説明

冷蔵庫

【課題】直接冷却方式により冷却される貯蔵室と、間接冷却方式により冷却される貯蔵室とを備える冷蔵庫であって、消費エネルギーの少ない冷蔵庫を提供すること。
【解決手段】第一冷却器12と第二冷却器32とを備える冷蔵庫100であって、前面に開口部を有し、第一冷却器12により壁面が冷却されることにより室内が冷却される冷蔵室10と、前面に開口部を有し、第二冷却器32により冷却された冷気が循環することで室内が冷却される変温室20と、冷蔵室10の開口部と変温室20の開口部とを開閉自在に閉塞する一つの第一扉11とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、冷蔵庫に関し、特に直接冷却方式にて冷却される貯蔵室と、間接冷却方式にて冷却される貯蔵室とを備える冷蔵庫に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、冷蔵庫では、圧縮機から吐出された冷媒が凝縮器、絞り弁、冷却器(蒸発器ともいう)を通過し、再び圧縮機に戻る冷却サイクルが構成されている。
【0003】
また、庫内を冷却する方式として、冷却器で冷却された冷却壁面により庫内を冷却する直接冷却方式と、冷却器により冷却された空気(冷気)を庫内へ循環させて庫内を冷却する間接冷却方式とがあり、これら2種類の冷却方式の両方を採用する冷蔵庫も存在する。
【0004】
図6は、従来の冷蔵庫200の正面図である。
【0005】
図6に示す冷蔵庫200は、冷蔵室210、変温室220、および冷凍室230の3つの貯蔵室を備える。なお、図では矩形の点線がそれぞれの貯蔵室の開口部を表している。
【0006】
また、冷蔵庫200は、これら貯蔵室の開口部を開閉自在に閉塞する3つの扉を備えている。具体的には、冷蔵室210に対応する扉211と、変温室220に対応する扉221と、冷凍室230に対応する扉231とを備えている。
【0007】
このような構成の冷蔵庫200において、例えば、冷蔵室210の奥面の裏側に接して設けられた冷却器により当該奥面が冷却され、これにより冷蔵室210が冷却される。つまり、冷蔵室210は、直接冷却方式により冷却される。
【0008】
また変温室220内および冷凍室230内には、冷凍室230の奥面の裏側に備えられた冷却器からの冷気が循環し、これにより、変温室220および冷凍室230が冷却される。つまり、変温室220および冷凍室230は、間接冷却方式により冷却される。
【0009】
このように、複数の貯蔵室と、貯蔵室ごとの扉とを備え、直接冷却方式および間接冷却方式の双方を採用する冷蔵庫についての技術も開示されている。
【0010】
例えば、直接冷却方式により冷却される冷蔵室と、間接冷却方式により冷却される変温室および冷凍室とを備え、冷却器から変温室に流入する冷気の量をダンパーの開閉を制御することにより制御し、変温室の温度を一定に保つ冷蔵庫についての技術が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【0011】
また、同様の構成の冷蔵庫であって、冷却器から変温室にいたるダクト内に、変温室への冷気の流入量を調整するダンパーを備える冷蔵庫についての技術も開示されている(例えば、特許文献2参照)。
【0012】
また、直接冷却方式により冷却される冷蔵室の下に、冷蔵温度よりも温度帯の低い低温室を備え、冷蔵室下部に低温室に連通する開口部を備えることにより、低温室を冷却する冷蔵庫についての技術も開示されている(例えば、特許文献3参照)。
【特許文献1】特開2005−172303号公報
【特許文献2】特開2005−195293号公報
【特許文献3】特開2005−221144号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
ここで、一般的には、冷蔵庫は扉が閉じられている時間の方が、扉が開けられている時間よりも長い。そのため、扉が閉じられている状態の冷蔵庫内に対する外気温の影響を少なくすることは、冷蔵庫の省エネルギー化に非常に重要な要素である。
【0014】
そこで、上記従来の冷蔵庫について検討してみると、複数の貯蔵室のそれぞれに扉が設けられている。例えば、図6に示すように、3つの貯蔵室を備える冷蔵庫の場合、貯蔵室ごとの計3つの扉が備えられている。
【0015】
これら扉のそれぞれには、例えばガスケットまたはパッキンと呼ばれるシール部材が貯蔵室の開口部周縁に対応する位置に取り付けられている。このシール部材により、当該貯蔵室の気密性が保持される。
【0016】
シール部材は、貯蔵室内の冷気と冷蔵庫の外側の外気とを遮断する部材であるため、冷蔵庫の中でも冷気と外気との熱交換量が大きな部材である。
【0017】
そのため、図6に示すように貯蔵室ごとに扉を設けた場合、シール部材の総延長も長いものとなり、冷蔵庫内に侵入する熱量もその長さに比例して大きなものとなる。つまり、冷蔵庫の消費エネルギーも増加することとなる。
【0018】
本発明は、上記従来の課題を考慮し、直接冷却方式により冷却される貯蔵室と、間接冷却方式により冷却される貯蔵室とを備える冷蔵庫であって、消費エネルギーの少ない冷蔵庫を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0019】
上記従来の課題を解決するために、本発明の冷蔵庫は、第一冷却器と第二冷却器とを備える冷蔵庫であって、前面に開口部を有し、前記第一冷却器により壁面が冷却されることにより室内が冷却される第一貯蔵室と、前面に開口部を有し、前記第二冷却器により冷却された冷気が循環することで室内が冷却される第二貯蔵室と、前記第一貯蔵室の開口部と前記第二貯蔵室の開口部とを開閉自在に閉塞する一つの第一扉とを備える。
【0020】
このように、本発明の冷蔵庫において、直接冷却方式で冷却される第一貯蔵室と、間接冷却方式で冷却される第二貯蔵室とは、一つの第一扉で開閉自在に閉塞されている。
【0021】
これにより、第一貯蔵室および第二貯蔵室の気密性を保持するシール部材の、常に外気と触れている部分の長さの総計は、貯蔵室ごとに扉を設ける場合よりも短くなる。
【0022】
結果として、シール部材における熱伝導によるエネルギー損失は従来よりも少ないものとなる。
【0023】
このように、本発明は、従来の冷蔵庫に比べて消費エネルギーの少ない冷蔵庫を提供することができる。
【0024】
また、前記第二貯蔵室は前記第一貯蔵室の下に配置されており、前記冷蔵庫はさらに、前面に開口部を有し、前記第二貯蔵室の下に配置され、前記第二冷却器により冷却された冷気が循環することで室内が冷却される冷凍室と、前記冷凍室の開口部を開閉自在に閉塞する一つの第二扉とを備えるとしてもよい。
【0025】
ここで、冷蔵庫において温度帯の低い貯蔵室である冷凍室は、他の貯蔵室と比べ外気との差が大きな冷凍室である。従って、このような冷凍室の開口部には、第一扉とは別体の第二扉を設けることにより、冷蔵庫全体としての省エネルギー化は担保される。
【0026】
また、前記第一貯蔵室と前記第二貯蔵室とは上仕切体で仕切られており、前記第二貯蔵室と前記冷凍室とは下仕切体で仕切られており、前記冷蔵庫はさらに、冷却サイクルの放熱側に設けられた放熱パイプであって、前記冷凍室を形成する一方の側壁の外側の下方から延伸し、前記上仕切体を経由することなく前記下仕切体の前端面の裏側を左右方向に貫き、かつ、前記冷凍室を形成する他方の側壁の外側の下方へ向かう放熱パイプを備え、前記第一貯蔵室は冷蔵室であり、冷蔵前記第二貯蔵室の温度帯は、前記冷凍室の温度帯よりも高いとしてもよい。
【0027】
つまり、本発明の冷蔵庫において、第一貯蔵室と第二貯蔵室とを仕切る上仕切体の前端面は、扉を閉じた状態では外気と接触しない。また、第一貯蔵室および第二貯蔵室の温度帯は冷凍庫に比べると高い温度帯である。そのため、結露防止のための放熱パイプを設置しなくてもよく、放熱パイプの総延長を短くすることができる。また、放熱パイプからの放熱によるエネルギー損失も低減される。
【0028】
また、第二貯蔵室は、第一貯蔵室とは1つの第一扉により開閉自在に閉塞されているが、その温度帯は冷凍室の温度帯よりも高い。そのため、冷蔵庫の使用者は、例えば、収納する食品の特性等に応じてそれぞれの貯蔵室を使い分けることが出来る。
【0029】
また、前記放熱パイプは、前記下仕切体の上下方向において前記冷凍室寄りの位置に配置されているとしてもよい。
【0030】
これにより、結露の発生しやすい部分の一つである冷凍室の開口部周縁の上部分での結露の発生を効率よく防止することができる。
【0031】
また、前記上仕切体の前端面は樹脂により形成されているとしてもよい。
【0032】
これにより、従来ではマグネット付きのパッキンを密着させるために金属で形成されていた部分が樹脂により形成される。従って、上仕切体の前端面の熱伝導量は低減され、結露の発生が抑制される。
【発明の効果】
【0033】
本発明は、直接冷却方式により冷却される貯蔵室と、間接冷却方式により冷却される貯蔵室とを備える冷蔵庫であって、消費エネルギーの少ない冷蔵庫を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0034】
以下、本発明の冷蔵庫の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によってこの発明が限定されるものではない。
【0035】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1の冷蔵庫100の正面図である。
【0036】
図1に示すように冷蔵庫100は、2つの扉を備える冷蔵庫であり、断熱箱体70内に3つに区画された貯蔵室を備えている。
【0037】
断熱箱体70は、ABSなどの樹脂体を真空成型した内箱71とプリコート鋼板などの金属材料を用いた外箱72とで構成された空間に発泡断熱材73が充填された断熱壁で構成されている。
【0038】
断熱箱体70内には、上述の3つの貯蔵室が備えられている。具体的には冷蔵庫100は、冷蔵室10、室内の温度が変更可能な変温室20、および冷凍室30を備えている。なお、図では矩形の点線がそれぞれの貯蔵室の開口部を表している。
【0039】
また、冷蔵室10は、本発明の冷蔵庫における第一貯蔵室の一例であり、変温室20は、本発明の冷蔵庫における第二貯蔵室の一例である。
【0040】
各貯蔵室の開口部には、例えばウレタンのような発泡断熱材を発泡充填した断熱扉が設けられている。
【0041】
具体的には、冷蔵室10および変温室20の開口部を開閉自在に閉塞する片開き式の第一扉11が設けられている。第一扉11は向かって右側の端部に設けられた縦方向の回動軸を中心に回動する。また、冷凍室30には、引き出し式の第二扉31が設けられている。
【0042】
このような基本構成を有する本実施の形態の冷蔵庫100では、冷蔵室10は直接冷却方式により冷却され、変温室20および冷凍室30は間接冷却方式により冷却される。
【0043】
図2は、本実施の形態の冷蔵庫100の縦断面図である。
【0044】
図2に示すように、断熱箱体70内において、冷蔵室10と変温室20とは、上仕切体15により仕切られている。また、変温室20と冷凍室30とは下仕切体25により仕切られている。
【0045】
また、冷蔵庫100は、2つの冷却器を備えている。具体的には、冷蔵室10の奥面10aの裏側に第一冷却器12を備えている。冷蔵室10の奥面10aは第一冷却器12からの熱伝導によって冷却される。冷蔵室10内の空気は、この冷却された奥面10aにより冷却される。
【0046】
第一冷却器12は、冷却パイプ12aと金属板12bとを有する。冷蔵室10の奥面10aは、奥面10aの裏側に接するように取り付けられた金属板12bにより直接的に冷却される。
【0047】
また、冷蔵庫100は、冷凍室30の奥面の裏側に第二冷却器32を備える。冷凍室30内は、第二冷却器32から放出される冷気が循環することにより冷却される。
【0048】
第二冷却器32から放出される冷気は、変温室20にも供給され、ダンパーの開閉制御により、例えば、冷蔵室10の温度帯と冷凍室30の温度帯との間の温度帯に維持される。
【0049】
このように、本実施の形態の冷蔵庫100は、直接冷却方式により冷却される冷蔵室10と、間接冷却方式により冷却される変温室20および冷凍室30とを備えている。
【0050】
つまり、図6に示す従来の冷蔵庫と同様に縦に並べられた3つの貯蔵室を備えている。しかし、これら貯蔵室の開口部を開閉自在に閉塞する扉は2つのみである。
【0051】
具体的には、冷蔵室10および変温室20の開口部は一つの第一扉11により開閉自在に閉塞されている。また、冷凍室30の開口部は一つの第二扉31により開閉自在に閉塞されている。
【0052】
本実施の形態の冷蔵庫100は、このように冷蔵室10および変温室20に対して一つの第一扉11を配置することで、消費エネルギーの削減を実現している。
【0053】
図3は、本実施の形態における第一扉11に取り付けられたシール部材の配置態様を示す図である。
【0054】
なお、図3は第一扉11の庫内側の面(裏面)の概要を示す図である。図3では、本発明の特徴を明確に示すために、第一扉11の裏面に本来備えられているドアポケット等の図示は省略している。
【0055】
図3に示すように、第一扉11には、冷蔵室10と変温室20との気密性を保持するためのマグネット付きパッキンである第一シール部材13が取り付けられている。
【0056】
具体的には、第一扉11の裏面の、冷蔵室10の開口部に対応する冷蔵室領域11aおよび変温室20の開口部に対応する変温室領域11bの双方を囲むように第一シール部材13が配置されている。
【0057】
また、冷蔵室領域11aと変温室領域11bとの間に、上仕切体15の前端面と第一扉11との間の空間における上下方向の空気の流れを遮断する第二シール部材14が備えられている。
【0058】
つまり、第二シール部材14は第一扉11の裏面において、上仕切体15の前端面と対向する位置に左右方向に延設されている。これにより、第一扉11が閉じられた場合に、第二シール部材14が上仕切体15の前端面の左右に渡って圧接し、冷蔵室10の開口部と変温室20の開口部との間の空気対流が防止される。
【0059】
ここで、上記従来の冷蔵庫のように、冷蔵室10の扉と、変温室20の扉とが別体である場合、冷蔵室領域11aを囲むシール部材と、変温室領域11bを囲むシール部材とがそれぞれ必要である。つまり、それらシール部材の総延長は、図3に示す第一シール部材13の総延長よりも長い。
【0060】
すなわち、これら2つの貯蔵室の気密性を保持するシール部材の、常に外気に触れている部分の長さの総計は、冷蔵庫100の方が、従来の冷蔵庫よりも短い。
【0061】
これにより、シール部材における熱伝導によるエネルギー損失は従来よりも少ないものとなり、消費エネルギーの削減が実現される。
【0062】
また、冷蔵室10の開口部と変温室20の開口部とが一つの第一扉11により閉じられるため、冷蔵室10と変温室20とを仕切る上仕切体15の前端面は第一扉11が開けられたときのみ外気に触れることになる。
【0063】
また、変温室20の温度帯は、冷凍室30の温度帯よりも高く、冷蔵室10の温度帯と比較的近い温度帯である。
【0064】
つまり、多くの期間、相互に温度帯の近い冷蔵室10および変温室20の冷気に触れていることになり低湿状態は保たれている。そのため、問題となるほど結露が発生することはない。
【0065】
従って、冷却サイクルの放熱側に設けられた放熱パイプ40を上仕切体15の前端面の裏側に配置する必要はない。
【0066】
図4は、本実施の形態の冷蔵庫100における放熱パイプ40の配置態様を示す図である。
【0067】
図4に示すように、冷却サイクルの放熱側に設けられた放熱パイプ40は、冷凍室30を形成する一方の側壁の外側の下方から延伸し、上仕切体15を経由することなく下仕切体25の前端面の裏側を左右方向に貫き、かつ、冷凍室30を形成する他方の側壁の外側の下方へ向かって配置されている。
【0068】
つまり、放熱パイプ40の総延長は、上仕切体15を経由する場合よりも短くなる。これにより、例えば、放熱パイプ40に係る製造コスト等を抑制することができる。
【0069】
また、上仕切体15の前端面からの、冷蔵室10内および変温室20内への熱の侵入を防ぐことができる。つまり、放熱パイプ40からの放熱によるエネルギー損失が低減される。
【0070】
また、図4に示すように、放熱パイプ40は、下仕切体25の上下方向において、冷凍室30寄りに配置されている。具体的には、下仕切体25の前端面の中心線(図4では一点鎖線で表している)よりも下方に放熱パイプ40が配置されている。
【0071】
ここで、変温室20よりも外気との温度差の大きな冷凍室30の開口部周縁の上部分は結露の発生し易い部分である。従って、図4に示すように、放熱パイプ40を冷凍室30寄りに配置することにより、結露の発生し易い部分での結露の発生を効率よく防止することができる。
【0072】
また、上仕切体15の前端面は、マグネット付きパッキンである第一シール部材13を密着させる必要がない。つまり、上仕切体15の前端面は金属である必要がない。そのため、上仕切体15の前端面を樹脂で形成することができる。これは、例えば、上仕切体15の前端面に樹脂製の化粧板16を取り付けることによっても実現される。
【0073】
図5は、本実施の形態における上仕切体15の前端面が樹脂で形成されていることを示す図である。
【0074】
図5に示すように、上仕切体15の前端面に樹脂製の化粧板16を取り付ける。つまり、上仕切体15の前端面を、熱伝導性の低い材料である樹脂で形成する。
【0075】
これにより、冷蔵室10内および変温室20内からの前端面への熱伝導量を低減でき、上仕切体15の前端面における結露の発生はさらに抑制される。
【0076】
以上説明したように、本実施の形態の冷蔵庫100は、直接冷却方式により冷却される冷蔵室10と、間接冷却方式により冷却される変温室20および冷凍室30とを備える。また、冷蔵室10と変温室20とに対し、一つの第一扉11を備え、冷凍室30に対し一つの第二扉31を備える。
【0077】
これにより、3つの貯蔵室のそれぞれに対し一つずつ扉を備える従来の冷蔵庫よりも、庫内の気密性を保つためのシール部材の、常に外気に触れている部分の長さは短くなる。
【0078】
つまり、シール部材における熱伝導によるエネルギー損失は、従来の冷蔵庫よりも少ないものとなり、消費エネルギーの削減が実現される。
【0079】
また、冷蔵室10と変温室20とを仕切る上仕切体15の前端面には放熱パイプ40を配置する必要はなく、放熱パイプ40の総延長を短くでき、かつ、放熱パイプ40からの放熱によるエネルギー損失を抑制できる。
【0080】
さらに、上仕切体15の前端面はマグネット付きパッキンである第一シール部材13が密着しないため、樹脂で形成することができる。これにより、上仕切体15の前端面の結露はさらに抑制される。
【0081】
このように、本発明は、直接冷却方式により冷却される冷蔵室10と、間接冷却方式により冷却される変温室20とを備える冷蔵庫100であって、消費エネルギーの少ない冷蔵庫100を提供することができる。
【産業上の利用可能性】
【0082】
本発明は、直接冷却方式により冷却される貯蔵室と、間接冷却方式により冷却される貯蔵室とを備える冷蔵庫であって、消費エネルギーの少ない冷蔵庫を提供することができる。従って、本発明は、家庭用および業務用など様々な種類および大きさの冷蔵庫等として有用である。
【図面の簡単な説明】
【0083】
【図1】本発明の実施の形態1の冷蔵庫の正面図
【図2】同実施の形態の冷蔵庫の縦断面図
【図3】同実施の形態における第一扉に取り付けられたシール部材の配置態様を示す図
【図4】同実施の形態の冷蔵庫における放熱パイプ40の配置態様を示す図
【図5】同実施の形態における上仕切体の前端面が樹脂で形成されていることを示す図
【図6】従来の冷蔵庫の正面図
【符号の説明】
【0084】
10 冷蔵室
10a 奥面
11 第一扉
11a 冷蔵室領域
11b 変温室領域
12 第一冷却器
12a 冷却パイプ
12b 金属板
13 第一シール部材
14 第二シール部材
15 上仕切体
16 化粧板
20 変温室
25 下仕切体
30 冷凍室
31 第二扉
32 第二冷却器
40 放熱パイプ
70 断熱箱体
71 内箱
72 外箱
73 発泡断熱材
100 冷蔵庫

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一冷却器と第二冷却器とを備える冷蔵庫であって、前面に開口部を有し、前記第一冷却器により壁面が冷却されることにより室内が冷却される第一貯蔵室と、前面に開口部を有し、前記第二冷却器により冷却された冷気が循環することで室内が冷却される第二貯蔵室と、前記第一貯蔵室の開口部と前記第二貯蔵室の開口部とを開閉自在に閉塞する一つの第一扉とを備える冷蔵庫。
【請求項2】
前記第二貯蔵室は前記第一貯蔵室の下に配置されており、前記冷蔵庫はさらに、前面に開口部を有し、前記第二貯蔵室の下に配置され、前記第二冷却器により冷却された冷気が循環することで室内が冷却される冷凍室と、前記冷凍室の開口部を開閉自在に閉塞する一つの第二扉とを備える請求項1に記載の冷蔵庫。
【請求項3】
前記第一貯蔵室と前記第二貯蔵室とは上仕切体で仕切られており、前記第二貯蔵室と前記冷凍室とは下仕切体で仕切られており、前記冷蔵庫はさらに、冷却サイクルの放熱側に設けられた放熱パイプであって、前記冷凍室を形成する一方の側壁の外側の下方から延伸し、前記上仕切体を経由することなく前記下仕切体の前端面の裏側を左右方向に貫き、かつ、前記冷凍室を形成する他方の側壁の外側の下方へ向かう放熱パイプを備え、前記第一貯蔵室は冷蔵室であり、前記第二貯蔵室の温度帯は、前記冷凍室の温度帯よりも高い請求項2に記載の冷蔵庫。
【請求項4】
前記放熱パイプは、前記下仕切体の上下方向において前記冷凍室寄りの位置に配置されている請求項3に記載の冷蔵庫。
【請求項5】
前記上仕切体の前端面は樹脂により形成されている請求項3または4に記載の冷蔵庫。

【図1】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図2】
image rotate


【公開番号】特開2011−208806(P2011−208806A)
【公開日】平成23年10月20日(2011.10.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−201536(P2008−201536)
【出願日】平成20年8月5日(2008.8.5)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】