説明

冷え性改善用組成物

【課題】 優れた冷え性改善効果を有することに加え、安全性及び実用性が高いことから飲食品、飼料、医薬部外品、医薬品等に幅広く使用可能な冷え性改善用組成物を提供すること。
【解決手段】 アムラー果実、アムラー果汁、アムラー果実の抽出物及びアムラー果汁の抽出物からなる群から選択される少なくとも1つを、有効成分として含有することを特徴とする冷え性改善用組成物。アムラーとは、エンビリカ・オフィシナル(Emblica officinale)、または、フィランサス・エンブリカ(Phyllanthus embilica)という学名をもつ植物のことであり、原産地がインドであると考えられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アムラー果実、果汁等を含有する冷え性改善用組成物、及びそれを含有する飲食品、医薬部外品、医薬品に関するものである。
【背景技術】
【0002】
冷え性とは、冷え症ともいい、一般的には、「手足や腰などがいつも冷たく感じる症状。また、その体質」のことであり、冷え性の原因としては幾つかの理由が考えられている。
【0003】
冷え性の主な原因の1つは、抹消血管(いわゆる毛細血管)の血管障害であるといわれている。
【0004】
「ドロドロ血」といわれる、「血」がドロドロ、ネバネバの状態になって、血液による栄養の補給や、老廃物の排出が滞っている状態や、自律神経失調により、血管の拡張や収縮をつかさどる交感神経、副交感神経の調整が上手くできなくなって、手足の先の血行が悪くなっている状態があげられる。
【0005】
その他、貧血、低血圧などの理由により、手足の先の細い血管に血が流れにくくなるので冷えを感じるといわれている。
【0006】
また、熱を生み出す力が弱まり、寒さに対しての抵抗力が減るので、身体が冷えやすくなることもその理由としてあげられている。
【0007】
冷え性の改善方法は、主に血流障害の改善をその重要な作用機序の1つとしている。
【0008】
血流を良くする入浴法の他、血流を改善する可能性のある食品・食品成分は多数報告されており、その具体例を挙げると、梅干し、梅肉エキス(例えば、特許文献1参照)、黒酢(例えば、特許文献1参照)、ダッタンそば等がある。しかしながら、これらはいずれも素材特有の風味が強いことから、実用的な視点から食品等に幅広く応用することが困難であった。
【0009】
【特許文献1】特開平11−228561号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
ところで、たとえ冷え性を改善する効果が期待できる食品・食品成分を見出したとしても、風味や性状等に難点がある場合には、結局、幅広く食品等に応用することができない。従って、実用性の観点から、風味や性状等に難点が少ないものであることが望ましい。さらには、安全性の観点から、仮に大量に摂取したとしても強い副作用を誘発するおそれがないものであることが望ましい。
【0011】
本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、優れた冷え性改善効果を有することに加え、安全性及び実用性が高いことから飲食品、医薬部外品、医薬品等に幅広く使用可能な冷え性改善用組成物を提供することにある。また、本発明の別の目的は、上記の優れた冷え性改善用組成物を含有する飲食品、医薬部外品、医薬品を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
そこで本願発明者らは、様々な天然植物のなかから冷え性改善成分を探す目的で、多角的に研究、検討した結果、「アムラー」と呼ばれる植物の果実や果汁に優れた冷え性改善効果があることを新規に知見した。そこで、本願発明者らはこの新規な知見をさらに発展させ、下記の発明を完成させるに到った。
【0013】
即ち、請求項1に記載の発明は、アムラー果実、アムラー果汁、アムラー果実の抽出物及びアムラー果汁の抽出物からなる群から選択される少なくとも1つを、有効成分として含有することを特徴とする冷え性改善用組成物をその要旨とする。この組成物は、血液の流動性を改善する優れた効果を有するため、血行障害の発生を防止することができ、しいては冷え性の改善ができる。しかも、この組成物は、長期にわたり人間に摂取されてきた実績のある天然植物に由来するものであって、仮に大量に摂取したとしても強い副作用を誘発するおそれがなく、安全性が高い。また、アムラーは酸味を有するが、風味に関して難点が少なく、同様に性状についても難点が少ない。そのため、当該組成物は、実用性が高く、飲食品、医薬部外品、医薬品等に幅広く使用することができる。
【0014】
請求項2に記載の発明は、請求項1において、前記抽出物は、アムラー果実及びアムラー果汁からなる群から選択される少なくとも1つを、非有機溶媒で抽出したものであることをその要旨とする。
【0015】
請求項3に記載の発明は、請求項1または2において、前記抽出物の有機溶媒による分画物を、前記有効成分として含有することをその要旨とする。
【0016】
請求項4に記載の発明は、請求項1乃至3のいずれか1項において、前記抽出物を酵素で処理して分解したものを精製して得た分画物を、前記有効成分として含有することをその要旨とする。
【0017】
請求項5に記載の発明は、請求項4において、前記酵素は加水分解酵素であることをその要旨とする。
【0018】
請求項6に記載の発明は、請求項1乃至5のいずれか1項に記載の冷え性改善用組成物を含有することを特徴とする飲食品をその要旨とする。
【0019】
請求項7に記載の発明は、請求項1乃至5のいずれか1項に記載の冷え性改善用組成物を含有することを特徴とする医薬部外品をその要旨とする。
【0020】
請求項8に記載の発明は、請求項1乃至5のいずれか1項に記載の冷え性改善用組成物を含有することを特徴とする医薬品をその要旨とする。
【0021】
アムラー由来の成分を有効成分として含有する本発明の冷え性改善用組成物における「冷え性改善効果」は、実際に人が摂取した際における手先等の温度変化をサーモグラフィにより測定する方法の他、例えば下記のような血管モデルを用いた血流測定により評価することもできる。
【0022】
即ち、採血した血液に、本発明の冷え性改善用組成物を添加し、それを試験血液とする。一方、無添加の血液を対照血液とする。
【0023】
これら2種の血液を、血管モデルの微細加工流路であるBloody6−7にMC−FAN(いずれも日立原町電子工業製)を用いて、それぞれ20cm水柱差で流す。そして、前記流路を各血液が通過する時間を血流通過時間として求め、試験血液の血流通過時間と対照血液の血流通過時間とを比較することにより、血流改善を評価することができる。かかる比較において、試験血液の血流通過時間が対照血液の血流通過時間に比べて短くなっていれば、血流改善が認められたと判断することができる。
【発明の効果】
【0024】
従って、請求項1乃至5に記載の発明によると、優れた冷え性改善効果を有することに加え、安全性及び実用性が高いことから飲食品、医薬部外品、医薬品等に幅広く使用可能な冷え性改善用組成物を提供することができる。
【0025】
また、請求項6乃至8に記載の発明によると、上記の優れた冷え性改善用組成物を含有する飲食品、医薬部外品、医薬品をそれぞれ提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下、本発明を具体化した一実施形態の冷え性改善用組成物、及びそれを含有する飲食物、医薬部外品、医薬品を詳細に説明する。
【0027】
本発明の冷え性改善用組成物に用いる「アムラー」とは、エンビリカ・オフィシナル(Emblica officinale)、または、フィランサス・エンブリカ(Phyllanthus embilica)という学名をもつ植物である。アムラーは、トウダイグサ科コミカンソウ属に属する落葉の亜高木であり、インドからマレーシア地域及び中国南部にかけて分布しており、インドが原産地と考えられている。また、アムラーは、各地方または言語により各々固有の名称を有しており、例えば、余柑子、油甘、奄摩勒、エンブリック・ミロバラン、アーマラキー、マラッカノキ、マラッカツリー、インディアングーズベリー、アロンラ、アミラ、アミラキ、アミラキャトラ、ネリカイ、ネルリ、タシャ、カユラカ、ケムラカ、ナックホンポン等とも称されている。
【0028】
インドの伝承医学「アユルヴェーダ」において、アムラーは、あらゆる病気の予防薬、治療薬として最もよいとされる3つの果実のうちのひとつに挙げられている。しかしながら、アムラーが冷え性改善効果を有するという事実に関する具体的な報告はこれまでになく、本願発明者が鋭意研究の末に今回新規に知見したものである。
【0029】
冷え性改善用組成物に使用されるアムラーの部位としては特に限定されないが、果実が好ましく用いられる。アムラー果実の形態は、特に限定するものではなく、未熟果実、完熟果実、乾燥果実等のいずれでもよい。なお、果実を絞って得られる果汁の使用も同様に好ましい。果汁の形態は、特に限定するものではなく、液状、粉末状のいずれでもよい。果汁を用いるメリットは、水不溶性成分の含有量が少ないのでそのまま使用でき、当該成分を除去する工程の省略が可能な点である。
【0030】
生果実または乾燥果実等のように、水不溶性成分を含むものを使用する場合には、抽出を行って水不溶性成分を除去しておくことが、冷え性改善効果を向上させるうえで好ましい。
【0031】
生果実を使用する場合には、あらかじめ種子を除去した後、必要に応じて水を添加したうえで、抽出を行う。なお、抽出効率を高めるために、ミキサー等により破砕、均質化したものを抽出原料として使用することが好ましい。乾燥果実を使用する場合についても基本的には同様のことがいえるが、抽出効率を高めるために、40メッシュ以下の粒度になるように粉砕しておくことが好ましい。なお、果汁も抽出原料として好適に使用される。
【0032】
抽出に使用する溶媒や温度条件等については、特に限定されるものではなく、任意に選択、設定することができる。抽出溶媒としては、水、塩基、酸等といった非有機溶媒や、親水性溶媒、アセトン等といった有機溶媒を選択することができる。親水性溶媒としては、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール及びブチルアルコールからなる低級アルコール群から選択される1種類以上が、操作性、抽出効率の点から好ましい。ただし、有機溶媒による抽出よりもむしろ非有機溶媒による抽出が好ましく、なかでも水、塩基及び酸のいずれかを選択することがよい。
【0033】
酸または塩基を抽出溶媒に使用する場合、抽出物を中和させることが好ましい。中和反応によって生成された塩は、透析法やゲル濾過等、公知の方法により、取り除くことができる。ただし、水を抽出溶媒として用いた場合には、上記のような中和反応は必要なく、生成された塩を取り除く必要もない。よって、工数減及び低コスト化の観点から、水を用いることが最も好ましい。
【0034】
このとき使用する酸としては、特に限定するものではなく、大部分の酸を使うことができる。ただし、入手のしやすさ及び操作性の観点から、塩酸または硫酸の使用、あるいは塩酸及び硫酸の併用が好ましい。
【0035】
また、塩基としては、特に限定するものではなく、大部分の塩基を使うことができる。ただし、入手のしやすさ及び操作性の観点から、水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウムの使用、あるいは水酸化ナトリウム及び水酸化カリウムの併用が好ましい。
【0036】
抽出に使用される酸または塩基の濃度は、抽出物を酵素処理する前であっても後であっても特に限定するものではない。酸または塩基の強さによって変化するが、操作性及び抽出効率の観点から、0.01モル濃度〜0.5モル濃度の酸または塩基を使用することが好ましい。
【0037】
上記の抽出においては酵素処理を併用することが好ましく、この処理によれば収率や風味を改善することができ、また冷え性改善効果の高い成分を得ることができる。なお、酵素処理は抽出前に行ってもよく、抽出時に行ってもよい。酵素処理をするときのpHは、使用する酵素の至適pH及びpH安定性を指標にして、適宜設定することができる。また、酵素処理をするときの温度に関しても、使用する酵素の至適温度及び温度安定性を指標にして、適宜設定することができる。
【0038】
本発明の酵素処理に用いる酵素は、特に限定されるべきではないが、食品工業分野でよく用いられる加水分解酵素であることが好ましい。この種の酵素は使用実績があり、安全性等の観点からも好ましいからである。上記酵素の具体例としては、例えば、ペクチナーゼ、アミラーゼ、プロテアーゼ、リパーゼ、タンナーゼ、デキストラナーゼ、セルラーゼ、ヘミセルラーゼ、トリプシン、パパイン等の加水分解酵素が挙げられる。これらのなかでも好ましくは、ペクチナーゼ、プロテアーゼ、タンナーゼ、セルラーゼから選択される1種類を使用する、または2種類以上を組み合わせて使用することである。これによれば抽出効率をさらに向上させることが可能となる。なお、酵素処理は、アムラー果実やアムラー果汁に対して行ってもよい。
【0039】
さらに、上記の抽出において、抽出残渣に対して再度抽出工程を1回またはそれ以上繰り返すことが好ましく、この方法によれば抽出効率を向上させることができる。この場合の抽出に用いる溶媒は、同じものであっても異なるものであってもよい。
【0040】
上記の抽出物は、そのままでも使用できるが、濾過、遠心分離及び分留といった処理を行って、不溶性物質及び溶媒を取り除くことがより好ましい。このような処理を行うことで、冷え性改善効果が高くなり、応用範囲も広くなる。
【0041】
不溶性物質及び溶媒を取り除いた後、果汁または抽出液をそのまままたは濃縮した後に有機溶媒を用いて分配を行い、それぞれの溶媒可溶画分を得る。これら溶媒可溶画分は、さらに冷え性改善効果が高くなるので好ましい。有機溶媒としては、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコール等の低級アルコール、酢酸エチル、酢酸ブチル、ジエチルエーテル、メチルエーテル、メチルイソブチルケトン、ヘキサン、アセトン、クロロホルムなどが使用できる。また、可溶画分の純度を上げるためには、他の疎水性溶媒による分配を組み合わせることもできるが、この場合にはエチルアルコールの使用が好ましい。これら溶媒の濃度としては、特に限定するものではないが、収率及び効果の観点から、終濃度として20%〜80%(v/v)が好ましく、20%〜60%(v/v)がさらに好ましい。
【0042】
さらに純度を高めるために、例えば、フェノール系、スチレン系、アクリル酸系、エポキシアミン系、ピリジン系、メタクリル系などを母体とする疎水性樹脂を用いたクロマトグラフィーやカラムによる精製を行ってもよい。その場合、樹脂吸着後の溶離液としては、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコールなどの低級アルコール及びアセトンを、単独または水溶液として使用できる。
【0043】
抽出物及び画分はそのままで使用することも可能であるが、必要に応じて噴霧乾燥や凍結乾燥等の手段により乾燥粉末化させて使用することも可能である。
【0044】
本発明の冷え性改善用組成物は、飲食品、医薬部外品、医薬品等に幅広く応用できるが、特に人が手軽に摂食できる飲食品に応用することが好ましい。
【0045】
本発明における飲食品とは、溶液、懸濁物、粉末、固体成形物等、経口摂取可能な形態であればよく、特に限定するものではない。飲食物の具体例としては、例えば、即席麺、レトルト食品、缶詰、電子レンジ食品、即席スープ・みそ汁類、フリーズドライ食品等の即席食品類、清涼飲料、果汁飲料、野菜飲料、豆乳飲料、コーヒー飲料、茶飲料、粉末飲料、濃縮飲料、栄養飲料、アルコール飲料等の飲料類、パン、パスタ、麺、ケーキミックス、から揚げ粉、パン粉等の小麦粉製品、飴、キャラメル、チューイングガム、チョコレート、クッキー、ビスケット、ケーキ、パイ、スナック、クラッカー、和菓子、デザート菓子等の菓子類、ソース、トマト加工調味料、風味調味料、調理ミックス、たれ類、ドレッシング類、つゆ類、カレー・シチューの素等の調味料、加工油脂、バター、マーガリン、マヨネーズ等の油脂類、乳飲料、ヨーグルト類、乳酸菌飲料、アイスクリーム類、クリーム類等の乳製品、冷凍食品、魚肉ハム・ソーセージ、水産練り製品等の水産加工品、畜肉ハム・ソーセージ等の畜産加工品、農産缶詰、ジャム・マーマレード類、漬け物、煮豆、シリアル等の農産加工品、栄養食品、錠剤、カプセル等を挙げることができる。
【0046】
本発明の冷え性改善用組成物の飲食品としての摂取量は、本発明の病気の状態、病人の体重、年齢、体質、体調等によって調整されるべきであるが、一般に1日あたり冷え性改善用組成物として0.05g〜20g、好ましくは0.1g〜5gの範囲で適宜設定することができる。上記飲食物は、病気の状態や食品等の形態によって、1日1回ないし数回にわけて摂取することができる。
【0047】
本発明において、冷え性改善用組成物またはそれを含有する飲食品等に加工する際に、各種栄養成分を強化することができる。
【0048】
強化できる栄養成分としては、ビタミンA、ビタミンB、ビタミンB、ビタミンB、ビタミンB12、ビタミンC、ビタミンD、ビタミンE、ナイアシン(ニコチン酸)、パントテン酸、葉酸等のビタミン類、リジン、スレオニン、トリプトファン等の必須アミノ酸類や、カルシウム、マグネシウム、鉄、亜鉛、銅等のミネラル類、及び、例えば、α−リノレン酸、EPA、DHA、月見草油、オクタコサノール、カゼインホスホペプチド(CPP)、カゼインカルシウムペプチド(CCP)、水溶性食物繊維、不溶性食物繊維、オリゴ糖等の人の健康に寄与する物質類、その他の食品や食品添加物として認可されている有用物質の1種または2種以上が使用できる。
【0049】
本発明における医薬部外品及び医薬品とは、経口投与または非経口投与に適した賦形剤、その他の添加剤を用い、常法に従って経口製剤または非経口剤として調製されたものをいう。好ましい医薬部外品及び医薬品の態様は経口製剤であり、最も好ましいのは経口固形製剤である。経口固形製剤は、容易に服用でき、かつ保存、持ち運びに便利だからである。
【0050】
経口固形製剤としては、例えば、錠剤、散剤、細粒剤、顆粒剤、カプセル剤、丸剤、徐放剤等がある。本発明の経口固形製剤は、適宜の薬理学的に許容され得る坦体、賦形剤(例えばデンプン、乳糖、白糖、炭酸カルシウム、リン酸カルシウムなど)、結合剤(例えばデンプン、アラビアガム、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、結晶セルロース、アルギン酸、ゼラチン、ポリビニルピロリドンなど)、滑沢剤(例えばステアリン酸、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウムなど)、崩壊剤(例えばカルボキシメチルセルロース、タルクなど)、などを冷え性改善用組成物と混合して固形化することにより得られる。
【0051】
また、経口液状製剤とは、製薬学的に許容される乳濁剤、溶液剤、懸濁剤、シロップ剤、エリキシル剤等を含み、一般的に用いられる不活性な希釈剤、例えば精製水、エチルアルコールを含むものをいう。本発明の経口液状製剤は、冷え性改善用組成物及び希釈剤のほかに、湿潤剤、懸濁剤のような補助剤、甘味剤、風味剤、芳香剤、防腐剤等をさらに含有していてもよい。
【0052】
非経口投与に適した製剤としては、パップ剤、湿布剤、塗布剤、エキス剤、硬膏剤、酒精剤、座剤、懸濁剤、チンキ剤、軟膏剤、リニメント剤、ローション剤、エアゾール剤、注射剤等の剤形が挙げられるが、塗布剤、硬膏剤、軟膏剤、ローション剤、エアゾール剤の剤形が好ましい。
【0053】
製剤化は公知の製剤技術により行うことができ、製剤中には、適当な添加物を加えることができる。製剤添加物としては、賦形剤、結合材、滑沢剤、崩壊剤、流動化剤、懸濁化剤、乳化剤、安定化剤、保湿剤、溶剤、保存剤、溶解補助剤、色素、噴射剤等を挙げることができ、製剤添加物は、本発明の効果を損なわない範囲で適宜選択して、適量加えても良い。
【0054】
本発明の冷え性改善用組成物の医薬品としての投与量は、投与ルート、疾患の症状、投与対象の年齢、性別等を考慮して個々の場合に応じて適宜決定されるが、通常、成人1人当たり有効成分約40mg/日〜3g/日、好ましくは100mg/日〜500mg/日である。
【0055】
以下、本発明を実施例にて詳細に説明するが、以下の実施例は本発明の範囲を限定するものではない。
【実施例】
【0056】
[実施例1]冷え性改善用組成物の調製1
アムラー乾燥果実を粉砕後篩別して40メッシュ以下にし、その粉末80gに、蒸留水2Lを加え、55℃で3時間抽出を行った。その後、抽出液を遠心分離(3000rpm、10分間)し、その上清を濾過し、抽出液と残渣とを分離した。その残渣に蒸留水2Lを加え、同条件でもう1回繰り返し抽出を行い、それぞれの抽出液を合わせた後、凍結乾燥し、本発明の冷え性改善用組成物A,35.0gを得た。収率は43.8%であった。
【0057】
[実施例2]冷え性改善用組成物の調製2
アムラー乾燥果実を粉砕後篩別して40メッシュ以下にし、その粉末100gに、蒸留水2Lを加え、さらにペクチナーゼ0.1g及びタンナーゼ0.1gを加えて、55℃で2時間の抽出を行った。その後、90℃で30分間酵素失活させた。その後、酵素処理液を遠心分離(3000rpm、10分間)し、その上清を濾過し、さらにその濾液をスプレードライして、本発明の冷え性改善用組成物B,45gを得た。
【0058】
[試験例1] 血流改善効果の確認
ここでは、本発明の冷え性改善用組成物の血流改善効果を確認するために、冷え性改善用組成物をヒト血液に添加した場合の血流速度(μL/秒)の変化を調査した。
【0059】
(1)採血方法
真空採血管(テルモ(株)製:ヘパリンナトリウム処理)を用いて、座位安静状態で健常者の肘正中皮静脈より採血を行った。得られた血液(試験血液)は、1mLずつ分注し、上記実施例1の冷え性改善用組成物Aを最終濃度2ng/mL,4ng/mL及び10ng/mLになるように生理食塩水溶媒で調整した溶液をそれぞれ4μL加えたうえで、測定に供した。一方、対照血液(コントロール)として、溶媒の生理食塩水4μLを加えたものも用意し、これを同様に測定に供した。
【0060】
(2)血流速度の測定
血流速度の測定は、MC−FAN(日立原町電子工業製)を用いて行った。また、血液を通過させる血管モデルの微細加工流路として、流路の深さ4.5μm、深さの中央部の流路幅7μm、流路長30μmの微細な溝を形成する8736本並列のマイクロチャネルアレイが配置されているシリコン単結晶基板(Bloody6−7;日立原町電子工業製)を用いた。そして、血液100μLを20cm水柱差で流し、全血通過時間を血流通過時間として測定した。これと同時に、血液が流れる様子を顕微鏡−ビデオカメラのシステムで撮影記録した。測定値は、全て3回測定したものの平均値を用いた。得られた血流通過時間は、生理食塩水100μLが通過するのに要した時間を12秒として補正した。そしてこの補正値に基づいて血流速度(μL/秒)を計算により求めた。その結果を表1に示した。
【0061】
【表1】

【0062】
(3)結果及び考察
本発明の冷え性改善用組成物Aを加えないコントロールでは、血流速度が1.58μL/秒であったのに対し、本発明の冷え性改善用組成物Aを加えた試験区では、血流速度がそれぞれ1.89μL/秒、2.08μL/秒、2.42μL/秒であった。つまり、本発明の冷え性改善用組成物Aの添加により、濃度依存的に血流速度が速くなっており、血流改善効果の存在が実証された。
ちなみに、上記実施例2の冷え性改善用組成物Bを用いて同様の試験を行ったところ、同様の結果が得られた。
【0063】
[実施例3]冷え性改善用組成物含有錠剤の調製
実施例1で得られた冷え性改善用組成物A,10g、結晶セルロース5g、トウモロコシデンプン13.8g、乳糖32.5g、ヒドロキシプロピルセルロース3.3gを混合し、顆粒化した。この顆粒化物にステアリン酸マグネシウム1.0gを加え、均一に混合し、この混合物をロータリー式打錠機で加圧成形することにより、一錠が130mgの本発明の冷え性改善用組成物含有錠剤を得た。また、これに対する比較例として、冷え性改善用組成物のみを含有しない反面、乳糖などの他の成分を含有する錠剤を、同様の方法により得た。
【0064】
[試験例2]冷え性改善効果の確認
ここでは、日頃、手足の冷えを感じている女性6人を被験者として、1ヶ月間、冷え性改善組成物含有錠剤と含まない錠剤(プラセボ)を1日2錠ずつ摂取させた。1ヶ月後、「手先の温かさ」、「足先の温かさ」の項目についてモニター試験を行った。モニターの評価基準として、良い+1、普通0、悪い−1とした。
【0065】
また別の月に、同じ被験者に対して、摂取させる錠剤について、エコノミークラス症候群予防用組成物含有錠剤とエコノミークラス症候群予防用組成物含まない錠剤(プラセボ)を入れ替えて、同様にモニター試験を行った。
【0066】
2回の試験における各項目の合計点数を総合評価とした。試験の結果を表2に示した。
【0067】
【表2】

【0068】
以上の結果により、冷え性改善組成物含有錠剤の摂取により手足の冷えが改善されたことがわかる。
【0069】
[実施例4]冷え性改善用組成物含有食品(錠菓)の調製
実施例1で得られた冷え性改善用組成物A,5g、乳糖30g、DHA含有粉末油脂(サンコートDY−5;太陽化学株式会社製)12g、ショ糖脂肪酸エステル4g、ヨーグルト香料4gを混合し、この混合物をロータリー式打錠機を用いて加圧成形して1錠が300mgの本発明の冷え性改善用組成物含有飲食品(錠菓)を得た。また、これに対する比較例として、冷え性改善用組成物のみを含有しない反面、乳糖などの他の成分を含有する飲食品(錠菓)を、同様の方法により得た。
【0070】
そして、これら2種の錠菓について、5名のパネラーによる官能検査を行った結果、色、匂い及び味のいずれにおいても両者に有意差が認められなかった。また、これら2種の錠菓を常温で長期間(1ヶ月間,3ヶ月間,6ヶ月間)保存したところ、両者とも色、匂い及び味について特に目立った変化は認められず、いずれも保存性に優れていた。
【0071】
[実施例5]冷え性改善用組成物含有飲料の調製
実施例1で得られた冷え性改善用組成物A,5g、1/5濃縮グレープフルーツ透明果汁2.1g、エリスリトール30g、クエン酸結晶2.5g、クエン酸三ナトリウム0.5g、L−アスコルビン酸0.5g、乳酸カルシウム1.93g、CCP0.15g、グレープフルーツ香料1.0を水に混合溶解し、全量を1000mLとした。それを100mLの瓶に充填し、キャップで密栓した後、90℃、30分間加熱殺菌をして、本発明の冷え性改善用組成物含有飲食品(飲料)を得た。また、これに対する比較例として、冷え性改善用組成物Aのみを含有しない反面、他の成分を含有する飲食品(飲料)を、同様の方法により得た。
【0072】
そして、これら2種の飲料について、5名のパネラーによる官能検査を行った結果、色、匂い及び味のいずれにおいても両者に有意差が認められなかった。また、これら2種の飲料を冷蔵庫で長期間(1ヶ月間,3ヶ月間,6ヶ月間)保存したところ、両者とも色、匂い及び味について特に目立った変化は認められず、いずれも保存性に優れていた。
【0073】
[実施例6]冷え性改善用組成物含有飲料(野菜果汁混合飲料)の調製
実施例1で得られた冷え性改善用組成物A,0.2g、グアーガム分解物(サンファイバーR;太陽化学株式会社製)3gを市販の野菜果汁混合飲料100mLに添加混合溶解して、本発明の冷え性改善用組成物含有飲食品(野菜果汁混合飲料)を得た。また、これに対する比較例として、冷え性改善用組成物Aを含有せず、グアーガム分解物を含有する飲食品(野菜果汁混合飲料)を、同様の方法により得た。
【0074】
そして、これら2種の野菜果汁混合飲料について、5名のパネラーによる官能検査を行った結果、色、匂い及び味のいずれにおいても両者に有意差が認められなかった。また、これら2種の飲料を冷蔵庫で1ヶ月間保存したところ、両者とも色、匂い及び味について特に目立った変化は認められず、いずれも保存性に優れていた。
【0075】
[実施例7]冷え性改善用組成物含有クッキーの調製
実施例1で得られた冷え性改善用組成物A,4g、市販のケーキミックス粉200gを容器に入れた後、バター35gを入れ、木杓子で混ぜ合わせた。それに溶き卵25gを加えて、なめらかな生地になるまで良く練った。小麦粉を振った台の上に生地を取り出し、さらに小麦粉を振って麺棒で5mmの厚さに伸ばし、丸型で抜き、それを170℃のオーブンで10分間焼いて、1個約5gの本発明の冷え性改善用組成物含有クッキーを得た。
【0076】
[実施例8]冷え性改善用組成物含有ヨーグルトの調製
実施例1で得られた冷え性改善用組成物A,1g、市販の脱脂乳(明治乳業社製、蛋白質含量34%)95g、及び市販の無塩バター(雪印乳業社製)35gを温水0.8Lに溶解し、均質化し、全量を1Lに調整した。次いで、これを90℃で15分間加熱殺菌した後、冷却し、市販の乳酸菌スターター(ハンゼン社製)3g(ストレプトコッカス・サーモフィラス2g及びラクトバシラス・ブルガリクス1g)を接種した。さらに、これを均一に混合し、100mLの容器に分注・充填した後、密封して37℃で20時間発酵させた後、冷却することで、本発明の冷え性改善用組成物含有ヨーグルトを得た。
【0077】
[実施例9]冷え性改善用組成物含有経口流動食の調製
カゼインナトリウム(DMV社製)50g、卵白酵素分解物(太陽化学社製)42.5g、デキストリン(松谷化学社製)100gを水1Lに溶解させ、水相をタンク内に調製した。これとは別に、MCT(花王社製)45g、パーム油(不二製油社製)17.5g、サフラワー油(太陽油脂社製)35g、レシチン(太陽化学社製)0.7g、消泡剤(太陽化学社製)1gを混合溶解し、油相を調製した。タンク内の水相に油相を添加し、攪拌して混合した後、70℃に加温し、さらに、ホモゲナイザーにより14.7MPaの圧力で均質化した。次いで、90℃で10分間殺菌した後、濃縮し、噴霧乾燥して、中間製品粉末約260gを調製した。この中間製品粉末200gに、実施例1で得られた冷え性改善用組成物A,4g、デキストリン(松谷化学社製)156g、グアーガム分解物(サンファイバーR;太陽化学株式会社製)18g、少量のビタミン・ミネラル、及び粉末香料を添加し、均一に混合して、冷え性改善用組成物Aを含有する経口流動食約380gを得た。
【0078】
[実施例10]冷え性改善用組成物含有ドリンク剤の調製
実施例1で得られた冷え性改善用組成物A,55gに、ブドウ糖528g、果糖85.4g、粉末クエン酸15.8g、クエン酸ナトリウム11.2g、乳酸カルシウム1.3g、塩化マグネシウム1.3g、粉末天然香料13.2g、ビタミンCを添加し、さらに水を加えて11リットルとした。この液体を乾熱滅菌済の110ml褐色瓶に充填して、アルミキャップで密封した後、120℃、30分間の滅菌を行い、ドリンク剤100本を得た。
【0079】
[実施例11]冷え性改善用組成物含有カプセル剤の調製
実施例1で得られた冷え性改善用組成物A,50gに、銅クロロフィリンナトリウム1gを加えて熱殺菌した後、それを日本薬局カプセル(#1)に1カプセルあたり0.4g充填し、カプセル剤100個を得た。
【0080】
本発明の実施態様及び目的生成物を挙げれば以下の通りである。
(1)アムラー果実、アムラー果汁、アムラー果実の抽出物及びアムラー果汁の抽出物からなる群から選択される少なくとも1つを、有効成分として含有することを特徴とする冷え性改善用組成物。
(2)上記(1)において、前記抽出物は、アムラー果実及びアムラー果汁からなる群から選択される少なくとも1つの原料を、水、塩基、酸及び親水性溶媒からなる群から選択される少なくとも1つにより抽出したものであることを特徴とする冷え性改善用組成物。
(3)上記(1)において、前記抽出物は、アムラー果実及びアムラー果汁からなる群から選択される少なくとも1つの原料を、水により抽出したものであることを特徴とする冷え性改善用組成物。
(4)上記(2)において、親水性溶媒がメチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール及びブチルアルコールからなる群から選択される少なくとも1種類以上の低級アルコールであることを特徴とする冷え性改善用組成物。
(5)上記(1)において、前記抽出物の有機溶媒による分画物を前記有効成分として含有するとともに、前記有機溶媒が、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコール、酢酸エチル、酢酸ブチル、ジエチルエーテル、メチルエーテル、メチルイソブチルケトン、ヘキサン及びクロロホルムからなる群から選択される少なくとも1種であることを特徴とする冷え性改善用組成物。
(6)上記(1)において、前記抽出物のエチルアルコールによる分画物を、前記有効成分として含有することを特徴とする冷え性改善用組成物。
(7)上記(1)において、前記抽出物のエチルアルコールによる沈殿分画成分を、前記有効成分として含有することを特徴とする冷え性改善用組成物。
(8)上記(1)において、前記抽出物を20%〜80%のエチルアルコールで分画したときの可溶画分を、前記有効成分として含有することを特徴とする冷え性改善用組成物。
(9)上記(1)において、前記抽出物を20%〜60%のエチルアルコールで分画したときの可溶画分を、前記有効成分として含有することを特徴とする冷え性改善用組成物。
(10)上記(1)において、疎水性樹脂を用いたクロマトグラフィーまたはカラムにより前記抽出物を高純度化したものを、前記有効成分として含有することを特徴とする冷え性改善用組成物。
(11)上記(10)において、疎水性樹脂が、フェノール系、スチレン系、アクリル酸系、エポキシアミン系、ピリジン系及びメタクリル系からなる群から選択される少なくとも1種の樹脂を母体とすることを特徴とする冷え性改善用組成物。
(12)上記(1)において、ペクチナーゼ、プロテアーゼ、タンナーゼ及びセルラーゼからなる群から選択される少なくとも1種の酵素で前記抽出物を処理して分解したものを精製して得た分画物を、前記有効成分として含有することを特徴とする冷え性改善用組成物。
(13)アムラーを有効成分として含有することを特徴とする冷え性改善用組成物。
(14)アムラーの可食部を有効成分として含有することを特徴とする冷え性改善用組成物。
(15)アムラー由来の物質を有効成分として含有することを特徴とする冷え性改善用組成物。
(16)上記(1)乃至(15)のいずれか1項に記載の冷え性改善用組成物を含有することを特徴とする飲食品。
(17)上記(1)乃至(15)のいずれか1項に記載の冷え性改善用組成物を含有することを特徴とする医薬部外品。
(18)上記(1)乃至(15)のいずれか1項に記載の冷え性改善用組成物を含有することを特徴とする医薬品。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アムラー果実、アムラー果汁、アムラー果実の抽出物及びアムラー果汁の抽出物からなる群から選択される少なくとも1つを、有効成分として含有することを特徴とする冷え性改善用組成物。
【請求項2】
前記抽出物は、アムラー果実及びアムラー果汁からなる群から選択される少なくとも1つを、非有機溶媒で抽出したものであることを特徴とする請求項1に記載の冷え性改善用組成物。
【請求項3】
前記抽出物の有機溶媒による分画物を、前記有効成分として含有することを特徴とする請求項1または2記載の冷え性改善用組成物。
【請求項4】
前記抽出物を酵素で処理して分解したものを精製して得た分画物を、前記有効成分として含有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の冷え性改善用組成物。
【請求項5】
前記酵素は加水分解酵素であることを特徴とする請求項4に記載の冷え性改善用組成物。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれか1項に記載の冷え性改善用組成物を含有することを特徴とする飲食品。
【請求項7】
請求項1乃至5のいずれか1項に記載の冷え性改善用組成物を含有することを特徴とする医薬部外品。
【請求項8】
請求項1乃至5のいずれか1項に記載の冷え性改善用組成物を含有することを特徴とする医薬品。

【公開番号】特開2006−335713(P2006−335713A)
【公開日】平成18年12月14日(2006.12.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−164100(P2005−164100)
【出願日】平成17年6月3日(2005.6.3)
【出願人】(000204181)太陽化学株式会社 (244)
【Fターム(参考)】