円筒パウチ用注出口および注出口付きパウチ
【課題】本発明は、簡単な構成により、胴部の保形性および自立安定性を向上した円筒パウチを提供することを課題とする。
【解決手段】中空接着基部が、底面視、略中央に形成される中空部と、前記中空部の外周を形成する形成線(I)と形成線(II)とで構成される底面部と、前記底面部から鉛直に延びる接着部とを有し、前記形成線(I)は半径Rの曲線からなり、前記形成線(II)は、形成線(I)と形成線(II)との2つの交点を結ぶ線に対して前記形成線(I)と非対称形であり、前記形成線(II)は前記形成線(I)と同一長である円筒パウチ用注出口である。また、この注出口を装着したパウチである。
【解決手段】中空接着基部が、底面視、略中央に形成される中空部と、前記中空部の外周を形成する形成線(I)と形成線(II)とで構成される底面部と、前記底面部から鉛直に延びる接着部とを有し、前記形成線(I)は半径Rの曲線からなり、前記形成線(II)は、形成線(I)と形成線(II)との2つの交点を結ぶ線に対して前記形成線(I)と非対称形であり、前記形成線(II)は前記形成線(I)と同一長である円筒パウチ用注出口である。また、この注出口を装着したパウチである。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、所定形状の円筒パウチ用注出口と前記円筒パウチ用注出口を固設した注出口付きパウチに関し、より詳細には、内容物充填前には偏平に折り畳め、かつ内容物充填後に胴部が円筒形状となり、かつパウチ上端部に固設された注出口の蓋を外して内容物を容易に取り出せる、前記円筒パウチ用注出口を固設した自立安定性に優れる注出口付きパウチに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、図19に示すように、容器側部にガゼットを設けたパウチが知られており、各種飲料の容器に用いられている。パウチはプラスチックフィルムなどの柔軟性フィルムで構成されるため、容器の柔軟性に優れるため内容物の押出し性に優れ、更に缶容器やペットボトルとは異なり使用後の減容化に優れ、かつ持ち運びが容易であることから携帯性に優れ、急速にその需要が高まっている。
【0003】
しかしながら、前記パウチは軟フィルムを素材として用いているため、胴部の保型性が低く、所定の重量を有する内容物を充填しない場合には自立できず、陳列した際にパウチの胴部が変形しやすく陳列性に劣る場合がある。
【0004】
このような自立安定性を確保するため、胴部下端にヒートシール部からなる支持部を形成した容器がある(特許文献1)。
【特許文献1】特開平10−264941号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、ガゼットパウチは、容器側部にガゼットが形成されるためその外観が略四角形状となる。一般に、飲料などの流動性食品を販売する缶容器やペットボトルは円筒形状であるのに対し、円筒状のガゼットパウチは存在せず意匠性に欠ける。更に、円筒形状の容器は自動販売機などでの販売が可能であるのに対し、ガセットパウチはその形状に由来してペットボトルなどの円筒形状の容器を取り扱う自動販売機などでの販売が困難であり、店頭陳列に限られている。
【0006】
一方、軟フィルムで円筒形状の胴部を形成した場合、胴部の把持によって内容物が円筒パウチ用注出口から容易に流出するため、パウチの把持が困難となったり、または円筒パウチ用注出口の上端に螺合されたスクリューキャップを開閉する際に胴部がよじれ、開封が困難となる場合がある。
【0007】
また、軟フィルムは機械的強度に劣る場合があり、特にパウチにシワやたるみなどが形成される場合には、外観上好ましくなく、さらに輸送時の振動その他の力がシワに集中し、ピンホールなどの容器破損の一因となる。
【0008】
更に、パウチは、内容物充填後に所定形状を確保できればよく、充填前には、折り畳むことで低容量化できれば保管や輸送の際の効率に優れる。また、使用後に折り畳む際にもよりコンパクトに低容量化することができる。
【0009】
上記現状に鑑みて、本発明は、内容物の充填前には偏平であるが、内容物の充填によって円筒形状に成形され、かつ胴部の保形性および自立安定性を有する注出口付きパウチを提供することを目的とする。
【0010】
また、内容物充填後にシワなどの発生が抑制された注出口付きパウチを提供することを目的とする。
更に、上記注出口付きパウチに好適に固設しうる円筒パウチ用注出口を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明者らは、パウチ容器および円筒パウチ用注出口の形状について詳細に検討した結果、軟フィルムを胴部と折込部からなる上端部とで構成し、かつ所定のシールラインで胴部と折込部とを接着すると、内容物充填前に偏平に折り畳むことができ、かつ内容物充填後に円筒形状となるパウチを製造しうること、このようなパウチに装着する円筒パウチ用注出口として筒状注出部と前記筒状注出部に連設される中空接着基部とからなり、前記中空接着基部を、底面視、略中央に形成される中空部と、前記中空部の外周を形成する形成線(I)と形成線(II)とで構成される所定形状の底面部と、前記底面部から鉛直に延びる接着部とで構成すると、内容物充填後のパウチ胴部を円筒形状とすることができ、かつ円筒パウチ用注出口の先端に螺合されたキャップの開閉を容易に行いうること、また、所定のシールラインでの胴部へ円筒パウチ用注出口を固設することができ、これによってシワやたるみ、ピンホールなどの発生が抑制され、耐衝撃性が向上することを見出し、本発明を完成させた。
【0012】
即ち、本発明は、筒状注出部と前記筒状注出部に連設される中空接着基部とからなる円筒パウチ用注出口であって、前記中空接着基部は、底面視、略中央に形成される中空部と、前記中空部の外周を形成する形成線(I)と形成線(II)とで構成される底面部と、前記底面部から鉛直に延びる接着部とを有し、前記形成線(I)は半径Rの曲線からなり、前記形成線(II)は、形成線(I)と形成線(II)との2つの交点を結ぶ線に対して前記形成線(I)と非対称形であり、前記形成線(II)は前記形成線(I)と同一長であることを特徴とする円筒パウチ用注出口を提供するものである。
【0013】
また、本発明は、胴部と、前記胴部の少なくとも上端に接着される天面部と、前記胴部と前記天面部との間に固設される注出口とを有する注出口付きパウチであって、前記注出口は、前記円筒パウチ用注出口であり、前記胴部と前記形成線(I)とが当接し、前記天面部と前記形成線(II)とが当接するように固設されたことを特徴とする、注出口付きパウチを提供するものである。
【発明の効果】
【0014】
本発明の円筒パウチ用注出口によれば、所定形状のパウチに装着することで、内容物充填後に胴部が円筒形状となるパウチを容易に製造することができる。
本発明の円筒パウチ用注出口は、掌に安定して収まるため、螺合されたキャップを容易に開封することができる。
【0015】
本発明の注出口付きパウチは、軟フィルムで構成することができ、内容物未充填時には偏平に折りたたむことができ、注出口付きパウチの保存時のスペースを低容量化することができる。また、胴部が軟フィルムで構成されるため、使用時に胴部を把持して内容物を容易に押出すことができる。
【0016】
本発明の注出口付きパウチは、扁平な折込部シートと胴部シートとを重ねて所定のシールラインによって接着して製袋することができるため製造が容易であり、かつ内容物充填後のシワやたるみが抑制されるため、使用時の耐衝撃性に優れる。
【0017】
本発明の注出口付きパウチは、円筒形状であり意匠性に富み、かつ自動販売機などへの応用も可能であり、販路を広げることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
本発明の第一は、筒状注出部と前記筒状注出部に連設される中空接着基部とからなる円筒パウチ用注出口であって、前記中空接着基部は、底面視、略中央に形成される中空部と、前記中空部の外周を形成する形成線(I)と形成線(II)とで構成される底面部と、前記底面部から鉛直に延びる接着部とを有し、前記形成線(I)は半径Rの曲線からなり、前記形成線(II)は、形成線(I)と形成線(II)との2つの交点を結ぶ線に対して前記形成線(I)と非対称形であり、前記形成線(II)は前記形成線(I)と同一長であることを特徴とする円筒パウチ用注出口である。前記形成線(II)は、一部に直線を有するものであってもよく、前記形成線(II)を構成する前記直線(IIa)の端部と、前記形成線(I)と形成線(II)との交点とは形成線(IIb)で連結され、前記直線(IIa)と形成線(IIb)とのなす角は、10〜90°であることが好ましい。また、前記接着部は、前記円筒パウチ用注出口の形成線(I)と形成線(II)とによって構成される接着部幅をd、前記接着部上端からの接着深さをaとした場合に、正面視、所定式に基づく接着深さ(a)以上の深さを有することが好ましく、更に、前記中空接着基部は、前記接着部の上端を被覆する天面部を有してもよい。
【0019】
また、本発明の第二は、胴部と、前記胴部の少なくとも上端に接着される天面部と、前記胴部と前記天面部との間に固設される注出口とを有する注出口付きパウチであって、前記注出口は、上記円筒パウチ用注出口であり、前記胴部と前記形成線(I)とが当接し、前記天面部と前記形成線(II)とが当接するように固設されたことを特徴とする、注出口付きパウチである。前記胴部は2枚のシートの両端を接着して構成され、前記天面部は前記2枚の胴部シートに固設された折込部シートであってもよく、前記胴部の内周は、前記円筒パウチ用注出口の形成線(I)を構成する半径Rの4〜25倍であることが好ましい。また、前記折込部と前記円筒パウチ用注出口の接着部とは、前記円筒パウチ用注出口の形成線(I)と形成線(II)とによって構成される接着部幅をd、前記折込部上端からの接着深さをaとした場合に、所定のシールラインで接着されることで、胴部が半径Rの略円筒状の注出口付きパウチとすることができる。更に、前記2枚の胴部シートはその両側端を接着され、前記折込部シートは、前記胴部を構成する2枚のシート間の少なくとも上端に接着され、前記胴部シートの両端に形成された接着側端部は、胴部シートに向かって折り癖が形成されたものであると円筒形状の形態保持性に優れる。以下、本発明の円筒パウチ用注出口および注出口付きパウチを、図面を用いて詳細に説明する。
【0020】
(1)円筒パウチ用注出口
図1は、本発明の円筒パウチ用注出口の好適な態様の一例を示す斜視図であり、図2は図1の円筒パウチ用注出口を装着した注出口付きパウチの平面図であり、図3は、図2の注出口付きパウチに内容物を充填した際の斜視図(a)と、その平面図(b)である。
【0021】
図1に示すように本発明の円筒パウチ用注出口は、中空筒状部(30)からなる筒状注出部(A)と前記筒状注出部に連設される中空接着基部(B)とからなり、底面視、略中央に形成される中空部(10)と、前記中空部の外周を形成する形成線(I)と形成線(II)とで構成される底面部と、前記底面部から鉛直に延びる接着部(20)とを有する。これを、図2に示すように、胴部(60)を構成する2枚の胴部シートの上端に折込部(70)を挿入し、各シートを所定形状の接着部(80)を形成するように製袋し、ついで未接着の胴部シートと折込部シートとの間に図1に示す円筒パウチ用注出口を挿入および固設する。得られた注出口付きパウチの前記円筒パウチ用注出口から内容物を充填すると、図3(a)に示す円筒形状の注出口付きパウチとなる。図3(b)に示すように内容物を充填したパウチ(100)の形状は、略半径Rの円筒形状であり、前記円筒パウチ用注出口(50)は、平面視、略円筒形状のパウチ上端の外周に固設される。
【0022】
まず、本発明の円筒パウチ用注出口を、図4を用いて説明する。図4は、本発明の円筒パウチ用注出口の好適な態様の一例を示す平面図(a)、左側面図(b)、正面図(c)、右側面図(d)、および底面図(e)である。
【0023】
本発明の円筒パウチ用注出口は、図1および図4(c)に示すように、筒状注出部(A)と前記筒状注出部に連設される中空接着基部(B)とからなり、前記中空接着基部は、図4(e)に示すように、底面視、略中央に形成される中空部(10)と、前記中空部の外周を形成する形成線(I)と形成線(II)とで構成される底面部と、図4(b)、(c)、(d)に示すように、前記底面部から鉛直に延びる接着部(20)とを有する。図4(a)に示すように、前記筒状注出部(A)は、筒状部(30)の先端に螺旋(31)が形成されていてもよく、螺旋(31)を介して開封可能に螺合しうる蓋部(図示せず)が配設されるものであってもよい。なお、蓋部は、螺合によって開封しうるものに限定されるものではない。
【0024】
本発明は、胴部が円筒形状の注出口付きパウチの製造を目的とするものである。従って、このようなパウチに装着される本発明の円筒パウチ用注出口において、その底面を構成する形成線(I)における半径Rとは、注出口付きパウチの内容物充填時の半径Rを意味する。注出口付きパウチの外周は、内容物充填後には半径Rの曲線で構成されるため、図4(e)に示すように、円筒パウチ用注出口の底面を構成する形成線(I)のみを半径Rの曲線としたものである。なお、図4(e)における破線で示す半径Rの円部は、注出口つきパウチの胴部の横断面と近似する。図4(e)から明らかなように、本発明の円筒パウチ用注出口は、パウチ胴部の上端の外周に偏在して当接される。なお、形成線(I)の長さには特に制限はなく、用途によって適宜選択できるが、好ましくは30〜100mm、より好ましくは35〜80mmである。30mmを下回ると、円筒パウチ用注出口を介して掌中に把持することが困難となる場合があり、一方、100mmを超えると重量が増し、不利となる。
【0025】
一方、円筒パウチ用注出口の底面を構成する形成線(II)は、形成線(I)と形成線(II)との2つの交点(P1,P2)を結ぶ線(L1)に対して前記形成線(I)と非対称形である。従来、パウチに使用されるパウチ用注出口は、パウチの平面視、中央部に固設され、よって左右対称に形成されることが一般的であった。しかしながら、本願発明の円筒パウチ用注出口は、前記したようにパウチ胴部の上端の胴部側に偏在して固設される。このため、形成線(II)を形成線(I)と同様に半径Rの曲線で構成する必要はない。むしろ、後記するように、所定形状に成形することでパウチ上端を構成する折込部シートにシワやたるみがない形状に製袋しうることが判明したからである。
【0026】
更に、本発明の円筒パウチ用注出は、前記形成線(II)と前記形成線(I)とは、同一長であることが好ましい。本発明の円筒パウチ用注出口は、パウチ胴部の天面部を構成する折込部シートと胴部シートとの間に挿入および固設して使用できるが、形成線(II)と形成線(I)とが同一長であれば、胴部シートと折込部シートとを偏平に重ねた後にその上端部に円筒パウチ用注出口を挿入して接着し、内容物充填前に偏平な注出口付きパウチを製造することができるからである。なお、このパウチは、内容物充填後に胴部を円筒形状を成形することができる。
【0027】
本発明の円筒パウチ用注出口を装着した注出口付きパウチは、内容物充填後に胴部が円筒形状となる際に、パウチの天面部を構成する折込部にシワやたるみがないことが好ましい。意匠性に優れ、かつシワやたるみなどに由来するピンホールを防止するためである。このような形状となりうる円筒パウチ用注出について詳細に検討した結果、胴部と折込部とを偏平に重ね、これを所定のシールラインで接着すれば、製袋時に偏平で、内容充填後の胴部が円筒形状となることが判明した。そして、このようなシールラインの形成には、円筒パウチ用注出の接着部(2)の形成線(II)の一部に直線(IIa)を有することが好ましいことが判明した。特に、容器に強度が要求される場合には、直線(IIa)を有することが好ましい。また、直線であれば、円筒パウチ用注出口をより薄型に成形することができるため、内容物充填前や使用後に折り畳んで低容量化することができる。
【0028】
この直線(IIa)は、形成線(I)と形成線(II)との2つの交点(P1,P2)を結ぶ線(L1)に対して平行であることが好ましい。図4(e)に、形成線(I)と形成線(II)との2つの交点(P1,P2)を結ぶ線(L1)に対して平行な形成線(II)の直線(IIa)を示す。直線(IIa)は、形成線(II)の0.05〜0.8倍、より好ましくは0.1〜0.6倍、特に好ましくは0.2〜0.5倍である。この範囲であれば、十分な中空(10)を確保し、かつシールラインを容易に形成して、シワやたるみを効率的に防止することができるからである。
【0029】
また、図5(a)、(b)に示すように、前記形成線(II)を構成する前記直線(IIa)の両端部と、前記形成線(I)と形成線(II)との2つの交点(P1,P2)とは、それぞれ形成線(IIb)で連結され、前記直線(IIa)と形成線(IIb)とのなす角は、10〜90°、より好ましくは10〜60°、特に好ましくは10〜45である。形成線(IIb)が直線を含む場合を図5(a)に、形成線(IIb)が全て曲線の場合を図5(b)に示す。図5(a)に示すように、形成線(IIb)が直線を含む場合には、直線(IIa)と形成線(IIb)に含まれる直線(IIb’)とのなす角(θ1)が10〜60°となる。この際、前記直線(IIa)と形成線(IIb)とは、半径Rが2mm以上、より好ましくは2〜100mm、特に好ましくは4〜80mmの丸みで交差する角部が成形されることが好ましい。特に、容器に強度が要求される場合には、角部に丸みを形成することで、製袋後の角部への物理的衝撃を回避し、内容物遺漏を防止することができるからである。
【0030】
一方、図5(b)に示すように、形成線(IIb)が曲線の場合には、形成線(IIa)の端部と交点とを結ぶ形成線(IIb)における偏曲点における接線と、形成線(I)と形成線(II)との2つの交点(P1,P2)を結ぶ線(L1)とのなす角(θ1)を10〜60°とする。図5(b)に、偏曲点における接線をL2で示す。直線(IIa)と形成線(IIb)とのなす角(θ1)が上記範囲であれば、シールラインの形成時に、シワやたるみを効率的に防止することができるからである。なお、偏曲点が多数存在する場合には、直線(IIa)から最も近い偏曲点における接線とのなす角とする。
【0031】
なお、本発明の円筒パウチ用注出口において、前記中空接着基部には、図4(c)に示すように、前記接着部(20)の上端を被覆する天面板(21)を有していてもよい。
また、前記接着部(20)は、前記円筒パウチ用注出口の形成線(I)と形成線(II)とによって構成される接着部幅をd、前記接着基部上端からの接着深さをaとした場合に、正面視、下記式(1)に基づく接着深さ(a)以上の接着部長さを有することが好ましい。
【0032】
【数1】
図12は、本発明の円筒パウチ用注出口を所定形状のシールラインでパウチの天面部に固設した際の天面部を構成する折込部の縦断を説明する図である。図12の注出口付きパウチの側面部分断面図に示すように、前記接着部幅(d)と前記接着深さ(a)とを有する円筒パウチ用注出口を、上記式(1)に示すシートラインでパウチの天面部に固設すると、内容物充填後の注出口付きパウチの天面部の折込みの形状は、パウチ中央縦断面視、パウチのほぼ中央部から円筒パウチ用注出口に向かって直線bで示す傾斜を構成する。
【0033】
一方、前記接着部(20)は、前記円筒パウチ用注出口の形成線(I)と形成線(II)とによって構成される接着部幅をd、前記折込部上端からの接着深さをaとした場合に、接着部上端から、正面視、下記式(2)に基づく接着深さ(a)以上の接着部長さを有するものであってもよい。
【0034】
【数2】
図13は、本発明の円筒パウチ用注出口を所定形状のシールラインでパウチの天面部に固設した際の天面部を構成する折込部の縦断の別の態様を説明する図である。図13の注出口付きパウチの側面図に示すように、前記接着部幅(d)と前記接着深さ(a)とを有する円筒パウチ用注出口を、上記式(2)に示すシートラインでパウチの天面部に固設すると、内容物充填後の注出口付きパウチの天面部の折込みの形状は、パウチ中央縦断面視、パウチの端部から円筒パウチ用注出口に向かって直線bで示す傾斜を構成する。
【0035】
すなわち、本発明の円筒パウチ用注出口は、これを所定形状のシールラインでパウチの天面部に固設すると、内容物を充填後に胴部が円筒形状となり、かつその天面部が、例えば図12や図13に示すように、異なる形状に成形することができる。天面部の形状に対応した所定のシールラインで固設するため、円筒パウチ用注出口の接着部は、正面視、このようなシールラインを形成しうる長さを確保する必要があり、接着部長さを上記算出式で規定した。なお、円筒パウチ用注出口の形成線(I)と形成線(II)とによって構成される接着部幅dとは、図6に示すように、形成線(I)と形成線(II)との2つの交点(P1,P2)を結ぶ線(L1)の垂線における、形成線(I)と形成線(II)との間の距離dである。
【0036】
上記式(1)、(2)から明らかなように、接着部の長さは、円筒パウチ用注出口の形成線(I)と形成線(II)とによって構成される接着部幅dによって変化する。本発明では、接着部の長さは、上記式(1)、(2)で示す長さが確保できればよく、前記式に従った曲線を構成する必要はない。従って、上記式(1)、(2)の最長を接着部の上端部からの長さとした、正面視、方形のものであってもよい。また、図7(b)の正面図に示すように、接着部の両端が中央部よりも浅く形成されるものであってもよい。接着部(20)に所定形状のシールラインを形成することができれば、胴部の円筒形状を確保することができるからである。なお、図7(a)、(c)は、その左側面図、右側面図である。また、前記接着部(20)の上端を被覆する天面板(21)は、接着部(20)の底面よりも外に突出する部分を有するフランジ(22)を構成するものであってもよい。接着部(20)の底面よりも折込部シートや胴部シートの厚み分だけ外側に突出させたフランジ(22)にすることで、円筒パウチ用注出口の固定安定性を向上させることができる。
【0037】
更に、図8に示すように、本発明の円筒パウチ用注出口が、ピルファープルーフバンド付きの蓋部を装着する場合には、筒状注出部(A)にピルファープルーフバンドを開封するための開封部(33)が形成されるものであってもよい。また、図4、図7と相違して、筒状注出部(A)にフランジ(22)を形成してもよい。このようなフランジ(22)は、少なくとも一部において、接着部(20)の上端よりも突出していればよく、接着部(20)の上端の全周に亘って突出している必要はない(図8(a)参照)。例えば、フランジを平面視、六角形に成形すれば、円筒パウチ用注出口を自動製袋機に装着する際にガイドに従って円筒パウチ用注出口を移動させることができ、取り扱い性を向上させることができる。
【0038】
前記したように、本発明の円筒パウチ用注出口は、図8(a)に示すように、平面視、厚さの厚い中央部(20a)とその両端の翼(20b)とに分割することができ、前記中央部を支柱(24)と前記支柱(24)に横架する棚部(25)とで構成してもよい。図8(e)に示す接着部(20)の底面図に、支柱(24)の具体的態様を破線で示す。図8(e)では、筒状注出部(A)の筒状部(30)が接着部(20)を貫通するように連設され、この筒状部の両端に平行して支柱(24a)が2本形成され、さらに、形成線(I)と形成線(II)との交点を結ぶ線上に支柱(24b)が形成されている。図8(b)、(c)、(d)に示すように、接着部(20)は、前記支柱に複数の棚部(25)が略等間隔に横架されて構成されている。本発明の円筒パウチ用注出口は、所定厚さの接着部(20)を必要とするため、接着部(20)が重くなる場合がある。上記したように、接着部(20)の中央部(20a)を支柱(24a、24b)と棚部(25)で構成することで円筒パウチ用注出口を軽量化することができる。
【0039】
本発明の円筒パウチ用注出口は、その形状に特徴があり、材質に制限はない。ただし、パウチへの取り付けの容易さなどを考慮して、熱溶着性樹脂で構成されることが好ましい。特に、熱溶着性、加圧加熱殺菌、耐熱性などに優れる点で、ポリプロピレン、中密度または高密度ポリエチレン、ポリエステル、ポリカーボネートなどを射出成形して形成したものであることが好ましい。
【0040】
(2)注出口付きパウチ
次に、本発明の注出口付きパウチについて詳細に説明する。
本発明の注出口付きパウチは、胴部と、前記胴部の少なくとも上端に接着される天面部と、前記胴部と前記天面部との間に固設される注出口とを有する注出口付きパウチであって、前記注出口は、上記円筒パウチ用注出口であり、前記胴部と前記形成線(I)とが当接し、前記天面部と前記形成線(II)とが当接するように固設されたものである。
【0041】
本発明の注出口付きパウチは、胴部と底部と天面部とからなる。天面部の形状には特に制限はなく、例えば、図9(a)の斜視図に示すように略円形に成形し、天面部シート(70’)と胴部シート(60)との間に上記した円筒パウチ用注出口(50)を接着して、注出口付きパウチ(100)を製造することができる。この場合には、底部および天面部が平面で構成され、パウチは、内容物充填前から胴部が円筒形状となる。このパウチの平面図を図9(b)に示す。
【0042】
一方、本発明では、前記胴部を2枚のシートの両端を接着して構成し、前記天面部を前記2枚の胴部シートに固設された折込部シートで構成してもよい。胴部の上端に挿入された折込部は、パウチの天面部を構成する。
【0043】
図10(a)に、胴部(60)が2枚の胴部シートを重ね合わせてなり、その上端と下端とにそれぞれ折込部(70)を挿入し、胴部上端の折込部シート(70)と胴部シート(60)との間に円筒パウチ用注出口(50)を挿入し、および固着した態様を示す。図10(b)は、上記注出口付きパウチに内容物を充填した後の平面図である。図10(a)、(b)に示すように、パウチ天面を構成する折込部(70)は、折込線(70c)を介して円筒パウチ用注出口が接着される折込部(70a)と円筒パウチ用注出口が接着されない折込部(70b)とからなる。なお、図10(a)の示すパウチでは、その底部は、折込線(70c)の両側が円筒パウチ用注出口が接着されない折込部(70b)で構成される。このように、胴部の上下に折込部を所定形状に接着して製袋したパウチは、図10(a)に示すように、内容物充填前に扁平であるため、保存や輸送に好適である。
【0044】
本発明の注出口付きパウチにおいて、前記胴部の内周は、円筒パウチ用注出口の形成線(I)を構成する半径Rの4〜25倍、より好ましくは5.3〜7.2倍、特に好ましくは6.0〜6.6倍である。上記円筒パウチ用注出口は、装着できればパウチの胴部の内周に限定されないが、胴部の内周を上記範囲に調整すれば、パウチに内容物を充填した後に、容易に胴部を半径Rの円筒形状に維持することができる。
【0045】
本発明の注出口付きパウチの天面および底面が、胴部の上下にそれぞれ折込部を接着してなる場合、内容物充填後に胴部を円筒形状とするため、これらの折込部と胴部とを所定のシールラインで接着する。このようなシールラインを図11に示す。図11(b)に、パウチの天面部および底部を構成する折込部(70)を、折込線(70c)で広げた態様を示す。パウチの底部は、折込線(70c)を中心にして対象の、円筒パウチ用注出口が接着されない折込部(70b)で構成され、各折込部(70b)には、胴部(60)の全幅(W3)にわたってなだらかな曲線からなるシールライン(L3)が形成されている。
【0046】
本発明では、折込部シート(70)と胴部シート(60)とを重ねて相互に接着して胴部を円筒形状にするために、底部を構成する折込部(70b)の前記シールライン(L3)を、折込部シート(70)の折込線(70c)からの最も遠いシール個所までの距離をAとした場合に、ASinθの曲線で形成する。通常は、R曲線でシールするが、ASinθの曲線でシールラインを形成することで、より正確にパウチの胴部を円筒形状に成形しうるからである。
【0047】
なお、折込部(70)は、前記シールライン(L3)を形成できればよく、したがって、折込部(70)を図11(b)に示すカット線(73)で切断してもよい。これにより、不用な接着部(80)の面積を縮小することができる。なお、図11(b)では、説明のためパウチの一部にのみカット線を記載したが、パウチ底部および上端の折込部シートと胴部シートとが接着される4箇所において、同様にカット線で切断することができる。このように4箇所がカット線で切断されたパウチの形状は、図2に示されている。なお、図11(b)では、カット線(73)を直線で示したが、不用な接着部の面積を縮小しうれば、曲線であってもよい。
【0048】
一方、パウチ天面部を構成する折込部(70)は、折込線(70c)を介して、円筒パウチ用注出口が接着される折込部(70a)と、円筒パウチ用注出口が接着されない折込部(70b)で構成される。パウチ天面部の前記折込部(70b)は、底部を構成する折込部(70b)と同じシールラインで胴部シート(60)と折込部シート(70)とを接着すればよい。
【0049】
一方、前記折込部(70a)において、折込部と前記円筒パウチ用注出口の接着部は、図12に示すように、前記円筒パウチ用注出口(50)の接着部(20)の幅をd、前記折込部上端からの接着深さをa、パウチの半径をRとした場合に、下記式(1)に基づく接着深さ(a)からなるシールラインで接着することが好ましい。
【0050】
【数3】
前記したように、シールラインを上記式(1)で構成すると、図12に示すように、パウチ中央縦断面視、パウチのほぼ中央部から円筒パウチ用注出口に向かって直線bで示す傾斜を構成しうる注出口付きパウチを製造することができる。
【0051】
また、前記折込部(70a)において、折込部と前記円筒パウチ用注出口の接着部は、下記式(2)に基づく接着深さ(a)からなるシールラインで接着してもよい。
【0052】
【数4】
前記したように、シールラインを上記式(2)で構成すると、図13に示すように、パウチ中央縦断面視、パウチの端部から円筒パウチ用注出口に向かって直線bで示す傾斜を構成しうる注出口付きパウチを製造することができる。
【0053】
図11(b)に示すように、前記折込部(70a)において、パウチ胴部(60)の全幅(W3)とし、この胴部の中央に接着する円筒パウチ用注出口の接着部(20)の幅をW2、その両側の接着幅をW1とすれば、円筒パウチ用注出口の接着部(20)の幅(W2)では、上記式(1)または式(2)に従ってシールライン(L4)を形成し、その両側の接着幅(W1)をそれぞれASinθによる折込部シートのシールライン(L3)で形成する。なお、便宜のため、図11(b)において、パウチに装着した円筒パウチ用注出口の接着部(20)の幅(W2)にASinθの仮想線を破線で示す。また、図11(a)に、円筒パウチ用注出口の接着部(20)の上記式(1)によるシールライン(L4)を破線で示す。前記したように、円筒パウチ用注出口の接着部(20)は、上記式(1)または(2)で示す接着部深さを有すればよく、その全幅(W2)において深さが変動する。図11(a)では、厚さの厚い中央部(20a)とその両端の翼(20b)とからなる円筒パウチ用注出口の接着部(20)に、前記式(1)に基づくシールライン(L4)を示すが、接着部(20)の中央から翼(20b)に向かってシールラインが浅くなっている。本発明では、接着部(20)は上記シールラインを確保できればよいため、前記翼(20b)に加え、中央部(20a)においても符号27に示す切断線で両端を切断した形状に成形することができる。このように両端下部を切り込むことで、簡便に前記シールラインを確保しつつ円筒パウチ用注出口を軽量化することができる。このような切り込みを有する円筒パウチ用注出口は、図8に示されている。なお、図11では、切断線(27)を直線で示したが、曲線であってもよい。
【0054】
本発明の注出口付きパウチは、パウチ上端の折込部(70a)において、円筒パウチ用注出口の接着部(20)と折込部シート(70)とを重ね、パウチの幅W2の範囲では、上記(1)または(2)で構成されるシールラインで互いに接着させる。一方、前記接着部(20)の幅W2の両端の幅W1の範囲では、折込部シート(70)と胴部シート(60)とをASinθのシールラインで接着させる。
【0055】
この際、パウチ天面部を構成する折込部(70)の折込部(70a)において、円筒パウチ用注出口の接着部(20)と胴部シート(60)とは特定のシールラインを必要としない。円筒パウチ用注出口の接着部(20)において、胴部シートと当接する面は底面視、半径Rの曲線からなる形成線(I)であるため、前記接着部(20)と胴部シート(60)とを重ねた後に、一定幅で互いに接着させればよく、これによって所定の接着力と円筒形状とを確保することができるからである。
【0056】
なお、パウチ天面を構成する折込部(70)における前記折込部(70b)は、底部を構成する折込部(70)と同様に、折込部シート(70)と胴部シート(60)とを重ね、ASinθのシールラインで接着させる。本発明の注出口付きパウチは、内容物の充填に伴い、上下の折込部(70)が開放され、胴部が自立可能な円筒形状となる。さらには、意匠性ならびに使用性を向上することができる。
【0057】
更に、本発明の注出口付きパウチは、前記胴部の両端に形成された接着部に、胴部を構成するシートに向かって折り癖が形成されていることが好ましい。これにより、パウチの胴部に突出する接着部が外方へ突出するのを防止して、胴部を略円筒形状に形成することができる。このようにして製袋されたパウチに内容物を充填した後の外観斜視図は図3や後記する図18に示されている。なお、胴部に、シュリンクフィルム等を巻装して、胴部に形成された接着部の外部への突出を防止してもよい。これによって、内容物を充填したパウチを把持して内容物を摂取する際にも、接着部による手への食い込みを防止して、取り扱い性を向上させることができる。また、胴部がより円筒形状に近似されるため、自動販売機への応用にも適する。
【0058】
なお、本発明の円筒パウチ用注出口において、胴部シート同士の接着や、胴部シートと折込部シートとの接着、胴部シートや折込部シートと円筒パウチ用注出口との接着は、接着剤などによって行ってもよいが、例えば胴部シートや折込部シート、円筒パウチ用注出口を熱融着性樹脂で構成し、熱融着によって相互に接着し、または固設してもよい。従って、本発明では、胴部シートや折込部シートして、少なくとも最内層に熱融着性樹脂層が形成されるフィルムを好適に使用することができる。また、用途によってガスバリア性を担保するために、いずれかの層にアルミニウム箔などのガスバリア性層を積層した積層フィルムであってもよい。
【0059】
前記パウチを構成する部材としては、主にプラスチックを主体とする積層フィルムが用いられるが、特に限定はされるものではなく、充填する内容物の種類や充填後の加熱処理の有無など使用条件に応じて適するものを適宜、選択することができる。具体的には、以下の積層フィルムを好適に使用することができる。
【0060】
(1)PETフィルム/接着剤/アルミニウム箔/接着剤/ONフィルム/接着剤/PEフィルム
(2)PETフィルム/接着剤/ONフィルム/接着剤/アルミニウム箔/接着剤/PEフィルム
(3)PETフィルム/接着剤/EVOHフィルム/接着剤/ONフィルム/接着剤/PEフィルム
(4)PETフィルム/接着剤/一軸延伸PPフィルム/接着剤/アルミニウム箔/接着剤/PPフィルム
(5)PETフィルム/接着剤/(シリカまたはアルミナ蒸着層)ONフィルム/接着剤/PPフィルム
上記構成において、PETフィルムは2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム、ONフィルムは2軸延伸ナイロンフィルム、PPフィルムはポリプロピレンフィルム、CPPフィルムは無延伸ポリプロピレンフィルム、EVOHフィルムはエチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物フィルム、(シリカまたはアルミナ蒸着層)ONフィルムはシリカまたはアルミナを蒸着した2軸延伸ナイロンフィルムを指すものである。
【0061】
(3)注出口付きパウチの製造方法
本発明の注出口付きパウチは、上記形状を構成できれば特に製造方法に限定はない。2枚の胴部を構成するシートの上下にそれぞれ折込部(70)を挿入して製袋されたものである場合には、図14に示すように、2枚の胴部シート(60)の上下にそれぞれ折込部シート(70)を挿入する。次いで、円筒パウチ用注出口を固設しない3箇所の折込部(70b)を、ASinθのシールラインを構成するようにヒートシールする。また、同時に、胴部(60)の両端をヒートシールする。なお図14に、シールラインと円筒パウチ用注出口の接着部(20)の挿入予定個所とを破線で示した。上記ヒートシール工程では、底部を構成する4枚シートを重ね合わせ、上下から前記ASinθのシールラインを構成するようにヒートシールすると、熱融着性のない胴部シート同士の接着を回避して底部の折込部(70)と胴部とを所定形状に接着することができる。なお、パウチ天面を構成する折込部は、ヒートシール遮蔽板などを折込線に沿って挿入することで、前記折込部(70b)にはASinθのシールラインによるヒートシールを行い、かつ前記折込部(70a)でのヒートシールを回避することができる。
【0062】
また、本発明では、パウチのヒートシール時に、胴部(60)の接着部(80)であって、折込部(70)の折込線(70c)の上部に図14に示すようにポイントシールを形成することが好ましい。本発明において、「ポイントシール」とは、他の接着部よりも加圧条件で熱融着した接着部を意味する。図14では、ポイントシールをP1、P2、P3で示す。ポイントシールを形成することによって、内容物の充填にしたがって折込部(70)が開放する際に、折込部(70)がパウチの外側に膨らむことを好適に防止することができ、注出口付きパウチの自立安定性をより向上させることができる。
【0063】
なお、胴部(60)の両端をヒートシールした後に、胴部の接着部(80)を胴部シート(60)の一方に折り曲げると、胴部シートに向かって折り癖を形成することができる。折癖を形成すると、パウチに内容物を充填した後に接着部(80)が胴部(60)の外周に突出するのを防止して、胴部をより円筒形状に保形することができる。
【0064】
次いで、予め調製した円筒パウチ用注出口を、上記パウチに取り付ける。この際、前記注出口を、前記胴部と前記形成線(I)とが当接し、前記折込部と前記形成線(II)とが当接するように挿入し、前記した所定形状のシールラインで固設すると、本発明の注出口付きパウチを製造することができる。
【0065】
本発明の注出口付きパウチは、内容物を充填する前には扁平であるが、内容物充填後に胴部が円筒形状になるため自立安定性に優れ、かつ意匠性に優れ、店頭販売でも需要者の注目を引くことができる。
【0066】
また、従来、円筒形状のペット容器や缶などを対象とする自動販売機への応用が可能となる。
一方、本発明の注出口付きパウチは、軟フィルムで構成されるため、使用中に胴部を把持して内容物を容易に押し出すことができ、例えばゼリーなどの粘度の高い内容物の収納に優れ、かつ使用後に折りたたむことで低容量化することができる。
【0067】
本発明の注出口付きパウチは、飲料や食料の収納に優れる、化粧品、医薬品などの収納にも優れる。
【実施例】
【0068】
次に実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、これらの実施例は何ら本発明を制限するものではない。
実施例1
厚さ12μmのPETフィルムと厚さ9μmのアルミニウム箔と厚さ15μmの未延伸ポリアミドフィルムと厚さ100μmのPEフィルムとをラミネート用接着剤で積層した、最内層に熱融着性樹脂層からなる積層フィルムを使用し、横(W)100mm、縦105mmの胴部シート2枚と、横(W)100mm、縦60mmの折込部シート2枚とを調製した。
【0069】
次いで、図15に示すように底部、胴部および天面部を構成する折込部をそれぞれ折込線を介して二つ折りし、天面部を構成する折込部には、ヒートシール遮蔽板を装着して折込部(70a)のヒートシールを回避しつつ、3箇所の折込部(70b)にそれぞれ25Sinθのヒールラインでヒートシールにより接着した。なお、ヒートシール直後に、胴部の両端の接着部を上前の胴部シート側に倒し、折癖をつけた。なお、図15において、Wは、胴部および折込部の横幅100mmを示し、Laは胴部の長さ105mmを、Lbは折込部の二つ折りした際の長さ30mmを示す。また、円筒パウチ用注出口(20)の挿入予定個所を破線で示す。
【0070】
次いで、図8に示す、筒状部(30)にピルファープルーフバンドを開封するための開封部(33)とフランジ(22)とを有し、接着部(20)が支柱(24)と棚部(25)とで構成される円筒パウチ用注出口(20)を上記パウチの折込部シートと胴部シートとからなる上端開放部に挿入した。この態様を図16に示す。なお、この円筒パウチ用注出口(20)は、形成線(I)と形成線(II)が同一長で共に42mmであり、半径R=25mmの曲線で構成されている。また、図17(a)に示すように、接着部(20)は深さ(Lc)22mmであり、幅(Wa)は、正面視、38mmであり、その両端下部に正面視、幅(Wb)10mm、深さ(Ld)4mmの切り欠きを有している。また、図17(c)に示すように、形成線(II)には、形成線(I)と形成線(II)との2つの交点(P1,P2)を結ぶ線(L1)に対して平行な直線IIaが形成され、その長さは18mmである。更に、直線IIaと角度(θ1)45°で交差する直線IIbを有し、その長さは12mmである。また、直線IIaと直線IIbとの交差する角は、半径R=3mmの丸みで構成されている。
【0071】
この円筒パウチ用注出口(20)を使用して、接着深さ(a)が、a=(1−d/2R)dとなるシールラインを形成しつつ形成線(I)が胴部シートと当接し、形成線(II)が折込部シートと当接するように同じ幅でヒートシールし、円筒パウチ用注出口(20)のない個所は、前記底部と同様に25Sinθのシールラインを形成するようにヒートシールした。
【0072】
次いで、パウチ天面部および底部を構成する折込部の胴部接着部に延長される端部を接着して、本発明の注出口付きパウチを製造した。
このようにして製袋した注出口付きパウチに、前記円筒パウチ用注出口から空気を注入し、外観を観察した。このパウチは、内容物充填前は偏平であるが、空気を導入すると、胴部が円筒形状に成形され、自立することができた。また、胴部に形成した折癖によって、胴部の2つの接着部が上前の胴部シート側に沿って倒れた。このパウチの斜視図を図18(a)に、平面図を図18(b)に示す。パウチ天面部および底部には、シワやたるみが少なかった。また、胴部を把持しても、胴部の接着部が胴部に沿っているため、把持の際に手や指を傷付けることが無かった。
【0073】
このパウチは、円筒パウチ用注出口を把持してキャップを装着することができた。円筒パウチ用注出口は把持が容易であり、このためパウチの胴部をひねることなくキャップの装着を容易に行うことができた。
【図面の簡単な説明】
【0074】
【図1】本発明の円筒パウチ用注出口を説明する斜視図である。
【図2】本発明の円筒パウチ用注出口が固設された注出口付きパウチを示す図である。
【図3】図2の注出口付きパウチに内容物を充填した際の斜視図(a)と、その平面図(b)である。
【図4】本発明の円筒パウチ用注出口の好適な態様の一例を説明するための、平面図(a)、左側面図(b)、正面図(c)、右側面図(d)、および底面図(e)である。
【図5】円筒パウチ用注出口の形成線(II)を構成する直線(IIa)と形成線(IIb)とを説明する図である。
【0075】
正面視、下記式に基づく接着深さ(a)以上の接着部長さを有することを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の円筒パウチ用注出口。
【図6】円筒パウチ用注出口の形成線(I)と形成線(II)とによって構成される接着部幅dを説明する図である。
【図7】接着部の上部にフランジを有する、本発明の円筒パウチ用注出口の好適な態様の一例を説明するための、正面図(a)、左側面図(b)、右側面図(c)である。
【図8】本発明の円筒パウチ用注出口の好適な態様の一例を説明するための平面図(a)、左側面図(b)、正面図(c)、右側面図(d)、および底面図(e)であリ、接着部(20)が、支柱(24)と前記支柱(24)に横架する棚部(25)とで構成されている態様を示す。
【図9】胴部と底部と天面部とからなり、少なくとも前記天面部に本発明の円筒パウチ用注出口が固設される注出口付きパウチの態様の一例を示す図である。図9(a)は斜視図、図9(b)は平面図である。
【図10】本発明の円筒パウチ用注出口が固設された注出口付きパウチが、2枚の胴部シートと、その上下に挿入した折込部とからなり、所定のシールラインで接着してなることを説明する図である。図10(a)は斜視図、図10(b)は平面図を示す。
【図11】本発明の円筒パウチ用注出口が固設された注出口付きパウチを製造する際の、折込部のシールラインの形状を説明する図である。図11(a)は円筒パウチ用注出口の正面図を、図11(b)はパウチのシールラインを説明するパウチ正面図である。
【図12】本発明の円筒パウチ用注出口が固設された注出口付きパウチを製造する際の、折込部のシールラインの算出方法を説明する図である。
【図13】本発明の円筒パウチ用注出口が固設された注出口付きパウチを製造する際の、折込部の図12と異なるシールラインの算出方法を説明する図である。
【図14】本発明の円筒パウチ用注出口が固設された注出口付きパウチを製造する際の、2枚の胴部シートと2枚の折込部とを所定位置に重ねることを説明する図である。
【図15】図14の積層体の所定個所にヒートシールして、パウチ底部と天面部の一部を形成することを説明する図である。
【図16】図15で得たパウチに本発明の円筒パウチ用注出口を挿入した状態を説明する図である。
【図17】図15のパウチに挿入する円筒パウチ用注出口のサイズを説明する図である。
【図18】実施例で製造したパウチに空気を入れて自立させた状態を示す斜視図(a)ならびに平面図(b)である。
【図19】従来のパウチを示す図である。
【符号の説明】
【0076】
10・・・円筒パウチ用注出口の中空部、
20・・・円筒パウチ用注出口の接着部、
21・・・円筒パウチ用注出口の接着部の天面板、
22・・・円筒パウチ用注出口のフランジ、
24・・・円筒パウチ用注出口の接着部を構成する支柱、
25・・・円筒パウチ用注出口の接着部を構成する棚部、
30・・・円筒パウチ用注出口の筒状注出部(A)の中空筒状部、
31・・・中空筒状部に形成された螺旋、
33・・・ピルファープルーフバンドを開封するための開封部、
50・・・円筒パウチ用注出口、
60・・・注出口付きパウチの胴部、
70・・・注出口付きパウチの折込部、
70a・・・円筒パウチ用注出口が接着される折込部、
70b・・・円筒パウチ用注出口が接着されない折込部、
70c・・・折込部の折込線、
80・・・注出口付きパウチの接着部、
100・・・注出口付きパウチ
【技術分野】
【0001】
本発明は、所定形状の円筒パウチ用注出口と前記円筒パウチ用注出口を固設した注出口付きパウチに関し、より詳細には、内容物充填前には偏平に折り畳め、かつ内容物充填後に胴部が円筒形状となり、かつパウチ上端部に固設された注出口の蓋を外して内容物を容易に取り出せる、前記円筒パウチ用注出口を固設した自立安定性に優れる注出口付きパウチに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、図19に示すように、容器側部にガゼットを設けたパウチが知られており、各種飲料の容器に用いられている。パウチはプラスチックフィルムなどの柔軟性フィルムで構成されるため、容器の柔軟性に優れるため内容物の押出し性に優れ、更に缶容器やペットボトルとは異なり使用後の減容化に優れ、かつ持ち運びが容易であることから携帯性に優れ、急速にその需要が高まっている。
【0003】
しかしながら、前記パウチは軟フィルムを素材として用いているため、胴部の保型性が低く、所定の重量を有する内容物を充填しない場合には自立できず、陳列した際にパウチの胴部が変形しやすく陳列性に劣る場合がある。
【0004】
このような自立安定性を確保するため、胴部下端にヒートシール部からなる支持部を形成した容器がある(特許文献1)。
【特許文献1】特開平10−264941号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、ガゼットパウチは、容器側部にガゼットが形成されるためその外観が略四角形状となる。一般に、飲料などの流動性食品を販売する缶容器やペットボトルは円筒形状であるのに対し、円筒状のガゼットパウチは存在せず意匠性に欠ける。更に、円筒形状の容器は自動販売機などでの販売が可能であるのに対し、ガセットパウチはその形状に由来してペットボトルなどの円筒形状の容器を取り扱う自動販売機などでの販売が困難であり、店頭陳列に限られている。
【0006】
一方、軟フィルムで円筒形状の胴部を形成した場合、胴部の把持によって内容物が円筒パウチ用注出口から容易に流出するため、パウチの把持が困難となったり、または円筒パウチ用注出口の上端に螺合されたスクリューキャップを開閉する際に胴部がよじれ、開封が困難となる場合がある。
【0007】
また、軟フィルムは機械的強度に劣る場合があり、特にパウチにシワやたるみなどが形成される場合には、外観上好ましくなく、さらに輸送時の振動その他の力がシワに集中し、ピンホールなどの容器破損の一因となる。
【0008】
更に、パウチは、内容物充填後に所定形状を確保できればよく、充填前には、折り畳むことで低容量化できれば保管や輸送の際の効率に優れる。また、使用後に折り畳む際にもよりコンパクトに低容量化することができる。
【0009】
上記現状に鑑みて、本発明は、内容物の充填前には偏平であるが、内容物の充填によって円筒形状に成形され、かつ胴部の保形性および自立安定性を有する注出口付きパウチを提供することを目的とする。
【0010】
また、内容物充填後にシワなどの発生が抑制された注出口付きパウチを提供することを目的とする。
更に、上記注出口付きパウチに好適に固設しうる円筒パウチ用注出口を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明者らは、パウチ容器および円筒パウチ用注出口の形状について詳細に検討した結果、軟フィルムを胴部と折込部からなる上端部とで構成し、かつ所定のシールラインで胴部と折込部とを接着すると、内容物充填前に偏平に折り畳むことができ、かつ内容物充填後に円筒形状となるパウチを製造しうること、このようなパウチに装着する円筒パウチ用注出口として筒状注出部と前記筒状注出部に連設される中空接着基部とからなり、前記中空接着基部を、底面視、略中央に形成される中空部と、前記中空部の外周を形成する形成線(I)と形成線(II)とで構成される所定形状の底面部と、前記底面部から鉛直に延びる接着部とで構成すると、内容物充填後のパウチ胴部を円筒形状とすることができ、かつ円筒パウチ用注出口の先端に螺合されたキャップの開閉を容易に行いうること、また、所定のシールラインでの胴部へ円筒パウチ用注出口を固設することができ、これによってシワやたるみ、ピンホールなどの発生が抑制され、耐衝撃性が向上することを見出し、本発明を完成させた。
【0012】
即ち、本発明は、筒状注出部と前記筒状注出部に連設される中空接着基部とからなる円筒パウチ用注出口であって、前記中空接着基部は、底面視、略中央に形成される中空部と、前記中空部の外周を形成する形成線(I)と形成線(II)とで構成される底面部と、前記底面部から鉛直に延びる接着部とを有し、前記形成線(I)は半径Rの曲線からなり、前記形成線(II)は、形成線(I)と形成線(II)との2つの交点を結ぶ線に対して前記形成線(I)と非対称形であり、前記形成線(II)は前記形成線(I)と同一長であることを特徴とする円筒パウチ用注出口を提供するものである。
【0013】
また、本発明は、胴部と、前記胴部の少なくとも上端に接着される天面部と、前記胴部と前記天面部との間に固設される注出口とを有する注出口付きパウチであって、前記注出口は、前記円筒パウチ用注出口であり、前記胴部と前記形成線(I)とが当接し、前記天面部と前記形成線(II)とが当接するように固設されたことを特徴とする、注出口付きパウチを提供するものである。
【発明の効果】
【0014】
本発明の円筒パウチ用注出口によれば、所定形状のパウチに装着することで、内容物充填後に胴部が円筒形状となるパウチを容易に製造することができる。
本発明の円筒パウチ用注出口は、掌に安定して収まるため、螺合されたキャップを容易に開封することができる。
【0015】
本発明の注出口付きパウチは、軟フィルムで構成することができ、内容物未充填時には偏平に折りたたむことができ、注出口付きパウチの保存時のスペースを低容量化することができる。また、胴部が軟フィルムで構成されるため、使用時に胴部を把持して内容物を容易に押出すことができる。
【0016】
本発明の注出口付きパウチは、扁平な折込部シートと胴部シートとを重ねて所定のシールラインによって接着して製袋することができるため製造が容易であり、かつ内容物充填後のシワやたるみが抑制されるため、使用時の耐衝撃性に優れる。
【0017】
本発明の注出口付きパウチは、円筒形状であり意匠性に富み、かつ自動販売機などへの応用も可能であり、販路を広げることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
本発明の第一は、筒状注出部と前記筒状注出部に連設される中空接着基部とからなる円筒パウチ用注出口であって、前記中空接着基部は、底面視、略中央に形成される中空部と、前記中空部の外周を形成する形成線(I)と形成線(II)とで構成される底面部と、前記底面部から鉛直に延びる接着部とを有し、前記形成線(I)は半径Rの曲線からなり、前記形成線(II)は、形成線(I)と形成線(II)との2つの交点を結ぶ線に対して前記形成線(I)と非対称形であり、前記形成線(II)は前記形成線(I)と同一長であることを特徴とする円筒パウチ用注出口である。前記形成線(II)は、一部に直線を有するものであってもよく、前記形成線(II)を構成する前記直線(IIa)の端部と、前記形成線(I)と形成線(II)との交点とは形成線(IIb)で連結され、前記直線(IIa)と形成線(IIb)とのなす角は、10〜90°であることが好ましい。また、前記接着部は、前記円筒パウチ用注出口の形成線(I)と形成線(II)とによって構成される接着部幅をd、前記接着部上端からの接着深さをaとした場合に、正面視、所定式に基づく接着深さ(a)以上の深さを有することが好ましく、更に、前記中空接着基部は、前記接着部の上端を被覆する天面部を有してもよい。
【0019】
また、本発明の第二は、胴部と、前記胴部の少なくとも上端に接着される天面部と、前記胴部と前記天面部との間に固設される注出口とを有する注出口付きパウチであって、前記注出口は、上記円筒パウチ用注出口であり、前記胴部と前記形成線(I)とが当接し、前記天面部と前記形成線(II)とが当接するように固設されたことを特徴とする、注出口付きパウチである。前記胴部は2枚のシートの両端を接着して構成され、前記天面部は前記2枚の胴部シートに固設された折込部シートであってもよく、前記胴部の内周は、前記円筒パウチ用注出口の形成線(I)を構成する半径Rの4〜25倍であることが好ましい。また、前記折込部と前記円筒パウチ用注出口の接着部とは、前記円筒パウチ用注出口の形成線(I)と形成線(II)とによって構成される接着部幅をd、前記折込部上端からの接着深さをaとした場合に、所定のシールラインで接着されることで、胴部が半径Rの略円筒状の注出口付きパウチとすることができる。更に、前記2枚の胴部シートはその両側端を接着され、前記折込部シートは、前記胴部を構成する2枚のシート間の少なくとも上端に接着され、前記胴部シートの両端に形成された接着側端部は、胴部シートに向かって折り癖が形成されたものであると円筒形状の形態保持性に優れる。以下、本発明の円筒パウチ用注出口および注出口付きパウチを、図面を用いて詳細に説明する。
【0020】
(1)円筒パウチ用注出口
図1は、本発明の円筒パウチ用注出口の好適な態様の一例を示す斜視図であり、図2は図1の円筒パウチ用注出口を装着した注出口付きパウチの平面図であり、図3は、図2の注出口付きパウチに内容物を充填した際の斜視図(a)と、その平面図(b)である。
【0021】
図1に示すように本発明の円筒パウチ用注出口は、中空筒状部(30)からなる筒状注出部(A)と前記筒状注出部に連設される中空接着基部(B)とからなり、底面視、略中央に形成される中空部(10)と、前記中空部の外周を形成する形成線(I)と形成線(II)とで構成される底面部と、前記底面部から鉛直に延びる接着部(20)とを有する。これを、図2に示すように、胴部(60)を構成する2枚の胴部シートの上端に折込部(70)を挿入し、各シートを所定形状の接着部(80)を形成するように製袋し、ついで未接着の胴部シートと折込部シートとの間に図1に示す円筒パウチ用注出口を挿入および固設する。得られた注出口付きパウチの前記円筒パウチ用注出口から内容物を充填すると、図3(a)に示す円筒形状の注出口付きパウチとなる。図3(b)に示すように内容物を充填したパウチ(100)の形状は、略半径Rの円筒形状であり、前記円筒パウチ用注出口(50)は、平面視、略円筒形状のパウチ上端の外周に固設される。
【0022】
まず、本発明の円筒パウチ用注出口を、図4を用いて説明する。図4は、本発明の円筒パウチ用注出口の好適な態様の一例を示す平面図(a)、左側面図(b)、正面図(c)、右側面図(d)、および底面図(e)である。
【0023】
本発明の円筒パウチ用注出口は、図1および図4(c)に示すように、筒状注出部(A)と前記筒状注出部に連設される中空接着基部(B)とからなり、前記中空接着基部は、図4(e)に示すように、底面視、略中央に形成される中空部(10)と、前記中空部の外周を形成する形成線(I)と形成線(II)とで構成される底面部と、図4(b)、(c)、(d)に示すように、前記底面部から鉛直に延びる接着部(20)とを有する。図4(a)に示すように、前記筒状注出部(A)は、筒状部(30)の先端に螺旋(31)が形成されていてもよく、螺旋(31)を介して開封可能に螺合しうる蓋部(図示せず)が配設されるものであってもよい。なお、蓋部は、螺合によって開封しうるものに限定されるものではない。
【0024】
本発明は、胴部が円筒形状の注出口付きパウチの製造を目的とするものである。従って、このようなパウチに装着される本発明の円筒パウチ用注出口において、その底面を構成する形成線(I)における半径Rとは、注出口付きパウチの内容物充填時の半径Rを意味する。注出口付きパウチの外周は、内容物充填後には半径Rの曲線で構成されるため、図4(e)に示すように、円筒パウチ用注出口の底面を構成する形成線(I)のみを半径Rの曲線としたものである。なお、図4(e)における破線で示す半径Rの円部は、注出口つきパウチの胴部の横断面と近似する。図4(e)から明らかなように、本発明の円筒パウチ用注出口は、パウチ胴部の上端の外周に偏在して当接される。なお、形成線(I)の長さには特に制限はなく、用途によって適宜選択できるが、好ましくは30〜100mm、より好ましくは35〜80mmである。30mmを下回ると、円筒パウチ用注出口を介して掌中に把持することが困難となる場合があり、一方、100mmを超えると重量が増し、不利となる。
【0025】
一方、円筒パウチ用注出口の底面を構成する形成線(II)は、形成線(I)と形成線(II)との2つの交点(P1,P2)を結ぶ線(L1)に対して前記形成線(I)と非対称形である。従来、パウチに使用されるパウチ用注出口は、パウチの平面視、中央部に固設され、よって左右対称に形成されることが一般的であった。しかしながら、本願発明の円筒パウチ用注出口は、前記したようにパウチ胴部の上端の胴部側に偏在して固設される。このため、形成線(II)を形成線(I)と同様に半径Rの曲線で構成する必要はない。むしろ、後記するように、所定形状に成形することでパウチ上端を構成する折込部シートにシワやたるみがない形状に製袋しうることが判明したからである。
【0026】
更に、本発明の円筒パウチ用注出は、前記形成線(II)と前記形成線(I)とは、同一長であることが好ましい。本発明の円筒パウチ用注出口は、パウチ胴部の天面部を構成する折込部シートと胴部シートとの間に挿入および固設して使用できるが、形成線(II)と形成線(I)とが同一長であれば、胴部シートと折込部シートとを偏平に重ねた後にその上端部に円筒パウチ用注出口を挿入して接着し、内容物充填前に偏平な注出口付きパウチを製造することができるからである。なお、このパウチは、内容物充填後に胴部を円筒形状を成形することができる。
【0027】
本発明の円筒パウチ用注出口を装着した注出口付きパウチは、内容物充填後に胴部が円筒形状となる際に、パウチの天面部を構成する折込部にシワやたるみがないことが好ましい。意匠性に優れ、かつシワやたるみなどに由来するピンホールを防止するためである。このような形状となりうる円筒パウチ用注出について詳細に検討した結果、胴部と折込部とを偏平に重ね、これを所定のシールラインで接着すれば、製袋時に偏平で、内容充填後の胴部が円筒形状となることが判明した。そして、このようなシールラインの形成には、円筒パウチ用注出の接着部(2)の形成線(II)の一部に直線(IIa)を有することが好ましいことが判明した。特に、容器に強度が要求される場合には、直線(IIa)を有することが好ましい。また、直線であれば、円筒パウチ用注出口をより薄型に成形することができるため、内容物充填前や使用後に折り畳んで低容量化することができる。
【0028】
この直線(IIa)は、形成線(I)と形成線(II)との2つの交点(P1,P2)を結ぶ線(L1)に対して平行であることが好ましい。図4(e)に、形成線(I)と形成線(II)との2つの交点(P1,P2)を結ぶ線(L1)に対して平行な形成線(II)の直線(IIa)を示す。直線(IIa)は、形成線(II)の0.05〜0.8倍、より好ましくは0.1〜0.6倍、特に好ましくは0.2〜0.5倍である。この範囲であれば、十分な中空(10)を確保し、かつシールラインを容易に形成して、シワやたるみを効率的に防止することができるからである。
【0029】
また、図5(a)、(b)に示すように、前記形成線(II)を構成する前記直線(IIa)の両端部と、前記形成線(I)と形成線(II)との2つの交点(P1,P2)とは、それぞれ形成線(IIb)で連結され、前記直線(IIa)と形成線(IIb)とのなす角は、10〜90°、より好ましくは10〜60°、特に好ましくは10〜45である。形成線(IIb)が直線を含む場合を図5(a)に、形成線(IIb)が全て曲線の場合を図5(b)に示す。図5(a)に示すように、形成線(IIb)が直線を含む場合には、直線(IIa)と形成線(IIb)に含まれる直線(IIb’)とのなす角(θ1)が10〜60°となる。この際、前記直線(IIa)と形成線(IIb)とは、半径Rが2mm以上、より好ましくは2〜100mm、特に好ましくは4〜80mmの丸みで交差する角部が成形されることが好ましい。特に、容器に強度が要求される場合には、角部に丸みを形成することで、製袋後の角部への物理的衝撃を回避し、内容物遺漏を防止することができるからである。
【0030】
一方、図5(b)に示すように、形成線(IIb)が曲線の場合には、形成線(IIa)の端部と交点とを結ぶ形成線(IIb)における偏曲点における接線と、形成線(I)と形成線(II)との2つの交点(P1,P2)を結ぶ線(L1)とのなす角(θ1)を10〜60°とする。図5(b)に、偏曲点における接線をL2で示す。直線(IIa)と形成線(IIb)とのなす角(θ1)が上記範囲であれば、シールラインの形成時に、シワやたるみを効率的に防止することができるからである。なお、偏曲点が多数存在する場合には、直線(IIa)から最も近い偏曲点における接線とのなす角とする。
【0031】
なお、本発明の円筒パウチ用注出口において、前記中空接着基部には、図4(c)に示すように、前記接着部(20)の上端を被覆する天面板(21)を有していてもよい。
また、前記接着部(20)は、前記円筒パウチ用注出口の形成線(I)と形成線(II)とによって構成される接着部幅をd、前記接着基部上端からの接着深さをaとした場合に、正面視、下記式(1)に基づく接着深さ(a)以上の接着部長さを有することが好ましい。
【0032】
【数1】
図12は、本発明の円筒パウチ用注出口を所定形状のシールラインでパウチの天面部に固設した際の天面部を構成する折込部の縦断を説明する図である。図12の注出口付きパウチの側面部分断面図に示すように、前記接着部幅(d)と前記接着深さ(a)とを有する円筒パウチ用注出口を、上記式(1)に示すシートラインでパウチの天面部に固設すると、内容物充填後の注出口付きパウチの天面部の折込みの形状は、パウチ中央縦断面視、パウチのほぼ中央部から円筒パウチ用注出口に向かって直線bで示す傾斜を構成する。
【0033】
一方、前記接着部(20)は、前記円筒パウチ用注出口の形成線(I)と形成線(II)とによって構成される接着部幅をd、前記折込部上端からの接着深さをaとした場合に、接着部上端から、正面視、下記式(2)に基づく接着深さ(a)以上の接着部長さを有するものであってもよい。
【0034】
【数2】
図13は、本発明の円筒パウチ用注出口を所定形状のシールラインでパウチの天面部に固設した際の天面部を構成する折込部の縦断の別の態様を説明する図である。図13の注出口付きパウチの側面図に示すように、前記接着部幅(d)と前記接着深さ(a)とを有する円筒パウチ用注出口を、上記式(2)に示すシートラインでパウチの天面部に固設すると、内容物充填後の注出口付きパウチの天面部の折込みの形状は、パウチ中央縦断面視、パウチの端部から円筒パウチ用注出口に向かって直線bで示す傾斜を構成する。
【0035】
すなわち、本発明の円筒パウチ用注出口は、これを所定形状のシールラインでパウチの天面部に固設すると、内容物を充填後に胴部が円筒形状となり、かつその天面部が、例えば図12や図13に示すように、異なる形状に成形することができる。天面部の形状に対応した所定のシールラインで固設するため、円筒パウチ用注出口の接着部は、正面視、このようなシールラインを形成しうる長さを確保する必要があり、接着部長さを上記算出式で規定した。なお、円筒パウチ用注出口の形成線(I)と形成線(II)とによって構成される接着部幅dとは、図6に示すように、形成線(I)と形成線(II)との2つの交点(P1,P2)を結ぶ線(L1)の垂線における、形成線(I)と形成線(II)との間の距離dである。
【0036】
上記式(1)、(2)から明らかなように、接着部の長さは、円筒パウチ用注出口の形成線(I)と形成線(II)とによって構成される接着部幅dによって変化する。本発明では、接着部の長さは、上記式(1)、(2)で示す長さが確保できればよく、前記式に従った曲線を構成する必要はない。従って、上記式(1)、(2)の最長を接着部の上端部からの長さとした、正面視、方形のものであってもよい。また、図7(b)の正面図に示すように、接着部の両端が中央部よりも浅く形成されるものであってもよい。接着部(20)に所定形状のシールラインを形成することができれば、胴部の円筒形状を確保することができるからである。なお、図7(a)、(c)は、その左側面図、右側面図である。また、前記接着部(20)の上端を被覆する天面板(21)は、接着部(20)の底面よりも外に突出する部分を有するフランジ(22)を構成するものであってもよい。接着部(20)の底面よりも折込部シートや胴部シートの厚み分だけ外側に突出させたフランジ(22)にすることで、円筒パウチ用注出口の固定安定性を向上させることができる。
【0037】
更に、図8に示すように、本発明の円筒パウチ用注出口が、ピルファープルーフバンド付きの蓋部を装着する場合には、筒状注出部(A)にピルファープルーフバンドを開封するための開封部(33)が形成されるものであってもよい。また、図4、図7と相違して、筒状注出部(A)にフランジ(22)を形成してもよい。このようなフランジ(22)は、少なくとも一部において、接着部(20)の上端よりも突出していればよく、接着部(20)の上端の全周に亘って突出している必要はない(図8(a)参照)。例えば、フランジを平面視、六角形に成形すれば、円筒パウチ用注出口を自動製袋機に装着する際にガイドに従って円筒パウチ用注出口を移動させることができ、取り扱い性を向上させることができる。
【0038】
前記したように、本発明の円筒パウチ用注出口は、図8(a)に示すように、平面視、厚さの厚い中央部(20a)とその両端の翼(20b)とに分割することができ、前記中央部を支柱(24)と前記支柱(24)に横架する棚部(25)とで構成してもよい。図8(e)に示す接着部(20)の底面図に、支柱(24)の具体的態様を破線で示す。図8(e)では、筒状注出部(A)の筒状部(30)が接着部(20)を貫通するように連設され、この筒状部の両端に平行して支柱(24a)が2本形成され、さらに、形成線(I)と形成線(II)との交点を結ぶ線上に支柱(24b)が形成されている。図8(b)、(c)、(d)に示すように、接着部(20)は、前記支柱に複数の棚部(25)が略等間隔に横架されて構成されている。本発明の円筒パウチ用注出口は、所定厚さの接着部(20)を必要とするため、接着部(20)が重くなる場合がある。上記したように、接着部(20)の中央部(20a)を支柱(24a、24b)と棚部(25)で構成することで円筒パウチ用注出口を軽量化することができる。
【0039】
本発明の円筒パウチ用注出口は、その形状に特徴があり、材質に制限はない。ただし、パウチへの取り付けの容易さなどを考慮して、熱溶着性樹脂で構成されることが好ましい。特に、熱溶着性、加圧加熱殺菌、耐熱性などに優れる点で、ポリプロピレン、中密度または高密度ポリエチレン、ポリエステル、ポリカーボネートなどを射出成形して形成したものであることが好ましい。
【0040】
(2)注出口付きパウチ
次に、本発明の注出口付きパウチについて詳細に説明する。
本発明の注出口付きパウチは、胴部と、前記胴部の少なくとも上端に接着される天面部と、前記胴部と前記天面部との間に固設される注出口とを有する注出口付きパウチであって、前記注出口は、上記円筒パウチ用注出口であり、前記胴部と前記形成線(I)とが当接し、前記天面部と前記形成線(II)とが当接するように固設されたものである。
【0041】
本発明の注出口付きパウチは、胴部と底部と天面部とからなる。天面部の形状には特に制限はなく、例えば、図9(a)の斜視図に示すように略円形に成形し、天面部シート(70’)と胴部シート(60)との間に上記した円筒パウチ用注出口(50)を接着して、注出口付きパウチ(100)を製造することができる。この場合には、底部および天面部が平面で構成され、パウチは、内容物充填前から胴部が円筒形状となる。このパウチの平面図を図9(b)に示す。
【0042】
一方、本発明では、前記胴部を2枚のシートの両端を接着して構成し、前記天面部を前記2枚の胴部シートに固設された折込部シートで構成してもよい。胴部の上端に挿入された折込部は、パウチの天面部を構成する。
【0043】
図10(a)に、胴部(60)が2枚の胴部シートを重ね合わせてなり、その上端と下端とにそれぞれ折込部(70)を挿入し、胴部上端の折込部シート(70)と胴部シート(60)との間に円筒パウチ用注出口(50)を挿入し、および固着した態様を示す。図10(b)は、上記注出口付きパウチに内容物を充填した後の平面図である。図10(a)、(b)に示すように、パウチ天面を構成する折込部(70)は、折込線(70c)を介して円筒パウチ用注出口が接着される折込部(70a)と円筒パウチ用注出口が接着されない折込部(70b)とからなる。なお、図10(a)の示すパウチでは、その底部は、折込線(70c)の両側が円筒パウチ用注出口が接着されない折込部(70b)で構成される。このように、胴部の上下に折込部を所定形状に接着して製袋したパウチは、図10(a)に示すように、内容物充填前に扁平であるため、保存や輸送に好適である。
【0044】
本発明の注出口付きパウチにおいて、前記胴部の内周は、円筒パウチ用注出口の形成線(I)を構成する半径Rの4〜25倍、より好ましくは5.3〜7.2倍、特に好ましくは6.0〜6.6倍である。上記円筒パウチ用注出口は、装着できればパウチの胴部の内周に限定されないが、胴部の内周を上記範囲に調整すれば、パウチに内容物を充填した後に、容易に胴部を半径Rの円筒形状に維持することができる。
【0045】
本発明の注出口付きパウチの天面および底面が、胴部の上下にそれぞれ折込部を接着してなる場合、内容物充填後に胴部を円筒形状とするため、これらの折込部と胴部とを所定のシールラインで接着する。このようなシールラインを図11に示す。図11(b)に、パウチの天面部および底部を構成する折込部(70)を、折込線(70c)で広げた態様を示す。パウチの底部は、折込線(70c)を中心にして対象の、円筒パウチ用注出口が接着されない折込部(70b)で構成され、各折込部(70b)には、胴部(60)の全幅(W3)にわたってなだらかな曲線からなるシールライン(L3)が形成されている。
【0046】
本発明では、折込部シート(70)と胴部シート(60)とを重ねて相互に接着して胴部を円筒形状にするために、底部を構成する折込部(70b)の前記シールライン(L3)を、折込部シート(70)の折込線(70c)からの最も遠いシール個所までの距離をAとした場合に、ASinθの曲線で形成する。通常は、R曲線でシールするが、ASinθの曲線でシールラインを形成することで、より正確にパウチの胴部を円筒形状に成形しうるからである。
【0047】
なお、折込部(70)は、前記シールライン(L3)を形成できればよく、したがって、折込部(70)を図11(b)に示すカット線(73)で切断してもよい。これにより、不用な接着部(80)の面積を縮小することができる。なお、図11(b)では、説明のためパウチの一部にのみカット線を記載したが、パウチ底部および上端の折込部シートと胴部シートとが接着される4箇所において、同様にカット線で切断することができる。このように4箇所がカット線で切断されたパウチの形状は、図2に示されている。なお、図11(b)では、カット線(73)を直線で示したが、不用な接着部の面積を縮小しうれば、曲線であってもよい。
【0048】
一方、パウチ天面部を構成する折込部(70)は、折込線(70c)を介して、円筒パウチ用注出口が接着される折込部(70a)と、円筒パウチ用注出口が接着されない折込部(70b)で構成される。パウチ天面部の前記折込部(70b)は、底部を構成する折込部(70b)と同じシールラインで胴部シート(60)と折込部シート(70)とを接着すればよい。
【0049】
一方、前記折込部(70a)において、折込部と前記円筒パウチ用注出口の接着部は、図12に示すように、前記円筒パウチ用注出口(50)の接着部(20)の幅をd、前記折込部上端からの接着深さをa、パウチの半径をRとした場合に、下記式(1)に基づく接着深さ(a)からなるシールラインで接着することが好ましい。
【0050】
【数3】
前記したように、シールラインを上記式(1)で構成すると、図12に示すように、パウチ中央縦断面視、パウチのほぼ中央部から円筒パウチ用注出口に向かって直線bで示す傾斜を構成しうる注出口付きパウチを製造することができる。
【0051】
また、前記折込部(70a)において、折込部と前記円筒パウチ用注出口の接着部は、下記式(2)に基づく接着深さ(a)からなるシールラインで接着してもよい。
【0052】
【数4】
前記したように、シールラインを上記式(2)で構成すると、図13に示すように、パウチ中央縦断面視、パウチの端部から円筒パウチ用注出口に向かって直線bで示す傾斜を構成しうる注出口付きパウチを製造することができる。
【0053】
図11(b)に示すように、前記折込部(70a)において、パウチ胴部(60)の全幅(W3)とし、この胴部の中央に接着する円筒パウチ用注出口の接着部(20)の幅をW2、その両側の接着幅をW1とすれば、円筒パウチ用注出口の接着部(20)の幅(W2)では、上記式(1)または式(2)に従ってシールライン(L4)を形成し、その両側の接着幅(W1)をそれぞれASinθによる折込部シートのシールライン(L3)で形成する。なお、便宜のため、図11(b)において、パウチに装着した円筒パウチ用注出口の接着部(20)の幅(W2)にASinθの仮想線を破線で示す。また、図11(a)に、円筒パウチ用注出口の接着部(20)の上記式(1)によるシールライン(L4)を破線で示す。前記したように、円筒パウチ用注出口の接着部(20)は、上記式(1)または(2)で示す接着部深さを有すればよく、その全幅(W2)において深さが変動する。図11(a)では、厚さの厚い中央部(20a)とその両端の翼(20b)とからなる円筒パウチ用注出口の接着部(20)に、前記式(1)に基づくシールライン(L4)を示すが、接着部(20)の中央から翼(20b)に向かってシールラインが浅くなっている。本発明では、接着部(20)は上記シールラインを確保できればよいため、前記翼(20b)に加え、中央部(20a)においても符号27に示す切断線で両端を切断した形状に成形することができる。このように両端下部を切り込むことで、簡便に前記シールラインを確保しつつ円筒パウチ用注出口を軽量化することができる。このような切り込みを有する円筒パウチ用注出口は、図8に示されている。なお、図11では、切断線(27)を直線で示したが、曲線であってもよい。
【0054】
本発明の注出口付きパウチは、パウチ上端の折込部(70a)において、円筒パウチ用注出口の接着部(20)と折込部シート(70)とを重ね、パウチの幅W2の範囲では、上記(1)または(2)で構成されるシールラインで互いに接着させる。一方、前記接着部(20)の幅W2の両端の幅W1の範囲では、折込部シート(70)と胴部シート(60)とをASinθのシールラインで接着させる。
【0055】
この際、パウチ天面部を構成する折込部(70)の折込部(70a)において、円筒パウチ用注出口の接着部(20)と胴部シート(60)とは特定のシールラインを必要としない。円筒パウチ用注出口の接着部(20)において、胴部シートと当接する面は底面視、半径Rの曲線からなる形成線(I)であるため、前記接着部(20)と胴部シート(60)とを重ねた後に、一定幅で互いに接着させればよく、これによって所定の接着力と円筒形状とを確保することができるからである。
【0056】
なお、パウチ天面を構成する折込部(70)における前記折込部(70b)は、底部を構成する折込部(70)と同様に、折込部シート(70)と胴部シート(60)とを重ね、ASinθのシールラインで接着させる。本発明の注出口付きパウチは、内容物の充填に伴い、上下の折込部(70)が開放され、胴部が自立可能な円筒形状となる。さらには、意匠性ならびに使用性を向上することができる。
【0057】
更に、本発明の注出口付きパウチは、前記胴部の両端に形成された接着部に、胴部を構成するシートに向かって折り癖が形成されていることが好ましい。これにより、パウチの胴部に突出する接着部が外方へ突出するのを防止して、胴部を略円筒形状に形成することができる。このようにして製袋されたパウチに内容物を充填した後の外観斜視図は図3や後記する図18に示されている。なお、胴部に、シュリンクフィルム等を巻装して、胴部に形成された接着部の外部への突出を防止してもよい。これによって、内容物を充填したパウチを把持して内容物を摂取する際にも、接着部による手への食い込みを防止して、取り扱い性を向上させることができる。また、胴部がより円筒形状に近似されるため、自動販売機への応用にも適する。
【0058】
なお、本発明の円筒パウチ用注出口において、胴部シート同士の接着や、胴部シートと折込部シートとの接着、胴部シートや折込部シートと円筒パウチ用注出口との接着は、接着剤などによって行ってもよいが、例えば胴部シートや折込部シート、円筒パウチ用注出口を熱融着性樹脂で構成し、熱融着によって相互に接着し、または固設してもよい。従って、本発明では、胴部シートや折込部シートして、少なくとも最内層に熱融着性樹脂層が形成されるフィルムを好適に使用することができる。また、用途によってガスバリア性を担保するために、いずれかの層にアルミニウム箔などのガスバリア性層を積層した積層フィルムであってもよい。
【0059】
前記パウチを構成する部材としては、主にプラスチックを主体とする積層フィルムが用いられるが、特に限定はされるものではなく、充填する内容物の種類や充填後の加熱処理の有無など使用条件に応じて適するものを適宜、選択することができる。具体的には、以下の積層フィルムを好適に使用することができる。
【0060】
(1)PETフィルム/接着剤/アルミニウム箔/接着剤/ONフィルム/接着剤/PEフィルム
(2)PETフィルム/接着剤/ONフィルム/接着剤/アルミニウム箔/接着剤/PEフィルム
(3)PETフィルム/接着剤/EVOHフィルム/接着剤/ONフィルム/接着剤/PEフィルム
(4)PETフィルム/接着剤/一軸延伸PPフィルム/接着剤/アルミニウム箔/接着剤/PPフィルム
(5)PETフィルム/接着剤/(シリカまたはアルミナ蒸着層)ONフィルム/接着剤/PPフィルム
上記構成において、PETフィルムは2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム、ONフィルムは2軸延伸ナイロンフィルム、PPフィルムはポリプロピレンフィルム、CPPフィルムは無延伸ポリプロピレンフィルム、EVOHフィルムはエチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物フィルム、(シリカまたはアルミナ蒸着層)ONフィルムはシリカまたはアルミナを蒸着した2軸延伸ナイロンフィルムを指すものである。
【0061】
(3)注出口付きパウチの製造方法
本発明の注出口付きパウチは、上記形状を構成できれば特に製造方法に限定はない。2枚の胴部を構成するシートの上下にそれぞれ折込部(70)を挿入して製袋されたものである場合には、図14に示すように、2枚の胴部シート(60)の上下にそれぞれ折込部シート(70)を挿入する。次いで、円筒パウチ用注出口を固設しない3箇所の折込部(70b)を、ASinθのシールラインを構成するようにヒートシールする。また、同時に、胴部(60)の両端をヒートシールする。なお図14に、シールラインと円筒パウチ用注出口の接着部(20)の挿入予定個所とを破線で示した。上記ヒートシール工程では、底部を構成する4枚シートを重ね合わせ、上下から前記ASinθのシールラインを構成するようにヒートシールすると、熱融着性のない胴部シート同士の接着を回避して底部の折込部(70)と胴部とを所定形状に接着することができる。なお、パウチ天面を構成する折込部は、ヒートシール遮蔽板などを折込線に沿って挿入することで、前記折込部(70b)にはASinθのシールラインによるヒートシールを行い、かつ前記折込部(70a)でのヒートシールを回避することができる。
【0062】
また、本発明では、パウチのヒートシール時に、胴部(60)の接着部(80)であって、折込部(70)の折込線(70c)の上部に図14に示すようにポイントシールを形成することが好ましい。本発明において、「ポイントシール」とは、他の接着部よりも加圧条件で熱融着した接着部を意味する。図14では、ポイントシールをP1、P2、P3で示す。ポイントシールを形成することによって、内容物の充填にしたがって折込部(70)が開放する際に、折込部(70)がパウチの外側に膨らむことを好適に防止することができ、注出口付きパウチの自立安定性をより向上させることができる。
【0063】
なお、胴部(60)の両端をヒートシールした後に、胴部の接着部(80)を胴部シート(60)の一方に折り曲げると、胴部シートに向かって折り癖を形成することができる。折癖を形成すると、パウチに内容物を充填した後に接着部(80)が胴部(60)の外周に突出するのを防止して、胴部をより円筒形状に保形することができる。
【0064】
次いで、予め調製した円筒パウチ用注出口を、上記パウチに取り付ける。この際、前記注出口を、前記胴部と前記形成線(I)とが当接し、前記折込部と前記形成線(II)とが当接するように挿入し、前記した所定形状のシールラインで固設すると、本発明の注出口付きパウチを製造することができる。
【0065】
本発明の注出口付きパウチは、内容物を充填する前には扁平であるが、内容物充填後に胴部が円筒形状になるため自立安定性に優れ、かつ意匠性に優れ、店頭販売でも需要者の注目を引くことができる。
【0066】
また、従来、円筒形状のペット容器や缶などを対象とする自動販売機への応用が可能となる。
一方、本発明の注出口付きパウチは、軟フィルムで構成されるため、使用中に胴部を把持して内容物を容易に押し出すことができ、例えばゼリーなどの粘度の高い内容物の収納に優れ、かつ使用後に折りたたむことで低容量化することができる。
【0067】
本発明の注出口付きパウチは、飲料や食料の収納に優れる、化粧品、医薬品などの収納にも優れる。
【実施例】
【0068】
次に実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、これらの実施例は何ら本発明を制限するものではない。
実施例1
厚さ12μmのPETフィルムと厚さ9μmのアルミニウム箔と厚さ15μmの未延伸ポリアミドフィルムと厚さ100μmのPEフィルムとをラミネート用接着剤で積層した、最内層に熱融着性樹脂層からなる積層フィルムを使用し、横(W)100mm、縦105mmの胴部シート2枚と、横(W)100mm、縦60mmの折込部シート2枚とを調製した。
【0069】
次いで、図15に示すように底部、胴部および天面部を構成する折込部をそれぞれ折込線を介して二つ折りし、天面部を構成する折込部には、ヒートシール遮蔽板を装着して折込部(70a)のヒートシールを回避しつつ、3箇所の折込部(70b)にそれぞれ25Sinθのヒールラインでヒートシールにより接着した。なお、ヒートシール直後に、胴部の両端の接着部を上前の胴部シート側に倒し、折癖をつけた。なお、図15において、Wは、胴部および折込部の横幅100mmを示し、Laは胴部の長さ105mmを、Lbは折込部の二つ折りした際の長さ30mmを示す。また、円筒パウチ用注出口(20)の挿入予定個所を破線で示す。
【0070】
次いで、図8に示す、筒状部(30)にピルファープルーフバンドを開封するための開封部(33)とフランジ(22)とを有し、接着部(20)が支柱(24)と棚部(25)とで構成される円筒パウチ用注出口(20)を上記パウチの折込部シートと胴部シートとからなる上端開放部に挿入した。この態様を図16に示す。なお、この円筒パウチ用注出口(20)は、形成線(I)と形成線(II)が同一長で共に42mmであり、半径R=25mmの曲線で構成されている。また、図17(a)に示すように、接着部(20)は深さ(Lc)22mmであり、幅(Wa)は、正面視、38mmであり、その両端下部に正面視、幅(Wb)10mm、深さ(Ld)4mmの切り欠きを有している。また、図17(c)に示すように、形成線(II)には、形成線(I)と形成線(II)との2つの交点(P1,P2)を結ぶ線(L1)に対して平行な直線IIaが形成され、その長さは18mmである。更に、直線IIaと角度(θ1)45°で交差する直線IIbを有し、その長さは12mmである。また、直線IIaと直線IIbとの交差する角は、半径R=3mmの丸みで構成されている。
【0071】
この円筒パウチ用注出口(20)を使用して、接着深さ(a)が、a=(1−d/2R)dとなるシールラインを形成しつつ形成線(I)が胴部シートと当接し、形成線(II)が折込部シートと当接するように同じ幅でヒートシールし、円筒パウチ用注出口(20)のない個所は、前記底部と同様に25Sinθのシールラインを形成するようにヒートシールした。
【0072】
次いで、パウチ天面部および底部を構成する折込部の胴部接着部に延長される端部を接着して、本発明の注出口付きパウチを製造した。
このようにして製袋した注出口付きパウチに、前記円筒パウチ用注出口から空気を注入し、外観を観察した。このパウチは、内容物充填前は偏平であるが、空気を導入すると、胴部が円筒形状に成形され、自立することができた。また、胴部に形成した折癖によって、胴部の2つの接着部が上前の胴部シート側に沿って倒れた。このパウチの斜視図を図18(a)に、平面図を図18(b)に示す。パウチ天面部および底部には、シワやたるみが少なかった。また、胴部を把持しても、胴部の接着部が胴部に沿っているため、把持の際に手や指を傷付けることが無かった。
【0073】
このパウチは、円筒パウチ用注出口を把持してキャップを装着することができた。円筒パウチ用注出口は把持が容易であり、このためパウチの胴部をひねることなくキャップの装着を容易に行うことができた。
【図面の簡単な説明】
【0074】
【図1】本発明の円筒パウチ用注出口を説明する斜視図である。
【図2】本発明の円筒パウチ用注出口が固設された注出口付きパウチを示す図である。
【図3】図2の注出口付きパウチに内容物を充填した際の斜視図(a)と、その平面図(b)である。
【図4】本発明の円筒パウチ用注出口の好適な態様の一例を説明するための、平面図(a)、左側面図(b)、正面図(c)、右側面図(d)、および底面図(e)である。
【図5】円筒パウチ用注出口の形成線(II)を構成する直線(IIa)と形成線(IIb)とを説明する図である。
【0075】
正面視、下記式に基づく接着深さ(a)以上の接着部長さを有することを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の円筒パウチ用注出口。
【図6】円筒パウチ用注出口の形成線(I)と形成線(II)とによって構成される接着部幅dを説明する図である。
【図7】接着部の上部にフランジを有する、本発明の円筒パウチ用注出口の好適な態様の一例を説明するための、正面図(a)、左側面図(b)、右側面図(c)である。
【図8】本発明の円筒パウチ用注出口の好適な態様の一例を説明するための平面図(a)、左側面図(b)、正面図(c)、右側面図(d)、および底面図(e)であリ、接着部(20)が、支柱(24)と前記支柱(24)に横架する棚部(25)とで構成されている態様を示す。
【図9】胴部と底部と天面部とからなり、少なくとも前記天面部に本発明の円筒パウチ用注出口が固設される注出口付きパウチの態様の一例を示す図である。図9(a)は斜視図、図9(b)は平面図である。
【図10】本発明の円筒パウチ用注出口が固設された注出口付きパウチが、2枚の胴部シートと、その上下に挿入した折込部とからなり、所定のシールラインで接着してなることを説明する図である。図10(a)は斜視図、図10(b)は平面図を示す。
【図11】本発明の円筒パウチ用注出口が固設された注出口付きパウチを製造する際の、折込部のシールラインの形状を説明する図である。図11(a)は円筒パウチ用注出口の正面図を、図11(b)はパウチのシールラインを説明するパウチ正面図である。
【図12】本発明の円筒パウチ用注出口が固設された注出口付きパウチを製造する際の、折込部のシールラインの算出方法を説明する図である。
【図13】本発明の円筒パウチ用注出口が固設された注出口付きパウチを製造する際の、折込部の図12と異なるシールラインの算出方法を説明する図である。
【図14】本発明の円筒パウチ用注出口が固設された注出口付きパウチを製造する際の、2枚の胴部シートと2枚の折込部とを所定位置に重ねることを説明する図である。
【図15】図14の積層体の所定個所にヒートシールして、パウチ底部と天面部の一部を形成することを説明する図である。
【図16】図15で得たパウチに本発明の円筒パウチ用注出口を挿入した状態を説明する図である。
【図17】図15のパウチに挿入する円筒パウチ用注出口のサイズを説明する図である。
【図18】実施例で製造したパウチに空気を入れて自立させた状態を示す斜視図(a)ならびに平面図(b)である。
【図19】従来のパウチを示す図である。
【符号の説明】
【0076】
10・・・円筒パウチ用注出口の中空部、
20・・・円筒パウチ用注出口の接着部、
21・・・円筒パウチ用注出口の接着部の天面板、
22・・・円筒パウチ用注出口のフランジ、
24・・・円筒パウチ用注出口の接着部を構成する支柱、
25・・・円筒パウチ用注出口の接着部を構成する棚部、
30・・・円筒パウチ用注出口の筒状注出部(A)の中空筒状部、
31・・・中空筒状部に形成された螺旋、
33・・・ピルファープルーフバンドを開封するための開封部、
50・・・円筒パウチ用注出口、
60・・・注出口付きパウチの胴部、
70・・・注出口付きパウチの折込部、
70a・・・円筒パウチ用注出口が接着される折込部、
70b・・・円筒パウチ用注出口が接着されない折込部、
70c・・・折込部の折込線、
80・・・注出口付きパウチの接着部、
100・・・注出口付きパウチ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
筒状注出部と前記筒状注出部に連設される中空接着基部とからなる円筒パウチ用注出口であって、
前記中空接着基部は、底面視、略中央に形成される中空部と、前記中空部の外周を形成する形成線(I)と形成線(II)とで構成される底面部と、前記底面部から鉛直に延びる接着部とを有し、
前記形成線(I)は半径Rの曲線からなり、
前記形成線(II)は、形成線(I)と形成線(II)との2つの交点を結ぶ線に対して前記形成線(I)と非対称形であり、
前記形成線(II)は前記形成線(I)と同一長であることを特徴とする円筒パウチ用注出口。
【請求項2】
前記形成線(II)は、一部に直線(IIa)を有することを特徴とする、請求項1記載の円筒パウチ用注出口。
【請求項3】
前記形成線(II)を構成する前記直線(IIa)の端部と、前記形成線(I)と形成線(II)との交点とは形成線(IIb)で連結され、前記直線(IIa)と形成線(IIb)とのなす角は、10〜90°であることを特徴とする、請求項2記載の円筒パウチ用注出口。
【請求項4】
前記接着部は、前記円筒パウチ用注出口の形成線(I)と形成線(II)とによって構成される接着部幅をd、前記接着部上端からの接着深さをaとした場合に、
正面視、下記式に基づく接着深さ(a)以上の接着部長さを有することを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の円筒パウチ用注出口。
【数1】
【請求項5】
前記接着部は、前記円筒パウチ用注出口の形成線(I)と形成線(II)とによって構成される接着部幅をd、前記接着部上端からの接着深さをaとした場合に、
正面視、下記式に基づく接着深さ(a)以上の接着部長さを有することを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の円筒パウチ用注出口。
【数2】
【請求項6】
胴部と、前記胴部の少なくとも上端に接着される天面部と、前記胴部と前記天面部との間に固設される注出口とを有する注出口付きパウチであって、
前記注出口は、請求項1〜5のいずれかに記載の円筒パウチ用注出口であり、前記胴部と前記形成線(I)とが当接し、前記天面部と前記形成線(II)とが当接するように固設されたことを特徴とする、注出口付きパウチ。
【請求項7】
前記胴部は2枚のシートの両端を接着して構成され、前記天面部は前記2枚の胴部シートに固設された折込部シートであることを特徴とする、請求項6記載の注出口付きパウチ。
【請求項8】
前記胴部の内周は、前記円筒パウチ用注出口の形成線(I)を構成する半径Rの4〜25倍であることを特徴とする、請求項6または7記載の注出口付きパウチ。
【請求項9】
前記折込部シートと前記円筒パウチ用注出口の接着部とは、
前記円筒パウチ用注出口の形成線(I)と形成線(II)とによって構成される接着部幅をd、前記折込部上端からの接着深さをaとした場合に、
下記式に基づくシールラインで接着されることを特徴とする、請求項7または8記載の注出口付きパウチ。
【数3】
【請求項10】
前記折込部シートと前記円筒パウチ用注出口の接着部とは、
前記円筒パウチ用注出口の形成線(I)と形成線(II)とによって構成される接着部幅をd、前記折込部上端からの接着深さをaとした場合に、
下記式に基づくシールラインで接着されることを特徴とする、請求項7または8記載の注出口付きパウチ。
【数4】
【請求項11】
前記2枚の胴部シートはその両側端を接着され、前記折込部シートは、前記胴部を構成する2枚のシート間の少なくとも上端に接着されたものであり、
前記胴部シートの両端に形成された接着側端部は、胴部シートに向かって折り癖が形成されたことを特徴とする、請求項7〜10のいずれかに記載の注出口付きパウチ。
【請求項1】
筒状注出部と前記筒状注出部に連設される中空接着基部とからなる円筒パウチ用注出口であって、
前記中空接着基部は、底面視、略中央に形成される中空部と、前記中空部の外周を形成する形成線(I)と形成線(II)とで構成される底面部と、前記底面部から鉛直に延びる接着部とを有し、
前記形成線(I)は半径Rの曲線からなり、
前記形成線(II)は、形成線(I)と形成線(II)との2つの交点を結ぶ線に対して前記形成線(I)と非対称形であり、
前記形成線(II)は前記形成線(I)と同一長であることを特徴とする円筒パウチ用注出口。
【請求項2】
前記形成線(II)は、一部に直線(IIa)を有することを特徴とする、請求項1記載の円筒パウチ用注出口。
【請求項3】
前記形成線(II)を構成する前記直線(IIa)の端部と、前記形成線(I)と形成線(II)との交点とは形成線(IIb)で連結され、前記直線(IIa)と形成線(IIb)とのなす角は、10〜90°であることを特徴とする、請求項2記載の円筒パウチ用注出口。
【請求項4】
前記接着部は、前記円筒パウチ用注出口の形成線(I)と形成線(II)とによって構成される接着部幅をd、前記接着部上端からの接着深さをaとした場合に、
正面視、下記式に基づく接着深さ(a)以上の接着部長さを有することを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の円筒パウチ用注出口。
【数1】
【請求項5】
前記接着部は、前記円筒パウチ用注出口の形成線(I)と形成線(II)とによって構成される接着部幅をd、前記接着部上端からの接着深さをaとした場合に、
正面視、下記式に基づく接着深さ(a)以上の接着部長さを有することを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の円筒パウチ用注出口。
【数2】
【請求項6】
胴部と、前記胴部の少なくとも上端に接着される天面部と、前記胴部と前記天面部との間に固設される注出口とを有する注出口付きパウチであって、
前記注出口は、請求項1〜5のいずれかに記載の円筒パウチ用注出口であり、前記胴部と前記形成線(I)とが当接し、前記天面部と前記形成線(II)とが当接するように固設されたことを特徴とする、注出口付きパウチ。
【請求項7】
前記胴部は2枚のシートの両端を接着して構成され、前記天面部は前記2枚の胴部シートに固設された折込部シートであることを特徴とする、請求項6記載の注出口付きパウチ。
【請求項8】
前記胴部の内周は、前記円筒パウチ用注出口の形成線(I)を構成する半径Rの4〜25倍であることを特徴とする、請求項6または7記載の注出口付きパウチ。
【請求項9】
前記折込部シートと前記円筒パウチ用注出口の接着部とは、
前記円筒パウチ用注出口の形成線(I)と形成線(II)とによって構成される接着部幅をd、前記折込部上端からの接着深さをaとした場合に、
下記式に基づくシールラインで接着されることを特徴とする、請求項7または8記載の注出口付きパウチ。
【数3】
【請求項10】
前記折込部シートと前記円筒パウチ用注出口の接着部とは、
前記円筒パウチ用注出口の形成線(I)と形成線(II)とによって構成される接着部幅をd、前記折込部上端からの接着深さをaとした場合に、
下記式に基づくシールラインで接着されることを特徴とする、請求項7または8記載の注出口付きパウチ。
【数4】
【請求項11】
前記2枚の胴部シートはその両側端を接着され、前記折込部シートは、前記胴部を構成する2枚のシート間の少なくとも上端に接着されたものであり、
前記胴部シートの両端に形成された接着側端部は、胴部シートに向かって折り癖が形成されたことを特徴とする、請求項7〜10のいずれかに記載の注出口付きパウチ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【公開番号】特開2010−1030(P2010−1030A)
【公開日】平成22年1月7日(2010.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−159003(P2008−159003)
【出願日】平成20年6月18日(2008.6.18)
【出願人】(000002897)大日本印刷株式会社 (14,506)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年1月7日(2010.1.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年6月18日(2008.6.18)
【出願人】(000002897)大日本印刷株式会社 (14,506)
【Fターム(参考)】
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