説明

冷凍サイクル用部品組立体および車両用冷凍装置

【課題】エジェクタ14を車室内にコンパクトに収納でき、なおかつ、結露および冷媒流れ音の対策を施した冷凍サイクル用の部品組立体20を提供する。
【解決手段】部品組立体20が、第1蒸発器15を収納した空調ユニット10の車両左右方向の側方に形成される車両左右方向に扁平な扁平空間H内にレイアウトされているとともに、扁平空間H内の車両前方側に、部品組立体20としての冷媒流入部および冷媒流出部が集中配置されており、さらに部品組立体20全体がパッキン24で包まれている。
これによれば、エジェクタ14を車室内31に配設しても、空調ユニット10から大きく突出することなくコンパクトに構成でき、なおかつ、パッキン24で包むことで結露、冷媒流れ音対策が可能となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、冷媒減圧手段および冷媒循環手段の役割を果たすエジェクタを含む冷凍サイクル用部品組立体と、その部品組立体を備える冷凍サイクルに関するものであり、例えば、車両用空調冷蔵装置、車両用冷凍冷蔵装置などの冷凍サイクルに適用して有効である。
【背景技術】
【0002】
下記の特許文献1には、冷媒減圧手段および冷媒循環手段の役割を果たすエジェクタと、複数の蒸発器とを有する蒸気圧縮式冷凍サイクル(エジェクタ式サイクル)にて構成される車両用冷凍サイクル装置が記載されている。この特許文献1では、エジェクタ、第1蒸発器、第2蒸発器、および第2蒸発器とエジェクタの冷媒吸引部との間を接続する吸引配管を、車室内に配置する構成が示されている。また、下記の特許文献2には、温度式箱型膨張弁の絞り部の下流側に、エジェクタを気密に接続して成る冷凍サイクル装置が記載されている。
【特許文献1】特開2006−125823号公報
【特許文献2】特開2005−265223号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、エジェクタを車室内に配置することに関する具体的な構成例の提案はない。エジェクタを車室内に配置する場合、そのエジェクタを許容スペース内に収めるコンパクトなレイアウトと、結露や冷媒流れ音の対策が必要になる。
【0004】
本発明は、このような点に鑑みて成されたものであり、その目的は、エジェクタを車室内にコンパクトに収納でき、なおかつ、結露および冷媒流れ音の対策を施した冷凍サイクル用部品組立体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は上記目的を達成するために、下記の技術的手段を採用する。すなわち、請求項1に記載の発明では、車両の車室内(31)とエンジンルーム(32)とを仕切る仕切板(30)を、冷凍サイクルの冷媒循環通路(11)が貫通する部分に配設される配管接続部材(36)と、配管接続部材(36)の車室内(31)側に接続され、第1絞り部(S1)となって高圧冷媒の減圧手段を成すとともに、低圧側冷媒通路(19a)を流通する冷媒の過熱度に応じて高圧側冷媒通路(19b)を通過する冷媒量を調節する温度式箱型膨張弁(19)と、温度式箱型膨張弁(19)の第1絞り部(S1)の下流側に接続され、第2絞り部(S2)となって第1絞り部(S1)から流入する冷媒の圧力エネルギーを速度エネルギーに変換して冷媒を減圧膨張させるノズル部(14a)、ノズル部(14a)から噴射する高い速度の冷媒流により冷媒吸引部(14c)から気相冷媒を吸引し、ノズル部(14a)から噴射する冷媒と冷媒吸引部(14c)から吸引した気相冷媒とを混合させながら速度エネルギーを圧力エネルギーに変換して冷媒の圧力を昇圧させる昇圧部(14b)を有するエジェクタ(14)と、エジェクタ(14)の昇圧部(14b)から流出する冷媒を蒸発器(15)に導く車室内側高圧配管(11b)と、蒸発器(15)から流出する冷媒を温度式箱型膨張弁(19)の低圧側冷媒通路(19a)に導く車室内側低圧配管(11d)とを一体的にして部品組立体(20)を構成しており、
部品組立体(20)が、蒸発器(15)を収納した空調ユニット(10)の車両左右方向側方に許容された前記車両左右方向に扁平な扁平空間(H)内にレイアウトされているとともに、扁平空間(H)内の車両前方側に、部品組立体(20)としての冷媒流入部および冷媒流出部が集中配置されており、さらに部品組立体(20)全体が断熱部材(24)で包まれていることを特徴としている。
【0006】
この請求項1に記載の発明によれば、エジェクタ(14)を車室内(31)に配設しても、空調ユニット(10)から大きく突出することなくコンパクトに収納でき、なおかつ、断熱部材(24)で包むことで結露や冷媒流れ音の対策が可能となる。
【0007】
また、請求項2に記載の発明では、請求項1記載の冷凍サイクル用部品組立体において、温度式箱型膨張弁(19)とエジェクタ(14)が、配管接続部材(36)の中心軸の延長上で、かつ扁平空間(H)の長手方向に沿って配置されていることを特徴としている。
【0008】
この請求項2に記載の発明によれば、より具体的に、配管接続部材(36)、温度式箱型膨張弁(19)およびエジェクタ(14)を順次接続させつつ扁平空間(H)の長手方向に沿って並べることで、無駄なくコンパクトに構成することが可能となる。
【0009】
また、請求項3に記載の発明では、請求項1または2に記載の冷凍サイクル用部品組立体において、車室内側高圧配管(11b)と車室内側低圧配管(11d)は、扁平空間(H)内で曲げられて配管されていることを特徴としている。この請求項3に記載の発明によれば、両配管(11b、11d)が扁平空間(H)内で曲げられていることにより、断熱部材(24)を2つ折りにして両配管(11b、11d)を挟み込むことで断熱が可能となるため、断熱部材(24)の貼り付けを容易にすることができる。
【0010】
また、請求項4に記載の発明では、請求項1ないし3のいずれかに記載の冷凍サイクル用部品組立体において、エジェクタ(14)の冷媒吸引部(14c)に冷媒を導く吸引配管(16c)は、扁平空間(H)に沿って下方から上方へと上がり、扁平空間(H)内の冷媒吸引部(14c)の上に回り込んで配管されていることを特徴としている。
【0011】
この請求項4に記載の発明によれば、冷凍サイクルの冷媒循環が停止したときに、冷凍機油が吸引配管(16c)内に落ちるのを抑制することができるうえ、蒸発器(15)側の上記両配管(11b、11d)に沿わせて配管することができるため、断熱部材(24)の貼り付けを簡単にすることができる。
【0012】
また、請求項5に記載の発明では、請求項1ないし4のいずれかに記載の冷凍サイクル用部品組立体において、部品組立体(20)を空調ユニット(10)に接続して支持させる支持部材(40)を有し、支持部材(40)の一端は、部品組立体(20)の配管接続部材(36)と温度式箱型膨張弁(19)とを接続した剛体部(G)近傍にのみ接続されていることを特徴としている。
【0013】
この請求項5に記載の発明によれば、部品組立体(20)の重心近傍を支持するとなり、支持部材(40)での支持位置として好ましいうえ、上記両配管(11b、11d)とは離れた支持位置となるため、上記両配管(11b、11d)への断熱部材(24)の貼り付け作業に支障をきたすことがない。
【0014】
また、請求項6に記載の発明では、請求項1ないし5のいずれかに記載の冷凍サイクル用部品組立体において、断熱部材(24)は、貼り付け前の外形が線対称形状をしており、その中心線(24a)で2つ折りにして貼り合わせる拝み貼りにて貼り付けていることを特徴としている。この請求項6に記載の発明によれば、断熱部材(24)の貼り付け作業を簡単にすることができる。
【0015】
また、請求項7に記載の発明では、車両用冷凍装置において、請求項1ないし6のいずれかに記載の冷凍サイクル用部品組立体を備えることを特徴としている。この請求項7に記載の発明によれば、エジェクタ(14)を車室内(31)にコンパクトに収納でき、なおかつ、結露および冷媒流れ音の対策を施した車両用冷凍装置とすることができる。なお、特許請求の範囲および上記各手段に記載の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示す一例である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態について、添付した図を用いて詳細に説明する。図1は、本発明の一実施形態における車両用冷凍装置を示すサイクル模式図である。本実施形態の冷媒循環経路11には、冷媒を吸入圧縮する圧縮機12が配設されており、この圧縮機12は、図示しない車両走行用エンジンによりベルトなどを介して回転駆動される。そして、圧縮機12として吐出容量の変化により冷媒吐出能力を調整できる可変容量型圧縮機を使用している。
【0017】
ここで、吐出容量は、1回転当たりの冷媒吐出量に相当する幾何学的な空間容積である。可変容量型の圧縮機12としては斜板式が代表的であり、具体的には、斜板の角度を変化させてピストンストロークを変化させて吐出容量を変化させる。なお、容量制御機構を構成する電磁式圧力制御装置12aにより、斜板室の圧力(制御圧力)を変化させることにより、斜板の角度を外部から電気的に制御している。
【0018】
この圧縮機12の冷媒吐出側には、放熱器13が配置されている。放熱器13は、圧縮機12から吐出された高圧冷媒と、図示しない冷却ファンにより送風される外気(車室外空気)との間で熱交換を行って高圧冷媒を冷却する熱交換器である。放熱器13よりもさらに冷媒流れ下流側部位には、ボックス型膨張弁(温度式箱型膨張弁)19とエジェクタ14とが直接接続されて配置されている(図9参照)。なお、具体的な接続構造は後述する。
【0019】
ボックス型膨張弁19は、図9(a)に示すように、冷媒循環経路11の第1絞り部S1として高圧冷媒の減圧手段を成すとともに、低圧側冷媒通路19aを流通する冷媒の過熱度に応じて高圧側冷媒通路19bを通過する冷媒量を調節するものである。なお、ボックス型膨張弁19は周知のものであるため、詳細な説明は省略する。
【0020】
エジェクタ14は、冷媒を減圧する減圧手段であるとともに、高速で噴出する冷媒流の吸引作用(巻き込み作用)によって冷媒の循環を行う流体輸送の冷媒循環手段(運動量輸送式ポンプ)でもある。エジェクタ14には、放熱器13から流入する高圧冷媒の通路面積を小さく絞って、高圧冷媒を等エントロピ的に減圧膨張させるノズル部14aと、ノズル部14aの冷媒噴出口と同一空間に配置され、後述する第2蒸発器18からの気相冷媒を吸引する冷媒吸引部14cとが備えられている。
【0021】
さらに、ノズル部14aおよび冷媒吸引部14cの冷媒流れ下流側部位には、昇圧部を成すディフューザ部14bが配置されている。このディフューザ部14bは、冷媒の通路面積を徐々に大きくする形状に形成されており、冷媒流れを減速して冷媒圧力を上昇させる作用、つまり、冷媒の速度エネルギーを圧力エネルギーに変換する作用を果たしている。
【0022】
エジェクタ14のディフューザ部14bから流出した冷媒は、第1蒸発器(本発明で言う蒸発器)15に流入する。第1蒸発器15は、後述する空調ユニット10(図7、8参照)のケース内に設置され、車室内空調用空気の冷却手段を構成している。具体的には、車室内空調ユニットの電動送風機(第1送風機)26により車室内空調用空気が第1蒸発器15に送風され、エジェクタ14にて減圧後の低圧冷媒が第1蒸発器15において車室内空調用空気から吸熱して蒸発することにより車室内空調用空気が冷却されて冷房能力を発揮する。
【0023】
第1蒸発器15で蒸発した気相冷媒は圧縮機12に吸入され、再び冷媒循環経路11を循環する。また、本実施形態のエジェクタ式サイクルには、冷媒循環経路11の放熱器13とエジェクタ14との間の部位で分岐し、エジェクタ14の冷媒吸引部14cで冷媒循環経路11に合流する分岐通路16が形成されている。
【0024】
この分岐通路16には絞り機構17が配置され、この絞り機構17よりも冷媒流れ下流側部位には第2蒸発器18が配置されている。本実施形態の第2蒸発器18は、車室内に搭載される図示しないクールボックス(車室内冷蔵庫)のケース内部に設置され、クールボックス内の冷却手段を構成している。クールボックス内の空気は、電動送風機(第2送風機)27により第2蒸発器18に送風される。
【0025】
絞り機構17は、第2蒸発器18への冷媒流量の調節作用を成す減圧手段であり、本実施形態では、電磁弁と固定絞りとを組み合わせた構成を採用している。すなわち、絞り機構17の電磁弁は、第2蒸発器18への冷媒流れを断続する開閉弁であり、絞り機構17の固定絞りは、電磁弁の開弁時に第2蒸発器18への冷媒流量の調節を行う。なお、この絞り機構17を、電気的に通路面積を調節可能な1個の流量調節弁で構成してもよい。
【0026】
分岐通路16は、絞り機構17の入口側に配置される高圧側冷媒配管16aおよび16bと、第2蒸発器18の出口側とエジェクタ14の冷媒吸引部14cとの間を接続する吸引配管16cとを有している。なお、本実施形態では圧縮機12の電磁式圧力制御装置12a、第1、第2送風機26、27、絞り機構17の電磁弁などは、電子制御装置(以下、ECUと略称す)25からの制御信号により電気的に制御されるようになっている。
【0027】
図2は、図1の車両用冷凍装置の車両搭載状態での概要を示す斜視図である。図2において、破線30は車両の車室内31とエンジンルーム32とを仕切るダッシュボード(仕切板)であり、サイクル構成機器のうち、ボックス型膨張弁19、エジェクタ14、第1蒸発器15、絞り機構17、第2蒸発器18および第1、第2送風機26、27は、車室内31に搭載される。
【0028】
これに対し、圧縮機12および放熱器13はエンジンルーム32内に搭載される。なお、第1蒸発器15が内蔵される空調ユニット10(図7、8参照)は、通常、車室内前部の計器盤(インストルメントパネル)の内側に配置される。ボックス型膨張弁19とエジェクタ14は、後述する部品組立体20としたうえ、第1蒸発器15に取り付けられている。また、第2蒸発器18が内蔵されるクールボックスは、車室内31のセンターコンソール部付近などに配置される。
【0029】
第1蒸発器15の必要冷却(冷房)能力は、第2蒸発器18の必要冷却能力よりも充分に大きい。ボックス型膨張弁19とエジェクタ14との部品組立体20は、車室内31において、この冷却(冷房)能力が大きい第1蒸発器15、つまりは空調ユニット10の近傍位置に配置される。
【0030】
仕切板30には、配管コネクタ(本発明で言う配管接続部材)36が配置されており、この配管コネクタ36により、冷媒循環通路11のエンジンルーム側高圧配管11aと車室内側高圧配管11bとが接続されるとともに、冷媒循環通路11のエンジンルーム側低圧配管11cと車室内側低圧配管11dとが接続されるようになっている。また、エジェクタ14および第2蒸発器18がともに車室内31に配置されるため、第2蒸発器18出口側の吸引配管16cの全域が車室内31に配置される。
【0031】
絞り機構17および第2蒸発器18は、車室内31のうち床板34の近傍位置に配置されている。床板34には配管コネクタ37が配置され、この配管コネクタ37により分岐通路16のうち床下35に配置される床下高圧配管16aと、絞り機構17の入口側に位置する車室内側高圧配管16bとの間を接続するようになっている。なお、絞り機構17を床板34の下方位置(床下35)、すなわち、床下高圧配管16a側に配置してもよい。また、ECU25は通常、車室内31に配置されるが、エンジンルーム32などの車室外の位置に配置してもよい。
【0032】
図3は、本発明の一実施形態における冷凍サイクル用部品組立体20の構成を示す斜視図であり、図4は、図3の冷凍サイクル用部品組立体20を上から見た平面図である。なお、図4と後述の図5において、吸引配管16cの下端側は省略してある。以下、組立順序に従って構造を説明する。
【0033】
まず、配管サブアッセンブリを構成する車室内側高圧配管11bと車室内側低圧配管11dは、両端の接続部加工と曲げ加工が施される。そして、それぞれの配管11b、11dの一端が、配管コネクタ11eにかしめ固定される。配管コネクタ11eは、第1蒸発器15に両配管11b、11dを接続させるための配管接続部材である。
【0034】
図3、4に示すように、高圧配管11bは、配管コネクタ11eから車両の左右方向(左方向)に延びる第1配管部11b1、この第1配管部11b1から車両の前後方向(車両の後方)に延びる第2配管部11b2、この第2配管部11b2から車両の上下方向(下方)に延びる第3配管部11b3、およびこの第3配管部11b3から車両の前後方向(車両の前方)に延びかつ第2配管部11b2とほぼ平行に配置される第4配管部11b4とから構成されている。
【0035】
図4から明らかなように、第2配管部11b2、第3配管部11b3、および第4配管部11b4は、ほぼ同一の垂直平面上に配置され、またこの部品組立体20の側面図を示す図5からも明らかなように、第2配管部11b2、第3配管部11b3、および第4配管部11b4は、U字形状を成すように曲げ加工されている。
【0036】
同様に、低圧配管11dも、第1配管部11d1、第2配管部11d2、第3配管部11d3、および第4配管部11d4から構成されている。そして、この第2配管部11d2、第3配管部11d3、および第4配管部11d4は、ほぼ同一の垂直平面上に配置され、これら第2配管部11d2、第3配管部11d3、および第4配管部11d4は、U字形状を成すように曲げ加工されている。
【0037】
前述のように、高圧配管11bと低圧配管11dの一端が、配管コネクタ11eに固定された後、高圧配管11bの他端は、エジェクタ14のディフューザ部14bに配管ナットで締め付け固定される。その結果、低圧配管11dの他端とエジェクタ14の他端(図3中左側端部)が、ほぼ同一の垂直面上に位置することになる。次に、この低圧配管11dとエジェクタ14の他端に、配管接続用の押えプレート11fを側方から差し込んで、低圧配管11dとエジェクタ14の他端を押えプレート11fに仮固定する。
【0038】
低圧配管11dおよびエジェクタ14の他端が仮固定された押えプレート11fに、ボックス型膨張弁19と配管コネクタ36の車室内側プレート362とを、図示しない接続用凹凸部を嵌め合わせながら順番に積み重ねる。次に、図示しないボルト2本を車室内側プレート362側から押えプレート11fに締め付けることにより、ボックス型膨張弁19を、押えプレート11fと車室内側プレート362との間に挟持しながら、低圧配管11dおよびエジェクタ14の他端に固定する。
【0039】
次に、車室内側プレート362の端部(図3中左側端面)に、配管コネクタ36のエンジンルーム側ブロック361を、図示しない接続用凹凸部を嵌め合わせながら積み重ねる。そして、図示しないボルト2本をエンジンルーム側ブロック361側から車室内側プレート362に締め付けることにより、エンジンルーム側ブロック361を車室内側プレート362の端部に固定する。
【0040】
空調ユニット10を車室内31に取り付けた際は、ダッシュボード30に開設された貫通孔から、エンジンルーム側ブロック361の円筒部がエンジンルーム32内に突出して、エンジンルーム32側から配管接続ができるようになっている。そして次に、吸引配管16cをエジェクタ14の冷媒吸引部14cに接続して、配管ナットで締め付け固定すれば、本実施形態での冷凍サイクル用部品組立体20の主要構造部が完成する。なお、冷媒吸引部14cは、図5から明らかなように、エジェクタ14の上側に設けられている。
【0041】
また、冷凍サイクルの稼動時には、第2蒸発器18出口側の低温冷媒が吸引配管16cに流れる。このため、吸引配管16cの金属外表面が車室内31に直接露出すると、車室内が冷却されて吸引配管16cの金属外表面に結露を生じる。そこで、吸引配管16cの金属外表面の全長にわたって、結露防止用のパイプインシュレータ(断熱部材)33が装着してある。
【0042】
ここで、上記構成の部品組立体20の特徴を説明する。部品組立体20は、図4に示すように、空調ユニット10の車両左右方向側(車両左側)ににおいて、車両左右方向に扁平な扁平空間H内にレイアウトされている。また、この扁平空間H内の車両前方側に、部品組立体20としての冷媒流入部および冷媒流出部が集中配置されている。ここで言う冷媒流入部および冷媒流出部とは、配管コネクタ11e、36および冷媒吸引部14cである。
【0043】
さらに、配管コネクタ36の中心軸の延長上に、ボックス型膨張弁19とエジェクタ14とを配置して、扁平空間Hの長手方向に沿ったレイアウトとしている。これらにより、部品組立体20としての剛体部Gは車両前方側に集約され、エジェクタ14と両配管11b、11dとの管材部(配管部)は車両後方側に集約されている。よって、外部からの吸引配管16cはの剛体部G側で接続され、車両後方側に集約された管材部は、両配管11b、11dをエジェクタ14に沿った曲げ形状とすることで、より扁平な空間内に収まったレイアウトとなっている。
【0044】
即ち、前述した高圧配管11bの第2ないし第4配管部11b2〜11b4により形成される平面とほぼ同一の平面上に、エジェクタ14が配置される。また、低圧配管11dの第2ないし第4配管部11d2〜11d4により形成される平面と、高圧配管11bにより形成される平面とが、重なり合うように形成される。このような構成により、配管部がより扁平な空間として形成されることになる。
【0045】
図5は、冷凍サイクル用部品組立体20へのパッキン21〜24の貼り付けを説明する側面図であり、図6は、図5中のパッキン24の展開図である。部品組立体20は、冷凍サイクルの稼動時に、冷媒通過の音圧や振動レベルが大きい部位として、下記の3箇所にブチルゴムによるパッキン21〜23を組み付けている。
【0046】
パッキン21は、エジェクタ14の出口部から下流側の配管部分を覆っている。これは、エジェクタ出口での冷媒流速が速いことにより、その冷媒流れ音が車室内31に伝わるのを抑制するものである。具体的には、長方形のブチルゴムシートを2つ折りにして管材の折り返し部分を挟み込んでいる。
【0047】
パッキン22は、吸引配管16cの接続部近傍を覆っている。これは、エジェクタ14内で冷媒が合流することによる音が吸引配管16cに伝わるのを抑制するものである。具体的には、ブチルゴムシートを配管接続部(吸引配管16cと冷媒吸引部14cとの接続部)に巻き付けている。パッキン23は、ボックス型膨張弁19の外面を覆っている。これは、ボックス型膨張弁19内で冷媒減圧時の音が車室内31に伝わるのを抑制するものである。具体的には、短冊状のブチルゴムシートでボックス型膨張弁19の外面を巻いている。
【0048】
また、冷凍サイクルの稼動時に部品組立体20の内部には低温冷媒が流れるため、部品組立体20の外表面は結露防止用のパッキン(断熱部材)24を貼着して包み込んでいる。これは、上記した音対策としても効果がある。具体的にパッキン24は、図6に示すような中心線24aでの線対称の外形としており、結露水が滴下することを防ぐため、部品組立体20の下側に中心線24aの部分を貼り付け、両側から部品組立体20を包み込んで周縁部を張り合わせる拝み貼りを採用している。
【0049】
また、パッキン24の線対称両側には、切り欠き部24bが設けられている(図5、6参照)。そして、上記のように貼り合わされたパッキン24の車両前方側の貼り合わせ部からは、前述したエンジンルーム側ブロック361の円筒部が突出される。また、貼り合わせ後は上方に位置する切り欠き部24bからは、第1蒸発器15へ向かう両配管11b、11dと、吸引配管16cとが引き出される。
【0050】
この切り欠き部24bは、パッキン24の貼り付け後に本部品組立体20を空調ユニット10の側面にボルト締めする際の締め付け部を開けておく切り欠きともなっている。パッキン24の材質は、具体的にはウレタンなどの樹脂発泡材(多孔質樹脂材)などを用いればよい。
【0051】
図7は、冷凍サイクル用部品組立体20の空調ユニット10への組み付け方法を示す斜視図であり、図8は、冷凍サイクル用部品組立体20のブラケット40による固定方法を示す斜視図である。なお、両図とも外面に貼り付けたパッキン21〜24は省略して示す。上記のように組み立ててパッキン21〜24を貼り付けた部品組立体20は、空調ユニット10の側面に接続固定される。
【0052】
空調ユニット10のケースの外面には、内蔵した第1蒸発器15の図示しない配管接続部が露出している。まず、図7に示すように、その配管接続部に配管コネクタ11eを、図示しない接続用凹凸部を嵌め合わせながら積み重ねて接続し、2本のボルト38で締め付けてこれらを結合させる。吸引配管16cの下方側は、パイプクランプ39で押えてビス39aで固定される。
【0053】
また、部品組立体20は、図8に示すように、ブラケット(支持部材)40で支持される。ブラケット40の一端側は、部品組立体20の重心位置ともなる剛体部Gの車室内側プレート362に、ボルト41で締め付け固定され、ブラケット40の他端側は、空調ユニット10のケース外面にビス42で締め付け固定される。
【0054】
次に、上記構成における本実施形態の作動を、再度図1、2を用いて説明する。圧縮機12を車両走行用エンジンにより駆動すると、圧縮機12で圧縮されて高温高圧状態となった冷媒は、矢印A方向に吐出され、放熱器13に流入する。ここで、クールボックスを使用する場合は絞り機構17の電磁弁に通電して電磁弁を開弁する。
【0055】
放熱器13では高温の冷媒が外気により冷却されて凝縮する。放熱器13から流出した液相冷媒は、冷媒循環径路11を流れる矢印Bの流れと、分岐通路16を流れる矢印Cの流れとに分流する。分岐通路16を流れる冷媒(矢印C)は、絞り機構17で減圧されて低圧冷媒となり、この低圧冷媒は第2蒸発器18で第2送風機27により送風されるクールボックス内の空気から吸熱して蒸発する。これにより、第2蒸発器18がクールボックス内の冷却作用を発揮する。
【0056】
ここで、分岐通路16を流れる冷媒流量、すなわち、第2蒸発器18の冷媒流量は、本実施形態では絞り機構17の固定絞り、具体的にはオリフィス、キャピラリチューブなどで独立に調節できる。従って、第2蒸発器18が発揮する冷却対象空間(具体的にはクールボックス内空間)の冷却能力は、この固定絞りで調節される冷媒流量と、第2送風機27の回転数(送風量)とにより制御できる。
【0057】
第2蒸発器18から流出した気相冷媒は、吸引配管16cを通ってエジェクタ14の冷媒吸引部14cへ吸引される。一方、冷媒循環経路11を流れる矢印Bの冷媒流れは、エジェクタ14に流入し、ノズル部14aで減圧されて膨張する。従って、ノズル部14aで冷媒の圧力エネルギーが速度エネルギーに変換され、このノズル部14aの噴出口から冷媒は高速度となって噴出する。この際の冷媒圧力低下により、冷媒吸引部14cから第2蒸発器18にて蒸発した気相冷媒を吸引する。
【0058】
ノズル部14aから噴出した冷媒と冷媒吸引部14cに吸引された冷媒は、ノズル部14a下流側で混合してディフューザ部14bに流入する。このディフューザ部14bでは通路面積の拡大により、冷媒の速度(膨張)エネルギーが圧力エネルギーに変換されるため、冷媒の圧力が上昇する。エジェクタ14のディフューザ部14bから流出した冷媒は、第1蒸発器15に流入する。
【0059】
第1蒸発器15では、冷媒が車室内へ吹き出す空調用空気から吸熱して蒸発する。この蒸発後の気相冷媒は、圧縮機12に吸入され、圧縮されて再び冷媒循環経路11を矢印A方向に流れる。ここで、ECU25により圧縮機12の容量制御を行って、圧縮機12の冷媒吐出能力を制御することにより、第1蒸発器15への冷媒流量を調節するとともに、第1送風機26の回転数(送風量)を制御することにより、第1蒸発器15が発揮する冷却対象空間の冷却能力、具体的には車室内冷房能力を制御できる。
【0060】
図9の(a)は、ボックス型膨張弁19とエジェクタ14との接続状態を示す部分断面模式図であり、(b)はOリング部の拡大図である。通常の膨張弁サイクルでは、絞り部S1の前後で高圧から低圧に減圧されるので問題とはならなかったが、本実施形態ではボックス型膨張弁19の第1絞り部S1とエジェクタ14の第2絞り部S2とで2段絞りとなっている。
【0061】
これにより、両絞りS1、S2の間の部分が中間圧となり、この中間圧が伝達ロッドのOリングに掛かるようになる。つまりは、この中間圧と低圧側冷媒通路19aの低圧との差圧でOリングが低圧側冷媒通路19a側に押圧されることとなる。従来、このOリングを収納する溝の上下は、図9(b)中に示すようなC面取り形状であったが、C面取りの角部に当たるOリング部に応力集中が発生して劣化が早まることが分かったため、少なくとも溝の押圧側はR化して応力を緩和するよう改良を加えている。
【0062】
次に、本実施形態の特徴と、その効果について述べる。まず、部品組立体20が、第1蒸発器15を収納した空調ユニット10の車両左右方向の側方に形成される車両左右方向に扁平な扁平空間H内にレイアウトされているとともに、扁平空間H内の車両前方側に、部品組立体20としての冷媒流入部および冷媒流出部が集中配置されており、さらに部品組立体20全体がパッキン24で包まれている。これによれば、エジェクタ14を車室内31に配設しても、空調ユニット10から大きく突出することなくコンパクトに収納でき、なおかつ、パッキン24で包むことで結露や冷媒流れ音の対策が可能となる。
【0063】
また、ボックス型膨張弁19とエジェクタ14が、配管コネクタ36の中心軸の延長上で、かつ扁平空間Hの長手方向に沿って配置されている。これによれば、より具体的に、配管コネクタ36、ボックス型膨張弁19およびエジェクタ14を順次接続させつつ扁平空間Hの長手方向に沿って並べることで、無駄なくコンパクトに構成することが可能となる。
【0064】
また、車室内側高圧配管11bと車室内側低圧配管11dは、扁平空間H内で曲げられて配管されている。これによれば、両配管11b、11dが扁平空間H内で曲げられていることにより、パッキン24を2つ折りにして両配管11b、11dを挟み込むことで断熱が可能となるため、パッキン24の貼り付けを容易にすることができる。
【0065】
またエジェクタ14の冷媒吸引部14cに冷媒を導く吸引配管16cは、扁平空間Hに沿って下方から上方へと上がり、扁平空間H内の冷媒吸引部14cの上に回り込んで配管されている。これによれば、冷凍サイクルの冷媒循環が停止したときに、冷凍機油が吸引配管16c内に落ちるのを抑制することができるうえ、第1蒸発器15側の上記両配管11b、11dに沿わせて配管することができるため、パッキン24の貼り付けを簡単にすることができる。
【0066】
また、部品組立体20を空調ユニット10に接続して支持させるブラケット40を有し、ブラケット40の一端は、部品組立体20の配管コネクタ36とボックス型膨張弁19とを接続した剛体部G近傍にのみ接続されている。これによれば、部品組立体20の重心近傍を支持するとなり、ブラケット40での支持位置として好ましいうえ、上記両配管11b、11dとは離れた支持位置となるため、上記両配管11b、11dへのパッキン24の貼り付け作業に支障をきたすことがない。
【0067】
また、パッキン24は、貼り付け前の外形が線対称形状をしており、その中心線24aで2つ折りにして貼り合わせる拝み貼りにて貼り付けている。これによれば、パッキン24の貼り付け作業を簡単にすることができる。また、車両用冷凍装置は、上述の部品組立体20を備えている。これによれば、エジェクタ14を車室内31にコンパクトに構成でき、なおかつ、結露、冷媒流れ音対策を施した冷凍サイクルとすることができる。
【0068】
(その他の実施形態)
本発明は上述した実施形態にのみ限定されるものではなく、次のように変形または拡張することができる。
【0069】
(1)上述の実施形態では本発明を車両用空調冷蔵装置に適用した例を示したが、冷媒蒸発温度が高温側となる第1蒸発器15と冷媒蒸発温度が低温側となる第2蒸発器18の両方をともに車室内31の異なる領域(例えば、車室内前席側領域と車室内後席側領域)の冷房に用いてもよい。
【0070】
(2)冷媒蒸発温度が高温側となる第1蒸発器15と冷媒蒸発温度が低温側となる第2蒸発器18の両方を、ともにクールボックス内の冷却に用いてもよい。つまり、冷媒蒸発温度が高温側となる第1蒸発器15によりクールボックス内の冷蔵室を冷却し、冷媒蒸発温度が低温側となる第2蒸発器18によりクールボックス内の冷凍室を冷却するようにしてもよい。
【0071】
(3)上述の実施形態では、冷媒の種類を特定しなかったが、冷媒はフロン系、HC系の代替フロン、二酸化炭素など蒸気圧縮式の超臨界サイクルおよび亜臨界サイクルのいずれに適用できるものであってもよい。また、上述の実施形態では、気液分離器を用いていない構成例を示したが、例えば、放熱器13の下流側に冷媒の気液分離を行って液冷媒のみを下流側に導出するレシーバを配置してもよい。
【0072】
(4)上述の実施形態では、圧縮機12として可変容量型圧縮機を用い、この可変容量型圧縮機12の容量をECU25により制御して、圧縮機12の冷媒吐出能力を制御するようにしているが、圧縮機12として固定容量型圧縮機を用い、この固定容量型圧縮機12の作動を電磁クラッチによりオンオフ制御し、圧縮機12のオンオフ作動の比率を制御して、圧縮機12の冷媒吐出能力を制御するようにしてもよい。また、圧縮機12として電動圧縮機を用いる場合は、電動圧縮機12の回転数制御により冷媒吐出能力を制御できる。
【0073】
(5)図1に示す実施形態の冷凍サイクル構成に、第2分岐通路、絞り機構および第3蒸発器を設けるようにしてもよい。また、この場合に、エジェクタ14のディフューザ部14bの出口側を第1蒸発器15の入口側ではなく、第3蒸発器22の入口側に接続してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0074】
【図1】本発明の一実施形態における車両用冷凍装置を示すサイクル模式図である。
【図2】図1の車両用冷凍装置の車両搭載状態での概要を示す斜視図である。
【図3】本発明の一実施形態における冷凍サイクル用部品組立体20の構成を示す斜視図である。
【図4】図3の冷凍サイクル用部品組立体20を上から見た平面図である。
【図5】冷凍サイクル用部品組立体20へのパッキン21〜24の貼り付けを説明する側面図である。
【図6】図5中のパッキン24の展開図である。
【図7】冷凍サイクル用部品組立体20の空調ユニット10への組み付け方法を示す斜視図である。
【図8】冷凍サイクル用部品組立体20のブラケット40による固定方法を示す斜視図である。
【図9】(a)は、ボックス型膨張弁19とエジェクタ14との接続状態を示す部分断面模式図であり、(b)はOリング部の拡大図である。
【符号の説明】
【0075】
10…空調ユニット
11…冷媒循環通路
11b…車室内側高圧配管
11d…車室内側低圧配管
14…エジェクタ
14a…ノズル部
14b…ディフューザ部(昇圧部)
14c…冷媒吸引部
15…第1蒸発器(蒸発器)
16c…吸引配管
19…ボックス型膨張弁(温度式箱型膨張弁)
19a…低圧側冷媒通路
19b…高圧側冷媒通路
20…部品組立体
24…パッキン(断熱部材)
24a…中心線
30…ダッシュボード(仕切板)
31…車室内
32…エンジンルーム
36…配管コネクタ(配管接続部材)
40…ブラケット(支持部材)
G…剛体部
H…扁平空間
S1…第1絞り部
S2…第2絞り部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の車室内(31)とエンジンルーム(32)とを仕切る仕切板(30)を、冷凍サイクルの冷媒循環通路(11)が貫通する部分に配設される配管接続部材(36)と、
前記配管接続部材(36)の前記車室内(31)側に接続され、第1絞り部(S1)となって高圧冷媒の減圧手段を成すとともに、低圧側冷媒通路(19a)を流通する冷媒の過熱度に応じて高圧側冷媒通路(19b)を通過する冷媒量を調節する温度式箱型膨張弁(19)と、
前記温度式箱型膨張弁(19)の前記第1絞り部(S1)の下流側に接続され、第2絞り部(S2)となって前記第1絞り部(S1)から流入する冷媒の圧力エネルギーを速度エネルギーに変換して冷媒を減圧膨張させるノズル部(14a)、前記ノズル部(14a)から噴射する高い速度の冷媒流により冷媒吸引部(14c)から気相冷媒を吸引し、前記ノズル部(14a)から噴射する冷媒と前記冷媒吸引部(14c)から吸引した気相冷媒とを混合させながら速度エネルギーを圧力エネルギーに変換して冷媒の圧力を昇圧させる昇圧部(14b)を有するエジェクタ(14)と、
前記エジェクタ(14)の前記昇圧部(14b)から流出する冷媒を蒸発器(15)に導く車室内側高圧配管(11b)と、
前記蒸発器(15)から流出する冷媒を前記温度式箱型膨張弁(19)の前記低圧側冷媒通路(19a)に導く車室内側低圧配管(11d)とを一体的にして部品組立体(20)を構成しており、
前記部品組立体(20)が、前記蒸発器(15)を収納した空調ユニット(10)の車両左右方向側方に許容された前記車両左右方向に扁平な扁平空間(H)内にレイアウトされているとともに、
前記扁平空間(H)内の車両前方側に、前記部品組立体(20)としての冷媒流入部および冷媒流出部が集中配置されており、さらに前記部品組立体(20)全体が断熱部材(24)で包まれていることを特徴とする冷凍サイクル用部品組立体。
【請求項2】
前記温度式箱型膨張弁(19)と前記エジェクタ(14)が、前記配管接続部材(36)の中心軸の延長上で、かつ前記扁平空間(H)の長手方向に沿って配置されていることを特徴とする請求項1記載の冷凍サイクル用部品組立体。
【請求項3】
前記車室内側高圧配管(11b)と前記車室内側低圧配管(11d)は、前記扁平空間(H)内で曲げられて配管されていることを特徴とする請求項1または2記載の冷凍サイクル用部品組立体。
【請求項4】
前記エジェクタ(14)の前記冷媒吸引部(14c)に冷媒を導く吸引配管(16c)は、前記扁平空間(H)に沿って下方から上方へと上がり、前記扁平空間(H)内の前記冷媒吸引部(14c)の上に回り込んで配管されていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の冷凍サイクル用部品組立体。
【請求項5】
前記部品組立体(20)を前記空調ユニット(10)に接続して支持させる支持部材(40)を有し、前記支持部材(40)の一端は、前記部品組立体(20)の前記配管接続部材(36)と前記温度式箱型膨張弁(19)とを接続した剛体部(G)近傍にのみ接続されていることを特徴とする請求項2ないし請求項4のうちいずれか1項に記載の冷凍サイクル用部品組立体。
【請求項6】
前記断熱部材(24)は、貼り付け前の外形が線対称形状をしており、その中心線(24a)で2つ折りにして貼り合わせる拝み貼りにて貼り付けていることを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の冷凍サイクル用部品組立体。
【請求項7】
請求項1ないし6のいずれかに記載の冷凍サイクル用部品組立体を備えることを特徴とする車両用冷凍装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate


【公開番号】特開2009−46054(P2009−46054A)
【公開日】平成21年3月5日(2009.3.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−215216(P2007−215216)
【出願日】平成19年8月21日(2007.8.21)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】