説明

内装部品への表示プレートの取付構造

【課題】一つの表示プレートで複数種類の表示を選択して表示可能である内装部品への表示プレートの取付構造を提供する。
【解決手段】本取付構造1は、開口2Aを有する内装部品2と、開口に嵌め込むための表示プレート3と、内装部品に固定され、表示プレートを取り付けるための取付部材4と、を備えた内装部品への表示プレートの取付構造であって、表示プレートは複数の表示面3A,3Bを有しており、表示プレート及び取付部材のうち、一方は軸部5を備えており、他方は軸部を受ける受け部6を備えており、受け部には、軸部を受ける複数の軸受け位置6A,6Bが設定されており、複数の軸受け位置のうち、一つの軸受け位置では軸部と受け部とが回動可能とされていることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両の内装部品への表示プレートの取付構造に関する。更に詳しくは、一つの表示プレートで複数種類の表示を選択して表示可能である内装部品への表示プレートの取付構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、スピーカーグリルやインストルメントパネル等の車両用内装部品に、社名やブランド名等を表示するための表示プレートを取り付けることが行われている。この場合、表示プレートは、接着剤や両面テープ等により内装部品表面に貼付けたり、表示プレート側に設けた棒状の係止部材を内装部品の孔部に挿通したり(例えば、特許文献1参照)、内装部品に設けた開口内に表示プレートを嵌着したり(例えば、特許文献2参照)等により取り付けることが行われている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−17871号公報
【特許文献2】実開平06−9292号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、内装部品への表示プレートの取り付けでは、同じ種類の内装部品に取り付ける場合であっても、車種やグレードの違い等によって異なる種類の表示プレートを取り付けることがある。この場合、作業者により、複数種類の表示プレートの中から取り付けるべき表示プレート選択して取り付ける必要があり、取付作業が煩雑であった。
【0005】
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、一つの表示プレートで複数種類の表示を選択して表示可能である内装部品への表示プレートの取付構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記問題点を解決するために、請求項1に記載の発明は、開口を有する内装部品と、開口に嵌め込むための表示プレートと、内装部品に固定され、表示プレートを取り付けるための取付部材と、を備えた内装部品への表示プレートの取付構造であって、
表示プレートは複数の表示面を有しており、表示プレート及び取付部材のうち、一方は軸部を備えており、他方は軸部を受ける受け部を備えており、受け部には、軸部を受ける複数の軸受け位置が設定されており、複数の軸受け位置のうち、一つの軸受け位置では軸部と受け部とが回動可能とされていることを要旨とする。
【0007】
請求項2に記載の発明は、請求項1において、前記受け部が前記軸受け位置において前記軸部を挟持していることを要旨とする。
【0008】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2において、前記表示プレートには突状部が設けられており、前記取付部材には前記突状部と係合してロック可能なロック部が設けられていることを要旨とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明の内装部品への表示プレートの取付構造によると、開口を有する内装部品と、開口に嵌め込むための表示プレートと、内装部品に固定され、表示プレートを取り付けるための取付部材と、を備えた内装部品への表示プレートの取付構造であって、表示プレートは複数の表示面を有しており、表示プレート及び取付部材のうち、一方は軸部を備えており、他方は軸部を受ける受け部を備えており、受け部には、軸部を受ける複数の軸受け位置が設定されており、複数の軸受け位置のうち、一つの軸受け位置では軸部と受け部とが回動可能とされている。このような構成により、一つの表示プレートで複数種類の表示を簡易に選択して表示することができる。また、従来のように複数種類の表示プレートを用意する必要がなく、部品点数を削減することができる。
【0010】
また、前記受け部が、前記軸受け位置において前記軸部を挟持している場合は、受け部により軸部を容易に支持することができる。その結果、より簡易に複数種類の表示を選択して表示することができる。
【0011】
更に、前記表示プレートには突状部が設けられており、前記取付部材には前記突状部と係合してロック可能なロック部が設けられている場合は、回動させた表示プレートを確実に固定することができる。また、突状部の指向状態によってどの表示面が表示されているのかを認識することができる。その結果、表示面の誤表示を軽減できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
本発明について、本発明による典型的な実施形態の非限定的な例を挙げ、言及された複数の図面を参照しつつ以下の詳細な記述にて更に説明するが、同様の参照符号は図面のいくつかの図を通して同様の部品を示す。
【図1】実施例1〜4に係る内装部品への表示プレートの取付構造の概略を示す図である。
【図2】実施例1に係る内装部品への表示プレートの取付構造の概略を示す斜視図である。
【図3】実施例1に係る軸部及び受け部を示す側面図である。
【図4】実施例1に係る内装部品への表示プレートの取付構造の作用を説明するための説明図である。
【図5】実施例1に係る内装部品への表示プレートの取付構造の作用を説明するための説明図である。
【図6】実施例1に係る内装部品への表示プレートの取付構造の作用を説明するための説明図である。
【図7】実施例1に係る内装部品への表示プレートの取付構造の作用を説明するための説明図である。
【図8】実施例1に係る内装部品への表示プレートの取付構造の作用を説明するための説明図である。
【図9】実施例1に係る内装部品への表示プレートの取付構造の作用を説明するための説明図である。
【図10】実施例2に係る内装部品への表示プレートの取付構造の概略を示す斜視図である。
【図11】実施例2に係る内装部品への表示プレートの取付構造の作用を説明するための説明図である。
【図12】実施例2に係る内装部品への表示プレートの取付構造の作用を説明するための説明図である。
【図13】実施例2に係る内装部品への表示プレートの取付構造の作用を説明するための説明図である。
【図14】実施例2に係る内装部品への表示プレートの取付構造の作用を説明するための説明図である。
【図15】実施例3に係る内装部品への表示プレートの取付構造の概略を示す斜視図である。
【図16】実施例3に係る内装部品への表示プレートの取付構造の作用を説明するための説明図である。
【図17】実施例3に係る内装部品への表示プレートの取付構造の作用を説明するための説明図である。
【図18】実施例3に係る内装部品への表示プレートの取付構造の作用を説明するための説明図である。
【図19】実施例4に係る内装部品への表示プレートの取付構造の概略を示す斜視図である。
【図20】実施例4に係る内装部品への表示プレートの取付構造の作用を説明するための説明図である。
【図21】実施例4に係る内装部品への表示プレートの取付構造の作用を説明するための説明図である。
【図22】実施例4に係る内装部品への表示プレートの取付構造の作用を説明するための説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
ここで示される事項は例示的なものおよび本発明の実施形態を例示的に説明するためのものであり、本発明の原理と概念的な特徴とを最も有効に且つ難なく理解できる説明であると思われるものを提供する目的で述べたものである。この点で、本発明の根本的な理解のために必要である程度以上に本発明の構造的な詳細を示すことを意図してはおらず、図面と合わせた説明によって本発明の幾つかの形態が実際にどのように具現化されるかを当業者に明らかにするものである。
【0014】
1.内装部品への表示プレートの取付構造
本実施形態に係る内装部品への表示プレートの取付構造は、開口を有する内装部品と、開口に嵌め込むための表示プレートと、内装部品に固定され、表示プレートを取り付けるための取付部材と、を備えた内装部品への表示プレートの取付構造であって、
表示プレートは複数の表示面を有しており、表示プレート及び取付部材のうち、一方は軸部を備えており、他方は軸部を受ける受け部を備えており、受け部には、軸部を受ける複数の軸受け位置が設定されており、複数の軸受け位置のうち、一つの軸受け位置では軸部と受け部とが回動可能とされていることを特徴とする。
【0015】
上記「内装部品」の構造、形状、大きさ、材質等は特に問わない。この内装部品としては、例えば、スピーカーグリル(例えば、図1等参照)、ドアトリム、インストルメントパネル、ルーフトリム、デッキボード等を挙げることができる。
【0016】
上記「表示プレート」の構造、形状、大きさ、材質等は特に問わない。表示プレートは複数の表示面を有しているが、それら表示面に表示される表示は特に問わない。この表示としては、例えば、車両や車両部品、車両用音響機器等の製造会社名やブランド名等、また、車両、車両部品、車両用音響機器等の名称やグレード等の文字や文字列、更に、これらを示すロゴタイプや記号、図形パターン等を挙げることができる。また、これらに換えて、表示プレートが取り付けられる内装部品の意匠面と同様の意匠を有する表示面を表示するようにしてもよい。
上記表示プレートは、例えば、略三角柱、略四角柱、略五角柱等の略多角柱形状に形成されていることができる。この場合、表示プレートは、複数の表示面として、多角柱の側面のうちの少なくとも2面が表示面とされている形態であることができる(例えば、図2、10等参照)。
【0017】
上記「取付部材」の構造、形状、大きさ、材質等は特に問わない。この取付部材は、上記内装部品と一体に形成されていてもよいし、別体に設けて上記内装部品に取り付けるようにしてもよい。
【0018】
上記「軸部」の構造、形状、大きさ、材質、個数等は特に問わない。この軸部は、上述のように、表示プレート又は取付部材に備えられている。
上記「受け部」の構造、形状、大きさ、材質、個数等は特に問わない。この受け部は、上述のように、表示プレート又は取付部材に備えられている。また、この受け部には、上記軸部を受ける複数の軸受け位置が設定されており、これら複数の軸受け位置のうち、一つの軸受け位置では軸部と受け部とが回動可能とされている(例えば、図5、12等参照)。即ち、一つの軸受け位置に軸部を位置させることにより表示プレートを回動させて表示面を選択することができ、他の軸受け位置に軸部を位置させることにより表示プレートが上記開口に嵌め込まれて回動不能となり、固定状態となる。
【0019】
また、上記受け部による上記軸部の支持形態は特に限定されないが、例えば、上記受け部が上記軸受け位置において上記軸部を挟持している形態であることができる。この場合、軸部の直径dとしては、例えば、2.5〜4mmであることができ、好ましくは2.5〜3.5mm、更に好ましくは2.5〜3mmであることができる(例えば、図3参照)。また、軸部と受け部とが回動可能な軸受け位置の内径D1は、例えば、3.5〜5mmであることができ、好ましくは3.5〜4.5mm、更に好ましくは3.5〜4mmであることができる(例えば、図3参照)。更に、軸部と受け部とが回動不能な軸受け位置の内径D2としては、例えば、3〜4.5mmであることができ、好ましくは3〜4mm、更に好ましくは3〜3.5mmであることができる(例えば、図3参照)。
【0020】
ここで、本実施形態における内装部品への表示プレートの取付構造では、例えば、上記表示プレートには突状部が設けられており、上記取付部材には突状部と係合してロック可能なロック部が設けられていることができる。
【実施例】
【0021】
以下、図面を用いて、実施例1〜4により本発明を更に具体的に説明する。尚、本実施例1〜4に係る内装部品への表示プレートの取付構造では、図1に示すように、車両のドアに取り付けられたスピーカーグリル2(本発明に係る内装部品として例示する)へ表示プレート3を取り付ける場合の内装部品への表示プレートの取付構造1,21,31,41を例示する。
【0022】
<実施例1>
(1)内装部品への表示プレートの取付構造の構成
本実施例1に係る内装部品への表示プレートの取付構造1は、図2に示すように、開口2Aを有するスピーカーグリル2と、開口2Aに嵌め込むための表示プレート3と、スピーカーグリル2に固定され、表示プレート3を取り付けるための取付部材4と、を備えている。
【0023】
表示プレート3は、図2に示すように、略矩形柱状であり、その側面のうちの表裏一対となる2面に表示面3A,3Bを有している。各表示面3A,3Bは、スピーカーグリル2に形成された開口2Aと嵌合するように凸状となっているとともに、それぞれ異なった表示がされている。また、表示プレート3の両端面部には2つの軸部5がそれぞれ外側方向に延びるように設けられている。更に、表示プレート3の表示面3A,3Bとは異なる側面の一つには突状部3Cが設けられている。この突状部3Cは、表示面3A,3Bの中心を通る平面の位置から、表示プレート3を回動させる際の回転軸の軸方向にオフセットした位置に設けられている。
【0024】
取付部材4は、開口2Aを囲むように、スピーカーグリル2の意匠面の反対側の面に取り付けられている。また、図2に示すように、取付部材4は、表示プレート3の2つの軸部5をそれぞれ受ける2つの受け部6を備えている。各受け部6には、2つの軸受け位置6A,6Bが設定されており、各軸受け位置6A,6Bにおいて軸部5を挟持可能となっている。この受け部6において、一方の軸受け位置6Aは表示プレート3の仮止め位置であり、他方の軸受け位置6Bは表示プレート3の本止め位置となる。即ち、2つの軸受け位置6A,6Bのうち、スピーカーグリル2から離れた位置である軸受け位置6Aに軸部5がある場合には、表示プレート3は、これら2つの軸部5を回転軸として、スピーカーグリル2と干渉することなく回動可能である。また、スピーカーグリル2に近い位置である軸受け位置6Bに軸部5がある場合には、表示プレート3が開口2Aに嵌め込まれて回動不能となり、固定される。
【0025】
ここで、本実施例1においては、図3に示すように、軸部5の直径d、受け部6の軸受け位置6A(軸部が回動可能な位置)における内径D1及び受け部6の軸受け位置6B(軸部が回動不能な位置)における内径D2は、それぞれ、約3mm、約4mm及び約3.5mmに設定されている。
【0026】
また、図2に示すように、取付部材4には、突状部3Cと係合してロック可能な2つのロック部4A,4Bが設けられている。突状部3Cは軸部5が軸受け位置6Bにある場合にロック部4A又は4Bと係合可能となっている。そして、突状部3Cがロック部4Aと係合する場合には表示面3Aが表示され、ロック部4Bと係合する場合には表示面3Bが表示されるようになっている。
【0027】
(2)内装部品への表示プレートの取付構造の作用
次に、上記構成の内装部品への表示プレートの取付構造1の作用について説明する。
まず、図4に示すように、表示プレート3を取付部材4に取り付ける。このとき、受け部6の軸受け位置6Aにおいて軸部5を挟持させておく。次に、図5に示すように、表示面3A,3Bのうちの表示すべき表示面がスピーカーグリル2側に向くように表示プレート3を回動させる。
【0028】
表示面3Aを表示する場合には、表示プレート3を回動させて表示面3Aをスピーカーグリル2側に向ける(図6)。その後、軸部5が軸受け位置6Bに位置するように表示プレート3をスピーカーグリル2側に押し込む(図7)。すると、表示プレート3が開口2Aに嵌め込まれ、スピーカーグリル2の意匠面側に表示面3Aが露出する。これにより、スピーカーグリル2の意匠面に表示面3Aが表示された状態となる。また、このとき、突状部3Cはロック部4Aと係合しており、これにより表示プレート3はロックされた状態となる。
【0029】
一方、表示面3Bを表示する場合には、表示プレート3を回動させて表示面3Bをスピーカーグリル2側に向ける(図8)。その後、軸部5が軸受け位置6Bに位置するように表示プレート3をスピーカーグリル2側に押し込む(図9)。すると、表示プレート3が開口2Aに嵌め込まれ、スピーカーグリル2の意匠面側に表示面3Bが露出する。これにより、スピーカーグリル2の意匠面に表示面3Bが表示された状態となる。また、このとき、突状部3Cはロック部4Bと係合しており、これにより表示プレート3はロックされた状態となる。
【0030】
(3)実施例の効果
【0031】
以上より、本実施例1の内装部品への表示プレートの取付構造1では、開口2Aを有するスピーカーグリル2と、開口2Aに嵌め込むための表示プレート3と、スピーカーグリル2に固定され、表示プレート3を取り付けるための取付部材4と、を備えた内装部品への表示プレートの取付構造であって、表示プレート3は2つの表示面3A,3Bを有しており、表示プレート3は軸部5を備えており、取付部材4は軸部5を受ける受け部6を備えており、受け部6には、軸部5を受ける2つの軸受け位置6A,6Bが設定されており、2つの軸受け位置6A,6Bのうち、軸受け位置6Aでは軸部5と受け部6とが回動可能とされている。このような構成により、一つの表示プレートで複数種類の表示を簡易に選択して表示することができる。この結果、従来のように複数種類の表示プレートを用意する必要がなく、部品点数を削減することができる。
【0032】
また、受け部6が、軸受け位置6A,6Bにおいて軸部5を挟持しているので、受け部6により軸部5を容易に支持することができる。その結果、より簡易に複数種類の表示を選択して表示することができる。
【0033】
更に、表示プレート3には突状部3Cが設けられており、取付部材4には突状部3Cと係合してロック可能なロック部4A,4Bが設けられているので、回動させた表示プレート3を確実に固定することができる。また、突状部3Cの指向状態によってどの表示面が表示されているのかを認識することができる。その結果、誤った表示面を表示してしまうことを低減できる。
【0034】
また、突状部3Cは、表示面3A,3Bの中心を通る平面の位置から、表示プレート3を回動させる際の回転軸の軸方向にオフセットした位置に設けられているので、表示プレート3を取付部材4に取り付ける際の誤取り付けを防止することができる。
【0035】
<実施例2>
(1)内装部品への表示プレートの取付構造の構成
次に、実施例2に係る内装部品への表示プレートの取付構造について説明する。尚、本実施例2において、上記実施例1の内装部品への表示プレートの取付構造1と同じ構成部位には同符号を付けて詳説を省略し、以下に相違点について詳説する。
本実施例2に係る内装部品への表示プレートの取付構造21は、図10に示すように、開口2Aを有するスピーカーグリル2と、開口2Aに嵌め込むための表示プレート23と、スピーカーグリル2に固定され、表示プレート23を取り付けるための取付部材24と、を備えている。
【0036】
表示プレート23は、図10に示すように、略正方形柱状であり、その4つの側面に表示面23A,23B,23C,23Dを有している。各表示面23A〜23Dは、スピーカーグリル2に形成された開口2Aと嵌合するように凸状となっているとともに、それぞれ異なった表示がされている。また、表示プレート23は、上記実施例1の表示プレート3と同様の2つの軸部5を備えている一方、実施例1の表示プレート3とは異なり、突状部は設けられていない。
取付部材24は、上記実施例1と同様に、スピーカーグリル2の意匠面の反対側の面に取り付けられている。また、取付部材24は、上記実施例1の取付部材4と同様の2つの軸部5をそれぞれ受ける2つの受け部6を備えている一方、実施例1の取付部材4とは異なり、ロック部は設けられていない。
【0037】
(2)内装部品への表示プレートの取付構造の作用
次に、上記構成の内装部品への表示プレートの取付構造21の作用について説明する。
まず、図11に示すように、表示プレート23を取付部材24に取り付ける。このとき、受け部6の軸受け位置6Aにおいて軸部5を挟持させておく。次に、図12に示すように、表示面23A〜23Dのうちの表示すべき表示面がスピーカーグリル2側に向くように表示プレート23を回動させる。一例として、表示面23Bを表示する場合には、図13に示すように、表示プレート23を回動させて、表示面23Bをスピーカーグリル2側に向ける。そして、軸部5が軸受け位置6Bに位置するように表示プレート23をスピーカーグリル2側に押し込む(図14)。すると、表示プレート23が開口2Aに嵌め込まれ、スピーカーグリル2の意匠面側に表示面23Bが露出する。これにより、スピーカーグリル2の意匠面に表示面23Bが表示された状態となる。
【0038】
(3)実施例の効果
【0039】
以上より、本実施例2の内装部品への表示プレートの取付構造21によると、表示プレート23が4つの表示面23A〜23Dを有しているので、実施例1の内装部品への表示プレートの取付構造1よりも、より多くの種類の表示を簡易に選択して表示することができる。
【0040】
また、上記実施例1と同様に、受け部6が軸受け位置6A,6Bにおいて軸部5を挟持しているので、受け部6により軸部5を容易に支持することができる。その結果、より簡易に複数種類の表示を選択して表示することができる。
【0041】
<実施例3>
(1)内装部品への表示プレートの取付構造の構成
次に、実施例3に係る内装部品への表示プレートの取付構造について説明する。尚、本実施例3において、上記実施例1の内装部品への表示プレートの取付構造1と同じ構成部位には同符号を付けて詳説を省略し、以下に相違点について詳説する。
【0042】
本実施例3に係る内装部品への表示プレートの取付構造31は、図15に示すように、開口2Aを有するスピーカーグリル2と、開口2Aに嵌め込むための表示プレート33と、スピーカーグリル2に固定され、表示プレート33を取り付けるための取付部材34と、を備えている。
【0043】
本実施例3では、図15に示すように、表示プレート33は略正方形柱状であり、その側面のうちの表裏一対となる2面に表示面33A,33Bを有している。各表示面33A,33Bは、上記実施例1の表示面3A,3Bと同様に、スピーカーグリル2に形成された開口2Aと嵌合するように凸状となっているとともに、それぞれ異なった表示がされている。表示プレート33の表示面33A,33Bとは異なる側面の一つには突状部33Cが設けられている。この突状部33Cは、表示面33A,33Bの中心を通る平面の位置から、表示プレート33を回動させる際の回転軸の軸方向にオフセットした位置に設けられている。また、本実施例3に係る取付部材34は、上記実施例1の取付部材3と同様に、スピーカーグリル2の意匠面の反対側の面に取り付けられている。
【0044】
本実施例3に係る内装部品への表示プレートの取付構造では、図15に示すように、取付部材34に2つの軸部35が設けられているとともに、表示プレート33に2つの受け部36が設けられている。
2つの軸部35は、取付部材34から立設するように設けられた2つの支柱部材35Aの先端側にそれぞれ設けられている。また、各軸部35は各支柱部材35Aからそれぞれ内側方向に延びるように設けられている。
【0045】
2つの受け部36には、それぞれ3つの軸受け位置36A,36B,36Cが設定されており、各軸受け位置36A〜36Cにおいて軸部35を挟持可能となっている。この受け部36において、軸受け位置36Aは表示プレート33の仮止め位置であり、軸受け位置36B,36Cは表示プレート33の本止め位置となる。即ち、3つの軸受け位置36A〜36Cのうち、中央に位置する軸受け位置36Aに軸部35がある場合には、表示プレート33は、2つの軸部35を回転軸としてスピーカーグリル2と干渉することなく回動可能である。また、軸受け位置36B,36Cに軸部35がある場合には、表示プレート33が開口2Aに嵌め込まれて回動不能となり、固定される。
【0046】
また、本実施例3では、軸部35の直径、受け部36の軸受け位置36A(軸部が回動可能な位置)における内径及び受け部36の軸受け位置36B,36C(軸部が回動不能な位置)における内径は、上記実施例1と同様に、それぞれ約3mm、約4mm及び約3.5mmに設定されている。
【0047】
また、取付部材34には、実施例1と同様に、突状部33Cと係合してロック可能な2つのロック部34A,34Bが設けられている。突状部33Cは軸部35が軸受け位置36Bにある場合にロック部34Bと係合可能であるとともに、軸部35が軸受け位置36Cにある場合にロック部34Aと係合可能となっている。そして、突状部33Cがロック部34Aと係合する場合には表示面33Aが表示され、ロック部34Bと係合する場合には表示面33Bが表示されるようになっている。
【0048】
(2)内装部品への表示プレートの取付構造の作用
次に、上記構成の内装部品への表示プレートの取付構造31の作用について説明する。
まず、図16に示すように、表示プレート33を取付部材34に取り付ける。このとき、受け部36の軸受け位置36Aにおいて軸部35を挟持させておく。尚、図16において、軸受け位置36B側から軸部35を挟持させるようにしているが、軸受け位置36C側から軸部35を挟持させることも可能である。次に、表示面33A,33Bのうちの表示すべき表示面がスピーカーグリル2側に向くように表示プレート33を回動させる。
【0049】
一例として、表示面33Aを表示する場合には、図17に示すように、表示プレート33を回動させて、表示面33Aをスピーカーグリル2側に向ける。そして、軸部35が軸受け位置36Cに位置するように表示プレート33をスピーカーグリル2側に押し込む(図18)。すると、表示プレート33が開口2Aに嵌め込まれ、スピーカーグリル2の意匠面側に表示面33Aが露出する。これにより、スピーカーグリル2の意匠面に表示面33Aが表示された状態となる。また、このとき、突状部33Cはロック部34Aと係合しており、これにより表示プレート33はロックされた状態となる。
【0050】
(3)実施例の効果
【0051】
以上より、本実施例3の内装部品への表示プレートの取付構造31では、開口2Aを有するスピーカーグリル2と、開口2Aに嵌め込むための表示プレート33と、スピーカーグリル2に固定され、表示プレート33を取り付けるための取付部材34と、を備えた内装部品への表示プレートの取付構造であって、表示プレート33は2つの表示面33A,33Bを有しており、取付部材34は軸部35を備えており、表示プレート33は軸部35を受ける受け部36を備えており、受け部36には、軸部35を受ける3つの軸受け位置36A〜36Cが設定されており、3つの軸受け位置36A〜36Cのうち、軸受け位置36Aでは軸部35と受け部36とが回動可能とされている。このような構成により、一つの表示プレートで複数種類の表示を簡易に選択して表示することができる。この結果、従来のように複数種類の表示プレートを用意する必要がなく、部品点数を削減することができる。
【0052】
また、受け部36が、軸受け位置36A〜36Cにおいて軸部35を挟持しているので、受け部36により軸部35を容易に支持することができる。その結果、より簡易に複数種類の表示を選択して表示することができる。
【0053】
更に、表示プレート33には突状部33Cが設けられており、取付部材34には突状部33Cと係合してロック可能なロック部34A,34Bが設けられているので、回動させた表示プレート33を確実に固定することができる。また、突状部33Cの指向状態によってどの表示面が表示されているのかを認識することができる。その結果、誤った表示面を表示してしまうことを低減できる。
【0054】
また、突状部33Cは、表示面33A,33Bの中心を通る平面の位置から、表示プレート33を回動させる際の回転軸の軸方向にオフセットした位置に設けられているので、表示プレート33を取付部材34に取り付ける際の誤取り付けを防止することができる。
【0055】
<実施例4>
(1)内装部品への表示プレートの取付構造の構成
次に、実施例4に係る内装部品への表示プレートの取付構造について説明する。尚、本実施例4において、上記実施例1及び3の内装部品への表示プレートの取付構造1,31と同じ構成部位には同符号を付けて詳説を省略し、以下に相違点について詳説する。
【0056】
本実施例4に係る内装部品への表示プレートの取付構造41は、図19に示すように、開口2Aを有するスピーカーグリル2と、開口2Aに嵌め込むための表示プレート43と、スピーカーグリル2に固定され、表示プレート43を取り付けるための取付部材44と、を備えている。
【0057】
表示プレート43は、図19に示すように、略正方形柱状であり、その4つの側面に表示面43A,43B,43C,43Dを有している。各表示面43A〜43Dは、スピーカーグリル2に形成された開口2Aと嵌合するように凸状となっているとともに、それぞれ異なった表示がされている。また、本実施例4に係る表示プレート43には、上記実施例1及び3とは異なり、突状部は設けられていない。
取付部材44は、上記実施例1と同様に、スピーカーグリル2の意匠面の反対側の面に取り付けられている。また、本実施例4に係る取付部材44には、上記実施例1及び3とは異なり、ロック部は設けられていない。
【0058】
本実施例4に係る内装部品への表示プレートの取付構造では、上記実施例3と同様に、取付部材44に2つの軸部35が設けられている。また、本実施例4では、実施例3と同様に、2つの受け部46が表示プレート43に設けられているが、各受け部46には、それぞれ5つの軸受け位置46A,46B,46C,46D,46Eが設定されている。
【0059】
各受け部46は、各軸受け位置46A〜46Eにおいて軸部35を挟持可能となっている。この受け部46において、軸受け位置46Aは表示プレート43の仮止め位置であり、軸受け位置46B〜46Eは表示プレート43の本止め位置となる。即ち、5つの軸受け位置46A〜46Eのうち、中央に位置する軸受け位置46Aに軸部35がある場合には、表示プレート43は、2つの軸部35を回転軸としてスピーカーグリル2と干渉することなく回動可能である。また、軸受け位置46B〜46Eに軸部35がある場合には、表示プレート43は開口2Aに嵌め込まれて回動不能となり、固定される。
また、本実施例4では、軸部35の直径、受け部46の軸受け位置46A(軸部が回動可能な位置)における内径及び受け46の軸受け位置46B〜46E(軸部が回動不能な位置)における内径は、上記実施例1と同様に、それぞれ約3mm、約4mm及び約3.5mmに設定されている。
【0060】
(2)内装部品への表示プレートの取付構造の作用
次に、上記構成の内装部品への表示プレートの取付構造41の作用について説明する。
まず、図20に示すように、表示プレート43を取付部材44に取り付ける。このとき、受け部46の軸受け位置46Aにおいて軸部35を挟持させておく。次に、表示面43A〜43Dのうちの表示すべき表示面がスピーカーグリル2側に向くように表示プレート43を回動させる。一例として、表示面43Aを表示する場合には、図21に示すように、表示プレート43を回動させて、表示面43Bをスピーカーグリル2側に向ける。そして、軸部35が軸受け位置46Dに位置するように表示プレート43をスピーカーグリル2側に押し込む(図22)。すると、表示プレート43が開口2Aに嵌め込まれ、スピーカーグリル2の意匠面側に表示面43Aが露出する。これにより、スピーカーグリル2の意匠面に表示面43Aが表示された状態となる。
【0061】
(3)実施例の効果
【0062】
以上より、本実施例4の内装部品への表示プレートの取付構造41によると、表示プレート43が4つの表示面43A〜43Dを有しているので、実施例1及び3の内装部品への表示プレートの取付構造1,31よりも、より多くの種類の表示を簡易に選択して表示することができる。
【0063】
また、上記実施例1と同様に、受け部46が軸受け位置46A〜46Eにおいて軸部35を挟持しているので、受け部46により軸部35を容易に支持することができる。その結果、より簡易に複数種類の表示を選択して表示することができる。
【0064】
尚、本発明においては、上記の具体的な実施例1〜4に示すものに限られず、目的、用途に応じて本発明の範囲内で種々変更した実施例とすることができる。即ち、上記実施例1〜4では、内装部品であるスピーカーグリル2とは別体に設けた取付部材4,24,34,44を例示したが、これに限定されず、例えば、取付部材を内装部品と一体に形成するようにしてもよい。
【0065】
前述の例は単に説明を目的とするものでしかなく、本発明を限定するものと解釈されるものではない。本発明を典型的な実施形態の例を挙げて説明したが、本発明の記述および図示において使用された文言は、限定的な文言ではなく説明的および例示的なものであると理解される。ここで詳述したように、その形態において本発明の範囲または精神から逸脱することなく、添付の特許請求の範囲内で変更が可能である。ここでは、本発明の詳述に特定の構造、材料および実施例を参照したが、本発明をここにおける開示事項に限定することを意図するものではなく、むしろ、本発明は添付の特許請求の範囲内における、機能的に同等の構造、方法、使用の全てに及ぶものとする。
【0066】
本発明は上記で詳述した実施形態に限定されず、本発明の請求項に示した範囲で様々な変形または変更が可能である。
【符号の説明】
【0067】
1,21,31,41;内装部品への表示プレートの取付構造、2;スピーカーグリル、2A;開口、3,23,33,43;表示プレート、3A,3B,23A〜23D,33A,33B,43A〜43D;表示面、3C,33C;突状部、4,24,34,44;取付部材、4A,4B,34A,34B;ロック部、5,35;軸部、6,36,46;受け部、6A,6B,36A〜36C,46A〜46E;軸受け位置。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
開口を有する内装部品と、
前記開口に嵌め込むための表示プレートと、
前記内装部品に固定され、前記表示プレートを取り付けるための取付部材と、を備えた内装部品への表示プレートの取付構造であって、
前記表示プレートは複数の表示面を有しており、
前記表示プレート及び前記取付部材のうち、一方は軸部を備えており、他方は前記軸部を受ける受け部を備えており、
前記受け部には、前記軸部を受ける複数の軸受け位置が設定されており、前記複数の軸受け位置のうち、一つの軸受け位置では前記軸部と前記受け部とが回動可能とされていることを特徴とする内装部品への表示プレートの取付構造。
【請求項2】
前記受け部は、前記軸受け位置において前記軸部を挟持している請求項1記載の内装部品への表示プレートの取付構造。
【請求項3】
前記表示プレートには突状部が設けられており、
前記取付部材には前記突状部と係合してロック可能なロック部が設けられている請求項1又は2記載の内装部品への表示プレートの取付構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【公開番号】特開2011−235712(P2011−235712A)
【公開日】平成23年11月24日(2011.11.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−107670(P2010−107670)
【出願日】平成22年5月7日(2010.5.7)
【出願人】(000241500)トヨタ紡織株式会社 (2,945)
【Fターム(参考)】