説明

冷陰極管用コネクタ

【課題】
冷陰極管及び電極線の設置が容易であり、電極線にバラツキがあっても確実に接続ができ、挿入力が不要で撓み変形することなく容易に接続ができ、コネクタの小型化が可能であり、内部の接続状態を目視確認しながら確実に接続ができ、基板実装タイプとリード線タイプの双方に対して容易に適用できる冷陰極管用コネクタを提供する。
【解決手段】
ハウジング2とカバー3でコネクタケースを形成し、ハウジング2には冷陰極管に対する保持室と接続端子4を収容する接続室を設け、コンタクト8には圧接部を先端側に形成した一対の各可動片19を設け、冷陰極管5の端部を保持室内に装着すると電極線6が各可動片19間へ遊嵌状に挿入できると共に、一対の各作動用突起12を設けたカバー3をハウジング2の開口部に被着すると、コンタクト8の各可動片19を外側から押圧し、圧接部で電極線6を狭持して圧接する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば液晶表示装置のバックライトなどに主として使用される冷陰極管(CCFL)に対し、冷陰極管の端部をコネクタで保持すると共に、電極線(ジュメット線などとも言う)をコネクタ内に収容した接続端子のコンタクトに接続し、接続端子を介して電源側と接続するための冷陰極管用コネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
冷陰極管は、同じ蛍光管でも一般照明用の蛍光灯などの熱陰極管に比べると、電極構造が簡単であるから非常に細い形状にすることが可能であり、液晶表示を行う各種電子機器のバックライト(背面照明)として広く利用されているが、一般照明用の蛍光灯などの場合と違って、電極線の径が0.6〜0.8mm程度で細くて撓み易く且つ、電極線の長さも短くてバラツキもあることなどから、電源側との接続に苦慮していた。
【0003】
最も簡便な接続方法は、電極線に直接半田付けして接続することであるが、必ずしも均一且つ確実に接続することが困難であること、劣化その他の故障で冷陰極管を交換する際の作業が繁雑であること、特に近年のように液晶表示装置が大型化して多くのバックライトを必要とする場合には、半田付けでは作業能率が悪いことなどの課題があり、その解決手段としてコネクタを用いるようにした先行技術が、例えば特許文献1乃至4などによって提案されている。
【0004】
【特許文献1】特開2005−183011号公報
【特許文献2】特開2005−259370号公報
【特許文献3】特開2005−294019号公報
【特許文献4】特許第3569848号公報
【0005】
これらの先行技術による冷陰極管用コネクタでは、例えば特許文献1の場合には、ハウジング内に収容した接続端子に対し、冷陰極管の電極線をL字状に折り曲げて先端側を挿通孔から固定片と弾性片の間に挿入し、ハウジングに枢着したアクチュエータを回転すると、アクチュエータに設けたカム壁が弾性片を押圧して固定片側に電極線を圧接する接続構造を採っており、電源を供給する基板に接続端子の脚片を接続した基板実装タイプに適用される。
【0006】
特許文献2の場合には、ハウジング内に収容した接続端子に対し、ハウジングに枢着したアクチュエータを回転すると、アクチュエータに設けたカム部が対向する一対の各作動片に接離して開閉させると共に、各作動片と一体に形成した対向する一対の各接点を開閉し、カム部の接合で弾力に抗して押し広げた各接点の間に挿入した冷陰極管の電極線を、カム部の離脱で弾力が復元した各接点が狭持して圧接する接続構造を採っており、電源を供給する基板に接続端子の脚片を接続した基板実装タイプに適用される。
【0007】
特許文献3の場合には、開閉可能な一対の各接触部を先端側に設けた接続端子をハウジング内に収容し、挿入孔を介してハウジングに挿入した冷陰極管の電極線を各接触部の間へ直交状に圧入させ、拡開した各接触部がハウジングの内壁面から受ける反作用によって、冷陰極管の電極線を各接触部の間で狭持して圧接する接続構造を採っており、接続端子の後端側に設けた圧着部を介して電源を供給するリード線を接続したリード線タイプに適用される。
【0008】
特許文献4の場合には、冷陰極管の端部とリード線の先端側に対する各保持部を直交状に設けた保持基台と、接続端子を収容して保持基台に対して着脱可能に嵌合する接続ボックスによるコネクタを備え、接続端子にはスリットを挟んで二股状に形成した冷陰極管の電極線を接続する電極用及び、接続端子の先端側を接続するリード線用の各コンタクトを直交状態で一体に形成し、各保持部を介して冷陰極管の端部とリード線の先端側を保持基台上に載置して接続ボックスを嵌合させ、電極線とリード線の芯線を各コンタクトのスリット間で狭持して圧接する接続構造を採っており、電源を供給するリード線を接続したリード線タイプに適用される。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
これらの特許文献を含む先行技術では、例えば特許文献1の場合はコネクタの接続端子に対してL字状に折り曲げた電極線の先端側を圧接しているので、電極線を長くする必要があって短いと適用できないこと、L字状の折り曲げ加工が必要であること、コネクタ及び接続端子の挿通孔を介して電極線の先端側を挿入させるので、電極線の挿入作業が面倒であり且つ挿入中に折れ曲がる恐れもあること、アクチュエータを回転させる構造であるから大型化すること、内部の接続状態を確認できないこと、リード線タイプに適用することが容易でないこと、などの解決を必要とする課題があった。
【0010】
また、特許文献2の場合はカム部で弾力に抗して各接点の間を押し広げる構造を採るとるために、接続端子の構造が複雑で量産するのが困難であると共に、アクチュエータを回転させる構造によって大型化すること、コネクタの組立が容易ではないこと、リード線タイプに適用することが容易でないこと、などの解決を必要とする課題があった。
【0011】
また、特許文献3の場合は弾力のある各接触部の間へ電極線を挿入するので大きな挿入力が必要であると共に、電極線が撓み変形して確実に接続できなくなる恐れがあること、内部の接続状態を確認できないこと、基板実装タイプに適用することが容易でないこと、などの解決を必要とする課題があった。
【0012】
また、特許文献4の場合は電極線とリード線の芯線を2個所へ別々にセットする必要があるので、量産時における組み付け作業が繁雑であり、弾力のある各接触部の間へ電極線とリード線の芯線の双方を同時に挿入するので大きな挿入力が必要であると共に、双方に対して均等に押圧して挿入しないと電極線が撓み変形して確実に接続できなくなる恐れがあること、基板実装タイプに適用することが容易でないこと、などの解決を必要とする課題があった。
【0013】
そこで本発明では、これら従来技術の課題を解決し得る冷陰極管用コネクタを提供するものであって、特に冷陰極管及び電極線の設置が容易であること、電極線が短かったりバラツキがあっても確実に接続ができること、挿入力が不要で撓み変形することなく容易に接続ができること、コネクタを小型化できること、内部の接続状態を目視確認しながら確実に接続できること、基板実装タイプとリード線タイプの双方に対して容易に適用できること、などを主たる目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明による冷陰極管用コネクタは、電源側の配線に接続する接続端子を装着したハウジングと、ハウジングに着脱可能に被着するカバーでコネクタケースが形成され、ハウジングには冷陰極管の端部を収容して保持する保持室と、冷陰極管の延長線上にコンタクトを配置した接続端子を収容する接続室を隣接板に形成し、コンタクトには離間する圧接部を先端側に形成した左右対向状の各可動片を設け、冷陰極管の端部を保持室内に装着すると電極線が各可動片間へ遊嵌状に挿入できる構成にすると共に、カバーには左右対向状に突出する各作動用突起を設け、ハウジングの開口部に被着するとコンタクトの各可動片を外側から押圧し、圧接部で電極線を狭持して圧接する構成にした。(請求項1)
【0015】
請求項1の冷陰極管用コネクタにおいて、前記冷陰極管の端部は保持室側又は冷陰極管側に装着したクッション材を介して、弾性的にハウジングに支持させた形態を採ることができる。(請求項2)
【0016】
請求項1又は2の冷陰極管用コネクタにおいて、前記ハウジングには保持室及びコンタクトを収容する接続室の一部を、カバーの被着で閉塞する開口部側に露出させて設けると共に、接続室内にはプリント基板に接続する端子脚片を備えた接続端子のコンタクトを、各可動片が開口部側から平面視できる配置で収容し、冷陰極管を開口部側から押し下げると端部を保持室内に装着し且つ、電極線をコンタクトの各可動片間に挿入できる構成にし、各可動片に対する電極線の挿入状態を開口部側から目視確認できる基板実装タイプに適用させた形態を採ることができる。(請求項3)
【0017】
請求項1又は2の冷陰極管用コネクタにおいて、前記ハウジングには冷陰極管が延在する一端側を開口した保持室と、カバーの被着で閉塞する開口部側に露出させた接続室とを直交状に設け、接続室内にはリード線を接続した電線接続片に対してコンタクトを直交状にした接続端子を収容し、各可動片の圧接部を保持室側に向けた状態でコンタクトを配置すると共に、接続室には各可動片を平面視できる位置に切欠状の窓孔部を設け、冷陰極管を一端側の開口から挿入して端部を保持室内に装着し且つ、電極線をコンタクトの各可動片間に挿入できる構成にし、各可動片に対する電極線の挿入状態を窓孔部から目視確認できるリード線タイプに適用させた形態を採ることができる。(請求項4)
【発明の効果】
【0018】
請求項1の冷陰極管用コネクタでは、ハウジングの開口部にカバーを被着すると、カバーに設けた各作動用突起がコンタクトの各可動片を外側から押圧し、各可動片間へ遊嵌状に挿入した電極線を圧接部で狭持して圧接する構造を採り、この圧接部は冷陰極管の端部と隣接した位置に設けることができると共に、カバーはハウジングの開口部に宛がって水平に押圧するだけで被着することができる。
【0019】
従って、ハウジングに冷陰極管の端部を装着する際における電極線には、コンタクトに対する挿入力が不要であるから、撓み変形することがなくて確実に装着することが可能であること、また圧接部を冷陰極管の端部と隣接した位置に設けることによって、電極線の長さが短かったりバラツキがあっても確実に接続ができること、さらにカバーを押圧する簡単な操作で容易且つ確実に電極線を圧接ができると共に、カバー装着のために広いスペースを必要としないこと、コネクタ全体を小型化できるなどの効果を期待できる。
【0020】
請求項2の冷陰極管用コネクタによると、クッション材の装着が容易であると共に、クッション材によって冷陰極管を安全に係止保持することが可能である。
【0021】
請求項3の冷陰極管用コネクタでは、保持室及び接続室の一部を開口部側に露出させて設けることによって、冷陰極管を開口部側から押し下げると端部を保持室内に装着し且つ、電極線をコンタクトの各可動片間に挿入できるので、ハウジングに対する冷陰極管の装着作業を容易且つ確実に行うことができると共に、開口部を介して電極線の挿入状態を容易に目視確認した状態でカバーの被着作業を行うことができる。
【0022】
請求項4の冷陰極管用コネクタでは、冷陰極管を一端側の開口から挿入して端部を保持室内に装着し且つ、電極線をコンタクトの各可動片間に挿入できるので、ハウジングに対する冷陰極管の装着作業を容易且つ確実に行うことができると共に、窓穴部を介して電極線の挿入状態を容易に目視確認した状態でカバーの被着作業を行うことができる。
【実施例】
【0023】
本発明の冷陰極管用コネクタについて、本発明を適用した好適な実施形態を示す添付図面に基づいて詳細に説明するが、図1〜6は接続端子をプリント基板に接続する基板実装タイプに適用した第1の実施形態を示し、図7〜8は基板実装タイプに適用した第1の実施形態の変形例を示し、図9〜13は接続端子をリード線に接続するリード線タイプに適用した第2の実施形態を示し、図14〜16はリード線タイプに適用した第2の実施形態の変形例を示す。
【0024】
第1の実施形態に付いて説明すると、図1は基板に実装したカバー装着前の冷陰極管用コネクタ1の斜視図を示し、図2はカバー装着した状態で、(a)は平面図を(b)は側面図を示し、図3は内蔵する接続端子の斜視図を示し、図4は図2の断面図であって、(a)はI-I線に沿った断面図を(b)はII-II線に沿った断面図を示し、図5は図2の断面図であって、(a)はIII-III線に沿った断面図を(b)はIV-IV線に沿った断面図を示し、図6はカバー装着前の平面図を示す。
【0025】
冷陰極管用コネクタ1は、一面を開口させた方形の箱形に樹脂成形したハウジング2とカバー3を、着脱可能に嵌合してコネクタケースが構成され、ハウジング2内には冷陰極管5の電極線6と電源側を接続する接続端子4を設け、電源を供給する配線を施したプリント基板7上に装着すると共に、冷陰極管5の端部を保持するように構成されており、ハウジング2にカバー3を被着することによって、接続端子4のコンタクト8が電極線6を狭持して圧接するようにしている。
【0026】
コネクタケースは、ハウジング2内にY字状の切欠溝9aを形成した仕切り板9を設け、一方側に形成した保持室にはシリコンゴムなどを用いたクッション材10を収容し、冷陰極管5の端部を弾性的に保持すると共に、他方側に設けた接続室には冷陰極管5の端部から切欠溝9aを介して突出した電極線6と接続する接続端子4を装着し、ハウジング2の両側外面にはカバー3を着脱可能に係止するくさび状の係止受け片11を設け、合成樹脂材で一体成形されている。
【0027】
また、カバー3はハウジング2の外壁を取り囲む態様で嵌合して被着される箱形に形成され、先端側の内面をテーパ面12aに形成して左右対向状に突出する各作動用突起12,12を、接続室に被着される側の内底面に設けると共に、各作動用突起12,12の間には案内板13を設け、当該作動用突起12と案内板13が仕切り板9に沿って摺動できるようにし、保持室側の壁面には冷陰極管5を逃げる切欠溝14を設け、カバー3の両側内面にはハウジング2の係止受け片11に係止するフック状の係止片15を設け、合成樹脂材で一体成形されている。
【0028】
接続端子4は、ハウジング2に圧入状態で装着する固定部16aの両側に安定板16bを設けた接続板16と、接続板16から垂設してプリント基板7に半田付けで接続する端子脚片17と、接続板16上に起立させたコンタクト8を、ばね性のある金属薄板でによって一体に形成させ、コンタクト8は起立片18の先端側を左右対向状に折り曲げ加工した各可動片19,19とし、可動片19には内側に折り曲げてテーパ状の案内片19aを形成すると共に、可動片19の先端側には内側に折り曲げた圧接部19bを形成するが、各圧接部19bの間は電極線6を遊嵌できる状態に離間している。
【0029】
以上の構成による冷陰極管用コネクタ1は、接続室内に接続端子4を装着したハウジング2を、端子脚片17を介してプリント基板7上に取付け、保持室内には冷陰極管5の端部をクッション材10に上方から圧入して保持すると共に、端部から突出した電極線6は基部側を仕切り板9の切欠溝9aに挿入し、先端側をコンタクト8の各圧接部19bの間に遊嵌させ、圧接部19bと電極線6の装着状態を接続室の上方から目視確認した後に、ハウジング2に対して上方からカバー3を被着する。
【0030】
カバー3を被着すると、作動用突起12の先端内側に形成したテーパ面12aが、コンタクト8に形成したテーパ状の案内片19aに突き当たり、各可動片19を内側に撓ませながら挿入され、作動用突起12は外側を内壁面に支圧された状態で接続室内に収容されるので、先端側の各圧接部19bによって電極線6を圧接状態で狭持し、電極線6を接続端子4に接続することができると共に、この接続状態はハウジング2とカバー3に係止保持手段として設けた係止片15が係止受け片11に係止して保持することができる。
【0031】
次に、第1の実施形態の変形例を図7〜8で説明すると、図7は図1と同様にカバー装着前の基板に実装した冷陰極管用コネクタ1Aの斜視図を示し、図8は図4と同様の断面図であって、(a)は縦断面図を(b)は横断面図を示すが、この変形例は第1の実施形態では予めハウジング2側に装着していたクッション材10に代え、予め冷陰極管5の端部に被着する実施形態であり、その他の構造は第1の実施形態と変わらないので、同様の部品には同じ符号を付して詳細な説明は省略する。
【0032】
冷陰極管用コネクタ1Aは、ハウジング2Aとカバー3Aでコネクタケースを構成し、ハウジング2内には冷陰極管5の電極線6と電源側を接続する接続端子4を設け、電源を供給する配線を施したプリント基板7上に装着すると共に、冷陰極管5の端部を保持するように構成されており、ハウジング2Aにカバー3Aを被着することによって、接続端子4のコンタクト8が電極線6を狭持して圧接するようにしている。
【0033】
第1の実施形態では、ハウジング2Aの保持室にクッション材10を装着するために、ハウジング2は保持室側をリップ溝形に形成して保持していたが、この変形例では冷陰極管5の端部に割り溝を設けた円筒状のクッション材20を被着するために、ハウジング2Aの保持室側をU字状溝形に形成すると共に、カバー3Aにはクッション材20に対する押さえ突起21を設けた構造とし、ハウジング2Aとカバー3Aのその他の構造は第1の実施形態の場合と同様である。
【0034】
以上の構成による変形例の冷陰極管用コネクタ1Aは、ハウジング2Aの保持室に対して、予め円筒状のクッション材20を外周に被着した冷陰極管5の端部を上方から圧入して保持すると共に、端部から突出した電極線6は基部側を仕切り板9の切欠溝9aに挿入し、先端側をコンタクト8の各圧接部19bの間に遊嵌させ、圧接部19bと電極線6の装着状態を接続室の上方から目視確認した後に、ハウジング2Aに対して上方からカバー3Aを被着する。
【0035】
この変形例の冷陰極管用コネクタ1Aは、第1の実施形態による冷陰極管用コネクタ1の場合に比べると、クッション材20をハウジング2A側に装着しないので、ハウジング2Aの構造が簡単になって成形用金型を安価にすることができると共に、クッション材20を組み込むための設備が不要になることなどの利点がある反面、クッション材20を冷陰極管5の端部外周に被着する作業が必要であるなどの難点がある。
【0036】
次に、接続端子をリード線に接続するリード線タイプに適用した第2の実施形態を説明すると、図9はリード線に接続したカバー装着前の冷陰極管用コネクタ22の斜視図を示し、図10は同じく平面図を示し、図11はカバー24の斜視図を示し、図12は予めリード線25を接続した接続端子26の斜視図を示し、図13はカバー装着した状態の断面で(a)は縦断面図を(b)は横断面図を示す。
【0037】
冷陰極管用コネクタ22は、第1の実施形態の場合と同様に、ハウジング23及びハウジング23と着脱可能に被着するカバー24でコネクタケースを構成し、ハウジング23内には冷陰極管5の電極線6と電源側の配線を接続する接続端子26を設け、接続端子26には電源を供給するリード線25を接続すると共に、コネクタケースで冷陰極管5の端部を保持するように構成され、ハウジング23にカバー24を被着すると、接続端子26のコンタクト27が電極線6を狭持して圧接するようにしている。
【0038】
コネクタケースは、ハウジング23が冷陰極管5の端部を保持する保持室と接続端子26を装着する接続室を、直交状に配置したL字状で一面を開口させた方形の箱形に樹脂成形して形成し、保持室と接続室の間には第1の実施形態の場合と同様に仕切り板28を設けると共に、仕切り板28には電極線6を挿通させるテーパ状の挿通孔28aを設け、保持室にはクッション材29を収容すると共に、接続室には冷陰極管5の延長線上にコンタクト27を配置する態様でリード線25付きの接続端子26を装着する。
【0039】
また、ハウジング23には接続室のコンタクト27に対する電極線6の接続状態を目視確認する窓穴部30と、リード線25を引き出すU字状の切欠部31を接続室の両側壁面に設け、接続室の中間部にはコンタクト27に対する押さえ板32を設けると共に、カバー24を着脱可能に係止保持する係止受け片33と、係止受け片33に案内し且つ係止受け片33を保護する案内受け片34を保持室の両側壁面に設けている。
【0040】
カバー24は、接続室の開口部を閉塞し得るコ字状の接続側壁面35と、保持室の開口部を閉塞し得る平板状の保持側壁面36を一体に形成し、保持側壁面36から張り出した狭持板36aと接続側壁面35から張り出した狭持板35aを平行状に形成すると共に、各張出部36aと張出部35aの間には係止片37を設け、接続側壁面35には先端側をテーパ面38aに形成して左右対向状に突出する各作動用突起38,38を内壁面に設けている。
【0041】
接続端子26は、ハウジング23に装着するコ字状に形成した接続板39と、接続板39にリード線25を接続する電線接続片40と、接続板39に電極線6を接続するコンタクト27が、ばね性のある金属薄板で一体形成され、コンタクト27は電線接続片40の先端側をコ字状に折り曲げ加工した各可動片41,41を備え、可動片41の先端側には内側に折り曲げた圧接部41aを形成し、各圧接部41aの間は電極線6を遊嵌できる状態に離間させると共に、接続板39には圧接部41aに電極線6を挿通する挿通孔39aと、圧接部41aを外部から目視確認する窓穴部39bが設けられている。
【0042】
以上の構成による冷陰極管用コネクタ22は、ハウジング23の接続室内にリード線25付きの接続端子26を装着すると共に、保持室内のクッション材29に冷陰極管5の端部を水平方向から圧入して保持させると、端部から突出した電極線6が仕切り板28の挿通孔28aを介してコンタクト27の各可動片41,41間に挿入されるので、各可動片41,41の圧接部41aに対する電極線6の装着状態を接続室の上方から目視確認した後に、ハウジング23に対して上方からカバー24を被着する。
【0043】
カバー24を被着すると、作動用突起38の先端側に形成したテーパ面38aが、コンタクト8に形成した各可動片41,41に突き当たり、各可動片41を内側に撓ませながら作動用突起38は接続室内に収容されるので、先端側の各圧接部41a,41aによって電極線6を圧接状態で狭持し、電極線6を接続端子26に接続することができると共に、この接続状態はハウジング23とカバー24に係止保持手段として設けた係止片37が係止受け片33に係止して保持することができる。
【0044】
次に、第2の実施形態の変形例を図14〜16で説明すると、図14は図12と同様に予めリード線25を接続した接続端子26の斜視図を示し、図15は図13と同様にカバー装着した状態の断面で(a)は縦断面図を(b)は横断面図を示し、図16は図10と同様にリード線に接続したカバー装着前の冷陰極管用コネクタ22Aの側面図を示すが、この変形例は第2の実施形態では電極線6の装着状態を接続室の上方から目視確認したのに対し、左右の両側から目視確認できる実施形態であり、第2の実施形態と同様の部品には同じ符号を付して詳細な説明は省略する。
【0045】
冷陰極管用コネクタ22Aは、第2の実施形態の場合と同様に、ハウジング23A及びハウジング23Aと着脱可能に被着するカバー24Aでコネクタケースを構成し、ハウジング23A内には冷陰極管5の電極線6と電源側を接続する接続端子26Aを設け、接続端子26Aには電源を供給するリード線25を接続すると共に、コネクタケースで冷陰極管5の端部を保持するように構成され、ハウジング23Aにカバー24Aを被着すると、接続端子26Aのコンタクト27Aが電極線6を狭持して圧接するようにしている。
【0046】
この変形例では、特に電極線6の装着状態をハウジング23Aの左右の両側から目視確認できるようにするために、リード線25付きの接続端子26Aを用いているが、接続端子26Aはハウジング23Aに装着するコ字状に形成した接続板42と、接続板42にリード線25を接続する電線接続片43と、接続板42に電極線6を接続するコンタクト27Aが、ばね性のある金属薄板で一体形成されている。
【0047】
コンタクト27Aは、電線接続片43の先端側をコ字状に折り曲げ加工した各可動片44,44を備え、可動片44の先端側には内側に折り曲げた圧接部44aを形成し、各圧接部44aの間は電極線6を遊嵌できる状態に離間させると共に、接続板42には圧接部44aに電極線6を挿通する挿通孔42aと、圧接部44aを外部から目視確認する窓穴部42b,42bが設けられている。
【0048】
ハウジング23Aは、仕切り板28の一方側に設けた保持室にクッション材29を装着し、冷陰極管5の端部を保持すると共に、他方側に設けた接続室に接続端子26Aのコンタクト27Aを装着し、挿通孔28aを介して各可動片44の圧接部44a,44a間に電極線6を挿入する構造は第2の実施形態と同様であるが、第2の実施形態では図面上で左右の両側面に設けた係止受け片37を、この変形例では図面上で上面側に設けて下面側は省略すると共に、窓穴部42b,42bを介して電極線6の挿入状態を両側から目視確認できるように、切欠状の監視窓45が設けられている。
【0049】
カバー24Aは、第2の実施形態の場合と同様に接続室の開口部を閉塞する接続側壁面36から各作動用突起38,38を突出させ、被着時にコンタクト27Aの各可動片44,44を押圧することによって、各圧接部44aの間で電極線6を狭持して圧接する構造を採るが、係止片33に係止保持して電極線6に対するコンタクト27Aの圧接状態による接続を維持する係止受け片37は、この変形例では図面上で上面側に設けている。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】本発明を適用した第1の実施形態であって、接続端子をプリント基板に接続する基板実装タイプで、基板に実装したカバー装着前の冷陰極管用コネクタの斜視図を示す。
【図2】図1にカバー装着した状態であって、(a)は平面図を(b)は側面図を示す。
【図3】図1の冷陰極管用コネクタに内蔵する接続端子の斜視図を示す。
【図4】図2の断面図であって、(a)はI-I線に沿った断面図を(b)はII-II線に沿った断面図を示す。
【図5】図2の断面図であって、(a)はIII-III線に沿った断面図を(b)はIV-IV線に沿った断面図を示す。
【図6】第1の実施形態による冷陰極管用コネクタのカバー装着前の平面図を示す。
【図7】第1の実施形態の変形例であって、図1と同様にカバー装着前の基板に実装した冷陰極管用コネクタの斜視図を示す。
【図8】図4と同様の断面図であって、(a)は縦断面図を(b)は横断面図を示す。
【図9】本発明を適用した第2の実施形態であって、接続端子をリード線に接続するリード線タイプで、リード線に接続したカバー装着前の冷陰極管用コネクタの斜視図を示す。
【図10】図9の平面図を示す。
【図11】図9に被着されるカバーの斜視図を示す。
【図12】図9の冷陰極管用コネクタに内蔵するリード線付き接続端子の斜視図を示す。
【図13】図9にカバー装着した状態の断面図であって、(a)は縦断面図を(b)は横断面図を示す。
【図14】第2の実施形態の変形例であって、冷陰極管用コネクタに内蔵するリード線付き接続端子の斜視図を示す。
【図15】図13と同様にカバー装着した状態の断面図であって、(a)は縦断面図を(b)は横断面図を示す。
【図16】図10と同様にカバー装着前の側面図を示す。
【符号の説明】
【0051】
1,1A,22,22A 冷陰極管用コネクタ
2,2A,23,23A ハウジング
3,3A,24,24A カバー
4,26 接続端子
5 冷陰極管
6 電極線
7 プリント基板
8,27 コンタクト
9,28 仕切り板
9a 切欠溝
28a 挿通孔
10,20,29 クッション材
11,33 係止受け片
12,38 作動用突起
12a,38a テーパ面
13 案内板
14 切欠溝
15,37 係止片
16,39,42 接続板
39a 挿通孔
39b 窓穴部
17 端子脚片
18 起立片
19,41,44 可動片
19a 案内片
19b,41a,44a 圧接部
21 押さえ突起
25 リード線
30 窓穴部
31 切欠部
32 押さえ板
34 案内受け片
35 接続側壁面
35a 狭持板
36 保持側壁面
36a 張出部
40,43 電線接続片
45 監視窓

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電源側の配線に接続する接続端子を装着したハウジングと、ハウジングに着脱可能に被着するカバーでコネクタケースが形成され、ハウジングには冷陰極管の端部を収容して保持する保持室と、冷陰極管の延長線上にコンタクトを配置した接続端子を収容する接続室を形成し、コンタクトには離間する圧接部を先端側に形成した左右対向状の各可動片を設け、冷陰極管の端部を保持室内に装着すると電極線が各可動片間へ遊嵌状に挿入できる構成にすると共に、カバーには左右対向状に突出する各作動用突起を設け、ハウジングの開口部に被着するとコンタクトの各可動片を外側から押圧し、圧接部で電極線を狭持して圧接する構成にしたことを特徴とする冷陰極管用コネクタ。
【請求項2】
前記冷陰極管の端部は、保持室側又は冷陰極管側に装着したクッション材を介して、弾性的にハウジングに支持される請求項1に記載した冷陰極管用コネクタ。
【請求項3】
前記ハウジングには、保持室及びコンタクトを収容する接続室の一部を、カバーの被着で閉塞する開口部側に露出させて設けると共に、接続室内にはプリント基板に接続する端子脚片を備えた接続端子のコンタクトを、各可動片が開口部側から平面視できる配置で収容し、冷陰極管を開口部側から押し下げると端部を保持室内に装着し且つ、電極線をコンタクトの各可動片間に挿入できる構成にし、各可動片に対する電極線の挿入状態を開口部側から目視確認できる基板実装タイプに適用させた請求項1又は2に記載した冷陰極管用コネクタ。
【請求項4】
前記ハウジングには、冷陰極管が延在する一端側を開口した保持室と、カバーの被着で閉塞する開口部側に露出させた接続室とを直交状に設け、接続室内にはリード線を接続した電線接続片に対してコンタクトを直交状にした接続端子を収容し、各可動片の圧接部を保持室側に向けた状態でコンタクトを配置すると共に、接続室には各可動片を平面視できる位置に切欠状の窓孔部を設け、冷陰極管を一端側の開口から挿入して端部を保持室内に装着し且つ、電極線をコンタクトの各可動片間に挿入できる構成にし、各可動片に対する電極線の挿入状態を窓孔部から目視確認できるリード線タイプに適用させた請求項1又は2に記載した冷陰極管用コネクタ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2007−165208(P2007−165208A)
【公開日】平成19年6月28日(2007.6.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−362599(P2005−362599)
【出願日】平成17年12月16日(2005.12.16)
【出願人】(000231822)日本端子株式会社 (10)
【Fターム(参考)】