説明

円筒型スケールの作製方法、円筒型スケール、及びロータリーエンコーダ

【課題】複数本の線状材を円筒部材の内壁に規則的に並べることで、ロータリーエンコーダとして小型化が可能となる。
【解決手段】ロータリーエンコーダ100で用いられる円筒型スケール102の作製方法であって、屈曲可能な基材108の上に、Y軸の方向に伸びる線材105(線状材)を複数本規則的に設けるパターン形成工程と、基材108を、Y軸を中心に円筒部材104の内壁の曲率に合わせて屈曲させ、線材105を内壁に貼り付ける貼付工程と、を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、円筒型スケールの作製方法、円筒型スケール、及びロータリーエンコーダに係り、特に、複数本の線状材を円筒部材の内壁に規則的に並べることで、ロータリーエンコーダとして小型化が可能な円筒型スケールの作製方法、円筒型スケール、及びロータリーエンコーダに関する。
【背景技術】
【0002】
通常、エンコーダのスケール板に微細なパターンを作製するのに、リソグラフィ技術が用いられている。リソグラフィ技術は、高い精度の微細なパターンを可能としながら、大量生産を可能としている。しかし、リソグラフィ技術では、スケール板が曲面である場合には、その曲面へのレジスト塗布、露光などの工程が困難となってくる。このため、従来、ロータリーエンコーダでは、特許文献1の図1等に示すような円板型の平板にパターンを設けたスケール板が用いられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−145299号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1で示すようなロータリーエンコーダでは、スケール板が回転軸方向に接続され、スケール板の信号を検出する検出部がその回転軸方向に更に配置されることとなる。このため、円板型のスケール板を用いたロータリーエンコーダでは回転軸方向に大きくならざるを得なかった。
【0005】
なお、特許文献1の図23、図26には円筒型のスケールも記載されているが、それはスケールパターンを回転軸の外周面に備えている。このため、スケールパターンにより生じる信号を検出する検出部はその外側に配置されることとなり、ロータリーエンコーダとしては、回転軸の半径方向へ大きくならざるを得なかった。
【0006】
本発明は、前記従来の問題点を解決するべくなされたもので、複数本の線状材を円筒部材の内壁に規則的に並べることで、ロータリーエンコーダとして小型化が可能な円筒型スケールの作製方法、円筒型スケール、及びロータリーエンコーダを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本願の請求項1に係る発明は、ロータリーエンコーダで用いられる円筒型スケールの作製方法であって、少なくとも1つの軸を中心に屈曲可能な基材の上に、該軸の方向に伸びる線状材を複数本規則的に設けるパターン形成工程と、前記基材を、前記軸を中心に円筒部材の内壁の曲率に合わせて屈曲させ、前記線状材を該内壁に貼り付ける貼付工程と、を含むようにしたことにより、前記課題を解決したものである。
【0008】
本願の請求項2に係る発明は、更に、前記貼付工程の後に、前記基材の少なくとも一部を除去する除去工程を含むようにしたものである。
【0009】
本願の請求項3に係る発明は、更に、前記除去工程の後に、前記円筒部材の軸中心側に面する前記線状材の少なくとも一部を研削加工する加工工程を含むようにしたものである。
【0010】
本願の請求項4に係る発明は、更に、前記除去工程の後に、前記円筒部材の軸方向に対して垂直に該円筒部材を切断する切断工程を含むようにしたものである。
【0011】
本願の請求項5に係る発明は、前記パターン形成工程において、前記複数本の線状材を平板から微細加工により形成したものである。
【0012】
本願の請求項6に係る発明は、前記パターン形成工程において、前記線状材が物理的特性の異なる複数種類を備え、該線状材を隣接して前記基材上に配置したものである。
【0013】
本願の請求項7に係る発明は、請求項6に記載の作製方法で作成された円筒型スケールであって、前記円筒部材の内壁に前記物理的特性の異なる前記線状材を周方向に隣接して配置したものである。
【0014】
本願の請求項8に係る発明は、前記物理的特性を光の反射率としたものである。
【0015】
本願の請求項9に係る発明は、請求項8に記載の円筒型スケールと、該円筒型スケールの内側で該円筒型スケールに対して相対的に回転するとともに、該円筒型スケールの内側に光を照射する発光部と前記円筒型スケールの内側で反射された光を受光する受光部とを備える軸部材と、を有するロータリーエンコーダとしたものである。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、複数本の線状材を円筒部材の内壁に規則的に並べることで、円筒型スケールの内側にスケールパターンを作製でき、ロータリーエンコーダとして小型化が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の第1実施形態に係るロータリーエンコーダの概略斜視図
【図2】同じくロータリーエンコーダの断面模式図
【図3】同じくロータリーエンコーダに用いられる円筒型スケールの作製方法を示すフローチャートを示す図
【図4】同じく円筒型スケールの作製方法のパターン形成工程後を示す模式図
【図5】同じく円筒型スケールの作製方法の押圧工程後を示す模式図
【図6】同じく円筒型スケールの作製方法の貼付工程後を示す模式図
【図7】同じく円筒型スケールの作製方法の除去工程後を示す模式図
【図8】同じく円筒型スケールの作製方法の清浄化工程後の一部分(A)と清浄化工程と同時に行った加工工程後の一部分(B)を示す模式図
【図9】同じく円筒型スケールの作製方法の清浄化工程後の全体を示す模式図
【図10】同じく円筒型スケールの作製方法の切断工程後の全体を示す模式図
【図11】本発明の第2実施形態に係る円筒型スケールの作製方法を示すフローチャートを示す図
【図12】同じく円筒型スケールの作製方法の平板形成工程後を示す模式図
【図13】同じく円筒型スケールの作製方法のパターン形成工程後を示す模式図
【図14】同じく円筒型スケールの作製方法の貼付工程後を示す模式図
【図15】同じく円筒型スケールの作製方法の除去工程後を示す模式図
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態の一例を詳細に説明する。
【0019】
最初に、第1実施形態に係るロータリーエンコーダの構成について、主に図1、図2を用いて説明する。
【0020】
ロータリーエンコーダ100は、図1、図2に示す如く、光電式であり、円筒型スケール102と、円筒型スケール102の内側で円筒型スケール102に対して相対的に回転する軸部材110と、を備える。
【0021】
前記円筒型スケール102は、図2に示す如く、外周に位置する円筒部材104と、円筒部材104の内壁の周方向に隣接して配置される線材105(線状材)と、を備える。円筒部材104は、例えば金属製でその外径は20mmφ程度以上とされている。線材105は、図4に示す如く、物理的特性が異なる2種類からなり、一つは光の反射率が高い高反射率線材106ともう一つは光の反射率が低い低反射率線材107である。高反射率線材106と低反射率線材107とは交互に隣接してインクリメンタルのスケールパターンを形成している。なお、具体的には、高反射率線材106としてNiメッキ鋼線等、低反射率線材107として、例えば着色により光の反射を抑えたカラーポリエチレンワイヤ等を用いることができる。また、本実施形態では、高反射率線材106と低反射率線材107とは共に、断面がほぼ丸で太さがほぼ等しい(0.1mm〜0.2mm)が、断面が多角形であってもよいし、その太さが異なってもよい。線材105は、接着剤109(図6)で円筒部材104の内壁に貼り付けられている。
【0022】
前記軸部材110は、図2に示す如く、計測対象となる機械装置の回転軸である。即ち、円筒型スケール102が固定されて、軸部材110が回転する。軸部材110には、中空部114が設けられている。中空部114には、検出系として、発光部116とレンズ118と受光部120と信号処理回路122とを備える(なお、信号処理回路は軸部材の外部に設けられていてもよい)。軸部材110の円筒型スケール102に対峙する面には光学窓112が設けられている。光学窓112を介して、発光部116は、円筒型スケール102の内側の線材105に光を照射する。そして、受光部120は、光学窓112とレンズ118を介して、円筒型スケール102の内側の線材105で反射された光を受光する。信号処理回路122は、受光部120から出力される信号から円筒型スケール102に対する軸部材110の回転角を求める。本実施形態では、発光部116としてLEDを、受光部120として受光素子アレイを用いることができる。
【0023】
次に、本実施形態に係るロータリーエンコーダ100の動作について、図1、図2に基づいて説明する。
【0024】
発光部116から出射した光は、光学窓112を通過して、円筒型スケール102の内面に入射する。すると、円筒部材104の内壁に配置された高反射率線材106では反射光量が多く、低反射率線材107では反射光量が少なく、光が反射される。このため、光学窓112を通過した光がレンズ118により受光部120の表面で結像されることにより、受光部120に反射光量に応じた高反射率線材106と低反射率線材107とによるスケールパターンの像(明暗パターン)が形成される。明暗パターンに基づき受光部120から出力される信号を信号処理回路122で処理することで、円筒型スケール102に対する軸部材110の相対回転角を算出する。
【0025】
次に、円筒型スケール102の作製方法について、図3のフローチャートに従い説明する。
【0026】
最初に、図4に示す如く、基材108を用意し、その上に、紙面奥行き方向(Y方向)に伸びる線材105を複数本規則的に設ける(ステップS2;パターン形成工程)。具体的には、高反射率線材106と低反射率線材107とを交互に隣接して基材108上に配置し仮固定する。基材108としては、少なくとも1つの軸(Y方向を軸とする)を中心に屈曲可能であればよく、自在に屈曲が可能な例えば紫外線硬化型の粘着テープを用いることができる。
【0027】
次に、図5(A)の全体図、図5(B)の一部拡大図に示す如く、基材108を、前述した軸(Y方向)を中心に円筒部材104の内壁の曲率に合わせて屈曲させ、線材105を円筒部材104の内壁に押圧する(ステップS4;押圧工程)。そして、図6(A)の全体図、図6(B)の一部拡大図に示す如く、線材105を円筒部材104の内壁に押圧した状態で基材108と円筒部材104との間に接着剤109を充填して硬化させる。そして、円筒部材104の内壁に線材105を貼り付ける(ステップS6;貼付工程)。
【0028】
次に、図7に示す如く、基材108を除去する(ステップS8;除去工程)。本実施形態では、基材108の内側から紫外線を照射することで、基材108の線材105への粘着力をほぼゼロにできるので、容易に基材108を除去することができる。
【0029】
次に、図8(A)に示す如く、線材105の表面(円筒部材104の軸中心側に面する表面)に接着剤などの汚れがあればそれを除去する(ステップS10;清浄化工程)。除去には、ブラシや砥石、有機溶剤などを用いることができる。このとき、一方の線材、例えば低反射率線材107Aの表面を、図8(B)の如く研削加工(加工工程)してもよい。
【0030】
次に、図9の如くY方向に伸びた円筒部材104を、図10に示す如く、円筒部材104の軸方向(Y方向)に対して垂直に円筒部材104を、必要長さに応じてレーザ等を用いて(輪切り)切断する(ステップS12;切断工程)。そして、必要に応じてその切断面の表面処理を行う。なお、円筒部材104の軸中心側に面する線材105の表面に、光学特性を損なわないように保護膜などを設けてもよい。
【0031】
このように、本実施形態においては、円筒部材104の内壁に直接的に線材105を設けるのではなく、一旦基材108上に線材105を設けている。線材105としては2種類用いて、その2種類の線材(106、107)を隣接して基材108上に配置している。このため、この線材105の隣接配置により屈曲することを防止できるとともに線材105を高い精度で規則的に設けることができる。そして、線材105を円筒部材104の内壁に貼り付け後には基材108を除去しているので、基材108による光への影響(受光部120で得られる信号強度への影響)を回避でき、基材108として最適な材質を選択することができる。
【0032】
また、線材105の貼り付けられた円筒部材104を輪切りするので、円筒型スケール102を同時に多数作製でき、円筒型スケール102の低コスト化が可能となる。
【0033】
また、線材105については、特性的に光の反射率の違いを最優先してその材質や太さ(厚み)を選ぶことできるので、円筒型スケール102で得られる明暗パターンをより高いコントラストとすることが可能である。同時に、線材105の貼り付けにより、線材105そのものの物理的特性である光の反射率を損なうことなく利用が可能となる。このため、耐ノイズ性の優れたロータリーエンコーダ100を構成することができる。
【0034】
また、発光部116、レンズ118、受光部120、そして信号処理回路122(検出系)が計測対象となる軸部材110に収納されている。即ち、ロータリーエンコーダ100としては、外観上、機械装置に円筒型スケール102を追加するだけであり、円筒型スケール102と軸部材110との一体化が可能である。
【0035】
つまり、複数本の線材105を円筒部材104の内壁に規則的に並べることで、円筒型スケール102の内側にスケールパターンを作製でき、ロータリーエンコーダ100として小型化が可能となる。同時に、軸部材110の回転角を高精度に計測することが可能となる。
【0036】
なお、本実施形態においては、除去工程の後に、円筒部材104Aの軸中心側に面する低反射率線材107Aを(研削)加工する加工工程で得られた形状を図8(B)で示したが、線材が(研削)加工されていてもよい。その際には、高反射率線材から反射される光量を増大でき、円筒型スケールで得られる明暗パターンをより高いコントラストとすることが可能である。
【0037】
本発明について第1実施形態を挙げて説明したが、本発明は第1実施形態に限定されるものではない。即ち本発明の要旨を逸脱しない範囲においての改良並びに設計の変更が可能なことはいうまでもない。
【0038】
例えば、第1実施形態においては、2種類の線材106、107が隣接して個別に基材108上に並べられていたが、本発明はこれに限定されない。例えば、図11〜図15に示す第2実施形態の如く、平板から線状材が微細加工により形成されることで線状材が基材上に設けられてもよい。以下、本実施形態における円筒型スケールの作製方法について、図11のフローチャートに従い説明する。
【0039】
まず、図12に示す如く、基材208上に平板203を設ける(ステップS20;平板形成工程)。平板203としては、例えば光の反射率の高い金属材料から構成されている。なお、平板203は、箔状とされたものを基材208上に貼り付けてもよいし、基材208上に直接形成してもよい。
【0040】
次に、例えば、平板203にレジストを塗布し、高反射率線材206のパターンに露光・現像し、図13に示す如く、エッチングにより高反射率線材206を規則的に基材208上に設ける(ステップS22;パターン形成工程)。
【0041】
次に、図14に示す如く、基材208を、Y方向を中心に円筒部材204の内壁の曲率に合わせて屈曲させ、高反射率線材206を円筒部材204の内壁に押圧する。このとき、円筒部材204の内面全面には、光の反射率が低い接着剤を均一に塗布しておく。このため、高反射率線材206を円筒部材204の内壁に押圧した段階で、貼付工程(ステップS24)がなされる。
【0042】
次に、図15に示す如く、基材208を除去する(ステップS26;除去工程)。後のステップは、前述した第1実施形態と同様であるので説明を省略する。
【0043】
このように、本実施形態では、高反射率線材206を微細加工により形成したので、高反射率線材206をより微細に、且つ高精度で規則的に設けることができる。なお、図13の高反射率線材206の間に、低反射率線材を個々に配置する工程を加えてもよい。
【0044】
また、上記実施形態においては、基材が平面形状であったが本発明はこれに限定されず、基材が1つの軸を中心に屈曲(表面側が凸)されている円柱表面を備えていてもよい。その際には、基材である円柱表面に線状材を形成し、円筒部材の内壁に貼り付けする段階で、基材を半径方向に均等に膨張させて(基材を、軸を中心に円筒部材の内壁の曲率に合わせて屈曲させて)貼り付けることができる。或いは、基材を円柱形状部材の外周に巻き付けて、円柱形状部材を半径方向に均等に膨張させて貼付工程を行ってもよい。
【0045】
また、上記実施形態においては、線状材を光の反射率が異なる2種類としたが、本発明はこれに限定されない。例えば、線状材は3種類以上であってもよい。その場合には、ラッチをかけることや、回転方向の判定も可能となる。更には、多種類の線状材(パターンを含む)をアブソリュート符号に準じて配置することで、アブソリュート検出も可能となる。
【0046】
また、上記実施形態においては、円筒型スケールに光の反射率の違う線状材を用いることで光電式のロータリーエンコーダに適用していたが、本発明では光電式に限定されず、線状材の物理的特性が異なればよい。線状材の物理的特性が異なれば、その変化が判別できる検出系を軸部材に設けることで、ロータリーエンコーダを構成することができる。例えば、異なる磁性材料の線状材を使うことで磁気エンコーダ、導電性線状材と絶縁性線状材とを用いることで(導電性パターン幅を変更することで)電磁誘導型エンコーダを構成することができる。
【0047】
なお、線状材の貼付工程としては、接着剤の有無にかかわらず線状材の転写を含むものである。そして線状材は、厚みのほとんどない塗布や印刷といった手法で形成されたものであってもよい。
【0048】
また、上記実施形態においては、基材の除去を除去工程で完全に行っていたが、本発明はこれに限定されない。受光部に届く光量に大きな影響を与えないように、例えば、円筒型スケールの両端部に基材を残してもよい。或いは、受光部に届く光に大きな影響がなければ、基材をそのまま残してもよい。
【0049】
また、上記実施形態においては、円筒部材を輪切りにしていたが、本発明はこれに限定されず、円筒部材が最初から必要長さを満たす場合には円筒部材を切断する必要はない。
【0050】
また、上記実施形態においては、線材の太さとして0.1mm〜0.2mm程度を想定していたが、ICチップを結線するために使用されるボンディングワイヤ(最小で、直径数十μm以下)などを用いてもよい。
【0051】
また、上記実施形態においては、円筒型スケールが固定され軸部材が回転していたが、本発明はこれに限定されず、円筒型スケールが回転し軸部材が固定されていてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0052】
本発明は、軸部材が回転若しくは円筒型スケールが回転するロータリーエンコーダに好適である。
【符号の説明】
【0053】
100…ロータリーエンコーダ
102…円筒型スケール
104、104A、204…円筒部材
105…線材
106、106A、206…高反射率線材
107、107A…低反射率線材
108、208…基材
109、109A…接着剤
110…軸部材
112…光学窓
114…中空部
116…発光部
118…レンズ
120…受光部
122…信号処理回路
203…平板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロータリーエンコーダで用いられる円筒型スケールの作製方法であって、
少なくとも1つの軸を中心に屈曲可能な基材の上に、該軸の方向に伸びる線状材を複数本規則的に設けるパターン形成工程と、
前記基材を、前記軸を中心に円筒部材の内壁の曲率に合わせて屈曲させ、前記線状材を該内壁に貼り付ける貼付工程と、
を含むことを特徴とする円筒型スケールの作製方法。
【請求項2】
更に、前記貼付工程の後に、前記基材の少なくとも一部を除去する除去工程を含むことを特徴とする請求項1に記載の円筒型スケールの作製方法。
【請求項3】
更に、前記除去工程の後に、前記円筒部材の軸中心側に面する前記線状材の少なくとも一部を研削加工する加工工程を含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の円筒型スケールの作製方法。
【請求項4】
更に、前記除去工程の後に、前記円筒部材の軸方向に対して垂直に該円筒部材を切断する切断工程を含むことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の円筒型スケールの作製方法。
【請求項5】
前記パターン形成工程において、前記複数本の線状材は平板から微細加工により形成されることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の円筒型スケールの作製方法。
【請求項6】
前記パターン形成工程において、前記線状材は物理的特性の異なる複数種類を備え、該線状材が隣接して前記基材上に配置されることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の円筒型スケールの作製方法。
【請求項7】
請求項6に記載の作製方法で作成された円筒型スケールであって、
前記円筒部材の内壁に前記物理的特性の異なる前記線状材が周方向に隣接して配置されていることを特徴とする円筒型スケール。
【請求項8】
前記物理的特性は光の反射率とされていることを特徴とする請求項7に記載の円筒型スケール。
【請求項9】
請求項8に記載の円筒型スケールと、該円筒型スケールの内側で該円筒型スケールに対して相対的に回転するとともに、該円筒型スケールの内側に光を照射する発光部と前記円筒型スケールの内側で反射された光を受光する受光部とを備える軸部材と、を有することを特徴とするロータリーエンコーダ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−122771(P2012−122771A)
【公開日】平成24年6月28日(2012.6.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−271970(P2010−271970)
【出願日】平成22年12月6日(2010.12.6)
【出願人】(000137694)株式会社ミツトヨ (979)
【Fターム(参考)】