説明

再生サイクルガスタービンシステム

【課題】タービン出力を増加させるために、圧縮機翼車よりも半径の大きいタービン翼車を用いた場合でも、着火回転数までの安定した起動を確保できるようにした再生サイクルガスタービンシステムを提供する。
【解決手段】外気を吸い込み圧縮する遠心圧縮機と、圧縮空気と燃料とを燃焼させる燃焼器と、燃焼器で発生する燃焼ガスによって駆動される半径流タービンと、半径流タービンの排気が通過する第1の熱交換部と燃焼器に導入される圧縮空気が通過する第2の熱交換部とが熱交換する再生熱交換器と、半径流タービンの膨張仕事を電力に変える発電機とを有する再生サイクルガスタービンシステムにおいて、燃焼器の着火前に半径流タービンの入口における圧縮空気のエンタルピーを、半径流タービン内で発生する遠心力の昇圧作用に打ち勝って流体をタービン入口から出口に膨張させるのに要するエンタルピー以上に増加させるエンタルピー増加手段を更に備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、再生サイクルガスタービンシステムに係り、さらに詳しくは、遠心圧縮機及び半径流タービンを用いた再生サイクルガスタービンシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
分散電源として開発されたマイクロガスタービンと称される小型ガスタービン発電装置がある。この小型ガスタービン発電装置は、タービン,圧縮機,発電機,燃焼器,再生熱交換器,双方向電力変換器等から構成されていて、特に、タービンと圧縮機は、半径流形の翼を用いた遠心圧縮機と半径流タービンの組み合わせによるものが多い(例えば、特許文献1参照。)。これは、半径流形の翼車であれば、小型でしかも単段での圧力比を、比較的大きく取れるためである。
【0003】
一方、半径流タービンの場合、翼車を通過する流体に遠心力が作用するため、タービン出入口における流体の流入条件が整わないと、遠心力による昇圧作用で流体がタービン入口から出口に膨張しない、いわゆる空転状態を発生させるという半径流形流体機械固有の問題を有している。小型ガスタービン発電装置において、例えば、燃焼器の着火前に半径流タービンの空転状態が発生すると、遠心圧縮機からの圧縮空気が半径流タービンに流入できなくなることから、遠心圧縮機と半径流タービン間に空気が封入され、ついには遠心圧縮機のサージを発生させることになる。この結果、燃焼器の着火は不可能となり、ガスタービンの起動ができなくなる。
【0004】
流体の膨張流が発生してタービンとして始動する直前の空転状態を流量ウィンディッジ点と称し、ターボチャージャーを対象としたウィンディッジ特性の影響についての研究が知られている(例えば、非特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006−83715号公報
【非特許文献1】渡辺、他4名、「過給機タービン性能予測に与えるウィンディッジ特性の影響」第28回ガスタービン定期講演会 講演論文集、2000年6月、pp53−58
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
半径流タービンの流量ウィンディッジ点を引き起こす要因としては、タービン入口における流体のエンタルピーの値が、半径流タービン内で発生する遠心力の昇圧作用に打ち勝って流体をタービン入口から出口に膨張させるのに必要な値にまで高まっていないことが挙げられる。再生サイクルガスタービンにおいて、燃焼器の着火後には、再生熱交換器で加熱された圧縮空気と燃料とからなる燃焼ガスが流体となってタービンに流入するため、タービン入口のエンタルピーは十分に高まり、流量ウィンディッジ点の問題は発生しにくい。
【0007】
一方、燃焼器の着火前には、例えば、発電機を電動機として使用し、双方向電力変換器からの可変周波数電源によって、遠心圧縮機と半径流タービンを着火回転数まで昇速する。外気から取り込まれた空気は、遠心圧縮機の断熱圧縮による昇圧昇温により、エンタルピーを増加させてタービン入口に送られる。このタービン入口における圧縮空気のエンタルピーが、半径流タービン内で発生する遠心力の昇圧作用に打ち勝って流体をタービン入口から出口に膨張させるのに要するエンタルピーよりも十分に大きければ流量ウィンディッジ点の問題は発生しない。しかし、この場合、圧縮空気のエンタルピー増加は、遠心圧縮機の断熱圧縮のみによるものであることから、以下の事項が問題になってくる。
(1)圧縮空気のタービン入口圧力は、遠心圧縮機の吐出圧力により定まり、これは、遠心圧縮機の翼車の半径に依存する。
(2)半径流タービンでは、タービン翼車の遠心力による昇圧作用は、タービン翼車の半径に依存する。
(3)半径流タービンでは、回転数が同一であれば、タービン翼車の半径が大きい方が発電機出力は増加する。
【0008】
例えば、遠心圧縮機の翼車の半径と半径流タービンの翼車の半径とが同一の場合、タービン入口における圧縮空気のエンタルピーは、半径流タービン内で発生する遠心力の昇圧作用に打ち勝ってタービン入口から出口への空気膨張に要するエンタルピーよりも大きいことが多く、問題が発現しない。しかし、上述した(3)から発電機出力の増加を図るために、半径流タービンの翼車の半径を遠心圧縮機の翼車の半径より大きくすると、半径流タービン内で発生する遠心力の昇圧作用がタービン半径の増加により高まり、タービン入口における圧縮空気のエンタルピーが、半径流タービン内で発生する遠心力に打ち勝ってタービン入口から出口への空気膨張に要するエンタルピーより小さくなってしまい、流量ウィンディッジ点の状態になってしまう場合がある。この結果、遠心圧縮機からの圧縮空気が半径流タービンに流入できなくなり、ついには遠心圧縮機のサージを発生させ、着火回転数までの昇速ができず、タービンシステムとして機能しなくなってしまう。
【0009】
本発明は、上述の事項に基づいてなされたもので、その目的は、タービン出力を増加させるために、圧縮機翼車よりも半径の大きいタービン翼車を用いた場合でも、着火回転数までの安定した起動を確保できるようにした再生サイクルガスタービンシステムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の目的を達成するために、第1の発明は、外気を吸込み圧縮する遠心圧縮機と、圧縮された空気と燃料とを燃焼させる燃焼器と、前記燃焼器で発生する燃焼ガスによって駆動される半径流タービンと、この半径流タービンの排気が通過する第1の熱交換部と前記燃焼器に導入される圧縮空気が通過する第2の熱交換部とが相互に熱交換する再生熱交換器と、前記半径流タービンの膨張仕事を電力に変える発電機とを有する再生サイクルガスタービンシステムにおいて、前記燃焼器の着火前に前記半径流タービンの入口における前記圧縮空気のエンタルピーを、前記半径流タービン内で発生する遠心力の昇圧作用に打ち勝って流体をタービン入口から出口に膨張させるのに要するエンタルピー以上に増加させるエンタルピー増加手段を更に備えるものとする。
【0011】
また、第2の発明は、上記第1の発明において、前記エンタルピー増加手段は、ヒータで加熱昇温した外気を前記再生熱交換器の第1の熱交換部に配管を介して送風する送風機と、前記配管の連通を遮断する遮断弁とを備え、前記燃焼器の着火前に前記再生熱交換器の第2の熱交換部を通過する前記圧縮空気を加温するものとする。
【0012】
更に、第3の発明は、上記第1又は第2の発明において、前記エンタルピー増加手段は、前記再生熱交換器の第1の熱交換部に一端を接続した配管と、前記配管内における流体の連通を遮断する遮断弁と、前記配管を加熱するヒータと、前記配管の他端に設けられ、外気を前記配管内に送風する送風機とを備えるものとする。
【0013】
また、第4の発明は、上記第1乃至第3の発明のいずれかの再生サイクルガスタービンシステムからなる第1のタービンシステムと、外気を吸込み圧縮する第2遠心圧縮機と、圧縮された空気と燃料とを燃焼させる第2燃焼器と、前記第2燃焼器で発生する燃焼ガスによって駆動される第2半径流タービンと、この第2半径流タービンの排気が通過する第1の熱交換部と前記第2燃焼器に導入される圧縮空気が通過する第2の熱交換部とが相互に熱交換する第2再生熱交換器と、前記第2半径流タービンの膨張仕事を電力に変える第2発電機とを有する再生サイクルガスタービンシステムからなる第2のタービンシステムと、前記第1のタービンシステムと前記第2のタービンシステムとを備える再生サイクルガスタービンシステムにおいて、前記第2のタービンシステムは、前記第2燃焼器の着火前に前記第2半径流タービンの入口における前記圧縮空気のエンタルピーを、前記第2半径流タービン内で発生する遠心力の昇圧作用に打ち勝って流体をタービン入口から出口に膨張させるのに要するエンタルピー以上に増加させる第2エンタルピー増加手段を備えるものとする。
【0014】
更に、第5の発明は、上記第4の発明において、前記第2エンタルピー増加手段は、前記第1のタービンシステムの半径流タービンの排気を前記第2のタービンシステムの前記第2再生熱交換器の第1の熱交換部に減圧弁を介して導入する管路から構成され、前記第2燃焼器の着火前に前記第2再生熱交換器の第2の熱交換部を通過する前記圧縮空気を加温するものとする。
【0015】
また、第6の発明は、上記第4又は第5の発明において、前記第2エンタルピー増加手段は、前記第1のタービンシステムの再生熱交換器の第1の熱交換部に一端を接続した配管と、前記配管内における流体の圧力を減圧可能とする減圧弁とを備え、前記配管の他端を前記第2のタービンシステムの前記第2再生熱交換器の第1の熱交換部に接続するものとする。
【0016】
更に、第7の発明は、上記第4の発明において、前記第2エンタルピー増加手段は、前記第1のタービンシステムの半径流タービンの排気を前記第2のタービンシステムの前記第2再生熱交換器の外部を加熱する熱交換部に減圧弁を介して導入する管路から構成され、前記第2燃焼器の着火前に前記第2再生熱交換器の第2の熱交換部を通過する前記圧縮空気を加温するものとする。
【0017】
また、第8の発明は、上記第4又は第7の発明において、前記第2エンタルピー増加手段は、前記第1のタービンシステムの再生熱交換器の第1の熱交換部に一端を接続した配管と、前記配管内における流体の圧力を減圧可能とする減圧弁と、前記第2のタービンシステムの前記第2再生熱交換器を外部から加熱する外周熱交換部とを備え、前記配管の他端を前記外周熱交換部に接続するものとする。
【0018】
更に、第9の発明は、上記第4乃至第8の発明のいずれかにおいて、外気を吸込み圧縮する第3遠心圧縮機と、圧縮された空気と燃料とを燃焼させる第3燃焼器と、前記第3燃焼器で発生する燃焼ガスによって駆動される第3半径流タービンと、この第3半径流タービンの排気が通過する第1の熱交換部と前記第3燃焼器に導入される圧縮空気が通過する第2の熱交換部とが相互に熱交換する第3再生熱交換器と、前記第3半径流タービンの膨張仕事を電力に変える第3発電機とを有する再生サイクルガスタービンシステムからなる第3のタービンシステムをさらに並設し、前記第2のタービンシステムと前記第3のタービンシステムの間には、前記第2のタービンシステムの第2半径流タービンの排気を前記第3のタービンシステムの前記第3再生熱交換器の第1の熱交換部に減圧弁を介して導入する管路を設け、前記第3のタービンシステムにおける、前記第3燃焼器の着火前に前記第3再生熱交換器の第2の熱交換部を通過する前記圧縮空気を加温するものとする。
【0019】
また、第10の発明は、上記第4乃至第8の発明のいずれかにおいて、外気を吸込み圧縮する第3遠心圧縮機と、圧縮された空気と燃料とを燃焼させる第3燃焼器と、前記第3燃焼器で発生する燃焼ガスによって駆動される第3半径流タービンと、この第3半径流タービンの排気が通過する第1の熱交換部と前記第3燃焼器に導入される圧縮空気が通過する第2の熱交換部とが相互に熱交換する第3再生熱交換器と、前記第3半径流タービンの膨張仕事を電力に変える第3発電機とを有する再生サイクルガスタービンシステムからなる第3のタービンシステムをさらに並設し、前記第2のタービンシステムと前記第3のタービンシステムの間には、前記第2のタービンシステムの第2半径流タービンの排気を前記第3のタービンシステムの前記第3再生熱交換器の外部を加熱する熱交換部に減圧弁を介して導入する管路を設け、前記第3のタービンシステムにおける、前記第3燃焼器の着火前に前記第3再生熱交換器の第2の熱交換部を通過する前記圧縮空気を加温するものとする。
【発明の効果】
【0020】
本発明の再生サイクルガスタービンシステムによれば、着火前の圧縮空気を加温し、そのエンタルピーを高めたので、タービン翼車の外径を圧縮機翼車よりも大きくした場合でも、タービンの流量ウィンディッジ点を回避することができる。この結果、タービン本体の着火回転数までの安定した昇速が可能となり、タービン出力の増加も可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の再生サイクルガスタービンシステムの第1の実施の形態を示すシステム構成図である。
【図2】本発明の再生サイクルガスタービンシステムの第2の実施の形態を示すシステム構成図である。
【図3】本発明の再生サイクルガスタービンシステムの第3の実施の形態を示すシステム構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下に、本発明の再生サイクルガスタービンシステムの実施の形態を図面を用いて説明する。
【実施例1】
【0023】
図1は、本発明の再生サイクルガスタービンシステムの第1の実施の形態を示すシステム構成図である。図1において、タービン本体は、永久磁石式3相発電機1と、遠心圧縮機2と、半径流タービン3とから構成されており、遠心圧縮機2の翼車と半径流タービン3の翼車とを結合するタービンロータ4が、同一軸の延長端で発電機ロータと結合している。また、半径流タービン3の上流側には管路10を介して燃焼器5が、下流側には管路11を介して再生熱交換器6が、それぞれ設置されている。
【0024】
遠心圧縮機2は、外気9を吸い込み、断熱圧縮した圧縮空気を再生熱交換器6に管路7を介して送る。この圧縮空気は、再生熱交換器6の第2の熱交換部としての熱交換部15を通過して管路8を介して燃焼器5に送られる。
【0025】
燃焼器5では、燃料ライン14から供給される燃料を、上述した圧縮空気と共に燃焼させて、燃焼ガスを発生させる。この燃焼ガスは、管路10を介して半径流タービン3の入口に供給される。さらに、燃焼ガスは、半径流タービン3の内部で膨張して仕事を発生する。膨張後の燃焼ガス(タービン排気)は管路11を介して再生熱交換器6の第1の熱交換部としての熱交換部16を通過し、管路12によって排ガス13としてタービンシステム外に排気される。
【0026】
本実施の形態においては、上述したタービン排気が再生熱交換器6の熱交換部16に入る管路11の部位に、管路20の一端部を接続して、エンタルピー増加手段を設けている点が特徴である。管路20には、他端部に外気を送風可能な送風機17が接続され、一端部の近傍に管路20の連通を遮断する遮断弁19が設けられ、この遮断弁19と送風機17との間に例えば管路20を加熱し、管路内部を通過する外気を昇温可能とするヒータ18が設けられている。
【0027】
次に、上述した本発明の再生サイクルガスタービンシステムの第1の実施の形態の動作を説明する。
まず、タービン起動前に、送風機17とヒータ18を作動させ、また、遮断弁19を開放して加熱した外気を再生熱交換器6の熱交換部16に送風して、再生熱交換器6を加温する。
【0028】
次に、タービン起動に際し、図示していない双方向電力変換器によって、系統側からタービン回転数に合わせた周波数の電力を発電機1に送電する。これにより、発電機1は電動機として作用して、タービンロータ4が静止状態から徐々に回転数を増加させる。タービンロータ4の回転数の増加によって遠心圧縮機2からの圧縮空気は流量と圧力を徐々に増加させて燃焼器5に送られる。
【0029】
ここで、遠心圧縮機2からの圧縮空気は、再生熱交換器6の熱交換部15を通過する際に、ヒータ18と送風機17と外気とによって加熱された熱交換部16との熱交換によって昇温される。この結果、タービン入口における圧縮空気は、半径流タービン3内で発生する遠心力の昇圧作用に打ち勝って流体をタービン入口から出口に膨張させるのに要するエンタルピーよりも十分に大きなエンタルピーを確保することができる。つまり、着火回転数以下の起動時において、半径流タービン3の入口エンタルピーの低下による流量ウィンディッジを避けることができ、結果として、遠心圧縮機2のサージを回避でき安定に起動することができる。
【0030】
タービンロータ4が着火回転数に到達して、燃焼器5が着火した後は、半径流タービン3に送られる流体は圧縮空気から燃焼ガスに変わり、燃焼により昇温する。つまり着火後のタービンシステムは、遠心圧縮機2からの圧縮空気が再生熱交換器6でタービン排気によって加温される再生サイクルとなる。本実施の形態においては、タービン排気が送風機17側に流れ込むことを防ぐために、遮断弁19の閉止と共に、ヒータ18と送風機17の運転を停止する制御が実施される。
【0031】
上述した本発明の再生サイクルガスタービンシステムの第1の実施の形態によれば、着火前に、遠心圧縮機2からの圧縮空気は再生熱交換器6によって、ヒータ18で加温された外気との熱交換で昇温する。この結果、タービン入口における圧縮空気は、半径流タービン3内で発生する遠心力の昇圧作用に打ち勝って流体をタービン入口から出口に膨張させるのに要するエンタルピーよりも十分に大きなエンタルピーを確保することができる。したがって、着火回転数までの起動状態で、半径流タービン3の入口エンタルピーの低下による流量ウィンディッジの発生を避けることができる。この結果、遠心圧縮機2のサージが回避できて、タービン本体の安定した起動が可能になる。
【0032】
また、上述した本発明の再生サイクルガスタービンシステムの第1の実施の形態によれば、着火前の圧縮空気を加温して、そのエンタルピーを高めたので、タービン翼車の外径を圧縮機翼車よりも大きくした場合でも、タービンの流量ウィンディッジ点を回避することができる。この結果、タービン本体の着火回転数までの安定した昇速が可能となり、タービン出力の増加も可能となる。
【実施例2】
【0033】
次に、本発明の再生サイクルガスタービンシステムの第2の実施の形態を図2を用いて説明する。図2は本発明の再生サイクルガスタービンシステムの第2の実施の形態を示すシステム構成図である。なお、図2において、図1に示す符号と同符号のものは同一部分又は相当する部分であるので、その部分の説明を省略する。
【0034】
本実施の形態は、再生サイクルガスタービンシステムを2台並べて運用するように構成したものである。図2の上部に示す第1のタービンシステムは、図1に示す本発明の第1の実施の形態におけるタービンシステムと同じ構成である。一方、図2の下部に示す第2のタービンシステムは、基本構成は、図1に示す本発明の第1の実施の形態におけるタービンシステムと同じであるが、送風機17とヒータ18と遮断弁19とを備えた管路20が設けられていない点が異なる。
【0035】
具体的には、図2の下部に示す第2のタービンシステムにおいて、各構成部品の符合は、図2の上部に示す第1のタービンシステムに示す各構成部品の符合に30を加算したものであって、例えば、発電機は、第1のタービンシステムにおいて符合1で示されるが、第2のタービンシステムにおいては、第2発電機として符合31で示されている。このように、第2のタービンシステムにおける各構成部品の名称については、先頭部に第2を付加し、例えば第2半径流タービン33と称する。
【0036】
また、第2エンタルピー増加手段として、第1のタービンシステムの管路20における遮断弁19と再生熱交換器6との間の部位に、第1と第2のタービンシステムを連結する管路22の一端部が接続されている。管路22には、一端部の近傍に管路22内を通過する流体の圧力を減圧可能とする減圧弁21が設けられている。また、管路22の他端部が、第2のタービンシステムにおける第2半径流タービン33の排気を第2再生熱交換器36に送る第2管路41に接続されている。
【0037】
次に、上述した本発明の再生サイクルガスタービンシステムの第2の実施の形態の動作を説明する。
本実施の形態においては、第1のタービンシステムと第2のタービンシステムとの起動において、順次起動を行うことを特徴とする。つまり、第1のタービンシステムが起動した後に、第1のタービンシステムのタービン排気を第2のタービンシステムの第2再生熱交換器36に導入して、第2再生熱交換器36を加熱して第2のタービンシステムを起動するものである。
【0038】
具体的には、まず、第1のタービンシステムにおいて、上述した第1の実施の形態に従って起動する。そして、第1のタービンシステムが再生サイクルとなった後に、遮断弁19を閉止すると共に、ヒータ18と送風機17の運転を停止させる。
【0039】
次に、管路22に設けられた減圧弁21を除徐に開操作する。この結果、第1のタービンシステムの半径流タービン3の排気の一部が、第2のタービンシステムの第2再生熱交換器36の第1の熱交換部46を介して第2管路42によって排ガス43として第2のタービンシステム外に排気される。これにより、第2再生熱交換器36を加温する。
【0040】
次に、図示していない双方向電力変換器によって、系統側からタービン回転数に合わせた周波数の電力を第2発電機31に送電する。これにより、第2発電機31は電動機として作用して、第2タービンロータ34が静止状態から徐々に回転数を増加させる。第2タービンロータ34の回転数の増加によって第2遠心圧縮機32からの圧縮空気は流量と圧力を徐々に増加させて第2燃焼器35に送られる。
【0041】
ここで、第2遠心圧縮機32からの圧縮空気は、第2再生熱交換器36の第2の熱交換部45を通過する際に、第1のタービンシステムのタービン排気によって加熱された第1の熱交換部46との熱交換によって昇温される。この結果、タービン入口における圧縮空気は、第2半径流タービン33内で発生する遠心力の昇圧作用に打ち勝って流体をタービン入口から出口に膨張させるのに要するエンタルピーよりも十分に大きなエンタルピーを確保することができる。つまり、着火回転数以下の起動時において、第2半径流タービン33の入口エンタルピーの低下による流量ウィンディッジを避けることができ、結果として、第2遠心圧縮機32のサージを回避でき安定に起動することができる。
【0042】
第2タービンロータ34が着火回転数に到達して、第2燃焼器35が着火した後は、第2半径流タービン33に送られる流体は圧縮空気から燃焼ガスに変わり、燃焼により昇温する。つまり着火後の第2のタービンシステムは、第2遠心圧縮機32からの圧縮空気が、第2再生熱交換器36でタービン排気によって加温される再生サイクルとなる。本実施の形態においては、タービン排気が第1のタービンシステム側に流れ込むことを防ぐために、減圧弁21を閉止する制御が実施される。
【0043】
上述した本発明の再生サイクルガスタービンシステムの第2の実施の形態によれば、1台目の第1のタービンシステムで第1の実施の形態に示したような安定した起動が実現でき、更に、2台目の第2のタービンシステムは、第1のタービンシステムの排気を利用して、着火前に第2遠心圧縮機32からの圧縮空気を昇温する。この結果、タービン入口における圧縮空気は、第2半径流タービン33内で発生する遠心力の昇圧作用に打ち勝って流体をタービン入口から出口に膨張させるのに要するエンタルピーよりも十分に大きなエンタルピーを確保することができる。したがって、着火回転数までの起動状態で、第2半径流タービン33の入口エンタルピーの低下による流量ウィンディッジの発生を避けることができる。この結果、第2遠心圧縮機32のサージが回避できて、タービン本体の安定した起動が可能になる。
【0044】
また、上述した本発明の再生サイクルガスタービンシステムの第2の実施の形態によれば、着火前の圧縮空気のエンタルピーを加温して高めたので、タービン翼車の外径を圧縮機翼車よりも大きくした場合でも、タービンの流量ウィンディッジ点を回避することができる。この結果、タービン本体の着火回転数までの安定した昇速が可能となり、タービン出力の増加も可能となる。
【0045】
なお、本実施の形態においては、2台のタービンシステムが結合した状態における運転について説明したが、2台に限られるものではない。起動完了したタービンシステムのタービン排気を2台目以降のタービンシステムに送ることにより、複数台のタービンシステムを運用する場合にも適用することができる。
【実施例3】
【0046】
次に、本発明の再生サイクルガスタービンシステムの第3の実施の形態を図3を用いて説明する。図3は本発明の再生サイクルガスタービンシステムの第3の実施の形態を示すシステム構成図である。なお、図3において、図1及び図2に示す符号と同符号のものは同一部分又は相当する部分であるので、その部分の説明を省略する。
【0047】
本実施の形態は、再生サイクルガスタービンシステムを2台並べて運用するように構成したものであって、上述した第2の実施の形態とほぼ同じ構成からなる。
第2の実施の形態においては、第2エンタルピー増加手段として、第1のタービンシステムのタービン排気が、直接第2のタービンシステムの第2熱交換器36に導入される構成であったのに対し、本実施の形態においては、第1のタービンシステムのタービン排気が、第2のタービンシステムの第2熱交換器36を外部から加熱する構成である点が異なる。
【0048】
具体的には、第2エンタルピー増加手段として、第1のタービンシステムの管路20における遮断弁19と再生熱交換器6との間の部位に、第1と第2のタービンシステムを連結する管路22の一端部が接続されている。管路22には、一端部の近傍に管路22内を通過する流体の圧力を減圧可能とする減圧弁21が設けられている。また、管路22の他端部が、第2のタービンシステムの第2再生熱交換器36を外部から加熱する外周熱交換部23の一端に接続されている。外周熱交換部23の他端には、管路24が接続されている。
【0049】
次に、上述した本発明の再生サイクルガスタービンシステムの第2の実施の形態の動作を説明する。
本実施の形態においては、第1のタービンシステムと第2のタービンシステムとの起動において、順次起動を行うことを特徴とする。つまり、第1のタービンシステムが起動した後に、第1のタービンシステムのタービン排気を第2のタービンシステムの外周熱交換部23を通して排気することにより、第2再生熱交換器36を外部から加熱して第2のタービンシステムを起動するものである。
【0050】
具体的には、まず、第1のタービンシステムにおいて、上述した第1の実施の形態に従って起動する。そして、第1のタービンシステムが再生サイクルとなった後に、遮断弁19を閉止すると共に、ヒータ18と送風機17の運転を停止させる。
【0051】
次に、管路22に設けられた減圧弁21を除徐に開操作する。この結果、第1のタービンシステムの半径流タービン3の排気の一部が、第2のタービンシステムの外周熱交換部23を介して管路24によって排ガス25として第2のタービンシステム外に排気される。これにより、第2再生熱交換器36は外部から加温される。
【0052】
次に、図示していない双方向電力変換器によって、系統側からタービン回転数に合わせた周波数の電力を第2発電機31に送電する。これにより、第2発電機31は電動機として作用して、第2タービンロータ34が静止状態から徐々に回転数を増加させる。第2タービンロータ34の回転数の増加によって第2遠心圧縮機32からの圧縮空気は流量と圧力を徐々に増加させて第2燃焼器35に送られる。
【0053】
ここで、第2遠心圧縮機32からの圧縮空気は、第1のタービンシステムのタービン排気が通過した外周熱交換部23により加熱された第2再生熱交換器36の第2の熱交換部45を通過することによって昇温される。この結果、タービン入口における圧縮空気は、第2半径流タービン33内で発生する遠心力の昇圧作用に打ち勝って流体をタービン入口から出口に膨張させるのに要するエンタルピーよりも十分に大きなエンタルピーを確保することができる。つまり、着火回転数以下の起動時において、第2半径流タービン33の入口エンタルピーの低下による流量ウィンディッジを避けることができ、結果として、第2遠心圧縮機32のサージを回避でき安定に起動することができる。
【0054】
第2タービンロータ34が着火回転数に到達して、第2燃焼器35が着火した後は、第2半径流タービン33に送られる流体は圧縮空気から燃焼ガスに変わり、燃焼により昇温する。つまり着火後の第2のタービンシステムは、第2遠心圧縮機32からの圧縮空気が第2再生熱交換器36でタービン排気によって加温される再生サイクルとなる。第1のタービンシステムのタービン排気による第2再生熱交換器36の加熱が不必要となることから、減圧弁21を閉止する制御が実施される。
【0055】
上述した本発明の再生サイクルガスタービンシステムの第3の実施の形態によれば、上述した第1及び第2の実施の形態と同様な効果を得ることができる。
【0056】
また、第1のタービンシステムのタービン排気が、第2のタービンシステムに導入されず、それぞれの配管系統を独立して施工できることから、例えば、他のタービンシステムへの配管の施工が容易に実施できる。
【0057】
また、第1のタービンシステムのタービン排気が、第2のタービンシステムに導入されないことから、減圧弁21の開閉制御が、第2の実施の形態に比較すると容易に行える。つまり、第1のタービンシステムの運転状態と第2のタービンシステムの運転状態がお互いに影響を与えないため、タービン排気に伴う各構成要素の制御が容易に行える。
【0058】
なお、本実施の形態においては、2台のタービンシステムが結合した状態における運転について説明したが、2台に限られるものではない。起動完了したタービンシステムのタービン排気を2台目以降のタービンシステムに送ることにより、複数台のタービンシステムを運用する場合にも適用することができる。
【0059】
また、本発明は、マイクロガスタービンと称される小型ガスタービン発電装置に適用すれば有効である。
【符号の説明】
【0060】
1 発電機
2 遠心圧縮機
3 半径流タービン
4 タービンロータ
5 燃焼器
6 再生熱交換器
7 管路
8 管路
9 外気
13 排気
14 燃料供給ライン
15 第2の熱交換部
16 第1の熱交換部
17 送風機
18 ヒータ
19 遮断弁
20 管路
21 減圧弁
23 外周熱交換部
31 第2発電機
32 第2遠心圧縮機
33 第2半径流タービン
35 第2燃焼器
36 第2再生熱交換器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外気を吸込み圧縮する遠心圧縮機と、
圧縮された空気と燃料とを燃焼させる燃焼器と、
前記燃焼器で発生する燃焼ガスによって駆動される半径流タービンと、
この半径流タービンの排気が通過する第1の熱交換部と前記燃焼器に導入される圧縮空気が通過する第2の熱交換部とが相互に熱交換する再生熱交換器と、
前記半径流タービンの膨張仕事を電力に変える発電機とを有する再生サイクルガスタービンシステムにおいて、
前記燃焼器の着火前に前記半径流タービンの入口における前記圧縮空気のエンタルピーを、前記半径流タービン内で発生する遠心力の昇圧作用に打ち勝って流体をタービン入口から出口に膨張させるのに要するエンタルピー以上に増加させるエンタルピー増加手段を更に備える
ことを特徴とする再生サイクルガスタービンシステム。
【請求項2】
請求項1に記載の再生サイクルガスタービンシステムにおいて、
前記エンタルピー増加手段は、ヒータで加熱昇温した外気を前記再生熱交換器の第1の熱交換部に配管を介して送風する送風機と、前記配管の連通を遮断する遮断弁とを備え、前記燃焼器の着火前に前記再生熱交換器の第2の熱交換部を通過する前記圧縮空気を加温する
ことを特徴とする再生サイクルガスタービンシステム。
【請求項3】
請求項1または2に記載の再生サイクルガスタービンシステムにおいて、
前記エンタルピー増加手段は、
前記再生熱交換器の第1の熱交換部に一端を接続した配管と、
前記配管内における流体の連通を遮断する遮断弁と、
前記配管を加熱するヒータと、
前記配管の他端に設けられ、外気を前記配管内に送風する送風機とを備える
ことを特徴とする再生サイクルガスタービンシステム。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか1項に記載の再生サイクルガスタービンシステムからなる第1のタービンシステムと、
外気を吸込み圧縮する第2遠心圧縮機と、圧縮された空気と燃料とを燃焼させる第2燃焼器と、前記第2燃焼器で発生する燃焼ガスによって駆動される第2半径流タービンと、この第2半径流タービンの排気が通過する第1の熱交換部と前記第2燃焼器に導入される圧縮空気が通過する第2の熱交換部とが相互に熱交換する第2再生熱交換器と、前記第2半径流タービンの膨張仕事を電力に変える第2発電機とを有する再生サイクルガスタービンシステムからなる第2のタービンシステムと、
前記第1のタービンシステムと前記第2のタービンシステムとを備える再生サイクルガスタービンシステムにおいて、
前記第2のタービンシステムは、前記第2燃焼器の着火前に前記第2半径流タービンの入口における前記圧縮空気のエンタルピーを、前記第2半径流タービン内で発生する遠心力の昇圧作用に打ち勝って流体をタービン入口から出口に膨張させるのに要するエンタルピー以上に増加させる第2エンタルピー増加手段を備える
ことを特徴とする再生サイクルガスタービンシステム。
【請求項5】
請求項4に記載の再生サイクルガスタービンシステムにおいて、
前記第2エンタルピー増加手段は、前記第1のタービンシステムの半径流タービンの排気を前記第2のタービンシステムの前記第2再生熱交換器の第1の熱交換部に減圧弁を介して導入する管路から構成され、前記第2燃焼器の着火前に前記第2再生熱交換器の第2の熱交換部を通過する前記圧縮空気を加温する
ことを特徴とする再生サイクルガスタービンシステム。
【請求項6】
請求項4又は5に記載の再生サイクルガスタービンシステムにおいて、
前記第2エンタルピー増加手段は、
前記第1のタービンシステムの再生熱交換器の第1の熱交換部に一端を接続した配管と、
前記配管内における流体の圧力を減圧可能とする減圧弁とを備え、
前記配管の他端を前記第2のタービンシステムの前記第2再生熱交換器の第1の熱交換部に接続する
ことを特徴とする再生サイクルガスタービンシステム。
【請求項7】
請求項4に記載の再生サイクルガスタービンシステムにおいて、
前記第2エンタルピー増加手段は、前記第1のタービンシステムの半径流タービンの排気を前記第2のタービンシステムの前記第2再生熱交換器の外部を加熱する熱交換部に減圧弁を介して導入する管路から構成され、前記第2燃焼器の着火前に前記第2再生熱交換器の第2の熱交換部を通過する前記圧縮空気を加温する
ことを特徴とする再生サイクルガスタービンシステム。
【請求項8】
請求項4又は7に記載の再生サイクルガスタービンシステムにおいて、
前記第2エンタルピー増加手段は、
前記第1のタービンシステムの再生熱交換器の第1の熱交換部に一端を接続した配管と、
前記配管内における流体の圧力を減圧可能とする減圧弁と、
前記第2のタービンシステムの前記第2再生熱交換器を外部から加熱する外周熱交換部とを備え、
前記配管の他端を前記外周熱交換部に接続する
ことを特徴とする再生サイクルガスタービンシステム。
【請求項9】
請求項4乃至8のいずれか1項に記載の再生サイクルガスタービンシステムにおいて、
外気を吸込み圧縮する第3遠心圧縮機と、圧縮された空気と燃料とを燃焼させる第3燃焼器と、前記第3燃焼器で発生する燃焼ガスによって駆動される第3半径流タービンと、この第3半径流タービンの排気が通過する第1の熱交換部と前記第3燃焼器に導入される圧縮空気が通過する第2の熱交換部とが相互に熱交換する第3再生熱交換器と、前記第3半径流タービンの膨張仕事を電力に変える第3発電機とを有する再生サイクルガスタービンシステムからなる第3のタービンシステムをさらに並設し、
前記第2のタービンシステムと前記第3のタービンシステムの間には、前記第2のタービンシステムの第2半径流タービンの排気を前記第3のタービンシステムの前記第3再生熱交換器の第1の熱交換部に減圧弁を介して導入する管路を設け、
前記第3のタービンシステムにおける、前記第3燃焼器の着火前に前記第3再生熱交換器の第2の熱交換部を通過する前記圧縮空気を加温する
ことを特徴とする再生サイクルガスタービンシステム。
【請求項10】
請求項4乃至8のいずれか1項に記載の再生サイクルガスタービンシステムにおいて、
外気を吸込み圧縮する第3遠心圧縮機と、圧縮された空気と燃料とを燃焼させる第3燃焼器と、前記第3燃焼器で発生する燃焼ガスによって駆動される第3半径流タービンと、この第3半径流タービンの排気が通過する第1の熱交換部と前記第3燃焼器に導入される圧縮空気が通過する第2の熱交換部とが相互に熱交換する第3再生熱交換器と、前記第3半径流タービンの膨張仕事を電力に変える第3発電機とを有する再生サイクルガスタービンシステムからなる第3のタービンシステムをさらに並設し、
前記第2のタービンシステムと前記第3のタービンシステムの間には、前記第2のタービンシステムの第2半径流タービンの排気を前記第3のタービンシステムの前記第3再生熱交換器の外部を加熱する熱交換部に減圧弁を介して導入する管路を設け、
前記第3のタービンシステムにおける、前記第3燃焼器の着火前に前記第3再生熱交換器の第2の熱交換部を通過する前記圧縮空気を加温する
ことを特徴とする再生サイクルガスタービンシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2011−7101(P2011−7101A)
【公開日】平成23年1月13日(2011.1.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−150905(P2009−150905)
【出願日】平成21年6月25日(2009.6.25)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)