説明

円筒型アルカリ蓄電池の製造方法

【課題】大型化した場合でもコバルトの酸化効率を高めて正極の導電ネットワークを均一に形成することにより、水酸化ニッケルの利用率および寿命特性に優れた円筒型アルカリ蓄電池を提供する。
【解決手段】本発明の円筒型アルカリ蓄電池の製造方法は、水酸化ニッケルおよび金属コバルトを含む正極と、水素吸蔵合金を主成分とする負極からなる円筒型アルカリ蓄電池に対して、正負極とセパレータとで電極群を構成する第1の工程と、電極群および電解液を電槽に収納して電池体を構成する第2の工程と、この電池体を回転させながら初期充電する第3の工程とからなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は円筒型アルカリ蓄電池の製造方法に関し、より詳しくは大型化した場合においても水酸化ニッケルの利用率および寿命特性を維持しうる技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、情報機器の著しい普及にともない、エネルギー密度の高い二次電池の開発が要望されている。このような要望に応えるために、ニッケル・カドミウム電池(以下ニカド電池という)の分野においては、焼結式ニッケル正極の高容量化に加えて非焼結式ニッケル正極の開発が進んでおり、焼結式ニッケル正極を用いたニカド電池に対して30〜60%の高容量化がなされている。さらに負極に水素吸蔵合金を用い、ニカド電池よりも高容量なニッケル水素蓄電池(以下Ni/MHという)の開発も進んでいる。焼結式ニッケル正極は、焼結式ニッケル多孔体に水酸化ニッケル粉末を高密度に充填したものであり、一方非焼結式ニッケル正極は、発泡ニッケル多孔体やニッケル繊維などの高多孔度な3次元金属多孔体に水酸化ニッケル粉末を高密度に充填したものである。
【0003】
正極の高容量化とともに正極利用率の向上検討も行われ、種々の添加剤が用いられるようになった。一般的な事例として、活物質である水酸化ニッケルは導電性が低いので、利用率を向上するために導電性の高いコバルトあるいはコバルト化合物が添加されている。コバルトおよびコバルト化合物は、アルカリ電解液中の水酸イオンと反応して水溶性のコバルト錯イオンを形成し、初充電時に酸化されてニッケル正極内に導電性のオキシ水酸化コバルトとして析出し、導電ネットワークを形成して活物質である水酸化ニッケル粒子間や支持体との導電性を高めるので、活物質の利用率を向上することができる。この効果を高めるために、初期充電条件によって導電ネットワークを最適化し、電池の利用率向上を高める方法が提案されている。具体的には、初期充電の電流を1〜20時間率で行う方法(例えば、特許文献1)や高温雰囲気で初期充電を実施する方法(例えば、特許文献2)が提案されている。
【特許文献1】特許第2940952号公報
【特許文献2】特開平11−176431号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年は環境保全の観点から、容量の大きな据置用の円筒型アルカリ蓄電池が開発されている。これらの電池は内容積が大きいので、電池内の反応不均一が懸念されるが、実際に特許文献1および2の技術をもってしても、例えば電池容量が50Ah以上の円筒型アルカリ蓄電池の場合、コバルトの酸化効率が不十分なために正極の導電ネットワークを均一に形成することができず、高い利用率が得られず短寿命であるという課題があった。
【0005】
本発明は上記の課題を解決するものであり、大型化した場合でもコバルトの酸化効率を高めて正極の導電ネットワークを均一に形成することにより、水酸化ニッケルの利用率および寿命特性に優れた円筒型アルカリ蓄電池を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明の円筒型アルカリ蓄電池の製造方法は、水酸化ニッケルおよび金属コバルトを含む正極と、水素吸蔵合金を主成分とする負極からなる円筒型アルカリ蓄電池に対して、正負極とセパレータとで電極群を構成する第1の工程と、電極群および電解液を電槽に収納して電池体を構成する第2の工程と、この電池体を回転させながら初期充電する第3の工程とからなることを特徴とする。
【0007】
例えば電池容量が50Ah以上の円筒型アルカリ蓄電池の場合、電槽の直径が極端に大きいために電池体内での電解液分布が不均一になり、初期充電時に生成されるオキシ水酸化コバルトが正極中で局所的に析出するために、正極の導電ネットワークが均一にならず、直径の小さい民生用途の円筒型アルカリ蓄電池と比較して、利用率が低下するとともに短寿命になる。ここで初期充電を終えて円筒型アルカリ蓄電池を完成させるに当たり、初期充電時に前駆体の電池体を回転させることで、電解液分布を均一にして導電ネットワークを均一に形成することが可能となる。
【発明の効果】
【0008】
以上のように本発明によれば、高容量化によって直径が極端に大きくなった円筒型アルカリ蓄電池の正極における導電ネットワークを均一にすることができるので、利用率が高い上に長寿命な円筒型アルカリ蓄電池を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下に、本発明の各請求項について詳述する。
【0010】
請求項1に記載の発明は、水酸化ニッケルおよび金属コバルトを含む正極と、負極からなる円筒型アルカリ蓄電池に対して、正負極とセパレータとで電極群を構成する第1の工程と、電極群および電解液を電槽に収納して電池体を構成する第2の工程と、この電池体を回転させながら初期充電する第3の工程とからなることを特徴とする。
【0011】
初期充電時に電池体を回転させることで、電解液分布が均一となり、正極中のオキシ水酸化コバルトによって形成される導電ネットワークを均一に形成することができるので、水酸化ニッケルの利用率を高めることができる。金属コバルトはアルカリ電解液中でコバルト錯イオンとして溶解し、初期充電時に酸化されて導電性の高いオキシ水酸化コバルトとなり、水酸化ニッケルの近傍に析出する。ここで導電剤として、金属コバルトと併せて水酸化コバルトや酸化コバルトを用いてもよいが、金属コバルトは水酸化コバルトや酸化コバルトに比べて溶解析出反応が確実に行えるので、正極に強固な導電ネットワークを形成するための必須要素となる。本発明のように正極に強固な導電ネットワークを持たせることで、充放電の繰り返しによる容量低下をも抑制することができる。
【0012】
第3の工程において電池体を回転させるための装置については後ほど詳述するが、その回転速度は5〜30rpmが好ましい。5rpm未満であれば本発明の効果が得られにくくなり、30rpmを超えると回転過多による接触不良が起こりやすくなり、初期充電を安定して行うことが困難になる。
【0013】
請求項2に記載の発明は、請求項1の記載内容を前提として、第2の工程における電解液の量が正極理論容量に対して1.7〜2.5ml/Ah以上であることを特徴とする。従来から円筒型アルカリ蓄電池において、粘性の高いアルカリ水溶液からなる電解液を電極群に均一に滲み渡らせることが課題視されてきた。本発明では初期充電時に電池体を回転させることにより、電解液分布が確実に均一になるので、従来では不可能であった多量の電解液添加が可能となり、寿命特性を改善することが可能となる。ただし電解液量が過多になると、電池体内の空間体積が減少し、電池体内でガス発生が生じた場合に内圧が上昇しやすくなるという不具合が生じる。請求項2の条件にすることにより、寿命特性と内圧特性とのバランスを高次元で保つことが可能になる。なおここで正極理論容量は、正極内の水酸化ニッケル(活物質)重量をα(g)としたときにα×289で求めることができる。
【0014】
請求項3に記載の発明は、請求項1の記載内容を前提として、正極理論容量が50Ah
以上であり、第3の工程における初期充電電流を正極理論容量の20%に達するまでは25〜100時間率とすることを特徴とする。本発明の製造方法はあらゆる円筒型アルカリ蓄電池に有用であるが、特に電池容量が50Ah以上になると、円筒のサイズにもよるが直径が40mm以上となり、本発明の製造方法を用いない限り電解液分布を良化して正極中の導電ネットワークを均一に形成することができない。またこのような大型電池の場合は電解液分布を均一化するのに時間を要するので、初期充電電流を正極理論容量の20%に達するまでは25〜100時間率とするのが好ましい。この初期充電電流が25時間率未満の場合は電解液分布が均一になりきる前に初期充電が終了するので正極中の導電ネットワークが不均一となり、100時間率を超える場合は生産性が過度に低下する。請求項3の条件にすることにより、大型電池における正極中の導電ネットワークを、適切な時間内に均一に形成することができる。なおここで、初期充電電流の規制を正極理論容量の20%に達するまでとしたのは、この領域でオキシ水酸化コバルトの析出反応が十分に行われるからであり、その後に電流値を大きくしても水酸化ニッケルの利用率は低下することはない。
【0015】
請求項4に記載の発明は、請求項1の記載内容を前提として、水酸化ニッケル100重量部に対する金属コバルトの添加量が3〜10重量部であることを特徴とする。導電剤である金属コバルトの添加量が水酸化ニッケル100重量部に対して3重量未満であれば正極中に十分な導電ネットワークを形成することができずに正極利用率が低下し、10重量部を超えると活物質の充填量低減(電池容量低下)を招くだけでなく、アルカリ電解液へ溶解した過剰のコバルト錯イオンが負極側で析出して化学的微小短絡を引き起こす懸念が生じる。請求項4の条件にすることにより、電池容量・正極利用率ともに十分なアルカリ蓄電池を提供することが可能となる。
【0016】
本発明の主構成要素について、図を用いて説明する。
【0017】
図1は本発明のアルカリ蓄電池の模式断面図である。負極1と正極2の間にセパレータ3を介して渦巻き状に捲回した電極群を、負極端子を兼ねるケース4に挿入し、アルカリ電解液を注入した後、安全弁5および端子部6を備えた封口板7により封口している。8はガスケット、9は正極2と封口板7とを電気的に接続する正極集電体を示す。
【0018】
負極1は、Ni/MHの場合は水素吸蔵合金を活物質として用い、これにカーボンブラックなどの導電剤と、必要に応じてカルボキシメチルセルロース(以下、CMCと略記)などの増粘剤や、スチレン−ブタジエン共重合体(以下、SBRと略記)などの結着剤を適量加えてペーストにし、これをパンチングメタルなどの二次元多孔体からなる芯材に塗布することにより作製される。ニカド電池の場合はカドミウム化合物を主成分とする負極合剤ペーストをパンチングメタルなどの二次元多孔体からなる芯材に塗布することにより作製される。
【0019】
正極2は水酸化ニッケルを活物質として用い、これに水酸化コバルトや金属コバルト粉末などの導電剤と、酸化イッテルビウム粉末などの希土類化合物、必要にCMCなどの増粘剤やポリテトラフルオロエチレンなどの結着剤を適量加えてペーストにし、これを発泡ニッケル三次元多孔体などの芯材に塗布あるいは充填した後、これを乾燥・圧延・切断することにより作製される。
【0020】
セパレータ3は、ポリプロピレンなどのポリオレフィンからなる不織布を用いることができる。なおこの不織布は、電解液との親和性を高めるためにスルホン化処理等がなされているのが好ましい。
【0021】
電解液は、KOHとNaOHとLiOHとを適宜混合して溶解させた水溶液を用いるこ
とができる。
【0022】
図2は本発明の製造方法にて電池体を回転させる装置の一例を示す概略図である。円筒型アルカリ蓄電池11を、2本の円筒型の回転体12に載せて矢印の方向に回転させることにより、注入した電解液を均一に分布させる。一方で支持体13から突出した2対の突起部14(一方は図示せず)により円筒型アルカリ蓄電池11を挟み込み、コード15より電流を流すことにより初期充電を行う。
【0023】
以下に実施例をあげて、本発明を更に詳しく説明する。
【実施例】
【0024】
(実施例1)
水酸化ニッケル粉末100重量部に対し、金属コバルト粉末を5重量部と、酸化イッテルビウム粉末を4重量部と、酸化亜鉛粉末を2.5重量部とを混合し調整した正極合剤ペーストを導電性支持体に充填し、乾燥後、プレスによって所定の厚みにし、理論容量が52Ahになるよう所定のサイズに切断し、ニッケル正極を作製した。この正極と水素吸蔵合金を使用した理論容量80Ahの負極との間に介入させたスルホン化ポリプロピレンセパレータを渦巻き状に捲回して電極群を作製し、この電極群を負極端子を兼ねるケースに挿入した後、比重が1.27である水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化リチウムからなるアルカリ電解液を正極容量に対して1.8ml/Ahの割合で注入し、図1に示すNi/MHを作製した。
【0025】
このNi/MHを25℃の雰囲気下で24時間保管した後、図2に示す電池ホルダにセットして、図の矢印の方向に15rpmの回転数で回転させながら25℃の雰囲気下で30時間率の電流値で正極理論容量に対して20%の電気量を初期充電を行った。その後、2時間率の電流値で正極理論容量に対して130%の電気量を充電し、25℃の雰囲気下で5時間率の電流値で1.0Vに達するまで放電した。このNi/MHを実施例1の電池とする。
【0026】
(実施例2〜5)
実施例1に対し、アルカリ電解液の注入量を1.4、1.7、2.5および2.8ml/Ahとした以外は、実施例1と同様にして作製したNi/MHを実施例2〜5の電池とする。
【0027】
(実施例6〜10)
実施例1に対し、正極理論容量に対して20%までの充電電流値を20、25、70、100および120時間率とした以外は、実施例1と同様にして作製したNi/MHを実施例6〜10の電池とする。
【0028】
(実施例11)
実施例1に対し、正極理論容量に対して20%以降の充電電流値を30時間率とした以外は、実施例1と同様にして作製したNi/MHを実施例11の電池とする。
【0029】
(実施例12〜13)
実施例1に対し、正極の理論容量が40および70Ahとなるよう正負極、セパレータ、電解液およびケースの寸法と量を調整し、かつ正極理論容量に対して20%までの充電電流値を20時間率とした以外は、実施例1と同様にして作製したNi/MHを実施例12〜13の電池とする。
【0030】
(実施例14〜17)
実施例1に対し、水酸化ニッケル粉末100重量部に対する金属コバルト粉末の添加量を2、3、10および12重量部とした以外は、実施例1と同様にして作製したNi/MHを実施例14〜17の電池とする。
【0031】
(実施例18〜21)
実施例1に対し、初期充電時の回転数を3、5、30および35rpmとした以外は、実施例1と同様にして作製したNi/MHを実施例18〜21の電池とする。
【0032】
(比較例)
実施例1に対し、電池体を回転をせずに初期充電を実施すること以外は、実施例1と同様にして作製したNi/MHを比較例の電池とする。
【0033】
以上の各電池を用いて以下の評価を行った。
【0034】
(利用率測定)
25℃雰囲気下で以下に示す充放電を行い、得られた放電容量を正極理論容量で除した値を利用率として(表1)に示した。
充電:10時間率にて16時間、放置:1時間、放電:5時間率にて1.0Vに達するまで。
【0035】
(間欠充電試験)
10時間率にて10時間の充電を25℃雰囲気下で行った後、以下に示す休止および補充電を繰り返し行った。1ヶ月毎に5時間率にて1.0Vに達するまで放電してその容量を測定した。利用率測定時に対する放電容量比が80%を下回るまで間欠充電試験を繰り返し、この期間を寿命期間として(表1)に示した。
休止:65℃雰囲気下で24時間放置、補充電:65℃雰囲気下で10時間率にて2時間。
【0036】
【表1】

50Ah以上の容量をもつNi/MHの場合、初期充電時に回転させないと利用率および寿命期間が低下していることが、比較例から明確である。これは電池が大きいゆえに電解液分布が不均一になり、初期充電時に生成されるオキシ水酸化コバルトが正極中で局所的に析出するために、正極の導電ネットワークが均一にならず特性が低下したと考えられる。
【0037】
これに対し回転させながら初充放電を行った本発明の各実施例は、電池体内の液分布をより均一にすることができた結果、正極中のオキシ水酸化コバルトによって形成される導電ネットワークが均一になって水酸化ニッケルの利用率が高まり、充放電の繰り返しによる容量低下をも抑制した。ただし、電解液の注入量が少ない実施例2は、水酸化ニッケルの利用率が上がったものの、水素吸蔵合金の腐食にともなうセパレータの枯渇を早期に引き起こすため寿命期間は若干短くなった。また、電解液の注液量が多い実施例5は、電池体内での空間体積が減少し、初充電時に内圧が上昇したために封口板の弁が作動した。そのため電解液の一部が流出し、寿命期間は若干短くなった。
【0038】
初期充電の電流値が高い実施例6は、オキシ水酸化コバルトによる導電ネットワークの形成が不十分となり、利用率が若干低下する結果となった。また初期充電の電流値が低い実施例10は、利用率および寿命期間は良好であるが初期充電に時間を要するので好ましくない。ここで初期充電時に正極理論容量に対して20%以降も電流値を変化させない実施例11は、20%以降の電流値を高くして高速化した実施例1と比較して特性向上が見られないので、生産性の観点から初期充電時に20%以降の電流値を高くして高速化することが好ましい。
【0039】
初期充電の電流値が比較的高い場合、正極の理論容量が小さい実施例12に対し理論容量が大きい実施例13は利用率の低下が比較的低い値となった。このことから初期充電の電流値を低くすることの効果は、50Ah以上の容量の大きな電池において顕著であることがわかる。
【0040】
正極において金属コバルトが少ない実施例14は、本発明の製造方法をもってしても導電ネットワークの形成がやや不十分となり、利用率が若干低下した。また金属コバルトが多い実施例17は間欠充電保存試験の途中で化学的微小短絡が発生し、寿命特性が若干低下した。
【0041】
初充放電時の電池体の回転速度が遅い実施例18は、電池体内での液分布が均一になりきらずに利用率が若干低下した。また回転速度が速い実施例21は、初充電時に細かな断線が連続的に発生したために導電ネットワークが不十分となり、利用率が若干低下した。以上、本発明のように初期充電時に電池体を回転させることで、正極の利用率および電池の寿命特性を向上させることができる。この時、電池体の回転数が5〜30rpm、正極の金属コバルトの添加量が水酸化ニッケル100重量部に対して3〜10重量部、初期充電電流を正極理論容量の20%に達するまでは25〜100時間率、電解液の量が正極理論容量に対して1.7〜2.5ml/Ah、正極理論容量が50Ahの場合に本発明の効果がより大きくなることがわかる。
【産業上の利用可能性】
【0042】
本発明にかかる製造方法はアルカリ蓄電池用正極にもちいる金属コバルトの添加効果を高めて高容量化することや、電解液分布を均一にすることで長寿命化が可能であり、特に大型電池を用いる機器の電源として利用可能性は高く、その効果は大きい。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】本発明によるニッケル水素電池の構造を示す模式図
【図2】初期充電時に電池をセットするホルダーの一例を示す図
【符号の説明】
【0044】
1 負極
2 正極
3 セパレータ
4 ケース
5 安全弁
6 端子部
7 封口板
8 ガスケット
9 正極集電体
11 円筒型アルカリ蓄電池
12 回転体
13 支持体
14 突起部
15 コード


【特許請求の範囲】
【請求項1】
水酸化ニッケルおよび金属コバルトを含む正極と、負極からなる円筒型アルカリ蓄電池の製造方法であって、
前記正極と、前記負極と、セパレータとで電極群を構成する第1の工程と、
前記電極群および電解液を電槽に収納して電池体を構成する第2の工程と、
この電池体を回転させながら初期充電する第3の工程とからなる、円筒型アルカリ蓄電池の製造方法。
【請求項2】
前記第2の工程における電解液の量が正極理論容量に対して1.7〜2.5ml/Ahであることを特徴とする、請求項1記載の円筒型アルカリ蓄電池の製造方法。
【請求項3】
正極理論容量が50Ah以上であり、
前記第3の工程における初期充電電流を、正極理論容量の20%に達するまでは25〜100時間率とすることを特徴とする、請求項1記載の円筒型アルカリ蓄電池の製造方法。
【請求項4】
前記水酸化ニッケル100重量部に対して、前記金属コバルトの添加量が3〜10重量部であることを特徴とする、請求項1記載の円筒型アルカリ蓄電池の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2007−66836(P2007−66836A)
【公開日】平成19年3月15日(2007.3.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−254781(P2005−254781)
【出願日】平成17年9月2日(2005.9.2)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】