説明

内視鏡付属品

【課題】位置決めを正確、迅速かつ簡単に行うことが可能な内視鏡付属品を提供する。
【解決手段】本発明による内視鏡付属品1は、中空筒体10、中空筒体10に嵌合される位置決めリング20、中空筒体10に嵌合されるスリーブ30を備える。中空筒体10は、外壁面に第一外壁ねじ山部13と、第二外壁ねじ山部14と、第一外壁ねじ山部13と第二外壁ねじ山部14との間に位置する中間部15とを有する。位置決めリング20は、内壁面に第二外壁ねじ山部14と噛み合う第一内壁ねじ山部21を有し、ねじ山によって中空筒体10と噛み合い、中空筒体10の軸方向に沿ってスライドすることができる。スリーブ30は、開口部31と、内壁面に第二内壁ねじ山部33とを有する。第二内壁ねじ山部33は、長さが中間部15より小さく、第一外壁ねじ山部13と噛み合う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内視鏡付属品に関する。
【背景技術】
【0002】
図4に示すように、従来の内視鏡付属品40は、中空筒体41、位置決めリング43、筒状の側視ユニット45を備え、中空筒体41に側視ユニット45を増設することによって側面の撮影を行うことができる。中空筒体41は、外壁面に連続したねじ山411を有し、第一開口部413に撮影用光学レンズおよび発光ユニット(図中未表示)を有する。ケーブル(図中未表示)は第二開口部415から露出する。位置決めリング43は、内壁面にねじ山を有する。側視ユニット45は、内壁面にねじ山を有し、側壁に透光孔451を有する。また側視ユニット45は、傾斜した内部に全反射鏡を有する。全反射鏡は、透光孔451に対応し、側面の映像を中空筒体41内の撮影レンズに反射する。
なお、内視鏡付属品は例えば、特許文献1に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特表2005−537867号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の内視鏡付属品40において、中空筒体41に嵌合される位置決めリング43と側視ユニット45とは同時に移動され、相互に当接させるように互いに反対方向に向かって中空筒体41のねじ山411に締める。これによって側視ユニット45を中空筒体41に固定する。上記構成により、装着および位置決め作業が容易ではない。位置決めリング43と側視ユニット45とを互いに当接させるたびに正確に位置を一定にすることができないため、側視ユニット45と中空筒体41の第一開口部413との間の距離があまり小さ過ぎる際、撮影用光学レンズの可視区域は小さくて遠いだけでなく、ねじ山による連結が不安定であるため、側視ユニット45を中空筒体41から逸脱させるという現象が発生する。また中空筒体41にしるしを付けて側視ユニット45と中空筒体41の第一開口部413との間の距離を一定にするとしても、位置決め作業を完成させるには位置決めリング43と側視ユニット45とを同時に移動させる必要があるという問題が依然として存在する。
【0005】
上記問題を解決するため、本発明は、位置決めを正確、迅速かつ簡単に行うことが可能な内視鏡付属品を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述の目的を達成するため、本発明による内視鏡付属品は、中空筒体と、中空筒体に嵌合される位置決めリングと、中空筒体に嵌合されるスリーブとを備える。中空筒体は、外壁面に第一外壁ねじ山部と、第二外壁ねじ山部と、第一外壁ねじ山部と第二外壁ねじ山部との間に位置する中間部とを有する。位置決めリングは、内壁面に中空筒体の第二外壁ねじ山部と噛み合う第一内壁ねじ山部を有し、ねじ山によって中空筒体と噛み合い、中空筒体の軸方向に沿って可動である。スリーブは、開口部と、内壁面に第二内壁ねじ山部とを有し、第二内壁ねじ山部は、長さが中空筒体の中間部より小さく、中空筒体の第一外壁ねじ山部と噛み合う。
【0007】
装着作業を進める際、スリーブの第二内壁ねじ山部を中空筒体の第一外壁ねじ山部から通って中空筒体の中間部に位置させ、続いてスリーブの第二内壁ねじ山部を第一外壁ねじ山部上の中間部に向かい合う辺縁部に当接させ、位置決めリングをスリーブに当接させ、スリーブを中空筒体に固定する。これにより、本発明による内視鏡付属品のスリーブを中空筒体に正確に位置決めすることができる。また位置決め作業を行う際、位置決めリングをスリーブに当接させさえすればよいため、位置決めを簡単かつ迅速に完成させることができる。
【0008】
スリーブの第二内壁ねじ山部は、スリーブの開口部から間隔を置いて配置される。そのため、スリーブを中空筒体に迅速に締め付けることができる。
中空筒体は、第一開口部、第二開口部、およびボディー部を有する。第一外壁ねじ山部は、第一開口部からボディー部に伸びて形成され、第二外壁ねじ山部は、ボディー部に位置する。
【0009】
中空筒体の第二外壁ねじ山部は、第一外壁ねじ山部から離れる一端に形成される制止用縁部を有する。制止用縁部によって、位置決めリングが第二外壁ねじ山部の一端に移動して中空筒体から逸脱することを防止する。
【0010】
中空筒体の中間部は、外径が中空筒体の第一外壁ねじ山部および第二外壁ねじ山部の外径より小さい。つまり中空筒体の中間部の表面は中空筒体の第一外壁ねじ山部および第二外壁ねじ山部の表面より低いため、位置決めリングは中間部の軸方向に沿ってスライドすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の一実施形態による内視鏡付属品を示す分解斜視図である。
【図2】本発明の一実施形態による内視鏡付属品において、スリーブの第二内壁ねじ山部がスリーブの開口部から間隔を置いて配置された状態を示す図1の縦断面図である。
【図3A】本発明の一実施形態による内視鏡付属品において、スリーブの第二内壁ねじ山部が中空筒体の中間部に据えられた状態を示す縦断面図である。
【図3B】本発明の一実施形態による内視鏡付属品において、位置決めリングがスリーブに当接した状態を示す縦断面図である。
【図4】従来の内視鏡付属品を示す分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明による内視鏡付属品を図面に基づいて説明する。
(一実施形態)
図1および図2に示すように、本発明の一実施形態による内視鏡付属品1は、中空筒体10、位置決めリング20、およびスリーブ30を備える。
【0013】
中空筒体10は、金属で一体に形成され、第一開口部11と、第二開口部12と、第一開口部11と第二開口部12との間に位置するボディー部17とを有する。中空筒体10は、外壁面に第一開口部11から第二開口部12の方向へ一定の長さまで伸びて形成された第一外壁ねじ山部13と、ボディー部17に位置する第二外壁ねじ山部14と、第一外壁ねじ山部13と第二外壁ねじ山部14との間に位置する中間部15とを有する。
【0014】
中空筒体10の第二外壁ねじ山部14は、第一外壁ねじ山部13から離れる一端に制止用縁部16を有する。中間部15の外径は、第一外壁ねじ山部13および第二外壁ねじ山部14の外径より小さい。つまり中間部15の表面は、第一外壁ねじ山部13および第二外壁ねじ山部14の表面より低い。内視鏡付属品1を使用する際、撮影用光学レンズおよび発光ユニット(図中未表示)を中空筒体10の第一開口部11に装着し、ケーブル(図中未表示)を第二開口部12から露出させる。
【0015】
位置決めリング20は、金属で一体に形成され、内壁面に連続した第一内壁ねじ山部21を有する。装着の際、まず位置決めリング20の第一内壁ねじ山部21と中空筒体10の第一外壁ねじ山部13とを噛み合わせる。中間部15の外径が第一外壁ねじ山部13の外径より小さいため、第一内壁ねじ山部21を第一外壁ねじ山部13から逸脱させると位置決めリング20が中間部15の軸方向に沿ってスライドすることができる。
【0016】
続いて、図3Aに示すように、位置決めリング20の第一内壁ねじ山部21は、中空筒体10の第二外壁ねじ山部14と噛み合い、中空筒体10の制止用端縁部16によって止められる。これにより、位置決めリング20は、第二開口部12を経由して中空筒体10から逸脱せず、第一外壁ねじ山部13に対して軸方向に沿って移動することができる。言い換えれば、位置決めリング20は、ねじ山によって中空筒体10と噛み合うことによって中空筒体10の軸方向に沿って移動することができる。
【0017】
スリーブ30は、金属で一体に形成され、開口部31と、開口部31から間隔を置いて内壁面に形成された第二内壁ねじ山部33を有する。これにより、中空筒体10にスリーブ30を迅速に装着することができる。第二内壁ねじ山部33の長さが中空筒体10の中間部15の長さより小さいため、中空筒体10にスリーブ30を装着する際、スリーブ30の第二内壁ねじ山部33を中空筒体10の中間部15に位置させることができる。本実施形態において、スリーブ30は、側視ユニットとし、外壁面に孔部35を有する。
【0018】
図2に示すように、孔部35は、斜面351を有するため、スリーブ30内の孔部35に対応する位置に全反射鏡50を装着することができる。全反射鏡50の鏡面は、斜面351に平行し、スリーブ30の開口部31に向かい合う。実際に使用する際、スリーブ30は、側視ユニットに限らず、中空筒体10に装着できる任意の従来のユニットにしてもよい。
【0019】
ここで特別に説明すべきなのは、スリーブ30を側視ユニットとする場合、スリーブ30を中空筒体10に位置決めしたうえ、スリーブ30の第二内壁ねじ山部33の長さをスリーブ30の全反射鏡50と中空筒体10の第一開口部11上の撮影用光学レンズ(図中未表示)との間の距離とし、即ち撮影用光学レンズの可視区域の最も広い範囲に設定することが最も好ましい。
【0020】
図3Aに示すように、装着作業を進める際、前述した方法により中空筒体10に位置決めリング20を装着し、そののちスリーブ30の第二内壁ねじ山部33と中空筒体10の第一外壁ねじ山部13とを噛み合わせる。スリーブ30を位置決めリング20の方向に持続的に移動させる際、スリーブ30の第二内壁ねじ山部33は、中空筒体10の第一外壁ねじ山部13を徐々に通過し、中空筒体10の中間部15に位置する。このとき、スリーブ30は、中空筒体10を中心に回転することができる。
【0021】
図3Bに示すように、スリーブ30の第二内壁ねじ山部33と中空筒体10の第一外壁ねじ山部13とを中間部15の辺縁部に対し相互に当接させる。そののち位置決めリング20をスリーブ30の方向に移動させ、位置決めリング20をスリーブ30に当接させることによってスリーブ30を中空筒体10に固定する。
【0022】
上述した通り、本実施形態による内視鏡付属品1を使用する際、スリーブ30の第二内壁ねじ山部33と中空筒体10の第一外壁ねじ山部13とを相互に当接させる。そののち位置決めリング20をスリーブ30に当接させることによってスリーブ30の位置決めを完成させる。これにより、操作が便利であるだけでなく、中空筒体10にスリーブ30を装着するたびに、中空筒体10上の同じ位置にスリーブ30を正確かつ迅速に固定することができる。
【符号の説明】
【0023】
1 ・・・内視鏡付属品、
10 ・・・中空筒体、
11 ・・・第一開口部、
12 ・・・第二開口部、
13 ・・・第一外壁ねじ山部、
14 ・・・第二外壁ねじ山部、
15 ・・・中間部、
16 ・・・制止用縁部、
17 ・・・ボディー部、
20 ・・・位置決めリング、
21 ・・・第一内壁ねじ山部、
30 ・・・スリーブ、
31 ・・・開口部、
33 ・・・第二内壁ねじ山部、
35 ・・・孔部、
351 ・・・斜面、
40 ・・・内視鏡付属品、
41 ・・・中空筒体、
411 ・・・ねじ山、
413 ・・・第一開口部、
415 ・・・第二開口部、
43 ・・・位置決めリング、
45 ・・・側視ユニット、
451 ・・・透光孔、
50 ・・・全反射鏡。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外壁面に第一外壁ねじ山部と、第二外壁ねじ山部と、前記第一外壁ねじ山部と前記第二外壁ねじ山部との間に位置する中間部とを有する中空筒体と、
内壁面に前記中空筒体の前記第二外壁ねじ山部と噛み合う第一内壁ねじ山部を有し、前記中空筒体と噛み合い、前記中空筒体の軸方向に沿って可動である位置決めリングと、
開口部と、内壁面に長さが前記中空筒体の中間部より小さい第二内壁ねじ山部とを有し、前記中空筒体に装着されるスリーブと、
を備え、
前記第二内壁ねじ山部は、前記中間部に位置付けられ、一端が前記第一外壁ねじ山部と前記中間部との縁部に当接し、
前記位置決めリングは、前記スリーブに当接し、前記スリーブを前記中空筒体に固定することを特徴とする内視鏡付属品。
【請求項2】
前記中空筒体は、第一開口部、第二開口部、およびボディー部を有し、
前記第一外壁ねじ山部は、前記第一開口部から前記第二開口部に伸びて形成され、
前記第二外壁ねじ山部は、前記ボディー部に位置することを特徴とする請求項1に記載の内視鏡付属品。
【請求項3】
前記第二外壁ねじ山部は、前記第一外壁ねじ山部から離れる一端に制止用縁部を有することを特徴とする請求項2に記載の内視鏡付属品。
【請求項4】
前記中空筒体の前記中間部は、外径が前記中空筒体の前記第一外壁ねじ山部および前記第二外壁ねじ山部の外径より小さいことを特徴とする請求項1に記載の内視鏡付属品。
【請求項5】
前記スリーブの前記第二内壁ねじ山部は、前記スリーブの前記開口部から間隔を置いて配置されることを特徴とする請求項1に記載の内視鏡付属品。
【請求項6】
前記スリーブは、外壁面に孔部を有し、内部に前記孔部に対応する全反射鏡が配置されることを特徴とする請求項5に記載の内視鏡付属品。
【請求項7】
前記スリーブの前記孔部は、斜面を有し、前記全反射鏡は前記斜面に平行することを特徴とする請求項6に記載の内視鏡付属品。

【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−115632(P2012−115632A)
【公開日】平成24年6月21日(2012.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−11133(P2011−11133)
【出願日】平成23年1月21日(2011.1.21)
【出願人】(510195490)醫電鼎▲衆▼股▲分▼有限公司 (5)
【Fターム(参考)】