説明

内燃機関の気筒判別装置

【課題】カム角センサを用いることなく気筒判別を行うことができると共に、気筒判別に要する時間を短縮し、始動までの時間を短くすることのできる内燃機関の気筒判別装置を提供すること。
【解決手段】集合吸気構成をとる奇数気筒4サイクル内燃機関のクランク軸の回転に応じて等間隔のパルス信号を発生し、所定クランク角度で等間隔のパルス信号とは異なる複数の基準信号を発生するクランク角センサと、複数の基準信号を識別する基準信号検出手段と、内燃機関の各気筒へ供給される空気の圧力を所定期間毎に検出する吸気圧検出手段と、吸気圧検出手段により検出された吸気圧を記憶する記憶手段と、内燃機関の始動時において、複数の基準信号と吸気管圧力とに基づき内燃機関の各気筒の気筒判別を行う気筒判別手段とを備えること。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カム角センサを用いることなく気筒判別を行う内燃機関の気筒判別装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般的な4サイクルエンジン(内燃機関)は、エンジンのクランク軸の回転に応じて信号を出力するクランク角センサを備えている。クランク角センサは、所定クランク角毎に出力されるクランク角信号と特定のクランク角にて出力される基準信号とを出力する。ところで、4サイクルエンジンはクランク軸の2回転で1サイクルとなる。そのため、特定のクランク角にて出力される基準信号だけでは、例えば基準信号がある気筒の上死点(TDC)に設定されている場合、吸気TDCなのか圧縮TDCなのかを判別することができない。よって、クランク軸の2回転に対して1回転するカム軸にセンサを設け、このカム角センサからの信号を用いて圧縮TDCか排気TDCかを判別するようにしている。
【0003】
しかし、このような構成では、クランク角センサの他にカム角センサが必要となり、構成が複雑化して、製造コストが高くなるという問題がある。そこで、特許文献1には奇数気筒を備えた4サイクルエンジンにおいて、カム角センサを用いることなく気筒判別を行う方法が開示されている。この方法ではクランク角センサと吸気管圧力とに基づき気筒判別を行っている。
【0004】
偶数気筒の場合、各気筒の行程は180度クランク角(℃A)ずらして構成されているため、吸気管圧力は180℃A毎に周期的に変化する。従って、基準信号検出時における吸気管圧力は、吸気TDCと圧縮TDCとでほぼ同一の値となるため判別を行うのは困難となる。これに対し、奇数気筒であれば各気筒の行程が180℃Aとは異なる間隔だけずれる構成となる。例えば3気筒の場合は、240℃Aずらして構成されているため、基準信号検出時における吸気管圧力は、吸気TDCと圧縮TDCとで異なる値をとる。これにより奇数気筒であれば基準信号と吸気管圧力とが対応付け可能となり、気筒判別を行うことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第3998719号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、前述した構成では、エンジンの停止時に特定気筒が停止した行程位置(吸気、圧縮、膨張、排気)によって、始動時に気筒判別に要する時間が異なる。つまり、始動開始後最初に基準信号が出力されるまでの時間が異なる。特に、基準信号を出力した直後にエンジンが停止してしまった場合には、始動時に基準信号が出力されるまで約2行程(360℃A)かかり、気筒判別に要する時間が長くなってしまう。これにより、燃料噴射制御や点火制御が遅れ、始動性が悪化するという問題があった。
【0007】
本発明は上記問題に鑑みてなされたものであり、カム角センサを用いることなく気筒判別を行うことができると共に、気筒判別に要する時間を短縮し、始動までの時間を短くすることのできる内燃機関の気筒判別装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記問題を解決するために請求項1に記載の発明は、集合吸気構成をとる奇数気筒4サイクル内燃機関のクランク軸の回転に応じて等間隔のパルス信号を発生し、所定クランク角度で等間隔のパルス信号とは異なる複数の基準信号を発生するクランク角センサと、複数の基準信号を判定する基準信号判定手段と、スロットル弁下流の吸気管内の圧力(吸気圧)を検出する吸気圧検出手段と、内燃機関の始動時において、複数の基準信号と吸気圧とに基づき内燃機関の気筒判別を行う気筒判別手段とを備えることを特徴とする。
【0009】
従来は1つの基準信号を用いていたため、前回の内燃機関の停止状態によって、基準信号が検出されるまでの時間が長く(360℃A)なる場合があった。これに対し、請求項1に記載の発明ではクランク角センサにより複数の基準信号が出力されるため、基準信号が検出されるまでの時間を短くすることができる。また、複数の基準信号は、請求項2に記載のように第1基準信号と第2基準信号の2種類を設けるとよい。
【0010】
請求項3に記載の発明は、吸気圧検出手段によって検出された吸気圧を記憶する吸気圧記憶手段を備え、気筒判別手段は、第1基準信号又は第2基準信号と、吸気圧記憶手段によって記憶される第1基準信号又は第2基準信号が検出されてから所定クランク角経過するまでの吸気圧の変化量とから気筒判別を行う第1気筒判別手段を備えることを特徴とする。
【0011】
上記構成によれば、基準信号と基準信号検出から所定クランク角経過後までに検出される吸気圧の変化量を用いて気筒判別を行っている。ここで、吸気圧の変化量とは、所定クランク角内の吸気圧の増減や、吸気圧の検出時の勾配等である。従来は、単一の基準信号と吸気圧の最小値又は最大値を用いて気筒判別を行っていた。そのため、基準信号を検出後、吸気圧の最小値又は最大値が検出されるまで待つ必要があった。特に、基準信号検出から吸気圧の最小値又は最大値の検出までの時間には内燃機関の特性によってばらつきがあり、この時間が長い場合には気筒判別完了までの時間がその分遅くなっていた。これに対し、請求項2に記載の発明では、吸気圧の最小値や最大値の検出を待たずして気筒判別を行うことができる。そのため従来よりも早く気筒判別を行うことができる。
【0012】
請求項4に記載の発明は、気筒判別手段は、第1基準信号と第2基準信号と、吸気圧記憶手段により記憶された第1基準信号又は第2基準信号が検出されるまでの所定クランク角間の吸気圧の変化量とから気筒判別を行う第2気筒判別手段を備えることを特徴とする。
【0013】
上記構成によれば、基準信号検出時に、所定クランク角前までの吸気圧の変化量を用いて気筒判別を行っている。具体的には、吸気圧記憶手段により記憶された基準信号が検出されるまでの所定クランク角間の吸気圧の変化量によって気筒判別を行っている。そのため、従来の方法のように、基準信号検出から吸気圧の最小値または最大値の検出を待つ必要がない。また、請求項3に記載の第1気筒判別手段と比較した場合には、基準信号検出から所定クランク角の経過も待つ必要がないため、早期に気筒判別を行うことができる。
【0014】
請求項5に記載の発明は、気筒判別手段は、第2気筒判別手段によって気筒判別を行うことができない場合には、第1気筒判別手段によって気筒判別を行うことを特徴とする。
【0015】
上記構成によれば、原則として、第2気筒判別手段によって気筒判別を行う。つまり、吸気圧記憶手段により記憶された基準信号検出から所定クランク角前の吸気圧の変化量を用いる。この所定クランク角前の吸気圧が排気〜吸気行程間のオーバーラップによって不安定になったり、何等かの外乱によって吸気圧が記憶されていなかったりして気筒判別が行えない場合には、第1気筒判別手段によって気筒判別を行う。つまり、基準信号検出から所定クランク角の経過を待ち、この間に記憶される吸気圧の変化量を用いて気筒判別を行う。これにより、確実に気筒判別を行うことができると同時に、基準信号検出から所定クランク角の経過を待ち気筒判別を行うケースを少なくすることができるため、早期に気筒判別を行うことができる。
【0016】
請求項6に記載の発明は、気筒判別手段は、第1基準信号又は第2基準信号と第1基準信号検出時又は第2基準信号検出時における吸気圧値とによって気筒判別を行うことを特徴とする。
【0017】
吸気圧は、内燃機関の構成によって周期的に変化する。そのため、実験等によって、基準信号検出時における吸気圧値を予め定めること可能である。従って上記構成によれば、予め定めた吸気圧値を指標とし、基準信号検出時に検出される吸気圧値と比較・評価することで気筒判別を行うことができる。これにより、従来技術のように、基準信号検出から最小値・最大値の検出を待つ必要がない。また、請求項3と比較した場合、基準信号検出から所定クランク角の経過を待つ必要がないため、早期に気筒判別を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】エンジンの気筒判別制御システム全体の概略構成図
【図2】シグナルロータを示す断面図
【図3】エンジン始動時の処理手順を示すフローチャート
【図4】気筒判別処理手順を示すフローチャート
【図5】気筒判別処理手順を示すタイミングチャート
【図6】本発明の効果を示すタイミングチャート
【図7】第2実施形態における気筒判別処理手順を示すフローチャート
【図8】第2実施形態における気筒判別処理手順を示すタイミングチャート
【発明を実施するための形態】
【0019】
[第1実施形態]
以下、本発明の第1実施形態について図面に基づいて説明する。図1はエンジン制御システム全体の概略構成を示す図である。本実施例では、3気筒の4サイクルエンジンを制御対象とし、第1気筒(#1)、第2気筒(#2)、第3気筒(#3)のそれぞれに点火プラグとインジェクタが設けられている。なお、図1では便宜上1つの気筒の断面図を示している。
【0020】
図1に示すようにポート噴射式の内燃機関であるエンジン1の吸気管2の最上流部にはエアクリーナ3が設けられている。このエアクリーナ3の下流側にはDCモータ4によって開度調節されるスロットル弁5が設けられている。DCモータ4がエンジン制御装置6(以下、「ECU」という)からの出力信号に基づいて駆動されることで、スロットル弁5の開度(スロットル開度)が制御され、そのスロットル開度に応じて各気筒ヘの吸入空気量が調節される。スロットル弁5の近傍には、スロットル開度を検出するスロットルセンサ7が設けられている。
【0021】
このスロットル弁5の下流側にはサージタンク8が設けられ、このサージタンク8にエンジン1の各気筒に空気を導入する吸気マニホールド9が接続されている。つまり、スロットル弁5によって吸入された空気は、一旦サージタンク8に集合(請求項でいう集合吸気構成)した後、吸気マニホールド9によって各気筒に分配供給される。各気筒の吸気マニホールド9内には吸気ポート10が形成され、この吸気ポート10はエンジン1の各気筒に形成された吸気弁11により開閉される。また、サージタンク8には、スロットル弁5の下流側の吸気管2内の圧力(以下、「吸気圧」という)を検出する吸気圧センサ12(請求項でいう吸気圧検出手段)が設けられており、検出した吸気圧をECU6に出力している。
【0022】
各気筒には、燃料を各気筒の吸気ポート10に噴射するインジェクタ13が取り付けられている。燃料は、燃料タンク14内に配置された燃料ポンプ15によって吸上げられ、燃料配管16を介してデリバリパイプ17に圧送される。そして燃料はデリバリパイプ17を介して各気筒のインジェクタ13に供給される。インジェクタ13から吸気ポート10に噴射された燃料は、サージタンク8を通って供給される空気と混合され、燃焼室内に供給される。
【0023】
燃焼室内に供給された混合気は、エンジン1のシリンダヘッドに取り付けられた点火プラグ18によって点火される。点火プラグ18は各気筒にそれぞれ取り付けられており、点火プラグ18の火花放電によって気筒内の混合気に点火される。
【0024】
点火によって混合気が爆発(膨張)し、ピストンが図1中の下側に移動することによって、クランク軸19が回転する。図2に示す様に、クランク軸19には、クランク軸19と共に回転するシグナルロータ20が嵌着されている。このシグナルロータ20の外周には等間隔に歯21が形成されている。本実施形態では、歯21は10度クランク角(℃A)の間隔で形成されている。また、等間隔に形成された歯21には、2箇所に歯21が欠損した欠歯部が設けられている。一方は歯21が1つ欠損した単一欠歯22であり、他方は歯21が2つ連続して欠損した連続欠歯23である。この2箇所の欠歯部は180℃Aずれた位置に形成されている。また、シグナルロータ20に形成された単一欠歯22は、第1気筒の上死点(図2中#1TDC)から90℃Aずれた位置に形勢されている。
【0025】
シグナルロータ20の径外方にはクランク角センサ24が設けられている。クランク角センサ24は、等間隔に形成された歯21、単一欠歯22、及び連続欠歯23に対応した信号をECU6に出力する。以下、等間隔に形成された歯21に対応する信号をパルス信号、単一欠歯22に対応する信号を単一基準信号(請求項でいう第1基準信号)、連続欠歯23に対応する信号を連続基準信号(請求項でいう第2基準信号)という。
【0026】
また、エンジン1のシリンダブロックには水温センサ25が設けられており、エンジン1の冷却水温を検出しECU6に出力する。
【0027】
エンジンの排気弁26から排出される排出ガスは、排気マニホールド27を介して一本の排気管28に合流する。この排気管28には、理論空燃比付近で排出ガスを浄化する三元触媒29が接続されている。また、三元触媒29の後には酸素センサ30が設けられており、排出ガスの酸素濃度を検出しECU6に出力している。ECU6では、この酸素濃度に基づき最適な空燃比で燃焼が行われるように、インジェクタ13の燃料噴射量を調整している。
【0028】
前述した各種センサの出力信号はECU6に入力される。ECU6は、マイクロコンピュータを主体として構成され、内蔵されたROM(記憶媒体)に制御プログラムや制御マップが記憶されている。また、ECU6は、各種センサ出力を一時的に記憶するRAMを備え、各種センサ出力に基づき前述したDCモータ4、インジェクタ13、点火プラグ18を制御する。
【0029】
また、ECU6は、前述したクランク角センサ24からのパルス信号数をカウント、記憶するクランクカウンタとしての機能、さらに、前出した吸気圧センサからの吸気圧を記憶する吸気圧記憶手段としての機能を備えている。
【0030】
このような3気筒エンジンでは、第1気筒、第2気筒、第3気筒の順で燃料噴射、点火が行われる。各気筒はそれぞれが同じ行程とならないように所定角度(本実施形態では240℃A)位相をずらして、クランク軸19に固定されている。例えば、図5に示すに、第1気筒が吸気行程にあるときは、第2気筒は排気行程、第3気筒は爆発行程に位置する。
【0031】
ここで、エンジン始動時にECU6にて実行される処理について図3に基づき説明する。
【0032】
エンジン始動時は、前回のエンジン停止時に、各気筒がどの行程で停止したのかわからないため、クランキング開始後どの気筒に燃料を噴射し、又点火してよいのかが不明である。そのため、まず各気筒がどの行程に位置しているのか判別する必要がある。これを気筒判別処理という(ステップ100)。そして、気筒判別完了後、各気筒に対して燃料噴射を行う燃料噴射制御(ステップ200)、噴射された燃料に点火を行う点火制御(ステップ300)が行われエンジンが始動する。
【0033】
まず、ステップ100で行われる気筒判別処理について図4のフローチャートに基づき説明する。
【0034】
気筒判別は、スタータによってクランキングが行われることで開始される。具体的にはクランキングが行われると、クランク軸19と共にシグナルロータ20が回転する。クランク角センサ24は、回転するシグナルロータ20の歯21、単一欠歯22、及び連続欠歯23に対応した信号をECU6に対して出力する。そして、ステップ101に移行し、ECU6は吸気圧センサ12から出力される吸気圧の記憶を開始すると共にクランク角センサ24から出力されたパルス信号数をカウント・記憶する。
【0035】
次にステップ102において、ECU6は入力されたパルス信号の中から等間隔で出力されるパルス信号とは異なる基準信号が検出されたかどうかを判定する。基準信号が検出された場合はステップ103に移行し、基準信号が検出されなかった場合は、再度ステップ102において基準信号の検出を行う。
【0036】
基準信号が検出された場合、ステップ103において、基準信号が単一基準信号であるかが判定される(請求項でいう基準信号判定手段)。換言すると、検出されたものが単一欠歯22であるかが判定される。単一欠歯22に対応して出力される単一基準信号であれば歯21が1つ欠損しているため、通常は10℃Aの間隔で出力されるパルス信号の間隔が20℃Aとなる。この20℃Aの前後に出力されるパルス信号の時間間隔によって単一基準信号であるかかどうかが判定される。
【0037】
基準信号が単一基準信号(単一欠歯22)であった場合はステップ104に移行し、所定クランク角(本実施形態では30℃A)の経過を待つ。そして、所定クランク角経過後、後述するステップ105及びステップ107において、この30℃Aの範囲内での吸気圧の変化量を評価する。
【0038】
ステップ105では、単一基準信号検出後の吸気圧が増加しているか判定する。ここで吸気圧の増加の判定には、30℃A内での吸気圧の勾配や吸気圧の増加量を用いる。吸気圧の勾配とは、所定クランク角の範囲における、異なる二点の吸気圧値を結んだ直線の傾きである。また吸気圧の増加量とは、単一基準信号検出時の吸気圧と所定クランク角経過後の吸気圧との差を指す。
【0039】
所定クランク角の範囲で吸気圧が増加している場合には、ステップ106に移行する。ステップ106では、ステップ103で得られた単一基準信号(単一欠歯22)、及びステップ105で得られた吸気圧の増加という2つの情報から、特定気筒(本実施例では第1気筒)の行程位置を判別する。
【0040】
本実施例では、単一欠歯22は、第1気筒のTDC(上死点)から90℃Aずれた位置に形成されている。そのため単一欠歯22に対応して出力される単一基準信号という情報から第1気筒が吸気行程、又は吸気行程から360℃A位相のずれた爆発行程のどちらかであることが特定される。
【0041】
また、図5に示す様に、第1気筒が吸気行程である場合、単一欠歯検出から所定クランク角(30℃A)の範囲で、吸気圧は第1気筒の吸気によって増加している。一方、第1気筒が爆発行程である場合、第2気筒及び第3気筒は吸気行程ではないため、吸気圧の変化はみられない。
【0042】
つまり、単一基準信号検出後の吸気圧が増加している場合は吸気行程であり、単一基準信号検出後の吸気圧が一定の場合は爆発行程である。
【0043】
これによりステップ106において、第1気筒が吸気行程に位置していることが特定される。以上で気筒判別が完了し、気筒判別処理を終了する。
【0044】
一方、ステップ105において、吸気圧が増加していないと判定された場合にはステップ107に移行する。ステップ107では、単一基準信号検出後の吸気圧が一定であるかを判定する。吸気圧が一定であるかの判定は、ステップ105と同様に、単一欠歯検出から所定クランク角(30℃A)の範囲での吸気圧の勾配を用いてもよいし、単一基準信号検出時の吸気圧と30℃A経過後の吸気圧との増減を用いてもよい。
【0045】
ステップ107において吸気圧が一定であると判定された場合はステップ108に移行する。ステップ108では、ステップ106と同様に、ステップ103で得られた単一基準信号(単一欠歯22)、及びステップ107で得られた吸気圧が一定である、という2つの情報に基づいて気筒判別が行われる。前述したように単一基準信号検出後に吸気圧が一定であるという条件であるのは爆発行程であるため、第1気筒が爆発行程に位置することが特定される。これにより、気筒判別が完了し、気筒判別処理を終了する。
【0046】
また、ステップ107において吸気圧に変化があった場合はステップ102に移行し再度基準信号検出を行う。この基準信号の再検出は、吸気圧センサ12の出力値が正確に検出されず、気筒判別が行えない場合を想定している。例えば、始動に失敗した直後に再び始動させる場合は、吸気圧の変化が不安定となり、基準信号検出後における所定の吸気圧の変化(増加又は一定)が得られないことがある。
【0047】
一方、ステップ103において、検出された基準信号が単一基準信号ではないと判定された場合にはステップ109に移行する。ステップ109では、基準信号が連続基準信号であるかが判定される(請求項でいう基準信号判定手段)。換言すると、検出されたものが連続欠歯23であるかが判定される。連続欠歯23に対応して出力される連続基準信号であれば歯21が2つ連続して欠損しているため、通常は10℃Aの間隔で出力されるパルス信号の間隔が30℃Aとなる。この30℃Aの前後に出力されるパルス信号の時間間隔によって連続基準信号であるかが判定される。ステップ109において、基準信号が連続基準信号であると判定された場合はステップ110に移行する。
【0048】
また、本実施形態では基準信号は単一基準信号と連続基準信号の2種類であるが、ステップ109において連続基準信号ではないと判定された場合には、ステップ102に移行し再度基準信号検出を行う。この基準信号の再検出は、クランク角センサ24の誤検出を想定したものである。
【0049】
ステップ110では、前述したステップ104と同様に30℃Aの経過を待ち、この30℃Aの範囲内での吸気圧の変化量を後述するステップ111及びステップ113において評価する。
【0050】
30℃Aの経過後ステップ111に移行する。ステップ111では、連続基準信号検出後の吸気圧が低下しているか判定する。吸気圧低下の判定には、前述した所定クランク角(30℃A)の範囲での吸気圧の勾配を用いてもよいし、吸気圧の増減を用いてもよい。
【0051】
所定クランク角の範囲で吸気圧が低下している場合には、ステップ112に移行する。ステップ112では、ステップ109で得られた連続基準信号(連続欠歯23)、及びステップ111で得られた吸気圧の低下という2つの情報から、第1気筒の行程位置を判別する。
【0052】
本実施例では、連続欠歯23は、単一欠歯21から180℃Aずれた位置に形成されている。そのため、連続欠歯23に対応して出力される連続基準信号という情報から第1気筒が圧縮行程、又は圧縮行程から360℃A位相のずれた排気行程のどちらかであることが特定される。
【0053】
また、図5に示す様に、第1気筒が圧縮行程である場合、連続基準信号検出から所定クランク角(30℃A)の範囲で、吸気圧は第2気筒の吸気によって低下する。一方、第1気筒が排気行程である場合、第3気筒は吸気行程であるが、吸気終了間際であるため吸気弁11は閉じられており、吸気圧は変化しない。
【0054】
つまり、連続欠歯検出後の吸気圧が低下している場合は圧縮行程であり、連続欠歯検出後の吸気圧が一定である場合は排気行程である。
【0055】
以上によりステップ112において、第1気筒が圧縮行程に位置していることが特定される。これにより気筒判別が完了し気筒判別処理を終了する。
【0056】
一方、ステップ111において、吸気圧が低下していなかった場合にはステップ113に移行する。ステップ113では、30℃Aの範囲での吸気圧が一定であるかが判定される。吸気圧が一定であるかの判定は、ステップ107と同様に行う。
【0057】
ステップ113において吸気圧に変化がないと判定された場合ステップ114に移行する。ステップ114では、ステップ109で得られた連続基準信号(連続欠歯23)、及びステップ110で得られた吸気圧に変化がない、という2つの情報に基づいて気筒判別が行われる。前述したように連続基準信号検出後の吸気圧に変化一定であるのは排気行程であるため、第1気筒が排気行程であることが特定される。これにより、気筒判別が完了し気筒判別処理を終了する。
【0058】
また、ステップ113において吸気圧に変化があった場合はステップ102に移行し再度基準信号検出を行う。これは前述したステップ107と同様に吸気圧線さ12の出力値が正確に検出されず、気筒判別が行えない場合を想定している。 上述した気筒判別処理(ステップ100)では、基準信号と、ECU6に記憶される基準信号検が検出されてから所定クランク角経過するまでの吸気圧の変化量とから気筒判別を行っている。(請求項でいう第1気筒判別手段)
次に、図3に示す気筒判別完了後に行われる燃料噴射制御(ステップ200)及び点火制御(ステップ300)について説明する。
【0059】
本実施形態では、便宜上、吸気行程の最初(吸気TDC)に燃料が噴射され、圧縮行程の最後(圧縮TDC)に点火が行われるものとする。
【0060】
ステップ200では、気筒判別の結果に基づき、気筒判別後、最も早く吸気行程が訪れる気筒に対して燃料を噴射する。そして噴射された燃料は吸気行程を経て、混合気として燃焼室内に供給される。例えば、図5に示すように、気筒判別によって、第1気筒が吸気行程に位置すると判別された場合、最も早く吸気行程が訪れるのは第2気筒であり、第1気筒が圧縮行程に位置すると判別された場合、最も早く吸気行程が訪れるのは第3気筒である。
【0061】
そして、ステップ300において、圧縮行程を経て圧縮された混合気は、圧縮TDCに到達した時点で、点火プラグ18によって点火され、エンジン始動時の制御が終了する。
【0062】
上述した手順によってエンジン始動時の制御が行われる。次に、本実施形態の作用効果について説明する。
【0063】
本実施形態によれば、単一基準信号(単一欠歯検出)後及び連続基準信号(連続欠歯検出)後の吸気圧の特徴的変化を用いることで第1気筒の行程位置を特定している。
【0064】
第1気筒のTDCから90℃Aずれた位置に単一欠歯22を設け、単一欠歯22と180℃Aずれた位置に連続欠歯23を設けている。これにより、単一基準信号検出(単一欠歯検出)によって第1気筒が吸気行程又は爆発行程であることを特定し、連続基準信号検出(連続欠歯の検出)によって圧縮行程又は排気行程であることを特定できる。
【0065】
そして、3つの気筒の行程位置関係によって表れる欠歯検出後の特徴的な吸気圧の変化を用いて、第1気筒の各行程を判別している。具体的には、単一基準信号検出後に吸気圧が増加している場合吸気行程であり、吸気圧が一定である場合は爆発行程である。また、連続基準信号検出後に吸気圧が低下している場合は圧縮行程であり、吸気圧が一定である場合は排気行程である。
【0066】
以上により、カム角センサを用いることなくクランク角センサのみで気筒判別を行うことができる。
【0067】
次に、気筒判別までに要する時間についての効果を説明する。
【0068】
従来、特許文献1に示されている方法は、本発明でいう欠歯が1つであるため、クランク軸の一回転に一回の基準信号が出力される。これに対し、本発明では欠歯が2つ(単一欠歯22、連続欠歯23)であるため、クランク軸19の一回転に二回の基準信号(単一基準信号、連続基準信号)が出力される。これにより、気筒判別開始から基準信号検出までの時間を短縮することができる。例えば基準信号出力直後にエンジン1が停止した場合に要する基準信号検出までの時間を図6に示す。本発明によれば、図6(A)中一点鎖線に示すように、気筒判別開始されると連続欠歯の検出まで約180℃Aで行われるのに対して、従来の方法では、欠歯が1つであるため、図6(B)中の一点鎖線で示すように、次の欠歯まで約360℃Aを必要とする。つまり、本発明によれば各気筒の停止位置によらず、遅くとも180℃A以内で欠歯検出(基準信号検出)を行うことができる。
【0069】
さらに、欠歯検出から吸気圧の判別までに要する時間について考えると、本発明では、欠歯検出から所定クランク角(30℃A)経過後までの吸気圧の変化を利用している。これに対し、従来の方法では、欠歯検出から次に吸気圧の最小値が訪れるまでのクランク角に基づき気筒判別を行っている。例えば、前述した図7を用いて説明すると、本発明によれば、図6(A)に示すように欠歯検出から所定クランク角(30℃A)経過時には吸気圧の検出が終了している。一方、従来の方法では図6(B)に示すように欠歯検出から吸気圧の最小値が検出されるまで待機しなければならない。つまり、本発明によれば、従来のように吸気圧の最小値が検出されるのを待たずして、吸気圧の判別を行うことができる。
【0070】
以上により、基準信号検出までの時間、及び基準信号検出から吸気圧判別までの時間を短縮することができるため、気筒判別に要する時間を短縮することができる。
【0071】
[第2実施形態]
第2実施形態を含む以下の実施形態においては、既に説明した実施形態の構成と同一構成又は相当する構成については、同一番号を付しその重複説明を省略する。
【0072】
第2実施形態で第1実施形態と異なる点は、単一欠歯検出時の処理において、吸気圧の変化を検出するために所定クランク角の経過を待つのではなく、ECU6に記録された吸気圧記録を参照し気筒判別を行う点である。
【0073】
以下、気筒判別制御(ステップ100)について、第1実施形態との相違点を中心に図7に基づいて説明する。
【0074】
図7に示すように、ステップ100において気筒判別が開始、つまりクランキングが開始されると、クランク角センサ24は、回転するシグナルロータ20の歯21、単一欠歯22、及び連続欠歯23に対応した信号をECU6に対して出力する。次に、ステップ101でECU6は吸気圧センサ12から出力される吸気圧の記録を開始すると共にクランク角センサ24から出力された信号数をカウント・記憶する。そして、ステップ102において基準信号が検出されると、ステップ103に移行し、単一基準信号(単一欠歯)であるかが判定される。
【0075】
単一基準信号であった場合には、ステップ404に移行し、ECUに記録された吸気圧記録を参照する。具体的には、吸気圧記録開始(ステップ101)から基準信号検出(ステップ102)までの吸気圧記録のうち、基準信号検出時から所定クランク角(本実施形態では30℃A)前までの吸気圧記録を参照する。
【0076】
次にステップ405において、参照した吸気圧記録が、所定クランク角前から基準信号検出時までの間に低下しているかが判定される。吸気圧の低下は、第1実施形態と同様に吸気圧の勾配や吸気圧の増減を用いて判定する。
【0077】
参照した吸気圧記録において吸気圧が低下していた場合、ステップ406に移行する。ステップ406では、ステップ103で得られた単一基準信号(単一欠歯)、及びステップ405で得られた単一基準信号検出前において吸気圧が低下していたという2つの情報から第1気筒の行程位置を判別する。前述したように、単一基準信号(単一欠歯)という情報から第1気筒が吸気行程、または爆発行程のどちらかであることが特定される。
【0078】
次に吸気圧について考えると、第1気筒が吸気行程であった場合、参照される吸気圧記録は吸気を行っている最中の記録である。単一欠歯22は第1気筒のTDCから90℃Aずらして形成されているため、参照される吸気圧記録は60℃Aから90℃Aまでの範囲であり、当然ながら吸気圧は低下している。一方、第1気筒が爆発行程であった場合、参照される吸気圧は一定である。その理由は、第1気筒が爆発行程であれば、第2気筒は圧縮行程、第3気筒は排気行程であり、吸気行程に位置する気筒がないからである。
【0079】
つまり、単一欠歯検出時に所定クランク角前の吸気圧が低下している場合は、第1気筒は吸気行程であり、単一欠歯検出時に所定クランク角前の吸気圧が一定である場合は、第1気筒は爆発行程であること判別できる。
【0080】
以上により、ステップ406において第1気筒が吸気行程に位置していることが判別され、気筒判別処理を終了する。
【0081】
一方、ステップ406で参照した吸気圧記録において吸気圧が低下していないと判定された場合には、ステップ407に移行する。ステップ407では、参照した吸気圧記録に基づき吸気圧が一定であるかを判定する。
【0082】
そして、ステップ408に移行し、ステップ103で得られた単一基準信号(単一欠歯)、及びステップ407で得られた記録された吸気圧が一定であるという2つの情報から気筒判別を行う。前述したように単一基準信号検出時に所定クランク角前の吸気圧が一定であるのは爆発行程であるため、第1気筒が爆発行程に位置していることが判別される。
【0083】
一方、ステップ103において単一基準信号でないと判定された場合にはステップ109に移行する。以降、第1実施形態で示したステップ109〜ステップ114の処理が実施され気筒判別処理が終了する。
【0084】
上述した気筒判別処理では、基準信号と、ECU6に記憶された基準信号検が検出されるまでの所定クランク角間の吸気圧の変化量とから気筒判別を行っている。(請求項でいう第2気筒判別手段)
次に第2実施形態の作用効果について説明する。
【0085】
第1実施形態では単一基準信号検出後の吸気圧の変化量を用いて気筒判別を行っていたため、ステップ104において所定クランク角の経過を待つ必要があった。これに対して、第2実施形態では、単一基準信号検出時に、所定クランク角前の吸気圧記録を参照して気筒判別を行っている。従って、第2実施形態では単一基準信号検出後に所定クランク角の経過を待つことなく気筒判別を行うことができる。この結果、単一欠歯検出時には、第1実施形態と比較して吸気圧の判別に要する時間をさらに短縮することができる。
【0086】
また、所定クランク角前までに記録された吸気圧記録で気筒判別を行う(第2気筒判別手段)ことができない場合には、所定クランク角の経過を待って気筒判別(第1気筒判別手段)を行うと換言することもできる。
【0087】
本実施形態では、図8の吸気圧波形に示すように、第1気筒が圧縮行程であるときに検出される連続欠歯から所定クランク角前では、吸気圧が急に増減し不安定となっている。この吸気圧の増減は、第2気筒の排気〜吸気行程間で排気弁及び吸気弁が同時に開弁される(オーバーラップ)ことが原因である。このような不安定な部分の吸気圧では気筒判別を行うことが困難となる。そこで、本実施形態では、連続基準信号(連続欠歯)検出時には、所定クランク角経過を待ち、この間の吸気圧の変化量を用いて気筒判別を行っている。
【0088】
このように、第1気筒判別手段と第2気筒判別手段とを組み合わせることによって早期に気筒判別を行うことができる。
【0089】
以上のごとく、上記第1実施形態及び第2実施形態によれば、カム角センサを用いることなく気筒判別を行うことができると共に、気筒判別に要する時間を短縮し、始動までの時間を短くすることのできる内燃機関の気筒判別装置を提供することができる。
【0090】
[他の実施形態]
・上述した実施形態では、シグナルロータ20に形成された単一欠歯22を第1気筒のTDCから90℃Aずらして形成し、連続欠歯23を単一欠歯22から180℃Aずらして形成し、それぞれの基準信号に対応した吸気圧の変化量(増加・低下・一定)を気筒判別に用いていた。しかし、本発明は、実施形態に示した欠歯の形成位置及び吸気圧の変化量に限定されるものではなく、各欠歯位置に対応した基準信号と関連付け可能な吸気圧の変化量を用いていれば気筒判別を行うことができる。
【0091】
・上記実施形態では、所定クランク角の範囲での吸気圧の変化量を用いていたが、変化量ではなく、実験等により予め得られた吸気圧値を基準値とし、この基準値と基準信号検出時の吸気圧値とによって気筒判別を行うこともできる。
【0092】
・第1実施形態では、基準信号検出後、所定クランク角経過を待ってから吸気圧の変化を検出し、第2実施形態では、基準信号検出時に所定クランク角前からの吸気圧記録を参照して気筒判別を行っていたが、吸気圧の変化を常時検出・評価しておき、欠歯検出と同時に気筒判別を行うようにしてもよい。
【0093】
・上記実施形態では、奇数気筒の一実施形態として3気筒の4サイクルエンジンにおける気筒判別装置を示したが、5気筒や7気筒等の奇数気筒においても適用することができる。
【符号の説明】
【0094】
1 エンジン(内燃機関)
2 吸気管
5 スロットル弁
6 ECU
12 吸気圧センサ(吸気圧検出手段)
19 クランク軸
24 クランク角センサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
集合吸気構成をとる奇数気筒4サイクル内燃機関のクランク軸の回転に応じて等間隔のパルス信号を発生し、所定クランク角度で前記等間隔のパルス信号とは異なる複数の基準信号を発生するクランク角センサと、
前記複数の基準信号を判定する基準信号判定手段と、
スロットル弁下流の吸気管内の圧力(吸気圧)を検出する吸気圧検出手段と、
前記内燃機関の始動時において、前記複数の基準信号と前記吸気圧とに基づき前記内燃機関の気筒判別を行う気筒判別手段とを備えることを特徴とする内燃機関の気筒判別装置。
【請求項2】
前記複数の基準信号は、第1基準信号と第2基準信号の2種類であることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の気筒判別装置。
【請求項3】
前記吸気圧検出手段によって検出された吸気圧を記憶する吸気圧記憶手段を備え、
前記気筒判別手段は、前記第1基準信号又は前記第2基準信号と、前記吸気圧記憶手段によって記憶される前記第1基準信号又は前記第2基準信号が検出されてから所定クランク角経過するまでの吸気圧の変化量とから気筒判別を行う第1気筒判別手段を備えることを特徴とする請求項2に記載の電力変換装置。
【請求項4】
前記気筒判別手段は、前記第1基準信号又は第2基準信号と、前記吸気圧記憶手段により記憶された前記第1基準信号又は前記第2基準信号が検出されるまでの所定クランク角間の吸気圧の変化量とから気筒判別を行う第2気筒判別手段を備えることを特徴とする請求請求項3に記載の内燃機関の気筒判別装置。
【請求項5】
前記気筒判別手段は、前記第2気筒判別手段によって気筒判別を行うことができない場合には、前記第1気筒判別手段によって気筒判別を行うことを特徴とする請求項2〜4に記載の内燃機関の気筒判別装置。
【請求項6】
前記気筒判別手段は、前記第1基準信号又は前記第2基準信号と前記第1基準信号検出時又は第2基準信号検出時における吸気圧値とによって気筒判別を行うことを特徴とする請求項2に記載の内燃機関の気筒判別装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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