説明

再生装置、データ格納装置、及びそれらの制御方法

【課題】 データを受信して再生する際に、再生指示してから再生開始までに要する時間をより短縮化する為の技術を提供すること。
【解決手段】 データ再生装置100は、データ格納装置200から送信された先頭フレーム群を受信し、メモリに格納する。データ再生装置100は、再生対象の動画像に対する再生指示を検知すると、メモリから再生対象の動画像の先頭フレーム群を読み出して再生すると共に、残りフレーム群の送信要求をデータ格納装置200に対して送信する。そしてデータ再生装置100は、この送信要求に応じてデータ格納装置200から送信された残りフレーム群を受信し、先頭フレーム群の再生後、再生する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、データの再生技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、ネットワーク家電間でデータ通信を行うことで、データの再生を行う場合には、データ転送時に生じる遅延がユーザのストレスになっていたという問題があった。再生開始までの時間を短縮することを目的としたデータ再生方式としては、データを複数のディスク装置に分割して格納し、配信するものがあった(特許文献1を参照)。
【0003】
この方式では、各ディスク装置にそれぞれ特定のデータを割り当て、それらを定期的にデータ分配装置で再生する順番に並べ替えてクライアント端末に配信する。
【特許文献1】特開平07−320455号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の分散環境におけるデータ再生方式では、ディスク装置の台数を増やすことでユーザの待ち時間を短縮していた。しかし、ユーザへの転送時の待ち時間は必ず存在してしまうといった問題があった。
【0005】
本発明は以上の問題に鑑みてなされたものであり、データを受信して再生する際に、再生指示してから再生開始までに要する時間をより短縮化する為の技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の目的を達成するために、例えば、本発明の再生装置は以下の構成を備える。
【0007】
即ち、動画像のデータを保持する外部装置から送信された、当該動画像を構成するフレーム群のうち第1のフレーム群を受信し、メモリに格納する格納手段と、
再生対象の動画像に対する再生指示を検知すると、前記メモリから当該再生対象の動画像の第1のフレーム群を読み出し、読み出した当該第1のフレーム群を再生すると共に、前記再生対象の動画像を構成するフレーム群のうち前記第1のフレーム群以降に再生される第2のフレーム群の送信要求を前記外部装置に対して送信する第1の再生手段と、
前記第2のフレーム群の送信要求に応じて前記外部装置から送信された、前記第2のフレーム群を受信する受信手段と、
前記第1の再生手段による前記第1のフレーム群の再生後、前記受信手段が受信した前記第2のフレーム群を再生する第2の再生手段と
を備えることを特徴とする。
【0008】
本発明の目的を達成するために、例えば、本発明のデータ格納装置は以下の構成を備える。
【0009】
即ち、上記の再生装置とのデータ通信が可能なデータ格納装置であって、
動画像のデータを外部から取得する取得手段と、
前記取得手段が取得した動画像のデータをメモリに格納すると共に、当該動画像を構成するフレーム群のうち第1のフレーム群を前記再生装置に対して送信する送信手段と、
前記第1の再生手段が送信した送信要求に応じて、当該動画像を構成するフレーム群のうち当該第1のフレーム群以降に再生される第2のフレーム群を前記再生装置に対して返信する手段と
を備えることを特徴とする。
【0010】
本発明の目的を達成するために、例えば、本発明の再生装置の制御方法は以下の構成を備える。
【0011】
即ち、動画像のデータを保持する外部装置から送信された、当該動画像を構成するフレーム群のうち第1のフレーム群を受信し、メモリに格納する格納工程と、
再生対象の動画像に対する再生指示を検知すると、前記メモリから当該再生対象の動画像の第1のフレーム群を読み出し、読み出した当該第1のフレーム群を再生すると共に、前記再生対象の動画像を構成するフレーム群のうち前記第1のフレーム群以降に再生される第2のフレーム群の送信要求を前記外部装置に対して送信する第1の再生工程と、
前記第2のフレーム群の送信要求に応じて前記外部装置から送信された、前記第2のフレーム群を受信する受信工程と、
前記第1の再生工程での前記第1のフレーム群の再生後、前記受信工程で受信した前記第2のフレーム群を再生する第2の再生工程と
を備えることを特徴とする。
【0012】
本発明の目的を達成するために、例えば、本発明のデータ格納装置の制御方法は以下の構成を備える。
【0013】
即ち、上記の再生装置とのデータ通信が可能なデータ格納装置の制御方法であって、
動画像のデータを外部から取得する取得工程と、
前記取得工程で取得した動画像のデータをメモリに格納すると共に、当該動画像を構成するフレーム群のうち第1のフレーム群を前記再生装置に対して送信する送信工程と、
前記第1の再生工程で送信した送信要求に応じて、当該動画像を構成するフレーム群のうち当該第1のフレーム群以降に再生される第2のフレーム群を前記再生装置に対して返信する工程と
を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明の構成により、データを受信して再生する際に、再生指示してから再生開始までに要する時間をより短縮化することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下添付図面を参照して、本発明を好適な実施形態に従って詳細に説明する。
【0016】
[第1の実施形態]
図9は、本実施形態に係るシステムの構成を示す図である。同図に示す如く、本実施形態に係るシステムは、データ再生装置100と、データ格納装置200とで構成されており、それぞれはLANやインターネットなどのネットワーク150に接続されている。これにより、データ再生装置100とデータ格納装置200とはこのネットワーク150を介して互いにデータ通信が可能になる。
【0017】
本実施形態では、データ格納装置200は1以上の動画像のデータを保持しており、データ再生装置100は、この1以上の動画像のうち所望の動画像をデータ格納装置200から取得して再生する。以下では、データ再生装置100が所望の動画像をデータ格納装置200から取得して再生するために、データ格納装置200とデータ再生装置100とが行う処理について説明する。
【0018】
図1は、データ再生装置100の機能構成を示すブロック図である。
【0019】
同図においてデータ受信部101は、ネットワーク150を介してデータ格納装置200から送信されたデータを受信する。
【0020】
再生開始部分データ格納部102は、データ受信部101が受信するデータが、動画像を構成する各フレームのうち先頭の複数フレーム(以下、先頭フレーム群)である場合には、この先頭フレーム群を格納する。
【0021】
再生中データ格納部103は、データ受信部101が、先頭フレーム群以降のフレーム群(以下、残りフレーム群)を受信した場合には、この残りフレーム群を格納する。即ち、1つの動画像は先頭フレーム群と残りフレーム群とで構成されており、先頭フレーム群は再生開始部分データ格納部102に格納され、残りフレーム群は再生中データ格納部103に格納される。
【0022】
再生指示受信部104は、本装置の操作者から動画像の再生指示が入力されると、その再生指示を検知し、データ再生部105、データ転送要求送信部107に動作指示を通知する。データ再生部105は、再生指示受信部104から通知を受けると先ず、再生開始部分データ格納部102に格納されている先頭フレーム群を構成する各フレームを順次再生する処理を開始する。
【0023】
データ表示部106は、データ再生部105により再生されたフレームを順次表示する。データ転送要求送信部107は、再生指示受信部104から通知を受けると、現在再生している、若しくは再生しようとしている動画像の残りフレーム群の送信要求をデータ格納装置200に対して送信する。
【0024】
なお、上記各部はソフトウェアでもって実現しても良いし、ハードウェアでもって実現しても良い。
【0025】
図10は、データ再生装置100のハードウェア構成を示すブロック図である。
【0026】
1001はCPUで、RAM1002やROM1003に格納されているプログラムやデータを用いて本装置全体の制御を行うと共に、本装置が行う後述各処理を実行する。
【0027】
1002はRAMで、通信部1007を介して受信したデータや、ROM1003からロードされたプログラムやデータ、HDD(ハードディスクドライブ)1006からロードされたプログラムやデータ等を一時的に記憶するためのエリアを有する。更に、RAM1002は、CPU1001が各種の処理を実行するために用いるワークエリアを有する。即ち、RAM1002は各種のエリアを適宜提供することができる。
【0028】
1003はROMで、本装置全体の設定データや、本装置が行う後述の各処理をCPU1001に実行させるためのプログラムやデータ等を格納する。このプログラムは、例えば、図1に示したデータ受信部101、再生指示受信部104、データ再生部105、データ転送要求送信部107のそれぞれの機能をCPU1001に実行させるためのプログラムを含む。
【0029】
1004は操作部で、ボタン群により構成されており、本装置の操作者が再生対象の動画像を指示したり、再生開始を指示したりするために用いられる。
【0030】
1005は表示装置で、CRTや液晶画面等により構成されており、CPU1001による処理結果、例えば、再生した動画像の各フレームを表示する。表示装置201は、図1に示したデータ表示部106に相当する。
【0031】
1006はHDDで、ここには、通信部1007を介して受信した各フレームのデータを保存したりすることができる。
【0032】
1007は通信部で、上記ネットワーク150を介してデータ格納装置200とのデータ通信を行うためのインターフェースとして機能する。
【0033】
1008は上述の各部を繋ぐバスである。
【0034】
次に、データ格納装置200について説明する。図2は、データ格納装置200の機能構成を示すブロック図である。
【0035】
同図においてデータ読み込み部201は、CDやDVD等の記録媒体に記録された動画像のデータを読み込んだり、上記ネットワーク150に動画像のデータを保持する装置が接続されている場合にはこの装置からこの動画像のデータをダウンロードしたりすることで、動画像のデータを取得する。
【0036】
データ格納部202は、データ読み込み部201が取得した動画像のデータを格納する。データ転送指示受信部203は、上記再生装置100が有する上記データ転送要求送信部107から送信された要求を受け付ける。要求を受け付けた場合にはその旨を後段のデータ転送処理制御部205に通知する。
【0037】
データ転送処理制御部205は、データ読み込み部201が動画像のデータを取得すると、その先頭フレーム群をデータ再生装置100に送信するよう、後段のデータ転送部204を制御する。また、データ転送処理制御部205は、データ転送指示受信部203からの通知を受けると、要求に応じたデータをデータ格納装置200から読み出してデータ再生装置100に送信するよう、後段のデータ転送部204を制御する。
【0038】
データ転送部204はデータ転送処理制御部205による制御に従って、指示されたデータをデータ再生装置100に対して転送する。
【0039】
なお、上記各部はソフトウェアでもって実現しても良いし、ハードウェアでもって実現しても良い。
【0040】
図3は、データ格納装置200のハードウェア構成を示すブロック図である。
【0041】
同図において301はCPUで、RAM302に格納されているプログラムやデータに基づいて本装置全体の制御を行うと共に、本装置が行う後述の各処理を実行する。
【0042】
302はRAMで、後段の外部記憶装置306からロードされたプログラムやデータ等を一時的に記憶するためのエリアや、CPU301が各種の処理を実行する際に用いるワークエリアなどを有する。即ち、RAM302は、各種のエリアを適宜適用することができる。
【0043】
303は通信部で、上記ネットワーク150を介して上記データ再生装置100との通信を行うためのインターフェースとして機能するものであり、データ格納装置200はこの通信部303を介して上記データ再生装置100とのデータ通信を行う。
【0044】
304は表示装置で、CRTや液晶画面などにより構成されており、CPU301による処理結果を画像や文字などでもって表示する。
【0045】
305は入力装置で、キーボードやマウスなどにより構成されており、本装置の操作者が操作することで、各種の指示をCPU301に対して入力することができる。
【0046】
306は外部記憶装置で、ハードディスクドライブに代表される大容量情報記憶装置であり、ここにはOS(オペレーティングシステム)や、本装置が行う後述の各処理をCPU301に実行させるためのプログラムやデータが保存されている。外部記憶装置306に保存されているプログラムは、例えば、上記データ読み込み部201、データ転送指示受信部203、データ転送処理制御部205、データ転送部204のそれぞれの機能をCPU301に実行させるためのプログラムを含む。
【0047】
また、外部記憶装置306は、上記ネットワーク150に動画像のデータを保持する装置が接続されている場合には、この装置から通信部303を介して受信した動画像のデータを保存することもできる。更に、動画像のデータを記録したCDやDVD等の記憶媒体からこの動画像のデータを読み取る装置が後段のI/F(インターフェース)307に接続されている場合には、この装置が読み取り、I/F307を介して取得される動画像のデータは外部記憶装置306に保存することができる。即ち、動画像のデータの取得形態に関わらず、取得した動画像のデータは外部記憶装置306に保存される。
【0048】
307は、動画像のデータを記録したCDやDVD等の記憶媒体からこの動画像のデータを読み取る装置をデータ格納装置200に接続するためのI/Fである。
【0049】
308は上述の各部を繋ぐバスである。
【0050】
次に、データ格納装置200による動画像のデータの取得に係る一連の処理について、同処理のフローチャートを示す図5を用いて説明する。なお、同図のフローチャートに従った処理をCPU301に実行させるためのプログラムやデータは外部記憶装置306に保存されており、CPU301による制御に従って適宜RAM302にロードされる。そして、CPU301がこのロードされたプログラムやデータを用いて処理を実行することで、本装置は以下説明する各処理を実行する。
【0051】
先ずステップS101では、CPU301はデータ読み込み部201として機能し、I/F307に接続されている装置から、若しくは通信部303を介してネットワーク150に接続されている装置から動画像のデータを受信する。受信したデータはステップS102で、データ格納部202として機能する外部記憶装置306に保存する。
【0052】
次にステップS103では、CPU301はデータ転送処理制御部205、データ転送部204として機能し、ステップS102で格納した動画像を構成する各フレームのうち先頭フレーム群をデータ再生装置100に対して送信する。
【0053】
なお、先頭フレーム群のフレーム数は、データ再生装置100の起動時間(データ再生装置100の電源がオフになっている場合には、起動する)や、ネットワーク150を介したデータ転送速度などに応じて予め決まっているものとする。しかし、データ転送速度等のパラメータは、動的に変化する。そのような場合には、いくつかの動的なパラメータとそれに対応するフレーム数との対応関係を記したテーブルを予め作成して外部記憶装置306に登録しておく。そして、ステップS103ではこのテーブルを参照し、現在のパラメータに応じて先頭フレーム群のフレーム数を決定する。
【0054】
そして以上の処理が終了すれば、データ格納装置200は、データ再生装置100からの後段の要求待ちとなる。
【0055】
次に、データ再生装置100から要求を受けた場合にデータ格納装置200が行う処理について、同処理のフローチャートを示す図6を用いて説明する。なお、同図のフローチャートに従った処理をCPU301に実行させるためのプログラムやデータは外部記憶装置306に保存されており、CPU301による制御に従って適宜RAM302にロードされる。そして、CPU301がこのロードされたプログラムやデータを用いて処理を実行することで、本装置は以下説明する各処理を実行する。
【0056】
データ再生装置100は、上記ステップS103で送信した先頭フレーム群の再生中、若しくは再生の開始時に、先頭フレーム群以降に再生する残りフレーム群の送信要求をデータ格納装置200に送信する。この送信要求には、どの動画像における残りフレーム群を要求しているのかを示す情報が含まれている。
【0057】
そこでステップS201では先ず、CPU301はデータ転送指示受信部203として機能し、この送信要求受ける。そして同ステップでは更に、CPU301はデータ転送処理制御部205として機能し、この送信要求で要求されている動画像の残りフレーム群のデータを外部記憶装置306から特定する。そしてステップS202では、CPU301はデータ転送部204として機能し、ステップS201で特定した残りフレーム群のデータをデータ再生装置100に送信する。
【0058】
次に、データ格納装置200が図5に示したフローチャートに従った処理を行うことで先頭フレーム群をデータ再生装置100に送信した場合に、データ再生装置100が行う処理について、同処理のフローチャートを示す図7を用いて説明する。なお、同図のフローチャートに従った処理をCPU1001に実行させるためのプログラムやデータはHDD1006に保存されており、CPU1001による制御に従って適宜RAM1002にロードされる。そして、CPU1001がこのロードされたプログラムやデータを用いて処理を実行することで、本装置は以下説明する各処理を実行する。
【0059】
先ず、ステップS301では、CPU1001はデータ受信部101として機能し、データ格納装置200から上記ステップS103で送信された先頭フレーム群のデータを受信する。そして、ステップS302では、CPU1001はこの先頭フレーム群のデータを、HDD1006内の再生開始部分データ格納部102としての記憶領域に格納する。
【0060】
以上の処理を終えると、データ再生装置100は、本装置の操作者からの指示待ちとなる。
【0061】
次に、データ再生装置100の操作者が、所望の動画像データを再生する指示を入力した場合に、本装置が行う処理について、同処理のフローチャートを示す図8を用いて説明する。なお、同図のフローチャートに従った処理をCPU1001に実行させるためのプログラムやデータはHDD1006に保存されており、CPU1001による制御に従って適宜RAM1002にロードされる。そして、CPU1001がこのロードされたプログラムやデータを用いて処理を実行することで、本装置は以下説明する各処理を実行する。
【0062】
本装置の操作者が操作部1004を用いて所望の動画像のデータを再生する指示を入力すると、CPU1001は再生指示受信部104として機能し、この指示を検知する。この指示を検知すると、CPU1001は、データ再生部105、データ転送要求送信部107として機能する。これにより、以降の処理を開始する。
【0063】
先ずステップS401ではCPU1001はデータ再生部105として機能し、上記ステップS302でHDD1006内に格納した先頭フレーム群のデータをRAM1002に読み出す。もちろん、この読み出した先頭フレーム群のデータは、上記所望の動画像のデータにおけるものである。
【0064】
そして更に同ステップでは、CPU1001はデータ再生部105として機能し、この読み出した先頭フレーム群のデータを用いて、先頭フレームから順次再生処理する。この再生処理では、例えば、各フレームのデータを画像信号に変換する処理や、各フレームのデータが圧縮されている場合にはこれを伸張する処理が含まれる。
【0065】
そしてステップS402では、この再生処理による結果を表示装置1005に転送する。これにより、表示装置1005の表示画面上には、先頭フレーム群を構成する各フレームが先頭から順次表示されることになる。
【0066】
一方、ステップS401,S402における処理と並行して、以降に説明するステップS403〜S405における処理を行う。なお、ステップS403〜S405の処理は、ステップS401,S402における再生制御処理の開始と共に開始しても良いし、この再生制御処理の最中に行うようにしても良い。
【0067】
ステップS403では、CPU1001はデータ転送要求送信部107として機能し、先頭フレーム群以降に再生する残りフレーム群の送信要求をデータ格納装置200に送信する。この送信要求については上述の通りである。
【0068】
ステップS404ではCPU1001はデータ受信部101として機能し、データ格納装置200が図6に示したフローチャートに従った上記処理を行うことで送信した残りフレーム群のデータを受信する。そしてステップS405では、この受信した残りフレーム群のデータを、HDD1006内の再生中データ格納部103としての記憶領域内に格納する。
【0069】
ステップS406では、CPU1001はデータ再生部105として機能し、先頭フレーム群を構成する全ての再生が終了すると、ステップS405で格納した残りフレーム群のデータを順次RAM1002に読み出す。そして更に同ステップでは、CPU1001はデータ再生部105として機能し、残りフレーム群の先頭から順次再生処理する。この再生処理は上記ステップS402におけるものと同じである。
【0070】
そしてステップS407では、この再生処理による結果を表示装置1005に転送する。これにより、表示装置1005の表示画面上には、先頭フレーム群に後続する残りフレーム群を構成する各フレームを順次表示することになる。
【0071】
図4は、データ格納装置200としてのハードディスクレコーダ402、デスクトップPC403、ノートPC404と、データ再生装置100と、がネットワーク150に接続されているシステムにおいて、データ再生装置100がファイルAを再生する場合における様子を示す図である。ここでファイルとは動画像のファイル(データ)を差す。
【0072】
同図に示す如く、ハードディスクレコーダ402には、ファイルA、ファイルBが格納されている。それぞれのファイルにおいて斜線部分はそれぞれのファイルにおける先頭フレーム群を示す。
【0073】
また、デスクトップPC403にはファイルCが格納されており、ファイルCにおける斜線部分は、このファイルにおける先頭フレーム群を示す。
【0074】
また、ノートPC404にはファイルDが格納されており、ファイルDにおける斜線部分は、このファイルにおける先頭フレーム群を示す。
【0075】
ここで、ハードディスクレコーダ402、デスクトップPC403、ノートPC404のそれぞれにファイルを格納する場合、それぞれの装置は図5に示したフローチャートに従った上記処理を行うので、それぞれの装置に格納されたファイルの先頭フレーム群はデータ再生装置100に転送される。従って同図に示す如く、データ再生装置100には、各ファイル(ファイルA、ファイルB、ファイルC、ファイルD)の先頭フレーム群が格納される。
【0076】
また、データ再生装置100側では、ファイルAを再生する指示が入力されるので、データ再生装置100は図8に示したフローチャートに従った処理を行うことでファイルAの先頭フレーム群を再生すると共に、ファイルAの残りフレーム群をハードディスクレコーダ402に対して要求する。ハードディスクレコーダ402はこの要求を受けると、図6のフローチャートに従った処理を行うので、自身が保持するファイルAの残りフレーム群をデータ再生装置100に対して送信する。
【0077】
データ再生装置100はこの残りフレーム群を受信するので、同図に示す如く、データ再生装置100には、残りフレーム群(「再生中の残りの部分のデータ」)が格納される。
【0078】
なお、以上の説明は、データ再生装置100とデータ格納装置200とが1対多、多対1,多対多の何れでも適用可能である。
【0079】
また、データ再生装置100が有するHDD1006内の空き容量が所定の量以下となった場合には、再生済みのフレームのデータや、最後に再生してから所定期間以上経過しているような動画像のデータについては削除するようにしても良い。
【0080】
[第2の実施形態]
データ再生装置100が残りフレーム群を再生している途中で再生の中断指示が操作部1004により入力された場合、CPU1001はこれを検知して再生を中断する。その場合、現在表示しているフレームから複数フレームを新たに先頭フレーム群としてそのままHDD1006内に残し、残りを削除するようにしても良い。
【0081】
そして、再生を再開する旨の指示が操作部1004を用いて入力されると、データ再生装置100はこの先頭フレーム群以降の残りフレーム群をデータ格納装置200に対して要求する処理(図8に示したフローチャートと同様の処理)を行う。これにより、データ再生装置100は再生を中断したところから、再生を再開させることができる。
【0082】
[第3の実施形態]
第1の実施形態では、データ格納装置200は動画像のデータを取得すると、無条件に、この動画像における先頭フレーム群のデータをデータ再生装置100に送信していた。しかし、動画像の種類によっては、データ再生装置100側の操作者の趣味にそぐわず、今後再生される可能性が低い動画像もある。そこで、データ格納装置200は、動画像の先頭フレーム群を送信する場合には、この動画像のジャンルが送信先のユーザの趣味にあっているのか否かを判断し、あっている場合に初めてこの先頭フレーム群を送信する。
【0083】
そのために、データ再生装置100のユーザは予め、データ格納装置200に、自身の好みのジャンルを登録しておく必要がある。これにより、データ格納装置200は、この登録されたジャンルを参照し、先頭フレーム群を送信するか否かを判断することができる。なお、動画像のデータには、この動画像のジャンルを示す情報をメタデータとして付加しておき、この判断処理に用いる。
【0084】
また、データ格納装置200は、ユーザからのアクセスの多かったジャンルを順位付け、上位5位以内のジャンルについては先頭フレーム群を送信する、という形態をとっても良い。
【0085】
なお、先頭フレーム群を送信するか否かを判断する条件はこれに限定するものではなく、様々なものが考えられる。
【0086】
[第4の実施形態]
ネットワーク150に複数台のデータ再生装置100が接続されている場合、あるデータ再生装置で再生していた動画像の再生処理を中断し、その続きを他のデータ再生装置で再生するといった形態も考えられる。
【0087】
その場合、ユーザが予め自身が使用するであろう1以上のデータ再生装置に固有の装置情報(例えば装置のネットワークID)と、自身のユーザ情報(例えば、ユーザID)とを関連付けてデータ格納装置200に登録しておく。
【0088】
この登録処理後、ユーザがデータ再生装置Aである動画像の再生を行っている途中でこの再生を中断させ、データ再生装置Bでその続きを再生する場合について説明する。データ再生装置Aは、中断された時点で表示しているフレームから後続の複数フレームを新たに先頭フレーム群とし、この先頭フレーム群をデータ再生装置Bに転送する。
【0089】
なお、その転送前には、データ格納装置200に、データ再生装置Bの装置情報が、データ再生装置Aと同じユーザ情報に関連付けられているのかをチェックしてもらう。同じユーザ情報に関連付けられていないのであれば、データ格納装置200はこの転送を禁じ、エラー情報をデータ再生装置Aに対して送信する。一方、同じユーザ情報と関連付けられている場合には、この転送を許可する。この転送はコピーであっても良いし、移動であっても良い。
【0090】
そして、データ再生装置Bは、第2の実施形態で説明したように、その続きから再生処理を開始する。なお、データ再生装置B側での再生の終了後、先頭フレーム群はデータ再生装置Bから削除する。
【0091】
[第5の実施形態]
先頭フレーム群のフレーム数はデータ格納装置200側で適宜編集できるようにしても良い。
【0092】
[第6の実施形態]
先頭フレーム群以降の残りフレーム群についてはストリーミング形式で受信しても良い。ストリーミング形式では、一括してデータを転送する場合と同様に、バッファリングに要する時間分のフレームを先頭フレーム群として格納しておく必要がある。さらに、再生対象となるデータを格納している機器の電源が切断されている場合には、この機器の起動時間を先頭フレーム群のフレーム数を決定する為には考慮しなくてはいけない。
【0093】
また、上記各実施形態は適宜組み合わせて用いることができる。
【0094】
以上の各実施形態によれば、先頭フレーム群を再生装置に格納することにより、再生開始までの待ち時間の短縮を実現する。また、残りフレーム群の開始部分以降のデータを再生装置以外の格納装置に保存することで、より多くの先頭フレーム群を再生装置に格納することが可能である。
【0095】
加えて、先頭フレーム群の再生中に、それ以降のデータを保持している格納装置を起動させればよいため、不要な装置の電源を落とすことが可能となり、消費電力の軽減が見込める。
【0096】
また、上記各実施形態において、先頭フレーム群の代わりに、動画像における所定のフレーム群、例えば、最も視聴したフレーム群を用いても良い。
【0097】
[その他の実施形態]
また、本発明の目的は、以下のようにすることによって達成されることはいうまでもない。即ち、前述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記録した記録媒体(または記憶媒体)を、システムあるいは装置に供給する。そして、そのシステムあるいは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU)が記録媒体に格納されたプログラムコードを読み出し実行する。この場合、記録媒体から読み出されたプログラムコード自体が前述した実施形態の機能を実現することになり、そのプログラムコードを記録した記録媒体は本発明を構成することになる。
【0098】
また、コンピュータが読み出したプログラムコードを実行することにより、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼働しているオペレーティングシステム(OS)などが実際の処理の一部または全部を行う。その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0099】
さらに、記録媒体から読み出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張カードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書込まれたとする。その後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張カードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0100】
本発明を上記記録媒体に適用する場合、その記録媒体には、先に説明したフローチャートに対応するプログラムコードが格納されることになる。
【図面の簡単な説明】
【0101】
【図1】データ再生装置100の機能構成を示すブロック図である。
【図2】データ格納装置200の機能構成を示すブロック図である。
【図3】データ格納装置200のハードウェア構成を示すブロック図である。
【図4】データ格納装置200としてのハードディスクレコーダ402、デスクトップPC403、ノートPC404と、データ再生装置100と、がネットワーク150に接続されているシステムにおいて、データ再生装置100がファイルAを再生する場合における様子を示す図である。
【図5】データ格納装置200による動画像のデータの取得に係る一連の処理のフローチャートである。
【図6】データ再生装置100から要求を受けた場合にデータ格納装置200が行う処理のフローチャートである。
【図7】データ格納装置200が図5に示したフローチャートに従った処理を行うことで先頭フレーム群をデータ再生装置100に送信した場合に、データ再生装置100が行う処理のフローチャートである。
【図8】データ再生装置100の操作者が、所望の動画像データを再生する指示を入力した場合に、本装置が行う処理のフローチャートである。
【図9】本発明の第1の実施形態に係るシステムの構成を示す図である。
【図10】データ再生装置100のハードウェア構成を示すブロック図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
動画像のデータを保持する外部装置から送信された、当該動画像を構成するフレーム群のうち第1のフレーム群を受信し、メモリに格納する格納手段と、
再生対象の動画像に対する再生指示を検知すると、前記メモリから当該再生対象の動画像の第1のフレーム群を読み出し、読み出した当該第1のフレーム群を再生すると共に、前記再生対象の動画像を構成するフレーム群のうち前記第1のフレーム群以降に再生される第2のフレーム群の送信要求を前記外部装置に対して送信する第1の再生手段と、
前記第2のフレーム群の送信要求に応じて前記外部装置から送信された、前記第2のフレーム群を受信する受信手段と、
前記第1の再生手段による前記第1のフレーム群の再生後、前記受信手段が受信した前記第2のフレーム群を再生する第2の再生手段と
を備えることを特徴とする再生装置。
【請求項2】
前記第1のフレーム群は、前記動画像を構成するフレーム群の先頭フレームから、前記再生装置と前記外部装置とのデータ通信速度、前記再生装置の起動時間、に応じて決まるフレーム数分のフレームであることを特徴とする請求項1に記載の再生装置。
【請求項3】
前記第2の再生手段による再生を中断する指示を検知した場合には、前記第2の再生手段による再生を中断させる中断手段と、
前記中断手段による中断後、再生を再開させる指示を検知した場合には、前記第2の再生手段による再生を再開させる第3の再生手段とを備え、
前記中断手段は、再生が中断された時点で再生されているフレームを含むフレーム群を第3のフレーム群とし、当該第3のフレーム群以降に再生される第4のフレーム群のデータを削除し、
前記第3の再生手段は、再生を再開させる指示を検知した場合には、前記第3のフレーム群を再生すると共に、前記第4のフレーム群の送信要求を前記外部装置に対して送信し、当該送信要求に応じて前記外部装置から送信された前記第4のフレーム群を受信し、前記第3のフレーム群の再生後、前記第4のフレーム群を再生する
ことを特徴とする請求項1に記載の再生装置。
【請求項4】
請求項1乃至3の何れか1項に記載の再生装置とのデータ通信が可能なデータ格納装置であって、
動画像のデータを外部から取得する取得手段と、
前記取得手段が取得した動画像のデータをメモリに格納すると共に、当該動画像を構成するフレーム群のうち第1のフレーム群を前記再生装置に対して送信する送信手段と、
前記第1の再生手段が送信した送信要求に応じて、当該動画像を構成するフレーム群のうち当該第1のフレーム群以降に再生される第2のフレーム群を前記再生装置に対して返信する手段と
を備えることを特徴とするデータ格納装置。
【請求項5】
更に、
前記第1のフレーム群のフレーム数を決定する決定手段を備え、
前記送信手段は、前記決定手段が決定したフレーム数分の前記第1のフレーム群を前記再生装置に送信することを特徴とする請求項4に記載のデータ格納装置。
【請求項6】
前記送信手段は、前記取得手段が取得した動画像のデータをメモリに格納すると共に、当該動画像に関する情報が条件を満たした場合に、当該動画像を構成するフレーム群のうち第1のフレーム群を前記再生装置に対して送信することを特徴とする請求項4に記載のデータ格納装置。
【請求項7】
前記条件は、予め与えられたジャンルであることを特徴とする請求項6に記載のデータ格納装置。
【請求項8】
更に、
データ格納装置が複数台の再生装置とデータ通信が可能である場合、ユーザに固有のユーザ情報と、当該ユーザが使用する1以上の再生装置に固有の装置情報とを関連付けて登録する登録手段を備え、
注目再生装置に対して行った処理の続きは、当該注目再生装置の装置情報と関連付けて登録されているユーザ情報に関連付けられている何れの再生装置に対しても実行可能であることを特徴とする請求項4に記載のデータ格納装置。
【請求項9】
動画像のデータを保持する外部装置から送信された、当該動画像を構成するフレーム群のうち第1のフレーム群を受信し、メモリに格納する格納工程と、
再生対象の動画像に対する再生指示を検知すると、前記メモリから当該再生対象の動画像の第1のフレーム群を読み出し、読み出した当該第1のフレーム群を再生すると共に、前記再生対象の動画像を構成するフレーム群のうち前記第1のフレーム群以降に再生される第2のフレーム群の送信要求を前記外部装置に対して送信する第1の再生工程と、
前記第2のフレーム群の送信要求に応じて前記外部装置から送信された、前記第2のフレーム群を受信する受信工程と、
前記第1の再生工程での前記第1のフレーム群の再生後、前記受信工程で受信した前記第2のフレーム群を再生する第2の再生工程と
を備えることを特徴とする再生装置の制御方法。
【請求項10】
請求項1乃至3の何れか1項に記載の再生装置とのデータ通信が可能なデータ格納装置の制御方法であって、
動画像のデータを外部から取得する取得工程と、
前記取得工程で取得した動画像のデータをメモリに格納すると共に、当該動画像を構成するフレーム群のうち第1のフレーム群を前記再生装置に対して送信する送信工程と、
前記第1の再生工程で送信した送信要求に応じて、当該動画像を構成するフレーム群のうち当該第1のフレーム群以降に再生される第2のフレーム群を前記再生装置に対して返信する工程と
を備えることを特徴とするデータ格納装置の制御方法。
【請求項11】
コンピュータに請求項9又は10に記載の制御方法を実行させるためのプログラム。
【請求項12】
請求項11に記載のプログラムを格納したことを特徴とする、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate


【公開番号】特開2008−17149(P2008−17149A)
【公開日】平成20年1月24日(2008.1.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−185935(P2006−185935)
【出願日】平成18年7月5日(2006.7.5)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】