冷陰極蛍光ランプ
【課題】断面形状を少なくとも長径と短径とを用いて規定される場合に輝度ムラを防止するとともに十分な輝度が得られるようにする。
【解決手段】ガラス管2の断面形状の長径を1.2〜14.0mm、短径を0.7〜10.0mmの範囲にそれぞれ設定することで、放電空間の断面形状を細い扁平形や楕円形に規定して、収縮陽光柱の発生を防いで拡散陽光柱が得られるようにする。また、60〜99.9%のネオンと残部をアルゴンとする混合ガスを封入圧力6.5〜16.0kPaの範囲でガラス管内に封入することで、冷陰極蛍光ランプの発光効率を最適にする。この構成により、輝度ムラを防止するとともに、導光板や拡散板への入射効率を向上させ、十分な輝度が得られるようにする。
【解決手段】ガラス管2の断面形状の長径を1.2〜14.0mm、短径を0.7〜10.0mmの範囲にそれぞれ設定することで、放電空間の断面形状を細い扁平形や楕円形に規定して、収縮陽光柱の発生を防いで拡散陽光柱が得られるようにする。また、60〜99.9%のネオンと残部をアルゴンとする混合ガスを封入圧力6.5〜16.0kPaの範囲でガラス管内に封入することで、冷陰極蛍光ランプの発光効率を最適にする。この構成により、輝度ムラを防止するとともに、導光板や拡散板への入射効率を向上させ、十分な輝度が得られるようにする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液晶モニタや液晶ディスプレイ等の背面照明用光源、小型照明用の光源等として用いられる冷陰極蛍光ランプに関する。
【背景技術】
【0002】
液晶モニタや液晶ディスプレイ等の液晶パネルに用いられるバックライト装置は、エッジライト式と直下式の2つのタイプに大別される。
【0003】
エッジライト式は、液晶パネルの直下に導光板を配置し、この導光板の対向する両端辺に冷陰極蛍光ランプを配置するとともに、冷陰極蛍光ランプの外側周囲をリフレクターで覆い、冷陰極蛍光ランプが発した光をリフレクターで集光して導光板へ端辺から入射させ、導光板の表面に配置した集光シートを通じて光を液晶パネルへ放射する方式である。
【0004】
直下式は、液晶パネルの直下に複数の冷陰極蛍光ランプを配置するとともに、冷陰極蛍光ランプの外側周囲をリフレクターで覆い、冷陰極蛍光ランプが発した光をリフレクターで集光し、冷陰極蛍光ランプと液晶パネルの間に輝度ムラを防ぐために配置したライトカーテン、拡散板を通じて光を液晶パネルへ放射する方式である。
【0005】
エッジライト式、直下式に関らず、冷陰極蛍光ランプは、その断面形状が真円形であるため、円周方向に均一に発光する。
【0006】
ところで、市場では、液晶表示装置の高精細化が進み、バックライト装置の大光量化が求められている。一般的に細管の冷陰極蛍光ランプを多数本並べて高輝度化を図っていたが、バックライト板面輝度の均一性を確保することが難しいという問題があった。この問題を解決するために、バックライト装置の発光板面と同じ形状の発光面をもつ扁平の断面形状を持った冷陰極蛍光ランプの開発が行われている(例えば特許文献1,2,3参照)。
【0007】
特許文献1、2に記載の冷陰極蛍光ランプは、ビューファインダーなどに用いられる小型液晶表示装置のバックライト装置用として開発されたものである。これは、図54の斜視図に示すように、冷陰極蛍光ランプ93が、液晶パネル92の表面積と同等の広さの発光面を持つものであり、モニターやTV等に用いられる大型液晶表示装置には不向きである。
【0008】
このため、大型の面光源としては、図55の斜視図に示すように、平板ガラス95a,95bを間隙を持たせて気密封着し、その間隙を放電空間とした大型の冷陰極蛍光ランプも開発されている。
【特許文献1】特開平9−245736号公報
【特許文献2】実開平5−68068号公報
【特許文献3】特開平2−7348号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、断面が扁平形状の冷陰極蛍光ランプでは、蛍光ランプ内のガス圧分布のバラツキあるいはバルブ形状のバラツキ等に起因して均一の放電を得ることが難しく、均一な板面発光の実現が難しいという問題があった。
【0010】
また、断面が扁平形の冷陰極蛍光ランプは製造が難しく、また液晶パネルと同等以上の大きさと薄型化が要求されるので、放電空間の幅が広く厚さが薄くなることから陽光柱が収縮しやすい問題が生じる。陽光柱が収縮すると、その収縮陽光柱部分の輝度が極端に高くなり、板面輝度の均一化を図るはずの面光源であるにもかかわらず、発光面に輝度ムラが顕著に現われる。
【0011】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、断面形状を少なくとも長径と短径を用いて規定した場合に輝度ムラを防止するとともに十分な輝度が得られるようにした冷陰極蛍光ランプを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
第1の本発明は、ガラス管の内壁面に蛍光体被膜を有し、ガラス管内に希ガスおよび水銀が封入され、ガラス管の両端部に一対の電極を備えた冷陰極蛍光ランプにおいて、前記ガラス管の放電空間の断面形状が少なくとも長径と短径を用いて規定され、その長径を1.2〜14.0mmの範囲、短径を0.7〜10.0mmの範囲とし、前記希ガスの封入は、60〜99.9%をネオンとし残部をアルゴンとする混合ガスを封入圧力6.5〜16kPaの範囲で封入したことを特徴とする。
【0013】
本発明にあっては、長径を1.2〜14.0mm、短径を0.7〜10.0mmの範囲にそれぞれ設定したことで、拡散陽光柱が得られる。すなわち、直円形状のガラス管に対して長径を14.0mm以下とし、短径を0.7mm以上に設定して扁平形状とすることにより、収縮陽光柱が発生することを防ぐようにしている。これにより、放電空間の断面形状は細い扁平形や楕円形に規定されるので、輝度ムラが防止され、導光板や拡散板への入射効率も向上する。なお、本冷陰極蛍光ランプは、複数本をバックライト装置に設置するものである。
また、60〜99.9%のネオンと残部をアルゴンとする混合ガスを封入圧力6.5〜16.0kPaの範囲でガラス管内に封入したことで、冷陰極蛍光ランプの発光効率が最適にするためのガス種、ガスを設定し、十分な輝度が得られるようにしている。
【0014】
第2の本発明は、エッジ式バックライトに用いられる冷陰極蛍光ランプであって、放電空間の断面形状は、長径を1.2〜3.5mmの範囲、短径を0.7〜3.2mmの範囲とし、ランプの扁平率{(長径−短径)/長径×100%}を8〜80%の範囲としたことを特徴とする。
【0015】
本発明にあっては、エッジ式バックライトに組み込まれる冷陰極蛍光ランプについて上記の設定をすることで、断面形状が真円形の冷陰極蛍光ランプに比べて発光効率を5%以上向上させるようにしている。
【0016】
第3の本発明は、直下式バックライトに用いられる冷陰極蛍光ランプであって、放電空間の断面形状は、長径を1.8〜14.0mmの範囲、短径を0.7〜10.0mmの範囲とし、ランプの扁平率{(長径−短径)/長径×100%}を15〜90%の範囲としたことを特徴とする。
【0017】
本発明にあっては、直下式バックライトに組み込まれる冷陰極蛍光ランプについて上記の設定をすることで、断面形状が真円形の冷陰極蛍光ランプに比べて発光効率を5%以上向上させるようにしている。
【0018】
第4の本発明は、上記冷陰極蛍光ランプにおいて、前記ガラス管の放電空間のうち電極を備える両端部の断面形状を略真円形としたことを特徴とする。
【0019】
本発明にあっては、ガラス管の電極を備える両端部の断面形状を略真円形としたことで、断面形状が略真円形の電極を用いることができ、長寿命化を図るようにしている。
【0020】
第5の本発明は、上記冷陰極蛍光ランプにおいて、前記ガラス管は、その放電空間の断面形状が楕円を基本としたものであって、ランプ設置側に平面部分を備えることを特徴とする。
【0021】
本発明にあっては、冷陰極蛍光ランプの設置側に平面部分を備えたことで、冷陰極蛍光ランプを容易に固定でき設置方向を統一できるようにするとともに、楕円部分による光放射面がバックライト装置の光入射面側に向くように配置することによって、光が拡散して板面輝度ムラを低減できるようにしている。
【0022】
第6の本発明は、上記冷陰極蛍光ランプにおいて、前記ガラス管の外形の断面形状を長方形としたことを特徴とする。
【0023】
本発明にあっては、ガラス管の外形の断面形状を長方形としたことで、冷陰極蛍光ランプを容易に固定でき設置方向を統一できるようにするとともに、冷陰極蛍光ランプの発光面にゆがみがないことから、板面上の輝度ムラをより低減できるようにしている。
【0024】
第7の本発明は、上記冷陰極蛍光ランプにおいて、前記ガラス管の放電空間の断面形状が扁平形であって、ガラス管の軸方向中央部の扁平率を小さく、管端になるに従い扁平率を大きくしたことを特徴とする。
【0025】
本発明にあっては、軸方向中央部の扁平率を管端よりも小さく、管端になるに従い扁平率を大きくしたことで、冷陰極蛍光ランプの配光が管端になるほど明るくなるので、エッジ式などの端部の輝度が低下しやすいバックライト装置に適用した場合に高輝度が得られる。
【0026】
第8の本発明は、前記蛍光体被膜は、長径方向の方が短径方向のものよりも厚く形成されていることを特徴とする。
【0027】
本発明にあっては、長径方向の蛍光体被膜を短径方向のものよりも厚く形成したことで、長径方向へ拡散した紫外線が蛍光体被膜により可視光に変換され反射される割合が高くなる。その反射された可視光が膜厚の薄い短径方向からガラス管外へ放出されるので短径方向の輝度が向上する。
【発明の効果】
【0028】
本発明の冷陰極蛍光ランプによれば、放電空間の断面形状が少なくとも長径と短径を用いて規定される場合の輝度ムラを防止できるとともに輝度を高めることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。
【0030】
[第1の実施の形態]
図1(a)は本実施形態における冷陰極蛍光ランプの構成を示す軸方向の平断面図であり、同図(b)は、そのA−A部の径方向断面図、同図(c)は軸方向の側断面図、同図(d)はそのB−B部の径方向断面図である。同図の冷陰極蛍光ランプ1は、ガラス管2の内壁面に蛍光体被膜が塗布され、ガラス管1の内部に希ガスおよび水銀が気密に封入され、ガラス管1の両端内部には一対の冷陰極からなる電極3a,3bを備える。電極3a,3bはニッケルからなる板状電極であり、それぞれ導電線4a,4bが接続される。導電線4a,4bはガラス管2の両端部に封着されており、電極3a,3bを固定するとともに、外部から供給されてきた電力を各電極3a,3bに供給する。
【0031】
ガラス管1の放電空間の断面形状は、少なくともガラス管の内寸法長径2lと短径2Sを用いて規定され、その長径は1.2〜14.0mmの範囲、短径は0.7〜10.0mmの範囲である。すなわち、断面形状を真円形ではなく、細い扁平形や楕円形にすることで、拡散陽光柱が得られるようにして、輝度ムラを防ぐとともに導光板や拡散板への入射効率を向上させる。ガラス管1の放電空間の断面形状は、例えば楕円形や扁平形とする。ここでは、一例として放電空間の断面形状を先端から終端まで同一形状とする。以下、長径2lは「長径」、短径2Sは「短径」と適宜略記する。
【0032】
図2は、扁平率を変えたときの相対全光束を示すグラフである。同グラフでは、一例として、放電空間の短径を3.0mmで一定にし、長径2lを変えることにより扁平率を変えた場合を示している。同図の相対全光束は、断面が真円形状(長径=短径)の全光束を100%とした。同グラフによると、長径が14.0mm(扁平率78.5%)よりも短い場合、すなわち扁平率が78%よりも低い領域では、長径を長くする(扁平率を大きくする)ほど光束は向上するが、長径が15.0mm以上に長くなると(扁平率が80%以上になると)急激に光束が低下している。これは、長径が14.0mmの範囲までは陽光柱が拡散するが、15.0mm以上になる陽光柱が収縮し、一部の蛍光体被膜しか発光しなくなるためである。
【0033】
図3は、長径と短径について拡散陽光柱が発生する範囲を示すグラフである。同図に示すように、長径について拡散陽光柱が形成される範囲、すなわち収縮陽光柱が発生しない範囲は14.0mm以下である。一方、長径を1.2mmよりも短くすることは製作上困難である。よって、長径は、1.2mm以上14.0mm以下の範囲で設定することが最適である。同図は、長径が1.2〜5.0mmの範囲では短径が0.7mm以下では陽光柱が拡散し難いことを示している。また、長径が5.0〜9.0mmの範囲では短径が1.0mm以下では陽光柱が拡散し難く、長径が9.0〜14.0mmの範囲では短径が1.5mm以下では陽光柱が拡散し難いことを示している。
【0034】
短径についてはバックライト装置の薄型化を図るため10.0mmを越えて長くすべきではなく、また0.7mmよりも短くすることは製作上困難である。よって、短径は、0.7mm以上10.0mm以下の範囲で設定することが最適である。
【0035】
また、希ガスは、60.0〜99.9%をネオンとし残部をアルゴンとする混合ガスを封入圧力6.5〜16.0kPaの範囲で封入する。これは、冷陰極蛍光ランプを効率よく点灯させるためには、封入されるガス種、ガス圧によりランプ温度を最適化する必要があるところ、発光効率が最適となる封入ガスの設定範囲を定めたものである。
【0036】
ここでは、一実施例として、長径を3.0mm(外寸法3.5mm)、短径を1.6mm(外寸法2.2mm)、扁平率47%の扁平形の冷陰極蛍光ランプを用いる。比較例の冷陰極蛍光ランプは、断面形状を直径が2.0mm(外寸法3.0mm)の真円形とする。実施例、比較例ともにガラス管2の長さを200mmとし、ガラス管内にはアルゴン:ネオン=1:9とする混合ガスおよび水銀を8kPaの封入圧力で封入する。
【0037】
図4は、陽光柱の拡散状態を示す図であり、同図(a)は比較例、同図(b)は実施例の長径側、同図(c)は実施例の短径側をそれぞれ示す。同図は、実施例のように放電空間の断面形状を扁平にしても、比較例の断面形状が真円形の場合と比べて陽光柱の状態に大きな違いはなく、拡散陽光柱となっており、発光効率が低下する収縮陽光柱とはならないことを示している。
【0038】
図5は、エッジ式バックライトに冷陰極蛍光ランプを適用した場合の長径と短径について拡散陽光柱が発生する範囲を示すグラフである。エッジ式バックライトに用いられる冷陰極蛍光ランプは、液晶表示装置の薄型化・狭額縁化が要求されるため、長径は最大で3.5mmとした。図5では、断面形状が内寸法2.0mm(外寸法2.4mm)の真円形の冷陰極蛍光ランプに比べて扁平率25〜80%の領域は発光効率が5%以上向上し、扁平率8〜46%の領域は発光効率が10%以上向上する結果が得られた。同図より、断面形状の長径を1.2〜3.5mmの範囲、短径を0.7〜3.2mmの範囲とする。エッジ式バックライトのランプの扁平率{(長径−短径)/長径×100%}は8〜80%の範囲が好ましい。
【0039】
図6は、直下式バックライトに冷陰極蛍光ランプを適用した場合の長径と短径について拡散陽光柱が発生する範囲を示すグラフである。断面形状の長径を1.8〜14.0mmの範囲、短径を0.7〜10.0mmの範囲とする。図6では、断面形状が内寸法3.0mm(外寸法4.0mm)の真円形の冷陰極蛍光ランプに比べて扁平率15〜64%の領域は発光効率が5%以上向上し、扁平率44〜90%の領域は発光効率が10%以上向上する結果が得られた。直下式バックライトの場合はエッジ式よりも扁平率が大きい領域の方が発光効率が向上するので、ランプの扁平率{(長径−短径)/長径×100%}を15〜90%の範囲とする。
【0040】
図7は、上記実施例の冷陰極蛍光ランプを直下式バックライト装置に組み込んだ場合の消費電力と板面輝度との関係を示すグラフである。バックライト装置としては、10インチのものを使用し、冷陰極蛍光ランプを6灯使用した。一例として、消費電力を6灯分で18Wとしたときの板面輝度を比較すると、実施例では比較例に比べて効率が約12%向上することが確認された。
【0041】
したがって、本実施の形態によれば、ガラス管の断面形状の長径を1.2〜14.0mm、短径を0.7〜10.0mmの範囲にそれぞれ設定したことで、放電空間の断面形状が細い扁平形や楕円形に規定され、収縮陽光柱の発生を防いで拡散陽光柱が得られるので、輝度ムラを防止できるとともに、導光板や拡散板への入射効率を向上でき、もって十分な輝度を得ることができる。
【0042】
本実施の形態によれば、60〜99.9%をネオンとし残部をアルゴンとする混合ガスを封入圧力6.5〜16.0kPaの範囲でガラス管内に封入したことで、冷陰極蛍光ランプの発光効率を最適にすることができる。
【0043】
本実施の形態によれば、エッジ式バックライトに用いられる冷陰極蛍光ランプについて、断面形状の長径を1.2〜3.5mmの範囲、短径を0.7〜3.2mmの範囲とし、ランプの扁平率を8〜80%の範囲としたことで、断面形状が真円形のものと比べて発光効率を5%以上向上させることができる。
【0044】
本実施の形態によれば、直下式バックライトに用いられる冷陰極蛍光ランプについて、断面形状の直径を1.8〜14.0mmの範囲、短径を0.7〜10.0mmの範囲とし、ランプの扁平率を15〜90%の範囲としたことで、断面形状が真円形のものと比べて発光効率を5%以上向上させることができる。
【0045】
本実施の形態によれば、ガラス管の放電空間の断面形状を先端から終端まで同一の形状としたことで、エッジ式、直下式にかかわらずバックライト装置の薄型化を図ることができる。
【0046】
[第2の実施の形態]
第1の実施の形態のように、ガラス管の放電空間の断面形状を先端から終端まで同一の楕円形や扁平形といった形状にした場合には、バックライト装置の薄型化を図れる一方、ガラス管の両端部に設置される電極の形状が平板形等となり大きさが制限されるため、消費電力が増加したり寿命が短くなるという問題が生じる。このため、長寿命であることが要求されるモニターやTVといった用途には不向きである。そこで、本実施の形態では、ガラス管の電極を備える両端部の断面形状を略真円形のまま残した構成とする。以下、具体的に説明する。
【0047】
図8(a)は本実施形態における冷陰極蛍光ランプの構成を示す軸方向の側断面図であり、同図(b)はそのA−A部の径方向断面図、同図(c)はそのB−B部の径方向断面図、同図(d)は本冷陰極蛍光ランプの平断面図である。
【0048】
図8に示すように、ガラス管2の断面形状は基本的には楕円であるが、電極3a,3bが配置される両端部においてはガラス管2の断面形状は略真円形となっている。これにより、電極3a,3bには、従来も用いていた円筒形や有底筒状のものを用いることができる。なお、同図では、A−A部の真円形とB−B部の楕円形とで中心がずれた例を示している。その他の構成については、第1実施形態のものと同様であるので、ここでは重複した説明は省略する。
【0049】
図9(a)は本実施形態における別の冷陰極蛍光ランプの構成を示す軸方向の側断面図であり、同図(b)はA−A部の径方向断面図、同図(c)はB−B部の径方向断面図、同図(d)は本冷陰極蛍光ランプの平断面図である。
【0050】
図9に示すように、本冷陰極蛍光ランプも、電極3a,3bが配置される両端部においてはガラス管2の断面形状を略真円形とし、電極3a,3bに挟まれた中央部分におけるガラス管2の断面形状を楕円としている。同図では、A−A部の真円形とB−B部の楕円形の中心を一致させた例を示している。その他の構成については、第1実施形態のものと同様であるので、ここでは重複した説明は省略する。
【0051】
図8および図9のいずれの冷陰極蛍光ランプも、その寸法は、例えばガラス管2の長さを200mm、電極間距離を190mm、真円部分の内を2.0mm(外径を3.0mm)、楕円部分の短径を1.6mm、長径を3.0mmとする。
【0052】
したがって、本実施の形態によれば、ガラス管の電極を備える両端部の断面形状を略真円形としたことで、従来用いていた断面形状が略真円形の電極を用いることができ、長寿命化を図ることができる。
【0053】
[第3の実施の形態]
図10(a)は本実施形態における冷陰極蛍光ランプの構成を示す軸方向の側断面図、同図(b)は径方向断面図である。同図に示すように、本冷陰極蛍光ランプは、断面形状を楕円を基本とし、バックライト装置に設置する際のランプ設置側に平面部分を備えた構成である。このような形状も、少なくとも長径と短径を用いて規定される。その他の構成については第1実施形態のものと同様であるので、ここでは重複した説明は省略する。
【0054】
図11は、本冷陰極蛍光ランプを直下式のバックライト装置に組み込んだ場合の構成を示す断面図である。同図に示すように、複数の本冷陰極蛍光ランプは、その平面部分がリフレクター36の底面に位置し、楕円部分による光放射面が拡散板35、すなわちバックライト装置の光入射面側に向くように配置される。
【0055】
図12は、比較例の冷陰極蛍光ランプを組み込んだバックライト装置の構成を示す断面図であり、断面形状が真円形の複数の冷陰極蛍光ランプ91が設置された状態を示す。
【0056】
本実施の形態によれば、冷陰極蛍光ランプの構成として、断面形状には楕円形を基本とし、ランプ設置側に平面部分を備えたことで、ランプを容易に固定でき設置方向を統一できるとともに、楕円部分による光放射面がバックライト装置の光入射面側に向くように配置することによって、光が拡散し板面上の輝度ムラを低減することができる。
【0057】
また、図13に示すように、ガラス管2の放電空間の断面形状を扁平形あるいは楕円形にする一方で、ガラス管2の外形の断面形状を長方形としてもよい。この場合には、ランプを容易に固定でき設置方向を統一できるとともに、冷陰極蛍光ランプの発光面にゆがみがなく、板面上の輝度ムラをより低減することができる。
【0058】
[第4の実施の形態]
図14(a)は、本実施形態における冷陰極蛍光ランプの構成を示す軸方向の平断面図、同図(b)はそのA−A部の断面図、同図(c)は本冷陰極蛍光ランプの軸方向の側断面図、同図(d)はそのB−B部の断面図である。本冷陰極蛍光ランプの構成は、ガラス管の放電空間の断面形状を軸方向に連続的に変化させた構成である。同図では、軸方向中央部の扁平率を管端よりも小さく、管端になるに従い扁平率を大きくした構成を示す。ここでは、一例として、ランプ中央部の内径を2.0mm(外径を3.0mm)の真円形、管端の短径を1.6mm、長径を3.0mmとし、中央部から管端に向かって扁平率が漸増する。なお、その他の構成については、第1実施形態のものと同様であるので、ここでは重複した説明は省略する。
【0059】
本実施の形態によれば、軸方向中央部の扁平率を小さく、管端になるに従い扁平率を大きくしたことで、冷陰極蛍光ランプの配光が管端になるほど明るくなるので、エッジ式などの端部の輝度が低下しやすいバックライト装置に適用した場合に高輝度を得ることができる。
【0060】
また、バックライト装置の配光特性に合わせて軸方向の扁平率を変えることにより、どのようなバックライト装置においても均一な板面輝度分布を得ることが可能になる。
【0061】
[第5の実施の形態]
図15(a)は本実施形態における冷陰極蛍光ランプの構成を示す軸方向の平断面図、同図(b)はそのA−A部の径方向断面図、同図(c)は本冷陰極蛍光ランプの軸方向の側断面図、同図(d)はそのB−B部の径方向断面図である。同図に示すように、本冷陰極蛍光ランプは、ガラス管2の放電空間の断面形状を長方形とした構成である。その他の構成については第1実施形態のものと同様であるので、ここでは重複した説明は省略する。
【0062】
放電空間の断面形状を長方形とした場合には、その形状は長辺と短辺で規定される(長辺は長径に対応し、短辺は短径に相当する)。ここでは、一例として、長辺を9.0mm(外寸法10.0mm)、短辺を2.0mm(外寸法3.0mm)、ガラス管2の長さを250mmとする。また、ガラス管2の内部にはアルゴン:ネオン=5:95の混合ガスと水銀を10kPaの圧力で封入する。
【0063】
このように、放電空間の断面形状を長方形とした場合も、扁平形や楕円形とした場合と同様の効果を得ることができる。
【0064】
[第6の実施の形態]
図16(a)は、本実施形態における冷陰極蛍光ランプの構成を示す軸方向の平断面図であり、同図(b)はその側断面図である。同図に示すように、本冷陰極蛍光ランプは、電極3a,3bとして、ガラス管2の両端部の外壁面に外部電極を設けた構成である。ガラス管2の放電空間の断面形状は、扁平形、楕円形、長方形など、長径と短径で規定される形状である。その他の構成については第1実施形態のものと同様であるので、ここでは重複した説明は省略する。
【0065】
本実施の形態では、ガラス管2の両端部における電極3a,3bを外部電極としたことで、誘電体バリア放電を利用する冷陰極蛍光ランプとなっている。このように外部電極とした場合でも、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0066】
[第7の実施の形態]
本実施の形態では、内部電極及び封着手法について様々な変形例を説明する。
【0067】
図17は、本実施形態における第1の冷陰極蛍光ランプの構成を示す軸方向の側断面図である。同図の冷陰極蛍光ランプは、電極3a,3bとして有底筒状(カップ状)またはスリーブ状の電極をガラス管2の両端内部に備え、各電極3a,3bに接続された導電線4a,4bが、ビーズ7a,7bによりそれぞれガラス管2の両端部に気密に封着された構成である。本冷陰極蛍光ランプは、導電線とガラス管とを従来と同様の手法で封着させた例である。この封着構造は、図1,8,9,10,13,14を用いて説明したそれぞれの実施形態に適用できる。なお、同図では、放電空間の断面形状が楕円形の状態を示している。その他の構成については、第1実施形態のものと同様であるので、ここでは重複した説明は省略する。
【0068】
第1の冷陰極蛍光ランプにおいても、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0069】
図18は、本実施形態における第2の冷陰極蛍光ランプの構成を示す軸方向の平断面図であり、同図(b)は、軸方向の側面断面図である。同図の冷陰極蛍光ランプは、放電空間の断面形状が、長径と短径で規定される例えば楕円形もしくは扁平形であり、電極3a,3bは板形電極であり、同図(a)の平面断面図でみたときのランプ軸方向に電極3a,3bの短辺を向け、ランプ径方向に長辺を向けるように配置した構成である。その他の構成については、第1の実施形態のものと同様であるので、ここでは重複した説明は省略する。
【0070】
図19(a)は、比較例の冷陰極蛍光ランプの構成を示す軸方向の平断面図であり、同図(b)は、その軸方向の側断面図である。比較例の冷陰極蛍光ランプは、その断面形状が真円形であり、板形電極3aの長辺がランプ軸方向に向き、短辺がランプ径方向に向くように配置した構成である。
【0071】
第2の冷陰極蛍光ランプによれば、第1実施形態と同様の効果を得ることができるとともに、比較例のものと比べて電極3a,3b間の距離を長くでき、同表面積の電極を用いた場合に有効発光長を長くすることができる。
【0072】
図20(a)は、本実施形態における第3の冷陰極蛍光ランプの構成を示す軸方向の側断面図であり、同図(b)はその径方向断面図である。同図の冷陰極蛍光ランプは、扁平率が大きいランプに有効な平板電極をピンチシールでガラス管2の両端部に直接封着した構成であり、電極、封着材、導電線を一体としたものある。その他の構成については、第1の実施形態のものと同様であるので、ここでは重複した説明は省略する。
【0073】
第3の冷陰極蛍光ランプにおいても、第1実施形態の効果と同様の効果を得ることができる。
【0074】
[第8の実施の形態]
図21(a)は、本実施の形態におけるバックライト装置に用いられる蛍光ランプの構成を示す軸方向断面図であり、同図(b)は、同図(a)にX−Xで示す部分の径方向断面図である。ここでは、蛍光ランプの一例として冷陰極蛍光ランプ1を用いる。同図の冷陰極蛍光ランプ1では、端から端までの断面形状が同一の扁平形となっているガラス管2の内壁面に蛍光体5が塗布され、ガラス管2の両端内部には一対の冷陰極からなる電極3a,3bが配置され、電極3a,3bにはそれぞれ導電線4a,4bが接続される。導電線4a,4bは、ガラス管2の両端部に封着されており、電極3a,3bを固定するとともに、外部電源から供給されてきた電力を電極3a,3bへ供給する。ガラス管2の内部には、放電媒体として、アルゴン、ネオン、キセノン等のうちの少なくとも1種の希ガス及び水銀が封入される。
【0075】
一例として冷陰極蛍光ランプの扁平形状の短径を1.0mm、長径を2.8mm、扁平率64%、ガラス管2の長さを161.5mmとする。
【0076】
冷陰極蛍光ランプの発光原理は、電極3a,3bに電圧を印加することにより、ガラス管2の内部に放電を発生させ、ガラス管2の内部に封入されている水銀を励起して紫外線を放出させることで、この紫外線により蛍光体5を励起して可視光を発生させるようになっている。
【0077】
本実施の形態のバックライト装置は、細長管の管軸方向に切断した断面の形状が少なくとも長径と短径を用いて規定される冷陰極蛍光ランプの短径方向で対向するランプ軸方向の面を発光面とした構成である。
【0078】
図22は、エッジライト式のバックライト装置の構成を示す組立斜視図である。液晶パネル11の直下に配置される導光板15の対向する両端辺に冷陰極蛍光ランプ1が配置されるとともに、各冷陰極蛍光ランプ1の外側周囲をリフレクター14a,14bでそれぞれ覆い、各冷陰極蛍光ランプ1が発した光をリフレクター14a,14bで集光して導光板15へ端辺から入射させ、導光板15の表面に配置した集光シート16を通じて光を液晶パネル11へ放射する。
【0079】
一例として、導光板15は、長さを163.5mm、奥行きを90mm、厚さを4mmとする。本バックライト装置は、導光板15の両端辺に1本ずつ冷陰極蛍光ランプ1を配置した2灯仕様とする。
【0080】
図23の断面図に示すように、本実施の形態のエッジライト式のバックライト装置では、冷陰極蛍光ランプ1の長径を導光板の入射光面に対して対向させて配置する。より具体的には、冷陰極蛍光ランプ1の長径方向の面を導光板15の入射光面に対して略平行に配置する。
【0081】
図24は、エッジライト式バックライト装置の別の形態を示す断面図である。同図に示すように、複数の冷陰極蛍光ランプ1を用いる場合には、それぞれの長径方向の面を導光板15の入射光面に対して略平行に配置する。
【0082】
図25は、直下式のバックライト装置の構成を示す組立斜視図である。液晶パネル11の直下に冷陰極蛍光ランプ1を配置するとともに、冷陰極蛍光ランプ1の外側周囲をリフレクター36で覆い、各冷陰極蛍光ランプ1が発した光をリフレクター36で集光し、各冷陰極蛍光ランプ1と液晶パネル11との間に輝度ムラを低減するために配置されたライトカーテン、拡散板35を通じて光を液晶パネル11へ放射する。
【0083】
図26の断面図に示すように、直下式のバックライト装置においても冷陰極蛍光ランプ1の長径を拡散板35の入射光面に対して対向させて配置する。具体的には、冷陰極蛍光ランプ1の長径方向の面を拡散板35の入射光面に対して略平行に配置する。一例として、拡散板35は、長さを163.5mm、奥行きを90mmとする。
【0084】
同図に示すように、複数の冷陰極蛍光ランプを用いた場合、ランプ間の距離を0mmとすると、各冷陰極蛍光ランプが発光する直接光を拡散させる必要がなく、そのまま面光源として使用することができる。各冷陰極蛍光ランプ間の距離は短い程よく、ランプ間の距離が50mm以上になると、発光面全体の輝度が落ちる上に輝度ムラが大きくなる。よって、各冷陰極蛍光ランプ間の距離は、0〜50mmの範囲とすることが最適である。
【0085】
また、エッジライト式、直下式の双方において、冷陰極蛍光ランプを複数使用する場合には、各冷陰極蛍光ランプが発する光の配光特性が均一となるように、各冷陰極蛍光ランプの扁平率を設定する。これにより、各冷陰極蛍光ランプは、配置位置によって扁平率が同一あるいは異なることになるが、配向特性が均一となるので発光効率をさらに高めることができる。
【0086】
次に、エッジライト式のバックライト装置について、断面形状が扁平の冷陰極蛍光ランプ1の短径方向をランプの発光方向へ向けた実施例1と、断面形状が真円の冷陰極蛍光ランプを用いた比較例1とで板面輝度効率を比較する。
【0087】
比較例1に用いる冷陰極蛍光ランプ61は、図27(a)の軸方向断面図、同図(b)の径方向側面図に示すように、ガラス管62として断面形状が真円のものを用いると共に、電極63a,63bとして断面形状が真円のものを用いることの他は、図1に示した実施例1と同様の構成とする。
【0088】
図28のグラフに示すように、実施例1の方が比較例1よりも板面輝度が向上することが確認された。例えば消費電力を5Wとした場合には、実施例1の板面輝度は、比較例1のものよりも8.5%向上した。
【0089】
これは、断面形状が真円の冷陰極蛍光ランプは、ランプ内で発生する陽光柱が円周方向において均一に拡散するのに対し、断面形状が扁平の冷陰極蛍光ランプでは、陽光柱が均一に拡散せず、短径方向の陽光柱が収縮するため、短径方向の方がランプ内壁の蛍光体に照射される単位面積あたりの紫外線強度が強くなり、輝度が大幅に向上するためである。
【0090】
したがって、本実施の形態によれば、断面形状が少なくとも長径と短径とを用いて規定される冷陰極蛍光ランプ1の短径方向で対向するランプ軸方向の面を発光面とすることで、輝度が高い短径方向の光を効率よく用いることができ、輝度を高めることができる。
【0091】
本実施の形態によれば、エッジライト式のバックライト装置において、冷陰極蛍光ランプ1の長径を導光板15の入射光面に対して対向させて配置したことで、短径方向の光を効率よく用いることができ、輝度を高めることができる。
【0092】
本実施の形態においては、直下式のバックライト装置において、冷陰極蛍光ランプ1の長径を拡散板35の入射光面に対して対向させて配置したことで、短径方向の光を効率よく用いることができ、輝度を高めることができる。
【0093】
本実施の形態によれば、直下式における各冷陰極蛍光ランプ間の距離を0〜50mmの範囲としたことで、各冷陰極蛍光ランプ1が発光する直接光を拡散させる必要がなく、拡散板を用いずに並列に配置された冷陰極蛍光ランプ1をそのまま面光源として使用することができる。
【0094】
本実施の形態によれば、各冷陰極蛍光ランプ1が発する光の配光特性が均一となるように各冷陰極蛍光ランプ1の扁平率を設定したことで、短径方向の光をさらに効率的に用いることができる。
【0095】
なお、本実施の形態においては、冷陰極蛍光ランプ1の断面形状を扁平としたが、これに限られるものではなく、断面形状が少なくとも長径と短径を用いて規定される形状であればよい。例えば、楕円形としてもよい。また、ガラス管2は、直管形のほか、中央部で折り曲げるようにしたL字管形やU字管形としてもよい。さらには、冷陰極蛍光ランプとして、ガラス管の内部に水銀を封入しないタイプのものや、電極をガラス管の外部に設けるようにした外部電極タイプのものを用いるようにしてもよい。
【0096】
また、本実施の形態のエッジライト式においては、導光板15の対向する両端辺に冷陰極蛍光ランプを配置することとしたが、これに限られるものではない。例えば、導光板の一辺にだけ冷陰極蛍光ランプを配置するようにしてもよいし、導光板15の端辺にL字形やコ字形となるように冷陰極蛍光ランプを配置するようにしてもよい。
【0097】
[第9の実施の形態]
第8の実施の形態においては、冷陰極蛍光ランプの断面形状を、例えば扁平や楕円といった少なくとも長径と短径を用いて規定される形状とした。このような断面形状の冷陰極蛍光ランプでは、例えば、断面形状が扁平であるガラス管の内部に断面形状が真円の電極が配置されたものであると、断面形状が真円のガラス管を用いた場合と比べて、ガラス管に対する電極の大きさが相対的に小さくなるため、ランプ電圧が高くなり、消費電力が大きくなる。
【0098】
本実施の形態では、扁平や楕円といった断面形状であってもランプ電圧を低減させ、消費電力の増大を抑制させ得る冷陰極蛍光ランプについて説明する。
【0099】
ランプ電圧を低減させるためには、陰極降下電圧を低減させる必要がある。陰極降下電圧を低減させる手法としては、電極の放電表面積を大きくすることや材質を変えることが考えられる。そこで、本実施の形態では、まず、電極の断面形状をガラス管の断面形状に合わせることで、電極の表面積を大きくする。
【0100】
図29(a)は、本実施の形態における冷陰極蛍光ランプの端部の構成を示す断面図であり、同図(b)は、その径方向断面図である。同図の冷陰極蛍光ランプは、断面形状が楕円形のガラス管12を用いるとともに、ガラス管12の両端内部に配置される電極13a,13bの断面形状を楕円形とした構成である。その他の構成については、図1と同様であるので、重複した説明は省略する。
【0101】
ここでは、一例として、楕円の短径を1.6mm、長径を3.0mm、ガラス管12の長さを190mとする。電極13a,13bには、断面の楕円形の短径が1.3mm、長径が2.1mmの有底筒型のものを用いる。その底部の外表面に導電線4a,4bがそれぞれ接続される。電極13a,13bの材質はNiとする。ガラス管12の内部には、ネオンとアルゴンの混合ガスおよび水銀を封入する。このような構成の冷陰極蛍光ランプを実施例2とする。
【0102】
これに対して、比較例2の冷陰極蛍光ランプは、図30(a)の端部断面図、同図(b)の径方向断面図に示すように、断面形状が楕円形のガラス管12の両端内部に、断面形状が真円形の有底筒型の電極23a,23bを配置した構成である。電極23a,23bの外径は1.3mmとする。その他の構成は、実施例2と同様である。
【0103】
図31のグラフに示すように、実施例2は、比較例2に対してランプ電圧を低減できることが確認された。
【0104】
本実施の形態では、さらに電極13a,13bの材質を変えることで、陰極降下電圧を低減させる。具体的には、ランプ電圧を低減させるために、仕事関数が低いNi,Mo,Nb、Ta等を電極13a,13bの材質として用いる。ここでは、実施例2の構成において、電極13a,13bの材質をMoとしたものを実施例3とする。
【0105】
本実施の形態では、さらに、図32(a)の端部断面図、同図(b)の径方向断面図に示すように、電極13a,13bの表面に電子放射性物質6を塗布することで、陰極降下電圧を低減させる。電子放射性物質6は、有底筒型の電極13a,13bの外表面および内表面の双方に塗布するようにする。電子放射性物質6としては例えばセシウムを用いる。ここでは、実施例2の構成において、Niを材質とする電極13a,13bの表面にセシウムを塗布したものを実施例4とする。
【0106】
図33のグラフに示すように、実施例2のNiを、仕事関数がさらに低いMoに変えた実施例3では、ランプ電圧が実施例2よりも低くなることが確認された。また、電極13a,13bの表面にセシウムを塗布した実施例4では、ランプ電圧が大幅に低減することが確認された。
【0107】
したがって、本実施の形態によれば、ガラス管内部に配置される電極13a,13bの断面形状をガラス管の断面形状に合わせることで、電極の表面積が大きくなり、陰極降下電圧が低減して、ランプ電圧を低減でき、消費電力の増大を抑制することができる。
【0108】
本実施の形態によれば、電極13a,13bの材質に仕事関数が低いNi,Mo,Nb、Ta等を用いることで、ランプ電圧をさらに低減でき、消費電力の増大を抑制することができる。
【0109】
本実施の形態によれば、電極13a,13bの表面に電子放射性物質6を塗布することで、ランプ電圧をさらに低減でき、消費電力の増大を抑制することができる。
【0110】
なお、本実施の形態においては、ガラス管の断面形状が楕円形であったので、ガラス管の内部に配置される電極の断面形状を楕円形にしたが、これに限られるものではない。例えば、図34(a)の端部断面図、同図(b)の径方向断面図に示すように、断面形状が扁平形のガラス管を用いる場合には、その内部に配置される電極33a,33bの断面形状を扁平形にする。このように、電極の断面形状をガラス管の断面形状に合わせるようにする。
【0111】
本実施の形態で説明した冷陰極蛍光ランプは、第1の実施の形態におけるエッジライト式および直下式の双方のバックライト装置に適用することができる。
【0112】
[第10の実施の形態]
本実施の形態では、少なくとも長径と短径とを用いて規定される冷陰極蛍光ランプの断面形状について、別の形態を説明する。各冷陰極蛍光ランプの基本的な構成については、上記各実施の形態で説明したものと同様であり、ガラス管の断面形状は、少なくとも長径と短径を用いて規定されるものであって、その長径は1.2〜14.0mmの範囲、短径は0.7〜10.0mmの範囲である。また、ガス封入圧力は、6.5〜16.0kPaの範囲である。その他、重複した説明は省略し、異なる点についてだけ説明する。
【0113】
図35の断面図に示すように、ガラス管22は、断面形状が扁平形を基本とした上で、表面に平面部分を備えるものとする。このような形状も、少なくとも長径と短径とを用いて規定される。
【0114】
図36(a)の正面からみた軸方向断面図、同図(b)の径方向側面図、同図(c)のガラス管の径方向断面図、同図(d)の上からみた軸方向断面図に示すように、ガラス管32の電極3a,3bが配置される部分の断面形状を真円とし、電極間に挟まれた中央部分の断面形状だけを楕円とする。一例として、ガラス管32の長さを200mm、電極間距離を190mmとする。真円部分の内径を2.4mm(外径を3.0mm)とする。楕円部分の短径を1.6mm、長径を3.0mmとする。
【0115】
図36を用いて説明した冷陰極蛍光ランプを実施例5とし、ガラス管を直管型としてその断面形状を真円とした冷陰極蛍光ランプを比較例3とする。比較例3は、ガラス管32の内径を2.4mm(外径を3.0mm)、長さを200mm、電極間距離を190mmとする。実施例5と比較例3は、ともにランプ電流を5mAとする。
【0116】
図37の表に示すように、実施例5は、比較例3に対して輝度が9.2%、全光束が9.7%向上することが確認された。
【0117】
図38(a)の軸方向側面図、同図(b)の径方向側面図、同図(c)のガラス管の断面図に示すように、1つのガラス管42に2種類以上の断面形状を含むようにする。図22では、ガラス管42の断面形状を水平方向に長径が位置する楕円形とし、この形を基本とした上で、その一部を鉛直方向に長径が位置する楕円形とした構成を示している。
【0118】
本実施の形態で説明した各例の冷陰極蛍光ランプは、いずれも第1の実施の形態におけるエッジライト式および直下式の双方のバックライト装置に適用することができる。
【0119】
[第11の実施の形態]
前述したように、ガラス管の断面形状が扁平や楕円といった長径と短径で規定される冷陰極蛍光ランプは、陽光柱が均一に拡散せず、短径方向の陽光柱が収縮する傾向にあるため、短径方向の蛍光体に照射される単位面積あたりの紫外線強度が強くなり輝度が大幅に向上する。したがって、この種の冷陰極蛍光ランプは、円周方向の輝度分布が異なることになる。
【0120】
このため、図26を用いて説明したように、複数の冷陰極蛍光ランプ1の長径方向の面を拡散板35の入射光面に対してほぼ平行に設置した場合、冷陰極蛍光ランプ1から拡散板35に直接入射する光を増加させることはできるが、板面上では輝度ムラが発生する。
【0121】
本実施の形態では、冷陰極蛍光ランプの設置角度を変えることで上記のような輝度ムラを低減した直下式のバックライト装置について説明する。なお、以下で用いる各冷陰極蛍光ランプ1の基本的な構成は、図21を用いて説明したものと同様とする。
【0122】
図39は、本実施形態における第1のバックライト装置の構成を示す断面図である。本バックライト装置は、少なくとも1本以上の冷陰極蛍光ランプを、長径方向の面が拡散板の入射光面に対して平行ではない角度となるように設置した構成である。同図では、一例として、6灯の冷陰極蛍光ランプ1について、扁平形状の長径方向の面が拡散板の入射光面に対して、中央部分から左右に3灯ずつ径方向に+45度又は−45度傾くように設置された状態を示す。
【0123】
図40は、本実施形態における第2のバックライト装置の構成を示す断面図である。本バックライト装置は、端部に配置される冷陰極蛍光ランプについては、長径方向の面が拡散板の入射光面に対して径方向に+45度又は−45度傾くように設置し、端部以外に設置される冷陰極蛍光ランプについては長径方向の面が拡散板の入射光面に対して平行となるように設置した構成である。
【0124】
図41は、本実施形態における第3のバックライト装置の構成を示す断面図である。本バックライト装置は、扁平率の異なる複数の冷陰極蛍光ランプを設置した構成である。ここでは一例として、バックライト装置の中央部から、ガラス管の断面形状が扁平率0%(真円形)、扁平率47%(長径3.0mm、短径1.6mm)、扁平率63%(長径3.2mm、短径1.2mm)の冷陰極蛍光ランプを左右対称に配置した構成を示す。
【0125】
図42は、本実施形態における第4のバックライト装置の構成を示す断面図である。本バックライト装置は、ガラス管の断面形状が異なる複数の冷陰極蛍光ランプを設置した構成である。同図では一例として、バックライト装置の端部には光の拡散特性に優れている断面形状が楕円形の冷陰極蛍光ランプを設置し、その内側に断面形状が扁平形の冷陰極蛍光ランプを設置し、中央部に最も高輝度が得られる断面が四角形状の冷陰極蛍光ランプを設置した構成である。
【0126】
図43は、本実施形態のバックライト装置による輝度分布を示す図である。同図(a),(b),(c),(d)は、それぞれ第1,第2,第3,第4のバックライト装置の輝度分布にそれぞれ対応する。
【0127】
ここでは、第1,第2,第4のバックライト装置における断面形状が扁平形の冷陰極蛍光ランプについては、その長径が3.2mm、短径が1.2mmの扁平率63%の扁平形とした。また、各冷陰極蛍光ランプについては、ガラス管の長さを200mmとし、ガラス管の両端内部部にそれぞれ電極を封着し、放電空間にはネオンとアルゴンの混合ガス及び水銀を封入した。各バックライト装置は、拡散板の板面をW190mm×H140mmの10インチとし、6灯仕様とした。また、各冷陰極蛍光ランプ間の距離は15mmとした。
【0128】
図44は、比較例のバックライト装置による輝度分布を示す図である。同図(a)は断面形状が真円形の6本の冷陰極蛍光ランプを用いたバックライト装置についての輝度分布であり、同図(b)は断面形状が扁平形の6本の冷陰極蛍光ランプを全て長径方向の面が拡散板の入射光面に対して平行となるように設置したバックライト装置についての輝度分布である。
【0129】
図43,44では、板面上で4×9ポイントの測定点をとり、最も高輝度であるポイントを100%とし、低輝度となる四隅のポイントをその相対値で示した。
【0130】
これらの図に示されるように、本実施形態のバックライト装置は、比較例のものと比べて輝度ムラが低減されることが確認された。
【0131】
[第12の実施の形態]
本実施の形態では、導電線をガラス管端部に封着する際に、ガラスビーズを用いずに直接封着するようにした冷陰極蛍光ランプについて説明する。図45(a)は、本実施形態における冷陰極蛍光ランプの構成を示す軸方向の平断面図、同図(b)はそのA−A部の径方向断面図、同図(c)は軸方向の側断面図、同図(d)はそのB−B部の径方向断面図である。
【0132】
本冷陰極蛍光ランプは、ガラス管2の端から端まで同一形状の扁平形または楕円形であり、放電空間とガラス管外形の断面形状が同形状のものである。このガラス管2の内壁面には蛍光体が塗布され、ガラス管2の両端内部には一対の冷陰極からなる電極3a,3bが配置されている。電極3a,3bはニッケルからなる平板電極であり、電極3a,3bにはそれぞれ導電線4a,4bが接続される。導電線4a,4bは、ピンチシール法によりガラス管2の端部にそれぞれ直接封着されており、電極3a,3bを固定するとともに、外部から供給されてきた電力を電極3a,3bに供給する。ガラス管2の内部には、放電媒体として、アルゴン、ネオンのうち少なくとも1種の希ガス及び水銀が封入される。
【0133】
本冷陰極蛍光ランプは、導電線4a,4bとガラス管2の端部とをピンチシール法により直接封着させた構成である。この封着構造は、図1,14,15,18,19を用いて説明したそれぞれの実施形態に適用できる。
【0134】
図46は、導電線4をガラス管2の端部に直接封着する工程を示す図である。まず、全長に渡って断面形状が扁平形または楕円形のガラス管2を用いて、ガラス管2の両端内部に電極3を挿入し、封着部分となるガラス管端部の側面をバーナー等で加熱する。次に、導電線4とガラス管端部とをピンチャー治具45a,45bを用いてピンチシール法により直接封着する。次に、封着した部分をガラス管2の中央部分と同一の断面形状となるように形成する。
【0135】
図47は、本冷陰極蛍光ランプの軸方向の輝度特性を示すグラフである。実施例は、ガラス管2の断面の短径を1.0、長径を4.3mm、ガラス管2の長さを200mm、ガラス管2の断面形状を全て扁平形とし、導電線はピンチシール法によりガラス管端部に直接封着した。比較例は、基本的な寸法は実施例と同様であるが、ガラス管2の電極が挿入される端部の断面形状を真円形、発光部分の断面形状を扁平形とした。
【0136】
同図のグラフから、実施例と比較例とでは、冷陰極蛍光ランプの中央の発光部分の輝度は変わらないが、ピンチシール法により封着することで、無効発光長が短くなり、端部の電極付近の輝度は実施例の方が高くなることが確認された。
【0137】
したがって、本実施の形態によれば、導電線4とガラス管2の端部とをピンチシール法により直接封着したことで、ガラス管2が端から端まで断面が同一形状の楕円形または扁平形の冷陰極蛍光ランプを作製することができる。これにより、冷陰極蛍光ランプを組み込んだバックライト装置において指向性を容易に引き出すことができる。
【0138】
[第13の実施の形態]
本実施の形態では、冷陰極蛍光ランプのガラス内壁面に被着された蛍光体被膜の適切な膜厚について説明する。本実施形態における冷陰極蛍光ランプは、上記各実施の形態で説明した冷陰極蛍光ランプと基本的には同様の構成であるが、その特徴は、長径方向の蛍光体被膜の膜厚を短径方向のものよりも厚く形成したことにある。
【0139】
図48(a)は、断面形状が楕円形の冷陰極蛍光ランプの断面図、図48(b)は、断面形状が扁平形の冷陰極蛍光ランプの断面図である。両者について、ガラス管2の内壁面に形成された蛍光体被膜5は、長径方向の方が短径方向よりも厚く形成されている。
【0140】
長径方向に拡散した紫外線は、蛍光体被膜5により可視光に変換されてからガラス管内に反射される。長径方向の蛍光体被膜5が厚く形成された場合には、ガラス管内に反射される割合が高くなる。その反射された可視光が、膜厚の薄い短径方向からガラス管外に放出されるので、短径方向の輝度が向上することになる。
【0141】
一例として、ガラス管2を長さ200mmとし、その断面を長径4.1mm、短径1.5mmの楕円形状とし、ガラス管2の両端内部に冷陰極からなる内部電極を配置する。ガラス管内には放電媒体としてアルゴン、ネオン、キセノン等の少なくとも一種の希ガス及び水銀を封入する。実施例では蛍光体被膜5の長径方向の厚さを短径方向よりも厚くし、比較例では蛍光体被膜5を均一の厚さとする。図49のグラフに示すように、実施例は、比較例に比べてランプ電流が6mAのときの短径方向の輝度が5%以上向上することが確認された。
【0142】
上記の蛍光体被膜は、1層に限られるものではなく、2層としてもよい。図50は蛍光体被膜を2層とした場合の冷陰極蛍光ランプの断面図であり、同図(a)は、断面形状が楕円形のもの、同図(b)は、断面形状が扁平形のものをそれぞれ示している。
【0143】
図50(a)では、ガラス管2の内壁面に直接形成された蛍光体被膜5aは、直径方向と短径方向とで膜厚がほぼ均一であるが、蛍光体被膜5aの内壁面に形成された蛍光体被膜5bは、長径方向の方が短径方向よりも厚く形成されている。図50(b)は、ガラス管2の楕円形状が扁平形となっているが、蛍光体被膜5aと5bの関係については図50(a)と同様である。このように蛍光体被膜を2層にした場合も、長径方向の蛍光体被膜を短径方向よりも厚く形成することで、短径方向における輝度の向上を図ることができる。
【0144】
また、蛍光体被膜は、1層目と2層目の双方について長径方向を短径方向よりも厚く形成するようにしてもよい。図51(a)は、この場合の断面形状が楕円形の冷陰極蛍光ランプの断面図、図51(b)は、断面形状が扁平形の冷陰極蛍光ランプの断面図である。このように、蛍光体被膜5aと5bの双方について、長径方向のものを短径方向よりも厚く形成することで、短径方向における輝度の向上を図ることができる。
【0145】
また、蛍光体被膜は、短径方向の光を放出する側のものを除いて厚く形成するようにしてもよい。図52(a)は、この場合の断面形状が楕円形の冷陰極蛍光ランプの断面図、図52(b)は、断面形状が扁平形の冷陰極蛍光ランプの断面図である。このように、短径方向の光を放出する側の蛍光体被膜を除き、他の部分の蛍光体被膜を厚く形成することで、光を放出する側の蛍光体被膜が開口部(アパーチャ)として作用し、短径方向における輝度の向上を図ることができる。
【0146】
図53は、蛍光体被膜の膜厚と反射輝度の相対値の関係を示すグラフである。同図に示すように、長径方向の蛍光体被膜は、膜密度が高く反射効果が高い小粒子蛍光体を用いた場合、膜厚が20μmで反射輝度が飽和点に達する。よって、反射光の割合を多くし、短径方向の輝度を向上させるためには長径方向の蛍光体被膜を20μm以上の膜厚とすることが望ましい。
【0147】
また、短径方向の蛍光体被膜は、膜密度が低く透過効率が高い大粒子蛍光体を用いた場合、膜厚が30μmで反射輝度が飽和点に達する。よって、透過光の割合を多くするためには、短径方向の蛍光体被膜を30μm以下の膜厚とすることが望ましい。
【0148】
したがって、本実施の形態によれば、長径方向の蛍光体被膜5を短径方向のものよりも厚く形成したことで、長径方向へ拡散した紫外線が蛍光体被膜5により可視光に変換され反射される割合が高くなり、その反射された可視光が膜厚の薄い短径方向からガラス管外へ放出されるので短径方向の輝度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0149】
【図1】同図(a)は第1実施形態における冷陰極蛍光ランプの構成を示す軸方向の平断面図であり、同図(b)はそのA−A部の径方向断面図、同図(c)は軸方向の側断面図、同図(d)はそのB−B部の径方向断面図である。
【図2】扁平率を変えたときの相対全光束を示すグラフである。
【図3】長径と短径について拡散陽光柱が発生する範囲を示すグラフである。
【図4】陽光柱の拡散状態を示す図であり、同図(a)は比較例、同図(b)は実施例の長径側、同図(c)は実施例の短径側をそれぞれ示す。
【図5】エッジ式バックライトに冷陰極蛍光ランプを適用した場合の長径と短径について拡散陽光柱が発生する範囲を示すグラフである。
【図6】直下式バックライトに冷陰極蛍光ランプを適用した場合の長径と短径について拡散陽光柱が発生する範囲を示すグラフである。
【図7】実施例の冷陰極蛍光ランプを直下式バックライト装置に組み込んだ場合の消費電力と板面輝度との関係を示すグラフである。
【図8】同図(a)は第2実施形態における冷陰極蛍光ランプの構成を示す軸方向の側断面図であり、同図(b)はそのA−A部の径方向断面図、同図(c)はそのB−B部の径方向断面図、同図(d)は軸方向の平断面図である。
【図9】同図(a)は第2実施形態における別の冷陰極蛍光ランプの構成を示す軸方向の側断面図であり、同図(b)はそのA−A部の径方向断面図、同図(c)はそのB−B部の径方向断面図、同図(d)は軸方向の平断面図である。
【図10】同図(a)は第3実施形態における冷陰極蛍光ランプの構成を示す軸方向の側断面図、同図(b)は径方向断面図である。
【図11】第3実施形態の冷陰極蛍光ランプを直下式のバックライト装置に組み込んだ場合の構成を示す断面図である。
【図12】比較例の冷陰極蛍光ランプを組み込んだバックライト装置の構成を示す断面図である。
【図13】同図(a)は第3実施形態における別の冷陰極蛍光ランプの構成を示す軸方向の側断面図、同図(b)は径方向断面図である。
【図14】同図(a)は第4実施形態における冷陰極蛍光ランプの構成を示す軸方向の平断面図、同図(b)はそのA−A部の断面図、同図(c)は軸方向の側断面図、同図(d)はそのB−B部の断面図であ
【図15】同図(a)は第5実施形態における冷陰極蛍光ランプの構成を示す軸方向の平断面図、同図(b)はそのA−A部の径方向断面図、同図(c)は軸方向の側断面図、同図(d)はそのB−B部の径方向断面図であ
【図16】同図(a)は第6実施形態における冷陰極蛍光ランプの構成を示す軸方向の平断面図であり、同図(b)はその側断面図である。
【図17】第7実施形態における第1の冷陰極蛍光ランプの構成を示す軸方向の側断面図である。
【図18】同図(a)は、第7実施形態における第2の冷陰極蛍光ランプの構成を示す軸方向の平断面図であり、同図(b)は軸方向の側面断面図である。
【図19】同図(a)は、比較例の冷陰極蛍光ランプの構成を示す軸方向の平断面図であり、同図(b)は、その軸方向の側断面図である。
【図20】同図(a)は、第7実施形態における第3の冷陰極蛍光ランプの構成を示す軸方向の側断面図であり、同図(b)はその径方向断面図である。
【図21】同図(a)は、第1の実施の形態におけるバックライト装置に用いられる冷陰極蛍光ランプの構成を示す軸方向断面図であり、同図(b)は、同図(a)のX−Xで示す部分の径方向断面図である。
【図22】第8実施形態におけるエッジライト式のバックライト装置の構成を示す組立斜視図である。
【図23】上記エッジライト式のバックライト装置の構成を示す断面図である。
【図24】別のエッジライト式のバックライト装置の構成を示す断面図である。
【図25】第8実施形態における直下式のバックライト装置の構成を示す組立斜視図である。
【図26】上記直下式のバックライト装置の構成を示す断面図である。
【図27】同図(a)は、比較例1の冷陰極蛍光ランプの構成を示す軸方向断面図であり、同図(b)は、その径方向側面図である。
【図28】実施例1と比較例1について消費電力と板面輝度との関係を示すグラフである。
【図29】同図(a)は、第9の実施の形態における冷陰極蛍光ランプの端部の構成を示す断面図であり、同図(b)は、その径方向断面図である。
【図30】同図(a)は、比較例2の冷陰極蛍光ランプの端部の構成を示す断面図であり、同図(b)は、その径方向断面図である。
【図31】実施例2と比較例1についてランプ電流とランプ電圧との関係を示すグラフである。
【図32】同図(a)は、第9の実施の形態における別の冷陰極蛍光ランプの端部の構成を示す断面図であり、同図(b)は、その径方向断面図である。
【図33】実施例2,3,4についてランプ電流とランプ電圧との関係を示すグラフである。
【図34】同図(a)は、第9の実施の形態におけるさらに別の冷陰極蛍光ランプの端部の構成を示す断面図であり、同図(b)は、その径方向断面図である。
【図35】第10実施形態における別の冷陰極蛍光ランプのガラス管の形状を示す断面図である。
【図36】同図(a)は、第3の実施の形態におけるさらに別の冷陰極蛍光ランプの構成を示す正面からみた軸方向断面図であり、同図(b)は、径方向側面図であり、同図(c)は、同図(a)のA−A部におけるガラス管の断面図であり、同図(d)は、上からみた軸方向断面図である。
【図37】実施例5と比較例3について輝度と全光束を示す表である。
【図38】同図(a)は、第3の実施の形態におけるさらに別の冷陰極蛍光ランプの構成を示す軸方向側面図であり、同図(b)は、径方向側面図であり、同図(c)は、同図(a)のB−B部におけるガラス管の断面図である。
【図39】第11実施形態における第1のバックライト装置の構成を示す断面図である。
【図40】第11実施形態における第2のバックライト装置の構成を示す断面図である。
【図41】第11実施形態における第3のバックライト装置の構成を示す断面図である。
【図42】第11実施形態における第4のバックライト装置の構成を示す断面図である。
【図43】第11実施形態の各バックライト装置についての板面輝度分布を示す図であり、同図(a),(b),(c),(d)は第1,第2,第3,第4のバックライト装置にそれぞれ対応する。
【図44】比較例のバックライト装置についての板面輝度分布を示す図である。
【図45】同図(a)は第12実施形態における冷陰極蛍光ランプの構成を示す軸方向の平断面図であり、同図(b)はそのA−A部の径方向断面図、同図(c)は軸方向の側断面図、同図(d)はそのB−B部の径方向断面図である。
【図46】導電線をガラス管端部に直接封着する工程を示す図である。
【図47】第12実施形態の冷陰極蛍光ランプの軸方向輝度特性を示すグラフである。
【図48】同図(a)は、蛍光体被膜について長径方向の方が短径方向よりも厚く形成された場合の断面形状が楕円形の冷陰極蛍光ランプの断面図であり、同図(b)は、同じ場合の断面形状が扁平形の冷陰極蛍光ランプの断面図である。
【図49】実施例と比較例についてランプ電流と輝度との関係を示すグラフである。
【図50】蛍光体被膜を2層とした場合の冷陰極蛍光ランプの断面図であり、同図(a)は、断面形状が楕円形の冷陰極蛍光ランプ、同図(b)は、断面形状が扁平形の冷陰極蛍光ランプをそれぞれ示す。
【図51】蛍光体被膜の1層目と2層目について長径方向のものを短径方向よりも厚く形成した場合の冷陰極蛍光ランプの断面図であり、同図(a)は、断面形状が楕円形の冷陰極蛍光ランプ、同図(b)は、断面形状が扁平形の冷陰極蛍光ランプをそれぞれ示す。
【図52】蛍光体被膜について短径方向の光を放出する側のものを除いて厚く形成した場合の冷陰極蛍光ランプの断面図であり、同図(a)は、断面形状が楕円形の冷陰極蛍光ランプ、同図(b)は、断面形状が扁平形の冷陰極蛍光ランプをそれぞれ示す。
【図53】蛍光体被膜の膜厚と反射輝度の相対値の関係を示すグラフである。
【図54】従来の扁平形の冷陰極蛍光ランプの構成を示す斜視図である。
【図55】従来の大型の冷陰極蛍光ランプの構成を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0150】
1…冷陰極蛍光ランプ
2,12,22,32,42…ガラス管
3a,3b…電極,4a,4b…導電線
5…蛍光体,6…電子放射性物質
11…液晶パネル,13a,13b…電極
14a,14b,36…リフレクター
15…導光板,16…集光シート
23a,23b…電極
33a,33b…電極
35…拡散板
【技術分野】
【0001】
本発明は、液晶モニタや液晶ディスプレイ等の背面照明用光源、小型照明用の光源等として用いられる冷陰極蛍光ランプに関する。
【背景技術】
【0002】
液晶モニタや液晶ディスプレイ等の液晶パネルに用いられるバックライト装置は、エッジライト式と直下式の2つのタイプに大別される。
【0003】
エッジライト式は、液晶パネルの直下に導光板を配置し、この導光板の対向する両端辺に冷陰極蛍光ランプを配置するとともに、冷陰極蛍光ランプの外側周囲をリフレクターで覆い、冷陰極蛍光ランプが発した光をリフレクターで集光して導光板へ端辺から入射させ、導光板の表面に配置した集光シートを通じて光を液晶パネルへ放射する方式である。
【0004】
直下式は、液晶パネルの直下に複数の冷陰極蛍光ランプを配置するとともに、冷陰極蛍光ランプの外側周囲をリフレクターで覆い、冷陰極蛍光ランプが発した光をリフレクターで集光し、冷陰極蛍光ランプと液晶パネルの間に輝度ムラを防ぐために配置したライトカーテン、拡散板を通じて光を液晶パネルへ放射する方式である。
【0005】
エッジライト式、直下式に関らず、冷陰極蛍光ランプは、その断面形状が真円形であるため、円周方向に均一に発光する。
【0006】
ところで、市場では、液晶表示装置の高精細化が進み、バックライト装置の大光量化が求められている。一般的に細管の冷陰極蛍光ランプを多数本並べて高輝度化を図っていたが、バックライト板面輝度の均一性を確保することが難しいという問題があった。この問題を解決するために、バックライト装置の発光板面と同じ形状の発光面をもつ扁平の断面形状を持った冷陰極蛍光ランプの開発が行われている(例えば特許文献1,2,3参照)。
【0007】
特許文献1、2に記載の冷陰極蛍光ランプは、ビューファインダーなどに用いられる小型液晶表示装置のバックライト装置用として開発されたものである。これは、図54の斜視図に示すように、冷陰極蛍光ランプ93が、液晶パネル92の表面積と同等の広さの発光面を持つものであり、モニターやTV等に用いられる大型液晶表示装置には不向きである。
【0008】
このため、大型の面光源としては、図55の斜視図に示すように、平板ガラス95a,95bを間隙を持たせて気密封着し、その間隙を放電空間とした大型の冷陰極蛍光ランプも開発されている。
【特許文献1】特開平9−245736号公報
【特許文献2】実開平5−68068号公報
【特許文献3】特開平2−7348号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、断面が扁平形状の冷陰極蛍光ランプでは、蛍光ランプ内のガス圧分布のバラツキあるいはバルブ形状のバラツキ等に起因して均一の放電を得ることが難しく、均一な板面発光の実現が難しいという問題があった。
【0010】
また、断面が扁平形の冷陰極蛍光ランプは製造が難しく、また液晶パネルと同等以上の大きさと薄型化が要求されるので、放電空間の幅が広く厚さが薄くなることから陽光柱が収縮しやすい問題が生じる。陽光柱が収縮すると、その収縮陽光柱部分の輝度が極端に高くなり、板面輝度の均一化を図るはずの面光源であるにもかかわらず、発光面に輝度ムラが顕著に現われる。
【0011】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、断面形状を少なくとも長径と短径を用いて規定した場合に輝度ムラを防止するとともに十分な輝度が得られるようにした冷陰極蛍光ランプを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
第1の本発明は、ガラス管の内壁面に蛍光体被膜を有し、ガラス管内に希ガスおよび水銀が封入され、ガラス管の両端部に一対の電極を備えた冷陰極蛍光ランプにおいて、前記ガラス管の放電空間の断面形状が少なくとも長径と短径を用いて規定され、その長径を1.2〜14.0mmの範囲、短径を0.7〜10.0mmの範囲とし、前記希ガスの封入は、60〜99.9%をネオンとし残部をアルゴンとする混合ガスを封入圧力6.5〜16kPaの範囲で封入したことを特徴とする。
【0013】
本発明にあっては、長径を1.2〜14.0mm、短径を0.7〜10.0mmの範囲にそれぞれ設定したことで、拡散陽光柱が得られる。すなわち、直円形状のガラス管に対して長径を14.0mm以下とし、短径を0.7mm以上に設定して扁平形状とすることにより、収縮陽光柱が発生することを防ぐようにしている。これにより、放電空間の断面形状は細い扁平形や楕円形に規定されるので、輝度ムラが防止され、導光板や拡散板への入射効率も向上する。なお、本冷陰極蛍光ランプは、複数本をバックライト装置に設置するものである。
また、60〜99.9%のネオンと残部をアルゴンとする混合ガスを封入圧力6.5〜16.0kPaの範囲でガラス管内に封入したことで、冷陰極蛍光ランプの発光効率が最適にするためのガス種、ガスを設定し、十分な輝度が得られるようにしている。
【0014】
第2の本発明は、エッジ式バックライトに用いられる冷陰極蛍光ランプであって、放電空間の断面形状は、長径を1.2〜3.5mmの範囲、短径を0.7〜3.2mmの範囲とし、ランプの扁平率{(長径−短径)/長径×100%}を8〜80%の範囲としたことを特徴とする。
【0015】
本発明にあっては、エッジ式バックライトに組み込まれる冷陰極蛍光ランプについて上記の設定をすることで、断面形状が真円形の冷陰極蛍光ランプに比べて発光効率を5%以上向上させるようにしている。
【0016】
第3の本発明は、直下式バックライトに用いられる冷陰極蛍光ランプであって、放電空間の断面形状は、長径を1.8〜14.0mmの範囲、短径を0.7〜10.0mmの範囲とし、ランプの扁平率{(長径−短径)/長径×100%}を15〜90%の範囲としたことを特徴とする。
【0017】
本発明にあっては、直下式バックライトに組み込まれる冷陰極蛍光ランプについて上記の設定をすることで、断面形状が真円形の冷陰極蛍光ランプに比べて発光効率を5%以上向上させるようにしている。
【0018】
第4の本発明は、上記冷陰極蛍光ランプにおいて、前記ガラス管の放電空間のうち電極を備える両端部の断面形状を略真円形としたことを特徴とする。
【0019】
本発明にあっては、ガラス管の電極を備える両端部の断面形状を略真円形としたことで、断面形状が略真円形の電極を用いることができ、長寿命化を図るようにしている。
【0020】
第5の本発明は、上記冷陰極蛍光ランプにおいて、前記ガラス管は、その放電空間の断面形状が楕円を基本としたものであって、ランプ設置側に平面部分を備えることを特徴とする。
【0021】
本発明にあっては、冷陰極蛍光ランプの設置側に平面部分を備えたことで、冷陰極蛍光ランプを容易に固定でき設置方向を統一できるようにするとともに、楕円部分による光放射面がバックライト装置の光入射面側に向くように配置することによって、光が拡散して板面輝度ムラを低減できるようにしている。
【0022】
第6の本発明は、上記冷陰極蛍光ランプにおいて、前記ガラス管の外形の断面形状を長方形としたことを特徴とする。
【0023】
本発明にあっては、ガラス管の外形の断面形状を長方形としたことで、冷陰極蛍光ランプを容易に固定でき設置方向を統一できるようにするとともに、冷陰極蛍光ランプの発光面にゆがみがないことから、板面上の輝度ムラをより低減できるようにしている。
【0024】
第7の本発明は、上記冷陰極蛍光ランプにおいて、前記ガラス管の放電空間の断面形状が扁平形であって、ガラス管の軸方向中央部の扁平率を小さく、管端になるに従い扁平率を大きくしたことを特徴とする。
【0025】
本発明にあっては、軸方向中央部の扁平率を管端よりも小さく、管端になるに従い扁平率を大きくしたことで、冷陰極蛍光ランプの配光が管端になるほど明るくなるので、エッジ式などの端部の輝度が低下しやすいバックライト装置に適用した場合に高輝度が得られる。
【0026】
第8の本発明は、前記蛍光体被膜は、長径方向の方が短径方向のものよりも厚く形成されていることを特徴とする。
【0027】
本発明にあっては、長径方向の蛍光体被膜を短径方向のものよりも厚く形成したことで、長径方向へ拡散した紫外線が蛍光体被膜により可視光に変換され反射される割合が高くなる。その反射された可視光が膜厚の薄い短径方向からガラス管外へ放出されるので短径方向の輝度が向上する。
【発明の効果】
【0028】
本発明の冷陰極蛍光ランプによれば、放電空間の断面形状が少なくとも長径と短径を用いて規定される場合の輝度ムラを防止できるとともに輝度を高めることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。
【0030】
[第1の実施の形態]
図1(a)は本実施形態における冷陰極蛍光ランプの構成を示す軸方向の平断面図であり、同図(b)は、そのA−A部の径方向断面図、同図(c)は軸方向の側断面図、同図(d)はそのB−B部の径方向断面図である。同図の冷陰極蛍光ランプ1は、ガラス管2の内壁面に蛍光体被膜が塗布され、ガラス管1の内部に希ガスおよび水銀が気密に封入され、ガラス管1の両端内部には一対の冷陰極からなる電極3a,3bを備える。電極3a,3bはニッケルからなる板状電極であり、それぞれ導電線4a,4bが接続される。導電線4a,4bはガラス管2の両端部に封着されており、電極3a,3bを固定するとともに、外部から供給されてきた電力を各電極3a,3bに供給する。
【0031】
ガラス管1の放電空間の断面形状は、少なくともガラス管の内寸法長径2lと短径2Sを用いて規定され、その長径は1.2〜14.0mmの範囲、短径は0.7〜10.0mmの範囲である。すなわち、断面形状を真円形ではなく、細い扁平形や楕円形にすることで、拡散陽光柱が得られるようにして、輝度ムラを防ぐとともに導光板や拡散板への入射効率を向上させる。ガラス管1の放電空間の断面形状は、例えば楕円形や扁平形とする。ここでは、一例として放電空間の断面形状を先端から終端まで同一形状とする。以下、長径2lは「長径」、短径2Sは「短径」と適宜略記する。
【0032】
図2は、扁平率を変えたときの相対全光束を示すグラフである。同グラフでは、一例として、放電空間の短径を3.0mmで一定にし、長径2lを変えることにより扁平率を変えた場合を示している。同図の相対全光束は、断面が真円形状(長径=短径)の全光束を100%とした。同グラフによると、長径が14.0mm(扁平率78.5%)よりも短い場合、すなわち扁平率が78%よりも低い領域では、長径を長くする(扁平率を大きくする)ほど光束は向上するが、長径が15.0mm以上に長くなると(扁平率が80%以上になると)急激に光束が低下している。これは、長径が14.0mmの範囲までは陽光柱が拡散するが、15.0mm以上になる陽光柱が収縮し、一部の蛍光体被膜しか発光しなくなるためである。
【0033】
図3は、長径と短径について拡散陽光柱が発生する範囲を示すグラフである。同図に示すように、長径について拡散陽光柱が形成される範囲、すなわち収縮陽光柱が発生しない範囲は14.0mm以下である。一方、長径を1.2mmよりも短くすることは製作上困難である。よって、長径は、1.2mm以上14.0mm以下の範囲で設定することが最適である。同図は、長径が1.2〜5.0mmの範囲では短径が0.7mm以下では陽光柱が拡散し難いことを示している。また、長径が5.0〜9.0mmの範囲では短径が1.0mm以下では陽光柱が拡散し難く、長径が9.0〜14.0mmの範囲では短径が1.5mm以下では陽光柱が拡散し難いことを示している。
【0034】
短径についてはバックライト装置の薄型化を図るため10.0mmを越えて長くすべきではなく、また0.7mmよりも短くすることは製作上困難である。よって、短径は、0.7mm以上10.0mm以下の範囲で設定することが最適である。
【0035】
また、希ガスは、60.0〜99.9%をネオンとし残部をアルゴンとする混合ガスを封入圧力6.5〜16.0kPaの範囲で封入する。これは、冷陰極蛍光ランプを効率よく点灯させるためには、封入されるガス種、ガス圧によりランプ温度を最適化する必要があるところ、発光効率が最適となる封入ガスの設定範囲を定めたものである。
【0036】
ここでは、一実施例として、長径を3.0mm(外寸法3.5mm)、短径を1.6mm(外寸法2.2mm)、扁平率47%の扁平形の冷陰極蛍光ランプを用いる。比較例の冷陰極蛍光ランプは、断面形状を直径が2.0mm(外寸法3.0mm)の真円形とする。実施例、比較例ともにガラス管2の長さを200mmとし、ガラス管内にはアルゴン:ネオン=1:9とする混合ガスおよび水銀を8kPaの封入圧力で封入する。
【0037】
図4は、陽光柱の拡散状態を示す図であり、同図(a)は比較例、同図(b)は実施例の長径側、同図(c)は実施例の短径側をそれぞれ示す。同図は、実施例のように放電空間の断面形状を扁平にしても、比較例の断面形状が真円形の場合と比べて陽光柱の状態に大きな違いはなく、拡散陽光柱となっており、発光効率が低下する収縮陽光柱とはならないことを示している。
【0038】
図5は、エッジ式バックライトに冷陰極蛍光ランプを適用した場合の長径と短径について拡散陽光柱が発生する範囲を示すグラフである。エッジ式バックライトに用いられる冷陰極蛍光ランプは、液晶表示装置の薄型化・狭額縁化が要求されるため、長径は最大で3.5mmとした。図5では、断面形状が内寸法2.0mm(外寸法2.4mm)の真円形の冷陰極蛍光ランプに比べて扁平率25〜80%の領域は発光効率が5%以上向上し、扁平率8〜46%の領域は発光効率が10%以上向上する結果が得られた。同図より、断面形状の長径を1.2〜3.5mmの範囲、短径を0.7〜3.2mmの範囲とする。エッジ式バックライトのランプの扁平率{(長径−短径)/長径×100%}は8〜80%の範囲が好ましい。
【0039】
図6は、直下式バックライトに冷陰極蛍光ランプを適用した場合の長径と短径について拡散陽光柱が発生する範囲を示すグラフである。断面形状の長径を1.8〜14.0mmの範囲、短径を0.7〜10.0mmの範囲とする。図6では、断面形状が内寸法3.0mm(外寸法4.0mm)の真円形の冷陰極蛍光ランプに比べて扁平率15〜64%の領域は発光効率が5%以上向上し、扁平率44〜90%の領域は発光効率が10%以上向上する結果が得られた。直下式バックライトの場合はエッジ式よりも扁平率が大きい領域の方が発光効率が向上するので、ランプの扁平率{(長径−短径)/長径×100%}を15〜90%の範囲とする。
【0040】
図7は、上記実施例の冷陰極蛍光ランプを直下式バックライト装置に組み込んだ場合の消費電力と板面輝度との関係を示すグラフである。バックライト装置としては、10インチのものを使用し、冷陰極蛍光ランプを6灯使用した。一例として、消費電力を6灯分で18Wとしたときの板面輝度を比較すると、実施例では比較例に比べて効率が約12%向上することが確認された。
【0041】
したがって、本実施の形態によれば、ガラス管の断面形状の長径を1.2〜14.0mm、短径を0.7〜10.0mmの範囲にそれぞれ設定したことで、放電空間の断面形状が細い扁平形や楕円形に規定され、収縮陽光柱の発生を防いで拡散陽光柱が得られるので、輝度ムラを防止できるとともに、導光板や拡散板への入射効率を向上でき、もって十分な輝度を得ることができる。
【0042】
本実施の形態によれば、60〜99.9%をネオンとし残部をアルゴンとする混合ガスを封入圧力6.5〜16.0kPaの範囲でガラス管内に封入したことで、冷陰極蛍光ランプの発光効率を最適にすることができる。
【0043】
本実施の形態によれば、エッジ式バックライトに用いられる冷陰極蛍光ランプについて、断面形状の長径を1.2〜3.5mmの範囲、短径を0.7〜3.2mmの範囲とし、ランプの扁平率を8〜80%の範囲としたことで、断面形状が真円形のものと比べて発光効率を5%以上向上させることができる。
【0044】
本実施の形態によれば、直下式バックライトに用いられる冷陰極蛍光ランプについて、断面形状の直径を1.8〜14.0mmの範囲、短径を0.7〜10.0mmの範囲とし、ランプの扁平率を15〜90%の範囲としたことで、断面形状が真円形のものと比べて発光効率を5%以上向上させることができる。
【0045】
本実施の形態によれば、ガラス管の放電空間の断面形状を先端から終端まで同一の形状としたことで、エッジ式、直下式にかかわらずバックライト装置の薄型化を図ることができる。
【0046】
[第2の実施の形態]
第1の実施の形態のように、ガラス管の放電空間の断面形状を先端から終端まで同一の楕円形や扁平形といった形状にした場合には、バックライト装置の薄型化を図れる一方、ガラス管の両端部に設置される電極の形状が平板形等となり大きさが制限されるため、消費電力が増加したり寿命が短くなるという問題が生じる。このため、長寿命であることが要求されるモニターやTVといった用途には不向きである。そこで、本実施の形態では、ガラス管の電極を備える両端部の断面形状を略真円形のまま残した構成とする。以下、具体的に説明する。
【0047】
図8(a)は本実施形態における冷陰極蛍光ランプの構成を示す軸方向の側断面図であり、同図(b)はそのA−A部の径方向断面図、同図(c)はそのB−B部の径方向断面図、同図(d)は本冷陰極蛍光ランプの平断面図である。
【0048】
図8に示すように、ガラス管2の断面形状は基本的には楕円であるが、電極3a,3bが配置される両端部においてはガラス管2の断面形状は略真円形となっている。これにより、電極3a,3bには、従来も用いていた円筒形や有底筒状のものを用いることができる。なお、同図では、A−A部の真円形とB−B部の楕円形とで中心がずれた例を示している。その他の構成については、第1実施形態のものと同様であるので、ここでは重複した説明は省略する。
【0049】
図9(a)は本実施形態における別の冷陰極蛍光ランプの構成を示す軸方向の側断面図であり、同図(b)はA−A部の径方向断面図、同図(c)はB−B部の径方向断面図、同図(d)は本冷陰極蛍光ランプの平断面図である。
【0050】
図9に示すように、本冷陰極蛍光ランプも、電極3a,3bが配置される両端部においてはガラス管2の断面形状を略真円形とし、電極3a,3bに挟まれた中央部分におけるガラス管2の断面形状を楕円としている。同図では、A−A部の真円形とB−B部の楕円形の中心を一致させた例を示している。その他の構成については、第1実施形態のものと同様であるので、ここでは重複した説明は省略する。
【0051】
図8および図9のいずれの冷陰極蛍光ランプも、その寸法は、例えばガラス管2の長さを200mm、電極間距離を190mm、真円部分の内を2.0mm(外径を3.0mm)、楕円部分の短径を1.6mm、長径を3.0mmとする。
【0052】
したがって、本実施の形態によれば、ガラス管の電極を備える両端部の断面形状を略真円形としたことで、従来用いていた断面形状が略真円形の電極を用いることができ、長寿命化を図ることができる。
【0053】
[第3の実施の形態]
図10(a)は本実施形態における冷陰極蛍光ランプの構成を示す軸方向の側断面図、同図(b)は径方向断面図である。同図に示すように、本冷陰極蛍光ランプは、断面形状を楕円を基本とし、バックライト装置に設置する際のランプ設置側に平面部分を備えた構成である。このような形状も、少なくとも長径と短径を用いて規定される。その他の構成については第1実施形態のものと同様であるので、ここでは重複した説明は省略する。
【0054】
図11は、本冷陰極蛍光ランプを直下式のバックライト装置に組み込んだ場合の構成を示す断面図である。同図に示すように、複数の本冷陰極蛍光ランプは、その平面部分がリフレクター36の底面に位置し、楕円部分による光放射面が拡散板35、すなわちバックライト装置の光入射面側に向くように配置される。
【0055】
図12は、比較例の冷陰極蛍光ランプを組み込んだバックライト装置の構成を示す断面図であり、断面形状が真円形の複数の冷陰極蛍光ランプ91が設置された状態を示す。
【0056】
本実施の形態によれば、冷陰極蛍光ランプの構成として、断面形状には楕円形を基本とし、ランプ設置側に平面部分を備えたことで、ランプを容易に固定でき設置方向を統一できるとともに、楕円部分による光放射面がバックライト装置の光入射面側に向くように配置することによって、光が拡散し板面上の輝度ムラを低減することができる。
【0057】
また、図13に示すように、ガラス管2の放電空間の断面形状を扁平形あるいは楕円形にする一方で、ガラス管2の外形の断面形状を長方形としてもよい。この場合には、ランプを容易に固定でき設置方向を統一できるとともに、冷陰極蛍光ランプの発光面にゆがみがなく、板面上の輝度ムラをより低減することができる。
【0058】
[第4の実施の形態]
図14(a)は、本実施形態における冷陰極蛍光ランプの構成を示す軸方向の平断面図、同図(b)はそのA−A部の断面図、同図(c)は本冷陰極蛍光ランプの軸方向の側断面図、同図(d)はそのB−B部の断面図である。本冷陰極蛍光ランプの構成は、ガラス管の放電空間の断面形状を軸方向に連続的に変化させた構成である。同図では、軸方向中央部の扁平率を管端よりも小さく、管端になるに従い扁平率を大きくした構成を示す。ここでは、一例として、ランプ中央部の内径を2.0mm(外径を3.0mm)の真円形、管端の短径を1.6mm、長径を3.0mmとし、中央部から管端に向かって扁平率が漸増する。なお、その他の構成については、第1実施形態のものと同様であるので、ここでは重複した説明は省略する。
【0059】
本実施の形態によれば、軸方向中央部の扁平率を小さく、管端になるに従い扁平率を大きくしたことで、冷陰極蛍光ランプの配光が管端になるほど明るくなるので、エッジ式などの端部の輝度が低下しやすいバックライト装置に適用した場合に高輝度を得ることができる。
【0060】
また、バックライト装置の配光特性に合わせて軸方向の扁平率を変えることにより、どのようなバックライト装置においても均一な板面輝度分布を得ることが可能になる。
【0061】
[第5の実施の形態]
図15(a)は本実施形態における冷陰極蛍光ランプの構成を示す軸方向の平断面図、同図(b)はそのA−A部の径方向断面図、同図(c)は本冷陰極蛍光ランプの軸方向の側断面図、同図(d)はそのB−B部の径方向断面図である。同図に示すように、本冷陰極蛍光ランプは、ガラス管2の放電空間の断面形状を長方形とした構成である。その他の構成については第1実施形態のものと同様であるので、ここでは重複した説明は省略する。
【0062】
放電空間の断面形状を長方形とした場合には、その形状は長辺と短辺で規定される(長辺は長径に対応し、短辺は短径に相当する)。ここでは、一例として、長辺を9.0mm(外寸法10.0mm)、短辺を2.0mm(外寸法3.0mm)、ガラス管2の長さを250mmとする。また、ガラス管2の内部にはアルゴン:ネオン=5:95の混合ガスと水銀を10kPaの圧力で封入する。
【0063】
このように、放電空間の断面形状を長方形とした場合も、扁平形や楕円形とした場合と同様の効果を得ることができる。
【0064】
[第6の実施の形態]
図16(a)は、本実施形態における冷陰極蛍光ランプの構成を示す軸方向の平断面図であり、同図(b)はその側断面図である。同図に示すように、本冷陰極蛍光ランプは、電極3a,3bとして、ガラス管2の両端部の外壁面に外部電極を設けた構成である。ガラス管2の放電空間の断面形状は、扁平形、楕円形、長方形など、長径と短径で規定される形状である。その他の構成については第1実施形態のものと同様であるので、ここでは重複した説明は省略する。
【0065】
本実施の形態では、ガラス管2の両端部における電極3a,3bを外部電極としたことで、誘電体バリア放電を利用する冷陰極蛍光ランプとなっている。このように外部電極とした場合でも、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0066】
[第7の実施の形態]
本実施の形態では、内部電極及び封着手法について様々な変形例を説明する。
【0067】
図17は、本実施形態における第1の冷陰極蛍光ランプの構成を示す軸方向の側断面図である。同図の冷陰極蛍光ランプは、電極3a,3bとして有底筒状(カップ状)またはスリーブ状の電極をガラス管2の両端内部に備え、各電極3a,3bに接続された導電線4a,4bが、ビーズ7a,7bによりそれぞれガラス管2の両端部に気密に封着された構成である。本冷陰極蛍光ランプは、導電線とガラス管とを従来と同様の手法で封着させた例である。この封着構造は、図1,8,9,10,13,14を用いて説明したそれぞれの実施形態に適用できる。なお、同図では、放電空間の断面形状が楕円形の状態を示している。その他の構成については、第1実施形態のものと同様であるので、ここでは重複した説明は省略する。
【0068】
第1の冷陰極蛍光ランプにおいても、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0069】
図18は、本実施形態における第2の冷陰極蛍光ランプの構成を示す軸方向の平断面図であり、同図(b)は、軸方向の側面断面図である。同図の冷陰極蛍光ランプは、放電空間の断面形状が、長径と短径で規定される例えば楕円形もしくは扁平形であり、電極3a,3bは板形電極であり、同図(a)の平面断面図でみたときのランプ軸方向に電極3a,3bの短辺を向け、ランプ径方向に長辺を向けるように配置した構成である。その他の構成については、第1の実施形態のものと同様であるので、ここでは重複した説明は省略する。
【0070】
図19(a)は、比較例の冷陰極蛍光ランプの構成を示す軸方向の平断面図であり、同図(b)は、その軸方向の側断面図である。比較例の冷陰極蛍光ランプは、その断面形状が真円形であり、板形電極3aの長辺がランプ軸方向に向き、短辺がランプ径方向に向くように配置した構成である。
【0071】
第2の冷陰極蛍光ランプによれば、第1実施形態と同様の効果を得ることができるとともに、比較例のものと比べて電極3a,3b間の距離を長くでき、同表面積の電極を用いた場合に有効発光長を長くすることができる。
【0072】
図20(a)は、本実施形態における第3の冷陰極蛍光ランプの構成を示す軸方向の側断面図であり、同図(b)はその径方向断面図である。同図の冷陰極蛍光ランプは、扁平率が大きいランプに有効な平板電極をピンチシールでガラス管2の両端部に直接封着した構成であり、電極、封着材、導電線を一体としたものある。その他の構成については、第1の実施形態のものと同様であるので、ここでは重複した説明は省略する。
【0073】
第3の冷陰極蛍光ランプにおいても、第1実施形態の効果と同様の効果を得ることができる。
【0074】
[第8の実施の形態]
図21(a)は、本実施の形態におけるバックライト装置に用いられる蛍光ランプの構成を示す軸方向断面図であり、同図(b)は、同図(a)にX−Xで示す部分の径方向断面図である。ここでは、蛍光ランプの一例として冷陰極蛍光ランプ1を用いる。同図の冷陰極蛍光ランプ1では、端から端までの断面形状が同一の扁平形となっているガラス管2の内壁面に蛍光体5が塗布され、ガラス管2の両端内部には一対の冷陰極からなる電極3a,3bが配置され、電極3a,3bにはそれぞれ導電線4a,4bが接続される。導電線4a,4bは、ガラス管2の両端部に封着されており、電極3a,3bを固定するとともに、外部電源から供給されてきた電力を電極3a,3bへ供給する。ガラス管2の内部には、放電媒体として、アルゴン、ネオン、キセノン等のうちの少なくとも1種の希ガス及び水銀が封入される。
【0075】
一例として冷陰極蛍光ランプの扁平形状の短径を1.0mm、長径を2.8mm、扁平率64%、ガラス管2の長さを161.5mmとする。
【0076】
冷陰極蛍光ランプの発光原理は、電極3a,3bに電圧を印加することにより、ガラス管2の内部に放電を発生させ、ガラス管2の内部に封入されている水銀を励起して紫外線を放出させることで、この紫外線により蛍光体5を励起して可視光を発生させるようになっている。
【0077】
本実施の形態のバックライト装置は、細長管の管軸方向に切断した断面の形状が少なくとも長径と短径を用いて規定される冷陰極蛍光ランプの短径方向で対向するランプ軸方向の面を発光面とした構成である。
【0078】
図22は、エッジライト式のバックライト装置の構成を示す組立斜視図である。液晶パネル11の直下に配置される導光板15の対向する両端辺に冷陰極蛍光ランプ1が配置されるとともに、各冷陰極蛍光ランプ1の外側周囲をリフレクター14a,14bでそれぞれ覆い、各冷陰極蛍光ランプ1が発した光をリフレクター14a,14bで集光して導光板15へ端辺から入射させ、導光板15の表面に配置した集光シート16を通じて光を液晶パネル11へ放射する。
【0079】
一例として、導光板15は、長さを163.5mm、奥行きを90mm、厚さを4mmとする。本バックライト装置は、導光板15の両端辺に1本ずつ冷陰極蛍光ランプ1を配置した2灯仕様とする。
【0080】
図23の断面図に示すように、本実施の形態のエッジライト式のバックライト装置では、冷陰極蛍光ランプ1の長径を導光板の入射光面に対して対向させて配置する。より具体的には、冷陰極蛍光ランプ1の長径方向の面を導光板15の入射光面に対して略平行に配置する。
【0081】
図24は、エッジライト式バックライト装置の別の形態を示す断面図である。同図に示すように、複数の冷陰極蛍光ランプ1を用いる場合には、それぞれの長径方向の面を導光板15の入射光面に対して略平行に配置する。
【0082】
図25は、直下式のバックライト装置の構成を示す組立斜視図である。液晶パネル11の直下に冷陰極蛍光ランプ1を配置するとともに、冷陰極蛍光ランプ1の外側周囲をリフレクター36で覆い、各冷陰極蛍光ランプ1が発した光をリフレクター36で集光し、各冷陰極蛍光ランプ1と液晶パネル11との間に輝度ムラを低減するために配置されたライトカーテン、拡散板35を通じて光を液晶パネル11へ放射する。
【0083】
図26の断面図に示すように、直下式のバックライト装置においても冷陰極蛍光ランプ1の長径を拡散板35の入射光面に対して対向させて配置する。具体的には、冷陰極蛍光ランプ1の長径方向の面を拡散板35の入射光面に対して略平行に配置する。一例として、拡散板35は、長さを163.5mm、奥行きを90mmとする。
【0084】
同図に示すように、複数の冷陰極蛍光ランプを用いた場合、ランプ間の距離を0mmとすると、各冷陰極蛍光ランプが発光する直接光を拡散させる必要がなく、そのまま面光源として使用することができる。各冷陰極蛍光ランプ間の距離は短い程よく、ランプ間の距離が50mm以上になると、発光面全体の輝度が落ちる上に輝度ムラが大きくなる。よって、各冷陰極蛍光ランプ間の距離は、0〜50mmの範囲とすることが最適である。
【0085】
また、エッジライト式、直下式の双方において、冷陰極蛍光ランプを複数使用する場合には、各冷陰極蛍光ランプが発する光の配光特性が均一となるように、各冷陰極蛍光ランプの扁平率を設定する。これにより、各冷陰極蛍光ランプは、配置位置によって扁平率が同一あるいは異なることになるが、配向特性が均一となるので発光効率をさらに高めることができる。
【0086】
次に、エッジライト式のバックライト装置について、断面形状が扁平の冷陰極蛍光ランプ1の短径方向をランプの発光方向へ向けた実施例1と、断面形状が真円の冷陰極蛍光ランプを用いた比較例1とで板面輝度効率を比較する。
【0087】
比較例1に用いる冷陰極蛍光ランプ61は、図27(a)の軸方向断面図、同図(b)の径方向側面図に示すように、ガラス管62として断面形状が真円のものを用いると共に、電極63a,63bとして断面形状が真円のものを用いることの他は、図1に示した実施例1と同様の構成とする。
【0088】
図28のグラフに示すように、実施例1の方が比較例1よりも板面輝度が向上することが確認された。例えば消費電力を5Wとした場合には、実施例1の板面輝度は、比較例1のものよりも8.5%向上した。
【0089】
これは、断面形状が真円の冷陰極蛍光ランプは、ランプ内で発生する陽光柱が円周方向において均一に拡散するのに対し、断面形状が扁平の冷陰極蛍光ランプでは、陽光柱が均一に拡散せず、短径方向の陽光柱が収縮するため、短径方向の方がランプ内壁の蛍光体に照射される単位面積あたりの紫外線強度が強くなり、輝度が大幅に向上するためである。
【0090】
したがって、本実施の形態によれば、断面形状が少なくとも長径と短径とを用いて規定される冷陰極蛍光ランプ1の短径方向で対向するランプ軸方向の面を発光面とすることで、輝度が高い短径方向の光を効率よく用いることができ、輝度を高めることができる。
【0091】
本実施の形態によれば、エッジライト式のバックライト装置において、冷陰極蛍光ランプ1の長径を導光板15の入射光面に対して対向させて配置したことで、短径方向の光を効率よく用いることができ、輝度を高めることができる。
【0092】
本実施の形態においては、直下式のバックライト装置において、冷陰極蛍光ランプ1の長径を拡散板35の入射光面に対して対向させて配置したことで、短径方向の光を効率よく用いることができ、輝度を高めることができる。
【0093】
本実施の形態によれば、直下式における各冷陰極蛍光ランプ間の距離を0〜50mmの範囲としたことで、各冷陰極蛍光ランプ1が発光する直接光を拡散させる必要がなく、拡散板を用いずに並列に配置された冷陰極蛍光ランプ1をそのまま面光源として使用することができる。
【0094】
本実施の形態によれば、各冷陰極蛍光ランプ1が発する光の配光特性が均一となるように各冷陰極蛍光ランプ1の扁平率を設定したことで、短径方向の光をさらに効率的に用いることができる。
【0095】
なお、本実施の形態においては、冷陰極蛍光ランプ1の断面形状を扁平としたが、これに限られるものではなく、断面形状が少なくとも長径と短径を用いて規定される形状であればよい。例えば、楕円形としてもよい。また、ガラス管2は、直管形のほか、中央部で折り曲げるようにしたL字管形やU字管形としてもよい。さらには、冷陰極蛍光ランプとして、ガラス管の内部に水銀を封入しないタイプのものや、電極をガラス管の外部に設けるようにした外部電極タイプのものを用いるようにしてもよい。
【0096】
また、本実施の形態のエッジライト式においては、導光板15の対向する両端辺に冷陰極蛍光ランプを配置することとしたが、これに限られるものではない。例えば、導光板の一辺にだけ冷陰極蛍光ランプを配置するようにしてもよいし、導光板15の端辺にL字形やコ字形となるように冷陰極蛍光ランプを配置するようにしてもよい。
【0097】
[第9の実施の形態]
第8の実施の形態においては、冷陰極蛍光ランプの断面形状を、例えば扁平や楕円といった少なくとも長径と短径を用いて規定される形状とした。このような断面形状の冷陰極蛍光ランプでは、例えば、断面形状が扁平であるガラス管の内部に断面形状が真円の電極が配置されたものであると、断面形状が真円のガラス管を用いた場合と比べて、ガラス管に対する電極の大きさが相対的に小さくなるため、ランプ電圧が高くなり、消費電力が大きくなる。
【0098】
本実施の形態では、扁平や楕円といった断面形状であってもランプ電圧を低減させ、消費電力の増大を抑制させ得る冷陰極蛍光ランプについて説明する。
【0099】
ランプ電圧を低減させるためには、陰極降下電圧を低減させる必要がある。陰極降下電圧を低減させる手法としては、電極の放電表面積を大きくすることや材質を変えることが考えられる。そこで、本実施の形態では、まず、電極の断面形状をガラス管の断面形状に合わせることで、電極の表面積を大きくする。
【0100】
図29(a)は、本実施の形態における冷陰極蛍光ランプの端部の構成を示す断面図であり、同図(b)は、その径方向断面図である。同図の冷陰極蛍光ランプは、断面形状が楕円形のガラス管12を用いるとともに、ガラス管12の両端内部に配置される電極13a,13bの断面形状を楕円形とした構成である。その他の構成については、図1と同様であるので、重複した説明は省略する。
【0101】
ここでは、一例として、楕円の短径を1.6mm、長径を3.0mm、ガラス管12の長さを190mとする。電極13a,13bには、断面の楕円形の短径が1.3mm、長径が2.1mmの有底筒型のものを用いる。その底部の外表面に導電線4a,4bがそれぞれ接続される。電極13a,13bの材質はNiとする。ガラス管12の内部には、ネオンとアルゴンの混合ガスおよび水銀を封入する。このような構成の冷陰極蛍光ランプを実施例2とする。
【0102】
これに対して、比較例2の冷陰極蛍光ランプは、図30(a)の端部断面図、同図(b)の径方向断面図に示すように、断面形状が楕円形のガラス管12の両端内部に、断面形状が真円形の有底筒型の電極23a,23bを配置した構成である。電極23a,23bの外径は1.3mmとする。その他の構成は、実施例2と同様である。
【0103】
図31のグラフに示すように、実施例2は、比較例2に対してランプ電圧を低減できることが確認された。
【0104】
本実施の形態では、さらに電極13a,13bの材質を変えることで、陰極降下電圧を低減させる。具体的には、ランプ電圧を低減させるために、仕事関数が低いNi,Mo,Nb、Ta等を電極13a,13bの材質として用いる。ここでは、実施例2の構成において、電極13a,13bの材質をMoとしたものを実施例3とする。
【0105】
本実施の形態では、さらに、図32(a)の端部断面図、同図(b)の径方向断面図に示すように、電極13a,13bの表面に電子放射性物質6を塗布することで、陰極降下電圧を低減させる。電子放射性物質6は、有底筒型の電極13a,13bの外表面および内表面の双方に塗布するようにする。電子放射性物質6としては例えばセシウムを用いる。ここでは、実施例2の構成において、Niを材質とする電極13a,13bの表面にセシウムを塗布したものを実施例4とする。
【0106】
図33のグラフに示すように、実施例2のNiを、仕事関数がさらに低いMoに変えた実施例3では、ランプ電圧が実施例2よりも低くなることが確認された。また、電極13a,13bの表面にセシウムを塗布した実施例4では、ランプ電圧が大幅に低減することが確認された。
【0107】
したがって、本実施の形態によれば、ガラス管内部に配置される電極13a,13bの断面形状をガラス管の断面形状に合わせることで、電極の表面積が大きくなり、陰極降下電圧が低減して、ランプ電圧を低減でき、消費電力の増大を抑制することができる。
【0108】
本実施の形態によれば、電極13a,13bの材質に仕事関数が低いNi,Mo,Nb、Ta等を用いることで、ランプ電圧をさらに低減でき、消費電力の増大を抑制することができる。
【0109】
本実施の形態によれば、電極13a,13bの表面に電子放射性物質6を塗布することで、ランプ電圧をさらに低減でき、消費電力の増大を抑制することができる。
【0110】
なお、本実施の形態においては、ガラス管の断面形状が楕円形であったので、ガラス管の内部に配置される電極の断面形状を楕円形にしたが、これに限られるものではない。例えば、図34(a)の端部断面図、同図(b)の径方向断面図に示すように、断面形状が扁平形のガラス管を用いる場合には、その内部に配置される電極33a,33bの断面形状を扁平形にする。このように、電極の断面形状をガラス管の断面形状に合わせるようにする。
【0111】
本実施の形態で説明した冷陰極蛍光ランプは、第1の実施の形態におけるエッジライト式および直下式の双方のバックライト装置に適用することができる。
【0112】
[第10の実施の形態]
本実施の形態では、少なくとも長径と短径とを用いて規定される冷陰極蛍光ランプの断面形状について、別の形態を説明する。各冷陰極蛍光ランプの基本的な構成については、上記各実施の形態で説明したものと同様であり、ガラス管の断面形状は、少なくとも長径と短径を用いて規定されるものであって、その長径は1.2〜14.0mmの範囲、短径は0.7〜10.0mmの範囲である。また、ガス封入圧力は、6.5〜16.0kPaの範囲である。その他、重複した説明は省略し、異なる点についてだけ説明する。
【0113】
図35の断面図に示すように、ガラス管22は、断面形状が扁平形を基本とした上で、表面に平面部分を備えるものとする。このような形状も、少なくとも長径と短径とを用いて規定される。
【0114】
図36(a)の正面からみた軸方向断面図、同図(b)の径方向側面図、同図(c)のガラス管の径方向断面図、同図(d)の上からみた軸方向断面図に示すように、ガラス管32の電極3a,3bが配置される部分の断面形状を真円とし、電極間に挟まれた中央部分の断面形状だけを楕円とする。一例として、ガラス管32の長さを200mm、電極間距離を190mmとする。真円部分の内径を2.4mm(外径を3.0mm)とする。楕円部分の短径を1.6mm、長径を3.0mmとする。
【0115】
図36を用いて説明した冷陰極蛍光ランプを実施例5とし、ガラス管を直管型としてその断面形状を真円とした冷陰極蛍光ランプを比較例3とする。比較例3は、ガラス管32の内径を2.4mm(外径を3.0mm)、長さを200mm、電極間距離を190mmとする。実施例5と比較例3は、ともにランプ電流を5mAとする。
【0116】
図37の表に示すように、実施例5は、比較例3に対して輝度が9.2%、全光束が9.7%向上することが確認された。
【0117】
図38(a)の軸方向側面図、同図(b)の径方向側面図、同図(c)のガラス管の断面図に示すように、1つのガラス管42に2種類以上の断面形状を含むようにする。図22では、ガラス管42の断面形状を水平方向に長径が位置する楕円形とし、この形を基本とした上で、その一部を鉛直方向に長径が位置する楕円形とした構成を示している。
【0118】
本実施の形態で説明した各例の冷陰極蛍光ランプは、いずれも第1の実施の形態におけるエッジライト式および直下式の双方のバックライト装置に適用することができる。
【0119】
[第11の実施の形態]
前述したように、ガラス管の断面形状が扁平や楕円といった長径と短径で規定される冷陰極蛍光ランプは、陽光柱が均一に拡散せず、短径方向の陽光柱が収縮する傾向にあるため、短径方向の蛍光体に照射される単位面積あたりの紫外線強度が強くなり輝度が大幅に向上する。したがって、この種の冷陰極蛍光ランプは、円周方向の輝度分布が異なることになる。
【0120】
このため、図26を用いて説明したように、複数の冷陰極蛍光ランプ1の長径方向の面を拡散板35の入射光面に対してほぼ平行に設置した場合、冷陰極蛍光ランプ1から拡散板35に直接入射する光を増加させることはできるが、板面上では輝度ムラが発生する。
【0121】
本実施の形態では、冷陰極蛍光ランプの設置角度を変えることで上記のような輝度ムラを低減した直下式のバックライト装置について説明する。なお、以下で用いる各冷陰極蛍光ランプ1の基本的な構成は、図21を用いて説明したものと同様とする。
【0122】
図39は、本実施形態における第1のバックライト装置の構成を示す断面図である。本バックライト装置は、少なくとも1本以上の冷陰極蛍光ランプを、長径方向の面が拡散板の入射光面に対して平行ではない角度となるように設置した構成である。同図では、一例として、6灯の冷陰極蛍光ランプ1について、扁平形状の長径方向の面が拡散板の入射光面に対して、中央部分から左右に3灯ずつ径方向に+45度又は−45度傾くように設置された状態を示す。
【0123】
図40は、本実施形態における第2のバックライト装置の構成を示す断面図である。本バックライト装置は、端部に配置される冷陰極蛍光ランプについては、長径方向の面が拡散板の入射光面に対して径方向に+45度又は−45度傾くように設置し、端部以外に設置される冷陰極蛍光ランプについては長径方向の面が拡散板の入射光面に対して平行となるように設置した構成である。
【0124】
図41は、本実施形態における第3のバックライト装置の構成を示す断面図である。本バックライト装置は、扁平率の異なる複数の冷陰極蛍光ランプを設置した構成である。ここでは一例として、バックライト装置の中央部から、ガラス管の断面形状が扁平率0%(真円形)、扁平率47%(長径3.0mm、短径1.6mm)、扁平率63%(長径3.2mm、短径1.2mm)の冷陰極蛍光ランプを左右対称に配置した構成を示す。
【0125】
図42は、本実施形態における第4のバックライト装置の構成を示す断面図である。本バックライト装置は、ガラス管の断面形状が異なる複数の冷陰極蛍光ランプを設置した構成である。同図では一例として、バックライト装置の端部には光の拡散特性に優れている断面形状が楕円形の冷陰極蛍光ランプを設置し、その内側に断面形状が扁平形の冷陰極蛍光ランプを設置し、中央部に最も高輝度が得られる断面が四角形状の冷陰極蛍光ランプを設置した構成である。
【0126】
図43は、本実施形態のバックライト装置による輝度分布を示す図である。同図(a),(b),(c),(d)は、それぞれ第1,第2,第3,第4のバックライト装置の輝度分布にそれぞれ対応する。
【0127】
ここでは、第1,第2,第4のバックライト装置における断面形状が扁平形の冷陰極蛍光ランプについては、その長径が3.2mm、短径が1.2mmの扁平率63%の扁平形とした。また、各冷陰極蛍光ランプについては、ガラス管の長さを200mmとし、ガラス管の両端内部部にそれぞれ電極を封着し、放電空間にはネオンとアルゴンの混合ガス及び水銀を封入した。各バックライト装置は、拡散板の板面をW190mm×H140mmの10インチとし、6灯仕様とした。また、各冷陰極蛍光ランプ間の距離は15mmとした。
【0128】
図44は、比較例のバックライト装置による輝度分布を示す図である。同図(a)は断面形状が真円形の6本の冷陰極蛍光ランプを用いたバックライト装置についての輝度分布であり、同図(b)は断面形状が扁平形の6本の冷陰極蛍光ランプを全て長径方向の面が拡散板の入射光面に対して平行となるように設置したバックライト装置についての輝度分布である。
【0129】
図43,44では、板面上で4×9ポイントの測定点をとり、最も高輝度であるポイントを100%とし、低輝度となる四隅のポイントをその相対値で示した。
【0130】
これらの図に示されるように、本実施形態のバックライト装置は、比較例のものと比べて輝度ムラが低減されることが確認された。
【0131】
[第12の実施の形態]
本実施の形態では、導電線をガラス管端部に封着する際に、ガラスビーズを用いずに直接封着するようにした冷陰極蛍光ランプについて説明する。図45(a)は、本実施形態における冷陰極蛍光ランプの構成を示す軸方向の平断面図、同図(b)はそのA−A部の径方向断面図、同図(c)は軸方向の側断面図、同図(d)はそのB−B部の径方向断面図である。
【0132】
本冷陰極蛍光ランプは、ガラス管2の端から端まで同一形状の扁平形または楕円形であり、放電空間とガラス管外形の断面形状が同形状のものである。このガラス管2の内壁面には蛍光体が塗布され、ガラス管2の両端内部には一対の冷陰極からなる電極3a,3bが配置されている。電極3a,3bはニッケルからなる平板電極であり、電極3a,3bにはそれぞれ導電線4a,4bが接続される。導電線4a,4bは、ピンチシール法によりガラス管2の端部にそれぞれ直接封着されており、電極3a,3bを固定するとともに、外部から供給されてきた電力を電極3a,3bに供給する。ガラス管2の内部には、放電媒体として、アルゴン、ネオンのうち少なくとも1種の希ガス及び水銀が封入される。
【0133】
本冷陰極蛍光ランプは、導電線4a,4bとガラス管2の端部とをピンチシール法により直接封着させた構成である。この封着構造は、図1,14,15,18,19を用いて説明したそれぞれの実施形態に適用できる。
【0134】
図46は、導電線4をガラス管2の端部に直接封着する工程を示す図である。まず、全長に渡って断面形状が扁平形または楕円形のガラス管2を用いて、ガラス管2の両端内部に電極3を挿入し、封着部分となるガラス管端部の側面をバーナー等で加熱する。次に、導電線4とガラス管端部とをピンチャー治具45a,45bを用いてピンチシール法により直接封着する。次に、封着した部分をガラス管2の中央部分と同一の断面形状となるように形成する。
【0135】
図47は、本冷陰極蛍光ランプの軸方向の輝度特性を示すグラフである。実施例は、ガラス管2の断面の短径を1.0、長径を4.3mm、ガラス管2の長さを200mm、ガラス管2の断面形状を全て扁平形とし、導電線はピンチシール法によりガラス管端部に直接封着した。比較例は、基本的な寸法は実施例と同様であるが、ガラス管2の電極が挿入される端部の断面形状を真円形、発光部分の断面形状を扁平形とした。
【0136】
同図のグラフから、実施例と比較例とでは、冷陰極蛍光ランプの中央の発光部分の輝度は変わらないが、ピンチシール法により封着することで、無効発光長が短くなり、端部の電極付近の輝度は実施例の方が高くなることが確認された。
【0137】
したがって、本実施の形態によれば、導電線4とガラス管2の端部とをピンチシール法により直接封着したことで、ガラス管2が端から端まで断面が同一形状の楕円形または扁平形の冷陰極蛍光ランプを作製することができる。これにより、冷陰極蛍光ランプを組み込んだバックライト装置において指向性を容易に引き出すことができる。
【0138】
[第13の実施の形態]
本実施の形態では、冷陰極蛍光ランプのガラス内壁面に被着された蛍光体被膜の適切な膜厚について説明する。本実施形態における冷陰極蛍光ランプは、上記各実施の形態で説明した冷陰極蛍光ランプと基本的には同様の構成であるが、その特徴は、長径方向の蛍光体被膜の膜厚を短径方向のものよりも厚く形成したことにある。
【0139】
図48(a)は、断面形状が楕円形の冷陰極蛍光ランプの断面図、図48(b)は、断面形状が扁平形の冷陰極蛍光ランプの断面図である。両者について、ガラス管2の内壁面に形成された蛍光体被膜5は、長径方向の方が短径方向よりも厚く形成されている。
【0140】
長径方向に拡散した紫外線は、蛍光体被膜5により可視光に変換されてからガラス管内に反射される。長径方向の蛍光体被膜5が厚く形成された場合には、ガラス管内に反射される割合が高くなる。その反射された可視光が、膜厚の薄い短径方向からガラス管外に放出されるので、短径方向の輝度が向上することになる。
【0141】
一例として、ガラス管2を長さ200mmとし、その断面を長径4.1mm、短径1.5mmの楕円形状とし、ガラス管2の両端内部に冷陰極からなる内部電極を配置する。ガラス管内には放電媒体としてアルゴン、ネオン、キセノン等の少なくとも一種の希ガス及び水銀を封入する。実施例では蛍光体被膜5の長径方向の厚さを短径方向よりも厚くし、比較例では蛍光体被膜5を均一の厚さとする。図49のグラフに示すように、実施例は、比較例に比べてランプ電流が6mAのときの短径方向の輝度が5%以上向上することが確認された。
【0142】
上記の蛍光体被膜は、1層に限られるものではなく、2層としてもよい。図50は蛍光体被膜を2層とした場合の冷陰極蛍光ランプの断面図であり、同図(a)は、断面形状が楕円形のもの、同図(b)は、断面形状が扁平形のものをそれぞれ示している。
【0143】
図50(a)では、ガラス管2の内壁面に直接形成された蛍光体被膜5aは、直径方向と短径方向とで膜厚がほぼ均一であるが、蛍光体被膜5aの内壁面に形成された蛍光体被膜5bは、長径方向の方が短径方向よりも厚く形成されている。図50(b)は、ガラス管2の楕円形状が扁平形となっているが、蛍光体被膜5aと5bの関係については図50(a)と同様である。このように蛍光体被膜を2層にした場合も、長径方向の蛍光体被膜を短径方向よりも厚く形成することで、短径方向における輝度の向上を図ることができる。
【0144】
また、蛍光体被膜は、1層目と2層目の双方について長径方向を短径方向よりも厚く形成するようにしてもよい。図51(a)は、この場合の断面形状が楕円形の冷陰極蛍光ランプの断面図、図51(b)は、断面形状が扁平形の冷陰極蛍光ランプの断面図である。このように、蛍光体被膜5aと5bの双方について、長径方向のものを短径方向よりも厚く形成することで、短径方向における輝度の向上を図ることができる。
【0145】
また、蛍光体被膜は、短径方向の光を放出する側のものを除いて厚く形成するようにしてもよい。図52(a)は、この場合の断面形状が楕円形の冷陰極蛍光ランプの断面図、図52(b)は、断面形状が扁平形の冷陰極蛍光ランプの断面図である。このように、短径方向の光を放出する側の蛍光体被膜を除き、他の部分の蛍光体被膜を厚く形成することで、光を放出する側の蛍光体被膜が開口部(アパーチャ)として作用し、短径方向における輝度の向上を図ることができる。
【0146】
図53は、蛍光体被膜の膜厚と反射輝度の相対値の関係を示すグラフである。同図に示すように、長径方向の蛍光体被膜は、膜密度が高く反射効果が高い小粒子蛍光体を用いた場合、膜厚が20μmで反射輝度が飽和点に達する。よって、反射光の割合を多くし、短径方向の輝度を向上させるためには長径方向の蛍光体被膜を20μm以上の膜厚とすることが望ましい。
【0147】
また、短径方向の蛍光体被膜は、膜密度が低く透過効率が高い大粒子蛍光体を用いた場合、膜厚が30μmで反射輝度が飽和点に達する。よって、透過光の割合を多くするためには、短径方向の蛍光体被膜を30μm以下の膜厚とすることが望ましい。
【0148】
したがって、本実施の形態によれば、長径方向の蛍光体被膜5を短径方向のものよりも厚く形成したことで、長径方向へ拡散した紫外線が蛍光体被膜5により可視光に変換され反射される割合が高くなり、その反射された可視光が膜厚の薄い短径方向からガラス管外へ放出されるので短径方向の輝度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0149】
【図1】同図(a)は第1実施形態における冷陰極蛍光ランプの構成を示す軸方向の平断面図であり、同図(b)はそのA−A部の径方向断面図、同図(c)は軸方向の側断面図、同図(d)はそのB−B部の径方向断面図である。
【図2】扁平率を変えたときの相対全光束を示すグラフである。
【図3】長径と短径について拡散陽光柱が発生する範囲を示すグラフである。
【図4】陽光柱の拡散状態を示す図であり、同図(a)は比較例、同図(b)は実施例の長径側、同図(c)は実施例の短径側をそれぞれ示す。
【図5】エッジ式バックライトに冷陰極蛍光ランプを適用した場合の長径と短径について拡散陽光柱が発生する範囲を示すグラフである。
【図6】直下式バックライトに冷陰極蛍光ランプを適用した場合の長径と短径について拡散陽光柱が発生する範囲を示すグラフである。
【図7】実施例の冷陰極蛍光ランプを直下式バックライト装置に組み込んだ場合の消費電力と板面輝度との関係を示すグラフである。
【図8】同図(a)は第2実施形態における冷陰極蛍光ランプの構成を示す軸方向の側断面図であり、同図(b)はそのA−A部の径方向断面図、同図(c)はそのB−B部の径方向断面図、同図(d)は軸方向の平断面図である。
【図9】同図(a)は第2実施形態における別の冷陰極蛍光ランプの構成を示す軸方向の側断面図であり、同図(b)はそのA−A部の径方向断面図、同図(c)はそのB−B部の径方向断面図、同図(d)は軸方向の平断面図である。
【図10】同図(a)は第3実施形態における冷陰極蛍光ランプの構成を示す軸方向の側断面図、同図(b)は径方向断面図である。
【図11】第3実施形態の冷陰極蛍光ランプを直下式のバックライト装置に組み込んだ場合の構成を示す断面図である。
【図12】比較例の冷陰極蛍光ランプを組み込んだバックライト装置の構成を示す断面図である。
【図13】同図(a)は第3実施形態における別の冷陰極蛍光ランプの構成を示す軸方向の側断面図、同図(b)は径方向断面図である。
【図14】同図(a)は第4実施形態における冷陰極蛍光ランプの構成を示す軸方向の平断面図、同図(b)はそのA−A部の断面図、同図(c)は軸方向の側断面図、同図(d)はそのB−B部の断面図であ
【図15】同図(a)は第5実施形態における冷陰極蛍光ランプの構成を示す軸方向の平断面図、同図(b)はそのA−A部の径方向断面図、同図(c)は軸方向の側断面図、同図(d)はそのB−B部の径方向断面図であ
【図16】同図(a)は第6実施形態における冷陰極蛍光ランプの構成を示す軸方向の平断面図であり、同図(b)はその側断面図である。
【図17】第7実施形態における第1の冷陰極蛍光ランプの構成を示す軸方向の側断面図である。
【図18】同図(a)は、第7実施形態における第2の冷陰極蛍光ランプの構成を示す軸方向の平断面図であり、同図(b)は軸方向の側面断面図である。
【図19】同図(a)は、比較例の冷陰極蛍光ランプの構成を示す軸方向の平断面図であり、同図(b)は、その軸方向の側断面図である。
【図20】同図(a)は、第7実施形態における第3の冷陰極蛍光ランプの構成を示す軸方向の側断面図であり、同図(b)はその径方向断面図である。
【図21】同図(a)は、第1の実施の形態におけるバックライト装置に用いられる冷陰極蛍光ランプの構成を示す軸方向断面図であり、同図(b)は、同図(a)のX−Xで示す部分の径方向断面図である。
【図22】第8実施形態におけるエッジライト式のバックライト装置の構成を示す組立斜視図である。
【図23】上記エッジライト式のバックライト装置の構成を示す断面図である。
【図24】別のエッジライト式のバックライト装置の構成を示す断面図である。
【図25】第8実施形態における直下式のバックライト装置の構成を示す組立斜視図である。
【図26】上記直下式のバックライト装置の構成を示す断面図である。
【図27】同図(a)は、比較例1の冷陰極蛍光ランプの構成を示す軸方向断面図であり、同図(b)は、その径方向側面図である。
【図28】実施例1と比較例1について消費電力と板面輝度との関係を示すグラフである。
【図29】同図(a)は、第9の実施の形態における冷陰極蛍光ランプの端部の構成を示す断面図であり、同図(b)は、その径方向断面図である。
【図30】同図(a)は、比較例2の冷陰極蛍光ランプの端部の構成を示す断面図であり、同図(b)は、その径方向断面図である。
【図31】実施例2と比較例1についてランプ電流とランプ電圧との関係を示すグラフである。
【図32】同図(a)は、第9の実施の形態における別の冷陰極蛍光ランプの端部の構成を示す断面図であり、同図(b)は、その径方向断面図である。
【図33】実施例2,3,4についてランプ電流とランプ電圧との関係を示すグラフである。
【図34】同図(a)は、第9の実施の形態におけるさらに別の冷陰極蛍光ランプの端部の構成を示す断面図であり、同図(b)は、その径方向断面図である。
【図35】第10実施形態における別の冷陰極蛍光ランプのガラス管の形状を示す断面図である。
【図36】同図(a)は、第3の実施の形態におけるさらに別の冷陰極蛍光ランプの構成を示す正面からみた軸方向断面図であり、同図(b)は、径方向側面図であり、同図(c)は、同図(a)のA−A部におけるガラス管の断面図であり、同図(d)は、上からみた軸方向断面図である。
【図37】実施例5と比較例3について輝度と全光束を示す表である。
【図38】同図(a)は、第3の実施の形態におけるさらに別の冷陰極蛍光ランプの構成を示す軸方向側面図であり、同図(b)は、径方向側面図であり、同図(c)は、同図(a)のB−B部におけるガラス管の断面図である。
【図39】第11実施形態における第1のバックライト装置の構成を示す断面図である。
【図40】第11実施形態における第2のバックライト装置の構成を示す断面図である。
【図41】第11実施形態における第3のバックライト装置の構成を示す断面図である。
【図42】第11実施形態における第4のバックライト装置の構成を示す断面図である。
【図43】第11実施形態の各バックライト装置についての板面輝度分布を示す図であり、同図(a),(b),(c),(d)は第1,第2,第3,第4のバックライト装置にそれぞれ対応する。
【図44】比較例のバックライト装置についての板面輝度分布を示す図である。
【図45】同図(a)は第12実施形態における冷陰極蛍光ランプの構成を示す軸方向の平断面図であり、同図(b)はそのA−A部の径方向断面図、同図(c)は軸方向の側断面図、同図(d)はそのB−B部の径方向断面図である。
【図46】導電線をガラス管端部に直接封着する工程を示す図である。
【図47】第12実施形態の冷陰極蛍光ランプの軸方向輝度特性を示すグラフである。
【図48】同図(a)は、蛍光体被膜について長径方向の方が短径方向よりも厚く形成された場合の断面形状が楕円形の冷陰極蛍光ランプの断面図であり、同図(b)は、同じ場合の断面形状が扁平形の冷陰極蛍光ランプの断面図である。
【図49】実施例と比較例についてランプ電流と輝度との関係を示すグラフである。
【図50】蛍光体被膜を2層とした場合の冷陰極蛍光ランプの断面図であり、同図(a)は、断面形状が楕円形の冷陰極蛍光ランプ、同図(b)は、断面形状が扁平形の冷陰極蛍光ランプをそれぞれ示す。
【図51】蛍光体被膜の1層目と2層目について長径方向のものを短径方向よりも厚く形成した場合の冷陰極蛍光ランプの断面図であり、同図(a)は、断面形状が楕円形の冷陰極蛍光ランプ、同図(b)は、断面形状が扁平形の冷陰極蛍光ランプをそれぞれ示す。
【図52】蛍光体被膜について短径方向の光を放出する側のものを除いて厚く形成した場合の冷陰極蛍光ランプの断面図であり、同図(a)は、断面形状が楕円形の冷陰極蛍光ランプ、同図(b)は、断面形状が扁平形の冷陰極蛍光ランプをそれぞれ示す。
【図53】蛍光体被膜の膜厚と反射輝度の相対値の関係を示すグラフである。
【図54】従来の扁平形の冷陰極蛍光ランプの構成を示す斜視図である。
【図55】従来の大型の冷陰極蛍光ランプの構成を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0150】
1…冷陰極蛍光ランプ
2,12,22,32,42…ガラス管
3a,3b…電極,4a,4b…導電線
5…蛍光体,6…電子放射性物質
11…液晶パネル,13a,13b…電極
14a,14b,36…リフレクター
15…導光板,16…集光シート
23a,23b…電極
33a,33b…電極
35…拡散板
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガラス管の内壁面に蛍光体被膜を有し、ガラス管内に希ガスおよび水銀が封入され、ガラス管の両端部に一対の電極を備えた冷陰極蛍光ランプにおいて、
前記ガラス管の放電空間の断面形状が少なくとも長径と短径を用いて規定され、その長径を1.2〜14.0mmの範囲、短径を0.7〜10.0mmの範囲とし、
前記希ガスの封入は、60.0〜99.9%をネオンとし残部をアルゴンとする混合ガスを封入圧力6.5〜16.0kPaの範囲で封入したことを特徴とする冷陰極蛍光ランプ。
【請求項2】
エッジ式バックライトに用いられ、放電空間の断面形状は、長径を1.2〜3.5mmの範囲、短径を0.7〜3.2mmの範囲とし、ランプの扁平率{(長径−短径)/長径×100%}を8〜80%の範囲としたことを特徴とする請求項1記載の冷陰極蛍光ランプ。
【請求項3】
直下式バックライトに用いられ、放電空間の断面形状は、長径を1.8〜14.0mmの範囲、短径を0.7〜10.0mmの範囲とし、ランプの扁平率{(長径−短径)/長径×100%}を15〜90%の範囲としたことを特徴とする請求項1記載の冷陰極蛍光ランプ。
【請求項4】
前記ガラス管の放電空間のうち電極を備える両端部の断面形状を略真円形としたことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の冷陰極蛍光ランプ。
【請求項5】
前記ガラス管は、その放電空間の断面形状が楕円を基本としたものであって、ランプ設置側に平面部分を備えることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の冷陰極蛍光ランプ。
【請求項6】
前記ガラス管の外形の断面形状を長方形としたことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の冷陰極蛍光ランプ。
【請求項7】
前記ガラス管の放電空間の断面形状が扁平形であって、ガラス管の軸方向中央部の扁平率を小さく、管端になるに従い扁平率を大きくしたことを特徴とする請求項1記載の冷陰極蛍光ランプ。
【請求項8】
前記蛍光体被膜は、長径方向の方が短径方向のものよりも厚く形成されていることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の冷陰極蛍光ランプ。
【請求項1】
ガラス管の内壁面に蛍光体被膜を有し、ガラス管内に希ガスおよび水銀が封入され、ガラス管の両端部に一対の電極を備えた冷陰極蛍光ランプにおいて、
前記ガラス管の放電空間の断面形状が少なくとも長径と短径を用いて規定され、その長径を1.2〜14.0mmの範囲、短径を0.7〜10.0mmの範囲とし、
前記希ガスの封入は、60.0〜99.9%をネオンとし残部をアルゴンとする混合ガスを封入圧力6.5〜16.0kPaの範囲で封入したことを特徴とする冷陰極蛍光ランプ。
【請求項2】
エッジ式バックライトに用いられ、放電空間の断面形状は、長径を1.2〜3.5mmの範囲、短径を0.7〜3.2mmの範囲とし、ランプの扁平率{(長径−短径)/長径×100%}を8〜80%の範囲としたことを特徴とする請求項1記載の冷陰極蛍光ランプ。
【請求項3】
直下式バックライトに用いられ、放電空間の断面形状は、長径を1.8〜14.0mmの範囲、短径を0.7〜10.0mmの範囲とし、ランプの扁平率{(長径−短径)/長径×100%}を15〜90%の範囲としたことを特徴とする請求項1記載の冷陰極蛍光ランプ。
【請求項4】
前記ガラス管の放電空間のうち電極を備える両端部の断面形状を略真円形としたことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の冷陰極蛍光ランプ。
【請求項5】
前記ガラス管は、その放電空間の断面形状が楕円を基本としたものであって、ランプ設置側に平面部分を備えることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の冷陰極蛍光ランプ。
【請求項6】
前記ガラス管の外形の断面形状を長方形としたことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の冷陰極蛍光ランプ。
【請求項7】
前記ガラス管の放電空間の断面形状が扁平形であって、ガラス管の軸方向中央部の扁平率を小さく、管端になるに従い扁平率を大きくしたことを特徴とする請求項1記載の冷陰極蛍光ランプ。
【請求項8】
前記蛍光体被膜は、長径方向の方が短径方向のものよりも厚く形成されていることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の冷陰極蛍光ランプ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【図37】
【図38】
【図39】
【図40】
【図41】
【図42】
【図43】
【図44】
【図45】
【図46】
【図47】
【図48】
【図49】
【図50】
【図51】
【図52】
【図53】
【図54】
【図55】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
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【図38】
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【図50】
【図51】
【図52】
【図53】
【図54】
【図55】
【公開番号】特開2006−24548(P2006−24548A)
【公開日】平成18年1月26日(2006.1.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−253(P2005−253)
【出願日】平成17年1月4日(2005.1.4)
【出願人】(000111672)ハリソン東芝ライティング株式会社 (995)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年1月26日(2006.1.26)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年1月4日(2005.1.4)
【出願人】(000111672)ハリソン東芝ライティング株式会社 (995)
【Fターム(参考)】
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