説明

処理装置および処理システム

【課題】種類の異なるシート媒体であっても最適な書き込み品質を確保することのできる処理装置および処理システムを提供することを目的とする。
【解決手段】書き込み装置10は、コロナイオン流をシート媒体100の表面に選択的に照射するライン型ヘッド20と、基準電極30と、シート媒体100の種類を判定する判定手段40とを備えている。判定手段40は、書き込み装置10に挿入されたシート媒体100の種類を判定する。ライン型ヘッド20は、判定手段40による判定の結果に基づいて、シート媒体100に目視できる情報の書き込みおよび消去を行うための所定の電界を生成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電界の作用により光学的特性が可逆的に変化するシート媒体に対する目視できる情報の書き込みまたは消去を行うための電界を生成する処理装置および処理システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の装置としては、例えば、(特許文献1)に記載されている装置が知られている。図15は(特許文献1)に記載されている従来の装置の構成を示す図である。
【0003】
図15において、消去ドラム2の外周には複数の画素電極を備えた回路基板3が配設されているとともに、消去ドラム4の外周には複数の画素電極を備えた共通電極5が配設されている。また、書き込みドラム6の外周には複数の画素電極を備えた回路基板7が配設されているとともに、書き込みドラム8の外周には複数の画素電極を備えた共通電極9が配設されている。
【0004】
このような装置では、電界の作用によって光学的特性が可逆的に変化するシート媒体1が図中矢印Aの方向に搬送されると、消去ドラム4上の共通電極5を0ボルトに設定し、消去ドラム2上の回路基板3の各画素電極に負の電圧を与えることで、共通電極から画素電極に向かって電界が形成される。このようにして電界が形成されることによりシート媒体1に書き込まれている情報を消去する。
【0005】
次に、書き込みドラム8上の共通電極9を0ボルトに設定し、書き込みドラム6上の回路基板7の各画素電極に情報に応じた正の電圧を与えることで、正の電圧が与えられた画素電極から共通電極に向かって電界が形成される。このようにして電界が形成されることによりシート媒体1に所定の情報が表示される。
【特許文献1】特開2000−127478号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記(特許文献1)に記載された装置では、特定のシート媒体に対する書き込みや消去が可能な構造となっているため、特定のシート媒体とは異なるシート媒体に関しては、書き込みや消去の品質が低下し、場合によっては書き込みや消去はできなかった。
【0007】
すなわち、上記(特許文献1)に記載された装置では、シート媒体を製造するメーカの相違によるシート媒体の相違よって書き込みや消去に必要な電界強度が異なるため、書き込みや消去の品質が低下していた。
【0008】
また、同一のメーカに関するシート媒体であっても、表示方式の異なるシート媒体については、書き込みや消去ができなかった。例えば、第1のシート媒体について書き込みや消去が可能な装置であっても、この第1のシート媒体の表示方式とは異なる表示方式の第2のシート媒体については、書き込みや消去はできなかった。
【0009】
さらに、同一の表示方式のシート媒体あるいは同一のメーカに関するシート媒体であっても、シート媒体のバージョンの相違によって書き込みや消去に必要な電界強度が異なるため、書き込みや消去の品質が低下していた。
【0010】
上述したように、上記(特許文献1)に記載された装置では、特定のシート媒体のみに対応したものであり、汎用性に欠けるという問題点があった。
【0011】
そこで、本発明は、種類の異なるシート媒体であっても最適な書き込み品質を確保することのできる処理装置および処理システムを提供することを目的とする。
【0012】
また、本発明は、種類の異なるシート媒体であっても最適な消去品質を確保することのできる処理装置および処理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
この課題を解決するために、本発明の処理装置は、電界の作用により光学的特性が可逆的に変化するシート媒体に目視できる情報の書き込みを行うための所定の電界を生成する電界生成手段を有する処理装置であって、前記シート媒体の種類を判定する判定手段を備え、前記電界生成手段は、前記判定手段によって判定されたシート媒体の種類に対応する前記所定の電界を生成する構成としたものである。
【0014】
この課題を解決するために、本発明の処理装置は、電界の作用により光学的特性が可逆的に変化するシート媒体に書き込まれている目視できる情報の消去を行うための所定の電界を生成する電界生成手段を有する処理装置であって、前記シート媒体の種類を判定する判定手段を備え、前記電界生成手段は、前記判定手段によって判定されたシート媒体の種類に対応する前記所定の電界を生成する構成としたものである。
【0015】
本発明の好ましい形態において、前記電界生成手段は、コロナイオンを照射制御することにより静電像による電界を生成する。
【0016】
本発明のさらに好ましい形態において、前記電界生成手段は、前記判定手段による判定の結果に基づいて前記シート媒体とコロナイオンを照射すべく照射基準位置との距離を制御することにより、前記判定手段による判定の結果に基づくシート媒体の種類に対応する前記所定の電界を生成する。
【0017】
本発明のさらに好ましい形態において、前記電界生成手段は、前記判定手段による判定の結果に基づいて前記シート媒体に対する電界印加時間を制御することにより、前記判定手段による判定の結果に基づくシート媒体の種類に対応する前記所定の電界を生成する。
【0018】
本発明のさらに好ましい形態において、前記電界生成手段は、前記判定手段による判定の結果に基づいて前記シート媒体に対する目視できる情報の書き込み速度を制御することにより、前記判定手段による判定の結果に基づくシート媒体の種類に対応する前記所定の電界を生成する。
【0019】
本発明のさらに好ましい形態において、前記電界生成手段は、前記判定手段による判定の結果に基づいて前記シート媒体に対する目視できる情報の消去速度を制御することにより、前記判定手段による判定の結果に基づくシート媒体の種類に対応する前記所定の電界を生成する。
【0020】
本発明のさらに好ましい形態において、前記シート媒体の光学特性を検出する検出手段を備え、前記判定手段は、前記検出手段による検出の結果に基づいて前記シート媒体の種類を判定する。
【0021】
この課題を解決するために、本発明の処理システムは、電界の作用により光学的特性が可逆的に変化するシート媒体と、請求項1〜8の何れか一項に記載の処理装置とを備えた
構成としたものである。
【0022】
この課題を解決するために、本発明の処理システムは、電界の作用により光学的特性が可逆的に変化するシート媒体と、請求項1〜7の何れか一項に記載の処理装置とを備えた処理システムであって、前記シート媒体は、自己のシート媒体の固有情報を記憶するとともに、外部との間で前記固有情報の無線通信を行う第1の通信手段を備え、前記処理装置は、前記第1の通信手段との間で前記固有情報の無線通信を行う第2の通信手段を備え、前記判定手段は、前記第2の通信手段による無線通信により取得された固有情報に基づいて前記シート媒体の種類を判定する構成としたものである。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、電界生成手段が、判定手段による判定の結果に基づいてシート媒体の種類に対応する所定の電界を生成するようにしたので、種類の異なるシート媒体であっても最適な書き込み品質または消去品質を確保することができるという有効な効果が得られる。
【0024】
また、本発明によれば、電界生成手段が、検出手段による検出の結果に基づいてシート媒体の種類を判定した判定手段による判定の結果に基づいて、シート媒体の種類に対応する所定の電界を生成するようにしたので、種類の異なるシート媒体であっても最適な書き込み品質または消去品質を確保することができるという有効な効果が得られる。
【0025】
さらに、本発明によれば、書き込み装置では、第2の通信手段が、シート媒体の第1の通信手段との通信によりシート媒体の固有情報を取得し、電界生成手段が、第2の通信手段による無線通信により取得された固有情報に基づいてシート媒体の種類を判定した判定手段による判定の結果に基づいて、シート媒体の種類に対応する所定の電界を生成するようにしたので、種類の異なるシート媒体であっても最適な書き込み品質または消去品質を確保することができるという有効な効果が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
本発明の請求項1に記載の発明は、電界の作用により光学的特性が可逆的に変化するシート媒体に目視できる情報の書き込みを行うための所定の電界を生成する電界生成手段を有する処理装置であって、シート媒体の種類を判定する判定手段を備え、電界生成手段は、判定手段によって判定されたシート媒体の種類に対応する所定の電界を生成する処理装置であり、電界生成手段が、判定手段による判定の結果に基づいてシート媒体の種類に対応する所定の電界を生成するようにしたので、種類の異なるシート媒体であっても最適な書き込み品質を確保することができるという作用を有する。
【0027】
本発明の請求項2に記載の発明は、電界の作用により光学的特性が可逆的に変化するシート媒体に書き込まれている目視できる情報の消去を行うための所定の電界を生成する電界生成手段を有する処理装置であって、シート媒体の種類を判定する判定手段を備え、電界生成手段は、判定手段によって判定されたシート媒体の種類に対応する所定の電界を生成する処理装置であり、電界生成手段が、判定手段による判定の結果に基づいてシート媒体の種類に対応する所定の電界を生成するようにしたので、種類の異なるシート媒体であっても最適な消去品質を確保することができるという作用を有する。
【0028】
本発明の請求項3に記載の発明は、請求項1または2記載の発明において、電界生成手段は、コロナイオンを照射制御することにより静電像による電界を生成する処理装置であり、種類の異なるシート媒体であっても最適な書き込み品質または消去品質を確保することができるという作用を有する。
【0029】
本発明の請求項4に記載の発明は、請求項1〜7の何れか一項に記載の発明において、電界生成手段は、判定手段による判定の結果に基づいてシート媒体とコロナイオンを照射すべく照射基準位置との距離を制御することにより、判定手段による判定の結果に基づくシート媒体の種類に対応する所定の電界を生成する処理装置であり、種類の異なるシート媒体であっても最適な書き込み品質または消去品質を確保することができるという作用を有する。
【0030】
本発明の請求項5に記載の発明は、請求項1または2記載の発明において、電界生成手段は、判定手段による判定の結果に基づいてシート媒体に対する電界印加時間を制御することにより、判定手段による判定の結果に基づくシート媒体の種類に対応する所定の電界を生成する処理装置であり、種類の異なるシート媒体であっても最適な書き込み品質または消去品質を確保することができるという作用を有する。
【0031】
本発明の請求項6に記載の発明は、請求項1記載の発明において、電界生成手段は、判定手段による判定の結果に基づいてシート媒体に対する目視できる情報の書き込み速度を制御することにより、判定手段による判定の結果に基づくシート媒体の種類に対応する所定の電界を生成する処理装置であり、種類の異なるシート媒体であっても最適な書き込み品質を確保することができるという作用を有する。
【0032】
本発明の請求項7に記載の発明は、請求項2記載の発明において、電界生成手段は、判定手段による判定の結果に基づいてシート媒体に対する目視できる情報の消去速度を制御することにより、判定手段による判定の結果に基づくシート媒体の種類に対応する所定の電界を生成する処理装置であり、種類の異なるシート媒体であっても最適な消去品質を確保することができるという作用を有する。
【0033】
本発明の請求項8に記載の発明は、請求項1〜7の何れか一項に記載の発明において、シート媒体の光学特性を検出する検出手段を備え、判定手段は、検出手段による検出の結果に基づいてシート媒体の種類を判定する処理装置であり、電界生成手段が、検出手段による検出の結果に基づいてシート媒体の種類を判定した判定手段による判定の結果に基づいて、シート媒体の種類に対応する所定の電界を生成するようにしたので、種類の異なるシート媒体であっても最適な書き込み品質または消去品質を確保することができるという作用を有する。
【0034】
本発明の請求項9に記載の発明は、電界の作用により光学的特性が可逆的に変化するシート媒体と、請求項1〜8の何れか一項に記載の処理装置とを備えた構成としたものである処理システムであり、種類の異なるシート媒体であっても最適な書き込み品質または消去品質を確保することができるという作用を有する。
【0035】
本発明の請求項10に記載の発明は、電界の作用により光学的特性が可逆的に変化するシート媒体と、請求項1〜7の何れか一項に記載の処理装置とを備えた処理システムであって、シート媒体は、自己のシート媒体の固有情報を記憶するとともに、外部との間で固有情報の無線通信を行う第1の通信手段を備え、処理装置は、第1の通信手段との間で固有情報の無線通信を行う第2の通信手段を備え、判定手段は、第2の通信手段による無線通信により取得された固有情報に基づいてシート媒体の種類を判定する処理システムであり、書き込み装置では、第2の通信手段が、シート媒体の第1の通信手段との通信によりシート媒体の固有情報を取得し、電界生成手段が、第2の通信手段による無線通信により取得された固有情報に基づいてシート媒体の種類を判定した判定手段による判定の結果に基づいて、シート媒体の種類に対応する所定の電界を生成するようにしたので、種類の異なるシート媒体であっても最適な書き込み品質または消去品質を確保することができるという作用を有する。
【0036】
以下、本発明を実施するための最良の形態を、図面を参照しつつさらに具体的に説明する。ここで、添付図面において同一の部材には同一の符号を付しており、また、重複した説明は省略されている。なお、ここでの説明は本発明が実施される最良の形態であることから、本発明は当該形態に限定されるものではない。
【0037】
(実施の形態1)
図1は本発明の実施の形態1における書き込み装置の構成を示す斜視図、図2は図1に示した書き込み装置のライン型ヘッドを示す図、図3は図1に示した書き込み装置の制御系を示す図、図4は実施の形態1における各種のシート媒体に対する1ライン当たりの時間に対するイオン照射時間を説明する図、図5は図4に示したイオン照射時間分だけ、各シート媒体にイオンを照射したときの当該各シート媒体に形成される静電像の様子を示す図、図6は実施の形態1における書き込み装置の応用例を示す図である。
【0038】
図1において、書き込み装置(処理装置)10は、電界の作用により光学的特性が可逆的に変化するシート媒体100に目視できる情報の書き込みおよび消去を行うものであり、コロナイオン流をシート媒体100の表面に選択的に照射するライン型ヘッド20と、基準電極30と、シート媒体100の種別を判定する判定手段40とを備えている。
【0039】
シート媒体100は、書き込みあるいは消去のときは、書き込み装置10に挿入されて、ライン型ヘッド20と基準電極30との間を通過(搬送)されるようになっている。
【0040】
ライン型ヘッド(電界生成手段)20は、シート媒体100に目視できる情報の書き込みを行うための所定の電界を生成するとともに、シート媒体100に書き込まれている目視できる情報の消去を行うための所定の電界を生成する。この所定の電界は、シート媒体100の種類によって異なる値となり、判定手段40による判定の結果に基づいた値となる。
【0041】
ライン型ヘッド20は、図2(a)に示すように、コロナイオンを発生するイオン源21と、コロナワイヤ22と、イオン源21から発生したコロナイオンを制御する制御電極23,24と、制御電源25と、バイアス電源26と、を備えている。
【0042】
イオン源21は、コロナワイヤ22に高電圧を印加することによりコロナイオンを発生させる。
【0043】
制御電極23と制御電極24とは所定間隔を経て配設され、これらの制御電極の中央に設けられた孔27をコロナイオン50が透過(通過)できるように構成されている。また、制御電極23と制御電極24とが所定間隔を経た状態で、上下(垂直)方向へ移動可能に配設されている。このような制御電極23,24が例えば所定間隔で複数配設されることによってライン型ヘッド20を構成する。
【0044】
制御電源25は、スイッチ25aを接点25bに切り替えることで、制御電極23に直流電源のマイナス(−)が、一方、制御電極24に直流電源のプラス(+)が設定されるようにするとともに、スイッチ25aを接点25cに切り替えることで、制御電極23に直流電源のプラス(+)が、一方、制御電極24に直流電源のマイナス(−)が設定されるようにする。
【0045】
バイアス電源26は、制御電極24にマイナス(−)のバイアス電圧を印加するものである。基準電極30は接地されており、0Vの電位に設定されている。
【0046】
次に、書き込み装置10の制御系について図3を参照して説明する。
【0047】
図3において、制御電源25は上述したようにスイッチ25aを接点25bまたは接点25cに切り替え制御するように構成されている。
【0048】
移動手段60は、制御電極23と制御電極24とが所定間隔を経た状態で、上下(垂直)方向へ移動制御する。
【0049】
搬送手段70は、書き込み装置10に挿入されたシート媒体100を図1中の矢印Aの方向に搬送するものであり、シート媒体100に対する搬送速度を可変できるように構成されている。
【0050】
制御手段80は、シート媒体100の種類情報毎に制御情報を例えばテーブル形式で記憶している記憶部81を備えており、制御電源25、移動手段60および搬送手段70を制御する。
【0051】
ところで、この実施の形態1においては、書き込み装置10が使用可能なシート媒体100の種類は、表示方式の相違、メーカの相違、およびバージョンの相違に応じた種類数がある。例えば、第1のメーカに関する第1の表示方式のシート媒体100、第1のメーカに関する第1の表示方式のシート媒体100の改良版、第1のメーカに関する第2の表示方式のシート媒体100、第2のメーカに関する第1の表示方式のシート媒体100、および第2のメーカに関する第2の表示方式のシート媒体100が存在する場合は、シート媒体100の種類は5種類ということになる。
【0052】
この場合、記憶部81に記憶されるシート媒体100の種類情報としては、第1のメーカに関する第1の表示方式を示す情報、第1のメーカに関する第1の表示方式の改良版を示す情報、第1のメーカに関する第2の表示方式を示す情報、第2のメーカに関する第1の表示方式を示す情報、および第2のメーカに関する第2の表示方式を示す情報である。
【0053】
一方、記憶部81に記憶される制御情報としては、後述するイオン照射時間情報、書き込み速度情報および消去速度情報、およびシート媒体100と制御電極との間の距離情報のうち、何れか一つの情報が設定される。勿論、これら全ての情報を設定することも可能であり、この場合は、予め指定されるモードに応じた情報のみが適用されることになる。
【0054】
また、記憶部81の記憶内容は、新たな種類のシート媒体100が提供された場合には、そのシート媒体100の種類に関する情報に基づいて更新される。つまり、そのシート媒体100の種類情報と制御情報とが対応付けされて記憶部81に登録される。このような情報の登録は、例えば、書き込み装置10と接続される書き込み情報源である端末装置(図示せず)を操作することで実現することができる。
【0055】
上述したような書き込み装置10の制御系によれば、判定手段40はシート媒体100の種類を判定し、この判定の結果を制御手段80に通知する。制御手段80は、判定手段40からの判定結果と、記憶部81の記憶内容とに基づいて、制御電源25、移動手段60、および搬送手段70のうち何れかを制御する。
【0056】
次に、書き込み装置10の基本的な書き込み動作について図2を参照して説明する。
【0057】
制御電源25が、図2(a)に示すように、スイッチ25aを接点25bに切り替えて、制御電極23がマイナス(−)、制御電極24がプラス(+)になるように設定すると、制御電極23と制御電極23との間の電界方向が、制御電極24から制御電極23の方
向になるので、コロナイオン(この場合はマイナスのコロナイオン)50が孔27を透過(通過)する。
【0058】
そして、バイアス電源26によってマイナス(−)のバイアス電圧が制御電極24に印加されているので、孔27を透過するコロナイオン50は加速されて、シート媒体100の表面に到達する。
【0059】
これに対し、制御電源25が、図2(b)に示すように、スイッチ25aを接点25cに切り替えて、制御電極23がプラス(+)、制御電極24がマイナス(−)になるように設定すると、制御電極23と制御電極23との間の電界方向が、制御電極23から制御電極24の方向になるので、コロナイオン(この場合はマイナスのコロナイオン)50は孔27を透過(通過)することができない。
【0060】
上述したような原理に基づき、シート媒体100には、情報に応じたコロナイオンによる静電像が形成されるため、この静電像と基準電極30とに図2(a)中矢印Bに示す方向の電界が作用することになり、これにより、シート媒体100に所望の情報を書き込むことができる。このような動作を、搬送手段70によってシート媒体100を図1中の矢印Aの方向に搬送することにより、1シート媒体について、所望の情報の書き込みを行うことができる。
【0061】
このようにしてシート媒体100に書き込んだ情報を消去する場合は、コロナワイヤ22に書き込み動作の場合とは逆の極性の電位を与えるとともに、制御電源25がスイッチ25aを所定の接点に切り替えることによって、コロナワイヤ22から発生するコロナイオン(この場合はプラスのコロナイオン)が、制御電極23および制御電極24の中央に設けられた孔27を通過可能な状態にする。
【0062】
これにより、書き込み時とは逆の極性のコロナイオン(この場合はプラスのコロナイオン)がシート媒体100の表面に付着するので、情報は消去される。このような動作を、搬送手段70によってシート媒体100を図1中の矢印Aの方向に搬送することにより、1シート媒体について、所望の情報の消去を行うことができる。
【0063】
次に、書き込み装置による種類の異なるシート媒体100に対しての情報の書き込みおよび消去の動作について、図4および図5を参照して説明する。
【0064】
図4は、各シート媒体100に対する1ライン当たりの時間に対するイオン照射時間(制御電極間を通過させる時間に相当)を示している。ここで、1ライン当たりの時間とは、シート媒体100の書き込み速度および書き込み解像度で決定される時間であり、イオン照射時間とはイオンを通過させる時間に相当する。
【0065】
なお、図4において、(a)はA社製のマイクロカプセルを用いた電気泳動シート(以下、「電気泳動シート」という。)に対するイオン照射時間を示し、(b)はA社製の電気泳動シートの改良版(以下、「電気泳動シート(改良版)」という。)に対するイオン照射時間を示し、(c)はB社製のツイストボール型シート(以下、「ツイストボール型シート」という。)に対するイオン照射時間を示している。
【0066】
図5は、図4に示したイオン照射時間分だけ、各シート媒体100にイオンを照射したときの当該各シート媒体100に形成される静電像の様子を示している。
【0067】
なお、図5において、(a)は電気泳動シートに形成された静電像を示し、(b)は電気泳動シート(改良版)に形成された静電像を示し、(c)はツイストボール型シートに
形成された静電像を示している。
【0068】
ここで、この実施の形態1では、シート媒体100として、電気泳動シート(A社製)、電気泳動シートの改良版(A社製)、およびツイストボール型シート(B社製)があるものとする。
【0069】
また、記憶部81には、シート媒体100の種類情報とイオン照射時間情報とが対付けされて記憶されているものとする。すなわち、記憶部81には、A社製の電気泳動方式を示す情報とイオン照射時間情報Taとが対応付けされ、また、A社製の電気泳動方式の改良版を示す情報とイオン照射時間情報Tbとが対応付けされ、さらに、B社製のツイストボール型方式を示す情報とイオン照射時間情報Tcとが対応付けされて、記憶されているものとする。
【0070】
次に、シート媒体100としての電気泳動シートに対して書き込みを行う場合の書き込み装置10の動作について説明する。
【0071】
書き込み装置10では、判定手段40が、挿入されたシート媒体(電気泳動シート)100に対する書き込み指示に基づいて、挿入されたシート媒体100の種類を判定し、この判定した結果を制御手段80に通知する。
【0072】
なお、シート媒体100の種類の判定に関しては、書き込み情報の情報源である端末(図示せず)からの設定でも良いし、また、書き込み装置10に備えられた操作パネル(図示せず)を操作することによるメニュー(図示せず)からの設定であっても良いし、さらに、各種センサを用いての自動判定であっても良い。
【0073】
制御手段80は、判定手段40からの判定結果と、記憶部81の記憶内容とに基づいて、制御電源25を制御する。
【0074】
すなわち、判定手段40からの通知内容は、シート媒体100の種類は「A社製の電気泳動方式を示す情報」という旨の判定結果であるので、制御手段80は、このシート媒体100の種類情報としての「A社製の電気泳動方式を示す情報」に対応する制御情報を記憶部81から検索して取得する。この例では、シート媒体100の種類情報としての「A社製の電気泳動方式を示す情報」に対応するイオン照射時間情報Taが取得されることになる。
【0075】
制御手段80は、記憶部81から取得した制御情報としての「イオン照射時間情報Ta」に基づいて、制御電源25に対して、1ライン当たりの時間のうち、イオン照射時間が「Ta」になるように指示する。
【0076】
すると、制御電源25は、スイッチ25aを接点25bに切り替えるとともに(図2(a)参照)、この切り替えた時点からイオン照射時間Taが経過した時点で、スイッチ25aを接点25cに切り替えることにより(図2(b)参照)、1ライン当たりの時間のうち、イオン照射時間Taだけ、コロナイオンの透過状態((図4(a)参照))になるように設定する。
【0077】
その結果、図5(a)に示すように、シート媒体100としての電気泳動シートの表面に静電像110が形成され、基準電極30の電位とシート媒体100の表面電位との間に、ΔV1の電位差が生じる。このため、シート媒体100における静電像110に対応する位置(部位)に所望の情報が書き込まれる。
【0078】
また、上記電気泳動シート(改良版)およびツイストボール型シートに対して書き込みを行う場合は、上記電気泳動シートの場合と同様に、制御手段80が、判定手段40からの判定結果よび記憶部81の記憶内容に基づいて、制御電源25を制御する。
【0079】
すなわち、電気泳動シート(改良版)に関しては、制御電源25は、制御手段80の制御に従って、シート媒体100の種類情報としての「A社製の電気泳動方式の改良版を示す情報」に対応するイオン照射時間情報Tbに基づいて、1ライン当たりの時間のうち、イオン照射時間Tbだけ、コロナイオンの透過状態((図4(b)参照))になるように設定する。
【0080】
その結果、図5(b)に示すように、シート媒体100としての電気泳動シート(改良版)の表面に静電像120が形成され、基準電極30の電位とシート媒体100の表面電位との間にΔV2の電位差が生じるので、シート媒体100における静電像120に対応する位置(部位)に所望の情報が書き込まれる。
【0081】
一方、ツイストボール型シートに関しては、制御電源25は、制御手段80の制御に従って、シート媒体100の種類情報としての「B社製のツイストボール型方式を示す情報」に対応するイオン照射時間情報Tcに基づいて、1ライン当たりの時間のうち、イオン照射時間時間Tcだけ、コロナイオンの透過状態((図4(c)参照))になるように設定する。
【0082】
その結果、図5(c)に示すように、シート媒体100としてのツイストボール型シートの表面に静電像130が形成され、基準電極30の電位とシート媒体100の表面電位との間にΔV3の電位差が生じるので、シート媒体100における静電像130に対応する位置(部位)に所望の情報が書き込まれる。
【0083】
それぞれのシート媒体100に書き込まれた情報を消去する場合は、コロナワイヤ22に書き込み動作の場合とは逆の極性の電位を加えるとともに、判定手段40による判定の結果に基づいて制御手段80によって制御される制御電源25が、コロナイオン(この例ではプラスのコロナイオン)を各シート媒体100の種類に応じたイオン照射時間だけ透過(通過)可能な状態に設定する。
【0084】
これによって、書き込み時の場合とは逆の極性(この例ではプラス)のコロナイオンがシート媒体100の表面に付着するので、シート媒体100に書き込まれた情報は消去される。勿論、このような情報の消去の動作において、搬送手段70によってシート媒体100を図1中の矢印Aの方向に搬送することで、1シート媒体分について全ての情報を消去することが可能となる。
【0085】
なお、本実施の形態1において、書き込み装置10のライン型ヘッド20は、シート媒体100とは非接触の状態で書き込みおよび消去を行う非接触方式のものを示したが、本発明はこれに限定されることなく、図6に示すような接触方式による書き込みおよび消去を行うようにしても良い。
【0086】
図6に示す書き込み装置10は、図15に示した従来の装置の構成において、判定手段40を追加した構成になっている。図6において、書き込みドラム6,7および消去ドラム2,4にシート媒体100が接触して、図6中の矢印Aの方向に搬送されるようになっている。
【0087】
このような書き込み装置10では、ライン型ヘッド20は、判定手段40による判定の結果に基づいて、書き込みドラム6上の回路基板7の各画素電極または消去ドラム2上の
回路基板3の各画素電極への電圧を印加する印加時間を制御する。これにより所望の情報の書き込みまたは消去が行われる。ただし、シート媒体100の寿命の観点からは、接触方式よりも非接触方式が望ましい。
【0088】
また、本実施の形態1において、非接触方式にて情報の書き込みを行うライン型ヘッド20として、コロナイオンを一様に発生させ、制御電極23,24を用いてイオンを選択する方式のものを示したが、本発明はこれに限定されることなく、高電圧を印加した金属電極を加熱することでイオンを選択的に発生する方式としても良い。
【0089】
さらに、本実施の形態1において、シート媒体100に書き込んだ情報を消去する場合は、コロナワイヤ22に書き込み動作の場合とは逆の極性の電位を加え、コロナイオンを通過可能な状態にして走査する方式のものを示したが、本発明はこれに限定されることなく、書き込みのためのライン型ヘッドと消去のためのライン型ヘッドとをそれぞれ備え、これらのライン型ヘッドを用いて消去または書き込みを一連の動作で行う方式としても良い。この場合、消去のためのライン型ヘッドは、単なる電極あるいはコロナイオンを発生する装置の何れの方式でも良い。
【0090】
さらに、本実施の形態1では、シート媒体100としては、マイクロカプセルを用いた電気泳動シート、ゼロックス社よりジャイリコンという名称をつけて報告されているツイストボール方式のシート、およびメモリ性を有する液晶、など各種電界駆動方式のメモリ性を有するシート媒体100を使用することができる。
【0091】
ところで、紙への印刷を削減することで環境負荷を低減するソリューションは人類にとって今後必須である。そのため、実施の形態1の書き込み装置によって、電界の作用により光学的特性が可逆的に変化するシート媒体100に情報を書き込みまたは消去することにより、シート媒体100を再利用することができるので、環境負荷を低減するという観点からは、実施の形態1の書き込み装置は、環境負荷を低減することができる極めて有用な装置であると言える。
【0092】
以上説明したように、実施の形態1によれば、シート媒体100の種類を判定する判定手段40を備えるようにしたので、種類の異なるシート媒体100を用いた場合であっても、最適な書き込み品質を確保することができる。そのため、利用者は本発明に係る書き込み装置を所有することで、安価かつ高品質のシート媒体100が次々と改良された場合であっても、そのシート媒体100に適した書き込み動作が対応可能となるので、利用者の利便性を大幅に向上させることができる。
【0093】
例えば、種類の異なるシート媒体100を用いても最適な書き込み品質を確保することができることから、シート媒体100として、マイクロカプセルを用いた電気泳動シート、ゼロックス社よりジャイリコンという名称をつけて報告されているツイストボール方式のシート、およびメモリ性を有する液晶、など各種電界駆動方式のメモリ性を有するシート媒体100を使用することができるので、利用者の利便性を大幅に向上させることができる。
【0094】
また、実施の形態1によれば、ライン型ヘッド20と各種のシート媒体100とが非接触状態で書き込みおよび消去が行われるので、シート媒体100へのダメージが無く、シート媒体100を長寿命化できるという利点もある。
【0095】
さらに、本実施の形態1によれば、電界の作用により光学的特性が可逆的に変化するシート媒体100に情報を書き込みまたは消去することで、シート媒体100を再利用することができるので、環境負荷を低減できる極めて有用な書き込み装置を提供することがで
きるという利点がある。
【0096】
さらに、本実施の形態1によれば、各種のシート媒体100に対応できる書き込み装置を提供することは、本書き込み装置(システム)がプラットフォームとなり、シート媒体100の製造会社にとっても次々と独自の改良されたシート媒体100の開発に取り組むことができることが可能となり、これによりシート媒体100の低価格化が進み、書き込み装置の普及に加速がつくことになる。この結果、日本規模あるいは世界規模で、環境負荷を大幅に低減することが可能となる。
【0097】
これに対し、上述した従来の装置の如く特定の種類のシート媒体100のみに対応した装置では、その装置の普及に加速が掛からず、結果として、環境負荷の低減を期待することはできないものとなる。
【0098】
(実施の形態2)
図7は本発明の実施の形態2における書き込み装置における画素照射時間を説明する図、図8は実施の形態2における各種のシート媒体に対する書き込みの書き込み速度を変えた場合の各種のシート媒体に形成される静電潜像の様子を示す図である。
【0099】
この実施の形態2の書き込み装置は、上記実施の形態1の書き込み装置とは、基本的な構成および機能は同じであるものの(図1〜図3参照)、シート媒体100に対する書き込みまたは消去する条件が相違している。次に、その相違している点について説明する。
【0100】
この実施の形態2においても、シート媒体100としては、実施の形態1の場合と同様に、電気泳動シート、電気泳動シート(改良版)、ツイストボール型シートの3種類を使用するものとする。
【0101】
また、記憶部81には、シート媒体100の種類情報と速度情報とが対付けされて記憶されているものとする。すなわち、記憶部81には、A社製の電気泳動方式を示す情報と速度情報v1とが対応付けされ、また、A社製の電気泳動方式の改良版を示す情報と速度情報v2とが対応付けされ、さらに、B社製のツイストボール型方式を示す情報と速度情報v3とが対応付けされて、記憶されているものとする。ここで、速度情報は、書き込み速度情報および消去速度情報である。
【0102】
次に、シート媒体100としての電気泳動シートに対して書き込みを行う場合の書き込み装置10の動作について説明する。
【0103】
書き込み装置10では、判定手段40は、挿入されたシート媒体(電気泳動シート)100に対する書き込み指示に基づいて、挿入されたシート媒体100の種類を判定し、この判定した結果を制御手段80に通知する。
【0104】
制御手段80は、判定手段40からの判定結果と、記憶部81の記憶内容とに基づいて、搬送手段70を制御する(図3参照)。
【0105】
すなわち、判定手段40からの通知内容は、シート媒体100の種類は「A社製の電気泳動方式を示す情報」という旨の判定結果であるので、制御手段80は、このシート媒体100の種類情報としての「A社製の電気泳動方式を示す情報」に対応する制御情報を記憶部81から検索して取得する。この例では、シート媒体100の種類情報としての「A社製の電気泳動方式を示す情報」に対応する速度情報v1が取得されることになる。
【0106】
制御手段80は、記憶部81から取得した制御情報としての「速度情報v1」に基づい
て、搬送手段70に対して、シート媒体100を、書き込み速度が「v1」になるように指示する。
【0107】
すると、搬送手段70が、制御手段80の制御に従ってシート媒体100を速度v1で図1中の矢印Aの方向に搬送すると同時に、ライン型ヘッド20では、図7に示す画素照射時間Tdだけ、発生したマイナスのコロナイオンが制御電極23,24の中に設けられた孔27を透過(通過)する状態(透過状態)に設定する。つまり、制御電源25が、画素照射時間Tdだけ、スイッチ25aが接点25bと接続されるように設定する。
【0108】
その結果、図8(a)に示すように、シート媒体100としての電気泳動シートの表面に静電像110が形成され、基準電極30の電位とシート媒体100の表面電位との間に、ΔV1の電位差が生じる。このため、シート媒体100における静電像110に対応する位置(部位)に所望の情報が書き込まれる。
【0109】
また、上記電気泳動シート(改良版)およびツイストボール型シートに対して書き込みを行う場合は、上記電気泳動シートの場合と同様に、制御手段80が、判定手段40からの判定結果よび記憶部81の記憶内容に基づいて、搬送手段70を制御する。
【0110】
すなわち、電気泳動シート(改良版)の場合、搬送手段70は、制御手段80の制御に従って、シート媒体100の種類情報としての「A社製の電気泳動方式の改良版を示す情報」に対応する速度情報v2に基づく書き込み速度(搬送速度)で、電気泳動シート(改良版)を搬送する。
【0111】
一方法、ツイストボール型シートの場合、搬送手段70は、制御手段80の制御に従って、シート媒体100の種類情報としての「B社製のツイストボール型方式を示す情報」に対応する速度情報v3に基づく書き込み速度(搬送速度)で、ツイストボール型シートを搬送する。
【0112】
このようにして各シート媒体100の種類に応じた書き込み速度で搬送されるシート媒体100に関して、ライン型ヘッド20では、図7に示す画素照射時間Tdだけ、発生したマイナスのコロナイオンが制御電極23,24の中に設けられた孔27を透過(通過)する状態(透過状態)に設定する。
【0113】
その結果、電気泳動シート(改良版)に関しては、図8(b)に示すように、シート媒体100としての電気泳動シート(改良版)の表面に静電像120が形成され、基準電極30の電位とシート媒体100の表面電位との間にΔV2の電位差が生じるので、シート媒体100における静電像120に対応する位置(部位)に所望の情報が書き込まれる。
【0114】
一方、ツイストボール型シートに関しては、図8(c)に示すように、シート媒体100としてのツイストボール型シートの表面に静電像130が形成され、基準電極30の電位とシート媒体100の表面電位との間にΔV3の電位差が生じるので、シート媒体100における静電像130に対応する位置(部位)に所望の情報が書き込まれる。
【0115】
上述したように画素照射時間はTdと一定であっても、それぞれのシート媒体100に対する書き込み速度が異なるため、シート媒体100における書き込みライン数は異なっている。
【0116】
すなわち、A社製のマイクロカプセルを用いた電気泳動シートの場合は1ラインに相当した情報(図8(a)参照)が、A社製の電気泳動シート改良版の場合では2ラインに相当した情報(図8(b)参照)が、B社製ツイストボール型シートの場合では4ラインに
相当した情報(図8(c)参照)が、それぞれ書き込まれている。
【0117】
次に、それぞれのシート媒体100に書き込まれた情報を消去する場合は、コロナワイヤ22に書き込み動作の場合とは逆の極性の電位を加えるとともに、判定手段40による判定の結果に基づいて制御手段80によって制御される搬送手段70が、シート媒体100を指定された消去速度(v1、v2、v3の何れか)で搬送する。
【0118】
また、ライン型ヘッド20では、制御電源25が、コロナイオン(この例ではプラスのコロナイオン)を画素照射時間Tdだけ透過(通過)可能な状態に設定する。その結果、1シート分について全ての情報を消去することが可能となる。
【0119】
以上説明したように、実施の形態2によれば、上述した実施の形態1の場合と同様の作用効果を期待することができる。
【0120】
また、実施の形態2によれば、小さな電界強度で反応するようにシート媒体100が改良された場合には、改良前のシート媒体100を使用した場合と比較して、書き込み速度を上げることができるので、利用者にとっては、シート媒体1枚あたりの書き込み時間が短縮されることとなり、より一層利便性が向上する。
【0121】
(実施の形態3)
図9は本発明の実施の形態3における書き込み装置内の制御電極とシート媒体100との距離を変えた場合の各種シート媒体に形成される静電像の様子を示す図である。
【0122】
この実施の形態3の書き込み装置は、上記実施の形態1の書き込み装置とは、基本的な構成および機能は同じであるものの(図1〜図3参照)、シート媒体100に対する書き込みまたは消去する条件が相違している。次に、その相違している点について説明する。
【0123】
この実施の形態3においても、シート媒体100としては、実施の形態1の場合と同様に、電気泳動シート、電気泳動シート(改良版)、ツイストボール型シートの3種類を使用するものとする。
【0124】
また、記憶部81には、シート媒体100の種類情報と距離情報とが対付けされて記憶されているものとする。すなわち、記憶部81には、A社製の電気泳動方式を示す情報と距離情報L1とが対応付けされ、また、A社製の電気泳動方式の改良版を示す情報と距離情報L2とが対応付けされ、さらに、B社製のツイストボール型方式を示す情報と距離情報L3とが対応付けされて、記憶されているものとする。
【0125】
ここで、距離情報は、基準電極30と制御電極24との互いに対向する2つの面の間の距離を示す情報である。
【0126】
次に、シート媒体100としての電気泳動シートに対して書き込みを行う場合の書き込み装置10の動作について説明する。
【0127】
書き込み装置10では、判定手段40が、挿入されたシート媒体(電気泳動シート)100に対する書き込み指示に基づいて、挿入されたシート媒体100の種類を判定し、この判定した結果を制御手段80に通知する。
【0128】
制御手段80は、判定手段40からの判定結果と、記憶部81の記憶内容とに基づいて、移動手段60を制御する(図3参照)。
【0129】
すなわち、判定手段40からの通知内容は、シート媒体100の種類は「A社製の電気泳動方式を示す情報」という旨の判定結果であるので、制御手段80は、このシート媒体100の種類情報としての「A社製の電気泳動方式を示す情報」に対応する制御情報を記憶部81から検索して取得する。この例では、シート媒体100の種類情報としての「A社製の電気泳動方式を示す情報」に対応する距離情報L1が取得されることになる。
【0130】
制御手段80は、記憶部81から取得した制御情報としての「距離情報L1」に基づいて、移動手段60に対して、基準電極30と制御電極24との互いに対向する2つの面の間の距離が「L1」となるように指示する。
【0131】
すると、移動手段60が、図9(a)に示すように、制御手段80の制御に従って、基準電極30と制御電極24との互いに対向する2つの面の間の距離が「L1」になるように、制御電極23および制御電極24を上下(垂直)方向に移動する。
【0132】
これと同時に、ライン型ヘッド20では、上述した実施の形態2の場合と同様に、画素照射時間Tdだけ、発生したマイナスのコロナイオンが制御電極23,24の中に設けられた孔27を透過(通過)する状態(透過状態)に設定する。
【0133】
その結果、上記実施の形態1または実施の形態2の場合と同様に、シート媒体100としての電気泳動シートの表面に静電像が形成され、基準電極30の電位とシート媒体100の表面電位との間に、所定の電位差が生じる。このため、シート媒体100における静電像に対応する位置(部位)に所望の情報が書き込まれる。
【0134】
また、上記電気泳動シート(改良版)およびツイストボール型シートに対して書き込みを行う場合は、上記電気泳動シートの場合と同様に、制御手段80が、判定手段40からの判定結果および記憶部81の記憶内容に基づいて、移動手段60を制御する。
【0135】
すなわち、電気泳動シート(改良版)の場合、移動手段60は、制御手段80の制御に従って、シート媒体100の種類情報としての「A社製の電気泳動方式の改良版を示す情報」に対応する距離情報L2に基づいて、基準電極30の表面と制御電極24における基準電極30側の表面との距離が「L2」になるように(図9(b)参照)、制御電極23および制御電極24を上下(垂直)方向に移動する。
【0136】
一方、ツイストボール型シートの場合、移動手段60は、制御手段80の制御に従って、シート媒体100の種類情報としての「B社製のツイストボール型方式を示す情報」に対応する距離情報L3に基づいて、基準電極30の表面と制御電極24における基準電極30側の表面との距離が「L2」になるように(図9(c)参照)、制御電極23および制御電極24を上下(垂直)方向に移動する。
【0137】
このような制御電極23,24の移動と同時に、ライン型ヘッド20が、上述した実施の形態2の場合と同様に、画素照射時間Tdだけ、発生したマイナスのコロナイオンが制御電極23,24の中に設けられた孔27を透過(通過)する状態(透過状態)に設定する。
【0138】
その結果、上記実施の形態1または実施の形態2の場合と同様に、シート媒体100としての電気泳動シート(改良版)の表面あるいはツイストボール型シートの表面に静電像が形成され、基準電極30の電位とシート媒体100の表面電位との間に、所定の電位差が生じる。このため、シート媒体100における静電像に対応する位置(部位)に所望の情報が書き込まれる。
【0139】
以上説明したように、実施の形態3によれば、上述した実施の形態1の場合と同様の作用効果を期待することができる。
【0140】
また、実施の形態3によれば、小さな電界強度で反応するようにシート媒体100が薄く改良された場合には、シート媒体100が軽量になりハンドリング性が良くなるだけでなく、バイアス電源26によるコロナイオンの加速が強くなるので、同じイオン照射時間であっても、制御電極23,24の中央に設けられた孔27を通過するイオンの通過量(イオン通過量)が増加することになり、このため、図9に示した速度v4、v5、v6のように、改良前のシート媒体100を使用した場合と比較して、書き込み速度を上げることができるので、利用者にとっては、シート媒体1枚あたりの書き込み時間が短縮されることとなり、より一層利便性が向上する。
【0141】
(実施の形態4)
図10は本発明の実施の形態4における書き込み装置の構成を示す斜視図、図11は図10に示した書き込み装置の制御系を示す図である。
【0142】
この実施の形態4の書き込み装置10は、図1に示した実施の形態1の書き込み装置10の構成において、検索手段200を追加した構成になっている。なお、図10において、図1に示した構成要素と同様の機能を果たす部分には同一の符号を付している。
【0143】
検出手段200は、書き込み装置10に挿入されたシート媒体100の光学特性を検出し、この検出結果を判定手段40に通知する。検出手段200は、例えばシート媒体100の反射率を検出する。
【0144】
この実施の形態4では、制御手段80内の記憶部81には、反射率を示す情報と、シート媒体100の種類情報と、制御情報とが対応して記憶されている。したがって、シート媒体100の反射率を知ることができれば、シート媒体100の種類を知ることができる。
【0145】
このように構成された書き込み装置10では、所定の種類のシート媒体100が書き込み装置10に挿入されると、検出手段200が、このシート媒体100の反射率を検出(測定)し、図11に示すように、この検出した結果を判定手段40に送出する。
【0146】
判定手段40は、検出手段200からの検出結果を、シート媒体100の種類を判定した判定結果として制御手段80に通知する。制御手段80は、判定手段40からの判定結果(反射率を示す情報)を基に、記憶部81からこの反射率を示す情報に対応する、少なくとも制御情報を取得し、この取得した制御情報に基づいて、制御電源25、移動手段60、および搬送手段70の何れかを制御する。
【0147】
これ以降の動作は上述した実施の形態1〜3の場合と同様なので、ここでは、その説明は省略する。
【0148】
なお、実施の形態4では、温度や湿度等の外部環境によりシート媒体100の特性が変化した場合であっても、シート媒体100の所定の一部領域に対して書き込みを行うとともに、その書き込みの結果の反射率を検出手段200が検出(測定)し、さらに、この検出結果を基にフィードバックをかけることにより、最適な電界を発生する静電像を生成することができる。
【0149】
以上説明したように、実施の形態4によれば、シート媒体100の種類を判定する判定手段40、およびシート媒体100の光学的特性を検出する検出手段200を備えるよう
にしたので、種類の異なるシート媒体100を用いても自動的に最適な書き込み品質を確保することができ、さらに、あらゆる環境においても書き込み品質を確保することができるので、利用者の利便性が大幅に向上する。
【0150】
(実施の形態5)
図12は本発明の実施の形態5における書き込みシステムの構成を示す斜視図、図13は図12に示した書き込みシステムにおけるシート媒体の構成を示す図、図14は図12に示した書き込みシステムの制御系を示す図である。
【0151】
図12において、書き込みシステム(処理システム)は、書き込み装置(処理装置)10と、シート媒体300とを備えている。なお、図12において、図1に示した構成要素と同様の機能を果たす部分には同一の符号を付している。
【0152】
図12に示す書き込み装置10は、図1に示した実施の形態1の書き込み装置10の構成において、無線タグ通信手段400を追加した構成になっている。
【0153】
シート媒体300は、図13に示すように、無線タグ310を備えており、この無線タグ(第1の通信手段)310は、シート媒体固有の情報を記憶しているメモリ311、信号の送受信を行う送受信回路312、メモリ311にアクセスする制御回路313、および書き込み装置10に設けられた無線タグ通信手段(第2の通信手段)400との間で信号を送受信するためのアンテナ部314を備えている。
【0154】
次に、このように構成された書き込みシステムの動作について、図13および図14を参照して説明する。
【0155】
ここで、メモリ311に記憶されるシート媒体固有の情報は、例えば図3に示した制御手段80内の記憶部81に記憶されるシート媒体の種類情報であるとする。
【0156】
さて、所定の種類のシート媒体300が書き込み装置10に挿入されると、書き込み装置10に備えられた無線タグ通信手段400は所定周波数の電磁波を送信する。
【0157】
この無線タグ通信手段400からの電磁波は、シート媒体300に備えられた無線タグ310のアンテナ部314によって受信される(図14参照)。
【0158】
無線タグ310では、送受信回路312が、図13に示すように、アンテナ部314を介して無線タグ通信手段400からの電磁波を受信すると、シート媒体が挿入された旨を制御回路313に通知する。
【0159】
すると、制御回路313は、メモリ311に記憶されているシート媒体固有の情報を読出し、この読み出した情報を書き込み装置10に向けて送信するよう送受信回路312に依頼する。
【0160】
このようにして制御回路313によって読み出されたシート媒体固有の情報は、送受信回路312およびアンテナ部314を介して、書き込み装置10の無線タグ通信手段400に送信される。
【0161】
書き込み装置10では、無線タグ通信手段400が、シート媒体300の無線タグ310からのシート媒体固有の情報を判定手段40へ送出する。この判定手段40は、受け取ったシート媒体固有の情報を、シート媒体の種類を判定した結果として制御手段80に通知する。
【0162】
制御手段80は、図14に示すように、判定手段40からの判定結果つまりシート媒体固有の情報、および記憶部81の記憶内容に基づいて、制御電源25、移動手段60、および搬送手段70の何れかを制御する。
【0163】
これ以降の動作は上述した実施の形態1〜3の場合と同様なので、ここでは、その説明は省略する。
【0164】
なお、シート媒体固有の情報を、図3に示した制御手段80内の記憶部81に記憶される制御情報とするようにしても良い。この場合、制御手段80は、記憶部81を備える必要はなく、判定手段40からの判定結果つまり制御情報に基づいて、制御電源25、移動手段60、および搬送手段70の何れかを制御すれば良い。
【0165】
このとき、制御情報として、イオン照射時間情報、速度情報、距離情報のうち、2つ以上の情報が含まれている場合は、予め指定されるモードに応じた制御情報を採用するようにする。
【0166】
上述したように、書き込み装置10では、判定手段40が、各種のシート媒体に対応した無線タグ310のメモリ311に記憶されたシート媒体固有の情報を、無線タグ通信手段400を通して取得することができるので、ライン型ヘッド20は、このシート媒体固有の情報に基づいて最適な静電像を生成することができることとなり、よって、書き込み品質を確保することができる。
【0167】
なお、実施の形態5において、無線タグ310は、無線タグ通信手段400から放射される所定周波数の電磁フィールド(交流磁場)内においては、アンテナ部314において生じる誘起電圧に基づいて動作されるようになっているのが好ましい。
【0168】
この理由としては、無線タグ310用の電池等の電源を必要としないため、実質的に無線タグ310の寿命の制限がなくなるとともに、無線タグ310自体の小型軽量化を実現することができ、さらに、電池交換作業が不要となりメンテナンスフリーを実現することができるからである。さらには、無線タグ自身は安価に提供されているので、電池等の電源を必要としない分、シート媒体もより一層安価に実現することができる。
【0169】
以上説明したように、実施の形態5によれば、書き込み装置10に備えられた無線タグ通信手段400が、シート媒体300に備えられたタグ情報としての無線タグ310との無線通信によりシート媒体固有の情報を取得し、書き込み装置10では、その取得したシート媒体固有の情報に基づいて書き込みまたは消去を行うようにしたので、種類の異なるシート媒体を用いても自動的に最適な書き込み品質を確保することができ、利用者の利便性を大幅に向上させることができる。
【産業上の利用可能性】
【0170】
本発明は、紙への印刷とは異なり繰り返し利用することができるシート媒体に対する書き込みまたは消去を実現する処理装置および処理システムであり、さらに消耗品も発生しない処理装置および処理システムであるため、環境負荷の低減に貢献できるプリンタなどの画像形成装置として有用である。
【図面の簡単な説明】
【0171】
【図1】本発明の実施の形態1における書き込み装置の構成を示す斜視図
【図2】図1に示した書き込み装置のライン型ヘッドを示す図
【図3】図1に示した書き込み装置の制御系を示す図
【図4】実施の形態1における各種のシート媒体に対する1ライン当たりの時間に対するイオン照射時間を説明する図
【図5】図4に示したイオン照射時間分だけ、各シート媒体にイオンを照射したときの当該各シート媒体に形成される静電像の様子を示す図
【図6】実施の形態1における書き込み装置の応用例を示す図
【図7】本発明の実施の形態2における書き込み装置における画素照射時間を説明する図
【図8】実施の形態2における各種のシート媒体に対する書き込みの書き込み速度を変えた場合の各種のシート媒体に形成される静電潜像の様子を示す図
【図9】本発明の実施の形態3における書き込み装置内の制御電極とシート媒体との距離を変えた場合の各種シート媒体に形成される静電像の様子を示す図
【図10】図10は本発明の実施の形態4における書き込み装置の構成を示す斜視図
【図11】図10に示した書き込み装置の制御系を示す図
【図12】本発明の実施の形態5における書き込みシステムの構成を示す斜視図
【図13】図12に示した書き込みシステムにおけるシート媒体の構成を示す図
【図14】図12に示した書き込みシステムの制御系を示す図
【図15】従来の装置の構成を示す図
【符号の説明】
【0172】
10 書き込み装置(処理装置)
20 ライン型ヘッド(電界生成手段)
21 イオン源
22 コロナワイヤ
23,24 制御電極
25 制御電源
26 バイアス電源
30 基準電極
40 判定手段
50 コロナイオン
60 移動手段
70 搬送手段
80 制御手段
81 記憶部
100,300 シート媒体
200 検出手段
310 無線タグ(第1の通信手段)
311 メモリ
312 送受信回路
313 制御回路
314 アンテナ部
400 無線タグ通信手段(第2の通信手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電界の作用により光学的特性が可逆的に変化するシート媒体に目視できる情報の書き込みを行うための所定の電界を生成する電界生成手段を有する処理装置であって、
前記シート媒体の種類を判定する判定手段を備え、
前記電界生成手段は、
前記判定手段によって判定されたシート媒体の種類に対応する前記所定の電界を生成することを特徴とする処理装置。
【請求項2】
電界の作用により光学的特性が可逆的に変化するシート媒体に書き込まれている目視できる情報の消去を行うための所定の電界を生成する電界生成手段を有する処理装置であって、
前記シート媒体の種類を判定する判定手段を備え、
前記電界生成手段は、
前記判定手段によって判定されたシート媒体の種類に対応する前記所定の電界を生成することを特徴とする処理装置。
【請求項3】
前記電界生成手段は、
コロナイオンを照射制御することにより静電像による電界を生成することを特徴とする請求項1または2記載の処理装置。
【請求項4】
前記電界生成手段は、
前記判定手段による判定の結果に基づいて前記シート媒体とコロナイオンを照射すべく照射基準位置との距離を制御することにより、前記判定手段による判定の結果に基づくシート媒体の種類に対応する前記所定の電界を生成することを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の処理装置。
【請求項5】
前記電界生成手段は、
前記判定手段による判定の結果に基づいて前記シート媒体に対する電界印加時間を制御することにより、前記判定手段による判定の結果に基づくシート媒体の種類に対応する前記所定の電界を生成することを特徴とする請求項1または2記載の処理装置。
【請求項6】
前記電界生成手段は、
前記判定手段による判定の結果に基づいて前記シート媒体に対する目視できる情報の書き込み速度を制御することにより、前記判定手段による判定の結果に基づくシート媒体の種類に対応する前記所定の電界を生成することを特徴とする請求項1記載の処理装置。
【請求項7】
前記電界生成手段は、
前記判定手段による判定の結果に基づいて前記シート媒体に対する目視できる情報の消去速度を制御することにより、前記判定手段による判定の結果に基づくシート媒体の種類に対応する前記所定の電界を生成することを特徴とする請求項2記載の処理装置。
【請求項8】
前記シート媒体の光学特性を検出する検出手段を備え、
前記判定手段は、
前記検出手段による検出の結果に基づいて前記シート媒体の種類を判定することを特徴とする請求項1〜7の何れか一項に記載の処理装置。
【請求項9】
電界の作用により光学的特性が可逆的に変化するシート媒体と、
請求項1〜8の何れか一項に記載の処理装置と、
を備えたことを特徴とする処理システム。
【請求項10】
電界の作用により光学的特性が可逆的に変化するシート媒体と、請求項1〜7の何れか一項に記載の処理装置とを備えた処理システムであって、
前記シート媒体は、
自己のシート媒体の固有情報を記憶するとともに、外部との間で前記固有情報の無線通信を行う第1の通信手段を備え、
前記処理装置は、
前記第1の通信手段との間で前記固有情報の無線通信を行う第2の通信手段を備え、
前記判定手段は、
前記第2の通信手段による無線通信により取得された固有情報に基づいて、前記シート媒体の種類を判定する
ことを特徴とする処理システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2006−35478(P2006−35478A)
【公開日】平成18年2月9日(2006.2.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−215260(P2004−215260)
【出願日】平成16年7月23日(2004.7.23)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】