説明

再生データ復旧システム

【課題】 再生データに不良が生じた場合、記憶媒体に保有される再生データを正当に復旧する再生データ復旧制御システムを提供する。
【解決手段】 再生データ復旧システム31は、インターネット33に接続されたパソコン等の端末装置35と、端末装置35に接続される再生装置15と、インターネット33に接続されるシステムサーバー38とから主に構成されている。再生装置15には、暗号キーを保有するメモリカード56と暗号キーを保有するスティック25とが脱着自在に接続されている。端末装置35はメモリカード56とスティック25とに格納されている暗号キーを比較し、これらが同一であれば、この暗号キーに対応する再生データを第2のデータベース40からダウンロードしてメモリカード56に書き込む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は再生データ復旧システムに関し、特にコンサート会場等で収録された音楽データ等の再生データを保存する記憶媒体において再生データを復旧する再生データ復旧システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、歌手のコンサートや音楽会等においては一般入場者による撮影や録音が禁止されているのが通常である。そのため、これらの演奏等は許可された者が正式に録音等して、後日CDやDVD等の記憶媒体に記憶したものを販売することが多い。当日参加した人や参加できなかった人は、後日これらのCD等を購入しこれを再生して楽しんでいた。
【0003】
このような従来の録音、再生方式ではコンサート当日に入場した人がコンサート終了後直ちにその内容を視聴したいと思っても、会場内での録音等が禁止されているためできなかった。仮に隠れて録音等をしたとしても、周囲の雑音等が入りその品質が低下して満足のいくものとはならない。
【0004】
そこで、会場側で正式に録音等してその場で複数のSDカード等の記憶媒体に書き込み、プレーヤー等の再生装置と共にコンサート終了後に販売することが考えられる。
【0005】
図6はこのような再生装置と記憶媒体との概略構成を示したブロック図である。
【0006】
図を参照して、再生装置42は制御部43を中心として構成されている。メモリカード装着部57は記憶媒体となるSDカード等のメモリカード56を脱着自在に装着するものである。メモリカード56には、コンサート会場で録音された音楽データをデジタル変換し、これを所定のエンコード情報に基づき符号化された音楽ファイルが格納されている。
【0007】
デコーダー48はデコード情報格納部50に格納されているデコード情報に基づきメモリカード56に格納されている音楽ファイルを復号化する。D/A変換部51は復号化された音楽ファイルを表示部53とステレオミニジャック52に接続されたイヤホーン54とに出力する。操作部47は、これを操作することによって表示部53及びイヤホーン54の内容を制御するものである。
【0008】
具体的な制御として、制御部43はメモリカード56から読み出された音楽ファイルと格納されているデコード情報とに基づいて音楽ファイルがデコードできるか否かを判断する。メモリカード56に格納されている音楽ファイルは特定のエンコード情報によって符号化されたものである。従って、デコード情報格納部50に格納されているデコード情報がこれに対応する特定のデコード情報でない場合には、その音楽ファイルを復号化することはできない。これは、メモリカード56に格納された音楽ファイルのみを複製等しても益がないことを意味する。すなわち、これを再生するプレーヤーが元の音楽ファイルに対応したデコード情報を有さないものであれば、複製された音楽ファイルを再生することができない。これによって、音楽ファイルの複製、すなわちメモリカード56の複製による不当な音楽ファイルの拡散を防止することができる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上記のような音楽ファイルの符号化の方法では音楽ファイルの不当な拡散をある程度防止することができるが、十分とは言えない。なぜなら、当日販売する再生装置の各々は同一仕様であるため、デコード情報はすべて同一となり、音楽ファイルの符号化の内容も同一となる。ところが、同一の主催者のコンサート等においては、次回からは音楽ファイルを格納したメモリカードだけを単体として販売する場合が考えられる。この場合、メモリカードを複製すると、前回購入した再生装置で複製品を再生することができることになり、不当な複製を防止することができない。
【0010】
これを避けるためには、再生装置とメモリカードとを一対一のセットとして対応させ、それぞれ固有のコーディック情報で符号化、復号化することが考えられる。しかし、再生装置をそれぞれ別仕様とし、かつ大量のメモリカードにそれぞれ別に符号化した音楽ファイルを短時間で書き込むように処理するのは実際的ではない。そこで、再生装置と対を成すようにメモリカードをユーザー側で認証させた後メモリカードを再生させることが一つの方法となる。しかし、この場合、購入したメモリカードが保有している再生データ自体に何らかのデータ不良が生じている場合認証の前提が崩れることになる。
【0011】
この発明は上記のような課題を解決するためになされたもので、再生データに不良が生じた場合、記憶媒体に保有される再生データを正当に復旧する再生データ復旧制御システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記の目的を達成するために、請求項1記載の発明は、再生データ復旧システムであって、ネットワークに接続される端末装置と、端末装置に脱着自在に接続される再生装置と、再生装置に脱着自在に接続され、第1の番号を保有すると共に再生装置で再生されるデータを保有できる記憶媒体と、再生装置に着脱自在に接続され、第2の番号を保有するスティックと、ネットワークに接続され、端末装置に対して送受信可能のシステムサーバーと、システムサーバーに接続され、第1の番号に対応する再生データが保存されるデータベースとを備え、端末装置は、復旧指令が入力された時、記憶媒体に保有されている第1の番号とスティックに保有されている第2の番号とを比較し、これらが一致している時その旨をシステムサーバーに前記ネットワークを介して送信し、システムサーバーは、これに応答してデータベースに保存されている再生データをネットワークを介して端末装置に送信し、端末装置は送信された再生データを記憶媒体に書き込むものである。
【0013】
このように構成すると、記憶媒体の第1の番号とスティックの第2の番号とが一致して初めて再生データが記憶媒体に書き込まれる。
【0014】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明の構成において、スティックは、所定の回数を表す回数データも保有し、保有されている回数データの回数分、再生データが記憶媒体に書き込まれると、再生装置は、スティックに保有されている第2の番号を消去するものである。
【0015】
このように構成すると、スティックの回数データによって記憶媒体に再生データを書き込める回数が制限される。
【0016】
請求項3記載の発明は、請求項1又は請求項2記載の発明の構成において、再生装置は、記憶媒体に保有されている第1の番号とスティックに保有されている第2の番号とが一致した時、装置番号を記憶媒体に固有番号として書き込み、電源投入後、再生装置は、書き込まれた固有番号と装置番号とが一致した時のみ、記憶媒体の再生データを再生するものである。
【0017】
このように構成すると、記憶媒体の固有番号と装置番号とが一致して初めて再生が可能となる。
【発明の効果】
【0018】
以上説明したように、請求項1記載の発明は、記憶媒体の第1の番号とスティックの第2の番号とが一致して初めて再生データが記憶媒体に書き込まれるので、正当な記憶媒体及びスティックであれば、記憶媒体の再生データの復旧が容易となる。
【0019】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明の効果に加えて、スティックの回数データによって記憶媒体に再生データを書き込める回数が制限されるので、用途に応じて復旧回数を設定できるため使い勝手が向上する。
【0020】
請求項3記載の発明は、請求項1又は請求項2記載の発明の効果に加えて、記憶媒体の固有番号と装置番号とが一致して初めて再生が可能となるので、再生データを復旧した記憶媒体をコピーしても他の再生装置で再生することができず、不当なコピーを防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
図1はこの発明の第1の実施の形態による再生制御システムの概略構成を示したブロック図である。
【0022】
図を参照して、再生制御システム11は、音楽ファイル等の再生データを再生する音楽プレーヤー等の再生装置15と、再生装置11のメモリカード装着部57に脱着自在に接続され、音楽ファイルを保有するSDカード等の記憶媒体であるメモリカード56と、再生装置11のステレオミニジャック52に脱着自在に接続されるスティック25とから構成されている。
【0023】
まず、再生装置15であるが、図6の従来例として示した再生装置42の構成と共通するところが多い。そこで、ここでは従来の再生装置42と異なる部分について主に説明する。再生装置15にはパソコン等を接続するためのUSB接続口23が設けられている。この用途については後述する。又、再生装置15には固有のシリアル番号が与えられているが、このシリアル番号はシリアル番号格納部21に格納されており、制御部43によって随時読み出し可能に構成されている。
【0024】
次に、メモリカード56であるが、そのタグ情報等が格納されている情報格納部28に特定の暗号キーが格納されている。暗号キーは半角英数字による数桁の文字列としているが、これは保存される音楽データに対応するものである。情報格納部28は通常タグ情報として音源のタイトル名やアーティスト名等の内容が格納されているが、これらに加えて暗号キーを格納し、保存される音源データとともに所定のコーディック情報に基づいて暗号化されている。したがって、通常のパーソナルコンピューター(以下「パソコン」と称する)では暗号キーを含めて情報格納部28に格納されているすべての情報が表示されないように構成されている。しかし、この再生装置15のデコード情報格納部50にはこのコーディック情報が格納されているので、メモリカード56の情報格納部28に格納されている暗号キーを復号化してその具体的な内容を読み取ることができる。
【0025】
更に、スティック25であるが、そこにはEPROM等よりなる情報格納部26が設けられ、所定の暗号キーが格納されている。スティック25を再生装置15のステレオミニジャック52に差し込むと、制御部43はスティック25にアクセスし、情報格納部26に格納されている暗号キーを読み出すことができる。ここで、ステレオミニジャック52をスティック25の入力端子として利用しているが、これに代えてUSB端子やミニUSB端子に挿入できるようにスティック25を構成しても良い。尚、情報格納部26には暗号キーのみならず、後述する認証回数を制限する回数データも併せて格納されており、制御部43はその回数データも読み出す。
【0026】
図2は図1の再生制御システム11における制御部43の具体的な制御内容を示したフローチャートである。
【0027】
まず、再生に当たって必要なメモリカードの認証処理について説明する。
【0028】
図を参照して、再生装置15の電源が投入されると(S11)、制御部43はステレオミニジャック52にスティック25が挿入されているか否かを判断する。スティック25が挿入されていると(S12でYES)、スティック25の情報格納部26に格納されている第1の特定番号(暗号キー)を読み取るとともに、メモリカード装着部57にメモリカード56が挿入されているか否かを判断する。メモリカード56が挿入されていない場合には(S13でNO)、表示部53にエラー表示をした後処理を終了する。
【0029】
一方、メモリカード56が挿入されている場合は(S13でYES)、その情報格納部28に格納されている第2の番号(暗号キー)を読み取り、第1の番号とを比較する(S14)。これらの特定番号同士が一致していない場合(S14でNO)、表示部53にエラー表示をした後認証処理を終了する。これらの番号が一致した場合(S14でYES)、再生装置15のシリアル番号を格納部21から読み出し、メモリカード56の情報格納部28に格納する。このシリアル番号は再生装置15毎に付けられている番号であることから、固有の番号となる。ここでシリアル番号を情報格納部28に格納する際、すでに既存の番号が情報格納部28に格納されている場合は認証済みのメモリカードとしてエラー処理とするが、用途に応じて上書きできるようにして新たな認証を可能とするように構成しても良い。
【0030】
次に、シリアル番号をメモリカード56の情報格納部28に格納(認証)する毎に、スティック25の情報格納部26に格納されている回数データを削減するように制御部43は書き換える。回数データの回数分(認証回数)がゼロになっていない場合(S17でNO)、電源を切断(S19)することによって認証は終了する。一方、回数データの回数分(認証回数)がゼロになっている場合(S17でYES)、スティック25の情報格納部26に格納されている第1の番号(暗号キー)を消去(S18)し、電源を切断(S19)することによって認証処理は終了する。
【0031】
以上によって再生制御システム11の認証処理が終了するが、次に再生制御システム11による再生処理について説明する。
【0032】
認証処理が終了して電源が切断された後、再生処理を行う場合は、スティック25を再生装置15から取り出し、メモリカード56を挿入した状態で行う。次に、再生装置11の電源を投入する(S11)と、制御部43はステレオミニジャック52にスティック25が挿入されているか否かを判断する(S12)。再生処理ではスティック25は取り外されているので(S12でNO)、処理はステップ20に進み、メモリカード装着部57にメモリカード56が挿入されているか否かを判断する(S20)。メモリカード56が挿入されていない場合には(S20でNO)、表示部53にエラー表示(S23)をした後再生処理を終了する。
【0033】
一方、メモリカード56が挿入されている場合は(S20でYES)、その情報格納部28に格納されているシリアル番号を読み取り、シリアル番号格納部21に格納されているシリアル番号とを比較する(S21)。これらの番号同士が一致しない場合(S21でNO)、表示部53にエラー表示(S23)をした後再生処理は終了する。しかし、上述の認証処理によってこれらの番号は一致しているので(S21でYES)、制御部43はメモリカード56に保有されている音楽ファイルを読み出し、デコード情報格納部50に格納されているコーディック情報に基づいてこれを復号化して音楽を再生し(S22)、再生処理が終了する。
【0034】
このようにして、メモリカード56に保有されている音楽ファイルは認証されて再生されるため、仮にメモリカード56自体をコピーしても意味が無い。すなわち、同一のコーディック情報を有する他の再生装置によって再生しようとしても、スティックが無ければ認証処理ができないからである。これによって、メモリカードに保存された音楽ファイルの不当なコピーによる拡散を防止することができる。
【0035】
次に、スティック25に格納されている回数データについて説明する。上述のようにスティック25に格納されている暗号キーはメモリカード56の認証に必要なものである。しかし、一方ではスティックさえあれば、メモリカードを多数複製してこれを次々と認証すれば、複製したメモリカードと同一仕様の再生装置とがあれば自在に再生できることになり、想定外の音楽ファイルの拡散が生じる虞がある。そこで、この実施の形態ではスティックの実質的な認証処理に制限を持たすべく、回数データをスティックに格納したものである。
【0036】
具体的にはスティックを用いた認証回数が所定の回数に達すると、スティックに格納されている暗号キーを消去し、以後このスティックを用いての認証処理ができないようにしたものである。この所定の回数はスティックに当初保存されており、認証するごとにその回数を減らしていくものである。所定の回数分だけ認証処理が行われると、そのスティックに格納されている暗号キーが消去され、以後認証処理ができなくなる。これによって、メモリカードの複製は所定回数だけに制限されるので、アーティストの要望等に応じて自在にコピーを制限することが可能となる。したがって、スティックを用いたコピーに制限をかけない場合には、回数データ自体をスティックに格納する必要は無い。
【0037】
このようにスティック自体の回数データで認証処理を制限するため、同一のスティックによる認証処理が他の再生装置で行われても同様の効果を奏する。
【0038】
図3はこの発明の第2の実施の形態による再生データ復旧システムの概略構成を示すブロック図である。
【0039】
図を参照して、再生データ復旧システム31は、ネットワークの一種としてのインターネット33に接続されたパソコン等の端末装置35と、端末装置35にUSBケーブル36で脱着自在に接続される音楽プレーヤー等の再生装置15と、インターネット33に接続され、端末装置35に対して送受信可能なシステムサーバー38とから主に構成されている。再生装置15には、暗号キーを保有するとともに再生装置15で再生されるデータを保有できるメモリカード56と暗号キーを保有するスティック25とが脱着自在に接続されている。システムサーバー38には、所定のプログラムが保存されている第1のデータベース39と暗号キーに対応する再生データが保存されている第2のデータベース40とが接続されている。
【0040】
なお、再生装置15、記憶媒体56およびスティック25の構成は基本的に先の実施の形態で示したものと同一である。
【0041】
図4は図3で示した端末装置の制御内容を示したフローチャートである。
【0042】
このフローにあっては、メモリカード56の再生データに何らかのデータ不良が生じ、スティック25を所有する正当な再生装置15の持ち主がメモリカード56を再生できない場合を想定し、このメモリカードを復旧する処理を行うものである。
【0043】
図を参照して、まず前段階の準備として、再生装置15にメモリカード56およびスティック25に接続した状態で、再生装置15をUSBケーブル36を介して端末装置35に接続する。次に端末装置15をインターネット33を介してシステムサーバー38に接続する(S31)。そして、図示しない画面の表示にしたがって復旧用のソフトウエアを第1のデータベース39から取り出し、端末装置35にダウンロードする(S32)。端末装置35は、再生装置15が接続されており(S33でYES)、再生装置15にスティック25が挿入されており(S34でYES)、再生装置15にメモリカード56が挿入されている(S35でYES)かを確認する。
【0044】
これらの確認が済むと端末装置35は、システムサーバー38を介して再生データの書き込み用のドライバーソフトウエアを第1のデータベース39から取り出しインストールする(S37)。次に図示しない端末装置35の画面の表示にしたがって「復旧ボタン」をクリックする。端末装置35は、再生装置15を介してこれに挿入されているスティック25に格納されている暗号キーを読み出す(S38)。このとき、暗号キーを読み出せない場合は(S38でNO)、端末装置35の画面にエラー表示(S41)がなされ、復旧処理は終了する。
【0045】
スティック25から暗号キーが読み出されると(S38でYES)、その暗号キーに対応する再生データをシステムサーバー38を介して第2のデータベース40から読み出し、ダウンロードする(S39)。ダウンロードされた再生データは、再生装置15を介してメモリカード56に書き込まれ(S40)、復旧処理は終了する。以後、先の実施の形態で説明したように、スティック25を用いてメモリカード56の認証処理をすれば、再生可能となる。
【0046】
尚、この実施の形態では、スティック25をメモリカードの復旧処理に用いているが、同一処理によって新たなメモリカードへのコピー処理としても使用できる。
【0047】
図5はこの発明の第3の実施の形態による再生データ復旧システムにおける端末装置の制御内容を示すフローチャートである。
【0048】
この再生データ復旧システムの構成は先の第2の実施の形態によるものと同一であるので構成についての説明は繰り返さない。また、制御内容についても共通点も多いのでここでは相違点について主に説明する。
【0049】
所定の接続準備が終了して、端末装置15をシステムサーバー38に接続する(S41)点は同一である。しかし、この実施の形態にあっては、復旧用のソフトウエアのダウンロードはせずに各構成品の接続状況を確認する(S42〜S44)。又、ドライバーソフトウエアのインストールもせず、図示しない画面上の「ドライバーボタン」をクリックする(S45)。次に「復旧ボタン」をクリックすると(S46)、以下第2の実施の形態と同様に、所定の再生データがメモリカード56に書き込まれ、復旧処理は終了する。以後、メモリカード56の認証処理をすれば、再生可能となる。
【0050】
この実施の形態であれば、ソフトウエアのダウンロードやインストールを端末装置においてする必要が無いため、より簡便に再生データを復旧することが可能になり使い勝手が良い。
【0051】
尚、上記の各実施の形態では、所定のコーディック情報で再生データの符号化および復号化を行っているが、この符号化および復号化は必ずしも必要なものではない。
【0052】
又、上記の実施の形態では、暗号キーはメモリカードのタグ情報格納部に格納されているが、格納場所は他の格納部であっても良い。
【0053】
更に、上記の実施の形態では、スティックに格納されている暗号キーの回数データが格納されているが、回数データは無くても良い。この場合、用途に応じて暗号キーを認証によっても常に残存するようにしたり、あるいは一度の認証で消滅するようにすれば良い。
【0054】
更に、上記の各実施の形態では、音楽ファイルを基にこれを再生しているが、これに代えて録画データにも同様に適用でき同様の効果を奏する。あるいは、録音データと録画データとを合体させたデータにも同様に適用できる。
【0055】
更に、上記の各実施の形態では、コンサート会場等の演奏の録音を前提としているが、このような演奏に限らず講演、セミナー等に対しても同様に適用できることは言うまでも無い。
【0056】
更に、上記の第2および第3の実施の形態では、再生装置は端末装置を介してインターネットに接続されているが、再生装置を直接インターネットに接続して再生データをシステムサーバーから取得するように構成しても良い。
【0057】
更に、上記の第2および第3の実施の形態では、端末装置としてパソコンを用いているがパソコンに代えてPDA等の携帯端末や携帯電話等であっても良い。
【0058】
更に、上記の第2および第3の実施の形態では、ネットワークとしてインターネットを用いているが、これに代えてイントラネット等の他のネットワークを用いても良く、あるいは端末装置を直接システムサーバーに接続するように構成しても良い。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】この発明の第1の実施の形態による再生制御システムの概略構成を示したブロック図である。
【図2】図1で示した再生制御システムの制御内容を説明するためのフローチャートである。
【図3】この発明の第2の実施の形態による再生データ復旧システムの概略構成を示したブロック図である。
【図4】図3で示した再生データ復旧システムの制御内容を説明するためのフローチャートである。
【図5】この発明の第3の実施の形態による再生データ復旧システムの制御内容を説明するためのフローチャートである。
【図6】従来の再生装置の概略構成を示したブロック図である。
【符号の説明】
【0060】
15…再生装置
25…スティック
31…再生データ復旧システム
33…インターネット
35…端末装置
36…USBケーブル
38…システムサーバー
39…第1のデータベース
40…第2のデータベース
56…メモリカード
尚、各図中同一符号は同一又は相当部分を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
再生データ復旧システムであって、
ネットワークに接続される端末装置と、
前記端末装置に脱着自在に接続される再生装置と、
前記再生装置に脱着自在に接続され、第1の番号を保有すると共に前記再生装置で再生されるデータを保有できる記憶媒体と、
前記再生装置に着脱自在に接続され、第2の番号を保有するスティックと、
前記ネットワークに接続され、前記端末装置に対して送受信可能のシステムサーバーと、
前記システムサーバーに接続され、前記第1の番号に対応する再生データが保存されるデータベースとを備え、
前記端末装置は、復旧指令が入力された時、前記記憶媒体に保有されている第1の番号と前記スティックに保有されている第2の番号とを比較し、これらが一致している時その旨を前記システムサーバーに前記ネットワークを介して送信し、
前記システムサーバーは、これに応答して前記データベースに保存されている再生データを前記ネットワークを介して前記端末装置に送信し、前記端末装置は前記送信された再生データを前記記憶媒体に書き込む、再生データ復旧システム。
【請求項2】
前記スティックは、所定の回数を表す回数データも保有し、
前記保有されている回数データの回数分、前記再生データが記憶媒体に書き込まれると、前記再生装置は、前記スティックに保有されている第2の番号を消去する、請求項1記載の再生データ復旧システム。
【請求項3】
前記再生装置は、前記記憶媒体に保有されている第1の番号と前記スティックに保有されている第2の番号とが一致した時、装置番号を前記記憶媒体に固有番号として書き込み、
電源投入後、前記再生装置は、前記書き込まれた固有番号と前記装置番号とが一致した時のみ、前記記憶媒体の再生データを再生する、請求項1又は請求項2記載の再生データ復旧システム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公開番号】特開2009−223982(P2009−223982A)
【公開日】平成21年10月1日(2009.10.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−68730(P2008−68730)
【出願日】平成20年3月18日(2008.3.18)
【出願人】(508083976)株式会社FPコミュニケーションズ (2)
【Fターム(参考)】