説明

内部空気流による推進システムを備える陸上車

本発明は、内部空気流による推進システムを備える陸上車であって、該陸上車が車体(11)および居住空間(12)を有し、前記陸上車が、該陸上車のほぼ中央で該陸上車の長手軸(18)に対して垂直に位置する平面であって、車体を陸上車の走行方向(F)に対して前方部(16)と後方部(14)に分離する平面(17)を有し、前記推進システムが、車体(11)の前方部の表面に位置する吸気口(1)を有し、吸気口(1)が、壁に沿って流れる空気を吸気する少なくとも1つの吸気回路(3)によって動く少なくとも1つの推進機(2)につながり、少なくとも1つの推進機(2)が、少なくとも1つの排気回路(4)による排気孔(5)につながり、吸気が、前記少なくとも1つの排気孔(5)を通って少なくとも1つの推進機(2)によって外部に向かって加速および排出されて車体を走行させる推進力を発生させる陸上車(10)において、吸気口がコアンダ効果で吸気するように車体(11)の前方部の表面に位置して分配されることを特徴とする陸上車に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内部空気流による推進システムを備える陸上車に関するものである。
【背景技術】
【0002】
内燃機関およびプロペラで構成される推進機で動く陸上車が知られている。このような推進システムの作動原理は、陸上車を推進するために吸気を利用することが基礎となっている。
【0003】
特許文献1には、外部の空気流を利用することを基礎とし、推進機がエンジンおよび外部プロペラで構成される推進システムが記載されている。このような推進システムを備える陸上車は、翼のない飛行機の外観をしている。空気流によって推進するこのような陸上車は、従来の陸上車と比べて次のような技術的利点がある。運動チェーンが簡易で軽快であり、推進効率が高いことに加え、ギヤボックスもクラッチボックスもなくアクセルとブレーキ制御機能のみを備えるという簡易な運動チェーンであるために操縦が簡易という点である。また、空気流によって推進するこのような陸上車にみられるもうひとつの利点は、タイヤと地面との接触状態に関係なく、陸上車を前進させるのにタイヤにかかる力がないために陸上車が動きやすく、安定性があるという点である。
【0004】
しかし、推進機の外部プロペラが構成する素子は、比較的場所をとり、騒音がうるさく、美観が劣る上に、とりわけほかの使用者にとって危険である。また、このような推進システムは、低速では非常に効率が悪く、寸法の面でも陸上車を都市や山での走行にはほとんど適応させられない。
【0005】
最近の研究で、外部プロペラによる外部空気流の代わりに、陸上車内部空気流を利用する研究が実施された。特許文献2には、外部空気の吸気が可能な陸上車の前方にプロペラ1つと吸気した空気の圧縮機に加え、圧縮した空気を排出するための排気管を2つ備える陸上車が提案されている。このような構成は、特許文献1に記載されているようなタイヤに面する外部プロペラを用いる従来の方法と、2つの排気管内に空気を流して外部に向かう推進流を得る方法との間にある妥協案である。しかし、この推進システムでは、車体にプロペラを容易に組み入れることができない。このため、このシステムは車体寸法、安全性および美観の面であまり適応性がない。そのうえ、この文献で提案されている推進システムの構成は、吸気を利用するという点では最適なものではなく、実際にこれでは直接の推進ではなく、プロペラからの流束はシリンダに隣接する2つの管に直接流れてはいないため、エネルギーの損失または空気詰まりの現象が起こるリスクが生じる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】仏国特許第FR500436号明細書
【特許文献2】仏国特許第FR2432422号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ここで生じる課題であり、本発明が解決を目指す課題は、内部空気流による推進システムを備える陸上車を提供することであり、空気流によって生じる力のみで陸上車を推進させることができるという性能だけでなく、安全性の問題や美観、外部寸法、騒音の問題が生じることもない陸上車を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この目的を達成するため、本発明は、内部空気流による推進システムを備える陸上車であって、該陸上車が車体および居住空間を有し、前記陸上車が、該陸上車のほぼ中央で該陸上車の長手軸に対して垂直に位置する平面であって、車体を陸上車の走行方向(F)に対して前方部と後方部に分離する平面を有する陸上車において、前記推進システムが、
‐ 車体の前方部の表面に位置する吸気口を有し、
‐ 前記吸気口が、壁に沿って流れる空気を吸気する少なくとも1つの吸気回路によって動く少なくとも1つの推進機につながり、
‐ 前記少なくとも1つの推進機が、少なくとも1つの排気回路によって少なくとも1つの排気孔につながり、吸気が、前記少なくとも1つの排気孔を通って少なくとも1つの推進機によって外部に向かって加速して排出されて車体を走行させる推進力を発生させる
ことを特徴とする陸上車を提供する。
【0009】
一実施形態によれば、前記少なくとも1つの排気孔は、後方部の端部表面または車体後方部の端部近辺に設けられたスリットの集合体で構成される。
【0010】
後方部の端部近辺の表面とは、車体後方部の側面パネル、底板、および屋根の表面のことである。
【0011】
一実施形態によれば、後方部の端部はさらに、陸上車の背部を形成するほぼ垂直な部分を有し、前記少なくとも1つの排気孔はこの背部表面に設けられる水平方向のスリットで形成される。
【0012】
本発明の一実施形態によれば、車体は、ほぼ薄層形状の空気流が発生するように空気力学的形状をしている。
【0013】
一実施形態によれば、前記少なくとも1つの推進機は、空気圧縮手段と接続されたエンジンで構成される。
【0014】
一般に、エンジンは内燃機関であるが、電動エンジンまたは空気エンジンであってもよい。空気圧縮手段は、流線型プロペラ、ファンまたはあらゆるタイプの圧縮機であってもよい。
【0015】
一実施形態によれば、陸上車はこのほか、車体後方部に設けられた可動式の空気力学的シャッタを少なくとも1つと、このシャッタが、シャッタが閉まる静止位置とシャッタが開く作動位置との間を動くようにすることができる制御装置とを有する。
【0016】
一実施形態によれば、陸上車は、陸上車の長手軸を中心にそれぞれが左右対称に配置される2枚のシャッタを有する。
【0017】
一実施形態によれば、陸上車は、非対称または並行な状態で2枚のシャッタを作動させることができる2つの制御装置を備える。
【0018】
一実施形態によれば、陸上車はさらに、車輪と車軸を駆動する電気駆動システムを有し、前記内部空気流による推進システムおよび前記電気駆動システムは、電気駆動システムか内部空気流による推進システム、あるいはその両方を選択的に作動させて、自動車が電気駆動モード、内部空気流による推進モード、またはハイブリッドモードをそれぞれ作動させることができる制御システムとつながっている。
【0019】
ハイブリッドモードとは、電気駆動モードと内部空気流による推進モードを併用して作動させるモードのことである。
【発明の効果】
【0020】
電気駆動システムは、次の行為を実現することを目的とする。低速で前後に進むこと、内部空気流による推進システムが最適に機能することができる最低速度まで加速すること、都市および急斜面で走行することである。よって速度範囲は、2つの独立した作動モードの範囲内であるが、この2つを併用することもできる。
【0021】
このため、最大効率となる1回の出力のみで推進機(つまりエンジン)および空気圧縮手段を作動するように適応させることができる。
【0022】
本発明は、以下の説明文を読み、添付の図面を参照することでさらによく理解できる。これらの図面は例として挙げているに過ぎず、本発明を何ら限定するものではない。以下、図面を説明する。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明による陸上車を上から見た概略図であり、内部空気流による推進システムを設置した様子を示す陸上車の内部も見える図である。
【図2】本発明による陸上車の長手軸の断面の概略図である。
【図3A】陸上車の背部を形成する後方部の面の概略図、および排気スリットの概略図である。
【図3B】陸上車の背部を形成する後方部の面の概略図、および排気スリットの概略図である。
【図4】陸上車の周囲の空気流を示す概略図である。
【図5】陸上車の周囲の空気流を示す概略図である。
【図6】閉鎖位置から開口位置へ動くシャッタの断面の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
図1および図2はそれぞれ、本発明による陸上車10の上面図および断面図を示す。
【0025】
陸上車10は、運転席が設置されている居住空間12を包囲する壁となる車体11を備えている。陸上車10は、陸上車のほぼ中央で陸上車の長手軸18に対して垂直に位置する平面17を有し、この平面によって車体の前方部16と後方部14が決定される。
【0026】
一般に、車体11は、車体の屋根7となるほぼ水平の部分と、陸上車の底板8となるもうひとつのほぼ水平の部分と、側面パネル9とを備えている(図2)。この2つの部分は、陸上車の後方部で車体の背部を形成する垂直な部分を介して合わさる。
【0027】
この車体の形状は、例として挙げているものである。この形状は空気力学的形状で、逆向きの翼と同じ役割を果たし、展開可能な表面で構成されることが好ましい。
【0028】
したがって、車体のこの立体的構造を考慮すると、陸上車がFの方向に沿って前進するとき、陸上車のさまざまな部分の壁を流れる空気は、前方で層状の空気力学的空気流(E1+E2)を形成する(図4および図5)。このため、車体11の壁に沿うこの空気流の形状によって、陸上車の空気力学的抵抗の原因である剥離を回避することができ、その結果、陸上車の動的安定性および空気侵入を得ることができる。
【0029】
側面パネル9は、平らまたは中膨れのプレートで構成され、その上に空気力学的機能を有する凸状のプレートを設置することが好ましい。
【0030】
陸上車をFの方向へ走行させる推進力を生成するため、車体の前方部16は、外壁上にある吸気口1を備えている。これらの吸気口は、吸気回路3を介して1つまたは複数の推進機2につながっている。そのため、吸気口1から取り入れられ、車体の壁に沿って適切に分配された空気塊は、コアンダ効果(Coanda effect)によって推進機が作動して吸気管3を通る。これらの吸気口によって、車体の前方部に低圧領域が発生する。
【0031】
図1に示すような推進機2は、車体内部に設置される傾斜体の中に収容される。この推進機は、排気回路4を介して車体の後方部14にある排気孔5にもつながっている。このように取り込まれた空気はエンジンを通過し、推進機によって排気孔5を通って後方へ高速で送られて陸上車10を走行させる推進力を発生させる。
【0032】
推進機は、陸上車内部に設置されることが好ましく、この状態によって陸上車の外部に位置する素子と衝突するリスクがなくなると同時に、外形寸法と美観の問題も解消することができる。
【0033】
有利なように、推進機への吸気によって発生する低圧領域および推進からの排気によって発生する高圧領域は車体上に位置決めし、この領域によって空気透過係数が向上するようにする。このため、低圧領域および高圧領域によって発生する力はすべて陸上車の推進となる。
【0034】
陸上車は、1つまたは複数の推進機を有してもよい。
【0035】
同一の陸上車に搭載されるこれらの推進機は、互いに独立して機能するため、使用上の必要に応じて推進力を調整することができる。
【0036】
また、複数の推進機を配置することによって、小さい寸法の推進機を使用することが可能となるため、設置が容易になる。このような推進システムは、故障した場合に推進機が1つしかないものよりも信頼性の高いものとなる。陸上車は一時的に駆動力を下げて走行することができるため、メンテナンスや修理の際には陸上車を停止することなく1つまたは複数の推進機を取り外すことができる。
【0037】
推進機2は、陸上車内に取り外し可能に装着されている。推進機の陸上車への取り付けおよび車体からの取り外しは、道具を用いずに1人でできることが有利である。推進機を2本のレール上に取り付けてレールの一方の端部で留め、レールのもう一方の端部に手動でナットを設置して推進機が退行しないようにする。次に、作動させるためにエネルギー供給口に接続し、出力制御部にも接続する。
【0038】
図1は、本発明の好適な実施形態を示すことに加え、後方部14は車体の背部を形成するほぼ垂直な部分を有する。排気孔5は陸上車の全幅に設けられる水平なスリットで形成され、排気孔の断面は陸上車の背部の部分の表面と同一線上にある。
【0039】
図3Aは、水平なスリットが設けられた背部を形成する車体後方部の正面図を示し、図3Bはスリットのみをさらに明瞭に示す図である。
【0040】
図4および5は、車体周辺の空気流を示している。
【0041】
有利なように、背部領域にある推進流束(E3)によって、コアンダ効果が生じて陸上車の上表面から導入される空気力学的抵抗が軽減され、屋根7(E1)や底板8(E2)などの水平面、および側面パネル9(E4)の垂直面を流れる空気流の剥離が解消される。(E1+E2+E3+E4)で示す流れとなる空気流は、層状態を維持して推進力となる。
【0042】
高圧空気流(E1)および低圧空気流(E4)が合流して混合される際には、陸上車の後方部および側面には渦抵抗が存在する。側面パネル9をこのパネルと隣接するスリットの台形の形状と組み合わせた形状にして、この渦抵抗をなくすように考案することも可能である。これは、この領域に起こる空気流(E1)および(E4)が同一方向にほぼ同一速度で流れるためである。
【0043】
図示していない本発明の変形例によれば、車体には背部がなく、排気孔5は車体後方部14の側面パネル9、底板8および屋根7の表面に設けられるスリットの集合体で構成される。よってスリットは、コアンダ効果によって近辺の空気流を最大限有効に活かすように設定した開口形状をしている。
【0044】
もうひとつの変形例によれば、屋根7、底板8および側面パネル9の表面に設けられたスリットを、背部に水平なスリット5を備える本発明の好適な形態に追加してもよい。
【0045】
特に有利な実施形態では、陸上車は、車体の後方部14に設けられる空気力学的シャッタ6を有する。これらのシャッタの役割は、空気流を推進機の出口へ送って陸上車の前方へと迂回させることによって空気力学的抵抗が発生させ、これによって陸上車の速度低下に寄与する「抗圧力」という制動力を発生させることである。
【0046】
図5は、本発明の一実施形態を示し、陸上車は、長手軸18に対してそれぞれ左右対称に配置される2つのシャッタ6を有する。
【0047】
図6は、このようなシャッタの作動原理をさらに詳細に示しており、シャッタは車体の厚みの中に設けられている。シャッタは、静止位置では閉じた状態で、車体の壁の延長線上にくる。作動位置では開いた状態で、シャッタの一部601が車体の外側へ出て、シャッタのもう一方の部分602が車体の内側に入り、陸上車の長手軸18に対してほぼ垂直方向になる。したがって、シャッタが開いているとき、内部に入る部分602は空気流が推進機の出口へ通る道を封鎖する。すると、空気流は流れを阻止され、シャッタの開口によって開く孔から車体の外へ排出される。外側に出るシャッタの部分601によって空気流は陸上車の前方へ向かうことができる。このように空気流が迂回する様子を図6の矢印で示している。
【0048】
空気力学的シャッタとは、シャッタが閉じているとき、外壁が車体上の隣接する壁と空気力学的に連続した形状であるようなシャッタのことである。
【0049】
不動位置と作動位置との間のこの動きを実現するため、シャッタは車体に対して回転するように装着され、回転軸19はシャッタ6のほぼ中央の位置にある。
【0050】
このほか陸上車は、(図6には図示せず)制御装置を有し、この装置が各シャッタと接続してシャッタの開口と閉鎖を作動させるジャッキのような働きをする。この装置によって、陸上車を制動するための制動段階になると2つのシャッタが同時に作動する。
【0051】
有利なように、この装置は、2つのシャッタを非対称的に作動させることもでき、それによってローリングトルクを導入して陸上車のカーブに寄与することができる。カーブを曲がるため、陸上車は、ステアリングタイヤに直接作用するステアリングハンドルも備えている。並列していない2つの推進機でローリングトルクを導入して陸上車のカーブに寄与することを検討することもできる。この3つの動作は、運転者の要求に応じて、または要求とは別に実行し、道路状態に応じて陸上車の安定性を制御することができる。
【0052】
あらゆる範囲の速度に対応できるように、陸上車はタイヤ15に対する電気駆動システムも備え、このシステムが内部空気流による推進システムを補佐する。この2つのシステムは、たとえば運転席に備えられる制御システム全体につながり、運転者が電気駆動システムか推進システムかを選択して作動させるか、その両方を同時に作動させて、陸上車が電気駆動モードか内部空気流による推進モード、あるいはハイブリッドモードを使用上の必要に応じて作動させることができるようになっている。
【0053】
次に、本発明によるハイブリッド駆動装置の陸上車のさまざまな走行段階で動作例を詳細に説明する。
【0054】
平らな地面または斜面で始動する段階では、運転者は、推進機が最大効率の状態で作動できる最低速度に達するまで作動状態に留まる電気駆動システムを作動させる。
【0055】
高速走行の段階では、運転者は、電気駆動システムを停止して内部空気流による推進システムを作動させる。
【0056】
制動段階では、運転者はシャッタ6を作動させて圧力が反転する位置にして陸上車の速度を低下させ、電気エンジンが発動モードで作動して陸上車を制動するようにする。
【0057】
従来のハイブリッド陸上車の場合のように、電気エンジンは、バッテリなどのエネルギー貯蔵システムと連携して回収した電気的制動エネルギーを貯蔵する。
【産業上の利用可能性】
【0058】
本発明による陸上車によって、ギヤボックスもクラッチボックスもないだけでなく、従来の陸上車よりも部品数が少ないために、従来の陸上車よりも簡易で経済的な工業生産が可能となる。
【符号の説明】
【0059】
1 吸気口
2 推進機
3 吸気回路
4 排気回路
5 排気孔(スリット)
6 シャッタ
7 屋根
8 底板
9 側面パネル
10 陸上車
11 車体
12 居住空間
14 後方部
15 タイヤ
16 前方部
17 平面
18 長手軸
19 回転軸
601 外側に出るシャッタの部分
602 内側に入るシャッタの部分
AV 陸上車の前方
F 進行方向
E1、E2、E3、E4 空気流

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部空気流による推進システムを備える陸上車であって、該陸上車が車体(11)および居住空間(12)を有し、前記陸上車が、該陸上車のほぼ中央で該陸上車の長手軸(18)に対して垂直に位置する平面であって、車体を陸上車の走行方向(F)に対して前方部(16)と後方部(14)に分離する平面(17)を有する陸上車において、前記推進システムが、
‐ コアンダ効果で吸気されるように前記車体(11)の前記前方部の表面に位置して分配される吸気口(1)を有し、
‐ 前記吸気口(1)が、壁に沿って流れる空気を吸気する少なくとも1つの吸気回路(3)によって動く少なくとも1つの推進機(2)につながり、
‐ 前記少なくとも1つの推進機(2)が、少なくとも1つの排気回路(4)によって少なくとも1つの排気孔(5)につながり、吸気が、前記少なくとも1つの排気孔(5)を通って少なくとも1つの推進機(2)によって外部に向かって加速して排出されて車体を走行させる推進力を発生させる、
ことを特徴とする陸上車(10)。
【請求項2】
前記少なくとも1つの排気孔(5)は、後方部の端部(14)の表面または車体後方部の端部(14)近辺に設けられたスリットの集合体で構成されることを特徴とする請求項1に記載の陸上車。
【請求項3】
前記後方部の端部(14)はさらに、前記陸上車の背部を形成するほぼ垂直な部分を有し、前記少なくとも1つの排気孔(5)は、前記背部の表面に設けられる水平方向のスリットで形成されることを特徴とする請求項2に記載の陸上車。
【請求項4】
前記車体は、ほぼ薄層形状の空気流(E1+E2)が発生するように空気力学的形状をしていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の陸上車。
【請求項5】
前記少なくとも1つの推進機(2)は、空気圧縮手段と接続されたエンジンで構成されることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の陸上車。
【請求項6】
前記少なくとも1つの推進機(2)は、前記陸上車に取り外し可能に取り付けられることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の陸上車。
【請求項7】
前記陸上車はさらに、車体後方部(14)に設けられた可動式の空気力学的シャッタ(6)を少なくとも1つと、前記シャッタが、シャッタが閉まる静止位置とシャッタが開く作動位置との間を動くようにすることができる制御装置とを有することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の陸上車。
【請求項8】
前記陸上車の長手軸(18)を中心にそれぞれが左右対称に配置される2枚のシャッタを有することを特徴とする請求項7に記載の陸上車。
【請求項9】
非対称または並行となるように前記2枚のシャッタを作動させることができる2つの制御装置を備えることを特徴とする請求項8に記載の陸上車。
【請求項10】
前記陸上車はさらに、車輪と車軸を駆動する電気駆動システムを有し、前記内部空気流による推進システムおよび前記電気駆動システムは、電気駆動システムか内部空気流による推進システムを選択的に作動させるか、あるいはその両方を同時に作動させて、前記陸上車が電気駆動モード、内部空気流による推進モード、またはハイブリッドモードをそれぞれ作動させることができる制御システムとつながっていることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の陸上車。

【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2011−529828(P2011−529828A)
【公表日】平成23年12月15日(2011.12.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−521618(P2011−521618)
【出願日】平成21年8月3日(2009.8.3)
【国際出願番号】PCT/FR2009/051547
【国際公開番号】WO2010/015775
【国際公開日】平成22年2月11日(2010.2.11)
【出願人】(509265313)エアバス オペラシオン(エス.ア.エス) (20)
【Fターム(参考)】