写真自動販売装置及び写真シールの製造方法
【課題】市場に投入された後でも写真シールの流行の変化に応じてインクリボンの種類を容易に変更できる写真自動販売装置を提供する。
【解決手段】写真自動販売装置1の制御部10及び撮影部20は、被写体を撮影して写真画像を生成する。また、制御部10及び画像編集部40は、写真画像及び編集画像を画像処理して合成画像を生成する。プリンタ6は、種類の異なる複数のインクリボンのうちのいずれか1つを装填可能なインクカートリッジと、複数のインクリボンの種類ごとに設定された印刷方法を記憶するメモリ652とを備える。プリンタ6は、インクカートリッジに装填されたインクリボンの種類に対応する印刷方法で、合成画像を印刷する。
【解決手段】写真自動販売装置1の制御部10及び撮影部20は、被写体を撮影して写真画像を生成する。また、制御部10及び画像編集部40は、写真画像及び編集画像を画像処理して合成画像を生成する。プリンタ6は、種類の異なる複数のインクリボンのうちのいずれか1つを装填可能なインクカートリッジと、複数のインクリボンの種類ごとに設定された印刷方法を記憶するメモリ652とを備える。プリンタ6は、インクカートリッジに装填されたインクリボンの種類に対応する印刷方法で、合成画像を印刷する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、写真自動販売装置及び写真シールの製造方法に関し、さらに詳しくは、利用者を撮影して得た写真画像をシール紙に印刷して写真シールを製造する写真自動販売装置及び写真シールの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ゲームセンターなどの遊戯施設には、利用者を被写体としてカメラで撮影し、その写真画像をシール紙に印刷して販売する写真自動販売装置が設置されている。これらの写真自動販売装置は、利用者を撮影して写真画像を生成する撮影装置と、写真画像をタブレットディスプレイなどに表示し、その写真画像に付属のタッチペンで文字や図形などを落書きして編集画像を入力する画像編集装置とを備えたものが一般的となっている。画像編集装置で入力された編集画像は写真画像と合成され、その合成画像がプリンタでシール紙に印刷され、利用者に提供される。
【0003】
利用者は表現力のある写真シールを作成しようとするため、写真シールの表現力を高める機能は、写真自動販売装置の人気を左右する。そのため、多くの写真自動販売装置では、画像編集機能に工夫を凝らし、ペン、スタンプ、フレーム、背景画像などの多様な落書き素材を入力できるようにしている。
【0004】
画像編集機能とともに、写真シールの色調も、写真自動販売装置の人気を左右する。そのため、カラー印刷のためのインクリボンは、市場の流行を考慮した上で、既存の多種類のインクリボンの中から決定され、採用される。そして、写真自動販売装置のプリンタには、通常、採用されたインクリボンのみに対応したファームウェアがインストールされ、そのファームウェアにより、採用されたインクリボンのみに対応した印刷方法で写真シールが印刷される。
【0005】
また、写真自動販売装置は、採用されたインクリボンの種類に合わせて、写真画像及び編集画像に対して色調補正等の画像処理を実施する。したがって、写真自動販売装置にインストールされている画像処理アプリケーションは、通常、採用されたインクリボンのみに対応可能である。
【0006】
また、最近では、写真シールの表現力のさらなる向上を目的に、特開2003−103860号公報(特許文献1)で開示されるように、カラー印刷に重ねて、金、銀、蛍光色等の特定の特殊インクを印刷するプリンタを搭載し、特殊インクを利用する画像編集機能を利用者に提供する写真自動販売装置が登場している。
【0007】
しかしながら、上述のように、プリンタ及び画像編集機能が、特定のインクリボンのみに対応するように構成されていると、写真自動販売装置を市場に投入した後に市場の流行が変化した場合、市場の流行の変化に対応して従来と異なる種類の新たなインクリボンを装填しようとしても、プリンタ及び編集機能が新たなインクリボンに対応できない。新たなインクリボンに対応するためには、プリンタ自体を交換したり、プリンタ内部のハードウェア及びソフトウェア(ファームウェアやアプリケーションプログラム等)を変更したりしなければならない。
【特許文献1】特開2003−103860号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的は、市場に投入された後でも写真シールの流行の変化に応じてインクリボンの種類を容易に変更できる写真自動販売装置及び写真シール製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段及び発明の効果】
【0009】
本発明による写真自動販売装置は、撮影編集装置と、撮影編集装置に接続される印刷装置とを備える。撮影編集装置は、撮影手段と、編集手段と、画像処理手段とを備える。撮影手段は、被写体を撮影して写真画像を生成する。編集手段は、写真画像に合成される編集画像を生成する。画像処理手段は、写真画像及び編集画像を画像処理して合成画像を生成する。印刷装置は、種類の異なる複数のインクリボンのうちのいずれか1つを装填可能なインクカートリッジと、複数のインクリボンの種類ごとに設定された印刷方法を記憶する手段と、印刷手段とを備える。印刷手段は、インクカートリッジに装填されたインクリボンの種類に対応する印刷方法で、合成画像を印刷する。
【0010】
本発明による写真自動販売装置では、インクカートリッジに装填可能な複数種類のインクリボンの印刷方法が、印刷装置に予め設定されている。このため、印刷装置は、ハードウェア及びソフトウェアを変更することなく、複数のインクリボンに対応できる。その結果、写真自動販売装置を市場に投入した後であっても、ハードウェア及びソフトウェアを変更することなく、装填されるインクリボンを変更することがある程度可能であり、市場での写真シールの趣向性の変化に柔軟に対応できる。
【0011】
好ましくは、撮影編集装置はさらに、インクカートリッジに装填されたインクリボンの種類を印刷装置から取得する手段と、第1の表示手段とを備える。第1の表示手段は、装填されたインクリボンの種類が、画像処理手段が対応可能な種類でないとき、その旨を表示する。印刷装置はさらに、画像処理手段が対応可能なインクリボンの種類を撮影編集装置から取得する手段と、第2の表示手段とを備える。第2の表示手段は、装填されたインクリボンの種類が、画像処理手段が対応可能な種類でないとき、その旨を表示する。
【0012】
印刷装置が対応可能なインクリボンの種類が、画像処理手段が対応可能なインクリボンの種類でない場合、装填されたインクリボンは印刷装置で対応可能であっても、画像処理手段で対応できない場合もある。この場合、撮影編集装置が異常の表示をし、印刷装置が正常と判断して異常の表示をしなければ、利用者や店舗の従業員等は、いずれの表示が正しいか判断できない。そこで、本発明では、印刷装置が、装填されたインクリボンの種類が、画像処理手段が対応可能な種類でないとき、異常を表示する。これにより、印刷装置の判断結果を撮影編集装置の判断結果に合わせることができ、利用者や従業員は、異常を適格に把握できる。
【0013】
好ましくは、撮影編集装置はさらに、対価受付手段と、受付禁止手段とを備える。対価受付手段は、対価を受け付ける。受付禁止手段は、装填されたインクリボンの種類が、画像処理手段が対応可能な種類でないとき、対価受付手段の対価の受け付けを禁止する。
【0014】
この場合、装填されたインクリボンの種類が画像処理手段の対応可能な種類でないとき、新たな利用者によりプレイが開始されるのを防止できる。
【0015】
好ましくは、第1の表示手段は、撮影編集装置の外部に取り付けられる。
【0016】
この場合、利用者が写真自動販売装置でプレイ中であっても、店舗の従業員等が、外部に取り付けられた第1の表示手段を見ることにより、異常を速やかに知ることができる。
【0017】
好ましくは、撮影編集装置はさらに、撮影表示手段と、編集表示手段とを備える。撮影表示手段は、撮影手段が処理を実行しているときに生成された写真画像を表示する。編集表示手段は、編集手段が処理を実行しているときに写真画像及び編集画像を表示する。撮影表示手段及び/又は編集表示手段は、装填されたインクリボンの種類が、画像処理手段が対応可能な種類でないとき、プレイの中断案内を表示する。
【0018】
この場合、撮影表示手段及び/又は編集表示手段を介して、プレイ中の利用者にプレイの中断を案内できる。これにより、利用者は、異常が発生したことを知ることができ、そのまま継続してプレイすることにより無駄な時間が発生するのを防止できる。
【0019】
好ましくは、撮影編集装置はさらに、交換時期判断手段を備える。交換時期判断手段は、画像処理手段が画像処理を実行する前に、印刷装置に装填されたインクリボンの交換が必要か否かを判断する。画像処理手段は、インクリボンの交換が不要と判断されたとき、画像処理を実行し、インクリボンの交換が必要と判断されたとき、インクリボンの交換完了に伴う通知を受けた後、画像処理を実行する。
【0020】
画像処理を実行して合成画像を作成した後にインクリボンを交換した場合、画像処理手段が交換後のインクリボンに対応できない場合がある。この場合、印刷装置は、画像処理により既に生成された合成画像を印刷できない場合がある。本発明では、画像処理前にインクリボンの交換の必要性を判断し、交換が必要な場合はインクリボンが交換されるまで画像処理を実行しない。そのため、上述の問題が発生しない。
【0021】
好ましくは、撮影編集装置はさらに、印刷装置が対応可能なインクリボンの種類を記憶する記憶手段と、装填されたインクリボンの種類を印刷装置から取得する手段と、本体表示手段とを備える。本体表示手段は、装填されたインクリボンの種類が、印刷装置が対応可能な種類でないとき、その旨を表示する。印刷装置はさらに、プリンタ表示手段を備える。プリンタ表示手段は、装填されたインクリボンの種類が、自身が対応可能な種類でないとき、その旨を表示する。
【0022】
たとえば、印刷装置が対応可能なインクリボンの種類のうち、画像処理手段が対応しているインクリボンの種類と異なるものが存在するとき、装填されたインクリボンは印刷装置で対応可能であっても、画像処理手段で対応していない場合もある。この場合、撮影編集装置が異常の表示をし、印刷装置が正常と判断して異常の表示をしなければ、利用者や店舗の従業員等は、いずれの表示が正しいか判断できない。そこで本発明では、撮影編集装置が、判断結果を印刷装置と合わせることにより、このような問題の発生を防止する。
【0023】
好ましくは、記憶手段はさらに、画像処理手段が対応しているインクリボンの種類を記憶し、撮影編集装置はさらに、外部表示手段を備える。外部表示手段は、写真自動販売装置の外部に取り付けられ、装填されたインクリボンの種類が、画像処理手段が対応している種類でないとき、その旨を表示する。
【0024】
装填されたインクリボンの種類が、画像処理手段が対応している種類でないときであっても、画像処理手段は画像処理を実行できる。しかしながら、装填されたインクリボンの種類に対応していないため、最適な画像処理がなされない。そこで本発明では、本体表示手段及び印刷表示手段に異常である旨を示さずに、外部表示手段に、画像処理手段が装填されたインクリボンに対応していない旨を表示する。これにより、利用者はプレイを邪魔されることなく、店舗の従業員等がいち早く状況を把握でき、利用者がいないときに、インクリボン又は画像処理手段を交換等することができる。
本発明による写真シールの製造方法は、上述の写真自動販売装置を用いた写真シールの製造方法である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下、図面を参照し、本発明の実施の形態を詳しく説明する。図中同一又は相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
【0026】
1.外観構成
図1〜図3を参照して、本発明の実施の形態による写真自動販売装置1は、写真の撮影及び編集を行う撮影編集装置2と、撮影編集装置2内に収納され、撮影編集装置2と接続されるプリンタ6とを備える。
【0027】
[撮影編集装置の構成]
図1及び図2を参照して、撮影編集装置2は、撮影を行う撮影空間3と、撮影により得られた写真画像の編集を行う編集空間4とに分かれる。撮影空間3には、撮影部20が設けられ、編集空間4には、画像編集部40が撮影部20に隣接して設置される。撮影空間3及び編集空間4は図示しないサイドカーテンなどにより外部と区分されている。
【0028】
撮影編集装置2の側面には、プレイに対する対価であるコインを受け付けるコイン受付部30が設けられる。コイン受付部30には、コインを投入するためのコイン投入口33
と、受付表示パネル32とが設けられる。コイン投入口33は、コインセレクタに通じている。受付表示パネル32は、図4(a)及び(b)に示すように、写真自動販売装置1の利用案内を表示したり、図4(c)に示すように、撮影空間3の利用状況を表示したりする。
【0029】
写真自動販売装置1を利用する場合、まず利用者は、コイン投入口33にコインを投入する。コインを受け付けると、写真自動販売装置1は受付表示パネル32に、図4(b)に示すような、利用者に撮影空間3への移動を促す案内を表示する。利用者はその案内に従って、装置側面から撮影空間3に入り、撮影部20に向かって撮影操作を行う。撮影終了後、利用者は編集空間4に移動し、今度は画像編集部40に向かって画像編集操作、具体的には、フレーム、スタンプ、ペン書きの文字や図形などの落書き画像を入力する。
【0030】
図1を参照して、撮影部20の正面中央にはカメラ21が設けられ、その下方にはタッチパネルディスプレイ23が設けられ、さらにそれらの周りには照明装置22が設けられる。
【0031】
カメラ21は利用者を被写体として撮影するもので、一般にデジタルカメラが用いられる。カメラ21は複数台設けたり、移動や角度調節をできるようにしたりしてもよい。
【0032】
タッチパネルディスプレイ23は、カメラ21で撮影されている映像をリアルタイムで表示する。さらに、その画面上には透明なタッチパネルが貼り付けられており、タッチパネルを介して利用者の入力操作を受け付ける。
【0033】
照明装置22は、カメラ21の周囲及び天井に設けられ、被写体を照明する。照明装置22はその内部に、蛍光灯などの常灯照明と、ストロボなどの閃光照明(フラッシュ)とを有する。ストロボは、利用者から撮影の開始が指示され、カメラ21が撮影している映像を静止画として取り込む瞬間に発光し、被写体を強く照明する。
【0034】
図2を参照して、画像編集部40は撮影部20と背中合わせに設けられる。画像編集部40は、撮影部20で得られた写真画像と合成される、文字や図形等の編集画像を生成し、写真画像及び編集画像を画像処理して合成画像を生成する。画像編集部40には、2つの編集部41が背中合わせに設けられており、異なる利用者が各編集部41で写真画像を編集できる。
【0035】
各編集部41の正面中央には、タブレットディスプレイ42が設けられる。タブレットディスプレイ42は、カメラ21で撮影された写真画像の中から選択された1又は複数の写真画像を表示する。さらに、その画面上には透明なタッチパネルが貼り付けられており、タブレットディスプレイ42は、タッチパネルに対する利用者の編集操作を受け付ける。タブレットディスプレイ42の両側には、文字や図形といった編集画像をタッチパネル上で入力するためのタッチペン43が設けられる。編集終了後、撮影編集装置2は、編集画像と写真画像とを画像処理して合成画像を生成し、生成された合成画像をプリンタ6に送信する。
【0036】
図2及び図3を参照して、画像編集部40の側面には、印刷部60が設けられ、その内部にプリンタ6が収納される。印刷部60は開閉可能なプリンタドア65を備える。プリンタドア65の裏面には、インクカートリッジの交換時や装置の点検時に利用されるサービスパネル66が備え付けられている。プリンタドア65の正面下部には、写真シールが排出されるシール取出口62が設けられる。
【0037】
印刷部60の正面上部には、シール取出口表示パネル61が設けられる。シール取出口表示パネル61は、図5に示すように、「用紙切れ」ランプ611と、「エラー」ランプ612と、「プリント中」ランプ613とを備え、状況に応じて所定のランプ611〜613が点灯される。
【0038】
[プリンタの構成]
プリンタ6は、たとえば、USBケーブルにより撮影編集装置2と接続され、普通色カラー印刷及び特殊色印刷を実行する。具体的には、プリンタ6は、普通色カラー印刷に重ねて特殊色印刷を行う。
【0039】
図3を参照して、プリンタ6は、印刷部60内に収納される。プリンタ6は、正面にプリンタ表示パネル601と写真シールが排出される排出口602とを備える。プリンタ表示パネル601は、プリンタに異常が発生した場合、その旨を表示する。プリンタ6はまた、正面に記録カード差し込み口603を有する。記録カードは、装填されたインクリボンの種類や、インクリボン及びシール紙の残量等、消耗品に関する情報(以下、装填情報という)を記録する。プリンタ6は、差し込み口603に差し込まれた記録カードから装填情報を取得する。
【0040】
図6を参照して、プリンタ6は、カラー印刷用の普通色インクリボン621が装填される普通色インクカートリッジ622と、金、銀、ラメなどの金属光沢のある特殊色インクリボン623が装填される特殊色インクカートリッジ624とを備える。プリンタ6はさらに、普通色印刷用の普通色印字ヘッド625と、特殊色印刷用の特殊色印字ヘッド626と、シール紙627と、製造された写真シール紙を所定の長さで切断するための切断部628とを備える。
【0041】
普通色インクカートリッジ622には、異なる種類の複数の普通色インクリボン621のうちの1つが装填される。同様に、特殊色インクカートリッジ624には、異なる種類の複数の特殊色インクリボン623のうちの1つが装填される。
【0042】
プリンタ6は、普通色インクリボン621及び特殊色インクリボン623を用いて、撮影編集装置2から送信された合成画像をシール紙627に印刷して写真シールを製造する。製造された写真シールは、切断部628で切断された後、シール取出口62に排出される。
【0043】
2.機能構成
図7を参照して、撮影編集装置2は、装置全体を制御する制御部10と、撮影部20と、コイン受付部30と、画像編集部40と、写真自動販売装置1全体の電力供給源である電源部50と、写真シールを排出する印刷部60と、インターネット網等の外部のネットワークと通信するための通信部70とを備える。各部は、I/Oバス80で相互に接続されている。
【0044】
制御部10は、CPU(Central Processing Unit)101と、撮影編集装置2に所定の処理を実行させるための各制御プログラム、編集処理に必要なグラフィックデータ、音声データ、撮影された写真画像、写真画像を編集するための落書き画像、入力された編集画像等、を記憶するハードディスクドライブ(HDD)102、上述の各制御プログラムの一時的な作業領域となるメモリ103、タッチパネルディスプレイ23にクロマキー合成画像を表示するために利用されるクロマキキャプチャボード104を含む。
【0045】
制御部10は、撮影空間3での撮影処理を実行する。具体的には、制御部10は、撮影処理プログラムに基づいて、利用者の指等のタッチによりタッチパネルディスプレイ23で受け付けた入力操作にしたがって、カメラ21の動作を操作する。また、カメラ21の撮影により得られた写真画像を生成し、タッチパネルディスプレイ23に表示する。
【0046】
制御部10はまた、編集空間4での画像編集処理を実行する。具体的には、制御部10は、編集処理プログラムに基づいて、利用者のタッチペン43でのタッチによりタブレットディスプレイ42で受け付けた入力操作にしたがって、編集画像を生成する。制御部10はさらに、画像処理アプリケーションプログラム(以下、画像処理アプリという)に基づいて、写真画像と編集画像とを画像処理し、合成画像を生成する。生成された合成画像はプリンタ6に送信される。
【0047】
タッチパネルディスプレイ23は、その表示画面上に図示しないタッチパネルが敷設される。タッチパネルディスプレイ23は、利用者の指等の接触を検知し、それに応じた指示信号を制御部10に送信する。タッチパネルディスプレイ23はまた、制御部10から送信された画像、具体的には、カメラ21で撮像された写真画像、撮影のための案内、選択肢などを表示する。照明装置22は、カメラ21のシャッタタイミングに応じて発光するように制御部10により制御される。スピーカ24は、撮影空間3に配備され、制御部10からの指示信号に基づいて、撮影プレイのための操作方法などの案内やBGMなどを出力する。
【0048】
画像編集部40は、複数の編集部41を備える。各編集部41内のタブレットディスプレイ42は、その表示画面上にタブレットが敷設される。タブレットディスプレイ42は、左右のタッチペン43の接触を検知し、それに応じた指示信号を制御部10に送信する。タブレットディスプレイ42は、制御部10から送信された編集画像を写真画像上に重ねて表示する。スピーカ44は、編集空間4に配備され、制御部10からの指示信号に基づいて、編集プレイのための操作方法などの案内やBGMなどを出力する。
【0049】
プリンタ6は、USBケーブル等で撮影編集装置2と接続される。プリンタ6は、CPU651と、ROM及びRAMを含むメモリ652とを備える。メモリ652には、普通色インクカートリッジ622が装填可能な複数の普通色インクリボン621の種類ごとの印刷方法に関する情報が予め記憶されている。また、特殊色インクカートリッジ624が装填可能な複数の特殊色インクリボン623の種類ごとの印刷方法に関する情報も予め記憶されている。ここでいう印刷方法とは、たとえばインクリボンの種類ごとの色調補正の仕方等である。印刷方法は、各インクリボンの種類ごとに設けられたファームウェアとしてメモリ652に記憶されていてもよいし、1つのファームウェアが複数のインクリボンの印刷方法に関する情報を含んでいてもよい。このように、プリンタ6は、各インクカートリッジが装填可能な複数のインクリボンの印刷方法を予め記憶している。そのため、市場の流行が変化しても、印刷方法が記憶されているインクリボンの中から市場の流行に対応したインクリボンを選択して装填すれば、新たなファームウェアやアプリケーションをインストールすることなく、流行の変化に応じた色調の写真シールを印刷できる。
【0050】
3.動作
上述した写真自動販売装置1の動作は次の通りである。
【0051】
写真自動販売装置1は、電源がオンされたときに起動処理を実行する。起動処理を実行した後、対価受付処理、撮影処理、編集処理及び印刷処理をそれぞれ起動する。一方、プリンタ6は、普通色及び特殊色インクリボンを交換したとき、交換により新たに装填されたインクリボンの種類が、対応可能な種類か否かを判断するための異常判断処理を行う。以下、それぞれの動作処理について説明する。
【0052】
3−1.起動処理
まず、写真自動販売装置1の起動処理を説明する。図8及び図9を参照して、電源がオンされたとき、CPU101は、装置内の各機器を初期化する(S1)。続いて、画像処理アプリが対応可能なインクリボンの種類をプリンタ6に通知する(S2)。HDD102には、画像処理アプリが対応可能なインクリボンの種類に関する情報が予め記憶されており、CPU101は、この情報を読み出してプリンタ6に送信する。
【0053】
続いて、CPU101は、プリンタ6に装填された普通色及び特殊色インクリボン(以下、これらを総称して単にインクリボンともいう)及びシール紙に関する装填情報をプリンタ6に問い合わせて取得する(S3)。そして、装填情報に基づいて、インクリボンの交換が必要か否かを判断する(S4)。装填情報には、インクリボンのインク及びシール紙の残量データが含まれ、CPU101は、その残量データに基づいて、インクリボンのインク、シール紙のいずれかが切れたか否かを判断する。インクリボンのインク又はシール紙が切れたと判断したとき、CPU101は、インクリボンの交換が必要であると判断する(S4でYES)。
【0054】
インクリボンの交換が必要であるとき(S4でYES)、CPU101は、図5に示すシール取出口表示パネル61の「用紙切れ」ランプ611を点灯する(S5)。写真自動販売装置1が設置された店舗の従業員等は、「用紙切れ」ランプ611の点灯を見たとき、インクリボン(普通色及び特殊色)と、シール紙とを交換する。なお、このとき、従業員等は、交換されたインクリボンに対応した記録カードをプリンタ6に差し込む。これにより、プリンタ6は新たに装填されたインクリボン及びシール紙に関する装填情報を取得する。
【0055】
店舗の従業員は、新たなインクリボン及びシール紙を交換し終えたとき、インクリボンの交換を完了したことに伴い、プリンタドア65裏面のサービスパネル66のエラー解除スイッチ661を押す。このとき、エラー解除がCPU101に通知される。
【0056】
CPU101は、エラー解除通知を受けたか否かを監視する(S6)。エラー解除通知を受けたとき(S6でYES)、インクリボンの交換が完了しているため、ステップS3に戻って再び装填情報を問い合わせる。
【0057】
一方、ステップS4でインクリボンの交換が不要と判断されたとき(S4でNO)、CPU101は、装填された普通色インクリボンの種類と特殊色インクリボンの種類とをメモリ103に記憶する(S7)。普通色インクリボン及び特殊色インクリボンの種類は、ステップS3で取得された装填情報に含まれている。
【0058】
次に、CPU101は、装填された特殊色インクリボンの種類が、画像処理アプリが対応可能な種類か否かを判断する(S8)。CPU101は、HDD102から画像処理アプリが対応可能なインクリボンの種類を読み出し、装填された特殊色インクリボンの種類が、画像処理アプリが対応可能な種類か否かを判断する。
【0059】
ステップS8の判断の結果、装填された特殊色インクリボンの種類が、画像処理アプリが対応可能な種類でない場合(S8でNO)、図10に示すような、装填された特殊色インクリボンに対応する画像処理アプリのインストールを促す画面を、タブレットディスプレイ42に表示する(S12)。これを見た店舗の従業員は、装填された特殊色インクリボンに対応可能な画像処理アプリをHDD102にインストールする。画像処理アプリがインストールされると(S13)、CPU101は、写真自動販売装置1の再起動を促す案内をタブレットディスプレイ42に表示する(S14)。
【0060】
一方、ステップS8での判断の結果、装填された特殊色インクリボンの種類が、画像処理アプリが対応可能な種類であるとき(S8でYES)、CPU101は続いて、装填された普通色インクリボンの種類が、画像処理アプリの対応可能な種類か否かを判断する(S9)。普通色インクリボンの種類が、画像処理アプリの対応可能な種類と異なる場合(S9でNO)、CPU101は、店舗の従業員等に注意を促すために、シール取出口表示パネル61の「エラー」ランプ612を点灯する(S10)。
【0061】
ステップS9の判断の結果、装填された普通色インクリボンの種類が、画像処理アプリが対応可能な種類であるとき(S9でYES)、CPU101は、メモリ103に格納された稼働停止フラグをオフにする(S15)。稼働停止フラグとは、写真自動販売装置1での利用者のプレイを中断するか否かを判断するためのフラグであり、プレイを中断する必要がある場合、稼働停止フラグはオンされる。稼働停止フラグがオンされたとき、各動作処理は、プレイを中断するための処理を行う。稼働停止フラグについては後述する。
【0062】
稼働停止フラグをオフにした後、CPU101は、対価受付処理プログラム、撮影処理プログラム、編集処理プログラム及び印刷処理プログラムをそれぞれ起動する(S12)。画像処理アプリは印刷処理プログラムに含まれる。これらの処理は、独立に並行して実行される。
【0063】
3−2.インクリボン交換後のプリンタ起動時の異常判断処理
インクリボンのインク及びシール紙のいずれかが切れたとき、インクリボンが交換される。このとき、プリンタ6は、交換され新たに装填されたインクリボンの種類が、適切であるか否かを判断するために異常判断処理を実行する。以下、プリンタ6による異常判断処理の詳細を説明する。
【0064】
図12を参照して、プリンタ6は、プリンタ6が対応可能な普通色及び特殊色インクリボンの種類に関する情報を予めメモリ652に記憶している(S21)。
【0065】
次に、プリンタ6は、図8中のステップS2で撮影編集装置2から通知された、画像処理アプリが対応可能なインクリボンの種類に関する情報を受け付け、メモリ652に記憶する(S22)。
【0066】
続いて、プリンタ6は、新たに装填された普通色及び特殊色インクリボンの種類に関する情報を取得する(S23)。新たに装填された普通色及び特殊色インクリボンの種類は、識別カードに記憶されており、プリンタ6は識別カードから情報を読み出す。なお、識別カードを利用しない場合、インクリボンに記録されるバーコードなどのコードに含まれる情報を読み取り、装填されたインクリボンの種類を取得してもよい。
【0067】
続いて、プリンタ6は、装填されたインクリボンの種類が、プリンタ6が対応可能な種類か否かを判断する(S24)。装填されたインクリボンの種類がプリンタ6の対応可能な種類でないとき、(S24でNO)、プリンタ表示パネル601に、異常である旨を表示する(S27)。
【0068】
一方、装填されたインクリボンの種類が、プリンタ6が対応可能な種類である場合(S24でYES)、プリンタ6はさらに、装填されたインクリボンの種類が、画像処理アプリが対応可能な種類か否かを判断する(S25)。装填されたインクリボンの種類が、画像処理アプリの対応可能な種類でないとき(S25でNO)、ステップS27に進んで、プリンタ表示パネル601に異常である旨を表示する(S27)。装填されたインクリボンの種類が、画像処理アプリが対応可能な種類であるとき(S25でYES)、プリンタ6は、プリンタ表示パネル601に正常である旨を表示する(S26)。
【0069】
以上の動作により、プリンタ6は、新たに装填されたインクリボンの種類について、プリンタ6が対応可能か否かを判断するだけでなく、画像処理アプリが対応可能か否かも判断する。そして、自身が対応可能であっても、画像処理アプリが対応できない場合、プリンタ表示パネル601に異常を表示する。要するに、プリンタ6は、インクリボンの種類の判断結果を、撮影編集装置2の判断結果と合わせる。
【0070】
たとえば、プリンタが特殊色インクリボンA及びBに対応可能であり、画像処理アプリが特殊色インクリボンAのみに対応可能な場合であって、プリンタに新たに装填された特殊色インクリボンがBであるときを想定する。この場合に、プリンタが正常と判断してプリンタ表示パネルにその旨を表示し、撮影編集装置が異常と判断してタブレットディスプレイにその旨を表示すれば、店舗の従業員や利用者は、プリンタ表示部の表示と、タブレットディスプレイ等の表示のいずれが正しいのか判断できない。
【0071】
本実施の形態による写真自動販売装置1は、このような事態を防止するために、プリンタ6に表示される判断結果を、撮影編集装置2に表示される判断結果に合わせる。そのため、店舗の従業員等は、異常を正確に認識でき、必要な場合、新たな画像処理アプリを速やかにインストールすることができる。
【0072】
3−3.対価受付処理
撮影編集装置2は、起動処理を実行した後、対価受付処理を実行する。対価受付処理では、通常は、利用者がプレイするときの対価であるコインを受け付ける。しかしながら、プリンタ6に新たに装填されたインクリボンの種類が、画像処理アプリが対応可能な種類でないとき、対価の受け付けを禁止する。以下、対価受付処理の動作を詳述する。
【0073】
図13を参照して、CPU101は、対価の受付を許可し(S301)、受付表示パネル32に、図4(a)に示す、対価の投入を促す案内画面を表示する(S302)。
【0074】
CPU101は、稼働停止フラグがオンか否か(S303)、及び、所定の対価を受け付けたか否か(S306)を監視する。コイン投入口33にコインが投入されたとき、コインセレクタ31は、投入されたコインの種類およびその枚数を特定し、所定の対価を受け付けたとき、その旨をCPU101に通知する。この通知に基づいて、CPU101は、所定の対価を受け付けたと判断する(S306でYES)。
【0075】
装填されたインクリボンの種類が異常でなければ、稼働停止フラグはオフである(S303でNO)、そのため、所定の対価を受け付けたとき(S306でYES)、CPU101は、対価の受付を禁止し(S307)、メモリ103内のプレイ開始フラグをオンにする(S308)。プレイ開始フラグをオンにすることで、後述する撮影処理が実行可能となり、撮影空間3内で撮影プレイが開始される。ステップS307で対価の受付を禁止するのは、撮影空間3が利用されるため、新たな利用者から対価を受け付けても、新たな利用者に対して直ちに撮影空間3を提供できないためである。
【0076】
プレイ開始フラグをオンにした後、CPU101は、受付表示パネル32に図4(b)に示すような、利用者を撮影空間3に案内する画面を表示する(S309)。そして、所定時間経過した後(S310でYES)、CPU101は、受付表示パネル32に、図4(c)に示すような、撮影プレイ中である旨を表示する(S311)。
【0077】
CPU101は、撮影プレイの間、稼働停止フラグがオンであるか否か(S312)、及び、撮影プレイが終了したか否か(S313)を監視する。稼働停止フラグがオフであり、かつ、撮影プレイが終了したとき(S312でNO、及びステップS313でYES)、CPU101は、ステップS301に戻って対価の受付を許可して(S301)、次の利用者の対価を受け付ける。なお、ステップS303及びS312での判断の結果、稼働停止フラグがオンである場合の処理については後述する。
【0078】
3−4.撮影処理
続いて、撮影プレイ時に実行される撮影処理について詳述する。図14を参照して、CPU101は、写真自動販売装置1の利用を促すタイトルデモ画面をタッチパネルディスプレイ23に表示する(S401)。CPU101は、稼働停止フラグがオンか否か(S402)、プレイ開始フラグがオンか否か(S403)を監視する。稼働停止フラグがオフであるときに、プレイ開始フラグがオンとなった場合(S402でNO、S403でYES)、CPU101は、プレイ開始フラグをオフにした後(S404)、撮影プレイを開始する(S405〜S414)。
【0079】
まず、CPU101は、タッチパネルディスプレイ23に、予め用意された複数の背景画像を表示し、複数の背景画像の中から1つを利用者の操作に応じて選択する(S405)。カメラ21で撮影されている映像(動画)は、クロマキー・キャプチャーボード104によるクロマキー処理等により被写体の部分のみが切り出され、それ以外の部分に選択された背景画像が嵌め込まれてタッチパネルディスプレイ23に表示される。続いて、CPU101は、所定の撮影を実行する(S406)。具体的には、カメラ21が利用者を被写体として撮影して写真画像(静止画)を生成する。利用者は、タッチパネルディスプレイ23に表示される案内に従って複数回の撮影を行う。この間、CPU101は、稼働停止フラグがオンか否かを監視する(S407)。さらにCPU101は、撮影回数が所定回数(たとえば10回)に達したか否かを判断する(S410)。
【0080】
所定回数撮影されていない場合(S410でNO)、CPU101はステップS405に戻って背景画像の選択と撮影とを繰り返す。一方、稼働停止フラグがオフのまま(S407でNO)、撮影回数が所定回数に達したとき(S410でYES)、CPU101は、撮影で得られた全ての写真画像をタッチパネルディスプレイ23に一覧で表示し、その中から所定枚数(たとえば4〜6枚)の写真画像を利用者の操作に応じて選択する(S411)。ここで選択された写真画像が後述する編集処理の対象となる。
【0081】
CPU101は、編集対象となる写真画像を選択した後、撮影終了の案内をタッチパネルディスプレイ23に表示するとともに(S412)、編集開始フラグをオンにする(S413)。これにより、編集プレイの開始が可能となる。
【0082】
編集開始フラグをオンにした後、CPU101は、編集空間4で画像編集するよう促す案内をタッチパネルディスプレイ23に表示する(S414)。その後、CPU101はステップS401に戻って再びタイトルデモ画面を表示する。
なお、ステップS402及びS407での判断の結果、稼働停止フラグがオンである場合の処理については後述する。
【0083】
3−5.編集処理
続いて、編集処理について詳述する。編集処理では、利用者の操作によりタッチペン43で入力される落書きを受け付け、落書き画像や背景画像を含む編集画像を生成する。落書き画像とは、ペン画像や図形画像、スタンプ画像等である。
【0084】
図15を参照して、CPU101は、撮影プレイから始めるよう促すデモ画面をタブレットディスプレイ42に表示しながら(S501)、稼働停止フラグがオンか否か(S502)及び編集開始フラグがオンか否か(S503)を監視する。そして、稼働停止フラグがオフのまま(S502でNO)、編集開始フラグがオンになったとき(S503でYES)、CPU101は、編集開始フラグをオフにして(S504)、編集(落書き)プレイを開始する(S505)。具体的には、撮影された写真画像をタブレットディスプレイ42に表示し、利用者はタッチペン43を使って写真画像に好みの落書きをする。
【0085】
編集(落書き)プレイ中、CPU101は、稼働停止フラグがオンか否かを監視する(S506)。また、CPU101は、落書き開始からの時間の経過を監視し、所定の制限時間(たとえば180秒)が経過したか否かを監視する(S509)。稼働停止フラグがオフのまま、落書き開始から所定の時間が経過したとき(S506でNO、S509でYES)、落書きの受付を終了し、編集プレイを終了する。このとき、写真画像ごとに入力された落書き画像や背景画像を編集画像として固定する。
【0086】
編集画像を固定後、CPU101は、稼働停止フラグがオンか否かを判断し(S510)、稼働停止フラグがオフである場合(S510でNO)、利用者の操作に応じて印刷用の分割レイアウトを選択する(S511)。分割レイアウトは、1枚のシール紙に印刷すべき編集済み写真画像の枚数、配置及びサイズをあらかじめ定めたものである。分割レイアウトの選択処理は、あらかじめ定められた複数の分割レイアウトの中からいずれか1つを選択する。
【0087】
分割レイアウトの選択後、CPU101は、印刷開始フラグをオンにして(S512)、印刷処理の開始を指示する。また、CPU101は、印刷待ち処理を実行する(S513)。印刷待ち処理では、印刷が完了すると見込まれる時間(たとえば90秒)、利用者の退屈感を紛らわすために、所定のプレイ(携帯電話に画像を送信するための電子メールアドレスの入力、写真画像の閲覧、携帯電話の電子メールで使用する画像の作成など)を提供する。
【0088】
所定時間が経過すると、CPU101は、編集の終了を知らせるとともに、写真シールが排出されるシール取出口62へ利用者を促す画面をタブレットディスプレイ42に表示する(514)。その後、CPU101はステップS501に戻って再びタイトルデモ画面を表示する。
なお、ステップS502、S506及びS510での判断の結果、稼働停止フラグがオンである場合の処理については後述する。
【0089】
3−6.印刷処理
印刷処理では、写真画像及び編集画像をインクリボンの種類に対応した画像処理を実行し、合成画像を作成する。そして、プリンタ6に合成画像の印刷を指示する。印刷処理では、装填されたインクリボンの種類に対応できない画像処理で合成画像を作成しないように、画像処理を実行する前にインクリボンの交換の必要性を確認する。以下、印刷処理について詳述する。
【0090】
図16及び図17を参照して、CPU101は、印刷開始フラグがオンか否かを監視し(S601)、印刷開始フラグがオンになったとき(S601でYES)、印刷処理を開始する。
【0091】
CPU101はまず、装填情報を問い合わせる(S602)。CPU101は、装填情報に基づいて、インクリボンの交換が必要か否かを判断する(S603)。
【0092】
CPU101は、印刷処理を開始するごとにプリンタ6に装填情報を問い合わせてもよい。この場合、装填情報は、たとえば、プリンタ6に現在装填されている普通色及び特殊色インクリボンの種類と、インクリボン及びシール紙のいずれかが切れた場合はその旨の情報とを含む。また、CPU1010は、インクリボンが交換された後に1回プリンタ6に問い合わせて装填情報を取得し、取得された装填情報をメモリ103に記憶しておき、印刷処理を開始するごとにメモリ103に記憶された装填情報を読み出してステップS603の判断を実行してもよい。この場合、装填情報は、プリンタ6に現在装填されている普通色及び特殊色インクリボンの種類と、各インクリボンの残量及びシール紙の残量とを含む。
【0093】
インクリボン及び/又はシール紙が切れているためにインクリボンの交換が必要であるとき(S603でYES)、CPU101は、シール取出口表示パネル61の「用紙切れ」ランプ611を点灯し(S608)、店舗の従業員等にインクリボン及びシール紙の交換を促す。従業員等は、プリンタ6に新たなインクリボン及びシール紙を装填したとき、新たに装填されたインクリボンに対応した装填情報を記録した記録カードをプリンタ6に差し込む。プリンタ6は、新たに装填されたインクリボンに対応した装填情報を記録カードから取得する。これにより、プリンタ6は、撮影編集装置2の問い合わせに応じて、装填情報を送信できる。なお、インクリボンを交換した後、プリンタ6は、図12に示す上述の異常判断処理を実行する。
【0094】
従業員等は、インクリボンの交換の完了に伴って、エラー解除スイッチ661を押す。これにより、CPU101にエラー解除が通知される。CPU101は、エラー解除の通知を受けたとき(S609でYES)、ステップS602に戻ってプリンタ6に装填情報を再度問い合わせ、装填情報を取得する(S602)。これにより、ステップS603でインクリボンの交換は不要と判断され(S603でNO)、ステップS604以降に進んで画像処理を実行する。
【0095】
以上のとおり、写真自動販売装置1は、画像処理を実行して合成画像を生成する前に、インクリボンの交換が必要か否かを判断する。そして、交換が必要な場合、インクリボンの交換が完了し、エラー解除通知を受けた後、画像処理を実行する。画像処理を実行した後にインクリボンが交換されれば、生成された合成画像が、交換後のインクリボンに対応していない場合が生じる。この場合、合成画像をプリンタ6に送信しても、印刷できなかったり、タブレットディスプレイ42に表示された写真画像と色調の異なる写真シールが生成されたりする。インクリボンを交換後、画像処理をやり直す方法も考えられるが、その場合、画像処理を2回行う必要がある。
【0096】
本実施の形態による写真自動販売装置1は、画像処理を実行する前にインクリボンの交換が必要か否かを判断する。そのため、上述の問題を回避でき、無駄な画像処理が実行されるのを抑えることができる。つまり、やり直すことにより画像処理を2回行う必要がなく、1回で済む。
【0097】
ステップS603で、インクリボンの交換が不要と判断されたとき(S603でNO)、CPU101は、装填情報内の普通色及び特殊色インクリボンの種類をメモリ103に記憶する(S604)。そして、画像処理アプリが各インクリボンの種類に対応しているか否かを確認する(S605、S610)。画像処理アプリが対応可能なインクリボンの種類は、HDD102に記憶されている。
【0098】
まず、CPU101は、プリンタ6に装填されている特殊色インクリボンの種類が、画像処理アプリが対応可能な種類か否かを判断する(S605)。メモリ103に記憶された特殊色インクリボンの種類が、画像処理アプリが対応可能な種類であるとき(S605でYES)、CPU101はさらに、プリンタ6に装填されている普通色インクリボンの種類が、画像処理アプリの対応可能な種類か否かを判断する(ステップS610及びS611)。
【0099】
CPU101は、装填された普通色インクリボンの種類が、画像処理アプリが対応可能な種類aであると判断したとき(S610でYES)、種類aに対応した画像処理方法で写真画像及び編集画像を加工し、合成画像を生成する(S613)。また、装填された普通色インクリボンの種類が、画像処理アプリが対応可能な種類bである場合(S610でNO、S611でYES)、CPU101は、種類bに対応した画像処理方法で写真画像及び編集画像を加工し、合成画像を生成する(S614)。
【0100】
画像処理を完了した後、CPU101は、ステップS511で選択された分割レイアウトに従って、所定のレイアウトに画像処理された画像を組み込み、印刷用データを作成する(S615)。そして、作成された印刷用データ及び印刷指示をプリンタ6に送信する(S616)。印刷用データ及び印刷指示を送信後、CPU101は、シール取出口表示パネル61内の「プリント中」ランプ613を点灯する(S617)。図5に示すとおり、「プリント中」ランプ613は、複数の編集部41の各々に対応して設けられ、編集プレイが実行された編集部41に対応したランプ613が点灯される。
【0101】
ランプ613を点灯後、CPU101は、印刷の終了を監視する(S618)。プリンタ6は、送信された印刷用データをシール紙に印刷する。印刷が終了したとき、プリンタ6は終了通知をCPU101に出力する。CPU101は、終了通知を受けたとき、印刷が終了したと判断し(S618でYES)。シール取出口表示パネル61の「プリント中」ランプ613を消灯する(S619)。以上の結果、製造された写真シールはシール取出口62から利用者に提供される。
【0102】
なお、装填された普通色インクリボンの種類が画像処理アプリの対応可能な種類でないとき(S610でNO及びS611でNO)、CPU101は、シール取出口表示パネル61内のエラーランプ612を点灯する。
【0103】
4.画像処理アプリが装填された特殊色インクリボンの種類に対応できない場合
上述のとおり、プリンタ6に装填された特殊色インクリボンの種類が、画像処理アプリの対応可能な種類か否かの判断は、印刷処理のステップS605で実行される。通常、画像処理アプリは、特定の特殊色インクリボンの種類に対応している。具体的には、特殊色インクリボンの種類に応じて、落書きのアイテムが変更されたり、色調補正方法が変更されたりする。そのため、装填された特殊色インクリボンの種類が、現在インストールされている画像処理アプリの対応可能な種類でないとき、撮影処理や編集処理が実行されても写真シールを製造することができない。
【0104】
そこで、装填された特殊色インクリボンの種類が画像処理アプリの対応可能な種類でないとき、CPU101は、稼働停止フラグをオンする。稼働停止フラグがオンされたとき、各動作処理(対価受付処理、撮影処理及び編集処理)は、プレイを中断して利用者が無駄な時間を費やすのを防ぐ。
【0105】
ステップS605の判断の結果、装填された特殊色インクリボンの種類が、画像処理アプリの対応可能な種類でないとき(S605でNO)、CPU101は、稼働停止フラグをオンにして(S606)、シール取出口表示パネル61内の「エラー」ランプ612を点灯する(S607)。
【0106】
画像処理アプリが、装填された特殊色インクリボンの種類に対応できない場合、装填された特殊色インクリボンに対応可能な画像処理アプリを新たにインストールし、かつ、装置を再起動しなければならない。そのため、稼働停止フラグがオンされたとき、CPU101は、新たな利用客による利用を禁止する。また、撮影処理及び/又は編集処理が実行中の利用者に、プレイの中断を案内する。以下、これらの事項を説明する。
【0107】
[稼働停止フラグがオンされたときの対価受付処理]
図13を再び参照して、撮影空間3が利用される前に稼働停止フラグがオンされたとき(S303でYES)、CPU101は、対価の受付を禁止し(S304)、図18に示すエラー表示画面を受付表示パネル32に表示する(S305)。また、撮影空間3が利用されているとき、CPU101は対価の受付を禁止するが(S307)、撮影が終了する前に稼働停止フラグがオンになったとき(S312でYES)、ステップS305に進み、対価の受付を禁止したまま、受付表示パネル32に図18の画面を表示する。以上の動作により、新たな利用者によりプレイが開始されるのを防止する。そのため、利用者が写真シールを得ることができないのにプレイを開始することによって生じる無駄な時間を排除でき、店舗の損害(返金)も極力抑えることができる。
【0108】
[稼働停止フラグがオンされたときの撮影処理]
図14を再び参照して、CPU101は、プレイ開始フラグがオンになる前、つまり、撮影処理が開始される前に、稼働停止フラグがオンとなったとき(S402でYES)、図11に示すエラー画面をタッチパネルディスプレイ23に表示して、画像処理アプリのインストールを促す(S415)。
【0109】
一方、撮影処理を実行中に稼働停止フラグがオンになったとき(S407でYES)、CPU102は、図19に示すような、撮影プレイを中断する案内画面をタッチパネルディスプレイ23に表示する(S408)。このとき、CPU101は、図19に示すように、撮影プレイの継続又は中断を選択するためのボタン421及び422を表示し、ユーザにボタンの選択を促す。そして、ユーザ操作に応じて、撮影プレイの中断又は継続を選択する(S409)。
【0110】
画像処理アプリが装填された特殊色インクリボンに対応できない場合、装填された特殊色インクリボンに対応可能な画像処理アプリを新たにインストールしなければ、装填された特殊色インクリボンに対応した編集処理が実行できない。そのため、撮影プレイを継続しても、利用者は、撮影された写真画像の写真シールを得ることができない。そこで、時間を無駄にしたくない利用者は、撮影プレイを中断するために、図19に示した画面中の「はい」ボタン421を選択する。このとき、CPU101は、撮影プレイを中断すると判断し(S409でYES)、図11に示すエラー画面を表示する(S415)。
【0111】
一方、撮影された写真画像の写真シールを得ることができないとわかっていても、撮影プレイを継続して楽しみたい利用者もいる。撮影プレイを楽しみたい利用者は、図19に示した画面中の「いいえ」ボタン422を選択する。このとき、CPU101は、撮影プレイを継続すると判断し(S409でNO)、ステップS410に進む。
【0112】
以上のとおり、撮影プレイ中に稼働停止フラグがオンされたとき、プレイ中断の案内をタッチパネルディスプレイ23に表示する。これにより、利用者は、撮影を継続しても写真シールが得られないことを知ることができ、そのまま継続してプレイすることにより無駄な時間が発生するのを防止できる。
【0113】
なお、図14では、ステップS405〜S410の間、つまり、利用者を撮影している間に、CPU101が稼働停止フラグを監視したが(S407〜S409)、ステップS411〜414の間にステップS407〜S409の処理を実行してもよい。
【0114】
[稼働停止フラグがオンされたときの編集処理]
稼働停止フラグがオンされたときの編集処理は、上述の撮影処理での動作と同様である。図15を再び参照して、編集プレイが開始される前に稼働停止フラグがオンされたとき(S502でYES)、及び、編集プレイが終了した後に稼働停止フラグがオンされたとき(S510でYES)、図11に示すエラー画面をタブレットディスプレイ42に表示する(S515)。
【0115】
一方、編集プレイ中に稼働停止フラグがオンされたとき(S506でYES)、タブレットディスプレイ42に表示されている編集画面の端に、プリンタの異常を示すアイコンを点滅させながら表示する(S507)。さらにこのとき、CPU101は、プリンタに異常が発生した旨、及び、点滅しているアイコンをタッチすれば編集処理が中断する旨を、スピーカ44を介して音声で利用者に案内する。利用者の操作により、点滅しているアイコンがタッチされたとき、CPU101は、編集プレイの中断を選択し(S508でYES)、図11に示すエラー画面をタブレットディスプレイ42に表示する。一方、アイコンがタッチされなければ(ステップS508でNO)、ステップS509に進み、編集プレイを継続する。
【0116】
以上のとおり、編集プレイ中に起動フラグがオンされたとき、撮影処理での動作と同様に、プレイ中断の案内をタブレットディスプレイ42に表示する。これにより、利用者は、編集プレイを継続しても写真シールが得られないことを知ることができ、そのまま継続してプレイすることにより無駄な時間が発生するのを防止できる。
【0117】
なお、上述では、特殊色インクリボンの種類が画像処理アプリの対応可能な種類と異なる場合に稼働停止フラグをオンするとしたが、普通色インクリボンの種類が画像処理アプリの対応可能な種類と異なる場合に、稼働停止フラグをオンしてもよい。
【0118】
5.第2の実施の形態
上述の第1の実施の形態では、プリンタ6は、装填されたインクリボンの種類が自身の対応可能な種類か否かを判断するだけでなく、画像処理アプリが対応可能な種類か否かも判断することで、プリンタ6に表示される判断結果を、撮影編集装置2に表示される判断結果と合わせ、表示結果の不一致の発生を防止した。
【0119】
ところで、普通色インクリボンの場合、画像処理アプリの対象外の種類であっても、色調が多少変わるものの、写真シール紙に印刷可能な場合がある。この場合、新たな画像処理アプリをインストールするためにプレイを中断するよりも、利用者がプレイを継続する方を優先するのが好ましい。したがってこの場合、撮影編集装置2は、画像処理アプリが対応していないインクリボンであっても、異常である旨をタッチパネルディスプレイ23やタブレットディスプレイ42に表示せず、撮影処理や編集処理を継続するのが好ましい。
【0120】
以下、第2の実施の形態による写真自動販売装置の印刷処理を説明する。説明を容易にするために、プリンタ6が普通色インクリボンのみを搭載し、普通色印刷のみを実施し、普通色インクリボンの種類a及び種類bに対応可能であると仮定する。また、撮影編集装置2内の画像アプリは、普通色インクリボンの種類aに対応していると仮定する。なお、撮影編集装置2の対価受付処理、撮影処理、編集処理は第1の実施の形態と同じである。
また、本実施の形態では、プリンタ6は、異常判断処理において、図12中のステップS22及びS25を除く他の動作を実行する。要するに、プリンタ6は、装填された普通色インクリボンが自身の対応可能な種類か否かのみを判断する。
【0121】
本実施の形態による撮影編集装置2は、プリンタ6が対応可能な普通色インクリボンの種類a及びbをHDD102に予め記憶している。また、画像処理アプリが対応可能なインクリボンの種類aもHDD102に予め記憶している。
【0122】
図20を参照して、ステップS601〜S603、S608及びS609での動作は、上述の第1の実施の形態での印刷処理と同じである。CPU101は、インクリボンの交換が不要と判断したとき(S603でNO)、装填された普通色インクリボンの種類を取得し、メモリ103に記憶する(S630)。
【0123】
続いて、CPU101は、装填された普通色インクリボンの種類が、プリンタ6が対応可能な種類か否かを判断する(S631)。このとき、CPU101は、HDD102に予め記憶された、プリンタ6が対応可能な普通色インクリボンの種類を読み出し、装填された普通色インクリボンの種類と比較する。
【0124】
CPU101が、装填された普通色インクリボンの種類が、プリンタ6が対応可能な種類でない(たとえば種類c)と判断したとき(S631でNO)、シール取出口表示パネル61内のエラーランプ612を点灯し(S634)、ステップS609に進む。このとき、プリンタ6も、装填されたインクリボンの種類が、自身が対応可能なインクリボンの種類ではないと判断し、プリンタ表示パネル601に異常を表示する(S27)。
【0125】
一方、ステップS631での判断の結果、装填された普通色インクリボンの種類が、プリンタ6が対応可能な種類a又はbであるとき(S631でYES)、CPU101は次に、装填された普通色インクリボンの種類が、画像処理アプリが対応している種類aか否かを判断する(S632)。
【0126】
ステップS632での判断の結果、装填された普通色インクリボンの種類が、画像処理アプリが対応している種類aであるとき(S632でYES)、装填された普通色インクリボンに対応した画像処理アプリで、画像処理を実行し、写真画像及び編集画像を加工する(S635)。S635以降のステップS615〜S619の動作は第1の実施の形態での印刷処理と同じである。
【0127】
一方、ステップS632での判断の結果、装填された普通色インクリボンの種類がbであり、画像処理アプリが対応している種類aでない場合であっても(S632でNO)、既存の種類aに対応した画像処理アプリで画像処理を実行する(S635)。この場合、画像処理アプリが、装填されたインクリボンの種類bに対応していないため、最適な画像処理(色調補正等)はできない。しかしながら、多少の色調のずれはあるものの、生成された合成画像に基づいて写真シールを製造できる。したがってこの場合、印刷処理が継続される。
【0128】
要するに、本実施の形態では、装填された普通色インクリボンの種類が、画像処理アプリの対応している種類でないからといって、稼働停止フラグをオンにしない。そのため、タッチパネルディスプレイ23及びタブレットディスプレイ42は異常を示す表示画面を表示せず、エラーランプ612も点灯しない。一方、この場合、プリンタ6も異常判断処理において正常と判断する。要するに、撮影編集装置2は、インクリボンの判断結果をプリンタ6の判断結果に合わせる。これにより、装填された普通色インクリボンの種類が画像処理アプリの対応している種類でなくても、ディスプレイ23及び42に異常である旨の表示がされないため、利用者は、通常どおりプレイを継続して写真シールを得ることができる。
【0129】
しかしながら、実際には、画像処理アプリが装填されたインクリボンに対応していないため、装填された普通色インクリボンの種類bに対応した画像処理アプリを新たにインストールした方が好ましい。そのため、CPU101は、ステップS632でNOと判断したとき、受付表示パネル32に図21に示すアイコンを表示する(S633)。これにより、店舗の従業員は、新たな画像処理アプリのインストールが必要であると判断でき、利用者のいないタイミングで、新たな画像処理アプリをインストールすることができる。
【0130】
以上の説明では、画像処理アプリの対象外のインクリボンが装填された場合の処理について説明したが、このような誤ったインクリボンの装填を事前に防ぐ方が好ましい。たとえば、交換用のインクリボンが梱包されたパッケージにインクリボンの種類を示すコードを印刷しておく。そして、待機時又はインクリボン交換時のタッチパネルディスプレイ23、タブレットディスプレイ42の表示画面に、画像処理アプリが対応するインクリボン種類のコードを表示する。このようにすれば、インクリボン交換時に、従業員が、画像処理アプリに対応していないインクリボンのパッケージを開封し、交換するのを抑制できる。
【0131】
以上、本発明の実施の形態を説明したが、上述した実施の形態は本発明を実施するための例示に過ぎない。よって、本発明は上述した実施の形態に限定されることなく、その趣旨を逸脱しない範囲内で上述した実施の形態を適宜変形して実施することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0132】
【図1】本発明の第1の実施の形態による写真自動販売装置の撮影空間側からみた斜視図である。
【図2】図1に示した写真自動販売装置の編集空間側からみた斜視図である。
【図3】図2中の印刷部及び印刷部内に格納されたプリンタの斜視図である。
【図4】図1中の写真自動販売装置の受付表示パネルに表示される表示画面の一例である。
【図5】図2及び図3中のシール取出口表示ランプの正面図である。
【図6】図3中のプリンタの断面図である。
【図7】図1〜図3に示した写真自動販売装置の機能構成を示すブロック図である。
【図8】図1〜図3に示した写真自動販売装置の起動処理の動作を示すフロー図である。
【図9】図7の起動処理の続きを示すフロー図である。
【図10】図9中のステップS12でタブレットディスプレイに表示される画面の一例を示す図である。
【図11】図14中のステップS415でタッチパネルディスプレイに表示される画面の一例を示す図である。
【図12】図1〜図3に示した写真自動販売装置に含まれるプリンタの異常判断処理の動作を示すフロー図である。
【図13】図1〜図3に示した写真自動販売装置の対価受付処理の動作を示す図である。
【図14】図1〜図3に示した写真自動販売装置の撮影処理の動作を示すフロー図である。
【図15】図1〜図3に示した写真自動販売装置の編集処理の動作を示すフロー図である。
【図16】図1〜図3に示した写真自動販売装置の印刷処理の動作を示すフロー図である。
【図17】図16の印刷処理の続きを示すフロー図である。
【図18】図13中のステップS305で受付表示パネルに表示される画面の一例を示す図である。
【図19】図14中のステップS408でタッチパネルディスプレイに表示される画面の一例を示す図である。
【図20】本発明の第2の実施の形態による写真自動販売装置の印刷処理の動作を示すフロー図である。
【図21】図20中のステップS633で受付表示パネルに表示されるアイコンの一例を示す図である。
【符号の説明】
【0133】
1 写真自動販売装置
2 撮影編集装置
6 プリンタ
23 タッチパネルディスプレイ
32 受付表示パネル
40 画像編集部
42 タブレットディスプレイ
61 シール取出口表示パネル
101,651 CPU
102 HDD
103,652 メモリ
661 エラー解除スイッチ
【技術分野】
【0001】
本発明は、写真自動販売装置及び写真シールの製造方法に関し、さらに詳しくは、利用者を撮影して得た写真画像をシール紙に印刷して写真シールを製造する写真自動販売装置及び写真シールの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ゲームセンターなどの遊戯施設には、利用者を被写体としてカメラで撮影し、その写真画像をシール紙に印刷して販売する写真自動販売装置が設置されている。これらの写真自動販売装置は、利用者を撮影して写真画像を生成する撮影装置と、写真画像をタブレットディスプレイなどに表示し、その写真画像に付属のタッチペンで文字や図形などを落書きして編集画像を入力する画像編集装置とを備えたものが一般的となっている。画像編集装置で入力された編集画像は写真画像と合成され、その合成画像がプリンタでシール紙に印刷され、利用者に提供される。
【0003】
利用者は表現力のある写真シールを作成しようとするため、写真シールの表現力を高める機能は、写真自動販売装置の人気を左右する。そのため、多くの写真自動販売装置では、画像編集機能に工夫を凝らし、ペン、スタンプ、フレーム、背景画像などの多様な落書き素材を入力できるようにしている。
【0004】
画像編集機能とともに、写真シールの色調も、写真自動販売装置の人気を左右する。そのため、カラー印刷のためのインクリボンは、市場の流行を考慮した上で、既存の多種類のインクリボンの中から決定され、採用される。そして、写真自動販売装置のプリンタには、通常、採用されたインクリボンのみに対応したファームウェアがインストールされ、そのファームウェアにより、採用されたインクリボンのみに対応した印刷方法で写真シールが印刷される。
【0005】
また、写真自動販売装置は、採用されたインクリボンの種類に合わせて、写真画像及び編集画像に対して色調補正等の画像処理を実施する。したがって、写真自動販売装置にインストールされている画像処理アプリケーションは、通常、採用されたインクリボンのみに対応可能である。
【0006】
また、最近では、写真シールの表現力のさらなる向上を目的に、特開2003−103860号公報(特許文献1)で開示されるように、カラー印刷に重ねて、金、銀、蛍光色等の特定の特殊インクを印刷するプリンタを搭載し、特殊インクを利用する画像編集機能を利用者に提供する写真自動販売装置が登場している。
【0007】
しかしながら、上述のように、プリンタ及び画像編集機能が、特定のインクリボンのみに対応するように構成されていると、写真自動販売装置を市場に投入した後に市場の流行が変化した場合、市場の流行の変化に対応して従来と異なる種類の新たなインクリボンを装填しようとしても、プリンタ及び編集機能が新たなインクリボンに対応できない。新たなインクリボンに対応するためには、プリンタ自体を交換したり、プリンタ内部のハードウェア及びソフトウェア(ファームウェアやアプリケーションプログラム等)を変更したりしなければならない。
【特許文献1】特開2003−103860号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的は、市場に投入された後でも写真シールの流行の変化に応じてインクリボンの種類を容易に変更できる写真自動販売装置及び写真シール製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段及び発明の効果】
【0009】
本発明による写真自動販売装置は、撮影編集装置と、撮影編集装置に接続される印刷装置とを備える。撮影編集装置は、撮影手段と、編集手段と、画像処理手段とを備える。撮影手段は、被写体を撮影して写真画像を生成する。編集手段は、写真画像に合成される編集画像を生成する。画像処理手段は、写真画像及び編集画像を画像処理して合成画像を生成する。印刷装置は、種類の異なる複数のインクリボンのうちのいずれか1つを装填可能なインクカートリッジと、複数のインクリボンの種類ごとに設定された印刷方法を記憶する手段と、印刷手段とを備える。印刷手段は、インクカートリッジに装填されたインクリボンの種類に対応する印刷方法で、合成画像を印刷する。
【0010】
本発明による写真自動販売装置では、インクカートリッジに装填可能な複数種類のインクリボンの印刷方法が、印刷装置に予め設定されている。このため、印刷装置は、ハードウェア及びソフトウェアを変更することなく、複数のインクリボンに対応できる。その結果、写真自動販売装置を市場に投入した後であっても、ハードウェア及びソフトウェアを変更することなく、装填されるインクリボンを変更することがある程度可能であり、市場での写真シールの趣向性の変化に柔軟に対応できる。
【0011】
好ましくは、撮影編集装置はさらに、インクカートリッジに装填されたインクリボンの種類を印刷装置から取得する手段と、第1の表示手段とを備える。第1の表示手段は、装填されたインクリボンの種類が、画像処理手段が対応可能な種類でないとき、その旨を表示する。印刷装置はさらに、画像処理手段が対応可能なインクリボンの種類を撮影編集装置から取得する手段と、第2の表示手段とを備える。第2の表示手段は、装填されたインクリボンの種類が、画像処理手段が対応可能な種類でないとき、その旨を表示する。
【0012】
印刷装置が対応可能なインクリボンの種類が、画像処理手段が対応可能なインクリボンの種類でない場合、装填されたインクリボンは印刷装置で対応可能であっても、画像処理手段で対応できない場合もある。この場合、撮影編集装置が異常の表示をし、印刷装置が正常と判断して異常の表示をしなければ、利用者や店舗の従業員等は、いずれの表示が正しいか判断できない。そこで、本発明では、印刷装置が、装填されたインクリボンの種類が、画像処理手段が対応可能な種類でないとき、異常を表示する。これにより、印刷装置の判断結果を撮影編集装置の判断結果に合わせることができ、利用者や従業員は、異常を適格に把握できる。
【0013】
好ましくは、撮影編集装置はさらに、対価受付手段と、受付禁止手段とを備える。対価受付手段は、対価を受け付ける。受付禁止手段は、装填されたインクリボンの種類が、画像処理手段が対応可能な種類でないとき、対価受付手段の対価の受け付けを禁止する。
【0014】
この場合、装填されたインクリボンの種類が画像処理手段の対応可能な種類でないとき、新たな利用者によりプレイが開始されるのを防止できる。
【0015】
好ましくは、第1の表示手段は、撮影編集装置の外部に取り付けられる。
【0016】
この場合、利用者が写真自動販売装置でプレイ中であっても、店舗の従業員等が、外部に取り付けられた第1の表示手段を見ることにより、異常を速やかに知ることができる。
【0017】
好ましくは、撮影編集装置はさらに、撮影表示手段と、編集表示手段とを備える。撮影表示手段は、撮影手段が処理を実行しているときに生成された写真画像を表示する。編集表示手段は、編集手段が処理を実行しているときに写真画像及び編集画像を表示する。撮影表示手段及び/又は編集表示手段は、装填されたインクリボンの種類が、画像処理手段が対応可能な種類でないとき、プレイの中断案内を表示する。
【0018】
この場合、撮影表示手段及び/又は編集表示手段を介して、プレイ中の利用者にプレイの中断を案内できる。これにより、利用者は、異常が発生したことを知ることができ、そのまま継続してプレイすることにより無駄な時間が発生するのを防止できる。
【0019】
好ましくは、撮影編集装置はさらに、交換時期判断手段を備える。交換時期判断手段は、画像処理手段が画像処理を実行する前に、印刷装置に装填されたインクリボンの交換が必要か否かを判断する。画像処理手段は、インクリボンの交換が不要と判断されたとき、画像処理を実行し、インクリボンの交換が必要と判断されたとき、インクリボンの交換完了に伴う通知を受けた後、画像処理を実行する。
【0020】
画像処理を実行して合成画像を作成した後にインクリボンを交換した場合、画像処理手段が交換後のインクリボンに対応できない場合がある。この場合、印刷装置は、画像処理により既に生成された合成画像を印刷できない場合がある。本発明では、画像処理前にインクリボンの交換の必要性を判断し、交換が必要な場合はインクリボンが交換されるまで画像処理を実行しない。そのため、上述の問題が発生しない。
【0021】
好ましくは、撮影編集装置はさらに、印刷装置が対応可能なインクリボンの種類を記憶する記憶手段と、装填されたインクリボンの種類を印刷装置から取得する手段と、本体表示手段とを備える。本体表示手段は、装填されたインクリボンの種類が、印刷装置が対応可能な種類でないとき、その旨を表示する。印刷装置はさらに、プリンタ表示手段を備える。プリンタ表示手段は、装填されたインクリボンの種類が、自身が対応可能な種類でないとき、その旨を表示する。
【0022】
たとえば、印刷装置が対応可能なインクリボンの種類のうち、画像処理手段が対応しているインクリボンの種類と異なるものが存在するとき、装填されたインクリボンは印刷装置で対応可能であっても、画像処理手段で対応していない場合もある。この場合、撮影編集装置が異常の表示をし、印刷装置が正常と判断して異常の表示をしなければ、利用者や店舗の従業員等は、いずれの表示が正しいか判断できない。そこで本発明では、撮影編集装置が、判断結果を印刷装置と合わせることにより、このような問題の発生を防止する。
【0023】
好ましくは、記憶手段はさらに、画像処理手段が対応しているインクリボンの種類を記憶し、撮影編集装置はさらに、外部表示手段を備える。外部表示手段は、写真自動販売装置の外部に取り付けられ、装填されたインクリボンの種類が、画像処理手段が対応している種類でないとき、その旨を表示する。
【0024】
装填されたインクリボンの種類が、画像処理手段が対応している種類でないときであっても、画像処理手段は画像処理を実行できる。しかしながら、装填されたインクリボンの種類に対応していないため、最適な画像処理がなされない。そこで本発明では、本体表示手段及び印刷表示手段に異常である旨を示さずに、外部表示手段に、画像処理手段が装填されたインクリボンに対応していない旨を表示する。これにより、利用者はプレイを邪魔されることなく、店舗の従業員等がいち早く状況を把握でき、利用者がいないときに、インクリボン又は画像処理手段を交換等することができる。
本発明による写真シールの製造方法は、上述の写真自動販売装置を用いた写真シールの製造方法である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下、図面を参照し、本発明の実施の形態を詳しく説明する。図中同一又は相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
【0026】
1.外観構成
図1〜図3を参照して、本発明の実施の形態による写真自動販売装置1は、写真の撮影及び編集を行う撮影編集装置2と、撮影編集装置2内に収納され、撮影編集装置2と接続されるプリンタ6とを備える。
【0027】
[撮影編集装置の構成]
図1及び図2を参照して、撮影編集装置2は、撮影を行う撮影空間3と、撮影により得られた写真画像の編集を行う編集空間4とに分かれる。撮影空間3には、撮影部20が設けられ、編集空間4には、画像編集部40が撮影部20に隣接して設置される。撮影空間3及び編集空間4は図示しないサイドカーテンなどにより外部と区分されている。
【0028】
撮影編集装置2の側面には、プレイに対する対価であるコインを受け付けるコイン受付部30が設けられる。コイン受付部30には、コインを投入するためのコイン投入口33
と、受付表示パネル32とが設けられる。コイン投入口33は、コインセレクタに通じている。受付表示パネル32は、図4(a)及び(b)に示すように、写真自動販売装置1の利用案内を表示したり、図4(c)に示すように、撮影空間3の利用状況を表示したりする。
【0029】
写真自動販売装置1を利用する場合、まず利用者は、コイン投入口33にコインを投入する。コインを受け付けると、写真自動販売装置1は受付表示パネル32に、図4(b)に示すような、利用者に撮影空間3への移動を促す案内を表示する。利用者はその案内に従って、装置側面から撮影空間3に入り、撮影部20に向かって撮影操作を行う。撮影終了後、利用者は編集空間4に移動し、今度は画像編集部40に向かって画像編集操作、具体的には、フレーム、スタンプ、ペン書きの文字や図形などの落書き画像を入力する。
【0030】
図1を参照して、撮影部20の正面中央にはカメラ21が設けられ、その下方にはタッチパネルディスプレイ23が設けられ、さらにそれらの周りには照明装置22が設けられる。
【0031】
カメラ21は利用者を被写体として撮影するもので、一般にデジタルカメラが用いられる。カメラ21は複数台設けたり、移動や角度調節をできるようにしたりしてもよい。
【0032】
タッチパネルディスプレイ23は、カメラ21で撮影されている映像をリアルタイムで表示する。さらに、その画面上には透明なタッチパネルが貼り付けられており、タッチパネルを介して利用者の入力操作を受け付ける。
【0033】
照明装置22は、カメラ21の周囲及び天井に設けられ、被写体を照明する。照明装置22はその内部に、蛍光灯などの常灯照明と、ストロボなどの閃光照明(フラッシュ)とを有する。ストロボは、利用者から撮影の開始が指示され、カメラ21が撮影している映像を静止画として取り込む瞬間に発光し、被写体を強く照明する。
【0034】
図2を参照して、画像編集部40は撮影部20と背中合わせに設けられる。画像編集部40は、撮影部20で得られた写真画像と合成される、文字や図形等の編集画像を生成し、写真画像及び編集画像を画像処理して合成画像を生成する。画像編集部40には、2つの編集部41が背中合わせに設けられており、異なる利用者が各編集部41で写真画像を編集できる。
【0035】
各編集部41の正面中央には、タブレットディスプレイ42が設けられる。タブレットディスプレイ42は、カメラ21で撮影された写真画像の中から選択された1又は複数の写真画像を表示する。さらに、その画面上には透明なタッチパネルが貼り付けられており、タブレットディスプレイ42は、タッチパネルに対する利用者の編集操作を受け付ける。タブレットディスプレイ42の両側には、文字や図形といった編集画像をタッチパネル上で入力するためのタッチペン43が設けられる。編集終了後、撮影編集装置2は、編集画像と写真画像とを画像処理して合成画像を生成し、生成された合成画像をプリンタ6に送信する。
【0036】
図2及び図3を参照して、画像編集部40の側面には、印刷部60が設けられ、その内部にプリンタ6が収納される。印刷部60は開閉可能なプリンタドア65を備える。プリンタドア65の裏面には、インクカートリッジの交換時や装置の点検時に利用されるサービスパネル66が備え付けられている。プリンタドア65の正面下部には、写真シールが排出されるシール取出口62が設けられる。
【0037】
印刷部60の正面上部には、シール取出口表示パネル61が設けられる。シール取出口表示パネル61は、図5に示すように、「用紙切れ」ランプ611と、「エラー」ランプ612と、「プリント中」ランプ613とを備え、状況に応じて所定のランプ611〜613が点灯される。
【0038】
[プリンタの構成]
プリンタ6は、たとえば、USBケーブルにより撮影編集装置2と接続され、普通色カラー印刷及び特殊色印刷を実行する。具体的には、プリンタ6は、普通色カラー印刷に重ねて特殊色印刷を行う。
【0039】
図3を参照して、プリンタ6は、印刷部60内に収納される。プリンタ6は、正面にプリンタ表示パネル601と写真シールが排出される排出口602とを備える。プリンタ表示パネル601は、プリンタに異常が発生した場合、その旨を表示する。プリンタ6はまた、正面に記録カード差し込み口603を有する。記録カードは、装填されたインクリボンの種類や、インクリボン及びシール紙の残量等、消耗品に関する情報(以下、装填情報という)を記録する。プリンタ6は、差し込み口603に差し込まれた記録カードから装填情報を取得する。
【0040】
図6を参照して、プリンタ6は、カラー印刷用の普通色インクリボン621が装填される普通色インクカートリッジ622と、金、銀、ラメなどの金属光沢のある特殊色インクリボン623が装填される特殊色インクカートリッジ624とを備える。プリンタ6はさらに、普通色印刷用の普通色印字ヘッド625と、特殊色印刷用の特殊色印字ヘッド626と、シール紙627と、製造された写真シール紙を所定の長さで切断するための切断部628とを備える。
【0041】
普通色インクカートリッジ622には、異なる種類の複数の普通色インクリボン621のうちの1つが装填される。同様に、特殊色インクカートリッジ624には、異なる種類の複数の特殊色インクリボン623のうちの1つが装填される。
【0042】
プリンタ6は、普通色インクリボン621及び特殊色インクリボン623を用いて、撮影編集装置2から送信された合成画像をシール紙627に印刷して写真シールを製造する。製造された写真シールは、切断部628で切断された後、シール取出口62に排出される。
【0043】
2.機能構成
図7を参照して、撮影編集装置2は、装置全体を制御する制御部10と、撮影部20と、コイン受付部30と、画像編集部40と、写真自動販売装置1全体の電力供給源である電源部50と、写真シールを排出する印刷部60と、インターネット網等の外部のネットワークと通信するための通信部70とを備える。各部は、I/Oバス80で相互に接続されている。
【0044】
制御部10は、CPU(Central Processing Unit)101と、撮影編集装置2に所定の処理を実行させるための各制御プログラム、編集処理に必要なグラフィックデータ、音声データ、撮影された写真画像、写真画像を編集するための落書き画像、入力された編集画像等、を記憶するハードディスクドライブ(HDD)102、上述の各制御プログラムの一時的な作業領域となるメモリ103、タッチパネルディスプレイ23にクロマキー合成画像を表示するために利用されるクロマキキャプチャボード104を含む。
【0045】
制御部10は、撮影空間3での撮影処理を実行する。具体的には、制御部10は、撮影処理プログラムに基づいて、利用者の指等のタッチによりタッチパネルディスプレイ23で受け付けた入力操作にしたがって、カメラ21の動作を操作する。また、カメラ21の撮影により得られた写真画像を生成し、タッチパネルディスプレイ23に表示する。
【0046】
制御部10はまた、編集空間4での画像編集処理を実行する。具体的には、制御部10は、編集処理プログラムに基づいて、利用者のタッチペン43でのタッチによりタブレットディスプレイ42で受け付けた入力操作にしたがって、編集画像を生成する。制御部10はさらに、画像処理アプリケーションプログラム(以下、画像処理アプリという)に基づいて、写真画像と編集画像とを画像処理し、合成画像を生成する。生成された合成画像はプリンタ6に送信される。
【0047】
タッチパネルディスプレイ23は、その表示画面上に図示しないタッチパネルが敷設される。タッチパネルディスプレイ23は、利用者の指等の接触を検知し、それに応じた指示信号を制御部10に送信する。タッチパネルディスプレイ23はまた、制御部10から送信された画像、具体的には、カメラ21で撮像された写真画像、撮影のための案内、選択肢などを表示する。照明装置22は、カメラ21のシャッタタイミングに応じて発光するように制御部10により制御される。スピーカ24は、撮影空間3に配備され、制御部10からの指示信号に基づいて、撮影プレイのための操作方法などの案内やBGMなどを出力する。
【0048】
画像編集部40は、複数の編集部41を備える。各編集部41内のタブレットディスプレイ42は、その表示画面上にタブレットが敷設される。タブレットディスプレイ42は、左右のタッチペン43の接触を検知し、それに応じた指示信号を制御部10に送信する。タブレットディスプレイ42は、制御部10から送信された編集画像を写真画像上に重ねて表示する。スピーカ44は、編集空間4に配備され、制御部10からの指示信号に基づいて、編集プレイのための操作方法などの案内やBGMなどを出力する。
【0049】
プリンタ6は、USBケーブル等で撮影編集装置2と接続される。プリンタ6は、CPU651と、ROM及びRAMを含むメモリ652とを備える。メモリ652には、普通色インクカートリッジ622が装填可能な複数の普通色インクリボン621の種類ごとの印刷方法に関する情報が予め記憶されている。また、特殊色インクカートリッジ624が装填可能な複数の特殊色インクリボン623の種類ごとの印刷方法に関する情報も予め記憶されている。ここでいう印刷方法とは、たとえばインクリボンの種類ごとの色調補正の仕方等である。印刷方法は、各インクリボンの種類ごとに設けられたファームウェアとしてメモリ652に記憶されていてもよいし、1つのファームウェアが複数のインクリボンの印刷方法に関する情報を含んでいてもよい。このように、プリンタ6は、各インクカートリッジが装填可能な複数のインクリボンの印刷方法を予め記憶している。そのため、市場の流行が変化しても、印刷方法が記憶されているインクリボンの中から市場の流行に対応したインクリボンを選択して装填すれば、新たなファームウェアやアプリケーションをインストールすることなく、流行の変化に応じた色調の写真シールを印刷できる。
【0050】
3.動作
上述した写真自動販売装置1の動作は次の通りである。
【0051】
写真自動販売装置1は、電源がオンされたときに起動処理を実行する。起動処理を実行した後、対価受付処理、撮影処理、編集処理及び印刷処理をそれぞれ起動する。一方、プリンタ6は、普通色及び特殊色インクリボンを交換したとき、交換により新たに装填されたインクリボンの種類が、対応可能な種類か否かを判断するための異常判断処理を行う。以下、それぞれの動作処理について説明する。
【0052】
3−1.起動処理
まず、写真自動販売装置1の起動処理を説明する。図8及び図9を参照して、電源がオンされたとき、CPU101は、装置内の各機器を初期化する(S1)。続いて、画像処理アプリが対応可能なインクリボンの種類をプリンタ6に通知する(S2)。HDD102には、画像処理アプリが対応可能なインクリボンの種類に関する情報が予め記憶されており、CPU101は、この情報を読み出してプリンタ6に送信する。
【0053】
続いて、CPU101は、プリンタ6に装填された普通色及び特殊色インクリボン(以下、これらを総称して単にインクリボンともいう)及びシール紙に関する装填情報をプリンタ6に問い合わせて取得する(S3)。そして、装填情報に基づいて、インクリボンの交換が必要か否かを判断する(S4)。装填情報には、インクリボンのインク及びシール紙の残量データが含まれ、CPU101は、その残量データに基づいて、インクリボンのインク、シール紙のいずれかが切れたか否かを判断する。インクリボンのインク又はシール紙が切れたと判断したとき、CPU101は、インクリボンの交換が必要であると判断する(S4でYES)。
【0054】
インクリボンの交換が必要であるとき(S4でYES)、CPU101は、図5に示すシール取出口表示パネル61の「用紙切れ」ランプ611を点灯する(S5)。写真自動販売装置1が設置された店舗の従業員等は、「用紙切れ」ランプ611の点灯を見たとき、インクリボン(普通色及び特殊色)と、シール紙とを交換する。なお、このとき、従業員等は、交換されたインクリボンに対応した記録カードをプリンタ6に差し込む。これにより、プリンタ6は新たに装填されたインクリボン及びシール紙に関する装填情報を取得する。
【0055】
店舗の従業員は、新たなインクリボン及びシール紙を交換し終えたとき、インクリボンの交換を完了したことに伴い、プリンタドア65裏面のサービスパネル66のエラー解除スイッチ661を押す。このとき、エラー解除がCPU101に通知される。
【0056】
CPU101は、エラー解除通知を受けたか否かを監視する(S6)。エラー解除通知を受けたとき(S6でYES)、インクリボンの交換が完了しているため、ステップS3に戻って再び装填情報を問い合わせる。
【0057】
一方、ステップS4でインクリボンの交換が不要と判断されたとき(S4でNO)、CPU101は、装填された普通色インクリボンの種類と特殊色インクリボンの種類とをメモリ103に記憶する(S7)。普通色インクリボン及び特殊色インクリボンの種類は、ステップS3で取得された装填情報に含まれている。
【0058】
次に、CPU101は、装填された特殊色インクリボンの種類が、画像処理アプリが対応可能な種類か否かを判断する(S8)。CPU101は、HDD102から画像処理アプリが対応可能なインクリボンの種類を読み出し、装填された特殊色インクリボンの種類が、画像処理アプリが対応可能な種類か否かを判断する。
【0059】
ステップS8の判断の結果、装填された特殊色インクリボンの種類が、画像処理アプリが対応可能な種類でない場合(S8でNO)、図10に示すような、装填された特殊色インクリボンに対応する画像処理アプリのインストールを促す画面を、タブレットディスプレイ42に表示する(S12)。これを見た店舗の従業員は、装填された特殊色インクリボンに対応可能な画像処理アプリをHDD102にインストールする。画像処理アプリがインストールされると(S13)、CPU101は、写真自動販売装置1の再起動を促す案内をタブレットディスプレイ42に表示する(S14)。
【0060】
一方、ステップS8での判断の結果、装填された特殊色インクリボンの種類が、画像処理アプリが対応可能な種類であるとき(S8でYES)、CPU101は続いて、装填された普通色インクリボンの種類が、画像処理アプリの対応可能な種類か否かを判断する(S9)。普通色インクリボンの種類が、画像処理アプリの対応可能な種類と異なる場合(S9でNO)、CPU101は、店舗の従業員等に注意を促すために、シール取出口表示パネル61の「エラー」ランプ612を点灯する(S10)。
【0061】
ステップS9の判断の結果、装填された普通色インクリボンの種類が、画像処理アプリが対応可能な種類であるとき(S9でYES)、CPU101は、メモリ103に格納された稼働停止フラグをオフにする(S15)。稼働停止フラグとは、写真自動販売装置1での利用者のプレイを中断するか否かを判断するためのフラグであり、プレイを中断する必要がある場合、稼働停止フラグはオンされる。稼働停止フラグがオンされたとき、各動作処理は、プレイを中断するための処理を行う。稼働停止フラグについては後述する。
【0062】
稼働停止フラグをオフにした後、CPU101は、対価受付処理プログラム、撮影処理プログラム、編集処理プログラム及び印刷処理プログラムをそれぞれ起動する(S12)。画像処理アプリは印刷処理プログラムに含まれる。これらの処理は、独立に並行して実行される。
【0063】
3−2.インクリボン交換後のプリンタ起動時の異常判断処理
インクリボンのインク及びシール紙のいずれかが切れたとき、インクリボンが交換される。このとき、プリンタ6は、交換され新たに装填されたインクリボンの種類が、適切であるか否かを判断するために異常判断処理を実行する。以下、プリンタ6による異常判断処理の詳細を説明する。
【0064】
図12を参照して、プリンタ6は、プリンタ6が対応可能な普通色及び特殊色インクリボンの種類に関する情報を予めメモリ652に記憶している(S21)。
【0065】
次に、プリンタ6は、図8中のステップS2で撮影編集装置2から通知された、画像処理アプリが対応可能なインクリボンの種類に関する情報を受け付け、メモリ652に記憶する(S22)。
【0066】
続いて、プリンタ6は、新たに装填された普通色及び特殊色インクリボンの種類に関する情報を取得する(S23)。新たに装填された普通色及び特殊色インクリボンの種類は、識別カードに記憶されており、プリンタ6は識別カードから情報を読み出す。なお、識別カードを利用しない場合、インクリボンに記録されるバーコードなどのコードに含まれる情報を読み取り、装填されたインクリボンの種類を取得してもよい。
【0067】
続いて、プリンタ6は、装填されたインクリボンの種類が、プリンタ6が対応可能な種類か否かを判断する(S24)。装填されたインクリボンの種類がプリンタ6の対応可能な種類でないとき、(S24でNO)、プリンタ表示パネル601に、異常である旨を表示する(S27)。
【0068】
一方、装填されたインクリボンの種類が、プリンタ6が対応可能な種類である場合(S24でYES)、プリンタ6はさらに、装填されたインクリボンの種類が、画像処理アプリが対応可能な種類か否かを判断する(S25)。装填されたインクリボンの種類が、画像処理アプリの対応可能な種類でないとき(S25でNO)、ステップS27に進んで、プリンタ表示パネル601に異常である旨を表示する(S27)。装填されたインクリボンの種類が、画像処理アプリが対応可能な種類であるとき(S25でYES)、プリンタ6は、プリンタ表示パネル601に正常である旨を表示する(S26)。
【0069】
以上の動作により、プリンタ6は、新たに装填されたインクリボンの種類について、プリンタ6が対応可能か否かを判断するだけでなく、画像処理アプリが対応可能か否かも判断する。そして、自身が対応可能であっても、画像処理アプリが対応できない場合、プリンタ表示パネル601に異常を表示する。要するに、プリンタ6は、インクリボンの種類の判断結果を、撮影編集装置2の判断結果と合わせる。
【0070】
たとえば、プリンタが特殊色インクリボンA及びBに対応可能であり、画像処理アプリが特殊色インクリボンAのみに対応可能な場合であって、プリンタに新たに装填された特殊色インクリボンがBであるときを想定する。この場合に、プリンタが正常と判断してプリンタ表示パネルにその旨を表示し、撮影編集装置が異常と判断してタブレットディスプレイにその旨を表示すれば、店舗の従業員や利用者は、プリンタ表示部の表示と、タブレットディスプレイ等の表示のいずれが正しいのか判断できない。
【0071】
本実施の形態による写真自動販売装置1は、このような事態を防止するために、プリンタ6に表示される判断結果を、撮影編集装置2に表示される判断結果に合わせる。そのため、店舗の従業員等は、異常を正確に認識でき、必要な場合、新たな画像処理アプリを速やかにインストールすることができる。
【0072】
3−3.対価受付処理
撮影編集装置2は、起動処理を実行した後、対価受付処理を実行する。対価受付処理では、通常は、利用者がプレイするときの対価であるコインを受け付ける。しかしながら、プリンタ6に新たに装填されたインクリボンの種類が、画像処理アプリが対応可能な種類でないとき、対価の受け付けを禁止する。以下、対価受付処理の動作を詳述する。
【0073】
図13を参照して、CPU101は、対価の受付を許可し(S301)、受付表示パネル32に、図4(a)に示す、対価の投入を促す案内画面を表示する(S302)。
【0074】
CPU101は、稼働停止フラグがオンか否か(S303)、及び、所定の対価を受け付けたか否か(S306)を監視する。コイン投入口33にコインが投入されたとき、コインセレクタ31は、投入されたコインの種類およびその枚数を特定し、所定の対価を受け付けたとき、その旨をCPU101に通知する。この通知に基づいて、CPU101は、所定の対価を受け付けたと判断する(S306でYES)。
【0075】
装填されたインクリボンの種類が異常でなければ、稼働停止フラグはオフである(S303でNO)、そのため、所定の対価を受け付けたとき(S306でYES)、CPU101は、対価の受付を禁止し(S307)、メモリ103内のプレイ開始フラグをオンにする(S308)。プレイ開始フラグをオンにすることで、後述する撮影処理が実行可能となり、撮影空間3内で撮影プレイが開始される。ステップS307で対価の受付を禁止するのは、撮影空間3が利用されるため、新たな利用者から対価を受け付けても、新たな利用者に対して直ちに撮影空間3を提供できないためである。
【0076】
プレイ開始フラグをオンにした後、CPU101は、受付表示パネル32に図4(b)に示すような、利用者を撮影空間3に案内する画面を表示する(S309)。そして、所定時間経過した後(S310でYES)、CPU101は、受付表示パネル32に、図4(c)に示すような、撮影プレイ中である旨を表示する(S311)。
【0077】
CPU101は、撮影プレイの間、稼働停止フラグがオンであるか否か(S312)、及び、撮影プレイが終了したか否か(S313)を監視する。稼働停止フラグがオフであり、かつ、撮影プレイが終了したとき(S312でNO、及びステップS313でYES)、CPU101は、ステップS301に戻って対価の受付を許可して(S301)、次の利用者の対価を受け付ける。なお、ステップS303及びS312での判断の結果、稼働停止フラグがオンである場合の処理については後述する。
【0078】
3−4.撮影処理
続いて、撮影プレイ時に実行される撮影処理について詳述する。図14を参照して、CPU101は、写真自動販売装置1の利用を促すタイトルデモ画面をタッチパネルディスプレイ23に表示する(S401)。CPU101は、稼働停止フラグがオンか否か(S402)、プレイ開始フラグがオンか否か(S403)を監視する。稼働停止フラグがオフであるときに、プレイ開始フラグがオンとなった場合(S402でNO、S403でYES)、CPU101は、プレイ開始フラグをオフにした後(S404)、撮影プレイを開始する(S405〜S414)。
【0079】
まず、CPU101は、タッチパネルディスプレイ23に、予め用意された複数の背景画像を表示し、複数の背景画像の中から1つを利用者の操作に応じて選択する(S405)。カメラ21で撮影されている映像(動画)は、クロマキー・キャプチャーボード104によるクロマキー処理等により被写体の部分のみが切り出され、それ以外の部分に選択された背景画像が嵌め込まれてタッチパネルディスプレイ23に表示される。続いて、CPU101は、所定の撮影を実行する(S406)。具体的には、カメラ21が利用者を被写体として撮影して写真画像(静止画)を生成する。利用者は、タッチパネルディスプレイ23に表示される案内に従って複数回の撮影を行う。この間、CPU101は、稼働停止フラグがオンか否かを監視する(S407)。さらにCPU101は、撮影回数が所定回数(たとえば10回)に達したか否かを判断する(S410)。
【0080】
所定回数撮影されていない場合(S410でNO)、CPU101はステップS405に戻って背景画像の選択と撮影とを繰り返す。一方、稼働停止フラグがオフのまま(S407でNO)、撮影回数が所定回数に達したとき(S410でYES)、CPU101は、撮影で得られた全ての写真画像をタッチパネルディスプレイ23に一覧で表示し、その中から所定枚数(たとえば4〜6枚)の写真画像を利用者の操作に応じて選択する(S411)。ここで選択された写真画像が後述する編集処理の対象となる。
【0081】
CPU101は、編集対象となる写真画像を選択した後、撮影終了の案内をタッチパネルディスプレイ23に表示するとともに(S412)、編集開始フラグをオンにする(S413)。これにより、編集プレイの開始が可能となる。
【0082】
編集開始フラグをオンにした後、CPU101は、編集空間4で画像編集するよう促す案内をタッチパネルディスプレイ23に表示する(S414)。その後、CPU101はステップS401に戻って再びタイトルデモ画面を表示する。
なお、ステップS402及びS407での判断の結果、稼働停止フラグがオンである場合の処理については後述する。
【0083】
3−5.編集処理
続いて、編集処理について詳述する。編集処理では、利用者の操作によりタッチペン43で入力される落書きを受け付け、落書き画像や背景画像を含む編集画像を生成する。落書き画像とは、ペン画像や図形画像、スタンプ画像等である。
【0084】
図15を参照して、CPU101は、撮影プレイから始めるよう促すデモ画面をタブレットディスプレイ42に表示しながら(S501)、稼働停止フラグがオンか否か(S502)及び編集開始フラグがオンか否か(S503)を監視する。そして、稼働停止フラグがオフのまま(S502でNO)、編集開始フラグがオンになったとき(S503でYES)、CPU101は、編集開始フラグをオフにして(S504)、編集(落書き)プレイを開始する(S505)。具体的には、撮影された写真画像をタブレットディスプレイ42に表示し、利用者はタッチペン43を使って写真画像に好みの落書きをする。
【0085】
編集(落書き)プレイ中、CPU101は、稼働停止フラグがオンか否かを監視する(S506)。また、CPU101は、落書き開始からの時間の経過を監視し、所定の制限時間(たとえば180秒)が経過したか否かを監視する(S509)。稼働停止フラグがオフのまま、落書き開始から所定の時間が経過したとき(S506でNO、S509でYES)、落書きの受付を終了し、編集プレイを終了する。このとき、写真画像ごとに入力された落書き画像や背景画像を編集画像として固定する。
【0086】
編集画像を固定後、CPU101は、稼働停止フラグがオンか否かを判断し(S510)、稼働停止フラグがオフである場合(S510でNO)、利用者の操作に応じて印刷用の分割レイアウトを選択する(S511)。分割レイアウトは、1枚のシール紙に印刷すべき編集済み写真画像の枚数、配置及びサイズをあらかじめ定めたものである。分割レイアウトの選択処理は、あらかじめ定められた複数の分割レイアウトの中からいずれか1つを選択する。
【0087】
分割レイアウトの選択後、CPU101は、印刷開始フラグをオンにして(S512)、印刷処理の開始を指示する。また、CPU101は、印刷待ち処理を実行する(S513)。印刷待ち処理では、印刷が完了すると見込まれる時間(たとえば90秒)、利用者の退屈感を紛らわすために、所定のプレイ(携帯電話に画像を送信するための電子メールアドレスの入力、写真画像の閲覧、携帯電話の電子メールで使用する画像の作成など)を提供する。
【0088】
所定時間が経過すると、CPU101は、編集の終了を知らせるとともに、写真シールが排出されるシール取出口62へ利用者を促す画面をタブレットディスプレイ42に表示する(514)。その後、CPU101はステップS501に戻って再びタイトルデモ画面を表示する。
なお、ステップS502、S506及びS510での判断の結果、稼働停止フラグがオンである場合の処理については後述する。
【0089】
3−6.印刷処理
印刷処理では、写真画像及び編集画像をインクリボンの種類に対応した画像処理を実行し、合成画像を作成する。そして、プリンタ6に合成画像の印刷を指示する。印刷処理では、装填されたインクリボンの種類に対応できない画像処理で合成画像を作成しないように、画像処理を実行する前にインクリボンの交換の必要性を確認する。以下、印刷処理について詳述する。
【0090】
図16及び図17を参照して、CPU101は、印刷開始フラグがオンか否かを監視し(S601)、印刷開始フラグがオンになったとき(S601でYES)、印刷処理を開始する。
【0091】
CPU101はまず、装填情報を問い合わせる(S602)。CPU101は、装填情報に基づいて、インクリボンの交換が必要か否かを判断する(S603)。
【0092】
CPU101は、印刷処理を開始するごとにプリンタ6に装填情報を問い合わせてもよい。この場合、装填情報は、たとえば、プリンタ6に現在装填されている普通色及び特殊色インクリボンの種類と、インクリボン及びシール紙のいずれかが切れた場合はその旨の情報とを含む。また、CPU1010は、インクリボンが交換された後に1回プリンタ6に問い合わせて装填情報を取得し、取得された装填情報をメモリ103に記憶しておき、印刷処理を開始するごとにメモリ103に記憶された装填情報を読み出してステップS603の判断を実行してもよい。この場合、装填情報は、プリンタ6に現在装填されている普通色及び特殊色インクリボンの種類と、各インクリボンの残量及びシール紙の残量とを含む。
【0093】
インクリボン及び/又はシール紙が切れているためにインクリボンの交換が必要であるとき(S603でYES)、CPU101は、シール取出口表示パネル61の「用紙切れ」ランプ611を点灯し(S608)、店舗の従業員等にインクリボン及びシール紙の交換を促す。従業員等は、プリンタ6に新たなインクリボン及びシール紙を装填したとき、新たに装填されたインクリボンに対応した装填情報を記録した記録カードをプリンタ6に差し込む。プリンタ6は、新たに装填されたインクリボンに対応した装填情報を記録カードから取得する。これにより、プリンタ6は、撮影編集装置2の問い合わせに応じて、装填情報を送信できる。なお、インクリボンを交換した後、プリンタ6は、図12に示す上述の異常判断処理を実行する。
【0094】
従業員等は、インクリボンの交換の完了に伴って、エラー解除スイッチ661を押す。これにより、CPU101にエラー解除が通知される。CPU101は、エラー解除の通知を受けたとき(S609でYES)、ステップS602に戻ってプリンタ6に装填情報を再度問い合わせ、装填情報を取得する(S602)。これにより、ステップS603でインクリボンの交換は不要と判断され(S603でNO)、ステップS604以降に進んで画像処理を実行する。
【0095】
以上のとおり、写真自動販売装置1は、画像処理を実行して合成画像を生成する前に、インクリボンの交換が必要か否かを判断する。そして、交換が必要な場合、インクリボンの交換が完了し、エラー解除通知を受けた後、画像処理を実行する。画像処理を実行した後にインクリボンが交換されれば、生成された合成画像が、交換後のインクリボンに対応していない場合が生じる。この場合、合成画像をプリンタ6に送信しても、印刷できなかったり、タブレットディスプレイ42に表示された写真画像と色調の異なる写真シールが生成されたりする。インクリボンを交換後、画像処理をやり直す方法も考えられるが、その場合、画像処理を2回行う必要がある。
【0096】
本実施の形態による写真自動販売装置1は、画像処理を実行する前にインクリボンの交換が必要か否かを判断する。そのため、上述の問題を回避でき、無駄な画像処理が実行されるのを抑えることができる。つまり、やり直すことにより画像処理を2回行う必要がなく、1回で済む。
【0097】
ステップS603で、インクリボンの交換が不要と判断されたとき(S603でNO)、CPU101は、装填情報内の普通色及び特殊色インクリボンの種類をメモリ103に記憶する(S604)。そして、画像処理アプリが各インクリボンの種類に対応しているか否かを確認する(S605、S610)。画像処理アプリが対応可能なインクリボンの種類は、HDD102に記憶されている。
【0098】
まず、CPU101は、プリンタ6に装填されている特殊色インクリボンの種類が、画像処理アプリが対応可能な種類か否かを判断する(S605)。メモリ103に記憶された特殊色インクリボンの種類が、画像処理アプリが対応可能な種類であるとき(S605でYES)、CPU101はさらに、プリンタ6に装填されている普通色インクリボンの種類が、画像処理アプリの対応可能な種類か否かを判断する(ステップS610及びS611)。
【0099】
CPU101は、装填された普通色インクリボンの種類が、画像処理アプリが対応可能な種類aであると判断したとき(S610でYES)、種類aに対応した画像処理方法で写真画像及び編集画像を加工し、合成画像を生成する(S613)。また、装填された普通色インクリボンの種類が、画像処理アプリが対応可能な種類bである場合(S610でNO、S611でYES)、CPU101は、種類bに対応した画像処理方法で写真画像及び編集画像を加工し、合成画像を生成する(S614)。
【0100】
画像処理を完了した後、CPU101は、ステップS511で選択された分割レイアウトに従って、所定のレイアウトに画像処理された画像を組み込み、印刷用データを作成する(S615)。そして、作成された印刷用データ及び印刷指示をプリンタ6に送信する(S616)。印刷用データ及び印刷指示を送信後、CPU101は、シール取出口表示パネル61内の「プリント中」ランプ613を点灯する(S617)。図5に示すとおり、「プリント中」ランプ613は、複数の編集部41の各々に対応して設けられ、編集プレイが実行された編集部41に対応したランプ613が点灯される。
【0101】
ランプ613を点灯後、CPU101は、印刷の終了を監視する(S618)。プリンタ6は、送信された印刷用データをシール紙に印刷する。印刷が終了したとき、プリンタ6は終了通知をCPU101に出力する。CPU101は、終了通知を受けたとき、印刷が終了したと判断し(S618でYES)。シール取出口表示パネル61の「プリント中」ランプ613を消灯する(S619)。以上の結果、製造された写真シールはシール取出口62から利用者に提供される。
【0102】
なお、装填された普通色インクリボンの種類が画像処理アプリの対応可能な種類でないとき(S610でNO及びS611でNO)、CPU101は、シール取出口表示パネル61内のエラーランプ612を点灯する。
【0103】
4.画像処理アプリが装填された特殊色インクリボンの種類に対応できない場合
上述のとおり、プリンタ6に装填された特殊色インクリボンの種類が、画像処理アプリの対応可能な種類か否かの判断は、印刷処理のステップS605で実行される。通常、画像処理アプリは、特定の特殊色インクリボンの種類に対応している。具体的には、特殊色インクリボンの種類に応じて、落書きのアイテムが変更されたり、色調補正方法が変更されたりする。そのため、装填された特殊色インクリボンの種類が、現在インストールされている画像処理アプリの対応可能な種類でないとき、撮影処理や編集処理が実行されても写真シールを製造することができない。
【0104】
そこで、装填された特殊色インクリボンの種類が画像処理アプリの対応可能な種類でないとき、CPU101は、稼働停止フラグをオンする。稼働停止フラグがオンされたとき、各動作処理(対価受付処理、撮影処理及び編集処理)は、プレイを中断して利用者が無駄な時間を費やすのを防ぐ。
【0105】
ステップS605の判断の結果、装填された特殊色インクリボンの種類が、画像処理アプリの対応可能な種類でないとき(S605でNO)、CPU101は、稼働停止フラグをオンにして(S606)、シール取出口表示パネル61内の「エラー」ランプ612を点灯する(S607)。
【0106】
画像処理アプリが、装填された特殊色インクリボンの種類に対応できない場合、装填された特殊色インクリボンに対応可能な画像処理アプリを新たにインストールし、かつ、装置を再起動しなければならない。そのため、稼働停止フラグがオンされたとき、CPU101は、新たな利用客による利用を禁止する。また、撮影処理及び/又は編集処理が実行中の利用者に、プレイの中断を案内する。以下、これらの事項を説明する。
【0107】
[稼働停止フラグがオンされたときの対価受付処理]
図13を再び参照して、撮影空間3が利用される前に稼働停止フラグがオンされたとき(S303でYES)、CPU101は、対価の受付を禁止し(S304)、図18に示すエラー表示画面を受付表示パネル32に表示する(S305)。また、撮影空間3が利用されているとき、CPU101は対価の受付を禁止するが(S307)、撮影が終了する前に稼働停止フラグがオンになったとき(S312でYES)、ステップS305に進み、対価の受付を禁止したまま、受付表示パネル32に図18の画面を表示する。以上の動作により、新たな利用者によりプレイが開始されるのを防止する。そのため、利用者が写真シールを得ることができないのにプレイを開始することによって生じる無駄な時間を排除でき、店舗の損害(返金)も極力抑えることができる。
【0108】
[稼働停止フラグがオンされたときの撮影処理]
図14を再び参照して、CPU101は、プレイ開始フラグがオンになる前、つまり、撮影処理が開始される前に、稼働停止フラグがオンとなったとき(S402でYES)、図11に示すエラー画面をタッチパネルディスプレイ23に表示して、画像処理アプリのインストールを促す(S415)。
【0109】
一方、撮影処理を実行中に稼働停止フラグがオンになったとき(S407でYES)、CPU102は、図19に示すような、撮影プレイを中断する案内画面をタッチパネルディスプレイ23に表示する(S408)。このとき、CPU101は、図19に示すように、撮影プレイの継続又は中断を選択するためのボタン421及び422を表示し、ユーザにボタンの選択を促す。そして、ユーザ操作に応じて、撮影プレイの中断又は継続を選択する(S409)。
【0110】
画像処理アプリが装填された特殊色インクリボンに対応できない場合、装填された特殊色インクリボンに対応可能な画像処理アプリを新たにインストールしなければ、装填された特殊色インクリボンに対応した編集処理が実行できない。そのため、撮影プレイを継続しても、利用者は、撮影された写真画像の写真シールを得ることができない。そこで、時間を無駄にしたくない利用者は、撮影プレイを中断するために、図19に示した画面中の「はい」ボタン421を選択する。このとき、CPU101は、撮影プレイを中断すると判断し(S409でYES)、図11に示すエラー画面を表示する(S415)。
【0111】
一方、撮影された写真画像の写真シールを得ることができないとわかっていても、撮影プレイを継続して楽しみたい利用者もいる。撮影プレイを楽しみたい利用者は、図19に示した画面中の「いいえ」ボタン422を選択する。このとき、CPU101は、撮影プレイを継続すると判断し(S409でNO)、ステップS410に進む。
【0112】
以上のとおり、撮影プレイ中に稼働停止フラグがオンされたとき、プレイ中断の案内をタッチパネルディスプレイ23に表示する。これにより、利用者は、撮影を継続しても写真シールが得られないことを知ることができ、そのまま継続してプレイすることにより無駄な時間が発生するのを防止できる。
【0113】
なお、図14では、ステップS405〜S410の間、つまり、利用者を撮影している間に、CPU101が稼働停止フラグを監視したが(S407〜S409)、ステップS411〜414の間にステップS407〜S409の処理を実行してもよい。
【0114】
[稼働停止フラグがオンされたときの編集処理]
稼働停止フラグがオンされたときの編集処理は、上述の撮影処理での動作と同様である。図15を再び参照して、編集プレイが開始される前に稼働停止フラグがオンされたとき(S502でYES)、及び、編集プレイが終了した後に稼働停止フラグがオンされたとき(S510でYES)、図11に示すエラー画面をタブレットディスプレイ42に表示する(S515)。
【0115】
一方、編集プレイ中に稼働停止フラグがオンされたとき(S506でYES)、タブレットディスプレイ42に表示されている編集画面の端に、プリンタの異常を示すアイコンを点滅させながら表示する(S507)。さらにこのとき、CPU101は、プリンタに異常が発生した旨、及び、点滅しているアイコンをタッチすれば編集処理が中断する旨を、スピーカ44を介して音声で利用者に案内する。利用者の操作により、点滅しているアイコンがタッチされたとき、CPU101は、編集プレイの中断を選択し(S508でYES)、図11に示すエラー画面をタブレットディスプレイ42に表示する。一方、アイコンがタッチされなければ(ステップS508でNO)、ステップS509に進み、編集プレイを継続する。
【0116】
以上のとおり、編集プレイ中に起動フラグがオンされたとき、撮影処理での動作と同様に、プレイ中断の案内をタブレットディスプレイ42に表示する。これにより、利用者は、編集プレイを継続しても写真シールが得られないことを知ることができ、そのまま継続してプレイすることにより無駄な時間が発生するのを防止できる。
【0117】
なお、上述では、特殊色インクリボンの種類が画像処理アプリの対応可能な種類と異なる場合に稼働停止フラグをオンするとしたが、普通色インクリボンの種類が画像処理アプリの対応可能な種類と異なる場合に、稼働停止フラグをオンしてもよい。
【0118】
5.第2の実施の形態
上述の第1の実施の形態では、プリンタ6は、装填されたインクリボンの種類が自身の対応可能な種類か否かを判断するだけでなく、画像処理アプリが対応可能な種類か否かも判断することで、プリンタ6に表示される判断結果を、撮影編集装置2に表示される判断結果と合わせ、表示結果の不一致の発生を防止した。
【0119】
ところで、普通色インクリボンの場合、画像処理アプリの対象外の種類であっても、色調が多少変わるものの、写真シール紙に印刷可能な場合がある。この場合、新たな画像処理アプリをインストールするためにプレイを中断するよりも、利用者がプレイを継続する方を優先するのが好ましい。したがってこの場合、撮影編集装置2は、画像処理アプリが対応していないインクリボンであっても、異常である旨をタッチパネルディスプレイ23やタブレットディスプレイ42に表示せず、撮影処理や編集処理を継続するのが好ましい。
【0120】
以下、第2の実施の形態による写真自動販売装置の印刷処理を説明する。説明を容易にするために、プリンタ6が普通色インクリボンのみを搭載し、普通色印刷のみを実施し、普通色インクリボンの種類a及び種類bに対応可能であると仮定する。また、撮影編集装置2内の画像アプリは、普通色インクリボンの種類aに対応していると仮定する。なお、撮影編集装置2の対価受付処理、撮影処理、編集処理は第1の実施の形態と同じである。
また、本実施の形態では、プリンタ6は、異常判断処理において、図12中のステップS22及びS25を除く他の動作を実行する。要するに、プリンタ6は、装填された普通色インクリボンが自身の対応可能な種類か否かのみを判断する。
【0121】
本実施の形態による撮影編集装置2は、プリンタ6が対応可能な普通色インクリボンの種類a及びbをHDD102に予め記憶している。また、画像処理アプリが対応可能なインクリボンの種類aもHDD102に予め記憶している。
【0122】
図20を参照して、ステップS601〜S603、S608及びS609での動作は、上述の第1の実施の形態での印刷処理と同じである。CPU101は、インクリボンの交換が不要と判断したとき(S603でNO)、装填された普通色インクリボンの種類を取得し、メモリ103に記憶する(S630)。
【0123】
続いて、CPU101は、装填された普通色インクリボンの種類が、プリンタ6が対応可能な種類か否かを判断する(S631)。このとき、CPU101は、HDD102に予め記憶された、プリンタ6が対応可能な普通色インクリボンの種類を読み出し、装填された普通色インクリボンの種類と比較する。
【0124】
CPU101が、装填された普通色インクリボンの種類が、プリンタ6が対応可能な種類でない(たとえば種類c)と判断したとき(S631でNO)、シール取出口表示パネル61内のエラーランプ612を点灯し(S634)、ステップS609に進む。このとき、プリンタ6も、装填されたインクリボンの種類が、自身が対応可能なインクリボンの種類ではないと判断し、プリンタ表示パネル601に異常を表示する(S27)。
【0125】
一方、ステップS631での判断の結果、装填された普通色インクリボンの種類が、プリンタ6が対応可能な種類a又はbであるとき(S631でYES)、CPU101は次に、装填された普通色インクリボンの種類が、画像処理アプリが対応している種類aか否かを判断する(S632)。
【0126】
ステップS632での判断の結果、装填された普通色インクリボンの種類が、画像処理アプリが対応している種類aであるとき(S632でYES)、装填された普通色インクリボンに対応した画像処理アプリで、画像処理を実行し、写真画像及び編集画像を加工する(S635)。S635以降のステップS615〜S619の動作は第1の実施の形態での印刷処理と同じである。
【0127】
一方、ステップS632での判断の結果、装填された普通色インクリボンの種類がbであり、画像処理アプリが対応している種類aでない場合であっても(S632でNO)、既存の種類aに対応した画像処理アプリで画像処理を実行する(S635)。この場合、画像処理アプリが、装填されたインクリボンの種類bに対応していないため、最適な画像処理(色調補正等)はできない。しかしながら、多少の色調のずれはあるものの、生成された合成画像に基づいて写真シールを製造できる。したがってこの場合、印刷処理が継続される。
【0128】
要するに、本実施の形態では、装填された普通色インクリボンの種類が、画像処理アプリの対応している種類でないからといって、稼働停止フラグをオンにしない。そのため、タッチパネルディスプレイ23及びタブレットディスプレイ42は異常を示す表示画面を表示せず、エラーランプ612も点灯しない。一方、この場合、プリンタ6も異常判断処理において正常と判断する。要するに、撮影編集装置2は、インクリボンの判断結果をプリンタ6の判断結果に合わせる。これにより、装填された普通色インクリボンの種類が画像処理アプリの対応している種類でなくても、ディスプレイ23及び42に異常である旨の表示がされないため、利用者は、通常どおりプレイを継続して写真シールを得ることができる。
【0129】
しかしながら、実際には、画像処理アプリが装填されたインクリボンに対応していないため、装填された普通色インクリボンの種類bに対応した画像処理アプリを新たにインストールした方が好ましい。そのため、CPU101は、ステップS632でNOと判断したとき、受付表示パネル32に図21に示すアイコンを表示する(S633)。これにより、店舗の従業員は、新たな画像処理アプリのインストールが必要であると判断でき、利用者のいないタイミングで、新たな画像処理アプリをインストールすることができる。
【0130】
以上の説明では、画像処理アプリの対象外のインクリボンが装填された場合の処理について説明したが、このような誤ったインクリボンの装填を事前に防ぐ方が好ましい。たとえば、交換用のインクリボンが梱包されたパッケージにインクリボンの種類を示すコードを印刷しておく。そして、待機時又はインクリボン交換時のタッチパネルディスプレイ23、タブレットディスプレイ42の表示画面に、画像処理アプリが対応するインクリボン種類のコードを表示する。このようにすれば、インクリボン交換時に、従業員が、画像処理アプリに対応していないインクリボンのパッケージを開封し、交換するのを抑制できる。
【0131】
以上、本発明の実施の形態を説明したが、上述した実施の形態は本発明を実施するための例示に過ぎない。よって、本発明は上述した実施の形態に限定されることなく、その趣旨を逸脱しない範囲内で上述した実施の形態を適宜変形して実施することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0132】
【図1】本発明の第1の実施の形態による写真自動販売装置の撮影空間側からみた斜視図である。
【図2】図1に示した写真自動販売装置の編集空間側からみた斜視図である。
【図3】図2中の印刷部及び印刷部内に格納されたプリンタの斜視図である。
【図4】図1中の写真自動販売装置の受付表示パネルに表示される表示画面の一例である。
【図5】図2及び図3中のシール取出口表示ランプの正面図である。
【図6】図3中のプリンタの断面図である。
【図7】図1〜図3に示した写真自動販売装置の機能構成を示すブロック図である。
【図8】図1〜図3に示した写真自動販売装置の起動処理の動作を示すフロー図である。
【図9】図7の起動処理の続きを示すフロー図である。
【図10】図9中のステップS12でタブレットディスプレイに表示される画面の一例を示す図である。
【図11】図14中のステップS415でタッチパネルディスプレイに表示される画面の一例を示す図である。
【図12】図1〜図3に示した写真自動販売装置に含まれるプリンタの異常判断処理の動作を示すフロー図である。
【図13】図1〜図3に示した写真自動販売装置の対価受付処理の動作を示す図である。
【図14】図1〜図3に示した写真自動販売装置の撮影処理の動作を示すフロー図である。
【図15】図1〜図3に示した写真自動販売装置の編集処理の動作を示すフロー図である。
【図16】図1〜図3に示した写真自動販売装置の印刷処理の動作を示すフロー図である。
【図17】図16の印刷処理の続きを示すフロー図である。
【図18】図13中のステップS305で受付表示パネルに表示される画面の一例を示す図である。
【図19】図14中のステップS408でタッチパネルディスプレイに表示される画面の一例を示す図である。
【図20】本発明の第2の実施の形態による写真自動販売装置の印刷処理の動作を示すフロー図である。
【図21】図20中のステップS633で受付表示パネルに表示されるアイコンの一例を示す図である。
【符号の説明】
【0133】
1 写真自動販売装置
2 撮影編集装置
6 プリンタ
23 タッチパネルディスプレイ
32 受付表示パネル
40 画像編集部
42 タブレットディスプレイ
61 シール取出口表示パネル
101,651 CPU
102 HDD
103,652 メモリ
661 エラー解除スイッチ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮影編集装置と、前記撮影編集装置に接続される印刷装置とを備えた写真自動販売装置であって、
前記撮影編集装置は、
被写体を撮影して写真画像を生成する撮影手段と、
前記写真画像に合成される編集画像を生成する編集手段と、
前記写真画像及び編集画像を画像処理して合成画像を生成する画像処理手段とを備え、
前記印刷装置は、
種類の異なる複数のインクリボンのうちのいずれか1つを装填可能なインクカートリッジと、
前記複数のインクリボンの種類ごとに設定された印刷方法を記憶する手段と、
前記インクカートリッジに装填されたインクリボンの種類に対応する印刷方法で、前記合成画像を印刷する印刷手段とを備えることを特徴とする写真自動販売装置。
【請求項2】
請求項1に記載の写真自動販売装置であって、
前記撮影編集装置はさらに、
前記インクカートリッジに装填されたインクリボンの種類を前記印刷装置から取得する手段と、
前記装填されたインクリボンの種類が、前記画像処理手段が対応可能な種類でないとき、その旨を表示する第1の表示手段とを備え、
前記印刷装置はさらに、
前記画像処理手段が対応可能なインクリボンの種類を前記撮影編集装置から取得する手段と、
前記装填されたインクリボンの種類が、前記画像処理手段が対応可能な種類でないとき、その旨を表示する第2の表示手段とを備えることを特徴とする写真自動販売装置。
【請求項3】
請求項2に記載の写真自動販売装置であって、
前記撮影編集装置はさらに、
対価を受け付ける対価受付手段と、
前記装填されたインクリボンの種類が、前記画像処理手段が対応可能な種類でないとき、前記対価受付手段の対価の受け付けを禁止する受付禁止手段とを備えることを特徴とする写真自動販売装置。
【請求項4】
請求項3に記載の写真自動販売装置であって、
前記第1の表示手段は、前記撮影編集装置の外部に取り付けられることを特徴とする写真自動販売装置。
【請求項5】
請求項4に記載の写真自動販売装置であって、
前記撮影編集装置はさらに、
前記撮影手段が処理を実行しているときに前記生成された写真画像を表示する撮影表示手段と、
前記編集手段が処理を実行しているときに前記写真画像及び編集画像を表示する編集表示手段とを備え、
前記撮影表示手段及び/又は前記編集表示手段は、前記装填されたインクリボンの種類が、前記画像処理手段が対応可能な種類でないとき、プレイの中断案内を表示することを特徴とする写真自動販売装置。
【請求項6】
請求項1に記載の写真自動販売装置であって、
前記撮影編集装置はさらに、
前記画像処理手段が画像処理を実行する前に、前記印刷装置に装填されたインクリボンの交換が必要か否かを判断する交換時期判断手段を備え、
前記画像処理手段は、前記インクリボンの交換が不要と判断されたとき、画像処理を実行し、前記インクリボンの交換が必要と判断されたとき、前記インクリボンの交換完了に伴う通知を受けた後、画像処理を実行することを特徴とする写真自動販売装置。
【請求項7】
請求項1に記載の写真自動販売装置であって、
前記撮影編集装置はさらに、
前記印刷装置が対応可能なインクリボンの種類を記憶する記憶手段と、
前記装填されたインクリボンの種類を前記印刷装置から取得する手段と、
前記装填されたインクリボンの種類が、前記印刷装置が対応可能な種類でないとき、その旨を表示する本体表示手段とを備え、
前記印刷装置はさらに、
前記装填されたインクリボンの種類が、自身が対応可能な種類でないとき、その旨を表示するプリンタ表示手段とを備えることを特徴とする写真自動販売装置。
【請求項8】
請求項7に記載の写真自動販売装置であって、
前記記憶手段はさらに、前記画像処理手段が対応しているインクリボンの種類を記憶し、
前記撮影編集装置はさらに、
前記写真自動販売装置の外部に取り付けられ、前記装填されたインクリボンの種類が、前記画像処理手段が対応している種類でないとき、その旨を表示する外部表示手段を備えることを特徴とする写真自動販売装置。
【請求項9】
種類の異なる複数のインクリボンのうちのいずれか1つを装填可能なインクカートリッジを含む印刷装置を備えた写真自動販売装置を用いた写真シール製造方法であって、
被写体を撮影して写真画像を生成する工程と、
前記写真画像に合成される編集画像を生成する工程と、
前記写真画像及び編集画像を画像処理して合成画像を生成する工程と、
前記複数のインクリボンの種類ごとに設定された印刷方法を記憶する工程と、
前記インクカートリッジに装填されたインクリボンの種類に対応する印刷方法で、前記合成画像を印刷する工程とを備えることを特徴とする写真シールの製造方法。
【請求項1】
撮影編集装置と、前記撮影編集装置に接続される印刷装置とを備えた写真自動販売装置であって、
前記撮影編集装置は、
被写体を撮影して写真画像を生成する撮影手段と、
前記写真画像に合成される編集画像を生成する編集手段と、
前記写真画像及び編集画像を画像処理して合成画像を生成する画像処理手段とを備え、
前記印刷装置は、
種類の異なる複数のインクリボンのうちのいずれか1つを装填可能なインクカートリッジと、
前記複数のインクリボンの種類ごとに設定された印刷方法を記憶する手段と、
前記インクカートリッジに装填されたインクリボンの種類に対応する印刷方法で、前記合成画像を印刷する印刷手段とを備えることを特徴とする写真自動販売装置。
【請求項2】
請求項1に記載の写真自動販売装置であって、
前記撮影編集装置はさらに、
前記インクカートリッジに装填されたインクリボンの種類を前記印刷装置から取得する手段と、
前記装填されたインクリボンの種類が、前記画像処理手段が対応可能な種類でないとき、その旨を表示する第1の表示手段とを備え、
前記印刷装置はさらに、
前記画像処理手段が対応可能なインクリボンの種類を前記撮影編集装置から取得する手段と、
前記装填されたインクリボンの種類が、前記画像処理手段が対応可能な種類でないとき、その旨を表示する第2の表示手段とを備えることを特徴とする写真自動販売装置。
【請求項3】
請求項2に記載の写真自動販売装置であって、
前記撮影編集装置はさらに、
対価を受け付ける対価受付手段と、
前記装填されたインクリボンの種類が、前記画像処理手段が対応可能な種類でないとき、前記対価受付手段の対価の受け付けを禁止する受付禁止手段とを備えることを特徴とする写真自動販売装置。
【請求項4】
請求項3に記載の写真自動販売装置であって、
前記第1の表示手段は、前記撮影編集装置の外部に取り付けられることを特徴とする写真自動販売装置。
【請求項5】
請求項4に記載の写真自動販売装置であって、
前記撮影編集装置はさらに、
前記撮影手段が処理を実行しているときに前記生成された写真画像を表示する撮影表示手段と、
前記編集手段が処理を実行しているときに前記写真画像及び編集画像を表示する編集表示手段とを備え、
前記撮影表示手段及び/又は前記編集表示手段は、前記装填されたインクリボンの種類が、前記画像処理手段が対応可能な種類でないとき、プレイの中断案内を表示することを特徴とする写真自動販売装置。
【請求項6】
請求項1に記載の写真自動販売装置であって、
前記撮影編集装置はさらに、
前記画像処理手段が画像処理を実行する前に、前記印刷装置に装填されたインクリボンの交換が必要か否かを判断する交換時期判断手段を備え、
前記画像処理手段は、前記インクリボンの交換が不要と判断されたとき、画像処理を実行し、前記インクリボンの交換が必要と判断されたとき、前記インクリボンの交換完了に伴う通知を受けた後、画像処理を実行することを特徴とする写真自動販売装置。
【請求項7】
請求項1に記載の写真自動販売装置であって、
前記撮影編集装置はさらに、
前記印刷装置が対応可能なインクリボンの種類を記憶する記憶手段と、
前記装填されたインクリボンの種類を前記印刷装置から取得する手段と、
前記装填されたインクリボンの種類が、前記印刷装置が対応可能な種類でないとき、その旨を表示する本体表示手段とを備え、
前記印刷装置はさらに、
前記装填されたインクリボンの種類が、自身が対応可能な種類でないとき、その旨を表示するプリンタ表示手段とを備えることを特徴とする写真自動販売装置。
【請求項8】
請求項7に記載の写真自動販売装置であって、
前記記憶手段はさらに、前記画像処理手段が対応しているインクリボンの種類を記憶し、
前記撮影編集装置はさらに、
前記写真自動販売装置の外部に取り付けられ、前記装填されたインクリボンの種類が、前記画像処理手段が対応している種類でないとき、その旨を表示する外部表示手段を備えることを特徴とする写真自動販売装置。
【請求項9】
種類の異なる複数のインクリボンのうちのいずれか1つを装填可能なインクカートリッジを含む印刷装置を備えた写真自動販売装置を用いた写真シール製造方法であって、
被写体を撮影して写真画像を生成する工程と、
前記写真画像に合成される編集画像を生成する工程と、
前記写真画像及び編集画像を画像処理して合成画像を生成する工程と、
前記複数のインクリボンの種類ごとに設定された印刷方法を記憶する工程と、
前記インクカートリッジに装填されたインクリボンの種類に対応する印刷方法で、前記合成画像を印刷する工程とを備えることを特徴とする写真シールの製造方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【公開番号】特開2008−273017(P2008−273017A)
【公開日】平成20年11月13日(2008.11.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−118772(P2007−118772)
【出願日】平成19年4月27日(2007.4.27)
【出願人】(591237685)株式会社メイクソフトウェア (137)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年11月13日(2008.11.13)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年4月27日(2007.4.27)
【出願人】(591237685)株式会社メイクソフトウェア (137)
【Fターム(参考)】
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