説明

内視鏡装着具

【課題】内視鏡の挿入部の可撓性を維持し、湾曲部の湾曲動作を円滑に行わせる。
【解決手段】前後に分割された第1、第2の2つの伝達部11a、11bにより1つの回転体34を駆動する。回転体34は、第1、第2伝達部11a、11bのそれぞれに設けられたウォームホイール42の回転に追従して回転する。回転体34は、ウォームホイール42を挟んで外側部分と内側部分とに区分され、外側部分の弛み率が内側部分の弛み率よりも小さくなるように構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、湾曲部を有する内視鏡の挿入部に装着されて使用される内視鏡装着具に関する。
【背景技術】
【0002】
体内管路、例えば大腸に内視鏡を挿入する手技は、大腸が体内で曲がりくねった構造であり、S状結腸や横行結腸のように体腔に固定されていない部分があるといった理由から困難を窮める。このため、大腸への内視鏡の挿入手技の習得には多くの経験を必要とし、挿入手技が未熟である場合には、患者に大きな苦痛を与えてしまう。
【0003】
このため、特許文献1では、容易に挿入手技を行うことができるように、腸管内で内視鏡を挿入方向に推進させる自己推進型の装着具が提案されている。これによれば、トロイダル状の回転体を循環転動させ、内視鏡にその挿入方向への推進力を付与することより、内視鏡を腸管深部へと誘導することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特表2009−513250号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の装着具は、回転体の保持部(支持構造およびハウジング構造)が湾曲する構成とはなっていない。また、回転体の保持部は、挿入部の長軸方向と平行に長く形成されている。このため、装着具の装着により、湾曲部の湾曲動作に支障が生じ、また、挿入部の可撓性が部分的に失われ、挿入手技がかえって困難となるおそれがある。
【0006】
また、特許文献1に記載の装着具は、回転体の弛みについて考慮されていない。このため、仮に、特許文献1記載の装着部において、保持部を湾曲する構造としても、回転体により湾曲部の湾曲動作が妨げられてしまうといった問題もある。つまり、回転体は柔軟ではあるが、回転体の伸縮量が大きいと内視鏡へ十分な推進力を付与できないので、回転体の伸縮量は小さく設定されている(回転体は、ほとんど伸縮しない)。このため、回転体に適度な弛みが無いと、湾曲中心軸の外側にある回転体の長さが足りずに湾曲動作が妨げられてしまう場合がある。
【0007】
本発明は上述の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、内視鏡の挿入部の可撓性を維持し、湾曲部の湾曲動作を円滑に行わせることにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明の内視鏡装着具は、内視鏡の挿入部に取り付けられ、外部の駆動源から動力が与えられて前記内視鏡を検査孔内で進退させる自己推進型の内視鏡装着具であって、前記湾曲部の軸方向に沿って循環転動する中空トロイダル状の回転体と、前記湾曲部の軸方向前後に並べて配置され、前記駆動源からの動力を前記回転体に伝達する第1、第2伝達機構とを備え、前記第1伝達機構は、前記軸方向の前端側に配置され、前記第2伝達機構と弾性体を介して連結され、前記第2伝達機構は、前記軸方向の後端側に配置され、前記駆動源から動力の供給を受けるとともに、供給された動力を前記弾性体を介して前記第1伝達機構に伝達し、前記第1、第2伝達機構は、前記湾曲部が挿通される円筒状の支持部材と、前記支持部材を覆う円筒状に形成され、前記駆動源から動力を供給されて前記湾曲部の軸を中心に前記支持部材の周面に摺接して回転する円筒状のウォームギアと、前記ウォームギアを覆う第1筒体と、前記第1筒体の周面を貫通する貫通孔に取り付けられて前記ウォームギアと噛合し、前記ウォームギアの回転に伴って前記湾曲部の軸と直交する軸を中心に回転するウォームホイールと、前記第1筒体を覆うように前記回転体の内部に配置され、前記ウォームホイールとの間で前記回転体を挟み込む第2筒体とをそれぞれ備えるとともに、前記第1伝達部のウォームホイールから前記第1、第2伝達部の第2筒体の外側を回って前記第2伝達部のウォームホイールに到達するまでの間に存在する前記回転体の回転方向の長さを、回転体の外側部分の長さとし、前記湾曲部が湾曲していない状態において、前記第1伝達部のウォームホイールから前記第1、第2伝達部の第2筒体の外側を回って前記第2伝達部のウォームホイールに到達するまでのウォームホイール間の距離を、ウォームホイール間の外回り距離とし、前記回転体の外側部分の長さから、前記ウォームホイール間の外回り距離を引いた値を、回転体外側部分の弛み量Eとし、回転体外側部分の弛み量Eを、前記湾曲部が湾曲していない状態における前記ウォームホイール間の外回り距離で割った値を、回転体外側部分の弛み率rとし、さらに、前記第1伝達部のウォームホイールから前記第1、第2伝達部の第2筒体の内側を通って前記第2伝達部のウォームホイールに到達するまでの間に存在する前記回転体の回転方向の長さを、回転体の内側部分の長さとし、前記第1伝達部のウォームホイールから前記第1、第2伝達部の第2筒体の内側を通って前記第2伝達部のウォームホイールに到達するまでのウォームホイール間の距離を、ウォームホイール間の内回り距離とし、前記回転体の内側部分の長さから、前記ウォームホイール間の内回り距離を引いた値を、回転体内側部分の弛み量Eとし、回転体内側部分の弛み量Eを、前記湾曲部が湾曲していない状態における前記ウォームホイール間の内回り距離で割った値を、回転体内側部分の弛み率rとしたときに、r<rを満たすように、前記回転体を構成したことを特徴としている。
【0009】
前記第1伝達部の第2筒体の前端から前記第2伝達部の第2筒体の後端までの距離をL、前記ウォームホイール間の内回り距離をL、前記湾曲部が湾曲した際に前記湾曲部の中心線の描く円弧の半径をR、前記第2筒体の直径をD、前記第1、第2伝達部のウォームホイールの回転位相差により生じる前記回転体の内側部分の長さの変化量をαとしたときに、r≧(D/2R)+(α/(2L−L))を満たすように、前記回転体を構成してもよい。
【0010】
また、前記第1伝達部の第2筒体の前端から前記第2伝達部の第2筒体の後端までの距離をL、前記ウォームホイール間の内回り距離をL、前記湾曲部が湾曲した際に前記湾曲部の中心線の描く円弧の半径をR、前記第2筒体の直径をD、前記第1、第2伝達部のウォームホイールの回転位相差により生じる前記回転体の内側部分の長さの変化量をαとしたときに、r≧(D/2R)+(α/L)を満たすように、前記回転体を構成してもよい。
【0011】
さらに、前記弾性体は、巻き径の異なる三つのコイルバネからなるとともに巻き方向が順に逆向きになるように三層に組み合わされた三層コイルバネから構成されるものでもよい。
【0012】
また、前記第1、第2伝達部のいずれか一方のみを前記湾曲部に固定してもよい。
【0013】
さらに、前記第1、第2伝達部の両方を前記湾曲部に固定してもよい。
【0014】
また、前記弾性体を覆うとともに可撓性を有するカバーを取り付けてもよい。
【0015】
さらに、前記弾性体により前記第1伝達部の前記ウォームギアの後端部と前記第2伝達部の前記ウォームギアの先端部とを連結し、前記第2伝達部の前記ウォームギアを前記駆動源からの動力で回転させてもよい。
【0016】
また、一対の前記従動ローラを設けるとともに、一対の前記従動ローラの間に前記ウォームホイールを配置してもよい。
【0017】
さらに、前記回転体は不浸透性の材料で形成されるとともに、前記回転体内部には液体が封入されているものでもよい。
【0018】
また、前記回転体は不浸透性の材料で形成されるとともに、前記回転体内部にはゲルが封入されているものでもよい。
【0019】
さらに、前記回転体は、生体適合プラスチックで形成されているものでもよい。
【0020】
また、前記第1、第2伝達機構は、遠隔操作されるものでもよい。
【発明の効果】
【0021】
本発明の内視鏡装着具は、2つの伝達機構を弾性体により連結することにより、回転体の保持部に十分な可撓性を持たせるとともに、弛み量を考慮して回転体を構成したので、内視鏡の挿入部の可撓性を維持し、湾曲部の湾曲動作を円滑に行わせることができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】内視鏡システムの概略図である。
【図2】自己推進装置を電子内視鏡に装着した状態を示す斜視図である。
【図3】自己推進装置の分解斜視図である。
【図4】自己推進装置の断面図である。
【図5】自己推進装置が湾曲していないときの回転体の様子を示す説明図である。
【図6】自己推進装置が湾曲したときの回転体の様子を示す説明図である。
【図7】中心が半径Rの円弧に沿うように長さL直径Dの円柱が角度θで湾曲した様子を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
図1において、内視鏡システム2は、電子内視鏡10および自己推進装置11を備える。電子内視鏡10は、手元操作部12と、この手元操作部12に連設され、体内管路(例えば大腸)に挿入される挿入部13とを備える。手元操作部12にはユニバーサルコード14が接続され、ユニバーサルコード14の先端には光源装置およびプロセッサ装置(いずれも図示せず)にそれぞれ着脱自在に接続されるコネクタ(図示せず)が設けられている。
【0024】
手元操作部12には、アングルノブ15や、挿入部13の先端からエアー、水を噴出させるための送気・送水ボタン16、吸引ボタン17等が設けられている。また、手元操作部12の挿入部13側には、電気メス等の処置具が挿通される鉗子口18が設けられている。
【0025】
挿入部13は、手元操作部12側から順に、可撓性を有する軟性部19と、湾曲自在な湾曲部20と、先端硬性部21とからなる。軟性部19は、先端硬性部21を体内管路の目的の位置に到達させるために数mの長さをもつ。湾曲部20は、手元操作部12のアングルノブ15の操作に連動して上下、左右方向に湾曲動作する。これにより、先端硬性部21を体内の所望の方向に向けることができる。
【0026】
先端硬性部21には、体内の被観察部位の像を取り込むための観察窓30(図2参照)、対物光学系、および被観察部位の像を撮像するCCDやCMOSイメージセンサ等の固体撮像素子が設けられている。固体撮像素子は、挿入部13、手元操作部12、ユニバーサルコード14に挿通された信号ケーブルにてプロセッサ装置に接続される。被観察部位の像は、固体撮像素子の受光面に結像されて撮像信号に変換される。プロセッサ装置は、信号ケーブルを介して受けた固体撮像素子からの撮像信号に各種画像処理を行って映像信号に変換し、これをケーブル接続されたモニタ(図示せず)に観察画像として表示させる。
【0027】
図2において、先端硬性部21には、光源装置の照射光源からの照明光を被観察部位に照射するための照明窓31や、送気・送水ボタン16の操作に応じて、光源装置に内蔵の送気・送水装置から供給されるエアーや水を観察窓に向けて噴射するための送気・送水ノズル32、鉗子口18に挿通された処置具の先端が露呈される鉗子出口33が設けられている。
【0028】
図1に戻り、自己推進装置11は、電子内視鏡10に装着され、体内管路内における電子内視鏡10の挿入部13の進退を補助する装置である。自己推進装置11は、動力源22により駆動される。動力源22は、自己推進装置11へ駆動力を伝達するトルクワイヤ49(図3参照)と連結されている。トルクワイヤ49は、全長に亘って保護シース23の内部に挿通されている。動力源22の駆動により、トルクワイヤ49は、保護シース23内で回動する。
【0029】
自己推進装置11の後端には、挿入部13の軸(挿入軸A)の方向に伸縮自在なオーバーチューブ24が接続されている。オーバーチューブ24は、挿入部13とトルクワイヤ49(保護シース23)とに一体性を持たせる為に設けられ、挿入部13、及び、保護シース23は、ともにオーバーチューブ24に挿通される。
【0030】
動力源22は制御装置(図示せず)により制御され、制御装置には操作ユニット(図示せず)が付属している。操作ユニットは、自己推進装置11の前進・後進・停止の指示を入力するためのボタンや、自己推進装置11の移動速度を変更するための速度変更ボタン等を備える。なお、観察対象等に応じたプログラムを予め組んでおき、操作ユニットの手動操作なしに、プログラムに従って動力源22を駆動し、自己推進装置11を自動操縦してもよい。
【0031】
図2において、自己推進装置11は、回転体34を備えている。回転体34は、中空トロイダル状(チューブの両端を繋いで円環状とした浮き輪のような形状)に形成されており、内部には液体が封入されている(図4参照)。回転体34は、外部の異物が内部に侵入したり内部に封入された液体が外部へ漏れ出ないように不浸透性を有するとともに、スムーズに循環駆動できるように柔軟性を有する生体適合プラスチックで形成されている。生体適合プラスチックとしてはポリ塩化ビニルが用いられている。なお、ポリ塩化ビニルに代えてポリアミド樹脂、フッ素樹脂、ポリウレタン樹脂等を用いることもできる。また、液体に代えてゲルやガス又はこれらを組み合わせて封入することもできる。
【0032】
自己推進装置11は、後述する支持部材45(図3、4参照)が挿入部13に嵌合されることにより、挿入部13に対して位置ずれしないように固定される。そして、自己推進装置11は、挿入部13に対して固定された状態で回転体34を挿入軸Aの軸方向に沿って循環転動させる。回転体34が循環転動されているときにその外表面34aが体内管路の内壁に接触すると、挿入部13が回転体24により牽引され、回転体24とともに挿入軸Aに沿って推進する。挿入部13をその挿入方向に推進させる場合、外側に露呈している外表面34aが挿入部13の挿入方向と反対方向に移動するように回転体34が循環転動される。逆に、挿入部13を挿入方向と反対方向に推進させる場合には、外側に露呈している外表面34aが挿入部13の挿入方向と同一方向に移動するように回転体34が循環転動される。
【0033】
図3、図4において、自己推進装置11は、動力源22から供給された動力を回転体34に伝達する第1伝達部11aと第2伝達部11bとを備えている。第1伝達部11aと第2伝達部11bとは、電子内視鏡10の挿入部13の湾曲部20に取り付けられる。そして、第1伝達部11aが前方側、第2伝達部11bが後方側に配置されている。
【0034】
第1伝達部11aと第2伝達部11bとは、それぞれ第1筒体40と第2筒体41とを備えている。第1筒体40と第2筒体41とはともに円筒状に形成されており、挿入軸Aの軸方向に関する長さが同一になっている。また、第1筒体40のほうが第2筒体41よりも小径になっており、第1筒体40は第2筒体41内に収納され、第2筒体41によって覆われる。なお、図3では回転体34の図示を省略している。
【0035】
第1筒体40の周面に形成された貫通孔40aには、挿入軸Aと直交する軸を中心に回転するウォームホイール42が取り付けられている。ウォームホイール42は、挿入軸Aの軸方向に関して第1筒体40の中央に配置されており、第1筒体40の周方向に120°間隔で3つ取り付けられている。
【0036】
一方、第2筒体41の周面に形成された貫通孔41aには、ウォームホイール42の中心軸と平行な軸を中心に回転する一対の従動ローラ43が、第2筒体41の周方向に120°間隔で取り付けられている。第1筒体40を第2筒体41に収納すると、各一対の従動ローラ43間に各ウォームホイール42が入り込むように、第2筒体41と第1筒体40との相対的な位置決めがなされている。回転体34は、第2筒体41の全周にわたってその両端の孔を通して巻回されている。回転体34は、ウォームホイール42と従動ローラ43とによって狭持される。各従動ローラ43は回転体34の内表面34bに当接し、回転体34の循環転動に従動して回転する。
【0037】
第1筒体40内には円筒状のウォームギア44が収納されている。ウォームギア44は、円筒状の支持部材45に嵌め込まれている。支持部材45には電子内視鏡10の挿入部13が嵌め込まれて支持部材45は挿入部13に固定される。支持部材45を挿入部に嵌め込んだ状態では第1伝達部11aの支持部材45から先端硬性部21が突出した状態になる。ウォームギア44は、その外周面にギア歯が形成されており、支持部材45の外周面に摺接しながら挿入軸Aを中心に回転する。このウォームギア44にはウォームホイール42が噛合されており、ウォームギア44の回転に連動してウォームホイール42が回転する。
【0038】
第2伝達部11bは、後蓋46を備えている。後蓋46は、円環状に形成されており、第2伝達部11bの支持部材45の後端部外周に嵌合されて固定される。また、後蓋46の外周には、第2伝達部11bの第1筒体40の後端部が嵌合されて固定される。このように、第2伝達部11bでは、後蓋46を介して第1筒体40と支持部材45とが一体化(第1筒体40が支持部材45に対して固定)されている。
【0039】
第2伝達部11bのウォームギア44の後端部には、挿入軸Aの軸周りに複数のギア歯が配列された従動ギア47が形成されている。後蓋46にはピニオンギア48が取り付けられている。ピニオンギア48の中心軸は挿入軸Aと平行になっている。従動ギア47にはピニオンギア48が噛合している。ピニオンギア48はトルクワイヤ49に接続されている。これにより、ピニオンギア48はトルクワイヤ49に連動して回転する。トルクワイヤ49は、巻き径の異なる三つのコイルバネからなり、巻き方向が順に逆向きになるように三層に組み合わされている。このことから、トルクワイヤ49は、両回転方向のうちいずれの方向に回転しても動力を伝達することができる。ピニオンギア48が回転すると、これに連動して従動ギア47が回転する。
【0040】
第1伝達部11aは、前蓋50を備えている。前蓋50は、円環状に形成されており、第1伝達部11aの支持部材45の前端部外周に嵌合されて固定される。また、前蓋50の外周には、第1伝達部11aの第1筒体40の前端部が嵌合されて固定される。このように、第1伝達部11aでは、後蓋46を介して第1筒体40と支持部材45とが一体化(第1筒体40が支持部材45に対して固定)されている。
【0041】
第1伝達部11aのウォームギア44の後端部には一段下った段差が付けられており、第2伝達部11bのウォームギア44の前端部には一段下った段差が付けられている。そして、各ウォームギア44の段差部分には連結スリーブ51が一方側から嵌め込まれている。それぞれの連結スリーブ51の他方側には連結用三層コイルバネ52の一端部が嵌め込まれている。連結スリーブ51及び連結用三層コイルバネ52はウォームギア44と一体に回転する。これにより、第2伝達部11bのウォームギア44の回転力が第1伝達部11aのウォームギア44に伝達される。
【0042】
連結用三層コイルバネ52は、最外層の第一コイルバネ52aと、第一コイルバネ52aの内径とほぼ等しい外径を有する第二コイルバネ52bと、第二コイルバネ52bの内径とほぼ等しい外径を有する第三コイルバネ52cとから構成されている。第一〜第三コイルバネ52a〜52cは巻き方向が順に逆向きになるように三層に組み合わされている。具体的には、第一コイルバネ52aと第三コイルバネ52cとは反時計方向に巻かれており、第二コイルバネ52bは時計方向に巻かれている。
【0043】
このため、連結スリーブ51の回転に伴って連結用三層コイルバネ52が反時計方向に回転すると、第一コイルバネ52aと第三コイルバネ52bとが内側に締め付けられるとともに第二コイルバネ52bが外側に緩められる。これにより、第一コイルバネ52aと第二コイルバネ52bとが締め付け合って高効率で回転力を伝達できる。また、連結スリーブ51の回転に伴って連結用三層コイルバネ52が時計方向に回転すると、第一コイルバネ52aと第三コイルバネ52bとが外側に緩められるとともに第二コイルバネ52bが内側に締め付けられる。これにより、第二コイルバネ52bと第三コイルバネ52cが締め付け合って高効率で回転力を伝達できる。なお、トルクワイヤ49も連結用三層コイルバネ52と同様に3層のコイルバネで構成してもよい。
【0044】
それぞれの連結スリーブ51には、挿入部13の軸方向に関して可撓性を有する管状のカバー53の一端が取り付けられている。連結用三層コイルバネ52はカバー53によって覆われている。これにより、コイルバネ52に体液などが付着することを防止している。なお、図3ではカバー53の図示は省略している。
【0045】
自己推進装置11は、連結用三層コイルバネ52の第一、第二、第三の各コイルバネ52a、52b、52cが線間密着しないように、第1、第2伝達部11a、11b間の距離が調節されて挿入部13に固定される。そして、自己推進装置11は、挿入部13が湾曲すると、連結用三層コイルバネ52の内側が縮むとともに外側が伸びることにより、挿入部13の湾曲に追従して湾曲する。
【0046】
上述のように、本発明の自己推進装置11は、第1、第2の2つの伝達部11a、11bを連結用三層コイルバネ52によって連結した。このため、回転体34の保持機構については十分な可撓性を有している。しかし、回転体34はほとんど伸縮しないので、回転体34の弛みが適切でないと回転体34の保持機構のスムーズな湾曲の妨げとなってしまう。
【0047】
また、回転体34は、第1、第2伝達部11a、11bのそれぞれに設けられたウォームホイール42の回転に追従して移動する(ウォームホイール42が空回りしない)ように構成されている。このため、回転体34の弛みを決定する際には、ウォームホイール42を挟んで回転体34の内側部分と外側部分とのそれぞれの部分について、弛みを決定する必要がある。
【0048】
図5、図6に示すように、回転体34の外側部分とは、回転体34のうち、第1伝達部11aのウォームホイール42から挿入方向先端側へ向かい、第1伝達部11aの第2筒体41及び第2伝達部11bの第2筒体41の外側を回って、挿入方向後端側から第2伝達部11bのウォームホイール42に到達するまでの部分(図5、図6において破線で囲まれた部分)である。また、回転体34の内側部分とは、回転体34のうち、第1伝達部11aのウォームホイール42から挿入方向後端側へ向かい、第1伝達部11aの第2筒体41及び第2伝達部11bの第2筒体41の内側を通って、挿入方向先端側から第2伝達部11bのウォームホイール42に到達するまでの部分(図5、図6において二点鎖線で囲まれた部分)である。
【0049】
なお、回転体34の内側部分と外側部分との弛みを決定するにあたり、第2筒体41の外径と内径の平均値をDとした。さらに、第1伝達部11aの第2筒体41の挿入方向先端から、第2伝達部11bの第2筒体41の挿入方向後端までの長さをLとし、第1伝達部11aのウォームホイール42と第2伝達部11bのウォームホイール42との間の距離(ウォームホイール間の内回り距離)をLとした。また、回転体34は、中心が半径Rの円弧に沿って湾曲するものとした。
【0050】
さらに、回転体34は、外側部分も内側部分も共に自己推進装置11の中心からD/2だけ離れた位置を通るものとした。すなわち、回転体34は、挿入方向と垂直な方向において厚みがないものとし(図7参照)、自己推進装置11が湾曲していない状態において、回転体34の一週分として最低限必要な長さが2L、回転体34の外側部分として最低限必要な長さ(ウォームホイール間の外回り距離)が(2L−L)、回転体34の内側部分として最低限必要な長さ(ウォームホイール間の内回り距離)がLとした(図5参照)。また、自己推進装置11の湾曲の有無によらず、自己推進装置11の中心の長さは変化しないものとした。
【0051】
ここで、図7(A)に示すように、回転体34に見立てた、長さL、直径Dの円柱60が、同図(B)に示すように、中心が半径Rの円弧に沿うように角度θで湾曲した場合、湾曲後の円柱60の中心長はRθであり、湾曲の前後で円柱60の中心長がLで一定とすると、
L=Rθ
の関係が成り立つので、ここからθを求めると、
θ=L/R(式1)
となる。
また、湾曲後の円柱60の外側部分(円柱60の中心からD/2だけ湾曲方向外側に離れた部分)の長さLは、
=(R+(D/2))θ(式2)
である。
式1と式2とからθを消去すると、
=((R+(D/2))L/R)
=L+(DL/2R)
となる。
湾曲前の円柱60の外側部分の長さはLなので、湾曲による円柱60の外側部分の長さの変化量Eは、
E=L−L
=L+(DL/2R)−L
=DL/2R
となる。
このように、中心長L、直径Dの円柱60が半径Rで湾曲すると、円柱60の外側部分、すなわち、半径Rの円弧から「D/2」だけ湾曲方向外側に離れた地点では、「DL/2R」だけ元の長さLよりも長くなる(元の長さの「D/2R」倍だけ、元の長さよりも長くなる)。
【0052】
上述した図7の例と、自己推進装置11において回転体34がほとんど伸縮しないことを考慮すると、本発明では、中心が半径Rの円弧に沿うように自己推進装置11が湾曲する場合、自己推進装置11の中心からD/2だけ外側を通る回転体34の長さを、元の長さ(自己推進装置11が湾曲していない状態における最低限必要な長さ)に対して予め「D/2R」倍だけ長くしておく(回転体34に弛みを持たせておく)必要がある。
【0053】
そして、自己推進装置11が湾曲していない状態において、回転体34の外側部分として最低限必要な長さは、
2L−L
であるので([0050]参照)、中心が半径Rの円弧に沿うように自己推進装置11が屈曲した場合に、回転体34の内側部分に必要な弛み量Eを求めると、
≧(2L−L)D/2R
である。
【0054】
同様に、自己推進装置11が湾曲していない状態において、回転体34の内側部分として最低限必要な長さは、

であるので、中心が半径Rの円弧に沿うように自己推進装置11が屈曲した場合に、回転体34の内側部分に必要な弛み量Eを求めると、
≧LD/2R
である。
【0055】
しかし、上述のようにして算出された弛み量は、屈曲させるために最低限必要な弛み量であり、第1、第2伝達部11a、11bのウォームホイール42の回転位相のずれが考慮されていない。すなわち、自己推進装置11では、第2伝達部11bに供給した駆動力を連結用三層コイルバネ52により第1伝達部11aへと伝達するので、効率良く駆動力を伝達できるものの、第1伝達部11aのウォームホイール42へは、第2伝達部11bのウォームホイール42よりも僅かに遅れて駆動力が伝達される。このため、第1、第2伝達部11a、11bの各ウォームホイール42間には僅かに回転位相ずれが生じる。これにより、自己推進装置11を前進または後退させる際に、回転体34の外側部分と内側部分の弛み量に一時的に変化が生じる。
【0056】
このようなウォームホイール42の回転位相のずれを考慮することで、よりスムーズな湾曲が可能となる。このため、ウォームホイール42の回転位相のずれによる弛み量の一時的な変化量(回転体の内側部分の長さの変化量)をαとして、先に算出した回転体34の外側部分に必要な弛み量E及び回転体34の内側部分に必要な弛み量Eに加算すると、弛み量E、Eは以下の式により表される。
≧((2L−L)D/2R)+α
≧(LD/2R)+α
【0057】
続いて、上記のように算出した回転体34の外側部分の弛み量Eに基づいて、回転体34の外側部分の弛み率r(Eを、自己推進装置11が湾曲していない状態において回転体34の外側部分として最低限必要な長さ2L−Lで割った値)を求めると、
≧E/(2L−L
≧(D/2R)+(α/(2L−L))
となる。
【0058】
同様に、回転体34の内側部分の弛み率r(Eを、自己推進装置11が湾曲していない状態において回転体34の内側部分として最低限必要な長さLで割った値)を求めると、
≧E/L
≧(D/2R)+(α/L
【0059】
ここで、L>Lであるから、
<r
である。
【0060】
自己推進装置11では、上述したような回転体34の弛みを考慮し、r<rを満たすように、回転体34を構成している。これにより、自己推進装置11は、湾曲部20の湾曲に追従してスムーズに湾曲する。
【0061】
なお、r<rを満たすだけでなく、r≧(D/2R)+(α/(2L−L))、及び、r≧(D/2R)+(α/L)の一方または両方も満たすように回転体34を構成してもよい。こうすれば、よりスムーズな湾曲が可能となる。
【0062】
さらに、L、L、D、α、R、の具体的な値は、以下の範囲であることが好ましい。
20mm ≦L≦60mm
10mm ≦L≦50mm
15mm ≦D ≦30mm
0.1mm≦α ≦ 2mm
15mm ≦R
【0063】
上記のように構成された内視鏡システム2の作用について説明する。まず、電子内視鏡10の挿入部13にオーバーチューブ24を取り付けるとともに支持部材45に挿入部13を挿通して自己推進装置11を挿入部13に取り付ける。
【0064】
オーバーチューブ24および自己推進装置11の取り付け後、プロセッサ装置、光源装置、制御装置等の電源をオンして、次いで患者情報等を入力する。その後、電子内視鏡10の挿入部13を患者の体内管路に挿入する。
【0065】
先端硬性部21が体内管路の所定位置、例えばS状結腸の手前まで進められた後、操作ユニットを操作して自己推進装置11の動力源22の電源をオンする。電源のオン後、操作ユニットのボタン操作により前進指示を入力すると、動力源22により駆動力が与えられたトルクワイヤ49が所定方向に回転する。第2伝達部11bでは、トルクワイヤ49の回転に連動してピニオンギア48が回転し、ピニオンギア48の回転に連動してウォームギア44が回転する。第2伝達部11bでウォームギア44が回転すると連結用三層コイルバネ52が一体に回転し、第1伝達部11aのウォームギア44も併せて回転する。本実施形態では、第2伝達部11bのウォームギア44の回転力を連結用三層コイルバネ52によって伝達しているため、第1伝達部11aのウォームギア44に対して効率良く回転力を伝達できる。
【0066】
第1伝達部11a及び第2伝達部11bともにウォームギア44が回転すると、これに連動してウォームホイール42が回転する。ウォームホイール42が回転すると回転体34が循環転動する。回転体34の外表面34aが体内管路の内壁に接触している状態のとき、自己推進装置11は挿入部13の挿入方向に前進する。これに伴い、先端硬性部21が体内管路の内壁に沿って前進する。
【0067】
操作ユニットのボタン操作により速度変更指示が入力されると、動力源22によりトルクワイヤ49の回転速度が変化し、自己推進装置11の前進速度が変化する。また、操作ユニットのボタン操作により後進指示が入力されると、動力源22によりトルクワイヤ49が逆回転して自己推進装置11が後進する。これに伴い、先端硬性部21が体内管路の内壁に沿って後進する。操作ユニットのボタン操作により停止指示が入力されると、動力源22の駆動が停止して自己推進装置11も停止する。以上の操作を適宜行うことにより、先端硬性部21を体内管路の所望の位置まで推進させることができる。
【0068】
術者は、適宜アングルノブ15を操作して電子内視鏡10の湾曲部20を湾曲させ、先端硬性部21を所望の方向に向ける。自己推進装置11は、第1伝達部11aと第2伝達部11bとが連結用三層コイルバネ52で連結されているため、連結用三層コイルバネ52がその可撓性によって湾曲部20とともに湾曲し、第1伝達部11aと第2伝達部11bとが湾曲部20の湾曲に追従する。
【0069】
また、自己推進装置11は、回転体34の内側部分の弛み率rが回転体34の外側の部分の弛み率rよりも大きくなるように回転体34を構成しているので、回転体34が自己推進装置11の湾曲動作を妨げてしまうことが無い。これにより、自己推進装置11は、湾曲部20の湾曲動作に追従してスムーズに湾曲できる。
【0070】
なお、本発明は、r<rを満たすように、回転体を構成すればよいので、細部の構成は上記実施形態に限定されることなく適宜変更できる。例えば、上記実施形態では三層コイルバネを用いて伝達部を連結する例で説明をしたが、本発明はこれに限定されるものではない。伝達部に与えられた動力を連結先の伝達部に伝達するとともに挿入部の軸の軸方向での可撓性を有する部材であれば、例えば一層のコイルバネやゴム性の管を用いて伝達部を連結してもよい。
【0071】
さらに、上記実施形態では、第1伝達部と第2伝達部との両方を挿入部に固定する例(第1、第2伝達部で共通の支持部材を用いた例(図4の符号45参照))で説明をしたが、本発明はこれに限定されるものではない。第1、第2伝達部は少なくとも一方が挿入部に固定されればよいので、一方の支持部材の内径を挿入部の外径とほぼ等しくして挿入部に固定されるようにし、他方の支持部材の内径を挿入部の外径よりも大きく形成して移動可能としてもよい。
【0072】
また、上記実施形態では、自己推進装置が湾曲しても自己推進装置の中心の長さが変化しない例、すなわち、自己推進装置が湾曲していない状態において三層コイルバネが線間密着しておらず、自己推進装置が湾曲すると、三層コイルバネの外側部分が延びて内側部分が縮む例で説明をしたが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、自己推進装置が湾曲していない状態において三層コイルバネが線間密着しおり、自己推進装置が湾曲すると、三層コイルバネの外側部分だけ延びる(内側部分の長さは変化しない)、すなわち、自己推進装置が湾曲すると自己推進装置の中心の長さが変化する場合であっても本発明を適用できる。そして、この場合も上記実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0073】
なお、上記実施形態では、医療診断用の電子内視鏡の装着具に本発明を適用した例で説明をしたが、本発明はこれに限定されるものではない。工業用等その他の内視鏡や超音波プローブといった管路観察用器具の装着具に本発明を適用してもよい。
【符号の説明】
【0074】
2 内視鏡システム
10 電子内視鏡
11 自己推進装置
11a 第1伝達部
11b 第2伝達部
13 挿入部
19 軟性部
20 湾曲部
21 先端硬性部
34 回転体
35 保持部
40 第1筒体
41 第2筒体
42 ウォームホイール
51 連結スリーブ
52 連結用三層コイルバネ(弾性体)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内視鏡の挿入部に取り付けられ、外部の駆動源から動力が与えられて前記内視鏡を検査孔内で進退させる自己推進型の内視鏡装着具であって、
前記湾曲部の軸方向に沿って循環転動する中空トロイダル状の回転体と、
前記湾曲部の軸方向前後に並べて配置され、前記駆動源からの動力を前記回転体に伝達する第1、第2伝達機構とを備え、
前記第1伝達機構は、前記軸方向の前端側に配置され、前記第2伝達機構と弾性体を介して連結され、
前記第2伝達機構は、前記軸方向の後端側に配置され、前記駆動源から動力の供給を受けるとともに、供給された動力を前記弾性体を介して前記第1伝達機構に伝達し、
前記第1、第2伝達機構は、前記湾曲部が挿通される円筒状の支持部材と、前記支持部材を覆う円筒状に形成され、前記駆動源から動力を供給されて前記湾曲部の軸を中心に前記支持部材の周面に摺接して回転する円筒状のウォームギアと、前記ウォームギアを覆う第1筒体と、前記第1筒体の周面を貫通する貫通孔に取り付けられて前記ウォームギアと噛合し、前記ウォームギアの回転に伴って前記湾曲部の軸と直交する軸を中心に回転するウォームホイールと、前記第1筒体を覆うように前記回転体の内部に配置され、前記ウォームホイールとの間で前記回転体を挟み込む第2筒体とをそれぞれ備えるとともに、
前記第1伝達部のウォームホイールから前記第1、第2伝達部の第2筒体の外側を回って前記第2伝達部のウォームホイールに到達するまでの間に存在する前記回転体の回転方向の長さを、回転体の外側部分の長さとし、
前記湾曲部が湾曲していない状態において、前記第1伝達部のウォームホイールから前記第1、第2伝達部の第2筒体の外側を回って前記第2伝達部のウォームホイールに到達するまでのウォームホイール間の距離を、ウォームホイール間の外回り距離とし、
前記回転体の外側部分の長さから、前記ウォームホイール間の外回り距離を引いた値を、回転体外側部分の弛み量Eとし、
回転体外側部分の弛み量Eを、前記湾曲部が湾曲していない状態における前記ウォームホイール間の外回り距離で割った値を、回転体外側部分の弛み率rとし、
さらに、
前記第1伝達部のウォームホイールから前記第1、第2伝達部の第2筒体の内側を通って前記第2伝達部のウォームホイールに到達するまでの間に存在する前記回転体の回転方向の長さを、回転体の内側部分の長さとし、
前記第1伝達部のウォームホイールから前記第1、第2伝達部の第2筒体の内側を通って前記第2伝達部のウォームホイールに到達するまでのウォームホイール間の距離を、ウォームホイール間の内回り距離とし、
前記回転体の内側部分の長さから、前記ウォームホイール間の内回り距離を引いた値を、回転体内側部分の弛み量Eとし、
回転体内側部分の弛み量Eを、前記湾曲部が湾曲していない状態における前記ウォームホイール間の内回り距離で割った値を、回転体内側部分の弛み率rとしたときに、
<rを満たすように、前記回転体を構成したことを特徴とする内視鏡装着具。
【請求項2】
前記第1伝達部の第2筒体の前端から前記第2伝達部の第2筒体の後端までの距離をL
前記ウォームホイール間の内回り距離をL
前記湾曲部が湾曲した際に前記湾曲部の中心線の描く円弧の半径をR、
前記第2筒体の直径をD、
前記第1、第2伝達部のウォームホイールの回転位相差により生じる前記回転体の内側部分の長さの変化量をαとしたときに、
≧(D/2R)+(α/(2L−L))を満たすように、前記回転体を構成したことを特徴とする請求項1記載の内視鏡装着具。
【請求項3】
前記第1伝達部の第2筒体の前端から前記第2伝達部の第2筒体の後端までの距離をL
前記ウォームホイール間の内回り距離をL
前記湾曲部が湾曲した際に前記湾曲部の中心線の描く円弧の半径をR、
前記第2筒体の直径をD、
前記第1、第2伝達部のウォームホイールの回転位相差により生じる前記回転体の内側部分の長さの変化量をαとしたときに、
≧(D/2R)+(α/L)を満たすように、前記回転体を構成したことを特徴とする請求項1または2記載の内視鏡装着具。
【請求項4】
前記弾性体は、巻き径の異なる三つのコイルバネからなるとともに巻き方向が順に逆向きになるように三層に組み合わされた三層コイルバネから構成されることを特徴とする請求項1〜3いずれか記載の内視鏡装着具。
【請求項5】
前記第1、第2伝達部のいずれか一方のみを前記湾曲部に固定したことを特徴とする請求項1〜4いずれか記載の内視鏡装着具。
【請求項6】
前記第1、第2伝達部の両方を前記湾曲部に固定したことを特徴とする請求項1〜4いずれか記載の内視鏡装着具。
【請求項7】
前記弾性体を覆うとともに可撓性を有するカバーを取り付けたことを特徴とする請求項1〜6いずれか記載の内視鏡装着具。
【請求項8】
前記弾性体により前記第1伝達部の前記ウォームギアの後端部と前記第2伝達部の前記ウォームギアの先端部とを連結し、前記第2伝達部の前記ウォームギアを前記駆動源からの動力で回転させることを特徴とする請求項1〜7いずれか記載の内視鏡装着具。
【請求項9】
一対の前記従動ローラを設けるとともに、一対の前記従動ローラの間に前記ウォームホイールを配置したことを特徴とする請求項1〜8いずれか記載の内視鏡装着具。
【請求項10】
前記回転体は不浸透性の材料で形成されるとともに、前記回転体内部には液体が封入されていることを特徴とする請求項1〜9いずれか記載の内視鏡装着具。
【請求項11】
前記回転体は不浸透性の材料で形成されるとともに、前記回転体内部にはゲルが封入されていることを特徴とする請求項1〜9いずれか記載の内視鏡装着具。
【請求項12】
前記回転体は、生体適合プラスチックで形成されていることを特徴とする1〜11いずれか記載の内視鏡装着具。
【請求項13】
前記第1、第2伝達機構は、遠隔操作されることを特徴とする請求項1〜12いずれか記載の内視鏡装着具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−110525(P2012−110525A)
【公開日】平成24年6月14日(2012.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−262602(P2010−262602)
【出願日】平成22年11月25日(2010.11.25)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】