説明

冷蔵庫の庫内灯点灯制御装置

【課題】 ドアの数が多い冷蔵庫でも、庫内灯の点灯制御のために多数のドア開閉検知装置を必要とせず、後付けで庫内灯を取り付けることも容易な庫内灯点灯制御装置を提供する。
【解決手段】 冷蔵庫の庫内に、熱線センサ1,2を、ドア9,10側に向けて設け、ドア9,10が開かれたとき、前に立ってドアを開けた人の熱を赤外線として感知することにより、ドア9,10が開けられたことを検知し、庫内灯3を点灯させる。さらに、熱線センサ1,2の出力に基づいて冷気攪拌ファン7のオンオフ制御も行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、冷蔵庫のドアの開閉に応じて、庫内灯を点灯したり消灯したり制御する冷蔵庫の庫内灯点灯制御装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
冷蔵庫には、ドアを開けて品物を出し入れする際に、庫内がよく見えるように、通常、庫内灯が設けられていて、従来は、例えば、特許文献1に示されるように、それぞれのドア毎に、ドアの開閉を検出するためのドアスイッチを設け、そのオンオフに基づいて庫内灯を点灯させたり消灯させたりしている。
【特許文献1】特開平5−133681号公報(F25D 29/00)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記従来の冷蔵庫の庫内灯点灯制御装置には、ドアの数だけドアスイッチが必要になり、特に業務用冷蔵庫では、図2に示すように、上部ドア9,9、下部ドア10,10のように、一つの大きな庫室に多数のドアが付いている場合があり、それらと同数のドアスイッチが必要になって、内部の配線が複雑になる上、庫内灯の付いていない冷蔵庫に、後付けで庫内灯を取り付けようとしても改造がしにくいという問題点があった。
【0004】
本発明は、そのような問題点に鑑み、ドアの数が多い冷蔵庫でも、庫内灯の点灯制御のために多数のドア開閉検知装置を必要とせず、後付けで庫内灯を取り付けることも容易な庫内灯点灯制御装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記課題を解決するため、請求項1に記載の冷蔵庫の庫内灯点灯制御装置は、ドア側に向けて庫内に設けた熱線センサと、該熱線センサの出力に基づいて庫内灯をオンオフする制御回路とを具えたことを特徴とする。
【0006】
また、請求項2に記載の冷蔵庫の庫内灯点灯制御装置は、前記熱線センサの出力に基づいて冷気攪拌ファンのオンオフ制御を行うことを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明の冷蔵庫の庫内灯点灯制御装置は、次のような効果を奏する。
すなわち、請求項1に記載の冷蔵庫の庫内灯点灯制御装置は、熱線センサを、ドア側に向けて庫内に設け、該熱線センサの出力に基づいて庫内灯をオンオフ制御するようにしたので、ドアの数が多い冷蔵庫でも、庫内灯の点灯制御のために多数のドア開閉検知装置を必要とせず、後付けで庫内灯を取り付けることも容易になる。
【0008】
また、請求項2に記載の冷蔵庫の庫内灯点灯制御装置は、前記熱線センサの出力に基づいて冷気攪拌ファンのオンオフ制御を行うようにしたので、ドアを開いたときに、冷気攪拌ファンを止めて省エネを図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。
【実施例1】
【0010】
図1は、本発明を適用した冷蔵庫の一例を示す図である。図1において、1,2は熱線センサ、3は庫内灯、4は圧縮機、5は凝縮器、6は冷却器、7は冷気攪拌ファン、8は棚、9は上部ドア、10は下部ドアである。
【0011】
運転時には、圧縮機4で圧縮した高温の冷媒ガスを、凝縮器5で凝縮した後、減圧して冷却器6に送り、冷却器6内で蒸発させた気化熱で冷却を行う。冷却器6で冷却された冷気は、冷気攪拌ファン7で攪拌されて、庫内全体に行き亘る。庫室は、上下がつながって一つになっていて、品物は棚8に載せられて冷蔵される。ドアは、図2に正面図を示すように、上部ドア9と下部ドア10が、それぞれ左右に1枚ずつ、計4枚設けられている。
【0012】
それら上部ドア9,9及び下部ドア10,10の開閉を検知するため、熱線センサ1,2が庫内に設けられている。その内、上の熱線センサ1は、庫室天井の手前部分で左右中央部に、前方斜め下方に向けて設けられ、上部ドア9,9が開けられたとき、前に立っている、ドアを開けた人の熱を赤外線として感知することにより、上部ドア9,9が開けられたことを検知する。また、下の熱線センサ2は、庫室奥壁の左右中央部に、下部ドア10を開けたときに、庫外の水平位置から見える最も高い位置に外に向けて設ける。そのような位置に設ける理由は、下部ドア10の奥の棚8に品物が置かれていても、品物の陰にならずに、下部ドア10を開けた人の熱を感知できるようにするためである。
【0013】
熱線センサ1,2は、図4(イ)に横方向の感知特性を示し、図4(ロ)に縦方向の感知特性を示すように、水平方向に広く感知範囲を有しているため、冷蔵庫の前面全体に亘って人を感知することができる。
【0014】
本発明では、それら熱線センサ1,2の検知出力に基づいて、ドアを開けて品物を出し入れする際に、庫内がよく見えるように照明するため、庫室天井に設けた庫内灯3の点灯制御を行う。図3は、庫内灯点灯制御回路を示す図である。リレー回路11,12が交流電源15に対して並列に接続され、庫内灯3は、リレー接点13,14を介して交流電源15に接続されている。そして、リレー回路11,12は、それぞれ、熱線センサ1,2が人を感知したとき、リレー接点13,14を閉じる。その結果、上部ドア9や下部ドア10が開かれたら、リレー接点13又はリレー接点14が閉じられて、庫内灯3が点灯される。
【0015】
このようにすれば、一つの庫内に複数のドアが付いている場合、一つの熱線センサでいずれのドアが開けられたときもそれを検知できる。また、熱線センサ1,2や庫内灯3は庫内に取り付けるだけでよいので、庫内灯が付いていない冷蔵庫に、後付けで庫内灯を取り付けることも容易である。
【0016】
さらに、熱線センサ1,2による上部ドア9,下部ドア10の開閉検知は、庫内灯3の点灯制御だけでなく、ドアを開いたときに、冷気攪拌ファン7を止めて省エネを図ることができるように、冷気攪拌ファン7の制御にも利用できる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明を適用した冷蔵庫の一例を示す図である。
【図2】業務用冷蔵庫の正面図である。
【図3】庫内灯点灯制御回路を示す図である。
【図4】熱線センサの感知特性を示す図である。
【符号の説明】
【0018】
1,2…熱線センサ
3…庫内灯
4…圧縮機
5…凝縮器
6…冷却器
7…冷気攪拌ファン
8…棚
9…上部ドア
10…下部ドア
11,12…リレー回路
13,14…リレー接点
15…交流電源

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ドア側に向けて庫内に設けた熱線センサと、該熱線センサの出力に基づいて庫内灯をオンオフする制御回路とを具えたことを特徴とする冷蔵庫の庫内灯点灯制御装置。
【請求項2】
前記熱線センサの出力に基づいて冷気攪拌ファンのオンオフ制御を行うことを特徴とする請求項1記載の冷蔵庫の庫内灯点灯制御装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate


【公開番号】特開2006−266582(P2006−266582A)
【公開日】平成18年10月5日(2006.10.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−84668(P2005−84668)
【出願日】平成17年3月23日(2005.3.23)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【Fターム(参考)】