内視鏡管路洗滌装置及び内視鏡管路洗滌用コネクタ
【課題】作業者に負担をかけることなく吸引装置と管路用口金との接続を行え、洗滌に十分な流体を管路内に安定して供給して管路内の洗滌を行える内視鏡管路洗滌装置を提供すること。
【解決手段】内視鏡管路洗滌装置1は、吸引装置2と、管路用コネクタ4とを備える。管路用コネクタ4は、口金本体5、及び口金接続部8bを具備する。筒体8の口金接続部8bは、連結状態調整部を備える。管路用コネクタ4は、口金本体5と、付勢部材7と、付勢部材7の付勢力によって移動される保持部材6と、弾性部材の筒体8、9とで構成される。保持部材6の移動に伴って先端連通孔8d径寸法が変化する。
【解決手段】内視鏡管路洗滌装置1は、吸引装置2と、管路用コネクタ4とを備える。管路用コネクタ4は、口金本体5、及び口金接続部8bを具備する。筒体8の口金接続部8bは、連結状態調整部を備える。管路用コネクタ4は、口金本体5と、付勢部材7と、付勢部材7の付勢力によって移動される保持部材6と、弾性部材の筒体8、9とで構成される。保持部材6の移動に伴って先端連通孔8d径寸法が変化する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内視鏡の内部に設けられている流体用管路内の洗滌を行う内視鏡管路洗滌装置、及びその装置で使用される内視鏡管路洗滌用コネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
内視鏡は、生体内に挿入して検査、処置等に使用される。そのため、使用後の内視鏡は、洗滌液による洗滌、高温蒸気によるオートクレーブ滅菌等を行って、再使用時には清浄な状態で使用される。内視鏡は、送気のための送気管路、送水のための送水管路、吸引のための吸引管路等、各種流体管路を備えている。これら管路内の洗滌は、内視鏡の外表面を洗滌するのに比べて困難である。そして、これら管路内を洗滌する際には、例えば内視鏡管路洗滌装置が使用される。図21は従来の管路洗滌装置の一構成例を説明する図である。
【0003】
例えば、図21に示す洗滌装置100は、吸引側管路101と、供給装置であるシリンジ102と、複数の送液側管路103、104、105と等を備えて構成されている。洗滌装置100では、シリンジ102を操作することによって、洗滌液が吸引側管路101を介して送液側管路103に送り込まれる。送液側管路103に送り込まれた洗滌液は、分岐部106を介して送気送水ポート側管路104と吸引ポート側管路105とに分岐して送り込まれていく。
【0004】
送気送水ポート側管路104に送り込まれた洗滌液は、送気送水ポート107で分岐して、挿入部側管路108aとユニバーサルコード側管路108bとに送り込まれる。同様に、吸引ポート側管路105に送り込まれた洗滌液は、吸引ポート109で分岐して、挿入部側管路110aとユニバーサルコード側管路110bとに送り込まれる。しかし、各管路108a、108b、110a、110bの径寸法の違いによって流量バランスが異なる。このため、各管路108a、108b、110a、110bに対して同じ量の洗滌液等の流体を安定して供給することは難しかった。
【0005】
この不具合を解消するため、近年の管路洗滌装置においては、図22に示すように内視鏡コネクタ111に設けられている管路用口金112、113、…に対応するシリンジ114、115、…を接続して、洗滌液を管路110b、110a、及び管路108b、108a内に送り込んで洗滌を行っている。図22はシリンジを使用して口金側から先端の開口に向けて洗滌液を送り込む洗滌状態を説明する図である。
【0006】
このことによって、管路用口金112、113側からそれぞれの管路110b、110a、及び管路108b、108aに対して洗滌に十分な洗滌液を安定して供給することが可能になる。しかし、シリンジ114、115を操作して洗滌液を排出させる作業、つまり、洗滌液を管路用口金112、113からユニバーサルコード内の管路108b、110b、操作部内のポート107、109、挿入部内の管路108a、110aに送り込んで先端開口116、117まで送り込む作業は、管路の抵抗に抗して洗滌液を送り込まなければならないため、女性のスタッフにとっては重労働であった。
【0007】
また、近年の内視鏡挿入部の細径化に伴い、管路が細径になるとともに、管路の数が増大している。このため、管路洗滌作業は、スタッフにとって大きな負担のかかる作業である。
【0008】
これら不具合を解消するため、シリンジによって洗滌液を管路内に供給する洗滌に変えて、例えば吸引装置を使用して管路内を洗滌することが提案されている。吸引装置を使用した洗滌では、内視鏡コネクタに設けられている管路用口金と吸引装置の吸引口とを連通させ、この状態で管路の先端開口を洗滌液中に浸漬させて吸引を行う。
【0009】
このことによって、洗滌液が先端開口から管路内に送り込まれ、その洗滌液が管路用口金を介して排出されることによって管路内が洗滌される。そして、吸引装置を使用した洗滌においては、内視鏡コネクタに設けられている全ての管路用口金と吸引装置の吸引口とを連通させた状態にして、一度に複数の管路の洗滌を行うようにするのが一般的であった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、吸引装置を使用して複数の管路内の洗滌を一度で行う場合、内視鏡に設けられている複数の管路の径寸法が用途毎に異なっていることにより流量バランスが不均一になる。すると、各管路に対して供給される洗滌液の量が不安定になるおそれがある。また、管路用口金の形状は、管路の径寸法によって略決定されている。このため、吸引装置の吸引口とそれぞれの管路用口金とを接続するためには各管路用口金に対応した専用のコネクタが必要になる。コネクタを管路用口金に接続する作業が繁雑になるという不具合が発生する。
【0011】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、作業者に負担をかけることなく吸引装置と管路用口金との接続を行え、洗滌に十分な流体を管路内に安定して供給して管路内の洗滌を行える内視鏡管路洗滌装置を提供することを目的にしている。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の内視鏡管路洗滌装置は、吸引口を備える吸引装置と、前記吸引口に直接的、或いは間接的に連通される第1の連結部、及び内視鏡の挿入部内に複数挿通配置されているそれぞれの管路の開口に連通する、管路毎に形状の異なる管路用口金に連結される連結状態調整部を有する第2の連結部を有する内視鏡管路洗滌用コネクタとを具備している。
【0013】
この構成によれば、第2の連結部は、形状の異なる管路用口金の何れにも接続可能である。したがって、ユーザーは、吸引装置と管路用口金とを接続する作業の煩わしさから解消される。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、作業者に負担をかけることなく吸引装置と管路用口金との接続を行え、洗滌に十分な流体を管路内に安定して供給して管路内の洗滌を行える内視鏡管路洗滌装置を実現できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、図面に基づいて本発明の実施形態を説明する。
図1乃至図9は内視鏡管路洗滌装置の一実施形態に係り、図1は内視鏡管路洗滌装置の構成を説明する図、図2は管路用コネクタの構成を説明する分解斜視図、図3は管路用コネクタを説明する断面図、図4は先端連通孔が拡径した状態の管路用コネクタを説明する図、図5は内視鏡の管路の構成例を説明する図、図6は管路用コネクタを吸引口金に位置合わせしている状態を示す図、図7は管路用コネクタを吸引口金に連結した状態を説明する図、図8は管路用コネクタを送気口金に連結した状態を説明する図、図9は内視鏡管路洗滌装置の作用を説明する図であって、吸引管路と、送気管路及び送水管路との管路内の洗滌状態を説明する図である。
【0016】
図1に示すように内視鏡管路洗滌装置1は、吸引装置2と、吸引用チューブ3と、内視鏡管路洗滌用コネクタ(以下、管路用コネクタと略記する)4とを備えて構成されている。
【0017】
吸引装置2は略T字形状であるアスピレータであり、例えば水道の蛇口に連結される接続部2aと、吸引口2bを有するチューブ用接続部2cと、水道の蛇口から供給される水、及び吸引口2bを介して吸引した洗滌液等の流体を流出する排出口2dを有する排出部2eを備えている。
【0018】
チューブ用接続部2cには吸引用チューブ3の一端部が着脱自在に連結されるようになっている。吸引用チューブ3は可撓性を有するチューブ体である。吸引用チューブ3の他端部には、管路用コネクタ4の第1の連結部を構成する口金本体5の基端部が例えば圧入によって一体的に配設される。なお、口金本体5の基端部を吸引用チューブ3に接着等によって一体的に固定するようにしてもよい。
【0019】
図3、図4に示す管路用コネクタ4は、図2に示す口金本体5と、一対の保持部材6と、付勢部である一対の付勢部材7と、第1筒体8と、第2筒体9とで構成される。保持部材6と付勢部材7とは一体に固定される。そして、保持部材6が一体な付勢部材7は口金本体5に固定される。さらに、保持部材6及び付勢部材7が一体な口金本体5は、第1筒体8に固定され、その口金本体5と第1筒体8とに第2筒体9を固定することによって管路用コネクタ4が構成される。
図2乃至図4を参照して管路用コネクタ4を説明する。
【0020】
口金本体5は貫通孔5aを備える金属製の管状部材であって、先端側には付勢部材7を固定するための平面で構成された固定部5bを備えている。固定部5bは、対向して設けられている。
【0021】
一対の保持部材6は金属製で、把持部6aと拡径部6bとを備えている。把持部6aは平板形状或いは、緩やかに湾曲したで形状で形成される。把持部6aの表面6cは、ユーザーが付勢部材7の付勢力に抗して拡径部6bを移動させるときに把持する部分である。把持部6aの裏面は付勢部材固定面(以下、固定面と略記する)6dであって、付勢部材7が接着、或いは半田付け、溶接等の金属接合によって一体的に固設される。
【0022】
拡径部6bは曲凹面溝6eを備える略ハーフパイプ形状である。拡径部6bの外表面6fは、第1筒体8の後述する内部空間(符号8a参照)を構成する内面に少なくとも一部が当接して配置される。曲凹面溝6eの内側には第1筒体8の後述する連結部が配置される。
【0023】
付勢部材7は例えば金属製のバネであり、横断面形状が略三角形形状で、付勢部7aと取付面を備える取付部7b、7cとを備えている。 取付部7b、7cの先端側には位置決め突起7dが設けられている。
【0024】
付勢部7aは、第1取付部7bの位置決め突起7dと第2取付部7cの位置決め突起7dとを所定の押圧力で接触させる付勢力を有して構成される。第1取付部7bは、保持部材6の把持部6aの固定面6dに例えば接着或いは金属接合によって一体的に固定され、第2取付部7cは口金本体5の固定部5bに例えば接着或いは金属接合によって一体的に固定される。
なお、第1取付部7bの位置決め突起7dは、把持部6aの固定面6d側に形成されている溝(図3の符号6g参照)内に配置される。
【0025】
第1筒体8はゴム、樹脂部材等の弾性部材で構成され、所定の形状の内部空間8aを備える。第1筒体8は、先端側に後述する口金(図5の符号15、16、17、18)に連結される第2の連結部となる口金接続部8bを有する。口金接続部8bの基端側からは細長で基端部が口金本体5の貫通孔5a内に配置される貫通孔である内孔8iを有する連結部8cが突設している。連結部8cは、貫通孔5a内に配置された状態において、連結部8cの外周面と口金本体5の内周面との隙間に接着剤を塗布して固定される。このことによって、第1筒体8の連結部8cは、口金本体5に対して水密状態に固定される。口金接続部8bから連結部8cに至る先端連通孔8dは連結状態調整部であり、外側から内部に向かうにしたがって、径寸法が徐々に細径になる例えばテーパー孔で構成されている。先端連通孔8dの中心軸と第1筒体8の長手方向軸とは同軸である。
【0026】
なお、口金本体5には、保持部材6及び付勢部材7が固定される。符号8fは第1筒体先端開口であり、符号8rは第1筒体基端開口である。
【0027】
第2筒体9は、第1筒体8の基端側の外周面に配置された状態で一体的に取り付けられる。第2筒体9は、ゴム、樹脂部材等の弾性部材で構成され、基端側には口金本体5の基端部に固定される側面部に比べて肉厚な第2筒体固定部9aを有する。
【0028】
第2筒体9の底面である第2筒体固定部9aの内面には固定用円環溝9bと、肉盗み用円環溝9cと、口金取付孔9dとが形成されている。固定用円環溝9bは、第1筒体8の基端部を配置するための溝であり、肉盗み用円環溝9cは第2筒体固定部9aを押し潰し易くするための溝である。口金取付孔9dは、第2筒体固定部9aの中央貫通孔である。即ち、口金取付孔9dの中心軸と第2筒体9の長手方向軸と同軸である。
【0029】
第1筒体8と第2筒体9とは、固定用円環溝9bに第1筒体8の基端部を配置した状態で、第1筒体8の外周面と第2筒体9の内周面との隙間に接着剤を塗布することによって、水密状態を保持して一体的に固定される。また、口金取付孔9dの内周面と口金本体5の外周面との間に接着剤を塗布して、第2筒体9を口金本体5の基端部に水密状態を保持して一体的に固定する。このことによって、後述する洗滌液が、第1筒体8の内部空間8a内に侵入することが防止されている。
【0030】
なお、符号9fは指当て部であり、第2筒体9の先端面から突出して設けられている。指当て部9fは、第1筒体8の内部空間8aに配置されている保持部材6の把持部6aの位置を使用者に告知する告知手段である。第2筒体9を第1筒体8に一体固定するときに、指当て部9fは把持部6aの位置に対応して配置される。
【0031】
図3のように構成されている管路用コネクタ4を、ユーザーが図4に示すように所定状態に保持する。つまり、ユーザーの手指を指当て部9f上に配置する。そして、手指の力で、保持部材6の把持部6aを付勢部材7の付勢力に抗して口金本体5方向に向けて押し込み操作する。すると、把持部6aが口金本体5方向に向かって移動されるにしたがって、拡径部6bが口金本体5から離れる方向に移動され外表面6fが内部空間8aを構成する内面に当接して、第1筒体先端開口8fの径寸法が徐々に拡径される。なお、図4に示す拡径状態は先端連通孔8dが最大に広げられた状態である。
【0032】
洗滌消毒の際に管路用コネクタ4が連結される口金を備える内視鏡の構成を説明する。
【0033】
図5に示すように内視鏡10は、細長の挿入部11と、操作部12と、ユニバーサルコード13とを備えて構成されている。ユニバーサルコード13の端部には内視鏡コネクタ14が備えられている。
【0034】
内視鏡10は、流体管路として例えば、吸引を行うための吸引管路21と、送気を行うための送気管路22,23と、送水を行うための送水管路24、25とを備えている。吸引管路21は、挿入部11の先端部で開口して吸引を行う、吸引管路先端開口21aを備えている。また、送気管路22、23と送水管路24、25とは操作部12内の送気送水シリンダ26を介して連通している。つまり、挿入部11側の送気管路23と送水管路25とは、送気送水シリンダ26を介してユニバーサルコード13側に延びる送気管路22と送水管路24とにそれぞれ連通した状態になっている。
【0035】
また、送気管路23と送水管路25は挿入部11の先端側で合流する。この合流した管路の先端にはノズル27が設けられている。ノズル27の噴出口は対物レンズ系28の表面に対向している。
【0036】
挿入部11内に配置された吸引管路21は、挿入部11の後端ないし操作部12の前端付近で2つに分岐する。一方は、操作部12側に延出され、他方は鉗子口金29に連通している。鉗子口金29には開口30aを設けた鉗子口栓30が着脱自在に取り付けられるようになっている。
【0037】
また、操作部12側に延びる吸引管路21は操作部12において、吸引シリンダ31を介してユニバーサルコード13側に延出されている。吸引シリンダ31は開口部で外部(大気)に開口する。また、前記操作部12の送気送水シリンダ26もその開口部で外部(大気)に開口する。そして、送気送水シリンダ26の開口部及び吸引シリンダ31の開口部にはシリンダプラグ32が装着される。このことにより、それぞれの開口部は小さな隙間33、34で外部に連通する。
【0038】
内視鏡コネクタ14は、複数の口金15、16、17、18を備えている。具体的には、吸引管路21の基端側開口に連通する管路用口金である吸引口金15、送水管路24の基端側開口に連通する管路用口金である送水口金16、送気管路22の分岐部22aで分岐した一方の基端側開口に連通する管路用口金である送気口金17、他方の基端側開口に連通する管路用口金である加圧口金18である。
【0039】
それぞれの口金15〜18の形状は、口金毎に形状が異なっている。すなわち、口金15〜18においては、径寸法、高さ寸法が異なっている。
【0040】
管路用コネクタ4の作用を具体的に説明する。
本実施形態においては、洗滌用チューブである吸引用チューブ3の端部に管路用コネクタ4を構成する口金本体5の基端部が圧入されている。即ち、吸引用チューブ3は、その端部に管路用コネクタ4を備えている。
【0041】
したがって、例えば吸引口金15に管路用コネクタ4を装着する場合、ユーザーは以下の手順で管路用コネクタ4を手元操作する。
【0042】
まず、ユーザーは、管路用コネクタ4の第1筒体先端開口8fを吸引口金15近傍に配置する。次に、ユーザーは、図4に示したように手指で筒体8、9を介して把持部6aを付勢部材7の付勢力に抗して口金本体5方向に向けて押し込み操作して、先端連通孔8dを所望の拡径状態にする。そして、ユーザーは、図6に示すように拡径状態の該先端連通孔8dで吸引口金15の周囲を覆うようにして、口金接続部8bを吸引口金15の外周面に対峙させる。
【0043】
次いで、ユーザーは、先端連通孔8dが所望する位置に配置されていることを確認したら、把持部6aを把持している手指の力を徐々に弱めていく。すると、付勢部材7の付勢力によって把持部6aが移動され、その移動に伴って拡径状態の先端連通孔8dが徐々に縮径していく。
【0044】
そして、図7に示すようにユーザーの手指が把持部6aから外された状態において、口金接続部8bが吸引口金15の外周面に付勢部材7の付勢力、及び口金接続部8bの弾性力によって密着配置された状態になる。このことによって、管路用コネクタ4の吸引口金15への連結が完了する。
【0045】
ユーザーが引き続き、別の管路の洗滌を行う場合、ユーザーは管路用コネクタ4を吸引口金15から取り外し、例えば送気口金17に装着する。この場合、管路用コネクタ4を吸引口金15から取り外しを、上述した手順とは逆の手順で行い、その後、上述で示した手順で先端連通孔8dを拡径状態にして、この先端連通孔8dで送気口金17の周囲を覆うようにして口金接続部8bを送気口金17の外周面に対峙させる。
【0046】
この後、ユーザーは、把持部6aを把持している手指の力を徐々に弱めていく。すると、付勢部材7の付勢力によって、把持部6aが移動されて、拡径状態の先端連通孔8dが徐々に縮径して、図8に示すようにユーザーの手指が把持部6aから外された状態において、口金接続部8bが送気口金17の外周面に付勢部材7の付勢力、及び口金接続部8bの弾性力によって密着配置された状態になる。このことによって、管路用コネクタ4の送気口金17への連結が完了する。
【0047】
なお、送気口金17がストレートのパイプ形状であるのに対し、吸引口金15は端部にチューブ抜け防止段付き部を有する所謂タケノコ形状である。
【0048】
このように、本実施形態の管路用コネクタ4においては、把持部6aの操作に伴って、口金接続部8bを備えた先端連通孔8dが縮径状態から拡径状態、又はその逆に変化する。そして、拡径状態の先端連通孔8dを所望する口金を覆うように配置することによって、口金接続部8bが口金の外周面に対峙する。このため、先端連通孔8dを拡径状態から縮径状態に変化させたとき、その縮径作用状態において口金接続部8bが口金の外周面に当接することによって、口金接続部8bが付勢部材7の付勢力、及び口金接続部8bの有する弾性力によって口金の外周面に密着する。即ち、管路用コネクタ4と外形形状の異なる複数種類の口金とを連結状態にすることができる。
【0049】
図9を参照して内視鏡管路洗滌装置の作用を説明する。
【0050】
内視鏡10の洗滌を行う際、まず、ユーザーは、図の二点鎖線に示す連通路20aを有する栓部材20を内視鏡コネクタ14の所定位置に取り付ける。このことによって、送水口金16と加圧口金18とが連通路20aを介して連通状態になる。
【0051】
次に、内視鏡管路洗滌装置1を構成する吸引用チューブ3に設けられている管路用コネクタ4を上述した手順で例えば吸引口金15に連結する。その後、内視鏡10の挿入部11及び操作部12を洗滌液40中に浸漬させる。このことによって、吸引管路先端開口21aは洗滌液中に配置される。
【0052】
この状態において、ユーザーは水道の蛇口を開放状態にしてアスピレータ2に水を供給する。すると、チューブ用接続部2cの吸引口2bが吸引状態になって吸引を開始する。即ち、洗滌液40が吸引管路先端開口21a、鉗子口栓30の開口30aを介して挿入部側の吸引管路21内に侵入する。そして、その洗滌液40は、挿入部側の吸引管路21から吸引シリンダ31、ユニバーサルコート側の吸引管路21、吸引口金15、第1筒体8の連結部8cの内孔8i、口金本体5の貫通孔5a、吸引用チューブ3の貫通孔、吸引口2bを通過してアスピレータ2の排出口2dから排出される。
【0053】
ユーザーは、洗滌液の吸引が所定時間、継続して行われたことを確認したら、吸引管路21の洗滌が完了したと判断して、水道の蛇口を閉塞状態にする。このことによって、アスピレータ2への水の供給が停止されるとともに、吸引管路21内への吸引が停止される。
【0054】
この後、ユーザーは、所定の手順に従って、吸引口金15から管路用コネクタ4を取り外し、この管路用コネクタ4を例えば送気口金17に連結する。管路用コネクタ4の連結完了後、スタッフは、水道の蛇口を再び開放状態にする。このことによって、洗滌液40がノズル27を介して吸引されて送気管路23、22、及び送水管路25、24の洗滌が開始される。即ち、洗滌液40は、ノズル27から吸引された後、送気管路23と送水管路25とに流れ込む。そして、送気管路23に流れ込んだ洗滌液は、送気送水シリンダ26、送気管路22、分岐部22a、送気管路22、第1筒体8の連結部8cの内孔8i、口金本体5の貫通孔5a、吸引用チューブ3の貫通孔、吸引口2bを通過してアスピレータ2の排出口2dから排出される。一方、送水管路に流れ込んだ洗滌液は、送気送水シリンダ26、送水管路24、送水口金16、栓部材20の連通路20a、加圧口金18、分岐部22a、送気管路22、第1筒体8の連結部8c内の内孔8i、口金本体5の貫通孔5a、吸引用チューブ3の貫通孔、吸引口2bを通過してアスピレータ2の排出口2dから排出される。
【0055】
ユーザーは、洗滌液の吸引が所定時間、継続して行われたことを確認したら、送気管路23、22、及び送水管路25、24の洗滌が完了したと判断して、水道の蛇口を閉塞状態にする。このことによって、アスピレータ2への水の供給を停止されるとともに、送気管路23、送水管路25内への吸引が停止する。
【0056】
このように、アスピレータのチューブ用接続部に連結される吸引用チューブは、内視鏡の備える吸引口金、送気口金に着脱可能にする連結状態調整部を備える口金接続部を有する1つの管路用コネクタを備えている。このため、ユーザーは、管路用コネクタを管路用コネクタに備えられている複数の口金に取り付ける際、煩わしさを感じることなく、取り付け作業を行うことができる。
【0057】
また、ユーザーは、内視鏡の有する複数の管路の洗滌を、管路用コネクタを口金に取り付ける作業、アスピレータに水道水を供給するための作業、所定時間経過したか否かを確認して水道水の供給を停止させる作業、管路用コネクタを他の口金に取り付ける作業を繰り返し行うことによって、全ての管路の洗滌を行うことができる。
【0058】
これらのことによって、各管路に対して洗滌に十分な洗滌液を送り込める。そのため、管路の径寸法の違い、すなわち、流量バランスのぱらつきによる洗滌不具合から解消される。また、内視鏡の管路を洗滌する際のユーザーに係る肉体的な負担が大幅に軽減される。
【0059】
なお、使用後の内視鏡管路洗滌装置1はまた、上述した実施形態においては、管路用コネクタ4を口金本体5と、一対の保持部材6と、一対の付勢部材7と、第1筒体8と、第2筒体9とで構成して、管路用コネクタ4を形状の異なる口金に対して連結可能で着脱自在な構成としている。しかし、管路用コネクタ4の構成はこれに限定されるものではなく。以下の図10〜図17に示す構成であってもよい。
【0060】
図10乃至図13は管路用コネクタの他の構成例にかかり、図10は管路用コネクタの他の構成例を説明する図、図11は図10のA−A線断面図、図12は管路用コネクタを送気口金に連結した状態を説明する図、図13は管路用コネクタを吸引口金に連結した状態を説明する図である。
【0061】
図10、図11に示すように管路用コネクタ4Aは口金本体41と、連結部本体42とを備えて構成されている。口金本体41は第1の連結部を構成する。連結部本体42は第2の連結部を構成する本体部であって、弾性部材である樹脂製、或いはゴム製で直方体形状に構成されている。
【0062】
口金本体41は例えば樹脂製の管状部材であって、吸引用チューブ3が配設されるチューブ用接続部分41aと、連結部本体42に対して例えば接着固定される固定部41bとを備えている。
【0063】
連結部本体42は、凹部43と、スリット44、45とを備えている。凹部43は丸穴であって、固定部41bが配置される口金用穴43aと、吸引用穴43bとを備えている。口金用穴43aの径寸法は、吸引用穴43bの径寸法より大径である。したがって、口金本体41を構成するチューブ用接続部分41aの突出量は、口金用穴43aの深さ寸法によって設定される。吸引用穴43bは底面を有する穴であればよい。
【0064】
スリット44、45は第2連結部で連結状態調整部である。スリット44は、連結部本体42の弾性力によって密着される開状態と、この弾性力に抗して押し広げられた閉状態とに変形可能である。開状態のスリット44、45は、吸引用穴43bと外部とを連通する。スリット44の幅寸法wは細径な口金の径寸法を基に設定され、スリット45は幅寸法がwより幅広で前記口金より大径な口金の径寸法を基に設定される。
【0065】
符号46a、46bは案内部であり、口金の種類を判別する目安になっている。第1案内部46aは球面凹部であり、第2案内部46bは球面凹部を備える丸穴である。連結部本体42の端面から吸引用穴43bまでの距離であるL1は細径な口金の高さ寸法を基に設定され、L2は前記口金より大径で形状の大きな口金の高さ寸法を基に設定される。
【0066】
ここで、管路用コネクタ4Aの作用を具体的に説明する。
【0067】
本実施形態においては、洗滌用チューブである吸引用チューブ3の端部に管路用コネクタ4Aを構成する口金本体41のチューブ用接続部分41aが圧入されている。
【0068】
ユーザーは、管路用コネクタ4Aを例えば送気口金17に装着する場合、第1案内部46aを送気口金17近傍に配置する。そして、送気口金17の先端部が第1案内部46aの球面凹部内に配置されるか否かを確認する。第1案内部46a内に配置された場合、ユーザーは、連結部本体42を送気口金17に向けて押し込んでいく。すると、送気口金17の先端部が第1案内部46aの球面凹部に押圧され、連結部本体42の弾性力によって密着して閉状態であったスリット44の第1案内部46a側が徐々に押し広げられていく。
【0069】
そして、ユーザーが連結部本体42をさらに押し込んでいくことによって、送気口金17の先端部によってスリット44の開部分が押し広げられ、図12に示すように送気口金17の先端部が吸引用穴43b内に到達する。このとき、送気口金17の外周面に連結部本体42のスリット44部分が該連結部本体42の弾性力によって密着した状態になる。このことによって、管路用コネクタ4Aの送気口金17への連結が完了する。
【0070】
ユーザーが続いて管路用コネクタ4Aを送気口金17から取り外して吸引口金15に装着する場合、上述した手順とは逆の手順で管路用コネクタ4Aを送気口金17から取り外す。その後、上述した手順で示したように第1案内部46aを吸引口金15近傍に配置する。
【0071】
そして、吸引口金15の先端部が第1案内部46aの球面凹部内に配置されるか否かを確認する。第1案内部46a内に配置されないことを確認した場合、ユーザーは、第2案内部46bを吸引口金15近傍に配置する。
【0072】
ユーザーは、連結部本体42を吸引口金15に向けて押し込んでいく。すると、吸引口金15の先端部が第2案内部46bの球面凹部に押圧され、連結部本体42の弾性力によって密着して閉状態であったスリット45の第2案内部46b側が徐々に押し広げられていく。
【0073】
ユーザーが連結部本体42をさらに押し込んでいくことによって、吸引口金15の先端部によってスリット45の開部分が押し広げられ、図13に示すように吸引口金15の先端部が吸引用穴43b内に到達する。このとき、吸引口金15の外周面に連結部本体42のスリット45部分が該連結部本体42の弾性力によって密着した状態になる。このことによって、管路用コネクタ4Aの吸引口金15への連結が完了する。
【0074】
このように、本実施形態の管路用コネクタ4Aにおいては、スリット44、45が閉状態から開状態、又はその逆に変化する。そして、口金をスリット44、或いはスリット45に押し込んで、先端部を吸引用穴43b内に到達させることによって、連結部本体42のスリット45部分が連結部本体42の弾性力によって口金の外周面に密着する。即ち、管路用コネクタ4Aと所望する口金とを連結状態にすることができる。このことによって、上述したように各管路に対して洗滌に十分な洗滌液を送り込める。
【0075】
なお、上述した実施形態では、管路用コネクタ4Aの弾性部材で構成される連結部本体42にスリット44、45を設ける構成としている。しかし、以下に示すように管路用コネクタ4Bを構成するようにしてもよい。
【0076】
図14乃至図16は管路用コネクタの別の構成例にかかり、図14は弁部を有する管路用コネクタの構成例を説明する長手方向断面図、図15は管路用コネクタを送気口金に連結した状態を説明する図、図16は管路用コネクタを吸引口金に連結した状態を説明する図である。
【0077】
図14に示すように本実施形態の連結部本体42Aは、凹部43と、連通孔47aを備える第1差し込み口47と、挿通穴48aを備える第2差し込み口48とを備えている。第1差し込み口47は第2連結部で連結状態調整部である。連通孔47aは吸引用穴43bに連通するように形成されている。連通孔47aの孔径は、例えば送気口金17の外周面に所定の押圧力で密着するように形成されている。
【0078】
差し込み口48は第2連結部で連結状態調整部である。挿通穴48aと、吸引用穴43bとの間には弁部49が設けられている。弁部49は、差し込み口48を介して挿通穴48aに差し込まれる吸引口金15によって破壊されるように、厚み寸法が設定されている。即ち、差し込み口48から差し込んだ吸引口金15を挿通穴48aの奥方に押し進めて行くことによって、弁部49が破壊されて、該吸引口金15は吸引用穴43b内に到達する。挿通穴48a及び吸引用穴43bの孔径は例えば吸引口金15の外周面に所定の押圧力で密着するように形成されている。
【0079】
なお、本実施形態において、寸法L3は、吸引口金15の差し込み量を考慮して設定される値である。つまり、吸引口金15を挿通穴48aを介して吸引用穴43bに挿入配置させたとき、該吸引口金15の先端面が連通孔47aを所定距離だけ通過して吸引用穴43bに密着配置されるようになっている。その他の構成は上述した管路用コネクタ4Aと略同様であり、同部材には同符号を付して説明を省略している。
【0080】
ここで、管路用コネクタ4Bの作用を具体的に説明する。
【0081】
本実施形態においては、洗滌用チューブである吸引用チューブ3の端部に管路用コネクタ4Bを構成する口金本体41のチューブ用接続部分41aが圧入されている。
【0082】
ユーザーは、内視鏡10の管路を洗滌する場合、まず、管路用コネクタ4Bを送気口金17に装着する。つまり、図15に示すように送気口金17を第1差し込み口47を介して連通孔47a内に圧入配置する。このとき、送気口金17の外周面に連通孔47aの内周面が該連結部本体42の弾性力によって密着した状態になる。このことによって、管路用コネクタ4Bの送気口金17への連結が完了する。
【0083】
ユーザーが続いて管路用コネクタ4Bを送気口金17から取り外して吸引口金15に装着する場合、上述した手順とは逆の手順で管路用コネクタ4Bを送気口金17から取り外す。その後、ユーザーは、管路用コネクタ4Bを吸引口金15に装着する。
【0084】
その際、ユーザーは、弾性力に抗して吸引口金15を第2差し込み口48を介して挿通穴48a内に押し進めていく。すると、吸引口金15の先端面が挿通穴48aの底部、つまり、弁部49に当接して前進が一旦停止される。ここで、ユーザーは、弁部49を破壊するため、該弁部49の付勢力に抗して吸引口金15を押し進める。すると、弁部49が破壊されて、吸引口金15が吸引用穴43b内に侵入する。ここで、ユーザーは、弾性力に抗して吸引口金15を吸引用穴43b内の所定位置まで押し進める。このことによって図16に示すように管路用コネクタ4Bの吸引口金15への連結が完了する。このとき、吸引口金15の外周面に挿通穴48aの内周面及び吸引用穴43bの内周面が該連結部本体42の弾性力によって密着した状態になる。吸引口金15が挿通穴48aに配置されることによって、連通孔47aは吸引用穴43bに対して閉塞状態になる。
【0085】
このように、本実施形態の管路用コネクタ4Bにおいては、スリット44、45が閉状態から開状態、又はその逆に変化する。そして、口金をスリット44、或いはスリット45に押し込んで、先端部を吸引用穴43b内に到達させることによって、連結部本体42のスリット45部分が連結部本体42の弾性力によって口金の外周面に密着する。即ち、管路用コネクタ4Aと所望する口金とを連結状態にすることができる。このことによって、上述したように各管路に対して洗滌に十分な洗滌液を送り込める。
【0086】
図17乃至図20は管路用コネクタの別の構成例にかかり、図17は管路用コネクタの他の構成例を説明する図、図18は管路用コネクタの構成を説明する断面図、図19は管路用コネクタの連結状態調整部を細径に設定して口金の管路内に配置した状態を説明する図、図20は管路用コネクタの連結状態調整部が拡径して弾性膜部が管路の内面に密着した状態を説明する図である。
【0087】
図20、図18に示すように管路用コネクタ4Cは、口金本体51と、網状管部52と、弾性膜部53とを備えて構成されている。
【0088】
口金本体51は第1の連結部を構成する。口金本体51は例えば樹脂製の管状部材であって、中央部にフランジ部51aを備える。フランジ部51aより図中上側は吸引用チューブ3が配設されるチューブ用接続部分51bである。フランジ部51aより図中下側は網状管部52が取り付けられる網管固定部51cである。
【0089】
網状管部52は、樹脂製、或いは金属製の細線を網状に構成し、且つ管状に形成して構成される。この網状管部52は伸縮自在な構成であり、両端部が離間するようにひっぱることによって二点鎖線に示すような伸長状態になる。この網状管部52の一端部は、網管固定部51cに一体的に固定される。
【0090】
弾性膜部53は、伸縮自在な弾性膜部材で構成される。弾性膜部53は、網状管部52に対して一体的に被覆される。弾性膜部53の内径寸法は網状管部52の外径寸法に略一致している。そのため、図18の実線に示す被覆状態において網状管部52の形状は、弾性膜部53の弾性力によって変形されない。なお、網状管部52に弾性膜部53を被覆して連結状態調整部54が構成される。連結状態調整部54の外径寸法はφaである。
【0091】
そして、図18に示すように管路用コネクタ4Cの連結状態調整部54は、伸長されて連結状態調整部54a、54b、54cと変化する。連結状態調整部54aはその直径がφaより小径なφbであり、連結状態調整部54bはその直径がφbより小径なφcであり、連結状態調整部54cはその直径がφcより小径なφdある。
【0092】
ここで、管路用コネクタ4Cの作用を具体的に説明する。
【0093】
本実施形態においては、洗滌用チューブである吸引用チューブ3の端部に管路用コネクタ4Cを構成する口金本体51のチューブ用接続部分51bが圧入されている。
【0094】
ユーザーは、管路用コネクタ4Cを例えば吸引口金15に装着する場合、管路用コネクタ4Cの連結状態調整部54を吸引口金15近傍に配置する。そして、その連結状態調整部54を弾性膜部53の弾性力に抗して伸長させて連結状態調整部54cを形作る。ここで、ユーザーは、連結状態調整部54cが弾性膜部53の弾性力で直径寸法が大径に変化しないように保持する。そして、図19に示すように連結状態調整部54cを密着圧を考慮して送水口金16の管路16a内、またはその奥側である内視鏡コネクタ14の管路14a内まで挿通させる。
【0095】
その後は、連結状態調整部54cの直径寸法が弾性膜部53の弾性力で大径に変化するのを待つ。すると、図20に示すように連結状態調整部54が弾性膜部53の弾性力によって拡径されて該弾性膜部53が管路14a、15aの内周面に密着配置される。このことによって、管路用コネクタ4Aの吸引口金15への連結が完了する。
【0096】
ユーザーが続いて管路用コネクタ4Cを吸引口金15から取り外して送気口金17に装着する場合、管路用コネクタ4Cを手元側に引っ張って連結状態調整部54dの径寸法を縮径させ、該管路用コネクタ4Cを吸引口金15から取り外す。その後、上述した手順で示したように送気口金17の管路よりも連結状態調整部54の径寸法を小さくして、管路内に挿通させる。
【0097】
その後は、連結状態調整部の径寸法が弾性膜部53の弾性力で直径寸法が大径に変化するのを待つ。すると、拡径された連結状態調整部54の弾性膜部53が管路の内周面に密着配置されて、管路用コネクタ4Cの送気口金17への連結を完了する。
【0098】
このように、本実施形態の管路用コネクタ4Cにおいては、網状管部52に弾性膜部53を被覆して連結状態調整部54が構成する。そして、連結状態調整部54の径寸法を管路の内径より小径にし、その小径にした連結状態調整部54を口金の管路内に挿入し、連結状態調整部54の弾性膜部53を口金の内周面に密着させる。即ち、管路用コネクタ4Cと所望する口金とを連結状態にすることができる。このことによって、上述したように各管路に対して洗滌に十分な洗滌液を送り込める。
【0099】
尚、本発明は、以上述べた実施形態のみに限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形実施可能である。
【図面の簡単な説明】
【0100】
【図1】図1乃至図9は内視鏡管路洗滌装置の一実施形態に係り、図1は内視鏡管路洗滌装置の構成を説明する図
【図2】管路用コネクタの構成を説明する分解斜視図
【図3】管路用コネクタを説明する断面図
【図4】先端連通孔が拡径した状態の管路用コネクタを説明する図
【図5】内視鏡の管路の構成例を説明する図
【図6】管路用コネクタを吸引口金に位置合わせしている状態を示す図
【図7】管路用コネクタを吸引口金に連結した状態を説明する図
【図8】管路用コネクタを送気口金に連結した状態を説明する図
【図9】内視鏡管路洗滌装置の作用を説明する図であって、吸引管路と、送気管路及び送水管路との管路内の洗滌状態を説明する図
【図10】図10乃至図13は管路用コネクタの他の構成例にかかり、図10は管路用コネクタの他の構成例を説明する図
【図11】図10のA−A線断面図
【図12】管路用コネクタを送水口金に連結した状態を説明する図
【図13】管路用コネクタを吸引口金に連結した状態を説明する図
【図14】図14乃至図16は管路用コネクタの別の構成例にかかり、図14は弁部を有する管路用コネクタの構成例を説明する長手方向断面図
【図15】は管路用コネクタを送気口金に連結した状態を説明する図
【図16】は管路用コネクタを吸引口金に連結した状態を説明する図
【図17】図17乃至図20は管路用コネクタの別の構成例にかかり、図17は管路用コネクタの他の構成例を説明する図
【図18】管路用コネクタの構成を説明する断面図
【図19】管路用コネクタの連結状態調整部を細径に設定して口金の管路内に配置した状態を説明する図
【図20】管路用コネクタの連結状態調整部が拡径して弾性膜部が管路の内面に密着した状態を説明する図
【図21】従来の管路洗滌装置の一構成例を説明する図
【図22】はシリンジを使用して口金側から先端の開口に向けて洗滌液を送り込む洗滌状態を説明する図
【符号の説明】
【0101】
1…内視鏡管路洗滌装置 2…吸引装置 4…管路用コネクタ 5…口金本体 5a…貫通孔 6…保持部材 6a…把持部 6b…拡径部 7…付勢部材 8…第1筒体 8a…内部空間 8b…口金接続部 8c…連結部
8d…先端連通孔 8i…内孔 9…第2筒体
【技術分野】
【0001】
本発明は、内視鏡の内部に設けられている流体用管路内の洗滌を行う内視鏡管路洗滌装置、及びその装置で使用される内視鏡管路洗滌用コネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
内視鏡は、生体内に挿入して検査、処置等に使用される。そのため、使用後の内視鏡は、洗滌液による洗滌、高温蒸気によるオートクレーブ滅菌等を行って、再使用時には清浄な状態で使用される。内視鏡は、送気のための送気管路、送水のための送水管路、吸引のための吸引管路等、各種流体管路を備えている。これら管路内の洗滌は、内視鏡の外表面を洗滌するのに比べて困難である。そして、これら管路内を洗滌する際には、例えば内視鏡管路洗滌装置が使用される。図21は従来の管路洗滌装置の一構成例を説明する図である。
【0003】
例えば、図21に示す洗滌装置100は、吸引側管路101と、供給装置であるシリンジ102と、複数の送液側管路103、104、105と等を備えて構成されている。洗滌装置100では、シリンジ102を操作することによって、洗滌液が吸引側管路101を介して送液側管路103に送り込まれる。送液側管路103に送り込まれた洗滌液は、分岐部106を介して送気送水ポート側管路104と吸引ポート側管路105とに分岐して送り込まれていく。
【0004】
送気送水ポート側管路104に送り込まれた洗滌液は、送気送水ポート107で分岐して、挿入部側管路108aとユニバーサルコード側管路108bとに送り込まれる。同様に、吸引ポート側管路105に送り込まれた洗滌液は、吸引ポート109で分岐して、挿入部側管路110aとユニバーサルコード側管路110bとに送り込まれる。しかし、各管路108a、108b、110a、110bの径寸法の違いによって流量バランスが異なる。このため、各管路108a、108b、110a、110bに対して同じ量の洗滌液等の流体を安定して供給することは難しかった。
【0005】
この不具合を解消するため、近年の管路洗滌装置においては、図22に示すように内視鏡コネクタ111に設けられている管路用口金112、113、…に対応するシリンジ114、115、…を接続して、洗滌液を管路110b、110a、及び管路108b、108a内に送り込んで洗滌を行っている。図22はシリンジを使用して口金側から先端の開口に向けて洗滌液を送り込む洗滌状態を説明する図である。
【0006】
このことによって、管路用口金112、113側からそれぞれの管路110b、110a、及び管路108b、108aに対して洗滌に十分な洗滌液を安定して供給することが可能になる。しかし、シリンジ114、115を操作して洗滌液を排出させる作業、つまり、洗滌液を管路用口金112、113からユニバーサルコード内の管路108b、110b、操作部内のポート107、109、挿入部内の管路108a、110aに送り込んで先端開口116、117まで送り込む作業は、管路の抵抗に抗して洗滌液を送り込まなければならないため、女性のスタッフにとっては重労働であった。
【0007】
また、近年の内視鏡挿入部の細径化に伴い、管路が細径になるとともに、管路の数が増大している。このため、管路洗滌作業は、スタッフにとって大きな負担のかかる作業である。
【0008】
これら不具合を解消するため、シリンジによって洗滌液を管路内に供給する洗滌に変えて、例えば吸引装置を使用して管路内を洗滌することが提案されている。吸引装置を使用した洗滌では、内視鏡コネクタに設けられている管路用口金と吸引装置の吸引口とを連通させ、この状態で管路の先端開口を洗滌液中に浸漬させて吸引を行う。
【0009】
このことによって、洗滌液が先端開口から管路内に送り込まれ、その洗滌液が管路用口金を介して排出されることによって管路内が洗滌される。そして、吸引装置を使用した洗滌においては、内視鏡コネクタに設けられている全ての管路用口金と吸引装置の吸引口とを連通させた状態にして、一度に複数の管路の洗滌を行うようにするのが一般的であった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、吸引装置を使用して複数の管路内の洗滌を一度で行う場合、内視鏡に設けられている複数の管路の径寸法が用途毎に異なっていることにより流量バランスが不均一になる。すると、各管路に対して供給される洗滌液の量が不安定になるおそれがある。また、管路用口金の形状は、管路の径寸法によって略決定されている。このため、吸引装置の吸引口とそれぞれの管路用口金とを接続するためには各管路用口金に対応した専用のコネクタが必要になる。コネクタを管路用口金に接続する作業が繁雑になるという不具合が発生する。
【0011】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、作業者に負担をかけることなく吸引装置と管路用口金との接続を行え、洗滌に十分な流体を管路内に安定して供給して管路内の洗滌を行える内視鏡管路洗滌装置を提供することを目的にしている。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の内視鏡管路洗滌装置は、吸引口を備える吸引装置と、前記吸引口に直接的、或いは間接的に連通される第1の連結部、及び内視鏡の挿入部内に複数挿通配置されているそれぞれの管路の開口に連通する、管路毎に形状の異なる管路用口金に連結される連結状態調整部を有する第2の連結部を有する内視鏡管路洗滌用コネクタとを具備している。
【0013】
この構成によれば、第2の連結部は、形状の異なる管路用口金の何れにも接続可能である。したがって、ユーザーは、吸引装置と管路用口金とを接続する作業の煩わしさから解消される。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、作業者に負担をかけることなく吸引装置と管路用口金との接続を行え、洗滌に十分な流体を管路内に安定して供給して管路内の洗滌を行える内視鏡管路洗滌装置を実現できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、図面に基づいて本発明の実施形態を説明する。
図1乃至図9は内視鏡管路洗滌装置の一実施形態に係り、図1は内視鏡管路洗滌装置の構成を説明する図、図2は管路用コネクタの構成を説明する分解斜視図、図3は管路用コネクタを説明する断面図、図4は先端連通孔が拡径した状態の管路用コネクタを説明する図、図5は内視鏡の管路の構成例を説明する図、図6は管路用コネクタを吸引口金に位置合わせしている状態を示す図、図7は管路用コネクタを吸引口金に連結した状態を説明する図、図8は管路用コネクタを送気口金に連結した状態を説明する図、図9は内視鏡管路洗滌装置の作用を説明する図であって、吸引管路と、送気管路及び送水管路との管路内の洗滌状態を説明する図である。
【0016】
図1に示すように内視鏡管路洗滌装置1は、吸引装置2と、吸引用チューブ3と、内視鏡管路洗滌用コネクタ(以下、管路用コネクタと略記する)4とを備えて構成されている。
【0017】
吸引装置2は略T字形状であるアスピレータであり、例えば水道の蛇口に連結される接続部2aと、吸引口2bを有するチューブ用接続部2cと、水道の蛇口から供給される水、及び吸引口2bを介して吸引した洗滌液等の流体を流出する排出口2dを有する排出部2eを備えている。
【0018】
チューブ用接続部2cには吸引用チューブ3の一端部が着脱自在に連結されるようになっている。吸引用チューブ3は可撓性を有するチューブ体である。吸引用チューブ3の他端部には、管路用コネクタ4の第1の連結部を構成する口金本体5の基端部が例えば圧入によって一体的に配設される。なお、口金本体5の基端部を吸引用チューブ3に接着等によって一体的に固定するようにしてもよい。
【0019】
図3、図4に示す管路用コネクタ4は、図2に示す口金本体5と、一対の保持部材6と、付勢部である一対の付勢部材7と、第1筒体8と、第2筒体9とで構成される。保持部材6と付勢部材7とは一体に固定される。そして、保持部材6が一体な付勢部材7は口金本体5に固定される。さらに、保持部材6及び付勢部材7が一体な口金本体5は、第1筒体8に固定され、その口金本体5と第1筒体8とに第2筒体9を固定することによって管路用コネクタ4が構成される。
図2乃至図4を参照して管路用コネクタ4を説明する。
【0020】
口金本体5は貫通孔5aを備える金属製の管状部材であって、先端側には付勢部材7を固定するための平面で構成された固定部5bを備えている。固定部5bは、対向して設けられている。
【0021】
一対の保持部材6は金属製で、把持部6aと拡径部6bとを備えている。把持部6aは平板形状或いは、緩やかに湾曲したで形状で形成される。把持部6aの表面6cは、ユーザーが付勢部材7の付勢力に抗して拡径部6bを移動させるときに把持する部分である。把持部6aの裏面は付勢部材固定面(以下、固定面と略記する)6dであって、付勢部材7が接着、或いは半田付け、溶接等の金属接合によって一体的に固設される。
【0022】
拡径部6bは曲凹面溝6eを備える略ハーフパイプ形状である。拡径部6bの外表面6fは、第1筒体8の後述する内部空間(符号8a参照)を構成する内面に少なくとも一部が当接して配置される。曲凹面溝6eの内側には第1筒体8の後述する連結部が配置される。
【0023】
付勢部材7は例えば金属製のバネであり、横断面形状が略三角形形状で、付勢部7aと取付面を備える取付部7b、7cとを備えている。 取付部7b、7cの先端側には位置決め突起7dが設けられている。
【0024】
付勢部7aは、第1取付部7bの位置決め突起7dと第2取付部7cの位置決め突起7dとを所定の押圧力で接触させる付勢力を有して構成される。第1取付部7bは、保持部材6の把持部6aの固定面6dに例えば接着或いは金属接合によって一体的に固定され、第2取付部7cは口金本体5の固定部5bに例えば接着或いは金属接合によって一体的に固定される。
なお、第1取付部7bの位置決め突起7dは、把持部6aの固定面6d側に形成されている溝(図3の符号6g参照)内に配置される。
【0025】
第1筒体8はゴム、樹脂部材等の弾性部材で構成され、所定の形状の内部空間8aを備える。第1筒体8は、先端側に後述する口金(図5の符号15、16、17、18)に連結される第2の連結部となる口金接続部8bを有する。口金接続部8bの基端側からは細長で基端部が口金本体5の貫通孔5a内に配置される貫通孔である内孔8iを有する連結部8cが突設している。連結部8cは、貫通孔5a内に配置された状態において、連結部8cの外周面と口金本体5の内周面との隙間に接着剤を塗布して固定される。このことによって、第1筒体8の連結部8cは、口金本体5に対して水密状態に固定される。口金接続部8bから連結部8cに至る先端連通孔8dは連結状態調整部であり、外側から内部に向かうにしたがって、径寸法が徐々に細径になる例えばテーパー孔で構成されている。先端連通孔8dの中心軸と第1筒体8の長手方向軸とは同軸である。
【0026】
なお、口金本体5には、保持部材6及び付勢部材7が固定される。符号8fは第1筒体先端開口であり、符号8rは第1筒体基端開口である。
【0027】
第2筒体9は、第1筒体8の基端側の外周面に配置された状態で一体的に取り付けられる。第2筒体9は、ゴム、樹脂部材等の弾性部材で構成され、基端側には口金本体5の基端部に固定される側面部に比べて肉厚な第2筒体固定部9aを有する。
【0028】
第2筒体9の底面である第2筒体固定部9aの内面には固定用円環溝9bと、肉盗み用円環溝9cと、口金取付孔9dとが形成されている。固定用円環溝9bは、第1筒体8の基端部を配置するための溝であり、肉盗み用円環溝9cは第2筒体固定部9aを押し潰し易くするための溝である。口金取付孔9dは、第2筒体固定部9aの中央貫通孔である。即ち、口金取付孔9dの中心軸と第2筒体9の長手方向軸と同軸である。
【0029】
第1筒体8と第2筒体9とは、固定用円環溝9bに第1筒体8の基端部を配置した状態で、第1筒体8の外周面と第2筒体9の内周面との隙間に接着剤を塗布することによって、水密状態を保持して一体的に固定される。また、口金取付孔9dの内周面と口金本体5の外周面との間に接着剤を塗布して、第2筒体9を口金本体5の基端部に水密状態を保持して一体的に固定する。このことによって、後述する洗滌液が、第1筒体8の内部空間8a内に侵入することが防止されている。
【0030】
なお、符号9fは指当て部であり、第2筒体9の先端面から突出して設けられている。指当て部9fは、第1筒体8の内部空間8aに配置されている保持部材6の把持部6aの位置を使用者に告知する告知手段である。第2筒体9を第1筒体8に一体固定するときに、指当て部9fは把持部6aの位置に対応して配置される。
【0031】
図3のように構成されている管路用コネクタ4を、ユーザーが図4に示すように所定状態に保持する。つまり、ユーザーの手指を指当て部9f上に配置する。そして、手指の力で、保持部材6の把持部6aを付勢部材7の付勢力に抗して口金本体5方向に向けて押し込み操作する。すると、把持部6aが口金本体5方向に向かって移動されるにしたがって、拡径部6bが口金本体5から離れる方向に移動され外表面6fが内部空間8aを構成する内面に当接して、第1筒体先端開口8fの径寸法が徐々に拡径される。なお、図4に示す拡径状態は先端連通孔8dが最大に広げられた状態である。
【0032】
洗滌消毒の際に管路用コネクタ4が連結される口金を備える内視鏡の構成を説明する。
【0033】
図5に示すように内視鏡10は、細長の挿入部11と、操作部12と、ユニバーサルコード13とを備えて構成されている。ユニバーサルコード13の端部には内視鏡コネクタ14が備えられている。
【0034】
内視鏡10は、流体管路として例えば、吸引を行うための吸引管路21と、送気を行うための送気管路22,23と、送水を行うための送水管路24、25とを備えている。吸引管路21は、挿入部11の先端部で開口して吸引を行う、吸引管路先端開口21aを備えている。また、送気管路22、23と送水管路24、25とは操作部12内の送気送水シリンダ26を介して連通している。つまり、挿入部11側の送気管路23と送水管路25とは、送気送水シリンダ26を介してユニバーサルコード13側に延びる送気管路22と送水管路24とにそれぞれ連通した状態になっている。
【0035】
また、送気管路23と送水管路25は挿入部11の先端側で合流する。この合流した管路の先端にはノズル27が設けられている。ノズル27の噴出口は対物レンズ系28の表面に対向している。
【0036】
挿入部11内に配置された吸引管路21は、挿入部11の後端ないし操作部12の前端付近で2つに分岐する。一方は、操作部12側に延出され、他方は鉗子口金29に連通している。鉗子口金29には開口30aを設けた鉗子口栓30が着脱自在に取り付けられるようになっている。
【0037】
また、操作部12側に延びる吸引管路21は操作部12において、吸引シリンダ31を介してユニバーサルコード13側に延出されている。吸引シリンダ31は開口部で外部(大気)に開口する。また、前記操作部12の送気送水シリンダ26もその開口部で外部(大気)に開口する。そして、送気送水シリンダ26の開口部及び吸引シリンダ31の開口部にはシリンダプラグ32が装着される。このことにより、それぞれの開口部は小さな隙間33、34で外部に連通する。
【0038】
内視鏡コネクタ14は、複数の口金15、16、17、18を備えている。具体的には、吸引管路21の基端側開口に連通する管路用口金である吸引口金15、送水管路24の基端側開口に連通する管路用口金である送水口金16、送気管路22の分岐部22aで分岐した一方の基端側開口に連通する管路用口金である送気口金17、他方の基端側開口に連通する管路用口金である加圧口金18である。
【0039】
それぞれの口金15〜18の形状は、口金毎に形状が異なっている。すなわち、口金15〜18においては、径寸法、高さ寸法が異なっている。
【0040】
管路用コネクタ4の作用を具体的に説明する。
本実施形態においては、洗滌用チューブである吸引用チューブ3の端部に管路用コネクタ4を構成する口金本体5の基端部が圧入されている。即ち、吸引用チューブ3は、その端部に管路用コネクタ4を備えている。
【0041】
したがって、例えば吸引口金15に管路用コネクタ4を装着する場合、ユーザーは以下の手順で管路用コネクタ4を手元操作する。
【0042】
まず、ユーザーは、管路用コネクタ4の第1筒体先端開口8fを吸引口金15近傍に配置する。次に、ユーザーは、図4に示したように手指で筒体8、9を介して把持部6aを付勢部材7の付勢力に抗して口金本体5方向に向けて押し込み操作して、先端連通孔8dを所望の拡径状態にする。そして、ユーザーは、図6に示すように拡径状態の該先端連通孔8dで吸引口金15の周囲を覆うようにして、口金接続部8bを吸引口金15の外周面に対峙させる。
【0043】
次いで、ユーザーは、先端連通孔8dが所望する位置に配置されていることを確認したら、把持部6aを把持している手指の力を徐々に弱めていく。すると、付勢部材7の付勢力によって把持部6aが移動され、その移動に伴って拡径状態の先端連通孔8dが徐々に縮径していく。
【0044】
そして、図7に示すようにユーザーの手指が把持部6aから外された状態において、口金接続部8bが吸引口金15の外周面に付勢部材7の付勢力、及び口金接続部8bの弾性力によって密着配置された状態になる。このことによって、管路用コネクタ4の吸引口金15への連結が完了する。
【0045】
ユーザーが引き続き、別の管路の洗滌を行う場合、ユーザーは管路用コネクタ4を吸引口金15から取り外し、例えば送気口金17に装着する。この場合、管路用コネクタ4を吸引口金15から取り外しを、上述した手順とは逆の手順で行い、その後、上述で示した手順で先端連通孔8dを拡径状態にして、この先端連通孔8dで送気口金17の周囲を覆うようにして口金接続部8bを送気口金17の外周面に対峙させる。
【0046】
この後、ユーザーは、把持部6aを把持している手指の力を徐々に弱めていく。すると、付勢部材7の付勢力によって、把持部6aが移動されて、拡径状態の先端連通孔8dが徐々に縮径して、図8に示すようにユーザーの手指が把持部6aから外された状態において、口金接続部8bが送気口金17の外周面に付勢部材7の付勢力、及び口金接続部8bの弾性力によって密着配置された状態になる。このことによって、管路用コネクタ4の送気口金17への連結が完了する。
【0047】
なお、送気口金17がストレートのパイプ形状であるのに対し、吸引口金15は端部にチューブ抜け防止段付き部を有する所謂タケノコ形状である。
【0048】
このように、本実施形態の管路用コネクタ4においては、把持部6aの操作に伴って、口金接続部8bを備えた先端連通孔8dが縮径状態から拡径状態、又はその逆に変化する。そして、拡径状態の先端連通孔8dを所望する口金を覆うように配置することによって、口金接続部8bが口金の外周面に対峙する。このため、先端連通孔8dを拡径状態から縮径状態に変化させたとき、その縮径作用状態において口金接続部8bが口金の外周面に当接することによって、口金接続部8bが付勢部材7の付勢力、及び口金接続部8bの有する弾性力によって口金の外周面に密着する。即ち、管路用コネクタ4と外形形状の異なる複数種類の口金とを連結状態にすることができる。
【0049】
図9を参照して内視鏡管路洗滌装置の作用を説明する。
【0050】
内視鏡10の洗滌を行う際、まず、ユーザーは、図の二点鎖線に示す連通路20aを有する栓部材20を内視鏡コネクタ14の所定位置に取り付ける。このことによって、送水口金16と加圧口金18とが連通路20aを介して連通状態になる。
【0051】
次に、内視鏡管路洗滌装置1を構成する吸引用チューブ3に設けられている管路用コネクタ4を上述した手順で例えば吸引口金15に連結する。その後、内視鏡10の挿入部11及び操作部12を洗滌液40中に浸漬させる。このことによって、吸引管路先端開口21aは洗滌液中に配置される。
【0052】
この状態において、ユーザーは水道の蛇口を開放状態にしてアスピレータ2に水を供給する。すると、チューブ用接続部2cの吸引口2bが吸引状態になって吸引を開始する。即ち、洗滌液40が吸引管路先端開口21a、鉗子口栓30の開口30aを介して挿入部側の吸引管路21内に侵入する。そして、その洗滌液40は、挿入部側の吸引管路21から吸引シリンダ31、ユニバーサルコート側の吸引管路21、吸引口金15、第1筒体8の連結部8cの内孔8i、口金本体5の貫通孔5a、吸引用チューブ3の貫通孔、吸引口2bを通過してアスピレータ2の排出口2dから排出される。
【0053】
ユーザーは、洗滌液の吸引が所定時間、継続して行われたことを確認したら、吸引管路21の洗滌が完了したと判断して、水道の蛇口を閉塞状態にする。このことによって、アスピレータ2への水の供給が停止されるとともに、吸引管路21内への吸引が停止される。
【0054】
この後、ユーザーは、所定の手順に従って、吸引口金15から管路用コネクタ4を取り外し、この管路用コネクタ4を例えば送気口金17に連結する。管路用コネクタ4の連結完了後、スタッフは、水道の蛇口を再び開放状態にする。このことによって、洗滌液40がノズル27を介して吸引されて送気管路23、22、及び送水管路25、24の洗滌が開始される。即ち、洗滌液40は、ノズル27から吸引された後、送気管路23と送水管路25とに流れ込む。そして、送気管路23に流れ込んだ洗滌液は、送気送水シリンダ26、送気管路22、分岐部22a、送気管路22、第1筒体8の連結部8cの内孔8i、口金本体5の貫通孔5a、吸引用チューブ3の貫通孔、吸引口2bを通過してアスピレータ2の排出口2dから排出される。一方、送水管路に流れ込んだ洗滌液は、送気送水シリンダ26、送水管路24、送水口金16、栓部材20の連通路20a、加圧口金18、分岐部22a、送気管路22、第1筒体8の連結部8c内の内孔8i、口金本体5の貫通孔5a、吸引用チューブ3の貫通孔、吸引口2bを通過してアスピレータ2の排出口2dから排出される。
【0055】
ユーザーは、洗滌液の吸引が所定時間、継続して行われたことを確認したら、送気管路23、22、及び送水管路25、24の洗滌が完了したと判断して、水道の蛇口を閉塞状態にする。このことによって、アスピレータ2への水の供給を停止されるとともに、送気管路23、送水管路25内への吸引が停止する。
【0056】
このように、アスピレータのチューブ用接続部に連結される吸引用チューブは、内視鏡の備える吸引口金、送気口金に着脱可能にする連結状態調整部を備える口金接続部を有する1つの管路用コネクタを備えている。このため、ユーザーは、管路用コネクタを管路用コネクタに備えられている複数の口金に取り付ける際、煩わしさを感じることなく、取り付け作業を行うことができる。
【0057】
また、ユーザーは、内視鏡の有する複数の管路の洗滌を、管路用コネクタを口金に取り付ける作業、アスピレータに水道水を供給するための作業、所定時間経過したか否かを確認して水道水の供給を停止させる作業、管路用コネクタを他の口金に取り付ける作業を繰り返し行うことによって、全ての管路の洗滌を行うことができる。
【0058】
これらのことによって、各管路に対して洗滌に十分な洗滌液を送り込める。そのため、管路の径寸法の違い、すなわち、流量バランスのぱらつきによる洗滌不具合から解消される。また、内視鏡の管路を洗滌する際のユーザーに係る肉体的な負担が大幅に軽減される。
【0059】
なお、使用後の内視鏡管路洗滌装置1はまた、上述した実施形態においては、管路用コネクタ4を口金本体5と、一対の保持部材6と、一対の付勢部材7と、第1筒体8と、第2筒体9とで構成して、管路用コネクタ4を形状の異なる口金に対して連結可能で着脱自在な構成としている。しかし、管路用コネクタ4の構成はこれに限定されるものではなく。以下の図10〜図17に示す構成であってもよい。
【0060】
図10乃至図13は管路用コネクタの他の構成例にかかり、図10は管路用コネクタの他の構成例を説明する図、図11は図10のA−A線断面図、図12は管路用コネクタを送気口金に連結した状態を説明する図、図13は管路用コネクタを吸引口金に連結した状態を説明する図である。
【0061】
図10、図11に示すように管路用コネクタ4Aは口金本体41と、連結部本体42とを備えて構成されている。口金本体41は第1の連結部を構成する。連結部本体42は第2の連結部を構成する本体部であって、弾性部材である樹脂製、或いはゴム製で直方体形状に構成されている。
【0062】
口金本体41は例えば樹脂製の管状部材であって、吸引用チューブ3が配設されるチューブ用接続部分41aと、連結部本体42に対して例えば接着固定される固定部41bとを備えている。
【0063】
連結部本体42は、凹部43と、スリット44、45とを備えている。凹部43は丸穴であって、固定部41bが配置される口金用穴43aと、吸引用穴43bとを備えている。口金用穴43aの径寸法は、吸引用穴43bの径寸法より大径である。したがって、口金本体41を構成するチューブ用接続部分41aの突出量は、口金用穴43aの深さ寸法によって設定される。吸引用穴43bは底面を有する穴であればよい。
【0064】
スリット44、45は第2連結部で連結状態調整部である。スリット44は、連結部本体42の弾性力によって密着される開状態と、この弾性力に抗して押し広げられた閉状態とに変形可能である。開状態のスリット44、45は、吸引用穴43bと外部とを連通する。スリット44の幅寸法wは細径な口金の径寸法を基に設定され、スリット45は幅寸法がwより幅広で前記口金より大径な口金の径寸法を基に設定される。
【0065】
符号46a、46bは案内部であり、口金の種類を判別する目安になっている。第1案内部46aは球面凹部であり、第2案内部46bは球面凹部を備える丸穴である。連結部本体42の端面から吸引用穴43bまでの距離であるL1は細径な口金の高さ寸法を基に設定され、L2は前記口金より大径で形状の大きな口金の高さ寸法を基に設定される。
【0066】
ここで、管路用コネクタ4Aの作用を具体的に説明する。
【0067】
本実施形態においては、洗滌用チューブである吸引用チューブ3の端部に管路用コネクタ4Aを構成する口金本体41のチューブ用接続部分41aが圧入されている。
【0068】
ユーザーは、管路用コネクタ4Aを例えば送気口金17に装着する場合、第1案内部46aを送気口金17近傍に配置する。そして、送気口金17の先端部が第1案内部46aの球面凹部内に配置されるか否かを確認する。第1案内部46a内に配置された場合、ユーザーは、連結部本体42を送気口金17に向けて押し込んでいく。すると、送気口金17の先端部が第1案内部46aの球面凹部に押圧され、連結部本体42の弾性力によって密着して閉状態であったスリット44の第1案内部46a側が徐々に押し広げられていく。
【0069】
そして、ユーザーが連結部本体42をさらに押し込んでいくことによって、送気口金17の先端部によってスリット44の開部分が押し広げられ、図12に示すように送気口金17の先端部が吸引用穴43b内に到達する。このとき、送気口金17の外周面に連結部本体42のスリット44部分が該連結部本体42の弾性力によって密着した状態になる。このことによって、管路用コネクタ4Aの送気口金17への連結が完了する。
【0070】
ユーザーが続いて管路用コネクタ4Aを送気口金17から取り外して吸引口金15に装着する場合、上述した手順とは逆の手順で管路用コネクタ4Aを送気口金17から取り外す。その後、上述した手順で示したように第1案内部46aを吸引口金15近傍に配置する。
【0071】
そして、吸引口金15の先端部が第1案内部46aの球面凹部内に配置されるか否かを確認する。第1案内部46a内に配置されないことを確認した場合、ユーザーは、第2案内部46bを吸引口金15近傍に配置する。
【0072】
ユーザーは、連結部本体42を吸引口金15に向けて押し込んでいく。すると、吸引口金15の先端部が第2案内部46bの球面凹部に押圧され、連結部本体42の弾性力によって密着して閉状態であったスリット45の第2案内部46b側が徐々に押し広げられていく。
【0073】
ユーザーが連結部本体42をさらに押し込んでいくことによって、吸引口金15の先端部によってスリット45の開部分が押し広げられ、図13に示すように吸引口金15の先端部が吸引用穴43b内に到達する。このとき、吸引口金15の外周面に連結部本体42のスリット45部分が該連結部本体42の弾性力によって密着した状態になる。このことによって、管路用コネクタ4Aの吸引口金15への連結が完了する。
【0074】
このように、本実施形態の管路用コネクタ4Aにおいては、スリット44、45が閉状態から開状態、又はその逆に変化する。そして、口金をスリット44、或いはスリット45に押し込んで、先端部を吸引用穴43b内に到達させることによって、連結部本体42のスリット45部分が連結部本体42の弾性力によって口金の外周面に密着する。即ち、管路用コネクタ4Aと所望する口金とを連結状態にすることができる。このことによって、上述したように各管路に対して洗滌に十分な洗滌液を送り込める。
【0075】
なお、上述した実施形態では、管路用コネクタ4Aの弾性部材で構成される連結部本体42にスリット44、45を設ける構成としている。しかし、以下に示すように管路用コネクタ4Bを構成するようにしてもよい。
【0076】
図14乃至図16は管路用コネクタの別の構成例にかかり、図14は弁部を有する管路用コネクタの構成例を説明する長手方向断面図、図15は管路用コネクタを送気口金に連結した状態を説明する図、図16は管路用コネクタを吸引口金に連結した状態を説明する図である。
【0077】
図14に示すように本実施形態の連結部本体42Aは、凹部43と、連通孔47aを備える第1差し込み口47と、挿通穴48aを備える第2差し込み口48とを備えている。第1差し込み口47は第2連結部で連結状態調整部である。連通孔47aは吸引用穴43bに連通するように形成されている。連通孔47aの孔径は、例えば送気口金17の外周面に所定の押圧力で密着するように形成されている。
【0078】
差し込み口48は第2連結部で連結状態調整部である。挿通穴48aと、吸引用穴43bとの間には弁部49が設けられている。弁部49は、差し込み口48を介して挿通穴48aに差し込まれる吸引口金15によって破壊されるように、厚み寸法が設定されている。即ち、差し込み口48から差し込んだ吸引口金15を挿通穴48aの奥方に押し進めて行くことによって、弁部49が破壊されて、該吸引口金15は吸引用穴43b内に到達する。挿通穴48a及び吸引用穴43bの孔径は例えば吸引口金15の外周面に所定の押圧力で密着するように形成されている。
【0079】
なお、本実施形態において、寸法L3は、吸引口金15の差し込み量を考慮して設定される値である。つまり、吸引口金15を挿通穴48aを介して吸引用穴43bに挿入配置させたとき、該吸引口金15の先端面が連通孔47aを所定距離だけ通過して吸引用穴43bに密着配置されるようになっている。その他の構成は上述した管路用コネクタ4Aと略同様であり、同部材には同符号を付して説明を省略している。
【0080】
ここで、管路用コネクタ4Bの作用を具体的に説明する。
【0081】
本実施形態においては、洗滌用チューブである吸引用チューブ3の端部に管路用コネクタ4Bを構成する口金本体41のチューブ用接続部分41aが圧入されている。
【0082】
ユーザーは、内視鏡10の管路を洗滌する場合、まず、管路用コネクタ4Bを送気口金17に装着する。つまり、図15に示すように送気口金17を第1差し込み口47を介して連通孔47a内に圧入配置する。このとき、送気口金17の外周面に連通孔47aの内周面が該連結部本体42の弾性力によって密着した状態になる。このことによって、管路用コネクタ4Bの送気口金17への連結が完了する。
【0083】
ユーザーが続いて管路用コネクタ4Bを送気口金17から取り外して吸引口金15に装着する場合、上述した手順とは逆の手順で管路用コネクタ4Bを送気口金17から取り外す。その後、ユーザーは、管路用コネクタ4Bを吸引口金15に装着する。
【0084】
その際、ユーザーは、弾性力に抗して吸引口金15を第2差し込み口48を介して挿通穴48a内に押し進めていく。すると、吸引口金15の先端面が挿通穴48aの底部、つまり、弁部49に当接して前進が一旦停止される。ここで、ユーザーは、弁部49を破壊するため、該弁部49の付勢力に抗して吸引口金15を押し進める。すると、弁部49が破壊されて、吸引口金15が吸引用穴43b内に侵入する。ここで、ユーザーは、弾性力に抗して吸引口金15を吸引用穴43b内の所定位置まで押し進める。このことによって図16に示すように管路用コネクタ4Bの吸引口金15への連結が完了する。このとき、吸引口金15の外周面に挿通穴48aの内周面及び吸引用穴43bの内周面が該連結部本体42の弾性力によって密着した状態になる。吸引口金15が挿通穴48aに配置されることによって、連通孔47aは吸引用穴43bに対して閉塞状態になる。
【0085】
このように、本実施形態の管路用コネクタ4Bにおいては、スリット44、45が閉状態から開状態、又はその逆に変化する。そして、口金をスリット44、或いはスリット45に押し込んで、先端部を吸引用穴43b内に到達させることによって、連結部本体42のスリット45部分が連結部本体42の弾性力によって口金の外周面に密着する。即ち、管路用コネクタ4Aと所望する口金とを連結状態にすることができる。このことによって、上述したように各管路に対して洗滌に十分な洗滌液を送り込める。
【0086】
図17乃至図20は管路用コネクタの別の構成例にかかり、図17は管路用コネクタの他の構成例を説明する図、図18は管路用コネクタの構成を説明する断面図、図19は管路用コネクタの連結状態調整部を細径に設定して口金の管路内に配置した状態を説明する図、図20は管路用コネクタの連結状態調整部が拡径して弾性膜部が管路の内面に密着した状態を説明する図である。
【0087】
図20、図18に示すように管路用コネクタ4Cは、口金本体51と、網状管部52と、弾性膜部53とを備えて構成されている。
【0088】
口金本体51は第1の連結部を構成する。口金本体51は例えば樹脂製の管状部材であって、中央部にフランジ部51aを備える。フランジ部51aより図中上側は吸引用チューブ3が配設されるチューブ用接続部分51bである。フランジ部51aより図中下側は網状管部52が取り付けられる網管固定部51cである。
【0089】
網状管部52は、樹脂製、或いは金属製の細線を網状に構成し、且つ管状に形成して構成される。この網状管部52は伸縮自在な構成であり、両端部が離間するようにひっぱることによって二点鎖線に示すような伸長状態になる。この網状管部52の一端部は、網管固定部51cに一体的に固定される。
【0090】
弾性膜部53は、伸縮自在な弾性膜部材で構成される。弾性膜部53は、網状管部52に対して一体的に被覆される。弾性膜部53の内径寸法は網状管部52の外径寸法に略一致している。そのため、図18の実線に示す被覆状態において網状管部52の形状は、弾性膜部53の弾性力によって変形されない。なお、網状管部52に弾性膜部53を被覆して連結状態調整部54が構成される。連結状態調整部54の外径寸法はφaである。
【0091】
そして、図18に示すように管路用コネクタ4Cの連結状態調整部54は、伸長されて連結状態調整部54a、54b、54cと変化する。連結状態調整部54aはその直径がφaより小径なφbであり、連結状態調整部54bはその直径がφbより小径なφcであり、連結状態調整部54cはその直径がφcより小径なφdある。
【0092】
ここで、管路用コネクタ4Cの作用を具体的に説明する。
【0093】
本実施形態においては、洗滌用チューブである吸引用チューブ3の端部に管路用コネクタ4Cを構成する口金本体51のチューブ用接続部分51bが圧入されている。
【0094】
ユーザーは、管路用コネクタ4Cを例えば吸引口金15に装着する場合、管路用コネクタ4Cの連結状態調整部54を吸引口金15近傍に配置する。そして、その連結状態調整部54を弾性膜部53の弾性力に抗して伸長させて連結状態調整部54cを形作る。ここで、ユーザーは、連結状態調整部54cが弾性膜部53の弾性力で直径寸法が大径に変化しないように保持する。そして、図19に示すように連結状態調整部54cを密着圧を考慮して送水口金16の管路16a内、またはその奥側である内視鏡コネクタ14の管路14a内まで挿通させる。
【0095】
その後は、連結状態調整部54cの直径寸法が弾性膜部53の弾性力で大径に変化するのを待つ。すると、図20に示すように連結状態調整部54が弾性膜部53の弾性力によって拡径されて該弾性膜部53が管路14a、15aの内周面に密着配置される。このことによって、管路用コネクタ4Aの吸引口金15への連結が完了する。
【0096】
ユーザーが続いて管路用コネクタ4Cを吸引口金15から取り外して送気口金17に装着する場合、管路用コネクタ4Cを手元側に引っ張って連結状態調整部54dの径寸法を縮径させ、該管路用コネクタ4Cを吸引口金15から取り外す。その後、上述した手順で示したように送気口金17の管路よりも連結状態調整部54の径寸法を小さくして、管路内に挿通させる。
【0097】
その後は、連結状態調整部の径寸法が弾性膜部53の弾性力で直径寸法が大径に変化するのを待つ。すると、拡径された連結状態調整部54の弾性膜部53が管路の内周面に密着配置されて、管路用コネクタ4Cの送気口金17への連結を完了する。
【0098】
このように、本実施形態の管路用コネクタ4Cにおいては、網状管部52に弾性膜部53を被覆して連結状態調整部54が構成する。そして、連結状態調整部54の径寸法を管路の内径より小径にし、その小径にした連結状態調整部54を口金の管路内に挿入し、連結状態調整部54の弾性膜部53を口金の内周面に密着させる。即ち、管路用コネクタ4Cと所望する口金とを連結状態にすることができる。このことによって、上述したように各管路に対して洗滌に十分な洗滌液を送り込める。
【0099】
尚、本発明は、以上述べた実施形態のみに限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形実施可能である。
【図面の簡単な説明】
【0100】
【図1】図1乃至図9は内視鏡管路洗滌装置の一実施形態に係り、図1は内視鏡管路洗滌装置の構成を説明する図
【図2】管路用コネクタの構成を説明する分解斜視図
【図3】管路用コネクタを説明する断面図
【図4】先端連通孔が拡径した状態の管路用コネクタを説明する図
【図5】内視鏡の管路の構成例を説明する図
【図6】管路用コネクタを吸引口金に位置合わせしている状態を示す図
【図7】管路用コネクタを吸引口金に連結した状態を説明する図
【図8】管路用コネクタを送気口金に連結した状態を説明する図
【図9】内視鏡管路洗滌装置の作用を説明する図であって、吸引管路と、送気管路及び送水管路との管路内の洗滌状態を説明する図
【図10】図10乃至図13は管路用コネクタの他の構成例にかかり、図10は管路用コネクタの他の構成例を説明する図
【図11】図10のA−A線断面図
【図12】管路用コネクタを送水口金に連結した状態を説明する図
【図13】管路用コネクタを吸引口金に連結した状態を説明する図
【図14】図14乃至図16は管路用コネクタの別の構成例にかかり、図14は弁部を有する管路用コネクタの構成例を説明する長手方向断面図
【図15】は管路用コネクタを送気口金に連結した状態を説明する図
【図16】は管路用コネクタを吸引口金に連結した状態を説明する図
【図17】図17乃至図20は管路用コネクタの別の構成例にかかり、図17は管路用コネクタの他の構成例を説明する図
【図18】管路用コネクタの構成を説明する断面図
【図19】管路用コネクタの連結状態調整部を細径に設定して口金の管路内に配置した状態を説明する図
【図20】管路用コネクタの連結状態調整部が拡径して弾性膜部が管路の内面に密着した状態を説明する図
【図21】従来の管路洗滌装置の一構成例を説明する図
【図22】はシリンジを使用して口金側から先端の開口に向けて洗滌液を送り込む洗滌状態を説明する図
【符号の説明】
【0101】
1…内視鏡管路洗滌装置 2…吸引装置 4…管路用コネクタ 5…口金本体 5a…貫通孔 6…保持部材 6a…把持部 6b…拡径部 7…付勢部材 8…第1筒体 8a…内部空間 8b…口金接続部 8c…連結部
8d…先端連通孔 8i…内孔 9…第2筒体
【特許請求の範囲】
【請求項1】
吸引口を備える吸引装置と、
前記吸引口に直接的、或いは間接的に連通される第1の連結部、及び内視鏡の挿入部内に複数挿通配置されているそれぞれの管路の開口に連通する、管路毎に形状の異なる管路用口金に連結される連結状態調整部を有する第2の連結部を有する内視鏡管路洗滌用コネクタと、
を具備することを特徴とする内視鏡管路洗滌装置。
【請求項2】
前記連結状態調整部は、
前記第1の連結部を構成する口金本体と、
この口金本体に固設される付勢部と、
この付勢部に固設され、該付勢部の付勢力によって移動される保持部材と、
この保持部材の移動に伴って径寸法が変化する連通孔を備えて構成された口金接続部を有する、弾性部材で構成された第1筒体と、
この第1筒体の基端部、及び前記口金本体の基端部に固設される弾性部材で構成された第2筒体と、
を具備することを特徴とする請求項1に記載の内視鏡管路洗滌装置。
【請求項3】
前記口金接続部の連通孔は連結状態調整部であって、外側から内部に向かうにしたがって、径寸法が徐々に細径になるテーパー孔であることを特徴とする請求項2に記載の内視鏡管路洗滌装置。
【請求項4】
前記口金接続部は、当該口金接続部の基端側に、細長で基端部が前記口金本体の貫通孔内に配置される連結部を突設することを特徴とする請求項2に記載の内視鏡管路洗滌装置。
【請求項5】
前記連結状態調整部は、前記第1の連結部が配設される凹部を有する弾性部材で構成された本体部であって、
前記本体部は、開閉自在で開状態おいて前記凹部と外部とを連通するスリット部を有することを特徴とする請求項1に記載の内視鏡管路洗滌装置。
【請求項6】
前記連結状態調整部は、
前記第1の連結部を構成する口金本体に一端部が固設される、樹脂製或いは金属製の細線で網状で伸縮自在に構成された網状管部と、
前記網状管部を被覆する弾性膜部と、
を具備することを特徴とする請求項1に記載の内視鏡管路洗滌装置。
【請求項7】
吸引装置の吸引口に直接、又は間接的に連通される第1の連結部と、
挿入部内に複数挿通配置されているそれぞれの管路の開口に連通する、管路毎に形状の異なる管路用口金に配設される第2の連結部と、
前記第2の連結部を、配設する管路用口金に対して連結状態にする連結状態調整部と、
を具備することを特徴とする内視鏡管路洗滌用コネクタ。
【請求項8】
前記連結状態調整部は、
前記第1の連結部を構成する口金本体と、
この口金本体に固設される付勢部と、
この付勢部に固設され、該付勢部の付勢力によって移動される保持部材と、
この保持部材の移動に伴って径寸法が変化する連通孔を備えて構成された口金接続部を有する、弾性部材で構成された第1筒体と、
この第1筒体の基端部、及び前記口金本体の基端部に固設される弾性部材で構成された第2筒体と、
を具備することを特徴とする請求項7に記載の内視鏡管路洗滌用コネクタ。
【請求項9】
前記口金接続部の連通孔は連結状態調整部であって、外側から内部に向かうにしたがって、径寸法が徐々に細径になるテーパー孔であることを特徴とする請求項8に記載の内視鏡管路洗滌用コネクタ。
【請求項10】
前記口金接続部は、当該口金接続部の基端側に、細長で基端部が前記口金本体の貫通孔内に配置される連結部を突設することを特徴とする請求項8に記載の内視鏡管路洗滌用コネクタ。
【請求項11】
前記連結状態調整部は、前記第1の連結部が配設される凹部を有する弾性部材で構成された本体部であって、
前記本体部は、開閉自在で開状態おいて前記凹部と外部とを連通するスリット部を有することを特徴とする請求項7に記載の内視鏡管路洗滌用コネクタ。
【請求項12】
前記連結状態調整部は、
前記第1の連結部を構成する口金本体に一端部が固設される、樹脂製或いは金属製の細線で網状で伸縮自在に構成された網状管部と、
前記網状管部を被覆する弾性膜部と、
を具備することを特徴とする請求項7に記載の内視鏡管路洗滌用コネクタ。
【請求項1】
吸引口を備える吸引装置と、
前記吸引口に直接的、或いは間接的に連通される第1の連結部、及び内視鏡の挿入部内に複数挿通配置されているそれぞれの管路の開口に連通する、管路毎に形状の異なる管路用口金に連結される連結状態調整部を有する第2の連結部を有する内視鏡管路洗滌用コネクタと、
を具備することを特徴とする内視鏡管路洗滌装置。
【請求項2】
前記連結状態調整部は、
前記第1の連結部を構成する口金本体と、
この口金本体に固設される付勢部と、
この付勢部に固設され、該付勢部の付勢力によって移動される保持部材と、
この保持部材の移動に伴って径寸法が変化する連通孔を備えて構成された口金接続部を有する、弾性部材で構成された第1筒体と、
この第1筒体の基端部、及び前記口金本体の基端部に固設される弾性部材で構成された第2筒体と、
を具備することを特徴とする請求項1に記載の内視鏡管路洗滌装置。
【請求項3】
前記口金接続部の連通孔は連結状態調整部であって、外側から内部に向かうにしたがって、径寸法が徐々に細径になるテーパー孔であることを特徴とする請求項2に記載の内視鏡管路洗滌装置。
【請求項4】
前記口金接続部は、当該口金接続部の基端側に、細長で基端部が前記口金本体の貫通孔内に配置される連結部を突設することを特徴とする請求項2に記載の内視鏡管路洗滌装置。
【請求項5】
前記連結状態調整部は、前記第1の連結部が配設される凹部を有する弾性部材で構成された本体部であって、
前記本体部は、開閉自在で開状態おいて前記凹部と外部とを連通するスリット部を有することを特徴とする請求項1に記載の内視鏡管路洗滌装置。
【請求項6】
前記連結状態調整部は、
前記第1の連結部を構成する口金本体に一端部が固設される、樹脂製或いは金属製の細線で網状で伸縮自在に構成された網状管部と、
前記網状管部を被覆する弾性膜部と、
を具備することを特徴とする請求項1に記載の内視鏡管路洗滌装置。
【請求項7】
吸引装置の吸引口に直接、又は間接的に連通される第1の連結部と、
挿入部内に複数挿通配置されているそれぞれの管路の開口に連通する、管路毎に形状の異なる管路用口金に配設される第2の連結部と、
前記第2の連結部を、配設する管路用口金に対して連結状態にする連結状態調整部と、
を具備することを特徴とする内視鏡管路洗滌用コネクタ。
【請求項8】
前記連結状態調整部は、
前記第1の連結部を構成する口金本体と、
この口金本体に固設される付勢部と、
この付勢部に固設され、該付勢部の付勢力によって移動される保持部材と、
この保持部材の移動に伴って径寸法が変化する連通孔を備えて構成された口金接続部を有する、弾性部材で構成された第1筒体と、
この第1筒体の基端部、及び前記口金本体の基端部に固設される弾性部材で構成された第2筒体と、
を具備することを特徴とする請求項7に記載の内視鏡管路洗滌用コネクタ。
【請求項9】
前記口金接続部の連通孔は連結状態調整部であって、外側から内部に向かうにしたがって、径寸法が徐々に細径になるテーパー孔であることを特徴とする請求項8に記載の内視鏡管路洗滌用コネクタ。
【請求項10】
前記口金接続部は、当該口金接続部の基端側に、細長で基端部が前記口金本体の貫通孔内に配置される連結部を突設することを特徴とする請求項8に記載の内視鏡管路洗滌用コネクタ。
【請求項11】
前記連結状態調整部は、前記第1の連結部が配設される凹部を有する弾性部材で構成された本体部であって、
前記本体部は、開閉自在で開状態おいて前記凹部と外部とを連通するスリット部を有することを特徴とする請求項7に記載の内視鏡管路洗滌用コネクタ。
【請求項12】
前記連結状態調整部は、
前記第1の連結部を構成する口金本体に一端部が固設される、樹脂製或いは金属製の細線で網状で伸縮自在に構成された網状管部と、
前記網状管部を被覆する弾性膜部と、
を具備することを特徴とする請求項7に記載の内視鏡管路洗滌用コネクタ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【公開番号】特開2009−89795(P2009−89795A)
【公開日】平成21年4月30日(2009.4.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−261230(P2007−261230)
【出願日】平成19年10月4日(2007.10.4)
【出願人】(304050923)オリンパスメディカルシステムズ株式会社 (1,905)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年4月30日(2009.4.30)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年10月4日(2007.10.4)
【出願人】(304050923)オリンパスメディカルシステムズ株式会社 (1,905)
【Fターム(参考)】
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