説明

内燃機関のエンジンオイルの貯留および濾過のためのシステムならびに内燃機関のエンジンオイルの循環および濾過のための方法

【課題】機能上の信頼性およびコストならびに必要な設置空間に関して、エンジンオイル濾過の既知のシステムに対して改良された、内燃機関のエンジンオイルの貯留および濾過のためのシステムを提供する。
【解決手段】本発明は、エンジンオイル循環路の一部としての少なくとも1つのオイル貯留装置と、少なくとも1つの濾過装置と、少なくとも1つのオイル送出ポンプとを備える、内燃機関のエンジンオイルの貯留および濾過のためのシステムであって、濾過装置がオイルの送出方向に関してオイル送出ポンプの上流に接続され、吸引濾過のみが実施されるシステムに関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エンジンオイル循環路の一部としての少なくとも1つのオイル貯留装置と、少なくとも1つの濾過装置と、少なくとも1つのオイル送出ポンプとを備える、内燃機関のエンジンオイルの貯留および濾過のためのシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
とりわけ知られているのが、内燃機関のオイル循環路中の圧力オイルフィルタである。当該圧力オイルフィルタは、エンジンオイルポンプの下流に接続され、エンジンハウジングまたはシリンダヘッドに、通常、交換可能になるように取り付けられている。従来のオイルフィルタには、具体的には、修理のために確実にアクセス可能でなければならないので、比較的大きい設置空間を占めるという欠点がある。
【0003】
圧力オイルフィルタは、アダプタに取り付けられることが多く、そのためさらに設置空間が必要であり、さらにコストがかかる。一般に、オイルラインが長いと適合ポイントが増え、通常そのオイルラインを穿孔しなければならず、これは、コストが高くなり、さらに、エンジンブロックおよびシリンダヘッドの穿孔による残渣の結果、さらなる汚染のリスクを伴うおそれがある。
【0004】
事実上、全ての圧力オイルフィルタがポンプの部分流中に配置され、そのため汚染したオイルは徐々にしか浄化されない(部分流の原理)。
【0005】
フィルタエレメントが高い油圧を受けないように維持するために、具体的には、エンジンまたは内燃機関の低温の動作状態では、圧力オイルフィルタは一般に、濾過していないオイルが最初に低温のオイル温度でエンジン潤滑点に供給されるように、バイパス弁を含む。こうした構成は複雑であり、さらにコストが必要になる。
【0006】
特許文献1には、吸引オイル濾過および圧力オイル濾過を一体化したエンジンおよびトランスミッションのオイルパン用のオイルフィルタインサートが開示されており、このオイルフィルタインサートでは、エンジンオイルまたはトランスミッションオイルの吸引濾過用のフィルタユニットおよび圧力濾過用のフィルタユニットが、シールキャリアフレーム上に配置されている。特許文献1に記載されているオイルフィルタインサートは、エンジンオイル濾過に適していることが適切に説明されているが、オートマチックトランスミッションのトランスミッションオイル濾過のためにのみ設計され、そのためにしか使用することができない。というのは、具体的には、非常に大量のエンジンオイルの流れが内燃機関のエンジンオイル循環路中で循環するからである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】独国特許出願公開第197 35 444号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、機能上の信頼性およびコストならびに必要な設置空間に関して、エンジンオイル濾過の既知のシステムに対して改良された、内燃機関のエンジンオイルの貯留および濾過のためのシステムを提供するという目的に基づいている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
その目的は、まず、エンジンオイル循環路の一部としての少なくとも1つのオイル貯留装置と、少なくとも1つの濾過装置と、少なくとも1つのオイル送出ポンプとを備える、内燃機関のエンジンオイルの貯留および濾過のためのシステムであって、その濾過装置がオイルの送出方向に関してオイル送出ポンプの上流に接続されることを特徴とするシステムによって実現される。こうしたシステムは、有利なことに、エンジンオイルパンに組み込むことができ、それにより、クランクケースまたはエンジンハウジングおよびオイルパンの従来利用していなかった設置空間が利用される。
【0010】
本発明の文脈では、オイル貯留装置は、従来の意味のオイルパンおよびドライパン潤滑機能のオイル容器の両方を意味すると理解することができる。
【0011】
本発明によるシステムはまた、オイルパンの濾過装置の取り付けが、さらなるオイルライン、ねじ孔、およびエンジンハウジング中またはその上のシーリング点を必要としないという利点も有する。
【0012】
本発明によるシステムの有利な一変形形態では、吸引濾過のみが実施される。先の考えとは逆に、圧力オイル濾過を省くことができるような低い流動抵抗を有するように濾過装置を設計することが完全に可能である。
【0013】
本発明によるシステムの有利な一変形形態では、濾過装置がオイル送出ポンプの主流中に配置されるか、またはオイル送出ポンプが濾過装置に対して吸引側に直接接続される。
【0014】
濾過装置は、好都合に、オイル貯留装置内に配置される。濾過装置自体が完全にオイルに浸されているので、オイル貯留装置またはオイルパン内の関連する体積の損失は比較的小さい。
【0015】
本発明によるシステムの特に好都合な変形形態では、濾過装置はオイルパンの交換可能なフィルタインサートとして設計されると想定される。
【0016】
濾過装置は、濾過材を除いて、オイルパンの一体の構成要素の一部として形成することもできる。
【0017】
濾過装置は、例えば、対応するように設計された、オイルパンの検査開口部を介してアクセス可能にすることができる。本発明の特に有利な変形形態では、検査カバーに配置された排油ねじなどの形態の排油装置は、検査開口部に配置される。
【0018】
フィルタインサートは、好都合には、少なくとも1つのフィルタハウジングと、そのフィルタハウジングに設けられた少なくとも1つのフィルタエレメントとを備える。
【0019】
そのシステムの特に有利な変形形態では、フィルタエレメントが、オイルの流動方向に、少なくとも1つの第1の濾過層および1つの第2の濾過層を備え、第1の濾過層の濾過材が第2の濾過層の濾過材より密であると想定される。例えば、第1の濾過層の濾過材を比較的密な不織フィルタまたはフィルタ生地として形成することが可能であり、第2の濾過層の濾過材を例えば粗いフィルタスクリーンとして形成することができる。
【0020】
第1および第2の濾過層がいくつかの領域に互いに間隔をあけて配置され、第2の濾過層から間隔をあけて配置された、いくつかの領域で第1の濾過層が流れバイパスを備えることは特に好都合である。このようにして、具体的にはエンジンオイルが低温のときに、濾過装置の流動抵抗が所定の限度内に確実に維持される。
【0021】
通路孔機構が第1の濾過層中の流れバイパスとして設けられることが特に有利であると証明されている。エンジンオイルが比較的低温のときは、そのオイルの一部が、最初に第1の濾過層の通路孔機構を通って流れ、オイルは第2の濾過層によって微細濾過される。対照的に、第1の濾過層ではオイルが極細濾過される。所望のオイルの純度は、連続して粘性が下がることに関連して温度が上昇するオイルが、さらに多く第1の濾過層の濾過材を通して導かれる点で全体的に生成される。第1の濾過材の開口部を通って流れるオイルの割合は、温度が上昇するにつれて連続して減少する。
【0022】
第1の濾過層の通路孔機構は、それぞれの用途またはエンジンのタイプによって必要に応じた形態およびサイズの観点から設計される。設計パラメータは、事実上、ポンプの吸引力、ポンプの送出力、動作の結果生じる、オイルへの汚れのある一定の導入、および使用するオイルの粘性を含む。
【0023】
第1の濾過層は、好ましくは折り畳まれる(プリーツ加工される)。通路孔機構は、折り畳み構成の折り目の領域と、それらの折り目のフランクの領域の両方に設けることができる。通路孔機構はどんなサイズ、形態、および構成のものでもよい。これは、孔自体の設計と、濾過層中の通路孔機構の構成の両方に適用される。配置は、濾過層上で繰り返しパターンの形態で設けられてよい。通路孔機構の構成は対称でも非対称でもよい。
【0024】
第1の濾過層は、例えば、円筒形でプリーツ加工されたフィルタカートリッジの形態をとることができ、そうしたカートリッジは、例えば円筒形の金属格子の形態の第2の濾過層によって囲繞される。
【0025】
有利なことに、いずれの場合も第1の濾過層と第2の濾過層との間にチャンバが設けられ、それらのチャンバの境界壁が、第1の濾過層の折り目のフランクによって部分的に形成される。そのチャンバは、第1の濾過層の折り目のフランク、および第2の濾過層によって画定された横方向の表面のフランクによって画定される。
【0026】
本発明によるシステムの好都合な一変形形態では、フィルタハウジングが、オイルポンプの吸引側の接続のための少なくとも1つの取り入れ接続部品を有すると想定される。
【0027】
本発明によるシステムの有利な一実施形態では、通常の動作条件下で濾過装置に生じる圧力損失が400mbar以下であると想定される。
【0028】
フィルタハウジングは、好都合に、オイルパンの最も低い位置に配置される。
【0029】
フィルタハウジングは、好ましくは、少なくとも1つの部分流ダクトを備え、そのダクトは、設置位置では取り入れ接続部品を直接フィルタハウジングの上側領域に接続する。取り入れ接続部品は、例えば、フィルタハウジングの下側部分または下側領域に開くことができる。何らかの環境下でほぼフィルタハウジングの上側領域に集まる空気/ガスは、ポンプ中のキャビテーションが確実に防止されるようにして、好ましくはベンチュリの作用を利用して、部分流ダクトを介してオイルポンプの主な取り入れ流の中に引き込まれる。
【0030】
本発明は、上記で言及した特徴を有するフィルタインサートにも関する。
【0031】
本発明がそれに基づいている目的は、最後に、エンジンオイルが吸引オイル濾過のみを受けることを特徴とする、内燃機関のエンジンオイルの循環および濾過のための方法によって実現される。
【0032】
本発明によれば、オイルの濾過は、複数段で行われ、第1の濾過は比較的密な濾過材によって実施され、第2の濾過は比較的粗い濾過材によって実施される。
【0033】
図面に示した例示的な実施形態に基づいて、本発明を以下で説明する。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】設置した状態の、本発明による濾過装置を通る断面図である。
【図2】フィルタハウジングを通る断面図である。
【図3】フィルタハウジングに挿入されたフィルタエレメントの分解図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
本発明によるフィルタインサート1が、熱可塑性材料から構成されたフィルタハウジング2と、そのフィルタハウジング2中に挿入されたフィルタエレメント3とを備える。
【0036】
フィルタインサート1は、乗用車または多用途車の内燃機関のオイルパン4内で、そのオイルパン4の検査開口部5の領域に配置される。検査開口部5は、設置位置ではオイルパン4の最も低い位置に配置され、検査カバー6によって閉鎖される。フィルタハウジング2は、フィルタエレメント3用の概して円筒形の受容空間を画定し、図3に示すようにその受容空間も同様に円筒形である。検査開口部5および検査カバー6は互いに対応する設計のものであり、その検査カバー6は中心排油開口部7を備え、その中心排油開口部7は、Oリングシール9を介在して排油ねじ8によって閉鎖される。
【0037】
フィルタエレメント3は、検査カバー6に取り付けられたウェブ10によって、その位置にフィルタハウジング2に関して保持される。ウェブ10は、設置位置ではフィルタエレメント3の下側カバー11に対して支持される。同時に、ウェブ10は、フィルタエレメント3の入口12が開いたままになるようにして、フィルタエレメント3と検査カバー6との間の間隔を画定するように働く。
【0038】
フィルタエレメント3を図3の分解図に示す。フィルタエレメント3は、ひだ付きの生地または不織フィルタの形態の第1の内側濾過材13と、ワイヤのかごまたはワイヤの格子の形態の、第1の濾過材13を囲繞する第2の濾過材14とを備える。図面では、第2の濾過材のメッシュの間隔は図では誇張して大きくなっている。
【0039】
第1の濾過材13は極細の濾過材として設計され、第2の濾過材14は微細の濾過材として設計される。第1の濾過材13は比較的密な濾過材として設計され、第2の濾過材14は比較的粗い濾過材として設計される。
【0040】
説明した例示的な実施形態では、濾過されるエンジンオイルは、まず第1の濾過材13を通り、次いで第2の濾過材14を通って流れる。そのオイルは、以下でさらに説明するように、フィルタエレメント3の中心から外側にフィルタハウジング2に流れ、そこからオイルポンプ(図示せず)に流れる。
【0041】
しかし、本発明の文脈では、オイルが外側から濾過材を通ってフィルタエレメント3の中心に流れ、そこからオイルポンプに流れることも可能である。これにより、互いに関する濾過材の対応する構成が必要になる。
【0042】
具体的には図3と図1を並置すると理解できるように、第1の濾過材13はプリーツ加工され(折り畳まれ)、第1の濾過材13のフランク15は通路孔機構16を備える。
【0043】
説明する例示的な実施形態では、通路孔機構は、取り囲む孔のダクトが2つ形成されるように選択され、通路孔機構のサイズおよび構成、さらに孔の数は設計の問題である。いずれの場合も、第1の濾過材の対向する2つのフランク15、および第2の濾過材14の関連の横方向の表面は、断面がほぼ三角形のチャンバを画定する。各チャンバの領域では、第1の濾過材13は第2の濾過材14から間隔をあけて配置される。第1の濾過材13のプリーツ加工された設計の結果、複数の折り目およびチャンバは、第1の濾過材13の円周に沿って形成される。
【0044】
図3から理解できるように、第2の濾過材14は第1の濾過材13を囲繞する。その構成は、上側カバー17および下側カバー11によって一緒に保持され、フィルタカートリッジ/フィルタエレメント3を形成する。そのフィルタカートリッジ/フィルタエレメント3は、オイルパン4に位置を固定して配置されたフィルタハウジング2中に着脱可能に挿入され、ウェブ10によってフィルタハウジング2中で保持される。具体的には、第1の濾過材は、例えば、上側カバー17および下側カバー11に粘着させて接続することができる。
【0045】
鋼/ハイグレード鋼から、または例えばポリアミドの格子として、第2の濾過材14を形成することができる。
【0046】
フィルタエレメント3の下側カバー11は、Oリングシール18によってシーリングシート19に対して封鎖されており、そのシーリングシート19はフィルタハウジング2のカラーとして形成されている。フィルタハウジング2内では、フィルタエレメント3は、ハウジングの内側に突出したペグ20によって心合わせされている。
【0047】
オイルパン4の検査カバー6が着脱された後で、交換のために、フィルタエレメント3をフィルタハウジング2から全体的に着脱するかまたは取り外すことができる。
【0048】
フィルタハウジング2(図2参照)は部分流ダクト21を備え、その部分流ダクト21は、フィルタハウジング2の最も上の境界から取り入れ接続部品22中に延び、その取り入れ接続部品22は、エンジンオイルポンプ(図示せず)の吸引側に直接接続されている。さらに、取り入れ接続部品22は、取り入れ開口部23を介してフィルタハウジング2の下側部分に直接開いている。フィルタハウジング2の上側領域では、部分流ダクト21は、取り入れ開口部24を介して、フィルタエレメント3用に設けられたフィルタハウジング2の容積に接続されている。下側の取り入れ開口部23は、取り入れ開口部24より大きくなるように寸法設定されており、そのため、例えばオイル充填プロセスの後またはオイルを発泡させた場合に、エンジンオイルポンプ中のキャビテーションが確実に防止されるようにして、フィルタハウジング2の上側領域に集まる空気があればその空気を付随して取り入れ接続部品22に引き込む作用で、取り入れ開口部24を通して吸引された主オイル流が部分流ダクト21の吸引動作を生じる。
【0049】
エンジンオイルポンプによって真空が発生するので、エンジンオイルは、フィルタエレメント3の下側カバー11の楕円形の入口開口部として設計された入口12を介して第1の濾過材13の内部に引き込まれる。エンジンオイルは、そこから第1の濾過材13を通って流れ、続いて、第1の濾過材13を覆うように配置された第2の濾過材14を貫通し、低温状態では、エンジンオイルの一部の量が通路孔機構16を通って流れ、第1の濾過材13の折り目によって生じたポケット/チャンバを通って第2の濾過材14を直接通る。エンジンオイルがさらに温まると、通路孔機構の外側の第1の濾過材13の比較的密なフィルタ生地/不織フィルタを貫通し、その結果、初めて極細の濾過が実現される。
【0050】
フィルタエレメント3の複数段の設計によって、具体的には、第2の濾過材14までの隙間に通路孔機構16が設けられた結果、ポンプ中のキャビテーションが確実に防止されるように、オイルポンプ上流の流動抵抗および濾過装置全体の流動抵抗を比較的低く維持することが可能である。
【0051】
フィルタエレメント3の交換中に、すぐ下に配置された排油装置に関連してフィルタインサート1をエンジンの最も低い位置に配置する結果、軽く粘着した汚れがあればそれを、流出するオイルによって確実に一緒に運び、オイルパンから押し出す。
【0052】
関連のオイル交換中には、オイルを排出するときはどんな場合でもこの位置で作業しなければならないので、フィルタ交換中のシステムへのアクセス性が確保され、それ程大きい消費を伴わない。フィルタインサート1自体は、オイルパン4にねじ留めされた検査カバー6を通して外から単純にアクセスされる。
【0053】
エンジンから環境への漏出点の数が減少するという点で、動作の信頼性が向上する。さらに、オイルポンプは、濾過されていないオイルのせいで生じるおそれがある損傷に対して保護されている。フィルタエレメント3によって発生する流動抵抗が低い結果、オイルポンプに必要な駆動力は従来の圧力オイル濾過で必要になる駆動力よりも低い。このようにして、ポンプ効率、したがってエンジン効率が、特にエンジンが低温のときに上昇する。
【符号の説明】
【0054】
1 フィルタインサート
2 フィルタハウジング
3 フィルタエレメント
4 オイルパン
5 検査開口部
6 検査カバー
7 排油開口部
8 排油ねじ
9 Oリングシール
10 ウェブ
11 下側カバー、フィルタエレメント
12 入口
13 第1の濾過材
14 第2の濾過材
15 フランク
16 通路孔機構
17 上側カバー
18 Oリングシール
19 シーリングシート
20 ペグ
21 部分流ダクト
22 取り入れ接続部品
23 取り入れ開口部
24 取り入れ開口部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
エンジンオイル循環路の一部としての少なくとも1つのオイル貯留装置と、少なくとも1つの濾過装置と、少なくとも1つのオイル送出ポンプとを備える、内燃機関のエンジンオイルの貯留および濾過のためのシステムであって、
前記濾過装置がオイルの送出方向に関して前記オイル送出ポンプの上流に接続されることを特徴とするシステム。
【請求項2】
吸引濾過のみが実施されることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記濾過装置が前記オイルポンプの主送出流中に配置されることを特徴とする請求項1または2に記載のシステム。
【請求項4】
前記濾過装置が前記オイル貯留装置内に配置されることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項5】
前記オイル貯留装置がオイルパン(4)として設計されることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項6】
前記濾過装置が、前記オイルパン(4)の交換可能なフィルタインサート(1)として設計されることを特徴とする請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
前記フィルタインサート(1)が、少なくとも1つのフィルタハウジング(2)と、前記フィルタハウジング(2)に設けられた少なくとも1つのフィルタエレメント(3)とを備えることを特徴とする請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
前記フィルタエレメント(3)が、前記オイルの流動方向に、少なくとも1つの第1の濾過層および1つの第2の濾過層を備え、前記第1の濾過層の前記濾過材(13)が、前記第2の濾過層の前記濾過材(14)より密であることを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項9】
前記第1および第2の濾過層がいくつかの領域に互いに間隔をあけて配置され、前記第2の濾過層から間隔をあけて配置された、いくつかの領域で前記第1の濾過層が流れバイパスを備えることを特徴とする請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
通路孔機構(16)が流れバイパスとして前記第1の濾過層に設けられることを特徴とする請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
前記第1の濾過層が、折り畳まれた(プリーツ加工された)濾過材を備え、前記通路孔機構(16)が、いずれの場合も前記折り目のフランク(15)の領域に設けられることを特徴とする請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
いずれの場合も第1の濾過層と前記第2の濾過層との間にチャンバが設けられ、前記チャンバの境界壁が、前記第1の濾過層の前記折り目の前記フランク(15)によって部分的に形成されることを特徴とする請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
前記フィルタハウジング(2)が、前記エンジンオイル送出ポンプの吸引側の接続のための少なくとも1つの取り入れ接続部品(22)を有することを特徴とする請求項5から10のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項14】
通常の動作条件下で前記濾過装置に生じる圧力損失が400mbar以下であることを特徴とする請求項1から11のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項15】
前記フィルタハウジング(2)が少なくとも1つの部分流ダクト(21)を備え、前記部分流ダクト(21)が、前記設置位置では前記取り入れ接続部品(22)を直接前記フィルタハウジング(2)の上側領域に接続することを特徴とする請求項14に記載のシステム。
【請求項16】
前記フィルタハウジング(2)が、前記オイルパン(4)の最も低い位置に配置されることを特徴とする請求項5から15のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項17】
請求項6から16のいずれか一項に記載の特徴を有するフィルタインサート。
【請求項18】
エンジンオイルが吸引濾過のみを受けることを特徴とする内燃機関のエンジンオイルの循環および濾過のための方法。
【請求項19】
前記エンジンオイルの濾過が複数段で行われることを特徴とする請求項18に記載の方法。
【請求項20】
第1の濾過が比較的密な濾過材によって実施され、第2の濾過が比較的粗い濾過材によって実施されることを特徴とする請求項19に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2011−190804(P2011−190804A)
【公開日】平成23年9月29日(2011.9.29)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−54008(P2011−54008)
【出願日】平成23年3月11日(2011.3.11)
【出願人】(508152434)イーベーエス・フィルトラン・クンシュトシュトフ/メタレルツォイニッセ・ゲーエムベーハー (6)
【Fターム(参考)】