴霧した。噴霧開始から15分後に液速度を60mL/分に変更し、合計2620g噴霧した。噴霧終了後、吸気温度を65℃に変更し、前記と同じ排気風量で乾燥操作を開始した。排気温度が43℃に達した時点で乾燥操作を終了し、造粒物(温度51℃)を得た。得られた造粒物を目開き850μmの篩を用いて全量篩過し(篩上品もへらで潰しながら篩過)、造粒粒子(A)を得た。
【0058】
<実施例23>
前記[造粒粒子(B)の製造]を以下の手順で行ったこと以外は実施例1と同様にして錠剤を得た。
乾燥水酸化アルミニウムゲル1225gを、予め80℃の温水を通水(通水は内容物排出まで継続)した撹拌造粒機(深江工業(株)製,ハイスピードミキサーFS.GS.10J型)に投入した。投入後、アジテーター300rpm、チョッパー1500rpmの条件で攪拌を開始し、3分間混合後、乳酸水溶液(乳酸:水=350:450(質量比)の水溶液)を800g/分の流速で800g添加した。その後、乳酸水溶液添加時間も含め合計3分間攪拌操作を継続し、攪拌を停止した。その後、60分間造粒機内で静置した。静置後、L−HPC(1)350gをミキサー内に投入し、再度、アジテーター300rpm、チョッパー1500rpmの条件で攪拌を開始した。3分間混合後、撹拌を継続しつつ結合液(HPC−SSL:水=70:1175(質量比)の水溶液)を600g/分の流速で1245g添加した。その後、6分間撹拌操作を継続し、撹拌造粒物(温度75℃)を造粒機から排出した。得られた攪拌造粒物を、予め吸気温度80℃で予熱し、排気温度が60℃となったスパイラフローSFC−5型(フロイント産業(株)製)に投入し、吸気温度80℃、排気風量2.6m/分、ローター回転数200rpmの条件で乾燥操作を開始した。90分間乾燥操作を継続し、粒状乾燥物(温度71℃)を得た。前記粒状乾燥物を、目開き850μmの篩を用いて篩分けし、篩を通過しなかった粒子を粉砕機((株)徳寿工作所製、フィオーレF−0型(スクリーンφ1.2mm、周波数20Hz))に投入し、粉砕した。得られた粉砕物と、目開き850μmの篩を通過した粒子とを混合して、(b)成分及び(c)成分を含む造粒粒子(B)を得た。
【0059】
<比較例1>
前記[造粒粒子(B)の製造]にて乳酸を用いなかった以外は実施例1と同様にして錠剤を得た。
【0060】
<比較例2>
前記[造粒粒子(B)の製造]にて用いた結合液の組成をHPC−SSL:水=80:1520(質量比)とし、該結合液の添加量を1400gとした((c)成分の添加を行わなかった)以外は同様に造粒粒子(B)を製造し、その後の[混合工程]にて表3に示す配合量の酒石酸を添加した以外は実施例1と同様にして錠剤を得た。
【0061】
<比較例3>
[造粒粒子(A)の製造]
イブプロフェンとL−HPC(2)の粉砕物1365gとアセトアミノフェン975gに加え、酒石酸150gも、予熱しておいたスパイラフローSFC−5型(フロイント産業(株)製)に投入した以外は実施例1の[造粒粒子(A)の製造]と同様にして造粒粒子(A)を得た。
【0062】
[造粒粒子(B)の製造]
用いた結合液の組成をHPC−SSL:水=80:1520(質量比)とし、結合液の添加量を1400gとした((c)成分の添加を行わなかった)以外は実施例1の[造粒粒子(B)の製造]と同様にして造粒粒子(B)を得た。
【0063】
[混合工程、打錠工程]
表3に示した組成になるように、合計量3500gとして各成分を測りとり、実施例1と同様に混合工程及び打錠工程を行い、錠剤を得た。
【0064】
<実施例24>
前記[混合工程]後、得られた混合粉体を打錠しなかったこと以外は実施例1と同様にして顆粒剤を得た。
【0065】
<比較例4>
前記[混合工程]後、得られた混合粉体を打錠しなかったこと以外は比較例1と同様にして顆粒剤を得た。
【0066】
<評価方法>
得られた錠剤及び顆粒剤について、以下の手順で[(a)成分の5分後の溶出率]を評価した。また、錠剤については[崩壊性]も評価した。それらの結果を表1〜4に併記する。
これらの結果に示すとおり、実施例1〜23の錠剤は、(a)成分の溶出性が良好で、崩壊性も良好であった。
一方、(c)成分を配合していない比較例1は(a)成分の溶出性が悪かった。これは、(c)成分が造粒粒子(B)に配合されないことで、(a)成分と(b)成分が配合変化を起こしたためと考えられる。
また、造粒粒子(B)の外に(c)成分を配合した比較例2、造粒粒子(A)に(c)成分を配合した比較例3も、(a)成分の溶出性が悪かった。これは、造粒粒子(B)を製造する際、(c)成分を配合しなかったため、(b)成分粒子の表面に被覆層が形成されず、(b)成分と(a)成分との直接接触を抑制できなかったためと考えられる。
同様に、実施例24の顆粒剤は(a)成分の溶出性が優れていたが、比較例4の顆粒剤は(a)成分の溶出性が悪かった。
【0067】
[(a)成分の溶出性]
得られた錠剤又は顆粒剤を、50℃、75%RHの雰囲気下に錠剤を開放状態にして1週間保存した。保存後の錠剤を用いて第十五改正日本薬局方に収載された溶出試験のパドル法に準拠し、pH=1.2液を用いてパドル回転数50rpmで溶出試験を行った。溶出時間5分の時点での(a)成分の溶出量(累加量)を、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)法により測定した。その結果から、溶出時間5分後の(a)成分の溶出率(評価に用いた錠剤又は顆粒剤に配合した(a)成分全量に対する、溶出時間5分の時点での(a)成分の溶出量(累加量)の割合(%))を求めた。該溶出率から、各錠剤又は顆粒剤中の(a)成分の溶出性を以下の基準に従い評価した。
◎:15%以上。
○:10%以上、15%未満。
○〜△:7%以上、10%未満。
△:5%以上、7%未満。
×:5%未満。
【0068】
[崩壊性]
第十五改正日本薬局方に収載される錠剤の崩壊試験法に準じ、6錠の崩壊時間を測定し、その平均値を求めた。該崩壊時間から、各錠剤の崩壊性を以下の基準に従い評価した。
◎:5分以内。
○:5分以上、6分未満。
○〜△:6分以上、7分未満。
△:7分以上、9分未満。
×:9分以上。
【0069】
【表1】

【0070】
【表2】

【0071】
【表3】

【0072】
【表4】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
酸型のカルボキシ基を有する解熱鎮痛成分(a)と、2価及び/又は3価の金属塩からなる制酸剤(b)並びにpKa=5以下の酸及び/又はその塩(c)を含む造粒粒子と、を含有することを特徴とする内服固形製剤。
【請求項2】
前記造粒粒子中の前記(b)成分の配合量と前記(c)成分の配合量との比(質量比)が(b)/(c)=1〜20である、請求項1に記載の内服固形製剤。
【請求項3】
さらに崩壊剤を含有する、請求項1又は2に記載の内服固形製剤。
【請求項4】
前記崩壊剤の一部または全部が前記造粒粒子の表面に存在している、請求項3に記載の内服固形製剤。
【請求項5】
粒剤、錠剤又はカプセル剤である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の内服固形製剤。
【請求項6】
前記(a)成分と前記造粒粒子とを同一層に含む錠剤である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の内服固形製剤。
【請求項7】
前記(a)成分がイブプロフェンである、請求項1〜6のいずれか一項に記載の内服固形製剤。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれか一項に記載の内服固形製剤の製造方法であって、
前記(b)成分及び前記(c)成分を含む造粒粒子を調製し、該造粒粒子と前記(a)成分とを配合して前記内服固形製剤を得ることを特徴とする製造方法。

【公開番号】特開2011−68645(P2011−68645A)
【公開日】平成23年4月7日(2011.4.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−192668(P2010−192668)
【出願日】平成22年8月30日(2010.8.30)
【出願人】(000006769)ライオン株式会社 (1,816)
【Fターム(参考)】