冷却装置および電子機器
【課題】冷却ファンの設置が困難な狭小な空間の冷却を効果的に行うことができる冷却装置およびこのような冷却装置を搭載した電子機器を得る。
【解決手段】電子機器の筺体内に実装された発熱部品を外気により冷却する冷却装置において、電子機器100の筐体1への吸気を行う吸気機構(冷却ファン)42aおよび42bと、該筐体1からの排気を行う排気機構(冷却ファン)41aおよび41bとを備え、これらの吸気機構および排気機構を、気流の通路となる、両端が開口した筒状ケース6と、該筒状ケース内に回転可能に支持されたフィン7とを有する構造とした。
【解決手段】電子機器の筺体内に実装された発熱部品を外気により冷却する冷却装置において、電子機器100の筐体1への吸気を行う吸気機構(冷却ファン)42aおよび42bと、該筐体1からの排気を行う排気機構(冷却ファン)41aおよび41bとを備え、これらの吸気機構および排気機構を、気流の通路となる、両端が開口した筒状ケース6と、該筒状ケース内に回転可能に支持されたフィン7とを有する構造とした。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、冷却装置および電子機器に関し、特に、小型、薄型の電子機器、あるいは狭小な空間に部品を実装した電子機器おける発熱部品を冷却するための冷却装置、及びこの冷却装置を備えた電子機器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に電子機器内部には、その機能に応じた回路を構成する部品が搭載されているが、半導体チップのような発熱する部品については、ヒートシンクのような放熱部品や冷却ファンを用いて放熱を行っている。
【0003】
従来より用いられている冷却ファンは、送気方向に対して断面積の大きな軸流ファンであり、この冷却ファンによって筐体内の空気を排出することで熱を放出している。
【0004】
しかしながら、従来の大きなフィンを有する冷却ファンは、小型の筐体に搭載したり、狭小な空間の空気の排出に使用したりするのは困難である。
【0005】
図11は、従来から使用されてきた送風方向に対して断面積の大きな冷却ファン5を搭載した電子機器の一例を示す図であり、図11(a)は断面図、図11(b)は側面図である。
【0006】
この電子機器200は、筐体1内に回路基板2が取り付けられており、該回路基板2上には、発熱部品3が搭載されている。この発熱部品3には、例えば、CPUなどの演算用半導体チップ、半導体レーザや発光素子などの発光デバイスが挙げられる。
【0007】
このような発熱部品3を搭載した回路基板2が取り付けられた筐体1内では、発熱部品3の過熱を避けるために、筐体1の側面に冷却ファン5aを設け、筐体1内で過熱された空気Haを強制排気して、筐体の外部から冷却用外気Caを筐体内に導入するようにしている。
【0008】
しかしながら、筐体の側面に取り付けている冷却ファン5aは、回転フィンの回転面内での寸法が大きなものであり、幅が狭く、厚さが薄い筐体を有する小型機器では、このような回転面内での寸法の大きな冷却ファン5aを用いることは困難である。
【0009】
そこで、小型機器にも実装可能な冷却装置として、筒状の筐体を用い、この筒状筐体内に空気流を発生させるようにしたものが開発されており、例えば、特許文献1および2にはこのような冷却装置が開示されている。
【0010】
例えば、特許文献1に開示の電子機器には、電子機器に搭載された発熱部品の熱が伝わるように、放熱体(筒状筐体)を有する冷却装置が配置されている。この冷却装置の筐体内部には、回転軸の長手方向に複数の羽、もしくは螺旋状の羽を有するファンが回転可能に収容されている。ここで、冷却装置は、放熱体の排気口が電子機器の筐体外部に向くよう配置され、放熱体の側面の一部に吸気口が形成されている。また、放熱体内部のファンはモーターなどで直接駆動され、これにより、電子機器内部の空気を放熱体に取り込んで該放熱体を通して電子機器に外部に放出される。
【0011】
また、特許文献2に開示の電子機器に搭載された冷却装置は、発熱部品の熱が伝わるように接続された通気管を有している。この通気管の排出口と吸気口とは、電子機器の筐体の側面に設けられている。この通気管の内部には、らせん状の羽を有するファンが回転可能に収容されている。この冷却装置は、ファンをモーターなどで間接的に駆動することにより、通気管内に吸気口から排気口へ向かう空気流を発生させて通気管自体をヒートシンクとして用いる構造となっている。通気管自体を冷却することで、この通気管に伝熱体を介して接続されたCPUが冷却される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】特開平11−214877号公報
【特許文献2】特開2001−15965号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
しかしながら、電子機器の筐体内に実装する部品の実装密度が上がり、しかも、筐体そのものが小型化してくると、放熱のための冷却装置を筐体内部に搭載することが困難になり、改めて、占有する配置スペースが小さく、放熱効率の高い放熱装置の必要性が高まってくる。
【0014】
本発明は、このような従来の問題点を解決したものであり、冷却ファンの設置が困難な狭小な空間の冷却を効果的に行うことができる冷却装置およびこのような冷却装置を搭載した電子機器を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明に係る冷却装置は、電子機器の筺体内に実装された発熱部品を外気により冷却する冷却装置であって、該筺体内への吸気を行う吸気機構と、該筺体内からの排気を行う排気機構とを備え、該吸気機構および該排気機構はそれぞれ、該筺体に取り付けられ、気流の通路となる、両端が開口した筒状ケースと、該筒状ケース内に回転可能に支持されたフィンとを有し、該フィンの回転により該筒状ケースの一端側開口から他端側開口に向けて流れる気流が発生するよう構成されており、そのことにより上記目的が達成される。
【0016】
本発明は、上記冷却装置において、前記吸気機構のフィンを回転させる吸気側駆動部と、前記排気機構のフィンを回転させる排気側駆動部とを有することが好ましい。
【0017】
本発明は、上記冷却装置において、前記吸気側駆動部および前記排気側駆動部を、制御信号に基づいて、前記吸気機構のフィンおよび前記排気機構のフィンのいずれか一方あるいはその両方が回転駆動されるよう制御する制御部を有することが好ましい。
【0018】
本発明は、上記冷却装置において、前記吸気機構のフィンは、このフィンを回転可能に支持する回転軸を有し、前記吸気側駆動部は、該吸気機構のフィンの回転軸を直接的に回転駆動するよう構成されており、前記排気機構のフィンは、このフィンを回転可能に支持する回転軸を有し、前記排気側駆動部は、該排気機構のフィンの回転軸を直接的に回転駆動するよう構成されていることが好ましい。
【0019】
本発明は、上記冷却装置において、前記吸気機構および前記排気機構のフィンはそれぞれ、1以上の螺旋状板部材から構成されており、該吸気機構および該排気機構はそれぞれ、前記筒状ケースの少なくとも一端に設けられ、該フィンの端部を回転可能に支持するリング状回転支持部を有し、該リング状回転支持部は、該筒状ケースに固定された外側リング部材と、該外側リング部材の内側に、該外側リング部材に対して回転自在に保持された内側リング部材とを有し、該内側リング部材には、該フィンの一端が取り付けられていることが好ましい。
【0020】
本発明に係る電子機器は、回路基板を収容する筐体と、該回路基板に実装された発熱部品を冷却する冷却装置とを備えた電子機器であって、該筐体には、該冷却装置として、上述した本発明の冷却装置が1以上搭載されており、そのことにより上記目的が達成される。
【0021】
本発明は、上記電子機器において、前記冷却装置を用いて、前記筺体内への吸気または筺体内からの排気のどちらかを行うことで、該筐体内の発熱部品を冷却することが好ましい。
【0022】
本発明は、上記電子機器において、前記冷却装置を用いて、前記筺体内への吸気と該筺体内からの排気の双方を行うことで、該筐体内の発熱部品を冷却することが好ましい。
【0023】
本発明は、上記電子機器において、1つの冷却装置を構成する吸気機構と排気機構とは、これらの吸気機構と排気機構との間に前記回路基板上の発熱部品が位置するよう、前記筐体の側壁に取り付けられていることが好ましい。
【0024】
本発明は、上記電子機器において、前記1つの冷却装置を構成する吸気機構と排気機構とは、該吸気機構により前記筐体内に吸入された外気が、前記発熱部品上を通過して該排気機構により該筐体内から排出される経路が、一直線状となるよう配置されていることが好ましい。
【0025】
本発明は、上記電子機器において、前記回路基板上には、複数の発熱部品が搭載されており、これらの発熱部品は、前記吸気機構により前記筐体内に吸入された外気が該筐体内を通過して該排気機構により該筐体内から排出される経路上に配置されていることが好ましい。
【0026】
本発明は、上記電子機器において、前記筐体は平面矩形形状を有しており、前記複数の発熱部品は、該筐体の対向する両側辺に沿って複数配列されていることが好ましい。
【0027】
本発明は、上記電子機器において、前記筐体の側面に、前記発熱部品に近接して位置するよう配置された冷却ファンを有し、該冷却ファンは、該筺体に取り付けられ、気流の通路となる、両端が開口した筒状ケースと、該筒状ケース内に回転可能に支持されたフィンとを有し、該フィンの回転により該筒状ケースの一端側開口から該発熱部品に向けて気流が発生するよう構成されていることが好ましい。
【0028】
本発明は、上記電子機器において、前記発熱部品上にはヒートシンクが設けられており、前記筐体の内部には、前記発熱部品およびその上の該ヒートシンクに近接するよう冷却ファンが配置されており、該冷却ファンは、該筺体に取り付けられ、気流の通路となる、両端が開口した筒状ケースと、該筒状ケース内に回転可能に支持されたフィンとを有し、該フィンの回転により該筒状ケースの一端側開口から該発熱部品に向けて気流が発生するよう構成されていることが好ましい。
【0029】
本発明に係る電子機器は、回路基板を収容する筐体と、該回路基板に実装された発熱部品を冷却する冷却装置とを備えた電子機器であって、該筐体には、該冷却装置として、上述した冷却装置が1以上搭載されており、前記1以上の冷却装置の制御部は、該冷却装置における前記吸気側駆動部および前記排気側駆動部を、制御信号に基づいて、前記吸気機構のフィンおよび前記排気機構のフィンのそれぞれが回転駆動し、あるいは停止するよう制御するものであり、該制御部の制御により、該筐体内での発熱部品の発熱状態に応じて、前記1以上の冷却装置における駆動すべき冷却装置の数と、使用する冷却装置における吸気機構および排気機構におけるファンの回転数とを変化させることで、該筐体内への送風量を調節して、該筺体内の温度を調整するものであり、そのことにより上記目的が達成される。
【0030】
次に、本発明の作用について説明する。
【0031】
本発明においては、電子機器の筐体への吸気を行う吸気機構と、該筐体からの排気を行う排気機構とを備え、これらの吸気機構および排気機構を、気流の通路となる、両端が開口した筒状ケースと、該筒状ケース内に回転可能に支持されたフィンとを有する構造としたので、フィンの回転により筒状ケースを移動する気流の塊を形成することができる。このため、吸気機構では、筒状ケースで気流の塊に慣性を持たせて、筒状ケース外に気流が排出されたときに、より遠くまで気流を到達させることが可能となる。また、排気機構では、筒状ケースで気流の塊に慣性を持たせることで、筐体内で排気機構の筒状ケースに吸い寄せられる空気の勢いを高めることができる。これにより、粘性の高い空気の流れを、狭小な空間を形成する筐体内で効果的に形成することが可能となり、狭小な空間である電子機器の筐体内の発熱部品の空冷をより効果的に行うことができる。
【0032】
また、筐体には、吸気機構と排気機構とを設けているので、筐体内に供給される空気の流れと、筐体内から排出される空気の流れとを同時に形成することができ、これによっても、狭小な空間である電子機器の筐体内の発熱部品の空冷をより効果的に行うことができる。
【0033】
また、本発明では、冷却装置を構成する吸気機構および排気機構を、筒状ケースとその内部に回転可能に保持したフィンとを有する構造としているので、筒状ケースの直径や長さを小さくしても、筒状ケースでは気流の塊に慣性を持たせることができ、送風量の極端な低下は回避することができる。このため、発熱部分を実装した狭小な筺体における冷却装置の取り付け部分のスペースが小さくても、この冷却装置は実装可能である。
【0034】
さらに、本発明の冷却装置は、複数個を搭載して、筺体内への送風量、または排気量を調節することで、発熱部品の冷却を行うだけではなく、筺体の内部の温度管理を、従来の送風ファンに比べより精密に行うことが可能となる。
【発明の効果】
【0035】
以上のように、本発明によれば、電子機器の筐体への吸気を行う吸気機構と、該筐体からの排気を行う排気機構とを備え、これらの吸気機構および排気機構を、気流の通路となる両端が開口した筒状ケースと、該筒状ケース内に回転可能に支持されたフィンとを有する構造としたので、フィン回転面内での寸法の大きな冷却ファンの設置が困難な狭小な空間の冷却を効果的に行うことができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】図1は、本発明の実施形態1による電子機器を説明する図であり、図1(a)は電子機器の縦断面の構造を示し、図1(b)は電子機器の横断面の構造を示している。
【図2】図2は、本発明の実施形態1の電子機器に搭載された冷却装置を説明する図であり、該冷却装置に用いる冷却ファンの断面構造を示している。
【図3】図3は、本発明の実施形態1の電子機器に搭載された冷却装置で用いる冷却ファンの他の構成例を説明する図であり、冷却ファンの断面構造を示している。
【図4】図4は、図3に示す冷却ファンの駆動部の構成を説明する図であり、図4(a)は、回転軸と平行な断面の構造を部分的に示し、図4(b)は、回転軸と垂直な断面の構造を示している。
【図5】図5は、本発明の実施形態1の電子機器に搭載された冷却装置で用いる冷却ファンの他の構成例を説明する図であり、図5(a)は、回転軸と平行な断面の構造を示し、図5(b)は、回転軸と垂直な断面の構造を示している。
【図6】図6は、本発明の実施形態2による電子機器を説明する図であり、図6(a)は電子機器の縦断面の構造を示し、図6(b)は電子機器の横断面の構造を示している。
【図7】図7は、本発明の実施形態3による電子機器を説明する図であり、図7(a)は電子機器の縦断面の構造を示し、図7(b)は電子機器の横断面の構造を示している。
【図8】図8は、本発明の実施形態4による電子機器を説明する図であり、電子機器の横断面の構造を示している。
【図9】図9は、本発明の実施形態5による電子機器を説明する図であり、電子機器の縦断面の構造を示している。
【図10】図10は、本発明の実施形態6による電子機器を説明する図であり、電子機器の縦断面の構造を示している。
【図11】図11は、従来の冷却ファンを実装した電子機器を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
以下に、本発明の実施形態を、図面を参照して詳細に説明する。なお、図面においては、同一の部材には同一の符号を付し、説明の繰り返しは省略する。
(実施形態1)
図1は、本発明の実施形態1による電子機器を説明する図であり、図1(a)は電子機器の縦断面の構造を示し、図1(b)は電子機器の横断面の構造を示している。
【0038】
この実施形態1の電子機器100は、回路基板2を収容する筐体1と、該回路基板2に実装された発熱部品3を冷却する冷却装置とを備えている。
【0039】
ここでは、筐体1には2つの冷却装置が設けられており、第1の冷却装置は、該筺体内への吸気を行う吸気機構42aと、該筺体内からの排気を行う排気機構41aとを備え、第2の冷却装置は、該筺体内への吸気を行う吸気機構42bと、該筺体内からの排気を行う排気機構41bとを備えている。
【0040】
ここで、各吸気機構42a、42bおよび排気機構41a、41bは同一の構造を有しており、それぞれ1つの冷却ファンを構成している。
【0041】
図2は、この実施形態1の電子機器100に搭載された冷却装置を説明する図であり、該冷却装置に用いる冷却ファン(吸気機構あるいは排気機構)の断面構造を示している。
【0042】
例えば、排気機構(冷却ファン)41aは、該筺体1に取り付けられ、気流の通路となる、両端が開口した筒状ケース6と、該筒状ケース6内に回転可能に支持されたフィン7とを有し、該フィン7の回転により該筒状ケースの一端側開口から他端側開口に向けて気流が発生するよう構成されている。
【0043】
また、各冷却装置は、吸気機構あるいは排気機構のフィンを回転させる吸気側あるいは排気側の駆動部を有している。フィン7は、このフィン7を回転可能に支持する回転軸8を有し、この回転軸8は、筒状ケース6の両端に取り付けられた軸受け部(支持体)9aおよび9bにより回転可能に支持されている。なお、この軸受け部9aおよび9bは、空気流の妨げとならないような構造、例えば空気流通用開口などを有する構造となっている。
【0044】
また、排気機構の駆動部は、排気機構のフィンの回転軸を間接的に回転駆動するよう構成されている。
【0045】
例えば、この排気機構(冷却ファン)41aの駆動部では、図2に示すように、フィン7の回転軸8にプーリ10aが取り付けられており、このプーリ10aはベルト部材10cによりモータ150の駆動軸150aに取り付けられた駆動プーリ10bに連結されている。また、このモータ150は、制御部160からの制御信号により駆動制御されるようになっている。なお、該プーリ10も、空気流の妨げとならないような構造、例えば空気流通用開口などを有する構造となっている。
【0046】
つまり、図2に示す冷却ファン41aでは、両端が吸気口または排気口となった筒状のケース6に、軸方向に螺旋状フィン7の回転軸8が収められ、この回転軸を送風を妨げずに支持する支持体9が設けられている。また、回転軸を間接的に回転駆動するために、例えばプーリーのような駆動部分10aが設けられている。駆動部分10aはここではプーリーで示しているが、ギア等でもよく、この駆動部分10aはベルトやギア等を介してモーターなどの回転駆動部と接続されてもよい。
【0047】
次に動作について説明する。
【0048】
このような構成の電子機器100では、その動作時に、上記吸気機構(冷却ファン)42a、42bおよび排気機構(冷却ファン)41a、41bのフィン7が、それぞれの冷却ファンに対応するモータ150により回転させられると、図1に示すように、吸気機構(冷却ファン)42a、42bにより電子機器100の筐体内1に空気が取り込まれ、取り込まれた空気は、排気機構(冷却ファン)41a、41bにより該筐体1から放出されることとなる。
【0049】
これにより、筐体1内の回路基板2上に実装されている発熱部品3の放熱が行われることとなる。
【0050】
例えば、電子機器の筺体1の内部の狭小なスペースに、電子回路を構成する回路基板2と、回路基板2に実装された発熱部品3がある場合、吸気または排気方向に垂直な断面積の小さな冷却ファンを、吸気側と排気側に、一個もしくは複数個を搭載し、筺体1の内部で空気を流動させることで、発熱部品の冷却、および実装部品の温度管理が行われる。
【0051】
このように本実施形態1では、電子機器100の筐体1への吸気を行う吸気機構(冷却ファン)42aおよび42bと、該筐体1からの排気を行う排気機構(冷却ファン)41aおよび41bとを備え、これらの吸気機構および排気機構を、気流の通路となる、両端が開口した筒状ケース6と、該筒状ケース内に回転可能に支持されたフィン7とを有する構造としたので、フィン7の回転により筒状ケース6を移動する気流の塊を形成することができる。このため、吸気機構42aおよび42bでは、筒状ケース6で気流の塊に慣性を持たせて、筒状ケース6外に気流が排出されたときに、より遠くまで気流を到達させることが可能となる。また、排気機構(冷却ファン)41aおよび41bでは、筒状ケース6で気流の塊に慣性を持たせることで、筐体1内で排気機構の筒状ケース6に吸い寄せられる空気の勢いを高めることができる。これにより、粘性の高い空気の流れを、狭小な空間を形成する筐体内で効果的に形成することが可能となり、狭小な空間である電子機器100の筐体1内の発熱部品3の空冷をより効果的に行うことができる。
【0052】
また、筐体1には、吸気機構と排気機構とを設けているので、筐体1内に供給される空気の流れと、筐体内から排出される空気の流れとを同時に形成することができ、これによっても、狭小な空間である電子機器の筐体内の発熱部品の空冷をより効果的に行うことができる。
【0053】
また、冷却装置を構成する吸気機構42a、42bおよび排気機構41a、41bを、筒所ケース6とその内部に回転可能に保持したフィン7とを有する構造としているので、筒状ケースの直径や長さを小さくしても、筒状ケースでは気流の塊に慣性を持たせることができ、送風量の極端な低下は回避することができる。このため、発熱部分3を実装した狭小な筺体1における冷却装置の取り付け部分のスペースが小さくても、この冷却装置は実装可能である。
【0054】
さらに、冷却装置は、複数個を搭載して、筺体内への送風量、または排気量を調節することで、発熱部品の冷却を行うだけではなく、筺体の内部の温度管理を、従来の送風ファンに比べより精密に行うことが可能となる。
【0055】
このように本実施形態の冷却ファンは、従来から使用されてきた送風方向に対して面積の大きな冷却ファンが搭載できないような狭小な筺体でも、吸気または送気方向に垂直な断面積が小さいため搭載が可能であり、また複数個を使用することで送風量を確保することができる。
【0056】
なお、上記実施形態1では、冷却ファンとして図2に示す構成を示したが、冷却ファンの構成はこれに限定されるものではない。
【0057】
図3は、上記実施形態1の電子機器に搭載された冷却装置で用いる冷却ファンの他の構成例を説明する図であり、冷却ファンの断面構造を示している。
【0058】
この冷却ファン51では、両端が吸気口または排気口として開口した筒状のケース6に、軸方向に螺旋状のフィン7を有する回転軸8が収められ、この回転軸を送風を妨げずに支持する支持体9aが設けられている。ここで、フィンを駆動する駆動部には、筒状ケース6に保持されたフィンを直接的に回転駆動するリング状モーター11を用いている。
【0059】
図4は、図3に示す冷却ファンの駆動部の構成を説明する図であり、図4(a)は、回転軸と平行な断面の構造を部分的に示し、図4(b)は、回転軸と垂直な断面の構造を示している。
【0060】
ここで、リング状モータ11は、リング状のモータケース11aと、該モータケース11aの外周縁に沿って所定間隔で複数配置された電磁石11bと、該リング状モータケース11aが嵌合する筒状ケース6の周端部6aにボールベアリング6bを介して回転可能に保持された導電性のリング状可動部材6cとを有している。なお、リング状のモータケース11aの内側は、空気の通過開口11cとなっている。
【0061】
このような構成の冷却ファン51では、リング状モータ11の駆動部(図示せず)により、複数の電磁石11bへの通電を行うことで、リング状可動部材6cが回転し、これによりフィン7が回転駆動する。
【0062】
図5は、上記実施形態1の電子機器に搭載された冷却装置で用いる冷却ファンのその他の構成例を説明する図であり、図5(a)は、回転軸と平行な断面の構造を部分的に示し、図5(b)は、回転軸と垂直な断面の構造を示している。
【0063】
図5に示す冷却ファン61は、図2、図3に示す冷却ファン41a、51とは異なり、フィンには回転軸が設けられていない。
【0064】
つまり、この冷却ファン61では、両端が吸気口または排気口となった筒状ケース6に、一枚もしくは複数枚の板によって形成された螺旋状のフィン12が回転可能に取り付けられている。具体的には、フィン12の取り付けには、筒状ケース6に設けられた例えばベアリングのような回転装置13および16を用いている。また、フィン12を間接的に駆動するため、例えば、プーリーのような駆動部分14がこの回転装置16の可動部に固定されている。
【0065】
ここで、回転装置13は、外周側リング状部材13aと、外周側リング状部材13aの内側にボールベアリングを介して回転可能の装着された内周側リング部材13bとを有し、外周側リング状部材13aは筒状ケースの一端側に固定され、内周側リング状部材13bには、フィン12の一端が固定されている。また、回転装置16は、外周側リング状部材16aと、外周側リング状部材16aの内側にボールベアリングを介して回転可能の装着された内周側リング部材16bとを有し、外周側リング状部材16aは筒状ケースの他端側に固定され、内周側リング状部材16bには、フィン12の他端が固定されている。
【0066】
さらに、内周側リング状部材16bの先端部には、プーリ(駆動部分)14が取り付けられている。このプーリ14はベルト等を介してモーターなどの回転駆動手段と接続され、回転駆動される。なお、フィン12を駆動する方法としては、図3で説明したような例えばリング状モーター11のようなもので直接的に駆動する方法を用いることもできる。
【0067】
また、上記実施形態1では、単純な直方体の形状をした電子機器の筺体1に、第1および第2の冷却装置を設けたもの、つまり、送気側(吸気側)に2個の冷却ファン42a、42bを設け、排気側に2個の冷却ファン41a、41bを設け、合計4個の冷却ファンを用いて、発熱部品を冷却する構成を示したが、これに限定されるものではない。例えば、冷却装置は1つのみでもよく、この場合、電子機器は、送気側(吸気側)に1個の冷却ファンを設け、排気側に1個の冷却ファンを設け、合計2個の冷却ファンを用いて、発熱部品を冷却する構成となる。
(実施形態2)
図6は、本発明の実施形態2による電子機器を説明する図であり、図6(a)は電子機器の縦断面の構造を示し、図6(b)は電子機器の横断面の構造を示している。
【0068】
図6に示す本実施形態2の電子機器100aは、図1に示す実施形態1の電子機器100とは、冷却ファン41a、41b、42a、42bの、電子機器の筐体1への取り付け方が異なっている。
【0069】
つまり、図1に示す実施形態1の電子機器100では、冷却ファン41a、41b、42a、42bを、電子機器の筐体1にその側面から突出するよう配置していたが、この実施形態2の電子機器100aでは、冷却ファン41a、41b、42a、42bは、電子機器の筐体1に、該ファン全体が筐体内部に収容されるよう取り付けている点で異なっている。この実施形態2の電子機器100aは、その他の点では、実施形態1の電子機器100と同一の構成を有している。
(実施形態3)
図7は、本発明の実施形態3による電子機器を説明する図であり、図7(a)は電子機器の縦断面の構造を示し、図7(b)は電子機器の横断面の構造を示している。
【0070】
図7に示す本実施形態3の電子機器100bは、図1に示す実施形態1の電子機器100とは、回路基板2上に3つの発熱部材3が一直線に配列されている点で異なっている。なお、この実施形態3におけるその他の構成は、実施形態1と同一である。
【0071】
つまり、この実施形態3では、1つの冷却装置を構成する吸気機構(冷却ファン)42a、42bと排気機構(冷却ファン)41a、41bとは、該吸気機構により前記筐体内に吸入された外気が、複数の発熱部品3上を通過して該排気機構により該筐体内から排出される経路が、一直線状となるよう配置されている。
(実施形態4)
図8は、本発明の実施形態4による電子機器を説明する図であり、電子機器の横断面の構造を示している。
【0072】
この実施形態4による電子機器100cは液晶テレビであり、この液晶テレビの筐体1cは、平面矩形形状を有しており、該筐体1c内には発光素子などの発熱部品を搭載した第1、第2の回路基板2a、2bが該筐体の対向する両側辺に隣接して配置されており、従って、発熱部品は筐体の対向する両側辺に沿って複数配列されている。
【0073】
ここでは、第1の回路基板2a上の発熱部品3を第1、第2の冷却装置で冷却し、第2の回路基板2b上の発熱部品3を第3、第4の冷却装置で冷却するようになっている。
【0074】
つまり、ここで第1〜第4の冷却装置はそれぞれ、吸気機構(冷却ファン)44a〜44dと、排気機構(冷却ファン)43a〜43dとを有している。
【0075】
このような構成の電子機器100では、広くかつ薄い平面矩形形状の筐体内に対向する側辺に沿って配置された発熱部品を効果的に冷却することができる。
(実施形態5)
図9は、本発明の実施形態5による電子機器を説明する図であり、電子機器の縦断面の構造を示している。
【0076】
この実施形態5の電子機器100dは、送気側(吸気側)に2個、排気側に2個の合計4個の冷却ファンを有する実施形態1の電子機器100において、筐体17の側面に、発熱部品3に近接して位置するよう配置された冷却ファン15cを備えたものである。この冷却ファン15は、図2あるいは図3に示す冷却ファンと同様の構成を有している。
【0077】
つまり、この実施形態5では、筐体17の側面に設けられた冷却ファン15cは、筐体内の例えばCPUのような特に発熱量の大きな部品に対して直接送風し、より放熱の効果を高めるために実装している。
(実施形態6)
図10は、本発明の実施形態6による電子機器を説明する図であり、電子機器の縦断面の構造を示している。
【0078】
この実施形態6の電子機器100eは、送気側(吸気側)に2個、排気側に2個の合計4個の冷却ファンを有する実施形態1の電子機器100において、発熱部品上にヒートシンク(放熱フィン)18を設け、前記筐体の内部には、前記発熱部品およびその上の該ヒートシンクに近接するよう冷却ファン15dを配置したものである。
【0079】
この冷却ファン15dは、図2あるいは図3に示す冷却ファンと同様の構成を有している。
【0080】
つまり、冷却ファン15dは、該筺体に取り付けられ、気流の通路となる、両端が開口した筒状ケースと、該筒状ケース内に回転可能に支持されたフィンとを有し、該フィンの回転により該筒状ケースの一端側開口から発熱部品3およびその上のヒートシンク(放熱フィン)18に向けて流れる気流が発生するよう構成されている。
【0081】
この実施形態の電子機器100eは、単純な直方体の形状をした筺体1に対し、冷却ファンを送気側(吸気側)に2個、排気側に2個、筐体内に1個の合計5個を実装したものである。
【0082】
CPUのような特に発熱量の大きな部品には、金属等でできたヒートシンク(放熱フィン)18が実装されることがあるが、それでも放熱が不足する場合は、本実施形態6で示すように、発熱部品または該発熱部品に実装されたヒートシンク(放熱フィン)18に対し、直接冷却ファン15dで送風することで、効率よく部品の放熱の効果を高めることが可能となる。
【0083】
また、部品に実装された放熱フィンに対し直接冷却ファンで送風することで、直接冷却ファンで送風しない場合よりも小さな放熱フィンの採用が可能となり、狭小な筐体内での発熱部品の使用制限が緩和されることが期待できる。
【0084】
なお、上記各実施形態では、冷却ファンを搭載する個数や、冷却ファンのフィンの回転数を変化させることで、筐体内の温度を調節し、電子機器の機能の安定性の管理が可能となることはいうまでもない。
【0085】
以上のように、本発明の好ましい実施形態を用いて本発明を例示してきたが、本発明は、この実施形態に限定して解釈されるべきものではない。本発明は、特許請求の範囲によってのみその範囲が解釈されるべきであることが理解される。当業者は、本発明の具体的な好ましい実施形態の記載から、本発明の記載および技術常識に基づいて等価な範囲を実施することができることが理解される。本明細書において引用した特許文献は、その内容自体が具体的に本明細書に記載されているのと同様にその内容が本明細書に対する参考として援用されるべきであることが理解される。
【産業上の利用可能性】
【0086】
本発明は、小型、薄型の電子機器、あるいは狭小な空間に部品を実装した電子機器おける発熱部品を冷却するための冷却装置の分野において、フィン回転面内での寸法の大きな冷却ファンの設置が困難な狭小な空間の冷却を効果的に行うことができる冷却装置が得られ、本発明の冷却装置は、薄型の筐体を有する液晶テレビなど冷却装置として有用なものである。
【符号の説明】
【0087】
1、17 筺体
2 回路基板
3 発熱部品
5 冷却ファン
6 筒状ケース
7、12 フィン
8 回転軸
9 支持体
10a 駆動部分
11 リング状モーター
13 回転装置
14 駆動部分(プーリ)
15a〜15d、41a〜44a、41b〜44b、51、61 冷却ファン
16 回転装置
18 ヒートシンク(放熱フィン)
100、100a〜100e、200 電子機器
150 モーター
160 制御部
【技術分野】
【0001】
本発明は、冷却装置および電子機器に関し、特に、小型、薄型の電子機器、あるいは狭小な空間に部品を実装した電子機器おける発熱部品を冷却するための冷却装置、及びこの冷却装置を備えた電子機器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に電子機器内部には、その機能に応じた回路を構成する部品が搭載されているが、半導体チップのような発熱する部品については、ヒートシンクのような放熱部品や冷却ファンを用いて放熱を行っている。
【0003】
従来より用いられている冷却ファンは、送気方向に対して断面積の大きな軸流ファンであり、この冷却ファンによって筐体内の空気を排出することで熱を放出している。
【0004】
しかしながら、従来の大きなフィンを有する冷却ファンは、小型の筐体に搭載したり、狭小な空間の空気の排出に使用したりするのは困難である。
【0005】
図11は、従来から使用されてきた送風方向に対して断面積の大きな冷却ファン5を搭載した電子機器の一例を示す図であり、図11(a)は断面図、図11(b)は側面図である。
【0006】
この電子機器200は、筐体1内に回路基板2が取り付けられており、該回路基板2上には、発熱部品3が搭載されている。この発熱部品3には、例えば、CPUなどの演算用半導体チップ、半導体レーザや発光素子などの発光デバイスが挙げられる。
【0007】
このような発熱部品3を搭載した回路基板2が取り付けられた筐体1内では、発熱部品3の過熱を避けるために、筐体1の側面に冷却ファン5aを設け、筐体1内で過熱された空気Haを強制排気して、筐体の外部から冷却用外気Caを筐体内に導入するようにしている。
【0008】
しかしながら、筐体の側面に取り付けている冷却ファン5aは、回転フィンの回転面内での寸法が大きなものであり、幅が狭く、厚さが薄い筐体を有する小型機器では、このような回転面内での寸法の大きな冷却ファン5aを用いることは困難である。
【0009】
そこで、小型機器にも実装可能な冷却装置として、筒状の筐体を用い、この筒状筐体内に空気流を発生させるようにしたものが開発されており、例えば、特許文献1および2にはこのような冷却装置が開示されている。
【0010】
例えば、特許文献1に開示の電子機器には、電子機器に搭載された発熱部品の熱が伝わるように、放熱体(筒状筐体)を有する冷却装置が配置されている。この冷却装置の筐体内部には、回転軸の長手方向に複数の羽、もしくは螺旋状の羽を有するファンが回転可能に収容されている。ここで、冷却装置は、放熱体の排気口が電子機器の筐体外部に向くよう配置され、放熱体の側面の一部に吸気口が形成されている。また、放熱体内部のファンはモーターなどで直接駆動され、これにより、電子機器内部の空気を放熱体に取り込んで該放熱体を通して電子機器に外部に放出される。
【0011】
また、特許文献2に開示の電子機器に搭載された冷却装置は、発熱部品の熱が伝わるように接続された通気管を有している。この通気管の排出口と吸気口とは、電子機器の筐体の側面に設けられている。この通気管の内部には、らせん状の羽を有するファンが回転可能に収容されている。この冷却装置は、ファンをモーターなどで間接的に駆動することにより、通気管内に吸気口から排気口へ向かう空気流を発生させて通気管自体をヒートシンクとして用いる構造となっている。通気管自体を冷却することで、この通気管に伝熱体を介して接続されたCPUが冷却される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】特開平11−214877号公報
【特許文献2】特開2001−15965号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
しかしながら、電子機器の筐体内に実装する部品の実装密度が上がり、しかも、筐体そのものが小型化してくると、放熱のための冷却装置を筐体内部に搭載することが困難になり、改めて、占有する配置スペースが小さく、放熱効率の高い放熱装置の必要性が高まってくる。
【0014】
本発明は、このような従来の問題点を解決したものであり、冷却ファンの設置が困難な狭小な空間の冷却を効果的に行うことができる冷却装置およびこのような冷却装置を搭載した電子機器を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明に係る冷却装置は、電子機器の筺体内に実装された発熱部品を外気により冷却する冷却装置であって、該筺体内への吸気を行う吸気機構と、該筺体内からの排気を行う排気機構とを備え、該吸気機構および該排気機構はそれぞれ、該筺体に取り付けられ、気流の通路となる、両端が開口した筒状ケースと、該筒状ケース内に回転可能に支持されたフィンとを有し、該フィンの回転により該筒状ケースの一端側開口から他端側開口に向けて流れる気流が発生するよう構成されており、そのことにより上記目的が達成される。
【0016】
本発明は、上記冷却装置において、前記吸気機構のフィンを回転させる吸気側駆動部と、前記排気機構のフィンを回転させる排気側駆動部とを有することが好ましい。
【0017】
本発明は、上記冷却装置において、前記吸気側駆動部および前記排気側駆動部を、制御信号に基づいて、前記吸気機構のフィンおよび前記排気機構のフィンのいずれか一方あるいはその両方が回転駆動されるよう制御する制御部を有することが好ましい。
【0018】
本発明は、上記冷却装置において、前記吸気機構のフィンは、このフィンを回転可能に支持する回転軸を有し、前記吸気側駆動部は、該吸気機構のフィンの回転軸を直接的に回転駆動するよう構成されており、前記排気機構のフィンは、このフィンを回転可能に支持する回転軸を有し、前記排気側駆動部は、該排気機構のフィンの回転軸を直接的に回転駆動するよう構成されていることが好ましい。
【0019】
本発明は、上記冷却装置において、前記吸気機構および前記排気機構のフィンはそれぞれ、1以上の螺旋状板部材から構成されており、該吸気機構および該排気機構はそれぞれ、前記筒状ケースの少なくとも一端に設けられ、該フィンの端部を回転可能に支持するリング状回転支持部を有し、該リング状回転支持部は、該筒状ケースに固定された外側リング部材と、該外側リング部材の内側に、該外側リング部材に対して回転自在に保持された内側リング部材とを有し、該内側リング部材には、該フィンの一端が取り付けられていることが好ましい。
【0020】
本発明に係る電子機器は、回路基板を収容する筐体と、該回路基板に実装された発熱部品を冷却する冷却装置とを備えた電子機器であって、該筐体には、該冷却装置として、上述した本発明の冷却装置が1以上搭載されており、そのことにより上記目的が達成される。
【0021】
本発明は、上記電子機器において、前記冷却装置を用いて、前記筺体内への吸気または筺体内からの排気のどちらかを行うことで、該筐体内の発熱部品を冷却することが好ましい。
【0022】
本発明は、上記電子機器において、前記冷却装置を用いて、前記筺体内への吸気と該筺体内からの排気の双方を行うことで、該筐体内の発熱部品を冷却することが好ましい。
【0023】
本発明は、上記電子機器において、1つの冷却装置を構成する吸気機構と排気機構とは、これらの吸気機構と排気機構との間に前記回路基板上の発熱部品が位置するよう、前記筐体の側壁に取り付けられていることが好ましい。
【0024】
本発明は、上記電子機器において、前記1つの冷却装置を構成する吸気機構と排気機構とは、該吸気機構により前記筐体内に吸入された外気が、前記発熱部品上を通過して該排気機構により該筐体内から排出される経路が、一直線状となるよう配置されていることが好ましい。
【0025】
本発明は、上記電子機器において、前記回路基板上には、複数の発熱部品が搭載されており、これらの発熱部品は、前記吸気機構により前記筐体内に吸入された外気が該筐体内を通過して該排気機構により該筐体内から排出される経路上に配置されていることが好ましい。
【0026】
本発明は、上記電子機器において、前記筐体は平面矩形形状を有しており、前記複数の発熱部品は、該筐体の対向する両側辺に沿って複数配列されていることが好ましい。
【0027】
本発明は、上記電子機器において、前記筐体の側面に、前記発熱部品に近接して位置するよう配置された冷却ファンを有し、該冷却ファンは、該筺体に取り付けられ、気流の通路となる、両端が開口した筒状ケースと、該筒状ケース内に回転可能に支持されたフィンとを有し、該フィンの回転により該筒状ケースの一端側開口から該発熱部品に向けて気流が発生するよう構成されていることが好ましい。
【0028】
本発明は、上記電子機器において、前記発熱部品上にはヒートシンクが設けられており、前記筐体の内部には、前記発熱部品およびその上の該ヒートシンクに近接するよう冷却ファンが配置されており、該冷却ファンは、該筺体に取り付けられ、気流の通路となる、両端が開口した筒状ケースと、該筒状ケース内に回転可能に支持されたフィンとを有し、該フィンの回転により該筒状ケースの一端側開口から該発熱部品に向けて気流が発生するよう構成されていることが好ましい。
【0029】
本発明に係る電子機器は、回路基板を収容する筐体と、該回路基板に実装された発熱部品を冷却する冷却装置とを備えた電子機器であって、該筐体には、該冷却装置として、上述した冷却装置が1以上搭載されており、前記1以上の冷却装置の制御部は、該冷却装置における前記吸気側駆動部および前記排気側駆動部を、制御信号に基づいて、前記吸気機構のフィンおよび前記排気機構のフィンのそれぞれが回転駆動し、あるいは停止するよう制御するものであり、該制御部の制御により、該筐体内での発熱部品の発熱状態に応じて、前記1以上の冷却装置における駆動すべき冷却装置の数と、使用する冷却装置における吸気機構および排気機構におけるファンの回転数とを変化させることで、該筐体内への送風量を調節して、該筺体内の温度を調整するものであり、そのことにより上記目的が達成される。
【0030】
次に、本発明の作用について説明する。
【0031】
本発明においては、電子機器の筐体への吸気を行う吸気機構と、該筐体からの排気を行う排気機構とを備え、これらの吸気機構および排気機構を、気流の通路となる、両端が開口した筒状ケースと、該筒状ケース内に回転可能に支持されたフィンとを有する構造としたので、フィンの回転により筒状ケースを移動する気流の塊を形成することができる。このため、吸気機構では、筒状ケースで気流の塊に慣性を持たせて、筒状ケース外に気流が排出されたときに、より遠くまで気流を到達させることが可能となる。また、排気機構では、筒状ケースで気流の塊に慣性を持たせることで、筐体内で排気機構の筒状ケースに吸い寄せられる空気の勢いを高めることができる。これにより、粘性の高い空気の流れを、狭小な空間を形成する筐体内で効果的に形成することが可能となり、狭小な空間である電子機器の筐体内の発熱部品の空冷をより効果的に行うことができる。
【0032】
また、筐体には、吸気機構と排気機構とを設けているので、筐体内に供給される空気の流れと、筐体内から排出される空気の流れとを同時に形成することができ、これによっても、狭小な空間である電子機器の筐体内の発熱部品の空冷をより効果的に行うことができる。
【0033】
また、本発明では、冷却装置を構成する吸気機構および排気機構を、筒状ケースとその内部に回転可能に保持したフィンとを有する構造としているので、筒状ケースの直径や長さを小さくしても、筒状ケースでは気流の塊に慣性を持たせることができ、送風量の極端な低下は回避することができる。このため、発熱部分を実装した狭小な筺体における冷却装置の取り付け部分のスペースが小さくても、この冷却装置は実装可能である。
【0034】
さらに、本発明の冷却装置は、複数個を搭載して、筺体内への送風量、または排気量を調節することで、発熱部品の冷却を行うだけではなく、筺体の内部の温度管理を、従来の送風ファンに比べより精密に行うことが可能となる。
【発明の効果】
【0035】
以上のように、本発明によれば、電子機器の筐体への吸気を行う吸気機構と、該筐体からの排気を行う排気機構とを備え、これらの吸気機構および排気機構を、気流の通路となる両端が開口した筒状ケースと、該筒状ケース内に回転可能に支持されたフィンとを有する構造としたので、フィン回転面内での寸法の大きな冷却ファンの設置が困難な狭小な空間の冷却を効果的に行うことができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】図1は、本発明の実施形態1による電子機器を説明する図であり、図1(a)は電子機器の縦断面の構造を示し、図1(b)は電子機器の横断面の構造を示している。
【図2】図2は、本発明の実施形態1の電子機器に搭載された冷却装置を説明する図であり、該冷却装置に用いる冷却ファンの断面構造を示している。
【図3】図3は、本発明の実施形態1の電子機器に搭載された冷却装置で用いる冷却ファンの他の構成例を説明する図であり、冷却ファンの断面構造を示している。
【図4】図4は、図3に示す冷却ファンの駆動部の構成を説明する図であり、図4(a)は、回転軸と平行な断面の構造を部分的に示し、図4(b)は、回転軸と垂直な断面の構造を示している。
【図5】図5は、本発明の実施形態1の電子機器に搭載された冷却装置で用いる冷却ファンの他の構成例を説明する図であり、図5(a)は、回転軸と平行な断面の構造を示し、図5(b)は、回転軸と垂直な断面の構造を示している。
【図6】図6は、本発明の実施形態2による電子機器を説明する図であり、図6(a)は電子機器の縦断面の構造を示し、図6(b)は電子機器の横断面の構造を示している。
【図7】図7は、本発明の実施形態3による電子機器を説明する図であり、図7(a)は電子機器の縦断面の構造を示し、図7(b)は電子機器の横断面の構造を示している。
【図8】図8は、本発明の実施形態4による電子機器を説明する図であり、電子機器の横断面の構造を示している。
【図9】図9は、本発明の実施形態5による電子機器を説明する図であり、電子機器の縦断面の構造を示している。
【図10】図10は、本発明の実施形態6による電子機器を説明する図であり、電子機器の縦断面の構造を示している。
【図11】図11は、従来の冷却ファンを実装した電子機器を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
以下に、本発明の実施形態を、図面を参照して詳細に説明する。なお、図面においては、同一の部材には同一の符号を付し、説明の繰り返しは省略する。
(実施形態1)
図1は、本発明の実施形態1による電子機器を説明する図であり、図1(a)は電子機器の縦断面の構造を示し、図1(b)は電子機器の横断面の構造を示している。
【0038】
この実施形態1の電子機器100は、回路基板2を収容する筐体1と、該回路基板2に実装された発熱部品3を冷却する冷却装置とを備えている。
【0039】
ここでは、筐体1には2つの冷却装置が設けられており、第1の冷却装置は、該筺体内への吸気を行う吸気機構42aと、該筺体内からの排気を行う排気機構41aとを備え、第2の冷却装置は、該筺体内への吸気を行う吸気機構42bと、該筺体内からの排気を行う排気機構41bとを備えている。
【0040】
ここで、各吸気機構42a、42bおよび排気機構41a、41bは同一の構造を有しており、それぞれ1つの冷却ファンを構成している。
【0041】
図2は、この実施形態1の電子機器100に搭載された冷却装置を説明する図であり、該冷却装置に用いる冷却ファン(吸気機構あるいは排気機構)の断面構造を示している。
【0042】
例えば、排気機構(冷却ファン)41aは、該筺体1に取り付けられ、気流の通路となる、両端が開口した筒状ケース6と、該筒状ケース6内に回転可能に支持されたフィン7とを有し、該フィン7の回転により該筒状ケースの一端側開口から他端側開口に向けて気流が発生するよう構成されている。
【0043】
また、各冷却装置は、吸気機構あるいは排気機構のフィンを回転させる吸気側あるいは排気側の駆動部を有している。フィン7は、このフィン7を回転可能に支持する回転軸8を有し、この回転軸8は、筒状ケース6の両端に取り付けられた軸受け部(支持体)9aおよび9bにより回転可能に支持されている。なお、この軸受け部9aおよび9bは、空気流の妨げとならないような構造、例えば空気流通用開口などを有する構造となっている。
【0044】
また、排気機構の駆動部は、排気機構のフィンの回転軸を間接的に回転駆動するよう構成されている。
【0045】
例えば、この排気機構(冷却ファン)41aの駆動部では、図2に示すように、フィン7の回転軸8にプーリ10aが取り付けられており、このプーリ10aはベルト部材10cによりモータ150の駆動軸150aに取り付けられた駆動プーリ10bに連結されている。また、このモータ150は、制御部160からの制御信号により駆動制御されるようになっている。なお、該プーリ10も、空気流の妨げとならないような構造、例えば空気流通用開口などを有する構造となっている。
【0046】
つまり、図2に示す冷却ファン41aでは、両端が吸気口または排気口となった筒状のケース6に、軸方向に螺旋状フィン7の回転軸8が収められ、この回転軸を送風を妨げずに支持する支持体9が設けられている。また、回転軸を間接的に回転駆動するために、例えばプーリーのような駆動部分10aが設けられている。駆動部分10aはここではプーリーで示しているが、ギア等でもよく、この駆動部分10aはベルトやギア等を介してモーターなどの回転駆動部と接続されてもよい。
【0047】
次に動作について説明する。
【0048】
このような構成の電子機器100では、その動作時に、上記吸気機構(冷却ファン)42a、42bおよび排気機構(冷却ファン)41a、41bのフィン7が、それぞれの冷却ファンに対応するモータ150により回転させられると、図1に示すように、吸気機構(冷却ファン)42a、42bにより電子機器100の筐体内1に空気が取り込まれ、取り込まれた空気は、排気機構(冷却ファン)41a、41bにより該筐体1から放出されることとなる。
【0049】
これにより、筐体1内の回路基板2上に実装されている発熱部品3の放熱が行われることとなる。
【0050】
例えば、電子機器の筺体1の内部の狭小なスペースに、電子回路を構成する回路基板2と、回路基板2に実装された発熱部品3がある場合、吸気または排気方向に垂直な断面積の小さな冷却ファンを、吸気側と排気側に、一個もしくは複数個を搭載し、筺体1の内部で空気を流動させることで、発熱部品の冷却、および実装部品の温度管理が行われる。
【0051】
このように本実施形態1では、電子機器100の筐体1への吸気を行う吸気機構(冷却ファン)42aおよび42bと、該筐体1からの排気を行う排気機構(冷却ファン)41aおよび41bとを備え、これらの吸気機構および排気機構を、気流の通路となる、両端が開口した筒状ケース6と、該筒状ケース内に回転可能に支持されたフィン7とを有する構造としたので、フィン7の回転により筒状ケース6を移動する気流の塊を形成することができる。このため、吸気機構42aおよび42bでは、筒状ケース6で気流の塊に慣性を持たせて、筒状ケース6外に気流が排出されたときに、より遠くまで気流を到達させることが可能となる。また、排気機構(冷却ファン)41aおよび41bでは、筒状ケース6で気流の塊に慣性を持たせることで、筐体1内で排気機構の筒状ケース6に吸い寄せられる空気の勢いを高めることができる。これにより、粘性の高い空気の流れを、狭小な空間を形成する筐体内で効果的に形成することが可能となり、狭小な空間である電子機器100の筐体1内の発熱部品3の空冷をより効果的に行うことができる。
【0052】
また、筐体1には、吸気機構と排気機構とを設けているので、筐体1内に供給される空気の流れと、筐体内から排出される空気の流れとを同時に形成することができ、これによっても、狭小な空間である電子機器の筐体内の発熱部品の空冷をより効果的に行うことができる。
【0053】
また、冷却装置を構成する吸気機構42a、42bおよび排気機構41a、41bを、筒所ケース6とその内部に回転可能に保持したフィン7とを有する構造としているので、筒状ケースの直径や長さを小さくしても、筒状ケースでは気流の塊に慣性を持たせることができ、送風量の極端な低下は回避することができる。このため、発熱部分3を実装した狭小な筺体1における冷却装置の取り付け部分のスペースが小さくても、この冷却装置は実装可能である。
【0054】
さらに、冷却装置は、複数個を搭載して、筺体内への送風量、または排気量を調節することで、発熱部品の冷却を行うだけではなく、筺体の内部の温度管理を、従来の送風ファンに比べより精密に行うことが可能となる。
【0055】
このように本実施形態の冷却ファンは、従来から使用されてきた送風方向に対して面積の大きな冷却ファンが搭載できないような狭小な筺体でも、吸気または送気方向に垂直な断面積が小さいため搭載が可能であり、また複数個を使用することで送風量を確保することができる。
【0056】
なお、上記実施形態1では、冷却ファンとして図2に示す構成を示したが、冷却ファンの構成はこれに限定されるものではない。
【0057】
図3は、上記実施形態1の電子機器に搭載された冷却装置で用いる冷却ファンの他の構成例を説明する図であり、冷却ファンの断面構造を示している。
【0058】
この冷却ファン51では、両端が吸気口または排気口として開口した筒状のケース6に、軸方向に螺旋状のフィン7を有する回転軸8が収められ、この回転軸を送風を妨げずに支持する支持体9aが設けられている。ここで、フィンを駆動する駆動部には、筒状ケース6に保持されたフィンを直接的に回転駆動するリング状モーター11を用いている。
【0059】
図4は、図3に示す冷却ファンの駆動部の構成を説明する図であり、図4(a)は、回転軸と平行な断面の構造を部分的に示し、図4(b)は、回転軸と垂直な断面の構造を示している。
【0060】
ここで、リング状モータ11は、リング状のモータケース11aと、該モータケース11aの外周縁に沿って所定間隔で複数配置された電磁石11bと、該リング状モータケース11aが嵌合する筒状ケース6の周端部6aにボールベアリング6bを介して回転可能に保持された導電性のリング状可動部材6cとを有している。なお、リング状のモータケース11aの内側は、空気の通過開口11cとなっている。
【0061】
このような構成の冷却ファン51では、リング状モータ11の駆動部(図示せず)により、複数の電磁石11bへの通電を行うことで、リング状可動部材6cが回転し、これによりフィン7が回転駆動する。
【0062】
図5は、上記実施形態1の電子機器に搭載された冷却装置で用いる冷却ファンのその他の構成例を説明する図であり、図5(a)は、回転軸と平行な断面の構造を部分的に示し、図5(b)は、回転軸と垂直な断面の構造を示している。
【0063】
図5に示す冷却ファン61は、図2、図3に示す冷却ファン41a、51とは異なり、フィンには回転軸が設けられていない。
【0064】
つまり、この冷却ファン61では、両端が吸気口または排気口となった筒状ケース6に、一枚もしくは複数枚の板によって形成された螺旋状のフィン12が回転可能に取り付けられている。具体的には、フィン12の取り付けには、筒状ケース6に設けられた例えばベアリングのような回転装置13および16を用いている。また、フィン12を間接的に駆動するため、例えば、プーリーのような駆動部分14がこの回転装置16の可動部に固定されている。
【0065】
ここで、回転装置13は、外周側リング状部材13aと、外周側リング状部材13aの内側にボールベアリングを介して回転可能の装着された内周側リング部材13bとを有し、外周側リング状部材13aは筒状ケースの一端側に固定され、内周側リング状部材13bには、フィン12の一端が固定されている。また、回転装置16は、外周側リング状部材16aと、外周側リング状部材16aの内側にボールベアリングを介して回転可能の装着された内周側リング部材16bとを有し、外周側リング状部材16aは筒状ケースの他端側に固定され、内周側リング状部材16bには、フィン12の他端が固定されている。
【0066】
さらに、内周側リング状部材16bの先端部には、プーリ(駆動部分)14が取り付けられている。このプーリ14はベルト等を介してモーターなどの回転駆動手段と接続され、回転駆動される。なお、フィン12を駆動する方法としては、図3で説明したような例えばリング状モーター11のようなもので直接的に駆動する方法を用いることもできる。
【0067】
また、上記実施形態1では、単純な直方体の形状をした電子機器の筺体1に、第1および第2の冷却装置を設けたもの、つまり、送気側(吸気側)に2個の冷却ファン42a、42bを設け、排気側に2個の冷却ファン41a、41bを設け、合計4個の冷却ファンを用いて、発熱部品を冷却する構成を示したが、これに限定されるものではない。例えば、冷却装置は1つのみでもよく、この場合、電子機器は、送気側(吸気側)に1個の冷却ファンを設け、排気側に1個の冷却ファンを設け、合計2個の冷却ファンを用いて、発熱部品を冷却する構成となる。
(実施形態2)
図6は、本発明の実施形態2による電子機器を説明する図であり、図6(a)は電子機器の縦断面の構造を示し、図6(b)は電子機器の横断面の構造を示している。
【0068】
図6に示す本実施形態2の電子機器100aは、図1に示す実施形態1の電子機器100とは、冷却ファン41a、41b、42a、42bの、電子機器の筐体1への取り付け方が異なっている。
【0069】
つまり、図1に示す実施形態1の電子機器100では、冷却ファン41a、41b、42a、42bを、電子機器の筐体1にその側面から突出するよう配置していたが、この実施形態2の電子機器100aでは、冷却ファン41a、41b、42a、42bは、電子機器の筐体1に、該ファン全体が筐体内部に収容されるよう取り付けている点で異なっている。この実施形態2の電子機器100aは、その他の点では、実施形態1の電子機器100と同一の構成を有している。
(実施形態3)
図7は、本発明の実施形態3による電子機器を説明する図であり、図7(a)は電子機器の縦断面の構造を示し、図7(b)は電子機器の横断面の構造を示している。
【0070】
図7に示す本実施形態3の電子機器100bは、図1に示す実施形態1の電子機器100とは、回路基板2上に3つの発熱部材3が一直線に配列されている点で異なっている。なお、この実施形態3におけるその他の構成は、実施形態1と同一である。
【0071】
つまり、この実施形態3では、1つの冷却装置を構成する吸気機構(冷却ファン)42a、42bと排気機構(冷却ファン)41a、41bとは、該吸気機構により前記筐体内に吸入された外気が、複数の発熱部品3上を通過して該排気機構により該筐体内から排出される経路が、一直線状となるよう配置されている。
(実施形態4)
図8は、本発明の実施形態4による電子機器を説明する図であり、電子機器の横断面の構造を示している。
【0072】
この実施形態4による電子機器100cは液晶テレビであり、この液晶テレビの筐体1cは、平面矩形形状を有しており、該筐体1c内には発光素子などの発熱部品を搭載した第1、第2の回路基板2a、2bが該筐体の対向する両側辺に隣接して配置されており、従って、発熱部品は筐体の対向する両側辺に沿って複数配列されている。
【0073】
ここでは、第1の回路基板2a上の発熱部品3を第1、第2の冷却装置で冷却し、第2の回路基板2b上の発熱部品3を第3、第4の冷却装置で冷却するようになっている。
【0074】
つまり、ここで第1〜第4の冷却装置はそれぞれ、吸気機構(冷却ファン)44a〜44dと、排気機構(冷却ファン)43a〜43dとを有している。
【0075】
このような構成の電子機器100では、広くかつ薄い平面矩形形状の筐体内に対向する側辺に沿って配置された発熱部品を効果的に冷却することができる。
(実施形態5)
図9は、本発明の実施形態5による電子機器を説明する図であり、電子機器の縦断面の構造を示している。
【0076】
この実施形態5の電子機器100dは、送気側(吸気側)に2個、排気側に2個の合計4個の冷却ファンを有する実施形態1の電子機器100において、筐体17の側面に、発熱部品3に近接して位置するよう配置された冷却ファン15cを備えたものである。この冷却ファン15は、図2あるいは図3に示す冷却ファンと同様の構成を有している。
【0077】
つまり、この実施形態5では、筐体17の側面に設けられた冷却ファン15cは、筐体内の例えばCPUのような特に発熱量の大きな部品に対して直接送風し、より放熱の効果を高めるために実装している。
(実施形態6)
図10は、本発明の実施形態6による電子機器を説明する図であり、電子機器の縦断面の構造を示している。
【0078】
この実施形態6の電子機器100eは、送気側(吸気側)に2個、排気側に2個の合計4個の冷却ファンを有する実施形態1の電子機器100において、発熱部品上にヒートシンク(放熱フィン)18を設け、前記筐体の内部には、前記発熱部品およびその上の該ヒートシンクに近接するよう冷却ファン15dを配置したものである。
【0079】
この冷却ファン15dは、図2あるいは図3に示す冷却ファンと同様の構成を有している。
【0080】
つまり、冷却ファン15dは、該筺体に取り付けられ、気流の通路となる、両端が開口した筒状ケースと、該筒状ケース内に回転可能に支持されたフィンとを有し、該フィンの回転により該筒状ケースの一端側開口から発熱部品3およびその上のヒートシンク(放熱フィン)18に向けて流れる気流が発生するよう構成されている。
【0081】
この実施形態の電子機器100eは、単純な直方体の形状をした筺体1に対し、冷却ファンを送気側(吸気側)に2個、排気側に2個、筐体内に1個の合計5個を実装したものである。
【0082】
CPUのような特に発熱量の大きな部品には、金属等でできたヒートシンク(放熱フィン)18が実装されることがあるが、それでも放熱が不足する場合は、本実施形態6で示すように、発熱部品または該発熱部品に実装されたヒートシンク(放熱フィン)18に対し、直接冷却ファン15dで送風することで、効率よく部品の放熱の効果を高めることが可能となる。
【0083】
また、部品に実装された放熱フィンに対し直接冷却ファンで送風することで、直接冷却ファンで送風しない場合よりも小さな放熱フィンの採用が可能となり、狭小な筐体内での発熱部品の使用制限が緩和されることが期待できる。
【0084】
なお、上記各実施形態では、冷却ファンを搭載する個数や、冷却ファンのフィンの回転数を変化させることで、筐体内の温度を調節し、電子機器の機能の安定性の管理が可能となることはいうまでもない。
【0085】
以上のように、本発明の好ましい実施形態を用いて本発明を例示してきたが、本発明は、この実施形態に限定して解釈されるべきものではない。本発明は、特許請求の範囲によってのみその範囲が解釈されるべきであることが理解される。当業者は、本発明の具体的な好ましい実施形態の記載から、本発明の記載および技術常識に基づいて等価な範囲を実施することができることが理解される。本明細書において引用した特許文献は、その内容自体が具体的に本明細書に記載されているのと同様にその内容が本明細書に対する参考として援用されるべきであることが理解される。
【産業上の利用可能性】
【0086】
本発明は、小型、薄型の電子機器、あるいは狭小な空間に部品を実装した電子機器おける発熱部品を冷却するための冷却装置の分野において、フィン回転面内での寸法の大きな冷却ファンの設置が困難な狭小な空間の冷却を効果的に行うことができる冷却装置が得られ、本発明の冷却装置は、薄型の筐体を有する液晶テレビなど冷却装置として有用なものである。
【符号の説明】
【0087】
1、17 筺体
2 回路基板
3 発熱部品
5 冷却ファン
6 筒状ケース
7、12 フィン
8 回転軸
9 支持体
10a 駆動部分
11 リング状モーター
13 回転装置
14 駆動部分(プーリ)
15a〜15d、41a〜44a、41b〜44b、51、61 冷却ファン
16 回転装置
18 ヒートシンク(放熱フィン)
100、100a〜100e、200 電子機器
150 モーター
160 制御部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子機器の筺体内に実装された発熱部品を外気により冷却する冷却装置であって、
該筺体内への吸気を行う吸気機構と、
該筺体内からの排気を行う排気機構とを備え、
該吸気機構および該排気機構はそれぞれ、
該筺体に取り付けられ、気流の通路となる、両端が開口した筒状ケースと、
該筒状ケース内に回転可能に支持されたフィンとを有し、該フィンの回転により該筒状ケースの一端側開口から他端側開口に向けて流れる気流が発生するよう構成されている、
冷却装置。
【請求項2】
請求項1に記載の冷却装置において、
前記吸気機構のフィンを回転させる吸気側駆動部と、
前記排気機構のフィンを回転させる排気側駆動部とを有する、
冷却装置。
【請求項3】
請求項2に記載の冷却装置において、
前記吸気側駆動部および前記排気側駆動部を、制御信号に基づいて、前記吸気機構のフィンおよび前記排気機構のフィンのいずれか一方あるいはその両方が回転駆動されるよう制御する制御部を有する、冷却装置。
【請求項4】
請求項2に記載の冷却装置において、
前記吸気機構のフィンは、このフィンを回転可能に支持する回転軸を有し、
前記吸気側駆動部は、該吸気機構のフィンの回転軸を直接的に回転駆動するよう構成されており、
前記排気機構のフィンは、このフィンを回転可能に支持する回転軸を有し、
前記排気側駆動部は、該排気機構のフィンの回転軸を直接的に回転駆動するよう構成されている、冷却装置。
【請求項5】
請求項2に記載の冷却装置において、
前記吸気機構および前記排気機構のフィンはそれぞれ、1以上の螺旋状板部材から構成されており、
該吸気機構および該排気機構はそれぞれ、前記筒状ケースの少なくとも一端に設けられ、該フィンの端部を回転可能に支持するリング状回転支持部を有し、
該リング状回転支持部は、
該筒状ケースに固定された外側リング部材と、
該外側リング部材の内側に、該外側リング部材に対して回転自在に保持された内側リング部材とを有し、
該内側リング部材には、該フィンの一端が取り付けられている、冷却装置。
【請求項6】
回路基板を収容する筐体と、該回路基板に実装された発熱部品を冷却する冷却装置とを備えた電子機器であって、
該筐体には、該冷却装置として、請求項1〜請求項5のいずれかに記載の冷却装置が1以上搭載されている、電子機器。
【請求項7】
請求項6に記載の電子機器において、
前記冷却装置を用いて、前記筺体内への吸気または筺体内からの排気のどちらかを行うことで、該筐体内の発熱部品を冷却する、電子機器。
【請求項8】
請求項6に記載の電子機器において、
前記冷却装置を用いて、前記筺体内への吸気と該筺体内からの排気の双方を行うことで、該筐体内の発熱部品を冷却する、電子機器。
【請求項9】
請求項6に記載の電子機器において、
1つの冷却装置を構成する吸気機構と排気機構とは、これらの吸気機構と排気機構との間に前記回路基板上の発熱部品が位置するよう、前記筐体の側壁に取り付けられている、電子機器。
【請求項10】
請求項9に記載の電子機器において、
前記1つの冷却装置を構成する吸気機構と排気機構とは、
該吸気機構により前記筐体内に吸入された外気が、前記発熱部品上を通過して該排気機構により該筐体内から排出される経路が、一直線状となるよう配置されている、冷却装置。
【請求項11】
請求項10に記載の電子機器において、
前記回路基板上には、複数の発熱部品が搭載されており、
これらの発熱部品は、前記吸気機構により前記筐体内に吸入された外気が該筐体内を通過して該排気機構により該筐体内から排出される経路上に配置されている、冷却装置。
【請求項12】
請求項11に記載の電子機器において、
前記筐体は平面矩形形状を有しており、
前記複数の発熱部品は、該筐体の対向する両側辺に沿って複数配列されている、電子機器。
【請求項13】
請求項9に記載の電子機器において、
前記筐体の側面に、前記発熱部品に近接して位置するよう配置された冷却ファンを有し、
該冷却ファンは、
該筺体に取り付けられ、気流の通路となる、両端が開口した筒状ケースと、
該筒状ケース内に回転可能に支持されたフィンとを有し、該フィンの回転により該筒状ケースの一端側開口から該発熱部品に向けて気流が発生するよう構成されている、
電子機器。
【請求項14】
請求項9に記載の電子機器において、
前記発熱部品上にはヒートシンクが設けられており、
前記筐体の内部には、前記発熱部品およびその上の該ヒートシンクに近接するよう冷却ファンが配置されており、
該冷却ファンは、
該筺体に取り付けられ、気流の通路となる、両端が開口した筒状ケースと、
該筒状ケース内に回転可能に支持されたフィンとを有し、該フィンの回転により該筒状ケースの一端側開口から該発熱部品に向けて気流が発生するよう構成されている、
電子機器。
【請求項15】
回路基板を収容する筐体と、該回路基板に実装された発熱部品を冷却する冷却装置とを備えた電子機器であって、
該筐体には、該冷却装置として、請求項3に記載の冷却装置が1以上搭載されており、
前記1以上の冷却装置の制御部は、
該冷却装置における前記吸気側駆動部および前記排気側駆動部を、制御信号に基づいて、前記吸気機構のフィンおよび前記排気機構のフィンのそれぞれが回転駆動し、あるいは停止するよう制御するものであり、
該制御部の制御により、該筐体内での発熱部品の発熱状態に応じて、前記1以上の冷却装置における駆動すべき冷却装置の数と、使用する冷却装置における吸気機構および排気機構におけるファンの回転数とを変化させることで、該筐体内への送風量を調節して、該筺体内の温度を調整する、電子機器。
【請求項1】
電子機器の筺体内に実装された発熱部品を外気により冷却する冷却装置であって、
該筺体内への吸気を行う吸気機構と、
該筺体内からの排気を行う排気機構とを備え、
該吸気機構および該排気機構はそれぞれ、
該筺体に取り付けられ、気流の通路となる、両端が開口した筒状ケースと、
該筒状ケース内に回転可能に支持されたフィンとを有し、該フィンの回転により該筒状ケースの一端側開口から他端側開口に向けて流れる気流が発生するよう構成されている、
冷却装置。
【請求項2】
請求項1に記載の冷却装置において、
前記吸気機構のフィンを回転させる吸気側駆動部と、
前記排気機構のフィンを回転させる排気側駆動部とを有する、
冷却装置。
【請求項3】
請求項2に記載の冷却装置において、
前記吸気側駆動部および前記排気側駆動部を、制御信号に基づいて、前記吸気機構のフィンおよび前記排気機構のフィンのいずれか一方あるいはその両方が回転駆動されるよう制御する制御部を有する、冷却装置。
【請求項4】
請求項2に記載の冷却装置において、
前記吸気機構のフィンは、このフィンを回転可能に支持する回転軸を有し、
前記吸気側駆動部は、該吸気機構のフィンの回転軸を直接的に回転駆動するよう構成されており、
前記排気機構のフィンは、このフィンを回転可能に支持する回転軸を有し、
前記排気側駆動部は、該排気機構のフィンの回転軸を直接的に回転駆動するよう構成されている、冷却装置。
【請求項5】
請求項2に記載の冷却装置において、
前記吸気機構および前記排気機構のフィンはそれぞれ、1以上の螺旋状板部材から構成されており、
該吸気機構および該排気機構はそれぞれ、前記筒状ケースの少なくとも一端に設けられ、該フィンの端部を回転可能に支持するリング状回転支持部を有し、
該リング状回転支持部は、
該筒状ケースに固定された外側リング部材と、
該外側リング部材の内側に、該外側リング部材に対して回転自在に保持された内側リング部材とを有し、
該内側リング部材には、該フィンの一端が取り付けられている、冷却装置。
【請求項6】
回路基板を収容する筐体と、該回路基板に実装された発熱部品を冷却する冷却装置とを備えた電子機器であって、
該筐体には、該冷却装置として、請求項1〜請求項5のいずれかに記載の冷却装置が1以上搭載されている、電子機器。
【請求項7】
請求項6に記載の電子機器において、
前記冷却装置を用いて、前記筺体内への吸気または筺体内からの排気のどちらかを行うことで、該筐体内の発熱部品を冷却する、電子機器。
【請求項8】
請求項6に記載の電子機器において、
前記冷却装置を用いて、前記筺体内への吸気と該筺体内からの排気の双方を行うことで、該筐体内の発熱部品を冷却する、電子機器。
【請求項9】
請求項6に記載の電子機器において、
1つの冷却装置を構成する吸気機構と排気機構とは、これらの吸気機構と排気機構との間に前記回路基板上の発熱部品が位置するよう、前記筐体の側壁に取り付けられている、電子機器。
【請求項10】
請求項9に記載の電子機器において、
前記1つの冷却装置を構成する吸気機構と排気機構とは、
該吸気機構により前記筐体内に吸入された外気が、前記発熱部品上を通過して該排気機構により該筐体内から排出される経路が、一直線状となるよう配置されている、冷却装置。
【請求項11】
請求項10に記載の電子機器において、
前記回路基板上には、複数の発熱部品が搭載されており、
これらの発熱部品は、前記吸気機構により前記筐体内に吸入された外気が該筐体内を通過して該排気機構により該筐体内から排出される経路上に配置されている、冷却装置。
【請求項12】
請求項11に記載の電子機器において、
前記筐体は平面矩形形状を有しており、
前記複数の発熱部品は、該筐体の対向する両側辺に沿って複数配列されている、電子機器。
【請求項13】
請求項9に記載の電子機器において、
前記筐体の側面に、前記発熱部品に近接して位置するよう配置された冷却ファンを有し、
該冷却ファンは、
該筺体に取り付けられ、気流の通路となる、両端が開口した筒状ケースと、
該筒状ケース内に回転可能に支持されたフィンとを有し、該フィンの回転により該筒状ケースの一端側開口から該発熱部品に向けて気流が発生するよう構成されている、
電子機器。
【請求項14】
請求項9に記載の電子機器において、
前記発熱部品上にはヒートシンクが設けられており、
前記筐体の内部には、前記発熱部品およびその上の該ヒートシンクに近接するよう冷却ファンが配置されており、
該冷却ファンは、
該筺体に取り付けられ、気流の通路となる、両端が開口した筒状ケースと、
該筒状ケース内に回転可能に支持されたフィンとを有し、該フィンの回転により該筒状ケースの一端側開口から該発熱部品に向けて気流が発生するよう構成されている、
電子機器。
【請求項15】
回路基板を収容する筐体と、該回路基板に実装された発熱部品を冷却する冷却装置とを備えた電子機器であって、
該筐体には、該冷却装置として、請求項3に記載の冷却装置が1以上搭載されており、
前記1以上の冷却装置の制御部は、
該冷却装置における前記吸気側駆動部および前記排気側駆動部を、制御信号に基づいて、前記吸気機構のフィンおよび前記排気機構のフィンのそれぞれが回転駆動し、あるいは停止するよう制御するものであり、
該制御部の制御により、該筐体内での発熱部品の発熱状態に応じて、前記1以上の冷却装置における駆動すべき冷却装置の数と、使用する冷却装置における吸気機構および排気機構におけるファンの回転数とを変化させることで、該筐体内への送風量を調節して、該筺体内の温度を調整する、電子機器。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2011−228461(P2011−228461A)
【公開日】平成23年11月10日(2011.11.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−96516(P2010−96516)
【出願日】平成22年4月19日(2010.4.19)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年11月10日(2011.11.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年4月19日(2010.4.19)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】
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