説明

内燃機関のシリンダライナの製造方法

【課題】燃焼室構成部分では、保持した潤滑油を外側に流出することがなく且つ熱伝導率が高く、クランクケース側部分では熱伝導率が低い、シリンダライナを容易に短時間で確実に製造することができる方法を提供する。
【解決手段】焼結体からなる成形体1の外側の燃焼室構成部分1bに埋め込み材を含浸させた内燃機関のシリンダライナ1’を製造するためのもので、成形体1の外側の燃焼室構成部分1bを加熱するとともに、成形体1の燃焼室構成部分1bを下方にして容器10内にセットして容器10の内面と成形体1の外面との間に浴槽11を形成し、容器10内にセットされた成形体1の内側に密閉されたチャンバ12を形成し、この浴槽11内に埋め込み材3を導入し、その後、チャンバ12内の圧力を検知しつつチャンバ12内を減圧し、チャンバ12内の圧力を所定の値まで減圧したら、チャンバ12内の減圧を停止する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内燃機関のシリンダライナの製造方法に関し、さらに詳しくは、焼結体からなる成形体の燃焼室構成部分の外側に埋め込み材を含浸させて成形体の空孔を封孔する、内燃機関のシリンダライナを製造するための方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
内燃機関のシリンダブロックには、シリンダライナを備えたものがある。シリンダライナは、ピストンが摺動するときのガイドとなる部材であり、内周面に潤滑油を保持して摺動性を確保する役割がある。そして、シリンダライナには、焼結体により構成されたものが知られている。焼結体からなるシリンダライナには空孔が存在しており、この空孔に潤滑油が保持されるため、潤滑油を保持する能力が良好でピストンの摺動性を向上させるには都合がよい。このような焼結体からなる成形体で構成されたシリンダライナは、たとえば特許文献1に開示されている。
【0003】
特許文献1には、焼結合金で構成したシリンダライナの空隙部に樹脂を含浸させたことを特徴とする内燃機関のシリンダライナが開示されており、その目的は、焼結合金で構成したシリンダライナの空隙部から燃焼ガスが漏れることを防止することにある。そして、特許文献1には、焼結合金で構成したシリンダライナを真空槽に入れ、粉末の間の空隙部に含まれている水、油、空気をシリンダライナより取り出す真空引きを行い、この真空引きしたシリンダライナを、樹脂の溶液を満たした樹脂槽に漬けて空隙部に樹脂を含浸させ、乾燥炉に入れて乾燥させることによりシリンダライナが完成することが記載されている(公報第2頁左上欄第10行〜同欄第20行)。
【0004】
ところで、内燃機関においては、燃焼に伴う温度上昇よりシリンダボアが熱膨張するが、その温度変化はシリンダの軸方向位置によって異なる。すなわち、ピストンが摺動する燃焼室構成部分(シリンダヘッドが取り付けられる上側部分ということもできる)においては温度上昇が大きく高温となり、ピストンが摺動しないクランクケース側の部分(下側部分ということもできる)においては温度上昇が小さい。
【0005】
このように部分による温度差が大きいと、熱膨張に差が生じることからシリンダボアの真円度が低下するなど変形し、シリンダボア(シリンダライナ)とピストン(ピストンリング)との間の面圧が低下してそのシール性が低下することとなり、ひいてはオイル消費の増大を招くこととなる。
【0006】
一方、ピストンリングの押圧力を大きく設定してシリンダボアとの間の面圧を高めることにより、ピストンリングとシリンダボアとの間のシール性を保つようにすることも考えられる。ところが、こうした場合には、これらピストンリングとシリンダボアとの間の摩擦抵抗が必要以上に増大することから、内燃機関の燃費の悪化を招くこととなる。
【0007】
そのため、シリンダライナの温度上昇が比較的大きい上側部分では、シリンダブロックのボア部の熱膨張による変形に対する強度を確保するために、シリンダライナの外周面とシリンダブロックのボア部との間の熱伝導率を高くすることが望ましい。また、シリンダライナの燃焼室を構成する上側部分では、燃焼圧が高いため、潤滑油が外側に漏れ易いため、潤滑油をシリンダライナの内側に保持して外側に流出しないようにする必要がある。
一方、シリンダライナの温度上昇が比較的小さい下側部分では、冷却損失を向上させて燃費を向上させるために、ピストンが摺動する範囲のクランクケース側を断熱するよう熱伝導率を低くすることが望ましい。
【0008】
そのため、特許文献2に開示されているように、高熱伝導皮膜を軸方向の上部の外周面に形成したこと、低熱伝導皮膜を軸方向の下部の外周面に形成したこと、及び前記上部の外周面と前記下部の外周面との間に位置する外周面に前記高熱伝導皮膜の一部と前記低熱伝導皮膜の一部とが積み重なる積層部を形成したことなどを特徴とするシリンダライナが知られている。そして、特許文献2には、高熱伝導皮膜の製造方法として、溶射、ショットコーティング、メッキが示されており、低熱伝導皮膜の製造方法として、溶射、塗装、樹脂コーティング、化成処理が示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開昭64−32052号公報
【特許文献2】特開2007−16737号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、上記従来の技術のうちの特許文献1にあっては、シリンダライナを真空槽で真空引きした後に、真空槽とは異なる樹脂槽に移動させるものであったため、真空槽で取り出された空気が移動中に空隙部に再度含まれることとなることから、シリンダライナの表面の空隙のみが、しかも、全体的に均一に樹脂を含浸され、その結果、潤滑油の保持性を確保し且つ部分によって熱伝導率を変化させることができず、望ましいシリンダライナを製造することが困難であった。
【0011】
また、上記従来の技術のうちの特許文献2にあっては、いずれの被膜の製造方法においても、所定の被膜を形成しない部分をマスキングする必要があり、また、シリンダライナをその軸回りに回転させるなどして被膜を全周にわたって均一に形成する必要があるため、工程が複雑となり、また製造時間やコストがかかるなどの問題があった。
【0012】
本発明は、上述した問題に鑑みてなされたもので、シリンダヘッド側に配置され燃焼室を構成する上側部分では、保持した潤滑油を外側に流出することがなく且つ熱伝導率が高く、クランクケース側に配置される下側部分では熱伝導率が低い、シリンダライナを容易に短時間で確実に製造することができる方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
請求項1の内燃機関のシリンダライナの製造方法に係る発明は、上記目的を達成するため、焼結体からなる成形体の燃焼室構成部分の外側に埋め込み材を含浸させる内燃機関のシリンダライナの製造方法であって、成形体の燃焼室構成部分を加熱するとともに、該成形体の燃焼室構成部分を下方にして容器内にセットして容器の内面と成形体の外面との間に浴槽を形成し、該浴槽内に前記埋め込み材を導入することを特徴とするものである。
また、請求項2の内燃機関のシリンダライナの製造方法に係る発明は、上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明において、容器内にセットされた成形体の内側に密閉されたチャンバを形成し、浴槽内に埋め込み材を導入した後にチャンバ内を減圧することを特徴とするものである。
さらに、請求項3の内燃機関のシリンダライナの製造方法に係る発明は、上記目的を達成するため、請求項2に記載の発明において、チャンバ内の圧力を検知して、チャンバ内の圧力を所定の値まで減圧したら、チャンバ内の減圧を停止することを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0014】
請求項1の発明によれば、成形体の燃焼室構成部分を加熱するとともに、この該成形体の燃焼室構成部分を下方にして容器内にセットして容器の内面と成形体の外面との間に浴槽を形成して、この浴槽内に埋め込み材を含浸させる高さまで導入することにより、焼結体からなる成形体の燃焼室構成部分の外側のみに埋め込み材を容易に且つ確実に含浸させることができる。
また、請求項2の発明によれば、請求項1に記載の発明において、容器内にセットされた成形体の内側に密閉されたチャンバを形成し、浴槽内に埋め込み材を導入した後にチャンバ内を減圧することにより、成形体の空孔を介して浴槽内に導入された埋め込み材が吸引されるため、焼結体からなる成形体の燃焼室構成部分の外側に埋め込み材を短時間で且つ確実に含浸させることができる。
さらに、請求項3の発明によれば、請求項2に記載の発明において、チャンバ内の圧力を検知し、チャンバ内の圧力を所定の値まで減圧したら、チャンバ内の減圧を停止することにより、焼結体からなる成形体の燃焼室構成部分の外側に埋め込み材を適切に精度よく確実に含浸させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明により製造されたシリンダライナを有するシリンダブロックの一例を説明するために示した断面図である。
【図2】図1に示したシリンダライナの空孔を封孔する部分を説明するために概念的に示した部分拡大断面図である。
【図3】本発明による方法の実施の一形態における手順を説明するために、シリンダライナとなる焼結体からなる成形体の燃焼室構成部分を下方にして容器内にセットし、容器の内面と成形体の外面との間に浴槽を形成した状態を示した断面図である。
【図4】図3に示した状態から、容器に蓋をして、成形体の内側に密閉されたチャンバを形成した状態を説明するために示した断面図である。
【図5】図4に示した状態から、浴槽内に埋め込み材を導入した状態を説明するために示した断面図である。
【図6】図5に示した状態から、チャンバ内を減圧した状態を説明するために示した断面図である。
【図7】図6に示した状態から、チャンバ内の減圧を停止した状態を説明するために示した断面図である。
【図8】複数のシリンダライナを一度に製造する場合を説明するために示した斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
最初に、本発明に製造される内燃機関のシリンダライナの構成を図1および図2に基づいて説明する。本発明により製造されるシリンダライナ1’は、内側面1a’では、潤滑油を保持して外側に流出しないようにして、また、外周面におけるシリンダヘッド側に配置され燃焼室を構成する上側部分1b’では、シリンダライナ1’の外周面とシリンダブロック2のボア部2aとの間の熱伝導率が高くなり、また、外周面におけるクランクケース2c側に配置される下側部分1c’では、断熱するよう熱伝導率が低くなるよう構成される。
【0017】
このように、シリンダライナ1’の内側面1a’に潤滑油を保持し、外側における上側部分1b’の熱伝導率が高く、下側部分1c’の熱伝導率を低くするために、具体的には、焼結体からなり無数の空孔Hを有する成形品1の、シリンダライナ1’の上側部分1b’となる部分1bの外側に埋め込み材3を含浸させて、かかる部分1bのみの空孔Hに埋め込み材を埋め込むことにより封孔する。埋め込み材3は、たとえば金属であり、この金属を溶融させた状態である溶湯とすることにより、成形体1の空孔Hに含浸させることができる。
【0018】
続いて、本発明の方法に使用される製造装置の一実施の形態を図3〜図7を参照しながら説明する。シリンダライナ1’の製造装置は、シリンダライナ1’となる成形体1を収容して浴槽11を形成するする容器10と、この容器10内に収容された成形体1の開口部を塞いでチャンバ12を形成する蓋部材13と、容器10内の浴槽11に埋め込み材として溶湯3を供給する溶湯供給手段14と、成形体1の燃焼室構成部分1bを加熱する成形体加熱手段15と、供給される溶湯3を保温するための溶湯保温手段16と、チャンバ11内を減圧する減圧手段17と、チャンバ11内の圧力を検知する検知手段として圧力センサ18とを備えている。
【0019】
成形体加熱手段15は、成形品1を外嵌することによりその成形品1を位置決めし得る外径を有する円筒状に形成されており、容器10の底に設けられている。また、減圧手段17は、容器10の底であって成形体加熱手段14の内部に開口するよう接続されている。溶湯供給手段13は、容器10の底であって浴槽となる部分に開口するよう接続されている。また、容器10の底であって成形体加熱手段15の外側には、成形体1の燃焼室構成部分1bの端面が当接されるシール部材19が設けられており、また、蓋部材13の下面であって成形品1のクランクケース側部分1cの端面と対応する位置には、この端面が当接されるシール部材20が設けられている。溶湯保温手段16は、容器10の側壁内であって溶湯3が導入される下方に設けられている。蓋部材13は、たとえば油圧シリンダなどの荷重付与手段に接続されており、容器10に対する開閉と、容器10の開口部を塞いだときに所定の荷重が付与されるようになっている。成形体加熱手段15と溶湯保温手段16は、たとえば、電流によって所定の温度に制御可能に発熱するヒータなどによって構成することができる。
【0020】
次に、本発明による内燃機関のシリンダライナ1’の製造方法の実施の一形態を、上述したように構成された装置を用いて、上述したように構成されるシリンダライナ1’を製造する場合により、図3〜図7に基づいて詳細に説明する。図において同じ符号は、同様または相当する部分を示すものとする。
本発明の方法は、概略、焼結体からなる成形体1の外側の燃焼室構成部分1bに埋め込み材を含浸させた内燃機関のシリンダライナ1’を製造するためのものであって、成形体1の外側の燃焼室構成部分1bを加熱するとともに、この成形体1の燃焼室構成部分1bを下方にして容器10内にセットして容器10の内面と成形体1の外面との間に浴槽11を形成し、また、容器10内にセットされた成形体1の内側に密閉されたチャンバ12を形成し、この浴槽11内に埋め込み材3を含浸させる高さまで導入して、その後、チャンバ12内の圧力を検知しつつチャンバ12内を減圧し、チャンバ12内の圧力を所定の値まで減圧したら、チャンバ12内の減圧を停止するものである。
【0021】
シリンダライナ1’を製造するに際して、金属などの粉末材料を所定の大きさの円筒状に成形して焼結することにより、シリンダライナ1’の素材となる成形品1が予め成形されている。焼結体からなる成形品1には、多数の空孔Hが形成されている。
【0022】
このように焼結体からなる成形品1は、図3に示すように、燃焼室構成部分1b’となる側の部分1bを下方にして、成形体加熱手段15に外嵌することにより位置決めするよう容器10内にセットする。成形体1の燃焼室構成部分1b’となる部分1bの側の端面は、シール部材19に当接される。容器10の内面と成形体1の外面との間には、浴槽11が形成されることとなる。次いで、成形体加熱手段15を所定の温度に発熱させて、成形体1の燃焼室構成部分1b’となる部分1bを加熱する。なお、成形体加熱手段15の発熱は、成形品1を容器10内にセットする前に予め開始させておいてもよい。
【0023】
続いて、図4に示すように、油圧シリンダなどの荷重付与手段によって、蓋部材13を容器10上に載置して容器10の開口部を塞ぎ、荷重を付与する。容器10内にセットされた成形品1の上方に位置する部分1c(後にクランクケース側に配置され下側部分1c’となる)の側の端面は、蓋部材13の下面に設けられたシール20に当接される。そのため、成形品1の内部にはチャンバ12が形成されることとなる。
【0024】
この間に、成形体1の燃焼室構成部分1b’となる部分1bが成形体加熱手段15によって所定の温度に加熱されると、図5に示すように、容器10の内面と成形体1の外面との間に形成された浴槽11内に溶湯3を導入する。この溶湯3を導入する浴槽11の底面から湯面の高さは、センサによって感知することができ、後述するチャンバ12内の減圧により引き上げられる高さを考慮して設定される。成形体1の燃焼室構成部分1b’となる部分1bが予熱されていることにより、浴槽11に導入された溶湯が冷却固化することなく、この予熱された成形体1の部分1bの空孔H内に入り込むことができる。
【0025】
続いて、成形体1内に形成されたチャンバ12内を減圧する。浴槽11内に導入された溶湯3は、チャンバ12内の減圧により、湯面が所定の高さ(すなわち、成形体1の燃焼室構成部分1b‘となる部分1bの範囲)まで上昇し、成形体1の外面であって湯面までの高さの範囲のみが、空孔Hを埋め込むように成形体1に所定の厚さまで短時間で含浸されて封孔されることとなる。このとき、減圧手段17とチャンバ12の間を接続する管路17aに設けられた圧力センサ18により、チャンバ12内の減圧度を検知している。そして、成形体1が部分的に封孔されることにより、チャンバ12内の減圧度が上昇する(圧力が低下する)よう変化するので、この変化を利用して、圧力センサ18により圧力の変化を検知して減圧を停止させ、チャンバ12内を大気圧に戻すと共に、溶湯3を浴槽11内から排出する。これにより、短時間で正確に成形体1の外側の面における燃焼室構成部分1b‘となる部分1bのみの空孔Hに溶湯3を確実且つ容易に含浸させて封孔することができる。
【0026】
このようにして焼結体からなりシリンダライナ1’となる成形体1は、図2に示したように、内周面にまで溶湯3が含浸しておらず、空孔Hが残された状態となっており、外側の面におけるシリンダライナ1’の上側部分1b’となる部分1bに溶湯3が含浸されて、かかる部分1bのみで溶湯が固化することにより空孔Hに埋め込まれ封孔される。そのため内燃機関に組み込まれたときに、シリンダライナ1’の内側の面では、潤滑油を保持することができる。また、シリンダライナ1’の外側の面におけるクランクケース側に配置される下側部分1c’では、空孔Hが残されることにより熱伝導率が低くなり、断熱するよう構成される。一方、シリンダライナ1の外側の面におけるシリンダヘッド側に配置され燃焼室を構成する上側部分1b’では、含浸した金属の溶湯3が固化し封孔されたことによって内側から潤滑油が外側に漏れることがなく、しかも、空孔H内に埋め込まれた金属により熱伝導率が高くなり、燃焼室の熱をシリンダブロック2のボア部2aに確実に移動させることができる。
【0027】
なお、上述した実施の形態では、シリンダライナ1’となる成形体1を単一で容器10内にセットする場合を示したが、本発明はこの実施の形態に限定されることはなく、図8に示したように、容器10内に複数の成形体1を収容し得るように製造装置を構成して、一度の工程で複数のシリンダライナ1’を同時に製造することもできる。
【産業上の利用可能性】
【0028】
本発明は、成形体1の燃焼室構成部分1b’となる部分1bを下方にして容器10内にセットして容器10の内面と成形体1の外面との間に形成した浴槽10内に、溶湯3を含浸させたい高さまで導入することにより、成形体1の外側の面におけるシリンダヘッド側に配置され燃焼室を構成する上側部分1bに、必要な範囲にわたって容易にしかも確実に溶湯を含浸させることができる。
【符号の説明】
【0029】
1’:シリンダライナ、 1a’:シリンダライナの内側の面、 1b’:シリンダライナの外側の燃料室構成部分、 1c’:シリンダライナの外側のクランク室側部分、 1:成形品、 1a:成形品の内側の面となる部分、1b:成形品の外側の燃料室構成部分となる部分、 1c:成形品の外側のクランク室側部分となる部分、 3:溶湯(埋め込み材)、 10:容器、 11:浴槽、 12:チャンバ、 18:圧力センサ(圧力検知手段)、 H:空孔

【特許請求の範囲】
【請求項1】
焼結体からなる成形体の燃焼室構成部分の外側に埋め込み材を含浸させる内燃機関のシリンダライナの製造方法であって、
成形体の燃焼室構成部分を加熱するとともに、該成形体の燃焼室構成部分を下方にして容器内にセットして容器の内面と成形体の外面との間に浴槽を形成し、
該浴槽内に前記埋め込み材を導入することを特徴とする内燃機関のシリンダライナの製造方法。
【請求項2】
容器内にセットされた成形体の内側に密閉されたチャンバを形成し、浴槽内に埋め込み材を導入した後にチャンバ内を減圧することを特徴とする請求項1に記載の内燃機関のシリンダライナの製造方法。
【請求項3】
チャンバ内の圧力を検知して、
チャンバ内の圧力を所定の値まで減圧したら、チャンバ内の減圧を停止することを特徴とする請求項2に記載の内燃機関のシリンダライナの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図8】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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