説明

円筒状物の転倒防止装置

【課題】倉庫に保管されたドラム缶の転倒を防止する装置を提供すること。
【解決手段】転倒防止装置1は、倉庫に配列して保管される複数の円筒状物の転倒を防止する。倉庫の天井に取り付けられた第1レール2であって円筒状物の配列方向と並行に延びる第1レール溝2aを有する第1レール2と、それぞれが第1レール2と連結可能であり第1レール2を移動する一様な厚さと縦長状の平坦な面とを有する複数の可動板4と、それぞれが可動板4のそれぞれの天井の側に形成され第1レール溝2aの内部を案内される複数の可動板移動手段5と、を備える。可動板4のそれぞれの平坦な面は、これが配列方向と並行に配置されたときに、円筒状物の少なくとも一部に接触するように、第1レール2は天井に取り付けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、円筒状物の保管に際し、円筒状物の転倒を防止する装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、ドラム缶等の円筒状の容器は、廃棄物を容器に詰めて倉庫等の保管用の空間に保管するために使用されている。保管する空間を効率的に使用してより多くのドラム缶を保管するため、ドラム缶は、円筒状の縦方向に積み重ねられた状態で該空間に並べられる。
【0003】
近年、震度の大きい地震の多発する日本列島では、廃棄物を詰めたドラム缶が地震により転倒し、蓋が開いたり中身が漏れ出したりするという事故が起きている。廃棄物の内容が、放射性の廃棄物等、危険性を有する場合には、ドラム缶の転倒がより深刻な被害をもたらすことが考えられる。そこで、保管するドラム缶の転倒を防止する必要となっている。
【0004】
ドラム缶の転倒を防止する策として、長さの調節できる転倒用ベルトが開発されている(例えば、特許文献1参照)。しかしながら、特許文献1に記載の転倒用防止ベルトでは、転倒を防止できるドラム缶の数に限りがあり、また、ドラム缶を保管場所の壁側に沿って固定するのみで、廃棄物を収納した大量のドラム缶の転倒を防止するためには十分でなかった。
【特許文献1】実開昭64−14663号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記のような状況に鑑み、倉庫に保管されたドラム缶の転倒を防止する装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、ドラム缶を保管する倉庫の天井にレールを形成し、レールに連結されて移動可能な可動板を配置し、該可動板の平坦な面をドラム缶に接触させることで転倒が防止できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0007】
(1) 倉庫に配列して保管される複数の円筒状物の転倒を防止する転倒防止装置であって、前記倉庫の天井に取り付けられた第1レールであって前記円筒状物の配列方向と並行に延びる第1レール溝を有する第1レールと、それぞれが前記第1レールと連結可能であり前記第1レールを移動する一様な厚さと縦長状の平坦な面とを有する複数の可動板と、それぞれが前記可動板のそれぞれの前記天井の側に形成され前記第1レール溝の内部を案内される複数の可動板移動手段と、を備え、前記可動板のそれぞれの前記平坦な面は、これが前記配列方向と並行に配置されたときに、前記円筒状物の少なくとも一部に接触するように、前記第1レールは前記天井に取り付けられる転倒防止装置。
【0008】
(1)の転倒防止装置は、倉庫に配列して保管されるドラム缶等の円筒状物の配列方向と並行に延びる第1レールを備える。第1レールには第1レール溝が形成される。転倒防止装置は、一様な厚さと縦長状の平坦な面とを有する複数の可動板を備える。可動板の天井側には複数の可動板移動手段が形成される。可動板は、可動板移動手段により第1レール溝に連結されて、第1レール溝を移動する。複数の可動板の平坦な面は、ドラム缶の少なくとも一部に接触する。これにより地震で積み重なったドラム缶の重心がずれそうになった時でも、ドラム缶の転倒は防止される。
【0009】
(2) 倉庫に配列して保管される複数の円筒状物の転倒を防止する転倒防止装置であって、前記倉庫の天井に取り付けられた第1レールであって前記円筒状物の配列方向と並行に延びる第1レール溝を有する第1レールと、前記第1レールと隣り合って互いに並行するように配置される第1並行レール溝を有する第1並行レールと、それぞれが一様な厚さと縦長状の平坦な面とを備える複数の可動板であって前記第1レールと連結可能であり前記第1レール溝を移動する第1可動板と前記第1並行レールと連結可能であり前記第1並行レール溝を移動する第2可動板とを有する複数の可動板と、それぞれが前記可動板のそれぞれの前記天井の側に形成される複数の可動板移動手段と、を備え、前記第1可動板の前記平坦な面は、これが前記配列方向と並行に配置されたときに、前記円筒状物の少なくとも一部に接触するように、前記第1レールは前記天井に取り付けられる転倒防止装置。
【0010】
(2)の転倒防止装置は、倉庫に配列して保管されるドラム缶等の円筒状物の配列方向と並行に延びる第1レールと、第1レールに並行する第1並行レールを備える。第1レールには第1レール溝が形成され、第1並行レールには第1並行レール溝が形成される。転倒防止装置は、一様な厚さと縦長状の平坦な面とを有する複数の可動板を備える。可動板は、第1レールを移動する第1可動板と、第1並行レールを移動する第2可動板と、を有する。各可動板の天井側には可動板移動手段がそれぞれ形成される。第1可動板は、可動板移動手段により第1レール溝に連結されて、第1レール溝を移動する。第2可動板は、可動板移動手段により第1並行レール溝に連結されて、第1並行レール溝を移動する。第1可動板の平坦な面は、ドラム缶の少なくとも一部に接触する。これにより地震で積み重なったドラム缶の重心がずれそうになった時でも、ドラム缶の転倒は防止される。
【0011】
また、可動板が第1レール溝と第1並行レール溝を移動するため、配列するドラム缶の位置に応じて引き戸のようにスライドすることができる。倉庫の面積が広く可動板の枚数が多い場合でも可動板の移動が簡易になり、必要に応じて配列された可動板の一部を移動させるときも、全ての可動板を移動させる必要がなくなる。
【0012】
(3) さらに、前記配列方向と直交する方向に延び、第2レール溝を有する第2レールを有し、前記第2レール溝には、前記可動板を支持し移動可能に回転する車輪が配置され、前記車輪は前記第2レール溝においてタイヤの回転を防止する停止手段を有し、前記可動板は、これが移動する方向を前記配列方向又は前記配列方向に直交する方向いずれかの一方向から他方向へ変更して前記車輪の上を移動する(1)に記載の転倒防止装置。
【0013】
(3)の転倒防止装置は、配列方向と直交する方向に第2レール溝を有する第2レールを有する。第2レール溝には、可動板を支持し移動可能に回転する車輪が配置される。可動板は、第2レール溝に配置される車輪の上を滑りながら第2レールの上を移動し、移動する方向を配列方向に変更して第1レールへ連続して移動することができる。また、可動板は、第1レールから移動する方向を配列方向に直交する方向に変更して第2レールへ連続して移動し、第2レール溝に配置される車輪の上を滑りながら移動することができる。
【0014】
(4) さらに、前記配列方向と直交する方向に延び、第2レール溝を有する第2レールを有し、前記第2レール溝には、前記可動板を支持し移動可能に回転する車輪が配置され、前記車輪は前記第2レール溝においてタイヤの回転を防止する停止手段を有し、前記第1可動板又は前記第2可動板は、これが移動する方向を前記配列方向又は前記配列方向に直交する方向いずれかの一方向から他方向へ変更して前記車輪の上を移動する(2)に記載の転倒防止装置。
【0015】
(4)の転倒防止装置は、配列方向と直交する方向に第2レール溝を有する第2レールを有する。第2レール溝には、可動板を支持し移動可能に回転する車輪が配置される。第1レール溝を移動可能な第1可動板又は第1並行レール溝を移動可能な第2可動板は、第2レール溝に配置される車輪の上を滑りながら第2レールの上を移動し、移動する方向を配列方向に変更して第1レール又は第1並行レールへ連続して移動することができる。また、第1可動板又は第2可動板は、第1レール又は第1並行レールから移動する方向を配列方向に直交する方向に変更して第2レールへ連続して移動し、第2レール溝に配置される車輪の上を滑りながら移動することができる。
【0016】
(5) 前記可動板移動手段は、前記天井の側において直線上に間隔を空けた二点に配置され、前記二点の間の長さは、前記円筒状物の半径に2の平方根を乗じて得られる長さよりも小さい請求項1から4いずれか記載の転倒防止装置。
【0017】
(5)の転倒防止装置において、可動板移動手段のそれぞれは、可動板の天井側の直線上に間隔を空けた二点に配置される。この二点の間の長さは、前記円筒状物の半径に2の平方根(√2)を乗じて得られる長さよりも小さい。このような構成により、配列されるドラム缶のうち、倉庫の壁面近くにドラム缶が位置していても、一枚の可動板の移動する方向を配列方向又は配列方向に直交する方向のいずれか一方から他方へ変更することができる。
【0018】
(6) 前記可動板のそれぞれは、第1可動板部と、前記第1可動板部に隣接する第2可動板部と、前記第1可動板部と前記第2可動板部とを屈曲可能に連結する屈曲手段と、を備え、前記可動板移動手段は、前記第1可動板部の前記天井の側に配置される第1可動板移動部と、前記第2可動板部の前記天井の側に配置される第2可動板移動部と、を備え、前記屈曲手段は、前記第1可動板移動部と前記第2可動板移動部との間に配置される(1)から(4)いずれか記載の転倒防止装置。
【0019】
(6)の転倒防止装置において、可動板のそれぞれは、第1可動板部と、第1可動板部に隣接する第2可動板部と、第1可動板部と第2可動板部とを屈曲可能に連結する屈曲手段と、を備える。可動板移動手段は、第1可動板部の天井の側に配置される第1可動板移動部と、前記第2可動板部の前記天井の側に配置される第2可動板移動部と、を備える。屈曲手段は、前記第1可動板移動部と前記第2可動板移動部との間に配置される。
【0020】
このような構成により、配列されるドラム缶のうち、倉庫の壁面近くにドラム缶が位置している場合であって、第1可動板移動部と前記第2可動板移動部との間の長さが、壁面近くのドラム缶が障害となって可動板の移動する方向を配列方向又は配列方向に直交する方向のいずれか一方から他方へ変更することができない程度に長い場合であっても、第1可動板移動部と第2可動板移動部との間が屈曲するため、可動板は方向を変更して移動することができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、倉庫に保管されたドラム缶の転倒が防止される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、本発明の実施形態は、下記の実施形態に何ら限定されることなく、本発明の技術的範囲は、これに限定されるものではない。
【0023】
1.第1実施形態
本発明において、「倉庫」とは、ドラム缶等の円筒状物の保管を目的とする建造物又は建造物中の空間を指す。したがって、貯蔵庫、保管庫、資材倉庫等いずれの呼び方で呼ばれる建造物も含まれ、建造物内の貯蔵室、保管室、資材室などの部屋や空間も含まれる。
【0024】
図1に示すように、転倒防止装置1は、複数のドラム缶10等の円筒状物を配列して保管する倉庫に設けられる。倉庫の天井100には、ドラム缶10の配列方向と並行して延びる第1レール2が配置される。第1レール2は、第1レール溝2aを有する。天井100には、この第1レール2と並行して、第1並行レール8が配置される。第1並行レール8は、第1並行レール溝8aを有する。
【0025】
転倒防止装置1は、一様な厚さと縦長状の平坦な面とを有する複数の可動板4を有する。可動板4は、第1レール2を移動する第1可動板4aと、第1並行レール8を移動する第2可動板4bを有する。これらの可動板4の天井側には、可動板移動手段5が形成される。可動板移動手段5が第1レール溝2a又は第1並行レール溝8aを案内されることにより、可動板4は、第1レール2又は第1並行レール8に連結される。第1可動板4aが配列方向Xに配列され、この平坦な面4dがドラム缶10の少なくとも一部に接触することにより、ドラム缶の転倒は防止される。
【0026】
ドラム缶10の配列方向Xに直交する方向Yには、第2レール3が配置される。第2レール3は、倉庫の床面110側に配置される。第2レール3は、第2レール溝3aを有し、第2レール溝3aには車輪6が配置される。第1可動板4a又は第2可動板4bは、ドラム缶10の配列方向X又は配列方向に直交する方向Yのいずれか一方から他方へ移動する方向を変更することができる。配列方向に直交する方向Yを可動板4が移動するときは、第1可動板4a又は第2可動板4bは、第2レール3に配置される車輪6の上を滑りながら移動する。
【0027】
可動板移動手段5は、可動板4の天井の側において直線状に間隔を空けた二点に配置される。二点の間の長さは、ドラム缶10の半径に2の平方根を乗じて得られる長さよりも小さい。このような構成により、配列されたドラム缶10のうち壁面側に位置するドラム缶10に、可動板4が邪魔されることなく配列方向X又は配列方向に直交する方向Yのいずれか一方から他方へ移動する方向を変更することができる。
【0028】
2.円筒状物
ドラム缶10は、内部に廃棄物を詰めた状態で倉庫に運ばれ、配列される。ドラム缶10は、垂直方向に最も多くて3段まで重ねられる。ドラム缶10は、200リットルが収容できる大きさで、外径が585mm以下(内径566プラスマイナス2mm)、高さが890プラスマイナス5mmの寸法である。ドラム缶の寸法はこれに限られず、いかなる寸法のドラム缶であってもよい。
【0029】
3.第1レール
図1及び図2に示すように、第1レール2は、ドラム缶10を配列する開始位置から、配列方向Xと並行して天井に各列ごとに配置される。即ち第1レール2と隣り合う第1レール2とは585mm以上の間隔を有する。可動板4の厚さが、第1レール2の幅を越える場合には、ドラム缶10の直径に、可動板4の厚さ方向の長さから第1レール2の幅方向の長さを引いた分の長さを加えた長さの間隔が必要となる。また、ドラム缶10を配置する位置がずれたときに調節するための剰余の間隔を100mm以下の範囲で含めてもよい。
【0030】
図3に示すように、第1レール2は、この内部に後述する可動板移動手段5をスライド可能に移動させるための第1レール溝2aを有する。第1レール2は、第1レール溝2aを形成する端部が第1レール2の内部に向かって第1レール2の側面と並行するように向き、断面がC型になっている。しかしながら、第1レールの形状は、可動板移動手段5をスライド可能に移動させることができればこれに限定されず、従来公知のいかなる形状でもよい。
【0031】
第1レール2の材質は、特に限定されないが、天井100から床面に向かって可動板4を吊り下げることが可能な強度を要する。ドラム缶が3段重ねられる場合があり、可動板4がこれに対応する長さを有することを考慮すると、第1レール2は、鉄や合金等の金属で形成し、天井に取り付けてもよく、コンクリートで天井と一体となるよう形成してもよい。
【0032】
4.第1並行レール
図1及び図2に示すように、第1レール2と並行して第1並行レール8が配置される。ドラム缶10の配列に対して、ドラム缶10側に配置されるレールが第1レール2であり、ドラム缶がまだ配置されていない空いた空間側に配置されるレールが第1並行レール8である。第1並行レール8の形状や材質は第1レール2と同一であり、第1並行レール8は第1並行レール溝8aを有する。
【0033】
第1レール2に並行して第1並行レール8が配置されることにより、可動板4はこれらのレール2、8のいずれにも移動することができる。したがって、可動板は引き戸や襖のごとく、配列されるドラム缶の位置に応じて配列方向Xに移動させることができる。
【0034】
5.可動板
可動板4は、第1レール2又は第1並行レール8の幅方向の長さと対応する同程度の長さの一様な厚さを有する。可動板4は、縦長状の平坦な面を有する。上述の通り、ドラム缶10が垂直方向に最も多くて3段重ねられることを考慮すると、可動板の長手方向の長さは1770mmよりも長く2685mmよりも短い。可動板の材質は、200リットル用ドラム缶に廃棄物が詰った状態で転倒した場合に、転倒を防止する程度の強度を必要とする。したがって、鉄や合金等、硬度の高い金属であることが好ましい。
【0035】
可動板4のうち、第1レール2を移動する可動板を第1可動板4aといい、第1並行レール8を移動する可動板を第2可動板4bという。第1可動板4aと第2可動板4bの形状は同一であり、互いに変更可能である。第1可動板4aは、配列されたドラム缶10の少なくとも一部に接触する。可動板4は、少なくともドラム缶10の一部に接触すれば足りるため、可動板4の平坦な面4dの全面が板状でなくてもよく、一部が空いた枠状の形状でもよい。可動板4の材料は、一般構造用圧延鋼材に塗装を施したものや、ステンレス鋼などが用いられるが、特に限定されない。
【0036】
ここで、「ドラム缶の一部に接触する」とは、少なくとも重ねたドラム缶の重なり部分から垂直方向の上下の一定領域に接触することを意味する。ドラム缶10は垂直方向に最も多くて3段重ねて保管されるので、少なくとも重ねたドラム缶の重なり部分から垂直方向の上下の一定領域に接触可能に可動板4の平坦な面4dが配置されていることにより、転倒を有効に防止するためである。
【0037】
図3に示すように、可動板4の天井側には、可動板移動手段5が形成される。可動板移動手段5は、可動板4を第1レール2又は第1並行レール8に連結し、可動板4を移動可能にする機構である。詳細には、第1レール溝2a又は第1並行レール溝8aに適合する二つのレール車輪51と、このレール車輪51と接合されレール車輪51の中心を貫く車輪シャフト52、該シャフト52と接するベアリング58と、該車輪シャフト52とベアリング58を内部に収容するパイプ53を有する。車輪シャフト52及びレール車輪51は、このベアリング58により回転する。
【0038】
一方、可動板4はドラム缶10の配列方向Xと配列方向に直交する方向Yとに移動する方向を変更するため、レール車輪51の回転方向(第1又は第1並行レール2、8を移動する進行方向X)に対して直交する方向Yに回転可能である必要がある。そこでパイプ53には穴が形成され、そこからリムを有する方向転換シャフト54がパイプ53と可動板4とを連結するように延びる。方向転換シャフト54のパイプ53側のリム54aは、パイプ53の穴と回転可能に接する。方向転換シャフト54の可動板4側のリム54bは、連結板55を挟んで可動板4と連結される。連結板55は可動板4にねじ56で留められる。方向転換シャフト54の可動板4側のリム54bと連結板55とは、溶接部57で溶接されて固定される。可動板4の天井側が中空である場合には、裏側からナットで固定されることが好ましい。なお、可動板移動手段5は、可動板4が第1又は第1並行レール2、8を移動することができ、第1又は第1並行レール2、8に嵌合した状態で方向を変更することができる機構であれば、従来公知の機構を用いることができ、これに限られない。
【0039】
図4に示すように、各可動板移動手段5は、可動板4の天井の側において直線状に間隔Aを空けた二点に配置される。図6に示すように、間隔Aは、ドラム缶10の半径rに2の平方根を乗じて得られる長さCよりも小さい。このような構成により、配列されたドラム缶10のうち壁面側に位置するドラム缶10に、可動板4が邪魔されることなく配列方向X又は配列方向に直交する方向Yのいずれか一方から他方へ移動する方向を変更することができる。したがって、ドラム缶10を壁面近くまで配列することができ、より多く倉庫に収納することができる。
【0040】
図1に示すように、倉庫の床面110と、床面と対向する可動板4の底面4eとの間には、可動板4を垂直方向の下方から上方へ支持する支持手段70が形成される。支持手段70は、可動板4の底面4eから床100に向かって延びることができる脚部である。脚部70の一方の端部は、可動板4の底面4e側と、回転可能に固定される。脚部70は、可動板4と同じ素材か同程度の剛性を有する素材により構成され、可動板4による荷重に耐えることができる。可動板4の底面4e側には、脚部70が収納可能な収納凹部71が形成されており、脚部70は、使用されない間、可動板4の底面4eに沿って収納凹部71の中に収納される。
【0041】
床110には、脚部70が差し込まれる支持凹部72が形成される。支持凹部72の幅Wは、脚部70と同程度の、脚部70が差し込み可能な幅に適合される。支持凹部72の底面と、収納凹部71の天井側の面との間隔L2は、脚部70の長さL1と実質的に同じである。支持凹部72の長さL3は、脚部70の脚の長さL1と実質的に同じである。L1とL3が同じ長さであることにより、脚部の一方の端部が収納凹部71から回転して支持凹部72に差し込まれるときに、床110に遮られない。脚部70は、可動板4の底面側4eから回転して垂直方向に向きを変え、支持凹部72に差し込まれる。支持凹部72には、使用しない間、はめ込み式の蓋73がはめ込まれる。
【0042】
このような構成により、天井100側と床110側の両端で転倒するドラム缶が支持される。このため、可動板4のたわみが抑制され、転倒がより確実に防止される。
【0043】
なお、支持手段70は、他の構成よって実現してもよい。例えば、可動板4に上述のキャスタータイプの車輪を据付けてもよい。
【0044】
なお、可動板には、取り扱いの便宜として、作業員の手が届く位置に、可動板4に力をかける契機となる凹部又は凸部が形成されてもよい。
【0045】
6.第2レール
図5に示すように、配列方向Xと直交する方向Yにおいて、倉庫の床面110側には第2レール3が配置される。第2レール3には、可動板4の重さを支持しつつ可動板4を移動可能に回転する車輪6が配置される。このような構成により、可動板4は第2レール3の車輪6上を滑り、ドラム缶10の配列の終端まで移動して、第1レール2又は第1並行レール8へ連結されるよう方向を転換することができる。又は、第1レール2又は第1並行レール8から移動してきた第1可動板4a又は第2可動板4bは、第2レール3と直交する付近で方向を転換し、第2レールの上の車輪に載って配列方向に直交する方向Yへ移動することができる。図2に示すように、第2レール3は、配列されるドラム缶10を両側から挟むように、配列方向Xと直交する方向Yに二本配置される。
【0046】
本実施形態では、車輪6は第2レール溝3aに配置されているのみで、可動板4と結合されていない。この場合、可動板4の第2レール3と対向する底面4eには、車輪6が可動板4の底面4e側から外れないように車輪6の有する曲面と対応する曲線状の凹部4fが形成されていることが好ましい。凹部4fが形成されなければ、車輪6の上を逸れないように移動することができないからである。なお、車輪6は、可動板4の底面4e側と車輪6とを金具で連結するキャスタータイプであってもよい。この場合は可動板4の底面4eは平面であることが、金具の固定を容易にするため好ましい。
【0047】
車輪の数は、可動板の重さを支持することができる個数であればよく、可動板の重さに対応して適宜配置される。
【0048】
車輪6は、可動板4と結合されていないため、第2レール溝3aにおいて方向を転換することができる。第2レール3の延びる方向Yに沿って回転する車輪6は、この回転方向が配列方向X側へ向くように方向を転換することができる。これにより、車輪6自体又は第2レール上にある可動板4が転がることを停止することができる。したがって、本実施形態においては、車輪6が方向を転換することが回転を防止する手段となる。なお、上述の可動板4の底面に取り付けるキャスタータイプの場合は、回転を防止する手段として金具と車輪6の連結部分にねじで固定されるストッパーが形成される。
【0049】
本発明によれば、ドラム缶10を配列する各列ごとに天井に第1レールが形成されているため、倉庫に配列されるドラム缶10の列、数量に関わらず、転倒を防止することができる。そして、倉庫に保管されるドラム缶10の数量の変化に応じて、転倒を防止する可動板4、4A、4Bを移動させることができる。
【0050】
以下、転倒防止装置1の使用の状態を説明する。図1及び図2に示すように、可動板4は配列方向Xと配列方向Xに直交する方向Yに移動可能である。そこで、倉庫にドラム缶が保管されない時には、配列方向に直交する方向Yに延びる第2レール3上に可動板4を寄せておくことができる。このとき、車輪や可動板4が転がらないように、車輪の一つを略90度回転させておく。
【0051】
ドラム缶10が倉庫に収容されると、ドラム缶10が配列される。最初に配列される方を奥、最後に配列される方を手前とすると、ドラム缶10の列の最も手前に可動板4が接触するように、第2レールから第1レールへ可動板が移動される。この移動は、転倒防止装置1を使用する作業員が手で行う。第2レールには車輪6が配置されている。作業員は、可動板4の底面4eに形成された凹部4fを車輪6の曲面に合わせ、車輪6の上を転がすように可動板4を移動させて、ドラム缶10の列の最も手前に接する第1レール2に、可動板移動手段5が連結されるよう、可動板4を配列方向Xに傾けて連結させる。
【0052】
作業員は、第2レール3から第1レール2及び第1並行レール8へ、それぞれ同数程度になるように、可動板4を移動させる。そして、第1レールを移動する第1可動板4aと、第1並行レールを移動する第2可動板4bが交互になるように配列方向Xに移動させる。
【0053】
第1可動板4aの平坦な面4dは、ドラム缶10の少なくとも一部に接触する。これにより、地震等でドラム缶が揺れても、可動板4aによって転倒が防止される。ドラム缶が隙間なく配列されて、最も手前の列の転倒が防止されることにより、最も手前の列よりも奥側に位置するドラム缶が揺れても、転倒が防止される。
【0054】
7.第2実施形態
第2実施形態における転倒防止装置は、第1実施形態と可動板4Aの構成が異なる。以下に述べる可動板4Aの構成の差異以外は、第1実施形態と同じである。
【0055】
図7及び8に示すように、可動板4Aのそれぞれは、第1可動板部41と、可動板部41に隣接する第2可動板部42と、を有する。第1可動板部41の天井100側の端面には、可動板移動手段5のうちの一方である第1可動板移動部61が配置される。第2可動板部42の天井側の端面には、可動板移動手段5のうちの一方である可動板移動部62が配置される。
【0056】
上述の通り、可動板4は天井から吊り下げられる縦長状の形状を有する。第1可動板部41と第2可動板部42とは、それぞれの長手方向の側縁を隣接するように配置される。屈曲手段7は、第1可動板移動部61と第2可動板移動部62との間に配置される。屈曲手段は、蝶番型のヒンジである。図7に示すように、ヒンジ7は可動板4Aのドラム缶10に接する面に取り付ける。第1可動板移動部61、第2可動板移動部62の間の長さAがドラム缶10の半径に2の平方根を乗じた長さよりも長い場合、ドラム缶10が壁面近くに配列されていると、ドラム缶10が障害となって可動板4Aの移動する方向を変更することができない。そこで、第1可動板移動部61、第2可動板移動部62との間にヒンジなどの屈曲手段7を設けることにより、第1可動板移動部61、第2可動板移動部62との間の距離に関わらず、可動板4Aの移動する方向を配列方向X又は配列方向に直交する方向Yのいずれか一方に変更することができる。
【0057】
第1可動板移動部61、第2可動板移動部62との間の距離が第1実施形態に比較して長い場合、相対的に可動板4の短手方向の長さも第1実施形態のそれより長くなる場合がある。この場合でも、可動板4の短手方向の長さに関わらず可動板4の移動する方向を変更することができるため、ドラム缶10が並ぶ配列方向の距離に応じて可動板4の短手方向の幅を調整することが可能となる。
【0058】
8.第3実施形態
第3実施形態における転倒防止装置は、第1実施形態及び第2実施形態と可動板4Bの構成が異なる。以下に述べる可動板4Bの構成の差異以外は、第1実施形態及び第2実施形態と同じである。
【0059】
図9及び10に示すように、第3実施形態に係る可動板4Bは、可動板4Bの短手方向の一方に第1可動板部41と、他方に第2可動板部42と、第1可動板部41と第2可動板部42との間に複数の可動板中間部43と、を備える。第2実施形態と同様に第1可動板部41の天井側の端面には、各可動板移動手段5のうちの一方である可動板移動部61が配置される。第2可動板部42の天井側の端面には、可動板移動手段5のうちの一方である可動板移動部62が配置される。
【0060】
可動板中間部43は、隣接する可動板中間部43との間に屈曲手段71が設けられ、これが連続する。第3実施形態において屈曲手段71は、回転軸と、切れ込みと、楕円形のリングとにより構成される。可動板中間部43のそれぞれは、短手方向の端部において長手方向に埋設される回転軸を有し、長手方向に沿って二箇所にこの回転軸が露出する切れ込みを有する。一の可動板中間部43の回転軸と隣接する他の可動板中間部43の回転軸とを、切れ込みにはめ込まれるように楕円形のリングが束ねることで、隣接する可動板中間部43同士が屈曲可能となる。屈曲手段71は、連続する可動板中間部43が互いに屈曲できるものとする機構であれば、従来公知のものを用いてよい。例えば、蝶番式のヒンジを複数形成してもよい。
【0061】
第3実施形態によれば、第2実施形態と同様に、第1可動板移動部61、第2可動板移動部62との間の距離に関わらず、可動板4Aの移動する方向を配列方向X又は配列方向に直交する方向Yのいずれか一方に変更することができる。第2実施形態と比べて屈曲可能な部分が多く、屈曲が滑らかとなるため、可動板の短手方向の幅を第1実施形態及び第2実施形態に比べて相対的に長くとることができる。このため、ドラム缶10が並ぶ配列方向の距離に応じて相対的に可動板4Bの枚数を減らすことができる。
【0062】
9.第4実施形態
第4実施形態における転倒防止装置は、第1実施形態と可動板4の構成が異なる。以下に述べる可動板4の構成の差異以外は、第1実施形態と同じである。
【0063】
図11に示すように、各可動板移動手段5は、可動板5の天井側の端面4gにおいて、可動板4の短手方向の端部に形成されている。各可動板移動手段5の間隔Bは、第1レール2と、これに向かい合う第1並行レール8と、の互いに向かい合う側縁の間隔と同一である。また、可動板4の幅方向の長さは、間隔Bよりも長く、各可動板移動手段5の間隔Bの長さに第1レールの厚さ4cと、これに向かい合う第1並行レール8の厚さ4cとを加えた長さよりも短い。第2レール3に沿って移動してきた可動板4の各可動板移動手段5の方向が、ドラム缶の配列方向に直交する方向Yから配列方向Xに変更されると、可動板4の面4dがドラム缶の配列方向に直交する方向Yに向けられた状態で、可動板4は配列方向Xに移動することができる。これにより、配列されるドラム缶10の数が半端であり、ドラム缶10の並びが配列の途中で途切れた場合に、可動板4を移動させてドラム缶の配列方向に直交する方向Yへの転倒を防止することができる。
【0064】
なお、各可動板移動手段5の方向を変更することに関しては、作業員が棒などを用いて直接変更する。また、各可動板移動手段5の方向転換シャフト54に回転手段を取り付け、方向転換シャフト54を回転可能に可動板4の天井側の端面4gに取り付けて、遠隔操作によって各可動板移動手段5の方向が変更されるように構成してもよい。回転手段は、モータであってよい。
【0065】
10.第5実施形態
第5実施形態における転倒防止装置は、第2天井レールが形成される点が第1実施形態と異なる。以下に述べる第2天井レールの構成の差異以外は、第1実施形態と同じである。
【0066】
図12に示すように、天井110には配列方向に直交する方向Yに第2天井レール30が形成される。第2天井レール30と、第1レール2又は第1並行レール8は、互いに交差する箇所においてT字状に接合される。第2天井レール30と、第1レール2又は第1並行レール8の内部を可動板移動手段5が移動できるように、第2天井レール30が第1レール2又は第1並行レール8と交差する箇所においては、レール車輪51と噛み合うための鉤状部分は形成されない。
【0067】
具体的には、T字状の接合部において、第2天井レール30と第1又は第1並行レール2、8とが接合される側にはレール車輪とかみ合う鉤状部分は形成されない。しかしながら、T字状部分で可動板4が第2天井レール30から落下することのないよう、接合されない側は車輪を支持する面が形成される。該面と第2天井レール30溝の幅は、第2天井レール30の内部で可動板移動手段5が方向を転換でき、かつ落下しないように適合される。第5実施形態の場合、床110側の第2レール3及び車輪6は配置されない。
【0068】
各可動板移動手段5には、遠隔操作による信号を受信して回転可能な回転手段が取り付けられ、遠隔操作によって各可動板移動手段5の方向が、適宜変更される。回転手段は、方向転換シャフト54に取り付けられ、信号を受信して回転可能なモータであってよい。この場合、方向転換シャフト54は、可動板4の天井側の端面4gに対して回転可能に取り付けられる。回転手段は、これに限られず従来公知の配置や手段によって取り付けられてよい。
【0069】
第2天井レールが形成されると、可動板4を車輪6の上から外れないように配慮する必要がなくなる。天井100において可動板4の移動する方向を第2天井レールと第1レール2又は第1並行レール8との間で変更し連結するのみで済み、操作が簡便になる。
【図面の簡単な説明】
【0070】
【図1】第1実施形態に係る転倒防止装置を示す斜視図である。
【図2】第1図に示す転倒防止装置の上面図である。
【図3】第1実施形態に係る可動板移動手段の断面図である。
【図4】第1実施形態に係る可動板の正面図である。
【図5】第1実施形態に係る第2レールを示す斜視図である。
【図6】第1実施形態に係る可動板が移動する方向を変更する状態を示す上面図である。
【図7】第2実施形態に係る可動板が移動する方向を変更する状態を示す上面図である。
【図8】図7に示す可動板の正面図である。
【図9】第3実施形態に係る可動板が移動する方向を変更する状態を示す上面図である。
【図10】図9に示す可動板の正面図である。
【図11】第4実施形態に係る転倒防止装置を示す斜視図である。
【図12】第5実施形態に係る転倒防止装置を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0071】
1 転倒防止装置
2 第1レール
2a 第1レール溝
3 第2レール
3a 第2レール溝
4、4A、4B 可動板
4a 第1可動板
4b 第2可動板
4c 厚さ
4d 平坦な面
4e 底面
4f 凹部
4g 端面
5 可動板移動手段
6 車輪
7、71 屈曲手段
8 第1並行レール
8a 第1並行レール溝
10 ドラム缶
30 第2天井レール
30a 第2天井レール溝
41 第1可動板部
42 第1可動板部
43 可動板中間部
51 レール車輪
52 車輪シャフト
53 パイプ
54 方向転換シャフト
55 連結板
56 ねじ
57 溶接部
61 第1可動板移動部
62 第2可動板移動部
70 支持手段
71 収納凹部
72 支持凹部
73 蓋
100 天井
110 床面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
倉庫に配列して保管される複数の円筒状物の転倒を防止する転倒防止装置であって、
前記倉庫の天井に取り付けられた第1レールであって前記円筒状物の配列方向と並行に延びる第1レール溝を有する第1レールと、
それぞれが前記第1レールと連結可能であり前記第1レールを移動する一様な厚さと縦長状の平坦な面とを有する複数の可動板と、
それぞれが前記可動板のそれぞれの前記天井の側に形成され前記第1レール溝の内部を案内される複数の可動板移動手段と、を備え、
前記可動板のそれぞれの前記平坦な面は、これが前記配列方向と並行に配置されたときに、前記円筒状物の少なくとも一部に接触するように、前記第1レールは前記天井に取り付けられる転倒防止装置。
【請求項2】
倉庫に配列して保管される複数の円筒状物の転倒を防止する転倒防止装置であって、
前記倉庫の天井に取り付けられた第1レールであって前記円筒状物の配列方向と並行に延びる第1レール溝を有する第1レールと、
前記第1レールと隣り合って互いに並行するように配置される第1並行レール溝を有する第1並行レールと、
それぞれが一様な厚さと縦長状の平坦な面とを備える複数の可動板であって前記第1レールと連結可能であり前記第1レール溝を移動する第1可動板と前記第1並行レールと連結可能であり前記第1並行レール溝を移動する第2可動板とを有する複数の可動板と、
それぞれが前記可動板のそれぞれの前記天井の側に形成される複数の可動板移動手段と、を備え、
前記第1可動板の前記平坦な面は、これが前記配列方向と並行に配置されたときに、前記円筒状物の少なくとも一部に接触するように、前記第1レールは前記天井に取り付けられる転倒防止装置。
【請求項3】
さらに、前記配列方向と直交する方向に延び、第2レール溝を有する第2レールを有し、
前記第2レール溝には、前記可動板を支持し移動可能に回転する車輪が配置され、
前記車輪は前記第2レール溝においてタイヤの回転を防止する停止手段を有し、
前記可動板は、これが移動する方向を前記配列方向又は前記配列方向に直交する方向いずれかの一方向から他方向へ変更して前記車輪の上を移動する請求項1に記載の転倒防止装置。
【請求項4】
さらに、前記配列方向と直交する方向に延び、第2レール溝を有する第2レールを有し、
前記第2レール溝には、前記可動板を支持し移動可能に回転する車輪が配置され、
前記車輪は前記第2レール溝においてタイヤの回転を防止する停止手段を有し、
前記第1可動板又は前記第2可動板は、これが移動する方向を前記配列方向又は前記配列方向に直交する方向いずれかの一方向から他方向へ変更して前記車輪の上を移動する請求項2に記載の転倒防止装置。
【請求項5】
前記可動板移動手段は、前記天井の側において直線上に間隔を空けた二点に配置され、前記二点の間の長さは、前記円筒状物の半径に2の平方根を乗じて得られる長さよりも小さい請求項1から4いずれか記載の転倒防止装置。
【請求項6】
前記可動板のそれぞれは、
第1可動板部と、
前記第1可動板部に隣接する第2可動板部と、
前記第1可動板部と前記第2可動板部とを屈曲可能に連結する屈曲手段と、を備え、
前記可動板移動手段は、
前記第1可動板部の前記天井の側に配置される第1可動板移動部と、前記第2可動板部の前記天井の側に配置される第2可動板移動部と、を備え、
前記屈曲手段は、前記第1可動板移動部と前記第2可動板移動部との間に配置される請求項1から4いずれか記載の転倒防止装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2009−126632(P2009−126632A)
【公開日】平成21年6月11日(2009.6.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−302603(P2007−302603)
【出願日】平成19年11月22日(2007.11.22)
【出願人】(000211307)中国電力株式会社 (6,505)
【Fターム(参考)】