説明

内面にコーティングされた電気的経路を有するドリルパイプ

ダウンホールの油井装置又はガス井装置と情報交換する方法及び装置。該装置は、内径部(24)を有する略円筒状の中空のドリルパイプ(22)と、ドリルパイプ(22)の内径部に取付けられる外側絶縁コーティング(28)と、外側絶縁コーティング(28)に取付けられる導電コーティング(30)と、を有する油井又はガス井用のドリルパイプ(22)を含む。ドリルパイプ(22)はさらに、導電コーティング(30)に取付けられる内側絶縁コーティングと(32)を有し、外側絶縁コーティング(28)、導電コーティング(30)及び内側絶縁コーティング(32)は協働して、ドリルパイプ(22)の上端部(14)から下端部(10)に延びる絶縁された電気的経路を形成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、広くは油井又はガス井用のドリルパイプに関し、特には、得られたデータをダウンホールの油井又はガス井の表面に有効に伝達するための電気的経路を提供する導電材料が内面にコーティングされたドリルパイプに関する。
【背景技術】
【0002】
油井及びガス井産業においては、ダウンホールのドリル刃先(ドリルビット)近くにおける、掘削に関する地質学的なパラメータを得るように特に構成されたいくつかの工具がある。いくつかの例では、これらの工具により得られた情報は記憶装置に格納される。その場合、格納された情報は、記憶装置が井の表面に戻るときに読み出すことができる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしこのシステムは、ダウンホール情報の初期の収集及び記憶と、井の表面におけるダウンホール情報の読み出しとの間に望ましくない遅れ時間を生じさせる。択一的に、ダウンホール情報は、掘削液の圧力パルスを用いて井の表面に伝達することができる。しかしこの方法も、圧力パルスが表面に達するまでに要する時間に起因する遅れ時間を生じさせる。従って、データを即時かつ有効に井の表面に伝達する方法及びシステムが望まれる。
【課題を解決するための手段】
【0004】
ある実施形態において本発明は、油井又はガス井用のドリルパイプであって、内径部を有する略円筒状の中空のドリルパイプと、前記ドリルパイプの前記内径部に取付けられる外側絶縁コーティングと、前記外側絶縁コーティングに取付けられる導電コーティングと、前記導電コーティングに取付けられる内側絶縁コーティングと、を有する。前記外側絶縁コーティング、前記導電コーティング及び前記内側絶縁コーティングは協働して、前記ドリルパイプの上端部から前記ドリルパイプの下端部に延びる絶縁された電気的経路を形成する。
【0005】
本発明の他の例示的実施形態は、上述のドリルパイプを複数有し、それらは互いに隣接して接続されてドリルストリングを形成する。隣接して接続されるドリルパイプ間にはコネクタが配置される。コネクタは、ドリルストリングの上端部からドリルストリングの下端部に延びる絶縁された電気的経路を形成するために、各々のドリルパイプの絶縁された電気的経路をそれぞれに隣接するドリルパイプの絶縁された電気的経路に電気的に接続する。
【0006】
本発明のさらなる他の例示的実施形態は、上述のドリルストリングを有し、各々のドリルパイプの内径部がさらに、各ドリルパイプの上端部に上部環状凹部を有し、各ドリルパイプの下端部に下部環状凹部を有する。外側絶縁コーティングは、各ドリルパイプの内径部、上部環状凹部及び下部環状凹部に取付けられる。各ドリルパイプの外側絶縁コーティングには、上部環状凹部及び下部環状凹部において、上部導電スリーブ及び下部導電スリーブがそれぞれ取付けられる。導電コーティングは、各ドリルパイプの上端部から下端部に延びる電気的経路を形成するために、外側絶縁コーティング並びに上部導電スリーブ及び下部導電スリーブに取付けられる。内側絶縁コーティングは、各ドリルパイプの導電コーティングに取付けられて、各ドリルパイプの電気的経路を絶縁する。
【0007】
本発明の他の実施形態は、ダウンホールの油井装置又はガス井装置と情報交換する方法であって、内径部を有する略円筒状の中空のドリルパイプを用意することと、ドリルパイプの内径部に外側絶縁コーティングを取付けることと、外側絶縁コーティングに導電コーティングを取付けることと、導電コーティングに内側絶縁コーティングを取付けることとを含む方法を有する。外側絶縁コーティング、導電コーティング及び内側絶縁コーティングは協働して、ドリルパイプの上端部からドリルパイプの下端部に延びる絶縁された電気的経路を形成する。
【0008】
本発明の他の実施形態は、ダウンホールの油井装置又はガス井装置と情報交換する方法であって、各々が内径部を備えた複数の略円筒状の中空のドリルパイプを用意することと、各ドリルパイプをそれぞれ隣接するドリルパイプに係合させてドリルストリングを形成することと、各ドリルパイプの内径部に外側絶縁コーティングを取付けることと、各ドリルパイプの外側絶縁コーティングに導電コーティングを取付けることと、各ドリルパイプの導電コーティングに内側絶縁コーティングを取付けることとを含む方法を有する。各ドリルパイプの外側絶縁コーティング、導電コーティング及び内側絶縁コーティングは協働して、ドリルパイプの上端部からドリルパイプの下端部に延びる絶縁された電気的経路を形成する。この方法はさらに、ドリルストリングの上端部からドリルストリングの下端部に延びる絶縁された電気的経路を形成するために、各々のドリルパイプの絶縁された電気的経路をそれぞれに隣接するドリルパイプの絶縁された電気的経路に電気的に接続するコネクタを用意することを含む。
【0009】
本発明の他の実施形態は、ダウンホールの油井装置又はガス井装置と情報交換する方法であって、上述のドリルパイプを複数用意し、各ドリルパイプの内径部において、各ドリルパイプの上端部に上部環状凹部、各ドリルパイプの下端部に下部環状凹部を形成することと、各ドリルパイプの内径部、上部環状凹部及び下部環状凹部に外側絶縁コーティング取付けることと、上部環状凹部及び下部環状凹部において、各ドリルパイプの外側絶縁コーティングに上部導電スリーブ及び下部導電スリーブをそれぞれ取付けることと、各ドリルパイプの上端部から下端部に延びる電気的経路を形成するために、外側絶縁コーティング並びに上部及び下部導電スリーブに導電コーティングを取付けることと、内側絶縁コーティングを各ドリルパイプの導電コーティングに取付けて、各ドリルパイプの電気的経路を絶縁することと、ドリルストリングの上端部からドリルストリングの下端部に延びる絶縁された電気的経路を形成するために、各々のドリルパイプの絶縁された電気的経路をそれぞれに隣接するドリルパイプの絶縁された電気的経路に電気的に接続するコネクタを用意することと、を含む。
【0010】
本発明のこれらの及び他の特徴及び長所は、添付図面とともに以下の詳細な説明を参照することによってさらに理解されるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
図1〜図6に示すように、本発明は、各ドリルパイプの上端部から各ドリルパイプの下端部に延びる電気的経路を形成するために、内側にコーティングされた導電材料を備えたドリルパイプに関する。本発明のドリルパイプは、井の上部(well head)と油井又はガス井のダウンホール装置との間の情報交換を可能にし、それにより掘削パラメータ及び地質学的パラメータが、ダウンホールから得られるとともに、解析のために井の上部に伝達可能となる。
【0012】
図1は、第1のドリルパイプ12の下端部10と、第2のドリルパイプ16の上端部14を示す。明瞭化のために省略するが、第1のドリルパイプ12は第2のドリルパイプ16の上端部14と同様の上端部を有し、第2のドリルパイプ14は第1のドリルパイプ12の下端部10と同様の下端部を有する。このように、以下の説明において参照する下端部10及び上端部14は、第1のドリルパイプ12及び第2のドリルパイプ16に等しく適用されるものと理解できよう。さらに、第1のドリルパイプ12及び第2のドリルパイプ16は同様の形状及び構造を有し、以下の説明において参照するドリルパイプ22は第1のドリルパイプ12及び第2のドリルパイプ16に等しく適用されるものと理解できよう。
【0013】
図1に示すように、ドリルパイプ22は略円筒形状の本体部分20を有し、内径部24により画定される中空中心部を有する。ドリルパイプ22の上端部及び下端部10及び14は、それぞれねじ部18を有する。ねじ部18は、ドリルパイプ22の上端部10と他のドリルパイプ22の下端部14との接続を可能にする。このようにして接続された複数のドリルパイプ22(図2〜図3、図5〜図6)は、典型的にはドリルストリング26と称する。図2〜図3及び図5〜図6が示すドリルストリング26は2つのみのドリルパイプ22を有するが、ドリルストリングは接続されたドリルパイプ22をいくつ有してもよい。
【0014】
例示的実施形態において、ねじ部18は、係合したときに、ドリルパイプ22の本体部分20とほぼ同等の強度の接続部を提供するとともに、掘削工程中にドリルストリング26を通ってポンプ輸送される掘削液のための信頼性の高い圧力シールを提供する。
【0015】
ある実施形態において、図2に示すように、ドリルストリング26の各ドリルパイプ22は、ドリルパイプ22の内径部24に取付けられる外側絶縁コーティング28と、外側絶縁コーティング28に取付けられる導電コーティング30と、導電コーティング30に取付けられる内側絶縁コーティング32とを有する。このように、各ドリルパイプ22の外側絶縁コーティング28、導電コーティング30及び内側絶縁コーティング32は協働して、ドリルパイプ22の上端部14からドリルパイプ22の下端部10まで延びる絶縁された電気的経路を形成する。すなわち、外側絶縁コーティング28は導電コーティング30をドリルパイプ22の本体部分20から絶縁し、内側絶縁コーティング32は導電コーティング30を掘削液から絶縁する。
【0016】
図2〜図3及び図5〜図6に示すように、2つのドリルパイプ22が接続されているときは、あるドリルパイプ22の下端部10とそれに隣接するドリルパイプ22の上端部14との間に小さなギャップ34が形成される。ある実施形態においては、互いに隣接するドリルパイプ22間の小さなギャップ34において、ドリルストリング26にコネクタ36が取付けられ、それにより、互いに隣接するドリルパイプ22の絶縁された電気的経路が互いに電気的に接続される。例えば、図2の実施形態においては、コネクタ36はドリルパイプ22の内径部24より大きい径を備えた突部38を有する。それにより、コネクタ36があるドリルパイプ22の下端部10とそれに隣接するドリルパイプ22の上端部14との間に配置されてそれらのドリルパイプ22が接続されたときに、コネクタ36はそれらドリルパイプ22間の小さなギャップ34内に位置する。
【0017】
ある実施形態においては、コネクタ36の突部38は突出する肩40を有し、肩40はドリル22の上端部14の肩42に係合又は当接する。それにより、コネクタ36があるドリルパイプ22の下端部10とそれに隣接するドリルパイプ22の上端部14との間に配置されたときに、コネクタはドリルストリング26に固定される。
【0018】
互いに隣接して接続されたドリルパイプ22の絶縁された電気的経路の間を電気的に接続するために、コネクタ36は導電材料44を有し、導電材料44は本体部分45、上部導電接続部46及び下部導電接続部48を有する。コネクタ36があるドリルパイプ22の下端部10とそれに隣接するドリルパイプ22の上端部14との間に配置されたときは、上部導電接続部46があるドリルパイプ22の下端部10の導電コーティング30との電気的接続部50を形成し、下部導電接続部48が隣接するドリルパイプ22の上端部14の導電コーティング30との電気的接続部52を形成する。このようにして、あるドリルパイプ22の下端部10の導電コーティング30から、上部導電接続部46、コネクタの導電材料本体部分45、下部導電接続部48を通って隣接するドリルパイプ22の上端部14に至る電気的経路が形成される。
【0019】
ある実施形態において、コネクタ36は絶縁材料から成り、それにより上部導電接続部46から導電材料本体部分45、下部導電接続部48への電気的経路が絶縁される。例えばコネクタ36は、射出成形のような成形工程において、コネクタ36の絶縁材料内に成形される導電材料44とともに成形可能である。ある実施形態においては、導電材料44は弾性を有し、それにより上部導電接続部46及び下部導電接続部48は、互いに隣接するドリル22間に電気的接続部50及び52が形成されたときに圧縮される。
【0020】
コネクタ36はさらに、上部環状溝54及び下部環状溝56を有することができる。例えば、図2に示す実施形態において、上部環状溝54は上部導電接続部46の上方、すなわち電気的接続部50の上方に配置され、一方下部環状溝56は下部導電接続部48の下方、すなわち電気的接続部52の下方に配置される。環状溝54及び56の各々の内部には、弾性のOリング58が配置される。上部環状溝54内のOリング58は、あるドリルパイプ22の下端部10の導電コーティング30に対するシールを形成して、掘削液が上方から電気的接続部50及び52を汚染することを防止する。一方、下部環状溝56内のOリング58は、隣接するドリルパイプ22の上端部14の導電コーティング30に対するシールを形成して、掘削液が下方から電気的接続部50及び52を汚染することを防止する。
【0021】
コネクタ36は、1つの導電材料44を有してもよいし、あるいは図4A及び4Bに示すように複数の導電材料44を有してもよい。例えば、図4A及び4Bに示す実施形態においては、コネクタ36は6つの導電材料44を有し、それら導電材料の各々はコネクタ36に取付けられて上述の電気的接続部50及び52を形成する。
【0022】
ドリルストリング26は、互いに隣接して接続された複数のドリルパイプ22を有することができる。隣接して接続されたドリルパイプ22の各々は、それらの間に上述のようにして配置されたコネクタ36を有する。それによりコネクタ36の各々は、あるドリルパイプ22の導電コーティング30とそれに隣接するドリルパイプ22の導電コーティング30とを電気的に接続し、ドリルストリング26の上端部からドリルストリング26の下端部まで延びる絶縁された電気的経路を形成する。
【0023】
図3に示すように、ドリルストリング26の各ドリルパイプ22は、内側絶縁コーティング32に取付けられる第2の導電コーティング60と、第2の導電コーティング60に取付けられる第2の内側絶縁コーティング62とを有する。それにより、内側絶縁コーティング32、第2の導電コーティング60及び第2の内側絶縁コーティング62は協働して、第2の絶縁された電気的経路を形成する。
【0024】
このような実施形態においては、コネクタ36は内側段差部63を有し、内側段差部63は、本体部分65を備えた第2の導電材料64、上部導電接続部66及び下部導電接続部68を収容する。第2の導電材料64は、導電材料44について上述したように形成されて導体36に取付け可能である。
【0025】
コネクタ36があるドリルパイプ22の下端部10と隣接するドリルパイプ22の上端部14との間に配置されたときは、上部導電接続部66はあるドリルパイプ22の下端部10の導電コーティング60とともに電気的接続部70を形成し、下部導電接続部68は隣接するドリルパイプ22の上端部14の導電コーティング60とともに電気的接続部72を形成する。このようにして、あるドリルパイプ22の下端部10の導電コーティング60から上部導電接続部66、接続部の導電材料本体部分65及び下部導電接続部68を通って、隣接するドリルパイプ22の上端部14に至る電気的経路が形成される。上述しかつ図4A及び4Bに示すように、コネクタ36は1つの第2導電材料64を有してもよいし、複数の第2導電材料64を有してもよい。
【0026】
ドリルストリング26は互いに隣接して接続された複数のドリルパイプ22を有することができる。互いに隣接して接続されたドリルパイプ22の各々は、それらの間に上述のように配置されたコネクタ36を有し、それにより各コネクタ36は、あるドリルパイプ22の導電コーティング60と隣接するドリルパイプ22の導電コーティング60とを電気的に接続して、ドリルストリング26の上端から下端に延びる第2の絶縁された電気的経路を形成する。上述のように、掘削液による電気的接続部70及び72の汚染を防止するためにOリングを使用してもよい。
【0027】
ドリルストリング26の各ドリルパイプ22は複数の導電コーティングを有してもよく、各コネクタはそれらに対応する複数の内側段差部及び導電材料を有してもよい。それにより、ドリルストリング26は、ドリルストリング26の上端部から下端部に延びる複数の絶縁された電気的経路を有することができる。
【0028】
ある実施形態においては、図5に示すように、ドリルストリング26の各ドリルパイプ22の下端部10及び上端部14は、下方及び上方の環状凹部76及び78を有することができる。この実施形態において、外側絶縁コーティング28は内径部24と、各ドリルパイプ22の上部及び下部環状凹部78及び76とに取付けられる。外側絶縁コーティング28には、上部及び下部環状凹部78及び76において、それぞれ上部及び下部導電スリーブ82及び80が取付けられる。例えば、上部及び下部導電スリーブ82及び80は、それぞれ上部及び下部環状凹部78及び76に圧入可能である。
【0029】
この実施形態においては、導電コーティング30は、外側絶縁コーティング28と上部及び下部導電スリーブ82及び80とに取付けられて、各ドリルパイプ22の上端部14から下端部10に延びる電気的経路を形成する。内側絶縁コーティング32は導電コーティング30に取付けられ、それにより導電コーティング30は絶縁される。
【0030】
上述のように、互いに隣接し接続されたドリルパイプ22が有する絶縁された電気的経路の間を電気的に接続するために、あるドリルパイプ22の下端部10とそれに隣接するドリルパイプ22の上端部14との間にコネクタ36が配置される。このような配置のときは、上部導電接続部46が下部導電スリーブ80とともに電気的接続部90を形成し、下部導電接続部48が上部導電スリーブ82とともに電気的接続部92を形成する。それにより、あるドリルパイプ22の下端部10の導電コーティング30から、下部導電スリーブ80、上部導電接続部46、接続部の導電材料本体部分45、下部導電接続部48及び上部導電スリーブ82を通り、隣接するドリルパイプ22の上端部14に達する絶縁された電気的経路が形成される。
【0031】
導電スリーブ80及び82は、導電コーティングよりも強固な接触面を提供する。従って導電スリーブ80及び82の付加により、コネクタ36にはより確実な電気的接続部90及び92が形成される。上述のように、掘削液による電気的接続部90及び92の汚染を防止するためにOリングを使用してもよい。さらに、外側絶縁コーティング28が上部及び下部環状凹部78及び76内に延びる代わりに、接続スリーブ82及び80の各々がその外表面に絶縁材料を有してもよい。
【0032】
図6に示す実施形態において、ドリルストリング26の各ドリルパイプ22は、第2の下部環状凹部86及び第2の上部環状凹部88を有することができる。この実施形態においては、第2の下部導電スリーブ100及び第2の上部導電スリーブ102が、圧入等により第2の下部環状凹部86及び第2の上部環状凹部88にそれぞれ取付けられる。第2の導電コーティング60は、内側絶縁コーティング32と第2の上部及び下部導電スリーブ102及び100とに取付けられて、各ドリルパイプ22の上端部14から下端部10に延びる第2の電気的経路を形成する。第2の内側絶縁コーティング62は第2の導電コーティング60に取付けられ、それにより第2の絶縁コーティング60は絶縁される。
【0033】
この実施形態においては、コネクタ36は内側段差部63を有し、内側段差部63は第2の導電材料64を含む。それにより、上部導電接続部66及び下部導電接続部68はそれぞれ、第2の下部導電スリーブ100及び第2の上部導電スリーブ112とともに、電気的接続部110及び112を形成する。
【0034】
ドリルストリング26の各ドリルパイプ22は、複数の導電コーティング並びにそれらに対応する上部及び下部導電スリーブを有してもよい。各コネクタは、それらに対応する複数の内側段差部及び導電材料を有してもよい。それによりドリルストリング26は、ドリルストリング26の上端部から下端部に延びる複数の絶縁された電気的経路を有することができる。
【0035】
上述の各実施形態において、各コーティングは約0.006インチから約0.030インチ(約0.15mmから約0.76mm)の範囲の厚さを有することができる。さらに、各絶縁コーティングはエポキシ、フェノール、テフロン又はナイロン等のプラスチックポリマーを有することができる。絶縁コーティングはスプレーにより形成可能である。導電コーティングは、銅、アルミニウム、銀若しくは金のような金属材料、又は金属粒子とポリマーとの混合物を有することができる。導電コーティングは、鍍金又はスプレーにより形成可能である。
【0036】
上述の説明は、本発明の好適な実施形態を参照しつつなされた。本発明に係る技術分野の当業者には、本発明の原理、精神及び範囲から有意に逸脱せずに記述の構成及び操作方法の修正及び変更が実現可能であることが理解されよう。特に、本明細書にはドリルストリングは1つ又は2つのみの導電経路を有するように記載されているが、本発明の原理はドリルパイプの形成にも適用可能であり、故にドリルストリングは任意の数の導電経路を有することができることが理解されよう。従って、上述の説明は添付図面に示される構成のみに係るものとしてではなく、添付の特許請求の範囲に矛盾しないサポートとして解すべきである。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】第1のドリルパイプの下端部及び第2のドリルパイプの上端部の断面図である。
【図2】互いに螺着された図1のドリルパイプの断面図であって、各ドリルパイプがコネクタにより電気的に接続された導電コーティングを有する状態を示す図である。
【図3】互いに螺着された図1のドリルパイプの断面図であって、各ドリルパイプが第1及び第2の導電コーティングを有し、第1及び第2の導電コーティングがコネクタにより電気的に接続される状態を示す図である。
【図4A】図2のコネクタの長手方向断面図である。
【図4B】図2のコネクタの、図4Aの4B−4B線における横方向断面図である。
【図5】互いに螺着された図1のドリルパイプの断面図であって、各ドリルパイプが上部及び下部導電スリーブに電気的に接続された導電コーティングを有し、第1のドリルパイプの下部導電スリーブが図4A及び4Bのコネクタによって第2のドリルパイプの上部導電スリーブに接続される状態を示す図である。
【図6】互いに螺着された図1のドリルパイプの断面図であって、各ドリルパイプが、第1の上部及び下部導電スリーブに電気的に接続された第1の導電コーティングと、第2の上部及び下部導電スリーブに電気的に接続された第2の導電コーティングとを有し、第1及び第2のスリーブがコネクタにより電気的に接続される状態を示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
油井又はガス井用のドリルパイプであって、
内径部を有する略円筒状の中空のドリルパイプと、
前記ドリルパイプの前記内径部に取付けられる外側絶縁コーティングと、
前記外側絶縁コーティングに取付けられる導電コーティングと、
前記導電コーティングに取付けられる内側絶縁コーティングと、を有し、
前記外側絶縁コーティング、前記導電コーティング及び前記内側絶縁コーティングは協働して、前記ドリルパイプの上端部から前記ドリルパイプの下端部に延びる絶縁された電気的経路を形成する、
ドリルパイプ。
【請求項2】
前記内側絶縁コーティングに取付けられる第2の導電コーティングと、該第2の導電コーティングに取付けられる第2の内側絶縁コーティングとをさらに有し、前記内側絶縁コーティング、前記第2の導電コーティング及び前記第2の内側絶縁コーティングは、前記ドリルパイプの上端部から前記ドリルパイプの下端部に延びる第2の絶縁された電気的経路を形成する、請求項1に記載のドリルパイプ。
【請求項3】
前記内側絶縁コーティングに取付けられる複数の導電コーティングをさらに有し、前記複数の導電コーティングの各々は内側絶縁コーティング及び外側絶縁コーティングを有し、前記複数の導電コーティングの各々は前記ドリルパイプの上端部から前記ドリルパイプの下端部に延びる絶縁された電気的経路を形成する、請求項1に記載のドリルパイプ。
【請求項4】
油井又はガス井用のドリルストリングであって、
複数の略円筒状の中空のドリルパイプであって、各々のドリルパイプが該ドリルパイプに隣接するドリルパイプと係合してドリルストリングを形成するとともに内径部を有する、ドリルパイプと、
各ドリルパイプの前記内径部に取付けられる外側絶縁コーティングと、
各ドリルパイプの前記外側絶縁コーティングに取付けられる導電コーティングと、
各ドリルパイプの前記導電コーティングに取付けられる内側絶縁コーティングであって、各ドリルパイプについて前記外側絶縁コーティング、前記導電コーティング及び前記内側絶縁コーティングが協働して、前記ドリルパイプの上端部から前記ドリルパイプの下端部に延びる絶縁された電気的経路を形成する、内側絶縁コーティングと、
各ドリルパイプの前記絶縁された電気的経路を前記ドリルパイプに隣接するドリルパイプの絶縁された電気的経路に接続し、前記ドリルストリングの上端部から前記ドリルストリングの下端部に延びる絶縁された電気的経路を形成するコネクタと、
を有するドリルストリング。
【請求項5】
各ドリルパイプの前記内側絶縁コーティングに取付けられる第2の導電コーティングと、各ドリルパイプの該第2の導電コーティングに取付けられる第2の内側絶縁コーティングとをさらに有し、各ドリルパイプの前記内側絶縁コーティング、前記第2の導電コーティング及び前記第2の内側絶縁コーティングは、各ドリルパイプの上端部から各ドリルパイプの下端部に延びる第2の絶縁された電気的経路を形成し、前記コネクタはさらに、各ドリルパイプの前記第2の絶縁された電気的経路と該ドリルパイプに隣接するドリルパイプの第2の絶縁された電気的経路とを電気的に接続し、前記ドリルストリングの上端部から前記ドリルストリングの下端部に延びる第2の絶縁された電気的経路を形成する、請求項4に記載のドリルストリング。
【請求項6】
各ドリルパイプの前記内側絶縁コーティングに取付けられる、各ドリルパイプのための複数の導電コーティングをさらに有し、該複数の導電コーティングの各々は内側絶縁コーティング及び外側絶縁コーティングを有し、前記複数の導電コーティングの各々は各ドリルパイプの上端部から各ドリルパイプの下端部に延びる絶縁された電気的経路を形成し、前記コネクタはさらに、各ドリルパイプの前記複数の導電コーティングのうちの第1の導電コーティング及びそれに連なっていく各導電コーティングを、該ドリルパイプに隣接するドリルパイプの前記複数の導電コーティングのうちの第1の導電コーティング及びそれに連なっていく各導電コーティングにそれぞれ電気的に接続して、前記ドリルストリングの上端部から前記ドリルストリングの下端部に延びる複数の絶縁された電気的経路を形成する、請求項4に記載のドリルストリング。
【請求項7】
油井又はガス井用のドリルストリングであって、
複数の略円筒状の中空のドリルパイプであって、各々のドリルパイプが該ドリルパイプに隣接するドリルパイプと係合してドリルストリングを形成するとともに、内径部、各ドリルパイプの上端の上部環状凹部及び各ドリルパイプの下端の下部環状凹部を有する、ドリルパイプと、
各ドリルパイプの前記内径部、各ドリルパイプの前記上部環状凹部及び前記下部環状凹部に取付けられる外側絶縁コーティングと、
各ドリルパイプの上部及び下部環状凹部の前記外側絶縁コーティングにそれぞれ取付けられる上部導電スリーブ及び下部導電スリーブと、
前記外側絶縁コーティング並びに前記上部導電スリーブ及び下部導電スリーブに取付けられて、各ドリルパイプの上端部から下端部に延びる電気的経路を形成する導電コーティングと、
各ドリルパイプの前記導電コーティングに取付けられて、各ドリルパイプの前記電気的経路を絶縁する内側絶縁コーティングと、
各ドリルパイプの前記絶縁された電気的経路を前記ドリルパイプに隣接するドリルパイプの絶縁された電気的経路に接続し、前記ドリルストリングの上端部から前記ドリルストリングの下端部に延びる絶縁された電気的経路を形成するコネクタと、
を有するドリルストリング。
【請求項8】
前記コネクタは、上部導電接続部及び下部導電接続部を備えた導電材料を有し、前記上部導電接続部は各ドリルパイプの前記下部導電スリーブとともに電気的接続部を形成し、前記下部導電接続部は該ドリルパイプに隣接するドリルパイプの前記上部導電スリーブとともに電気的接続部を形成する、請求項7に記載のドリルストリング。
【請求項9】
前記コネクタの前記上部導電接続部及び前記下部導電接続部は弾性を有する、請求項8に記載のドリルストリング。
【請求項10】
前記上部導電接続部及び前記下部導電接続部は絶縁材料からなるコネクタ本体から延び、前記コネクタの導電材料の残りの部分は前記コネクタ本体に包埋される、請求項8に記載のドリルストリング。
【請求項11】
前記コネクタは、前記上部導電接続部の上方に配置された上部環状溝と、前記下部導電接続部の下方に配置された下部環状溝とを有し、前記上部環状溝及び前記下部環状溝はそれぞれOリングを有し、前記上部環状溝のOリングは、前記コネクタの上部導電接続部とドリルパイプの下部導電スリーブとの接続部の上方からの液体を防ぐシールを形成し、前記下部環状溝のOリングは、前記コネクタの下部導電接続部とドリルパイプの上部導電スリーブとの接続部の下方からの液体を防ぐシールを形成する、請求項8に記載のドリルストリング。
【請求項12】
前記外側絶縁コーティング、前記導電コーティング及び前記内側絶縁コーティングは、それぞれ0.006インチから0.030インチ(0.15mmから0.76mm)の厚さを有する、請求項7に記載のドリルストリング。
【請求項13】
前記コネクタは、該コネクタが有する突出する肩によって各ドリルパイプの下端部と該ドリルパイプに隣接するドリルパイプの上端部との間に支持され、該肩は各ドリルパイプに隣接するドリルパイプの上端部の肩に係合する、請求項7に記載のドリルストリング。
【請求項14】
各ドリルパイプがさらに、
各ドリルパイプの上端部及び下端部に設けられた第2の上部環状凹部及び第2の下部環状凹部であって、前記外側絶縁コーティング、前記導電コーティング及び前記内側絶縁コーティングの各々が前記第2の上部環状凹部及び前記第2の下部環状凹部の双方の中に延びる、第2の上部環状凹部及び第2の下部環状凹部と、
前記第2の上部環状凹部及び前記第2の下部環状凹部において前記内側絶縁コーティングにそれぞれ取付けられる、第2の上部導電スリーブ及び第2の下部導電スリーブと、
前記内側絶縁コーティング、前記上部導電スリーブ及び前記下部導電スリーブに取付けられて、各ドリルパイプの上端部から下端部に延びる第2の電気的経路を形成する、第2の導電コーティングと、
各ドリルパイプの前記第2の導電コーティングに取付けられて各ドリルパイプの前記第2の電気的経路を形成する第2の内側絶縁コーティングであって、前記コネクタが、各ドリルパイプの絶縁された前記第2の電気的経路と該ドリルパイプに隣接するドリルパイプの絶縁された前記第2の電気的経路とを電気的に接続し、前記ドリルストリングの上端部から下端部に延びる第2の絶縁された電気的経路を形成する、第2の内側絶縁コーティングと、を有する、
請求項7に記載のドリルストリング。
【請求項15】
各ドリルパイプがさらに、
各ドリルパイプの上端部及び下端部にそれぞれ設けられた複数の上部環状凹部及び複数の下部環状凹部と、
上部環状凹部の各々及び下部環状凹部の各々にそれぞれ取付けられる、複数の上部導電スリーブ及び複数の下部導電スリーブと、
各々が内側絶縁コーティング及び外側絶縁コーティングを有する複数の導電コーティングであって、前記複数の導電コーティングの各々は前記複数の上部導電スリーブの1つと前記複数の下部導電スリーブの1つとを電気的に接続して、各ドリルパイプの上端部から下端部に延びる複数の電気的経路を形成する、複数の導電コーティングと、を有し、
前記コネクタが、各ドリルパイプの絶縁された前記複数の電気的経路の各々と該ドリルパイプに隣接するドリルパイプの絶縁された前記複数の電気的経路とを電気的に接続し、前記ドリルストリングの上端部から下端部に延びる複数の絶縁された電気的経路を形成する、
請求項7に記載のドリルストリング。
【請求項16】
ダウンホールの油井装置又はガス井装置と情報交換する方法であって、
内径部を有する略円筒状の中空のドリルパイプを用意するステップと、
前記ドリルパイプの前記内径部に外側絶縁コーティングを取付けるステップと、
前記外側絶縁コーティングに導電コーティングを取付けるステップと、
前記導電コーティングに内側絶縁コーティングを取付けるステップと、を有し、
前記外側絶縁コーティング、前記導電コーティング及び前記内側絶縁コーティングが協働して前記ドリルパイプの上端部から前記ドリルパイプの下端部に延びる絶縁された電気的経路を形成する、
方法。
【請求項17】
前記内側絶縁コーティングに第2の導電コーティングを取付け、該第2の導電コーティングに第2の内側絶縁コーティングを取付けるステップをさらに有し、前記第2の導電コーティング及び前記第2の内側絶縁コーティングは前記ドリルパイプの上端部から前記ドリルパイプの下端部に延びる第2の絶縁された電気的経路を形成する、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記内側絶縁コーティングに複数の導電コーティングを取付けるステップをさらに有し、前記複数の導電コーティングの各々は内側絶縁コーティング及び外側絶縁コーティングを有し、前記複数の導電コーティングの各々は前記ドリルパイプの上端部から前記ドリルパイプの下端部に延びる絶縁された電気的経路を形成する、請求項16に記載の方法。
【請求項19】
ダウンホールの油井装置又はガス井装置と情報交換する方法であって、
各々が内径部を有する複数の略円筒状の中空のドリルパイプを用意するステップと、
各々のドリルパイプを該ドリルパイプに隣接するドリルパイプに係合させてドリルストリングを形成するステップと、
各ドリルパイプの前記内径部に外側絶縁コーティングを取付けるステップと、
各ドリルパイプの前記外側絶縁コーティングに導電コーティングを取付けるステップと、
各ドリルパイプの前記導電コーティングに内側絶縁コーティングを取付けるステップであって、各ドリルパイプについて前記外側絶縁コーティング、前記導電コーティング及び前記内側絶縁コーティングが協働して、前記ドリルパイプの上端部から前記ドリルパイプの下端部に延びる絶縁された電気的経路を形成する、ステップと、
各ドリルパイプの前記絶縁された電気的経路を前記ドリルパイプに隣接するドリルパイプの絶縁された電気的経路に接続し、前記ドリルストリングの上端部から前記ドリルストリングの下端部に延びる絶縁された電気的経路を形成するコネクタを用意するステップと、
を有する方法。
【請求項20】
各ドリルパイプの前記内側絶縁コーティングに第2の導電コーティングを取付け、さらに各ドリルパイプの該第2の導電コーティングに第2の内側絶縁コーティングを取付けるステップをさらに有し、各ドリルパイプの前記内側絶縁コーティング、前記第2の導電コーティング及び前記第2の内側絶縁コーティングは、各ドリルパイプの上端部から各ドリルパイプの下端部に延びる第2の絶縁された電気的経路を形成し、前記コネクタはさらに、各ドリルパイプの前記第2の絶縁された電気的経路と該ドリルパイプに隣接するドリルパイプの第2の絶縁された電気的経路とを電気的に接続し、前記ドリルストリングの上端部から前記ドリルストリングの下端部に延びる第2の絶縁された電気的経路を形成する、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
各ドリルパイプの前記内側絶縁コーティングに、各ドリルパイプのための複数の導電コーティングを取付けるステップをさらに有し、該複数の導電コーティングの各々は内側絶縁コーティング及び外側絶縁コーティングを有し、前記複数の導電コーティングの各々は各ドリルパイプの上端部から各ドリルパイプの下端部に延びる絶縁された電気的経路を形成し、前記コネクタはさらに、各ドリルパイプの前記複数の導電コーティングのうちの第1の導電コーティング及びそれに連なっていく各導電コーティングを、該ドリルパイプに隣接するドリルパイプの前記複数の導電コーティングのうちの第1の導電コーティング及びそれに連なっていく各導電コーティングにそれぞれ電気的に接続して、前記ドリルストリングの上端部から前記ドリルストリングの下端部に延びる複数の絶縁された電気的経路を形成する、請求項19に記載の方法。
【請求項22】
ダウンホールの油井装置又はガス井装置と情報交換する方法であって、
各々が内径部を有する複数の略円筒状の中空のドリルパイプを用意するステップと、
各々のドリルパイプを該ドリルパイプに隣接するドリルパイプに係合させてドリルストリングを形成するステップと、
各ドリルパイプの上端部及び下端部に上部環状凹部及び下部環状凹部を形成するステップと、
各ドリルパイプの前記内径部、各ドリルパイプの前記上部環状凹部及び前記下部環状凹部に外側絶縁コーティングを取付けるステップと、
各ドリルパイプの上部管状凹部及び下部環状凹部の前記外側絶縁コーティングにそれぞれ上部導電スリーブ及び下部導電スリーブを取付けるステップと、
前記外側絶縁コーティング並びに前記上部導電スリーブ及び前記下部導電スリーブに導電コーティングを取付けて、各ドリルパイプの上端部から下端部に延びる電気的経路を形成するステップと、
各ドリルパイプの前記導電コーティングに内側絶縁コーティングを取付けて、各ドリルパイプの前記電気的経路を絶縁するステップと、
各ドリルパイプの前記絶縁された電気的経路を該ドリルパイプに隣接するドリルパイプの絶縁された電気的経路に接続し、前記ドリルストリングの上端部から前記ドリルストリングの下端部に延びる絶縁された電気的経路を形成するコネクタを用意するステップと、
を有する方法。
【請求項23】
上部導電接続部及び下部導電接続部を備えた導電材料を有するコネクタであって、前記上部導電接続部は各ドリルパイプの前記下部導電スリーブとともに電気的接続部を形成し、前記下部導電接続部は該ドリルパイプに隣接するドリルパイプの前記上部導電スリーブとともに電気的接続部を形成する、コネクタを用意するステップをさらに有する、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記コネクタの前記上部導電接続部及び前記下部導電接続部を弾性材料により形成するステップをさらに有する、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記コネクタの本体を絶縁材料により形成し、前記上部導電接続部及び下部導電接続部を前記コネクタ本体から突出させ、前記コネクタの導電材料の残りの部分を前記コネクタ本体に包埋させるステップをさらに有する、請求項23に記載の方法。
【請求項26】
前記コネクタの前記上部導電接続部の上方位置に上部環状溝を形成するステップと、
前記コネクタの前記下部導電接続部の下方位置に下部環状溝を形成するステップと、
前記上部環状溝にOリングを挿入して、前記コネクタの上部導電接続部とドリルパイプの下部導電スリーブとの接続部の上方からの液体を防ぐシールを形成するステップと、
前記下部環状溝にOリングを挿入して、前記コネクタの下部導電接続部とドリルパイプの上部導電スリーブとの接続部の下方からの液体を防ぐシールを形成するステップと、
をさらに有する、請求項23に記載の方法。
【請求項27】
前記外側絶縁コーティング、前記導電コーティング及び前記内側絶縁コーティングをそれぞれ0.006インチから0.030インチ(0.15mmから0.76mm)の厚さに形成するステップをさらに有する、請求項22に記載の方法。
【請求項28】
前記コネクタが有する突出する肩を各ドリルパイプに隣接するドリルパイプの上端部の肩に係合させることによって、各ドリルパイプの下端部と該ドリルパイプに隣接するドリルパイプの上端部との間で前記コネクタを支持するステップをさらに有する、請求項22に記載の方法。
【請求項29】
各ドリルパイプの上端部及び下端部に第2の上部環状凹部及び第2の下部環状凹部をそれぞれ形成するステップと、
前記外側絶縁コーティング、前記導電コーティング及び前記内側絶縁コーティングの各々が前記第2の上部環状凹部及び前記第2の下部環状凹部の双方の中に延びるように、前記外側絶縁コーティング、前記導電コーティング及び前記内側絶縁コーティングを各ドリルパイプに取付けるステップと、
第2の上部導電スリーブ及び第2の下部導電スリーブを、前記第2の上部環状凹部及び前記第2の下部環状凹部において前記内側絶縁コーティングにそれぞれ取付けるステップと、
前記内側絶縁コーティング、前記上部導電スリーブ及び前記下部導電スリーブに第2の導電コーティングを取付けて、各ドリルパイプの上端部から下端部に延びる第2の電気的経路を形成するステップと、
第2の内側絶縁コーティングを各ドリルパイプの前記第2の導電コーティングに取付けて各ドリルパイプの前記第2の電気的経路を形成するステップであって、前記コネクタが、各ドリルパイプの絶縁された前記第2の電気的経路と該ドリルパイプに隣接するドリルパイプの絶縁された前記第2の電気的経路とを電気的に接続し、前記ドリルストリングの上端部から下端部に延びる第2の絶縁された電気的経路を形成する、ステップと、
をさらに有する、請求項22に記載の方法。
【請求項30】
各ドリルパイプの上端部及び下端部に複数の上部環状凹部及び複数の下部環状凹部をそれぞれ形成するステップと、
複数の上部導電スリーブ及び複数の下部導電スリーブを、上部環状凹部及び下部環状凹部にそれぞれ取付けるステップと、
各々が内側絶縁コーティング及び外側絶縁コーティングを有する複数の導電コーティングを、前記複数の上部導電スリーブの1つと前記複数の下部導電スリーブの1つとに電気的に接続して、各ドリルパイプの上端部から下端部に延びる複数の電気的経路を形成するステップと、をさらに有し、
前記コネクタが、各ドリルパイプの絶縁された前記複数の電気的経路の各々と該ドリルパイプに隣接するドリルパイプの絶縁された前記複数の電気的経路とを電気的に接続し、前記ドリルストリングの上端部から下端部に延びる複数の絶縁された電気的経路を形成する、
請求項22に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2006−504011(P2006−504011A)
【公表日】平成18年2月2日(2006.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−546641(P2004−546641)
【出願日】平成14年10月23日(2002.10.23)
【国際出願番号】PCT/US2002/034073
【国際公開番号】WO2004/038163
【国際公開日】平成16年5月6日(2004.5.6)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
テフロン
【出願人】(504239191)バーコ アイ/ピー,インコーポレイティド (4)
【Fターム(参考)】