説明

内燃機関を有する土壌圧縮デバイスのための作動デバイス及びそのような作動デバイスを有する土壌圧縮デバイス

【課題】内燃機関の信頼できるカットオフを保障し、同時に操作の容易性を向上する、土壌圧縮デバイスのための単純で頑丈な作動デバイスを提供する。
【解決手段】本発明は、エンジン停止スイッチ(70)とタンク閉止弁(60)の結合作動のための、特に振動タンパーのような、内燃機関を有する土壌圧縮デバイスのための作動デバイス(40)に関する。エンジン停止スイッチ(70)とタンク閉止弁(60)の直接結合作動のための単一の可動作動手段(42)を備える作動デバイス(40)が提供される。本発明は、更に、そのような作動デバイス(40)を有する土壌圧縮デバイスに関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エンジン停止スイッチとタンク閉止弁の結合作動のために使用される、特に、振動タンパーのための、内燃機関を有する土壌圧縮デバイスのための作動デバイス、及びそのような作動デバイスを有する土壌圧縮デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
内燃機関を有する土壌圧縮デバイスの場合、燃料タンクからの燃料は、輸送又は長期間貯蔵の間に内燃機関に達することがあり、それは、望ましくない。これは、特に、ダイヤフラム気化器デバイスを有する内燃機関に対する場合である。なぜなら、燃料は、揺れている間にダイヤフラム気化器デバイスによって吸引されて、内燃機関内に運ばれ、それが、例えば、始動を非常に困難にすることがあるためである。従って、タンク閉止弁を設けることにより、燃料タンクから内燃機関又はその気化器デバイスへの燃料の流れが遮断されることが知られている。更に、エンジン停止スイッチの土壌圧縮デバイスへの一体化が知られている。エンジン停止スイッチは、それが一つの位置(「エンジン停止位置」)において点火回路の電源を遮断し、それによって、内燃機関の動作が許されないものとなり、且つ他の一つの位置(「閉鎖位置」)において点火回路を閉じ、内燃機関の動作を可能にするように配置されている。点火回路の遮断が、内燃機関の運転操作中に生じると、その結果、エンジン停止スイッチの作動が即座のエンジン停止となる。他方、内燃機関の始動は、エンジン停止スイッチが「遮断位置」にある限り、不能である。
【0003】
エンジン停止スイッチとタンク閉止弁の両方が連続して作動可能な作動デバイスが、特許文献1から既知である。この作動デバイスは、異なる操作位置と内燃機関を停止する停止位置との間で選択的に旋回され得るピボットレバーの形態の作動部材を備える。ピボットレバーが停止位置へ旋回されると、タンク閉止弁が、ピボットレバー上に配置されたカムを介して直接に閉止される。更に、エンジン停止スイッチは、ボーデンケーブルを介して上流側へ作動され、内燃機関を即座に停止させ、そこでは、例えば、点火装置が短絡される。ピボットレバーを停止位置から旋回することによって、タンク閉止弁が再開放され、エンジン停止スイッチの作動が解除されて、内燃機関の始動が可能になる。既知の作動デバイスは、故障しやすく、しばしば操作レバーがそのアイドル位置を越えてエンジン停止位置へ移動すると、エンジンが不意に停止されることがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】独国特許第19549113号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従って、本発明の目的は、一方では、内燃機関の信頼できるカットオフを保障し、同時に操作の容易性を向上する、土壌圧縮デバイスのための単純で頑丈な作動デバイスを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この目的は、本発明の作動デバイスによって及びその独立請求項に記載のそのような作動デバイスを有する土壌圧縮デバイスによって達成される。好適な更なる展開は、従属請求項によって提供される。
【0007】
本発明の本質的な基本アイデアは、二つの作動手段が、土壌圧縮デバイスを操作するために設けられ、それらの作動手段は、夫々、異なる操作機能と関連することである。第1の作動手段は、アイドル状態とフルスロットル状態との間でエンジン出力を調節するために既知の方法で設けられている。換言すれば、第1の作動手段は、スロットルレバーであり、このレバーを介してエンジン出力がアドリングとフルスロットルとの間で調節され得る。オペレータは、運転中の内燃機関で前記第1の作動手段の各調節を介して土壌圧縮デバイスの稼動強度を制御することができる。
【0008】
本発明により、作動デバイス全体は、前記第1の作動手段に加えて、別個の第2の作動手段を備え、その第2の作動手段を介して、具体的には、タンク閉止弁とエンジン停止スイッチの制御に関する操作機能の手動制御が提供される。タンクから内燃機関への燃料の供給は、タンク閉止弁の制御によって、遮断及び解放され得る。他方、エンジン停止スイッチの制御は、例えば、点火回路に対して供給するために、内燃機関への電力供給を行ったり遮断したりできる。従って、第2の作動手段は、「操作の準備ができている」状態と「操作停止」状態との間で前後に前記土壌圧縮デバイスを切り替える目的で使用され、他方、第1の作動手段は、「操作の準備ができている」の状態と「操作中」の状態とを調節するために使用される。作動デバイスの第1と第2の作動手段は、明らかに内燃機関の稼動中にのみ意味をなす第1の作動手段を介してスロットルの調節によって、互いから別々に制御され得る。従って、本発明は、第2の作動手段の特徴を有する作動手段を有する作動デバイスに関する。
【0009】
基本的には更なる制御機能(複数)が、作動デバイスを介して、また、特に第2の作動手段を介して共制御され得る。しかしながら、タンク閉止弁とエンジン停止スイッチを作動するためにもっぱら第2の作動手段を使用することが有利であると証明されている。「操作の準備ができている」/「操作中」の状態と「操作停止」/「エンジン停止」の状態とで操作に対する明確な分離があることがこのように確保される。
【0010】
第2の作動手段は、特に、その位置を「操作の準備ができている」から「操作停止」に向かう方向へ調節した時に、それが少なくとも実質的に同時にタンク閉止弁とエンジン停止スイッチを作動するように配置されるならば理想的であり、そこでは、反転切り替えパスのための各構成もまた追加的に或いは代替的に可能である。「実質的に同時に」の表現は、タンク閉止弁とエンジン停止スイッチの切り替えが、オペレータによる第2の作動手段の手動作動の場合、実際上同時に生じると理解される。従って、タンク閉止弁とエンジン停止スイッチの切り替えが、可能な限り正確に同時に生じることが理想的である。従って、オペレータは、タンク閉止弁による作動方向に依存する「遮断/解放」、及びエンジン停止スイッチの「作動/解放」二つの機能を起動するために、第2の作動手段によって切り替え点を乗り越えることが必要であるに過ぎない。製造によって生じる限界許容範囲が生じることが自ずと理解される。作動の同時発生の関連態様は、エンジン停止スイッチとタンク閉止弁の両方が、特に第2の作動手段の全体の作動パスに関して実際上同時に作動される、及び/又は実施の形態により解放されることである。
【0011】
主として、第2の作動手段の具体的な構成は、広い範囲に亘って変化し得る。複雑な送信デバイスを回避するためには、エンジン停止スイッチ及び/又はタンク閉止弁の直接作動のため第2の作動手段を配置することが最適である。直接作動は、第2の作動手段がエンジン停止スイッチ及び/又はタンク閉止弁を直接起動する際、提供される。主として、特にコンパクトで接続されたユニットとして、エンジン停止スイッチ及び/又はタンク閉止弁に近い第2の作動手段の配置は、有利であることが証明されている。
【0012】
ロッキングレバー、スラストレバー等の考えられる多くの構成変形を考えると、ロータリースイッチとして以下で設計されるロータリーレバーの形態での第2の作動手段の配置が有利であることが証明されている。ロータリースイッチは、それが切り替えや作動のために捻られる、従って、非常に小さなスペースを必要とすることが特徴である。ロータリースイッチは、更に、第2の作動手段からタンク閉止弁及びエンジン停止スイッチへ適切な方法で作動力を伝達するために特に適している。
【0013】
ロータリースイッチの手動制御を可能とするために、ロータリースイッチは、例えば突出する梁の形状のグリップエンドを備えることが有利である。切り替え運動を伝達するために、この実施の形態は、好ましくは、ねじれ防止の方法でグリップエンドが接続されるシャフトをさらに備え、そこでは、タンク閉止弁及びまたエンジン停止スイッチの両方が、そのシャフトを介して間接的に又は特に直接的に作動され得る。シャフトは、この場合、特に以下でより詳細に説明されるように、回転軸の回りに回転可能で回転運動と回転力(トルク)を伝達可能なランダムな断面の要素として一般的に理解される。グリップエンドのシャフトとの耐トルク接続の結果として、シャフトは、グリップエンドの回転作動中に共回転する。この運動は、この場合、エンジン停止スイッチとタンク閉止弁を一緒に且つ実質的に同時に作動するのに利用される。内燃機関の運転中にロータリーグリップエンドがエンジン停止位置へ旋回されると、一方では、タンク閉止弁は、実際上同時に或いは共通の切り替え点を越えると閉止される。すると、燃料タンクから内燃機関への燃料の接続が遮断され、他方では、内燃機関がエンジン停止スイッチによってスイッチオフされ、例えばそれは点火回路の遮断によって生じる。ロータリーグリップエンドがエンジン停止位置から操作位置へ捻り返されると、タンク閉止弁が開かれ、点火回路の遮断が取り除かれ、すると、内燃機関が始動及び操作され得る。第2の作動手段は、作動の一方向へ(即ち、エンジン停止スイッチが点火回路を遮断し、タンク閉止弁が燃料の供給を遮断するエンジンオフ位置から、エンジン停止スイッチが点火回路を閉じ且つタンク閉止弁が燃料タンクから内燃機関又は気化器への燃料の供給を解放する作動位置へ)の、又は作動の他方向へ(作動位置からエンジンオフ位置へ)の、及び好ましくは両切り替え方向へのエンジン停止スイッチとタンク閉止弁の作動が、実際上同時に又は各共通切り替え点を越えると、エンジン停止スイッチとタンク閉止弁を切り替えるように配置され得る。これによって、タンク閉止弁とエンジン停止スイッチによる夫々の制御処理の同時起動が可能となり、従って、例えば、各実施の形態により、燃料供給が内燃機関のカットオフと同時に遮断される及び/又はその逆が保障される。このことは、両方の制御機能が一つの調節で実行されるためオペレータにとって有利となる。更に、エンジン停止スイッチの切り替えとタンク閉止弁の作動の間の中間位置がもはや生じない。
【0014】
ロータリースイッチのシャフトは、一方では、ロータリースイッチを支持するために使用され得る。しかしながら、シャフトがエンジン停止スイッチ及び/又はタンク閉止弁を作動するために配置される共回転コンタクトデバイスよりなるならば、理想的である。対応して、シャフトは、特に、エンジン停止スイッチに対して、接触又は非接触作動のための共移動コンタクトデバイスよりなることが好ましい。エンジン停止スイッチは、例えば、接触作動のためのタッチコンタクトとして配置され得る。エンジン停止スイッチは、この目的のために、押された状態で点火回路を遮断し、押されていない状態でエンジン停止スイッチを閉じるように特に設けられる。非接触作動の場合、エンジン停止スイッチは、磁気スイッチやリードコンタクトスイッチとして配置され得る。
【0015】
制御表面の形態でのコンタクトデバイスの配置は、実際の使用では、特に有利であることが証明されている。それは、しばしばタッチコンタクトとして配置されるエンジン停止スイッチを制御するのに特に適している。制御表面は、表面を指定し、その表面に沿って、タッチコンタクトの感知ヘッドのような被制御部材が第2の作動手段の作動運動中に移動される。具体的には、半径方向へ湾曲したエリアとして、又は回転軸に関して偏心するエリアとして、又はロータリースイッチの回転平面におけるカムとしての接触表面の配置は、特に適していることが証明されている。この実施の形態において、通常圧力スプリングによって加圧されるタッチコンタクトは、制御表面上にあり、ロータリースイッチを作動すると制御表面の特別な配置の結果として、その切り替え点を越えて押されるか、回転の方向によって、外へ押され、又は、スイッチ内に設けられる回復力によって戻され得る。切り替え点は、タッチコンタクトの切り替え運動における点を指定し、そこでは、その点を越えると、切り替え点が一方の切り替え位置(例えば、その位置が点火回路を遮断する)からその他方の位置(例えば、その位置が点火回路を閉じる)へ移動する。制御表面は、半径方向へ湾曲したエリアとして配置され得る。半径方向へ湾曲したエリアは、それが、ロータリースイッチの回転軸に直交する平面において回転軸に対して半径方向へ距離を変化することによって特徴付けられ、そこでは、その距離において流れの変化が最も滑らかな可能な切り替えプロセスを可能にするために有利である。
【0016】
制御表面とその制御表面によって作動される要素、特に、タッチコンタクトとして配置されるエンジン停止スイッチは、互いに、制御表面が、シャフトの回転軸に直交するエンジン停止スイッチを調節するように配置されるのが理想的である。これによって、第2の作動手段の回転作動運動のエンジン停止スイッチへの特に効率的な伝達が保障される。
【0017】
従って、制御表面は、シャフトと共回転するコンタクトエリアとして配置されるのが好ましく、それによって、ロータリーレバーの回転運動中にエンジン停止スイッチの接触作動を可能とする。或いは、また、非接触作動が、例えばリードコンタクトによって提供されても良い。いずれの場合も、コンタクトデバイスは、シャフトと共回転する。
【0018】
代替として或いはロータリーシャフトの半径方向に働くコンタクトエリアに加えて、例えば、回転可能シャフトが、回転軸回りの回転と同時に軸方向へ変位することも可能であり、それは、回転調節機構(動力伝達ねじ等)によって達成され得る。この場合、エンジン停止スイッチ又はタンク閉止弁の作動は、シャフトの軸方向に生じ得る。また、両実施の形態(半径方向への作動と軸方向への作動)は、組み合わせられる。
【0019】
タンク閉止弁の起動は、主として可変である。特に、ロータリーレバーと共移動する作動デバイスの助けを借りての、機械的作動は、作動デバイスの信頼できる作動を達成するために有利である。好適な具体的実施では、接続デバイスが、タンク閉止弁のロータリー弁へロータリーレバーの回転運動を伝達するように配置されたシャフトの底部軸端部に(即ち、ロータリーレバーの反対側のシャフトの端部に)設けられる。ロータリー弁は、この場合、それが、開放位置と閉鎖位置の間で回転運動によって移動され得ることで特徴付けられる。このため、シャフトは、燃料ラインに組み込まれるボール弁にリンクされ得、このリンクは直接的に行われる又は適切な接続デバイスによっても行われる。ロータリーレバーとロータリー弁の回転軸は、互いに共軸に配置されるならば、空間的な理由で特に有利である。これは、ロータリー弁がシャフトの面端に隣接する際、非常に確動的な方法で達成される。或いは、タンク閉止弁が回転シャフトによって作動されるスライド等の手段によって作動され得、それによって、ロータリー弁のないタンク閉止弁が良好に使用され得る。勿論、電気的に作動可能な弁や更に他の弁もまた使用可能である。
【0020】
好ましくは、シャフトのタンク閉止弁の各作動コンポーネントへのリンクは、確動的な及び/又は非確動的な接続によって生じる。その結果、シャフトは、例えばタンク閉止弁の回転可能部分、例えばボール弁の弁ボールにおける突起、が係合する、半径方向に向けられた収容凹所を含むことができる。
【0021】
特に、ロータリースイッチの形態である第2の作動手段は、ハウジング内に相対的に移動可能に設けられることが更に好ましい。それによって、極端にコンパクトなモジュールユニットが得られる。これは、グリップエンドとこのグリップエンドに対してねじれ防止シャフトを有するロータリーレバーとしての第2の作動手段の配置に特に適している。ハウジングは、更に理想的には、ロータリーレバーが、一方では、ハウジングにしっかりと取り付けられ、且つ他方では、エンジン停止スイッチとタンク閉止弁を作動するために回転運動を可能にするように、特にこの実施の形態に対してガイド手段を備える。また、エンジン停止スイッチ及び/又はタンク閉止弁は、理想的には、コンパクトで接続された取り付けユニットを得るために、ハウジング内に収容される及び/又はハウジング内に固定される又は取り付けられることが理解される。
【0022】
オペレータによる作動デバイスの作動を容易にするために、制限デバイス、特に制限ストップによる第2の作動手段のロータリーレバーの回転運動の制限が、ロータリーレバーの回転軸受、特にハウジングにおいて有利であることが証明されている。制限デバイスは、ロータリーレバーの少なくとも一作動方向において有効であり、従って、可動作動手段に対する最大作動パスを事前に決定する。従って、最大作動パスを越えられない。このように、オペレータがロータリーレバーを過剰にひねることができず、それによって、エンジン停止スイッチ及び/又はタンク閉止弁に対するリンク部品の損傷を防止することができる。従って、作動運動が両作動方向において範囲が定められる時、即ち、制限デバイスによって、特にリミットストップによって、両回転方向において夫々ロータリーレバーを使用する時に、最適である。このために、制限デバイスは、一つ又は等しい二つの機械的運動ストップによって形成され得る。そのような機械的運動ストップは、ハウジング上に配置された弾性トングによって行われ得る、ソフトリミットストップのように特に好適に配置され、それに対して、可動作動手段が、その最終運動位置に達すると、柔らかく衝突する。そのために、コンタクト要素がトングに対応する可動作動手段上に設けられている。トングとコンタクト要素もまた交換可能に配置され得る。
【0023】
代替として或いは制限ストップに加えて、ラッチ又はロックデバイスをロータリーレバーを少なくとも一つの画定された位置にラッチ又はロックするために設けることができる。ラッチ又はロックデバイスと制限ストップとの違いは、前者は、必ずしも作動パス制限を表すわけではない点にある。ロータリーレバーは、ラッチ又はロック位置を越えて移動され得る。ラッチ又はロックデバイスは、第2の作動手段がオペレータによって把握可能な特定の画定された作動位置を取ることを保障する。それによって、オペレータは、エンジン停止スイッチによってタンク閉止弁を開くため且つ点火回路を解放するため、又はエンジン停止スイッチを作動することによってタンク閉止弁を閉じるため且つ点火回路を遮断するためにラッチ又はロックデバイスの位置によって、エンジン停止スイッチとタンク閉止弁の結合切り替え点に達することが確保される。ラッチデバイスは、それが、切り替え点の前及び/又は後(即ち、切り替え点に達した後)ラッチし得る切り替えプロセスを確保するように配置されることを特徴とする。ロックデバイスの関連する態様は、それが、切り替え点の前及び/後で第2の作動手段を所定位置に固定できる手段を備えることである。両実施の形態は、第2の作動手段の切り替え位置が更に固定されるという利点を伴い、特に、エンジン停止スイッチの作動(点火コンタクトを遮断するため)及び燃料供給を遮断する位置へのタンク閉止弁の位置決めが確保される、輸送中に有利である。第2の作動手段の固定は、開放位置にタンク閉止弁を固定し且つ点火回路を遮断しない位置にエンジン停止スイッチを固定するために、追加的に或いは別法として、作動状態に対してなされる。これは、特に、土壌圧縮装置の動作中に生じるかなりの振動に関して有利である。ロック又はラッチデバイスは、特に対応するロック又はラッチ要素によって、ハウジングとロータリーレバーの一部との間に作用することが好ましい。
【0024】
幅広い範囲の種々の実施の形態は、本発明の実施のために使用され得るが、ロータリーレバー、即ち、シャフトとグリップエンドの一体的配置は、製造とメンテナンスを単純にするために特に理想的であることが証明されている。更に、特に、ロータリーレバーの一体的配置の場合に、プラスチック材料が使用されることが好ましく、特に、耐寒性及び耐衝撃性のプラスチック材料、特に、熱可塑性材料の群からのものが好ましい。後者は、特に、射出成型プロセスによる製造を可能とし、それによって、製造プロセスが、更に、最適にされ得る。強化材料もまた、主として、プラスチック材料に組み合わせられる。
【0025】
エンジン停止スイッチは、しばしばコンタクト又は圧力スイッチである。このようなスイッチは、比較的堅牢であるが、信頼できる機能性を永続的に確保するために、主として過剰な押し込みは回避されるべきである。過剰な押し込みは、例えば、復帰スプリングの形態でしばしば配置されるエンジン停止スイッチの復帰機構を損傷する可能性がある。本発明は、この目的で、弾性荷重プロテクションの存在を提案し、それは、エンジン停止スイッチの最大作動パスが少なくとも一つの作動方向に越えないように配置される。この荷重プロテクションは、特にエンジン停止スイッチを、例えばエンジン停止スイッチと接触している制御表面によって伝達される作動力の最大作動を超えると、停止するように配置することができる。エンジン停止スイッチの軸受は、具体的に、突出軸受トングに設けられることができ、この軸受トングは、軸受ボディ、特にハウジングの一部と一方の側のみで接続されることが好ましい。軸受トングは、特に、それがプラスチックでできている場合、ある大きさの弾性を備える。軸受トングのハウジングの関連する部分、例えば、ハウジングの半分との一体的配置が理想的である。従って、コンタクトスイッチに働く作動力が最大値を越えると、コンタクトスイッチは、軸受トングの曲がりによって停止し、その結果、コンタクトスイッチに対する過負荷保護が達成される。
【0026】
第2の請求項では、その目的の達成が、内燃機関を有する土壌圧縮デバイスに関し、前記土壌圧縮デバイスは、本発明による且つ先行する記述に従う少なくとも一つの作動デバイスを備える。そのような土壌圧縮デバイスは、好ましくは手持ち操作土壌圧縮デバイス、特に振動タンパーや振動プレートである。作動デバイスは、好ましくは土壌圧縮デバイスの燃料タンクに固定される或いは燃料タンクのハウジングに一体化される。
本発明は、以下のように概略的に示す図面に示される実施の形態を参照して非制限的に以下に記述される。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】土壌圧縮デバイスの斜視図である。
【図2】図1の土壌圧縮デバイスに設けられる第2の作動手段の長手方向断面図である。
【図3】作動されていないエンジン停止スイッチと開いたタンク閉止弁を有する、図2に示される断面経過に従う図1の土壌圧縮デバイスに設けられた第2の作動手段の横断面図である。
【図4】作動されたエンジン停止スイッチと閉じたタンク閉止弁を有する、図3に対応する横断面図における図1の土壌圧縮デバイスに設けられた第2の作動手段を示した図である。
【図5】図5a及び図5bは「操作の準備ができている」方向と「エンジン停止」の方向におけるロータリースイッチの作動下での切り替えプロセスの概略的比較を示した図である。
【図6】図1の斜視断面図を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
図1は、本ケースにおける所謂振動タンパーに関するデバイスを有する、全体が参照番号100で示される土壌圧縮デバイスを示す。この土壌圧縮デバイス100は、機械的ドライブを介して土壌圧縮プレート20と接続される内燃機関10を備える。参照番号30は、内燃機関10を操作するために、燃料が蓄えられた燃料タンクを示す。参照番号40は、上位の作動デバイスを指し、このデバイスは、加速レバーの形態の第1の作動手段73と、エンジン停止スイッチとタンク閉止弁の結合及び同時作動のための、以下でより詳細に説明される第2の作動手段80を備える。エンジン出力は、加速レバー73の作動、即ち、最終的に、単位時間当たりの土壌圧縮プレート20のストローク数によって調節され得る。図示のように、作動デバイス40の第2の作動手段80は、燃料タンク30又は燃料タンク30のハウジングに固定される。参照番号31及び50は、タンクの蓋31及びハンドル50を指す。図6は、より詳細に、作動デバイス、特に、第1の作動手段73と第2の作動手段80との相対位置及び空間的分離を示している。
【0029】
図2は、長手方向断面で第2の作動手段80を示している。第2の作動手段80は、ハウジング81を備え、その中には、剛性シャフト82として配置される回転可能作動手段が保持されている。その軸方向上端で、シャフト82は、ツイストハンドル83として配置された作動部材と一体に配置されている。ツイストハンドル83は、図1に示されるように、ハンドルリブを備える。ツイストハンドル83とシャフト82は、一緒にロータリーレバー90を形成する。スライドブロックガイド84がツイストハンドル83をガイドし且つシールするためにハウジング81(雨水に対してシールする)に設けられる。シャフト82は、ハウジング81から下方へ突出すると共にその軸方向底部に接続セクション85を備え、このセクションは、インターロック方式で、タンク閉止弁60の作動アーム61上に達し、従って、シャフト82とタンク閉止弁60の作動アーム61とのインターロック接続を行う。機械的タンク閉止弁60は、土壌圧縮デバイス100の燃料タンク30と内燃機関10との燃料の接続を遮断するために設けられる。図示の実施の形態において、タンク閉止弁60は、直接にタンク30に又はそのハウジングに締着される。タンク閉止弁60は、作動アーム61によって作動される不可視弁ボール62を有するボール弁又はボール逆止弁の形態の従来のタンク閉止弁に関する。タンク閉止弁60の弁ボール62は、シャフト82及び作動アーム61を介するツイストハンドル83への回転力の手動印加によって作動され得る。ボール弁62、作動アーム61、シャフト82及びツイストハンドル83の共通の共軸回転軸は、参照符号Aによって示される。
【0030】
参照番号70は、図3と図4に関連してより詳細に以下で説明されるように、第2の作動手段80のハウジング81内に配置され且つ同様にシャフト82がひねられるとタンク閉止弁の作動と実質的に同時に作動されるエンジン停止スイッチに関する。このため、エンジン停止スイッチは、回転軸Aに関して半径方向へ図3に示される位置から図4に示される位置にシャフト82によって押される。
【0031】
図3は、エンジン停止スイッチ70の上面を示す断面を含む、図2に示される断面B−Bに従う第2の作動手段80の断面図を示す。トング72を介して弾性的に取り付けられるエンジン停止スイッチ70は、コンタクトスイッチとして配置され、且つシャフト82による接触によって作動される弾性的に事前に張力が付与された作動要素71を備える。シャフト82は、回転軸Aに関して半径方向へ湾曲された制御表面86としてエンジン停止スイッチ70の接点領域に配置され、且つシャフト82と共に回転し、押し込むように配置され、従って、コンタクトスイッチ70を作動するコンタクトデバイスを形成する。制御表面86は、シャフト82と一体に配置される。エンジン停止スイッチ70の軸受トング上への配置は、エンジン停止スイッチ70が、エンジン停止スイッチ70の作動方向への制御表面によって発揮される最大負荷を越えると、全体の停止が確実となり、それによって、荷重の保護が軸受トング72におけるエンジン停止スイッチ70の配置と共に全体で得られる。軸受トングは、このために、土壌圧縮デバイスに関して固定され且つそれに取り付けられた第2の作動手段80のハウジング81と接続される。
【0032】
図3に示される図において、シャフト82は、操作位置に配置され、その位置では、エンジン停止スイッチ70が作動されず且つタンク閉止弁60が開かれる。従って、内燃機関10は、始動されて操作される。手動で回転力をツイストハンドル83に印加することによって、シャフト82が、回転矢印Mで示される、図4に示される位置へ移動される又はひねられる。その結果、シャフト82は、タンク閉止弁60とまたエンジン停止スイッチ70を直接に且つ実質同時に作動する。タンク閉止弁60の作動は、上で説明されたように、シャフト82の底部軸端上の接続セクション85によって生じ、図3から図4の燃料タンク30と内燃機関10との燃料接続が遮断される。エンジン停止スイッチ70の作動は、回転軸Aから離れるように半径方向に作動要素71を押し、且つそれをエンジン停止スイッチ70に押し込む制御表面86によって生じ、そして、エンジン停止スイッチ70が作動されて内燃機関10の点火回路を遮断する。従って、図4に示される位置で、第2の作動手段80は、「エンジンオフ」の操作状態にあり、土壌圧縮デバイス100の始動と操作は不能である。第2の作動手段80が図4に示される位置から図3に示される位置にひねられると、第2の作動手段80は、「操作の準備ができている」の操作位置に配置され、内燃機関10の操作が可能となる。シャフト82が図3に示される回転位置にある限り、内燃機関10は、従って、始動及び操作され、第2の作動手段80とは別に作動デバイス40の第1の作動手段によって単独で速度の調節が生じる。内燃機関10の操作を遮断するために、シャフト82は、反対の回転方向(M)にひねられることが必要であり、それは、ツイストハンドル83上への回転力の新たな手動での印加によって生じる。このプロセスにおいて、タンク閉止弁60は、再び閉じられ、作動されたエンジン停止スイッチ70が、内燃機関10の点火回路を同時に遮断する。単なる事前注意として、エンジン停止スイッチ70の前述の切り替え機能とその作動は、単なる例示であることに留意すべきである。
【0033】
図3に示される回転位置と図4に示される回転位置の間にあるシャフト82の制御角度は、90°(4分の1円弧)である。これは、好適な最適な制御角度に対応する。なぜなら、このために、回転運動は、オペレータがその手を過剰に動かす必要なしに、ツイストハンドル83上に更に都合よく印加され得るためである。最大制御角度は、更に詳細には記載されない制限デバイスによって事前に決定され得る。更に、ロック及び/又はラッチ手段を設けることができ、その手段は、より詳細には記述されず、シャフト82及び/又はツイストハンドル83を操作位置又はエンジン停止位置に取り外し可能に固定する。
【0034】
図2、3及び4は、ガイドデバイス87がハウジング81上又は内に配置され、それがハウジング81上又はハウジング81内にシャフト82(図1も参照)の回転軸受及び支持体のために使用される少なくとも部分的に円筒状の内側ガイド表面を備えることを明瞭に示している。このため、対応するスカート状ガイドセクション88を有するシャフト82が配置される。その図示は、シャフト82が中実ではなく、中空シャフトとして配置されている。
【0035】
回転シャフト82は、図示の実施の形態では、タンク閉止弁60とエンジン停止スイッチ70の結合作動のための作動手段として設けられている。長手方向へ変位可能なスライド及び/又は電気スイッチを作動手段と同様に設けることができ、それによって、タンク閉止弁60とエンジン停止スイッチ70の両方が作動され得る。関連する態様は、タンク閉止弁60とエンジン停止スイッチ70が同時に作動されることである。これは、更に図5aと及び5bに示されている。図5aは、図4の切り替え状態を示す。エンジン停止スイッチ70は、内燃機関10の点火回路を遮断し(「−」で表される)、タンク閉止弁60は、タンク30から内燃機関10への燃料の更なる搬送を遮断する(また「−」で表される)。オペレータが(矢印Mの方向とは反対に)第2の作動手段80のロータリースイッチを作動すると、指定の点から作動移動してある位置に達し、そこでは、その位置を越えると、エンジン停止スイッチ70が図5bに従って点火回路を閉じ(「+」で表される)、且つタンク閉止弁60が燃料供給を解放し(また「+」で表される)、それによって、図3に描かれる状態に達する。「操作の準備ができている」又は「操作中」の図5bに示される状態から図5aに示される「エンジンオフ」の状態への切り替えは、それぞれ反対方向へ進む。切り替えは、事実上同時に発生し、それによって、オペレータは、エンジン停止スイッチ70とタンク閉止弁60を第2の作動手段80を介して結合且つ同期して一方の操作状態から他方の操作状態へ切り替える。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
手で作動可能なアイドル状態とフルスロットル状態の間でエンジン出力を調節するために配置された第1の作動手段(73)を備える土壌圧縮デバイス(100)、特に振動タンパーのための作動デバイス(40)であって、
手で作動可能なタンク閉止弁(60)とエンジン停止スイッチ(70)を作動するために配置された第2の作動手段(80)が設けられる作動デバイス(40)。
【請求項2】
前記第2の作動手段(80)が前記タンク閉止弁(60)および前記エンジン停止スイッチ(70)を作動するために専用に配置される請求項1に記載の作動デバイス(40)。
【請求項3】
前記第2の作動手段(80)は、切り替えプロセス中に、前記タンク閉止弁(60)と前記エンジン停止スイッチ(70)の実質同時の作動のために配置される請求項1または2に記載の作動デバイス(40)。
【請求項4】
前記第2の作動手段(80)は、グリップエンド(83)および当該グリップエンド(83)とねじれ防止方式で接続されるシャフト(82)を備え、前記タンク閉止弁(60)および前記エンジン停止スイッチ(70)の両方が前記シャフト(82)を介して作動可能である請求項1〜3のいずれか一項に記載の作動デバイス(40)。
【請求項5】
前記エンジン停止スイッチ(70)を作動するための少なくとも一個の共回転デバイスが前記シャフト(82)上に配置される請求項4に記載の作動デバイス(40)。
【請求項6】
前記コンタクトデバイスは、制御表面(86)、特に半径方向へ湾曲されたエリアを備える請求項5に記載の作動デバイス(40)。
【請求項7】
前記制御表面(86)は、エンジン停止スイッチ(70)をシャフト(82)の回転軸(A)に対して直交して移動するように配置される請求項6に記載の作動デバイス(40)。
【請求項8】
前記シャフト(82)は、その軸方向底端に接続デバイスを備え、その接続デバイスは、ロータリーレバー(90)の回転運動を前記タンク閉止弁(60)の回転弁(62)へ伝達するように配置される請求項4〜7のいずれか一項に記載の作動デバイス(40)。
【請求項9】
前記ロータリーレバー(90)およびタンク閉止弁(60)の回転軸(A)は、共軸で延出している請求項8に記載の作動デバイス(40)。
【請求項10】
ロータリーレバー(90)はハウジング(81)内に回転可能に収容され、前記ロータリーレバー(90)の回転運動は、少なくとも1個の制限ストップによって前記ハウジング(81)内に制限されている請求項4〜9のいずれか一項に記載の作動デバイス(40)。
【請求項11】
ラッチ又はロックデバイスが少なくとも一つの定義された位置にロータリーレバー(90)をロックするために設けられる請求項4〜10のいずれか一項に記載の作動デバイス(40)。
【請求項12】
ロータリーレバー(90)は、プラスチック材料で一体的に作られている請求項4〜11のいずれか一項に記載の作動デバイス(40)。
【請求項13】
少なくとも一作動方向において前記エンジン停止スイッチ(70)の最大作動パスを越えないように配置される弾性荷重保護部(72)が設けられる請求項1〜12のいずれか一項に記載の作動デバイス(40)。
【請求項14】
内燃機関(10)と請求項1〜13のいずれか一項に記載の作動デバイス(40)とを備える、特にタンパーである土壌圧縮デバイス(100)。
【請求項15】
少なくとも前記第2の作動手段(80)が前記土壌圧縮デバイス(100)の前記燃料タンク(30)に固定されている請求項14に記載の土壌圧縮デバイス(100)。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−233397(P2012−233397A)
【公開日】平成24年11月29日(2012.11.29)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−105321(P2012−105321)
【出願日】平成24年5月2日(2012.5.2)
【出願人】(592188715)ボーマーク・ゲー・エム・ベー・ハー (14)
【氏名又は名称原語表記】BOMAG GMBH
【住所又は居所原語表記】INDUSTRIEGEBIET HELLERWALD,D−56154 BOPPARD,BUNDESREPUBLIK DEUTSCHLAND
【Fターム(参考)】