説明

冷蔵庫

【課題】 放湿面と吸湿面を有する電気分解式ガス変換装置を野菜室に設け、野菜室を高湿度かつ低酸素濃度に維持することにより、野菜を長期間保存することのできる冷蔵庫を提供する。
【解決手段】 野菜等を保存する野菜室5を備え、この野菜室5に、電解作用により一方の面で酸素を消費して水分を発生させ(この面を放湿面という)、他方の面で水分を消費して酸素を発生させる(この面を吸湿面という)電気分解式ガス変換装置20を、放湿面を野菜室5内の空気と接し、吸湿面を庫外の空気と接するように設けた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、冷蔵庫に係り、より詳しくは野菜等を保存するための野菜室を有する冷蔵庫に関するものである。
【背景技術】
【0002】
野菜を長期間保存するためには、呼吸と蒸散作用を抑える必要があり、また、野菜は自分自身の栄養を使って呼吸をしているので、栄養を保持するためにも呼吸を抑える必要がある。この場合、野菜の置かれている環境を低温に保つことで、野菜の呼吸を抑えることができ、高湿度に保つことで野菜の蒸散を防止することができる。
【0003】
従来、野菜の周りの環境を低温、高湿度に保つための冷蔵庫に、上部の熱交換冷却器により冷却された冷却空気が、送気口から野菜室に吹き込まれ、野菜ケース及び蓋の外面を流通したのち、排気口から野菜室の上部の冷蔵室に吹き出されるように構成し、これによって、野菜ケースが冷却されて内部に収容した野菜を冷却し、また、冷蔵庫運転時の霜取り時に熱交換冷却器から発生する徐霜水を、徐霜ホースから野菜室に設けた超音波加湿装置に給水し、給水された水を超音波振動により微細な水滴として放出し、野菜ケース内の加湿を行うようにしたものがある(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】特開平6−257933号公報(第3頁、図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1の冷蔵庫において、野菜室に設けた超音波加湿装置は、水滴を噴霧するために徐霜水を供給する必要があり、そのためには、野菜室に徐霜水を溜めるための水溜めタンクなどを設けなければならないので、その分野菜の収容スペースが狭くなるという問題がある。また、冷蔵庫内の冷気には食品などの臭が移っており、徐霜水にもこの臭が移っているため、きれいな水滴を噴霧するためには脱臭フィルタなどを設けなければならなかった。
【0006】
また、従来、野菜の栄養を保つための冷蔵庫として、野菜室に光源を設置したものがあり、このような冷蔵庫においては、野菜室に設けた光源によって野菜の光合成を促進させ、ビタミンCなどの栄養を増加させることができる。
しかしながら、このような冷蔵庫においては、光合成を行う際に二酸化炭素を取り入れるため野菜の気孔が開き、開いた気孔から水分が蒸発してしまうため、野菜を乾燥させてしまうという問題があった。
【0007】
本発明は、上記の課題を解決するためになされたもので、放湿面と吸湿面を有する電気分解式ガス変換装置を野菜室に設け、野菜室を高湿度かつ低酸素濃度に維持することにより、野菜を長期保存することのできる冷蔵庫を提供することを目的としたものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る冷蔵庫は、野菜等を保存する野菜室を備え、該野菜室に、電解作用により一方の面で酸素を消費して水分を発生させ(この面を放湿面という)、他方の面で水分を消費して酸素を発生させる(この面を吸湿面という)電気分解式ガス変換装置を、前記放湿面を前記野菜室内の空気と接し、前記吸湿面を庫外の空気と接するように設けたものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、野菜室内を低温で高湿度かつ低酸素濃度に維持して、野菜室を野菜の保持に適した環境にすることができるので、野菜を長期間保存することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
[実施の形態1]
図1は本発明の実施の形態1に係る冷蔵庫の縦断面図、図2は図1のA−A断面図である。
冷蔵庫本体1は仕切り部材2a,2b,2cによって上下方向に分割され、冷蔵室3、切替室4、野菜室5及び冷凍室6が形成されており、前面側にはそれぞれ開閉自在な扉3a,4a,5a,6aが設けられている。また、後面側に設けた冷蔵庫内風路7には、冷却器8、冷却ファン9、開閉弁10が設けられ、冷却器8の近傍には霜取り用のヒータ11が設置されている。12は冷却器8の下方に開口するパイプ、13は冷凍室6の下方に配設された集水容器である。
【0011】
野菜室5の上部に設けた仕切り部材2bには、冷蔵庫外に開口するダクト15が設けられており、このダクト15は仕切り部材2bの野菜室5側に設けた開口部16に連通している。そして、この開口部16には、放湿面で酸素を消費して水分を発生させ、吸湿面で水分を消費して酸素を発生する電気分解式ガス変換装置20が設けられている。
【0012】
この電気分解式ガス変換装置20は、その放湿面が野菜室5の空気と接するように、また、吸湿面が冷蔵庫外の空気と接するように、仕切り部材2bの開口部16に装着される。なお、図1では、野菜室5内に野菜ケース17を設けた場合を示したが、これに限定するものではなく、野菜ケース17に代えて棚などを設けてもよい。
【0013】
上記のような冷蔵庫において、冷却器8で作られた冷気は、矢印で示すように冷却ファン9により冷蔵庫内風路7内を循環する。そして、それぞれの部屋に設けた温度センサ(図示せず)により温度を測り、設定した温度になるように冷蔵庫内風路7に設けた開閉弁10を開閉する。冷蔵室3内に送り込まれた冷気は、冷蔵室3内を冷却して再び冷却器8に戻る途中、野菜室5の天面や背面にある野菜室冷却風路14を通り、その一部は野菜室5の天面に設けた開口部14aから吹出して野菜室5を冷却する。野菜室冷却風路14を通った冷気は冷却器8に戻り、再び冷却器8によって冷却され、冷却ファン9により冷蔵庫内風路7内を循環する。
【0014】
冷却器8によって空気を冷却する際、空気に含まれる水分が霜となって冷却器8に付着する。冷却器8に霜がつくと、空気と冷却器8との伝熱が霜によって妨げられるため、空気が冷えにくくなる。そのため、霜取り用ヒータ11に通電して、冷却器8に付着した霜を除去する。溶けた霜は、パイプ12を通り、底部に設けた集水容器13に送られて蒸発し、冷蔵庫の外へ放出される。
【0015】
図3は図1の電気分解式ガス変換装置20の動作原理説明図である。
固体電解膜21は陽極22と陰極23との間に挟まれており、陽極22と陰極23との間には直流電源24が接続されている。そして、陽極22と陰極23との間に直流電源24により電力が供給が供給されると、陽極22側(吸湿側)では、水分が下式(1)の反応により電気分解され、酸素が供給されると共に水分が除去される。
2H2O→O2+4H++4e- ……(1)
【0016】
このとき発生する水素イオンH+は、陽イオン導電性の固体電解膜21を通って陰極23に達する。そして、これらと共に、電子e-は直流電源24を含む外部回路を通って陰極23に達し、下式(2)の反応により陰極23側において酸素を消費しながら水を生成する。
2+4H++4e-→2H2O ……(2)
さらに、水素イオンH+と共に1〜3分子の水分子が固体電解膜21を通って、陽極22側から陰極23側へ移動するので、陰極23側(放湿側)では加湿が促進される。
【0017】
このように構成した電気分解式ガス変換装置20を設けた冷蔵庫においては、野菜室5内の空気と冷蔵庫外の空気とによってガス変換が行われ、野菜室5内に水分を含んだ空気が放出されて、野菜室5内を高湿度にすることができる。野菜室5内を高湿度に保つと野菜の蒸散を防ぐことができるため、野菜を長期間保存することができる。また、電気分解式ガス変換装置20の放湿面では酸素を消費するため、野菜室5内の酸素濃度を下げることができ、酸素濃度が低いと野菜の呼吸による体内の栄養の消費を抑制することが可能であり、野菜を保存するためにさらに望ましい環境を作り出すことができる。
【0018】
上記の説明では、仕切り部材2bに設けて冷蔵庫外と野菜室5を連通するダクト15を直線状に形成した場合を示したが、ダクト15を、図4に示すように両端部が冷蔵庫外に開口するほぼU字状に形成し、その中央部近傍に電気分解式ガス変換装置20を設けてもよく、これにより空気の吸入口と排気口を設けることで、電気分解式ガス変換装置20の吸湿面に接する空気に流れを作ることができる。電気分解式ガス変換装置20の反応が進むと、吸湿面付近の空気の湿度が低下してくるが、吸湿面付近の空気の湿度が高いほど電気分解式ガス変換装置20の反応が活発になるので、ダクト15をほぼU字状に形成して空気の流れを作り、吸湿面付近の空気を常に新鮮なものとすることで、効率よく電気分解式ガス変換装置20を反応させることができる。
【0019】
また、図5に示すように、例えば発泡充填された断熱材の中に設けたガス流路18を、冷蔵庫の集水容器13の付近に開口し、底部材2d、仕切り部材2cを貫通して、野菜室5の上部の仕切り部材2bに設けた流路15aに連結し、この流路15aの野菜室5側の開口部に電気分解式ガス変換装置20を設けてもよい。これにより、電気分解式ガス変換装置20の吸湿面に接する空気を、集水容器13の付近の空気とすることができ、高湿度の空気を用いてガス変換を行うことができるので、効率よく電気分解式ガス変換装置20を反応させることができる。
【0020】
上記のように構成した実施の形態1に係る冷蔵庫によれば、電解作用により吸湿面で水分を消費して酸素を発生させ、放湿面で酸素を消費して水分を発生させる電気分解式ガス変換装置20を設け、その吸湿面を冷蔵庫の外気と接するように配置すると共に、放湿面を野菜室5の空気と接するように配置することにより、吸湿面が冷蔵庫外の空気と接しているため、冷蔵庫内の限られた空気ではなく冷蔵庫外の無限にある空気とのガス変換を行うことができるので、電気分解式ガス変換装置20を効率よく反応させることができる。
【0021】
また、野菜室5以外の貯蔵室の扉3a,4a,6aの開閉に影響を受けることなく野菜室5の加湿を行えるので、野菜の長期間保存を実現することができる。さらに、電気分解式ガス変換装置20の放湿面で酸素を消費するので、野菜室5内の酸素濃度を低下することができ、野菜は呼吸により酸素と体内の栄養を用いてエネルギーを生成しているので、酸素濃度を低くすることにより、野菜の呼吸による体内の栄養の消費を抑えることができるため、より長期の保存を実現することができる。
【0022】
[実施の形態2]
図6は本発明の実施の形態2に係る冷蔵庫の縦断面図である。なお、実施の形態1(図1)と同じ部分にはこれと同じ符号を付し、説明を省略する。
本実施の形態は、野菜室5に、吸湿面が冷気により野菜室5を冷却する野菜室冷却風路14の空気に接触し、放湿面が野菜室5の空気に接触するように電気分解式ガス変換装置20を設けたものである。
【0023】
上記のように構成した本実施の形態においては、実施の形態1の場合とほぼ同様の効果が得られるが、さらに、次のような効果を得ることができる。すなわち、電気分解式ガス変換装置20の反応が行われると、吸湿面付近の湿度が下ってくるが、野菜室冷却風路14を通る冷気は冷蔵室3を通過した冷気であり、冷蔵室3は扉3aを開閉する回数が多いため、常に湿度をもった空気とのガス変換を行うことができる。また、ガス変換により野菜室冷却風路14の冷気の湿度が低下するので、冷却器8への着霜を抑制することができ、霜取りヒータ11への通電時間を短縮することができるため、消費電力を節減することができる。
【0024】
[実施の形態3]
図7は本発明の実施の形態3に係る冷蔵庫の縦断面図である。なお、実施の形態1(図1)と同じ部分にはこれと同じ符号を付し、説明を省略する。
本実施の形態は、実施の形態1における野菜冷却回路14の野菜室5への冷気の吹出し口14aをなくし、野菜室5を密閉状態として野菜室5へ吹出す冷気を遮断したものである。
【0025】
このように構成した本実施の形態においても実施の形態1の場合とほぼ同様の効果を得ることができるが、さらに、野菜室5内に貯蔵された野菜等に直接冷気を当てずに、野菜冷却風路14内を流れる冷気の輻射によって冷却を行うようにしたので、野菜室5内の乾燥を防ぎ、野菜室5内を効率よく高湿度にすることができる。また、電気分解式ガス変換装置20によって放出された高湿度、低酸素濃度の空気を、密閉された野菜室5内にとどめることができるので、野菜室5内をより効率よく野菜の保存に適した環境にすることができる。
【0026】
[実施の形態4]
図8は本発明の実施の形態4に係る冷蔵庫の縦断面図である。なお、実施の形態2(図6)と同じ部分にはこれと同じ符号を付し、説明を省略する。
本実施の形態は、実施の形態2における野菜冷却風路14の野菜室5への冷気の吹出し口14aをなくし、野菜室5を密閉状態として野菜室5へ吹き出す冷気を遮断したものである。
【0027】
本実施の形態においても実施の形態2の場合とほぼ同様の効果を得ることができるが、さらに、野菜室5内に貯蔵された野菜等に直接冷気を当てずに、野菜室冷却風路14を流れる冷気の輻射により冷却するようにしたので、野菜室5内の乾燥を防ぎ、野菜室5内を効率よく高湿度化することができる。また、電気分解式ガス変換装置20によって放出された高湿度、低酸素濃度の空気を密閉された野菜室5内にとどめることができるので、野菜室5内をより効率よく野菜の保存に適した環境にすることができる。
【0028】
[実施の形態5]
図9は本発明の実施の形態5に係る冷蔵庫の野菜室の縦断面図である。なお、実施の形態1(図1)と同じ部分にはこれと同じ符号を付し、説明を省略する。
本実施の形態は、実施の形態1〜4(図には、実施の形態1の場合が示してある)の冷蔵庫において、野菜室5の底部(仕切り部材2c)に保温手段であるヒータ25を設けたものである。
【0029】
本実施の形態においては、ヒータ25に通電することにより、野菜室5を保温して野菜室5の温度が低くなりすぎるのを防止することができる。なお、図9では、ヒータ25を野菜室5の底部に設けた場合を示したが、これに限定するものではなく、野菜室5の背面や側面に設けてもよい。
【0030】
[実施の形態6]
図10は本発明の実施の形態6に係る冷蔵庫の野菜室の断面図である。なお、実施の形態5(図9)と同じ部分にはこれと同じ符号を付し、説明を省略する。
本実施の形態は、実施の形態1〜5(図には、実施の形態5の場合が示してある)の冷蔵庫において、野菜室5に野菜室5内の温度を検知するための温度検知手段である温度センサ26を設けたものである。
【0031】
本実施の形態においては、温度センサ26により野菜室5内の温度を常に監視し、野菜室5の温度が設定温度より低くなったときはヒータ25に通電し、野菜室5内を常に低温かつ恒温状態に保つことにより、野菜室5内の温度による湿度の変化を抑制するようにしたものである。なお、図10では、温度センサ26を野菜室5の背面側に設けた場合を示してあるが、これに限定するものではなく、野菜室5の天面、側面、底面等、適宜の場所に設けてもよい。
【0032】
[実施の形態7]
図11は本発明の実施の形態7に係る冷蔵庫の野菜室の縦断面図である。なお、実施の形態6(図10)と同じ部分にはこれと同じ符号を付し、説明を省略する。
本実施の形態は、実施の形態1〜6(図には、実施の形態6の場合が示してある)の冷蔵庫において、野菜室5に野菜室5内の湿度を検出する湿度検知手段である湿度センサ27を設けたものである。
【0033】
本実施の形態においては、電気分解式ガス変換装置20を常時運転することなく、湿度センサ27で野菜室5内の湿度を監視し、湿度の低いときだけ電気分解式ガス変換装置20を運転することにより、消費電力を節減するようにしたものである。また、野菜室5内の湿度が高すぎるときは、電気分解式ガス変換装置20の運転を停止することにより、野菜室5内の結露を防止することができる。なお、図11では、湿度センサ27を野菜室5の天面に設けた場合を示したが、これに限定するものではなく、野菜室5の側面、背面、床面等、適宜の場所に設けてもよい。
【0034】
[実施の形態8]
図12は本発明の実施の形態8に係る冷蔵庫の野菜室の縦断面図である。なお、実施の形態7(図11)と同じ部分にはこれと同じ符号を付し、説明を省略する。
本実施の形態においては、実施の形態1〜7(図には、実施の形態7の場合が示してある)の冷蔵庫において、野菜室5に設けた電気分解式ガス変換装置20の吸湿面と接する空気を撹拌するための空気撹拌手段であるファン28を設けたものである。
【0035】
電気分解式ガス変換装置20を運転すると吸湿面付近の湿度が低下するが、電気分解式ガス変換装置20は、吸湿面付近の空気の湿度が高いほど活発に反応する。
本実施の形態においては、電気分解式ガス変換装置20の吸湿面の近傍にファン28を設けてその付近の空気を撹拌し、乾燥した空気を強制的に除去して湿度をもった空気を吸湿面付近に送り込むようにしたので、野菜室5内を効率よく高湿度、低酸素濃度状態に維持することができる。
【0036】
[実施の形態9]
図13は本実施の形態9に係る冷蔵庫の野菜室の縦断面図である。なお、実施の形態8(図12)と同じ部分にはこれと同じ符号を付し、説明を省略する。
本実施の形態は、実施の形態1〜8(図には、実施の形態8の野菜室が示してある)の冷蔵庫において、野菜室5に野菜の光合成を促進するための光源29を設けたものである。なお、野菜に光があたるように、野菜ケース17は光の透過性を有する素材によって作られている。
【0037】
図14に光の波長と光合成及び光形態形成(発芽、開花など)の効果について表わした線図を示す。図に示すように、光合成には660nm付近の波長の赤色光が最も効果があるが、光形態形成にも影響があるので、本実施の形態においては、光源29に590nm付近の波長のオレンジ色の光源を使用した。
【0038】
本実施の形態によれば、野菜自身を光源29の光によって光合成させることができるので、緑色葉菜類の葉に含まれるクロロフィル濃度の低下が抑制されて緑色を保持すると共に、ビタミンCなどの栄養成分を増加させることができる。また、野菜室5は高湿度状態を保っているので、光合成を行う際の野菜の蒸散を抑えることができるため、野菜の乾燥を防ぎながら栄養を増加させることができる。
【0039】
また、湿度センサ27により野菜室5内の湿度を監視し、湿度が高いときに光源29により光を照射し、湿度の低いときに光の照射をやめるようにすることにより、光合成による野菜の乾燥を効率よく防止することができる。
【0040】
さらに、本実施の形態においては、光の波長の異なる光源29を設けてもよく、例えば、440nm付近の波長の青色の光源を設けると、野菜の光形態形成を促進させることができる。また、波長の異なる2つ以上の光源を組合わせてもよく、光源の個数や光の強さを調節することにより、光合成や光形態形成の効果の割合を任意に変えることができる。
また、野菜が光合成や光形態形成を行う際には体内の水分を消費してしまうので、電気分解式ガス変換装置20による加湿と組合わせることにより、野菜の乾燥を防ぎながら野菜の活動を促進させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】本実施の形態1に係る冷蔵庫の縦断面図である。
【図2】図1のA−A断面図である。
【図3】図1の電気分解式ガス変換装置の動作原理説明図である。
【図4】図1のダクトの他の例の説明図である。
【図5】実施の形態1の冷蔵庫の他の例の縦断面図である。
【図6】本発明の実施の形態2に係る冷蔵庫の縦断面図である。
【図7】本発明の実施の形態3に係る冷蔵庫の縦断面図である。
【図8】本発明の実施の形態4に係る冷蔵庫の縦断面図である。
【図9】本発明の実施の形態5に係る冷蔵庫の野菜室の縦断面図である。
【図10】本発明の実施の形態6に係る冷蔵庫の野菜室の縦断面図である。
【図11】本発明の実施の形態7に係る冷蔵庫の野菜室の縦断面図である。
【図12】本発明の実施の形態8に係る冷蔵庫の野菜室の縦断面図である。
【図13】本発明の実施の形態9に係る冷蔵庫の野菜室の縦断面図である。
【図14】光と波長と光合成及び光形態形成の効果を示す線図である。
【符号の説明】
【0042】
1 冷蔵庫本体、2a〜2c 仕切り部材、5 野菜室、7 冷蔵庫内風路、8 冷却器、14 野菜室冷却風路、15 ダクト、20 電気分解式ガス変換装置、25 ヒータ、26 温度センサ、27 湿度センサ、28 ファン、29 光源。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
野菜等を保存する野菜室を備え、該野菜室に、電解作用により一方の面で酸素を消費して水分を発生させ(この面を放湿面という)、他方の面で水分を消費して酸素を発生させる(この面を吸湿面という)電気分解式ガス変換装置を、前記放湿面を前記野菜室内の空気と接し、前記吸湿面を庫外の空気と接するように設けたことを特徴とする冷蔵庫。
【請求項2】
野菜等を保存する野菜室を備え、該野菜室に、電解作用により一方の面で酸素を消費して水分を発生させ(この面を放湿面という)、他方の面で水分を消費して酸素を発生させる(この面を吸湿面という)電気分解式ガス変換装置を、前記放湿面を前記野菜室の空気と接し、前記吸湿面を前記野菜室の冷却風路内の空気と接するように設けたことを特徴とする冷蔵庫。
【請求項3】
前記野菜室を密閉状態とし、該野菜室を輻射により冷却することを特徴とする請求項1又は2記載の冷蔵庫。
【請求項4】
前記野菜室に、該野菜室を保温する保温手段を設けたことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の冷蔵庫。
【請求項5】
前記野菜室に、該野菜室内の温度を検知する温度検知手段を設けたことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の冷蔵庫。
【請求項6】
前記野菜室に、該野菜室内の湿度を検知する湿度検知手段を設けたことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の冷蔵庫。
【請求項7】
前記電気分解式ガス変換装置の吸湿面の近傍に、該吸湿面と接する空気を撹拌する空気撹拌手段を設けたことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の冷蔵庫。
【請求項8】
前記野菜室に、該野菜室内の野菜の光合成を促進するための光源を設けたことを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の冷蔵庫。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2006−266539(P2006−266539A)
【公開日】平成18年10月5日(2006.10.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−82390(P2005−82390)
【出願日】平成17年3月22日(2005.3.22)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】